(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092771
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
E02F9/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208921
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 尚志
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 裕文
(72)【発明者】
【氏名】藤原 純一
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015CA02
(57)【要約】
【課題】冷却風を原動機側に効率よく流すことのできる作業機を提供する。
【解決手段】作業機は、機体と、機体に搭載された原動機と、原動機を覆うと共に開閉自在に形成されたボンネットと、ボンネットの内部で機体に立設されていてボンネットを支持する支持フレームと、ボンネットの外部から内部へ外気を吸気して原動機へ流す冷却ファンと、冷却ファンによって吸気された外気が支持フレームとボンネットとの間から原動機側に流れるのを防止する仕切り体と、を備え、仕切り体は、支持フレームに取り付けられボンネットを閉じることによりボンネットに当接して支持フレームとボンネットとの間を仕切る。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に搭載された原動機と、
前記原動機を覆うと共に開閉自在に形成されたボンネットと、
前記ボンネットの内部で前記機体に立設されていて前記ボンネットを支持する支持フレームと、
前記ボンネットの外部から内部へ外気を吸気して前記原動機へ流す冷却ファンと、
前記冷却ファンによって吸気された外気が前記支持フレームと前記ボンネットとの間から前記原動機側に流れるのを防止する仕切り体と、
を備え、
前記仕切り体は、前記支持フレームに取り付けられ前記ボンネットを閉じることにより前記ボンネットに当接して前記支持フレームと前記ボンネットとの間を仕切る作業機。
【請求項2】
前記仕切り体は、シール材を介して前記ボンネットの内面に当接する請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記仕切り体は、
前記支持フレームから前記ボンネット側へ延出して前記ボンネットが閉じられたときに前記支持フレームと前記ボンネットとの間を仕切る第1壁部と、
前記第1壁部における前記ボンネットに当接する先端部側とは反対側の基端部から前記第1壁部に対して略垂直な方向に延びる第2壁部とを有し、
前記第2壁部は、前記支持フレームにおける前記第1壁部の先端部側を向く面に当接する請求項1または2に記載の作業機。
【請求項4】
前記シール材は、前記第1壁部に取り付けられている請求項2を引用する請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記冷却ファンを覆うシュラウドを備え、
前記仕切り体は、
前記支持フレームから前記ボンネット側へ延出して前記ボンネットが閉じられたときに前記支持フレームと前記ボンネットとの間を仕切る第1壁部と、
前記第1壁部における前記ボンネットに当接する先端部側とは反対側の基端部から前記シュラウド側へ延出して前記支持フレームと前記シュラウドとの間を仕切る第2壁部とを有する請求項1に記載の作業機。
【請求項6】
前記冷却ファンを覆うシュラウドを備え、
前記冷却ファン及び前記シュラウドは、前記原動機の機体幅方向外方に配置され、
前記ボンネットは、前記冷却ファン及び前記シュラウドを機体幅方向外方から覆うと共に外気を前記ボンネットの内部に取り入れるための外気取入れ口が設けられたカバー体を有し、
前記支持フレームは、前記シュラウドの前方において立設された前支柱部と、前記シュラウドの後方において立設された後支柱部とを有し、
前記カバー体は、前部が前記前支柱部に上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされ、
前記仕切り体は、前記シュラウドの後方に配置され前記後支柱部に取り付けられている請求項1に記載の作業機。
【請求項7】
前記仕切り体は、
前記後支柱部から機体幅方向外方に延出され前記後支柱部と前記カバー体との間を仕切
る第1壁部と、
前記第1壁部の機体幅方向内方側の端部から前方に延出され前記後支柱部と前記シュラウドとの間を仕切る第2壁部とを有している請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記第2壁部は、機体幅方向内方側の面が前記後支柱部に当接している請求項7に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された作業機は、機体に搭載された原動機を覆うボンネットと、ボンネットの内部で機体に立設されていてボンネットを支持する支持フレームと、ボンネットの外部から内部へ外気を吸気して原動機へ流す冷却ファンと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、冷却ファンによって吸気された外気が支持フレームとボンネットとの間から原動機側に流れると、冷却ファンで起風される冷却風を効率よく原動機側へ流せないという問題がある。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み、冷却風を原動機側に効率よく流すことのできる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体に搭載された原動機と、前記原動機を覆うと共に開閉自在に形成されたボンネットと、前記ボンネットの内部で前記機体に立設されていて前記ボンネットを支持する支持フレームと、前記ボンネットの外部から内部へ外気を吸気して前記原動機へ流す冷却ファンと、前記冷却ファンによって吸気された外気が前記支持フレームと前記ボンネットとの間から原動機側に流れるのを防止する仕切り体と、を備え、前記仕切り体は、前記支持フレームに取り付けられ前記ボンネットを閉じることにより前記ボンネットに当接して前記支持フレームと前記ボンネットとの間を仕切る。
【発明の効果】
【0008】
上記の作業機によれば、仕切り体により、支持フレームとボンネットとの間をしっかりと仕切ることができ、冷却風を原動機側に効率よく流すことができる。また、仕切り体を、ボンネットを支持する支持フレームに取り付けることで、仕切り体を簡易な構成でしっかりと支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図7】支持フレーム及びシュラウドの斜視図である。
【
図8】支持フレーム及びシュラウドの斜視図である。
【
図9】支持フレーム及びシュラウドの側面図である。
【
図11】支持フレームから仕切り体を外した状態の側面図である。
【
図12】仕切り体及びその周囲の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
【0012】
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2には、オペレータ(運転者)が着座する運転席6と、4柱式のロプス15とが搭載されている。運転席6は、座部6Aと背もたれ部6Bとを有する。座部6Aは、オペレータが着座する(臀部及び太股部を載せる)部位である。背もたれ部6Bは、着座したオペレータが背中をもたれかける部位であって、座部6Aの後部に上方に延びるように設けられている。ロプス15は、ルーフ19を有するキャノピ仕様である。
【0013】
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側に向かう方向(
図1の矢印A1方向)を前方(機体前方)、オペレータの後側に向かう方向(
図1の矢印A2方向)を後方(機体後方)、
図1の矢印A3方向を前後方向(機体前後方向)として説明する。また、オペレータの左側に向かう方向(
図1の手前側)を左方、オペレータの右側に向かう方向(
図1の奥側)を右方として説明する。
【0014】
また、前後方向A3に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。つまり、機体幅方向外方は、機体2の幅方向の中心から機体幅方向に離れる方向である。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向内方として説明する。つまり、機体幅方向内方は、機体幅方向において機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0015】
図1に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持するクローラ式の走行装置であって、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3Rとを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成された走行モータM1によって駆動される。本実施形態ではクローラ式の走行装置3を用いているが、これに限らず、ホイール式等の走行装置を用いてもよい。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されるドーザシリンダによって駆動可能である。
【0016】
図1に示すように、機体2は、当該機体2の底部を構成する厚板材で形成された旋回基板5を有している。旋回基板5は、走行装置3の走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して上下方向に延伸する軸心である旋回軸心X1回りに旋回可能に支持されている。旋回基板5は、旋回モータ99(
図3参照)によって旋回軸心X1回りに旋回駆動される。また、機体2は、前部に、作業装置4を支持する支持ブラケット9及びスイングブラケット10を有している。支持ブラケット9は、機体2から前方に突出状に設けられている。詳しくは、支持ブラケット9は、旋回基板5の前部に固定され、旋回基板5から前方に突出している。スイングブラケット10は、支持ブラケット9の前部に、縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に取り付けられている。
【0017】
図1に示すように、作業装置4は、ブーム11、アーム12及びバケット13を有している。ブーム11の基部は、スイングブラケット10の上部に横軸(機体幅方向に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。アーム12は、ブーム11の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。バケット13は、アーム12の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。スクイ動作とは、バケット13をブーム11に近づける方向に揺動させる動作であり、例えば、土砂等を掬う場合の動作である。また、ダンプ動作とは、バケット13をブーム11から遠ざける方向に揺動させる動作であり、例えば、掬った土砂等を落下(排出)させる場合の動作である。
【0018】
スイングブラケット10は、図示しないスイングシリンダの伸縮によって揺動可能とされている。ブーム11は、ブームシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。アーム12は、アームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。バケット13は、バケットシリンダC4の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。スイングシリンダ、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、バケットシリンダC4は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
【0019】
図2に示すように、機体2には、運転席6、運転席6の前方に配置された走行レバー1
6(
図1参照)、運転席6の左側方に配置された操縦装置(左操縦装置)17L及び運転席6の右側方に配置された操縦装置(右操縦装置)17R等、を含む運転部18が搭載されている。走行レバー16は、走行装置3を操作する操作部材である。操縦装置17L,17Rは、作業装置4及び機体2等を操作する装置である、具体的には、ブーム11の揺動操作、アーム12の揺動操作、バケット13のスクイ動作及びダンプ動作の操作、機体2の旋回操作等を行う装置である。機体2の上面側且つ運転席6の前方側には、オペレータが足を置く部分である床部21が設けられている。床部21は、例えば、旋回基板5の上方に間隔を隔てて配置されて該旋回基板5に支持されたステップ板上にフロアマットを敷設して構成される。機体2の後部には、作業装置4との重量バランスを図るウエイト25が配置されている。本実施形態の作業機1は、小型のバックホーであって、
図1に示すように、原動機91(原動機91を収容する原動機ルーム)の上方に運転席6が配置されている。
【0020】
左操縦装置17Lは、コンソールカバー22、操縦レバー(左操縦レバー)23L、リモコン弁(図示省略)、アームレスト26L及び操作ロックレバー(アンロードレバー)30を有している。
【0021】
コンソールカバー22は、リモコン弁及び左操縦装置17Lのフレーム機構等を覆う部材である。左操縦レバー23Lは、左操縦装置17Lの前部且つ上部に配置され、前方及び後方と左方及び右方に傾動操作可能である。リモコン弁は、左操縦レバー23Lで操作されるパイロット弁であり、左操縦レバー23Lの下方に配置されている。リモコン弁は、コンソールカバー22内に収容されている。アームレスト26Lは、オペレータの肘等を置く部材であり、左操縦レバー23Lの後方に配置されている。操作ロックレバー30は、作業機1に搭載された油圧アクチュエータを操作可能状態と操作不能状態とに切り替えるレバーである。
【0022】
図2に示すように、右操縦装置17Rは、コンソールカバー34、操縦レバー(右操縦レバー)23R、リモコン弁(図示省略)、アームレスト26R、ドーザレバー35及び複数のスイッチ36を有している。
【0023】
コンソールカバー34は、右操縦装置17Rのフレームを覆うカバーである。右操縦装置17Rのフレームは、機体2側に取り付けられている。右操縦レバー23Rは、右操縦装置17Rの前部且つ上部に配置され、前方及び後方と左方及び右方に傾動操作可能である。リモコン弁は、右操縦レバー23Rで操作されるパイロット弁であり、右操縦レバー23Rの下方に配置され、コンソールカバー34で覆われている。アームレスト26Rは、オペレータの肘等を置く部材であり、右操縦レバー23Rの後方に配置されている。ドーザレバー35は、ドーザ装置7を操作するレバーである。複数のスイッチ36は、コンソールカバー34の上面側に配置され、作業機1に装備された各種機器を操作するスイッチである。
【0024】
図3に示すように、機体2には、原動機91、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94、油圧ポンプ95、燃料タンク96、作動油タンク97、コントロールバルブ98及び旋回モータ99等の搭載物が搭載されている。原動機91は、例えば、ディーゼルエンジンである。原動機91は、ガソリンエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。原動機91の機体幅方向の一側(左部)には、冷却ファン100が取り付けられている。冷却ファン100は、原動機91によって駆動され、左から右に向けて流れる冷却風を発生させる。言い換えると、冷却ファン100は、機体幅方向に延伸する軸心回りに回動して機体2の左側方から空気(外気)を吸い込んで原動機91側へと流す吸い込み式のファンである。詳しくは、冷却ファン100は、後述するボンネット14の外部から内部へ外気を吸気して原動機91へ流す。
【0025】
ラジエータ92は、原動機91を冷却する冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラ93は、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータから戻る戻りの作動油を冷却する冷却器である。バッテリ94は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。油圧ポンプ95は、原動機91の動力によって駆動され、作業機1に装備さ
れた油圧モータ、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(圧油)を吐出する。また、油圧ポンプ95は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の圧油を吐出する。燃料タンク96は、原動機91用の燃料を貯留するタンクである。作動油タンク97は、作動油を貯留するタンクである。コントロールバルブ98は、油圧ポンプ95から吐出された作動油により駆動される油圧アクチュエータへ供給される作動油の流量を制御する。旋回モータ99は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成され、機体2を旋回軸心X1回りに旋回させる(回転駆動する)モータである。
【0026】
図3に示すように、原動機91は、機体2の後部であって機体2の幅方向中途部に配置されている。また、原動機91は、運転席6の下方に配置されている。ラジエータ92は、原動機91及び冷却ファン100の左方に配置されている。オイルクーラ93は、ラジエータ92の左方に配置されている。バッテリ94は、オイルクーラ93の左方側であってオイルクーラ93よりも下方に配置されている。油圧ポンプ95は、原動機91の機体幅方向の他側(右部)に取り付けられている。燃料タンク96は、機体2の右部であって機体2の前部に配置されている。言い換えると、燃料タンク96は、運転席6の右の側方且つ前方に配置されている。作動油タンク97は、燃料タンク96の後方で且つ油圧ポンプ95の前方に配置されている。言い換えると、作動油タンク97は、機体2の右部であって、前後方向の中途部に配置されている。コントロールバルブ98は、機体2の左部の前部に配置されている。旋回モータ99は、機体2の前後方向の中途部であって機体2の幅方向の中途部に配置されている。また、旋回モータ99は、運転席6の前方且つ運転席6より下方に配置されている。
【0027】
機体2の上方には、
図1に示すように、機体2に搭載された、原動機91等の搭載機器やタンク等の搭載部材等の搭載物を覆うカバー装置101が設けられている。
図3に示すように、カバー装置101は、原動機91、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94、油圧ポンプ95、燃料タンク96及び作動油タンク97を覆う。コントロールバルブ98及び旋回モータ99は、機体2の内部(床部21の下方)に配置されている。
【0028】
カバー装置101は、複数のカバー体101A~101Dを含む。該複数のカバー体101A~101Dは、運転席6の下方に配置されたカバー体(第1カバー体という)101Aを有している。第1カバー体101Aは、機体2に対して固定状に設けられている。また、第1カバー体101Aは、原動機91の上方及び前方を覆う。また、複数のカバー体101A~101Dは、第1カバー体101A及び原動機91の後方に配置されたカバー体(第2カバー体という)101Bを有している。第2カバー体101Bは、原動機91の後方を開閉自在に覆う。
図5に2点鎖線で示すように、第2カバー体101Bは、機体2に対して右端側が上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされている。また、複数のカバー体101A~101Dは、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92、オイルクーラ93及び後述のシュラウド141の左側方に配置されたカバー体(第3カバー体という)101Cを有している。第3カバー体101Cは、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92、オイルクーラ93及びシュラウド141等の機体幅方向外方(左側方)を開閉自在に覆う。第3カバー体101Cには、外気を内側(ボンネット14の内部)に取り入れるための外気取入れ口89が設けられている(
図1参照)。
図5に2点鎖線で示すように、第3カバー体101Cは、機体2に対して前端側が上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされている。また、複数のカバー体101A~101Dは、機体2の右部に配置されたカバー体(第4カバー体という)101Dを有している。
【0029】
第1カバー体101Aと、第2カバー体101Bと、第3カバー体101Cと、第4カバー体101Dの後部とは、原動機91を収容する原動機ルーム(エンジンルーム)を形成する。言い換えると、第1カバー体101Aと、第2カバー体101Bと、第3カバー体101Cと、第4カバー体101Dの後部とは、原動機ルームを形成するボンネット14を構成している。ボンネット14は開閉自在に形成されている。詳しくは、ボンネット14は、開閉自在なカバー体(第2カバー体101B、第3カバー体101C)を備えており、これにより、ボンネット14は開閉自在に形成されている。なお、ボンネット14
に備えられる開閉自在なカバー体は、本実施形態では複数であるが、1つであってもよい。また、本実施形態では、ボンネット14は、該ボンネット14の一部が開閉自在であるが、ボンネット14全体が開閉自在であってもよい。つまり、開閉自在に形成されたボンネット14とは、ボンネット14の一部または全体が開閉自在であるということである。
図6に示すように、原動機ルーム91Aには、原動機91のほか、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94及び油圧ポンプ95等が収容される。
【0030】
なお、原動機ルームの後面下部はウエイト25によって形成される。原動機ルームの左及び右の側面下部は、ウエイト25の左部及び右部と、機体カバー107とによって構成される(
図1、
図2、
図4参照)。機体カバー107は、機体2の前面、左側面及び右側面の外郭を形成するカバーである。また、原動機ルームの前面下部は、後述する仕切り壁体150によって構成される。
【0031】
第4カバー体101Dの前部は、燃料タンク96及び作動油タンク97を収容するタンクルームを形成する。言い換えると、第4カバー体101Dの前部は、タンクルームを形成するタンクカバー部103を構成している(
図3参照)。つまり、カバー装置101は、ボンネット14と、タンクカバー部103とを有して構成されているとも言える。タンクルームは、原動機ルームに連通している。第4カバー体101Dは、運転席6の右側の側方に運転席6より前方に延出するように設けられている。即ち、第4カバー体101Dの前部(タンクカバー部103)は、運転席6の側方から運転席6より前方に延出している。
【0032】
図4に示すように、第4カバー体101Dは、メインカバー104と、側面カバー(側壁部)105とを有している。メインカバー104及び側面カバー105は、金属製の板材(板金)によって形成されている。メインカバー104及び側面カバー105は、樹脂板等の板材で形成されていてもよい。メインカバー104は、上壁104aと、側壁104bと、前壁104cとを有している。
【0033】
図3、
図4に示すように、側壁104bは、第4カバー体101Dの右側面を形成する。詳しくは、側壁104bは、機体2の前部から後部にかけて設けられていて、タンクルームの右側面と原動機ルームの右側面を形成する。側壁104bの後部には、ボンネット14内に取り入れられた空気を排出する排出口88が形成されている(
図4参照)。
図4に示すように、第4カバー体101D(タンクカバー部103)には、燃料タンク96の給油口及び作動油タンク97の給油口を露出させるべく形成された開口部108を開閉自在に閉鎖する給油口カバー113が設けられている。
【0034】
図4に示すように、側面カバー105は、タンクルームの左側面の上部を構成する。言い換えると、側面カバー105は、第4カバー体101Dの前部における運転席6側の側壁部を構成している。
【0035】
図6に示すように、作業機1は、機体2に立設された支持フレーム142を有している。支持フレーム142は、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92及びオイルクーラ93等と共にボンネット14の内部(原動機ルーム91A)に配置され、ボンネット14の内部で機体2に立設されている。また、支持フレーム142は、ボンネット14等を支持する。
【0036】
図6、
図7及び
図8に示すように、支持フレーム142は、一対の前支柱部143と、一対の後支柱部144と、一対のアッパサイドフレーム部145と、フロントアッパフレーム146と、リヤアッパフレーム147と、前取付板148と、一対の後取付板149とを有している。なお、支持フレーム142の構成は種々変更可能であり、支持フレーム142を構成する構成要素の本数又は個数は、実施形態のものに限定されるものではない。
【0037】
一対の前支柱部143は、原動機91の前方側に機体幅方向に間隔をあけて配置されている。この一対の前支柱部143は、機体2(旋回基板5)の左部側に配置された左の前支柱部(第1前支柱部という)143Lと、機体2(旋回基板5)の右部側に配置された右の前支柱部(第2前支柱部という)143Rとを含む。一対の後支柱部144は、原動機91の後方側に機体幅方向に間隔をあけて配置されている。この一対の後支柱部144
は、第1前支柱部143Lの後方に配置された左の後支柱部(第1後支柱部という)144Lと、第2前支柱部143Rの後方に配置された右の後支柱部(第2後支柱部という)144Rとを含む。
【0038】
一対のアッパサイドフレーム部145は、第1前支柱部143Lの上部から一体的に後方に延出された左のアッパサイドフレーム部(第1アッパサイドフレーム部という)145Lと、第2前支柱部143Rの上部から一体的に後方に延出された右のアッパサイドフレーム部(第2アッパサイドフレーム部という)145Rとを含む。第1アッパサイドフレーム部145Lの後部は、第1後支柱部144Lの上部に当接し且つ該上部に固定されている。第2アッパサイドフレームの後部は、第2後支柱部144Rの上部の左方に位置し且つ該上部に固定されている。
【0039】
フロントアッパフレーム146は、第1前支柱部143Lの上部及び第1アッパサイドフレーム部145Lの前部と、第2前支柱部143Rの上部及び第2アッパサイドフレーム部145Rの前部とを連結している。リヤアッパフレーム147は、第1後支柱部144Lの上部及び第1アッパサイドフレーム部145Lの後部と、第2後支柱部144Rの上部及び第2アッパサイドフレーム部145Rの後部とを連結している。
【0040】
前取付板148は、第1前支柱部143Lの下端部と第2前支柱部143Rの下端部とにわたって設けられ、これら下端部同士を連結している。前取付板148は、旋回基板5に立設された仕切り壁体150の上部にボルト等によって固定されている。仕切り壁体150は、旋回基板5と共に機体2を構成する構成要素であって、原動機ルーム91Aの前面の下部を仕切る。つまり、仕切り壁体150は、原動機ルーム91Aと、該原動機ルーム91Aの下部前方とを隔てる隔壁部材である。本実施形態では、第1前支柱部143L及び第2前支柱部143Rは、機体2を構成する仕切り壁体150に立設されている。
【0041】
一対の後取付板149は、第1後支柱部144Lの下端部に固定された第1後取付板149Lと、第2後支柱部144Rの下端部に固定された第2後取付板149Rとを含む。第1後取付板149Lは、旋回基板5に立設された第1ブラケット部材151Lの上部に取り付けられている。第2後取付板149Rは、旋回基板5に立設された第2ブラケット部材151Rの上部に取り付けられている。第1ブラケット部材151L及び第2ブラケット部材151Rは、旋回基板5と共に機体2を構成する構成要素である。本実施形態では、第1後支柱部144L及び第2後支柱部144Rは、機体2を構成する第1ブラケット部材151L及び第2ブラケット部材151Rに立設されている。
【0042】
図7、
図8及び
図9に示すように、支持フレーム142の第1前支柱部143Lと第1後支柱部144Lとの間であって第1アッパサイドフレーム部145Lの下方には、冷却ファン100を覆うシュラウド141が配置されている。したがって、第1前支柱部143L(前支柱部)は、シュラウド141の前方において機体2に立設され、第1後支柱部144L(後支柱部)は、シュラウド141の後方において機体2に立設されている。第1アッパサイドフレーム部145Lは、シュラウド141の上方に配置されている。
【0043】
シュラウド141は、冷却ファン100によって起風された冷却風が機体幅方向外方(ラジエータ92及びオイルクーラ93配置側)から機体幅方向内方(原動機91配置側)に効率よく流れるように風の流れを形成すべく冷却ファン100を覆うカバーである。シュラウド141には、冷却ファン100の効率を高めるために、冷却ファン100の外周円に対応する送風開口141aが形成されていて、冷却ファン100によって発生した冷却風は、送風開口141aを介して原動機91側へ向けて送風される。
【0044】
図10に示すように、シュラウド141及び冷却ファン100は、原動機91の機体幅方向外方(左方)に配置され、ラジエータ92及びオイルクーラ93は、シュラウド141及び冷却ファン100の機体幅方向外方(左方)に配置されている。第3カバー体(カバー体)101Cは、冷却ファン100及びシュラウド141を機体幅方向外方(左方)から覆う。第3カバー体101Cに形成された外気取入れ口89は、例えば、パンチングメタル157等の通風性のある部材で覆われる。第3カバー体101Cは、前部が、第1前支柱部143Lに設けられたヒンジ152によって上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。ヒンジ152は、支持ステー153と、枢軸154と、回動筒1
55と、ヒンジアーム156とを有している。
【0045】
支持ステー153は、
図7、
図8及び
図9に示すように、第1前支柱部143Lの下部の左面に固定されている。枢軸154は、上下方向に延伸する軸心を有し、支持ステー153の上部と下部とに同心状に配置され、支持ステー153に固定されている。回動筒155は、枢軸154に対応して上下一対設けられ、
図10に示すように、枢軸154の外側に軸心回りに回動自在に嵌められている。ヒンジアーム156は、一端側が回動筒155に固定され、他端側が第3カバー体101Cの内面に設けられた固定ブラケット158に固定されている。
【0046】
第3カバー体101Cは、
図14に示すように、閉じた状態で下端部がトリムシール159を介してウエイト25の上部に当接する。これにより、第3カバー体101Cの閉じ方向の回動が規制される。
図13に示すように、第3カバー体101Cの後部の下部には、係止溝160aを有する係止板160が固定されている。第1後支柱部144Lの後方には、ロック部材161が配置されている。ロック部材161は、棒材をL字形に屈曲して形成されており、機体幅方向に延伸する第1部位161aと前後方向に延伸する第2部位161bとを有する。第1部位161aは、第1後支柱部144Lに回動自在に支持されている。詳しくは、第1後支柱部144Lの後面にステー部材162が固定され、このステー部材162に第1部位161aが機体幅方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。第2部位161bには、雄ネジが切られており、蝶ナット部材163をねじ込むことができる。ロック部材161は、回動することにより係止溝160aに対して第2部位161bを係脱することができる。係止板160は、第3カバー体101Cを閉じた状態でステー部材162に当接し位置決めされる。係止板160が位置決めされた状態でロック部材161の第2部位161bを係止溝160aに挿入すると共に、該第2部位161bに蝶ナット部材163をねじ込むことにより、第3カバー体101Cがロックされる。これにより、第3カバー体101Cの開き動作が規制される。
【0047】
図13に示すように、第3カバー体101Cを閉じた状態で第2カバー体101Bの左端側が後方から当接することでも第3カバー体101Cの開き動作が規制される。
図12、
図14に示すように、第1後支柱部144Lの左面には、棒材によって形成されたストライカ164が固定されている。第2カバー体101Bには、該第2カバー体101Bを閉じた状態で、
図14に示すように、ストライカ164を係止(保持)することで第2カバー体101Bを閉位置でロックするキャッチ165が設けられている。
【0048】
図9に示すように、シュラウド141の周囲には、シュラウド141の周囲におけるラジエータ92側から原動機91側への冷却風の流通を規制すべく、シュラウド141の周囲をシールする複数のシール部材(第1シール部材166A~第6シール部材166F)が設けられている。第1シール部材166Aは、シュラウド141の下面と載置部材167との間に設けられている。第1シール部材166Aは、シュラウド141又は載置部材167に接着される。載置部材167は、シュラウド141及びラジエータ92を載置する部材であって、シュラウド141の下方に配置され、仕切り壁体150と第1ブラケット部材151Lとにわたって設けられている。載置部材167は、仕切り壁体150及び第1ブラケット部材151Lに固定されたブラケット部材に取り付けられる。
【0049】
図9に示すように、シュラウド141は、前部及び後部の上下に取付部141bを有する。該取付部141bは、ボルトを介してラジエータ92に取り付けられる。ラジエータ92は、載置部材167に設けられた防振部材168に防振支持されると共にフレーム部材169(
図6参照)を介して支持フレーム142に取り付けられ支持される。また、旋回基板5と載置部材167との間且つ仕切り壁体150と第1ブラケット部材151Lとの間は、仕切り板170(
図9参照)及び支持板171(
図6参照)等によって仕切られていて、バッテリ94側から原動機91側への冷却風の流れが遮断されるよう構成されている。
【0050】
図9に示すように、第2シール部材166Bは、シュラウド141の前面下部と仕切り壁体150との間に設けられている。第2シール部材166Bは、シュラウド141または仕切り壁体150に接着される。第3シール部材166Cは、シュラウド141の前端
側の中途部及び上部と第1前支柱部143Lとの間に設けられている。第3シール部材166Cは、シュラウド141または第1前支柱部143Lに接着される。第4シール部材166Dは、シュラウド141の上面と第1アッパサイドフレーム部145Lとの間に設けられている。第4シール部材166Dは、シュラウド141または第1アッパサイドフレーム部145Lに接着される。第5シール部材166Eは、シュラウド141の後面下部と第1ブラケット部材151L及び第1後取付板149Lとの間に設けられている。第5シール部材166Eは、シュラウド141または第1ブラケット部材151Lに接着される。第6シール部材166Fは、
図11及び
図12に示すように、シュラウド141の後端側の右面の上部及び中途部に設けられている。
【0051】
なお、
図10に示すように、ラジエータ92の前方は第3カバー体101Cの前壁部101Caによって塞がれており、支持フレーム142(第1前支柱部143L)の前方を廻って、冷却風がラジエータ92側から原動機91側へ流れるのを遮断している。また、支持フレーム142の上面側は、第1カバー体101Aにおける原動機91の上方を覆う上壁101Aa(
図14参照)によって塞がれると共に該上壁101Aaの下面に設けられた吸音材等によって、支持フレーム142の上方を越えて、冷却風がラジエータ92側から原動機91側へ流れるのが遮断されている。
【0052】
図11に示すように、シュラウド141の後端と上端との間のコーナ部には、エアクリーナ172の吸気管173(
図6参照)を通すためのグロメット174が設けられている。
【0053】
図9~
図14に示すように、作業機1は、冷却ファン100によって吸気された外気(冷却風)が支持フレーム142とボンネット14との間から原動機91側に流れるのを防止する仕切り体175を備えている。本実施形態では、仕切り体175は、冷却ファン100及びシュラウド141の後方に配置され支持フレーム142の第1後支柱部144L(後支柱部)に取り付けられていて、冷却風が第1後支柱部144Lと第3カバー体101Cとの間から原動機91側に流れるのを防止する。また、本実施形態では、仕切り体175は、冷却風がシュラウド141と第1後支柱部144L(後支柱部)との間から原動機91側に流れるのを防止する。また、仕切り体175は、ボンネット14を閉じることによりボンネット14に当接して支持フレーム142とボンネット14との間を仕切る。本実施形態では、仕切り体175は、第3カバー体101Cを閉じることにより第3カバー体101Cに当接して支持フレーム142の第1後支柱部144L(後支柱部)と第3カバー体101Cとの間を仕切る。
【0054】
次に、仕切り体175の構造を周囲の構造と共に詳細に説明する。
【0055】
図9~
図14に示すように、仕切り体175は、本体プレート176と、取付け片177と、補強部材178とを有している。
【0056】
本体プレート176は、第1壁部179と、第2壁部180とを有している。本体プレート176は、第1壁部179に対して第2壁部180が垂直方向(直角方向)に延伸するように、板材を折り曲げることで形成されている。また、本体プレート176は、第1壁部179の板面が前後方向を向き且つ第2壁部180の板面が機体幅方向を向くように第1後支柱部144Lの左方且つシュラウド141の後方に配置されている。したがって、第1壁部179は、第1後支柱部144Lから第3カバー体101Cの内面に向けて機体幅方向外方(左方)に延伸し、第2壁部180は、第1壁部179の右端からシュラウド141に向けて前方に延伸している。
【0057】
以上のように、仕切り体175は、支持フレーム142から第3カバー体101C(ボンネット14)側へ延出してボンネット14が閉じられたときに支持フレーム142と第3カバー体101C(ボンネット14)との間を仕切る第1壁部179と、第1壁部179におけるボンネット14に当接する先端部179a側とは反対側の基端部179bから第1壁部179に対して略垂直な方向に延びる第2壁部180とを有している。
【0058】
第2壁部180は、機体幅方向内方側の面(右面)が第1後支柱部144Lの機体幅方向外方側の面(左面)に面接触して当接している。言い換えると、第2壁部180は、支持フレーム142における第1壁部179の先端部179a側を向く面に当接する。
【0059】
図12に示すように、第1壁部179の左部の上部には、ハーネス等を通すための切欠き181が形成されている。
図14に示すように、第1壁部179における切欠き181の上方の左端形状及び第1壁部179における切欠き181の下方且つ上下方向中途部の左端形状は、第1カバー体101A(ボンネット14)の内面形状に沿った形状に形成されている。第1壁部179の左端下部の形状は、上側が下方に向かうにつれて右方に移行する傾斜状とされ、下側が上下方向(鉛直方向)に延伸した形状とされている。
【0060】
図11に示すように、第2壁部180の上部には、シュラウド141の後端と上端との間のコーナ部に設けられた上記グロメット174の挿通穴174a(
図9参照)に対応する形状の切欠き182が形成されている。
図9に示すように、切欠き182の縁部近傍がグロメット174の右面に当接する。また、
図13に示すように、第2壁部180の前部の左面が第6シール部材166Fに当接する。
【0061】
図14に示すように、取付け片177は、矩形状の板材からなり、第1壁部179の上部と下部とにそれぞれ配置され、且つ第1壁部179に固定されている。第1壁部179の上部に固定された取付け片177を第1取付け片177Aといい、第1壁部179の下部に固定された取付け片177を第2取付け片177Bという。
図6、
図12に示すように、第1取付け片177A、第2取付け片177Bは、ボルト183によって第1後支柱部144Lの後面に取り付けられている。つまり、仕切り体175は、第1後支柱部144L(支持フレーム142)に取り付けられている。なお、本実施形態では、取付け片177は複数設けられているが、取付け片177は1つであってもよい。
【0062】
図12に示すように、第2壁部180における第1取付け片177Aと第2取付け片177Bとの間には、第2壁部180とストライカ164との干渉を避けつつ第2壁部180を第1後支柱部144Lの左面に当接させるべく、切欠き部184が形成されている。切欠き部184は、第2壁部180の後端から前方に延びる第1縁部184aと、第1縁部184aの前端から前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延びる第2縁部184bと、第2縁部184bの下端から下方に延びる第3縁部184cと、第3縁部184cの下端から後方に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延びる第4縁部184dと、第4縁部184dの下端から後方に延びる第5縁部184eとを有している。
【0063】
第1壁部179における第1取付け片177Aと第2取付け片177Bとの間には、ストライカ164を後方側に露出させるための切欠き開口185が形成されている。切欠き開口185は、
図12に示すように、切り起こし壁186を切り起こすことにより形成されている。これにより、キャッチ165がストライカ164に後方から係合可能とされている。切欠き開口185は、切欠き部184と連続状に形成されている。また、切り起こし壁186は、切り起こした後、切欠き部184と同形状に形成されている。
【0064】
補強部材178は、切欠き部184及び切欠き開口185を形成したことによる強度低下を抑制するための部材である。
図12に示すように、補強部材178は、切り起こし壁186の縁部と切欠き部184とにわたって設けられ、切り起こし壁186、第1壁部179及び第2壁部180に固定されている。補強部材178は、切欠き部184の第1縁部184aに対応する第1壁178aと、第2縁部184bに対応する第2壁178bと、第3縁部184cに対応する第3壁178cと、第4縁部184dに対応する第4壁178dと、第5縁部184eに対応する第5壁178eとを有している。なお、切欠き部184、切り起こし壁186及び補強部材178の形状は上記した形状に限定されることはない。
【0065】
図11、
図14に示すように、第1壁部179の左端縁部(先端部179a)には、グロメット187とシール材189とが取り付けられている。グロメット187は、第1壁部179の上部に形成された切欠き181の縁部に取り付けられている。グロメット187は、切欠き181のエッジにハーネス等が接触しないようにするためのものである。
【0066】
シール材189は、ゴム等の弾性部材からなり、取着部189aにクッション性のあるチューブ189bが付いたトリムシールである。取着部189aは、第1壁部179の左端縁部を挟むことにより該左端縁部に取り付けられる。シール材189は、第1壁部179の左端縁部における、切欠き181の上方と下方とに設けられている。切欠き181の
上方に設けられたシール材189を第1シール材189Aといい、切欠き181の下方に設けられたシール材189を第2シール材189Bという。第3カバー体101Cを閉めたときに、第1シール材189Aと、第2シール材189Bの上部及び中途部とが第3カバー体101Cの内面に当接する。つまり、仕切り体175は、ボンネット14(第3カバー体101C)を閉じたときに、シール材189を介してボンネット14(第3カバー体101C)の内面に当接する。また、第2シール材189Bの下部の下側は、ウエイト25の上部に当接している。したがって、仕切り体175は、ウエイト25と支持フレーム142(第1後支柱部144L)との間を仕切る。
【0067】
なお、本実施形態では、シール材189は複数設けられているが、シール材189は1つ(一本)であってもよい。つまり、シール材189は、第1シール材189Aと第2シール材189Bとが連続状に形成されたものであってもよい。また、本実施形態にあっては、仕切り体175はシール材189を有するものとしたが、これに限定されることはない。例えば、シール材をボンネット14(第3カバー体101C)の内面に取り付け、ボンネット14を閉じたときにボンネット14の内面に取り付けられたシール材が仕切り体175(第1壁部179)に当接するように構成されていてもよい。また、
図13に示すように、第3カバー体101Cの内面には、吸音材190が接着されているが、この吸音材190が仕切り体175(第1壁部179)に当接するように構成されていてもよい。つまり、ボンネット14(第3カバー体101C)と仕切り体175との間に介在されるシール材として吸音材190を採用してもよい。
【0068】
上記仕切り体175にあっては、第3カバー体101Cを閉じたときに、該第3カバー体101Cの内面にシール材189を介して仕切り体175が当接し、第1後支柱部144Lと第3カバー体101Cとの間を仕切る。これにより、第1後支柱部144Lと第3カバー体101Cとの間をしっかりと仕切ることができ、冷却ファン100によって吸気された外気が第1後支柱部144Lと第3カバー体101Cとの間から原動機91側に流れるのを防止することができる。これにより、冷却風を原動機91側に効率よく流すことができる。
【0069】
また、仕切り体175は、冷却ファン100によって吸気された外気が第1後支柱部144Lとシュラウド141との間から原動機91側に流れるのを防止することができる。これによっても、冷却風を原動機91側に効率よく流すことができる。また、第2壁部180が第1後支柱部144Lの左面に当接していることから、第3カバー体101Cが仕切り体175に当接することによって第3カバー体101Cから仕切り体175に作用する荷重を第1後支柱部144Lで受けることができる。また、第3カバー体101Cを閉じている状態で、仕切り体175がシール材189を介して当接することにより、機体2(原動機91等)から第3カバー体101Cに伝わる振動を吸収することができる。
【0070】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、機体2(原動機91)の右側に冷却ファン100、ラジエータ92及びオイルクーラ93等が配置され且つボンネット14における原動機ルーム91Aの右側を形成する部分が開閉自在に構成されている作業機1にあっては、仕切り体175は、支持フレーム142の右側に配置されて該支持フレーム142取り付けられる。また、仕切り体175は、開閉自在な第2カバー体101Bを閉じることにより第2カバー体101Bに当接して支持フレーム142と第2カバー体101Bとの間を仕切る構造のものであってもよい。さらに、本発明は、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92及びオイルクーラ93等の配置構造に合わせて種々変更することができる。また、本実施形態では、一部が開閉自在なボンネット14を備えた作業機1に本発明を採用したものを例示したが、ボンネット14全体が開閉自在な作業機1に本発明を採用してもよい。
【0071】
つまり、本発明の仕切り体175は、支持フレーム142に取り付けられボンネット14を閉じることによりボンネット14に当接して支持フレーム142とボンネット14との間を仕切るものであればよい。
【0072】
上述した本実施形態の作業機1は、機体2と、機体2に搭載された原動機91と、原動機91を覆うと共に開閉自在に形成されたボンネット14と、ボンネット14の内部で機
体2に立設されていてボンネット14を支持する支持フレーム142と、ボンネット14の外部から内部へ外気を吸気して原動機91へ流す冷却ファン100と、冷却ファン100によって吸気された外気が支持フレーム142とボンネット14との間から原動機91側に流れるのを防止する仕切り体175と、を備え、仕切り体175は、支持フレーム142に取り付けられボンネット14を閉じることによりボンネット14に当接して支持フレーム142とボンネット14との間を仕切る。
【0073】
この構成によれば、ボンネット14を閉じることによりボンネット14に当接して支持フレーム142とボンネット14との間を仕切る仕切り体175により、支持フレーム142とボンネット14との間をしっかりと仕切ることができ、冷却風を原動機91側に効率よく流すことができる。また、仕切り体175を、ボンネット14を支持する支持フレーム142に取り付けることで、仕切り体175を簡易な構成でしっかりと支持することができる。
【0074】
また、仕切り体175は、シール材189を介してボンネット14の内面に当接する。
【0075】
この構成によれば、仕切り体175とボンネット14との間をしっかりと仕切ることができる。
【0076】
また、仕切り体175は、支持フレーム142からボンネット14側へ延出してボンネット14が閉じられたときに支持フレーム142とボンネット14との間を仕切る第1壁部179と、第1壁部179におけるボンネット14に当接する先端部179a側とは反対側の基端部179bから第1壁部179に対して略垂直な方向に延びる第2壁部180とを有し、第2壁部180は、支持フレーム142における第1壁部179の先端部179a側を向く面に当接する。
【0077】
この構成によれば、ボンネット14を閉じたときにボンネット14から仕切り体175に作用する荷重を支持フレーム142によって受けることができる。
【0078】
また、シール材189は、第1壁部179に取り付けられている。
【0079】
この構成によれば、仕切り体175とボンネット14との間をしっかりと仕切ることができる。
【0080】
また、作業機1は、冷却ファン100を覆うシュラウド141を備え、仕切り体175は、支持フレーム142からボンネット14側へ延出してボンネット14が閉じられたときに支持フレーム142とボンネット14との間を仕切る第1壁部179と、第1壁部179におけるボンネット14に当接する先端部179a側とは反対側の基端部179bからシュラウド141側へ延出して支持フレーム142とシュラウド141との間を仕切る第2壁部180とを有する。
【0081】
この構成によれば、仕切り体175によって、支持フレーム142とボンネット14との間を仕切ることができると共に支持フレーム142とシュラウド141との間をも仕切ることができる。
【0082】
また、作業機1は、冷却ファン100を覆うシュラウド141を備え、冷却ファン100及びシュラウド141は、原動機91の機体幅方向外方に配置され、ボンネット14は、冷却ファン100及びシュラウド141を機体幅方向外方から覆うと共に外気をボンネット14の内部に取り入れるための外気取入れ口が設けられたカバー体(第3カバー体101C)を有し、支持フレーム142は、シュラウド141の前方において立設された前支柱部(第1前支柱部143L)と、シュラウド141の後方において立設された後支柱部(第1後支柱部144L)とを有し、カバー体101Cは、前部が前支柱部143Lに上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされ、仕切り体175は、シュラウド141の後方に配置され後支柱部144Lに取り付けられている。
【0083】
この構成によれば、支持フレーム142の後支柱部144Lとボンネット14との間を仕切ることができる。
【0084】
また、仕切り体175は、後支柱部144Lから機体幅方向外方に延出され後支柱部144Lとカバー体101Cとの間を仕切る第1壁部179と、第1壁部179の機体幅方向内方側の端部から前方に延出され後支柱部144Lとシュラウド141との間を仕切る第2壁部180とを有している。
【0085】
この構成によれば、仕切り体175によって、後支柱部144Lとボンネット14との間を仕切ることができると共に後支柱部144Lとシュラウド141との間をも仕切ることができる。
【0086】
また、第2壁部180は、機体幅方向内方側の面が後支柱部144Lに当接している。
【0087】
この構成によれば、ボンネット14を閉じたときにボンネット14から第1壁部179に作用する荷重を後支柱部144Lによって受けることができる。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 作業機
2 機体
14 ボンネット
91 原動機
100 冷却ファン
101C カバー体(第3カバー体)
141 シュラウド
142 支持フレーム
143L 前支柱部(第1前支柱部)
144L 後支柱部(第1後支柱部)
175 仕切り体
179 第1壁部
179a 先端部
179b 基端部
180 第2壁部
189 シール材