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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092772
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20240701BHJP
   E02F 3/36 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
E02F9/00 H
E02F3/36 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208922
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三浦 尚志
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輝
(72)【発明者】
【氏名】坂田 登喜夫
【テーマコード(参考)】
2D012
2D015
【Fターム(参考)】
2D012EA01
2D015BA01
2D015DA00
(57)【要約】
【課題】コントロールバルブから作業装置に配策される複数の油圧ホースの組み付け性の向上を図る。
【解決手段】作業機は、走行装置と、走行装置上に旋回可能に支持された機体と、機体を旋回させる旋回モータと、機体の前部に搭載された作業装置と、作業装置に装備される複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能なコントロールバルブと、コントロールバルブから複数の油圧アクチュエータへ配策される複数の油圧ホースと、を備え、コントロールバルブは、機体の旋回中心よりも機体側方側且つ機体前方側に配置されており、複数の油圧ホースは、コントロールバルブから機体後方側に凸となるように湾曲し、且つ旋回モータの上方を通って作業装置へ配策されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、
前記走行装置上に旋回可能に支持された機体と、
前記機体を旋回させる旋回モータと、
前記機体の前部に搭載された作業装置と、
前記作業装置に装備される複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能なコントロールバルブと、
前記コントロールバルブから前記複数の油圧アクチュエータへ配策される複数の油圧ホースと、
を備え、
前記コントロールバルブは、前記機体の旋回中心よりも機体側方側且つ機体前方側に配置されており、
前記複数の油圧ホースは、前記コントロールバルブから機体後方側に凸となるように湾曲し、且つ前記旋回モータの上方を通って前記作業装置へ配策されている作業機。
【請求項2】
前記複数の油圧ホースと前記旋回モータとの接触を回避させるべく前記複数の油圧ホースをガイドするホースガイドを備えている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記ホースガイドは、
前記旋回モータの上方に配置され前記複数の油圧ホースを下から支持する主ガイド部を有している請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記主ガイド部は、前記コントロールバルブから前記旋回モータの上方へ配策される前記複数の油圧ホースを持ち上げる位置に配置されている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記主ガイド部は、板面が上下方向を向くように配置された板材からなる請求項3に記載の作業機。
【請求項6】
前記ホースガイドは、一端側が前記主ガイド部に固定され、他端側が前記機体に取り付けられるガイド支持部を備えている請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記主ガイド部は、少なくとも一部が前記複数の油圧ホースの長手方向に交差する方向に延伸する棒材からなり、
前記ホースガイドは、
前記主ガイド部の延伸方向の一端部から上方に延びる第1縦杆部と、
前記主ガイド部の延伸方向の他端部から上方に延びる第2縦杆部とを有している請求項3に記載の作業機。
【請求項8】
前記機体の前部に設けられ前記作業装置を支持する支持ブラケットを備え、
前記旋回モータは、前記支持ブラケットの後方に配置され、
前記複数の油圧ホースは、前記旋回モータの上方から前記支持ブラケットに向けて前下がり傾斜状に配策されている請求項1に記載の作業機。
【請求項9】
前記旋回モータは、前記コントロールバルブの機体幅方向の側方且つ前記作業装置の後方に配置され、
前記複数の油圧ホースは、前記コントロールバルブから機体後方側に後上がり傾斜状、且つ平面視で後方に凸となるように湾曲して配策され、さらに前記旋回モータの上方を通って前方へ向かうように配策されている請求項1に記載の作業機。
【請求項10】
前記機体の後部に搭載された原動機と、
前記原動機を収容する原動機ルームと前記原動機ルームの前方とを仕切る仕切り壁体と、
を備え、
前記コントロールバルブは、前記複数の油圧アクチュエータへ供給される作動油の流量を制御する複数の制御バルブを集約して構成され、
前記仕切り壁体の前方且つ前記コントロールバルブの後方に、前記コントロールバルブのうちの少なくとも1つの制御バルブを作動させる電磁弁ユニットが配置されている請求項9に記載の作業機。
【請求項11】
前記機体は、当該機体の底部を構成する旋回基板と、前記旋回基板の上方に間隔を隔てて設けられた床部とを有し、
前記旋回モータは前記旋回基板上に設置され、
前記床部と前記旋回モータとの間に前記複数の油圧ホースを配策するための配策スペースが形成されている請求項1に記載の作業機。
【請求項12】
前記機体の前部に設けられた支持ブラケットと、
前記支持ブラケットに上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されたスイングブラケットと、
を備え、
前記作業装置は、前記スイングブラケットに揺動自在に支持されたブームと、前記ブームに揺動自在に支持されたアームと、前記アームに支持された作業具とを有し、
前記複数の油圧アクチュエータは、前記ブームを揺動させるブームシリンダと、前記アームを揺動させるアームシリンダと、前記作業具を駆動する作業具用アクチュエータとを含む請求項1~11のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された作業機は、走行装置上に機体を旋回可能に支持すると共に該機体を旋回モータによって旋回させるようにした旋回作業機である。機体には作業装置が支持され、該作業装置には複数の油圧アクチュエータが装備される。また、機体には、前記複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能なコントロールバルブが搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-269923公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コントロールバルブからは、前記複数の油圧アクチュエータへ複数の油圧ホースが配策される。特許文献1のようにコントロールバルブが機体左前部に備えられる場合、それら複数の油圧ホースは旋回モータの側方を通して作業装置へ配策される。しかしながら、作業装置へ配策される複数の油圧ホースは、作業装置を動かしたときに動くので、旋回モータの側方の限られたスペースに油圧ホースの動きしろまで考慮して配策スペースを確保する必要があり、特に小型の作業機の場合にはスペースの確保が難しい場合がある。また、作業装置に油圧取出用のサービスポート(補助ポート)を設けるなどして油圧ホースの本数が増える場合には配策スペースの確保がさらに難しくなる。また、作業装置を動かしたときに油圧ホースが動く量は油圧ホース各々によって異なる。そのため、複数の油圧ホースを、旋回モータの側方を通して作業装置へ配策する場合、油圧ホースを通す順番を考慮する必要があり、油圧ホースの組み付け性に問題がある。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み、コントロールバルブから作業装置に配策される複数の油圧ホースの組み付け性を向上させることのできる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る作業機は、走行装置と、前記走行装置上に旋回可能に支持された機体と、前記機体を旋回させる旋回モータと、前記機体の前部に搭載された作業装置と、前記作業装置に装備される複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能なコントロールバルブと、前記コントロールバルブから前記複数の油圧アクチュエータへ配策される複数の油圧ホースと、を備え、前記コントロールバルブは、前記機体の旋回中心よりも機体側方側且つ機体前方側に配置されており、前記複数の油圧ホースは、前記コントロールバルブから機体後方側に凸となるように湾曲し、且つ前記旋回モータの上方を通って前記作業装置へ配策されている。
【発明の効果】
【0008】
上記の作業機によれば、機体の旋回中心よりも機体側方側且つ機体前方側に配置されたコントロールバルブから、機体の前部に搭載された作業装置に配策される複数の油圧ホースを、コントロールバルブから機体後方側に凸となるように湾曲し、且つ旋回モータの上方を通って作業装置へ配策することにより、該複数の油圧ホースの組み付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】作業機の全体側面図である。
図2】機体及び運転部の斜視図である。
図3】機体の平面図である。
図4】機体等の側面断面図である。
図5】油圧ホースの配策を示す斜視図である。
図6】旋回フレーム等の斜視図である。
図7】油圧ホースの配策を示す側面図である。
図8】旋回フレーム等の平面図である。
図9】油圧ホースの配策を示す平面図である。
図10】油圧ホースの配策を示す正面斜視図である。
図11】油圧ホースの配策を示す背面斜視図である。
図12】旋回フレーム等の前部の側面図である。
図13】油圧ホースの配策を示す正面斜視図である。
図14】支持ブラケット等を正面から見た図である。
図15】油圧ホースの配策を示す平面図である。
図16】他の実施形態に係るホースガイドを上方から見た斜視図である。
図17】他の実施形態に係るホースガイドを下方から見た斜視図である。
図18】他の実施形態に係るホースガイドを機体に組み付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
【0012】
図1に示すように、作業機1は、機体(旋回台)2と、走行装置3と、作業装置4とを備えている。機体2には、オペレータ(運転者)が着座する運転席6と、4柱式のロプス15とが搭載されている。運転席6は、座部6Aと背もたれ部6Bとを有する。座部6Aは、オペレータが着座する(臀部及び太股部を載せる)部位である。背もたれ部6Bは、着座したオペレータが背中をもたれかける部位であって、座部6Aの後部に上方に延びるように設けられている。ロプス15は、ルーフ19を有するキャノピ仕様である。
【0013】
本実施形態においては、作業機1の運転席6に着座したオペレータの前側に向かう方向(図1の矢印A1方向)を前方(機体前方)、オペレータの後側に向かう方向(図1の矢印A2方向)を後方(機体後方)、図1の矢印A3方向を前後方向(機体前後方向)として説明する。また、オペレータの左側に向かう方向(図1の手前側)を左方、オペレータの右側に向かう方向(図1の奥側)を右方として説明する。
【0014】
また、前後方向A3に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体幅方向外方として説明する。つまり、機体幅方向外方は、機体2の幅方向の中心から機体幅方向に離れる方向である。機体幅方向外方とは反対の方向を、機体幅方向内方として説明する。つまり、機体幅方向内方は、機体幅方向において機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0015】
図1に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持するクローラ式の走行装置であって、走行フレーム3Aと、走行フレーム3Aの左側に設けられた第1走行装置3Lと、走行フレーム3Aの右側に設けられた第2走行装置3Rとを有する。第1走行装置3L及び第2走行装置3Rは、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成された走行モータM1によって駆動される。本実施形態ではクローラ式の走行装置3を用いているが、これに限らず、ホイール式等の走行装置を用いてもよい。走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されるドーザシリンダによって駆動可能である。
【0016】
図1に示すように、機体2は、当該機体2の底部を構成する厚板材で形成された旋回基板5を有している。旋回基板5は、走行装置3の走行フレーム3A上に旋回ベアリング8を介して上下方向に延伸する軸心である旋回軸心X1(旋回中心)回りに旋回可能に支持されている。つまり、機体2は、走行装置3上に旋回可能に支持されている。旋回基板5は、旋回モータ99(図3参照)によって旋回軸心X1回りに旋回駆動される。また、機体2は、前部に、作業装置4を支持する支持ブラケット9及びスイングブラケット10を有している。つまり、作業装置4は、支持ブラケット9及びスイングブラケット10を介して機体2の前部に搭載されている。支持ブラケット9は、機体2から前方に突出状に設
けられている。詳しくは、支持ブラケット9は、旋回基板5(機体2)の前部に固定され、旋回基板5から前方に突出している。スイングブラケット10は、支持ブラケット9の前部に、縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに揺動可能に取り付けられている。支持ブラケット9及びスイングブラケット10は、鋳物で形成されている。
【0017】
図1に示すように、作業装置4は、スイングブラケット10に揺動自在に支持されたブーム11、該ブーム11に揺動自在に支持されたアーム12及び該アーム12に支持された作業具としてのバケット13を有している。ブーム11の基部11aは、スイングブラケット10の上部に横軸(機体幅方向に延伸する軸心)回りに回動可能に枢着されている。図7に示すように、ブーム11は、中空状に形成され、基部11aは後方側に開放状とされている。アーム12は、ブーム11の先端側に横軸回りに回動可能に枢着されている。バケット13は、アーム12の先端側にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。スクイ動作とは、バケット13をブーム11に近づける方向に揺動させる動作であり、例えば、土砂等を掬う場合の動作である。また、ダンプ動作とは、バケット13をブーム11から遠ざける方向に揺動させる動作であり、例えば、掬った土砂等を落下(排出)させる場合の動作である。
【0018】
スイングブラケット10は、図示しないスイングシリンダの伸縮によって揺動可能とされている。ブーム11は、ブームシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。アーム12は、アームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。バケット13は、バケットシリンダ(作業具シリンダとも言う)C4の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。スイングシリンダ、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、バケットシリンダC4は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
【0019】
本実施形態では、作業具としてバケット13を例示したが、作業具としては、バケット13の代わりに、パレットフォーク、マニアフォーク等の作業具(アタッチメント)や、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、スノウブロア、スイーパー、モアー、油圧ブレーカ等の油圧アクチュエータを有する作業具(油圧アタッチメント)を取り付け可能である。また、作業具として、油圧アクチュエータが装備されたバケット13が採用される場合もある。即ち、作業具を駆動する作業具用アクチュエータとは、バケット13を揺動させる作業具シリンダであるバケットシリンダC4、バケット13の代わりに取り付けられる油圧アタッチメントが有する油圧アクチュエータ、バケット13に装備される油圧アクチュエータ等である。また、作業装置4に装備される複数の油圧アクチュエータは、ブームシリンダC2、アームシリンダC3及び前記作業具用アクチュエータである。
【0020】
図1に示すように、作業機1は、アーム12の側面の上部に設けられた油圧取出部271を有している。油圧取出部271は、アーム12の左面側と右面側とにそれぞれ設けられている。油圧取出部271は、バケット13の代わりに油圧アタッチメントを取り付けた場合、又はバケット13に油圧アクチュエータが装備される場合等に、油圧アタッチメントの油圧アクチュエータ又はバケット13に装備された油圧アクチュエータに供給するための作動油を取り出すものである。したがって、油圧取出部271は、油圧ホースや継ぎ手等によって構成される油圧管路を介して油圧アクチュエータに接続可能である。
【0021】
左及び右の油圧取出部271は、それぞれ2つのポート(サービスポート)を有している。該ポートに、一端が油圧アクチュエータに接続される油圧ホースの他端が接続される。例えば、左の油圧取出部271の一方のポートと右の油圧取出部271の一方のポートとが同じ油圧アクチュエータに対して接続され、左の油圧取出部271の他方のポートと右の油圧取出部271の他方のポートとが同じ油圧アクチュエータに接続される。本実施形態では、例えば、使用油量の異なる油圧アクチュエータに対して作動油の供給・排出が可能である。
【0022】
図2に示すように、機体2には、運転席6、運転席6の前方に配置された走行レバー16(図1参照)、運転席6の左側方に配置された操縦装置(左操縦装置)17L及び運転席6の右側方に配置された操縦装置(右操縦装置)17R等、を含む運転部18が搭載されている。走行レバー16は、走行装置3を操作する操作部材である。操縦装置17L,
17Rは、作業装置4及び機体2等を操作する装置である、具体的には、ブーム11の揺動操作、アーム12の揺動操作、バケット13のスクイ動作及びダンプ動作の操作、機体2の旋回操作等を行う装置である。機体2の上面側且つ運転席6の前方側には、オペレータが足を置く部分である床部21が設けられている。図4に示すように、床部21は、旋回基板5の上方に間隔を隔てて設けられている。また、床部21は、例えば、旋回基板5に支持されたステップ板21A上にフロアマット21Bを敷設して構成される。
【0023】
機体2の後部には、作業装置4との重量バランスを図るウエイト25が配置されている。本実施形態の作業機1は、小型のバックホーであって、図1に示すように、原動機91(原動機91を収容する原動機ルーム)の上方に運転席6が配置されている。
【0024】
左操縦装置17Lは、コンソールカバー22、操縦レバー(左操縦レバー)23L、リモコン弁(図示省略)、アームレスト26L及び操作ロックレバー(アンロードレバー)30を有している。
【0025】
コンソールカバー22は、リモコン弁及び左操縦装置17Lのフレーム機構等を覆う部材である。左操縦レバー23Lは、左操縦装置17Lの前部且つ上部に配置され、前方及び後方と左方及び右方に傾動操作可能である。リモコン弁は、左操縦レバー23Lで操作されるパイロット弁であり、左操縦レバー23Lの下方に配置されている。リモコン弁は、コンソールカバー22内に収容されている。アームレスト26Lは、オペレータの肘等を置く部材であり、左操縦レバー23Lの後方に配置されている。操作ロックレバー30は、作業機1に搭載された油圧アクチュエータを操作可能状態と操作不能状態とに切り替えるレバーである。
【0026】
図2に示すように、右操縦装置17Rは、コンソールカバー34、操縦レバー(右操縦レバー)23R、リモコン弁(図示省略)、アームレスト26R、ドーザレバー35及び複数のスイッチ36を有している。
【0027】
コンソールカバー34は、右操縦装置17Rのフレームを覆うカバーである。右操縦装置17Rのフレームは、機体2側に取り付けられている。右操縦レバー23Rは、右操縦装置17Rの前部且つ上部に配置され、前方及び後方と左方及び右方に傾動操作可能である。リモコン弁は、右操縦レバー23Rで操作されるパイロット弁であり、右操縦レバー23Rの下方に配置され、コンソールカバー34で覆われている。アームレスト26Rは、オペレータの肘等を置く部材であり、右操縦レバー23Rの後方に配置されている。ドーザレバー35は、ドーザ装置7を操作するレバーである。複数のスイッチ36は、コンソールカバー34の上面側に配置され、作業機1に装備された各種機器を操作するスイッチである。
【0028】
図3に示すように、機体2には、原動機91、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94、油圧ポンプ95、燃料タンク96、作動油タンク97、コントロールバルブ98及び旋回モータ99等の搭載物が搭載されている。原動機91は、例えば、ディーゼルエンジンである。原動機91は、ガソリンエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0029】
原動機91の機体幅方向の一側(左部)には、冷却ファン100が取り付けられている。冷却ファン100は、原動機91によって駆動され、左から右に向けて流れる冷却風F1を発生させる。言い換えると、冷却ファン100は、機体幅方向に延伸する軸心(回転軸心100a)回りに回動して機体2の左側方から空気(外気)を吸い込んで原動機91側へと流す吸い込み式のファンである。
【0030】
ラジエータ92は、原動機91を冷却する冷却液を冷却する冷却器である。オイルクーラ93は、油圧シリンダ、油圧モータ等の油圧アクチュエータから戻る戻りの作動油を冷却する冷却器である。
【0031】
図3に示すように、ラジエータ92とオイルクーラ93とは、冷却ファン100の冷却風F1の上流側(冷却ファン100の左方)に配置されている。また、ラジエータ92とオイルクーラ93とは、機体幅方向に並べて配置されている。
【0032】
バッテリ94は、作業機1に装備された電装品に電力を供給する蓄電池である。油圧ポンプ95は、原動機91の動力によって駆動され、作業機1に装備された油圧モータ、油
圧シリンダ等の油圧アクチュエータを駆動させる作動油(圧油)を吐出する。また、油圧ポンプ95は、油圧バルブを作動させるパイロット圧や、信号用の圧油を吐出する。燃料タンク96は、原動機91用の燃料を貯留するタンクである。作動油タンク97は、作動油を貯留するタンクである。コントロールバルブ98は、油圧ポンプ95から吐出された作動油により駆動される油圧アクチュエータへ供給される作動油の流量を制御する。旋回モータ99は、油圧モータ(油圧アクチュエータ)によって構成され、機体2を旋回軸心X1回りに旋回させる(回転駆動する)モータである。
【0033】
図3に示すように、原動機91は、機体2の後部であって機体2の幅方向中途部に搭載されている。また、原動機91は、運転席6の下方に配置されている。ラジエータ92は、原動機91及び冷却ファン100の左方に配置されている。オイルクーラ93は、ラジエータ92の左方に配置されている。バッテリ94は、オイルクーラ93の左方側であってオイルクーラ93よりも下方に配置されている。油圧ポンプ95は、原動機91の機体幅方向の他側(右部)に取り付けられている。燃料タンク96は、機体2の右部であって機体2の前部に配置されている。言い換えると、燃料タンク96は、運転席6の右の側方且つ前方に配置されている。作動油タンク97は、燃料タンク96の後方で且つ油圧ポンプ95の前方に配置されている。言い換えると、作動油タンク97は、機体2の右部であって、前後方向の中途部に配置されている。コントロールバルブ98は、機体2の左部の前部に配置されている。旋回モータ99は、機体2の前後方向の中途部であって機体2の幅方向の中途部に配置されている。また、旋回モータ99は、運転席6の前方且つ運転席6より下方に配置されている。
【0034】
機体2の上方には、図1に示すように、機体2に搭載された、原動機91等の搭載機器やタンク等の搭載部材等の搭載物を覆うカバー装置101が設けられている。図3に示すように、カバー装置101は、原動機91、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94、油圧ポンプ95、燃料タンク96及び作動油タンク97を覆う。コントロールバルブ98及び旋回モータ99は、機体2の内部(床部21の下方)に配置されている。
【0035】
カバー装置101は、複数のカバー体101A~101Dを含む。該複数のカバー体101A~101Dは、運転席6の下方に配置されたカバー体(第1カバー体という)101Aを有している。第1カバー体101Aは、機体2に対して固定状に設けられている。また、第1カバー体101Aは、原動機91の上方及び前方を覆う。また、複数のカバー体101A~101Dは、第1カバー体101A及び原動機91の後方に配置されたカバー体(第2カバー体という)101Bを有している。第2カバー体101Bは、原動機91の後方を開閉自在に覆う。第2カバー体101Bは、機体2に対して右端側が上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされている。また、複数のカバー体101A~101Dは、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92及びオイルクーラ93の左側方に配置されたカバー体(第3カバー体という)101Cを有している。第3カバー体101Cは、原動機91、冷却ファン100、ラジエータ92及びオイルクーラ93等の機体幅方向外方(左側方)を開閉自在に覆う。
【0036】
図3に示すように、第3カバー体101Cは、ラジエータ92、オイルクーラ93等を左側方から覆う。図1図2に示すように、第3カバー体101Cには、外気を内側(ボンネット14の内部)に取り入れるための(冷却風F1を取り入れるための)外気取入れ口89が設けられている。第3カバー体101Cは、機体2に対して前端側が上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されて開閉自在とされている。
【0037】
また、複数のカバー体101A~101Dは、機体2の右部に配置されたカバー体(第4カバー体という)101Dを有している。
【0038】
第1カバー体101Aと、第2カバー体101Bと、第3カバー体101Cと、第4カバー体101Dの後部とは、原動機91を収容する原動機ルーム(エンジンルーム)を形成する。言い換えると、第1カバー体101Aと、第2カバー体101Bと、第3カバー体101Cと、第4カバー体101Dの後部とは、原動機ルーム91Aを形成するボンネット14(図4参照)を構成している。原動機ルーム91Aには、原動機91のほか、ラジエータ92、オイルクーラ93、バッテリ94及び油圧ポンプ95等が収容される。
【0039】
図4に示すように、原動機ルーム91Aの後面下部はウエイト25によって形成される。原動機ルーム91Aの左及び右の側面下部は、ウエイト25の左部及び右部と、機体カバー107とによって構成される(図1図2参照)。機体カバー107は、機体2の前面、左側面及び右側面の外郭を形成するカバーである。また、図4に示すように、原動機ルーム91Aの前面下部は、仕切り壁体150によって構成される。即ち、仕切り壁体150は、原動機ルーム91Aの前面の下部を仕切る。言い換えると、仕切り壁体150は、原動機91を収容する原動機ルーム91Aと該原動機ルーム91Aの前方とを仕切る。さらに、言い換えると、仕切り壁体150は、原動機ルーム91Aと、該原動機ルーム91Aの下部前方とを隔てる隔壁部材である。
【0040】
第4カバー体101Dの前部は、燃料タンク96及び作動油タンク97を収容するタンクルームを形成する。言い換えると、第4カバー体101Dの前部は、タンクルームを形成するタンクカバー部103を構成している(図3参照)。つまり、カバー装置101は、ボンネット14と、タンクカバー部103とを有して構成されているとも言える。タンクルームは、原動機ルーム91Aに連通している。第4カバー体101Dは、運転席6の右側の側方に運転席6より前方に延出するように設けられている。即ち、第4カバー体101Dの前部(タンクカバー部103)は、運転席6の側方から運転席6より前方に延出している。
【0041】
図2図3に示すように、第4カバー体101Dは、メインカバー104と、側面カバー(側壁部)105とを有している。メインカバー104及び側面カバー105は、金属製の板材(板金)によって形成されている。メインカバー104及び側面カバー105は、樹脂板等の板材で形成されていてもよい。メインカバー104は、上壁104aと、側壁104bと、前壁104cとを有している。
【0042】
図3に示すように、側壁104bは、第4カバー体101Dの右側面を形成する。詳しくは、側壁104bは、機体2の前部から後部にかけて設けられていて、タンクルームの右側面と原動機ルーム91Aの右側面を形成する。側壁104bの後部には、ボンネット14内に取り入れられた空気を排出する排出口(図示省略)が形成されている。
【0043】
図2図3に示すように、第4カバー体101D(タンクカバー部103)には、燃料タンク96の給油口及び作動油タンク97の給油口を露出させるべく形成された開口部を開閉自在に閉鎖する給油口カバー113が設けられている。
【0044】
図4図5及び図6に示すように、前記旋回基板5は、前記支持ブラケット9、前記仕切り壁体150、左右一対の縦リブ(補強リブ)224L、224R及び前記ウエイト25等と共に、機体2の骨格となる旋回フレーム272を構成している。
【0045】
図4図6及び図7に示すように、支持ブラケット9は、上壁部9aと、上壁部9aの下方に間隔をあけて位置する下壁部9bと、上壁部9aと下壁部9bとの左部同士を連結する第1側壁部9cと、上壁部9aと下壁部9bとの右部同士を連結する第2側壁部9dとを有している。上壁部9aと下壁部9bとの間且つ第1側壁部9cと第2側壁部9dとの間は、前方及び後方に開放状とされている。したがって、支持ブラケット9に対して、後述する複数の油圧ホース273を後方から前方に挿通可能とされている。言い換えると、支持ブラケット9の内部を複数の油圧ホース273が前後方向に挿通可能である。
【0046】
支持ブラケット9の上壁部9aの前部には第1ブラケット部9Aが設けられ、下壁部9bの前部には第2ブラケット部9Bが設けられている。第1ブラケット部9A及び第2ブラケット部9Bに、スイングブラケット10が上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されている。詳しくは、図7に示すように、スイングブラケット10は、第1ブラケット部9Aを上下方向で挟む第1枢支部10Aと、第2ブラケット部9Bを上下方向で挟む第2枢支部10Bとを有している。第1枢支部10Aは、第1ブラケット部9Aに上下方向に延伸する軸心を有する枢軸274Aによって枢支され、第2枢支部10Bは、第2ブラケット部9Bに上下方向に延伸する軸心を有する枢軸274Bによって枢支されている。
【0047】
図5に示すように、スイングブラケット10は、左の側壁10aと、右の側壁10bとを有している。図7に示すように、スイングブラケット10にあっては、左の側壁10a
と右の側壁10bとの間且つ第1枢支部10Aと第2枢支部10Bとの間が、前方及び後方に開放状とされている。したがって、スイングブラケット10に対して、複数の油圧ホース273を後方から前方に挿通可能とされている。言い換えると、スイングブラケット10内を複数の油圧ホース273が前後方向に挿通可能である。
【0048】
図5図6及び図8に示すように、左右一対の縦リブ224L、224Rは、旋回基板5上に前部から後部に向けて設けられている。縦リブ224L、224Rは、板材によって形成され、縦向き(板厚方向を水平方向に一致させた状態)にして旋回基板5上に立設されて該旋回基板5に溶接によって固定されている。詳しくは、左の縦リブ(第1縦リブとも言う)224Lは、旋回基板5における機体幅方向の左側(一方側)に設けられ且つ旋回基板5の前部から後部に向けて延びている。第1縦リブ224Lの前部は、支持ブラケット9の第1側壁部9cの後部に連結されている。第1縦リブ224Lの後部は、接続プレート225を介してブラケット部材151Lに接続されている。右の縦リブ(第2縦リブとも言う)224Rは、旋回基板5における機体幅方向の右側(他方側)に設けられ且つ旋回基板5の前部から後部に向けて延びている。第2縦リブ224Rの前部は、支持ブラケット9の第2側壁部9dの後部に連結されている。第2縦リブ224Rの後部はブラケット部材151Rに接続されている。以上のように、旋回基板55上には、支持ブラケット9から後方に延びる一対の縦リブ224L、224Rが設けられている。
【0049】
図4に示すように、ボンネット14の内部(原動機ルーム91A)には、機体2(旋回フレーム272)に立設された支持フレーム142が設けられている。この支持フレーム142にボンネット14等が支持されている。支持フレーム142の前部は、仕切り壁体150の上部に取り付けられている。支持フレーム142の後部は、旋回基板5に立設されたブラケット部材151L、151Rに取り付けられている。
【0050】
図8に示すように、コントロールバルブCVは、旋回基板5の前部であって、第1縦リブ224Lの前部及び支持ブラケット9の後部の機体幅方向外方(左方)に配置され、旋回基板5上に設置されている。言い換えると、コントロールバルブCVは、機体2の旋回中心(旋回軸心X1)よりも機体2側方側且つ機体2前方側に配置されている。また、コントロールバルブCVは、仕切り壁体150の前方に配置されている。コントロールバルブCVは、機体幅方向に並べて配置された複数(多数)の制御バルブVを結合して(集約して)構成されたセクショナルタイプ(分離型)の複合制御弁である。コントロールバルブCVを構成する制御バルブVは、作業機1に装備された油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータを制御する制御バルブVである。具体的には、コントロールバルブCVを構成する制御バルブVは、第1走行装置3Lの走行モータM1を制御する制御バルブV、第2走行装置3Rの走行モータM1を制御する制御バルブV、旋回モータ99を制御する制御バルブV、ドーザシリンダを制御する制御バルブV、スイングシリンダを制御する制御バルブV、ブームシリンダC2を制御する制御バルブV、アームシリンダC3を制御する制御バルブV、作業具シリンダC4を制御する制御バルブV、左及び右の油圧取出部271の一方のポートに接続される油圧アクチュエータを制御する制御バルブV、左及び右の油圧取出部271の他方のポートに接続される油圧アクチュエータを制御する制御バルブV等である。
【0051】
上述したように、コントロールバルブCVは、作業装置4に装備される複数の油圧アクチュエータをそれぞれ制御する制御バルブVを有している。具体的には、図9に示すように、コントロールバルブCVは、ブームシリンダC2を制御する制御バルブVであるブーム制御バルブV1と、アームシリンダC3を制御する制御バルブVであるアーム制御バルブV2と、作業具シリンダC4を制御する制御バルブVである作業具制御バルブV3と、左及び右の油圧取出部271の一方のポートに接続される油圧アクチュエータを制御する制御バルブVである第1予備制御バルブV4と、左及び右の油圧取出部271の他方のポートに接続される油圧アクチュエータを制御する制御バルブVである第2予備制御バルブV5とを備えている。したがって、コントロールバルブCVは、作業装置4に装備される複数の油圧アクチュエータ(ブームシリンダC2、アームシリンダC3、作業具用アクチュエータ)に供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能である。
【0052】
図5図9に示すように、仕切り壁体150の前方且つコントロールバルブCVの後方に、コントロールバルブCVのうちの少なくとも1つの制御バルブVを作動させる(操作する)電磁弁ユニットVUが配置されている。本実施形態では、電磁弁ユニットVUは、第1予備制御バルブV4を作動させる一対の比例電磁弁V6と、第2予備制御バルブV5を作動させる一対の比例電磁弁V7によって構成されている。第1予備制御バルブV4及び第2予備制御バルブV5は、パイロット油によってパイロット操作されることにより作動油の方向を切り換えるパイロット操作切換弁である。電磁弁ユニットVUは、第1予備制御バルブV4及び第2予備制御バルブV5をパイロット操作する。また、電磁弁ユニットVUは、例えば、左操縦レバー23L及び右操縦レバー23Rに設けられる操作スイッチによって手元操作(遠隔操作)される。
【0053】
図5に示すように、旋回モータ99は、コントロールバルブCVの機体幅方向の側方(右方)且つ作業装置4及び支持ブラケット9の後方に配置されている。また、図8に示すように、旋回モータ99は、第1縦リブ224Lと第2縦リブ224Rとの間に配置され、旋回基板5に設置されている。旋回モータ99の後方には、スイベルジョイント275が配置されている。スイベルジョイント275は、走行装置3側の油圧アクチュエータと、機体2側のコントロールバルブCVとの間で作動油の給排(供給・排出)を可能とする回転継ぎ手である。
【0054】
図4に示すように、旋回モータ99及び旋回基板5の下方には、ピニオン276が配置されている。該ピニオン276は、旋回モータ99の出力軸(図示省略)に連結されている。また、ピニオン276は、旋回ベアリング8の内周側に配置されている。旋回ベアリング8は、内歯ギヤ(図示省略)を内周面に有して走行装置3の走行フレーム3Aに固定されたインナーレース8Aと、旋回基板5に固定されたアウターレース8Bとを備えている。ピニオン276は、インナーレース8Aの内歯ギヤに歯合している。旋回モータ99によってピニオン276を回転させると、該ピニオン276とインナーレース8Aの内歯ギヤとが噛合することで、旋回基板5(機体2)が旋回駆動される。
【0055】
図5図9に示すように、コントロールバルブCVから作業装置4に装備された複数の油圧アクチュエータへ向けて複数の油圧ホース273が配策されている。作業装置4に装備された複数の油圧アクチュエータは、上述したように、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、作業具シリンダC4、左及び右の油圧取出部271の一方のポートに接続される油圧アクチュエータ及び左及び右の油圧取出部271の他方のポートに接続される油圧アクチュエータである。したがって、複数の油圧ホース273は、ブームシリンダC2へ配策される2本の油圧ホース273と、アームシリンダC3へ配策される2本の油圧ホース273と、作業具シリンダC4へ配策される2本の油圧ホース273と、左及び右の油圧取出部271の一方のポートに接続される油圧アクチュエータへ配策される2本の油圧ホース273と、左及び右の油圧取出部271の他方のポートに接続される油圧アクチュエータへ配策される2本の油圧ホース273との計10本(図10参照)である。
【0056】
図9に示すように、ブーム制御バルブV1及び作業具制御バルブV3は、コントロールバルブCVの機体幅方向の左部に配置され、アーム制御バルブV2及び第1予備制御バルブV4は、コントロールバルブCVの機体幅方向の中途部に配置されており、ブーム制御バルブV1、アーム制御バルブV2、作業具制御バルブV3及び第1予備制御バルブV4に油圧ホース273を接続するホース継ぎ手288は、後方に向かうにつれて右方に移行するように傾斜している。また、第2予備制御バルブV5は、コントロールバルブCVの右端側に配置されており、第2予備制御バルブV5に油圧ホース273を接続するホース継ぎ手289は、後方に向かうにつれて左方に移行するように若干傾斜している。
【0057】
図5図7図9図10及び図11に示すように、複数の油圧ホース273は、旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策されている。また、図5図9に示すように、複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVの後方側から旋回モータ99の上方へ、後方に凸となるように湾曲して配策されている。つまり、複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVから機体2後方側に凸となるように湾曲し、且つ旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策されている。
【0058】
また、図7図10及び図13に示すように、複数の油圧ホース273を支持ブラケット9の上壁部9aと下壁部9bとの間を通すために、複数の油圧ホース273は、旋回モータ99の上方から支持ブラケット9に向けて前下がり傾斜状に配策されている。
【0059】
従来は、コントロールバルブCVから作業装置4に装備された複数の油圧アクチュエータへ配策される複数の油圧ホース273は、旋回モータ99と第2縦リブ224Rとの間を通して作業装置4へ配策している。複数の油圧ホース273を旋回モータ99と第2縦リブ224Rとの間を通して作業装置4へ配策すると、油圧ホース273の本数が多い場合に配策が困難になる。また、作業装置4へ配策される複数の油圧ホース273は、作業装置4を動かしたときに該作業装置4の動きに連れて動くが、その油圧ホース273が動く量は油圧ホース273各々によって異なる。そのため、複数の油圧ホース273を、旋回モータ99の側方を通して作業装置4へ配策する場合、油圧ホース273を通す順番を考慮する必要がある。そのため、油圧ホース273の組み付け性に問題がある。
【0060】
本実施形態では、複数の油圧ホース273を、コントロールバルブCVから旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策することにより、油圧ホース273の本数が多い場合であっても、複数の油圧ホース273を容易に配策することができ、また、油圧ホース273の順番を考えなくても配策することができ、コントロールバルブCVから作業装置4に配策される複数の油圧ホース273の組み付けを容易に行うことができる。
【0061】
図4に示すように、床部21と旋回モータ99との間には複数の油圧ホース273を配策するための配策スペース277が形成されている。配策スペース277は、例えば、運転席6及び床部21の高さを上げることにより確保することができる。
【0062】
また、コントロールバルブCVから作業装置4に複数の油圧ホース273を配策する場合、該複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVの後方側から前方に向けて後方に凸となるように湾曲して配策される。このため、複数の油圧ホース273がコントロールバルブCVの後方に配置されている仕切り壁体150や電磁弁ユニットVUと干渉しないように考慮しなければならず、油圧ホース273の曲げ半径を十分に採ることができない場合がある。
【0063】
本実施形態では、複数の油圧ホース273を旋回モータ99の上方を通して配策することで、複数の油圧ホース273を旋回モータ99と第2縦リブ224Rとの間を通して作業装置4へ配策する場合に比べて、油圧ホース273の曲げ半径を十分に採ることができ、複数の油圧ホース273の配策を容易に行える。
【0064】
また、複数の油圧ホース273を旋回モータ99の上方から支持ブラケット9に向けて前下がり傾斜状に配策することにより、複数の油圧ホース273を作業装置4へスムーズに配策することができる。図7に示すように、複数の油圧ホース273は、旋回モータ99の上方から支持ブラケット9に向けて前下がり傾斜状に配設されて支持ブラケット9の内部を後方から前方に向けて配策され、さらに、複数の油圧ホース273は、スイングブラケット10の内部を通ってブームの内部に配策される。
【0065】
図6図13に示すように、作業機1は、複数の油圧ホース273と旋回モータ99との接触を回避させるべく複数の油圧ホース273をガイドするホースガイド278を備えている。
【0066】
ホースガイド278は、杆材によって形成されたガイド本体279と、ガイド本体279を取り付ける第1ステー部材280及び第2ステー部材281とを有している。
【0067】
図4図8及び図12等に示すように、ガイド本体279は、棒材(丸棒材)を折曲することにより形成されている。ガイド本体279は、主ガイド部(主杆部という)279aと、第1縦杆部279bと、第2縦杆部279cと、第1横杆部279dと、第2横杆部279eとを有している。
【0068】
主杆部279aは、図9図15等に示すように、旋回モータ99の上方に複数の油圧ホース273の長手方向に交差する方向に延伸して配置されている。また、主杆部279aは、複数の油圧ホース273の下方に配置され、該複数の油圧ホース273を下から支持する。本実施形態では、主杆部279aは、水平方向且つ右方に向かうにつれて後方に移行する傾斜方向に延伸している。複数の油圧ホース273は、左方(コントロールバル
ブCV)から、後方に凸となるように湾曲して旋回モータ99の上方且つ主杆部279aの上方を通って前方(支持ブラケット9)へ配策される。
【0069】
図10図11に示すように、主杆部279aは、コントロールバルブCVから旋回モータ99の上方へ配策される複数の油圧ホース273を若干持ち上げる位置に配置されている。複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVから緩い上向き傾斜で旋回モータ99の上方へ延伸している。詳しくは、図9図10及び図11に示すように、複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVから機体2後方側に後上がり傾斜状、且つ平面視で後方に凸となるように湾曲して配策され、さらに旋回モータ99の上方を通って前方へ向かうように配策されている。これにより、コントロールバルブCVの高さを抑えつつ、複数の油圧ホース273を旋回モータ99の上方を通るように配策することができる。
【0070】
図10に示すように、第1縦杆部279bは、主杆部279aの延伸方向の一端部(左端部)から上方に延びている。第2縦杆部279cは、主杆部279aの延伸方向の他端部(右端部)から上方に延びている。複数の油圧ホース273は、第1縦杆部279bと第2縦杆部279cとの間を通って支持ブラケット9へ延伸している。したがって、第1縦杆部279b及び第2縦杆部279cによって、複数の油圧ホース273の機体幅方向の移動を規制することができる。
【0071】
図9図15に示すように、第1横杆部279dは、第1縦杆部279bの上端から水平方向且つ前方に向けて延伸している。第2横杆部279eは、第2縦杆部279cの上端から水平方向且つ後方に向かうにつれて左方に移行する傾斜方向に延びる第1部位279e1と、第1部位279e1の後端から水平方向且つ後方に向けて延伸する第2部位279e2とを有している。
【0072】
ガイド本体279は、当該ガイド本体279を形成する棒材を折曲することにより形成されており、第1縦杆部279b及び第2縦杆部279cの上端に油圧ホース273を傷つけるエッジが形成されないようにしている。
【0073】
なお、ガイド本体279は、上記構成に限定されることはない。例えば、主ガイド部279a(ガイド本体279)は、全体が棒材で形成される必要はなく、少なくとも一部が複数の油圧ホース273の長手方向に交差する方向に延伸する棒材から形成されていればよい。
【0074】
図6図12等に示すように、第1ステー部材280及び第2ステー部材281は板材によって形成されている。第1ステー部材280は、第1横杆部279dの上端に固定された上壁部位280aと、上壁部位280aの左端から下方に延びるように延設された側壁部位280bとを有している。第1ステー部材280は、第1縦リブ224Lの前部に固定された取付ブラケット282に取り付けられている。
【0075】
取付ブラケット282は、支持杆283と、第1取付板284と、第2取付板285とを有している。支持杆283は、棒材で形成され、上下方向に延伸するように配置され、下部が第1縦リブ224Lの前部の右面に固定されている。支持杆283の上部は、第1縦リブ224Lから上方に突出している。第1取付板284は、支持杆283の上部に固定されている。詳しくは、第1取付板284は、板面が機体幅方向を向くように支持杆283の上方に配置され、支持杆283の上端に固定されている。第1取付板284に第1ステー部材280の側壁部位280bが機体幅方向で重ね合わされてボルト固定されている。第2取付板285は、第1取付板284の上端に固定された上壁285aと、上壁285aの前端から下方に延設されていて第1取付板284の前面及び支持杆283の上部に固定された前壁285bとを有している。第2取付板285に、床部21のステップ板21Aが図示省略のブラケット部材等を介して取り付けられる。つまり、取付ブラケット282は、ステップ板21Aを支持する部材でもある。言い換えると、ホースガイド278は、ステップ板21Aを支持する取付ブラケット282を利用して取り付けられている。
【0076】
第2ステー部材281は、板面が上下方向を向くように配置され、右部が第2横杆部279eの第2部位279e2の後部下端に固定されている。第2ステー部材281は、仕
切り壁体150の上部に固定された取付ステー286に取り付けられている。詳しくは、取付ステー286は、仕切り壁体150の上部の左部に、該左部から前方突出状に設けられ、該取付ステー286の前方突出状の部分に第2ステー部材281が載置されてボルト固定される。
【0077】
なお、複数の油圧ホース273をガイドするホースガイドとしては、少なくとも上記ホースガイド278を有していればよく、ホースガイド278以外に、複数の油圧ホース273をガイドするホースガイドを備えていてもよい。例えば、複数の油圧ホース273が電磁弁ユニットVUに近接するのを抑制するためのホースガイドを備えていてもよい。また、コントロールバルブCVから作業装置4へ配策される全ての油圧ホース273のうちの一部の油圧ホース273を旋回モータ99と第2縦リブ224Rとの間を通して作業装置4へ配策することもできる。
【0078】
図7図14に示すように、支持ブラケット9には、該支持ブラケット9を通過する複数の油圧ホース273の移動を規制する規制杆287が設けられている。規制杆287は、1本の棒材(丸棒材)を折曲することにより形成されている。規制杆287は、左の第1杆部287aと、右の第2杆部287bと、第1杆部287aと第2杆部287bの下端同士を連結する第3杆部287cとを有している。第1杆部287aと第2杆部287bの上部は、支持ブラケット9の上壁部9aの下面よりも上方で支持ブラケット9に固定されている。
【0079】
規制杆287を、機体幅方向で対向する第1杆部287a及び第2杆部287bと、第1杆部287a及び第2杆部287bの下端同士を連結する第3杆部287cとで構成し、第1杆部287aと第2杆部287bの上部を支持ブラケット9の上壁部9aの下面よりも上方で支持ブラケット9に固定することで、複数の油圧ホース273が規制杆287のエッジに当たるのを防止している。
【0080】
図16図17及び図18は、他の実施形態に係るホースガイド278を示している。この他の実施形態に係るホースガイド278のガイド本体279は、板材からなる主ガイド部290と、一端側が主ガイド部290に固定され他端側が機体2に取り付けられるガイド支持部291とを有している。
【0081】
図16図17に示すように、主ガイド部290は、矩形状に形成され板面が上下方向を向くように配置される主壁290aと、主壁290aの前端から下方に延びる前壁290bと、主壁290aの後端から下方に延びる後壁290cと、主壁290aの左端から下方に延びる側壁290dとを有している。主壁290a、前壁290b、後壁290c、及び側壁290dは1枚の板材の周縁部を湾曲又は屈曲させることにより形成されている。これにより、油圧ホース273が主ガイド部290の周縁部と当接して傷つくことを抑制できる。なお、主壁290aの右端から下方に延びる側壁(図示せず)をさらに設けてもよい。
【0082】
図17に示すように、主壁290aの下面には、ゴム等の弾性部材で形成された緩衝部材292が設けられている。緩衝部材292は、主壁290aの前壁290bに沿う方向に長い帯板状に形成され、主壁290aの下面の前後方向中途部に貼り付けられている。
【0083】
図16に示すように、ガイド支持部291は、棒材(丸棒材)によって形成されている。ガイド支持部291は、一端側の第1部位291aと、第1部位291aから延びる第2部位291bと、第2部位291bから延びる第3部位291cと、第3部位291cから延びる他端側の第4部位291dとを有している。詳しくは、第1部位291aは、主壁290aの左端部(左片部)に沿って延伸し、側壁290dの中途部に溶接等によって固定されている。第2部位291bは、第1部位の前端から上方に延出している。第3部位291cは、第2部位291bの上端から前方且つ第1部位291aと平行な方向に延出している。第4部位291dは、第3部位291cの前端から前斜め右方に延出している。
【0084】
また、この他の実施形態に係るホースガイド278は、ガイド支持部291の他端側を機体2に対して取り付けるステー部材293を有している。ステー部材293は、矩形状の板材によって形成されている。また、ステー部材293は、板面が上下方向を向くよう
にガイド支持部291の第4部位291dの前方に配置され、一片が第4部位291dの前端に溶接等によって固定されている。
【0085】
図18に示すように、ステー部材293は、取付ブラケット282に取り付けられる。詳しくは、ステー部材293は、取付ブラケット282の取付板(上記実施形態の第2取付板に相当)285の上壁285aの下面側に配置され、該上壁285aにボルト固定される。したがって、ガイド支持部291は、一端側(第1部位291a)が主ガイド部290に固定され、他端側(第4部位291d)が機体2に取り付けられる。
【0086】
なお、この他の実施形態の場合、上記実施形態の第1取付板284は設けられない。しかしながら、上記実施形態と同様に、取付ブラケット282に第1取付板284を設け、該第1取付板284にステー部材293をボルト固定するように構成を変更してもよい。
【0087】
図18に示すように、ガイド支持部291(ホースガイド278)を取付ブラケット282に取り付けた状態では、主ガイド部290は、板面が上下方向を向くと共に旋回モータ99の上方を覆うように旋回モータ99の上方に配置される。複数の油圧ホース273は、主ガイド部290の上を通り、且つ主ガイド部290によって支持される。
【0088】
この他の実施形態のホースガイド278にあっては、主ガイド部290が板材によって形成され、旋回モータ99の上方に板面が上下方向を向くようにして配置されるので、複数の油圧ホース273を広い範囲で支持でき、油圧ホース273を旋回モータ99に接触しないようにする接触防止機能を高めることができる。また、主ガイド部290を板材で形成することにより、ホースガイド278の形状を簡素化することができ、ホースガイド278を安価に形成することができる。また、振動等によって主ガイド部290が旋回モータ99に接触しようとした場合であっても、主ガイド部290の下面に設けられた緩衝部材292が旋回モータ99に接触することにより、ビビリ音等を防止することができる。
【0089】
図18において、旋回モータ99は、当該旋回モータ99の本体の上部にカバー部材294を取り付けた構造のものを図示している。カバー部材294は、例えば、ホースガイド278が設けられない場合に取り付けられる。しかしながら、ホースガイド278が設けられる場合であっても、旋回モータ99の本体の上部にカバー部材294が取り付けられていてもよい。
【0090】
上述した本実施形態の作業機1は、走行装置3と、走行装置3上に旋回可能に支持された機体2と、機体2を旋回させる旋回モータ99と、機体2の前部に搭載された作業装置4と、作業装置4に装備される複数の油圧アクチュエータ(ブームシリンダC2、アームシリンダC3、作業具シリンダC4等)に供給される作動油の流量をそれぞれ制御可能なコントロールバルブCVと、コントロールバルブCVから複数の油圧アクチュエータへ配策される複数の油圧ホース273と、を備え、コントロールバルブCVは、機体2の旋回中心(旋回軸心X1)よりも機体2側方側且つ機体2前方側に配置されており、複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVから機体2後方側に凸となるように湾曲し、且つ旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策されている。
【0091】
この構成によれば、機体2の旋回中心(旋回軸心X1)よりも機体2側方側且つ機体2前方側に配置されたコントロールバルブCVから、機体2の前部に搭載された作業装置4に配策される複数の油圧ホース273を、コントロールバルブCVから機体2後方側に凸となるように湾曲し、且つ旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策することにより、該複数の油圧ホース273の組み付け性を向上させることができる。
【0092】
また、作業機1は、複数の油圧ホース273と旋回モータ99との接触を回避させるべく複数の油圧ホース273をガイドするホースガイド278を備えている。
【0093】
この構成によれば、旋回モータ99と、該旋回モータ99の上方を通る油圧ホース273との接触を回避することができる。
【0094】
また、ホースガイド278は、旋回モータ99の上方に配置され複数の油圧ホース273を下から支持する主ガイド部279a、290を有している。
【0095】
この構成によれば、主ガイド部279a、290によって、複数の油圧ホース273が旋回モータ99に接触するのを回避することができる。
【0096】
また、主ガイド部279a、290は、コントロールバルブCVから旋回モータ99の上方へ配策される複数の油圧ホース273を持ち上げる位置に配置されている。
【0097】
この構成によれば、コントロールバルブCVの高さを抑えつつ、複数の油圧ホース273を旋回モータ99の上方を通るように配策することができる。
【0098】
また、主ガイド部290は、板面が上下方向を向くように配置された板材からなる。
【0099】
この構成によれば、複数の油圧ホース273を広い範囲で支持することができる。
【0100】
また、ホースガイド278は、一端側が主ガイド部290に固定され、他端側が機体2に取り付けられるガイド支持部291を備えている。
【0101】
この構成によれば、主ガイド部290を機体2に支持することができる。
【0102】
また、主ガイド部279aは、少なくとも一部が複数の油圧ホース273の長手方向に交差する方向に延伸する棒材からなり、ホースガイド278は、主ガイド部 279aの延伸方向の一端部から上方に延びる第1縦杆部279bと、主ガイド部 279aの延伸方向の他端部から上方に延びる第2縦杆部279cとを有している。
【0103】
この構成によれば、第1縦杆部279b及び第2縦杆部279cによって、複数の油圧ホース273の長手方向に交差する方向の移動を規制することができる。
【0104】
また、作業機1は、機体2の前部に設けられ作業装置4を支持する支持ブラケット9を備え、旋回モータ99は、支持ブラケット9の後方に配置され、複数の油圧ホース273は、旋回モータ99の上方から支持ブラケット9に向けて前下がり傾斜状に配策されている。
【0105】
この構成によれば、複数の油圧ホース273を、支持ブラケット9を経て作業装置4へスムーズに配策することができる。
【0106】
また、旋回モータ99は、コントロールバルブCVの機体幅方向の側方且つ作業装置4の後方に配置され、複数の油圧ホース273は、コントロールバルブCVから機体2後方側に後上がり傾斜状、且つ平面視で後方に凸となるように湾曲して配策され、さらに旋回モータ99の上方を通って前方へ向かうように配策されている。
【0107】
旋回モータ99がコントロールバルブCVの機体幅方向の側方且つ作業装置4の後方に配置される作業機1において、複数の油圧ホース273を、コントロールバルブCVから機体2後方側に後上がり傾斜状、且つ平面視で後方に凸となるように湾曲して配策し、さらに旋回モータ99の上方を通って前方へ向かうように配策することで、小型の作業機1であっても、各油圧ホース273の曲げ半径を確保することができる。
【0108】
また、機体2の後部に搭載された原動機91と、原動機91を収容する原動機ルーム91Aと原動機ルーム91Aの前方とを仕切る仕切り壁体150と、を備え、コントロールバルブCVは、複数の油圧アクチュエータへ供給される作動油の流量を制御する複数の制御バルブ(ブーム制御バルブV1、アーム制御バルブV2、作業具制御バルブV3、第1予備制御バルブV4、第2予備制御バルブV5)を集約して構成され、仕切り壁体150の前方且つコントロールバルブCVの後方に、コントロールバルブCVのうちの少なくとも1つの制御バルブを作動させる電磁弁ユニットVUが配置されている。
【0109】
複数の油圧ホース273を旋回モータ99の上方を通って作業装置4へ配策することで、コントロールバルブCVの後方に仕切り壁体150及び電磁弁ユニットVUが配置されている作業機1であっても、電磁弁ユニットVUとの干渉を避けつつ各油圧ホース273の曲げ半径を確保することができる。
【0110】
また、機体2は、当該機体2の底部を構成する旋回基板5と、旋回基板5の上方に間隔を隔てて設けられた床部21とを有し、旋回モータ99は旋回基板5上に設置され、床部21と旋回モータ99との間に複数の油圧ホース273を配策するための配策スペース277が形成されている。
【0111】
この構成によれば、旋回モータ99の上方、且つ床部21と旋回モータ99との間に複数の油圧ホース273を通すことができる。
【0112】
また、機体2の前部に設けられた支持ブラケット9と、支持ブラケット9に上下方向に延伸する軸心回りに回動自在に支持されたスイングブラケット10と、を備え、作業装置4は、スイングブラケット10に揺動自在に支持されたブーム11と、ブーム11に揺動
自在に支持されたアーム12と、アーム12に支持された作業具13とを有し、複数の油圧アクチュエータは、ブーム11を揺動させるブームシリンダC2と、アーム12を揺動させるアームシリンダC3と、作業具13を駆動する作業具用アクチュエータ(作業具シリンダC4等)とを含む。
【0113】
機体2の前部に設けた支持ブラケット9にスイングブラケット10を回動自在に支持しスイングブラケット10にブーム11を揺動自在に支持し、ブーム11にアーム12を揺動自在に支持し、アーム12に作業具13を支持し、ブーム11を揺動させるブームシリンダC2、アーム12を揺動させるアームシリンダC3及び作業具13を駆動する作業具用アクチュエータを備えた作業機1において、コントロールバルブCVから作業装置4に配策される複数の油圧ホース273の組み付けを容易に行える。
【0114】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0115】
1 作業機
2 機体
3 走行装置
4 作業装置
5 旋回基板
9 支持ブラケット
10 スイングブラケット
11 ブーム
12 アーム
13 作業具
21 床部
91 原動機
91A 原動機ルーム
99 旋回モータ
150 仕切り壁体
273 油圧ホース
277 配策スペース
278 ホースガイド
279a 主ガイド部(主杆部)
279b 第1縦杆部
279c 第2縦杆部
290 主ガイド部
C2 油圧アクチュエータ(ブームシリンダ)
C3 油圧アクチュエータ(アームシリンダ)
C4 油圧アクチュエータ(作業具シリンダ)
CV コントロールバルブ
V1 制御バルブ(ブーム制御バルブ)
V2 制御バルブ(アーム制御バルブ)
V3 制御バルブ(作業具制御バルブ)
V4 制御バルブ(第1予備制御バルブ)
V5 制御バルブ(第2予備制御バルブ)
VU 電磁弁ユニット
X1 旋回中心(旋回軸心)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18