(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092740
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】データ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208876
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小原 登
(72)【発明者】
【氏名】加治屋 彬
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】製品(例えば個別受注生産で製造される製品など)の受注データを作成するタイミングで、当該製品を製造する際に必要なデータも一緒に作成することにより、登録作業の簡易化および手入力による人為的なミスの軽減を実現することができるデータ作成装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態では、受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)受注製品の製造数量を管理する製番基本情報データを作成する処理と、(2)製造構成マスタを参照して、受注製品を階層構造の最上位としたときの受注製品の各構成要素の階層の特定と、製造数量分の受注製品を製造するのに必要な各構成要素の数量の算出と、を行い、各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する製番構成データを作成する処理と、を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行する受注データ作成部を備えること、
を特徴とするデータ作成装置。
【請求項2】
本データ作成装置は、前記製品を製造する側で使用され、
前記構成データは、前記製造する側が保有するものであり、
前記構成データに、顧客からの注文を受ける、前記製品を販売する側が保有するものを反映させる反映部をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載のデータ作成装置。
【請求項3】
前記製造する側と前記販売する側は、グループ会社であること、
を特徴とする請求項2に記載のデータ作成装置。
【請求項4】
前記製品は、個別受注生産で製造されるものであること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のデータ作成装置。
【請求項5】
受注データ作成部が、受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行すること、
を特徴とするデータ作成方法。
【請求項6】
情報処理装置を、
受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行する受注データ作成手段
として機能させるためのデータ作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オーダ別部品表を自動で作成する仕様展開技法システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば、製品(例えば個別受注生産で製造される製品など)を製造する製造会社が、グループ会社である販売会社(得意先から当該製品の注文を受ける会社)から製造依頼(発注)を受ける場合、グループ会社なので製造内容が決まっているにも関わらず、他の取引先と同様、発注書を受け取って受注登録し、製品を製造する際に必要な情報を手入力で別途登録する必要があったので、登録作業の簡易化および手入力による人為的なミスの軽減という点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製品(例えば個別受注生産で製造される製品など)の受注データを作成するタイミングで、当該製品を製造する際に必要なデータも一緒に作成することにより、登録作業の簡易化および手入力による人為的なミスの軽減を実現することができるデータ作成装置、データ作成方法、及びデータ作成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるデータ作成装置は、受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行する受注データ作成部を備えること、を特徴とする。
【0007】
なお、本発明にかかるデータ作成装置は、前記製品を製造する側で使用されてもよく、また、本発明にかかるデータ作成装置において、前記構成データは、前記製造する側が保有するものでもよく、また、本発明にかかるデータ作成装置は、前記構成データに、顧客からの注文を受ける、前記製品を販売する側が保有するものを反映させる反映部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、本発明にかかるデータ作成装置において、前記製造する側と前記販売する側は、グループ会社でもよい。
【0009】
また、本発明にかかるデータ作成装置において、前記製品は、個別受注生産で製造されるものでもよい。
【0010】
また、本発明にかかるデータ作成方法は、受注データ作成部が、受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるデータ作成プログラムは、情報処理装置を、受注製品の受注データを作成する処理とともに、(1)前記受注製品の製造数量を管理する受注製品製造数量データを作成する処理と、(2)製品と当該製品の構成要素との関係を、構成要素の数量とともに管理する構成データを参照して、前記受注製品を階層構造の最上位としたときの前記受注製品の各構成要素の階層の特定と、前記製造数量分の前記受注製品を製造するのに必要な前記各構成要素の数量の算出と、を行い、前記各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する構成要素製造数量データを作成する処理と、を実行する受注データ作成手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、製品(例えば個別受注生産で製造される製品など)の受注データを作成するタイミングで、当該製品を製造する際に必要なデータも一緒に作成することにより、登録作業の簡易化および手入力による人為的なミスの軽減を実現することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るデータ作成処理を含む、販売会社と製造会社における業務フローの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、販売会社における業務フローで作成されるデータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、製造会社における業務フローで作成される、本実施形態に係るデータ作成処理で作成されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係るデータ作成装置、データ作成方法、およびデータ作成プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明のデータ作成装置を含む。)の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
業務支援装置100は、製品の製造会社で使用されるものであり、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0017】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。また、業務支援装置100は、例えばグループ会社であり且つ顧客からの注文を受ける製品の販売会社の情報処理装置(図示せず)とネットワーク300を介して通信可能に接続されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、製品マスタ106a、製造構成マスタ106b(本発明の構成データに相当)、受注データ106c、製番基本情報データ106d(本発明の受注製品製造数量データに相当)、製番構成データ106e(本発明の構成要素製造数量データに相当)および製番手配データ106f等を格納する。
【0022】
図4には、製品マスタ106aに格納される情報の一例が示されている。製品マスタ106aは、製品を識別する識別情報(例えば製品コード等)および製品の構成要素(例えば半製品、中間品、部品等)を識別する構成要素識別情報(例えば構成要素に対応する製品コード等)ならびに製品および構成要素のそれぞれが属する分類(例えば「製品」、「半製品」、「中間品」または「部品」等)等を管理するためのものである。製品マスタ106aは、
図4で示すように、製品識別情報および構成要素識別情報ならびに分類情報等を格納する。
【0023】
図4には、製造構成マスタ106bに格納される情報の一例が示されている。製造構成マスタ106bは、親とする製品または構成要素に対応する識別情報(製品識別情報または構成要素識別情報)、親とする製品または構成要素を構成する子の構成要素に対応する識別情報(構成要素識別情報)、親とする製品または構成要素を製造するのに必要な子の構成要素の数量、および親とする製品または構成要素の数量等を管理するためのものである。製造構成マスタ106bは、
図4で示すように、親とする製品または構成要素に対応する識別情報(製品識別情報または構成要素識別情報)、子の構成要素に対応する構成要素識別情報、上述した「必要な子の構成要素の数量」を意味する構成分子、および上述した「親とする製品または構成要素の数量」を意味する構成分母等を格納する。
【0024】
図4には、受注データ106cに格納される情報の一例が示されている。受注データ106cは、製品の受注情報を管理するためのものである。受注データ106cは、
図4で示すように、受注識別情報(例えば受注番号等)、得意先識別情報(例えば得意先コード等)、製品識別情報、受注日、納期、受注数、および得意先注文識別情報(例えば得意先注文番号等)等を格納する。
【0025】
図4には、製番基本情報データ106dに格納される情報の一例が示されている。製番基本情報データ106dは、製造する製品の基本情報を管理するためのものである。製番基本情報データ106dは、
図4で示すように、製造識別情報(例えば製番等)、受注識別情報、製品識別情報、および製造数等を格納する。
【0026】
図4には、製番構成データ106eに格納される情報の一例が示されている。製番構成データ106eは、製造する受注製品およびその構成要素の情報を、受注製品を最上位とする階層構造で階層管理するためのものである。製番構成データ106eは、
図4で示すように、製造識別情報、受注製品に対応する階層識別情報(例えば階層を示すレベル等)および受注製品の構成要素に対応する階層識別情報、払い出しの対象となる製品識別情報および構成要素識別情報、ならびに受注製品の製造数および受注製品の構成要素の製造数等を格納する。
【0027】
製番手配データ106fは、製番基本情報データ106dと製番構成データ106eを基に受注製品の構成要素(例えば半製品、中間品、または部品等)の手配のために作成されるデータである。
【0028】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、マスタ連携処理部102a(本発明の反映部を含む)、受注データ・製造データ作成部102b(本発明の受注データ作成部を含む)、および製番手配入力部102cなどを備える。
【0030】
マスタ連携処理部102aは、製品マスタ106aと製造構成マスタ106bのそれぞれに、製造会社の取引先とみなされる販売会社が保有する製品マスタと製造構成マスタを同期させる。具体的には、マスタ連携処理部102aは、製品マスタおよび製造構成マスタが格納されている販売会社の情報処理装置(図示せず)へネットワーク300を介してアクセスし、製品マスタ106aおよび製造構成マスタ106bのそれぞれに、販売会社の製品マスタおよび製造構成マスタを反映(連携)し更新する。ここで、
図4の製品マスタ106a内と製造構成マスタ106b内の太線で囲まれた、製品の大まかな構成に関するデータは、販売会社が保有する製品マスタと製造構成マスタに由来するものとしての例示である。なお、マスタ連携処理部102aは、当該反映処理をバッチ処理で所定のタイミング(例えば夜間など)に実行してもよい。
【0031】
受注データ・製造データ作成部102bは、受注製品の受注データ106cを作成する処理とともに、(1)受注製品の製造数量を管理する製番基本情報データ106dを作成する処理と、(2)製造構成マスタ106bを参照して、受注製品を階層構造の最上位としたときの受注製品の各構成要素の階層の特定と、製造数量分の受注製品を製造するのに必要な各構成要素の数量の算出と、を行い、各構成要素の製造数量を階層と紐づけて管理する製番構成データ106eを作成する処理と、を実行する。
【0032】
具体的には、受注データ・製造データ作成部102bは、受注データ106cを作成する以下の(I)に示す処理とともに、製番基本情報データ106dを作成する以下の(II)に示す処理と、製番構成データ106eを作成する以下の(III)に示す処理と、を実行する。
【0033】
(I)発注識別情報(例えば発注番号など)と、仕入先識別情報としての製造会社識別情報(例えば製造会社の名称など)と、発注製品に対応する製品識別情報と、発注日と、納期と、発注数と、を含む、取引先(例えば販売会社など)から送付された発注データを基に、受注識別情報(例えば受注番号など)と、得意先識別情報(例えばオペレーター入力された販売会社識別情報など)と、受注製品に対応する製品識別情報(=発注データに含まれる製品識別情報)と、受注日(オペレーター入力)と、納期(=発注データに含まれる納期)と、受注数(=発注データに含まれる発注数)と、得意先注文識別情報(=発注データに含まれる発注識別情報)と、を含む受注データ106cを作成する。
【0034】
(II)製造識別情報(例えば製番など)と、受注識別情報と、受注製品に対応する製品識別情報(=発注データに含まれる製品識別情報)と、受注製品の製造数(=発注データに含まれる発注数)と、を含む製番基本情報データ106dを作成する。
【0035】
(III)以下に示す(i)~(iii)の処理を実行する。
(i)製造構成マスタ106bを参照して、受注製品に対応する製品識別情報(=発注データに含まれる製品識別情報)と同じ親製品識別情報に直接的または間接的に紐づく全ての子製品識別情報(構成要素識別情報)と構成分子と構成分母を、子製品識別情報に到達するまでのステップ数(階層、レベル)と対応付けて取得する。
(ii)受注製品の製造数、取得した構成分子および取得した構成分母などに基づいて、製造数分の受注製品を製造するのに必要な、取得した子製品識別情報(構成要素識別情報)で特定される構成要素の製造数を算出する。
(iii)製造識別情報と、最上位の階層を意味するレベル値と、受注製品に対応する製品識別情報(=発注データに含まれる製品識別情報)と、受注製品の製造数(発注データに含まれる発注数)と、を含む製番構成データ106eと、取得した子製品識別情報ごとに、製造識別情報と、ステップ数に対応するレベル値と、取得した子製品識別情報と、算出した製造数と、を含む製番構成データ106eを作成する。
【0036】
製番手配入力部102cは、製番基本情報データ106dと製番構成データ106eを基に、受注製品の構成要素(例えば半製品、中間品、または部品等)の手配のための製番手配データ106fを作成する。
【0037】
[2.処理]
[2-1.処理の概要]
図2は、本実施形態に係るデータ作成処理を含む、販売会社と製造会社における業務フローの一例を示す図である。なお、本説明では、販売会社と製造会社がグループ会社であることを前提とする。また、本説明では、販売会社の情報処理装置(図示せず)と業務支援装置100がネットワーク300を介して通信可能に接続されていることを前提とする。
【0038】
まず、販売会社A社では、顧客からの受注を受け、オペレーターにより受注を入力し、受注データが作成される。販売会社A社で、顧客のニーズのヒヤリング等を行い必要なスペックや製品の構成の大枠を決める。販売会社A社は、受注データ、顧客からの受注製品のスペック、受注製品の構成の大枠を基に、発注データ、製品マスタおよび製造構成マスタを作成し管理する。
【0039】
次に、販売会社A社(A社の情報処理装置(図示せず))は、発注書(発注データ)を製造会社B社に送信し、製品製造の発注を行う。
【0040】
製造会社B社(業務支援装置100)は、販売会社A社の製品マスタを製造会社の製品マスタ106aに連携し更新し、販売会社A社の製造構成マスタを製造会社の製造構成マスタ106bに連携し更新する。
【0041】
製造会社B社(業務支援装置100)は、受信した発注データ、および連携済みの製造構成マスタ106bを基に、受注データ106c、製番基本情報データ106dおよび製番構成データ106eを同時期に自動で作成する(本実施形態に係るデータ作成処理に相当)。
【0042】
製造会社B社(業務支援装置100)は、製番基本情報データ106dと製番構成データ106eを基に、製番手配入力処理を行い、製番手配データ106fを作成し部品等の手配に移行する。
【0043】
[2-2.処理の具体例]
図3は、販売会社における業務フローで作成されるデータの一例を示す図である。
図4は、製造会社における業務フローで作成される、本実施形態に係るデータ作成処理で作成されるデータの一例を示す図である。なお、本説明では、販売会社と製造会社がグループ会社であることを前提とする。また、本説明では、販売会社の情報処理装置(図示せず)と業務支援装置100がネットワーク300を介して通信可能に接続されていることを前提とする。
【0044】
[ステップ1:販売会社A社の業務フローとデータ作成(
図3)]
まず、販売会社A社は、顧客からの注文を受注入力し、受注データを作成する(
図3のA参照)。
【0045】
次に、販売会社A社は、必要な製品の発注入力を行い、発注データ(発注書)を作成し、B社に送信する(
図3のA参照)。販売会社A社は、発注番号「H00001」、仕入先コード「B社コード」、製品コード「S001」、発注日「2022/11/1」、納期「2023/1/10」および発注数「2」等の情報を発注データに格納する。なお、発注データの発注番号「H00001」、製品コード「S001」、納期「2023/1/10」および発注数「2」等の情報は、製造会社B社に引き継がれる。
【0046】
ここで、販売会社A社は、会社間データ作成(会社間データの連携)対象の仕入先管理をする仕入先マスタを有している。仕入先マスタは、仕入先コード「B社コード」および会社間データ作成区分「1」(会社間データ作成対象のフラグ)の情報を有しており、仕入先となる製造会社B社を含む情報を管理している。なお、仕入先マスタは、製造会社B社とのデータ連携の対象外である。
【0047】
また、販売会社A社は、発注製品の構成の大枠を管理する製品マスタを有している。販売会社A社は、製品またはその構成要素の製品コード、および、製品またはその構成要素が属する分類等を製品マスタに格納する。販売会社A社は、製品コード「S001」「K001」「K002」「K003」および分類「製品」「半製品」等の情報を製品マスタに格納し管理している。なお、製品マスタは、製造会社B社とのデータ連携の対象である。
【0048】
また、販売会社A社は、発注製品を起点とする親構成要素と子構成要素の関係、および、製品に対する子構成要素(部品等)の必要数を格納し管理する製品構成マスタを有している。販売会社A社は、親製品コード、親製品コードに紐づく子製品コード、子製品コードに紐づく構成分子(構成数)、および子製品コードに紐づく構成分母等の情報を製品構成マスタに格納する。販売会社A社は、発注製品の製品コードを親製品コード「S001」とし、親製品コード「S001」を起点として、親製品コード「S001」に紐づく子製品コード「K001」、構成分子「2」および構成分母「1」、親製品コード「S001」に紐づく子製品コード「K002」、構成分子「3」および構成分母「1」、親製品コード「S001」に紐づく子製品コード「K003」、構成分子「5」および構成分母「1」、等の半製品までの構成分子および構成分母の情報を製品構成マスタに格納し管理している。なお、製品構成マスタは、仕入先(製造会社)とのデータ連携の対象である。
【0049】
[ステップ2:製造会社B社の業務フローとデータ作成(
図4)]
マスタ連携処理部102aは、販売会社A社の製品マスタからデータをコピーし、製品マスタ106aに格納し、製品マスタ106aを更新する(
図4のB参照)。また、マスタ連携処理部102aは、販売会社A社の製品構成マスタからデータをコピーし、製造構成マスタ106bに格納し、製造構成マスタ106bを更新する(
図4のB参照)。なお、
図4の製品マスタ106a内と製造構成マスタ106b内の太線で囲まれたレコードは、販売会社A社のマスタから作成されたものである。
【0050】
製品マスタ106aには、販売会社A社の製品マスタからコピーされたデータ以外に、製造会社B社にて個別に作成されたデータが格納されている。販売会社A社の製品マスタは、分類が「半製品」までのデータであったが、製品マスタ106aでは、製品コード「S001」を起点に展開される、製品コード「BU001」「CHU001」等の、分類が「部品」「中間品」等のデータまで格納されている。
【0051】
また、製造構成マスタ106bには、販売会社A社の製造構成マスタからコピーされたデータ以外に、製造会社B社にて個別に作成されたデータが格納されている。販売会社A社の製造構成マスタは、分類が「半製品」までのデータであったが、製造構成マスタ106bでは、分類が「部品」等までのデータが格納されている。製造構成マスタ106bには、例えば、製品コード「S001」と共通する親製品コード「S001」に紐づく子製品コード「K001」を親製品コードとして、これに紐づく子製品コード「BU001」、構成分子「4」および構成分母「1」が格納されている。製品コード「S001」の製品を起点に、親子の関係をたどっていくと、製品コード「S001」の製品を構成するすべての部品等とその部品等の必要数が明らかとなる。
【0052】
受注データ・製造データ作成部102bは、販売会社A社から受信したA社の発注書(発注データ)、およびA社の製造構成マスタとデータ連携済みの製造構成マスタ106b等から、受注データ106c、製番基本情報データ106dおよび製番構成データ106eを同時期に作成する(
図4のB参照)。
【0053】
具体的には、受注データ・製造データ作成部102bは、受注データ106cを作成する以下の(I)に示す処理とともに、製番基本情報データ106dを作成する以下の(II)に示す処理と、製番構成データ106eを作成する以下の(III)に示す処理と、を実行する。
【0054】
(I)以下に示す、受信した販売会社A社の発注データを基に、以下に示す受注レコードを作成し、受注データ106cに格納する。
・発注番号「H00001」、仕入先コード「B社」、製品コード「S001」、発注日「2022/11/1」、納期「2023/1/10」および発注数「2」を含む発注データ
・受注番号「J00001」(新規採番)、得意先コード「A社コード」(オペレーター入力)、製品コード「S001」(=発注データに含まれる製品コード)、受注日「2022/11/7」(オペレーター入力)、納期「2023/1/10」(=発注データに含まれる納期)、受注数「2」(=発注データに含まれる発注数)および得意先注文番号「H00001」(=発注データに含まれる発注番号)を含む受注レコード
【0055】
(II)以下に示す製番基本情報レコードを作成し、製番基本情報データ106dに格納する。
・製番「SEI001」(新規採番)、受注番号「J00001」、製品コード「S001」(=発注データに含まれる製品コード)、および製造数「2」(=発注データに含まれる発注数)を含む製番基本情報レコード
【0056】
(III)以下に示す(i)~(iii)の処理を実行する。
【0057】
(i)製造構成マスタ106bを参照して、発注データに含まれる製品コード「S001」と同じ親製品コードに直接的または間接的に紐づく全ての子製品コードと構成分子と構成分母を、子製品コードに到達するまでのステップ数(階層)と対応付けて取得する(以下の[製品コードとステップ数との関係]参照)。
[製品コードとステップ数との関係]
「S001」(ステップ数「0」)
|-「K001」(ステップ数「1」)
| |-「BU001」(ステップ数「2」)
| |-「BU002」(ステップ数「2」)
|
|-「K002」(ステップ数「1」)
| |-「BU003」(ステップ数「2」)
| |-「BU004」(ステップ数「2」)
|
|-「K003」(ステップ数「1」)
|-「BU005」(ステップ数「2」)
|-「BU006」(ステップ数「2」)
|-「CHU001」(ステップ数「2」)
|-「BU001」(ステップ数「3」)
|-「BU007」(ステップ数「3」)
【0058】
(ii)ステップ数「N」(N=1、2、3)と対応付く製品コードで特定される構成要素(半製品、中間品または部品)の製造数を、以下の計算式を用いて算出する。
・計算式:「ステップ数『N』と対応付く製品コードで特定される構成要素の製造数」=
「ステップ数『N』と対応付く製品コードに紐づく、ステップ数『N-1』と対応付く製品コードで特定される製品または構成要素の製造数」×
(「ステップ数『N』と対応付く製品コードに紐づく構成分子」÷「ステップ数『N』と対応付く製品コードに紐づく構成分母」)
【0059】
(iii)受注製品に対応する以下の製番構成レコードXと、取得した子製品コードごとの以下の製番構成レコードYを作成し、製番構成データ106eに格納する。
・製番「SEI001」、レベル「0」(最上位の階層を意味する値)、払出製品コード「S001」(=発注データに含まれる製品コード)、および製造数「2」(=発注データに含まれる発注数)を含む製番構成レコードX(
図4に示す製番構成データ106e内の上から1番目のレコードに対応)
・製番「SEI001」、ステップ数に対応するレベル値、払出製品コード(=取得した子製品コード)、および算出した製造数を含む製番構成レコードY(
図4に示す製番構成データ106e内の上から2番目のレコードから下から1番目のレコードまでに対応)
【0060】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0062】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0063】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、製造業など様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0075】
100 業務支援装置
102 制御部
102a マスタ連携処理部
102b 受注データ・製造データ作成部
102c 製番手配入力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 製品マスタ
106b 製造構成マスタ
106c 受注データ
106d 製番基本情報データ
106e 製番構成データ
106f 製番手配データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク