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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092836
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】物品提供システム及び物品提供方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20240701BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B65G1/00 501F
B65G1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209025
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】519288043
【氏名又は名称】株式会社ROMS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和也
(72)【発明者】
【氏名】前野 洋介
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA02
3F022AA09
3F022BB03
3F022BB04
3F022CC02
3F022CC03
3F022CC10
3F022FF01
3F022JJ09
3F022LL12
3F022LL38
3F022MM01
3F022MM03
3F022MM08
3F022MM42
3F022MM49
3F022MM51
(57)【要約】
【課題】収納しておいた物品を自動的又は半自動的にユーザに提供するシステムにおいて、より一層の省スペース化を可能にする。
【解決手段】物品提供システム100は、ユーザに提供される物品を収納するラック110と、ユーザに提供される鍵で解錠可能な扉付きの少なくとも1個の収納室を有し、少なくとも1個の収納室の、当該扉とは反対側に開口が設けられているロッカー120と、物品をラック110から取り出し、物品を、開口を通じてロッカー120の収納室に収納するスタッカークレーン130とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに提供される物品を収納するラックと、
前記ユーザに提供される鍵で解錠可能な扉付きの少なくとも1個の収納室を有し、前記少なくとも1個の収納室の、当該扉とは反対側に開口が設けられているロッカーと、
前記物品を前記ラックから取り出し、前記物品を、前記開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納するスタッカークレーンと
を備える物品提供システム。
【請求項2】
前記ラック、前記スタッカークレーン、及び前記ロッカーが設置された空間を、前記ロッカーの扉を露出させる形で覆う断熱パネルを更に備える請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項3】
前記断熱パネルには、入口が設けられており、
前記スタッカークレーンは、前記物品が前記入口を通じて前記空間に入ってくると、前記物品を受け取り、前記物品を前記ラックに収納する請求項2に記載の物品提供システム。
【請求項4】
前記空間の外で前記物品が入れられたトレイを、前記入口を通じて前記空間の中に運ぶコンベヤを更に備え、
前記スタッカークレーンは、前記物品が入れられたトレイを前記コンベヤから受け取り、前記物品が入れられたトレイを前記ラックに収納する請求項3に記載の物品提供システム。
【請求項5】
前記断熱パネルには、出口が更に設けられており、
前記スタッカークレーンは、空いているトレイを前記ラックから取り出し、前記空いているトレイを前記コンベヤに載せ、
前記コンベヤは、前記空いているトレイを、前記出口を通じて前記空間の外に運ぶ請求項4に記載の物品提供システム。
【請求項6】
前記スタッカークレーンは、前記物品が入れられたトレイを前記ラックから取り出し、前記物品が入れられたトレイを、前記開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納する請求項4に記載の物品提供システム。
【請求項7】
前記空間の温度を一定範囲に保つ空調機器を更に備える請求項2に記載の物品提供システム。
【請求項8】
前記ロッカーの扉が開いているときに前記開口を通過する物体を検知する安全機器を更に備える請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項9】
前記スタッカークレーンは、前記ロッカーの扉が開いているときに前記物体が前記安全機器により検知されると、停止する請求項8に記載の物品提供システム。
【請求項10】
前記開口を覆い、人間の手又は体を通さないが空気を通す開閉可能な安全カバーを更に備える請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項11】
前記スタッカークレーンは、前記ロッカーの扉が開いているときは前記ロッカーの扉が閉じているときよりも遅く動く請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項12】
前記ユーザからの要求に応じて、前記スタッカークレーンを制御するとともに、前記鍵を前記ユーザに提供する制御装置を更に備える請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【請求項13】
前記ロッカーは、前記少なくとも1個の収納室として、複数個の収納室を有し、
前記制御装置は、前記鍵を前記ユーザに提供する際に、前記複数個の収納室のうち、どの収納室に前記物品が収納されたかを前記ユーザに通知する請求項12に記載の物品提供システム。
【請求項14】
スタッカークレーンを用いて、ユーザに提供される物品を、当該物品を収納するラックから取り出すことと、
前記スタッカークレーンを用いて、前記物品を、扉付きの少なくとも1個の収納室を有するロッカーの前記少なくとも1個の収納室の、当該扉とは反対側に設けられている開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納することと、
前記物品を収納した収納室の扉を解錠するための鍵を前記ユーザに提供することと
を含む物品提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品提供システム及び物品提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、それぞれ1つ以上の物品が入った複数の容器を収納する自動倉庫と、自動倉庫により搬出された容器から物品を取り出すピッキングを制御又は支援する制御装置とを備える物品管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/010298号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収納しておいた物品を自動的又は半自動的にユーザに提供するシステムにおいて、ピッキングを省略できれば、より一層の省スペース化が期待できる。
【0005】
本開示の目的は、収納しておいた物品を自動的又は半自動的にユーザに提供するシステムにおいて、より一層の省スペース化を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の幾つかの態様を以下に示す。
【0007】
[1]
ユーザに提供される物品を収納するラックと、
前記ユーザに提供される鍵で解錠可能な扉付きの少なくとも1個の収納室を有し、前記少なくとも1個の収納室の、当該扉とは反対側に開口が設けられているロッカーと、
前記物品を前記ラックから取り出し、前記物品を、前記開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納するスタッカークレーンと
を備える物品提供システム。
【0008】
[2]
前記ラック、前記スタッカークレーン、及び前記ロッカーが設置された空間を、前記ロッカーの扉を露出させる形で覆う断熱パネルを更に備える[1]に記載の物品提供システム。
【0009】
[3]
前記断熱パネルには、入口が設けられており、
前記スタッカークレーンは、前記物品が前記入口を通じて前記空間に入ってくると、前記物品を受け取り、前記物品を前記ラックに収納する[2]に記載の物品提供システム。
【0010】
[4]
前記空間の外で前記物品が入れられたトレイを、前記入口を通じて前記空間の中に運ぶコンベヤを更に備え、
前記スタッカークレーンは、前記物品が入れられたトレイを前記コンベヤから受け取り、前記物品が入れられたトレイを前記ラックに収納する[3]に記載の物品提供システム。
【0011】
[5]
前記断熱パネルには、出口が更に設けられており、
前記スタッカークレーンは、空いているトレイを前記ラックから取り出し、前記空いているトレイを前記コンベヤに載せ、
前記コンベヤは、前記空いているトレイを、前記出口を通じて前記空間の外に運ぶ[4]に記載の物品提供システム。
【0012】
[6]
前記スタッカークレーンは、前記物品が入れられたトレイを前記ラックから取り出し、前記物品が入れられたトレイを、前記開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納する[4]又は[5]に記載の物品提供システム。
【0013】
[7]
前記空間の温度を一定範囲に保つ空調機器を更に備える[2]から[6]のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【0014】
[8]
前記ロッカーの扉が開いているときに前記開口を通過する物体を検知する安全機器を更に備える[1]から[7]のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【0015】
[9]
前記スタッカークレーンは、前記ロッカーの扉が開いているときに前記物体が前記安全機器により検知されると、停止する[8]に記載の物品提供システム。
【0016】
[10]
前記開口を覆い、人間の手又は体を通さないが空気を通す開閉可能な安全カバーを更に備える[1]から[9]のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【0017】
[11]
前記スタッカークレーンは、前記ロッカーの扉が開いているときは前記ロッカーの扉が閉じているときよりも遅く動く[1]から[10]のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【0018】
[12]
前記ユーザからの要求に応じて、前記スタッカークレーンを制御するとともに、前記鍵を前記ユーザに提供する制御装置を更に備える[1]から[11]のいずれか1項に記載の物品提供システム。
【0019】
[13]
前記ロッカーは、前記少なくとも1個の収納室として、複数個の収納室を有し、
前記制御装置は、前記鍵を前記ユーザに提供する際に、前記複数個の収納室のうち、どの収納室に前記物品が収納されたかを前記ユーザに通知する[12]に記載の物品提供システム。
【0020】
[14]
スタッカークレーンを用いて、ユーザに提供される物品を、当該物品を収納するラックから取り出すことと、
前記スタッカークレーンを用いて、前記物品を、扉付きの少なくとも1個の収納室を有するロッカーの前記少なくとも1個の収納室の、当該扉とは反対側に設けられている開口を通じて前記ロッカーの収納室に収納することと、
前記物品を収納した収納室の扉を解錠するための鍵を前記ユーザに提供することと
を含む物品提供方法。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、収納しておいた物品を自動的又は半自動的にユーザに提供するシステムにおいて、より一層の省スペース化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施形態に係る物品提供システムの構成を示すブロック図である。
図2】本開示の実施形態に係る物品提供システムを適用した店舗を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る物品提供システムの構成を示す斜視図である。
図4】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図5】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図6】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図7】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図8】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図9】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図10】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図11】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図12】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図13】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図14】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図15】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図16】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品納入時の動作を示す斜視図である。
図17】本開示の実施形態に係る物品提供システムの物品提供時の動作を示すフローチャートである。
図18】本開示の実施形態の変形例に係る物品提供システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照して説明する。
【0024】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0025】
図1から図3を参照して、本実施形態に係る物品提供システム100の構成を説明する。
【0026】
図1に示すように、物品提供システム100は、ラック110と、ロッカー120と、スタッカークレーン130と、コンベヤ140と、空調機器150と、安全機器160と、表示機器170と、キオスク端末180と、制御装置190とを備える。制御装置190は、ラック110、ロッカー120、スタッカークレーン130、コンベヤ140、空調機器150、安全機器160、表示機器170、及びキオスク端末180と直接又はネットワーク200を介して通信可能である。
【0027】
制御装置190は、モバイル端末210,220などの端末群ともネットワーク200を介して通信可能である。各端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。
【0028】
ネットワーク200は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの任意の組合せを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク200は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0029】
図2に示すように、物品提供システム100は、店舗300に適用される。店舗300は、本実施形態では、弁当などの飲食物を提供するテイクアウト専門店であるが、テイクアウトだけでなく、店内での飲食も可能な飲食店でもよいし、又は飲食物以外の商品、若しくは飲食物を含む様々な商品を提供する販売店でもよい。あるいは、物品提供システム100は、荷物を提供する配送所に適用されてもよい。
【0030】
図3に示すように、ラック110は、ユーザに提供される物品101を収納する。ラック110は、本実施形態では、弁当など、店舗300で提供される商品を物品101として収納するが、物品提供システム100が配送所に適用される場合は、配送所で提供される荷物を物品101として収納する。ラック110は、本実施形態では2列の棚群を含むが、3列以上の棚群を含んでもよいし、又は1列の棚のみを含んでもよい。2列の棚群のうちの一方は、本実施形態では、1段につき2個ずつトレイ102を収納可能な15段の棚をロッカー120から通路を挟んで向かい側に8個並べて構成されているが、棚の個数又は段数を変更するなど、他の構成が採用されてもよい。2列の棚群のうちの他方は、本実施形態では、1段につき2個ずつトレイ102を収納可能な4段の棚をロッカー120の上に4個並べ、また1段につき2個ずつトレイ102を収納可能な10段の棚をロッカー120の横かつコンベヤ140の上に3個並べて構成されているが、棚の個数又は段数を変更するなど、他の構成が採用されてもよい。
【0031】
図2及び図3に示すように、ロッカー120は、ユーザに提供される鍵で解錠可能な扉122付きの少なくとも1個の収納室121を有する。ロッカー120の少なくとも1個の収納室121の、扉122とは反対側には、開口123が設けられている。ロッカー120は、本実施形態では、少なくとも1個の収納室121として、複数個の収納室121を有する。ロッカー120は、具体的には、4列4段、合計16個の収納室121を有するが、収納室121の個数は、4列5段、合計20個など、適宜変更してもよい。それぞれの収納室121は、本実施形態では、1段につき2個ずつトレイ102を収納可能な2段構成になっているが、他の構成が採用されてもよい。開口123は、本実施形態ではロッカー120の裏側全体に設けられているが、収納室121ごとに個別に設けられてもよい。
【0032】
図3に示すように、スタッカークレーン130は、本実施形態では、ラック110の2列の棚群のうちの一方と、ロッカー120、及びラック110の2列の棚群のうちの他方との間の通路に設置され、通路に沿って床上を水平移動しながら、1対の荷台を適宜垂直移動させるように構成されているが、天井から吊り下げられるなど、他の構成が採用されてもよい。スタッカークレーン130は、制御装置190により制御されて、物品101をラック110から取り出し、取り出した物品101を、開口123を通じてロッカー120の収納室121に収納する。
【0033】
安全機器160は、ロッカー120の扉122が開いているときに開口123を通過する物体を検知する。安全機器160は、例えば、ライトカーテンである。スタッカークレーン130は、ロッカー120の扉122が開いているときに物体が安全機器160により検知されると、制御装置190により制御されて停止することが望ましい。これは安全性の向上のためである。例えば、ロッカー120の扉122が開いているときに、スタッカークレーン130が移動する通路までユーザの手が入ってきても、安全機器160で手を検知してスタッカークレーン130を停止させることで、事故を防止しやすくなる。
【0034】
スタッカークレーン130は、ロッカー120の扉122が開いているときはロッカー120の扉122が閉じているときよりも遅く動くことが望ましい。具体的には、ロッカー120の扉122が開いているときは、スタッカークレーン130の水平移動速度が制御装置190により250ミリメートル/秒又はそれよりも遅い速度に調整されることが望ましい。これも安全性の向上のためである。例えば、ロッカー120の扉122が開いているときに、スタッカークレーン130が移動する通路までユーザの手が入ってきても、スタッカークレーン130がゆっくり移動しているので、事故が発生しにくくなる。
【0035】
制御装置190は、ユーザからの要求に応じて、スタッカークレーン130を制御するとともに、物品101を収納した収納室121の扉122を解錠するための鍵をユーザに提供する。提供される鍵は、物理的な鍵であってもよいし、又は電子的な鍵であってもよい。本実施形態では、制御装置190は、鍵をユーザに提供する際に、複数個の収納室121のうち、どの収納室121に物品101が収納されたかをユーザに通知する。制御装置190は、例えば、コンピュータである。
【0036】
図2に示すように、店舗300には、キオスク端末180が設置されている。第1例として、顧客181がキオスク端末180で弁当などの商品Aを購入したとすると、制御装置190は、ラック110の複数個の棚の中から、商品Aが収納されている棚を特定する。制御装置190は、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、特定した棚において商品Aが収納されている位置を更に特定する。制御装置190は、特定した位置から商品Aを取り出すようスタッカークレーン130を制御する。制御装置190は、ロッカー120の複数個の収納室121の中から、空いているものを選択する。仮に「10番」が選択されたとすると、制御装置190は、商品Aを「10番」に収納するようスタッカークレーン130を制御するとともに、「10番」に対応する鍵を顧客181に提供する。例えば、提供される鍵が物理的な鍵であるとすると、制御装置190は、鍵を店員から受け取るようキオスク端末180で顧客181に促すとともに、「10番」に商品Aが収納されたことをキオスク端末180で顧客181に通知する。顧客181は、その場で手渡された鍵で「10番」を解錠して商品Aを受け取ることができる。
【0037】
モバイル端末210には、BOPIS用のアプリケーションがインストールされている。「BOPIS」は、buy online pick-up in storeの略語である。第2例として、顧客211がアプリケーションで弁当などの商品Bを購入したとすると、制御装置190は、ラック110の複数個の棚の中から、商品Bが収納されている棚を特定する。制御装置190は、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、特定した棚において商品Bが収納されている位置を更に特定する。制御装置190は、特定した位置から商品Bを取り出すようスタッカークレーン130を制御する。制御装置190は、ロッカー120の複数個の収納室121の中から、空いているものを選択する。仮に「02番」が選択されたとすると、制御装置190は、商品Bを「02番」に収納するようスタッカークレーン130を制御するとともに、「02番」に対応する鍵を顧客211に提供する。例えば、提供される鍵が電子的な鍵であるとすると、制御装置190は、ネットワーク200を介して、鍵とともに、「02番」に商品Bが収納されたという通知をモバイル端末210に送信する。顧客211は、店舗300に移動した後、モバイル端末210で受信した鍵で「02番」を解錠して商品Bを受け取ることができる。
【0038】
モバイル端末220には、配達サービス用のアプリケーションがインストールされている。第3例として、配達員221がアプリケーションで弁当などの商品Cの配達依頼を受けたとすると、制御装置190は、ラック110の複数個の棚の中から、商品Cが収納されている棚を特定する。制御装置190は、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、特定した棚において商品Cが収納されている位置を更に特定する。制御装置190は、特定した位置から商品Cを取り出すようスタッカークレーン130を制御する。制御装置190は、ロッカー120の複数個の収納室121の中から、空いているものを選択する。仮に「07番」が選択されたとすると、制御装置190は、商品Cを「07番」に収納するようスタッカークレーン130を制御するとともに、「07番」に対応する鍵を配達員221に提供する。例えば、提供される鍵が電子的な鍵であるとすると、制御装置190は、ネットワーク200を介して、鍵とともに、「07番」に商品Cが収納されたという通知をモバイル端末220に送信する。配達員221は、店舗300に移動した後、モバイル端末220で受信した鍵で「07番」を解錠して商品Cを受け取ることができる。
【0039】
図2に示すように、店舗300には、案内表示用のディスプレイ301が設置されてもよい。例えば、ロッカー120の複数個の収納室121のうち、「16番」、「02番」、「03番」、「04番」、「07番」、「09番」、及び「10番」に物品101が既に収納されている場合、これらの番号が、物品101が先に収納されたものから順番に並べられて、それぞれ目立つようにディスプレイ301に表示される。ロッカー120の複数個の収納室121のうち、「11番」及び「12番」には物品101がまだ収納されていないが、該当する物品101がスタッカークレーン130で運ばれているなど、収納の準備中である場合、これらの番号がディスプレイ301に更に表示されてもよい。ディスプレイ301は、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescentの略語である。
【0040】
図2に示すように、物品提供システム100は、断熱パネル310を更に備える。断熱パネル310は、図3に示すようなラック110、スタッカークレーン130、及びロッカー120が設置された空間311を、ロッカー120の扉122を露出させる形で覆う。
【0041】
空調機器150は、空間311の温度を冷蔵温度帯などの一定範囲に保つ。冷蔵温度帯は、-10℃以上+20℃以下、又はそれよりも狭い温度帯である。空調機器150は、例えば、冷凍機である。店舗300で提供される商品の種類によっては、空調機器150を省略してもよい。物品提供システム100が配送所に適用される場合も、配送所で提供される荷物の種類によっては、空調機器150を省略してもよい。
【0042】
図3に示すように、断熱パネル310には、入口313が設けられている。スタッカークレーン130は、物品101が入口313を通じて空間311に入ってくると、制御装置190により制御されて、物品101を受け取り、受け取った物品101をラック110に収納する。
【0043】
図3に示すように、コンベヤ140は、少なくとも、入口313から空間311の中でスタッカークレーン130が移動する通路に隣接する位置まで延びるように構成されている。コンベヤ140は、空間311の外で物品101が入れられたトレイ102を、入口313を通じて空間311の中に運ぶ。スタッカークレーン130は、制御装置190により制御されて、物品101が入れられたトレイ102をコンベヤ140から受け取り、物品101が入れられたトレイ102をラック110に収納する。
【0044】
図3に示すように、断熱パネル310には、出口312が更に設けられている。コンベヤ140は、更に、空間311の中でスタッカークレーン130が移動する通路に隣接する位置から出口312まで延びるように構成されている。スタッカークレーン130は、制御装置190により制御されて、空いているトレイ102をラック110から取り出し、空いているトレイ102をコンベヤ140に載せる。コンベヤ140は、空いているトレイ102を、出口312を通じて空間311の外に運ぶ。
【0045】
図3に示すように、空間311の外のローディングエリアには、表示機器170が設置されている。表示機器170は、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。空いているトレイ102が、出口312を通じて空間311の外に運ばれると、ローディングエリアにいる作業員171が、表示機器170に表示される指示に従って、物品101をトレイ102に入れる。物品101が入れられたトレイ102は、入口313を通じて空間311の中に運ばれる。
【0046】
図1を参照して、本実施形態に係る制御装置190の構成を説明する。
【0047】
制御装置190は、制御部191と、記憶部192と、通信部193とを備える。
【0048】
制御部191は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。「CPU」は、central processing unitの略語である。「GPU」は、graphics processing unitの略語である。プログラマブル回路は、例えば、FPGAである。「FPGA」は、field-programmable gate arrayの略語である。専用回路は、例えば、ASICである。「ASIC」は、application specific integrated circuitの略語である。制御部191は、制御装置190の各部を制御しながら、制御装置190の動作に関わる処理を実行する。
【0049】
記憶部192は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM、ROM、又はフラッシュメモリである。「RAM」は、random access memoryの略語である。「ROM」は、read only memoryの略語である。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。「SRAM」は、static random access memoryの略語である。「DRAM」は、dynamic random access memoryの略語である。ROMは、例えば、EEPROMである。「EEPROM」は、electrically erasable programmable read only memoryの略語である。フラッシュメモリは、例えば、SSDである。「SSD」は、solid-state driveの略語である。磁気メモリは、例えば、HDDである。「HDD」は、hard disk driveの略語である。記憶部192は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部192には、制御装置190の動作に用いられるデータと、制御装置190の動作によって得られたデータとが記憶される。
【0050】
通信部193は、少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、Ethernet(登録商標)などの有線LAN通信規格、IEEE802.11などの無線LAN通信規格、又はLTE、4G規格、若しくは5G規格などの移動通信規格に対応したインタフェースである。「IEEE」は、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略称である。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部193は、ラック110、ロッカー120、スタッカークレーン130、コンベヤ140、空調機器150、安全機器160、表示機器170、及びキオスク端末180と通信を行う。通信部193は、モバイル端末210,220などの端末群とも通信を行う。通信部193は、制御装置190の動作に用いられるデータを受信し、また制御装置190の動作によって得られるデータを送信する。
【0051】
制御装置190の機能は、本実施形態に係るプログラムを、制御部191としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置190の機能は、ソフトウェアにより実現される。プログラムは、制御装置190の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置190として機能させる。すなわち、コンピュータは、プログラムに従って制御装置190の動作を実行することにより制御装置190として機能する。
【0052】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、フラッシュメモリ、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したSDカード、DVD、又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「SD」は、Secure Digitalの略語である。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0053】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムは、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものを含む。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0054】
制御装置190の一部又は全ての機能が、制御部191としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置190の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0055】
図4から図16を参照して、本実施形態に係る物品提供システム100の物品納入時の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る物品納入方法に相当する。
【0056】
制御装置190の制御部191は、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、ラック110の複数個の棚の中から、空いているトレイ102が収納されている棚を特定する。制御部191は、通信部193を介して、図4及び図5に示すように、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、特定した棚において、空いているトレイ102が収納されている位置を更に特定する。制御部191は、通信部193を介して、図5及び図6に示すように、特定した位置から、空いているトレイ102を取り出すようスタッカークレーン130を制御する。
【0057】
制御装置190の制御部191は、通信部193を介して、図6及び図7に示すように、コンベヤ140の前に移動するようスタッカークレーン130を制御する。制御部191は、通信部193を介して、図7及び図8に示すように、空いているトレイ102をコンベヤ140に載せるようスタッカークレーン130を制御する。図8図9、及び図10に示すように、コンベヤ140は、空いているトレイ102を、出口312を通じて空間311の外に運ぶ。コンベヤ140は、スタッカークレーン130と同様に、制御部191により制御されて、空いているトレイ102を運んでもよい。
【0058】
制御装置190の制御部191は、記憶部192に記憶されているか、又は通信部193を介して受信した、物品納入に関する指示を表示機器170に表示する。図10図11、及び図12に示すように、作業員171が指示に従って物品101をトレイ102に入れると、コンベヤ140は、物品101が入れられたトレイ102を、入口313を通じて空間311の中に運ぶ。コンベヤ140は、スタッカークレーン130と同様に、制御部191により制御されて、物品101が入れられたトレイ102を運んでもよい。
【0059】
制御装置190の制御部191は、通信部193を介して、図12及び図13に示すように、物品101が入れられたトレイ102をコンベヤ140から受け取るようスタッカークレーン130を制御する。制御部191は、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、ラック110の複数個の棚の中から、空いている棚を特定する。制御部191は、通信部193を介して、図13及び図14に示すように、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、特定した棚において、空いている位置を更に特定する。制御部191は、通信部193を介して、図14図15、及び図16に示すように、物品101が入れられたトレイ102を、特定した位置に収納するようスタッカークレーン130を制御する。
【0060】
上述のように、本実施形態によれば、物品納入の半自動化が可能である。作業員171をロボットに置き換えることで、物品納入を完全に自動化してもよい。あるいは、コンベヤ140を省略して、物品納入を手動化してもよい。
【0061】
図17を参照して、本実施形態に係る物品提供システム100の物品提供時の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る物品提供方法に相当する。
【0062】
ステップS1において、制御装置190の制御部191は、ユーザからの要求があるまで待機する。第1例では、顧客181がキオスク端末180で商品Aを購入すると、制御部191は、通信部193を介して、顧客181からの要求として、商品Aをロッカー120の収納室121に収納する要求をキオスク端末180から受信する。第2例では、顧客211がアプリケーションで商品Bを購入すると、制御部191は、通信部193を介して、顧客211からの要求として、商品Bをロッカー120の収納室121に収納する要求をモバイル端末210から受信する。第3例では、配達員221がアプリケーションで商品Cの配達依頼を受けると、制御部191は、通信部193を介して、配達員221からの要求として、商品Cをロッカー120の収納室121に収納する要求をモバイル端末220から受信する。あるいは、制御部191は、通信部193を介して、商品Cの配達を依頼した顧客からの要求として、商品Cをロッカー120の収納室121に収納する要求を、その顧客の端末、又はその顧客が商品Cを注文したECサイトのサーバから受信してもよい。「EC」は、electronic commerceの略語である。
【0063】
ステップS2において、制御装置190の制御部191は、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、ラック110の複数個の棚の中から、商品A、商品B、又は商品Cなど、ユーザからの要求に対応する物品101が入れられたトレイ102が収納されている棚を特定する。制御部191は、通信部193を介して、特定した棚の前に移動するようスタッカークレーン130を制御するとともに、記憶部192に記憶されている、ラック110の収納状況に関するデータを参照して、特定した棚において、ユーザからの要求に対応する物品101が入れられたトレイ102が収納されている位置を更に特定する。制御部191は、通信部193を介して、特定した位置から、ユーザからの要求に対応する物品101が入れられたトレイ102を取り出すようスタッカークレーン130を制御する。
【0064】
ステップS3において、制御装置190の制御部191は、記憶部192に記憶されている、ロッカー120の収納状況に関するデータを参照して、ロッカー120の複数個の収納室121の中から、空いている収納室121を選択する。制御部191は、通信部193を介して、ユーザからの要求に対応する物品101が入れられたトレイ102を、選択した収納室121に収納するようスタッカークレーン130を制御する。
【0065】
ステップS4において、制御装置190の制御部191は、ステップS3で選択した収納室121の扉122を解錠するための鍵をユーザに提供する。第1例では、提供される鍵が物理的な鍵であるとすると、制御部191は、通信部193を介して、鍵を店員から受け取るよう顧客181に促すメッセージをキオスク端末180に送信する。キオスク端末180は、送信されたメッセージを表示する。第2例では、提供される鍵が電子的な鍵であるとすると、制御部191は、通信部193を介して、鍵をモバイル端末210に送信する。モバイル端末210は、送信された鍵を近距離無線通信によって送信できる形で格納し、モバイル端末210をロッカー120にかざすよう顧客211に促すメッセージを表示する。第3例では、提供される鍵が電子的な鍵であるとすると、制御部191は、通信部193を介して、鍵をモバイル端末220に送信する。モバイル端末220は、送信された鍵を近距離無線通信によって送信できる形で格納し、モバイル端末220をロッカー120にかざすよう配達員221に促すメッセージを表示する。
【0066】
本実施形態によれば、商品の保管及び販売から受け渡しまでを自動化することができる。その結果、店舗300をほぼ無人化できる。その結果、人件費などのコストを削減することができる。
【0067】
本実施形態では、物品101がトレイ102に入れられた状態で収納されるが、物品101を、カセット型など、直接収納できるような形態として、トレイ102を省略してもよい。
【0068】
図18を参照して、本実施形態の一変形例に係る物品提供システム100Aの構成を説明する。
【0069】
図18に示すように、物品提供システム100Aは、安全機器160の代わりに、開閉可能な安全カバー160Aを備える。制御装置190は、安全カバー160Aと直接又はネットワーク200を介して通信可能である。
【0070】
安全カバー160Aは、ロッカー120の開口123を覆い、人間の手又は体を通さないが空気を通す。安全カバー160Aは、スタッカークレーン130が物品101を、開口123を通じてロッカー120の収納室121に収納する際に、制御装置190により制御されて開く。安全カバー160Aは、例えば、網である。例えば、ロッカー120の扉122が開いていても、安全カバー160Aが閉じていれば、スタッカークレーン130が移動する通路までユーザの手が入るのを防止することができる。しかも、安全カバー160Aは空気を通すため、空間311の温度が冷蔵温度帯などの一定範囲に保たれている場合に、ロッカー120の内部空間を同じ温度に保つことができる。
【0071】
物品提供システム100Aの安全カバー160A以外の構成については、図1から図3に示したものと同様であるため、説明を省略する。物品提供システム100Aの物品納入時及び物品提供時の動作についても、図4から図17に示したものと同様であるため、説明を省略する。
【0072】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の2つ以上のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の2つ以上のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
100,100A 物品提供システム
101 物品
102 トレイ
110 ラック
120 ロッカー
121 収納室
122 扉
123 開口
130 スタッカークレーン
140 コンベヤ
150 空調機器
160 安全機器
160A 安全カバー
170 表示機器
171 作業員
180 キオスク端末
181 顧客
190 制御装置
191 制御部
192 記憶部
193 通信部
200 ネットワーク
210 モバイル端末
211 顧客
220 モバイル端末
221 配達員
300 店舗
301 ディスプレイ
310 断熱パネル
311 空間
312 出口
313 入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18