(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092741
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】派遣業務支援システム、派遣業務支援方法、及び派遣業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20240701BHJP
G06Q 20/14 20120101ALI20240701BHJP
【FI】
G06Q10/109
G06Q20/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208877
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 凌真
【テーマコード(参考)】
5L010
5L020
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L020AA32
5L049AA10
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】スタッフの派遣先である得意先の請求パターンに応じて、該当の月の請求金額を自動で集計できるようにすることで、担当者の業務負荷を軽減すること。
【解決手段】本実施の形態の派遣業務支援システムは、請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、請求勤怠データを記憶部に登録する勤務表入力手段と、対象の得意先について、得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え、得意先に派遣したスタッフの勤怠に対する請求業務を支援する派遣業務支援システムであって、
前記記憶部には、
得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、
ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、
ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、及び勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、
が格納されており、
前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力手段と、
対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計手段と、
を備えたことを特徴とする派遣業務支援システム。
【請求項2】
前記勤怠項目は、所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、及び欠勤日数を含み、
前記金額は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、及び欠勤金額を含むことを特徴とする請求項1に記載の派遣業務支援システム。
【請求項3】
前記請求月は、当月、前月、又は前々月であることを特徴とする請求項1に記載の派遣業務支援システム。
【請求項4】
前記固定部分は、基本金額を含み、前記変動部分は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、及び欠勤金額を含むことを特徴とする請求項2に記載の派遣業務支援システム。
【請求項5】
前記派遣は、MR派遣を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の派遣業務支援システム。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備える情報処理装置で実行される派遣業務支援方法であって、
前記記憶部には、
得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、
ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、
ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、及び各勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、各勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力工程と、
対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計工程と、
を含むことを特徴とする派遣業務支援方法。
【請求項7】
制御部及び記憶部を備える情報処理装置に実行させるための派遣業務支援プログラムであって、
前記記憶部には、
得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、
ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、
ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、及び各勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、
が格納されており、
前記制御部において、
前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、各勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力工程と、
対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計工程と、
を実行させるための派遣業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、派遣業務支援システム、派遣業務支援方法、及び派遣業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人材派遣業界において、スタッフを派遣先会社である得意先に派遣している場合、一般的には前月勤怠分を請求するが、MR派遣等では当月や前々月の勤怠を請求することがある。人材派遣業界で、スタッフの勤怠の請求額を算出するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、スタッフの派遣先である得意先の請求パターンに応じて、該当の月(例えば、当月/前月/前々月)の請求金額を自動で集計できるようにすることで、担当者の業務負荷を軽減することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スタッフの派遣先である得意先の請求パターンに応じて、該当の月の請求金額を自動で集計できるようにすることで、担当者の業務負荷を軽減すること可能な派遣業務支援システム、派遣業務支援方法、及び派遣業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備え、得意先に派遣したスタッフの勤怠に対する請求業務を支援する派遣業務支援システムであって、前記記憶部には、得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、各勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、格納されており、前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、各勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力手段と、対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記勤務項目は、所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、及び欠勤日数を含み、前記金額は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記請求月は、当月、前月、又は前々月であることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記固定部分は、基本金額を含み、前記変動部分は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記派遣は、MR派遣を含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備える情報処理装置で実行される派遣業務支援方法であって、前記記憶部には、得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、各勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、格納されており、前記制御部において実行される、前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、各勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力工程と、対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備える情報処理装置に実行させるための派遣業務支援プログラムであって、前記記憶部には、得意先毎の固定部分の請求月及び変動部分の請求月を含む得意先データと、ワークNO、得意先、及び各勤怠項目の単価を含む成約ワークデータと、ワークNO、スタッフ、締日、各勤怠項目、各勤怠項目の金額を含む請求勤怠データと、格納されており、前記制御部において、前記請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に前記成約ワークデータの対応する単価を乗算して、各勤怠項目の金額を算出して、前記記憶部に登録する勤務表入力工程と、対象の得意先について、前記得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、前記請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計工程と、を実行させるための派遣業務支援プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スタッフの派遣先である得意先の請求パターンに応じて、該当の月の請求金額を自動で集計できるようにすることで、担当者の業務負荷を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態の派遣業務支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態における派遣業務支援システムの制御部の全体の処理の概要を説明するためのフローを示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態における派遣業務支援システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態における派遣業務支援システムの制御部の処理の具体例を説明するための示す図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態における派遣業務支援システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態における派遣業務支援システムの制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る派遣業務支援システム、派遣業務支援方法、及び派遣業務支援プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、人材派遣業界において、スタッフを派遣先会社である得意先に派遣している場合、一般的には前月勤怠分を請求するが、MR派遣等では当月や前々月の勤怠を請求することがある。この場合、更に、固定部分(給与でいうと基本給)と変動部分(給与でいうと残業手当)によって、その組み合わせが異なる場合がある。
【0017】
従来、勤怠テーブルには時間や日数だけが管理されているため、複雑な請求パターンを自動計算できなかったため、複雑な請求パターンについては担当者が手計算で金額計算を行っており、担当者の業務負荷が大きかった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、勤怠テーブルに金額項目を設けることで、勤怠登録時に金額まで計算しておき、得意先の請求パターンに応じて該当の月(例えば、当月/前月/前々月)の金額を自動で集計できるようにした。
【0019】
本実施の形態の派遣業務支援システムは、例えば、常用派遣、技術者派遣(医薬品業界、MR派遣、テレビ業界クリエイター等)に広く利用可能である。
【0020】
[2.構成]
本実施の形態に係る派遣業務支援システム100の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、派遣業務支援システム100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
派遣業務支援システム100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータやワークステーション等である。派遣業務支援システム100は、
図2に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。派遣業務支援システム100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線または無線の通信回線を介して、派遣業務支援システム100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、派遣業務支援システム100と、サーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0025】
また、記憶部106は、得意先データ、成約ワークデータ、及び請求勤怠データ等を格納する。
【0026】
得意先データは、得意先(得意先コード及び/又は得意先名0、月給日割区分(例えば、0「日割無し」)、日給計算区分(例えば、0「出勤日数ベース」)、基本金額請求月(固定部分の請求月)、調整金額請求月(変動部分の請求月)を含んでいてもよい。
【0027】
成約ワークデータは、ワークNO、案件NO、スタッフ(スタッフコード及び/又はスタッフ名)、得意先コード、勤怠項目の単価(基本単価_請求、残業単価_請求、深夜単価_請求、有休日額_請求、基本給月額_請求、欠勤日額_請求)を含んでいてもよい。
【0028】
請求勤怠データは、ワークNO、締日、勤怠項目(所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、欠勤日数)、勤怠項目の金額(所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、欠勤金額)を含んでいてもよい。
【0029】
制御部102は、派遣業務支援システム100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、記憶部106に格納されている、得意先データ、成約ワークデータ、及び請求勤怠データ等にアクセス可能に構成されている。なお、得意先データ、成約ワークデータ、及び請求勤怠データ等は、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0031】
制御部102は、機能概念的に、得意先登録部102aと、成約ワーク登録部102bと、勤務表入力部102cと、請求集計部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0032】
得意先登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される請求先登録画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先データを入力して記憶部106に登録する。
【0033】
成約ワーク登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される成約ワーク登録画面上でのオペレータの操作に応じて、成約ワークデータを入力して記憶部106に登録する。
【0034】
勤務表入力部102cは、請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、請求勤怠データを記憶部106に登録する。
【0035】
この場合、勤怠項目は、所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、及び欠勤日数を含み、金額は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0036】
請求集計部102dは、例えば、モニタ114に表示される請求集計処理画面上でオペレータにより指定される得意先について、記憶部106に格納されている得意先データから基本金額請求月(固定部分の請求月)及び調整金額請求月(変動部分の請求月)を取得して、取得した基本金額請求月及び調整金額請求月に基づいて、記憶部106に格納されている請求勤怠データを集計して、請求書を出力する。
【0037】
この場合、請求月は、当月、前月、又は前々月であることにしてもよい。また、固定部分は、基本金額を含み、変動部分は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0038】
画面表示制御部102eは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、得意先登録画面、成約ワーク登録画面、請求集計処理画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0039】
[3.具体例]
図1~
図6を参照して、本実施の形態における派遣業務支援システム100の制御部の処理の具体例を説明する。
図2を参照して、本実施の形態における派遣業務支援システム100の制御部の全体の処理の概略を説明する。
図2は、本実施の形態における派遣業務支援システム100の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【0040】
(3-1.全体の処理)
図2において、得意先登録部102aは得意先登録処理を実行する(ステップS1)。具体的には、得意先登録処理では、得意先登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される請求先登録画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先データを入力して記憶部106に登録する。
【0041】
成約ワーク登録部102bは、成約ワーク登録処理を実行する(ステップS2)。具体的には、成約ワーク登録処理では、成約ワーク登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される成約ワーク登録画面上でのオペレータの操作に応じて、成約ワークデータを入力して記憶部106に登録する。
【0042】
勤務表入力部102cは、勤務表入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、勤務表入力処理では、勤務表入力部102cは、請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、請求勤怠データを記憶部106に登録する。各勤怠項目のデータは、例えば、記憶部106に格納される日々の勤怠データ(不図示)を締日に集計して更新してもよい。
【0043】
この場合、勤怠項目は、所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、及び欠勤日数を含み、金額は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0044】
請求集計部102dは、請求集計処理を実行する(ステップS4)。具体的には、請求集計処理では、請求集計部102dは、例えば、モニタ114に表示される請求集計処理画面上でオペレータにより指定される得意先について、記憶部106に格納されている得意先データから基本金額請求月(固定部分の請求月)及び調整金額請求月(変動部分の請求月)を取得して、取得した基本金額請求月及び調整金額請求月に基づいて、記憶部106に格納されている請求勤怠データを集計して、請求書を出力する。
【0045】
この場合、請求月は、当月、前月、又は前々月であることにしてもよい。また、固定部分は、基本金額を含み、変動部分は、所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、及び欠勤金額を含むことにしてもよい。
【0046】
(3-2.サンプルデータ)
図3~
図6は、本実施の形態における派遣業務支援システム100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図7~
図13を参照して、本実施の形態における派遣業務支援システム100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0047】
(S1:得意先登録処理)
図3を参照して、得意先登録処理の具体例を説明する。得意先登録部102aは、例えば、モニタ114に表示される請求先登録画面上でのオペレータの操作に応じて、得意先データを入力して記憶部106に登録する。得意先登録処理では、得意先毎に請求パターンを登録する。
【0048】
図3(A)は、得意先データのデータ例を示す図である。得意先データは、得意先NO、得意先名、月給日割区分(例えば、0「日割無し」)、日給計算区分(例えば、0「出勤日数ベース」)、基本金額請求月(固定部分の請求月)、調整金額請求月(変動部分の請求月)の項目を備えている。請求月は、当月「0」、前月「1」、前々月「2」とする。
【0049】
同図に示す例では、1行目は、得意先コード「T0001」、得意先「株式会社●●」、月給日割区分「0」、日給計算区分「0」、基本金額請求月「1(前月)」、調整金額請求月「2(前々月)」となっている。
【0050】
図3(B)は、得意先登録画面の表示例を示す図である。得意先登録画面は、得意先コード、得意先名、月給日割区分、日給計算区分、基本金額請求月(当月、前月、前々月)、調整金額請求月(当月、前月、前々月)を指定する指定エリアと、不図示の登録ボタンと、を備えている。指定エリアでデータを指定して、不図示の登録ボタンを押すと、入力内容に応じた得意先データが記憶部106に登録される。例えば、
図3(B)の入力内容の場合は、
図3(A)の1行目に示すような得意先データが登録される。
【0051】
(S2:成約ワーク登録処理)
図4を参照して、成約ワーク登録処理の具体例を説明する。成約ワーク登録部102bは、例えば、モニタ114に表示される成約ワーク登録画面上でのオペレータの操作に応じて、成約ワークデータを入力して記憶部106に登録する。成約ワークデータ(引当データ)は、単価を管理するためのデータである。案件毎に単価は設定されるが、引き当たるスタッフに応じて単価が変わることがあるためである。
【0052】
図4(A)は、成約ワークデータ(引当データ)のデータ例を示す図である。成約ワークデータ(引当データ)は、ワークNO、案件NO、スタッフコード、得意先コード、勤怠項目の単価(基本単価_請求、残業単価_請求、深夜単価_請求、有休日額_請求、基本給月額_請求、欠勤日額_請求)の項目を備えている。同図に示す例では、1行目は、ワークNO「1」、案件NO「100-1」、スタッフコード「S0001、得意先コード「T0001」、基本単価_請求「3,000」、残業単価_請求「3,750」、深夜単価_請求「750」、有休日額_請求「20,000」、基本給月額_請求「480,000」、欠勤日額_請求「20,000」となっている。
【0053】
図4(B)は、成約ワーク登録画面の表示例を示す図である。成約ワーク登録画面で各項目のデータを入力して、不図示の登録ボタンを押すと、入力内容に応じた成約ワークデータが記憶部106に登録される。例えば、
図4(B)の入力内容の場合は、
図4(A)の1行目に示すような成約ワークデータが登録される。
【0054】
(S3:勤務表入力処理)
図5を参照して、勤務表入力処理の具体例を説明する。勤務表入力部102cは、請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、請求勤怠データを記憶部106に登録する。各勤怠項目のデータは、例えば、記憶部106に格納される日々の勤怠データ(不図示)を締日に集計して更新してもよい。勤務表入力処理では、請求勤怠データを登録する際に金額計算までする。ワークNOからどのスタッフの勤怠か判断できる。
【0055】
図5は、請求勤怠データの計算過程を説明するための図である。請求勤怠データは、ワークNO、締日、勤怠項目(所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、欠勤日数)、勤怠項目の金額(所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、欠勤金額)を備えている。
【0056】
請求勤怠データにスタッフコードがないが、ワークNOに案件NOとスタッフコードが紐づくため、ワークNOで特定することができる。「所定内時間」とは、会社が定める所定時間(9:00~17:30の7.5時間など)内の労働時間を表す。「所定内金額」とは、所定内時間に対して支払われる金額で、時給者の場合は時給×100%×所定内時間となる。
【0057】
まず、
図5(A)に示すように、締日に、請求勤怠データの勤怠の項目(所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、欠勤日数)を更新(計算)する。例えば、日々の勤怠データを集計して計算することができる。
【0058】
次に、勤怠の項目を更新後、
図5(B)に示すように、勤怠項目の金額(所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、基本金額、欠勤金額)を、勤怠項目(所定内時間、残業時間、深夜時間、有休日数、実働日数、欠勤日数)に、ワークNOをキーとして対応する成約ワークデータの単価金額(基本単価、残業単価、深夜単価、有休日額、基本給月額、欠勤日額)を取得して乗じて計算する。この例では、
図4(A)の成約ワークデータの1行目を使用し、所定内金額=30,000(=10×3,000)、残業金額=150,000(=40×3,750)、深夜金額=7,500(=10×750)、有休金額=40,000(=2×20,000、基本金額=480,000、欠勤金額=-20,000(=1×20,000)となる。
【0059】
図5(C)に示すように、毎月の勤怠請求データの計算を繰り返して登録する。
図5(C)については、4,5,6月の勤怠請求データが計算されている。
【0060】
(S4:請求集計処理)
図6を参照して、請求集計処理の具体例を説明する。請求集計部102dは、例えば、モニタ114に表示される請求集計処理画面上でオペレータにより指定される得意先について、記憶部106に格納されている得意先データから基本金額請求月(固定部分の請求月)及び調整金額請求月(変動部分の請求月)を取得して、取得した基本金額請求月及び調整金額請求月に基づいて、記憶部106に格納されている請求勤怠データを集計して、請求書を出力する。
【0061】
図6(A)は、請求勤怠データのデータ例を示す図である。例えば、7月上旬に6月末締めの請求書を発行する。ワークNOから紐づく得意先の請求パターン(基本金額請求月(当月、前月、又は前々月)及び調整金額請求月(当月、前月、又は前々月):最大9パターン)を取得し、請求勤怠データの該当月の金額を集計する。同図に示す例では、
図3(A)の得意先データからワークNO「1」に紐づく「得意先T001:株式会社●●」の基本金額請求月「1:前月」と調整金額請求月「2:前々月」を取得して、基本金額(固定部分)については、請求月「1:前月」の金額を集計し、調整金額(変動部分)については、請求月「2:前々月」の金額を集計する。このように、得意先(T0001)の場合は、固定部分は前月5月勤怠、変動部分は前々月4月勤怠の金額を集計する必要がある。
【0062】
図6(B)は、請求集計処理画面の表示例を示す図である。請求集計処理画面は、年度月、請求締日、得意先(指定無しの場合は全指定となる)を指定する抽出条件エリアと、抽出条件に該当する得意先の一覧が表示される得意先表示エリアと、表示ボタンと、実行ボタンを備えている。
【0063】
表示ボタンを押すと、抽出条件に該当する得意先が得意先表示エリアに表示される。得意先表示エリアでは、集計対象を選択するためのボックスと、集計の状態(処理済、未処理)が表示される。得意先表示エリアで、集計対象の得意先を選択して、実行ボタンを押すと、請求集計処理が実行されて、得意先に対する請求書が出力される。
【0064】
図6(C)は、請求書の例を示している。
図6(C)の例は、得意先「T001:株式会社●●」の請求書の例を示している。請求書は、得意先と、合計の請求金額と、明細が表示されている。明細では、固定部分(基本金額)と変動部分(所定内金額、残業金額、深夜金額、有休金額、欠勤金額)の単価、日数・時間、金額が記載されている。同図に示す例では、固定部分は、5月分、変動部分は、4月分の金額が記載されており、請求金額は、687,500円となっている。
【0065】
以上説明したように、本実施の形態によれば、請求勤怠データについて、各月の締日に、各勤怠項目のデータを更新し、更新した各勤怠項目に成約ワークデータの対応する単価を乗算して、勤怠項目の金額を算出して、請求勤怠データを記憶部106に登録する勤務表入力部102cと、対象の得意先について、得意先データから固定部分の請求月及び変動部分の請求月を取得して、取得した固定部分の請求月及び変動部分の請求月に基づいて、請求勤怠データを集計して、請求書を出力する請求集計部102dと、を備えているので、スタッフの派遣先である得意先の請求パターンに応じて、該当の月の請求金額を自動で集計できるようにすることで、担当者の業務負荷を軽減することが可能になる。
【0066】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0069】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0070】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0071】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0072】
また、派遣業務支援システム100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0073】
例えば、派遣業務支援システム100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて派遣業務支援システム100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0074】
また、このコンピュータプログラムは、派遣業務支援システム100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0075】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0076】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0077】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0078】
また、派遣業務支援システム100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、派遣業務支援システム100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0079】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0080】
100 派遣業務支援システム
102 制御部
102a 得意先登録部
102b 成約ワーク登録部
102c 勤務表入力部
102d 請求集計部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク