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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092724
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20240701BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G01R31/28 W
H01L27/04 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208856
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 友和
(72)【発明者】
【氏名】黒土 勇二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 智也
【テーマコード(参考)】
2G132
5F038
【Fターム(参考)】
2G132AA01
2G132AK20
2G132AL05
5F038BE02
5F038DT02
5F038DT08
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】専用の外部端子を要することなく半導体装置の動作モードを任意に切り替える。
【解決手段】半導体装置1は、3値以上の論理レベル(例えばLV、MV、HV)を取り得る論理信号DBCLK及びDBFATAが入力されるように構成された外部端子と、論理信号DBCLK及びDBDATAと2値以上の閾値(例えばVth1及びVth2)とを比較することによりそれぞれの比較結果に応じて複数の機能(例えば、デバッグクロック信号及びデバッグデータ信号としての本来の機能だけでなく従前のテストモード移行信号を代替する機能)を実現するように構成された論理回路と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3値以上の論理レベルを取り得る論理信号が入力されるように構成された外部端子と、
前記論理信号と2値以上の閾値とを比較することによりそれぞれの比較結果に応じて複数の機能を実現するように構成された論理回路と、
を備える、半導体装置。
【請求項2】
前記論理信号は、ローレベルとミドルレベルとの間でパルス駆動される第1パルス駆動状態と、前記ローレベルと前記ミドルレベルよりも高いハイレベルとの間でパルス駆動される第2パルス駆動状態のいずれかを取り得るものであり、
前記論理回路は、前記論理信号が前記第2パルス駆動状態であるときに前記論理信号に応じて前記半導体装置を第1動作モードから第2動作モードに移行させるか否かを判断する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記論理回路は、前記論理信号の入力を受け付けるインタフェイスとして、前記ローレベルと前記ミドルレベルとの間に設定された第1閾値を持つように構成された第1入出力回路と、前記ミドルレベルと前記ハイレベルとの間に設定された第2閾値を持つように構成された第2入出力回路と、を含む、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1動作モードは、前記半導体装置の通常動作が行われる通常モードであり、前記第2動作モードは、前記半導体装置のテスト動作が行われるテストモードである、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記外部端子は、クロック信号が入力されるように構成された第1外部端子と、データ信号が入力されるように構成された第2外部端子を含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記論理回路は、前記半導体装置のリセットが解除されたときにテストモード初期ステートとなり、前記クロック信号及び前記データ信号それぞれの論理レベルがいずれも所定の判定期間に亘って固定されたか否かを検出する、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記論理回路は、前記テストモード初期ステートで前記クロック信号及び前記データ信号それぞれの論理レベルがいずれも前記判定期間に亘って固定されたことを検出したときにテストモードシーケンスを開始し、前記第2パルス駆動状態の前記クロック信号及び前記データ信号によりテストモードコマンドが入力されたか否かを検出する、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記論理回路は、前記テストモードシーケンスで前記テストモードコマンドが入力されたことを検出したときにテストモード同期ステートとなり、前記データ信号の論理レベルが所定の同期期間に亘って固定されていることを確認してから前記テストモードに移行する、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記論理回路は、前記テストモードへの移行後、前記データ信号により復帰コマンドが入力されたことを検出したときに前記半導体装置を前記通常モードに復帰させる、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記論理回路は、前記テストモードへの移行後、前記データ信号の論理レベルが固定された無信号ステートであることを検出したときに前記半導体装置を前記通常モードに復帰させる、請求項8又は9に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の動作モード(例えば通常モードとテストモード)を任意に切り替えることのできる半導体装置が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/065395号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の半導体装置では、複数の動作モードを切り替えるために専用の外部端子が設けられていた(例えば、特許文献1の図5に描写されている端子TEST1及びTEST2を参照)。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、本明細書中に開示されている半導体装置は、3値以上の論理レベルを取り得る論理信号が入力されるように構成された外部端子と、前記論理信号と2値以上の閾値とを比較することによりそれぞれの比較結果に応じて複数の機能を実現するように構成された論理回路と、を備える。
【0006】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、専用の外部端子を要することなく半導体装置の動作モードを任意に切り替えられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、半導体装置の全体構成を示す図である。
図2図2は、半導体装置の状態遷移を示す図である。
図3図3は、テストモードへの移行動作(第1例)を示す図である。
図4図4は、論理回路の一構成例を示す図である。
図5図5は、テストモードへの移行動作(第2例)を示す図である。
図6図6は、テストモードからの復帰動作(第1例)を示す図である。
図7図7は、テストモードからの復帰動作(第2例)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<半導体装置>
図1は、半導体装置の全体構成を示す図である。本構成例の半導体装置1は、論理回路10と、テスト回路20と、リセット回路30とを備える。また、半導体装置1は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数(本図では3本)の外部端子41~43を備える。半導体装置1としては、LSI[large scale integration]製品全般(LED[light emitting diode]ドライバLSIなど)が適用対象となり得る。
【0010】
論理回路10は、半導体装置1の動作を統括的に制御する。論理回路10としては、CPU[central processing unit]などが好適に用いられる。また、論理回路10は、後述のテストモードに関連する機能ブロックとしてデバッグインタフェイス11を含む。
【0011】
デバッグインタフェイス11は、外部端子41(=第1外部端子に相当)に外部入力されるデバッグクロック信号DBCLKと、外部端子42(=第2外部端子に相当)に外部入力されるデバッグデータ信号DBDATAと、をそれぞれ受け付ける。デバッグインタフェイス11の構成及び動作については後述する。
【0012】
テスト回路20は、半導体装置1がテストモードであるときにデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAに応じて種々のテスト動作を実施する。テスト回路20は、例えば、電源回路、記憶回路、発振回路、負荷駆動回路、通信回路、ADC[analog-to-digital]、及び、APB[advanced peripheral bus](いずれも不図示)が正常に動作し得るか否かをテストする。
【0013】
リセット回路30は、外部端子43に外部入力されるリセット信号D_RESETを受け付けて半導体装置1の各部(例えば論理回路10及びテスト回路20)を初期化する。
【0014】
図2は、半導体装置1の状態遷移(動作モード切替)を示す図である。本図中の丸印で示されているように、半導体装置1は、その動作モードとして、通常モード(NORMAL)、プリテストモード(PRE-TEST)、テストモード(TEST)、及び、リセットモード(RESET)を備える。
【0015】
通常モード(=第1動作モードに相当)では、半導体装置1の通常動作、すなわち本来の動作が行われる。テストモード(=第2動作モードに相当)では、半導体装置1のテスト動作、すなわち半導体装置1の各部が正しく動作するか否かを確認するための試験的な動作が行われる。プリテストモードでは、テストモードに移行するか否かのチェック動作(=テストモードシーケンス)が行われる。リセットモードでは、半導体装置1のリセット解除が待機される。
【0016】
本図に即して述べると、半導体装置1が通常モード、プリテストモード及びテストモードのいずれかであるときにリセット信号D_RESETがローレベルLに立ち下げられると、半導体装置1がリセットモードに移行する。
【0017】
半導体装置1がリセットモードであるときにリセット信号D_RESETがハイレベルHに立ち上げられると、半導体装置1が通常モードに移行する。特に、半導体装置1がリセットモードであるときにリセット信号D_RESETがハイレベルHに立ち上げられ、かつ、プリテストモードのテストモード初期ステートでOK判定が下されると、テストモードシーケンスが開始される。
【0018】
半導体装置1がプリテストモードであるときにテストモードシーケンスでOK判定が下されると、半導体装置1がテストモードに移行する。一方、半導体装置1がプリテストモードであるときにテストモードシーケンスでNG判定が下されると、半導体装置1が通常モードに移行する。
【0019】
半導体装置1がテストモードであるときにEXITコマンド(=復帰コマンドに相当)又はBLANKステート(=無信号ステートに相当)が検出されると、半導体装置1が通常モードに移行(復帰)する。
【0020】
<テストモードへの移行動作(第1例)>
図3は、テストモードへの移行動作(第1例)を示す図である。本図では、上から順番に、リセット信号D_RESET、デバッグクロック信号DBCLK、デバッグデータ信号DBDATA、テストモード移行信号TEST、テストステート(=図2の状態遷移に相当)、内部クロック信号OSC(int)及びプリテストステート(=プリテストモードの内部ステップに相当)が描写されている。
【0021】
なお、本図の移行動作(第1例)は、後述の第2例と対比される比較例(=デバッグインタフェイス11の閾値が一つであると仮定した場合の挙動)として理解され得る。
【0022】
リセット信号D_RESETがハイレベルHに立ち上げられて半導体装置1のリセットが解除されたとき、論理回路10がテストモード初期ステートとなる。テストモード初期ステートは、プリテストモードの第1ステップに相当する。なお、プリテストモードにおいて、デバッグインタフェイス11以外は、通常モードと同じ動きをしてもよい。
【0023】
テストモード初期ステートにおいて、論理回路10は、所定の判定期間に亘ってテストモード移行条件が満足されたか否かを検出する。例えば、本図の移行動作(第1例)におけるテストモード移行条件は、(1)テストモード移行信号TESTの論理レベルがハイレベルHに固定されていること、(2)デバッグクロック信号DBCLKの論理レベルがハイレベルHに固定されていること、及び、(3)デバッグデータ信号DBDATAの論理レベルがローレベルLに固定されていること、の3点である。
【0024】
リセット信号D_RESET、デバッグクロック信号DBCLK、デバッグデータ信号DBDATA、及び、テストモード移行信号TESTは、それぞれ、2値の論理レベル、すなわち、ハイレベルH(例えばMV=5V)とローレベルL(例えばLV=0V)を取り得る論理信号である。
【0025】
また、上記の判定期間は、例えば、内部クロック信号OSC(int)のクロックX発分(例えばX=16)の長さであってもよい。
【0026】
論理回路10(特にデバッグインタフェイス11)は、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAと所定の閾値Vth1(ただしLV<Vth1<MV)とを比較する。論理回路10は、このような比較処理により、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAがそれぞれハイレベル(=MV)であるかローレベル(=LV)であるかを認識する。
【0027】
テストモード初期ステートにおいて、論理回路10は、先述のテストモード移行条件が満足されたことを検出したときにOK判定を下してテストモードシーケンスを開始する。テストモードシーケンスは、プリテストモードの第2ステップに相当する。
【0028】
テストモードシーケンスにおいて、論理回路10は、テストモード移行信号TESTの論理レベルがハイレベルHに固定されたまま、テストモード移行コマンド(例えば特定アドレスへの書込コマンド)が入力されたか否かを検出する。
【0029】
テストモード移行コマンドは、ハイレベルH(=MV)とローレベルL(=LV)との間でパルス駆動されるデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAにより入力され得る。
【0030】
テストモードシーケンスにおいて、論理回路10は、先述のテストモード移行コマンドが入力されたことを検出したときにOK判定を下してテストモード同期ステートとなる。テストモード同期ステートは、プリテストモードの第3ステップに相当する。
【0031】
テストモード同期ステートにおいて、論理回路10は、デバッグデータ信号DBDATAの論理レベルが所定の同期期間に亘ってハイレベルHに固定されていることを確認してからテストモードに移行する。
【0032】
なお、上記の同期期間は、例えば、デバッグクロック信号DBCLKのクロックY発分(例えばY=6)の長さであってもよい。
【0033】
テストモードへの移行後、テスト回路20は、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATA(例えば各種のテスト用パラメータ)に応じて種々のテスト動作を実施する。
【0034】
<外部端子の有効活用に関する考察>
ところで、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAは、いずれもテストモード(及びプレテストモード)でのみ使用される。そのため、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAがいずれも使用されない通常モードでは、外部端子41及び42に別の機能が割り当てられていることが望ましい。すなわち、外部端子41及び42には、それぞれ、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATA以外の信号を入出力する機能が割り当てられてもよい。
【0035】
ただし、デバッグインタフェイス11の閾値が一つである場合、通常モードで外部端子41及び42に入力される論理信号のパルス駆動により、半導体装置1が意図せずテストモードに移行してしまうおそれがある。このような不具合を解消するためには、先出のテストモード移行信号TESTを受け付ける専用の外部端子が別途必要になる。
【0036】
しかしながら、半導体装置1に課される仕様面及びコスト面の制約から、外部端子の本数を無暗に増やすことはできない。そのため、限られた本数の外部端子のうち、一本がテストモード移行信号TESTの入力端子として割り当てられたことに伴い、別の信号を入出力するための外部端子が削減され得る。言い換えると、テストモードが非実装であれば適切なコスト(ピン数)で実現可能であった機能を断念せざるを得ない場合があり得る。
【0037】
以下では、上記の考察に鑑み、専用の外部端子を要することなく半導体装置1の動作モードが任意に切り替えられる新規な実施形態を提案する。
【0038】
<論理回路(デバッグインタフェイス)>
図4は、論理回路10の一構成例を示す図である。本構成例の論理回路10は、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAそれぞれの入力を受け付けるデバッグインタフェイス11の構成要素として、入出力回路111~114を含む。
【0039】
入出力回路111は、外部端子41に入力されるデバッグクロック信号DBCLKと所定の閾値Vth1とを比較する。入出力回路112は、外部端子41に入力されるデバッグクロック信号DBCLKと所定の閾値Vth2とを比較する。入出力回路113は、外部端子42に入力されるデバッグデータ信号DBDATAと所定の閾値Vth1とを比較する。入出力回路114は、外部端子42に入力されるデバッグデータ信号DBDATAと所定の閾値Vth2とを比較する。
【0040】
なお、閾値Vth1(=第1閾値に相当)は、ローレベルL(例えばLV=0V)とミドルレベルM(例えばMV=5V)との間に設定されている。すなわち、入出力回路111及び113(=第1入出力回路に相当)は、それぞれ、ローレベルLとミドルレベルMとの間に設定された閾値Vth1を持つ。
【0041】
従って、入出力回路111及び113は、それぞれ、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAが閾値Vth1よりも低い状態(例えばローレベルL)であるか、閾値Vth1よりも高い状態(例えばミドルレベルM又はハイレベルH)であるかを検出することができる。
【0042】
また、閾値Vth2(=第2閾値に相当)は、ミドルレベルM(例えばMV=5V)とハイレベルH(例えばHV=12V)との間に設定されている。すなわち、入出力回路112及び114(=第2入出力回路に相当)は、それぞれ、ミドルレベルMとハイレベルHとの間に設定された閾値Vth2を持つ。
【0043】
従って、入出力回路112及び114は、それぞれ、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAが閾値Vth2よりも低い状態(例えばローレベルL又はミドルレベルM)であるか、閾値Vth2よりも高い状態(例えばハイレベルH)であるかを検出することができる。
【0044】
このように、論理回路10は、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAと2値以上の閾値(本図では閾値Vth1及びVth2)とを比較する。そして、論理回路10は、入出力回路111~114それぞれの比較結果に応じて複数の機能を実現する。言い換えれば、外部端子41及び42に複数の機能が割り当てられる。
【0045】
以下では、デバッグインタフェイス11が複数の閾値を備えることの技術的意義について、テストモードへの移行動作(第2例)を参照しながら詳細に説明する。
【0046】
<テストモードへの移行動作(第2例)>
図5は、テストモードへの移行動作(第2例)を示す図である。本図では、上から順番に、リセット信号D_RESET、デバッグクロック信号DBCLK、デバッグデータ信号DBDATA、テストステート(=図2の状態遷移に相当)、内部クロック信号OSC(int)及びプリテストステート(=プリテストモードの内部ステップに相当)が描写されている。
【0047】
なお、本図の移行動作(第2例)は、デバッグインタフェイス11に複数の閾値(本図では閾値Vth1及びVth2)が設けられている場合の挙動として理解され得る。
【0048】
本図の移行動作(第2例)は、基本的に先述の第1例(図3)と変わらない。ただし、外部端子41及び42には、それぞれ、3値以上の論理レベル(例えばローレベルL、ミドルレベルM及びハイレベルH)を取り得る論理信号が入力される。
【0049】
すなわち、外部端子41及び42にそれぞれ入力される論理信号は、第1パルス駆動状態と第2パルス駆動状態のいずれかを取り得る。なお、第1パルス駆動状態は、論理信号がローレベルL(例えばLV=0V)とミドルレベルM(例えばMV=5V)との間でパルス駆動される状態である。一方、第2パルス駆動状態は、論理信号がローレベルLとハイレベルH(例えばHV=12V)との間でパルス駆動される状態である。
【0050】
本図に即して述べると、半導体装置1のプリテストモード(少なくともテストモード初期ステート及びテストモードシーケンス)において、外部端子41及び42にそれぞれ入力されるデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAは、それぞれ、ローレベルLとハイレベルHとの間でパルス駆動される。
【0051】
すなわち、プリテストモードのデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAは、いずれも第2パルス駆動状態で入力される。言い換えると、プリテストモードのデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAは、先の第1例(図3)と比べて、ハイレベルHが引き上げられている(MV→HV)。
【0052】
この場合、論理回路10は、ミドルレベルMとハイレベルHとの間に設定された閾値Vth2を持つ入出力回路112及び114(図4を参照)の比較結果に応じて、半導体装置1を通常モードからテストモードに移行させるか否かを判断することができる。
【0053】
一方、半導体装置1が通常モードであるときには、外部端子41及び42にそれぞれ入力される論理信号がローレベルLとミドルレベルMとの間でパルス駆動されるとよい。すなわち、通常モードで外部端子41及び42に入力される論理信号は、いずれも第1パルス駆動状態とされる。この場合、論理回路10は、入出力回路111及び113(図4を参照)の比較結果に応じて、半導体装置1の通常動作を行うことができる。
【0054】
このように、通常モードで外部端子41及び42に入力される論理信号がローレベルLとミドルレベルMとの間でパルス駆動されている限り、当該論理信号がハイレベルHとして認識されることはない。従って、先述のプリテストモード(特にテストモード初期ステート及びテストモードシーケンス)で意図しないOK判定が下されることはない。
【0055】
特に、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAそれぞれのハイレベルHを規定する電圧値HVは、通常モードにおける顧客の使用範囲外(=半導体装置1の仕様外)に設定されるとよい。
【0056】
言い換えると、通常モードで外部端子41及び42に入力される論理信号は、原則ローレベルLとミドルレベルMとの間でパルス駆動されるものであり、プリテストモードのデバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAだけが例外的にローレベルLとハイレベルHとの間でパルス駆動されるものとして理解され得る。
【0057】
上記の設定によれば、テストモード移行信号TESTが用意されていなくても、半導体装置1が意図せずテストモードに移行し難くなる。従って、通常動作の堅牢性を向上させることが可能となる。
【0058】
また、テストモード移行信号TESTを受け付ける専用の外部端子が削減されるので、限られた本数の外部端子に空きが生まれる。従って、従前であればテストモードの実装ににより非搭載とされていた機能を適切なコスト(ピン数)で実現することも可能となる。
【0059】
なお、テストモード初期ステート及びテストモードシーケンスで一旦OK判定が下された後ならば、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAは、必ずしもローレベルLとハイレベルHとの間でパルス駆動される必要はない。例えば、本図で示されるように、テストモード同期ステート(及びこれに続くテストモード)では、デバッグクロック信号DBCLK及びデバッグデータ信号DBDATAがローレベルLとミドルレベルMとの間でパルス駆動されてもよい。
【0060】
<テストモードからの復帰動作(第1例)>
図6は、テストモードからの復帰動作(第1例)を示す図である。本図では、上から順に、リセット信号D_RESET、デバッグクロック信号DBCLK、デバッグデータ信号DBDATA、及び、テストステート(=図2の状態遷移に相当)が描写されている。
【0061】
なお、デバッグデータ信号DBDATAは、同期ビットSync、リード/ライトビットR/W、レジスタ指定ビットM/R及びデータビットD0~Dn-1(ただしテストモードではn=4)を含む。
【0062】
本図で示されるように、デバッグデータ信号DBDATAに含まれる全ビット(Sync、R/W、M/R及びD0~D4)がいずれも0(=ローレベル)であるときには、EXITコマンド(=復帰コマンドに相当)が入力されたものと認識される。論理回路10は、テストモードへの移行後、デバッグデータ信号DBDATAにより復帰コマンドが入力されたことを検出したときに半導体装置1を通常モードに復帰させる。
【0063】
<テストモードからの復帰動作(第2例)>
図7は、テストモードからの復帰動作(第2例)を示す図である。本図では、先の図6と同様、上から順に、リセット信号D_RESET、デバッグクロック信号DBCLK、デバッグデータ信号DBDATA、及び、テストステート(=図2の状態遷移に相当)が描写されている。
【0064】
本図で示されるように、デバッグデータ信号DBDATAに含まれる全ビット(Sync、R/W、M/R及びD0~D4)が所定の判定期間に亘っていずれも1(=ハイレベル)であるときには、BLANKステート(=無信号ステートに相当)であるものと認識される。論理回路10は、テストモードへの移行後、デバッグデータ信号DBDATAの論理レベルが固定された無信号ステートであることを検出したときに半導体装置1を通常モードに復帰させる。
【0065】
なお、上記の判定期間は、例えば、デバッグクロック信号DBCLKのクロックZ発分(例えばZ=128)の長さであってもよい。
【0066】
<総括>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0067】
例えば、本明細書中に開示されている半導体装置は、3値以上の論理レベルを取り得る論理信号が入力されるように構成された外部端子と、前記論理信号と2値以上の閾値とを比較することによりそれぞれの比較結果に応じて複数の機能を実現するように構成された論理回路と、を備える構成(第1の構成)とされている。
【0068】
なお、上記第1の構成による半導体装置において、前記論理信号は、ローレベルとミドルレベルとの間でパルス駆動される第1パルス駆動状態と、前記ローレベルと前記ミドルレベルよりも高いハイレベルとの間でパルス駆動される第2パルス駆動状態のいずれかを取り得るものであり、前記論理回路は、前記論理信号が前記第2パルス駆動状態であるときに前記論理信号に応じて前記半導体装置を第1動作モードから第2動作モードに移行させるか否かを判断する構成(第2の構成)としてもよい。
【0069】
また、上記第2の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記論理信号の入力を受け付けるインタフェイスとして、前記ローレベルと前記ミドルレベルとの間に設定された第1閾値を持つように構成された第1入出力回路と、前記ミドルレベルと前記ハイレベルとの間に設定された第2閾値を持つように構成された第2入出力回路と、を含む構成(第3の構成)としてもよい。
【0070】
また、上記第3の構成による半導体装置において、前記第1動作モードは、前記半導体装置の通常動作が行われる通常モードであり、前記第2動作モードは、前記半導体装置のテスト動作が行われるテストモードである構成(第4の構成)としてもよい。
【0071】
また、上記第4の構成による半導体装置において、前記外部端子は、クロック信号が入力されるように構成された第1外部端子と、データ信号が入力されるように構成された第2外部端子を含む構成(第5の構成)としてもよい。
【0072】
また、上記第5の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記半導体装置のリセットが解除されたときにテストモード初期ステートとなり、前記クロック信号及び前記データ信号それぞれの論理レベルがいずれも所定の判定期間に亘って固定されたか否かを検出する構成(第6の構成)としてもよい。
【0073】
また、上記第6の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記テストモード初期ステートで前記クロック信号及び前記データ信号それぞれの論理レベルがいずれも前記判定期間に亘って固定されたことを検出したときにテストモードシーケンスを開始し、前記第2パルス駆動状態の前記クロック信号及び前記データ信号によりテストモードコマンドが入力されたか否かを検出する構成(第7の構成)としてもよい。
【0074】
また、上記第7の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記テストモードシーケンスで前記テストモードコマンドが入力されたことを検出したときにテストモード同期ステートとなり、前記データ信号の論理レベルが所定の同期期間に亘って固定されていることを確認してから前記テストモードに移行する構成(第8の構成)としてもよい。
【0075】
また、上記第8の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記テストモードへの移行後、前記データ信号により復帰コマンドが入力されたことを検出したときに前記半導体装置を前記通常モードに復帰させる構成(第9の構成)としてもよい。
【0076】
また、上記第8又は第9の構成による半導体装置において、前記論理回路は、前記テストモードへの移行後、前記データ信号の論理レベルが固定された無信号ステートであることを検出したときに前記半導体装置を前記通常モードに復帰させる構成(第10の構成)としてもよい。
【0077】
<その他>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0078】
1 半導体装置
10 論理回路(CPU)
11 デバッグインタフェイス
111 入出力回路(MV)
112 入出力回路(HV)
113 入出力回路(MV)
114 入出力回路(HV)
20 テスト回路
30 リセット回路
41~43 外部端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7