(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092842
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240701BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 304
G06F3/12 351
G06F3/12 378
B41J3/36 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209032
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楮原 幹大
【テーマコード(参考)】
2C055
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C055CC01
2C055CC05
(57)【要約】
【課題】テープ長自動機能が選択されたときにおいて、テープ長自動機能および中央配置機能の両機能を生かした印刷結果を得る。
【解決手段】オブジェクトOJの後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能が選択されたときにおいて、テープのX方向における中央にオブジェクトOJを配置する中央配置機能のオブジェクトOJに対する設定を受け付ける受付部と、印刷データを生成する生成部と、を備えたPCにおいて、生成部は、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、オブジェクトOJの前端位置から-X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、オブジェクトOJの後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、
ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、前記オブジェクトの前記第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から前記第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、前記テープの前記第1方向における中央に前記オブジェクトを配置する中央配置機能の前記オブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付部と、
前記印刷データを生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、
前記テープ長固定機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記固定長を維持したまま前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置し、
前記テープ長自動機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から前記第1方向に前記余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置するように、前記印刷データを生成することを特徴とする印刷データ生成装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記テープ長自動機能が選択されたときに、複数の前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、
前記中央配置機能が設定された複数の前記オブジェクトに対し前記第1方向における中央位置揃えを行い、前記中央配置機能が設定された複数の前記オブジェクトのうち前記第1方向における長さが最も長い前記オブジェクトである最長オブジェクトの前記オブジェクト前端位置から前記第1方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ前端位置となり、且つ、前記最長オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となるように、テープ長を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記テープ長自動機能が選択されたときに、複数の前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、
前記テープ上において、前記中央配置機能が設定された複数の前記オブジェクトに対し前記第1方向における中央位置揃えを行った配置を示す第1配置データを生成し、
前記第1配置データが示す配置から、中央位置揃えが行われた複数の前記オブジェクトを、前記最長オブジェクトの前記オブジェクト前端位置が、前記テープ前端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置となるように移動させた配置を示す第2配置データを生成し、
前記第2配置データが示す配置から、前記最長オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が、前記テープ後端位置となるように前記テープ後端位置を変更して、テープ長を決定することを特徴とする請求項2に記載の印刷データ生成装置。
【請求項4】
前記生成部は、
表データを取得し、取得した前記表データに含まれる複数の行データに基づいて、それぞれの行データに対応する複数の前記オブジェクトが印刷されるように前記印刷データを生成し、
前記表データに含まれるいずれかの前記行データに対応する前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記表データに含まれる他の前記行データに対応する前記オブジェクトについても、前記中央配置機能が設定されたものとして、前記印刷データを生成することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記オブジェクトが選択されている状態で前記中央配置機能が設定され、選択されている前記オブジェクトに中央配置属性が付与されていない場合、選択されている前記オブジェクトに対して前記中央配置属性を付与し、
前記中央配置機能が設定されたときは、選択されている前記オブジェクトと、選択されていないが前記中央配置属性が予め付与されている前記オブジェクトと、を前記テープの前記第1方向における中央に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記中央配置属性が付与された前記オブジェクトに対し、移動およびサイズ変更の少なくとも一方を含む特定の操作が行われると、前記中央配置属性を解除することを特徴とする請求項5に記載の印刷データ生成装置。
【請求項7】
前記生成部は、
前記テープ長自動機能が選択されたときに、第1の前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定された場合であって、第2の前記オブジェクトに対しては前記中央配置機能が設定されていない場合、前記テープ前端位置に対する第2の前記オブジェクトの位置は変えず、
前記テープ前端位置から、前記余白長さと、第1の前記オブジェクトの長さと、を合計した長さだけ前記第2方向に離れた位置が、第2の前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置より前記第2方向にあるとき、第1の前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となり、
前記テープ前端位置から、前記余白長さと、第1の前記オブジェクトの長さと、を合計した長さだけ前記第2方向に離れた位置が、第2の前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置より前記第2方向にないとき、第2の前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となるように、テープ長を決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ生成装置。
【請求項8】
テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置が、
ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、前記オブジェクトの前記第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から前記第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、前記テープの前記第1方向における中央に前記オブジェクトを配置する中央配置機能の前記オブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、
前記印刷データを生成する生成ステップと、を実行し、
前記生成ステップでは、
前記テープ長固定機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記固定長を維持したまま前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置し、
前記テープ長自動機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から前記第1方向に前記余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置するように、前記印刷データを生成することを特徴とする印刷データ生成装置の制御方法。
【請求項9】
テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置に、
ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、前記オブジェクトの前記第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から前記第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、前記テープの前記第1方向における中央に前記オブジェクトを配置する中央配置機能の前記オブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、
前記印刷データを生成する生成ステップと、を実行させるプログラムであって、
前記生成ステップでは、
前記テープ長固定機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記固定長を維持したまま前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置し、
前記テープ長自動機能が選択されたときに前記オブジェクトに対して前記中央配置機能が設定されると、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から前記第1方向に前記余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトの前記オブジェクト後端位置から前記第2方向に前記余白長さだけ離れた位置が前記テープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、前記テープの前記第1方向における中央に前記中央配置機能が設定された前記オブジェクトを配置するように、前記印刷データを生成することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、テープのテープ送り方向における中央にオブジェクトを配置する中央配置機能を備えた装置が知られている。ユーザーは、中央配置機能を設定することで、テープ上にオブジェクトを見栄え良く配置させることができる。また、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、テープ上に配置されたオブジェクトの後端位置に合わせてテープ長を自動設定するテープ長自動機能と、のいずれかを選択できる装置も知られている。ユーザーは、テープ長自動機能を選択することで、テープ消費量をできるだけ少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、テープ長固定機能が選択されたとき、中央配置機能の設定を受け付けることができるが、テープ長自動機能が選択されたとき、中央配置機能の設定を受け付けることができない。このため、ユーザーは、テープ長自動機能が選択されたとき、テープ長自動機能および中央配置機能の両機能を生かした印刷結果を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷データ生成装置は、テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置であって、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープの第1方向における中央にオブジェクトを配置する中央配置機能のオブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付部と、印刷データを生成する生成部と、を備え、生成部は、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトのオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置するように、印刷データを生成する。
【0006】
本発明の印刷データ生成装置の制御方法は、テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置が、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープの第1方向における中央にオブジェクトを配置する中央配置機能のオブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、印刷データを生成する生成ステップと、を実行し、生成ステップでは、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトのオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置するように、印刷データを生成する。
【0007】
本発明のプログラムは、テープ印刷装置に、第1方向に送られていくテープに対してオブジェクトを印刷させる印刷データを生成する印刷データ生成装置に、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープの第1方向における中央にオブジェクトを配置する中央配置機能のオブジェクトに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、印刷データを生成する生成ステップと、を実行させるプログラムであって、生成ステップでは、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に余白長さだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトのオブジェクト後端位置から第2方向に余白長さだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトを配置するように、印刷データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】テープ印刷システムのシステム構成図である。
【
図2】テープ印刷装置およびテープカートリッジの外観図である。
【
図3】オブジェクトが印刷されたテープの一例を示す図である。
【
図4】PCおよびテープ印刷装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図7】テープ長決定処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1オブジェクトイメージと第2オブジェクトイメージとが、テープイメージ上に配置された編集領域の表示例を示す図である。
【
図9】テープ長固定機能が選択されたときにおいて、
図8の状態で中央配置機能が設定された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図10】テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図8の状態で中央配置機能が設定された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図13】対象オブジェクトとなる第1オブジェクトの第1オブジェクトイメージと、非対象オブジェクトとなる第2オブジェクトの第2オブジェクトイメージとが、テープイメージ上に配置された編集領域の表示例を示す図である。
【
図14】テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図13の状態で中央配置機能が設定された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図15】対象オブジェクトとなる第1オブジェクトの第1オブジェクトイメージと、非対象オブジェクトとなる第3オブジェクトの第3オブジェクトイメージとが、テープイメージ上に配置された編集領域の表示例を示す図である。
【
図16】テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図15の状態で中央配置機能が設定された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図18】テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図17の表データの1行目の行データが流し込まれた場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図19】
図18の状態で中央配置機能が設定された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図20】
図19の後、
図17の表データの2行目の行データが流し込まれた場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図21】
図20の状態で、第4オブジェクトイメージが+X方向に移動された場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図22】
図21の後、
図17の表データの1行目の行データが流し込まれた場合の編集領域の表示例を示す図である。
【
図23】
図17の表データの1行目A列のセルデータに対応し、且つ、非対象オブジェクトである第1オブジェクトの第1オブジェクトイメージと、対象オブジェクトである第5オブジェクトの第5オブジェクトイメージとが、テープイメージ上に配置された編集領域の表示例を示す図である。
【
図24】
図23の後、表データの2行目A列のセルデータが流し込まれた場合の編集領域の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法、およびプログラムについて説明する。なお、一部の図面では、XYZ直交座標系またはX座標系による方向を用いて説明するが、これらの方向は説明の便宜上のものにすぎず、以下の実施形態を何ら限定するものではない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、テープ印刷システムSYのシステム構成図である。テープ印刷システムSYは、PC(Personal Computer)1と、テープ印刷装置2と、を備え、これらはケーブル5を介して通信可能に接続されている。PC1は、「印刷データ生成装置」の一例である。なお、PC1とテープ印刷装置2は、ケーブル5に代えて、無線通信を介して接続されてもよいし、ネットワークを介して接続されてもよい。
【0011】
PC1は、テープ印刷装置2の印刷媒体であるテープT(
図3参照)に印刷を行うための印刷データを生成し、生成した印刷データをテープ印刷装置2に送信する。テープ印刷装置2は、PC1から送信された印刷データに基づき、テープTにオブジェクトOJを印刷する。オブジェクトOJとは、文字や図形などの表示要素を指す。
【0012】
PC1は、PC側ディスプレー11に、オブジェクトOJを編集するための編集領域50を表示する(
図8参照)。編集領域50には、テープTを模したテープイメージTI上に、オブジェクトOJを模したオブジェクトイメージOIを配置した印刷プレビューPPが表示される。ユーザーは、この印刷プレビューPPにより、テープTの印刷結果を確認しながら、オブジェクトOJの編集操作を行うことができる。
【0013】
図2は、テープ印刷装置2およびテープカートリッジCの外観図である。テープ印刷装置2は、操作キー群21と、印刷装置側ディスプレー22と、カートリッジ装着部23と、テープ排出口24と、を備えている。
【0014】
操作キー群21は、テープTの印刷に関するユーザーの各種操作を受け付ける。印刷装置側ディスプレー22は、各種情報を表示する。なお、ユーザーは、これら操作キー群21および印刷装置側ディスプレー22を用いてオブジェクトOJの編集操作を行うことも可能であるが、本実施形態では、PC1にて編集操作を行うものとする。また、テープ印刷装置2は、PC1によるオブジェクトOJの編集結果を印刷データとして受信し、受信した印刷データに基づいて印刷を行うものとする。
【0015】
カートリッジ装着部23には、テープカートリッジCが着脱可能に装着される。テープカートリッジCには、そのケース内に、テープTと、インクリボンRとが収容されている。また、テープカートリッジCは、テープTを送るプラテンローラー17が設けられている。
【0016】
カートリッジ装着部23には、プラテン駆動軸25と、サーマルヘッド26と、が設けられている。プラテン駆動軸25は、カートリッジ装着部23にテープカートリッジCが装着された状態で、プラテンローラー17が係合される。プラテンローラー17は、テープTを-X方向に送る。
【0017】
サーマルヘッド26は、カートリッジ装着部23にテープカートリッジCが装着された状態で、プラテンローラー17と対向する位置に設けられている。サーマルヘッド26は、PC1から送信された印刷データに応じて発熱駆動する。これにより、インクリボンRのインクがテープTに転写され、印刷データに基づくオブジェクトOJがテープTに印刷される。
【0018】
印刷されたテープTは、テープ排出口24から排出される。カートリッジ装着部23とテープ排出口24との間には、カッター27が設けられている。カッター27は、テープTをZ方向に切断する。これにより、テープTの印刷済み部分が切り離される。
【0019】
図3は、オブジェクトOJが印刷されたテープTの一例を示す図である。テープTには、オブジェクトOJを印刷可能な印刷領域Aが定められている。また、オブジェクトOJには、細線で示すオブジェクト領域OEが定められている。オブジェクト領域OEは、オブジェクトOJの全体を含み、X方向に平行な2本の辺とZ方向に平行な2本の辺とから成る矩形の領域である。なお、
図3の例は、オブジェクト領域OEと印刷領域Aの、-X方向における端部の位置および+X方向における端部の位置が一致する場合を示している。-X方向は、「第1方向」の一例であり、+X方向は、「第2方向」の一例である。
【0020】
印刷領域Aは、X方向において、テープTの-X方向における端部から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置から、テープTの+X方向における端部から-X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置までの領域である。第1余白長さXLは、「余白長さ」の一例である。また、印刷領域Aは、Z方向において、テープTの+Z方向における端部から-Z方向に第2余白長さZLだけ離れた位置から、テープTの-Z方向における端部から+Z方向に第2余白長さZLだけ離れた位置までの領域である。
【0021】
以下の説明において、第1余白長さXLおよび第2余白長さZLは、固定長とする。これらの第1余白長さXLおよび第2余白長さZLは、予め定められた長さでもよいが、ユーザーが任意に設定可能な長さでもよいし、テープ幅に応じて一律に設定される長さでもよい。
【0022】
また、以下の説明において、テープTの-X方向における端部の位置を「テープ前端位置」と言い、テープTの+X方向における端部の位置を「テープ後端位置」と言う。また、印刷領域Aの-X方向における端部の位置を「印刷領域前端位置」と言い、印刷領域Aの+X方向における端部の位置を「印刷領域後端位置」と言う。また、オブジェクト領域OEの-X方向における端部の位置を「オブジェクト前端位置」と言い、オブジェクト領域OEの+X方向における端部の位置を「オブジェクト後端位置」と言う。また、テープTのX方向における長さを「テープ長」と言い、テープTのZ方向における長さを「テープ幅」と言う。
【0023】
図4は、PC1およびテープ印刷装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。PC1は、PC側ディスプレー11と、操作部12と、PC側通信部13と、PC側制御部14と、記憶部15と、を備えている。
【0024】
PC側ディスプレー11は、編集領域50など、各種情報を表示する。操作部12は、マウス12aと、キーボード12bとを含む。マウス12aは、例えば左ボタンと右ボタンとを有するものである。また、キーボード12bは、文字キーや数字キーを含むものである。
【0025】
PC側通信部13は、ケーブル5を介してテープ印刷装置2と通信する。例えば、PC側通信部13は、テープ印刷装置2に印刷データを送信したり、テープ印刷装置2から、テープ印刷装置2に装着されているテープカートリッジCの種類を示すカートリッジ情報を受信したりする。
【0026】
PC側制御部14は、PC側CPU(Central Processing Unit)14aと、PC側ROM(Read Only Memory)14bと、PC側RAM(Random Access Memory)14cと、を含む。
【0027】
PC側CPU14aは、PC側ROM14bや、後述する記憶部15に記憶された各種プログラムをPC側RAM14cに展開して実行することにより、各種制御を行う。なお、PC側制御部14は、PC側CPU14aに代え、プロセッサーとしてASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路を用いてもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0028】
PC側ROM14bは、書き換え不要な制御プログラムや制御データを記憶する。また、PC側RAM14cは、PC側CPU14aが各種制御を行うためのワークエリアとして用いられる。
【0029】
記憶部15は、例えばハードディスクドライブであり、テープ印刷アプリケーション30を記憶している。テープ印刷アプリケーション30は、「プログラム」の一例である。テープ印刷アプリケーション30は、編集領域50の表示制御、印刷データの生成およびテープ印刷装置2との通信などを行うためのアプリケーションプログラムである。
【0030】
テープ印刷装置2は、印刷装置側通信部41と、カートリッジ情報読出部42と、印刷部43と、印刷装置側制御部44と、を備えている。
【0031】
印刷装置側通信部41は、ケーブル5を介してPC1と通信する。
【0032】
カートリッジ情報読出部42は、カートリッジ装着部23に装着されたテープカートリッジCにラベルとして貼付されたコード画像を光学的に読み取るか、またはテープカートリッジCに設けられたメモリー素子を有する回路基板(いずれも図示省略)から、カートリッジ情報を読み出す。カートリッジ情報には、テープカートリッジCに収容されているテープTのテープ幅を示す情報が含まれる。
【0033】
印刷部43は、テープTに印刷を行うための機構であり、サーマルヘッド26と、送りモーター43aと、カッターモーター43bと、を含む。サーマルヘッド26は、複数の発熱素子を備え、インクリボンRからテープTにインクを熱転写することにより印刷を行う。送りモーター43aは、テープTを送る駆動源である。カッターモーター43bは、カッター27を駆動する駆動源である。
【0034】
印刷装置側制御部44は、印刷装置側CPU44aと、印刷装置側ROM44bと、印刷装置側RAM44cと、を含む。
【0035】
印刷装置側CPU44aは、印刷装置側ROM44bに記憶されたファームウェアなどの制御プログラムを印刷装置側RAM44cに展開して実行することにより、各種制御を行う。なお、印刷装置側制御部44は、印刷装置側CPU44aに代え、ASIC等のハードウェア回路をプロセッサーとして用いてもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。
【0036】
印刷装置側CPU44aは、印刷装置側ROM44bに記憶された制御プログラムを用いて、PC1から送信された印刷データに基づき、テープカートリッジCから繰り出されたテープTに印刷を行う。また、印刷装置側CPU44aは、PC1からカートリッジ情報要求信号を受信したとき、カートリッジ情報読出部42を介してカートリッジ情報を取得し、取得したカートリッジ情報をPC1に送信する。
【0037】
図5を参照し、PC1の機能構成について説明する。PC1は、受付部110と、生成部120と、を備えている。これらの機能は、いずれもPC側CPU14aが、テープ印刷アプリケーション30を実行することにより実現される機能である。
【0038】
受付部110は、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトOJの+X方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択を受け付ける。すなわち、テープ長自動機能とは、オブジェクト後端位置を印刷領域後端位置としてテープ長を決定する機能である。
【0039】
また、受付部110は、テープTのX方向における中央にオブジェクトOJを配置する中央配置機能のオブジェクトOJに対する設定を受け付ける。X方向は、「第1方向」の一例である。なお、受付部110は、ユーザーがマウス12aやキーボード12bを操作して各種機能を選択または設定したときの操作信号を取得することで、各種選択または各種設定を受け付ける。なお、受付部110が、テープ長固定機能およびテープ長自動機能のいずれかの選択と、中央配置機能の設定と、を受け付ける工程は、「受付ステップ」の一例である。
【0040】
生成部120は、印刷データを生成する。また、生成部120は、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープTのX方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置する。また、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJの-X方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から-X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置とする。さらに、生成部120は、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。すなわち、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト前端位置が印刷領域前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト後端位置が印刷領域後端位置となるように、テープ長を決定する。また、生成部120は、このようにテープ長を決定することで、テープTのX方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置するように、印刷データを生成する。
【0041】
なお、生成部120は、中央配置機能が設定されたとき、オブジェクトOJのX方向における配置を変更し、Z方向における配置は変更しないものとする。
【0042】
また、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、以下のようにテープ長を決定する。なお、以下の説明において、テープTに印刷されるオブジェクトOJのうち、X方向における長さが最も長いオブジェクトOJを「最長オブジェクト」と言う。生成部120は、複数のオブジェクトOJに対しX方向における中央位置揃えを行い、複数のオブジェクトOJのうち最長オブジェクトのオブジェクト前端位置から-X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、最長オブジェクトのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。すなわち、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、最長オブジェクトのオブジェクト前端位置が印刷領域前端位置となり、且つ、最長オブジェクトのオブジェクト後端位置が印刷領域後端位置となるように、テープ長を決定する。
【0043】
なお、「中央位置揃え」とは、オブジェクトOJ同士のX方向における中央位置を揃えるものであり、テープTのX方向における中央にオブジェクトOJを配置するという意味ではない。
【0044】
また、生成部120は、オブジェクトOJが選択されている状態で中央配置機能が設定され、選択されているオブジェクトOJに中央配置属性が付与されていない場合、選択されているオブジェクトOJに対して中央配置属性を付与する。また、生成部120は、中央配置機能が設定されたときは、選択されているオブジェクトOJと、選択されていないが中央配置属性が予め付与されているオブジェクトOJと、をテープTのX方向における中央に配置する。
【0045】
また、生成部120は、中央配置属性が付与されたオブジェクトOJに対し、移動およびサイズ変更の少なくとも一方を含む特定の操作が行われると、中央配置属性を解除する。本実施形態において、特定の操作は、移動およびサイズ変更の他、文字編集および図形編集を含む。文字編集とは、オブジェクトOJが文字の場合に行われるフォント変更や文字装飾などを意味する。また、図形編集とは、オブジェクトOJが図形の場合に行われる拡大および縮小や形状変更などを意味する。
【0046】
また、生成部120は、オブジェクトOJの編集設定がテープ長自動機能からテープ長固定機能に変更されたとき、編集領域50で編集中の全てのオブジェクトOJについて、中央配置属性を解除する。すなわち、テープ長自動機能からテープ長固定機能に編集設定を変更する操作も、特定の操作の一つである。
【0047】
また、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、第1のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定された場合であって、第2のオブジェクトOJについては中央配置機能が設定されていない場合、テープ前端位置に対する第2のオブジェクトOJの位置は変えず、以下のようにテープ長を決定する。生成部120は、テープ前端位置から、第1余白長さXLと、第1のオブジェクトOJの長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置より+X方向にあるとき、第1のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。また、生成部120は、テープ前端位置から、第1余白長さXLと、第1のオブジェクトOJの長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置より+X方向にないとき、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。
【0048】
以下の説明において、中央配置機能が設定されたとき、上記の第1のオブジェクトOJのように中央配置機能の設定対象となるオブジェクトOJを「対象オブジェクト」と言い、上記の第2のオブジェクトOJのように中央配置機能の設定対象とならないオブジェクトOJを「非対象オブジェクト」と言う。言い換えれば、中央配置機能が設定されたときに、選択されているオブジェクトOJおよび選択されてはいないが中央配置属性が予め付与されているオブジェクトOJを「対象オブジェクト」と言い、選択されておらず且つ中央配置属性が付与されていないオブジェクトOJを「非対象オブジェクト」と言う。なお、生成部120における上記の機能を実現する工程は、「生成ステップ」の一例である。
【0049】
図6および
図7を参照し、PC1が実行するテープ長決定処理について説明する。テープ長決定処理は、「印刷データ生成装置の制御方法」の一例である。テープ長決定処理は、ユーザーによる機能設定をトリガーとして開始される。
【0050】
ステップS01において、PC1は、中央配置機能が設定されたか否かを判定する。PC1は、中央配置機能が設定されたと判定した場合、ステップS02に進む。また、PC1は、中央配置機能が設定されていないと判定した場合、ステップS01の判定を繰り返す。
【0051】
ステップS02において、PC1は、選択されているオブジェクトOJがあるか否かを判定する。PC1は、後述する印刷領域イメージAIの領域内に、選択されていることを示す選択マーク61が付加されているオブジェクトイメージOIの少なくとも一部が含まれる場合、選択されているオブジェクトOJがあると判定する(
図8参照)。PC1は、選択されているオブジェクトOJがあると判定した場合、ステップS03に進む。また、PC1は、選択されているオブジェクトOJがないと判定した場合、ステップS05に進む。
【0052】
ステップS03において、PC1は、選択されているオブジェクトOJに中央配置属性が予め付与されているか否かを判定する。PC1は、選択されているオブジェクトOJに中央配置属性が予め付与されていると判定した場合、ステップS05に進む。また、PC1は、選択されているオブジェクトOJに中央配置属性が予め付与されていないと判定した場合、ステップS04に進む。
【0053】
ステップS04において、PC1は、選択されているオブジェクトOJに中央配置機能属性を付与する。
【0054】
ステップS05において、PC1は、オブジェクトOJの編集設定としてテープ長自動機能が選択されているか否かを判定する。PC1は、テープ長自動機能が選択されていると判定した場合、ステップS06に進む。また、PC1は、テープ長自動機能が選択されていないと判定した場合、すなわちテープ長固定機能が選択されていると判定した場合、
図7のステップS07に進む。
【0055】
ステップS06において、PC1は、テープ長を固定長とする。PC1は、ステップS06の後、テープ長決定処理を終了する。
【0056】
図7のステップS07において、PC1は、対象オブジェクトがある否かを判定する。ここでは、PC1は、中央配置属性が付与されているオブジェクトOJがあるか否かを判定する。PC1は、後述する印刷領域イメージAIの領域内に、対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIの少なくとも一部が含まれる場合、対象オブジェクトがあると判定する(
図8参照)。PC1は、対象オブジェクトがあると判定した場合、ステップS08に進む。また、PC1は、対象オブジェクトがないと判定した場合、ステップS11に進む。
【0057】
ステップS08において、PC1は、対象オブジェクトに対しX方向における中央位置揃えを行った配置を示す第1配置データD1(
図11参照)を生成する。PC1は、対象オブジェクトが1つのみの場合、X方向におけるオブジェクトOJの位置を変化させずに第1配置データD1を生成する。また、PC1は、対象オブジェクトが複数の場合、複数のオブジェクトOJを対象としてX方向における中央位置揃えを行った配置を示す第1配置データD1を生成する。
【0058】
ステップS09において、PC1は、第1配置データD1が示す配置から、中央位置揃えが行われた対象オブジェクトを、最長対象オブジェクトのオブジェクト前端位置がテープ前端位置から+方向に第1余白長さXLだけ離れた位置となるように移動させた配置を示す第2配置データD2(
図12参照)を生成する。最長対象オブジェクトとは、テープTに印刷される対象オブジェクトのうち、X方向における長さが最も長い対象オブジェクトを意味する。PC1は、対象オブジェクトが1つのみの場合、その対象オブジェクトを最長対象オブジェクトとして扱う。
【0059】
ステップS10において、PC1は、第2配置データD2が示す配置から、最長対象オブジェクトのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるようにテープ後端位置を変更して、仮テープ長を決定する。
【0060】
ステップS11において、PC1は、非対象オブジェクトがある否かを判定する。ここでは、PC1は、中央配置属性が付与されていないオブジェクトOJがあるか否かを判定する。PC1は、後述する印刷領域イメージAIの領域内に、非対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIの少なくとも一部が含まれる場合、非対象オブジェクトがあると判定する(
図8参照)。PC1は、非対象オブジェクトがあると判定した場合、ステップS13に進む。また、PC1は、非対象オブジェクトがないと判定した場合、ステップS12に進む。
【0061】
ステップS12において、PC1は、ステップS10で決定した仮テープ長をテープ長とする。
【0062】
ステップS13において、PC1は、テープ前端位置から、第1余白長さXLと最長対象オブジェクトの長さとを合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置より+X方向にあるか否かを判定する。PC1は、非対象オブジェクトが複数ある場合、複数の非対象オブジェクトのうちオブジェクト後端位置が最も+X方向に位置する非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置を、非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置として判定する。PC1は、テープ前端位置から、第1余白長さXLと最長対象オブジェクトの長さとを合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置より+X方向にあると判定した場合、ステップS12に進む。また、PC1は、テープ前端位置から、第1余白長さXLと最長対象オブジェクトの長さとを合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置より+X方向にないと判定した場合、ステップS14に進む。
【0063】
ステップS14において、PC1は、非対象オブジェクトのオブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。
【0064】
図8ないし
図16を参照し、中央配置機能が設定されたときの処理について、具体例を挙げて説明する。具体例に先立ち、PC側ディスプレー11に表示される編集領域50について説明する。
図8に示すように、編集領域50には、印刷プレビューPPが表示される。印刷プレビューPPは、テープTを模したテープイメージTIと、オブジェクトOJを模したオブジェクトイメージOIと、印刷領域Aを示す印刷領域イメージAIと、を含む。PC1は、テープ印刷装置2から取得したカートリッジ情報に基づいて、カートリッジ情報が示すテープ幅のテープイメージTIを編集領域50に表示する。また、PC1は、作成されるテープTのテープ長を示すテープ長情報63を編集領域50に表示する。
【0065】
このように、印刷プレビューPPは、テープTの印刷結果を示すものであるから、編集領域50に表示されるテープイメージTI、オブジェクトイメージOIおよび印刷領域イメージAIは、それぞれテープT、オブジェクトOJおよび印刷領域Aに対応する。このため、編集領域50の説明でも、
図3に示したX軸を用いて方向を示す。
【0066】
また、X方向において、テープイメージTIの前端位置と印刷領域イメージAIの前端位置との間の長さ、および、テープイメージTIの後端位置と印刷領域イメージAIの後端位置との間の長さは、第1余白長さXLに対応するものであり、以下「余白イメージ長さIL」と言う。
【0067】
図8の例において、PC1は、「ABC」の文字を示す第1オブジェクトイメージOI1と、「12345」の数字を示す第2オブジェクトイメージOI2と、をテープイメージTI上に表示している。また、
図8の例において、PC1は、第1オブジェクトイメージOI1および第2オブジェクトイメージOI2に、選択されているオブジェクトOJであることを示す選択マーク61を付加して表示している。選択マーク61は、オブジェクトイメージOIの領域であるオブジェクトイメージ領域を囲むように配置される。
図8の例において、PC1は、矩形のオブジェクトイメージ領域の4つの角部と、矩形のオブジェクトイメージ領域のX方向に平行な2つの辺のX方向におけるそれぞれの中点と、の合計6か所に配置された円形のマークを、選択マーク61として表示している。
【0068】
次に、テープ長固定機能が選択されたときにおいて中央配置機能が設定された場合の処理について説明する。例えば、PC1は、固定長として「50.0mm」が指定されたテープ長固定機能が選択されたときにおいて、
図8に示す状態で中央配置機能が設定されると、
図9に示す編集領域50を表示する。すなわち、PC1は、テープ長情報63を変化させることなく、テープイメージTIのX方向における中央に、第1オブジェクトイメージOI1および第2オブジェクトイメージOI2を配置する。
図9において、一点鎖線で示す中央線65は、テープイメージTIのX方向における中央位置を示す線である。このように、PC1は、テープ長固定機能が選択されたときに中央配置機能が設定されると、固定長を維持したまま、テープイメージTIのX方向における中央に、オブジェクトイメージOIを配置する。
【0069】
次に、テープ長自動機能が選択されたときにおいて中央配置機能が設定された場合の処理について説明する。以下に示す各例は、いずれもテープ長自動機能が選択されたときにおいて中央配置機能が設定された場合の処理である。
【0070】
PC1は、テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図8に示す状態で中央配置機能が設定されると、
図10に示す編集領域50を表示する。すなわち、PC1は、第1オブジェクトイメージOI1および第2オブジェクトイメージOI2のうちX方向における長さが長い第2オブジェクトイメージOI2の前端位置が印刷領域イメージAIの前端位置となり、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置が印刷領域イメージAIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを変化させる。例えば、
図10の例では、PC1は、
図8に示したテープ長「50.0mm」からテープ長「32.0mm」にテープ長を変化させている。このように、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに中央配置機能が設定されると、テープイメージTIのX方向における中央にオブジェクトOJが配置され、且つ、できるだけテープイメージTIの長さが短くなるような印刷プレビューPPを表示する。
【0071】
ところで、PC1は、
図8に示した編集領域50から、
図10に示した編集領域50に表示を切り替える過程で、
図11および
図12に示す2つの配置データを生成している(
図7のステップS08およびステップS09参照)。これらの配置データは、PC1の内部処理において生成されるものであり、実際に編集領域50に表示されるものではない。配置データとは、例えば、テープイメージTI上におけるオブジェクトイメージOIの座標データを含むものである。座標データは、オブジェクトイメージ領域の4つの角部のうちいずれか基準位置となる角部の座標を示すものでもよいし、4つの角部の全ての座標を示すものでもよい。
【0072】
テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図8に示す状態で中央配置機能が設定されると、PC1は、第1配置データD1(
図11参照)を生成する。
図11に示すように、第1配置データD1は、テープイメージTI上において、第1オブジェクトイメージOI1と第2オブジェクトイメージOI2との中央位置揃えを行ったような配置を示すデータである。
【0073】
次に、PC1は、第1配置データD1に基づいて、第2配置データD2(
図12参照)を生成する。
図12に示すように、第2配置データD2は、中央位置揃えが行われた2つのオブジェクトイメージOIを、これらのうちX方向における長さが長い第2オブジェクトイメージOI2の前端位置が印刷領域イメージAIの前端位置となるように移動させた配置を示すデータである。
【0074】
その後、PC1は、第2配置データD2に基づいて、
図10に示した編集領域50を表示し、テープ長を決定する。すなわち、PC1は、第2配置データD2が示す配置から、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの後端位置を変更して、テープイメージTIの長さ、すなわちテープ長を決定する。
【0075】
次に、対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIと、非対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIとが、テープイメージTI上に配置された場合の処理について説明する。
図13および
図14は、この場合の第1例を示す図である。
【0076】
図13の例において、選択マーク61が付加されている第1オブジェクトイメージOI1は、中央配置機能が設定されたとき、対象オブジェクトとなる第1オブジェクトOJ1のオブジェクトイメージOIである。また、
図13の例において、選択マーク61が付加されていない第2オブジェクトイメージOI2は、中央配置機能が設定されたとき、非対象オブジェクトとなる第2オブジェクトOJ2のオブジェクトイメージOIである。なお、選択マーク61が付加されていない第2オブジェクトイメージOI2は、オブジェクトイメージ領域の領域枠67を細線で示しているが、この領域枠67を示す細線は、実際に編集領域50に表示されるものではない。
【0077】
図13の例において、PC1は、テープ長自動機能により、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定している。また、
図13の例は、X方向において、テープイメージTIの前端位置から、余白イメージ長さILと、第1オブジェクトイメージOI1の長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置より-X方向にある。
【0078】
PC1は、
図13に示す状態で中央配置機能が設定されると、
図14に示す編集領域50を表示する。この場合、PC1は、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定する。この場合、テープイメージTIの前端位置に対する第2オブジェクトイメージOI2の位置は変わらないため、テープイメージTIの長さ、およびテープ長情報63は変化しない。
【0079】
次に、対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIと、非対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIとが、テープイメージTI上に配置された場合の処理の第2例について説明する。
【0080】
図15の例において、選択マーク61が付加されている第1オブジェクトイメージOI1は、中央配置機能が設定されたとき、対象オブジェクトとなる第1オブジェクトOJ1のオブジェクトイメージOIである。また、
図15の例において、選択マーク61が付加されていない第3オブジェクトイメージOI3は、中央配置機能が設定されたとき、非対象オブジェクトとなる第3オブジェクトOJ3のオブジェクトイメージOIである。
【0081】
また、
図15の例において、PC1は、テープ長自動機能により、第1オブジェクトイメージOI1の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定している。また、
図15の例は、X方向において、テープイメージTIの前端位置から、余白イメージ長さILと、第1オブジェクトイメージOI1の長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第3オブジェクトイメージOI3の後端位置より+X方向にある。
【0082】
PC1は、
図15に示す状態で中央配置機能が設定されると、
図16に示す編集領域50を表示する。この場合、PC1は、第1オブジェクトイメージOI1の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定する。
図16の例では、第1オブジェクトイメージOI1の前端位置が印刷領域イメージAIの前端位置となるように第1オブジェクトイメージOI1が-X方向に移動されたため、
図15に示す状態と比べてテープイメージTIの長さ、およびテープ長情報63が示すテープ長が短くなっている。
【0083】
以上説明したとおり、本実施形態に係るPC1は、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、オブジェクトOJの-X方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から-X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、オブジェクト後端位置から+X方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定する。これにより、ユーザーは、テープ長自動機能が選択されたときにおいて、テープT上にオブジェクトOJが見栄えよく配置され、且つ、できるだけテープ消費量が少なくなるような印刷結果を得ることができる。
【0084】
また、PC1は、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJに対し、中央配置属性を付与するため、中央配置機能の設定管理を容易に行うことができる。また、PC1は、中央配置属性が付与されたオブジェクトOJに対して移動やサイズ変更などの特定の操作が行われた場合、中央配置属性を解除するため、ユーザーが意図しない編集結果となることを抑制することができる。
【0085】
また、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに、対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIと、非対象オブジェクトのオブジェクトイメージOIとがテープイメージTI上に配置されている場合、
図13ないし
図16に示したようにテープ長を決定する。このように、PC1は、中央配置機能の対象となるオブジェクトOJと、対象とならないオブジェクトOJとをテープTに印刷する場合、両機能と、中央配置機能が設定されていないオブジェクトOJの配置とを生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。
【0086】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、表データ70を用いた流し込み印刷を行う場合について説明する。本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0087】
流し込み印刷とは、複数の行データを含む表データ70を取得し、取得した表データ70に基づいて、それぞれの行データに対応する複数のオブジェクトOJをテープTに印刷することを意味する。表データ70とは、例えばCSVデータや、表計算ソフトによって作成されたデータである。また、行データとは、表データ70の1行に含まれるデータである。ユーザーは、表データ70を予め作成しておき、その表データ70を用いて流し込み印刷を行うことにより、多数のテープTを連続して印刷するための編集操作を効率よく行うことができる。また、ユーザーは、流し込み印刷を行うことにより、PC1に対して1回の印刷指示操作を行うだけで、テープ印刷装置2に複数のテープTを印刷させることができる。
【0088】
本実施形態に係るPC1およびテープ印刷装置2のハードウェア構成は、
図4に示した第1実施形態に係るハードウェア構成と同様である。また、本実施形態に係るPC1の機能構成は、
図5に示した第1実施形態に係る機能構成と同様である。但し、本実施形態において、生成部120は、表データ70を取得し、取得した表データ70に含まれる複数の行データに基づいて、それぞれの行データに対応する複数のオブジェクトOJが印刷されるように印刷データを生成する。また、生成部120は、表データ70に含まれるいずれかの行データに対応するオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、表データ70に含まれる他の行データに対応するオブジェクトOJについても、中央配置機能が設定されたものとして、印刷データを生成する。
【0089】
図17は、表データ70の一例を示す図である。
図17に示す表データ70は、2行分の行データを含んでいる。また、それぞれの行データは、2列分のデータを含んでいる。このため、PC1は、
図17に示す表データ70を取得した場合、1つのテープイメージTIに対し、それぞれの列に対応する2つのオブジェクトイメージOIを配置させることが可能である。このように、PC1は、流し込み印刷を行う場合、行データに含まれる列数分のデータを流し込むことが可能である。若しくは、PC1は、表データ70に含まれる複数列のうちユーザーが選択した1以上の選択列のデータを流し込むことも可能である。
【0090】
なお、以下の説明において、表データ70の1行目A列のセルデータに対応するオブジェクトOJおよびオブジェクトイメージOIを、第1オブジェクトOJ1および第1オブジェクトイメージOI1と言う。また、表データ70の1行目B列のセルデータに対応するオブジェクトOJおよびオブジェクトイメージOIを、第2オブジェクトOJ2および第2オブジェクトイメージOI2と言う。また、表データ70の2行目A列のセルデータに対応するオブジェクトOJおよびオブジェクトイメージOIを、第3オブジェクトOJ3および第3オブジェクトイメージOI3と言う。また、表データ70の2行目B列のセルデータに対応するオブジェクトOJおよびオブジェクトイメージOIを、第4オブジェクトOJ4および第4オブジェクトイメージOI4と言う。
【0091】
図18は、テープ長自動機能が選択されたときにおいて、
図17の表データ70の1行目の行データが流し込まれた場合の編集領域50の表示例を示す図である。
図18の例は、中央配置機能が設定される前の状態を示しているため、第1オブジェクトイメージOI1の前端位置および第2オブジェクトイメージOI2の前端位置は、いずれも印刷領域イメージAIの前端位置に位置している。また、
図18の例は、テープ長自動機能により、第1オブジェクトイメージOI1と第2オブジェクトイメージOI2のうち、X方向における長さが長い第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さが決定されている。
【0092】
PC1は、
図18に示す状態で中央配置機能が設定されると、
図19に示す編集領域50を表示する。この場合、PC1は、2つのオブジェクトイメージOIに対しX方向における中央位置揃えを行う。また、PC1は、中央位置揃えを行った2つのオブジェクトイメージOIのうちX方向における長さが長い第2オブジェクトイメージOI2の前端位置から-X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの前端位置となり、且つ、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを変化させる。
【0093】
なお、PC1は、流し込み印刷時において、任意のセルデータに対応するオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定され、中央配置属性を付与すると、任意のセルデータと同じ列に属する他の行のセルデータに対応するオブジェクトOJについても、中央配置属性が付与されているものとして扱う。例えば、1行目A列のセルデータに対応する第1オブジェクトOJ1に対して中央配置機能が設定されると、2行目A列のセルデータに対応する第3オブジェクトOJ3にも中央配置属性が付与されているものとして扱う。
【0094】
図20は、
図19の後、
図17の表データ70の2行目の行データが流し込まれた場合の編集領域50の表示例を示す図である。
図19の例では、第1オブジェクトOJ1および第2オブジェクトOJ2に対して中央配置機能が設定されていたため、PC1は、第3オブジェクトOJ3および第4オブジェクトOJ4にも中央配置属性が付与されているものとして表示する。すなわち、PC1は、第3オブジェクトイメージOI3および第4オブジェクトイメージOI4に対しX方向における中央位置揃えを行う。また、PC1は、中央位置揃えを行った2つのオブジェクトイメージOIのうちX方向における長さが長い第4オブジェクトイメージOI4の前端位置から-X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置をテープイメージTIの前端位置とする。また、PC1は、第4オブジェクトイメージOI4の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを変化させる。このように、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに流し込み印刷が行われ、中央配置機能が設定されると、流し込まれる行データによってテープイメージTIの長さを変化させる。
【0095】
次に、流し込み印刷が行われる場合であって、流し込まれたオブジェクトOJに対し特定の操作が行われた場合の処理について説明する。
図21は、
図20の状態で、第4オブジェクトイメージOI4が+X方向に移動された場合の編集領域50の表示例を示す図である。この場合、PC1は、オブジェクトOJの編集設定としてテープ長自動機能が選択されているため、第4オブジェクトイメージOI4の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるように、テープイメージTIの長さを決定する。また、PC1は、第4オブジェクトOJ4に対して特定の操作が行われたため、第4オブジェクトOJ4の中央配置属性を解除している。また、PC1は、これに伴い、第4オブジェクトOJ4と対応する列が同じ第2オブジェクトOJ2について、中央配置属性が付与されていないものとして扱う。
【0096】
図22は、
図21の後、
図17の表データ70の1行目の行データが流し込まれた場合の編集領域50の表示例を示す図である。この場合、PC1は、第2オブジェクトOJ2について、中央配置属性が付与されていないものとして扱うため、X方向において、第2オブジェクトイメージOI2の前端位置を、
図21において第4オブジェクトイメージOI4の前端位置とする。
図22の例では、X方向において、テープイメージTIの前端位置から、余白イメージ長さILと、第1オブジェクトイメージOI1の長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置より-X方向にある。この場合、PC1は、第2オブジェクトイメージOI2の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定する。
【0097】
次に、流し込み印刷の対象となるオブジェクトOJが非対象オブジェクトとなり、流し込み印刷の対象とならないオブジェクトOJが対象オブジェクトとなる場合の処理について説明する。
図23は、
図17の表データ70の1行目A列のセルデータに対応し、且つ、非対象オブジェクトである第1オブジェクトOJ1の第1オブジェクトイメージOI1と、対象オブジェクトである第5オブジェクトOJ5の第5オブジェクトイメージOI5とが、テープイメージTI上に配置された編集領域50の表示例を示す図である。
【0098】
図23の例において、表データ70の1行目A列のセルデータに対応する第1オブジェクトOJ1には、中央配置属性が付与されていない。また、
図23の例において、第5オブジェクトOJ5は、楕円形の図形である。また、
図23の例において、PC1は、テープ長自動機能により、第1オブジェクトイメージOI1の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定している。また、
図23の例において、PC1は、中央配置機能の設定により、第5オブジェクトイメージOI5をテープイメージTIの中央に配意している。
【0099】
図24は、
図23の後、表データ70の2行目A列のセルデータが流し込まれた場合の編集領域50の表示例を示す図である。この場合、PC1は、第1オブジェクトOJ1と同じA列のセルデータに対応する第3オブジェクトOJ3について中央配置属性が付与されていないため、X方向において、第3オブジェクトイメージOI3の前端位置を、
図23において第1オブジェクトイメージOI1の前端位置とする。また、
図24の例では、X方向において、テープイメージTIの前端位置から、余白イメージ長さILと、中央配置属性が付与されている第5オブジェクトイメージOI5の長さと、を合計した長さだけ+X方向に離れた位置が、第3オブジェクトイメージOI3の後端位置より+X方向にある。この場合、PC1は、第5オブジェクトイメージOI5の後端位置から+X方向に余白イメージ長さILだけ離れた位置がテープイメージTIの後端位置となるようにテープイメージTIの長さを決定する。
【0100】
このように、PC1は、流し込み印刷の対象となるオブジェクトOJが非対象オブジェクトの場合も、流し込まれる行データによってテープイメージTIの長さを変化させる。また、これに伴い、PC1は、中央配置機能が設定されているオブジェクトOJのテープイメージTI上の配置も変化させる。
【0101】
以上、説明したとおり、第2実施形態に係るPC1は、流し込み印刷においても、テープ長自動機能が選択されたときに中央配置機能が設定されたとき、両機能を生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。
【0102】
以上、2つの実施形態を示したが、これらの実施形態によらず、以下の変形例を採用可能である。
[変形例1]
上記の実施形態では、オブジェクトOJの編集設定としてテープ横置きが選択された場合、すなわち文字のオブジェクトOJが横書きの場合を例示したが、テープ縦置きが選択された場合、すなわち文字のオブジェクトOJが縦書きの場合にも、上記の実施形態を応用可能である。
【0103】
なお、PC1は、オブジェクトOJの編集設定がテープ横置きからテープ縦置きに変更された場合、編集領域50において編集中の全てのオブジェクトOJについて、中央配置属性を解除することが好ましい。この場合、テープ横置とテープ縦置とで編集設定を変更する操作は、「特定の操作」の一例である。
【0104】
[変形例2]
上記の実施形態を、テープ印刷装置2に適用してもよい。すなわち、テープ印刷装置2が、
図5に示した各機能を実現してもよい。本変形例において、
図5に示した各機能は、いずれも印刷装置側CPU44aが、印刷装置側ROM44bに記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0105】
[変形例3]
「情報処理装置」は、PC1に代えて、スマートフォンなどの情報処理端末でもよい。また、テープ印刷アプリケーション30は、プログラムとして顧客に提供されてもよい。また、テープ印刷アプリケーション30を記録した記憶媒体が、顧客に提供されてもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0106】
[付記]
以下、印刷データ生成装置、印刷データ生成装置の制御方法、およびプログラムについて付記する。
PC1は、テープ印刷装置2に、第1方向に送られていくテープTに対してオブジェクトOJを印刷させる印刷データを生成するPC1であって、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトOJの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープTの第1方向における中央にオブジェクトOJを配置する中央配置機能のオブジェクトOJに対する設定と、を受け付ける受付部110と、印刷データを生成する生成部120と、を備え、生成部120は、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置するように、印刷データを生成する。
【0107】
PC1の制御方法は、テープ印刷装置2に、第1方向に送られていくテープTに対してオブジェクトOJを印刷させる印刷データを生成するPC1が、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトOJの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープTの第1方向における中央にオブジェクトOJを配置する中央配置機能のオブジェクトOJに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、印刷データを生成する生成ステップと、を実行し、生成ステップでは、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置するように、印刷データを生成する。
【0108】
テープ印刷アプリケーション30は、テープ印刷装置2に、第1方向に送られていくテープTに対してオブジェクトOJを印刷させる印刷データを生成するPC1に、ユーザーが指定した固定長となるようにテープ長を決定するテープ長固定機能と、オブジェクトOJの第1方向とは反対の第2方向における端部の位置であるオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置をテープ後端位置としてテープ長を決定するテープ長自動機能と、のいずれかの選択と、テープTの第1方向における中央にオブジェクトOJを配置する中央配置機能のオブジェクトOJに対する設定と、を受け付ける受付ステップと、印刷データを生成する生成ステップと、を実行させるプログラムであって、生成ステップでは、テープ長固定機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、固定長を維持したままテープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置し、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJの第1方向における端部の位置であるオブジェクト前端位置から第1方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、中央配置機能が設定されたオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することで、テープTの第1方向における中央に中央配置機能が設定されたオブジェクトOJを配置するように、印刷データを生成する。
【0109】
この構成によれば、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときにオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されたとき、両機能を生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。これにより、ユーザーは、テープ長自動機能が選択されたときにおいて、テープT上にオブジェクトOJが見栄えよく配置され、且つ、できるだけテープ消費量が少なくなるような印刷結果を得ることができる。
【0110】
上記のPC1において、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、中央配置機能が設定された複数のオブジェクトOJに対し第1方向における中央位置揃えを行い、中央配置機能が設定された複数のオブジェクトOJのうち第1方向における長さが最も長いオブジェクトOJである最長オブジェクトのオブジェクト前端位置から第1方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ前端位置となり、且つ、最長オブジェクトのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することが好ましい。
【0111】
この構成によれば、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに、複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されたときにも、両機能を生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。
【0112】
上記のPC1において、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、中央配置機能が設定された複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、テープT上において、複数のオブジェクトOJに対し第1方向における中央位置揃えを行った配置を示す第1配置データD1を生成し、第1配置データD1が示す配置から、中央位置揃えが行われた複数のオブジェクトOJを、最長オブジェクトのオブジェクト前端位置が、テープ前端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置となるように移動させた配置を示す第2配置データD2を生成し、第2配置データD2が示す配置から、最長オブジェクトのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置が、テープ後端位置となるようにテープ後端位置を変更して、テープ長を決定することが好ましい。
【0113】
この構成によれば、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに、テープT上に配置された複数のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されたときにも、両機能を生かした印刷結果が得られる印刷データを確実な工程で生成することができる。
【0114】
上記のPC1において、生成部120は、表データ70を取得し、取得した表データ70に含まれる複数の行データに基づいて、それぞれの行データに対応する複数のオブジェクトOJが印刷されるように印刷データを生成し、表データ70に含まれるいずれかの行データに対応するオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定されると、表データ70に含まれる他の行データに対応するオブジェクトOJについても、中央配置機能が設定されたものとして、印刷データを生成することが好ましい。
【0115】
この構成によれば、PC1は、流し込み印刷においても、テープ長自動機能が選択されたときに中央配置機能が設定されたとき、両機能を生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。
【0116】
上記のPC1において、生成部120は、オブジェクトOJが選択されている状態で中央配置機能が設定され、選択されているオブジェクトOJに中央配置属性が付与されていない場合、選択されているオブジェクトOJに対して中央配置属性を付与し、中央配置機能が設定されたときは、選択されているオブジェクトOJと、選択されていないが中央配置属性が予め付与されているオブジェクトOJと、をテープTの第1方向における中央に配置することが好ましい。
【0117】
この構成によれば、PC1は、中央配置属性を用いることで、中央配置機能の設定管理を容易に行うことができる。
【0118】
上記のPC1において、生成部120は、中央配置属性が付与されたオブジェクトOJに対し、移動およびサイズ変更の少なくとも一方を含む特定の操作が行われると、中央配置属性を解除することが好ましい。
【0119】
この構成によれば、PC1は、中央配置属性が付与されたオブジェクトOJに対し移動やサイズ変更が行われた場合、中央配置属性を解除するため、ユーザーが意図しない編集結果となることを抑制することができる。
【0120】
上記のPC1において、生成部120は、テープ長自動機能が選択されたときに、第1のオブジェクトOJに対して中央配置機能が設定された場合であって、第2のオブジェクトOJに対しては中央配置機能が設定されていない場合、テープ前端位置に対する第2のオブジェクトOJの位置は変えず、テープ前端位置から、第1余白長さXLと、第1のオブジェクトOJの長さと、を合計した長さだけ第2方向に離れた位置が、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置より第2方向にあるとき、第1のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となり、テープ前端位置から、第1余白長さXLと、第1のオブジェクトOJの長さと、を合計した長さだけ第2方向に離れた位置が、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置より第2方向にないとき、第2のオブジェクトOJのオブジェクト後端位置から第2方向に第1余白長さXLだけ離れた位置がテープ後端位置となるように、テープ長を決定することが好ましい。
【0121】
この構成によれば、PC1は、テープ長自動機能が選択されたときに、中央配置機能の対象となるオブジェクトOJと、中央配置機能の対象とならないオブジェクトOJとがある場合にも、両機能と、中央配置機能が設定されていないオブジェクトOJの配置と、を生かした印刷結果が得られる印刷データを生成することができる。
【符号の説明】
【0122】
1…PC、2…テープ印刷装置、30…テープ印刷アプリケーション、70…表データ、110…受付部、120…生成部、D1…第1配置データ、D2…第2配置データ、OJ…オブジェクト、T…テープ、XL…第1余白長さ。