(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092847
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】生体情報計測システム、及び電極体
(51)【国際特許分類】
A61B 5/256 20210101AFI20240701BHJP
A61B 5/291 20210101ALI20240701BHJP
A61B 5/276 20210101ALI20240701BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240701BHJP
A61B 5/026 20060101ALI20240701BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
A61B5/256 110
A61B5/291
A61B5/276
A61B5/256 220
A61B5/0245 B
A61B5/026
A61B5/02 310C
A61B5/02 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209041
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】那須 美恵子
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA10
4C017AA11
4C017AB02
4C017AB06
4C017AC16
4C017EE01
4C017FF17
4C017FF30
4C127AA03
4C127LL08
4C127LL13
(57)【要約】
【課題】計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を取得することができる生体情報計測システムを提供する。
【解決手段】生体の生体情報を計測する生体情報計測システムであって、前記生体に装着される装着部と、前記装着部に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出する情報検出部と、前記装着部に設けられ、前記情報検出部が前記生体に近づく接触方向に前記情報検出部を駆動する駆動部と、前記情報検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の生体情報を計測する生体情報計測システムであって、
前記生体に装着される装着部と、
前記装着部に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出する情報検出部と、
前記装着部に設けられ、前記情報検出部が前記生体に近づく接触方向に前記情報検出部を駆動する駆動部と、
前記情報検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を有する、
生体情報計測システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記情報検出部が前記生体情報を検出できない場合に、前記接触方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する、
請求項1に記載の生体情報計測システム。
【請求項3】
前記装着部に設けられ、前記生体に対する前記情報検出部の接触圧を検出する圧力検出部を有し、
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧に基づいて前記駆動部を制御する、
請求項1に記載の生体情報計測システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、前記駆動部の駆動を停止するように、前記駆動部を制御する、
請求項3に記載の生体情報計測システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、前記情報検出部が前記生体から離れる方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する、
請求項3に記載の生体情報計測システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力に満たない場合に、前記接触方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する、
請求項3に記載の生体情報計測システム。
【請求項7】
生体の生体情報を測定する生体情報計測用電極体であって、
前記生体に装着される基体と、
前記基体に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出する電極と、
前記基体に設けられ、前記電極を前記生体に近づく方向に前記電極を駆動するアクチュエータと、を有する、
電極体。
【請求項8】
前記基体に設けられ、前記生体に対する前記電極の接触圧を検出する圧力センサを有する、
請求項7に記載の電極体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報計測システム、及び電極体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザに装着され、脳波や脈拍等の生体情報を計測するデバイスが知られている。
【0003】
特許文献1には、ファイバプローブをセットしたヘルメットを被検者の頭部にかぶせて、給排気ポンプを作動させて、ヘルメットを硬化または伸張させ、ファイバプローブ先端を被験者頭部に密着させる計測器具装着用ヘルメットが開示されている。また、特許文献2には、弾力性を有するU字形構造体の内側に移動可能に固定された帯状のシートの内面に生体信号導出電極が設けられた生体電極保持載置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2004-248961号公報
【特許文献2】特開昭56-16103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の計測デバイスは、計測精度に重点が置かれる傾向があり装着性や使用性に難がある。また、簡便な計測デバイスも存在するが、電極構造や取り付け方法により、取得できる生体情報の品質を担保できない。さらに、従来の計測デバイスは、体動などの影響により、計測が不安定になることがある。
【0006】
本発明の課題は、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を取得することができる生体情報計測システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、生体の生体情報を計測する生体情報計測システムであって、前記生体に装着される装着部と、前記装着部に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出する情報検出部と、前記装着部に設けられ、前記情報検出部が前記生体に近づく接触方向に前記情報検出部を駆動する駆動部と、前記情報検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】生体情報計測システムの第1実施形態(脳波を計測するデバイス)を示す図である。
【
図2】第1実施形態のデバイスが頭部に接触する前の状態を示す図である。
【
図3】第1実施形態のデバイスが頭部に接触した状態を示す図である。
【
図5】生体情報計測システムを実行するためのフローチャートの一例を示す図である。
【
図6】生体情報計測システムを実行するためのフローチャートの一例を示す図である。
【
図7】生体情報計測システムを実行するためのフローチャートの一例を示す図である。
【
図8】生体情報計測システムを実行するためのフローチャートの一例を示す図である。
【
図9】生体情報計測システムの第2実施形態(脈波を計測するデバイス)が腕に接触する前の状態を示す図である。
【
図10】第2実施形態のデバイスが腕に接触した状態を示す図である。
【
図11】生体情報計測システムの第3実施形態(脈波を計測するデバイス)が腕に接触した状態を示す図である。
【
図12】第4実施形態のデバイスが腕に接触する前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図における各部材の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
本実施形態の生体情報計測システムは、生体の生体情報を計測するシステムである。ここで、生体は、特に限定されず、例えば、人、動物等が対象となるが、好ましくは人である。また、生体情報は、特に限定されず、例えば、脳波、心拍数、脈拍、脈波、血流、筋電位等が対象となる。
【0012】
図1~
図3は、生体情報計測システムの第1実施形態を構成するデバイス100を示す。第1実施形態のデバイス100は、ユーザPの頭部Hに装着され、脳波を計測するデバイスである。デバイス100は、装着部10、電極体20、30を有する。
【0013】
装着部10は、生体に装着される基体である。第1実施形態では、装着部10は、人であるユーザPの頭部Hに装着され、電極体20、30をユーザPに装着する機能を有する。
【0014】
装着部10の形態は、特に限定されないが、装着部10の少なくとも一部は、付勢部材で構成することが好ましい。すなわち、装着部10は、その一部が付勢部材で構成されていてもよく、装着部10の全部が付勢部材で構成されていてもよい。本実施形態では、装着部10の全部が付勢部材で構成されている。付勢部材の材質は、特に限定されず、例えば、樹脂、金属等を用いることができる。
【0015】
装着部10の構造は、特に限定されない。装着部10は、生体情報計測システムが脳波を計測する場合は、ユーザPの頭部Hに係止される形状を有する(
図1~
図3参照)。装着部10は、例えば、ベルト形、アーチ形である。このような形状の装着部10は、ヘッドバンド等として機能し得る(
図1)。デバイス100は、このように装着部10を介してユーザPに装着されることで、ウェアラブルデバイスを構成することができる。
【0016】
電極体20は、センサ電極として機能し、ユーザPの頭部H(前頭部)に装着される。また、電極体30は、電極体20の対向電極(基準電極)としてユーザPの頭部H(側頭部)に装着される(
図1、
図2)。
【0017】
電極体20は、さらに情報検出部40、駆動部50、圧力検出部60、制御部110、電源120、記憶部130、表示部140で構成されている。電極体20において、情報検出部40、駆動部50、圧力検出部60、電源120、記憶部130、表示部140は、制御部110に通信可能に接続されている(
図4)。
【0018】
情報検出部40は、装着部10に設けられている。第1実施形態では、情報検出部40は、装着部10との間に駆動部50を挟んで設けられている(
図2)。
【0019】
情報検出部40は、生体に接触して生体情報を検出するセンサである。第1実施形態では、情報検出部40は、制御部110の制御により、ユーザPの頭部に接触して脳波を生体情報として検出し得る。情報検出部40の態様は、特に限定されず、例えば、パッド、プローブ等である。
【0020】
駆動部50は、装着部10に設けられている。第1実施形態では、駆動部50は、情報検出部40と圧力検出部60の間に設けられている(
図2)。
【0021】
駆動部50は、情報検出部40が生体に近づく接触方向(CD方向)に情報検出部40を駆動する。第1実施形態では、駆動部50は、制御部110の制御により、情報検出部40がユーザPの頭部Hに接触する状態になるまで情報検出部40を駆動する。
【0022】
駆動部50の態様は、特に限定されない。駆動部50としては、例えば、エアシリンダ、圧電素子(ピエゾ素子)、人工筋肉等のアクチュエータが用いられる。
【0023】
圧力検出部60は、装着部10に設けられ、生体に対する情報検出部40の接触圧を検出する。圧力検出部60の態様は、特に限定されず、例えば、圧力センサが用いられる。第1実施形態では、圧力検出部60は、装着部10と駆動部50の間に設けられているが、圧力検出部60の配置位置は、これに限定されない。例えば、装着部10に駆動部50が設けられ、駆動部50と情報検出部40の間に圧力検出部60が配置されていてもよい。
【0024】
接触圧は、検出する生体情報の種類に応じて異なる。例えば、検出する生体情報が脳波の場合は、接触圧は頭部に対する情報検出部40の接触圧である。また、検出する生体情報が脈波の場合は、接触圧は腕に対する情報検出部40の接触圧である。
【0025】
制御部110は、情報検出部40の検出結果に基づいて駆動部50を制御する。第1実施形態では、制御部110は、情報検出部40が検出した脳波の波形から、駆動部50を制御する。
【0026】
制御部110は、例えば、中央演算処理装置(CPU)を有するマイクロプロセッサ等で構成され、情報の演算、記憶、転送、入力、出力等の各処理を行う。なお、CPUは、制御部110と別個に構成してもよい。
【0027】
制御部110を配置する態様は、特に限定されず、デバイス100内に制御部110を設けることができる。また、制御部110は、デバイス100から離れた場所に配置し、有線または無線によりデバイス100と通信可能に接続してもよい。さらに、制御部110は、スマートフォンやタブレット端末等の外部機器でインストールされたアプリケーションを用いて制御するものでもよい。
【0028】
記憶部130は、制御部110の制御により、CPUが処理を実行する際に演算する情報を記憶する一時記憶装置を構成する。なお、記憶部130は、デバイス100(例えば、制御部110)内に設けられていてもよい。
【0029】
また、記憶部130は、デバイス100と別個に構成されていてもよい。この場合は、デバイス100の外側に有線または無線により通信可能なハードディスクドライブ(HDD)、該HDDを接続可能なモジュラージャック等の補助装置(図示せず)を備えていてもよい。
【0030】
電源120は、デバイス100内またはデバイス100と別個に設けることができる。電源120は、例えば、図示しない電池、電源回路、充放電制御回路、及び充電端子を有する。
【0031】
電池は、充放電制御回路に通電可能に接続され、デバイス100の電力源を構成する。電源回路は、制御部110及び充放電制御回路に通電可能に接続されている。
【0032】
電源回路では、充放電制御回路を介して電池が放電した電力がデバイス100に供給される。なお、電源回路は、情報検出部40、駆動部50、圧力検出部60、制御部110に通電可能に接続して、情報検出部40、駆動部50、圧力検出部60に直接電力を供給してもよい。
【0033】
充放電制御回路は、電池、電源回路、充電端子に通電可能に接続されている。充放電制御回路では、制御部110の制御により、電池の充放電が行われる。
【0034】
充電端子は、充放電制御回路に通電可能に接続されている。充電端子では、充放電制御回路を介して電池に充電する電力が外部から取り込まれる。
【0035】
また、デバイス100では、操作スイッチ(図示せず)が、制御部110に通信可能に接続されている。ユーザPは、操作スイッチを操作することにより、デバイス100のオン-オフ、処理の仕様等を切り替えることができる。
【0036】
表示部140は、任意に設けられ、制御部110の制御により、情報検出部40検出結果(例えば、脳波、心拍数、脈拍、脈波、血流、筋電位等)、圧力検出部60が検出した接触圧等を表示する。表示部140の態様は、特に限定されないが、例えば、ディスプレイ等である。表示部140の位置は、特に限定されず、例えば、有線または無線によりデバイス100と通信可能に接続されたモニターに設置することができる。
【0037】
図5~
図8は、生体情報計測システムを実行するためのフローチャートの一例を示す。
なお、
図6~
図7において、
図5と共通する部分については、説明を省略する。
【0038】
まず、
図5の例では、デバイス100をユーザPに装着した状態で、駆動部50が情報検出部40を駆動する(S11)。具体的には、情報検出部40がユーザPに近づく接触方向(CD方向)に駆動部50が情報検出部40を駆動する。第1実施形態では、ユーザPの頭部Hに近づく方向に情報検出部40が駆動される(
図2、
図3)。
【0039】
次に、情報検出部40が生体情報を検出できるか否かを判定する(S12)。ここで、生体情報は、第1実施形態の場合は、脳波であり、後述する第2実施形態~第4実施形態の場合は、脈波等である。生体情報を検出できるか否かを判定する基準は、生体情報が例えば脳波の場合は、脳波の波形が鮮明である場合は、生体情報を検出できると判定し、脳波の波形が不鮮明または認識できない場合は、生体情報を検出できないと判定する。
【0040】
ステップS12で、生体情報を検出できると判定した場合は、ステップS13に進み、生体情報を検出し、生体情報を検出できないと判定した場合は、ステップS11に戻り、再び、駆動部50が情報検出部40を駆動する。
【0041】
ステップS13で生体情報を検出した後、ステップS14に進み、さらに生体情報の検出を続ける場合は、ステップS12に戻り、生体情報の検出を継続する。ステップS14で、生体情報の検出を続けない場合は、生体情報の検出を終了する。
【0042】
また、
図6の例では、ステップS21で、駆動部50が情報検出部40を駆動した後、生体に対する情報検出部40の接触圧を検出する(S21)。具体的には、圧力検出部60が、制御部110の制御により、ユーザPに対する情報検出部40の接触圧を検出する。
【0043】
接触圧は、第1実施形態では、圧力検出部60が、ユーザPの頭部Hに対する情報検出部40の接触圧である。
【0044】
次に、接触圧が基準圧力を超えたか否かを判定する(S23)。ここで、基準圧力は、接触圧を検出する対象(頭部、腕)や検出する生体情報(脳波、心拍数等)に応じて任意に定められる。例えば、生体情報が脳波の場合は、基準圧力は、脳波の波形が鮮明に検出される程度の圧力に定めればよい。
【0045】
ステップS23で接触圧が基準圧力を超えたと判定した場合は、ステップS24に進み、駆動部50の駆動を停止する。その後、ステップS21に戻り、再び、駆動部50が情報検出部40を駆動する。このとき、駆動部50は、情報検出部40が生体から離れる方向(CD方向と反対の方向)に情報検出部40を駆動するように制御される。
【0046】
ステップS23で接触圧が基準圧力を超えていないと判定した場合は、ステップS25に進み、生体情報を検出できるか否かを判定する。ステップS25で、生体情報を検出できると判定した場合は、ステップS26に進み、生体情報を検出する。その後は、
図5の例と同様である(S27)。
【0047】
一方、ステップS23で生体情報を検出できないと判定した場合は、ステップS21に戻り、再び、駆動部50が情報検出部40を駆動する。その後は、S22~S27のステップを繰り返す。
【0048】
また、
図7の例では、
図6の例と同様に、接触圧が基準圧力を超えたか否かを判定する(S31~S33)。ステップS33で、接触圧が基準圧力を超えたと判定した場合は、ステップS34に進み、駆動部50は、情報検出部40が生体から離れる方向(CD方向と反対の方向)に情報検出部40を駆動する。
【0049】
第1実施形態では、ユーザPの頭部Hから離れる方向に情報検出部40が駆動される。後述の第2実施形態および第3実施形態では、ユーザの腕Aから離れる方向に情報検出部40が駆動される。
【0050】
ステップS33で、接触圧が基準圧力を超えていないと判定した場合は、ステップS35に進み、生体情報を検出できるか否かを判定する。ステップS25で、生体情報を検出できると判定した場合は、ステップS26に進み、生体情報を検出する。その後は、
図5、
図6の例と同様である(S37)。
【0051】
一方、ステップS33で生体情報を検出できないと判定した場合は、ステップS31に戻り、情報検出部40がユーザPに近づく接触方向(CD方向)に情報検出部40を駆動する。その後は、S32~S37のステップを繰り返す。
【0052】
また、
図8の例では、
図6の例と同様に、生体に対する情報検出部40の接触圧を検出し(S41、S42)、その後、接触圧が基準圧力を満たすか否かを判定する(S43)。
【0053】
ステップS43で接触圧が基準圧力に満たない(YES)と判定した場合は、ステップS41に戻り、再び、駆動部50が情報検出部40を駆動する。その後は、S41~S43のステップを繰り返す。一方、ステップS43で接触圧が基準圧力を満たす(NO)と判定した場合は、S44に進み、ステップS44に進み、生体情報を検出できるか否かを判定する。
【0054】
ステップS44で生体情報を検出できると判定した場合は、ステップS45に進み、生体情報を検出する。その後は、
図5、
図6、
図7の例と同様である(S45、S46)。一方、ステップS44で生体情報を検出できないと判定した場合は、ステップS41に戻り、再び、駆動部50が情報検出部40を駆動する。その後は、S42~S46のステップを繰り返す。
【0055】
図9、
図10は、生体情報計測システムの第2実施形態を構成するデバイス200を示す。なお、
図9、
図10において、
図2、
図3と共通する部分には、同一のまたは対応する符号を付して説明を省略する。
【0056】
第2実施形態のデバイス200は、ユーザの腕Aに装着され、脈波や血流等を計測するデバイスである。デバイス200は、装着部10、電極体20を有する。
【0057】
第2実施形態では、装着部10は、ユーザの腕A(例えば、手首)に装着され、電極体20をユーザPに装着する機能を有する。装着部10は、例えば、リング形である。このような形状の装着部10は、リストバンド等として機能し得る(
図9)。デバイス200は、このように装着部10を介してユーザPに装着されることで、ウェアラブルデバイスを構成することができる。
【0058】
デバイス200における装着部10の形態は、特に限定されないが、サイズ調整ができるように構成することが好ましい。装着部10の材質は、特に限定されず、例えば、樹脂、金属等を用いることができる。
【0059】
デバイス200では、電極体20の駆動部50は、ユーザの腕Aに近づく方向またはユーザの腕Aから離れる方向に情報検出部40が駆動され、接触圧が調整される(
図9、
図10)。
【0060】
デバイス200では、圧力検出部60が検出する接触圧は、ユーザの腕Aに対する情報検出部40の接触圧である。
【0061】
図11は、生体情報計測システムの第3実施形態を構成するデバイス300を示す。なお、
図11において、
図3、
図11と共通する部分には、同一のまたは対応する符号を付して説明を省略する。
【0062】
第3実施形態のデバイス300は、ユーザの腕Aに装着され、脈波や血流等を計測するデバイスである。デバイス300は、電極体20がさらに膨出部70で構成されている。膨出部70は、装着部10の内側に設けられている。
【0063】
膨出部70の形態は、特に限定されず、例えば、内部が中空の可撓性部材(例えば、エラストマー等)で構成することができる。この場合、駆動部50はポンプで構成され、このポンプから膨出部70にエアーが供給され、膨出部70が膨張する。また、ポンプで構成された駆動部50は、減圧機構を備え、膨出部70からエアーを抜き取って膨出部70が収縮する。
【0064】
このように、デバイス200では、ポンプで構成された駆動部50のエアー供給または減圧による膨出部70の膨張、収縮により、ユーザの腕Aに近づく方向またはユーザの腕Aから離れる方向に情報検出部40が駆動される(
図9、
図10)
【0065】
図12は、生体情報計測システムの第4実施形態を構成するデバイス400を示す。なお、
図12において、
図3、
図9と共通する部分には、同一のまたは対応する符号を付して説明を省略する。
【0066】
第4実施形態のデバイス400は、ユーザの腕Aに装着され、脈拍、脈波、血流等を計測するデバイスである。デバイス300は、装着部10が伸縮する伸縮部材80で構成されて電極体20の一部を構成する。
【0067】
伸縮部材80の形態は、特に限定されず、例えば、巻き取り機構(プーリー)、人工筋肉等で構成することができる。この場合、装着部10(伸縮部材80)は、実質的に駆動部を構成し、装着部10そのものが伸張、収縮することで、ユーザの腕Aに近づく方向またはユーザの腕Aから離れる方向に情報検出部40が駆動され、接触圧が調整される(
図12)。
【0068】
本実施形態は、上述のように、生体の生体情報を計測する生体情報計測システムが、生体に装着される装着部10と、生体に接触して生体情報を検出する情報検出部40と、情報検出部40が生体に近づく接触方向に情報検出部40を駆動する駆動部50と、情報検出部40の検出結果に基づいて駆動部50を制御する制御部110とを有する。これにより、本実施形態では、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を取得することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上述のように、情報検出部40が生体情報を検出できない場合に、接触方向に情報検出部40を駆動するように、制御部110が駆動部50を制御する。これにより、本実施形態では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触状態を維持することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上述のように、生体に対する情報検出部40の接触圧を検出する圧力検出部60を有し、圧力検出部60で検出した接触圧に基づいて制御部110が駆動部50を制御する。これにより、本実施形態では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触圧を調整することができるため、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を確実に取得することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上述のように、圧力検出部60で検出した接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、駆動部50の駆動を停止するように、制御部110が駆動部50を制御する。これにより、本実施形態では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触圧を正確に調整することができるため、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報をより確実に取得することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上述のように、圧力検出部60で検出した接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、情報検出部が生体から離れる方向に情報検出部40を駆動するように、制御部110が駆動部50を制御する。これにより、本実施形態では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触圧をより正確に調整することができるため、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報をさらに確実に取得することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上述のように、圧力検出部60で検出した接触圧が所定の基準圧力に満たない場合に、接触方向に情報検出部40を駆動するように、制御部110が駆動部を制御する。これにより、本実施形態では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触圧を維持することができるため、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報をより確実に取得することができる。
【0074】
また、本実施形態の電極体では、上述のように、生体の生体情報を測定する生体情報計測用電極体が、生体に装着される基体(装着部10)と、基体10に設けられ、生体に接触して生体情報を検出するセンサ(情報検出部40)と、基体10に設けられ、センサ40を生体に近づく方向にセンサ40を駆動するアクチュエータ(駆動部50)と、を有する。
【0075】
これにより、本実施形態の電極体では、上述の生体情報計測システムと同様の効果得られる。すなわち、本実施形態の電極体では、本実施形態の計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を取得することができる。
【0076】
また、本実施形態の電極体では、上述のように、基体(装着部10)に設けられ、生体に対するセンサ(情報検出部40)の接触圧を検出する圧力センサ(圧力検出部60)を有する。
【0077】
これにより、本実施形態の電極体では、上述の生体情報計測システムと同様の効果得られる。すなわち、本実施形態の電極体では、ユーザの体動に応じて生体に対する情報検出部の接触圧を調整することができるため、計測が不安定になる環境下でも品質の高い生体情報を確実に取得することができる。
【0078】
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
【0079】
(付記1)
生体の生体情報を計測する生体情報計測システムであって、
前記生体に装着される装着部と、
前記装着部に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出する情報検出部と、
前記装着部に設けられ、前記情報検出部が前記生体に近づく接触方向に前記情報検出部を駆動する駆動部と、
前記情報検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部と、を有する、生体情報計測システム。
【0080】
(付記2)
前記制御部は、前記情報検出部が前記生体情報を検出できない場合に、前記接触方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する、付記1に記載の生体情報計測システム。
【0081】
(付記3)
前記装着部に設けられ、前記生体に対する前記情報検出部の接触圧を検出する圧力検出部を有し、
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧に基づいて前記駆動部を制御する、
付記1または2に記載の生体情報計測システム。
【0082】
(付記4)
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、前記駆動部の駆動を停止するように、前記駆動部を制御する、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の生体情報計測システム。
【0083】
(付記5)
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力を超えた場合に、前記情報検出部が前記生体から離れる方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する、
付記1乃至4のいずれか1つに記載の生体情報計測システム。
【0084】
(付記6)
前記制御部は、前記圧力検出部で検出した前記接触圧が所定の基準圧力に満たない場合に、前記接触方向に前記情報検出部を駆動するように前記駆動部を制御する
付記1乃至5のいずれか1つに記載の生体情報計測システム。
【0085】
(付記7)
生体の生体情報を測定する生体情報計測用電極体であって、
前記生体に装着される基体と、
前記基体に設けられ、前記生体に接触して前記生体情報を検出するセンサと、
前記基体に設けられ、前記センサを前記生体に近づく方向に前記センサを駆動するアクチュエータと、を有する、電極体。
【0086】
(付記8)
前記基体に設けられ、前記生体に対する前記センサの接触圧を検出する圧力センサを有する、付記7に記載の電極体。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
100、200、300、400 デバイス
10 装着部(基体)
20、30 電極体
40 情報検出部
50 駆動部
60 圧力検出部
70 膨出部
80 伸縮部材
110 制御部
120 電源
130 記憶部
140 表示部
P ユーザ
H 頭部
A 腕
CD 接触方向