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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092838
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】警光灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/40 20180101AFI20240701BHJP
   F21S 43/239 20180101ALI20240701BHJP
   F21S 43/31 20180101ALI20240701BHJP
   F21S 43/37 20180101ALI20240701BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20240701BHJP
   F21S 43/242 20180101ALI20240701BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240701BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240701BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240701BHJP
【FI】
F21S43/40
F21S43/239
F21S43/31
F21S43/37
F21S43/15
F21S43/242
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21W103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209028
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真司
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
(57)【要約】
【課題】複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯において、緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見える構成とする。
【解決手段】複数の第1および第2発光素子40A、40Bからの出射光を制御する光学部材として、複数の第1発光素子40Aからの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタ70と、複数の第2発光素子40Bからの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体80とを備えた構成とする。そして、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ70が発光して見える一方、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体80が発光して見えるようにする。これにより、複数の第1発光素子40Aの点灯時と複数の第2発光素子40Bの点灯時とで警光灯10が異なる態様で発光して見えるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯において、
上記複数の発光素子からの出射光を制御する光学部材を備えており、
上記複数の発光素子として、環状に配置された複数の第1発光素子と、上記複数の第1発光素子の内周側に配置された複数の第2発光素子とを備えており、
上記光学部材として、上記複数の第1発光素子からの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタと、上記複数の第2発光素子からの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体とを備えている、ことを特徴とする警光灯。
【請求項2】
上記複数の第2発光素子は、環状に配置されており、
上記導光体は、上記環状リフレクタの内周側空間において筒状に延びる筒状部と、上記筒状部の先端部から上記環状リフレクタを覆うようにして外周側へ向けて延びる環状フランジ部とを備えている、ことを特徴とする請求項1記載の警光灯。
【請求項3】
上記導光体は、上記環状フランジ部の先端面が光拡散面として構成されている、ことを特徴とする請求項2記載の警光灯。
【請求項4】
上記環状リフレクタは、放射状に配置された複数の反射板を備えている、ことを特徴とする請求項1または2記載の警光灯。
【請求項5】
上記複数の第1および第2発光素子は、同一の基板に搭載されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の警光灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、緊急自動車等に搭載される警光灯として、複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成されたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような警光灯として、環状に配置された複数の発光素子のうち一部の発光素子がそれ以外の発光素子とは異なる発光色で点灯するように構成されたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-204578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記「特許文献1」に記載された警光灯のように、複数の発光素子として一部の発光素子がそれ以外の発光素子とは異なる発光色で点灯する構成とすれば、緊急性の度合等に応じて異なる発光色で点灯して見えるようにすることが可能となる。
【0006】
一方、警光灯として、複数の発光素子からの出射光を光学部材によって周囲に照射する構成とすれば、その被視認性を高めることが可能となる。その際、緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見える構成とすることが、周囲に注意を促すという警光灯としての機能を高める上で望まれる。
【0007】
なお、このような課題は、車載用以外の警光灯においても同様に生じ得るものである。
【0008】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯において、緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見えるようにすることができる警光灯を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は、光学部材の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0010】
すなわち、本願発明に係る警光灯は、
複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯において、
上記複数の発光素子からの出射光を制御する光学部材を備えており、
上記複数の発光素子として、環状に配置された複数の第1発光素子と、上記複数の第1発光素子の内周側に配置された複数の第2発光素子とを備えており、
上記光学部材として、上記複数の第1発光素子からの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタと、上記複数の第2発光素子からの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体とを備えている、ことを特徴とするものである。
【0011】
上記「警光灯」は、車載用の灯具であってもよいし、車載用以外の用途に用いられる灯具であってもよい。
【0012】
上記「複数の第1発光素子」は、環状に配置されていれば、その具体的な配置は特に限定されるものではなく、例えば、円環状、楕円環状、三角環状、矩形環状、星形環状等に配置されたものが採用可能である。
【0013】
上記「複数の第1発光素子」および「複数の第2発光素子」は、同一の発光色で点灯するように構成されていてもよいし、互いに異なる発光色で点灯するように構成されていてもよい。
【0014】
上記「環状リフレクタ」は、複数の第1発光素子からの出射光を周囲へ向けて反射させるように構成されていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0015】
上記「導光体」は、複数の第2発光素子からの出射光を導光して周囲へ向けて出射させるように構成されていれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
本願発明に係る警光灯は、複数の発光素子からの出射光を光学部材によって周囲に照射する構成となっているが、上記複数の発光素子として、環状に配置された複数の第1発光素子と、その内周側に配置された複数の第2発光素子とを備えており、また、上記光学部材として、複数の第1発光素子からの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタと、複数の第2発光素子からの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体とを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】
すなわち、複数の第1発光素子の点灯時には環状リフレクタが発光して見える一方、複数の第2発光素子の点灯時には導光体が発光して見えるので、複数の第1発光素子の点灯時と複数の第2発光素子の点灯時とで警光灯が異なる態様で発光して見えるようにすることができる。
【0018】
このように本願発明によれば、複数の発光素子からの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯において、緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見えるようにすることができる。そしてこれにより警光灯としての機能を高めることができる。
【0019】
また本願発明によれば、上記導光体の色を適宜選択することにより、複数の第1発光素子と複数の第2発光素子とが同一の発光色で点灯する構成となっている場合であっても、環状リフレクタと導光体とを異なる発光色で発光させることが可能となる。
【0020】
上記構成において、さらに、複数の第2発光素子が環状に配置された構成とした上で、導光体の構成として、環状リフレクタの内周側空間において筒状に延びる筒状部と、この筒状部の先端部から環状リフレクタを覆うようにして外周側へ向けて延びる環状フランジ部とを備えたものとすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、環状リフレクタは、その反射光によって発光して見えるのに対し、導光体は、その筒状部を導光された光によってその環状フランジ部の先端面が発光して見えるので、複数の第1発光素子の点灯時と複数の第2発光素子の点灯時とで、警光灯としての発光の仕方を全く異なったものとすることができ、これにより緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見えるようにすることが容易に可能となる。
【0022】
その際、導光体の構成として、その環状フランジ部の先端面が光拡散面として構成されたものとすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0023】
すなわち、複数の第1発光素子からの出射光が環状リフレクタで反射することによって警光灯が高輝度で発光して見えるようにすることができる一方、複数の第2発光素子からの出射光が環状フランジ部の先端面から拡散光として出射することによって警光灯が略均一に発光して見えるようにすることができる。そして、このように導光体の発光の仕方と環状リフレクタの発光の仕方とを大きく異なったものとすることにより、警光灯としての被視認性を一層高めることができる。
【0024】
上記構成において、さらに、環状リフレクタの構成として、放射状に配置された複数の反射板を備えたものとすれば、環状リフレクタが周方向に間隔をおいた状態で離散的に発光して見えるようにすることができる。
【0025】
また、このような構成を採用することにより、複数の第1発光素子の各々からの出射光を互いに隣接する2つの反射板の側面において相互に反射させることも可能となる。そしてこれにより、環状リフレクタの発光の仕方と導光体の発光の仕方とを大きく異なったものとすることが一層容易に可能となる。
【0026】
上記構成において、さらに、複数の第1および第2発光素子が同一の基板に搭載された構成とすれば、複数の第1および第2発光素子相互間の位置関係精度を高めることができ、これにより光学部材による制御を精度良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願発明の一実施形態に係る警光灯を示す部分断面正面図
図2】上記警光灯を示す部分断面平面図
図3】上記警光灯において主要構造体に対する導光体および透光カバーの組付けの様子を示す分解斜視図
図4】上記主要構造体を取り出して示す部分断面斜視図
図5】上記主要構造体をさらに分解した状態で上記導光体および透光カバーと共に示す部分断面分解斜視図
図6】上記実施形態の第1変形例を示す、図1と同様の図
図7】上記実施形態の第2変形例を示す、図1と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本願発明の一実施形態に係る警光灯10を示す部分断面正面図である。また、図2は、警光灯10を示す部分断面平面図であり、図3は、警光灯10の主要構造体20に対する導光体80および透光カバー90の組付けの様子を示す分解斜視図である。
【0030】
図1~3において、Xで示す方向が「灯具前方」であり、Yで示す方向が「灯具前方」と直交する「左方向」(灯具正面視では「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。図1~3以外の図においても同様である。
【0031】
本実施形態に係る警光灯10は、背の低い円柱状の外形形状を有しており、緊急自動車のルーフトップ(図示せず)等に搭載された状態で使用されるように構成されている。この警光灯10は、鉛直方向に延びる基準軸Ax(図2参照)を中心にして円周方向に関して対象の形状を有しており、このため前後左右の方向性は存在しないが、便宜上、車載状態での車両前方を灯具前方として説明する。
【0032】
図1、2に示すように、警光灯10は、複数の第1および第2発光素子40A、40Bからの出射光を周囲(具体的には基準軸Axを中心とする前後左右の全方向)に照射することにより、周囲に注意を促すように構成されている。
【0033】
図3に示すように、警光灯10は、主要構造体20に対して、その上方側から導光体80および透光カバー90が組み付けられることによって構成されている。
【0034】
図4は、主要構造体20を取り出して示す部分断面斜視図である。また、図5は、主要構造体20をさらに分解した状態で導光体80および透光カバー90と共に示す部分断面分解斜視図である。
【0035】
図4、5にも示すように、主要構造体20は、ベース部材30と、複数の第1および第2発光素子40A、40Bを搭載する基板50と、この基板50の外周側に配置されたエクステンション部材60と、このエクステンション部材60を上方側から覆うように配置された環状リフレクタ70とを備えている。
【0036】
ベース部材30は、基準軸Axを中心とする円環状の板状部材であって、その外周縁部には上向きのフランジ部30aが全周にわたって形成されている。
【0037】
複数の第1および第2発光素子40A、40Bは、いずれも赤色発光ダイオードであって、その発光面を真上に向けた状態で基板50の上面に配置されている。
【0038】
複数の第1発光素子40Aは、基準軸Axを中心にして周方向に等間隔をおいて円環状に配置されており、複数の第2発光素子40Bは、複数の第1発光素子40Aの内周側において基準軸Axを中心にして周方向に等間隔をおいて円環状に配置されている。
【0039】
基板50は、基準軸Axを中心とする円環状の板状部材であって、ベース部材30の上面に載置されている。
【0040】
警光灯10は、複数の第1および第2発光素子40A、40Bからの出射光を制御する光学部材として、複数の第1発光素子40Aからの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタ70と、複数の第2発光素子40Bからの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体80とを備えている。
【0041】
環状リフレクタ70は、放射状に配置された複数の反射板72を備えており、これら複数の反射板72の各々によって複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を周囲へ向けて反射させるように構成されている。これら複数の反射板72は、周方向に等間隔をおいて配置されている。
【0042】
複数の反射板72の各々は、複数の第1発光素子40Aの各々の発光中心を焦点とする放物面状の反射面72aを有しており、これにより複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を基準軸Axに関して径方向外方へ向かう略平行光として反射させるようになっている。
【0043】
複数の反射板72は、その反射面72aの下部領域において互いに接続されており、これにより環状リフレクタ70として一体化されている。その際、複数の反射板72相互間に位置する接続部74は、反射面72aと面一で形成されており、かつ、略一定の肉厚で形成されている。
【0044】
環状リフレクタ70は、その全表面にアルミ蒸着等の反射面処理が施されている。これにより、環状リフレクタ70は、複数の反射板72の各々の反射面72aのみならず、その側面72bにおいても複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を反射させ得る構成となっている。
【0045】
エクステンション部材60は、基板50の外周側においてL字形の断面形状で円環状に延びる環状部62と、この環状部62から基準軸Axへ向けて径方向に延びる複数の立壁部64とを備えている。複数の立壁部64は、環状リフレクタ70に形成された複数の接続部74と対応する位置に配置されており、その下面は基板50の上面に沿って延びるように形成されている。
【0046】
そしてこれにより、エクステンション部材60は、複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を効率良く複数の反射板72の各々の反射面72aへ導くようになっている。
【0047】
導光体80は、環状リフレクタ70の内周側空間において鉛直方向に円筒状に延びる筒状部82と、この筒状部82の上端部から環状リフレクタ70を覆うようにして外周側へ向けて水平方向に延びる環状フランジ部84とを備えている。この導光体80は、赤色の透明部材であって、その環状フランジ部84の先端面84aが光拡散面として構成されている。具体的には、環状フランジ部84の先端面84aにはシボ加工が施されている。この導光体80は、その筒状部82の下端面が第2発光素子40Bの発光面の上方近傍に位置するように配置されている。また、この導光体80は、その筒状部82の上端面82aが45°の傾斜角で円錐面状に形成されている。
【0048】
そしてこれにより、導光体80は、複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を筒状部82に入射させた後、その上端面82aで全反射させて環状フランジ部84の先端面84aまで導いた後、この先端面84aから拡散光として基準軸Axに関して径方向外方へ向けて出射させるようになっている。
【0049】
透光カバー90は、環状リフレクタ70の外周側において円筒状に延びる筒状部92と、この筒状部92の上端部から導光体80の環状フランジ部84の上面に沿って円板状に延びる天板部94とを備えている。この透光カバー90は、無色の透明部材であって、その筒状部92の下端面においてベース部材30のフランジ部30aの上面に載置されている。
【0050】
次に本実施形態の作用について説明する。
【0051】
本実施形態に係る警光灯10は、複数の第1および第2発光素子40A、40Bからの出射光を制御する光学部材として、複数の第1発光素子40Aからの出射光を周囲へ向けて反射させる環状リフレクタ70と、複数の第2発光素子40Bからの出射光を導光して周囲へ向けて出射させる導光体80とを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0052】
すなわち、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ70が発光して見える一方、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体80が発光して見えるので、複数の第1発光素子40Aの点灯時と複数の第2発光素子40Bの点灯時とで警光灯10が異なる態様で発光して見えるようにすることができる。
【0053】
このように本実施形態によれば、複数の発光素子40A、40Bからの出射光を周囲に照射するように構成された警光灯10において、緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見えるようにすることができる。そしてこれにより警光灯10としての機能を高めることができる。
【0054】
例えば、緊急走行時には複数の第1発光素子40Aの点灯により環状リフレクタ70を高輝度で発光させる一方、警邏走行時には複数の第2発光素子40Bの点灯により導光体80を略均一に発光させるようにすることが可能である。その際、複数の第1発光素子40Aおよび/または複数の第2発光素子40Bを同時点灯させたり、その一部を周方向に順次点灯させたりすることも可能である。
【0055】
また本実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bが、いずれも赤色発光ダイオードで構成されており、また、導光体80が赤色の透明部材で構成されているので、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ70が赤く発光して見え、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体80がより赤く発光して見えるようにすることができる。
【0056】
しかも本実施形態においては、複数の第2発光素子40Bが環状に配置されており、また、導光体80は、環状リフレクタ70の内周側空間において筒状に延びる筒状部82と、この筒状部82の先端部から環状リフレクタ70を覆うようにして外周側へ向けて延びる環状フランジ部84とを備えているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0057】
すなわち、環状リフレクタ70は、その反射光によって発光して見えるのに対し、導光体80は、その筒状部82を導光された光によってその環状フランジ部84の先端面84aが発光して見えるので、複数の第1発光素子40Aの点灯時と複数の第2発光素子40Bの点灯時とで、警光灯10としての発光の仕方を全く異なったものとすることができ、これにより緊急性の度合等に応じて異なる態様で発光して見えるようにすることが容易に可能となる。
【0058】
また本実施形態の導光体80は、その環状フランジ部84の先端面84aが光拡散面として構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0059】
すなわち、複数の第1発光素子40Aからの出射光が環状リフレクタ70で反射することによって警光灯10が高輝度で発光して見えるようにすることができる一方、複数の第2発光素子40Bからの出射光が環状フランジ部84の先端面84aから拡散光として出射することによって警光灯10が略均一に発光して見えるようにすることができる。そして、このように導光体80の発光の仕方と環状リフレクタ70の発光の仕方とを大きく異なったものとすることにより、警光灯10としての被視認性を一層高めることができる。
【0060】
さらに本実施形態の環状リフレクタ70は、放射状に配置された複数の反射板72を備えているので、環状リフレクタ70が周方向に間隔をおいた状態で離散的に発光して見えるようにすることができる。
【0061】
また、このような構成を採用することにより、複数の第1発光素子40Aの各々からの出射光を互いに隣接する2つの反射板72の側面72bにおいて相互に反射させることも可能となる。そしてこれにより、環状リフレクタ70の発光の仕方と導光体80の発光の仕方とを大きく異なったものとすることが一層容易に可能となる。
【0062】
本実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bが同一の基板50に搭載されているので、複数の第1および第2発光素子40A、40B相互間の位置関係精度を高めることができ、これにより環状リフレクタ70および導光体80による制御を精度良く行うことが可能となる。
【0063】
上記実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bが、いずれも赤色発光ダイオードで構成されており、また、導光体80が赤色の透明部材で構成されているものとして説明したが、これ以外の構成を採用することも可能である。例えば、第1および第2発光素子40A、40Bが、いずれも白色の発光ダイオードで構成されたものとすれば、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ70が白く発光して見え、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体80が赤く発光して見えるようにすることができる。その際、導光体80がアンバー色の透明部材で構成されたものとすれば、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ70が白く発光して見え、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体80がアンバー色で発光して見えるようにすることができる。さらに、第1および第2発光素子40A、40Bが互いに異なる発光色で点灯する構成とすることも可能である。
【0064】
上記実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bがそれぞれ周方向に等間隔をおいて配置されているものとして説明したが、等間隔ではないが規則的な間隔をおいて配置された構成あるいは不規則な間隔をおいて配置された構成とすることも可能である。
【0065】
上記実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bがそれぞれ円環状に配置されているものとして説明したが、円環状以外の環状(例えば、楕円環状、三角環状、矩形環状、星形環状等)に配置されたものとすることも可能である。
【0066】
上記実施形態においては、複数の第1および第2発光素子40A、40Bが同一の基板50に搭載されているものとして説明したが、それぞれ異なる基板に搭載された構成とすることも可能である。
【0067】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0068】
まず、上記実施形態の第1変形例について説明する。
【0069】
図6は、本変形例に係る警光灯110を示す、図1と同様の図である。
【0070】
図6に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、主要構造体120の環状リフレクタ170の構成および導光体180の構成が上記実施形態の場合と一部異なっており、これに伴って透光カバー190の構成も上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0071】
すなわち、本変形例の環状リフレクタ170は、全周にわたって一定の肉厚で形成されており、その反射面170aも全周にわたって連続的に形成されている。この反射面170aの鉛直断面形状は上記実施形態の場合と同様である。これにより環状リフレクタ170は、複数の第1発光素子40Aからの出射光を、前後左右あらゆる水平方向に関して径方向外方へ向かう略平行光として反射させるようになっている。
【0072】
本変形例の導光体180は、拡散材180cが分散された赤色半透明の円板状部材で構成されており、環状リフレクタ170の上方近傍でかつ透光カバー190の天板部194の下方近傍において水平面に沿って延びるように配置されている。そしてこれにより、導光体180は、複数の第2発光素子40Bからの出射光を、その上面180bから上方へ向けて拡散光として出射させるとともに、その外周面180aから径方向外方へ向けて拡散光として出射させるようになっている。
【0073】
なお、本変形例の透光カバー190は、その筒状部192の上下幅が上記実施形態の場合よりも小さい値に設定されている。
【0074】
本変形例の構成を採用した場合においても、複数の第1発光素子40Aの点灯時には環状リフレクタ170が発光して見える一方、複数の第2発光素子40Bの点灯時には導光体180が発光して見えるので、複数の第1発光素子40Aの点灯時と複数の第2発光素子40Bの点灯時とで警光灯110が異なる態様で発光して見えるようにすることができる。
【0075】
さらに本変形例においては、複数の第2発光素子40Bからの出射光を、導光体180において径方向外方のみならず上方へ向けて拡散光として出射させることができ、しかもこれを簡易でコンパクトな構成によって実現することができる。
【0076】
なお、本変形例の環状リフレクタ170として、その反射面170aとは反対側の表面にも反射面処理が施された構成とすることも可能である。このような構成を採用することにより、複数の第2発光素子40Bからの出射光をより多く導光体180に入射させることが可能となる。
【0077】
また本変形例においては、複数の第2発光素子40Bが、上記実施形態の場合と同様、円環状に配置されているものとして説明したが、環状リフレクタ170の内周側において例えば格子状に配置された構成とすることも可能である。
【0078】
次に、上記実施形態の第2変形例について説明する。
【0079】
図7は、本変形例に係る警光灯210を示す、図1と同様の図である。
【0080】
図7に示すように、本変形例の基本的な構成は上記実施形態の場合と同様であるが、主要構造体220の環状リフレクタ270の構成および導光体280の構成が上記実施形態の場合と一部異なっており、これに伴って複数の第1および第2発光素子240A、240B、基板250、エクステンション部材260の配置ならびに透光カバー290の構成も上記実施形態の場合と一部異なっている。
【0081】
すなわち、本変形例の環状リフレクタ270およびエクステンション部材260は、上記第1変形例の環状リフレクタ170およびエクステンション部材160を上下に反転させた状態で基板250の下方側に配置されている。
【0082】
本変形例においても、複数の第2発光素子240Bは、基板250の上面に上記実施形態の場合と同じ円環状の配置で搭載されているが、複数の第1発光素子240Aは、基板250の下面に上記実施形態の場合と同じ円環状の配置で搭載されている。
【0083】
そして本変形例においては、環状リフレクタ270の反射面270aによって、複数の第1発光素子240Aからの出射光を、前後左右あらゆる水平方向に関して径方向外方へ向かう略平行光として反射させるようになっている。
【0084】
本変形例の導光体280は、上記第1変形例の導光体180と同様、拡散材280cが分散された赤色半透明の円板状部材で構成されているが、基板250から上方側に多少離れた位置でかつ透光カバー290の天板部294の下方近傍において水平面に沿って延びるように配置されている。そしてこれにより、導光体280は、複数の第2発光素子240Bからの出射光を、その上面280bから上方へ向けて拡散光として出射させるとともに、その外周面280aから径方向外方へ向けて拡散光として出射させるようになっている。
【0085】
なお、本変形例の透光カバー290は、その筒状部292の上下幅が上記実施形態の場合よりも多少小さい値に設定されている。
【0086】
本変形例の構成を採用した場合においても、複数の第1発光素子240Aの点灯時には環状リフレクタ270が発光して見える一方、複数の第2発光素子240Bの点灯時には導光体280が発光して見えるので、複数の第1発光素子240Aの点灯時と複数の第2発光素子240Bの点灯時とで警光灯210が異なる態様で発光して見えるようにすることができる。
【0087】
さらに本変形例においては、複数の第2発光素子240Bからの出射光を、導光体280において径方向外方のみならず上方へ向けて拡散光として出射させることができる。しかもこれを簡易でコンパクトな構成で実現することができる。
【0088】
本変形例においては、複数の第2発光素子240Bが、上記実施形態の場合と同様、円環状に配置されているものとして説明したが、例えば格子状に配置された構成とすることも可能である。
【0089】
なお、上記実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0090】
また本願発明は、上記実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0091】
10、110、210 警光灯
20、120、220 主要構造体
30 ベース部材
30a フランジ部
40A、240A 第1発光素子(発光素子)
40B、240B 第2発光素子(発光素子)
50、250 基板
60、260 エクステンション部材
62 環状部
64 立壁部
70、170、270 環状リフレクタ(光学部材)
72 反射板
72a、170a、270a 反射面
72b 側面
74 接続部
80、180、280 導光体(光学部材)
82 筒状部
82a 上端面
84 環状フランジ部
84a 先端面
90、190、290 透光カバー
92、192、292 筒状部
94、194、294 天板部
180a、280a 外周面
180b、280b 上面
180c、280c 拡散材
Ax 基準軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7