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  • 特開-ハンガー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092832
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】ハンガー
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/36 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A47G25/36 A
A47G25/36 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209020
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】593161294
【氏名又は名称】ミツワ樹脂工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104488
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 良夫
(72)【発明者】
【氏名】平野 正浩
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA30
3K099CA01
3K099DA13
3K099DA29
(57)【要約】
【課題】製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減するとともに海洋プラスチック汚染の削減が可能なハンガーを提供する。
【解決手段】フック2と、フック2が上方に連設された衣服支持部3を具備し、衣服支持部3は、フック2が上方に連設された中央部4と、中央部4の左右側のそれぞれに左右側の水平方向に向けて連設した肩支持部5を具備したハンガーであって、全体を、PP樹脂49%と紙51%の割合で製造した紙混成材料と、合成樹脂を、1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型して製造したことを特徴としており、これにより、全体の約25%を紙素材にすることでPP樹脂を25%削減することを可能にし、合成樹脂を100%使用して製造したハンガーと比較して、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減することができるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック(2)と、
該フック(2)が上方に連設された衣服支持部(3)と、を具備したハンガーであって、
全体を、PP樹脂49%と紙51%の割合で製造した紙混成材料と合成樹脂とを1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型して製造したことを特徴とするハンガー。
【請求項2】
前記衣服支持部(3)は、
前記フック(2)が上方に連設された中央部(4)と、
該中央部(4)の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部(5)と、
該肩支持部(5)の下端間に橋架された横杆(6)と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載のハンガー。
【請求項3】
前記衣服支持部(3)は、
前記フック(2)が上方に連設された中央部(4)と、
該中央部(4)の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部(5)と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載のハンガー。
【請求項4】
前記衣服支持部(3)は、
前記フック(2)が上方に連設された中央部(4)と、
該中央部(4)の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部(5)と、
該肩支持部(5)のそれぞれの下端に下方に向けて連設した側部(7)と、
該側部(7)の下端間に橋架された横杆(6)と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載のハンガー。
【請求項5】
前記衣服支持部(5)は、
前記フック(2)が上方に連設された中央部(4)と、
該中央部(4)の左右側のそれぞれに左右側の水平方向に向けて連設した肩支持部本体(5)と、
該肩支持部本体(5)のそれぞれの下端に下方に向けて連設した側部(7)と、
該側部(7)の下端間に橋架された横杆(6)と、を具備したことを特徴とする請求項1に記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンガーに係り、より詳しくは、合成樹脂材料と紙混成材料を混ぜ合わせた材料を成形して製造されることを特徴とするハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からクリーニング店等においては、クリーニングされた衣服等をハンガーに支持した状態で顧客に提供しているが、近年はこのクリーニング店で使用されるハンガーは、合成樹脂を成型して製造される合成樹脂製のハンガーが多数を占めている。
【0003】
即ち、この従来から使用されている合成樹脂製のハンガーは、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂材料をペレット状にしたものにタルク等の素材を成型機内に投入して撹拌した後に、熱を加えてペースト状にして型に流し込むことで製造される。
【0004】
ところで、近年、海洋プラスチック汚染が世界的な問題となっており、アメリカ、EU、中国等の先進国では地球環境を守るための脱プラスチックの取り組みが進んでいる。そしてこの脱プラスチックの取り組みは日本においても見られており、日本ではストローやレジ袋などの使用料の削減が進められている。
【0005】
また、クリーニング店等で提供される合成樹脂製のハンガーでは、汚れたり、損傷したり、あるいは不要となった場合にはゴミとして廃棄されて焼却処分されるが、このとき、従来の合成樹脂製のハンガーは一般的に、前述したように、ポリエチレンやポリプロピレン等の石油由来の原料を利用して製造されるため、焼却した場合には温室効果ガスとしての二酸化炭素等の有害物質を排出する。そしてこの、二酸化炭素等の有害物質を排出することが地球温暖化の原因の一つにもなっているため、改善が望まれていた。
【0006】
更に、周知のようにハンガーの材料となる合成樹脂を総称してプラスチックというが、このプラスチックは石油由来製品であり、具体的にはナフサから製造されるが、石油の精製過程等においても温室効果ガスとしての二酸化炭素が排出されるため、プラスチックの製造過程においても地球温暖化の原因となる二酸化炭素が排出されているので、製造過程における二酸化炭素の削減も望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-217247号公報
【特許文献2】特開2019-216854号公報
【特許文献3】特開2011-182807号公報
【特許文献4】実用新案登録第3181324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、製造過程や廃棄の際における二酸化炭素の排出量を削減することで、地球温暖化対策に資するとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にすることで地球環境を守ることが可能なハンガーを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ところで、最近になり、合成樹脂素材に紙を混成して製造された紙混成材料が提供されており、従来は合成樹脂素材のみで製造されていた製品をこの紙混成材料を用いて製造することで、合成樹脂素材のみで製造した製品と比較して、合成樹脂の比率を下げることができる効果を得ることができる。そして、それにより、製造過程及び廃棄時における二酸化炭素の排出量を削減することができ、更にプラスチックゴミの減量を達成することも可能である。
【0010】
そこで、本発明者は、この紙混成材料の存在に着目して、この紙混成材料を用いることで、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策になるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にすることで地球環境を守ることも可能なハンガーを得ることとした。
【0011】
即ち、本発明のハンガーは、フックと、このフックが上方に連設された中央部と、中央部の左右側のそれぞれに連設された肩支持部とを具備したハンガーにおいて、全体を、PP樹脂49%と紙51%の割合で製造した紙混成材料と合成樹脂とを1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型して製造したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のハンガーは、PP樹脂49%と紙51%の割合で製造した紙混成材料と合成樹脂とを1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型して製造したことを特徴としており、これにより、合成樹脂の使用割合を約75%としている。そのために、材料の100%を合成樹脂とした従来のハンガーと比較して合成樹脂の使用量を削減することが可能である。そのために、従来のハンガーと比較して、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策に資することができるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にして地球環境を守ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のハンガーの実施例の正面図である。
図2】本発明のハンガーの実施例の他の形態の正面図である。
図3】本考案のハンガーの実施例の他の形態の正面図である。
図4】本考案のハンガーの実施例の他の形態の正面図である。
図5】本考案のハンガーの実施例の他の形態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のハンガーは、衣服を支持するための衣服支持部を有しており、この衣服支持部の中央上部には、本発明のハンガーをパイプ等に吊るすためのフックが連設されている。
【0015】
そして、本発明のハンガーは、全体を、PP樹脂49%と紙51%の割合で製造した紙混成材料と合成樹脂とを、1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて、この材料を成型することで製造されている。
【0016】
ここで、前記衣服支持部は、フックが上方に連設された中央部と、この中央部の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部とで構成するとよく、これにより、衣服の肩部分の傾斜に沿って衣服を支持することができる。
【0017】
そしてこのとき、肩支持部の下端間に横杆を橋架してもよく、これにより、この横杆にズボン等を吊るすことが可能となる。
【0018】
また、前記衣服支持部を、フックが上方に連設された中央部と、この中央部の左右側のそれぞれに、左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部と この肩支持部本体のそれぞれの下端に下方に向けて連設した側部と、側部の下端間に橋架された横杆とで構成してもよい。
【0019】
更に、衣服支持部を、フックが上方に連設された中央部と、この中央部の左右側のそれぞれに左右側の水平方向に向けて連設した肩支持部本体と、肩支持部本体のそれぞれの下端に下方に向けて連設した側部と、側部の下端間に橋架された横杆とで構成してもよい。
【実施例0020】
本発明のハンガーの実施例について図面を参照して説明すると、図1は本実施例のハンガーの正面図であり、図において1が本実施例のハンガーである。
【0021】
そして、本実施例ハンガー1では、衣服を支持するための衣服支持部を有しており、この衣服支持部の上方には、ハンガーをパイプ等に吊るすためのフックが連設されている。即ち、図において3が衣服支持部、2が衣服支持部3の上方に連設されたフックである。
【0022】
ここで、前記衣服支持部3について説明すると、本実施例において前記支衣服持部3は、フック2が上方に連設された中央部を有している。即ち、図において4が中央部であり、図において中央部4は平板状であり、形状は任意として、わずかに横長状としている。
【0023】
そして、中央部4の左右側のそれぞれには、衣服を吊るして支持するための肩支持部が連設されている。ここで肩支持部について説明すると、図において5が肩支持部であり、本実施例のハンガー1における肩支持部5は、前記中央部4の左右側のそれぞれに張り出した形態としている。また、この肩支持部5は、前記中央部4の左右側のそれぞれに、左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設しており、更に、前記肩支持部5の下端間には、横杆6が橋架されている。そしてこれにより、肩支持部5に衣服の肩部分を支持した状態で、フック2をパイプ等に吊るすことで、クリーニングした衣服を吊るすことを可能としている。また、本実施例のハンガーに家庭等で衣服を吊るす際には、横杆6にズボンを吊るすことも可能である。
【0024】
このように、本実施例のハンガー1は、フック2が上方に連設された中央部4と、この中央部4の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設した肩支持部5を備えて、肩支持部5の下端間には横杆6が橋架されて構成されている。そして、本実施例のハンガー1は、全体を、紙混成材料と合成樹脂とを混ぜ合わせた材料を用いて、この材料を成型することで製造している。
【0025】
ここで、前記紙混成材料について説明すると、本実施例のハンガーの製造に用いる紙混成材料としては、紙原料を粉砕したものとPP樹脂とを混ぜ合わせてペレットにしたものを用いており、具体的には、商品名マプカ(登録商標)を用いている。そして、本実施例のハンガー1を製造する際には、前記紙混成材料と、ペレット状にしたPP樹脂とを、1対1の割合で混ぜ合わせて材料を作り、その材料を180度~200度で加熱して溶かして成型素材を製造し、その成型素材を用いて射出成型によりハンガーを製造している。
【0026】
そのために、本実施例のハンガーでは、合成樹脂を100%使用して製造したハンガーと比較して、合成樹脂の使用量を削減することが可能である。即ち、前記紙混成材料では、紙とPP樹脂を、51%対49の割合で混ぜ合わせて製造されており、本実施例のハンガーでは、この紙混成材料とPP樹脂とを1体の割合で混ぜ合わせているため、全体の約25%を紙素材にすることができる。即ち、本実施例のハンガーでは、合成樹脂を100%使用して製造したハンガーと比較して、合成樹脂の使用量を、材料全体の25%だけ削減することができる。従って、本実施例のハンガーでは、従来のハンガーと比較して、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策に資することができるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にして地球環境を守ることも可能である。
【0027】
また、本発明のハンガーでは、前記紙混成材料とPP樹脂とを混ぜ合わせてハンガーの材料を製造しているために、ハンガーとしての強度を十分に備えることができるとともに、射出成型による成型を容易にしている。即ち、前述のように紙混成材料としての商品名マプカ(登録商標)は、紙とPP樹脂を、51%対49の割合で混ぜ合わせて製造されているため、この素材をそのまま使用してハンガーを成形した場合には、紙の割合が高すぎるために強度が弱く、折れやすい製品になってしまう。そのために、ハンガーとして完成させるためには、紙の比率を40%以下にすることが好ましい。
【0028】
更に、ハンガーを製造する際には材料を高温で加熱してから射出成型するために、紙の比率が40%程度では、材料を加熱した時に、焦げや匂いの問題が生じてしまう。
【0029】
そこで、本実施例のハンガーでは、紙混成材料とPP樹脂とを1体1の割合で混ぜ合わせて材料を製造することとしている。即ち、本実施例のハンガーでは、紙混成材料とPP樹脂とを1体1の割合で混ぜ合わせて材料を製造することで、紙の比率を全体の約25%にしている。そのために、ハンガーとしての使用に十分耐えうる強度を有するとともに、材料を加熱する際に、焦げや匂いの問題が生じることも無い。
【0030】
従って、本発明のハンガーは、合成樹脂の使用量を削減することで、合成樹脂100%の従来のハンガーと比較して、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策に資することができるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にして地球環境を守ることも可能であり、更に、ハンガーとしての使用に十分に耐えうる強度を有するとともに製造過程における焦げや匂いの問題も防止することができるという効果がある。
【0031】
このように、本実施例のハンガーは、紙原料を粉砕したものとPP樹脂とを混ぜ合わせてペレットにした紙混成材料を用いて、この紙混成材料とペレット状にしたPP樹脂を1対1で混ぜ合わせた材料を用いて製造しているため、合成樹脂を100%使用して製造したハンガーと比較して、合成樹脂の使用量を削減することが可能であり、それにより、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策に資することができ、更に、海洋プラスチック汚染の削減を可能にして地球環境を守ることも可能であり、更にまた、ハンガーとしての使用に十分に耐えうる強度を有するとともに製造過程における焦げや匂いの問題も防止することができる。
【0032】
次に、図2は、本発明のハンガーの他の形態を示す図であり、図2に示すハンガーでは、衣服支持部3を、中央部4と、肩支持部5で構成しており、肩支持部5は、中央部4の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設している。即ち図2に示すハンガーは、横杆を有さないオープンタイプとしている。そして、図2に示すハンガーも、前述の図1に示すハンガーと同様に、紙とPP樹脂を51%対49の割合で混ぜ合わせて製造された紙混成材料とペレット状のPP樹脂を1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型することで全体を製造している。
【0033】
次に、図3は本考案のハンガーの更に他の形態を示す図であり、図3に示すハンガーでは、衣服支持部3を、中央部4と、肩支持部5と側部7と横杆6で構成しており、肩支持部5は、中央部4の左右側のそれぞれに左右側の斜め下方に向けて傾斜させて連設している。そして、肩支持部5のそれぞれの下端に下方に向けて側部7を連設し、更に、側部7間に横杆6を橋架して構成している。
【0034】
また、図3に示すハンガー1は、横杆6にズボンを吊るすためのズボンハンガーとしており、側部7間に、横杆に吊るしたズボンを固定するための押え部材を有している。即ち、図において8が押え部材であり、この押え部材8で、横杆6に吊るしたズボンを上側から押えて、これによりズボンが横杆6からずり落ちることを防止している。
【0035】
ここで、前記押え部材8について説明すると、本実施例において前記押え部材8は、横杆6に吊るしたズボンを押えるための押え片9と、この押え片9の両端に連設した支持片10とを具備し、前記側部7に支持片10を連設することで、押え部材8を前記側部7間に配設しており、押え片9と支持片10はいずれも長尺の板状としている。
【0036】
そして、支持片10はそれぞれ、全体を緩やかなアーチ状としており、先端部は押え片9の端部に連設されており、押え片9と支持片10との連設部分はヒンジ部11としている。
【0037】
また、支持片10の基端部は側部7に連設されるとともに、切り欠き12を備えることで、側部7に対して上下方向に折り曲げ自在としている。そしてそれにより、押え片9を下方へ押圧すると、押え片9は、下降して横杆7に当接するとともに、押え片9の両端に連設している支持片10の先端も押え片10とともに下降し、それにより、押え片9によって、横杆6に吊るしたズボンを押えて固定することが可能となる。図4が押え片9を下降した状態を示す図である。
【0038】
そして、図3に示すハンガーも、前述の図1、2に示すハンガーと同様に、紙とPP樹脂を51%対49の割合で混ぜ合わせて製造された紙混成材料とペレット状のPP樹脂を1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型することで全体を製造している。
【0039】
次に、図5は本発明のハンガーの他の形態を示す図であり、図5に示すハンガーでは、図3に示すハンガーと同様に、衣服支持部3を、中央部4と、肩支持部5と側部7と横杆6で構成しており、一方、図5に示すハンガーでは、肩支持部5は中央部4の左右側のそれぞれに左右側の水平方向に向けて連設しており、この肩支持部5のそれぞれの下端に、下方に向けて側部7を連設し、更に、側部7間に横杆6が橋架される構成としている。そして、前述の図1、2、3に示すハンガーと同様に、紙とPP樹脂を51%対49の割合で混ぜ合わせて製造された紙混成材料とPP樹脂を1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型することで全体を製造している。
【0040】
このように、本実施例のハンガーはいずれも、紙とPP樹脂を51%対49の割合で混ぜ合わせて製造された紙混成材料とPP樹脂を1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型することで全体を製造しているため、全体の約25%を紙素材にすることができ、即ち、合成樹脂の使用を75%に抑えることができ、合成樹脂を100%使用して製造したハンガーと比較して、合成樹脂の使用量を、材料全体の25%削減することができる。従って、本実施例のハンガーでは、従来のハンガーと比較して、製造過程及び廃棄過程における二酸化炭素の排出量を削減して地球温暖化対策に資することができるとともに、海洋プラスチック汚染の削減を可能にして地球環境を守ることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のハンガーは、紙とPP樹脂を51%対49の割合で混ぜ合わせて製造された紙混成材料とPP樹脂を1対1の割合で混ぜ合わせた材料を用いて成型して製造し、合成樹脂の使用割合を25%削減したことを特徴としているために、樹脂製のハンガーの全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 ハンガー
2 フック
3 衣服支持部
4 中央部
5 肩支持部
6 横杆
7 側部
図1
図2
図3
図4
図5