(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092861
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】釣用リール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/015 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
A01K89/015 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209071
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸平
(72)【発明者】
【氏名】中川 勝二
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108EB00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パーミング性を向上することができる釣用リールを提供する。
【解決手段】両軸受リールは、リール本体と、スプール軸13と、電池ケース15と、第2側カバー7と、着脱機構17と、を備える。電池ケース15は、スプール軸13の軸方向においてスプール軸13の外側に配置される。第2側カバー7は、リール本体に装着される。第2側カバー7は、電池ケース15をスプール軸13の軸方向に露出させる孔部7aを有する。着脱機構17は、第2側カバー7をリール本体に着脱可能なように構成される。着脱機構17は、第1係合部31と、第2係合部33と、を有する。第1係合部31は、リール本体に設けられる。第2係合部33は、第2側カバー7に設けられる。第2係合部33は、第1係合部31に対して相対的に揺動し、第1係合部31と係脱する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体と、
前記リール本体に支持されるスプール軸と、
前記リール本体に設けられ、前記スプール軸の軸方向において前記スプール軸の外側に配置される電池ケースと、
前記電池ケースを収容し、前記リール本体に装着され、前記電池ケースを前記スプール軸の軸方向に露出させる孔部を有するカバー部と、
前記カバー部を前記リール本体に着脱可能なように構成される着脱機構と、
を備え、
前記着脱機構は、
前記リール本体に設けられる第1係合部と、
前記カバー部に設けられ、前記第1係合部に対して前記孔部に沿って相対的に移動し、前記第1係合部と係脱する第2係合部と、を有する、
釣用リール。
【請求項2】
前記第2係合部は、前記カバー部に装着され、前記カバー部に対して揺動可能に設けられる、
請求項1に記載の釣用リール。
【請求項3】
前記第1係合部、および、前記第2係合部のいずれか一方は、前記孔部に沿う方向に開口する凹部を有し、
前記第1係合部、および、前記第2係合部のいずれか他方は、前記凹部に係合する凸部を有する、
請求項1又は2に記載の釣用リール。
【請求項4】
前記凹部は、前記スプール軸の軸方向に傾斜するカム面を有する、
請求項3に記載の釣用リール。
【請求項5】
前記着脱機構は、前記第1係合部、または、前記第2係合部を相対的に移動させる操作部を、さらに有する、
請求項1又は2に記載の釣用リール。
【請求項6】
前記リール本体は、径方向外側に開口し、前記操作部の一部を収容する収容部を有する、
請求項5に記載の釣用リール。
【請求項7】
前記電池ケースは、前記リール本体の側部に装着されるケース本体と、前記ケース本体に着脱可能に装着され外周面を有する蓋部材と、を有し、
前記蓋部材の外周面は、前記孔部の内周に配置される、
請求項1又は2に記載の釣用リール。
【請求項8】
前記孔部は、円形に形成され、
前記第2係合部は、揺動軸心を有し、前記第1係合部に対して前記揺動軸心まわりの揺動方向に相対的に揺動する、
請求項1又は2に記載の釣用リール。
【請求項9】
前記揺動軸心は、前記スプール軸の軸心に対してオフセットする、
請求項8に記載の釣用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の釣用リールには、電池で動作する電気部品を搭載したものがある。例えば、特許文献1の両軸受リールでは、スプールの回転を検知するためのセンサが、電気部品として開示されている。このタイプの両軸受リールでは、センサは、ボタン型電池から電力が供給される。ボタン型電池は、電池ケースに収容される。
【0003】
電池ケースは、リール本体の側面に配置される。電池ケースは、有底筒状のケース本体と、蓋部材と、を有する。蓋部材は、ケース本体の開口を覆う。蓋部材は、ケース本体に対して着脱可能に装着される。電池ケースは、側カバーによって覆われる。側カバーは、リール本体の側面に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の両軸受リールでは、ボタン型電池がケース本体に配置された状態で、ボタン型電池が蓋部材によって覆われ、蓋部材が側カバーによってさらに覆われる。このため、リール本体の側面から側カバーの外面までの軸方向距離、すなわち、両軸受リールの側部の厚みが増える。その結果として、パーミング性が低下するおそれがある。
【0006】
他の従来の両軸受リールでは、側カバーが環状に形成されるものがある。このタイプの両軸受リールでは、環状の側カバーの内周部には、電池ケースのケース本体の外周部、および、電池ケースのケース本体の開口を覆う蓋部材が、配置される。この状態において、蓋部材の外面は外部に露出し、蓋部材の外面には蓋部材の着脱用の工具溝が、形成される。
【0007】
この場合、蓋部材の外面を凹ませるための厚みを、蓋部材に確保する必要がある。この蓋部材の厚みの増加によって両軸受リールの側部の厚みが増えるので、パーミング性が低下するおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、パーミング性を向上することができる釣用リールを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面に関して、釣用リールは、リール本体と、スプール軸と、電池ケースと、カバー部と、着脱機構と、を備える。スプール軸は、リール本体に支持される。電池ケースは、リール本体に設けられる。電池ケースは、スプール軸の軸方向においてスプール軸の外側に配置される。
【0010】
カバー部は、電池ケースを収容する。カバー部は、リール本体に装着される。カバー部は、電池ケースをスプール軸の軸方向に露出させる孔部を有する。着脱機構は、カバー部をリール本体に着脱可能なように構成される。着脱機構は、第1係合部と、第2係合部と、を有する。第1係合部は、リール本体に設けられる。第2係合部は、カバー部に設けられる。第2係合部は、第1係合部に対して孔部に沿って相対的に移動し、第1係合部と係脱する。
【0011】
第1の側面に係る釣用リールでは、電池ケースがカバー部の孔部からスプール軸の軸方向に露出する。これにより、釣用リールの側部の厚みの増加を低減することができ、釣用リールのパーミング性を向上することができる。
【0012】
また、本釣用リールでは、カバー部が着脱機構を介してリール本体に対して着脱される。第2係合部を第1係合部と相対的に揺動することによって、第2係合部は第1係合部と係脱する。
【0013】
例えば、第2係合部が第1係合部と係合する場合、カバー部がリール本体に装着される。第1係合部に対する第2係合部の係合が解除された場合、カバー部がリール本体から取り外される。この状態において、釣り人は、電池ケースにアクセスすることができ、電池交換を行うことができる。
【0014】
このように、本釣用リールでは、電池交換が行うための工具用の構造を用意する必要がないので、従来技術と比較して、釣用リールの側部の厚みの増加を低減することができ、釣用リールのパーミング性を向上することができる。
【0015】
本発明の第2の側面に関して、第1の側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。第2係合部は、カバー部に装着され、カバー部に対して揺動可能に設けられる。この構成では、第2係合部をカバー部に対して揺動させることによって、第2係合部を第1係合部と係脱することができる。
【0016】
本発明の第3の側面に関して、第1又は第2の側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。第1係合部、および、第2係合部のいずれか一方は、孔部に沿う方向に開口する凹部を有し、第1係合部、および、第2係合部のいずれか他方は、凹部に係合する凸部を有する。この構成によって、第2係合部を第1係合部と確実に係脱することができる。
【0017】
本発明の第4の側面に関して、第3の側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。凹部は、スプール軸の軸方向に傾斜するカム面を有する。この構成によって、第2係合部を第1係合部とスムーズに係脱することができる。
【0018】
本発明の第5の側面に関して、第1から第4のいずれか1つの側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。着脱機構は、第1係合部、または、第2係合部を相対的に移動させる操作部を、さらに有する。この構成では、操作部を操作することによって、第2係合部を第1係合部と容易に係脱することができる。
【0019】
本発明の第6の側面に関して、第5の側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。リール本体は、径方向外側に開口し、操作部の一部を収容する収容部を有する。この構成によって、操作部をリール本体の径方向外側から容易に操作することができる。
【0020】
本発明の第7の側面に関して、第1から第6のいずれか1つの側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。電池ケースは、ケース本体と、蓋部材と、を有する。ケース本体は、リール本体の側部に装着される。蓋部材は、ケース本体に着脱可能に装着される。蓋部材は、外周面を有する。蓋部材の外周面は、カバー部の孔部の内周に配置される。この構成によって、釣用リールの側部の厚みの増加を低減することができ、釣用リールのパーミング性を好適に向上することができる。
【0021】
本発明の第8の側面に関して、第1から第7のいずれか1つの側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。孔部は、円形に形成される。第2係合部は、揺動軸心を有する。第2係合部は、第1係合部に対して揺動軸心まわりの揺動方向に相対的に揺動する。この構成によって、第2係合部を第1係合部に対して好適に移動させることができる。
【0022】
本発明の第9の側面に関して、第8の側面に係る釣用リールは、以下のように構成される。揺動軸心は、スプール軸の軸心に対してオフセットする。この構成によって、着脱機構のレイアウトの自由度を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、釣用リールのパーミング性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態による両軸受リールの外観斜視図。
【
図2】リール本体と、第2側カバー、スプール軸と、電池ケースと、着脱機構との分解斜視図。
【
図3】第2側部の機構装着板および第1係合部の側面図。
【
図5】第2側カバーを内側から見た場合における、着脱機構を構成する第2係合部および保持部材と、第2側カバーの側面図。
【
図6】第1係合部および第2係合部の係脱を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態が採用された両軸受リール1は、
図1に示すように、リール本体3と、第1側カバー5と、第2側カバー7(カバー部の一例)と、スプール9と、ハンドル11と、を備える。
図2に示すように、両軸受リール1は、スプール軸13と、電池ケース15と、着脱機構17と、をさらに備える。
【0026】
なお、以下では、スプール軸13の軸心X1が延びる方向が、スプール軸13の軸方向と記される。スプール軸13の軸心X1から離れる方向が、スプール軸13の径方向と記される。スプール軸13の軸心X1まわりの方向が、スプール軸13の周方向と記される。
【0027】
図1に示すように、リール本体3は、第1側部21と、第2側部23と、複数の連結部25と、を有する。
図2に示すように、リール本体3は、収容孔部27(収容部の一例)をさらに有する。
【0028】
第1側部21、および、第2側部23は、スプール軸13の軸方向において、互いに間隔を隔てて配置される。第2側部23は、側部本体23aと、機構装着板23bと、を有する。側部本体23aは、環状に形成される。
【0029】
機構装着板23bは、側部本体23aに固定される。機構装着板23bには、電池ケース15が装着される。複数の連結部25は、第1側部21、および、側部本体23aを連結する。第1側部21、側部本体23a、および、複数の連結部25は、一体的に形成される。
【0030】
図2に示すように、収容孔部27は、後述する第2係合部33の操作部33cの一部を収容するために用いられる。収容孔部27は、側部本体23aに設けられる。収容孔部27は、後述する第2係合部33の揺動軸心X2から離れる径方向において、側部本体23aを貫通する。収容孔部27は、第2係合部33の揺動軸心X2から離れる径方向に開口する。
【0031】
図1に示すように、第1側カバー5は、スプール軸13の軸方向において、第1側部21の軸方向外側に配置される。第1側カバー5は、第1側部21を覆う。例えば、第1側カバー5は、ハンドル11側で第1側部21を覆う。第1側カバー5は、リール本体3、例えば、第1側部21に装着される。
【0032】
図1に示すように、第2側カバー7は、スプール軸13の軸方向において、第2側部23の軸方向外側に配置される。第2側カバー7は、ハンドル11とは反対側で第2側部23を覆う。第2側カバー7は、リール本体3、例えば、第2側部23に装着される。
【0033】
具体的には、
図2に示すように、第2側カバー7は、着脱機構17を介して、第2側部23に装着される。より具体的には、第2側カバー7は、着脱機構17を介して、第2側部23の機構装着板23bに装着される。
【0034】
図1に示すように、第2側カバー7は電池ケース15を収容する。例えば、
図1、および、
図2に示すように、第2側カバー7は、孔部7aを有する。孔部7aは、電池ケース15をスプール軸13の軸方向に露出させるために形成される。孔部7aは、第2側カバー7を貫通する。孔部7aは円形に形成される。スプール軸の軸心X1は、孔部7aの中心を通過する。
【0035】
図1に示すスプール9は、リール本体3に対して回転可能に支持される。例えば、スプール9は、
図2に示すスプール軸13に支持される。スプール軸13は、リール本体3に支持される。例えば、スプール軸13の一端は、第2側部23の機構装着板23bに回転可能に支持される。
図1に示すハンドル11は、リール本体3に回転可能に支持される。ハンドル11の回転駆動力は、スプール軸13を介してスプール9に伝達される。
【0036】
図2に示すように、電池ケース15は、リール本体3に設けられる。例えば、電池ケース15は、第2側部23に設けられる。電池ケース15は、スプール軸13の軸方向において、スプール軸13の外側に配置される。
【0037】
例えば、電池ケース15は、スプール軸13の軸方向において、第2側部23、および、第2側カバー7の外面7bの間に配置される。詳細には、電池ケース15は、スプール軸13の軸方向において、機構装着板23b、および、第2側カバー7の外面7bの間に配置される。
【0038】
図2に示すように、電池ケース15は、ケース本体15aと、蓋部材15bと、を有する。ケース本体15aは、第2側部23に装着される。例えば、ケース本体15aは、機構装着板23bに固定される。ケース本体15aは筒状に形成される。ケース本体15aの内部には、電池、例えば、ボタン型電池15cが、配置される。ボタン型電池15cは、図示しない電気部品、例えば、スプール9の回転を検知するためのセンサに対して、電力を供給する。
【0039】
図2に示すように、蓋部材15bは、ケース本体15aに着脱可能に装着される。蓋部材15bは、有底筒状に形成される。蓋部材15bは外周面15b3を有する。蓋部材15bの外周面15b3は、第2側カバー7の孔部7aの内周に配置される。
【0040】
具体的には、蓋部材15bは、大径部15b1と、小径部15b2と、を有する。大径部15b1は、つまみ部である。大径部15b1は環状に形成される。大径部15b1の内面をケース本体15aの外面に係合することによって、蓋部材15bはケース本体15aに装着される。
【0041】
小径部15b2は、大径部15b1より小径に形成される。小径部15b2は、大径部15b1と一体に形成される。小径部15b2は、蓋部材15bの底部を形成する。小径部15b2は、第2側カバー7の孔部7aの内部に配置される。詳細には、小径部15b2の外周面15b3は、第2側カバー7の孔部7aの内周に配置される。
【0042】
図2に示すように、着脱機構17は、第2側カバー7をリール本体3に着脱可能なように構成される。着脱機構17は、リール本体3、および、第2側カバー7に設けられる。着脱機構17は、リール本体3、および、第2側カバー7の間に配置される。
【0043】
着脱機構17は、第1係合部31と、第2係合部33と、保持部材35,36と、を有する。第1係合部31は、複数の第1係合部31、例えば、2個の第1係合部37,38、を含む。
【0044】
図3に示すように、2個の第1係合部37,38は、第2係合部33の揺動軸心X2まわりの揺動方向Rにおいて、互いに間隔を隔てて配置される。2個の第1係合部37,38は、リール本体3に設けられる。具体的には、2個の第1係合部37,38は、第2側部23、例えば、機構装着板23bに装着される。
【0045】
図3、および、
図4に示すように、各第1係合部37,38は、第1本体部37a,38aと、溝部37b,38b(凹部の一例)を有する。
図3に示すように、第1本体部37a,38aは、第2側部23の機構装着板23bに固定される。溝部37b,38bは、第1本体部37a,38aに各別に設けられる。
【0046】
図3に示すように、第1本体部37a,38aが第2側部23の機構装着板23bに固定された状態で、溝部37b,38bは、第2係合部33の揺動軸心X2から離れる径方向において、第1本体部37a,38aの内側部分に各別に設けられる。溝部37b,38bは、揺動方向Rに延びる。溝部37b,38bの一端37b1,38b1は、孔部7aに沿う方向に開口する。具体的には、溝部37b,38bの一端37b1,38b1は、揺動方向Rに開口する。
【0047】
図4に示すように、溝部37b,38bは、カム面37b1,38b1を有する。カム面37b1,38b1は、スプール軸13の軸方向に傾斜する。言い換えると、カム面37b1,38b1は、第2係合部33の揺動軸心X2が延びる軸方向に傾斜する。詳細には、カム面37b1,38b1は、第2係合部33の揺動軸心X2が延びる軸方向において、機構装着板23bに接近するように傾斜する。
【0048】
図5に示すように、第2係合部33は第2側カバー7に設けられる。
図5は、第2側カバー7の内側の構成を示す図である。
図5では、第2係合部33が各第1係合部37,38と係合する位置に配置された場合が、実線で示される。第2係合部33が各第1係合部37,38から離脱する位置に配置された場合が、二点破線で示される。
【0049】
例えば、第2係合部33は、孔部7aに沿って相対的に移動する。詳細には、第2係合部33は、第2側カバー7に対して揺動可能に第2側カバー7に設けられる。具体的には、第2係合部33は、揺動軸心X2を有する。揺動軸心X2は、スプール軸13の軸心X1に対してオフセットする。第2係合部33は、揺動方向Rにおいて第1係合部31に対して相対的に揺動し、
図3の第1係合部31と係脱する
図2、および、
図5に示すように、第2係合部33は、第2本体部33aと、複数の凸部33b1,33b2と、操作部33cと、を有する。第2本体部33aは環状に形成される。第2本体部33aは、第2側カバー7の内面に配置される。
【0050】
第2本体部33aは、保持部材35,36によって、第2側カバー7の内面に対して揺動可能に保持される。この状態で、
図5に示すように、第2本体部33aは、揺動方向Rに揺動する。揺動方向Rは、第1揺動方向R1、および、第1揺動方向R1とは反対の第2揺動方向R2を含む。
【0051】
図5に示すように、複数の凸部33b1,33b2、例えば、2個の凸部33b1,33b2は、揺動方向Rにおいて、互いに間隔を隔てて配置される。2個の凸部33b1,33b2は、第2本体部33aに設けられる。例えば、2個の凸部33b1,33b2は、揺動軸心X2から離れる径方向において、第2本体部33aから径方向外側に突出する。
【0052】
図6に示すように、2個の凸部33b1,33b2は、2個の溝部37b,38bに各別に係脱する。例えば、第2本体部33aが第1揺動方向R1に揺動した場合、二点破線で示した2個の凸部33b1,33b2は、2個の溝部37b,38bの開口から2個の溝部37b,38bの内部に各別に案内され、2個の溝部37b,38bに各別に係合する。2個の凸部33b1,33b2が2個の溝部37b,38bに各別に係合した状態が、
図5の実線で示される。
【0053】
この状態において、第2本体部33aが第2揺動方向R2に揺動した場合、実線で示した2個の凸部33b1,33b2は、2個の溝部37b,38bから各別に離脱する。2個の凸部33b1,33b2が2個の溝部37b,38bから離脱した状態は、
図5の二点破線で示される。
【0054】
図2、
図5、および、
図6に示すように、操作部33cは、第2係合部33を第1係合部31に対して相対的に移動させるために用いられる。具体的には、操作部33cは、第2係合部33を第1係合部31に対して揺動させるために用いられる。操作部33cは、第2本体部33aに設けられる。例えば、操作部33cは、揺動軸心X2から離れる径方向において、第2本体部33aから径方向外側に突出する。操作部33cの先端は、
図2に示すリール本体3の収容孔部27に、配置される。
【0055】
図2、および、
図5に示すように、第2係合部33が第2側カバー7に対して揺動するように、保持部材35,36は第2係合部33を保持する。
図5に示すように、保持部材35は、第2側カバー7に装着される。保持部材35、および、第2側カバー7の間には、第2係合部33の第2本体部33aが配置される。
【0056】
以下では、リール本体3に対する第2側カバー7の着脱動作を説明する。第2側カバー7をリール本体3から取り外す場合は、以下のように操作される。第2側カバー7がリール本体3の第2側部23に装着された状態において、第2係合部33の操作部33cが第2揺動方向R2に揺動操作される。
【0057】
これにより、第2係合部33の2個の凸部33b1,33b2が、第1係合部31の2個の溝部37b,38bのカム面37b1,38b1に沿って、第2揺動方向R2に移動する。この際には、第2側カバー7は、リール本体3の第2側部23から離れるように、スプール軸13の軸方向に移動する。
【0058】
第2係合部33の2個の凸部33b1,33b2が第1係合部31の2個の溝部37b,38bの開口から離脱すると、第1係合部31の2個の溝部37b,38b、および、第2係合部33の2個の凸部33b1,33b2の係合が解除される。これにより、第2側カバー7がリール本体3の第2側部23から取り外される。
【0059】
この状態では、釣り人は、電池ケース15にアクセスすることができる。例えば、釣り人は、電池ケース15の蓋部材15bをケース本体15aから取り外すことによって、電池ケース15のケース本体15aに配置されたボタン型電池15cを、交換することができる。
【0060】
第2側カバー7をリール本体3に装着する場合は、以下のように操作される。第2側カバー7をリール本体3の第2側部23に接近させ、第2係合部33の操作部33cの先端が第2側部23の収容孔部27に配置される。
【0061】
この状態において、第2係合部33の操作部33cの先端が第1揺動方向R1に揺動操作されると、第2係合部33の2個の凸部33b1,33b2が、第1係合部31の2個の溝部37b,38bの開口から、2個の溝部37b,38bの内部に各別に案内される。2個の凸部33b1,33b2が、2個の溝部37b,38bのカム面37b1,38b1に沿って、第1揺動方向R1に移動する。
【0062】
この際には、第2側カバー7が、第2側部23の側部本体23aに接近するように、スプール軸13の軸方向に移動する。第2側カバー7を、第2側部23の側部本体23aに当接させることによって、第2側カバー7がリール本体3の第2側部23に装着される。この状態において、釣り人は、リール本体3の第2側部23、および、第2側カバー7をパーミングしながら、両軸受リール1を操作することができる。
【0063】
上記の構成を有する両軸受リール1は、以下のような特徴を有する。両軸受リール1では、電池ケース15が第2側カバー7の孔部7aからスプール軸13の軸方向に露出する。これにより、釣用リールの側部の厚みの増加を低減することができ、両軸受リール1のパーミング性を向上することができる。
【0064】
また、両軸受リール1では、第2側カバー7が着脱機構17を介してリール本体3に対して着脱される。例えば、第2係合部33が第1係合部31と係合する場合、第2側カバー7がリール本体3に装着される。第1係合部31に対する第2係合部33の係合が解除された場合、第2側カバー7がリール本体3から取り外される。
【0065】
このように、本両軸受リール1では、電池交換が行うための工具用の構造を用意する必要がないので、従来技術と比較して、両軸受リール1の側部の厚みの増加を低減することができ、両軸受リール1のパーミング性を向上することができる。
【0066】
両軸受リール1では、着脱機構17において、第2係合部33を第2側カバー7に対して揺動させることによって、第2係合部33を第1係合部31と係脱することができる。両軸受リール1では、着脱機構17において、第2係合部33に凸部33b1,33b2を設け第1係合部31に溝部37b,38bを設けることによって、第2係合部33を第1係合部31と確実に係脱することができる。
【0067】
両軸受リール1では、着脱機構17において、溝部37b,38bがカム面37b1,38b1を有するので、第2係合部33を第1係合部31とスムーズに係脱することができる。両軸受リール1では、着脱機構17が操作部33cを有するので、第2係合部33を第1係合部31と容易に係脱することができる。両軸受リール1では、リール本体3の第2側部23が収容孔部27を有するので、操作部33cをリール本体3の径方向外側から容易に操作することができる。
【0068】
両軸受リール1では、電池ケース15の蓋部材15bの外周面15b3、例えば、蓋部材15bの小径部15b2の外周面15b3が第2側カバー7の孔部7aの内周に配置されるので、両軸受リール1の側部の厚みの増加を低減することができ、両軸受リール1のパーミング性を好適に向上することができる。
【0069】
両軸受リール1では、第2係合部33が第1係合部31に対して揺動方向Rに相対的に揺動するので、第2係合部33を第1係合部31に対して好適に移動させることができる。両軸受リール1では、揺動軸心X2がスプール軸13の軸心X1に対してオフセットするので、着脱機構17のレイアウトの自由度を向上することができる。
【0070】
<他の実施形態>
前記実施形態は、以下のように変更可能である。
【0071】
(A)前記実施形態では、第1係合部31が溝部37b,38bを有し第2係合部33が凸部33b1,33b2を有するように、着脱機構17が構成される場合の例が、示された。第1係合部31が上記の凸部を有し第2係合部33が上記の溝部を有するように、着脱機構17は構成されてもよい。
【0072】
(B)前記実施形態では、第2係合部33が第1係合部31に対して揺動するように、着脱機構17が構成される場合の例が、示された。第1係合部31が第2係合部33に対して揺動するように、着脱機構17が構成されてもよい。
【0073】
(C)前記実施形態では、揺動軸心X2がスプール軸13の軸心X1に対してオフセットする場合の例が、示された。揺動軸心X2がスプール軸13の軸心X1と同軸になるように、着脱機構17が構成されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 両軸受リール
3 リール本体
7 第2側カバー
7a 孔部
13 スプール軸
15 電池ケース
15a ケース本体
15b 蓋部材
15b3 蓋部材の外周面
17 着脱機構
27 収容孔部
31 第1係合部
33 第2係合部
33b1,33b2 凸部
33c 操作部
37b,38b 溝部
37b1,38b1 カム面
R 揺動方向
X1 スプール軸の軸心
X2 揺動軸心