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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092868
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】フロアパネル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/024 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
E04F15/024 601Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209082
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000110479
【氏名又は名称】ナカ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 浩一
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA26
2E220AA36
2E220AB08
2E220AB24
2E220AC03
2E220BA01
2E220CA14
2E220DB17
2E220EA11
(57)【要約】
【課題】強度を確保しつつ、開口の小型化が可能なフロアパネルを得る。
【解決手段】フロアパネル1は、板状に形成され、側縁21から窪むと共に厚さ方向に貫通する開口23を成す開口縁22を備えるパネル本体2と、開口縁22に沿って接触した状態で開口縁22に固定される開口枠体31と、開口枠体31から連続し開口縁22の両側で側縁21に沿って接触した状態で側縁21に固定される一対の翼部32と、を備える枠部材3と、開口枠体31に掛け渡されると共にパネル本体1の厚さ方向に見て開口23を塞ぐ塞ぎ部材4と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成され、側縁から窪むと共に厚さ方向に貫通する開口を成す開口縁を備えるパネル本体と、
前記開口縁に沿って接触した状態で前記開口縁に固定される開口枠体と、前記開口枠体から連続し前記開口縁の両側で前記側縁に沿って接触した状態で前記側縁に固定される一対の翼部と、を備える枠部材と、
前記開口枠体に掛け渡されると共に前記パネル本体の前記厚さ方向に見て前記開口を塞ぐ塞ぎ部材と、
を有するフロアパネル。
【請求項2】
前記開口枠体と前記塞ぎ部材とを切り離し可能に固定する連結部、を有する請求項1に記載のフロアパネル。
【請求項3】
前記開口枠体には、前記開口枠体から切り離された前記塞ぎ部材を支持可能な突出片が、前記開口に向けて突出して設けられる請求項2に記載のフロアパネル。
【請求項4】
複数の前記連結部を備え、
一部の前記連結部が切断された状態で他の前記連結部が前記塞ぎ部材を前記開口枠体に対し揺動可能に保持する、請求項3に記載のフロアパネル。
【請求項5】
前記塞ぎ部材には、前記開口枠体に対して前記塞ぎ部材が揺動する場合に前記突出片を避ける凹部が設けられる請求項4に記載のフロアパネル。
【請求項6】
前記パネル本体の外面を被覆する被覆板を有し、
前記被覆板は、前記開口枠体に係止される係止片
を有する請求項2~請求項5のいずれか一項に記載のフロアパネル。
【請求項7】
前記係止片は、前記開口枠体に形成された溝部に収容され、
前記塞ぎ部材は、前記開口枠体から切り離された状態で前記溝部に収容される収容片を有する請求項6に記載のフロアパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、フロアパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パネル板材の開口部分の周辺部に、第1主面から第2主面に向かって凹入する第1凹入部分と、第1凹入部分における第1凹入底面に設けられた嵌合部分とを有する構造が記載されている。そして、カバー部材が、パネル板材の開口部分に配される。カバー部材は、配線等をフロアパネルの下側から上側に導出させるための開口部を有している。カバー部材の本体部には、外側に位置する長辺部分が他方の長辺部分側に凹入する凹入部分を有している。カバー部材の凹入領域には、カバープレートが嵌合されるようになっている。
【0003】
特許文献2には、床パネルのパネル本体の側面に開口部が形成され、床パネルは、パネル本体のパーチクルボードに固定されたカバー部材によって開口部が構成されている構造が記載されている。カバー部材の上側に設けられたカバープレートによってカバー部材の開口部が上側から塞がれるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-031593号公報
【特許文献2】特開2020-186586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、パネル部材の開口部分にカバー部材が大きく張り出している。
【0006】
特許文献2に記載の技術では、パネル本体の開口部がカバー部材によって構成されており、カバー部材が開口部の内側に大きく張り出している。
【0007】
特許文献1及び特許文献2の技術において、カバー部材の内側は配線が通る配線口であるが、この配線口を小さくするためには、カバー部材を大きくする必要がある。これに伴い、パネル部材の開口部分又は開口部や、カバープレートも大きくする必要がある。
【0008】
また、フロアパネルでは、開口が形成された部分の強度を維持することが求められる。
【0009】
本開示の技術の目的は、強度を確保しつつ、開口の小型化が可能なフロアパネルを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一態様のフロアパネルは、板状に形成され、側縁から窪むと共に厚さ方向に貫通する開口を成す開口縁を備えるパネル本体と、前記開口縁に沿って接触した状態で前記開口縁に固定される開口枠体と、前記開口枠体から連続し前記開口縁の両側で前記側縁に沿って接触した状態で前記側縁に固定される一対の翼部と、を備える枠部材と、前記開口枠体に掛け渡されると共に前記パネル本体の前記厚さ方向に見て前記開口を塞ぐ塞ぎ部材と、を有する。
【0011】
このフロアパネルでは、パネル本体が開口縁を備えている。開口縁には、開口縁に沿って接触した状態で、枠部材の開口枠体が固定される。開口枠体により、開口縁が補強される。枠部材の開口枠体からは、一対の翼部が連続している。一対の翼部は、開口縁の両側で側縁に沿って接触した状態で側縁に固定されるので、一対の翼部がない構造の枠部材と比較して、開口の周縁におけるフロアパネルの強度が高く確保される。
【0012】
開口枠体は開口縁に沿って接触した状態で開口縁に固定されており、開口に大きく張り出さない形状である。すなわち、開口を所望の大きさとするために、開口枠体の張出部分を考慮して予め大きく形成しておく必要がない。このため、開口の小型化を図ることが可能である。
【0013】
塞ぎ部材は、枠部材の開口枠体に掛け渡されている。したがって、塞ぎ部材がない構造と比較して、枠部材の強度が高い。塞ぎ部材により、パネル本体の厚さ方向に見て開口を塞ぐ構造を実現できる。
【0014】
塞ぎ部材が開口を塞いでいない状態では、開口縁によって成される開口に、ケーブル等を通すことができる。
【0015】
第二態様のフロアパネルでは、第一態様において、前記開口枠体と前記塞ぎ部材とを切り離し可能に固定する連結部、を有する。
【0016】
連結部により、開口枠体と塞ぎ部材とを連結することで、塞ぎ部材が開口を塞いでいる状態を維持できる。また、連結部により、この連結を切り離すことで、開口を開放した状態にできる。
【0017】
第三態様のフロアパネルでは、第二態様において、前記開口枠体には、前記開口枠体から切り離された前記塞ぎ部材を支持可能な突出片が、前記開口に向けて突出して設けられる。
【0018】
開口枠体から切り離された塞ぎ部材を、突出片によって支持できる。突出片は開口に向けて突出して設けられているので、塞ぎ部材を、開口内に位置した状態で突出片により支持できる。
【0019】
第四態様のフロアパネルでは、第三態様において、複数の前記連結部を備え、一部の前記連結部が切断された状態で他の前記連結部が前記塞ぎ部材を前記開口枠体に対し揺動可能に保持する。
【0020】
一部の連結部が切断された状態で、他の連結部を中心にして、塞ぎ部材を開口枠体に対し揺動させることで、開口を開放することができる。他の連結部は、一部の連結部が切断された状態でも塞ぎ部材を保持しているので、塞ぎ部材が枠部材から分離せず、塞ぎ部材を紛失しない。なお、他の連結部を切断することで、塞ぎ部材は開口枠体から切り離される。
【0021】
第五態様のフロアパネルでは、第四態様において、前記塞ぎ部材には、前記開口枠体に対して前記塞ぎ部材が揺動する場合に前記突出片を避ける凹部が設けられる。
【0022】
したがって、塞ぎ部材が揺動する場合に、凹部によって突出片が塞ぎ部材に接触せず、塞ぎ部材をスムーズ且つ確実に揺動させることができる。
【0023】
第六態様のフロアパネルでは、第二~第六の何れか一態様において、前記パネル本体の外面を被覆する被覆板を有し、前記被覆板は、前記開口枠体に係止される係止片を有する。
【0024】
被覆板がパネル本体の外面を被覆するので、パネル本体の見栄えを向上させることができ、また、被覆板によってパネル本体を保護できる。
【0025】
被覆板は、開口枠体に係止されるので、枠部材を介して被覆板をパネル本体に固定できる。
【0026】
第七態様のフロアパネルでは、第六態様において、前記係止片は、前記開口枠体に形成された溝部に収容され、前記塞ぎ部材は、前記開口枠体から切り離された状態で前記溝部に収容される収容片を有する。
【0027】
係止片は、溝部に収容されるので、開口枠体に係止された状態で係止片の位置ズレやがたつきを抑制できる。塞ぎ部材の収容片は、塞ぎ部材が開口枠体から切り離された状態で溝部に収容されるので、開口枠体に支持された状態で塞ぎ部材の位置ズレやがたつきを抑制できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、強度を確保しつつ、開口の小型化が可能なフロアパネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1はフロアパネルをスラブ上に設置された状態で示す斜視図である。
図2図2はフロアパネルを部分的に拡大して示す斜視図である。
図3図3はフロアパネルを塞ぎ部材が開口を塞いだ状態で部分的に拡大して示す斜視図である。
図4図4はフロアパネルを塞ぎ部材が開口を塞いだ状態で部分的に拡大して示す分解斜視図である。
図5図5はフロアパネルを部分的に拡大して示す分解斜視図である。
図6図6はフロアパネルを塞ぎ部材が開口を塞いだ状態で部分的に拡大して示す平面図である。
図7図7はフロアパネルを塞ぎ部材が開口を塞いだ状態で部分的に拡大して示す図6のA-A線断面図である。
図8図8はフロアパネルを塞ぎ部材が回転した状態で部分的に拡大して示す斜視図である。
図9図9はフロアパネルを塞ぎ部材が回転した状態で部分的に拡大して示す断面図である。
図10図10はフロアパネルを塞ぎ部材が突出片に支持された状態で部分的に拡大して示す斜視図である。
図11図11はフロアパネルを塞ぎ部材が突出片に支持された状態で部分的に拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本願の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0031】
図1には、フロアパネル1が示されている。図2図10には、フロアパネル1が部分的に拡大して示されている。本開示の技術では、複数枚のフロアパネル1が、たとえば建物のスラブ11上に並べて配置される。そして、フロアパネル1の角部が、互いに突き合わされた状態で支持脚12によって支持され、図1に示す固定具8によりフロアパネル1と支持脚12とが固定される。図1に示す例では、並べて配置された複数枚のフロアパネル1の上に、さらにカーペット13等が敷かれている。
【0032】
図2及び図3に示すように、フロアパネル1は、パネル本体2、枠部材3及び塞ぎ部材4を有している。さらに、枠部材3と塞ぎ部材4とが、後述する連結部6(図6参照)によって一体化されてカバー部材7が構成されている。さらに、パネル本体2は、被覆板5によって外面が被覆されている。
【0033】
以下、パネル本体2の幅方向、奥行方向及び厚み方向を、それぞれ矢印W、矢印D及び矢印Tで示す。
【0034】
パネル本体2は板状に形成されている。図1に示したように、パネル本体2を厚み方向(矢印T方向)に見た形状は、本開示の技術では正方形である。ただし、パネル本体2を厚み方向に見た形状は正方形に限定されず、たとえばスラブ11上に敷き詰めることが可能であれば、長方形や平行四辺形であってもよく、さらには多角形状であってもよい。パネル本体2の材質は特に限定されず、たとえば木質材であってもよいし、樹脂製であってもよい。
【0035】
本実施形態では、パネル本体2は厚み方向に見て正方形であるので、4つの側縁を有している。図4には、4つの側縁のうちの1つの側縁21が示されている。
【0036】
この図4に示すように、パネル本体2の1つの側縁21には、開口縁22が備えられている。開口縁22は、この側縁21の長手方向(図4に示す例では矢印W方向)の中央の位置において、側縁21が奥側に窪む形状である。開口縁22は、パネル本体2を厚み方向(矢印T方向)に貫通する開口23を成している。開口23は、パネル本体2を厚み方向から見て長方形に形成される。本実施形態では、開口縁22は、1つの開口奥面22Aと、一対の開口側面22Bと、を含んでいる。開口側面22Bは、側縁21から連続し、側縁21と直交する面である。一対の開口側面22B同士は互いに平行である。開口奥面22Aは、開口側面22Bに奥側で連続し、側縁21と平行な面である。
【0037】
枠部材3は、開口枠体31と、一対の翼部32と、を備えている。開口枠体31は、1つの奥壁部31Aと、一対の側壁部31Bと、を含んでいる。奥壁部31Aは、開口縁22の開口奥面22Aに沿って接触配置される板状の部位である。側壁部31Bは、奥壁部31Aの幅方向(矢印W方向)の両側から連続している板状の部位であり、開口縁22の開口側面22Bに沿って接触配置される。側壁部31B同士は互いに平行である。
【0038】
翼部32のそれぞれは側壁部31Bから連続している板状の部位である。翼部32は、側壁部31Bの手前側から幅方向外側に向けて延出されている。
【0039】
開口枠体31(奥壁部31A)及び翼部32には、ネジ孔33が形成されている。図5にも示すように、ネジ孔33に挿通されたネジ34をパネル本体2にねじ込むことで、枠部材3はパネル本体2に固定される。パネル本体2への固定状態で、枠部材3の開口枠体31は開口縁22に接触して、開口縁22を覆っている。また、枠部材3の一対の翼部32は、開口縁22の幅方向の両側で側縁21に接触している。
【0040】
塞ぎ部材4は、開口枠体31において、側壁部31Bの間で側壁部31Bに掛け渡されている。枠部材3がパネル本体2に固定された状態で、塞ぎ部材4は、パネル本体2の厚さ方向(矢印T方向)に見て長方形状であり、開口23を塞いでいる。なお、図4では図示の便宜上、塞ぎ部材4を枠部材3から分離して示している。しかしながら、塞ぎ部材4を枠部材3から切り離す前の状態では、前述のように、塞ぎ部材4は枠部材3と連結部6によって一体化され、カバー部材7が構成されている。
【0041】
図6に示すように、本実施形態では、開口23は、パネル本体2の厚さ方向に見て長方形状である。そして、塞ぎ部材4も長方形状である。塞ぎ部材4は、奥辺4A、側辺4B及び手前辺4Cを有している。
【0042】
開口枠体31の側壁部31Bと塞ぎ部材4とは、連結部6で連結されている。具体的には、開口枠体31の奥壁部31Aと塞ぎ部材4の奥辺4Aとは、連結部6Aで連結されている。また、開口枠体31の側壁部31Bと塞ぎ部材4の側辺4Bとは、連結部6Bで連結され、開口枠体31と一体化されている。そして、塞ぎ部材4が、側壁部31Bの間に掛け渡され、開口23を塞いだ状態に維持されている。
【0043】
連結部6Bは、塞ぎ部材4の側辺4Bにおいて、手前辺4Cに近い位置で、側辺4Bの全域に渡ることなく、側辺4Bの一部の範囲に形成されている。そして、連結部6Bの厚みは、塞ぎ部材4の厚みよりも薄い。これにより、連結部6Bを、刃物等を用いて切断することが可能である。
【0044】
連結部6Aは、塞ぎ部材4の奥辺4Aにおいて、奥辺4Aの概ね全域に渡って形成されている。連結部6Aの厚みは、塞ぎ部材4の厚みよりも薄い。特に、図7に示すように、連結部6Aには、厚みを局所的に薄くした薄肉部6Dが形成されている。これにより、連結部6Aを、刃物等を用いて切断しやすくなっている。
【0045】
たとえば、図8及び図9に示すように、連結部6Bは切断し、連結部6Aは切断しない状態とすることが可能である。この状態では、連結部6Aの薄肉部6Dが、弾性変形可能な、いわゆる薄肉ヒンジとして作用する。すなわち、連結部6Bが切断された状態で、薄肉部6Dは、塞ぎ部材4を開口枠体31に対し揺動可能に保持している。
【0046】
また、図4図10及び図11に示すように、連結部6A及び連結部6Bの両方を切断した状態とすることも可能である。この状態では、塞ぎ部材4は開口枠体31から切り離される。すなわち、連結部6B及び連結部6Aは、開口枠体31と塞ぎ部材4とを切断により分離可能に連結している部分である。開口枠体31から塞ぎ部材4を切り離すことで、開口23を最大限利用することができる。
【0047】
開口枠体31には、突出片35が設けられている。突出片35は、開口枠体31の側壁部31Bから、開口23の内側に向けて突出している。突出片35の位置は、連結部6Bとは異なる位置である。本実施形態では、連結部6Bよりも奥側且つ下側である。
【0048】
図10及び図11に示すように、突出片35は、開口枠体31から切り離された塞ぎ部材4を支持可能な部分である。本実施形態では、塞ぎ部材4が、奥辺4Aと手前辺4Cとを逆にして開口枠体31の内側に配置された状態で、突出片35は塞ぎ部材4の側辺4Bに近い部分を支持する。これにより、開口枠体31から切り離された塞ぎ部材4でも開口23を塞ぐことができる。
【0049】
塞ぎ部材4の側辺4Bには、凹部41が形成されている。凹部41は、側辺4Bにおいて幅方向の内側に凹む形状である。凹部41は、塞ぎ部材4が薄肉部6Dを中心として揺動(回転)する場合に、突出片35を避ける位置及び形状に形成されている。したがって、塞ぎ部材4が回転する場合に突出片35に接触せず、塞ぎ部材4をスムーズ且つ確実に揺動(回転)させることができる。
【0050】
図7に示すように、開口枠体31には、爪部31Fが設けられている。爪部31Fは、開口枠体31の側壁31Bから、開口23の内側に向けて突出している。これに対し、塞ぎ部材4にも、爪部4Fが設けられている。爪部4Fは、塞ぎ部材4の側辺4Bから、下方且つ幅方向外側に向けて突出している。塞ぎ部材4が薄肉部6Dを中心として回転すると、爪部4Fが爪部31Fに接触するが、爪部4Fが爪部31Fを乗り越えることで、さらに塞ぎ部材4は回転可能である。そして、爪部4Fが爪部31Fを乗り越えた状態では、爪部4F、爪部31F同士が係合することで、塞ぎ部材4が回転した状態(図9に示す状態)が維持されるようになっている。
【0051】
開口枠体31の奥壁部31Aの上側には、溝部36が形成されている。溝部36は、奥壁部31Aにおいて、幅方向の全域に渡って形成されている。
【0052】
塞ぎ部材4には、収容片42が形成されている。塞ぎ部材4は、手前辺4C側に薄板部4Dが形成されており、手前辺4Cに近い位置では、薄板部4Dから下側に延出される形状で収容片42が形成されている。本実施形態では、図11に示すように、塞ぎ部材4単体が、奥辺4Aと手前辺4Cとを逆にして開口枠体31の内側に配置された状態で、溝部36に収容片42が収容される。そして、塞ぎ部材4の手前辺4C側の部分が奥側に位置し、連結部6Aによって支持される。
【0053】
塞ぎ部材4の手前辺4Cには、凹部43が形成されている。図2図3及び図5に示すように、凹部43は、塞ぎ部材4が、連結部6B及び連結部6Aによって開口枠体31に連結された状態であっても、手前辺4Cよりも奥側へ湾曲している部分である。
【0054】
開口枠体31の奥壁部31Aの上部には、凸部37が形成されている。本実施形態では、図10及び図11に示すように、開口枠体31から切り離された塞ぎ部材4が、奥辺4Aと手前辺4Cとを逆にして開口枠体31の内側に配置された状態で、凹部43に凸部37が入り込む。凸部37の突出端側(手前側)は幅方向に沿って直線状に形成されており、凸部37が凹部43に入り込んだ状態でも凹部41との間に僅かな隙間が構成されるようになっている。
【0055】
開口枠体31には、一対の突出壁部38が形成されている。突出壁部38は、側壁部31Bから手前側に突出する形状である。
【0056】
図5に示すように、被覆板5は、表面板51及び裏面板52を含んでいる。表面板51は、下方が開放した扁平な箱状に形成されている。具体的には、表面板51は、パネル本体2の表面2Pに接触する表板51Pと、この表板51Pの4辺(図5では手前側の辺のみ図示)から下方に延出された側板51Rと、を有している。
【0057】
裏面板52は、上方が開放した扁平な箱状に形成されている。具体的には、裏面板52は、パネル本体2の裏面2Qに接触する裏板52Qと、この裏板52Qの4辺から上方に延出された側板52Sと、を有している。表面板51及び裏面板52は、たとえば、平板状の鋼板をプレス加工することにより形成される。実際には、表面板51の表板51Pをパネル本体2の表面2Pに、裏面板52の裏板52Qをパネル本体2の裏面にそれぞれ接触させた状態で、表面板51及び裏面板52の端部(側板51R及び側板52S)を折り曲げることで、パネル本体2の外面を被覆した状態の被覆板5が、表面板51及び裏面板52によって構成される。表面板51及び裏面板52は、それぞれの端部(側板51R及び側板52S)が部分的に重ねあわされて折り込まれるので、表面板51と裏面板52とが一体化されて、パネル本体2を被覆した状態に維持される。
【0058】
表面板51には、折り曲げ片51Tが形成されている。折り曲げ片51Tは、パネル本体2に固定された枠部材3の開口枠体31を上側から巻き込むように、表板51Pから下方に延出されている。同様に、裏面板52にも折り曲げ片52Uが形成されている。折り曲げ片52Uは、パネル本体2に固定された枠部材3の開口枠体31を下側から巻き込むように、裏板52Qから上方に延出されている。
【0059】
特に、折り曲げ片51Tにおいて、開口枠体31の奥壁部31Aに対応する部分は、係止片51Vである。係止片51Vは、図10及び図11に示すように、その先端側が開口枠体31の溝部36に収容される。係止片51Vは、開口枠体31に係止される。
【0060】
表板51Pに対する係止片51Vの曲げ角度θ1は、90度よりも大きくされている。これにより、係止片51Vの先端側は、溝部36の奥面36Aに対し斜めに浮き上がり、板バネとして作用する。図11に示すように、溝部36に、塞ぎ部材4の収容片42が収容されると、収容片42を手前側に押圧し、溝部36の手前面36Cに押し付ける。
【0061】
塞ぎ部材4の手前辺4Cには、上に向かうに従って手前側へ傾斜する傾斜面44が形成されている。傾斜面44が係止片51Vに面接触するように、収容片42が溝部36に収容された状態で傾斜面44の形状が決められている。
【0062】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0063】
本実施形態のフロアパネル1では、パネル本体2が被覆板5(表面板51及び裏面板52)によって被覆されている。これにより、パネル本体2の見栄えが向上されており、また、パネル本体2が被覆板5により補強されている。
【0064】
枠部材3の開口枠体31には、一対の突出壁部38が形成されている。突出壁部38は、側壁部31Bから手前側に突出する形状である。この突出部分は、表面板51の側板51R及び裏面板52の側板52Sの端辺を覆うので、側板51R及び側板52の端辺が露出しない。
【0065】
フロアパネル1では、開口縁22が開口23を成している。開口縁22には、枠部材3の開口枠体31が固定されている。開口枠体31は、開口縁22に沿って接触しており、フロアパネル1では、開口縁22が補強されている。
【0066】
また、開口枠体31からは、一対の翼部32が連続し、幅方向外側に向けて延出されている。一対の翼部32は、開口縁22の両側に位置しており、そして、翼部32は、パネル本体2の側縁21に沿って接触した状態で、側縁21に固定されている。本実施形態では、翼部32によっても枠部材3がフロアパネル1に固定されるので、開口23の周縁におけるフロアパネル1の強度が高く確保される。
【0067】
開口枠体31は、開口縁22に沿って接触した状態で開口縁22に固定されている。すなわち、開口枠体31には、開口23に向けて大きく張り出す部分がない。したがって、開口縁22によって成される開口23を所望の大きさとするために、開口枠体31の張出部分を考慮して、開口23を予め大きく形成しておく必要がない。このため、開口23の大きさの設定の自由度が高くなり、開口23の小型化を図ることが可能である。
【0068】
本実施形態では、塞ぎ部材4は、枠部材3に設けられる開口枠体31の側壁部31Bの間に掛け渡されている。また、塞ぎ部材4は、連結部6B及び連結部6Aによって開口枠体31に連結されている。このように、塞ぎ部材4が枠部材3の開口枠体31の間に掛け渡されているので、開口枠体31に掛け渡されている部材がない構造と比較して、枠部材3の強度が高い。
【0069】
連結部6Bが切断された状態で、塞ぎ部材4を、薄肉部6Dを中心として回転させた状態で、開口23を開放することができる。この場合、塞ぎ部材4に設けられる爪部4Fと、開口枠体31に設けられる爪部31F同士を係合させることで、塞ぎ部材4が回転した状態を維持している。すなわち、塞ぎ部材4は開口枠体31と繋がった状態を維持しているので、塞ぎ部材4を紛失することはない。このように開放された開口23には、たとえば、各種のケーブルやワイヤー等を通すことが可能である。
【0070】
また、図11に示すように、枠部材3から切り離された塞ぎ部材4が手前側と奥側とを逆にした姿勢で、突出片35によって支持された状態では、塞ぎ部材4の収容片42は、溝部36の手前面36Cと係止片51Vの間に挿入される。板バネとして作用する係止片51Vが、収容片42を溝部36の手前面36C側に押圧するので、収容片42を溝部36の手前面36Cと係止片51Vの間に挿入された状態で保持できる。これにより、枠部材3から切り離された塞ぎ部材4が枠部材3に対し抜け止めされるので、塞ぎ部材4の離脱を抑制できる。
【0071】
枠部材3と塞ぎ部材4とが一体化されて構成されたカバー部材7は、例えば、樹脂により形成される。この場合、一例として、カバー部材7を射出成形により形成することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1・・・フロアパネル 11・・・スラブ 12・・・支持脚 13・・・カーペット
2・・・パネル本体 2P・・・表面 2Q・・・裏面
21・・・側縁 22・・・開口縁
22A・・・開口奥面 22B・・・開口側面 23・・・開口
3・・・枠部材 31・・・開口枠体 31A・・・奥壁部
31B・・・側壁部 32・・・翼部 33・・・ネジ孔 34・・・ネジ
35・・・突出片 36・・・溝部 36A・・・奥面
36C・・・手前面 37・・・凸部 38・・・突出壁部
4・・・塞ぎ部材 4A・・・奥辺 4B・・・側辺 4C・・・手前辺
4D・・・薄板部 41・・・凹部
42・・・収容片 43・・・凹部
5・・・被覆板 51・・・表面板 51P・・・表板 51R・・・側板
51T・・・折り曲げ片 51V・・・係止片
52・・・裏面板 52Q・・・裏板 52S・・・側板
52U・・・折り曲げ片
6・・・連結部 6A・・・連結部 6B・・・連結部
6D・・・薄肉部 7・・・カバー部材 8・・・固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11