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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092872
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】軒先面戸及びその折板屋根
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/15 20060101AFI20240701BHJP
   E04D 3/40 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
E04D13/15 Q
E04D3/40 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209091
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000175973
【氏名又は名称】三晃金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】接待 拓朗
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108AA02
2E108AZ08
2E108BN06
2E108CC01
2E108DF04
2E108DF11
2E108FF04
2E108GG15
(57)【要約】
【目的】嵌合キャップ材を介して隣接する折板屋根板材を連結してなる折板屋根の軒先に簡易且つ迅速に装着することができる軒先面戸及びその折板屋根を提供すること。
【構成】隣接する両折板屋根板材8の両被嵌合屈曲部83同士に嵌合して両折板屋根板材8を連結する嵌合キャップ材8とによって構成される折板屋根Bの軒先に装着する軒先面戸である。面戸主板11と、面戸主板11の頂部で且つ面戸主板11に対して直角状に設けられた接続上部12と、接続上部12に設けられ且つ面戸主板11と平行で且つ両被嵌合屈曲部83間に挿入される塞ぎ板15と、接続上部12に設けられた挿通開口21と挿通開口21の内周から中心に向かって突出する突出片22とを備えた接続口部2と備える。折板屋根Bの軒先の隣接する両折板屋根板材8の対向する両被嵌合屈曲部83間に予め設置されている取付ネジ具3のネジ軸部32に接続上部12の接続口部2が挿入される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主板の幅方向両側部分より立上り側部が形成され,両該立上り側部の上端に被嵌合屈曲部が形成された折板屋根板材と、隣接する両該折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部同士に嵌合して隣接する両前記折板屋根板材を連結する嵌合キャップ材とによって構成される折板屋根の軒先に装着する軒先面戸であって、面戸主板と、該面戸主板の頂部で且つ該面戸主板に対して直角状に設けられた接続上部と、該接続上部に設けられ且つ面戸主板と平行で且つ両前記被嵌合屈曲部間に挿入される塞ぎ板と、前記接続上部に設けられた挿通開口と該挿通開口の内周から中心に向かって突出する突出片とを備えた接続口部と備え、前記折板屋根の軒先の隣接する両前記折板屋根板材の対向する両被嵌合屈曲部間に予め設置されている取付ネジ具のネジ軸部に前記接続上部の前記接続口部が挿入されるようにしてなることを特徴とする軒先面戸。
【請求項2】
請求項1に記載の軒先面戸において、前記接続上部は前記面戸主板の正面側に位置し、前記面戸主板の頂部に設けられてなることを特徴とする軒先面戸。
【請求項3】
請求項1に記載の軒先面戸において、前記接続上部は前記面戸主板の背面側に位置し、前記面戸主板の頂部に設けられてなることを特徴とする軒先面戸。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の軒先面戸において、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成されてなることを特徴とする軒先面戸。
【請求項5】
面戸主板と該面戸主板の頂部で且つ該面戸主板に対して直角状に設けられた接続上部と該接続上部に設けられ且つ面戸主板と平行で且つ両前記被嵌合屈曲部間に挿入される塞ぎ板と,前記接続上部に設けられた挿通開口と該挿通開口の内周から中心に向かって突出する突出片とを備えた接続口部と備えた軒先面戸と、主板の幅方向両側部分より立上り側部が形成され,両該立上り側部の上端に被嵌合屈曲部が形成された折板屋根板材と、隣接する両該折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部同士に嵌合して隣接する両前記折板屋根板材を連結する嵌合キャップ材とによって構成される折板屋根と、隣接する両前記折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部間に配置固定される固定ベース部と該固定ベース部の下部に設けられたネジ軸部とを有する取付ネジ具とを備え、前記取付ネジ具は両前記折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部に装着され、前記軒先面戸の接続口部に前記取付ネジ具の前記ネジ軸部が挿入されると共に、前記突出片が前記ネジ軸に食い込むことを特徴とする折板屋根。
【請求項6】
請求項5に記載の折板屋根において、前記取付ネジ具の前記固定ベース部には、前記被嵌合屈曲部の上面と前記嵌合キャップ材との間に配置されるスペーサ片が設けられてなることを特徴とする折板屋根。
【請求項7】
請求項5に記載の折板屋根において、前記スペーサ片は、前記固定ベース部の上方で且つ幅方向両端から折り返し状に屈曲形成されてなることを特徴とする折板屋根。
【請求項8】
請求項5に記載の折板屋根において、前記スペーサ片は、前記固定ベース部とは別部材とし、前記固定ベースの上方に固着されてなることを特徴とする折板屋根。
【請求項9】
請求項5又は6に記載の折板屋根において、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成されてなることを特徴とする折板屋根。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合キャップ材を介して隣接する折板屋根板材を連結してなる折板屋根の軒先に簡易且つ迅速に装着することができる軒先面戸及びその折板屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属製の嵌合タイプの折板屋根板材からなり、隣接する折板屋根板材を嵌合キャップ材を介して連結し、台形状の山形部が等間隔に連続する折板屋根の施工が多く行われている。このような屋根の山形部箇所の軒先に雨仕舞,外観性等の目的で装着される面戸が種々開発されている。このような面戸は、屋根用面戸と称されたり、化粧面戸等の種々の名称で称されることもある。
【0003】
そして、その多くの代表的なものとして、面戸に差し込み用の腕状又は板状の突出片が形成され、該突出片を利用して折板屋根板材の一部にビス等の固着具を使用して取り付けるものである。また、面戸の下方に設けられた水切りを、屋根の外壁もしくは外壁の構造材にビス等の固着具にて取り付けるものが存在する。このタイプの面戸を下記に特許文献1及び特許文献2を取り上げた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-120101号公報
【特許文献2】実用新案登録第3209118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1(特開2019-120101号公報)では、軒先面戸の両側に有する爪,ふち及び頂部の突出部をタイトフレームの脚部等に折曲されて固定するものである。また、特許文献2(実用新案登録第3209118号公報)では、面戸の下方に設けられた水切りを、屋根の外壁もしくは外壁の構造材にビス等の固着具にて取り付け、折板屋根板材面戸を折板屋根の軒先に取り付けるものである。
【0006】
特許文献1では、軒先面戸の両側の爪,ふち及び頂部の突出部を折曲してタイトフレームに巻き付けるようにして固定する作業が必要である。この作業は、爪,ふち及び突出部を折り曲げるために工具が必要であり、且つ折り曲げ箇所が複数あり、このようなことから、1つの面戸を取り付けるのに、極めて時間と労力を有することとなり、作業員の肉体的負担が大きくなり、決して効率的な作業とはなり難いものである。
【0007】
特許文献2(実用新案登録第3209118号公報)では、折版屋根用面戸の水返し形状をタッピングネジなどによって外壁もしくは外壁の構造材に固定して、折板屋根板材面戸を折板屋根の軒先に取り付けるものであるため、面戸の閉塞部自体は、折板屋根の軒先部分に配置されているだけであり、特に固定する手段を有していない。そのため、装着作業が面倒であるのみならず、面戸は折板屋根の軒先への装着強度は十分な強度を有しておらず、また装着後においても不安定な状態となる等の問題点が存在する。そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決し、且つ軒先面戸を特に嵌合キャップ材を使用する嵌合タイプの折板屋根の軒先に装着する作業を簡易且つ迅速にでき且つ強固な装着にできる軒先面戸及びその折板屋根を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、主板の幅方向両側部分より立上り側部が形成され,両該立上り側部の上端に被嵌合屈曲部が形成された折板屋根板材と、隣接する両該折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部同士に嵌合して隣接する両前記折板屋根板材を連結する嵌合キャップ材とによって構成される折板屋根の軒先に装着する軒先面戸であって、面戸主板と、該面戸主板の頂部で且つ該面戸主板に対して直角状に設けられた接続上部と、該接続上部に設けられ且つ面戸主板と平行で且つ両前記被嵌合屈曲部間に挿入される塞ぎ板と、前記接続上部に設けられた挿通開口と該挿通開口の内周から中心に向かって突出する突出片とを備えた接続口部と備え、前記折板屋根の軒先の隣接する両前記折板屋根板材の対向する両被嵌合屈曲部間に予め設置されている取付ネジ具のネジ軸部に前記接続上部の前記接続口部が挿入されるようにしてなることを特徴とする軒先面戸としたことにより、上記課題を解決した。
【0009】
請求項2の発明を、請求項1に記載の軒先面戸において、前記接続上部は前記面戸主板の正面側に位置し、前記面戸主板の頂部に設けられてなることを特徴とする軒先面戸としたことにより、上記課題を解決した。請求項3の発明を、請求項1に記載の軒先面戸において、前記接続上部は前記面戸主板の背面側に位置し、前記面戸主板の頂部に設けられてなることを特徴とする軒先面戸としたことにより、上記課題を解決した。
【0010】
請求項4の発明を、請求項1又は2に記載の軒先面戸において、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成されてなることを特徴とする軒先面戸としたことにより、上記課題を解決した。
【0011】
請求項5の発明を、面戸主板と該面戸主板の頂部で且つ該面戸主板に対して直角状に設けられた接続上部と該接続上部に設けられ且つ面戸主板と平行で且つ両前記被嵌合屈曲部間に挿入される塞ぎ板と,前記接続上部に設けられた挿通開口と該挿通開口の内周から中心に向かって突出する突出片とを備えた接続口部と備えた軒先面戸と、主板の幅方向両側部分より立上り側部が形成され,両該立上り側部の上端に被嵌合屈曲部が形成された折板屋根板材と、隣接する両該折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部同士に嵌合して隣接する両前記折板屋根板材を連結する嵌合キャップ材とによって構成される折板屋根と、隣接する両前記折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部間に配置固定される固定ベース部と該固定ベース部の下部に設けられたネジ軸部とを有する取付ネジ具とを備え、前記取付ネジ具は両前記折板屋根板材の両前記被嵌合屈曲部に装着され、前記軒先面戸の接続口部に前記取付ネジ具の前記ネジ軸部が挿入されると共に、前記突出片が前記ネジ軸に食い込むことを特徴とする折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。
【0012】
請求項6の発明を、請求項5に記載の折板屋根において、前記取付ネジ具の前記固定ベース部には、前記被嵌合屈曲部の上面と前記嵌合キャップ材との間に配置されるスペーサ片が設けられてなることを特徴とする折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。請求項7の発明を、請求項5に記載の折板屋根において、前記スペーサ片は、前記固定ベース部の上方で且つ幅方向両端から折り返し状に屈曲形成されてなることを特徴とする折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。請求項8の発明を、請求項5に記載の折板屋根において、前記スペーサ片は、前記固定ベース部とは別部材とし、前記固定ベースの上方に固着されてなることを特徴とする折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。
【0013】
請求項9の発明を、請求項5又は6に記載の折板屋根において、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成されてなることを特徴とする折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明では、隣接する嵌合タイプの折板屋根板材同士と嵌合キャップ材とを嵌合により連結して施工される折板屋根に予め装着された取付ネジ具のネジ軸部に対して、本発明における軒先面戸の接続口部を前記ネジ軸部の先端の位置に合わせて作業員が軒先面戸を上方に押し上げるのみで、前記ネジ軸部が軒先面戸の接続口部に挿通し、さらにそのまま軒先面戸を押し上げ続けることで、接続口部の挿通開口にネジ軸部が入り込み貫通し、接続口部の突出片がネジ軸部のネジ溝部(ネジ谷部)に食い込むことで極めて簡易且つ迅速に軒先面戸を折板屋根の軒先に装着することができる。
【0015】
さらに、接続口部の突出片がネジ軸部のネジ溝部(ネジ谷部)に食い込むことにより、接続口部と共に軒先面戸がネジ軸部に極めて強固に固定できる。特に、一旦ネジ軸部のネジ溝部(ネジ谷部)に食い込んだ接続口部の突出片は、その自由端側が基本的に下方に向かって下がるように傾斜して変形するので、作業員は軒先面戸をさらに押し上げ易くなる。
【0016】
そして、軒先面戸がネジ軸部から外れようとする方向、つまり下方への負荷がかかると、突出片は、かえし或いは逆とげとしての働きをなし、該突出片はネジ溝部(ネジ谷部)により深く食い込もうとし、軒先面戸の折板屋根の軒先への装着状態はより一層強固なものとなり、下方側への負荷に対する耐久性に優れたものにできる。
【0017】
特に、本発明では、接続上部には面戸主板と平行となる塞ぎ板が形成されたものである。そして、本発明の軒先面戸を使用する嵌合タイプの折板屋根における隣接する折板屋根板材の両被嵌合屈曲部の間には、一定の比較的小さい隙間が生じ、そのままにしておくと、風が流れ込むことになる。そこで、本発明の軒先面戸が嵌合タイプの折板屋根に装着されるときには、前記塞ぎ板が両前記被嵌合屈曲部間に挿入されることになる。これにより、塞ぎ板は前記空隙を塞ぐ役目をなすこととなり、折板屋根の軒先と、軒先面戸との間に生じる隙間面積をより一層少なくすることができ、外観性を良好なものとし、且つ風雨,塵埃等の侵入を防止する役目をなすものである。
【0018】
請求項2の発明を、前記接続上部は前記面戸主板の正面側に位置するように設けられた構成により、ネジ軸部の先端と、軒先面戸の接続口部との両方の位置を確認し易く、ネジ軸部を、接続口部に挿通させることができ、軒先面戸の軒先への装着作業の効率を向上させることができる。請求項3の発明では、前記接続上部は前記面戸主板の背面側に位置するように設けられた構成により、軒先面戸を折板屋根の軒先に装着したときに、軒先面戸によってネジ軸部が外部から隠されることとなり、ネジ軸部を目立たないようにすることが好まれるときには好適な構造となる。
【0019】
請求項4の発明を、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成される構成としたことにより、折板屋根の軒先に軒先面戸をより一層簡易且つ強固に装着することができる。突出片の数を3としたものでは、3個の突出片がネジ軸部の周囲を三方より食い込むので安定した食い込み状態にできる。また、突出片の数を4としたものでは、4個の突出片がネジ軸部の周囲を四方より食い込むのでより一層安定且つ強固にできる。
【0020】
さらに、突出片の先端箇所は下方に下がるように傾斜形成される構成により、軒先面戸を折板屋根の軒先に装着する場合、ネジ軸部を接続口部の挿通開口に挿通させ易くでき、少ない力で軒先面戸を軒先に装着することができる。さらに、接続口部の上方より挿通したネジ軸部に対して突出片は先端が下方に傾斜して食い込むので、軒先面戸に下方に荷重がかかると突出片はネジ軸部により一層、強く食い込もうとし、耐久性のある装着状態にできる。請求項5の発明では、本発明における軒先面戸を嵌合タイプの折板屋根の軒先に装着したものである。したがって、嵌合タイプの折板屋根の軒先に軒先面戸を簡易且つ迅速に装着することができ、施工性及び作業効率に優れ、作業員の負担を減らすことができる折板屋根にすることができ、しかも、軒先面戸は極めて強固に装着することができるものである。
【0021】
請求項6乃至請求項8の発明では、前記取付ネジ具の前記固定ベース部には、前記被嵌合屈曲部の上面と前記嵌合キャップ材との間に配置されるスペーサ片が設けられたことにより、隣接する折板屋根板材の両被嵌合屈曲部の頂片に設置された取付ネジ具がスペーサ片により両被嵌合屈曲部と嵌合キャップ材との間にて固定状態となり、そのために、軒先面戸を折板屋根の軒先に下方から押し上げるようにして、装着するときに、取付ネジ具が両被嵌合屈曲部と嵌合キャップ材との間でガタつかず、軒先面戸を軒先に極めて簡単に装着することができる。
【0022】
請求項9の発明では、前記突出片の数は3又は4とし、各該突出片は台形状とし、前記接続口部の周囲に沿って等間隔に配置されると共に先端箇所は下方に下がるように傾斜形成された折板屋根としたことにより、軒先面戸を軒先に極めて強固に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】(A)は本発明の軒先面戸の斜視図、(B)は(A)の(α)部の一部切除した拡大図、(C)は(B)の(β)部拡大図である。
図2】(A)は本発明の軒先面戸の正面図、(B)は(A)の平面図、(C)は(A)のY1-Y1矢視断面図、(D)は(A)のX1-X1矢視拡大図、(E)の(D)のX2-X2矢視端面拡大図、(F)は(E)の(γ)部拡大図である。
図3】(A)は取付ネジ具を使用して嵌合タイプの折板屋根の軒先に軒先面戸を装着した要部正面図、(B)は(A)の(δ)部拡大図、(C)は折板屋根の軒先に軒先面戸を装着した一部切除且つ断面にした要部拡大正面図、(D)は(C)の(ε)部拡大図、(E)は折板屋根の軒先に軒先面戸を装着した概略断面図である。
図4】(A)は折板屋根の軒先に軒先面戸を装着した一部切除した斜視図、(B)は嵌合キャップ材と折板屋根板材と取付ネジ具と嵌合キャップ材を分離した状態の一部断面にした要部正面図である。
図5】(A)の(I)は折板屋根の軒先への軒先面戸の装着を開始しようとする状態を示す正面図であり(II)は(I)の(ア)部拡大図、(B)の(I)はネジ軸部が軒先面戸の接続口部に挿通を開始した直後の状態の正面図であり(II)は(I)の(イ)部拡大図、(C)の(I)はネジ軸部が軒先面戸の接続口部に挿通をしている状態の正面図であり(II)は(I)の(ウ)部拡大図、(D)の(I)は折板屋根の軒先への軒先面戸の装着が完了した状態を示す正面図であり(II)は(I)の(エ)部拡大図である。
図6】軒先面戸の接続上部の別の実施形態の要部斜視図である。
図7】(A)は接続上部及び別の実施形態の接続口部の平面図、(B)は(A)における接続口部の要部斜視図、(C)は接続上部及びさらに別の実施形態の接続口部の要部平面図、(D)は(C)における接続口部の要部斜視図、(E)はさらに別の実施形態の接続口部の要部斜視図である。
図8】(A)は本発明の軒先面戸にシール材を装着した実施形態の斜視図、(B)は本発明の軒先面戸にシール材を装着した実施形態の接続上部の一部を切除した正面図、(C)は(B)の要部平面図である。
図9】(A)は取付ネジ具の下方より見た斜視図、(B)は取付ネジ具の上方より見た斜視図、(C)は取付ネジ具の別の実施形態の斜視図、(D)は(C)の取付ネジ具の正面図である。
図10】(A)は折板屋根板材及び嵌合キャップ材の正面略示図、(B)は嵌合タイプの折板屋根の要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明における軒先面戸及びその折板屋根の実施形態を図面に基づいて説明する。また、本発明における軒先面戸Aは、構造によって「軒先見切り面戸」,「軒先水切り面戸」等と称することもあり、本発明では主に、軒先面戸と称して説明する。さらに、本発明において、軒先面戸Aが装着される対象となる構成物は折板屋根Bであり、軒先面戸Aの折板屋根Bへの装着には取付ネジ具3を備える。まず軒先面戸Aについて説明する。本発明の軒先面戸Aは、主に面戸部1と接続口部2とを有している(図1図2参照)。
【0025】
さらに、面戸部1は、面戸主板11と接続上部12と傾斜状側部13と塞ぎ板15と、を有している。また、軒先面戸Aには必要に応じて見切り部14を有することもある〔図1(A),図2(A),(B)等参照〕。なお、該見切り部14において「見切り」は、「水切り」と称することもあり、よって「見切り部14」は「水切り部14」と称することもある。また、傾斜状側部13と見切り部14は、必要に応じて設けられるものであり、不要であるならば設けられないこともある。
【0026】
面戸主板11は、軒先面戸Aが装着されてなる折板屋根Bの正面より見た山形部Jに収まることができる形状である。具体的には、軒先面戸Aは正面より見て隣接する折板屋根板材8,8,…が嵌合キャップ材7を介して連結されて、略台形山形部分に沿う形状に形成され、折板屋根Bの軒先の形状と略同等形状となっている(図3図4図5等参照)。
【0027】
面戸主板11の頂部箇所に接続上部12が形成されている(図1図2参照)。前記面戸主板11の幅方向両側の頂端縁及び傾斜状端縁から、面戸主板11に略直角で且つ背面側に向かって傾斜状側部13,13が形成されている。塞ぎ板15は、接続上部12に対して垂直又は略垂直状に設けられたものである〔図1(A),図2(C)等参照〕。具体的には、塞ぎ板15は、接続上部12の面戸主板11の頂部から突出した部分とは反対側の先端部分に垂直状に形成されたものであり、接続上部12と一体的となるように、折曲形成されたものである。
【0028】
塞ぎ板15は、軒先面戸Aを装着しようとする折板屋根Bの隣接する折板屋根板材8,8の対向する両被嵌合屈曲部83,83との間の空隙部分に挿入されることによって該空隙を塞ぐ役目をなすものである〔図3(A),(B)参照〕。したがって、塞ぎ板15は両被嵌合屈曲部83,83間の空隙に納まる形状及び大きさを有しており、具体的には略長方形又は略正方形状であることが好ましい〔図3(B),図4(B)参照〕。塞ぎ板15は、折板屋根Bの軒先と、軒先面戸Aとの間に生じる隙間面積を少なくすることにより、外観性を良好なものとし、且つ風雨,塵埃等の侵入を防止する役目をなすものである。
【0029】
接続上部12及び両傾斜状側部13,13は、折板屋根Bの軒先箇所に装着するときに、折板屋根材8の下面側に当接又は近接するものである〔図3(A),(B)参照〕。また、傾斜状側部13,13及び接続上部12にシール材4が貼着されることもある(図8参照)。該シール材4は、紐状又は帯状のものであり、スポンジ,ゴム,ウレタン材等にて形成されたものである。
【0030】
シール材4は、両傾斜状側部13,13及び接続上部12上に亘って、連続して両面テープ又は接着剤等にて貼着されたものである〔図8(C)参照〕。このように、軒先面戸Aが折板屋根Bの軒先に装着されることにより、軒先面戸Aと、折板屋根Bの山形部Jの下面側との間にシール材4が挟持される状態となり、折板屋根Bと軒先面戸Aとの間において防水性を有する構成にすることができる。
【0031】
面戸主板11には、その外形形状に略等しく、且つ一回り小さく且つ裏面側に膨出形成された台形山形状の凹面部11aが形成されることもある〔図1(A),図2(A),(C)参照〕。該凹面部11aは、補強且つ外観性を良好にするものである。さらに、前記面戸主板11の下端には、正面より見て略長方形状の見切り部14が形成されている〔図1(A),図2(A),(C)等参照〕。該見切り部14は、必要に応じて形成されるものであり、必ずしも形成されることはない。
【0032】
接続上部12は、面戸主板11と一つの金属板にて一体的に形成されることができる。この場合、接続上部12は、面戸主板11の頂部箇所より、該面戸主板11に対して略直角状に屈曲形成されたものであって、面戸主板11と接続上部12とは一体的にプレス形成される。接続上部12は、面戸主板11の正面側より前方に向かって突出するように形成される(図1図2参照)。
【0033】
さらに、接続上部12は面戸主板11の裏面側より後方に向かって突出するように形成されることもある(図6参照)。また、特に図示しないが、接続上部12と面戸主板11とを別部材として、面戸主板11の上端に溶接等の固着手段にて固着する構成としてもかまわない。接続上部12の略中心位置には、接続口部2が形成されている(図1図2参照)。該接続口部2は、軒先面戸Aを、折板屋根Bの軒先に予め装着された後述する取付ネジ具3を介して折板屋根Bの軒先に装着する役目をなす部位である。
【0034】
接続口部2は、挿通開口21と、該挿通開口21の内周から中心に向かって突出する突出片22とを備えている〔図1図2(D),(E),(F)参照〕。接続口部2は、面戸部1の接続上部12に一体的に形成されるものである。これによって、接続上部12は接続口部2と共に軒先面戸Aを、取付ネジ具3を介して折板屋根Bの軒先に設置される(図3乃至図5参照)。接続口部2は、前述したように、挿通開口21と突出片22とによって構成されたものである。
【0035】
挿通開口21は、取付ネジ具3のネジ軸部32が挿通する接続上部12に形成された貫通箇所である。そして、挿通開口21の内周から挿通開口21の中心位置に向かって突出する突出片22が形成される。接続口部2には、後述する取付ネジ具3のネジ軸部32が相対的に挿通する〔図3(B),(C),図5参照〕。
【0036】
軒先面戸Aの接続口部2の突出片22は、2以上の複数個とし、挿通開口21の周囲に周方向に沿って等間隔に設けられる。なお、接続口部2の突出片22の個数は、1個でもかまわない。具体的には、突出片22の個数は4個が好適である。突出片22の個数を4個とした場合には、挿通開口21を挿通した取付ネジ具3のネジ軸部32を周方向に沿って4個の突出片22が等間隔にネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込むことになり、面戸部1の接続上部12が極めて安定した状態で取付ネジ具3に固定されるものである〔図3(C),図5(B)乃至(D)の各(II)参照〕。
【0037】
突出片22は、挿通開口21の内周から中心に向かって先端が狭くなる台形状となることが好ましい〔図1(B),(C),図2(C)乃至(D)参照〕。そして、隣接する突出片22同士の間にはスペースが存在するが、このスペースは挿通開口21の一部である〔図1(C)参照〕。また、接続上部12が水平状に配置された状態で、接続口部2の突出片22の先端部分、つまり挿通開口21の中心側寄りの部分が、下方に下がるように傾斜している。突出片22の先端が下方に下がるように傾斜していることで、不動状態の取付ネジ具3のネジ軸部32が挿通開口21の上方側から挿通させることが行い易くなる〔図5(B)乃至(D)参照〕。
【0038】
接続口部2の突出片22の個数を等間隔に3個とすることも好適であり、挿通開口21に挿通した取付ネジ具3のネジ軸部32を突出片22が等間隔に3方向から食い込み安定した接続口部2の固定状態にすることができる〔図7(A),(B)参照〕。接続口部2の突出片22の個数を5個以上とすることもあり、取付ネジ具3のネジ軸部32を突出片22が等間隔に多方向から食い込み軒先面戸Aを強固な固定状態にすることができる〔図7(C)~(E)参照〕。また、ネジ軸部32を挿通開口21に挿通するときの突出片22による抵抗を小さくすることができ軒先面戸Aの折板屋根への装着作業を楽にできる。
【0039】
次に、本発明における軒先面戸Aが装着される折板屋根Bについて、軒先面戸Aを折板屋根Bの軒先に装着する工程に基づいて説明する。折板屋根Bは、嵌合キャップ材を使用した嵌合タイプの折板屋根であり、主に折板屋根板材8と嵌合キャップ材7により構成される。折板屋根板材8は、主板81の幅方向両端箇所に傾斜状の立上り側部82が形成され、両該傾斜状の立上り側部82,82の上端より被嵌合屈曲部83,83が形成されている〔図10(A)参照〕。前記傾斜状の立上り側部82は、前記主板81に対して幅方向両端より上向きで外方に傾斜状として形成されている。
【0040】
被嵌合屈曲部83は、断面略コ字状に形成され、前記傾斜状の立上り側部82の上端より外方に向かって水平状片83aが形成され、該水平状片83aの外端より垂直状片83bが形成され、該垂直状片83bの上端より内方側(主板81側)に向かって頂片83cが形成され、該頂片83cの端縁から被嵌合屈曲片83dが形成されたものである〔図1(B)参照〕。
【0041】
嵌合キャップ材7は、その長手方向に長尺物として形成されたものであり〔図3(A)乃至(C),図4図10参照〕、上面部71と嵌合脚部72,72とからなる。具体的には、嵌合キャップ材7の長手方向の長さは、折板屋根板材8の長手方向の長さと略同等とすることが多い。そして、前記上面部71の幅方向両側より下方側に向かって前記嵌合脚部72,72が形成されている〔図3(B),図4(B)参照〕。
【0042】
上面部71は、扁平三角形状に形成されている。嵌合脚部72は、側片72a,嵌合屈曲片72b及び下端屈曲片72cから構成されている。前記両嵌合屈曲片72b,72bは相互に向かい合うように嵌合キャップ材7の内方側向かって突出するように膨出形成されている。
【0043】
そして、母屋,梁等の構造材上に受具が固着され該受具上に嵌合吊子85がボルト・ナット等の固着具により装着される。嵌合吊子85は、吊子本体85aの幅方向両側に舌片85b,85bが形成されている〔図10(B)参照〕。嵌合吊子85の両舌片85b,85bが隣接する折板屋根板材8,8の対向する被嵌合屈曲部83,83に巻き付けられる〔図10(B)参照〕。
【0044】
これによって、両被嵌合屈曲部83,83と共に隣接する折板屋根板材8,8が構造材上に固定される。隣接する折板屋根板材8,8の被嵌合屈曲部83,83に嵌合キャップ材7の嵌合脚部72,72が嵌合され、これを順次繰り返すことにより、隣接する折板屋根板材8,8の対向する傾斜状の立上り側部82,82同士と、嵌合キャップ材7とによって構成される略台形状の山形部Jが所定間隔に連続する折板屋根Bが施工される。
【0045】
また、符号86は中間座金であり、座金筐体部86aと押え片86bとから構成され、前記座金筐体部86aの底面部には吊子取付ボルト96が挿通する貫通孔が形成されている〔図10(B)参照〕。中間座金86は、嵌合吊子85の吊子本体85内に収納され。両押え片86bは、前記嵌合吊子85の両舌片85b,85bを押さえる構造となる〔図1図2(A),(B),図10(B)参照〕。
【0046】
取付ネジ具3は、設置部31とネジ軸部32とスペーサ33とからなり、設置部31はベース板31aと間隔保持板31bとを有している〔図3(B),(C),図4(B),図9等参照〕。設置部31は、折板屋根Bの隣接する折板屋根板材8,8の両被嵌合屈曲部83,83の頂部(頂片83c,83c)箇所に橋渡し状に装着されるものである〔図3(C),図4(B)参照〕。その設置部31は、板片状をなしており、幅方向の長さは、折板屋根Bの隣接する折板屋根板材8,8の対向する両被嵌合屈曲部83,83の頂片83c,83c上に設置することができる程度の長さ寸法となっている〔図3(C)参照〕。
【0047】
設置部31上で且つ該設置部31の幅方向両端にはスペーサ33が設けられている。該スペーサ33は、隣接する折板屋根板材8,8の被嵌合屈曲部83,83の頂片83c,83cと、嵌合キャップ材7との間に生じる空隙を埋めることによって、設置部31が被嵌合屈曲部83,83上に固定されるようにしたものである。スペーサ33は、設置部31の幅方向両側で且つ上方に折り返し状とした断面略扁平C字状及び逆扁平C字状とした屈曲片33aとして形成されている〔図3(C),図4(B),図9(A),(B)参照〕。該屈曲片33aは、設置部31の幅方向両側から上方に折り返し形成されることで、設置部31と屈曲片33aは一体形成されたものにできる。
【0048】
そして、設置部31及び屈曲片33aが金属薄板にて形成されることで、屈曲片33aは弾性を有することができる。これによって、取付ネジ具3が折板屋根Bの両被嵌合屈曲部83,83と嵌合キャップ材7との間に設置された状態で、屈曲片33aが嵌合キャップ材7の裏面側に当接し、屈曲片33aの弾性によって、設置部31が両被嵌合屈曲部83,83の頂片83c,83c上に固定されることになる。このように、取付ネジ具3が確実に固定されていることで、後述する軒先面戸Aを折板屋根Bの軒先に装着する作業が行い易くできる。
【0049】
また、取付ネジ具3のスペーサ33の別の実施形態として、スペーサ33を設置部31とは別部材としたものであり、該設置部31の幅方向両側に断面方形状の角状のブロック33b,33bを溶接又は接着剤等にて固着したものである。そして、該ブロック33b,33bは、隣接する折板屋根板材8,8の両被嵌合屈曲部83,83の頂片83c,83cと、嵌合キャップ材7との間の空隙を埋めて、設置部31を固定するものである〔図9(C),(D)参照〕。前記ブロック33b,33bは、金属材とする以外にゴム材,合成樹脂等の弾性を有する部材を使用しても構わない。
【0050】
設置部31には、ベース板31aの下方に間隔保持板31bが形成されている〔図3(C),図4(B),図9参照〕。該間隔保持板31bは、ベース板31aの幅方向中間箇所で且つ下方に向かって、幅方向に直交する断面が略L字状となるように形成された部位であり、隣接する両被嵌合屈曲部83,83の垂直状片83b,83b間に収まる形状となっている〔図3(C)参照〕。
【0051】
取付ネジ具3が折板屋根Bの軒先に装着されたときには、折板屋根Bの隣接する折板屋根板材8,8における被嵌合屈曲部83,83間にネジ軸部32が下方に向かって垂直状に突出するようにして配置される状態となる〔図3(C),図4(B),図5(A)等参照〕。そして、作業員が軒先面戸Aの下方部分を両手で持ち、接続上部12の接続口部2が取付ネジ具3のネジ軸部32の下方の位置するように設定する。
【0052】
次に、作業員は、軒先面戸Aをそのまま上方に押し上げて、取付ネジ具3のネジ軸部32が接続口部2の挿通開口21に挿入し、そのままネジ軸部32が接続口部2の挿通開口21に挿通することになる〔図5(A)の(I)及び(II)参照〕。さらに、そのまま、軒先面戸Aを押し上げネジ軸部32の下端から挿通開口21に挿通させる〔図5(B)の(I)及び(II)参照〕。
【0053】
さらに、軒先面戸Aを押し上げてゆくと、接続口部2の突出片22がネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込み始めるが〔図5(C)の(I)及び(II)参照〕、そのまま、押し上げて接続上部12が折板屋根Bの山形部Jの頂部に当接又は略当接させる〔図5(D)の(I)及び(II)参照〕。このとき、接続口部2の突出片22は、取付ネジ具3のネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込み軒先面戸Aは、折板屋根Bの山形部Jに装着固定できる。
【0054】
図3(E)は、折板屋根Bの軒先に軒先面戸Aを装着した一部切除した側面図である。図中91はタイトフレームであり、92は嵌合吊子であり、前記タイトフレーム91上に嵌合用吊子92が固着され、該嵌合用吊子92を介して隣接する折板屋根板材8,8の両被嵌合屈曲部83,83が所定間隔をおいて連結され、両被嵌合屈曲部83,83上に嵌合キャップ材7が嵌合されている。
【0055】
また、93は外壁であり、94は、前記外壁93に装着された軒先水切り材である。軒先面戸Aは、折板屋根Bの軒先に装着した後、必要に応じて軒先面戸Aの見切り部14を軒先水切り材94にビス等の固着具にて固着し、折板屋根Bの軒先への軒先面戸Aの装着が完了する。95は、鉄骨等の構造材であり、該構造材95上に前記タイトフレーム91が設置固着される。これを、全ての受具において行い、折板屋根Bが施工される。
【0056】
折板屋根Bの軒先に装着され且つ隣接する軒先見切面戸A,A同士は、見切り部14の幅方向一端側に形成された連結突起片14aが隣接する軒先面戸Aの見切り部14の裏面側に配置され、前記連結突起片14a部分がビス等の固着具で固着される〔図3(A),(E)参照〕。さらに、ビスにて軒先面戸Aの見切り部14が軒先水切り材94に固着されてもよい。連結突起片14aには、あらかじめビス等の固着具用の孔が形成されている。
【0057】
本発明では、隣接する嵌合タイプの折板屋根板材8,8と嵌合キャップ材7とにより連結して施工される折板屋根Bに予め装着された取付ネジ具3のネジ軸部32に対して、本発明における軒先面戸Aの接続口部2を前記ネジ軸部32の位置に合わせて作業員が軒先面戸Aを上方に押し上げるのみで、前記取付ネジ具3のネジ軸部32が軒先面戸の接続口部2に挿通する。そして、そのまま軒先面戸Aを押し上げ続けることで、接続口部2の挿通開口21にネジ軸部32が入り込み貫通し、接続口部2の複数の突出片22,22,…がネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込むことで、軒先面戸Aを折板屋根Bの軒先に極めて簡易且つ迅速に装着することができる。
【0058】
さらに、接続口部2の突出片22がネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込むことにより、接続口部2と共に軒先面戸Aがネジ軸部32に極めて強固に固定できる。特に、一旦、取付ネジ具3のネジ軸部32のネジ溝部(ネジ谷部)32aに食い込んだ接続口部2の突出片22は、その自由端側が基本的に下方に向かって下がるように傾斜して変形するので、作業員は軒先面戸Aをさらに押し上げ易くなる〔図3(B),(C),図5(B)参照〕。
【0059】
したがって、軒先面戸Aを上方に押し上げて、折板屋根Bの軒先にねじ込まれた取付ネジ具3のネジ軸部32の先端と衝突しても、取付ネジ具3は山形部Jに対して微動だともすることがない。そのために、取付ネジ具3のネジ軸部32を軒先面戸Aの接続口部2に挿通させて、軒先面戸Aを軒先に装着することができる。
図1
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