(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092745
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/16 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
E02F9/16 K
E02F9/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208881
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢
(72)【発明者】
【氏名】林 陽介
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015EA02
2D015EB00
2D015EC02
(57)【要約】
【課題】外部の音がキャビンの内部に侵入し難い作業機を実現する。
【解決手段】作業機は、機体と、機体の上に設置されたステップ板(21)と、ステップ板(21)の上に設置されたキャビン(5)と、を備える。キャビン(5)は、周壁の底部に当該キャビン(5)の内側に向かって延設された取付部(5a)を有し、取付部(5a)がステップ板(21)の外縁部(21a)に接触した状態で、取付部(5a)にネジ締結されることでステップ板(21)に固定されている。取付部(5a)と外縁部(21a)との間に、弾性変形した状態でシール材(25)が配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体の上に設置されたステップ板と、
前記ステップ板の上に設置されたキャビンと、を備え、
前記キャビンは、周壁の底部に当該キャビンの内側に向かって延設された取付部を有し、該取付部が前記ステップ板の外縁部に接触した状態で、前記取付部にネジ締結されることで前記ステップ板に固定されており、
前記取付部と前記外縁部との間に、弾性変形している状態でシール材が配置されている作業機。
【請求項2】
前記シール材は、前記取付部と前記外縁部との間における、ネジ締結されている箇所と箇所との間に配置されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記取付部および前記外縁部のうちの一方は、前記ネジ締結されている箇所と箇所との間に、他方側より離れる方向に段差を形成する段差部を有し、
前記シール材は、前記段差部に配置されている請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記段差部は、前記外縁部に設けられており、
前記ステップ板の外縁に沿って延びる切欠き部と、
前記ステップ板の下面に固定され、前記切欠き部を前記下面の側から覆う支持板と、を有する請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記ステップ板は、略四角形状をなし、
前記取付部は、前記ステップ板の四隅においてネジ締結され、
前記シール材は、前記四隅を除いた辺部に配置されている請求項2に記載の作業機。
【請求項6】
前記キャビンの内部に連通する空間に面する開口に、前記開口を塞ぐ発泡部材が配置されている請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項7】
前記空間は、電気部品のハーネスを通すための空間である請求項6に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機の走行に連動して警告音を出力する作業機が知られている(例えば、特許文献1)。作業機のオペレータは、警告音の他、作業で発生する様々な騒音に曝される。運転席を覆うキャビンが設けられた作業機の場合、キャビンによって音が遮られるため、オペレータに届く騒音を抑制することができる。
【0003】
キャビンは、運転席の床面となるステップ板の上面にボルト等で取り付けられている。キャビンの周壁の底部には、キャビンの内側に向かって延設された枠状の取付部が設けられている。キャビンは、この取付部がステップ板の外縁部に接触した状態で、取付部が外縁部にネジ締結されることでステップ板に固定されている。取付部とステップ板とは共に板金であるため、ネジ締結により板金同士が密に接触し、接触部をシールする。板金同士の接触部は、基準寸法で隙間0に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基準寸法で隙間0に設定されていても、実際には接触部に隙間が発生する。この隙間は、ステップ板上に設置される運転席等の設置部品の重量、および運転席に着座するオペレータの重量等にてステップ板に撓みが生じることに起因する。接触部に隙間が発生すると、隙間を通して外部の音がキャビンの内部に侵入し、耳元騒音増加の原因となる。
【0006】
本発明の一態様は、前記問題点に鑑みなされたもので、外部の音がキャビンの内部に侵入し難い作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体の上に設置されたステップ板と、前記ステップ板の上に設置されたキャビンと、を備え、前記キャビンは、周壁の底部に当該キャビンの内側に向かって延設された取付部を有し、該取付部が前記ステップ板の外縁部に接触した状態で、前記取付部にネジ締結されることで前記ステップ板に固定されており、前記取付部と前記外縁部との間に、弾性変形している状態でシール材が配置されている。
【0008】
上記構成によれば、ステップ板が撓んで隙間が発生したとしても、シール材が復元して隙間を塞ぐことができる。これにより、ステップ板の撓みを起因とした隙間からキャビンの内部に外部の騒音が侵入することを抑制することができる。
【0009】
本発明の一態様に係る作業機において、前記シール材は、前記取付部と前記外縁部との間における、ネジ締結されている箇所と箇所との間に配置されていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、隙間を生じる部分にだけシール材が配置されることで、シール材の無駄を省くことができる。
【0011】
本発明の一態様に係る作業機において、前記取付部および前記外縁部のうちの一方は、前記ネジ締結されている箇所と箇所との間に、他方側より離れる方向に段差を形成する段差部を有し、前記シール材は、前記段差部に配置されていてもよい。
【0012】
上記構成によれば、シール材を厚くして潰し代を十分に確保することができるので、撓み量が変化して隙間の大きさが変化しても、シール材が変化に追随するように変化して、隙間を塞ぐことができる。
【0013】
本発明の一態様に係る作業機において、前記段差部は、前記外縁部に設けられており、前記ステップ板の外縁に沿って延びる切欠き部と、前記ステップ板の下面に固定され、前記切欠き部を前記下面の側から覆う支持板と、を有していてもよい。上記構成によれば、段差部を容易に実現することができる。
【0014】
本発明の一態様に係る作業機において、前記ステップ板は、略四角形状をなし、前記取付部は、前記ステップ板の四隅においてネジ締結され、前記シール材は、前記四隅を除いた辺部に配置されていてもよい。
【0015】
上記構成によれば、前記ステップ板の四隅で取付部がネジ締結される構成において、ステップ板の撓みで生じる四方向の隙間を効果的に塞ぐことができる。
【0016】
本発明の一態様に係る作業機において、前記キャビンの内部に連通する空間に面する開口に、前記開口を塞ぐ発泡部材が配置されていてもよい。
【0017】
上記構成によれば、開口から空間を通ってキャビンの内部に外部の騒音が侵入することを抑制することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る作業機において、前記空間は、電気部品のハーネスを通すための空間であってもよい。
【0019】
上記構成によれば、ハーネスを外部に引き出すための開口からキャビンの内部に外部の騒音が侵入することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、外部の音がキャビンの内部に侵入し難い作業機を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業機の全体構成を示す概略斜視図である。
【
図2】上記作業機のキャビンの内部を示す概略斜視図である。
【
図3】上記キャビンおよびステップ板を分離して示す概略斜視図である。
【
図4】上記キャビンの底面側を上に向けた概略斜視図である。
【
図5】上記ステップ板におけるシール材の取り付け構造を示す一部分解斜視図および部分拡大図である。
【
図6】上記ステップ板に上記キャビンを取り付けた部分の要部を示す断面斜視図である。
【
図8】上記キャビンの外と繋がる開口の位置を示す要部の断面斜視図である。
【
図9】上記作業機を水平面で切断した断面斜視図である。
【
図11】開口に発泡させる前の発泡シートを配置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0023】
(作業機の概略)
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略斜視図である。
図2は、作業機1のキャビン5の内部を示す概略斜視図である。本実施形態では、作業機1としてバックホーを例示する。
【0024】
図1に示すように、作業機1は、走行装置2と、機体3と、作業装置4と、を備える。機体3は、走行装置2のフレーム上に軸受体を介して縦軸(上下方向の軸)回りに旋回可能に支持されている。機体3には、キャビン5、原動機6、ボンネット7、カウンタウェイト8、および作業装置4等が設置されている。
【0025】
図2に示すように、キャビン5の内部(以下、室内と称する)には、オペレータ(運転者)が着座する運転席20(設置部品)が設けられている。運転席20は、室内の床面となるステップ板21上に設置されている。運転席20の周囲には、走行装置2、作業装置4、および機体3を操作するための複数の操作レバー22の他、図示してはいないが、表示装置、エアコン等の電気部品が複数配置されている。以下、運転席20に着座した作業者の前側を前方、作業者の後側を後方、作業者の左側を左方、作業者の右側を右方として説明する。キャビン5は、機体3の左寄りに設置されている。
【0026】
図1に示すように、作業装置4は、作動流体圧としての作動油圧により作動する装置であり、機体3の前部に設置されている。作業装置4は、油圧シリンダ11、12R,12L,13、14により回動される第1ブーム15、第2ブーム16、アーム17、バケット18などを備えている。
【0027】
(キャビンの取付け)
図3は、キャビン5およびステップ板21を分離して示す概略斜視図である。
図4は、キャビン5の底面側を上に向けた概略斜視図である。
【0028】
図3に示すように、キャビン5は、運転席20が設置されている前述のステップ板21に固定されている。
図4に示すように、キャビン5の周壁の底部には、キャビン5の内側に向かって延設された取付部5aが設けられている。取付部5aは、枠状に形成されている。キャビン5は、この取付部5aがステップ板21の外縁部21aに接触した状態で、取付部5aが外縁部21aに、ボルト等を用いてネジ締結されることで、ステップ板21に固定されている。
【0029】
取付部5aおよびステップ板21は共に板金であるため、シール材25を備えない従来の構成では、ネジ締結により板金同士が密に接触し、接触部をシールする。しかしながら、そのような構成では、前述したように、運転席20等の設置部品および運転席20に着座したオペレータ等の重量にてステップ板21に撓みが生じる。そのため、ステップ21の外縁部21aと取付部5aとの間である接触部に隙間が発生する。
【0030】
(ステップ板の撓みによる隙間対策)
そこで、作業機1においては、
図3に示すように、取付部5aと外縁部21aとの間に、弾性変形している状態でシール材25が配置されている。シール材25は、ステップ板21にキャビン5が搭載された状態(ネジ締結されている状態)で、弾性変形している。シール材25は、ステップ板21の外縁に沿って延びる細長い形状の部材である、シール材25は、ゴム等の弾性体であり、例えば、ゴムスポンジを用いることができる。
【0031】
このように、取付部5aと外縁部21aとの間に、ステップ板21上にキャビン5を搭載することによりキャビン5の重みにより弾性変形している状態でシール材25を配置しておくことで、ステップ板21が撓んで隙間が発生したとしても、シール材25が復元して隙間を塞ぐことができる。これにより、ステップ板21の撓みを起因とした隙間からキャビン5の内部に外部の騒音が侵入することを抑制することができる。
【0032】
より具体的には、ステップ板21の撓みによる隙間は、ネジ締結している箇所と箇所との間である箇所間に発生する。そこで、本実施形態では、シール材25は、取付部5aと外縁部21aとの間における、ネジ締結されている箇所間に配置している。なお、
図3では、シール材25をステップ板21に配置している構成を例示しているが、キャビン5の取付部5aにシール材25を配置してもよい。このように、隙間を生じる部分にだけシール材25が配置されることで、シール材25の無駄を省くことができる。
【0033】
本実施形態では、ステップ板21は略四角形状をなし、取付部5aはステップ板21の四隅においてネジ締結している。そのため、シール材25は、ステップ板21の四辺における、四隅(4つの角部)を除いた辺部に配置されている。このように、ステップ板21の四隅で取付部5aがネジ締結される構成では、四隅を除いた辺部にシール材25を配置しておくことで、ステップ板21の撓みで生じる四方向の隙間を効果的に塞ぐことができる。
【0034】
図5は、ステップ板21におけるシール材25の取り付け構造を示す一部分解斜視図および部分拡大図である。
図6は、ステップ板21にキャビン5を取り付けた部分の要部を示す断面斜視図である。
【0035】
図5、
図6に示すように、本実施形態では、外縁部21aは、ネジ締結されている箇所と箇所との間に、取付部5aより離れる方向に段差を形成する段差部24を有し、シール材25は、段差部24に配置されている。なお、
図5、
図6では、段差部24をステップ板21に設け、ステップ板21にシール材25を配置している構成を例示しているが、キャビン5の取付部5aに段差部24を設け、取付部5aにシール材25を配置してもよい。つまり、取付部5aおよび外縁部21aのうちの一方が、ネジ締結されている箇所と箇所との間に、他方側より離れる方向に段差を形成する段差部24を有し、シール材25が、該段差部24に配置されていればよい。
【0036】
このように、段差部24を設けてシール材25を配置する面をステップ板21の上面よりも下げる(あるいはシール材25を配置する面を取付部5aの下面よりも上げる)ことで、シール材25を厚くすることができ、シール材25の潰し代を十分に確保することができる。これにより、オペレータの重量差等によってステップ板21の撓み量が変化して隙間の大きさが変化しても、シール材25がこの変化に追随するように嵩を変えて隙間を塞ぐことができる。また、シール材25を厚くできるので、シール材25が薄い場合よりも弾力性が落ち難く、長くシール性を確保することができる。
【0037】
外縁部21aにおける段差部24は、
図5に示すように、外縁部21aに、ステップ板21の外縁に沿って延びる切欠き部21bが形成され、切欠き部21bを下面側から覆うようにステップ板21の下面に支持板23が固定されることで形成されている。換言すると、段差部24は、ステップ板21の外縁に沿って延びる切欠き部21bと、ステップ板21の下面に固定され、切欠き部21bを下面側から覆う支持板23と、を有する。支持板23は、切欠き部21bの形状に見合う細長い板金部材である。支持板23は、例えば溶接にてステップ板21の下面に固定されている。
【0038】
このような構成とすることで、シール材25の厚みを確保するための段差部24を容易に実現することができる。なお、取付部5aに段差部24を設ける場合も、同様の構成を適用できる。
【0039】
図示してはいないが、シール材25は、支持板23の上面に配置され、キャビン5がステップ板21上に搭載されていない状態で、シール材25の上面は、切欠き部21bを通ってステップ板21の上面よりも上方に突出している。この突出している部分が、キャビン5が搭載された場合のシール材25の潰し代となる。
【0040】
図6に示すように、ステップ板21の外縁部21aにキャビン5の取付部5aが搭載されることで、シール材25は取付部5aに押圧されて弾性変形する。弾性変形した状態で、シール材25の上面はステップ板21の上面と面一となり、ネジ締結されてる箇所と同様に、外縁部21aと取付部5aとの接触部に、隙間が存在しない状態となる。シール材25は、その復元力で常時、取付部5aを押し上げる方向に付勢している。
【0041】
また、シール材25は、ステップ板21あるいは取付部5aと別体に設けられた独立した部品であってもよいが、ステップ板21あるいは取付部5aと、接着や嵌め込み等にて予め外れ難い状態にしておいてもよい。これによれば、ステップ板21にキャビン5を搭載させて設置する工程において、シール材25とステップ板21又は取付部5aとの位置合わせが不要となり作業性が向上する。
【0042】
(その他の騒音対策)
作業機1においては、ステップ板21の撓みによる隙間以外にも、キャビン5の内部に外部の騒音が侵入する経路がある。このような経路についても塞ぐことが好ましい。
【0043】
図7は、
図1の領域Aの拡大図である。
図8は、キャビン5の外と繋がる開口30の位置を示す要部の断面斜視図である。
図9は、作業機1を水平面で切断した断面斜視図である。
図10は、
図9に示す領域Bの拡大図である。
【0044】
キャビン5は、曲げ形状等の所定の形状に加工した板金を組み合わせて溶接することで形成されている。そのため、板金と板金との間等に、塞ぎきれない開口(隙間)が生じたり、製造工程上の理由から開口が設けられたりする場合がある。その一例として、
図7、
図8に示すように、キャビン5の後部の右側のフレーム5cの下方側には、キャビン5の外と繋がる比較的大きな開口30が存在する。
【0045】
この開口30は、フレーム5cが位置するキャビン5の後部の右側部分に設けられる、キャビン5内で天井付近の配策をするためのハーネスを通す空間31を作る際に、必然的に生じる開口であり、キャビン5の内外に通じる箇所である。空間31は、キャビンの内部に連通する空間であり、空間31には、キャビン5の上部に取り付けられる前方照明灯や後方照明灯のハーネスが設置される。
【0046】
このような開口30は、キャビン5の内部に繋がる空間31に面しているため、外部の騒音が侵入する経路となり、開口30から外部の騒音がキャビン5の内部に侵入する。なお、
図8は、開口30に対策を施す前の状態を示している。
【0047】
図9は、作業機1を水平面で切断した断面斜視図である。
図10は、
図9に示す領域Bの拡大図である。
図9、
図10は、開口30に対策を施した状態を示している。
図9、
図10に示すように、作業機1においては、開口30からの騒音の侵入を抑制すべく、開口30に該開口30を塞ぐ発泡部材32を配置している。発泡部材32が配置されることで開口30が塞がれ、これにより、開口30から空間31を通ってキャビン5の内部に外部の騒音が侵入することを抑制することができる。
【0048】
このような発泡部材32を用いて開口30を塞ぐ構成においては、キャビン5に施した塗装を乾燥させる工程の熱を利用して発泡部材32を発泡させることができる。つまり、
図11に示すように、開口30の形状合わせて裁断した発泡シート32Sを、キャビン5の塗装の乾燥工程前に開口30に配置しておく。そして、キャビン5に施した塗装を乾燥させる工程の熱を利用して、発泡シート32Sを発泡させて開口30を閉塞する。
図11は、開口30に発泡させる前の発泡シートを配置した状態を示す図である。
【0049】
なお、ここでは、騒音の浸入経路となる開口として、天井付近の配策をするためのハーネスを通す空間31に面する開口30を例示したが、これに限るものではない。つまり、構造的に、キャビン5の内部への騒音の浸入経路となる開口(隙間)に、形状に合わせて裁断した発泡シート32Sを配置しておくことで、キャビン5に施した塗装を乾燥させる工程の熱を利用して隙間を塞ぐことができる。
【0050】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 作業機
3 機体
4 作業装置
5 キャビン
5a 取付部
20 運転席
21 ステップ板
21a 外縁部
23 支持板
24 段差部
25 シール材
30 開口
31 空間
32 発泡部材