(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092864
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】光送信器、光送信器アレイ、光送信装置及び光通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/50 20130101AFI20240701BHJP
H03H 7/075 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H04B10/50
H03H7/075 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209077
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100202201
【弁理士】
【氏名又は名称】兒島 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 壮宗
(72)【発明者】
【氏名】辻田 雄一
【テーマコード(参考)】
5J024
5K102
【Fターム(参考)】
5J024AA01
5J024CA03
5J024DA03
5J024DA25
5J024EA08
5J024HA05
5J024KA02
5J024KA05
5K102AA51
5K102AB02
5K102AD01
5K102PB01
5K102PB14
5K102RD11
(57)【要約】
【課題】信号伝送の品質を向上させることに適した技術を提供する。
【解決手段】
光送信器100は、TOSA130及びLC並列回路150を含む。TOSA130は、第1電気信号S1を光信号Soに変換する。LC並列回路150は、インダクタ151及びキャパシタ152を含む。インダクタ151及びキャパシタ152は、互いに並列接続されている。LC並列回路150は、TOSA130に接続されている。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電気信号を光信号に変換するTOSAと、
互いに並列接続されたインダクタ及びキャパシタを含み、前記TOSAに接続されたLC並列回路と、を備える、
光送信器。
【請求項2】
前記インダクタのインダクタンスは、20μH以上200μH以下であり、
前記キャパシタのキャパシタンスは、0.47μF以上94μF以下である、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項3】
前記インダクタのインダクタンスは、50μH以上100μH以下であり、
前記キャパシタのキャパシタンスは、4.7μF以上47μF以下である、
請求項2に記載の光送信器。
【請求項4】
前記TOSA及び前記LC並列回路は直列接続されている、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項5】
第1グランドと、
第1信号線と、を備え、
前記第1信号線、前記TOSA、前記LC並列回路及び前記第1グランドがこの順に接続されている、
請求項4に記載の光送信器。
【請求項6】
第1グランドを備え、
前記インダクタ及び前記キャパシタは、前記第1グランドに電気的に接続されている、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項7】
基板を備え、
前記基板は、
前記第1電気信号を前記TOSAに向かって伝搬させる第1伝送路と、
前記LC並列回路が電気的に接続された第1グランドパターンと、含む、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項8】
前記基板は、RF回路を含み、
前記RF回路は、前記第1伝送路を含む、
請求項7に記載の光送信器。
【請求項9】
前記第1伝送路は、マイクロストリップ線路、ストリップ線路及びコプレーナ線路からなる群より選択される少なくとも1つを含む、
請求項7に記載の光送信器。
【請求項10】
前記TOSAは、発光素子を含み、
前記発光素子は、前記発光素子に入力された前記第1電気信号に応じて、前記光信号を出力する、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項11】
前記発光素子は、半導体レーザである、
請求項10に記載の光送信器。
【請求項12】
前記発光素子は、前記インダクタ及び前記キャパシタに電気的に接続されている、
請求項10に記載の光送信器。
【請求項13】
前記発光素子の駆動周波数は、10MHz以上3.2GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む、
請求項10に記載の光送信器。
【請求項14】
前記第1電気信号が入力される入力ポートを有するコネクタと、
前記LC並列回路を含む少なくとも1つの受動回路と、を備え、
前記入力ポートに入力された前記第1電気信号を、前記発光素子及び前記少なくとも1つの受動回路のみによって前記光信号に変換する、
請求項10に記載の光送信器。
【請求項15】
前記第1電気信号が入力される入力ポートを有するコネクタを備え、
前記第1電気信号のフィードバック制御も前記光信号のフィードバック制御も行うことなく、前記入力ポートに入力された前記第1電気信号を前記光信号に変換する、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項16】
以下の(1)及び(2)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、請求項1に記載の光送信器。
(1)前記インダクタは、チップインダクタである。
(2)前記キャパシタは、チップキャパシタである。
【請求項17】
以下の(i)及び(ii)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、請求項1に記載の光送信器。
(i)前記インダクタは、可変インダクタである。
(ii)前記キャパシタは、可変キャパシタである。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の光送信器と、
光受信器と、
前記光信号を前記光送信器から前記光受信器に導くことに用いられる光ケーブルと、を備えた、
光通信システム。
【請求項19】
前記光受信器は、光検出素子及び第2グランドを含み、
前記光検出素子は、前記光検出素子に入力された前記光信号に応じて、第2電気信号を出力し、
前記光検出素子は、前記第2グランドに電気的に接続されている、
請求項18に記載の光通信システム。
【請求項20】
ケーブルテレビシステム用である、
請求項18に記載の光通信システム。
【請求項21】
第1単位構成及び第2単位構成を備え、
前記第1単位構成及び前記第2単位構成のそれぞれは、請求項1から17のいずれか一項に記載の光送信器を含み、
以下の(I)及び(II)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、光送信器アレイ。
(I)前記第1単位構成の前記インダクタのインダクタンスと、前記第2単位構成の前記インダクタのインダクタンスとは、互いに異なる。
(II)前記第1単位構成の前記キャパシタのキャパシタンスと、前記第2単位構成の前記キャパシタのキャパシタンスとは、互いに異なる。
【請求項22】
請求項21に記載の光送信器アレイと、
前記第1単位構成からの前記光信号及び前記第2単位構成からの前記光信号を含む複数の光信号を多重化することによって多重化信号を生成するマルチプレクサと、を備える、
光送信装置。
【請求項23】
請求項22に記載の光送信装置と、
光受信装置と、
前記多重化信号を前記光送信装置から前記光受信装置に導くことに用いられる光ケーブルと、を備え、
前記光受信装置は、前記多重化信号を前記複数の光信号に分離するデマルチプレクサを含む、
光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信器、光送信器アレイ、光送信装置及び光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号を光信号に変換する光送信器が知られている。光送信器の例は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されている。光送信器の具体例として、TOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)を含むものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-216517号公報
【特許文献2】特開2007-53672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、信号伝送の品質を向上させることに適した技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
第1電気信号を光信号に変換するTOSAと、
互いに並列接続されたインダクタ及びキャパシタを含み、前記TOSAに接続されたLC並列回路と、を備える、
光送信器を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、信号伝送の品質を向上させることに適している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る光通信システムの構成図である。
【
図2A】
図2Aは、第1バイアスティー及び光送信器の回路図である。
【
図3A】
図3Aは、TOSA及びLC並列回路を含むアナログ構成例を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、TOSA及びLC並列回路を含むアナログ構成例を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、TOSA及びLC並列回路を含む別のアナログ構成例を示す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、TOSA及びLC並列回路を含む別のアナログ構成例を示す平面図である。
【
図5A】
図5Aは、第2バイアスティー及び光受信器の回路図である。
【
図6A】
図6Aは、ROSAを含むアナログ構成例を示す斜視図である。
【
図6B】
図6Bは、ROSAを含むアナログ構成例を示す平面図である。
【
図7A】
図7Aは、ROSAを含む別のアナログ構成例を示す斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、ROSAを含む別のアナログ構成例を示す平面図である。
【
図8】
図8は、CNRを説明するための、電気信号の周波数スペクトル図である。
【
図9】
図9は、第2電気信号のCNRの経時変化の説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る光通信システムの構成図である。
【
図13】
図13は、サンプルAを用いた場合の第2電気信号のCNRの経時変化を示す。
【
図14】
図14は、サンプルAを用いた場合の第2電気信号のCNRの経時変化を示す。
【
図15】
図15は、サンプルBを用いた場合の第2電気信号のCNRの経時変化を示す。
【
図16】
図16は、第1の変形評価系におけるLC並列回路の位置の説明図である。
【
図17】
図17は、第2の変形評価系におけるLC並列回路の位置の説明図である。
【
図18】
図18は、第3の変形評価系におけるLC並列回路の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明するが、以下は本発明の実施形態の例示に過ぎず、本発明を制限する趣旨ではない。
【0009】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る光通信システム50の構成図である。
【0010】
光通信システム50は、光送信器100、光受信器200及び光ケーブル300を含む。光通信システム50は、第1機器10、第1DC(Direct Current)電源190、第1バイアスティー170、第2DC電源290、第2バイアスティー270及び第2機器20に関連付けられうる。
【0011】
第1直流バイアスB1が、第1DC電源190から第1バイアスティー170を介して光送信器100に供給される。この例では、第1直流バイアスB1は、順バイアスであり、定電流である。第2直流バイアスB2が、第2DC電源290から第2バイアスティー270を介して光受信器200に供給される。この例では、第2直流バイアスB2は、逆バイアスであり、定電圧である。第1電気信号S1が、第1機器10から第1バイアスティー170を介して光送信器100に供給される。光送信器100において、第1電気信号S1が光信号Soに変換される。光信号Soが、光送信器100から光ケーブル300を介して光受信器200に入力される。光受信器200において、光信号Soが第2電気信号S2に変換される。第2電気信号S2が、光受信器200から第2バイアスティー270を介して第2機器20に供給される。
【0012】
以下、各要素について、具体的に説明する。
【0013】
[送信側の要素]
第1機器10は、第1電気信号S1を出力する。第1機器10は、第1電気信号S1を生成する信号源を含む。
【0014】
図2Aは、第1バイアスティー170及び光送信器100の回路図である。
図2Aでは、コネクタ105、基板110、寄生抵抗、内部抵抗等の図示は省略されている。この点は、
図16及び
図17についても同様である。
【0015】
図2Aに示すように、光送信器100は、TOSA130及びLC並列回路150を含む。TOSA130及びLC並列回路150は、直列接続されている。
【0016】
第1バイアスティー170は、第1信号線118及び第1グランド117に接続されうる。第1信号線118、TOSA130、LC並列回路150及び第1グランド117は、この順に接続されている。第1信号線118は、第1グランド117に対して高電位に設定されうる。また、入力ポート105i、TOSA130、LC並列回路150及び第1グランド117は、この順に接続されている。入力ポート105iは、光送信器100における第1電気信号S1の入力部である。具体的には、後述するように、入力ポート105iは、コネクタ105に属する。
【0017】
TOSA130は、発光素子135を含む。発光素子135は、アノード135a及びカソード135cを含む。実施形態1では、発光素子135は、半導体レーザである。発光素子135は、LC並列回路150に電気的に接続されている。この半導体レーザは、具体的にはLD(Laser Diode)であり、より具体的にはVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)である。発光素子135の他の例は、LED(Light Emitting Diode)等である。
【0018】
LC並列回路150は、インダクタ151及びキャパシタ152を含む。インダクタ151及びキャパシタ152は、互いに並列接続されている。インダクタ151及びキャパシタ152は、発光素子135に電気的に接続されている。インダクタ151及びキャパシタ152は、第1グランド117に電気的に接続されている。
【0019】
第1バイアスティー170は、第1DC電源190と協働して、第1信号線118を第1グランド117に対して高電位に設定する。これにより、アノード135aがカソード135cに対して高電位に設定される。
【0020】
TOSA130は、第1電気信号S1を光信号Soに変換する。具体的には、発光素子135は、発光素子135に入力された第1電気信号S1に応じて、光信号Soを出力する。
【0021】
厳密には、TOSA130は、寄生成分を有しうる。インダクタ151及びキャパシタ152は、内部抵抗を有しうる。
図2Bは、寄生成分及び内部抵抗の説明図である。
図2Bでは、TOSA130の寄生インダクタ131、寄生キャパシタ132及び寄生抵抗133が模式的に描かれている。また、インダクタ151及びキャパシタ152の内部抵抗153が模式的にまとめて描かれている。
【0022】
図3Aは、TOSA130及びLC並列回路150を含むアナログ構成例TA1を示す斜視図である。
図3Bは、TOSA130及びLC並列回路150を含むアナログ構成例TA1を示す平面図である。以下、アナログ構成例TA1について説明する。
【0023】
アナログ構成例TA1では、光送信器100は、基板110及びコネクタ105を含む。基板110に、コネクタ105が固定されている。基板110は、表面110a、裏面110b、孔111及び孔112を含む。具体的には、基板110は、RF(Radio Frequency)基板である。
【0024】
裏面110bには、LC並列回路150、導電線路115及び導電プレーン116が設けられている。導電線路115及び導電プレーン116は、コプレーナ線路115cを構成している。コプレーナ線路115cは、第1電気信号S1を伝搬させる。具体的に、導電線路115及び導電プレーン116は、グランド付ではないコプレーナ線路115cnを構成している。導電プレーン116は、第1グランド117に含まれている。
【0025】
表面110aは、裏面110b及び発光素子135の間に配置されている。具体的には、表面110aは、裏面110b及び発光素子135を結ぶ仮想線分と交差する位置に配置されている。
【0026】
孔111及び孔112は、それぞれ、基板110を表面110aから裏面110bまで貫通している。導電線路115及びTOSA130は、孔111を通じて電気的に接続されている。TOSA130及びLC並列回路150は、孔112を通じて電気的に接続されている。LC並列回路150は、導電プレーン116に接続されている。
【0027】
TOSA130は、リード線136及びリード線137を含む。リード線136は、孔111を通って導電線路115に電気的に接続されている。リード線137は、孔112を通ってLC並列回路150に電気的に接続されている。具体的には、リード線137は、インダクタ151及びキャパシタ152に電気的に接続されている。
【0028】
コネクタ105は、入力ポート105i及びグランド領域105gを含む。入力ポート105iは、導電線路115に電気的に接続されている。入力ポート105iには、第1電気信号S1が入力される。グランド領域105gは、第1グランド117に含まれている。典型的には、グランド領域105g及び導電プレーン116は、はんだ付けにより電気的に接続されている。図示の例では、コネクタ105は、SMA(Sub Miniature Type A)コネクタである。
【0029】
入力ポート105iには、第1バイアスティー170が接続されうる。第1バイアスティー170、入力ポート105i、導電線路115、リード線136、アノード135a、カソード135c、リード線137、LC並列回路150、導電プレーン116及びグランド領域105gがこの順に接続されうる。
【0030】
図4Aは、TOSA130及びLC並列回路150を含むアナログ構成例TA2を示す斜視図である。
図4Bは、TOSA130及びLC並列回路150を含むアナログ構成例TA2を示す平面図である。以下、アナログ構成例TA2について説明する。以下では、アナログ構成例TA2の構成要素のうちアナログ構成例TA1の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。アナログ構成例TA1及びアナログ構成例TA2に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、アナログ構成例TA1及びアナログ構成例TA2は、相互に組み合わされてもよい。
【0031】
アナログ構成例TA2では、基板110の表面110aに、導電線路125及び導電プレーン126が設けられている。基板110の裏面110bに、LC並列回路150及びベタグランド129が設けられている。導電プレーン126及びベタグランド129は、第1グランド117に含まれている。LC並列回路150は、ベタグランド129に接続されている。典型的には、グランド領域105g及びベタグランド129は、はんだ付けにより電気的に接続されている。
【0032】
導電線路125及び導電プレーン126は、コプレーナ線路125cを構成している。コプレーナ線路125cは、第1電気信号S1を伝搬させる。具体的には、基板110は、複数のスルーホール121を含む。複数のスルーホール121のそれぞれは、基板110を表面110aから裏面110bまで貫通している。また、複数のスルーホール121のそれぞれには、導電層が設けられている。導電層は、導電プレーン126及びベタグランド129を電気的に接続している。典型的には、導電層は、めっき層である。導電線路125、導電プレーン126及びベタグランド129は、グランド付コプレーナ線路125cgを構成している。本明細書では、ベタグランドは膜状に拡がるグランドを指すものとする。
【0033】
裏面110bから見て表面110a側において、導電線路125及びTOSA130が接続されている。TOSA130のリード線136が導電線路125に電気的に接続されている。
【0034】
第1バイアスティー170、入力ポート105i、導電線路125、リード線136、アノード135a、カソード135c、リード線137、LC並列回路150、ベタグランド129及びグランド領域105gがこの順に接続されうる。
【0035】
以上の説明から理解されるように、アナログ構成例TA1及びアナログ構成例TA2では、基板110は、第1伝送路及び第1グランドパターンを含む。第1伝送路は、第1電気信号S1をTOSA130に向かって伝搬させる。第1グランドパターンには、LC並列回路150が電気的に接続されている。
【0036】
具体的に、基板110は、RF回路110zを含む。RF回路110zは、第1伝送路を含む。
【0037】
第1グランドパターンは、基板110に設けられた1又は複数のグランドを指す。アナログ構成例TA1では、第1グランドパターンは、導電プレーン116を含む。アナログ構成例TA2では、第1グランドパターンは、導電プレーン126及びベタグランド129を含む。
【0038】
第1伝送路のインピーダンスは、例えば、25Ω以上125Ω以下である。第1伝送路は、例えば、マイクロストリップ線路、ストリップ線路及びコプレーナ線路からなる群より選択される少なくとも1つを含む。アナログ構成例TA1及びアナログ構成例TA2では、第1伝送路は、コプレーナ線路である。具体的に、アナログ構成例TA1では、コプレーナ線路は、グランド付ではないコプレーナ線路である。アナログ構成例TA2では、コプレーナ線路は、グランド付コプレーナ線路である。
【0039】
ここで、グランド付コプレーナ線路は、
・基板の表面及び裏面の一方に導電線路及び導電プレーンの組み合わせが設けられ、且つ、
・基板の表面及び裏面の他方のうち基板を平面視したときに上記組み合わせと重複する重複領域にベタグランドが設けられた、
線路を指す。
【0040】
一方、グランド付ではないコプレーナ線路は、
・基板の表面及び裏面の一方に上記組み合わせが設けられているものの、
・基板の表面及び裏面の他方のうち上記重複領域にベタグランドが設けられていない、
線路を指す。
【0041】
また、マイクロストリップ線路は、
・基板の表面及び裏面の一方に導電線路が設けられ、且つ、
・基板の表面及び裏面の他方のうち基板を平面視したときに導電線路と重複する重複領域にベタグランドが設けられた、
線路を指す。
【0042】
グランド付ではないコプレーナ線路には、チップの平面実装に適しているというメリット及びスルーホールを設ける加工が不要というメリットがある。グランド付コプレーナ線路には、ノイズの影響を受け難いというメリットがある。マイクロストリップ線路には、寸法設計が容易というメリットがある。
【0043】
[光ケーブル]
光ケーブル300は、光信号Soを光送信器100から光受信器200に導くことに用いられる。実施形態1では、光ケーブル300は、光ファイバであり、具体的にはPOF(Plastic Optical Fiber)である。
【0044】
[受信側の要素]
図5Aは、第2バイアスティー270及び光受信器200の回路図である。
図5Aでは、寄生抵抗、内部抵抗等の図示は省略されている。この点は、
図18についても同様である。
【0045】
図5Aに示すように、光受信器200は、ROSA(Receiver Optical Sub-Assembly)230を含む。
【0046】
第2バイアスティー270は、第2信号線218及び第2グランド217に接続されうる。第2信号線218、ROSA230及び第2グランド217は、この順に接続されている。第2信号線218は、第2グランド217に対して定電位に設定されうる。また、出力ポート205o、ROSA230及び第2グランド217は、この順に接続されている。出力ポート205oは、光受信器200における第2電気信号S2の出力部である。具体的には、後述するように、出力ポート205oは、コネクタ205に属する。
【0047】
ROSA230は、光検出素子235を含む。光検出素子235は、アノード235a及びカソード235cを含む。実施形態1では、光検出素子235は、フォトダイオードである。フォトダイオードは、例えば、PN型フォトダイオード、アバランシェ型フォトダイオード等である。
【0048】
第2バイアスティー270は、第2DC電源290と協働して、第2信号線218を第2グランド217に対して定電位に設定する。これにより、アノード235aがカソード235cに対して定電位に設定される。
【0049】
光受信器200において、ROSA230に光信号Soが入力される。ROSA230は、光信号Soを第2電気信号S2に変換する。具体的には、光検出素子235は、光検出素子235に入力された光信号Soに応じて、第2電気信号S2を出力する。
【0050】
厳密には、ROSA230は、寄生成分を有しうる。
図5Bは、寄生成分の説明図である。
図5Bでは、ROSA230の寄生インダクタ231、寄生キャパシタ232及び寄生抵抗233が模式的に描かれている。
【0051】
図6Aは、ROSA230を含むアナログ構成例RA1を示す斜視図である。
図6Bは、ROSA230を含むアナログ構成例RA1を示す平面図である。以下、アナログ構成例RA1について説明する。
【0052】
アナログ構成例RA1では、光受信器200は、基板210及びコネクタ205を含む。基板210に、コネクタ205が固定されている。基板210は、表面210a、裏面210b、孔211及び孔212を含む。具体的には、基板210は、RF基板である。
【0053】
裏面210bには、導電線路215及び導電プレーン216が設けられている。導電線路215及び導電プレーン216は、コプレーナ線路215cを構成している。コプレーナ線路215cは、第2電気信号S2を伝搬させる。具体的に、導電線路215及び導電プレーン216は、グランド付ではないコプレーナ線路215cnを構成している。導電プレーン216は、第2グランド217に含まれている。
【0054】
表面210aは、裏面210b及び光検出素子235の間に配置されている。具体的には、表面210aは、裏面210b及び光検出素子235を結ぶ仮想線分と交差する位置に配置されている。
【0055】
孔211及び孔212は、それぞれ、基板210を表面210aから裏面210bまで貫通している。導電線路215及びROSA230は、孔211を通じて電気的に接続されている。ROSA230及び導電プレーン216は、孔212を通じて電気的に接続されている。
【0056】
ROSA230は、リード線236及びリード線237を含む。リード線236は、孔211を通って導電線路215に電気的に接続されている。リード線237は、孔212を通って導電プレーン216に電気的に接続されている。
【0057】
コネクタ205は、出力ポート205o及びグランド領域205gを含む。出力ポート205oは、導電線路215に電気的に接続されている。出力ポート205oから、第2電気信号S2が出力される。グランド領域205gは、第2グランド217に含まれている。典型的には、グランド領域205g及び導電プレーン216は、はんだ付けにより電気的に接続されている。図示の例では、コネクタ205は、SMAコネクタである。
【0058】
出力ポート205oには、第2バイアスティー270が接続されうる。第2バイアスティー270、出力ポート205o、導電線路215、リード線236、アノード235a、カソード235c、リード線237、導電プレーン216及びグランド領域205gがこの順に接続されうる。
【0059】
図7Aは、ROSA230を含むアナログ構成例RA2を示す斜視図である。
図7Bは、ROSA230を含むアナログ構成例RA2を示す平面図である。以下、アナログ構成例RA2について説明する。以下では、アナログ構成例RA2の構成要素のうちアナログ構成例RA1の構成要素と同様の構成要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。アナログ構成例RA1及びアナログ構成例RA2に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、アナログ構成例RA1及びアナログ構成例RA2は、相互に組み合わされてもよい。
【0060】
アナログ構成例RA2では、基板210の表面210aに、導電線路225及び導電プレーン226が設けられている。基板210の表面210aに、ベタグランド229が設けられている。導電プレーン226及びベタグランド229は、第2グランド217に含まれている。典型的には、グランド領域205g及びベタグランド229は、はんだ付けにより電気的に接続されている。
【0061】
導電線路225及び導電プレーン226は、コプレーナ線路225cを構成している。コプレーナ線路225cは、第1電気信号S1を伝搬させる。具体的には、基板210は、複数のスルーホール221を含む。複数のスルーホール221のそれぞれは、基板210を表面210aから裏面210bまで貫通している。また、複数のスルーホール221のそれぞれには、導電層が設けられている。導電層は、導電プレーン226及びベタグランド229を電気的に接続している。典型的には、導電層は、めっき層である。導電線路225、導電プレーン226及びベタグランド229は、グランド付コプレーナ線路225cgを構成している。
【0062】
裏面210bから見て表面210a側において、導電線路225及びROSA230が接続されている。ROSA230のリード線236が導電線路225に電気的に接続されている。
【0063】
第2バイアスティー270、出力ポート205o、導電線路225、リード線236、アノード235a、カソード235c、リード線237、ベタグランド229及びグランド領域205gがこの順に接続されうる。
【0064】
以上の説明から理解されるように、アナログ構成例RA1及びアナログ構成例RA2では、基板210は、第2伝送路及び第2グランドパターンを含む。第2伝送路は、ROSA230からの第2電気信号S2を伝搬させる。
【0065】
具体的に、基板210は、RF回路210zを含む。RF回路210zは、第2伝送路を含む。
【0066】
第2グランドパターンは、基板210に設けられた1又は複数のグランドを指す。アナログ構成例RA1では、第2グランドパターンは、導電プレーン216を含む。アナログ構成例RA2では、第2グランドパターンは、導電プレーン226及びベタグランド229を含む。
【0067】
第2伝送路のインピーダンスは、例えば、25Ω以上125Ω以下である。第2伝送路は、例えば、マイクロストリップ線路、ストリップ線路及びコプレーナ線路からなる群より選択される少なくとも1つを含む。アナログ構成例RA1及びアナログ構成例RA2では、第2伝送路は、コプレーナ線路である。具体的に、アナログ構成例RA1では、コプレーナ線路は、グランド付ではないコプレーナ線路である。アナログ構成例RA2では、コプレーナ線路は、グランド付コプレーナ線路である。
【0068】
第2機器20は、第2電気信号S2を受信する。第2機器20は、第2電気信号S2を受信する受信機を含む。
【0069】
実施形態1では、光通信システム50は、ケーブルテレビシステム用である。第1電気信号S1及び第2電気信号S2は、ケーブルテレビの信号である。第1電気信号S1は、典型的には変調された信号であり、具体的には直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)された信号である。ただし、第1電気信号S1は、変調されていない連続波であってもよい。
【0070】
ここで、TOSAについて説明する。本明細書において、TOSAは、発光素子を含む複数の部品のアセンブリである。典型的には、複数の部品は、キャップ、電気インターフェース及び光インターフェースを含む。キャップは、発光素子からの光の透過を許容するように、発光素子を封止する。電気インターフェースは、電気信号が伝搬する電気経路と電気的に接続される。光インターフェースは、光信号が伝搬する光経路と光学的に接続される。光インターフェースは、キャップに設けられたガラス等の光透過部でありうる。
【0071】
実施形態1では、TOSA130は、図示しないキャップを含む。キャップは、発光素子135からの光の透過を許容するように、発光素子135を封止する。リード線136及びリード線137は、TOSA130の電気インターフェースを構成する。キャップの光透過部は、TOSA130の光インターフェースを構成する。発光素子135が光透過部及び光コネクタを介して光ケーブル300に光学的に接続される。光コネクタは、例えば、PC(Physical Contact)コネクタである。PCコネクタは、APC(Angled Physical Contact)コネクタであってもよい。光コネクタ及び光ケーブル300は、光経路を構成する。
【0072】
ここで、ROSAについて説明する。本明細書において、ROSAは、光検出素子を含む複数の部品のアセンブリである。典型的には、複数の部品は、キャップ、電気インターフェース及び光インターフェースを含む。キャップは、光検出素子への光の透過を許容するように、光検出素子を封止する。電気インターフェースは、電気信号が伝搬する電気経路と電気的に接続される。光インターフェースは、光信号が伝搬する光経路と光学的に接続される。光インターフェースは、キャップに設けられたガラス等の光透過部でありうる。
【0073】
実施形態1では、ROSA230は、図示しないキャップを含む。キャップは、光検出素子235への光の透過を許容するように、光検出素子235を封止する。リード線236及びリード線237は、ROSA230の電気インターフェースを構成する。キャップの光透過部は、ROSA230の光インターフェースを構成する。光検出素子235が光透過部及び光コネクタを介して光ケーブル300に光学的に接続される。光コネクタは、例えば、PCコネクタである。PCコネクタは、APCコネクタであってもよい。光コネクタ及び光ケーブル300は、光経路を構成する。
【0074】
[効果等]
実施形態1は、信号伝送の品質を向上させることに適している。具体的には、実施形態1は、第2電気信号S2のCNR(Carrier to Noise Ratio)を改善することに適している。以下、この点について説明する。
【0075】
図8は、CNRを説明するための、電気信号の周波数スペクトル図である。横軸は、周波数である。縦軸は、電気信号の各周波数成分の強度を示す。
図8において、電気信号のキャリア周波数が、符号Fcにより示されている。電気信号のノイズ周波数が、符号Fnにより示されている。CNRは、電気信号のノイズ周波数Fn成分の強度に対する、電気信号のキャリア周波数Fc成分の強度の比率である。
【0076】
図9は、第2電気信号S2のCNRの経時変化の説明図である。横軸は、時間である。縦軸は、第2電気信号S2のCNRである。
図9において、第2電気信号S2のCNRの最大値を1点鎖線L1により示している。第2電気信号S2のCNRの最小値を2点鎖線L2により示している。第2電気信号S2のCNRは、経時変化しうる。
【0077】
「第2電気信号S2のCNRを改善する」は、第2電気信号S2のCNRの最小値を大きくすることを含みうる。また、「第2電気信号S2のCNRを改善する」は、第2電気信号S2のCNRの時間変動を抑制することを含みうる。上記最小値を大きくすることも、上記時間変動を抑制することも、信号伝送の品質を向上させることに貢献しうる。
【0078】
実施形態1では、LC並列回路150がTOSA130に接続されている。LC並列回路150は、インダクタ151及びキャパシタ152を含む。LC並列回路150は、第2電気信号S2のCNRを改善することに貢献しうる。
【0079】
一方、ROSA230は、第2グランド217に電気的に接続されている。光検出素子235は、第2グランド217に電気的に接続されている。このことは、第2電気信号S2のCNRを改善することに貢献しうる。実施形態1の光受信器200では、チップインダクタ及びチップキャパシタが並列接続されたLC並列回路が存在しない。具体的には、インダクタ及びキャパシタが並列接続されたLC並列回路が存在しない。
【0080】
実施形態1では、インダクタ151のインダクタンスは、20μH以上200μH以下である。キャパシタ152のキャパシタンスは、0.47μF以上94μF以下である。これらの数値範囲は、第2電気信号S2のCNRを改善する観点から有利である。また、インダクタ151のインダクタンス及びキャパシタ152のキャパシタンスがこの程度に大きい領域では、第2電気信号S2のCNRを改善する効果が安定して発揮され易い。
【0081】
具体的に、インダクタ151のインダクタンスは、50μH以上100μH以下であってもよい。キャパシタ152のキャパシタンスは、4.7μF以上47μF以下であってもよい。これらの数値範囲は、第2電気信号S2のCNRを改善する観点から特に有利である。
【0082】
実施形態1では、インダクタ151は、チップインダクタである。このため、インダクタ151のインダクタンスが安定し易い。このため、高い信頼性で第2電気信号S2のCNRが改善されうる。
【0083】
実施形態1では、キャパシタ152は、チップキャパシタである。このため、キャパシタ152のキャパシタンスが安定し易い。このため、高い信頼性で第2電気信号S2のCNRが改善されうる。
【0084】
インダクタ151は、RF回路110z又はRF回路210zにおける線路をスパイラル状に延ばすことにより実現されていてもよい。キャパシタ152は、RF回路110z又はRF回路210zにおける線路にギャップを設けることによって実現されていてもよい。
【0085】
光送信器100を量産する際には、TOSA130の特性に製造ばらつきが生じうる。具体的に、発光素子135の特性に製造ばらつきが生じうる。これを考慮して、LC並列回路150の少なくとも1つのパラメータを可変としてもよい。このようにすれば、特性に応じたパラメータを設定できる。このことは、第2電気信号S2のCNRの改善に貢献しうる。例えば、インダクタ151は、可変インダクタであってもよい。また例えば、キャパシタ152は、可変キャパシタであってもよい。
【0086】
実施形態1では、第1電気信号S1の周波数は、例えば、10MHz以上3.2GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。第2電気信号S2の周波数は、例えば、10MHz以上3.2GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。発光素子135の駆動周波数は、例えば、10MHz以上3.2GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。本明細書において、発光素子135の駆動周波数は、発光素子135が光信号へと変換可能な電気信号の周波数を指す。
【0087】
具体例では、第1電気信号S1の周波数は、10MHz以上1GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。第2電気信号S2の周波数は、10MHz以上1GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。発光素子135の駆動周波数は、10MHz以上1GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む。
【0088】
実施形態1では、光送信器100は、少なくとも1つの受動回路を含む。少なくとも1つの受動回路は、LC並列回路150を含む。コネクタ105の入力ポート105iに第1電気信号S1が入力される。光送信器100は、コネクタ105の入力ポート105iに入力された第1電気信号S1を、発光素子135及び少なくとも1つの受動回路のみによって光信号Soに変換する。このため、実施形態1では、信号補正を行う複雑な構成なしで第2電気信号S2のCNRを改善できる。本明細書では、受動回路は、抵抗、インダクタ及びキャパシタのみから構成される回路を指す。
【0089】
実施形態1では、光送信器100は、第1電気信号S1のフィードバック制御も光信号Soのフィードバック制御も行うことなく、コネクタ105の入力ポート105iに入力された第1電気信号S1を光信号Soに変換する。このため、実施形態1では、簡易な構成で第2電気信号S2のCNRを改善できる。
【0090】
以下、実施形態2について説明する。以下では、実施形態1で既に説明した内容については、その説明を省略することがある。これらの実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、これらの実施形態は、相互に組み合わされてもよい。
【0091】
[実施形態2]
図10は、実施形態2に係る光通信システム550の構成図である。実施形態2では、光通信システム550は、ケーブルテレビシステム用である。
図10では、バイアスティー及びDC電源等の図示は省略されている。
【0092】
光通信システム550は、光送信装置690、光ケーブル300及び光受信装置790を含む。
【0093】
光送信装置690は、光送信器アレイ650及びマルチプレクサ670を含む。光送信器アレイ650は、複数の単位構成600を有する。複数の単位構成600のそれぞれは、光送信器100を含む。
【0094】
光受信装置790は、デマルチプレクサ770及び光受信器アレイ750を含む。光受信器アレイ750は、複数の単位構成700を有する。複数の単位構成700のそれぞれは、光受信器200を含む。
【0095】
複数の単位構成600のそれぞれにおいて、光送信器100が第1電気信号S1を光信号Soに変換する。マルチプレクサ670は、これら複数の光信号Soを多重化する。これにより、多重化信号Smが生成される。なお、ここでは、複数の単位構成600のそれぞれの光送信器100に関して、「第1電気信号S1」という共通の用語を用いている。ただし、これらの第1電気信号S1は、同一性を有する信号でなくてもよい。同様に、複数の光信号Soは、同一性を有する信号でなくてもよい。
【0096】
光ケーブル300は、多重化信号Smを光送信装置690から光受信装置790に導くことに用いられる。具体的には、光ケーブル300は、多重化信号Smをマルチプレクサ670からデマルチプレクサ770に導くことに用いられる。
【0097】
デマルチプレクサ770は、多重化信号Smを複数の光信号Soに分離する。これら複数の光信号Soのそれぞれは、互いに異なる単位構成700に入力される。各単位構成700において、光受信器200が光信号Soを第2電気信号S2に変換する。なお、ここでは、複数の単位構成700のそれぞれの光受信器200に関して、「第2電気信号S2」という共通の用語を用いている。ただし、これらの第2電気信号S2は、同一性を有する信号でなくてもよい。同様に、複数の光信号Soは、同一性を有する信号でなくてもよい。
【0098】
以下、複数の単位構成600のうちの1つを、第1単位構成600Aと表記する。複数の単位構成600のうちの別の1つを、第2単位構成600Bと表記する。複数の単位構成700のうちの1つを、第1単位構成700Aと表記する。複数の単位構成700のうちの別の1つを、第2単位構成700Bと表記する。これらの用語を用いて、実施形態2を以下のように説明できる。
【0099】
すなわち、光送信器アレイ650は、第1単位構成600A及び第2単位構成600Bを含む。マルチプレクサ670は、第1単位構成600Aからの光信号So及び第2単位構成600Bからの光信号Soを含む複数の光信号Soを多重化することによって、多重化信号Smを生成する。光ケーブル300は、多重化信号Smを光送信装置690から光受信装置790に導くことに用いられる。デマルチプレクサ770は、多重化信号Smを、第1単位構成700Aに供給するべき光信号Soと、第2単位構成700Bに供給するべき光信号Soと、を含む複数の光信号Soに分離する。
【0100】
光送信器100を量産する際には、TOSA130の特性に製造ばらつきが生じうる。具体的に、発光素子135の特性に製造ばらつきが生じうる。これを考慮して、ある単位構成600におけるLC並列回路150の少なくとも1つのパラメータの値と、別の単位構成600におけるLC並列回路150の該パラメータの値とが異なるという構成を採用してもよい。このようにすれば、各単位構成600の特性に応じたパラメータを設定できる。このことは、第2電気信号S2のCNRの改善に貢献しうる。
【0101】
例えば、第1単位構成600Aのインダクタ151のインダクタンスと、第2単位構成600Bのインダクタ151のインダクタンスとは、互いに異なっていてもよい。第1単位構成600Aのキャパシタ152のキャパシタンスと、第2単位構成600Bのキャパシタ152のキャパシタンスとは、互いに異なっていてもよい。
【0102】
3つ以上の単位構成600のインダクタ151のインダクタンスが、互いに異なっていてもよい。3つ以上の単位構成600のキャパシタ152のキャパシタンスが、互いに異なっていてもよい。
【0103】
[実験例]
実験例により、本発明を詳細に説明する。ただし、以下の実験例は、本発明の一例を示すものであり、本発明は以下の実験例に限定されない。
【0104】
(CWCN評価系)
図11は、CWCN評価系800の説明図である。CWCN評価系800は、シグナルジェネレータ810、同軸ケーブル820、インピーダンス変換器830、同軸ケーブル840、第1DC電源190、第1バイアスティー170、光通信システム50、第2DC電源290、第2バイアスティー270、第3DC電源390、増幅器850及び測定器860を有する。
【0105】
CWCN評価系800では、実施形態1に従って光通信システム50を構成した。つまり、コネクタ105、基板110、TOSA130、LC並列回路150、光ケーブル300、ROSA230、基板210及びコネクタ205を、実施形態1に従って接続した。
図4A及び
図4Bに示すアナログ構成例TA2と、
図7A及び
図7Bに示すアナログ構成例RA2と、を採用した。
【0106】
CWCN評価系800では、第1DC電源190を第1バイアスティー170に接続した。シグナルジェネレータ810、同軸ケーブル820、インピーダンス変換器830、同軸ケーブル840及び第1バイアスティー170を、この順に接続した。第1バイアスティー170を、コネクタ105に接続した。
【0107】
CWCN評価系800では、コネクタ205に第2バイアスティー270に接続した。第2DC電源290を第2バイアスティー270に接続した。第2バイアスティー270、増幅器850及び測定器860を、この順に接続した。増幅器850に第3DC電源390を接続した。
【0108】
シグナルジェネレータ810として、Rohde&Schwarz社製のCLGD DOCSISマルチチャネル信号発生器を用いた。
【0109】
同軸ケーブル820として、ハンファQセルズジャパン株式会社製のUMA-ATC15を用いた。この同軸ケーブルの特性インピーダンスは、75Ωである。
【0110】
インピーダンス変換器830として、スタック電子株式会社製のPD614を用いた。このインピーダンス変換器は、特性インピーダンスを75Ωから50Ωに変換する。
【0111】
同軸ケーブル840として、潤工社製のMWX221を用いた。この同軸ケーブルの特性インピーダンスは、50Ωである。
【0112】
第1DC電源190として、KEITHLEY製の2400を用いた。
【0113】
第1バイアスティー170として、Marki社製のBT0040を用いた。
【0114】
コネクタ105として、RS Pro社製の526-5785を用いた。このコネクタは、SMAコネクタである。
【0115】
基板110として、誘電体基板を用いた。この基板の比誘電率は、4.2である。この基板の厚さは、0.8mmである。導電線路125、導電プレーン126及びベタグランド129は、銅箔により構成されている。この基板は、平面視において縦40mm×横40mmの寸法を有する。導電線路125の長さは、19mmである。
【0116】
TOSA130は、自作した。具体的に、自作したTOSA130は、発光素子135、台座、リード線136、リード線137及びキャップを含む。台座から、リード線136及びリード線137が延びている。キャップは、光の透過を許容するガラスを有する。発光素子135として、VCSELを用いた。発光素子135を台座に接着することによって、発光素子135を台座に実装した。発光素子135のアノード135aとリード線136とワイヤにより電気的に接続した。発光素子135のカソード135cとリード線137とワイヤにより電気的に接続した。キャップにより発光素子135を封止した。具体的に、この封止は、発光素子135の発光面がキャップのガラスに面するように行った。発光素子135と光ケーブル300とを光コネクタにより光学的に接続した。
【0117】
LC並列回路150のインダクタ151として、チップインダクタを用いた。LC並列回路150のキャパシタ152として、チップキャパシタを用いた。チップインダクタ及びチップキャパシタのリード線137への電気的接続及びベタグランド129への電気的接続は、はんだ付けにより行った。
【0118】
光ケーブル300として、長さ50mのPOFを用いた。光ケーブル300及びROSA230の接続は、APCコネクタを介して行った。
【0119】
ROSA230は、自作した。具体的に、自作したROSA230は、光検出素子235、台座、リード線236、リード線237及びキャップを含む。台座から、リード線236及びリード線237が延びている。キャップは、光の透過を許容するガラスを有する。光検出素子235として、フォトダイオードを用いた。光検出素子235を台座に接着することによって、光検出素子235を台座に実装した。光検出素子235のアノード235aとリード線236とワイヤにより電気的に接続した。光検出素子235のカソード235cとリード線237とワイヤにより電気的に接続した。キャップにより光検出素子235を封止した。具体的に、この封止は、光検出素子235の発光面がキャップのガラスに面するように行った。光検出素子235と光ケーブル300とを光コネクタにより光学的に接続した。
【0120】
基板210として、誘電体基板を用いた。この基板の比誘電率は、4.2である。この基板の厚さは、0.8mmである。導電線路225、導電プレーン226及びベタグランド229は、銅箔により構成されている。この基板は、平面視において縦40mm×横40mmの寸法を有する。導電線路225の長さは、19mmである。
【0121】
コネクタ205として、RS Pro社製の526-5785を用いた。このコネクタは、SMAコネクタである。
【0122】
第2DC電源290として、高砂製作所製のKX210Lを用いた。
【0123】
第2バイアスティー270として、Mini-circuits社製のZX85-12G-S+を用いた。
【0124】
増幅器850として、Mini-circuits社製のZX60-6013E-S+を用いた。
【0125】
第3DC電源390として、ADCMT社製の6146を用いた。
【0126】
測定器860として、Agilent Technologies社製のN9010Bを用いた。この測定器は、スペクトルアナライザである。
【0127】
実験例の各実験では、シグナルジェネレータ810に、第1電気信号S1として、電力比にして99MHzの周波数成分が2.2%の信号を第1バイアスティー170に向けて出力させた。この周波数成分は、第1電気信号S1における電力比が最大の周波数成分である。
【0128】
実験例の各実験では、第1DC電源190に、第1直流バイアスB1として、8.8mAの定電流である順バイアスを第1バイアスティー170に向けて出力させた。このようにして、第1信号線118を第1グランド117に対して高電位に設定した。
【0129】
実験例の各実験では、第2DC電源290に、第2直流バイアスB2として、5Vの定電圧である逆バイアスを第2バイアスティー270に向けて出力させた。このようにして、第2信号線218を第2グランド217に対して定電位に設定した。
【0130】
実験例の各実験では、第3DC電源390から増幅器850に電力を供給した。増幅器850に、第2電気信号S2を増幅させた。そして、増幅した第2電気信号S2を測定器860に入力させた。
【0131】
測定器860は、50Ωの終端抵抗を有する。実験例の各実験では、測定器860により、終端抵抗に印加される電圧を測定した。この電圧を電流に換算した。電流に基づいて、第2電気信号S2のCWCN(Continuos-Wave Carrier to Noise)を特定した。CWCNの特定を、30分間継続して行った。具体的には、事前準備において、シグナルジェネレータ810及び測定器860を直接接続した。この直接接続状態で、シグナルジェネレータ810の設定値を決定した。この設定値は、シグナルジェネレータ810から出力される第1電気信号S1の強度を定めるものである。設定値は、測定器860の50Ωの終端抵抗の電圧が80dBμVとなるように決定した。その後、
図11に示すCWCN評価系800を構築した。そして、上記のようにして決定された設定値に設定されたシグナルジェネレータ810から第1電気信号S1が出力された状態で、第2電気信号S2を30分間測定した。
【0132】
上記のように、第1電気信号S1は、変調された信号、具体的には直交振幅変調された信号でありうる。例えば、現実のケーブルテレビシステムでは、第1電気信号S1として変調された信号が用いられうる。そして、信号伝送の品質を評価するための指標として、変調された信号に由来する第2電気信号S2のCNRが用いられうる。一方、実験例の各実験では、第1電気信号S1は、変調されていない連続波である。上記の説明に基づいて特定されたCWCNは、連続波に由来する第2電気信号S2のCWCNである。実験例の各実験で良好なCWCNが示された場合、変調されていない連続波である第1電気信号S1に代えて変調された第1電気信号S1がシグナルジェネレータ810から出力されるように改変されたシステムにおいて、良好なCNRが示されることが期待される。実験例の各実験に関する以下の説明において、特に矛盾のない限り、「CNR」は、厳密には「CWCN」を意味する。例えば、以下では、第2電気信号S2のCWCNを30分間継続して測定することを、第2電気信号S2のCNRを30分間継続して測定すると表記する。
【0133】
(A:インダクタ151及びキャパシタ152の各組み合わせに対するCNRの評価)
複数のLC並列回路150を準備した。これらのLC並列回路150は、インダクタ151及びキャパシタ152からなる群より選択される少なくとも1つが互いに異なる。具体的には、インダクタ151は、20μH、50μH、100μH又は200μHのチップインダクタである。キャパシタ152は、0.47μF、4.7μF、47μF又は94μFのチップキャパシタである。TOSA130として、サンプルA及びサンプルBを作製した。サンプルA及びサンプルBは、同一の部品及び同一の組み立て方法により作製した。サンプルA及びサンプルBは、意図的な非同一性を有さないものである。サンプルA及びサンプルBのいずれかをTOSA130として用い、そのTOSA130にこれらのLC並列回路150のいずれかを接続し、CWCN評価系800を構成した。構成した各CWCN評価系800における第2電気信号S2のCNRを30分間継続して測定した。
【0134】
また、CWCN評価系800からLC並列回路150を省略し、サンプルA及びサンプルBのいずれかをTOSA130として用い、そのTOSA130とベタグランド129を電気的に接続させることによって、比較評価系を構成した。
図12は、比較評価系の説明図である。構成した比較評価系における第2電気信号S2のCNRを30分間継続して測定した。
【0135】
以下、30分間の測定における第2電気信号S2のCNRの最小値を、CNRminと表記する。比較評価系に関するCNRminに対する、CWCN評価系800に関するCNRminの比率を計算した。こうして、CNRminの改善を評価した。評価結果を表1に示す。表1において、「L[μH]」の列の数値は、インダクタ151のインダクタンスを示す。「C[μF]」の列の数値は、キャパシタ152のキャパシタンスを示す。「サンプルA」の列の数値は、TOSA130としてサンプルAを用いた場合の上記比率(単位:dB)を示す。「サンプルB」の列の数値は、TOSA130としてサンプルBを用いた場合の上記比率(単位:dB)を示す。
【表1】
【0136】
以下、30分間の測定における第2電気信号S2のCNRの標準偏差(σ)を、CNRσと表記する。比較評価系に関するCNRσに対する、CWCN評価系800に関するCNRσの比率を計算した。こうして、CNRσを評価した。評価結果を表2に示す。表2において、「L[μH]」の列の数値は、インダクタ151のインダクタンスを示す。「C[μF]」の列の数値は、キャパシタ152のキャパシタンスを示す。「サンプルA」の列の数値は、TOSA130としてサンプルAを用いた場合の上記比率(単位:dB)を示す。「サンプルB」の列の数値は、TOSA130としてサンプルBを用いた場合の上記比率(単位:dB)を示す。
【表2】
【0137】
図13は、サンプルAを用いた場合の第2電気信号S2のCNRの経時変化を示す。具体的に、
図13は、「LCチップなし」の場合の上記経時変化と、「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化と、「L(50μH)&C(47μF)」の場合の上記経時変化と、を示す。「LCチップなし」の場合の上記経時変化は、比較評価系における上記経時変化を指す。「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化は、CWCN評価系800においてインダクタ151のインダクタンスが50μHであり且つキャパシタ152のキャパシタンスが4.7μFである場合の上記経時変化を指す。「L(50μH)&C(47μF)」の場合の上記経時変化は、CWCN評価系800においてインダクタ151のインダクタンスが50μHであり且つキャパシタ152のキャパシタンスが47μFである場合の上記経時変化を指す。
【0138】
図14は、サンプルAを用いた場合の第2電気信号S2のCNRの経時変化を示す。具体的に、
図14は、「LCチップなし」の場合の上記経時変化と、「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化と、「L(100μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化と、を示す。「LCチップなし」の場合の上記経時変化は、比較評価系における上記経時変化を指す。「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化は、CWCN評価系800においてインダクタ151のインダクタンスが50μHであり且つキャパシタ152のキャパシタンスが4.7μFである場合の上記経時変化を指す。「L(100μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化は、CWCN評価系800においてインダクタ151のインダクタンスが100μHであり且つキャパシタ152のキャパシタンスが4.7μFである場合の上記経時変化を指す。
【0139】
図15は、サンプルBを用いた場合の第2電気信号S2のCNRの経時変化を示す。具体的に、
図15は、「LCチップなし」の場合の上記経時変化と、「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化と、を示す。「LCチップなし」の場合の上記経時変化は、比較評価系における上記経時変化を指す。「L(50μH)&C(4.7μF)」の場合の上記経時変化は、CWCN評価系800においてインダクタ151のインダクタンスが50μHであり且つキャパシタ152のキャパシタンスが4.7μFである場合の上記経時変化を指す。
【0140】
表1及び表2と、
図13から
図15とに示されているように、TOSA130としてサンプルAを用いた場合と及びサンプルBを用いた場合とで、評価結果が相違する。相違は、サンプルAの発光素子135及びサンプルBの発光素子135の製造ばらつきに由来するものであると考えられる。
【0141】
(B1:LC並列回路150の位置の変更)
CWCN評価系800におけるLC並列回路150の位置を変更することによって、第1の変形評価系を作製した。
図16は、第1の変形評価系におけるLC並列回路150の位置の説明図である。第1の変形評価系では、第1信号線118と、LC並列回路150と、TOSA130と、第1グランド117とをこの順に接続した。第1信号線118を第1グランド117に対して高電位に設定した。第1の変形評価系では、CWCN評価系800に比べると、LC並列回路150に基づくCNRminの改善幅は小さかった。また、第1の変形評価系では、CWCN評価系800に比べると、LC並列回路150に基づくCNRσの改善幅は小さかった。
【0142】
(B2:LC並列回路150の位置の変更)
CWCN評価系800におけるLC並列回路150の位置を変更することによって、第2の変形評価系を作製した。
図17は、第2の変形評価系におけるLC並列回路150の位置の説明図である。第2の変形評価系では、第1信号線118及び第1グランド117の間で、LC並列回路150とTOSA130とを並列に接続した。第1信号線118を第1グランド117に対して高電位に設定した。第2の変形評価系では、CWCN評価系800に比べると、LC並列回路150に基づくCNRminの改善幅は小さかった。また、第2の変形評価系では、CWCN評価系800に比べると、LC並列回路150に基づくCNRσの改善幅は小さかった。
【0143】
(C:受信側へのLC並列回路の追加)
CWCN評価系800における光受信器200にLC並列回路250を追加することによって、第3の変形評価系を作製した。
図18は、第3の変形評価系におけるLC並列回路250の説明図である。第3の変形評価系では、第2信号線218、ROSA230、LC並列回路250及び第2グランド217は、この順に接続されている。LC並列回路250は、インダクタ251及びキャパシタ252を含む。インダクタ251及びキャパシタ252は、互いに並列接続されている。第2信号線218を第2グランド217に対して定電位に設定した。第3の変形評価系では、CWCN評価系800に比べると、測定器860において測定される第2電気信号S2のレベルが小さかった。
【0144】
(付記)
本開示により、下記の技術が開示される。
【0145】
(技術1)
第1電気信号を光信号に変換するTOSAと、
互いに並列接続されたインダクタ及びキャパシタを含み、前記TOSAに接続されたLC並列回路と、を備える、
光送信器。
【0146】
(技術2)
前記インダクタのインダクタンスは、20μH以上200μH以下であり、
前記キャパシタのキャパシタンスは、0.47μF以上94μF以下である、
技術1に記載の光送信器。
【0147】
(技術3)
前記インダクタのインダクタンスは、50μH以上100μH以下であり、
前記キャパシタのキャパシタンスは、4.7μF以上47μF以下である、
技術2に記載の光送信器。
【0148】
(技術4)
前記TOSA及び前記LC並列回路は直列接続されている、
技術1から3のいずれか一項に記載の光送信器。
【0149】
(技術5)
第1グランドと、
第1信号線と、を備え、
前記第1信号線、前記TOSA、前記LC並列回路及び前記第1グランドがこの順に接続されている、
技術1から4のいずれか一項に記載の光送信器。
【0150】
(技術6)
第1グランドを備え、
前記インダクタ及び前記キャパシタは、前記第1グランドに電気的に接続されている、
技術1から5のいずれか一項に記載の光送信器。
【0151】
(技術7)
基板を備え、
前記基板は、
前記第1電気信号を前記TOSAに向かって伝搬させる第1伝送路と、
前記LC並列回路が電気的に接続された第1グランドパターンと、含む、
技術1から6のいずれか一項に記載の光送信器。
【0152】
(技術8)
前記基板は、RF回路を含み、
前記RF回路は、前記第1伝送路を含む、
技術7に記載の光送信器。
【0153】
(技術9)
前記第1伝送路は、マイクロストリップ線路、ストリップ線路及びコプレーナ線路からなる群より選択される少なくとも1つを含む、
技術7又は8に記載の光送信器。
【0154】
(技術10)
前記TOSAは、発光素子を含み、
前記発光素子は、前記発光素子に入力された前記第1電気信号に応じて、前記光信号を出力する、
技術1から9のいずれか一項に記載の光送信器。
【0155】
(技術11)
前記発光素子は、半導体レーザである、
技術10に記載の光送信器。
【0156】
(技術12)
前記発光素子は、前記インダクタ及び前記キャパシタに電気的に接続されている、
技術10又は11に記載の光送信器。
【0157】
(技術13)
前記発光素子の駆動周波数は、10MHz以上3.2GHz以下の帯域の少なくとも一部を含む、
技術10から12のいずれか一項に記載の光送信器。
【0158】
(技術14)
前記第1電気信号が入力される入力ポートを有するコネクタと、
前記LC並列回路を含む少なくとも1つの受動回路と、を備え、
前記入力ポートに入力された前記第1電気信号を、前記発光素子及び前記少なくとも1つの受動回路のみによって前記光信号に変換する、
技術10から13のいずれか一項に記載の光送信器。
【0159】
(技術15)
前記第1電気信号が入力される入力ポートを有するコネクタを備え、
前記第1電気信号のフィードバック制御も前記光信号のフィードバック制御も行うことなく、前記入力ポートに入力された前記第1電気信号を前記光信号に変換する、
技術1から14のいずれか一項に記載の光送信器。
【0160】
(技術16)
以下の(1)及び(2)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、技術1から15のいずれか一項に記載の光送信器。
(1)前記インダクタは、チップインダクタである。
(2)前記キャパシタは、チップキャパシタである。
【0161】
(技術17)
以下の(i)及び(ii)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、技術1から16のいずれか一項に記載の光送信器。
(i)前記インダクタは、可変インダクタである。
(ii)前記キャパシタは、可変キャパシタである。
【0162】
(技術18)
技術1から17のいずれか一項に記載の光送信器と、
光受信器と、
前記光信号を前記光送信器から前記光受信器に導くことに用いられる光ケーブルと、を備えた、
光通信システム。
【0163】
(技術19)
前記光受信器は、光検出素子及び第2グランドを含み、
前記光検出素子は、前記光検出素子に入力された前記光信号に応じて、第2電気信号を出力し、
前記光検出素子は、前記第2グランドに電気的に接続されている、
技術18に記載の光通信システム。
【0164】
(技術20)
ケーブルテレビシステム用である、
技術18又は19に記載の光通信システム。
【0165】
(技術21)
第1単位構成及び第2単位構成を備え、
前記第1単位構成及び前記第2単位構成のそれぞれは、技術1から17のいずれか一項に記載の光送信器を含み、
以下の(I)及び(II)からなる群より選択される少なくとも1つが成立する、光送信器アレイ。
(I)前記第1単位構成の前記インダクタのインダクタンスと、前記第2単位構成の前記インダクタのインダクタンスとは、互いに異なる。
(II)前記第1単位構成の前記キャパシタのキャパシタンスと、前記第2単位構成の前記キャパシタのキャパシタンスとは、互いに異なる。
【0166】
(技術22)
技術21に記載の光送信器アレイと、
前記第1単位構成からの前記光信号及び前記第2単位構成からの前記光信号を含む複数の光信号を多重化することによって多重化信号を生成するマルチプレクサと、を備える、
光送信装置。
【0167】
(技術23)
技術22に記載の光送信装置と、
光受信装置と、
前記多重化信号を前記光送信装置から前記光受信装置に導くことに用いられる光ケーブルと、を備え、
前記光受信装置は、前記多重化信号を前記複数の光信号に分離するデマルチプレクサを含む、
光通信システム。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明に係る技術は、ケーブルテレビシステム等に利用できる。具体的には、本発明に係る技術は、8k等の高解像度の映像配信に利用できる。本発明は、信号伝送の品質を向上させることに適している。具体的には、本発明によれば、送信器からの信号を受信する受信系において、信号のCNRを改善することが可能である。ケーブルテレビシステムにおいては、受信系において信号のCNRを改善することにより、画質を向上させることができる。
【符号の説明】
【0169】
10,20 機器
50,550 光通信システム
100 光送信器
105,205 コネクタ
105i 入力ポート
105g,205g グランド領域
110,210 基板
110a,210a 表面
210b,210b 裏面
110z,210z RF回路
111,112,211,212 孔
115,125,215,225 導電線路
116,126,216,226 導電プレーン
117,217 グランド
129,229 ベタグランド
118,218 信号線
121,221 スルーホール
115c,125c,215c,225c コプレーナ線路
115cn,215cn グランド付ではないコプレーナ線路
125cg,225cg グランド付コプレーナ線路
130 TOSA
131,231 寄生インダクタ
132,232 寄生キャパシタ
133,233 寄生抵抗
135 発光素子
135a,235a アノード
135c,235c カソード
136,137,236,237 リード線
150,250 LC並列回路
151,251 インダクタ
152,252 キャパシタ
153 内部抵抗
170,270 バイアスティー
190,290,390 DC電源
200 光受信器
205o 出力ポート
235 光検出素子
230 ROSA
300 光ケーブル
600,700 単位構成
650 光送信器アレイ
670 マルチプレクサ
690 光送信装置
750 光受信器アレイ
770 デマルチプレクサ
790 光受信装置
800 CWCN評価系
810 シグナルジェネレータ
820,840 同軸ケーブル
830 インピーダンス変換器
850 増幅器
860 測定器
S1,S2,So,Sm 信号
TA1,TA2,RA1,RA2 アナログ構成例