(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092699
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】管接合施工管理装置、管接合施工管理方法及び管接合施工管理用プログラム
(51)【国際特許分類】
B29C 65/34 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
B29C65/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208813
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】山下 彰
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 あゆみ
(72)【発明者】
【氏名】井戸本 靖史
(72)【発明者】
【氏名】辻 研吾
(72)【発明者】
【氏名】石田 洋輔
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AD03
4F211AD12
4F211AG08
4F211AP10
4F211AQ01
4F211AR11
4F211TA01
4F211TC11
4F211TD07
4F211TN08
4F211TW15
(57)【要約】
【課題】電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理において、融着時間及び冷却時間を容易に且つより確実に管理可能な管接合施工管理装置を実現する。
【解決手段】管接合施工管理装置1は、前記接合作業を行う融着機Wと通信可能な通信部11と、前記管同士の接合部分を撮影する撮像部12と、通信部11を介して、融着機Wから、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得部13と、撮像部12から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得部14と、通電終了時刻情報取得部13によって取得された前記通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報取得部14によって取得された前記冷却終了時刻情報を記憶する記憶部15と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置であって、
前記接合作業を行う融着機と通信可能な通信部と、
前記管同士の接合部分を撮影する撮像部と、
前記通信部を介して、前記融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得部と、
前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得部と、
前記通電終了時刻情報取得部によって取得された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報取得部によって取得された前記冷却終了時刻情報を記憶する記憶部と、
を有する、
管接合施工管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管接合施工管理装置において、
前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定部をさらに有し、
前記冷却終了時刻情報取得部は、前記経過時間判定部によって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に対して前記接合部分の撮影を許可する撮影許可信号を出力する、
管接合施工管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の管接合施工管理装置において、
前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出部をさらに有し、
前記記憶部は、前記冷却時間に関する情報を記憶する、
管接合施工管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の管接合施工管理装置において、
前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部と、
前記撮影画像表示部に、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う表示制御部と、
をさらに有する、
管接合施工管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の管接合施工管理装置において、
前記管同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する総合判定部と、
前記総合判定部による総合判定結果を表示する判定結果表示部と、
をさらに有する、
管接合施工管理装置。
【請求項6】
電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置によって実現される管接合施工管理方法であって、
前記接合作業を行う融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得ステップと、
前記管同士の接合部分を撮像部によって撮影する接合部分撮影ステップと、
前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得ステップと、
前記通電終了時刻情報取得ステップで取得された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報取得ステップで取得された前記冷却終了時刻情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
を有する、
管接合施工管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の管接合施工管理方法において、
前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定ステップをさらに有し、
前記接合部分撮影ステップでは、前記経過時間判定ステップによって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に前記接合部分の撮影を許可する許可信号が入力される、
管接合施工管理方法。
【請求項8】
請求項6に記載の管接合施工管理方法において、
前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出ステップをさらに有し、
前記記憶ステップでは、前記冷却時間に関する情報を記憶する、
管接合施工管理方法。
【請求項9】
請求項6に記載の管接合施工管理方法において、
前記接合部分撮影ステップでは、前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部が、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う、
管接合施工管理方法。
【請求項10】
請求項6に記載の管接合施工管理方法において、
前記管同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する総合判定ステップと、
判定結果表示部に、前記総合判定ステップにおける総合判定結果を表示する判定結果表示ステップと、
をさらに有する、
管接合施工管理方法。
【請求項11】
電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行うための管接合施工管理用プログラムであって、
コンピュータに、
前記接合作業を行う融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得させ、
前記管同士の接合部分を撮像部によって撮影させ、
前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得させ、
前記取得させた前記通電終了時刻情報及び前記取得させた前記冷却終了時刻情報を記憶部に記憶させる、
管接合施工管理用プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の管接合施工管理用プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定させ、
前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に前記接合部分の撮影を許可する許可信号を入力させる、
管接合施工管理用プログラム。
【請求項13】
請求項11に記載の管接合施工管理用プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出させ、
前記記憶部に前記冷却時間に関する情報を記憶させる、
管接合施工管理用プログラム。
【請求項14】
請求項11に記載の管接合施工管理用プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部に、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行わせる、
管接合施工管理用プログラム。
【請求項15】
請求項11に記載の管接合施工管理用プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記管同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定させ、
判定結果表示部に前記総合判定の結果を表示させる、
管接合施工管理用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置、管接合施工管理方法及び管接合施工管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う装置が知られている。このような装置として、例えば特許文献1には、施工データを、施工毎に融着制御装置に一体的に設けた記憶手段に記録するとともに、該記憶手段に記録した前記施工データを、他の施工データ及び各工事の配管図と共に一括して他の記憶手段に記憶させることにより、電気融着式継手の施工データを集中的に管理する電気融着式継手の施工管理システムが開示されている。
【0003】
前記施工管理システムでは、前記施工データは、電気融着式継手を使用する工事に関する情報と、使用する電気融着式継手に関する情報と、電気融着式継手に電流を供給する電源部を備え、前記電気融着式継手に関する情報等に基づいて前記電源部を作動させる融着制御装置に関する情報と、施工時の融着データとを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に開示されているような電気融着式継手では、接合作業の施工管理項目として、融着時間及び冷却時間が重要である。従来の接合作業では、作業者が融着機に表示される情報を確認して管理表等に記入することにより、時間管理を行っていた。
【0006】
前記特許文献1に開示されている施工管理システムは、施工時の融着データとして施工時間を管理しているものの、前記特許文献1には、冷却時間について管理することについてすら記載されていない。
【0007】
よって、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理において、前記融着時間及び前記冷却時間を容易に且つより確実に管理可能な管理装置が求められている。
【0008】
本発明の目的は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理において、融着時間及び冷却時間を容易に且つより確実に管理可能な管接合施工管理装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る管接合施工管理装置は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う。前記管接合施工管理装置は、前記接合作業を行う融着機と通信可能な通信部と、前記管同士の接合部分を撮影する撮像部と、前記通信部を介して、前記融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得部と、前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得部と、前記通電終了時刻情報取得部によって取得された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報取得部によって取得された前記冷却終了時刻情報を記憶する記憶部と、を有する(第1の構成)。
【0010】
これにより、管同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置の記憶部に自動的に記憶することができる。よって、管同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現可能な管接合施工管理装置が得られる。
【0011】
前記第1の構成において、前記管接合施工管理装置は、前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定部をさらに有する。前記冷却終了時刻情報取得部は、前記経過時間判定部によって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に対して前記接合部分の撮影を許可する撮影許可信号を出力する(第2構成)。
【0012】
これにより、撮像部は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、前記撮像部が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、前記撮像部が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0013】
前記第1の構成において、前記管接合施工管理装置は、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出部をさらに有する。前記記憶部は、前記冷却時間に関する情報を記憶する(第3の構成)。
【0014】
これにより、管同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部で管理することができる。
【0015】
前記第1の構成において、前記管接合施工管理装置は、前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部と、前記撮影画像表示部に、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う表示制御部と、をさらに有する(第4の構成)。
【0016】
これにより、撮影画像表示部に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0017】
前記第1の構成において、前記管接合施工管理装置は、前記管同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する総合判定部と、前記総合判定部による総合判定結果を表示する判定結果表示部と、をさらに有する(第5の構成)。
【0018】
これにより、管同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る管接合施工管理方法は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置によって実現される方法である。前記管接合施工管理方法は、前記接合作業を行う融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得ステップと、前記管同士の接合部分を撮像部によって撮影する接合部分撮影ステップと、前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得ステップと、前記通電終了時刻情報取得ステップで取得された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報取得ステップで取得された前記冷却終了時刻情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、を有する(第1の方法)。
【0020】
これにより、管同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置の記憶部に自動的に記憶することができる。よって、管同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現可能な管接合施工管理方法が得られる。
【0021】
前記第1の方法において、前記管接合施工管理方法は、前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定ステップをさらに有する。前記接合部分撮影ステップでは、前記経過時間判定ステップによって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に前記接合部分の撮影を許可する許可信号が入力される(第2の方法)。
【0022】
これにより、撮像部は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、前記撮像部が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、前記撮像部が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0023】
前記第1の方法において、前記管接合施工管理方法は、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出ステップをさらに有する。前記記憶ステップでは、前記冷却時間に関する情報を記憶する(第3の方法)。
【0024】
これにより、管同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部で管理することができる。
【0025】
前記第1の方法において、前記接合部分撮影ステップでは、前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部が、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う(第4の方法)。
【0026】
これにより、撮影画像表示部に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0027】
前記第1の方法において、前記管接合施工管理方法は、前記管同士の接合作業における各ステップの作業内容を総合判定する総合判定ステップと、判定結果表示部に、前記総合判定ステップにおける総合判定結果を表示する判定結果表示ステップと、をさらに有する(第5の方法)。
【0028】
これにより、管同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【0029】
本発明の一実施形態に係る管接合施工管理用プログラムは、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行うためのプログラムである。前記管接合施工管理用プログラムは、コンピュータに、前記接合作業を行う融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得させ、前記管同士の接合部分を撮像部によって撮影させ、前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得させ、前記取得させた前記通電終了時刻情報及び前記取得させた前記冷却終了時刻情報を記憶部に記憶させる(第1のプログラム)。
【0030】
これにより、管同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置の記憶部に自動的に記憶させることができる。よって、管同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現できる。
【0031】
前記第1のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定させ、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、前記撮像部に前記接合部分の撮影を許可する許可信号を入力させる(第2のプログラム)。
【0032】
これにより、撮像部は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、前記撮像部が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、前記撮像部が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0033】
前記第1のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出させ、前記記憶部に前記冷却時間に関する情報を記憶させる(第3のプログラム)。
【0034】
これにより、管同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部で管理することができる。
【0035】
前記第1のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記撮像部によって取得される画像を表示する撮影画像表示部に、前記撮像部による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行わせる(第4のプログラム)。
【0036】
これにより、撮影画像表示部に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0037】
前記第1のプログラムにおいて、前記コンピュータに、前記管同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定させ、判定結果表示部に前記総合判定の結果を表示させる(第5のプログラム)。
【0038】
これにより、管同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一実施形態に係る管路図作成支援装置は、前記接合作業を行う融着機と通信可能な通信部と、前記管同士の接合部分を撮影する撮像部と、前記通信部を介して、前記融着機から、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得部と、前記撮像部から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得部と、前記通電終了時刻情報取得部によって取得された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報取得部によって取得された前記冷却終了時刻情報を記憶する記憶部と、を有する。
【0040】
これにより、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理において、融着時間及び冷却時間を容易に且つより確実に管理可能な管接合施工管理装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係る管接合施工管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図2A】
図2Aは、融着機を用いた電気融着による管同士の接合の様子を説明するための図である。
【
図2B】
図2Bは、融着機を用いた電気融着による管同士の接合の様子を説明するための図である。
【
図2C】
図2Cは、融着機を用いた電気融着による管同士の接合の様子を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る管接合施工管理装置によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。
【
図4】
図4は、実施形態2に係る管接合施工管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、撮影画像表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係る管接合施工管理装置によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、実施形態3に係る管接合施工管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、判定結果表示部による総合判定結果の表示の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、融着後のインジケータを確認する際の検査チェック項目及びその結果の一例を、判定結果表示部に表示した図である
【
図10】
図10は、実施形態3に係る管接合施工管理装置によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0043】
[実施形態1]
(管接合施工管理装置)
図1は、本発明の実施形態1に係る管接合施工管理装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。管接合施工管理装置1は、融着機Wを用いて電気融着によって水道管同士を接合する接合作業の施工管理を行う。水道管は、例えばポリエステルなどの樹脂製の管である。水道管は、電気融着可能な材料であれば、他の材料によって構成されていてもよい。
【0044】
融着機Wは、電気融着によって管P同士を接合する装置である。融着機Wは、円筒状の継手の内部に埋設された電線に通電させることにより、継手S及びその内部に挿入された管Pを溶融させて接合する。融着機Wの構成は、従来の構成と同様である。よって、融着機Wの構成についての詳しい説明は省略する。
【0045】
図2Aから
図2Cは、融着機Wを用いた電気融着による管P同士の接合の様子を説明するための図である。以下で、
図2Aから
図2Cを用いて、融着機Wを用いた管P同士の電気融着による接合作業について説明する。
【0046】
まず、管P同士を接合する際には、特に図示しないが、接合する管を所定の長さに切断して前記管の接合部分の外周面を切削する。その後、
図2Aに示すように、円筒状の継手S内に、一対の管Pの端部を突き合わせるように挿入する。
図2Aにおいて、継手Sに対する管Pの挿入方向を白抜き矢印で示す。符号S1は、継手S内に埋設された電線である。
【0047】
なお、管Pの保管状況(本数、サイズ、最小曲げ半径など)は、管接合施工管理装置1または図示しない施工管理装置等によって、把握されていてもよい。管Pの保管状況に関する情報は、施工情報及び施工計画情報の少なくとも一方に反映されてもよい。例えば、工事現場で、管の最小曲げ半径が大きい場合には、他の管を使用して、その情報を施工情報及び施工計画情報の少なくとも一方に反映してもよい。
【0048】
図2Bに示すように、継手S内に一対の管Pの端部を挿入した状態で保持しつつ、融着機Wの出力ケーブルVを、継手S内の電線S1に電気的に接続する。そして、融着機Wから出力ケーブルVを介して電線S1に電力を供給することにより、継手S及び管Pにおける接合部分の樹脂を溶融させて接合する。
【0049】
この際、継手Sの内部では、溶融した樹脂は、膨張するが、溶融していない樹脂によって軸方向の移動が制限される。その結果、継手Sの溶融した樹脂の一部が継手Sの外周面に突出するため、
図2Cに示すように、前記外周面上に突出部S2が形成される。この突出部S2は、継手S及び管Pの樹脂が接合部分で溶融している状態を示すインジケータとしての役割を果たす。
【0050】
その後、所定時間、
図2Cに示す状態で継手S及び一対の管Pを保持しつつ冷却することにより、継手S及び一対の管Pは接合される。
【0051】
なお、
図2Aから
図2Cに示す例では、継手S及び一対の管Pを接合している場合について説明したが、継手が一体になった管に対して他の管を接合してもよい。一つの継手に対して3本以上の管を接合してもよい。
【0052】
管接合施工管理装置1は、上述のように継手S及び一対の管Pを融着機Wによって電気融着によって接合する接合作業の施工管理を行う。管接合施工管理装置1は、前記接合作業の各工程を管理するとともに、融着機Wとの間で通信を行って、融着時間及び冷却時間を管理する。
【0053】
詳しくは、
図1に示すように、管接合施工管理装置1は、通信部11と、撮像部12と、通電終了時刻情報取得部13と、冷却終了時刻情報取得部14と、記憶部15とを有する。管接合施工管理装置1は、例えば、コンピュータなどの演算処理装置によって実現されてもよいし、演算処理可能な携帯端末によって実現されてもよい。
【0054】
なお、管接合施工管理装置1は、互いに通信可能な携帯端末及びサーバの組み合わせによって実現されてもよい。この場合には、前記携帯端末が、以下で説明する管接合施工管理装置1の一部の構成を有し、前記サーバが、管接合施工管理装置1の他の一部の構成を有する。
【0055】
通信部11は、融着機Wと通信可能である。通信部11は、例えば、融着機Wと通信可能な通信装置である。通信部11は、無線通信によって融着機Wと通信可能であってもよいし、有線通信によって融着機Wと通信可能であってもよい。なお、融着機Wも、管接合施工管理装置1の通信部11と通信可能な通信装置を有する。
【0056】
撮像部12は、融着機Wによる接合部分を撮影可能な撮像装置である。撮像部12は、前記接合部分を撮影した際に、その撮影時刻を冷却終了時刻とする冷却終了時刻情報を出力する。撮像部12によって撮影された画像は、画像データとして記憶部15に記憶される。撮像部12は、前記接合部分以外を撮像可能に構成されていてもよい。撮像部12は、携帯端末に設けられている撮像装置であってもよいし、専用の撮像装置であってもよい。
【0057】
なお、撮像部12は、融着機Wによる出力ケーブルVへの通電を終了した後、すなわち前記接合部分に対する加熱を終了した後から、前記所定時間が経過した後に、前記接合部分を撮影可能に構成されている。すなわち、撮像部12は、融着機Wによる出力ケーブルVへの通電終了後、前記所定時間が経過するまで、前記接合部分を撮影できないように構成されている。
【0058】
通電終了時刻情報取得部13は、融着機Wから送信されて通信部11で受信した通電終了時刻情報を取得する。前記通電終了時刻情報は、融着機Wにおいて出力ケーブルVの通電を終了した際に、融着機Wから出力される情報である。融着機Wは、出力ケーブルVの通電を開始した際に、通電開始時刻情報を出力してもよい。
【0059】
冷却終了時刻情報取得部14は、撮像部12による接合部分の撮影時に撮像部12から出力される前記冷却終了時刻情報を取得する。
【0060】
記憶部15は、通電終了時刻情報取得部13が取得した通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報取得部14が取得した冷却終了時刻情報を記憶する。記憶部15に記憶された前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報は、例えば施工管理のデータベースに紐づけられて、管接合作業における施工管理情報の一部として扱われる。これにより、管接合作業の施工管理を容易に且つ効率良く行うことができる。
【0061】
本実施形態の管接合施工管理装置1は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う。管接合施工管理装置1は、前記接合作業を行う融着機Wと通信可能な通信部11と、前記管同士の接合部分を撮影する撮像部12と、通信部11を介して、融着機Wから、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得部13と、撮像部12から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得部14と、通電終了時刻情報取得部13によって取得された前記通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報取得部14によって取得された前記冷却終了時刻情報を記憶する記憶部15と、を有する。
【0062】
これにより、管同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置1の記憶部15に自動的に記憶することができる。よって、管同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現可能な管接合施工管理装置1が得られる。
【0063】
(管接合施工管理方法)
図3は、上述の構成を有する管接合施工管理装置1によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。以下で、管接合施工方法を、
図3を用いて説明する。
【0064】
図3に示すように、本実施形態では、まず、フローがスタートすると(START)、継手S内に一対の管Pの端部を挿入する(ステップSA1)。続くステップSA2では、融着機Wが継手S内の電線S1に対して通電を開始する。
【0065】
その後、融着機Wは、電線S1に対する通電を終了する(ステップSA3)。融着機Wは、電線S1に対する通電を終了する際に、通電を終了した時刻に関する通電終了時刻情報を出力する。ステップSA4では、管接合施工管理装置1の通電終了時刻情報取得部13は、通信部11を介して、融着機Wから前記通電終了時刻情報を取得する。
【0066】
続くステップSA5では、融着機Wの通電終了から所定時間経過後に、すなわち通電終了時刻情報取得部13が前記通電終了時刻情報を取得してから所定時間経過後に、管接合施工管理装置1の撮像部12が、継手Sの接合部分(具体的には、インジケータとしての突出部S2の周辺部分)を撮影する。撮像部12は、前記接合部分を撮影した際に、撮影した時刻に関する情報を冷却終了時刻情報として出力する。
【0067】
ステップSA6では、管接合施工管理装置1の冷却終了時刻情報取得部14が撮像部12から出力された前記冷却終了時刻情報を取得する。続くステップSA7で、管接合施工管理装置1の記憶部15に、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報が記憶される。その後、このフローを終了する(END)。
【0068】
ここで、ステップSA4が通電終了時刻情報取得ステップに対応し、ステップSA5が接合部分撮影ステップに対応し、ステップSA6が冷却終了時刻情報取得ステップに対応し、ステップSA7が記憶ステップに対応する。
【0069】
本実施形態に係る管接合施工管理方法は、電気融着によって管P同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置1によって実現される方法である。前記管接合施工管理方法は、前記接合作業を行う融着機Wから、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得する通電終了時刻情報取得ステップSA4と、管P同士の接合部分を撮像部12によって撮影する接合部分撮影ステップSA5と、撮像部12から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得する冷却終了時刻情報取得ステップSA6と、通電終了時刻情報取得ステップSA4で取得された前記通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報取得ステップSA6で取得された前記冷却終了時刻情報を記憶部15に記憶する記憶ステップSA7と、を有する。
【0070】
これにより、管P同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置1の記憶部15に自動的に記憶することができる。よって、管P同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現可能な管接合施工管理方法が得られる。
【0071】
(管接合施工管理用プログラム)
本実施形態におけるプログラム(管接合施工管理用プログラム)は、コンピュータに、
図3に示すステップSA4からSA7を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータによって実行することにより、本実施形態における管接合施工管理装置1を実現することができる。この場合、プログラムを実行するコンピュータは、汎用のコンピュータまたは専用のコンピュータであってもよい。プログラムを実行するコンピュータは、例えばCPUを搭載し、該CPU(Central Processing Unit)によって演算処理を行う。
【0072】
本実施形態に係る管接合施工管理用プログラムは、電気融着によって管P同士を接合する接合作業の施工管理を行うためのプログラムである。前記管接合施工管理用プログラムは、コンピュータに、前記接合作業を行う融着機Wから、通電終了時刻に関する通電終了時刻情報を取得させ、管P同士の接合部分を撮像部12によって撮影させ、撮像部12から、前記接合部分を撮影した時刻を冷却終了時刻に関する冷却終了時刻情報として取得させ、前記取得させた前記通電終了時刻情報及び前記取得させた前記冷却終了時刻取得情報を記憶部15に記憶させる。
【0073】
これにより、管P同士の接合部分を融着する際に、通電終了時刻及び冷却終了時刻を、作業者が確認して管理表等に記入することなく、管接合施工管理装置1の記憶部15に自動的に記憶させることができる。よって、管P同士の接合作業の施工管理を容易に且つより確実に実現できる。
【0074】
[実施形態2]
図4は、実施形態2の管接合施工管理装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の管接合施工管理装置100は、通電終了から所定時間が経過したかどうかの判定、冷却時間の算出、及び、撮影画像の表示という点で、実施形態1の管接合施工管理装置1とは異なる。以下では、実施形態1の管接合施工管理装置1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
図4に示すように、管接合施工管理装置100は、通信部11と、撮像部12と、通電終了時刻情報取得部13と、冷却終了時刻情報取得部14と、記憶部15と、経過時間判定部116と、冷却時間算出部117と、撮影画像表示部118と、表示制御部119とを有する。
【0076】
経過時間判定部116は、通電終了時刻情報取得部13が取得した通電終了時刻情報を用いて、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうか、すなわち、所定の冷却時間が経過したかどうかを判定する。経過時間判定部116は、通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定した場合、すなわち、前記所定の冷却時間が経過した場合には、撮像部12に対して撮影を許可する撮影許可信号を生成して、撮像部12に出力する。
【0077】
撮像部12は、前記撮影許可信号が入力されると、継手Sと管Pとの接合部分(具体的には、インジケータとしての突出部S2の周辺部分)の画像を撮影する。撮像部12は、前記撮影許可信号が入力されるまでは、画像を撮影しない。すなわち、撮像部12は、通電終了後、前記所定の冷却時間が経過するまでは、画像を撮影しない。
【0078】
撮像部12は、画像を撮影すると、撮影した時刻を含む冷却終了時刻情報を生成して出力する。すなわち、撮像部12は、前記所定の冷却時間が経過したことを示す冷却終了時刻情報を出力する。このように、撮像部12は、画像の撮影及び前記冷却終了時刻情報の生成によって、冷却時間の終了を管理及び通知する役割を果たしている。
【0079】
よって、上述の構成により、継手Sと管Pとの接合部分の冷却時間をより確実に管理することができる。
【0080】
冷却時間算出部117は、通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報を用いて、冷却時間を算出する。詳しくは、冷却時間算出部117は、冷却終了時刻から通電終了時刻を引いて、冷却時間を算出する。算出された冷却時間は、記憶部15に記憶される。これにより、管接合施工管理装置100は、冷却時間を容易に且つより確実に管理することができる。
【0081】
撮影画像表示部118は、撮像部12によって取得される画像を表示する。撮影画像表示部118は、携帯端末の表示画面であってもよいし、ディスプレイなどの表示装置であってもよい。撮影画像表示部118の表示は、表示制御部119によって制御される。撮影画像表示部118に表示される画像の一例を、
図5に示す。なお、撮像部12によって取得される画像とは、撮像部12によって、撮影可能な状態で取得される画像であり、記憶部等に保存されていないリアルタイムの画像を意味する。
【0082】
表示制御部119は、撮影画像表示部118の表示を制御する。表示制御部119は、撮像部12によって取得された画像を表示するように、撮影画像表示部118の駆動を制御する。
【0083】
表示制御部119は、撮影画像表示部118に、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う。すなわち、表示制御部119は、撮影画像表示部118に、撮影するタイミング、撮影する位置などをアシストする表示を行う。
【0084】
図5に、撮影画像表示部118に表示されるアシストXの一例を示す。アシストXは、例えば、接合部分のサンプル画像を含んでいてもよいし、撮影時のアドバイスの文章を含んでいてもよいし、撮影対象を所定位置に位置付けるためのフレーム(例えば
図5における破線枠)を含んでいてもよい。これにより、撮像部12によって、前記接合部分をより確実に撮影することができる。
【0085】
なお、アシストXは、文章、線、図形、色、音、音声など、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシスト可能な出力であれば、どのような出力であってもよい。
【0086】
本実施形態では、管接合施工管理装置100は、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定部116をさらに有する。冷却終了時刻情報取得部14は、経過時間判定部116によって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、撮像部12に対して接合部分の撮影を許可する撮影許可信号を出力する。
【0087】
これにより、撮像部12は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管P同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、撮像部12が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、撮像部12が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0088】
また、本実施形態では、管接合施工管理装置100は、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出部117をさらに有する。記憶部15は、前記冷却時間に関する情報を記憶する。
【0089】
これにより、管P同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部15で管理することができる。
【0090】
また、本実施形態では、管接合施工管理装置100は、撮像部12によって取得される画像を表示する撮影画像表示部118と、撮影画像表示部118に、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う表示制御部119と、をさらに有する。
【0091】
これにより、撮影画像表示部118に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管P同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管P同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0092】
(管接合施工管理方法)
図6は、上述の構成を有する管接合施工管理装置100によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。以下で、管接合施工方法を、
図6を用いて説明する。なお、
図6において、ステップSB1からSB4は、実施形態1の
図3のステップSA1からSA4と同じである。よって、ステップSB1からSB4の説明は省略する。
【0093】
ステップSB5では、管接合施工管理装置100の経過時間判定部116が、ステップSB4で融着機Wから取得した通電終了時刻情報に基づいて、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する。通電終了時刻から所定時間が経過した場合(YESの場合)には、ステップSB6に進んで、経過時間判定部116が許可信号を生成して撮像部12に出力し、撮像部12が、前記許可信号に基づいて、継手Sと管Pとの接合部分を撮影する。
【0094】
ステップSB6では、撮像部12によって取得される画像を表示する撮影画像表示部118が、表示制御部119の制御により、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う。これにより、撮像部12によって、前記接合部分をより確実に且つ容易に撮影することができる。
【0095】
その後、冷却終了時刻情報取得部14が、撮像部12から冷却終了時刻情報を取得する(ステップSB7)。続くステップSB8では、冷却時間算出部117が、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、冷却時間を算出して、その結果を冷却時間に関する冷却時間情報として出力する。
【0096】
ステップSB9では、前記通電終了時刻情報、前記冷却終了時刻情報及び前記冷却時間情報は、記憶部15に記憶される。
【0097】
ここで、ステップSB5が経過時間判定ステップに対応し、ステップSB6が接合部分撮影ステップに対応し、ステップSB7が冷却終了時刻情報取得ステップに対応し、ステップSB8が冷却時間算出ステップに対応し、ステップSB9が記憶ステップに対応する。
【0098】
本実施形態の管接合施工管理方法は、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定ステップSB5を有する。接合部分撮影ステップSB6では、経過時間判定ステップSB5によって前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、撮像部12に前記接合部分の撮影を許可する許可信号が入力される。
【0099】
これにより、撮像部12は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管P同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、撮像部12が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、撮像部12が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0100】
また、本実施形態の管接合施工管理方法は、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出する冷却時間算出ステップSB8を有する。記憶ステップSB9では、前記冷却時間に関する情報を記憶する。
【0101】
これにより、管P同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部15で管理することができる。
【0102】
また、本実施形態の管接合施工管理方法において、接合部分撮影ステップSB6では、撮像部12による前記接合部分の撮影画像を表示する撮影画像表示部118が、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行う。
【0103】
これにより、撮影画像表示部118に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管P同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管P同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0104】
(管接合施工管理用プログラム)
本実施形態におけるプログラム(管接合施工管理用プログラム)は、コンピュータに、
図6に示すステップSB4からSB9を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータによって実行することにより、本実施形態における管接合施工管理装置100を実現することができる。この場合、プログラムを実行するコンピュータは、汎用のコンピュータまたは専用のコンピュータであってもよい。プログラムを実行するコンピュータは、例えばCPUを搭載し、該CPU(Central Processing Unit)によって演算処理を行う。
【0105】
本実施形態の管接合施工管理用プログラムは、コンピュータに、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうかを判定させ、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過したと判定された場合に、撮像部12に前記接合部分の撮影を許可する許可信号を入力させる。
【0106】
これにより、撮像部12は、通電終了時刻から所定時間が経過した後に、管P同士の接合部分を撮影することができる。よって、前記通電終了時刻から前記所定時間が経過する前に、撮像部12が前記接合部分を撮影するのを防止できる。したがって、撮像部12が前記接合部分を撮影する時刻である冷却終了時刻を、前記通電終了時刻から前記所定時間経過後にすることができ、前記接合部分の冷却時間をより確実に管理できる。
【0107】
また、本実施形態の管接合施工管理用プログラムは、前記コンピュータに、前記通電終了時刻情報及び前記冷却終了時刻情報から、前記接合部分の冷却時間を算出させ、記憶部15に前記冷却時間に関する情報を記憶させる。
【0108】
これにより、管P同士の接合部分の冷却時間を、通電終了時刻及び冷却終了時刻から容易に算出することができるとともに、記憶部15で管理することができる。
【0109】
また、本実施形態の管接合施工管理用プログラムは、前記コンピュータに、撮像部12による前記接合部分の撮影画像を表示する撮影画像表示部118に、撮像部12による前記接合部分の撮影をアシストするような表示を行わせる。
【0110】
これにより、撮影画像表示部118に表示される接合部分の撮影のアシストによって、管P同士の接合部分を容易に且つより確実に撮影することができる。よって、管P同士の接合作業の作業効率を向上できる。
【0111】
[実施形態3]
図7は、実施形態3の管接合施工管理装置200の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施形態の管接合施工管理装置200は、管P同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する点で、実施形態1の管接合施工管理装置1とは異なる。以下では、実施形態1の管接合施工管理装置1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0112】
図7に示すように、管接合施工管理装置200は、通信部11と、撮像部12と、通電終了時刻情報取得部13と、冷却終了時刻情報取得部14と、記憶部15と、総合判定部216と、判定結果表示部217とを有する。
【0113】
総合判定部216は、記憶部15に記憶されている情報に基づいて、管P同士の接合作業における各工程の作業内容を総合評価する。記憶部15には、作業者による入力または図示しない装置等から入力された作業情報などが記憶されている。前記作業情報は、前記接合作業における各工程の作業内容に関する情報である。前記作業内容は、作業した内容だけでなく、検査結果またはチェック結果に関する情報なども含む。
【0114】
総合判定部216は、管P同士の接合作業における各工程で評価された結果から、総合的に問題ないかどうかを判定する。具体的には、総合判定部216は、例えば、前記各工程で評価された結果が問題ない場合には、問題ないという総合判定を行う一方、前記各工程で評価された結果の一つに問題がある場合には、問題ありという総合判定を行う。
【0115】
なお、管接合施工管理装置200は、管P同士の接合作業における各工程での時刻に関する情報を、記憶部15に記憶してもよい。これにより、前記各工程での作業時間を容易に把握することができ、今後の施工計画の検討などに利用することができる。
【0116】
判定結果表示部217は、総合判定部216による総合判定の結果を表示する。判定結果表示部217は、携帯端末の表示画面であってもよいし、ディスプレイなどの表示装置であってもよい。判定結果表示部217は、実施形態2の撮影画像表示部118と同じ表示装置であってもよい。
図8は、判定結果表示部217による総合判定結果の表示の一例を示す図である。
図8に示すように、判定結果表示部217には、管P同士の接合作業における各工程で評価された結果(
図8に示す例では、融着チェック、水付着対策の実施、検査チェック、冷却チェックなど)と、総合判定結果(
図8に示す例では接合総合判定)とが表示される。なお、
図8における評価項目及び結果は一例であり、判定結果表示部217には、
図8に示す例以外の評価項目及び結果が表示されてもよい。
【0117】
これにより、管P同士の接合作業における各工程で評価された結果から得られる総合判定の結果を、判定結果表示部217に表示できる。よって、管P同士の接合作業における各工程で評価された結果に問題があるかどうかを容易に把握することができる。
【0118】
判定結果表示部217は、総合判定部216による総合判定の結果だけでなく、前記結果に紐づいた各工程の項目を表示してもよい。
図9は、融着後のインジケータを確認する際の検査チェック項目及びその結果の一例を、判定結果表示部217に表示した図である。判定結果表示部217は、融着後のインジケータを確認する工程以外の工程の項目を表示してもよい。
【0119】
なお、特に図示しないが、管接合施工管理装置200は、総合判定の結果に問題がある場合には、問題のある作業項目を強調表示したり、問題のある作業項目の内容を表示したりするなどして、作業者に再入力または作業のやり直し等を促す。問題のある作業項目の内容は、再入力によって上書きされるが、元の内容が履歴情報として管接合施工管理装置200またはサーバ等に保存されてもよい。これにより、前記履歴情報を、今後の計画等を作成する際に利用することができる。
【0120】
例えば、管接合施工管理装置200は、総合判定の結果、管P同士の融着に問題があると判定した場合には、判定結果表示部217に管Pを切断して接合をやり直すように文言を表示してもよい。その後、管接合施工管理装置200は、配管図の管登録画面を表示させるように作業者に促してもよい。作業者は、前記配管図において管Pの長さを変更する入力を行った後、管接合施工管理装置200において、融着の工程の結果をリセットして、再度、融着機Wを用いて
図2Aから
図2Cに示すような管P同士の接合作業を行う。管接合施工管理装置200は、前記接合作業の施工管理を行い、総合判定を再度行う。
【0121】
本実施形態の管接合施工管理装置200は、管P同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する総合判定部216と、総合判定部216による総合判定結果を表示する判定結果表示部217と、を有する。
【0122】
これにより、管P同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部217に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管P同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【0123】
(管接合施工管理方法)
図10は、上述の構成を有する管接合施工管理装置200によって行われる管接合施工管理方法を含む管接合施工方法を示すフロー図である。以下で、管接合施工方法を、
図10を用いて説明する。
【0124】
図10に示すように、このフローがスタートすると(START)、まず、ステップSC1では、管接合施工管理装置200には、管P同士を接合する接合作業の各工程の作業内容が入力される。この作業内容の入力は、作業者が管接合施工管理装置200にデータを入力することによって実現されてもよいし、接合作業に用いられる機器から管接合施工管理装置200にデータが入力されることによって実現されてもよい。
【0125】
続くステップSC2では、総合判定部216は、前記各工程の作業内容を総合判定する。すなわち、総合判定部216は、前記各工程の作業内容における評価結果から、総合判定の結果を得る。ステップSC3では、判定結果表示部217が、総合判定の結果を表示する。
【0126】
ここで、ステップSC2は総合判定ステップに対応し、ステップSC3は判定結果表示ステップに対応する。
【0127】
本実施形態の管接合施工管理方法は、管P同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定する総合判定ステップSC2と、判定結果表示部217に、総合判定ステップSC2における総合判定結果を表示する判定結果表示ステップSC3と、を有する。
【0128】
これにより、管P同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部217に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管P同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【0129】
(管接合施工管理用プログラム)
本実施形態におけるプログラム(管接合施工管理用プログラム)は、コンピュータに、
図10に示すステップSC2からSC3を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータによって実行することにより、本実施形態における管接合施工管理装置200を実現することができる。この場合、プログラムを実行するコンピュータは、汎用のコンピュータまたは専用のコンピュータであってもよい。プログラムを実行するコンピュータは、例えばCPUを搭載し、該CPU(Central Processing Unit)によって演算処理を行う。
【0130】
本実施形態の管接合施工管理用プログラムは、コンピュータに、管P同士の接合作業における各工程の作業内容を総合判定させ、判定結果表示部217に前記総合判定の結果を表示させる。
【0131】
これにより、管P同士を接合する接合作業の各工程において、作業内容を総合判定して、その判定結果を判定結果表示部217に表示することができる。よって、前記各工程のうち基準を満たさない工程を容易に把握することができる。したがって、管P同士の接合作業において、前記基準を満たさない工程の修正作業を容易に行うことができる。
【0132】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0133】
前記各実施形態では、管接合施工管理装置1,100,200は、電気融着によって水道管同士を接合する接合作業の施工管理を行う。しかしながら、管接合施工管理装置は、下水道管、ガス管、地下埋設管、農業用水路等を含む配管同士を接合する接合作業の施工管理を行ってもよい。
【0134】
前記実施形態2では、管接合施工管理装置100は、撮影画像表示部118に、撮像部12による接合部分の撮影をアシストするような表示を行う。しかしながら、管接合施工管理装置は、撮像部による接合部分の撮影をアシストするような表示を行わなくてもよい。
【0135】
前記実施形態2では、管接合施工管理装置100は、通電終了時刻情報及び冷却終了時刻情報を用いて、冷却時間を算出する冷却時間算出部117を有する。しかしながら、管接合施工管理装置は、冷却時間算出部を有していなくてもよい。
【0136】
前記実施形態2では、管接合施工管理装置100は、通電終了時刻から所定時間が経過したかどうか、すなわち、所定の冷却時間が経過したかどうかを判定する経過時間判定部116を有する。しかしながら、管接合施工管理装置は、経過時間判定部を有していなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明は、電気融着によって管同士を接合する接合作業の施工管理を行う管接合施工管理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0138】
1、100、200 管接合施工管理装置
11 通信部
12 撮像部
13 通電終了時刻情報取得部
14 冷却終了時刻情報取得部
15 記憶部
116 経過時間判定部
117 冷却時間算出部
118 撮影画像表示部
119 表示制御部
216 総合判定部
217 判定結果表示部
S 継手
S1 電線
S2 突出部
P 管
V 出力ケーブル
W 融着機
X アシスト