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特開2024-92840眼鏡レンズ測定装置および眼鏡レンズ測定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092840
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】眼鏡レンズ測定装置および眼鏡レンズ測定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/02 20060101AFI20240701BHJP
   G02C 13/00 20060101ALN20240701BHJP
【FI】
G01M11/02 B
G02C13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209030
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
(72)【発明者】
【氏名】水野 勝保
【テーマコード(参考)】
2G086
2H006
【Fターム(参考)】
2G086HH02
2H006DA05
(57)【要約】
【課題】 眼鏡レンズの光学特性を好適に取得できる眼鏡レンズ測定装置および眼鏡レンズ測定プログラムを提供する。
【解決手段】 眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、眼鏡レンズを通過した測定光束を受光することで、眼鏡レンズに測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定する測定手段と、測定点の位置情報を取得する位置情報取得手段と、眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも測定点を含む前面形状情報を取得する前面形状情報取得手段と、眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも測定点を含む後面形状情報を取得する後面形状情報取得手段と、測定点の第1光学特性と位置情報と前面形状情報と後面形状情報とに基づいて、測定光が第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得する演算手段と、第2光学特性を少なくとも出力する出力手段と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置であって、
前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定する測定手段と、
前記眼鏡レンズにおける前記測定点の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む前面形状情報を取得する前面形状情報取得手段と、
前記眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む後面形状情報を取得する後面形状情報取得手段と、
前記測定点の第1光学特性と、前記位置情報と、前記前面形状情報と、前記後面形状情報と、に基づいて、前記測定光が前記第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得する演算手段と、
前記第2光学特性を少なくとも出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項2】
請求項1の眼鏡レンズ測定装置において、
前記演算手段は、前記眼鏡レンズのモデル形状情報であって、前記前面形状情報と前記後面形状情報とに基づいて構築されるモデル形状情報を取得し、
前記測定点の第1光学特性と、前記位置情報と、前記モデル形状情報と、に基づいて、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項3】
請求項1または2の眼鏡レンズ測定装置において、
前記眼鏡レンズの屈折率を取得する屈折率取得手段を備え、
前記前面形状情報取得手段は、前記眼鏡レンズの光学中心の光学特性と、前記屈折率と、に基づく仮の第1前面形状情報を、前記前面形状情報として取得し、
前記後面形状情報取得手段は、前記眼鏡レンズの光学中心の光学特性と、前記屈折率と、前記仮の第1前面形状情報と、に基づく仮の第1後面形状情報を、前記後面形状情報として取得し、
前記演算手段は、前記第1光学特性と、前記位置情報と、前記仮の第1前面形状情報と、前記仮の第1後面形状情報と、に基づいて、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項4】
請求項3の眼鏡レンズ測定装置において、
前記前面形状情報取得手段は、前記第1光学特性と、前記仮の第1後面形状情報と、に基づいて、前記測定点において前記第1光学特性が測定されることを想定した真の第2前面形状情報を、前記前面形状情報として取得し、
前記演算手段は、前記第1光学特性と、前記位置情報と、前記真の第2前面形状情報と、前記仮の第1後面形状情報と、に基づいて、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項5】
請求項3の眼鏡レンズ測定装置において、
前記後面形状情報取得手段は、前記第1光学特性と、前記仮の第1前面形状情報と、に基づいて、前記測定点において前記第1光学特性が測定されることを想定した真の第2後面形状情報を、前記後面形状情報として取得し、
前記演算手段は、前記第1光学特性と、前記位置情報と、前記仮の第1前面形状情報と、前記真の第2後面形状情報と、に基づいて、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかの眼鏡レンズ測定装置において、
前記測定手段は、複数の前記測定点における前記第1光学特性を測定し、
前記前面形状情報取得手段は、前記測定点毎の前記前面形状情報を取得し、
前記後面形状情報取得手段は、前記測定点毎の前記後面形状情報を取得し、
前記演算手段は、前記測定点毎の前記第2光学特性を取得し、
前記出力手段は、前記第2光学特性の分布を出力することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかの眼鏡レンズ測定装置において、
前記演算手段は、前記測定光が前記眼鏡レンズの後面に対して垂直となる角度を前記第2入射角度として設定することによって、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかの眼鏡レンズ測定装置において、
前記演算手段は、前記測定光が眼鏡装用状態の視軸となる角度を前記第2入射角度として設定することによって、前記第2光学特性を取得することを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【請求項9】
眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置において用いる眼鏡レンズ測定プログラムであって、
前記眼鏡レンズ測定装置のプロセッサに実行されることで、
前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定する測定ステップと、
前記眼鏡レンズにおける前記測定点の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む前面形状情報を取得する前面形状情報取得ステップと、
前記眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む後面形状情報を取得する後面形状情報取得ステップと、
前記測定点の第1光学特性と、前記位置情報と、前記前面形状情報と、前記後面形状情報と、に基づいて、前記測定光が前記第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得する演算ステップと、
前記第2光学特性を少なくとも出力する出力ステップと、
を前記眼鏡レンズ測定装置に実行させることを特徴とする眼鏡レンズ測定プログラム。
【請求項10】
眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置であって、
前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した測定点であって、少なくとも、前記眼鏡レンズの光学中心の第1測定点と、前記第1測定点とは異なる第2測定点と、における第1光学特性を測定する測定手段と、
前記第1測定点および前記第2測定点の前記第1光学特性と、前記第2測定点の位置情報と、に基づいて、前記眼鏡レンズに前記測定光束を投光し、前記測定光が前記眼鏡レンズの後面に対して垂直となる第2入射角度で前記第2測定点に入射した際の、前記第2測定点における第2光学特性を取得する演算手段と、
前記第2光学特性を少なくとも出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする眼鏡レンズ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置および眼鏡レンズ測定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズ測定装置として、レンズメータが知られている。レンズメータは、眼鏡レンズに測定光束を投光し、眼鏡レンズを透過した測定光束を受光することによって、眼鏡レンズの光学特性を測定することができる(引用文献1参照)。なお、レンズメータには、眼鏡レンズをノーズピースに載置し、眼鏡レンズおよびノーズピース径を通過した測定光束を用いるものと、眼鏡レンズの広範を通過した測定光束を用いるもの(いわゆるレンズチェッカー)と、が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-241694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、レンズチェッカーは、眼鏡レンズの広範を測定することが可能である。しかし、レンズチェッカーがこのような構成であることによって、例えば、レンズチェッカーとレンズメータとでは、同一の眼鏡レンズを測定しても、得られる測定結果が異なる場合があった。
【0005】
本開示は、上記従来技術に鑑み、眼鏡レンズの光学特性を好適に取得することができる眼鏡レンズ測定装置および眼鏡レンズ測定プログラムを提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1)本開示の第1態様に係る眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置であって、前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定する測定手段と、前記眼鏡レンズにおける前記測定点の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む前面形状情報を取得する前面形状情報取得手段と、前記眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む後面形状情報を取得する後面形状情報取得手段と、前記測定点の第1光学特性と、前記位置情報と、前記前面形状情報と、前記後面形状情報と、に基づいて、前記測定光が前記第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得する演算手段と、前記第2光学特性を少なくとも出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
(2)本開示の第2態様に係る眼鏡レンズ測定プログラムは、眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置において用いる眼鏡レンズ測定プログラムであって、前記眼鏡レンズ測定装置のプロセッサに実行されることで、前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定する測定ステップと、前記眼鏡レンズにおける前記測定点の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む前面形状情報を取得する前面形状情報取得ステップと、前記眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも前記測定点を含む後面形状情報を取得する後面形状情報取得ステップと、前記測定点の第1光学特性と、前記位置情報と、前記前面形状情報と、前記後面形状情報と、に基づいて、前記測定光が前記第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得する演算ステップと、前記第2光学特性を少なくとも出力する出力ステップと、を前記眼鏡レンズ測定装置に実行させることを特徴とする。
(3)本開示の第3態様に係る眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの光学特性を測定する眼鏡レンズ測定装置であって、前記眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、前記眼鏡レンズを通過した前記測定光束を受光することで、前記眼鏡レンズに前記測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した測定点であって、少なくとも、前記眼鏡レンズの光学中心の第1測定点と、前記第1測定点とは異なる第2測定点と、における第1光学特性を測定する測定手段と、前記第1測定点および前記第2測定点の前記第1光学特性と、前記第2測定点の位置情報と、に基づいて、前記眼鏡レンズに前記測定光束を投光し、前記測定光が前記眼鏡レンズの後面に対して垂直となる第2入射角度で前記第2測定点に入射した際の、前記第2測定点における第2光学特性を取得する演算手段と、前記第2光学特性を少なくとも出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】眼鏡レンズ測定装置の外観図である。
図2】支持ユニットと測定ユニットの概略図である。
図3】透過型ディスプレイに表示可能な指標パターンの一例である。
図4】第1透過型ディスプレイに第1指標パターンを表示させることで得られる撮像画像の一例である。
図5】第2透過型ディスプレイに第2指標パターンを表示させることで得られる撮像画像の一例である。
図6】測定装置の制御系を示す図である。
図7】光源から照射される測定光束を示す模式図である。
図8】レンズの光学中心位置の第1屈折力と前面カーブ値の関係を示す図である。
図9】レンズの仮のモデルと真のモデルを模式的に示す図である。
図10】レンズチェッカーとレンズメータにおける測定光の入射角度を説明する図である。
図11】レンズが単焦点レンズである場合の表示画面の一例である。
図12】レンズが累進焦点レンズである場合の表示画面の一例である。
図13】眼鏡装用者が眼鏡を装用した状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
本開示の実施形態に関わる眼鏡レンズ測定装置の概要について説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。
【0009】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの光学特性を測定する。例えば、眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡フレームの形状に合わせて加工されるよりも前の未加工レンズ(言い換えると、生地レンズ)の光学特性を測定してもよい。また、例えば、眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡フレームの形状に合わせて加工された後の加工済みレンズの光学特性を測定してもよい。例えば、この場合、加工済みレンズは、眼鏡フレームに枠入れされた状態であってもよいし、枠入れされていない状態であってもよい。例えば、眼鏡レンズの光学特性は、眼鏡レンズの屈折力、プリズム量、等の少なくともいずれかであってもよい。一例として、眼鏡レンズの屈折力は、球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸角度、等の少なくともいずれかであってもよい。なお、球面屈折力と円柱屈折力に基づいて、等価球面屈折力が求められてもよい。
【0010】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、測定手段(例えば、測定光学系20、制御部70)を備えてもよい。例えば、測定手段は、眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、眼鏡レンズを通過した測定光束を受光することで、眼鏡レンズに測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定してもよい。例えば、測定手段は、1つの測定点において、第1光学特性を測定してもよい。また、例えば、測定手段は、複数の測定点において、第1光学特性を測定してもよい。一例として、この場合には、少なくとも、眼鏡レンズの光学中心の第1測定点と、第1測定点とは異なる第2測定点と、における第1光学特性を測定してもよい。
【0011】
例えば、測定手段は、眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束(略平行光束)として投光することによって、眼鏡レンズの所定の測定点に測定光を平行光束(略平行光束)として投光する。このため、例えば、眼鏡レンズのいずれの測定点に対しても、測定光の第1入射角度は、測定光束の測定光軸と平行(略平行)な角度となる。例えば、眼鏡レンズの載置面が測定光束の測定光軸に対して垂直に設けられる場合、眼鏡レンズの載置面から90度(略90度)の角度が、測定光の第1入射角度となる。なお、例えば、このような状態において、眼鏡レンズの測定点の後面を基準に考えると、眼鏡レンズの後面の接線(接面)に対して90度とは異なる角度が、測定光の第1入射角度となる。
【0012】
例えば、測定手段は、眼鏡レンズの光学特性を測定するための測定光学系を備えてもよい。例えば、測定光学系は、少なくとも、光源と、指標パターン部材と、検出器と、を備えてもよい。
【0013】
例えば、光源は、眼鏡レンズの広域に向けて測定光束を照射してもよい。例えば、光源は、点光源(一例として、LED(Light Emitting Diode)等)、面光源(一例として、発光パネル等)、ディスプレイ(一例として、液晶ディスプレイ等)、等の少なくともいずれかを用いてもよい。
【0014】
例えば、指標パターン部材は、複数の指標の配列により形成される指標パターンを有してもよい。例えば、指標パターン部材は、光源からの測定光束を透光する投光部と、光源からの測定光束を遮光する遮光部と、によって指標パターンを形成する、指標板であってもよい。また、例えば、指標パターン部材は、複数の指標を任意に表示させることで指標パターンを形成する、ディスプレイ(例えば、透過型ディスプレイ24)であってもよい。例えば、このような指標パターン部材によって、眼鏡レンズに指標パターン像が投影されてもよい。
【0015】
例えば、検出器は、眼鏡レンズを通過した測定光束を検出してもよい。例えば、検出器は、眼鏡レンズを通過した測定光束を、指標パターン像として検出してもよい。
【0016】
もちろん、例えば、測定光学系は、光源、指標パターン部材、および検出器に加えて、種々の光学部材を備えてもよい。一例としては、光源からの測定光束を整形するための光学部材(例えば、レンズ等)を備えてもよい。また、一例としては、光源からの測定光束を複数の光路に分岐させるための光路分岐部材(例えば、ハーフミラー等)を備えてもよい。
【0017】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、屈折率取得手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、屈折率取得手段は、眼鏡レンズの屈折率を取得する。例えば、眼鏡レンズの屈折率は、眼鏡レンズの厚みを示す指標として利用される。例えば、眼鏡レンズの屈折率が大きいほど眼鏡レンズは薄く、眼鏡レンズの屈折率が小さいほど眼鏡レンズは厚くなる。
【0018】
例えば、屈折率取得手段は、操作者による操作手段(例えば、モニタ4)操作によって入力された屈折率を取得してもよい。また、例えば、屈折率取得手段は、他の装置(例えば、屈折率測定装置等)を用いた測定結果を受信することによって、屈折率を取得してもよい。また、例えば、屈折率取得手段は、眼鏡レンズ毎に予め対応付けられた屈折率を、クラウド等へアクセスすることによって取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズ毎の識別子(例えば、文字列、1次元コード、2次元コード、カラーコード、等)を利用して、識別子に紐付いた屈折率を蓄積データの中から呼び出してもよい。また、例えば、屈折率取得手段は、眼鏡レンズの前面形状情報(後述)または後面形状情報(後述)の少なくともいずれかと、眼鏡レンズのレンズ厚情報(一例として、眼鏡レンズの厚み)と、に基づいて、屈折率を算出してもよい。
【0019】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、位置情報取得手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、位置情報取得手段は、眼鏡レンズにおける測定点の位置情報を取得してもよい。例えば、眼鏡レンズの測定点の位置情報は、眼鏡レンズ上における測定点の位置を表すことができる情報であればよい。一例としては、所定の基準位置に対する位置座標、所定の基準位置に対する経線方向の距離、等の少なくともいずれかの情報であってもよい。なお、例えば、所定の基準位置は、眼鏡レンズの光学中心位置であってもよいし、眼鏡レンズのプリズム量がもっとも小さい位置であってもよい。もちろん、例えば、所定の基準位置は、これらとは異なる任意の位置であってもよい。
【0020】
例えば、位置情報取得手段は、他の装置(例えば、レンズ形状測定装置等)を用いた測定結果を受信することによって、眼鏡レンズ上の測定点の位置情報を取得してもよい。また、例えば、位置情報取得手段は、測定手段を用いた測定によって、測定点の位置情報を取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズ上の測定点を通過する測定光の光線追跡処理を実行することによって、測定点の位置情報を取得してもよい。また、一例として、この場合には、眼鏡レンズを少なくとも含む撮影画像と、1画素あたりの実距離と、に基づいた演算処理を実行することによって、測定点の位置情報を取得してもよい。より詳細には、例えば、眼鏡レンズの撮影画像における所定の基準位置から測定点までの画素数を実距離に換算することによって、測定点の位置情報を取得してもよい。もちろん、位置情報取得手段は、光線追跡処理や演算処理とは異なる処理を実行して、測定点の位置情報を取得してもよい。
【0021】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、前面形状情報取得手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、前面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの前面形状情報であって、少なくとも測定点を含む前面形状情報を取得してもよい。例えば、前面形状情報取得手段は、1つの測定点の前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、複数の測定点毎に前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、1つの測定点を含む領域、あるいは、複数の測定点を含む領域において、前面形状情報を取得してもよい。例えば、眼鏡レンズの前面形状情報は、眼鏡レンズの前面の形状を表すことができる情報であればよい。一例としては、カーブ値、曲率、曲率半径、球面方程式または非球面方程式、等の少なくともいずれかの情報であってもよい。
【0022】
例えば、前面形状情報取得手段は、操作者による操作手段の操作によって入力された前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、他の装置(例えば、カーブ計測装置等)を用いた測定結果を受信することによって、前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、眼鏡レンズ毎に予め対応付けられた前面形状情報を、クラウド等へアクセスすることによって取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズ毎の識別子を利用して、識別子に紐付いた前面形状情報を蓄積データの中から呼び出してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの前面形状情報を推測することによって、前面形状情報を取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズの光学特性と屈折率とに基づいて、前面形状情報を推測してもよい。
【0023】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、後面形状情報取得手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの後面形状情報であって、少なくとも測定点を含む後面形状情報を取得してもよい。例えば、後面形状情報取得手段は、1つの測定点の後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、複数の測定点毎に後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、1つの測定点を含む領域、あるいは、複数の測定点を含む領域において、後面形状情報を取得してもよい。例えば、眼鏡レンズの後面形状情報は、眼鏡レンズの後面の形状を表すことができる情報であればよい。一例としては、カーブ値、曲率、曲率半径、球面方程式または非球面方程式、等の少なくともいずれかの情報であってもよい。
【0024】
例えば、後面形状情報取得手段は、操作者による操作手段の操作によって入力された後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、他の装置(例えば、カーブ計測装置等)を用いた測定結果を受信することによって、後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズ毎に予め対応付けられた後面形状情報を、クラウド等へアクセスすることによって取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズ毎の識別子を利用して、識別子に紐付いた後面形状情報を蓄積データの中から呼び出してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの後面形状情報を推測することによって、後面形状情報を取得してもよい。一例として、この場合には、眼鏡レンズの光学特性と屈折率と前面形状情報とに基づいて、後面形状情報を推測してもよい。
【0025】
例えば、本実施形態において、前面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの光学中心位置の光学特性と、眼鏡レンズの屈折率と、に基づく仮の第1前面形状情報を、前面形状情報として取得してもよい。一例として、眼鏡レンズの仮の第1前面形状情報は、後述の演算手段による演算のために一時的に推測した前面形状情報であってもよい。言い換えると、眼鏡レンズのおおよその(大まかな)前面形状情報であってもよい。また、例えば、本実施形態において、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの光学中心位置の光学特性と、眼鏡レンズの屈折率と、眼鏡レンズの仮の第1前面形状情報と、に基づく仮の第1後面形状情報を、後面形状情報として取得してもよい。一例として、眼鏡レンズの仮の第1後面形状情報は、後述の演算手段による演算のために一時的に推測した後面形状情報であってもよい。言い換えると、眼鏡レンズのおおよその(大まかな)後面形状情報であってもよい。例えば、眼鏡レンズの光学中心位置の光学特性と屈折率を用いることによって、眼鏡レンズの仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報を容易に推測することができる。一例としては、眼鏡レンズの光学中心位置の光学特性と屈折率との相関関係から、仮の第1前面形状情報または仮の第1後面形状情報の少なくともいずれかを導くことによって、仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報を容易に推測することができる。
【0026】
例えば、前面形状情報取得手段が仮の第1前面形状情報を取得する場合、前面形状情報取得手段は、光学中心位置の光学特性と屈折率とに基づくテーブルを利用し、それぞれを参照することによって、仮の第1前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、光学中心位置の光学特性と屈折率とに基づく演算式を利用し、それぞれを代入することによって、仮の第1前面形状情報を取得してもよい。例えば、このようなテーブルや演算式は、予め実験やシミュレーションに基づいて作成され、記憶手段(例えば、メモリ75)に記憶されていてもよい。
【0027】
例えば、後面形状情報取得手段が仮の第1後面形状情報を取得する場合、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの光学中心位置の光学特性と、眼鏡レンズの屈折率と、測定点の仮の第1前面形状情報と、に基づくテーブルを利用し、それぞれを参照することによって、仮の第1後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、光学中心位置の光学特性と、屈折率と、仮の第1前面形状情報と、に基づく演算式を利用し、それぞれを代入することによって、仮の第1後面形状情報を取得してもよい。例えば、このようなテーブルや演算式は、予め実験やシミュレーションに基づいて作成され、記憶手段に記憶されていてもよい。
【0028】
なお、例えば、仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報は、ともに球面形状で表されてもよい。また、例えば、仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報は、ともに非球面形状で表されてもよい。また、例えば、仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報は、その一方が球面形状で表され、他方が非球面形状で表されてもよい。
【0029】
例えば、本実施形態において、前面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの測定点の第1光学特性と、測定点の仮の第1後面形状情報と、に基づいて、測定点において第1光学特性が測定されることを想定した真の第2前面形状情報を、前面形状情報として取得してもよい。例えば、言い換えると、眼鏡レンズの測定点に測定光を入射させたときに、測定点が真の第2前面形状情報と仮の第1後面形状情報を有していることによって、第1光学特性が測定されるような、真の第2前面形状情報を取得してもよい。例えば、すなわち、眼鏡レンズの真の第2前面形状情報は、眼鏡レンズの実際の前面形状が再現された前面形状情報であってもよい。例えば、測定点の仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報のうち、少なくとも仮の第1前面形状情報を真の第2前面形状情報に置き換えることで、後述の演算手段によって、測定点の第2光学特性をより精度よく取得することができる。
【0030】
例えば、前面形状情報取得手段が真の第2前面形状情報を取得する場合、前面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1後面形状情報とを利用した光線追跡に基づいて、真の第2前面形状情報を推測してもよい。例えば、前面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1後面形状情報とに基づくテーブルを利用し、それぞれを参照することによって、真の第2前面形状情報を取得してもよい。また、例えば、前面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1後面形状情報とに基づく演算式を利用し、それぞれを代入することによって、真の第2前面形状情報を取得してもよい。例えば、このようなテーブルや演算式は、予め実験やシミュレーションに基づいて作成され、記憶手段に記憶されていてもよい。
【0031】
例えば、本実施形態において、後面形状情報取得手段は、眼鏡レンズの測定点の第1光学特性と、測定点の仮の第1前面形状情報と、に基づいて、測定点において第1光学特性が測定されることを想定した真の第2後面形状情報を、後面形状情報として取得してもよい。例えば、言い換えると、眼鏡レンズの測定点に測定光を入射させたときに、測定点が仮の第1前面形状情報と真の第2後面形状情報を有していることによって、第1光学特性が測定されるような、真の第2後面形状情報を取得してもよい。例えば、すなわち、眼鏡レンズの真の第2後面形状情報は、眼鏡レンズの実際の後面形状が再現された後面形状情報であってもよい。例えば、測定点の仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報のうち、少なくとも仮の第1後面形状情報を真の第2後面形状情報に置き換えることで、後述の演算手段によって、測定点の第2光学特性をより精度よく取得することができる。
【0032】
例えば、後面形状情報取得手段が真の第2後面形状情報を取得する場合、後面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1前面形状情報とを利用した光線追跡に基づいて、真の第2後面形状情報を推測してもよい。例えば、後面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1前面形状情報とに基づくテーブルを利用し、それぞれを参照することによって、真の第2後面形状情報を取得してもよい。また、例えば、後面形状情報取得手段は、測定点の第1光学特性と仮の第1前面形状情報とに基づく演算式を利用し、それぞれを代入することによって、真の第2後面形状情報を取得してもよい。例えば、このようなテーブルや演算式は、予め実験やシミュレーションに基づいて作成され、記憶手段に記憶されていてもよい。
【0033】
なお、例えば、真の第2前面形状情報と真の第2後面形状情報は、ともに非球面形状で表されてもよい。また、例えば、真の第2前面形状情報と真の第2後面形状情報は、ともに球面形状で表されてもよい。また、例えば、真の第2前面形状情報と真の第2後面形状情報は、その一方が球面形状で表され、他方が非球面形状で表されてもよい。
【0034】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、演算手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、演算手段は、眼鏡レンズの測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の前面形状情報と、測定点の後面形状情報と、に基づいて、測定光が第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得してもよい。例えば、演算手段は、1つの測定点において、第2光学特性を取得してもよい。また、例えば、演算手段は、複数の測定点において、第2光学特性を取得してもよい。これによって、例えば、測定手段が測定光を第1入射角度で投光した際の第1光学特性を測定する構成でありながら、測定光を第2入射角度で投光した際の第2光学特性を、精度よく取得することができる。
【0035】
例えば、演算手段は、眼鏡レンズのモデル形状情報を取得することによって、測定点の第2光学特性を取得してもよい。例えば、眼鏡レンズのモデル形状情報は、眼鏡レンズの全体の形状を示すモデル形状情報であってもよい。すなわち、眼鏡レンズにおけるすべての測定点を含む形状を示すモデル形状情報であってもよい。また、例えば、眼鏡レンズのモデル形状は、眼鏡レンズの一部(言い換えると、所定の領域)の形状を示すモデル形状情報であってもよい。すなわち、眼鏡レンズにおける少なくとも1つの測定点を含む形状を示すモデル形状情報であってもよい。例えば、眼鏡レンズのモデル形状情報を構築することによって、眼鏡レンズ上の各測定点の位置関係等を容易に把握することができる。このため、例えば、眼鏡レンズに測定光が第2入射角度で入射した際の第2光学特性を、より容易に取得することができる。
【0036】
例えば、演算手段が眼鏡レンズのモデル形状情報を取得する場合には、前面形状情報取得手段が取得した測定点の前面形状情報と、後面形状情報取得手段が取得した測定点の後面形状情報と、に基づいて構築されるモデル形状情報を取得してもよい。さらに、例えば、演算手段は、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、モデル形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。
【0037】
例えば、演算手段は、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の仮の第1前面形状情報と、測定点の仮の後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。例えば、演算手段が眼鏡レンズのモデル形状情報を取得する場合には、仮の第1前面形状情報と仮の第1後面形状情報とに基づいて構築される仮のモデル形状情報を取得するとともに、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、仮のモデル形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。
【0038】
例えば、演算手段は、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の真の第1前面形状情報と、測定点の仮の後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。例えば、演算手段が眼鏡レンズのモデル形状情報を取得する場合には、真の第2前面形状情報と仮の第1後面形状情報とに基づいて構築される真のモデル形状情報を取得するとともに、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、真のモデル形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。
【0039】
例えば、演算手段は、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の仮の第1前面形状情報と、測定点の真の後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。例えば、演算手段が眼鏡レンズのモデル形状情報を取得する場合には、仮の第1前面形状情報と真の第2後面形状情報とに基づいて構築される真のモデル形状情報を取得するとともに、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、真のモデル形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得してもよい。
【0040】
例えば、演算手段は、眼鏡レンズの測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の前面形状情報(仮の第1前面形状情報または真の第2前面形状情報)と、測定点の後面形状情報(仮の第1後面形状情報または真の第2後面形状情報)と、に基づいた光線追跡処理を実行することによって、測定点の第2光学特性を取得してもよい。一例としては、測定点が前面形状情報と後面形状情報を有することによって生じる光学的な収差を、光線追跡処理にて算出することによって、第2光学特性を取得してもよい。
【0041】
例えば、演算手段は、測定光が測定点に第2入射角度で照射される様々な状態を再現することによって、第2光学特性を取得してもよい。
【0042】
例えば、演算手段は、測定光が眼鏡レンズの後面に対して垂直となる角度を第2入射角度として設定することによって、第2光学特性を取得してもよい。例えば、眼鏡レンズをレンズメータのノーズピースに載置した状態を再現し、測定光の測定光軸が眼鏡レンズの後面の接線(接面)に対して垂直(略垂直)となる角度を、第2入射角度として設定してもよい。なお、例えば、この場合、測定光の第2入射角度は、眼鏡レンズの後面の接線(接面)に対して90度(略90度)の角度となる。
【0043】
例えば、演算手段は、測定光が眼鏡装用状態の視軸となる角度を第2入射角度として設定することによって、第2光学特性を取得してもよい。例えば、眼鏡装用者が眼鏡を装用した状態を再現し、眼鏡装用者の視軸に対して眼鏡レンズの光軸がずれた状態であって、眼鏡装用者の視軸と眼鏡レンズに照射される測定光の測定光軸とが一致(略一致)する角度を、第2入射角度として設定してもよい。例えば、眼鏡レンズの光軸は、眼鏡レンズの前面または後面の少なくともいずれかに対して垂直な、眼鏡レンズの光学中心位置を通過する軸であってもよい。
【0044】
本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、出力手段(例えば、制御部70)を備えてもよい。例えば、出力手段は、眼鏡レンズの測定点において、測定光が第2入射角度で入射した際の第2光学特性を、少なくとも出力する。例えば、出力手段は、眼鏡レンズの測定点における第2光学特性のみを出力してもよい。また、例えば、出力手段は、眼鏡レンズの測定点における第1光学特性と第2光学特性をいずれも出力してもよい。なお、例えば、この場合には、第1光学特性と第2光学特性を比較可能に出力してもよい。一例としては、第1光学特性と第2光学特性を並列させることによって、これらを比較可能に出力してもよい。また、一例としては、第1光学特性と第2光学特性を切り換えることによって、これらを比較可能に出力してもよい。
【0045】
例えば、出力手段は、眼鏡レンズにおける複数の測定点の第1光学特性を取得した場合、第1光学特性を分布として出力してもよい。同様に、例えば、出力手段は、眼鏡レンズにおける複数の測定点の第2光学特性を取得した場合、第2光学特性を分布として出力してもよい。例えば、第1光学特性および第2光学特性の少なくともいずれかの分布は、各測定点の光学特性が等しい領域を認識することができる画像として表されてもよい。一例としては、各測定点の光学特性が等しい領域を等度数線で結んだ画像であってもよい。また、一例としては、各測定点の光学特性が等しい領域を色分けした画像であってもよい。これによって、眼鏡レンズの特性を視覚的に確認することができる。特に、累進焦点レンズ等においては、累進焦点レンズの遠用部、中間部、近用部、等の広さや配置を容易に把握できる。
【0046】
例えば、出力手段は、表示手段を制御し、表示手段に第1光学特性および第2光学特性を表示させてもよい。また、例えば、出力手段は、音声発生手段(一例として、スピーカ)を制御し、音声発生手段に第1光学特性および第2光学特性を音声として発生させてもよい。また、例えば、出力手段は、印刷手段(一例として、プリンタ)を制御し、印刷手段に第1光学特性および第2光学特性を印刷させてもよい。また、例えば、出力手段は、外部の記憶手段(一例として、メモリ、サーバ)を制御し、外部の記憶手段に第1光学特性および第2光学特性を送信してもよい。もちろん、例えば、出力手段は、これらを組み合わせた制御を実行してもよいし、これらとは異なる制御を実行してもよい。
【0047】
なお、本実施形態の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、眼鏡レンズを通過した測定光束を受光することで、眼鏡レンズに測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した測定点であって、少なくとも、眼鏡レンズの光学中心の第1測定点と、第1測定点とは異なる第2測定点と、における第1光学特性を測定する測定手段を有してもよい。また、第1測定点および第2測定点の第1光学特性と、第2測定点の位置情報と、に基づいて、眼鏡レンズに測定光束を投光し、測定光が眼鏡レンズの後面に対して垂直となる第2入射角度で第2測定点に入射した際の、第2測定点における第2光学特性を取得する演算手段を有してもよい。また、第2光学特性を少なくとも出力する出力手段を有してもよい。
【0048】
なお、本開示は、本実施形態に記載する装置に限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体等を介してシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出して実行することも可能である。
【0049】
<実施例>
本実施形態における眼鏡レンズ測定装置(以下、測定装置)の一実施例を説明する。本実施例では、測定装置1の左右方向をX方向、上下方向をY方向、前後方向をZ方向として表す。
【0050】
図1は、測定装置1の外観図である。例えば、測定装置1は、筐体2、収納部3、モニタ4、等を備える。筐体2は、内部に収納部3を有する。収納部3は、後述する、支持ユニット10、測定ユニット、制御部70、等を収納する。モニタ4は、各種の情報(例えば、レンズLEの光学特性、レンズLEの光学特性の分布、等)を表示する。例えば、本実施例のモニタ4はタッチパネルであり、操作者が各種の設定を行う際に用いる操作部としての機能を兼ねる。例えば、モニタ4から入力された操作信号は、制御部70に出力される。
【0051】
図2は、支持ユニット10と測定ユニットの概略図である。支持ユニット10は、眼鏡を載置するために用いられる。例えば、支持ユニット10は、位置決めピン11、前方支持部12、後方支持部13、等を備える。位置決めピン11は、眼鏡に枠入れされたレンズLEの後面に当接される。位置決めピン11は、レンズLEと、後述の透過型ディスプレイ24と、の位置関係を一定に保つ。また、位置決めピン11は、レンズLEと、後述の撮像素子27と、の位置関係を一定に保つ。前方支持部12は、眼鏡の前後方向(言い換えると、眼鏡のテンプルFTが伸びる方向)の中心よりも前方の部位を支持する。後方支持部13は、眼鏡の前後方向の中心よりも後方の部位を支持する。
【0052】
例えば、本実施例の支持ユニット10は、前方支持部12及び後方支持部13に、眼鏡のリムの上端を上方向に、眼鏡のリムの下端を下方向に向けて、眼鏡が載置される。例えば、本実施例の前方支持部12は、眼鏡のブリッジFBを支持する。例えば、後方支持部13は、眼鏡のテンプルFTを支持する。なお、後方支持部13は、本実施例に限定されず、一例として眼鏡のモダンFMを支持してもよい。
【0053】
測定ユニットは、レンズLEの光学特性を測定するために用いられる。また、測定ユニットは、レンズLEの光学特性とは異なる情報を検出するために用いられる。一例として、レンズLEの光学特性とは異なる情報は、隠しマーク、印点、プリントマーク、外形形状、等の少なくともいずれかに関する情報であってもよい。例えば、測定ユニットは、測定光学系20を備える。例えば、測定光学系20は、光源25、透過型ディスプレイ24、コリメータレンズ23、撮像素子27、等を備える。
【0054】
例えば、光源25は、ディスプレイである。例えば、光源25は、レンズLEに向けて測定光束を照射する。なお、本実施例の光源25は、左レンズLElに測定光束を照射するための光源と、右レンズLErに測定光束を照射するための光源と、を兼ねている。例えば、透過型ディスプレイ24は、光源25からの測定光束を透過させることが可能な透過率の高いディスプレイである。例えば、透過型ディスプレイ24は、第1透過型ディスプレイ24aと、第2透過型ディスプレイ24bと、を有する。例えば、第1透過型ディスプレイ24aと第2透過型ディスプレイ24bは、光軸方向に所定の距離Dをあけて配置される。例えば、コリメータレンズ23は、光源25からの測定光束を光軸と平行(略平行)に整形する。例えば、コリメータレンズ23は、左レンズLElに照射された測定光束を整形するコリメータレンズ23lと、右レンズLErに照射された測定光束を整形するコリメータレンズ23rと、を有する。例えば、撮像素子27は、レンズLEに照射された測定光束を撮像する。例えば、撮像素子27は、左レンズLElに照射された測定光束を撮像する撮像素子27lと、右レンズLErに照射された測定光束を撮像する撮像素子27rと、を有する。なお、撮像素子27lと撮像素子27rは、それぞれ、左レンズLElと右レンズLErの前面付近に焦点が合わせられている。
【0055】
本実施例では、レンズLEの前面側に撮像素子27が配置され、レンズLEの後面側に光源25、第1透過型ディスプレイ24a、第2透過型ディスプレイ24b、および光源25が配置される。もちろん、測定光学系20はこのような構成に限定されず、種々の構成を用いることができる。
【0056】
上記の透過型ディスプレイ24は、レンズLEの光学特性の測定に用いる指標パターン30を、表示または非表示とすることができる。図3は、指標パターン30の一例である。図3(a)は、第1透過型ディスプレイ24aに表示される第1指標パターン30aを示す。図3(b)は、第2透過型ディスプレイ24bに表示される第2指標パターン30bを示す。
【0057】
まず、第1指標パターン30aを説明する。例えば、第1指標パターン30aは、指標31aを有する。例えば、指標31aは、周辺指標32aと、基準指標33aと、からなる。例えば、周辺指標32aは、予め、所定の形状、所定の位置、及び所定の個数、等で、基準指標33aの周辺に設けられる。本実施例では、周辺指標32aが円形形状とされている。また、本実施例では、周辺指標32aが、光軸Nlの通過位置および光軸Nrの通過位置を基準として、等間隔に複数個設けられる。これによって、周辺指標32aは、左レンズLElが配置される側の領域と、右レンズLErが配置される側の領域と、のそれぞれに配置される。
【0058】
例えば、基準指標33aは、周辺指標32aと区別できるように、予め、所定の形状、所定の位置、及び所定の個数、等で設けられる。本実施例では、基準指標33aが周辺指標32aよりも大きな円形形状とされる。また、本実施例では、光軸Nlの通過位置および光軸Nrの通過位置を基準に、上下左右対称となるように設けられる。
【0059】
次に、第2指標パターン30bを説明する。例えば、第2指標パターン30bは、指標31bを有する。例えば、指標31bは、周辺指標32bと、基準指標33bと、からなる。例えば、周辺指標32bは、予め、所定の形状、所定の位置、及び所定の個数、等で、基準指標33bの周辺に設けられる。本実施例では、周辺指標32bが四角形状とされている。また、本実施例では、周辺指標32bが、光軸Nlの通過位置および光軸Nrの通過位置を基準として、等間隔に複数個設けられる。これによって、周辺指標32bは、左レンズLElが配置される側の領域と、右レンズLErが配置される側の領域と、のそれぞれに配置される。
【0060】
例えば、基準指標33bは、周辺指標32bと区別できるように、予め、所定の形状、所定の位置、及び所定の個数、等で設けられる。本実施例では、基準指標33bが周辺指標32bよりも大きな四角形状とされる。また、本実施例では、光軸Nlの通過位置および光軸Nrの通過位置を基準に、上下左右対称となるように設けられる。
【0061】
本実施例において、第1透過型ディスプレイ24aの第1指標パターン30aと、第2透過型ディスプレイ24bの第2指標パターン30bは、指標31aおよび指標31bの形状が異なる他は同一の構成である。なお、指標31aと指標31bの形状、位置、個数、等は、その少なくともいずれかが異なってもよい。もちろん、指標31aと指標31bの形状、位置、個数、等がすべて同じとされてもよい。
【0062】
例えば、透過型ディスプレイ24の指標パターン30の表示と非表示を変更することで、撮像素子27にて異なる撮像画像が得られる。図4は、第1透過型ディスプレイ24aに第1指標パターン30aを表示させる際の撮像画像の一例である。図4(a)は、眼鏡を支持ユニット10に載置していない状態を示す。図4(b)は、眼鏡を支持ユニット10に載置した状態を表す。また、図5は、第2透過型ディスプレイ24bに第2指標パターン30bを表示させる際の撮像画像の一例である。図5(a)は、眼鏡を支持ユニット10に載置していない状態を示す。図5(b)は、眼鏡を支持ユニット10に載置した状態を示す。なお、ここでは、撮像素子27l(左レンズLElが配置される側)の撮像画像を例に挙げる。左レンズLElは、マイナスレンズとする。
【0063】
まず、眼鏡を支持ユニット10に載置していない状態(以下、基準状態)について説明する。例えば、第1透過型ディスプレイ24aに第1指標パターン30aを表示させると、図4(a)のように、第1指標パターン30aの像(以下、第1指標パターン像41)を含む基準画像B1が取得される。また、例えば、第2透過型ディスプレイ24bに第2指標パターン30bを表示させると、図5(a)のように、第2指標パターン30bの像(以下、第2指標パターン像51)を含む基準画像B2が取得される。本実施例では、第1指標パターン30aの指標31aと、第2指標パターン30bの指標31と、が同一の位置及び個数からなるため、基準画像B1の各指標像の画素位置と、基準画像B2の各指標像の画素位置と、が一致する。
【0064】
次に、眼鏡を支持ユニット10に載置した状態(以下、測定状態)について説明する。例えば、第1透過型ディスプレイ24aに第1指標パターン30aを表示させると、左レンズLElに第1指標パターン像41が投影される。このため、図4(b)のように、左レンズLElの像(以下、左レンズ像60)と、第1指標パターン像41と、を含む測定画像M1が、撮像画像として取得される。また、例えば、第2透過型ディスプレイ24bに第2指標パターン30bを表示させると、左レンズLElに第2指標パターン像51が投影される。このため、図5(b)のように、左レンズ像60と、第2指標パターン像51と、を含む測定画像M2が、撮像画像として取得される。本実施例では、第1透過型ディスプレイ24aからレンズLEまでの距離よりも、第2透過型ディスプレイ24bからレンズLEまでの距離が遠いため、測定画像M1の第1指標パターン像41よりも、測定画像M2の第2指標パターン像51のほうが、レンズLEの屈折力の影響を受けて小さな像となる。従って、測定画像M1の各指標像の画素位置と、測定画像M2の各指標像の画素位置と、は必ずしも一致しない。
【0065】
なお、例えば、レンズLEがプラスレンズであれば、測定画像M1の第1指標パターン像41よりも、測定画像M2の第2指標パターン像51のほうが、レンズLEの屈折力の影響を受けて大きな像となる。また、例えば、レンズLEが累進焦点レンズであれば、測定画像M1の第1指標パターン像41と、測定画像M2の第2指標パターン像51は、それぞれ、累進帯の屈折力に応じて変化した像となる。
【0066】
<制御部>
図6は、測定装置1の制御系を示す図である。例えば、制御部70には、モニタ4、光源25、撮像素子27、第1透過型ディスプレイ24a、第2透過型ディスプレイ24b、不揮発性メモリ75(以下、メモリ75)、等が電気的に接続されている。
【0067】
例えば、制御部70は、一般的なCPU(プロセッサ)、RAM、ROM、等で実現される。例えば、CPUは、測定装置1における各部の駆動を制御する。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、CPUが実行する各種プログラムが記憶されている。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
【0068】
メモリ75は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ75としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、SDカード、等を使用することができる。例えば、メモリ75には、基準画像B1、基準画像B2、測定画像M1、測定画像M2、等が記憶される。
【0069】
<制御動作>
上記のような構成を備える測定装置1の制御動作を説明する。本実施例では、眼鏡にレンズLEとして単焦点レンズが枠入れされている場合を例に挙げる。
【0070】
測定装置1の操作者は、眼鏡を支持ユニット10へ載置する。また、操作者は、操作部(モニタ4)を操作して、レンズLEの屈折率を入力する。例えば、眼鏡レンズの屈折率を測定するための屈折率測定装置等を利用して、予め測定した屈折率を入力してもよい。制御部70は、操作部からの操作信号に応じて、屈折率をメモリ75に記憶させる。なお、レンズLEの屈折率は、予め固定値(一例として、1.5等)として、メモリ75に記憶されていてもよい。
【0071】
<第1光学特性の取得(ステップ1)>
操作者は、操作部を操作して、レンズLEの第1光学特性の測定を開始するための図示なきスイッチを操作する。制御部70は、操作部からの操作信号に応じて、測定を開始する。例えば、制御部70は、光源25を点灯させる。また、例えば、制御部70は、第1透過型ディスプレイ24aに第1指標パターン30aを表示させる。第2透過型ディスプレイ24bの第2指標パターン30bは表示させない。この場合、光源25からの測定光束は、第1透過型ディスプレイ24aと第2透過型ディスプレイ24bを通過して、左レンズLElと右レンズLErへ同時に照射される。また、光源25からの測定光束は、左レンズLElと右レンズLErによってそれぞれ屈折され、コリメータレンズ23を経由して撮像素子27に到達する。
【0072】
制御部70は、撮像素子27が撮像した電気信号を処理することによって、測定画像を取得する。例えば、制御部70は、撮像素子27lの撮像結果に基づいて、左レンズLElの像と第1指標パターン30aの像を含む測定画像M1を取得する。同様に、例えば、制御部70は、撮像素子27rの撮像結果に基づいて、右レンズLErの像と第1指標パターン30aの像を含む測定画像M1を取得する。制御部70は、これらの測定画像M1をメモリ75へ記憶させる。
【0073】
次に、制御部70は、第1透過型ディスプレイ24aの第1指標パターン30aを非表示とし、第2透過型ディスプレイ24bの第2指標パターン30bを表示させる。この場合にも、光源25からの測定光束は、第1透過型ディスプレイ24aと第2透過型ディスプレイ24bを通過して、左レンズLElと右レンズLErへ同時に照射され、コリメータレンズ23を経由して撮像素子27に到達する。これによって、例えば、制御部70は、左レンズLElの像と第2指標パターン30bの像を含む測定画像M2、および、右レンズLErの像と第2指標パターン30bの像を含む測定画像M2を取得する。制御部70は、これらの測定画像M2をメモリ75へ記憶させる。
【0074】
制御部70は、基準画像B1と測定画像M1、および、基準画像B2と測定画像M2に基づいて、左レンズLElと右レンズLErの光学特性を取得する。例えば、制御部70は、測定画像M1において第1指標パターン30aの像(以下、第1指標パターン像41)を形成する指標31aの像の間隔、および、測定画像M2において第2指標パターン30bの像(以下、第2指標パターン像51)を形成する指標31bの像の間隔、等を利用して、左レンズLElと右レンズLErの光学特性を取得する。
【0075】
図7は、光源25にて照射される測定光束を示す模式図である。図7では、左レンズLElが配置される側を図示し、右レンズLErが配置される側の図示は省略する。例えば、左レンズLEl上の任意の点のXY方向の位置座標は、基準画像B1における所定の指標像の画素位置、および、基準画像B2における所定の指標像の画素位置に対応する。一例として、左レンズLEl上の測定点Q1のXY方向の位置座標は、基準画像B1における点Ta1の画素位置、および、基準画像B2における点Tb1の画素位置に対応する。
【0076】
例えば、光源25から左レンズLElに向かう測定光束のうち、測定点Q1を通過する光線R1は、左レンズLElの屈折力によって屈折される。例えば、制御部70は、基準画像B1における各指標像の画素位置と、測定画像M1における各指標像の画素位置と、を比較処理することによって、光線R1が第1透過型ディスプレイ24aを通過し、基準画像B1の点Ta1が、測定画像M1の点Ta1´へと移動したことを検出する。同様に、例えば、制御部70は、基準画像B2における各指標像の画素位置と、測定画像M2における各指標像の画素位置と、を比較処理することによって、光線R1が第2透過型ディスプレイ24bを通過し、基準画像B2の点Tb1が、測定画像M2の点Tb1´へと移動したことを検出する。
【0077】
続いて、制御部70は、光源25からの光線R1が、左レンズLElにて屈折された屈折角度θ1を算出する。例えば、光線R1の屈折角度θ1は、第1透過型ディスプレイ24aから第2透過型ディスプレイ24bまでの距離Dと、光線R1が第1透過型ディスプレイ24aを通過した点Ta1´のXY方向の位置座標と、光線R1が第2透過型ディスプレイ24bを通過した点Tb1´のXY方向の位置座標と、を用いた三角関数から算出することができる。
【0078】
例えば、制御部70は、光源25から左レンズLElに向かう測定光束のうち、測定点Q1を通過する光線R1の屈折角度θ1と、測定点Q2を通過する光線R2の屈折角度θ2と、を算出する。すなわち、左レンズLEl上の少なくとも2点の位置において、光線の屈折角度を算出する。また、制御部70は、左レンズLEl上の少なくとも2点の位置に基づいて、左レンズLElの焦点距離fと、左レンズLElの光学中心位置Oと、を算出する。例えば、制御部70は、以下の数式によって、左レンズLElの載置面PTを基準とした焦点距離fと光学中心位置Oを算出する。なお、載置面PTから第1透過型ディスプレイ24aまでの距離Vは既知である。
【0079】
【数1】
【0080】
さらに、制御部70は、左レンズLElにおける測定点Q1と測定点Q2の間で求められる焦点距離fに基づいて、測定点Q1と測定点Q2の間の屈折力を求める。例えば、屈折力は、焦点距離fの逆数として表される。
【0081】
例えば、制御部70は、左レンズLElの光学中心位置Oを含む複数の測定点において、光線の屈折角度及び屈折力の算出を繰り返すことにより、測定点毎の第1屈折力(言い換えると、屈折力分布)を取得する。また、制御部70は、同様の手順により、右レンズLErの測定点毎の第1屈折力(屈折力分布)を取得する。例えば、このような第1屈折力としては、球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸角度、等が取得される。なお、例えば、第1屈折力としては、さらに、球面屈折力と円柱屈折力に基づいた等価球面屈折力が取得されてもよい。
【0082】
例えば、制御部70は、測定点から光学中心位置Oまでの距離と、測定点の球面屈折力と、を乗算することによって、測定点毎の第1プリズム量を取得する。例えば、第1プリズム量は、X方向のプリズム量Δxと、Y方向のプリズム量Δyと、で表されてもよい。
【0083】
なお、例えば、制御部70は、光線R1の屈折角度θ1を、測定点Q1での第1プリズム量としてもよい。例えば、同様に、制御部70は、光線R2の屈折角度θ2を、測定点Q2での第1プリズム量としてもよい。
【0084】
<仮の前面形状と後面形状の取得(ステップ2)>
例えば、制御部70は、レンズLEの第1光学特性(ここでは、第1屈折力およびプリズム量)を取得すると、光源25、第1透過型ディスプレイ24a、第2透過型ディスプレイ24bを消灯させる。また、例えば、制御部70は、レンズLEの前面の仮の形状を示す第1前面形状K1Aと、レンズLEの後面の仮の形状を示す第1後面形状K1Bと、をそれぞれに取得する。
【0085】
例えば、まず、制御部70は、レンズLEの仮の第1前面形状K1Aを取得する。例えば、制御部70は、レンズLEの光学中心位置Oの第1屈折力と、レンズLEの屈折率nと、をメモリ75から呼び出し、これらに基づいて、レンズLEの前面カーブ値P1および第1前面曲率半径r1Aを求めることにより、仮の第1前面形状K1Aを取得する。
【0086】
例えば、制御部70は、レンズLEの光学中心位置Oの第1屈折力に基づいて、レンズLEの前面カーブ値P1を取得する。例えば、レンズLEの光学中心位置Oの第1屈折力と前面カーブ値P1は相関しており、光学中心位置Oの第1屈折力を用いて、前面カーブ値P1を推定することができる。
【0087】
図8は、レンズLEの光学中心位置Oの第1屈折力と前面カーブ値P1の関係を示す図である。横軸は光学中心位置Oの等価球面屈折力であり、縦軸は前面カーブ値P1である。例えば、レンズLEの光学中心位置Oの等価球面屈折力がマイナス方向に大きいほど、前面カーブ値P1は小さくなる傾向にある。また、例えば、レンズLEの光学中心位置Oの等価球面屈折力がプラス方向に大きいほど、前面カーブ値P1は大きくなる傾向にある。このため、例えば、制御部70は、レンズLEの光学中心位置Oの等価球面屈折力を、実験やシミュレーションに基づく演算式やテーブルに当てはめることによって、レンズLEの前面カーブ値P1を推定する。
【0088】
例えば、制御部70は、レンズLEの前面カーブ値P1と、レンズLEの屈折率nと、に基づいて、レンズLEの仮の第1前面曲率半径r1Aを算出する。例えば、制御部70は、以下の数式によって、レンズLEの仮の第1前面曲率半径r1Aを算出する。
【0089】
【数2】
【0090】
例えば、制御部70は、レンズLEの仮の第1前面曲率半径r1Aを求めたことによって、レンズLEの前面における各測定点のXYZ方向の位置座標を把握し、レンズLEの仮の第1前面形状K1Aを推定することができる。
【0091】
例えば、次に、制御部70は、レンズLEの仮の第1後面形状K1Bを取得する。例えば、制御部70は、レンズLEの光学中心位置Oの第1屈折力と、レンズLEの屈折率nと、前面カーブ値P1と、に基づいて、レンズLEの第1後面曲率半径r1Bを求めることにより、仮の第1後面形状K1Bを取得する。
【0092】
例えば、制御部70は、レンズLEの光学中心位置Oにおける第1球面屈折力Sおよび第1円柱屈折力Cと、レンズLEの前面カーブ値P1と、レンズLEの屈折率nと、に基づいて、レンズLEの仮の第1後面曲率半径r1Bを取得する。例えば、制御部70は、以下の数式によって、レンズLEの仮の第1後面曲率半径r1Bを算出する。
【0093】
なお、レンズLEの仮の第1後面曲率半径r1Bは、トーリック面として設定されてもよい。この場合、仮の第1後面曲率半径r1Bは、第1後面曲率半径r1B1と、第1後面曲率半径r1B2と、の2つの主曲率半径で表される。
【0094】
【数3】
【0095】
例えば、制御部70は、レンズLEの仮の第1後面曲率半径r1Bを求めたことによって、レンズLEの後面における各測定点の位置座標を把握し、レンズLEの仮の第1後面形状K1Bを推定することができる。
【0096】
図9は、レンズLEの仮のモデルと真のモデル(後述)を模式的に示す図である。例えば、制御部70は、レンズLEの仮の第1前面形状K1Aと仮の第1後面形状K1Bと、に基づいて、レンズLEの仮のモデルαを構築してもよい。なお、例えば、仮の第1前面形状K1Aと仮の第1後面形状K1Bは、ともに光学中心位置Oの第1屈折力に基づいて求められている。このため、仮のモデルαは、光学中心位置OのXYZ方向の位置座標は正しいが、その他の測定点のXYZ方向の位置座標は必ずしも正しいとは限らない形状になる。また、例えば、仮のモデルαは、レンズLEのコバを十分に薄く考えたモデルとされてもよい。もちろん、レンズLEのコバの厚みを求め、これを考慮した仮のモデルが構築されてもよい。
【0097】
<真の前面形状と後面形状の取得(ステップ3)>
例えば、制御部70は、レンズLEの全体における仮のモデルαを構築すると、仮の第1前面形状K1Aと、仮の第1後面形状K1Bと、のいずれか一方を、再度、推定することによって、レンズLEの前面の真の形状を示す真の第2前面形状K2A、または、レンズLEの後面の真の形状を示す真の第2後面形状K2Bを取得する。前述のように、仮のモデルαは、光学中心位置OのXYZ方向の位置座標のみが正しく表されており、各測定点では、第1屈折力とは異なる屈折力が得られる形状になっている可能性がある。このため、仮の第1前面形状K1Aと仮の第1後面形状K1Bのいずれか一方を推定しなおすことによって、適切な真のモデルを再構築する。
【0098】
以下、詳細に説明する。例えば、制御部70は、レンズLEの全体の仮のモデルαにおいて、所定の測定点およびその周辺を含む領域(一例としては、所定の測定点を基準としたφ5mmの領域、等)を切り出し、部分的な仮のモデルβ1を取得する。また、例えば、制御部70は、仮のモデルβ1における仮の第1前面形状K1Aを真の第2前面形状K2Aに置換する。また、例えば、制御部70は、仮のモデルβ1における仮の第1後面形状K1Bを、真の第2後面形状K2Bに置換する。これによって、レンズLEの部分的な真のモデルβ2であり、真の第2前面形状K2Aと真の第2後面形状K2Bを有す部分的な真のモデルβ2を構築する。
【0099】
例えば、制御部70は、レンズLEの仮のモデルβ1における測定点Q1およびその周辺の仮の第1前面形状K1Aを、真のモデルβ2における真の第2前面形状K1Aとして取得する。つまり、仮の第1前面形状K1Aが、そのまま、真の第2前面形状K2Aとして利用される。
【0100】
例えば、真のモデルβ2における真の第2前面形状K2Aは、そのZ方向の位置座標を、測定点Q1の1次微分係数I~I、測定点Q1の2次微分係数F~F、測定点Q1のXY方向の位置座標(XQ1,YQ1)、測定点Q1の周辺にある測定点Q2のXY方向の位置座標(XQ2,YQ2)を用いて、以下の数式で表すことができる。なお、測定点Q1の1次微分係数I~Iは、それぞれ、測定点Q1のX方向の傾斜とY方向の傾斜を表すパラメータである。また、測定点Q1の2次微分係数F~Fは、それぞれ、測定点Q1の2つの主曲率と、その主曲率の軸方向と、を表すパラメータである。
【0101】
【数4】
【0102】
続いて、例えば、制御部70は、レンズLEの仮のモデルβ1における測定点Q1およびその周辺の仮の第1後面形状K1Bを、再度、推定しなおすことによって、真のモデルβ2における真の第2後面形状K2Bを取得する。例えば、レンズLEの測定点Q1では、レンズLEの載置面に対して垂直(すなわち、測定光軸Nと平行)に入射した光線R1が前面と後面で屈折されることによって、第1屈折力と第1プリズム量が測定されている。一例として、第1球面屈折力SQ1、第1円柱屈折力CQ1、第1乱視軸角度AQ1、第1プリズム量ΔxQ1、第1プリズム量ΔyQ1、等が測定されている。しかし、例えば、仮のモデルβ1上の測定点Q1では、光線R1が前面と後面で屈折されると、第1球面屈折力SQ1とは異なる球面屈折力S´Q1、第1円柱屈折力CQ1とは異なる球面屈折力C´Q1、第1乱視軸角度AQ1とは異なる乱視軸角度A´Q1、第1プリズム量ΔxQ1とは異なる第1プリズム量Δx´Q1、第1プリズム量ΔyQ1とは異なる第1プリズム量Δy´Q1、等が算出される可能性がある。
【0103】
そこで、例えば、制御部70は、レンズLEの測定点Q1における第1屈折力と第1プリズム量、レンズLEの屈折率n、および、真のモデルβ2の真の第2前面形状K2Aに基づいて、仮のモデルβ1の仮の第1後面形状K1Bを、真のモデルβ2の真の第2後面形状K2Bに置き換える。
【0104】
例えば、まず、制御部70は、測定点Q1に入射した光線R1が前面で屈折された後の内部収差(すなわち、光線R1が真のモデルβ2の内部を通過する際の収差)を求める。一例として、制御部70は、測定点Q1の真の第2前面形状K2Aを利用して、光線R1の光線追跡処理を実行することにより、このような内部収差を求める。例えば、次に、制御部70は、測定点Q1に入射した光線R1が後面を通過した後の外部収差を求める。例えば、測定点Q1の第1屈折力と第1プリズム量が、このような外部収差に相当する。
【0105】
さらに、例えば、制御部70は、真のモデルβ2における真の第2後面形状K2Bを、レンズLEの屈折率nと、内部収差および外部収差と、に基づいて求める。例えば、レンズLEの屈折率nは仮のモデルαおよび真のモデルβ2において同一であり、測定点Q1に入射する測定光は測定光軸Nと平行な平行光束(つまり、無収差)である。このため、例えば、制御部70は、測定点Q1に入射した光線R1が、前面を通過することによって内部収差をもち、後面を通過することによって外部収差をもつように、光線R1の光線追跡処理を実行することによって、真の第2後面形状K2Bを取得する。
【0106】
例えば、真のモデルβ2における真の第2後面形状K2Bは、そのZ方向の位置座標を、測定点Q1の1次微分係数I~I、測定点Q1の2次微分係数F~F、測定点Q1のXY方向の位置座標(XQ1,YQ1)、測定点Q1の周辺にある測定点Q2のXY方向の位置座標(XQ2,YQ2)を用いて、以下の数式で表すことができる。なお、測定点Q1の1次微分係数I~Iは、それぞれ、測定点Q1のX方向の傾斜とY方向の傾斜を表すパラメータである。また、測定点Q1の2次微分係数F~Fは、それぞれ、測定点Q1の2つの主曲率と、その主曲率の軸方向と、を含むパラメータである。
【0107】
【数5】
【0108】
これによって、例えば、レンズLEの真のモデルβ2の測定点Q1において、レンズLEの載置面に対して垂直に入射した光線R1が前面と後面で屈折され、第1屈折力と第1プリズム量が算出されるような、真の第2前面形状K2Aと真の第2後面形状K2Bが取得される。
【0109】
例えば、制御部70は、測定点Q1とは異なる点についても、同様に、部分的な仮のモデルβ1を切り出して、仮の第1前面形状K1Aを真の第2前面形状K2Aとして取得し、真の第2後面形状K2Bを求めることによって、測定点毎の部分的な真のモデルβ2を取得してもよい。さらに、例えば、制御部70は、測定点毎の部分的な真のモデルβ2を、各測定点の位置情報を利用して繋ぎ合わせることによって、全体的な真のモデルを求めてもよい。
【0110】
<第2光学特性の取得(ステップ4)>
本実施例の測定装置1は、いわゆるレンズチェッカーの構成を備えており、レンズLEを測定光学系20で測定することによって、レンズチェッカーの測定原理に基づく第1屈折力と第1プリズム量を取得することができる。しかし、測定装置1は、上記のようにレンズLEの真のモデルを作成したことによって、レンズメータの測定原理に基づく第2屈折力と第2プリズム量をシミュレーションにより取得することができる。例えば、第2屈折力としては、球面屈折力、円柱屈折力、乱視軸角度、等が取得される。なお、例えば、第2屈折力としては、さらに、球面屈折力と円柱屈折力に基づいた等価球面屈折力が取得されてもよい。また、例えば、第2プリズム量としては、X方向のプリズム量、Y方向のプリズム量、等が取得される。
【0111】
操作者は、操作部を操作して、レンズLEの第2屈折力のシミュレーションを開始するための図示なきスイッチを操作する。制御部70は、操作部からの操作信号に応じて、シミュレーションを開始する。例えば、制御部70は、レンズチェッカーとレンズメータにおける測定光の入射角度の違いを考慮した光線追跡処理を実行する。
【0112】
図10は、レンズチェッカーとレンズメータにおける測定光の入射角度を説明する図である。図10(a)は、レンズチェッカーを示す。図10(b)は、レンズメータを示す。なお、図10(b)では、便宜上、レンズLEに対してノーズピース100を移動させているが、実際は、ノーズピース100に対してレンズLEを移動させる。
【0113】
例えば、レンズチェッカーは、レンズLEの広範に照射された測定光束がレンズLEに入射する際に、レンズLE上のどの測定点に対しても、測定光が載置面PTに対して90°の角度で入射するようになっている。すなわち、測定光が測定光軸Nと平行に入射するようになっている。このため、レンズLEの測定点における後面の接線TLに対しては、必ずしも測定光が垂直に交わらない場合がある。一例として、測定点Q1の後面の接線TLに対しては、光線R1が垂直方向から所定の角度θ3だけ傾いて入射する。
【0114】
例えば、レンズメータは、レンズLEの後面をノーズピース100に接触させることで、レンズLEの測定点における載置面PTと、レンズLEの測定点における後面の接線TRと、が同一(略同一)となる。従って、例えば、レンズLE上のどの測定点に対しても、測定光は載置面に対して90°の角度で(つまり、測定光軸Mと平行に)入射し、かつ、レンズLEの測定点における後面の接線TLに対して測定光が垂直に交わる。一例として、測定点Q1の載置面PTおよび後面の接線TLに対して、光線R1は垂直方向から入射する。
【0115】
そこで、例えば、制御部70は、レンズLEの部分的な真のモデルβ2(あるいは、全体的な真のモデル)の後面の接線に対して測定光が垂直方向から入射するように、測定光の入射角度を変更したシミュレーションを行う。言い換えると、レンズLEをノーズピース100に載置した状態を想定して、測定光の入射角度を変更したシミュレーションを行う。
【0116】
例えば、制御部70は、真のモデルβ2の後面の接線に対して垂直方向から入射し、測定点Q1に到達する光線R1の光線追跡処理を実行する。例えば、より詳細には、真のモデルβ2における真の第2前面形状K2Aと真の第2後面形状K2B、および、屈折率nを利用して、真のモデルβ2の後面の接線に対して垂直方向から入射した光線R1が、真の第2前面形状K2Aによって屈折され、さらに、真の第2後面形状K2Bによって屈折されることによって算出される、測定点Q1の第2屈折力をシミュレーションする。例えば、このようにして、レンズメータの測定原理に基づく第2屈折力が取得される。なお、例えば、制御部70は、測定点Q1とは異なる点についても、同様に、測定光の入射角度を変更したシミュレーションを行い、測定点毎の第2屈折力を取得してもよい。また、例えば、制御部70は、光線R1の光線追跡処理において、光線R1の偏角を求めることによって、レンズメータの測定原理に基づく第2プリズム量を取得してもよい。
【0117】
<第1光学特性と第2光学特性の出力(ステップ5)>
例えば、制御部70は、レンズLEの第1光学特性と第2光学特性を取得すると、これらをモニタ4に表示させる。例えば、レンズLEの第1光学特性は、測定光学系20を用いて測定した、レンズチェッカーの実測値である。また、例えば、レンズLEの第2光学特性は、測定光の光線追跡処理のシミュレーションによって求めた、レンズメータでの測定結果を想定したシミュレーション値(参考値)である。
【0118】
図11は、レンズLEが単焦点レンズである場合の表示画面110の一例である。例えば、表示画面110には、レンズLEの任意の測定点(一例として、測定点Q1)における第1光学特性120と第2光学特性130が表示される。また、例えば、表示画面110には、レンズLEの外形形状140が表示される。例えば、レンズLEの外形形状140は、測定画像M1または測定画像M2のいずれかから、レンズ像(一例として、左レンズ像60)を検出することで取得され、表示されてもよい。例えば、レンズLEの外形形状140には、眼鏡装用者のアイポイント位置150、等が重畳されてもよい。
【0119】
例えば、操作者は、測定装置1がレンズチェッカーの構成でありながら、レンズメータの構成を用いた場合のシミュレーション値を、表示画面110の確認によって、容易に取得することができる。従って、例えば、操作者は、眼鏡装用者に対するレンズ処方等において、シミュレーション値を参考にすることができる。また、例えば、操作者は、第1光学特性(実測値)と第2光学特性(シミュレーション値)の差異の有無や程度を、表示画面110の確認によって、容易に把握することができる。
【0120】
なお、本実施例では、レンズLEが累進焦点レンズの場合であっても、ステップ1~ステップ4までの工程が順に行われ、ステップ5にて、第1光学特性(すなわち、レンズチェッカーの実測値)と第2光学特性(すなわち、レンズメータのシミュレーション値)がモニタ4に表示される。
【0121】
図12は、レンズLEが累進焦点レンズである場合の表示画面110の一例である。例えば、レンズLEの外形形状140には、眼鏡装用者のアイポイント位置150とともに、各測定点での第1光学特性分布を示す第1マップ画像160、各測定点での第2光学特性分布を示す第2マップ画像170、等が重畳されてもよい。例えば、第1マップ画像160と第2マップ画像170は、球面屈折力、円柱屈折力、等価球面度数、乱視軸角度、等の少なくともいずれかの分布を示す画像であってもよい。例えば、図12の第1マップ画像160と第2マップ画像170は、円柱屈折力の分布を示す画像である。
【0122】
例えば、操作者は、第1マップ画像160と第2マップ画像170を比較することによって、累進焦点レンズの特性を容易に把握することができる。例えば、第1マップ画像160に累進焦点レンズの遠用部、中間部、近用部、等が現れていなくても、第2マップ画像170にこれらの少なくともいずれかが現れていれば、どのようなレンズかを容易に把握できる。一例としては、第2マップ画像170を用いて、外出用のレンズ(遠用部が広い遠近両用レンズ)、デスクワーク向けのレンズ(中間部が広い中近両用レンズ)、手元用のレンズ(近用部が広い近近両用レンズ)、等を直感的に把握できる。
【0123】
なお、例えば、レンズLEにおけるレンズチェッカーの実測値とレンズメータの実測値は、光学中心位置Oよりも、光学中心位置Oから離れた周辺位置において、互いに異なる値をとりやすい。例えば、これは、レンズLEの周辺位置であるほど、レンズLEに入射する光線R1が、レンズLEの後面の接線TLに対して大きく傾く(つまり、所定の角度θ3が大きくなる)ためである。特に、累進焦点レンズは、遠用部や近用部が周辺位置に存在するためにこのような問題が生じやすく、レンズチェッカーの測定原理を用いる場合には周辺位置を精度よく測定できない可能性がある。しかしながら、本実施例のような測定装置1を用いることによって、累進焦点レンズのシミュレーション値を適切に得ることができる。
【0124】
以上、説明したように、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの広域に測定光束を平行光束として投光し、眼鏡レンズを通過した測定光束を受光することで、眼鏡レンズに測定光束の一部である測定光が第1入射角度で入射した少なくとも1つの測定点の第1光学特性を測定し、眼鏡レンズの測定点の位置情報を取得し、眼鏡レンズの少なくとも測定点を含む前面形状情報を取得し、眼鏡レンズの少なくとも測定点を含む後面形状情報を取得し、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の前面形状情報と、測定点の後面形状情報と、に基づいて、測定光が第1入射角度とは異なる第2入射角度で入射した際の第2光学特性を取得し、第2光学特性を少なくとも出力する。これによって、例えば、眼鏡レンズ測定装置では測定光が第1入射角度で照射されるが、測定光が第2入射角度で照射される様々な状態を再現して、眼鏡レンズによる測定光の屈折等をシミュレーションすることができる。従って、測定光が第2照射角度で照射された際の第2光学特性を精度よく取得することができる。
【0125】
また、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズのモデル形状情報であって、眼鏡レンズの前面形状情報と後面形状情報とに基づいて構築されるモデル形状情報を取得し、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、このようなモデル形状情報と、に基づいて、第2光学特性を取得する。例えば、眼鏡レンズのモデル形状情報を構築することによって、眼鏡レンズ上の各測定点の位置関係等を容易に把握することができる。このため、例えば、眼鏡レンズに測定光が第2入射角度で入射した際の第2光学特性を、より容易に取得することができる。
【0126】
また、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの屈折率を取得し、眼鏡レンズの光学中心の光学特性と屈折率とに基づく仮の第1前面形状情報を前面形状情報として取得し、眼鏡レンズの光学中心の光学特性と屈折率と第1前面形状情報とに基づく仮の第1後面形状情報を後面形状情報として取得し、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の仮の第1前面形状情報と、測定点の仮の第1後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得する。例えば、眼鏡レンズの光学中心の光学特性と屈折率を用いることによって、眼鏡レンズの前面形状および後面形状を容易に推測することができる。一例としては、眼鏡レンズの焦点距離を一定にしたまま曲率を変化させる(いわゆる、ベンディング)によって、容易に推測することができる。従って、眼鏡レンズの仮のモデル形状情報を簡単に構築し、測定点における第2光学特性を取得することができる。
【0127】
また、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、測定点の第1光学特性と、測定点の仮の第1前面形状情報と、に基づいて、測定点において第1光学特性が測定されることを想定した真の第2後面形状情報を、後面形状情報として取得し、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の仮の第1前面形状情報と、測定点の真の第2後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得する。例えば、測定点の仮のモデル形状情報に対して、その後面形状情報を置き換え、測定点において第1光学特性が測定されるような適切な後面形状情報に補正することによって、眼鏡レンズの実際の形状を再現したモデルを構築できる。従って、測定点の第2光学特性をより精度よく取得することができる。
【0128】
また、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、複数の測定点における第1光学特性を測定し、測定点毎の前面形状情報および後面形状情報を取得し、測定点毎の第2光学特性を取得することによって、第2光学特性の分布を出力する。例えば、これによって、眼鏡レンズの特性を視覚的に確認することができる。特に、累進焦点レンズ等においては、累進焦点レンズの全ての領域、あるいは、一部の領域における分布が出力されることで、遠用部、中間部、近用部、等の広さや配置を容易に把握することができる。
【0129】
また、例えば、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、眼鏡レンズの後面に対して測定光が垂直となる角度を第2入射角度として設定することによって、測定点の第2光学特性を取得する。言い換えると、眼鏡レンズをレンズメータのノーズピースに載置した状態を想定した、測定点の第2光学特性を取得する。これによって、例えば、眼鏡レンズ測定装置がレンズチェッカーの測定原理に基づく測定を実行する装置でありながら、レンズメータを用いて測定した状態を再現し、眼鏡レンズの第2光学特性を精度よく取得することができる。
【0130】
<変容例>
本実施例では、眼鏡に枠入れされたレンズLEに対して、第1光学特性と第2光学特性を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、眼鏡に枠入れされていない未加工レンズ(言い換えると、生地レンズ)に対して、第1光学特性と第2光学特性を取得する構成としてもよい。例えば、この場合には、モニタ4の表示画面110に、未加工レンズの外形形状(レンズ像)が表示されるとともに、未加工レンズの外形形状に、アイポイント位置150、第1マップ画像160、第2マップ画像170、等が重畳されてもよい。さらに、例えば、未加工レンズには印点やプリントマークが付されている場合があるため、これらを検出して、未加工レンズの外形形状に重畳させてもよい。
【0131】
本実施例では、表示画面110において、第1指標パターン像41を含む測定画像M1、または、第2指標パターン像51を含む測定画像M2のいずれかから、レンズ像(フレーム像)を検出することによって、レンズLEの外形形状140を表示する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、透過型ディスプレイ24の指標31を非表示として撮影画像を取得し、第1指標パターン像41と第2指標パターン像51を含まない撮影画像からレンズ像(フレーム像)を検出することによって、これをレンズLEの外形形状140として表示する構成としてもよい。例えば、測定画像M1や測定画像M2を用いる場合と比べて、このような撮影画像を用いる場合には、レンズ像を容易に検出することができる。
【0132】
さらに、例えば、眼鏡装用者に眼鏡を装用させて、レンズLEに予めアイポイント位置をマーキングした状態で、上記の撮影画像を取得してもよい。例えば、この場合には、レンズ像とともにアイポイント位置150が検出されるため、レンズLEの外形形状140にアイポイント位置150を容易に重畳させることができる。
【0133】
本実施例では、レンズLE上の少なくとも2点(測定点Q1と測定点Q2)の位置に基づいて、レンズLEの光学中心位置Oを求める構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、本実施例では、前述したように測定点毎のプリズム量を求めることができる。従って、例えば、制御部70は、測定点毎のプリズム量を比較処理し、プリズム量が最小となる位置を、光学中心位置Oとして設定してもよい。なお、レンズLEの屈折力が弱いと、プリズム量が最小となる位置の決定が困難なときがある。例えば、この場合、制御部70は、レンズLEの幾何学中心位置を光学中心位置Oとみなしてもよい。
【0134】
本実施例では、レンズLEの真のモデルβ2の再構築において、仮の第1前面形状K1Aを真の第2前面形状K2Aとして利用し、真の第2後面形状K2Bは光線追跡処理によって算出する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、レンズLEの真のモデルβ2の再構築は、仮の第1後面形状K1Bを真の第2後面形状K2Bとして利用し、真の第2前面形状K2Aを光線追跡処理によって算出する構成としてもよい。例えば、この場合にも、測定点Q1に入射した光線R1が、前面を通過することによって内部収差をもち、後面を通過することによって外部収差をもつように、光線R1の光線追跡処理を実行することによって、同様に、真の第2前面形状K2Aを取得することができる。
【0135】
例えば、このように、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、測定点の第1光学特性と、測定点の仮の第1後面形状情報と、に基づいて、測定点において第1光学特性が測定されることを想定した真の第2前面形状情報を、前面形状情報として取得し、測定点の第1光学特性と、測定点の位置情報と、測定点の真の第2前面形状情報と、測定点の仮の第1後面形状情報と、に基づいて、測定点の第2光学特性を取得する。例えば、測定点の仮のモデル形状情報に対して、その前面形状情報を置き換え、測定点において第1光学特性が測定されるような適切な前面形状情報に補正することによって、レンズLEの実際の形状を再現したモデルを構築できる。従って、測定点の第2光学特性をより精度よく取得することができる。
【0136】
本実施例では、レンズメータを用いた測定結果を想定した第2光学特性(シミュレーション値)として、レンズLEの前面側において、光線R1がレンズLEの後面に対して垂直に入射する場合を想定した第2光学特性を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、レンズLEの後面側において、光線R1がレンズLEの後面に対して垂直に入射する場合を想定した第2光学特性を取得する構成であってもよい。例えば、この場合には、手動式のレンズメータである、FOA形(foucus on axis形)レンズメータを用いた場合の測定値を、第2光学特性として取得することができる。
【0137】
本実施例では、レンズLEの測定点において、レンズメータの構成を用いた測定結果を想定した第2光学特性を取得する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、レンズLEの測定点において、眼鏡装用者が眼鏡を装用した状態の測定結果を想定した第2光学特性を取得する構成としてもよい。
【0138】
図13は、眼鏡装用者が眼鏡を装用した状態(眼鏡装用状態)を模式的に示す図である。例えば、眼鏡フレームを支持ユニット10に支持させた状態は、眼鏡装用者の眼鏡装用状態と考えることができる。例えば、このとき、レンズLEに照射される測定光の測定光軸Nと、レンズLEの光軸Wと、は一致(略一致)する。例えば、レンズLEの光軸Wは、レンズLEのレンズ面に対して垂直な、光学中心位置Oを通過する軸である。例えば、眼鏡装用者が正面方向をみる場合には、測定光の測定光軸NおよびレンズLEの光軸Wに、眼鏡装用者の視軸Iが一致(略一致)する。一方で、例えば、眼鏡装用者が側方向(左右上下のいずれかの方向)をみる場合には、測定光の測定光軸NおよびレンズLEの光軸Wに対して視軸Iがずれる。一例として、眼鏡装用者が右側方向をみる場合には、レンズLE上の光学中心位置Oではなく、測定点Q1を視軸Iが通過するようになる。
【0139】
例えば、レンズLE上の測定点Q1には、測定光学系20による光線R1が垂直方向から入射するが、光線R1に対して視軸Iは所定の角度θ4だけ傾く。そこで、例えば、制御70は、真のモデルβ2における真の第2前面形状K2Aと真の第2後面形状K2B、および、屈折率nを利用して、真のモデルβ2の測定点Q1に所定の角度θ4をもって入射した光線R1が、真の第2前面形状K2Aによって屈折され、さらに、真の第2後面形状K2Bによって屈折されることによって算出される、測定点Q1の第2屈折力をシミュレーションしてもよい。
【0140】
例えば、このように、本実施例の眼鏡レンズ測定装置は、測定光が眼鏡装用状態の視軸となる角度を第2入射角度として設定することによって、測定点の第2光学特性を取得する。言い換えると、眼鏡装用者が眼鏡を装用した状態を想定した、測定点の第2光学特性を取得する。これによって、例えば、眼鏡レンズ測定装置がレンズチェッカーの測定原理に基づく測定を実行する装置でありながら、眼鏡装用状態における第2光学特性を精度よく取得することができる。
【0141】
本実施例では、眼鏡フレームの反り角や前傾角を、レンズLEの真のモデルβ2の再構築に反映させてもよい。例えば、眼鏡フレームに反り角や前傾角がある場合、眼鏡フレームを支持ユニット10に支持させると、レンズLEが載置面PTに対して傾斜した状態となる。このため、例えば、真のモデルβ2における測定点Q1のX方向とY方向の傾斜が、反り角や前傾角に基づいて変更されてもよい。一例としては、測定点Q1の1次微分係数I~Iが、反り角や前傾角に基づいて変更されてもよい。
【0142】
なお、眼鏡フレームの反り角や前傾角を考慮する場合、操作者は、操作部を操作して、反り角および前傾角の少なくともいずれかを入力してもよい。例えば、眼鏡フレームの反り角や前傾角を測定するための治具等を利用して、予め測定した値を入力してもよい。また、例えば、眼鏡フレームの反り角や前傾角が、予め固定値(一例として、5度等)として、メモリ75に記憶されていてもよい。
【0143】
本実施例では、レンズLEの第1屈折力および第2屈折力が、レンズLEの載置面PTを基準とした値で求められる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、レンズLEの第1屈折力および第2屈折力は、レンズLEの測定点の後面の位置座標を基準とした値で求められる構成であってもよい。例えば、この場合、制御部70は、仮の第1後面形状K1Bにおいて、測定点Q1から載置面PTまでの距離を利用することによって、第1屈折力と第2屈折力が、測定点Q1の後面の位置座標を基準とした値になるように、補正してもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 眼鏡レンズ測定装置
10 支持ユニット
20 測定光学系
21 光源
24 透過型ディスプレイ
27 撮像素子
70 制御部
75 メモリ
図1
図2
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図4
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図11
図12
図13