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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092873
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】微細霧発生装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 3/10 20060101AFI20240701BHJP
   C02F 1/12 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
B05B3/10 A
C02F1/12
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209092
(22)【出願日】2022-12-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】596124014
【氏名又は名称】高安 正勝
(74)【代理人】
【識別番号】100192496
【弁理士】
【氏名又は名称】西平 守秀
(72)【発明者】
【氏名】高安 正勝
【テーマコード(参考)】
4D034
4F033
【Fターム(参考)】
4D034AA01
4D034BA01
4D034CA19
4F033PA06
4F033PA18
4F033PB12
4F033PB16
4F033PB22
4F033PD01
4F033PD02
4F033PD03
(57)【要約】
【課題】簡易な構造でありながら、回転体の回転速度の高速化および円板形状の大径化を図って微細霧の大容量化を実現し、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる微細霧発生装置を提供する。
【解決手段】本開示の回転体20の外周面22の円環状球面部22Bにおいて回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一となるように、複数の第1の磁石41(第1の磁性体の一例)のそれぞれがその周方向に亘って略等間隔に配設される。第1の磁石41とは極性が同一である複数の第2の磁石42(第2の磁性体)が、回転体20の回転方向で略等間隔に配設され、かつ回転体20が回転駆動部30によって回転駆動されて第1の磁石41に近接した際にその磁力が第1の磁石41に対して及ぶように第1の磁石41のそれぞれに対向して配設される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その周方向に亘って略均一な球面部を有してその内部に液体が供給される窪み部が形成され、前記球面部の中心軸とその回転軸とが一致して配設される回転体と、
前記回転体の回転軸とその駆動軸が一致して配設され、前記回転体を回転駆動する回転駆動部と、を含み、
前記回転体の外周面の少なくとも一部分は、径方向外方に行くに従って前記窪み部の開口方向に向かって傾斜する傾斜面が前記回転体の周方向に亘って略均一に形成され、
前記傾斜面において前記回転体の前記回転軸からの径方向での離間距離が略同一となるように、複数の第1の磁性体のそれぞれがその周方向に亘って略等間隔に配設され、
前記第1の磁性体と極性が同一である複数の第2の磁性体が、前記回転体の回転方向で略等間隔に配設され、かつ前記回転体が前記回転駆動部によって回転駆動されて前記第1の磁性体に近接した際にその磁力が前記第1の磁性体に対して及ぶように前記第1の磁性体のそれぞれに対向して配設される、
微細霧発生装置。
【請求項2】
その周方向に亘って略均一な球面部を有してその内部に液体が供給される窪み部が形成され、前記球面部の中心軸とその回転軸とが一致して配設される回転体と、
前記回転体の回転軸とその駆動軸が一致して配設され、前記回転体を回転駆動する回転駆動部と、を含み、
前記回転体の外周面の少なくとも一部分は、径方向外方に行くに従って前記窪み部の開口方向に向かって傾斜する傾斜面が前記回転体の周方向に亘って略均一に形成され、
前記傾斜面において前記回転体の前記回転軸からの径方向での離間距離が略同一となるように、第1の磁性体がその周方向に亘って帯状に延設され、
前記第1の磁性体と極性が同一である複数の第2の磁性体が、前記回転体の回転方向で略等間隔に配設され、かつその磁力が前記第1の磁性体に対して及ぶように前記第1の磁性体に対向して配設される、
微細霧発生装置。
【請求項3】
前記回転体が前記回転駆動部によって回転駆動されて前記第1の磁性体および前記第2の磁性体のそれぞれが最も近接するときに前記第1の磁性体の磁力面と前記第2の磁性体の磁力面とが略平行となるように、前記第1の磁性体および前記第2の磁性体は配置される、
請求項1または2に記載の微細霧発生装置。
【請求項4】
前記傾斜面は、凸曲面を有して形成される、
請求項1または2に記載の微細霧発生装置。
【請求項5】
前記窪み部は、その底部に平坦面を有し、
前記球面部は、円環状に形成されて、その内縁で前記平坦面の周縁に連結する、
請求項1または2に記載の微細霧発生装置。
【請求項6】
前記第1の磁性体の個数は、前記第2の磁性体の個数の自然数倍である、
請求項1に記載の微細霧発生装置。
【請求項7】
前記第2の磁性体の個数は、前記第1の磁性体の個数の自然数倍である、
請求項1に記載の微細霧発生装置。
【請求項8】
前記液体が海水である、
請求項1または2に記載の微細霧発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、海水などの液体を微細な霧状にすることで自然塩などを生産することが可能な微細霧発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
海水などの液体を微細な霧状(微細霧)にする装置として、本発明の発明者は、高速で回転する回転円板の中央部に対し海水などの液体を供給し、その供給される液体が遠心力によって、回転円板の表面に沿って均一な膜厚を有して拡散するものを提案している(たとえば特許文献1参照)。また、この提案の装置では、回転円板の外周縁にストッパー壁が立設され、前述の拡散する液体がそのストッパー壁に衝突して、さらに飛散することで微細霧が発生する。その微細霧の発生により、水分が蒸発されることで自然塩が生産される。
【0003】
また、本発明の発明者は、回転円板の外周縁に配設されるストッパー壁の代わりに、回転円板の外周から所定の隙間空間を在して、跳ね返り壁を近接して配置するものも提案している(たとえば特許文献2参照)。この提案の装置では、回転円板と跳ね返り壁が分離して設けられるため、高速回転時に装置本体に曲げ応力またはせん断力などの発生が抑制される。その結果、この提案の装置では、装置自体の損傷を防止し、長寿命化を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-12390号公報
【特許文献2】特開2008-132445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、前記特許文献1および前記特許文献2に記載の装置はいずれも、回転円板の中央部に液体を供給してそれを遠心力の作用を利用して、径方向外側に配置される障害壁(ストッパー壁または跳ね返り壁)に衝突させて、微細霧を発生させるものである。
【0006】
この種の装置では、微細霧の発生量および遠心力の強さには相関があるといえ、遠心力の作用を効果的に得るためには回転円板を高速回転させることが必須である。具体的には、モータによって回転円板を回転駆動させる際、そのモータ軸および回転円板の高速回転時の、歳差運動または軸ブレを防ぎ、回転円板の支持の安定化を図る必要がある。また、微細霧の大容量化を図るためには、回転円板を大型化することも必要である。
【0007】
しかしながら、前述の特許文献1および特許文献2の装置では、回転円板のさらなる高速回転化および大型化、さらには液体の供給量の増加を実現することが難しく、微細霧の大容量化を図ることが困難であった。前記特許文献1および前記特許文献2の装置は、改善の余地があったといえる。
【0008】
また、液体の単位時間当たりの供給量はマクロ的に視れば略均一と見なすことが可能であるが、ミクロ的に視れば微小に変動する。回転円板の回転数が毎分5千回転から1万回転程度になると、微小といえどもその変動(アンバランス)によって、モータ軸の揺れが発生する可能性がある。その場合、モータ軸を支持する軸受が損傷しついには破壊され、結果的にモータ自体が破損する可能性がある。モータが破損した場合、その交換および修理に時間を要し、微細霧の生産効率が下がるおそれがある。また、モータの破損に備えて予備のモータを複数用意する必要があるなど非効率的となる。
【0009】
さらに、この種の装置は液体が常時供給されて稼働されるものであるため、部品点数が少なく構造が簡素であることが望ましい。この場合、保守管理が容易になるとともに装置の耐久性を高め長寿命化が図ることが可能となる。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構造でありながら、回転体の回転速度の高速化および円板形状の大径化を図って微細霧の大容量化を実現し、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる微細霧発生装置を提供する。また、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持し、回転駆動の破損を防止することができる微細霧発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前述した目的は、後記の構成により達成される。
(1)
その周方向に亘って略均一な球面部を有してその内部に液体が供給される窪み部が形成され、前記球面部の中心軸とその回転軸とが一致して配設される回転体と、
前記回転体の回転軸とその駆動軸が一致して配設され、前記回転体を回転駆動する回転駆動部と、を含み、
前記回転体の外周面の少なくとも一部分は、径方向外方に行くに従って前記窪み部の開口方向に向かって傾斜する傾斜面が前記回転体の周方向に亘って略均一に形成され、
前記傾斜面において前記回転体の前記回転軸からの径方向での離間距離が略同一となるように、複数の第1の磁性体のそれぞれがその周方向に亘って略等間隔に配設され、
前記第1の磁性体と極性が同一である複数の第2の磁性体が、前記回転体の回転方向で略等間隔に配設され、かつ前記回転体が前記回転駆動部によって回転駆動されて前記第1の磁性体に近接した際にその磁力が前記第1の磁性体に対して及ぶように前記第1の磁性体のそれぞれに対向して配設される、
微細霧発生装置。
(2)
その周方向に亘って略均一な球面部を有してその内部に液体が供給される窪み部が形成され、前記球面部の中心軸とその回転軸とが一致して配設される回転体と、
前記回転体の回転軸とその駆動軸が一致して配設され、前記回転体を回転駆動する回転駆動部と、を含み、
前記回転体の外周面の少なくとも一部分は、径方向外方に行くに従って前記窪み部の開口方向に向かって傾斜する傾斜面が前記回転体の周方向に亘って略均一に形成され、
前記傾斜面において前記回転体の前記回転軸からの径方向での離間距離が略同一となるように、第1の磁性体がその周方向に亘って帯状に延設され、
前記第1の磁性体と極性が同一である複数の第2の磁性体が、前記回転体の回転方向で略等間隔に配設され、かつその磁力が前記第1の磁性体に対して及ぶように前記第1の磁性体に対向して配設される、
微細霧発生装置。
(3)
前記回転体が前記回転駆動部によって回転駆動されて前記第1の磁性体および前記第2の磁性体のそれぞれが最も近接するときに前記第1の磁性体の磁力面と前記第2の磁性体の磁力面とが略平行となるように、前記第1の磁性体および前記第2の磁性体は配置される、
(1)または(2)に記載の微細霧発生装置。
(4)
前記傾斜面は、凸曲面を有して形成される、
(1)または(2)に記載の微細霧発生装置。
(5)
前記窪み部は、その底部に平坦面を有し、
前記球面部は、円環状に形成されて、その内縁で前記平坦面の周縁に連結する、
(1)または(2)に記載の微細霧発生装置。
(6)
前記第1の磁性体の個数は、前記第2の磁性体の個数の自然数倍である、
(1)に記載の微細霧発生装置。
(7)
前記第2の磁性体の個数は、前記第1の磁性体の個数の自然数倍である、
(1)に記載の微細霧発生装置。
(8)
前記液体が海水である、
(1)または(2)に記載の微細霧発生装置。
【0012】
前記(1)の構成によれば、回転体はその中心の位置で回転駆動部に支持されるとともに、径方向外側の位置で第1の磁性体および第2の磁性体の磁力によって、複数箇所でバランスよく支持される。これにより、回転体が高速回転される場合でもその回転体の回転軸の軸ブレを抑制することができ、また回転体の大径化も図ることができる。従って、微細霧の大容量化を実現し、その結果、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる。また、第1の磁性体および第2の磁性体を用意して、それを貼設する構造であるため、構造が複雑化することがなく、簡易な構造である。また、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持して回転駆動の破損を防止することができる。
前記(2)の構成によれば、回転体はその中心の位置で回転駆動部に支持されるとともに、径方向外側の位置で第1の磁性体および第2の磁性体の磁力によって、複数箇所でバランスよく支持される。これにより、回転体が高速回転される場合でもその回転体の回転軸の軸ブレを抑制することができ、また回転体の大径化も図ることができる。従って、微細霧の大容量化を実現し、その結果、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる。また、第1の磁性体および第2の磁性体を用意して、それを貼設する構造であるため、構造が複雑化することがなく、簡易な構造である。また、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持して回転駆動の破損を防止することができる。また、この場合には、傾斜面において回転体の回転軸からの、径方向での離間距離が略同一となるように、第1の磁性体がその周方向に亘って帯状に延設される。このため、高速回転の際、第1の磁性体および第2の磁性体の間で常時磁力が発生するので、回転体をより一層安定して支持することができる。
前記(3)の構成によれば、第1の磁性体の磁力面と第2の磁性体の磁力面とが略平行となるように、第1の磁性体および第2の磁性体は配置される。このため、磁力によってよりバランスよくかつ強固に高速回転する回転体を支持することができる。
前記(4)の構成によれば、その外周面の形状によって、第1の磁性体および第2の磁性体の磁力が作用する向きをより水平方向寄りに指向して配置させて、高速回転時でもよりバランスよく安定して回転体を支持することができる。
前記(5)の構成によれば、回転体の窪み部に供給される液体はまずは窪み部の平面部に接触し、その瞬間に回転体の遠心力によって液体が径方向外方に薄膜の状態で拡がる。さらに、液体は、窪み部の球面部に沿って径方向外方に向かって上昇しながら移動し、このとき、力学的に抵抗を受けながら径方向外方に拡がることになる。これにより、回転体の外縁を離間する際、海水をより微細な状態で径方向外方に向かって放射状に飛散させることができる。
前記(6)の構成によれば、回転体に対する、径方向での支持のバランスをより一層よくして高速回転時の場合でも回転体を安定して支持することができる。
前記(7)の構成によれば、第2の磁性体の個数は第1の磁性体の個数よりも多く、かつ径方向での支持のバランスをより一層よくすることができる。このため、回転体の回転の安定性を確保しながらも回転体の軽量化を図って回転時のイナーシャを低減し、より一層の高速回転を実現することができる。
前記(8)の構成によれば、本発明の微細霧発生装置を用いて、海水を微細霧にした状態で全方位に飛散させて自然塩を製造する。この自然塩は海水の成分のうち水分だけが蒸発したものであるため、ミネラル分を豊富に含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構造でありながら、回転体の回転速度の高速化および円板形状の大径化を図って微細霧の大容量化を実現し、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる。また、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持して回転駆動の破損を防止することができる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る第1実施形態の微細霧発生装置の構造の一例を説明する正面断面図
図2図1に示す第1の磁石および第2の磁石の構造および取り付け位置の一例を説明する要部拡大図
図3図2に示す第1の磁石の取り付け位置の一例を説明する平面模式図
図4図2に示す第2の磁石の取り付け位置の一例を説明する平面模式図
図5図1に示す微細霧発生装置を使用して自然塩を生産する様子の一例を説明する正面断面図
図6】第1実施形態に係る第1の変形例の構造の一例を説明する平面模式図
図7】第1実施形態に係る第2の変形例の、第1の磁石に係る構造の一例を説明する平面模式図
図8】第1実施形態に係る第2の変形例の、第2の磁石に係る構造の一例を説明する平面模式図
図9】第1実施形態に係る第3の変形例の、第2の磁石に係る構造の一例を説明する平面模式図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本発明に係る微細霧発生装置を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。
【0017】
ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、すでによく知られた事項の詳細説明または実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。また、添付図面のそれぞれは符号の向きに従って視るものとする。
【0018】
また、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0019】
たとえば、以下の実施形態では、微細霧の対象となる液体として海水を採用する場合について説明するがこれに限定されない。種々の液体に対しても本発明を適用することが可能である。しかしながら、実施形態を海水に適用する場合には、ミネラル分豊富な良質な自然塩を生産することが可能となる。
【0020】
(本発明の技術的意義)
本発明の技術的意義について説明する。
【0021】
以下、本発明に係る複数の実施形態を詳細に説明するが、本発明によれば、回転体の回転速度の高速化および円板形状の大径化を図って微細霧の大容量化を実現し、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる。また、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持して回転駆動の破損を防止することができる。
【0022】
特に本発明によれば、回転体の円板形状の大径化を図ることができ、たとえばその半径が2倍になればその面積は4倍になり、さらに回転体回転時において供給される液体(たとえば海水)の厚さは理論値として回転体の周縁部では4分の1になる。
【0023】
ここで、一般的に回転体の半径が伸長する場合、その半径の長さに比例して回転体の径方向に交差する方向でバランスが崩れやすくなる。その影響はモーメント的に大きくなり、回転体の回転駆動部の部品、たとえば軸受に過度な力が作用して軸受の劣化が激しくなり故障に繋がる可能性がある。
【0024】
本発明では、回転体を大径化する場合でもバランスの崩れを防止して、高速回転の際でも回転の安定化を図ることが可能である。その結果、たとえば半径25cmの回転体を2000mmまで大径化すると、250mmの時に液体の微細霧効率(海水の場合には気化効率)が最適である場合、200cmにした時、64倍の液体が供給することが可能となり、すなわち生産効率が64倍となる。その結果、回転体の大径化による、たとえば軸受に作用する力が吸入されることになり、生産効率が著しく向上する。
【0025】
本発明に係る微細霧発生装置は、そのように生産効率を高めることを可能とするため、以下に説明する実施形態のように特別な構成を有する。
【0026】
(第1実施形態)
図1図5に基づいて、本発明に係る微細霧発生装置10の第1実施形態について説明する。
【0027】
[・微細霧発生装置の全体概要について]
図1を参照しながら、微細霧発生装置10の全体概要の一例について説明する。
図1は、本実施形態の微細霧発生装置10の構造の一例を説明する正面断面図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の微細霧発生装置10は、回転体20と、回転駆動部30と、給水口11(図4参照)と、複数の支持ロッド12と、複数の第1の磁石41(第1の磁性体の一例)と、複数の第2の磁石42(第2の磁性体の一例)と、を含んで構成される。
【0029】
回転体20は、窪み部21を有して容器形状に形成される。回転体20は、ステンレスまたはチタンなどの金属部材からなり、絞り加工、またはプレス加工などによって成形されるが、その成形方法が限定されず種々の成形方法を採用することが可能である。
なお、本実施形態では回転体20の半径が150mm程度に設定されるがこれに限定されず、後述するように第1の磁石41および第2の磁石42を含んで構成されるため、その大きさを半径1500mm程度など、さらに大きく設定することも可能である。
【0030】
窪み部21は、円形の外周形状を有するとともに下方に深みを有して回転体20の内周面をなす。それにより、窪み部21は、給水口11から供給される海水SW(液体の一例)の一次的な収容空間を画成する。
【0031】
具体的には、窪み部21は、円状底面部21Aと、円環状球面部21Bと、を有する。窪み部21の円状底面部21Aはその外形が円状かつその表面が平坦状に形成されており、その周縁で窪み部21の円環状球面部21Bの内縁に連結する。窪み部21の円環状球面部21Bは、その回転体20の周方向に亘って略均一かつ漸近的な凹曲面を有して形成される。そして、回転体20は、窪み部21の円環状球面部21Bの中心軸と回転駆動部30の駆動軸C2(後述参照)とが一致するように配設される。
【0032】
回転体20の外周面22についても窪み部21(その内周面)に対応して(倣って)、円状底面部22Aおよび円環状球面部22B(傾斜面の一例)が配設される。外周面22の円状底面部22Aも同様に、その外形が円状かつその表面が平坦状に形成されており、その周縁で外周面22の円環状球面部22Bの内縁に連結する。外周面22の円環状球面部22Bは、その回転体20の周方向に亘って略均一かつ漸近的な凸曲面を有して形成される。つまり、回転体20は全体的に視てその厚みが略同一なお椀形状に形成される。
なお、窪み部21の円状底面部21A、窪み部21の円環状球面部21B、外周面22の円状底面部22A、および外周面22の円環状球面部22Bの中心軸は一致して配置される。
【0033】
また、この外周面22の円環状球面部22Bについて、換言すると、回転体20の外周面22の少なくとも一部分において、径方向外方に行くに従って窪み部21の開口方向に向かって傾斜する傾斜面が回転体20の周方向に亘って略均一に形成された部分ともいえる。
【0034】
回転駆動部30は、たとえばモータからなり、回転体20の鉛直下方に配置され、その駆動軸C2は回転体20に対しその外周面22の円状底面部22Aで連結する。前述のように、回転体20は、窪み部21の円環状球面部21Bの中心軸と回転駆動部30の駆動軸C2(後述参照)とが一致するように配設される。
【0035】
回転駆動部30の駆動軸C2は、回転体20の中心軸(具体的には回転体20の窪み部21、またその円環状球面部21B)に一致するように回転体20に結合される。また、回転体20および駆動軸C2の結合は、回転体20の鉛直方向下方において、その外周面22の円状底面部22Aに当接して固設される補強ブロック13によって補強されて強固に固定される。この補強により、回転体20は、回転駆動部30の駆動軸C2に対し安定して回転自在に支持される。
【0036】
そのようにして構成される微細霧発生装置10において、回転体20の窪み部21に供給される海水SWは、回転駆動部30によって高速に回転される回転体20の表面に接触する。この接触により、海水SWは、その回転体20で発生する遠心力の作用によって窪み部21の円状底面部21Aおよびその円環状球面部21Bの表面に沿って、略水平方向に拡散する。この拡散の際、海水SWは、窪み部21の円状底面部21Aおよびその円環状球面部21Bの表面に沿って薄膜状に形成される。この薄膜の状態で拡がることで海水SWは回転体20の外周縁から離間する際、微細霧となって全方位に放射状に噴射されることになる。
【0037】
複数(本実施形態では8個)の第1の磁石41のそれぞれは、外周面22の円環状球面部22Bに貼設される。また、第2の磁石42のそれぞれは、支持ロッド12の先端のそれぞれに貼設される。
【0038】
支持ロッド12は、金属製の棒状部材であり、その回転体20の回転方向に沿って、略等間隔に複数(本実施形態では4本)配置される(図4参照)。そして、支持ロッド12のそれぞれにおいて、その基端部はたとえば装置の所定の載置面(設置面または大地を意味:図示せず)に固設され、その先端は傾斜平坦面12Aが配設される。傾斜平坦面12Aは、その平面に対する垂直方向が前述の外周面22の円環状球面部22Bに向くように、換言すれば、その平面が前述の外周面22の円環状球面部22Bに対応(略平行配置)するように形成される。
なお、複数の支持ロッド12および回転駆動部30は、載置面を介して互いに機械的に連結され、相対的に強固に固定される。
【0039】
[・第1の磁石および第2の磁石の取り付け位置について]
図2図4を参照しながら、第1の磁石41および第2の磁石42の取り付け位置の一例について説明する。
図2は、図1に示す第1の磁石41および第2の磁石42の構造および取り付け位置の一例を説明する要部拡大図である。
図3は、図2に示す第1の磁石41の取り付け位置の一例を説明する平面模式図である。
図4は、図2に示す第2の磁石42の取り付け位置の一例を説明する平面模式図である。
【0040】
図2図4に示すように、第1の磁石41および第2の磁石42は、矩形(くけい)状に形成される永久磁石であり、互いに極性が同一になるように設けられる。たとえば、第1の磁石41がN極の場合には第2の磁石42はN極に設定され、その逆に第1の磁石41がS極の場合には第2の磁石42はS極に設定される。極性設定は、磁力的に互いに反発可能であれば任意とされる。
【0041】
第1の磁石41は複数(本実施形態では8個)設けられる。複数の第1の磁石41のそれぞれが、回転体20の外周面22の円環状球面部22Bにおいて、回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一であり、かつその周方向に亘って略等間隔に配設される。
【0042】
前述のように、第2の磁石42は、複数の支持ロッド12の先端の傾斜平坦面12Aのそれぞれに1個ずつ貼設される。すなわち、支持ロッド12の数に合わせて、本実施形態では第2の磁石42は4個配置されており、その配置についても回転体20の回転方向で略等間隔に配設される。つまり、本実施形態で、第1の磁石41の個数は、第2の磁石42の個数の自然数倍(本実施形態では2倍)に設定される。
なお、本実施形態では、第1の磁石41の個数は、第2の磁石42の個数の2倍とされるがこれに限定されず、3倍、4倍、5倍でもよく自然数であればその倍率は任意である。
【0043】
そして、第2の磁石42は、回転体20が回転駆動部30によって回転駆動されて第1の磁石41に近接した際に、その磁力が第1の磁石41に対して及ぶように第1の磁石41のそれぞれに対向して配設される(図2参照)。
【0044】
そして、回転体20が回転駆動部30によって回転駆動されて第1の磁石41および第2の磁石42のそれぞれが最も近接するときに、第1の磁石41の磁力面と第2の磁石42の磁力面とが略平行となるように、第1の磁石41および第2の磁石42は配置される。
【0045】
[・微細霧発生装置の使用方法について]
図5を参照しながら、前述した微細霧発生装置10の使用方法について説明する。
図5は、図1に示す微細霧発生装置10を使用して自然塩を生産する様子の一例を説明する正面断面図である。
【0046】
図5に示すように、回転体20は回転駆動部30によって高速で回転される。その回転速度は、たとえば5000RPM~15000RPMの範囲で設定される。この高速回転の状態で、海水SW(液体の一例)が給水口11から回転体20の中央に向かって供給される。その供給により、回転体20の中央に供給される海水SWは、窪み部21の円状底面部21Aに接触する。この接触により、回転体20の遠心力によって、まずは回転体20の窪み部21の円状底面部21Aにおいて、薄膜をなした海水SWが径方向外方に拡散する。
【0047】
さらに、海水SWは、窪み部21の円環状球面部21Bに沿って径方向外方に向かって上昇しながら拡散する。その上昇方向にはすべて正(鉛直方向上方)の傾斜があり力学的な抵抗となる。
【0048】
そのため、前述の遠心力とこの正の傾斜によって、海水SWはさらに径方向に拡散しながらさらに薄膜となり、最終的に海水SWは回転体20から飛び出す瞬間に微細霧となって飛散する。回転体20の高速回転によって発生した遠心力により、その飛散する海水SWの微細霧は全方位に放射されて遠方まで飛散する。このとき、効率的、瞬間的に水分だけが蒸発してミネラル分が豊富な自然塩を製造することが可能である。
【0049】
[・本実施形態の特徴および利点について]
以上説明したように本実施形態の微細霧発生装置10によれば、その周方向に亘って略均一な円環状球面部21B(球面部の一例)を有してその内部に海水SW(液体の一例)が供給される窪み部21が形成され、円環状球面部21Bの中心軸とその回転軸C1とが一致して配設される回転体20と、回転体20の回転軸C1とその駆動軸C2が一致して配設され、回転体20を回転駆動する回転駆動部30と、を含む。回転体20の外周面22の少なくとも一部分は、径方向外方に行くに従って窪み部21の開口方向に向かって傾斜する外周面22の円環状球面部22B(傾斜面の一例)が回転体20の周方向に亘って略均一に形成される。外周面22の円環状球面部22Bにおいて回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一となるように、複数の第1の磁石41(第1の磁性体の一例)のそれぞれがその周方向に亘って略等間隔に配設される。第1の磁石41とは極性が同一である複数の第2の磁石42(第2の磁性体)が、回転体20の回転方向で略等間隔に配設され、かつ回転体20が回転駆動部30によって回転駆動されて第1の磁石41に近接した際にその磁力が第1の磁石41に対して及ぶように第1の磁石41のそれぞれに対向して配設される。
【0050】
このため、回転体20はその中心の位置で回転駆動部30に支持されるとともに、径方向外側の位置で、第1の磁石41(第1の磁性体の一例)および第2の磁石42(第2の磁性体の一例)の磁力によって複数箇所でバランスよく支持される。これにより、回転体20が高速回転される場合でも、その回転体20の回転軸C1の軸ブレを抑制することができ、また回転体20の大径化も図ることができる。従って、微細霧の大容量化を実現し、その結果、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる。また、第1の磁石41および第2の磁石42を用意して、それを貼設する構造であるため、構造が複雑化することがなく、簡易な構造である。また、海水SW(液体の一例)の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部30の駆動軸C2を安定して支持して回転駆動の破損を防止することができる。
【0051】
また、本実施形態の微細霧発生装置10によれば、第1の磁石41(第1の磁性体の一例)の磁力面と第2の磁石42(第2の磁性体の一例)の磁力面とが略平行となるように、第1の磁石41および第2の磁石42は配置される。
【0052】
このため、磁力によって、よりバランスよくかつ強固に高速回転する回転体20を支持することができる。
【0053】
また、本実施形態の微細霧発生装置10によれば、回転体20の外周面22の円環状球面部22B(傾斜面の一例)は、凸曲面を有して形成される。
【0054】
このため、その外周面22の形状によって、第1の磁石41(第1の磁性体の一例)および第2の磁石42(第2の磁性体の一例)の磁力が作用する向きをより水平方向寄りに指向して配置させることができる。その結果、高速回転時でもよりバランスよく安定して回転体20を支持することができる。
【0055】
また、本実施形態の微細霧発生装置10によれば、窪み部21は、その底部に円状底面部21A(平面部の一例)を有し、円環状球面部21B(球面部の一例)は、円環状に形成されて、その内縁で円状底面部21Aの周縁に連結する。
【0056】
この場合、回転体20の窪み部21に供給される海水SW(液体の一例)は、まずは窪み部21の円状底面部21A(平面部の一例)に接触し、その瞬間に回転体20の遠心力によって海水SWが径方向外方に薄膜の状態で拡がる。さらに、海水SWは、窪み部21の円環状球面部21B(球面部の一例)に沿って、径方向外方に向かって上昇しながら移動し、このとき、力学的に抵抗を受けながら径方向外方に拡がることになる。これにより、回転体20の外縁を離間する際、海水SWをより微細な状態で径方向外方に向かって放射状に飛散させることができる。
【0057】
また、本実施形態の微細霧発生装置10によれば、第1の磁石41(第1の磁性体の一例:本実施形態では8個)の個数は、第2の磁石42(第2の磁性体の一例:本実施形態では4個)の個数の自然数倍である。
【0058】
このため、回転体20に対する、径方向での支持のバランスをより一層よくして高速回転時の場合でも回転体20を安定して支持することができる。
【0059】
また、本実施形態の微細霧発生装置10によれば、回転体20に供給される液体が海水SWである。本実施形態の微細霧発生装置10を用いて、海水SW(液体の一例)を微細霧にした状態で全方位に飛散させて自然塩を製造する。この自然塩は海水SWの成分のうち水分だけが蒸発したものであるため、ミネラル分を豊富に含む。
【0060】
[・本実施形態に係る第1の変形例について]
図6を参照しながら、前述した本実施形態に係る第1の変形例について説明する。
図6は、本実施形態に係る第1の変形例の構造の一例を説明する平面模式図である。
【0061】
図6に示すように、本変形例では、前述の実施形態とは異なり、第1の磁石41が複数配設されるのではなく、第1の磁石41がその端部同士が連結する帯状(ベルト状)に形成されて配置される。すなわち、本変形例の第1の磁石41は、外周面22の円環状球面部22B(傾斜面の一例)において、回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一となるように、第1の磁石41がその周方向に亘って帯状に延設、つまり一様に円環状に配設される。
【0062】
すなわち、この場合には、外周面22の円環状球面部22B(傾斜面の一例)において、回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一となるように、第1の磁石41(第1の磁性体の一例)がその周方向に亘って帯状に延設される。
【0063】
このため、高速回転の際、第1の磁石41(第1の磁性体の一例)および第2の磁石42(第2の磁性体の一例)の間で常時磁力が発生するので、回転体20をより一層安定して支持することができる。
【0064】
[・本実施形態に係る第2の変形例について]
図7および図8を参照しながら、前述した本実施形態に係る第2の変形例について説明する。
図7は、本実施形態に係る第2の変形例の、第1の磁石41に係る構造の一例を説明する平面模式図である。
図8は、本実施形態に係る第2の変形例の、第2の磁石42に係る構造の一例を説明する平面模式図である。
【0065】
図7に示すように、本変形例では第1の磁石41は4個とされる。その4個の第1の磁石41のそれぞれは、回転体20の外周面22の円環状球面部22Bにおいて、回転体20の回転軸C1からの径方向での離間距離が略同一であり、かつその周方向に亘って略等間隔に配設される。
【0066】
図8に示すように、支持ロッド12は8個とされ、その回転体20の回転方向に沿って、略等間隔に複数配置される。そして、その支持ロッド12のそれぞれにおいて、その傾斜平坦面12Aには、第2の磁石42が貼設される。すなわち、支持ロッド12の数に合わせて、本変形例では第2の磁石42は8個配置されており、その配置についても回転体20の回転方向で略等間隔に配設される。つまり、本実施形態で、第2の磁石42の個数は、第1の磁石41の個数の自然数倍(本変形例では2倍)に設定される。
なお、本実施形態では、第2の磁石42の個数は、第1の磁石41の個数の2倍とされるがこれに限定されず、3倍、4倍、5倍でもよく自然数であればその倍率は任意である。
【0067】
本変形例の場合、第2の磁石42の個数を増やすことで回転体20に配設される第1の磁石41の個数を減らすことができる。換言すれば、第2の磁石42(第2の磁性体の一例)の個数は第1の磁石41(第1の磁性体の一例)の個数よりも多く、かつ径方向での支持のバランスをより一層よくすることができる。このため、回転体20の回転の安定性を確保しながらも回転体20の軽量化を図って回転時のイナーシャを低減し、より一層の高速回転を実現することができる。
【0068】
また、載置面に直接配設される支持ロッド12上の第2の磁石42についてその重量が重い場合、その個数が多くても取り付けは容易である。その一方、回転体20に配設される第1の磁石41は、重すぎると回転体20の回転自体の効率に悪影響を与える可能性がある。つまり、第1の磁石41および第2の磁石42がその反発力を維持しながら、生産効率、回転効率を高めるためには、回転体20の第1の磁石41を軽量とし、反発磁力が同様であれば支持ロッド12の方を重くするのが好適である。
【0069】
[・本実施形態に係る第3の変形例について]
図9を参照しながら、前述した本実施形態に係る第3の変形例について説明する。
図9は、本実施形態に係る第3の変形例の、第2の磁石42に係る構造の一例を説明する平面模式図である。
【0070】
図9に示すように、本変形例では、前述の実施形態および変形例とは異なり、第2の磁石42が複数配設されるのではなく、第2の磁石42がその帯状(ベルト状)に形成され、その端部同士が連結する円環状に設けられる。
【0071】
そのため、本変形例では、その第2の磁石42が貼設される支持ロッド12が複数設けられるのではなく、円環状の第2の磁石42を支持するためにそれに対応して円筒状の支持部が1つ配設される。支持部は回転駆動部30と同心に配置され、その中心部で回転駆動部30を包囲する。
【0072】
また、この支持部はその基端部が前述の載置面に固設され、その先端面には傾斜テーパ面が形成される。その傾斜テーパ面は先端に行くに従って拡径するように形成される。この傾斜テーパ面に、前述した円環状の第2の磁石42が貼設される。
【0073】
本変形例の場合、第2の磁石を帯状に(ベルト状で)形成して配置することで回転体に配設される第1の磁石の個数を減らすことができる。このため、回転体の回転の安定性を確保しながらも回転体の軽量化を図って回転時のイナーシャを低減し、より一層の高速回転を実現することができる。
【0074】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
第1実施形態では、第1の磁性体および第2の磁性体が永久磁石として設けられるが、これに限定されない。磁性を有すればよく、たとえば所定の金属体の一部分が着磁されて設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、簡易な構造でありながら、回転体の回転速度の高速化および円板形状の大径化を図って微細霧の大容量化を実現し、装置の耐久性および生産効率の両方を高めることができる微細霧発生装置として有用である。また、本発明は、液体の供給量が経時的にマクロ的またはミクロ的に変動する場合でも、回転駆動部の駆動軸を安定して支持して、回転駆動の破損を防止することができる微細霧発生装置として有用である。
【符号の説明】
【0076】
10 :微細霧発生装置
11 :給水口
12 :支持ロッド
12A :傾斜平坦面
13 :補強ブロック
20 :回転体
21 :窪み部
21A :円状底面部(平坦面)
21B :円環状球面部(球面部)
22 :外周面
22A :円状底面部
22B :円環状球面部
30 :回転駆動部
41 :第1の磁石(第1の磁性体)
42 :第2の磁石(第2の磁性体)
52 :支持部
52A :傾斜テーパ面
C1 :回転軸
C2 :駆動軸
SW :海水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9