(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092875
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】箱体及び包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20240701BHJP
【FI】
B65D5/52 F
B65D5/52 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209096
(22)【出願日】2022-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】100093931
【弁理士】
【氏名又は名称】長屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅士
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060AB32
3E060AC03
3E060BA24
3E060BB01
3E060BC02
3E060BC04
3E060CB03
3E060CB19
3E060CC34
3E060DA04
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】表示部を箱体の正面側に縦方向に突出させることができる箱体であって、表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択でき、表示部を使用しない場合であっても、表示部が商品の陳列の邪魔になることがなく、表示部を使用する場合に、表示部を組み立てる操作が容易なものを提供する。
【解決手段】側面部30には、突出表示部130と本体部主構成部140が設けられ、本体部主構成部140と突出表示部130とは、正面側から背面側に向けて下方に傾斜する折れ線C130と、折れ線C130の背面側の端部から連設された切目線130Kを介して区画され、切目線130Kが破断された状態で、折れ線C130を介して突出表示部130を本体部主構成部140に対して折り返して、突状部136を上向きの辺部30aと係止させることにより、突出表示部130が、正面部本体12よりも正面側に突出した状態となる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体であって、
底面部(50)と、
底面部の各辺から立設し底面部に対して略直角をなすスリーブ状部(1)で、正面部(10)と、相対する一対の側面部(20、30)と、背面部(40)とを有し、箱体を箱状に組み立てた状態では、正面部と一対の側面部と背面部の4つの面部のうち、互いに隣接する面部が略直角をなすスリーブ状部と、を有し、
箱体が、シート状のブランクにより形成され、
一対の側面部における一方の側面部である特定側面部(30)が、突出表示部(130)と、特定側面部の突出表示部以外の領域である本体部(33)とを有し、
本体部と突出表示部とは、正面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜折れ線(C130)と、傾斜折れ線の背面側の端部から連設された切目線(130K)を介して区画され、傾斜折れ線よりも上側の領域が突出表示部であり、
突出表示部は、本体部に対して傾斜折れ線を介して折り返した状態において下側となる辺部に、本体部における上向きの辺部(30a)と係止するための係止部(136)を有し、
箱体において、突出表示部と本体部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部に対して折り返して、係止部を該上向きの辺部(30a)と係止させることにより、突出表示部が、正面部よりも正面側に突出した状態となることを特徴とする箱体。
【請求項2】
傾斜折れ線は、特定側面部と底面部との境界線である特定側面部の下辺に対して略45度傾斜し、本体部は、傾斜折れ線に沿った辺部を有する突状部(142)を有していて、該上向きの辺部は、該突状部の正面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の箱体。
【請求項3】
正面部は、底面部から連設された正面部本体(12)と、正面部本体から切目線(110K)を介して連設された突出表示部補強部(110)を有し、スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されていて、
箱体を箱状に組み立てるために、スリーブ状部が折り畳まれた状態からスリーブ状部を広げることにより、正面部本体と突出表示部補強部間の切目線(110K)が破断することを特徴とする請求項1又は2に記載の箱体。
【請求項4】
包装箱であって、
内箱部(A)と外箱部(B)とを有し、内箱部と外箱部が、それぞれシート状のブランクにより形成され、
内箱部が、
底面部(50)と、
底面部の各辺から立設し底面部に対して略直角をなす内側スリーブ状部(1)で、内側正面部(10)と、相対する一対の内側側面部(20、30)と、内側背面部(40)とを有し、内箱部を箱状に組み立てた状態では、内側正面部と一対の内側側面部と内側背面部の4つの面部のうち、互いに隣接する面部が略直角をなす内側スリーブ状部と、を有し、
相対する一対の内側側面部において、内側側面部の一部が分離部(24、34)として内側側面部における分離部以外の領域である内側側面部本体部(22、32)と切目線を介して分離可能に形成され、
一対の内側側面部における一方の内側側面部である特定内側側面部(30)において、内側側面部本体部(32)が、突出表示部(130)と、内側側面部本体部の突出表示部以外の領域である本体部主構成部(140)とを有し、
本体部主構成部と突出表示部とは、正面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜折れ線(C130)と、傾斜折れ線の背面側の端部から連設された切目線(130K)を介して区画され、傾斜折れ線よりも上側の領域が突出表示部であり、
突出表示部は、本体部主構成部に対して傾斜折れ線を介して折り返した状態において下側となる辺部に、本体部主構成部における上向きの辺部(30a)と係止するための係止部(136)を有し、
外箱部が、
内箱部の外側の面に沿って設けられた外側スリーブ状部(201)で、内側正面部の外側の面に沿って形成された外側正面部(210)と、一対の内側側面部における各内側側面部の外側の面に沿ってそれぞれ形成された外側側面部(220、230)と、内側背面部の外側の面に沿って形成された外側背面部(240)とを有し、外箱部を箱状に組み立てた状態では、互いに隣接する側面部が略直角をなす外側スリーブ状部と、
外側スリーブ状部の上端から折れ線を介して連設された蓋部(270、280)と、を有し、
内箱部における分離部が設けられた内箱部側面部に対応した外側側面部に分離部が接着され、外側側面部における分離部が接着された領域を含む片部である回動片部(224、234)が、外側側面部における回動片部以外の領域である外側側面部本体部(222、232)に対して回動可能に形成され、
回動片部を外側に回動させることにより分離部と内側側面部本体部間の切目線が切断されて分離部が回動片部に接着した状態で内箱部から分離し、
分離部が接着された外箱部を取り除いた内箱部において、突出表示部と本体部主構成部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を該上向きの辺部(30a)と係止させることにより、突出表示部が、内側正面部よりも正面側に突出した状態となることを特徴とする包装箱。
【請求項5】
傾斜折れ線は、特定内側側面部と底面部との境界線である特定内側側面部の下辺に対して略45度傾斜し、本体部主構成部は、傾斜折れ線に沿った辺部を有する突状部(142)を有していて、該上向きの辺部は、該突状部の正面側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の包装箱。
【請求項6】
内側正面部は、底面部から連設された内側正面部本体(12)と、内側正面部本体から切目線(110K)を介して連設された突出表示部補強部(110)を有し、内側スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されていて、
内箱部と外箱部を箱状に組み立てるために、内側スリーブ状部及び外側スリーブ状部が折り畳まれた状態から内側スリーブ状部及び外側スリーブ状部を広げることにより、内側正面部本体と突出表示部補強部間の切目線(110K)が破断することを特徴とする請求項4又は5に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 商品を展示するための箱体に関するものであり、特に、側面の一部をPOP広告として使用できる箱体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の商品を集合して包装するとともに、店頭等に陳列する包装箱として、出願人は、特許文献1の包装箱について出願をしている。すなわち、特許文献1は、包装箱であって、略方形状の底面部50と、底面部の各辺から立設し底面部に対して略直角をなす内側スリーブ状部で、正面部10と、相対する一対の側面部20、30と、背面部40とからなるスリーブ状部5とを有し、上部が開口した内箱部で、相対する一対の側面部において、側面部20、30の一部が分離部24、34として側面部における分離部以外の部分である本体部22,32とミシン目を有する切目線を介して分離可能に形成され、1枚のブランクにより形成された内箱部A1と、内箱部を覆う外箱部で、内箱部のスリーブ状部を構成する正面部110と一対の側面部120、130と背面部140の各部に対応して該各部の外側の面に沿って設けられたスリーブ状部で、正面部10の外側の面に沿って形成された正面部110と、一対の側面部20、30における各側面部の外側の面に沿ってそれぞれ形成された側面部120、130と、背面部40の外側の面に沿って形成された背面部140とを有するスリーブ状部105と、スリーブ状部105の上端から折れ線を介して連設された蓋部とを有し、内箱部における分離部が設けられた側面部に対応した側面部に分離部が接着され、側面部120、130における分離部24、34が接着された領域が側面部120、130の他の部分から破断可能に形成され、1枚のブランクにより形成された外箱部A2と、を有する包装箱を開示している。
【0003】
また、内箱部A1の正面部10には、突出表示部14を有している。突出表示部14は、側面部20から連設された連結部14aと、表示部本体14b、14cと、係止部14dとを有していて、係止部14dを本体部12の正面視右側端部に係止させて表示部本体14b,14cが重なった状態で正面側に突出させることができる。これにより、突出表示部14を商品に関連した形状にするか又は商品の広告を表示することにより、包装箱に収納された商品を訪れた者に強く知らせることができる。
【0004】
特に、正面部10に対して、表示部本体14b、14cを正面側に縦方向に突出させることにより、表示部本体14b、14cの両側方(右方向や左方向)から見る者にも表示部本体14b、14cを気づきやすくできるので、POP広告の効果を高くすることができる。
【0005】
また、表示部を正面部に対して、正面側に縦方向に突出させることにより、POP広告の機能を得ることができるものとして、特許文献2の表示機能付包装箱が存在する。
【0006】
この特許文献2の第2実施形態(
図4~
図6)の包装箱においては、表示部10が前壁1の一側上部を介して繋がったフラップ状部分とされ、切目9が前壁1の上部から一側を経て下部を横切り、他方の側壁2の切目12に繋がっている。表示部10の基部には、前縁から側縁へ至る斜罫線21が入れられ、一方の側壁2の前部には差込穴22が形成されていて、商品を店頭で陳列する際には、蓋7を開いて切目23沿いに切断し、次いで、切目9及び切目12を切断して、前壁1及び他方の側壁2の上部を除去した後、斜罫線21を一辺とする三角形領域を側壁2に対して折り返すとともに、表示部10を斜罫線21沿いに捻るように折り曲げて、その基部を側壁2の差込穴22に差し込み、表示部10の基端下部の延長片24を側壁2の前部の切込25に差し込むことにより、表示部10が前壁1に対して正面側に縦方向に突出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3147086号公報
【特許文献2】特許第4125070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1や特許文献2の包装箱においては、表示部(突出表示部14や表示部10)を使用しない状態で商品を陳列することができず、表示部を使用する場合と使用しない場合とを選択することができないという問題があった。
【0009】
例えば、特許文献1の包装箱においては、突出表示部14を使用しない場合には、突出表示部14が正面部10の上側の領域を占めているため、突出表示部14が邪魔になって陳列された商品が視認しづらいという問題がある。
【0010】
また、特許文献2の表示機能付包装箱においては、表示部10を組み立てて、正面側に突出させた状態でなければ、商品を陳列することができない。
【0011】
また、特許文献2の表示機能付包装箱では、表示部10を組み立てる操作が面倒であるという問題がある。つまり、切目9及び切目12を切断して、前壁1及び他方の側壁2の上部を除去した後、斜罫線21を一辺とする三角形領域を側壁2に対して折り返すとともに、表示部10を斜罫線21沿いに捻るように折り曲げて、その基部を側壁2の差込穴22に差し込まなければならず、少なくとも、前壁1及び他方の側壁2の上部を除去した後には、三角形領域を側壁2に対して折り返す工程と、表示部10を斜罫線21沿いに捻るように折り曲げる工程とが必要となり、さらには、三角形領域の基部を差込穴22に差し込んだり、延長片24を切込25に差し込む作業が必要になる。
【0012】
そこで、本発明は、POP広告の機能を有する表示部を箱体の正面側に縦方向に突出させることができる箱体であって、表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択することができ、表示部をPOP広告として使用しない場合であっても、表示部が商品の陳列の邪魔になることがなく、表示部をPOP広告として使用する場合に、表示部を組み立てる操作が容易なものを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、箱体であって、底面部(50)と、底面部の各辺から立設し底面部に対して略直角をなすスリーブ状部(1)で、正面部(10)と、相対する一対の側面部(20、30)と、背面部(40)とを有し、箱体を箱状に組み立てた状態では、正面部と一対の側面部と背面部の4つの面部のうち、互いに隣接する面部が略直角をなすスリーブ状部と、を有し、箱体が、シート状のブランクにより形成され、一対の側面部における一方の側面部である特定側面部(30)が、突出表示部(130)と、特定側面部の突出表示部以外の領域である本体部(33)とを有し、本体部と突出表示部とは、正面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜折れ線(C130)と、傾斜折れ線の背面側の端部から連設された切目線(130K)を介して区画され、傾斜折れ線よりも上側の領域が突出表示部であり、突出表示部は、本体部に対して傾斜折れ線を介して折り返した状態において下側となる辺部に、本体部における上向きの辺部(30a)と係止するための係止部(136)を有し、箱体において、突出表示部と本体部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部に対して折り返して、係止部を該上向きの辺部(30a)と係止させることにより、突出表示部が、正面部よりも正面側に突出した状態となることを特徴とする。
【0014】
第1の構成においては、突出表示部を使用しない場合には、突出表示部と本体部間の切目線を破断することなく、箱体に商品を陳列した状態で使用すればよく、その場合でも、突出表示部は、箱体の側面を構成するのみであり、商品を陳列する際の支障とはならない。
【0015】
また、突出表示部を使用する場合には、突出表示部と本体部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させることにより、突出表示部が正面部よりも正面側に突出した状態となるので、突出表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択することができる。
【0016】
また、切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させる操作を行なうのみで、突出表示部が正面側に突出した状態となるので、突出表示部を使用する操作を容易とすることができる。
【0017】
また、第2には、上記第1の構成において、傾斜折れ線は、特定側面部と底面部との境界線である特定側面部の下辺に対して略45度傾斜し、本体部は、傾斜折れ線に沿った辺部を有する突状部(142)を有していて、該上向きの辺部は、該突状部の正面側に設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、正面部は、底面部から連設された正面部本体(12)と、正面部本体から切目線(110K)を介して連設された突出表示部補強部(110)を有し、スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されていて、箱体を箱状に組み立てるために、スリーブ状部が折り畳まれた状態からスリーブ状部を広げることにより、正面部本体と突出表示部補強部間の切目線(110K)が破断することを特徴とする
第3の構成においては、スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されているので、箱体の展開状態における突出表示部と突出表示部補強部の一方の面側にPOP広告を印刷しておき、他方の面側を接着面とすることにより、突出表示部と突出表示部補強部からなる突出表示ユニットの両面にPOP広告を表示させることができる。
【0019】
また、突出表示部補強部を正面部本体から切目線を介して連設した状態にしておき、包装箱の製造に際して、突出表示部補強部を突出表示部に接着し、スリーブ状部を広げることにより、切目線が破断して、突出表示部と突出表示部補強部が貼り合わされた状態とできるので、包装箱の製造に際して、容易に突出表示部と突出表示部補強部が貼り合わされた状態とすることができる。
【0020】
また、第4には、包装箱であって、内箱部(A)と外箱部(B)とを有し、内箱部と外箱部が、それぞれシート状のブランクにより形成され、内箱部が、底面部(50)と、底面部の各辺から立設し底面部に対して略直角をなす内側スリーブ状部(1)で、内側正面部(10)と、相対する一対の内側側面部(20、30)と、内側背面部(40)とを有し、内箱部を箱状に組み立てた状態では、内側正面部と一対の内側側面部と内側背面部の4つの面部のうち、互いに隣接する面部が略直角をなす内側スリーブ状部と、を有し、相対する一対の内側側面部において、内側側面部の一部が分離部(24、34)として内側側面部における分離部以外の領域である内側側面部本体部(22、32)と切目線を介して分離可能に形成され、一対の内側側面部における一方の内側側面部である特定内側側面部(30)において、内側側面部本体部(32)が、突出表示部(130)と、内側側面部本体部の突出表示部以外の領域である本体部主構成部(140)とを有し、本体部主構成部と突出表示部とは、正面側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜折れ線(C130)と、傾斜折れ線の背面側の端部から連設された切目線(130K)を介して区画され、傾斜折れ線よりも上側の領域が突出表示部であり、突出表示部は、本体部主構成部に対して傾斜折れ線を介して折り返した状態において下側となる辺部に、本体部主構成部における上向きの辺部(30a)と係止するための係止部(136)を有し、外箱部が、 内箱部の外側の面に沿って設けられた外側スリーブ状部(201)で、内側正面部の外側の面に沿って形成された外側正面部(210)と、一対の内側側面部における各内側側面部の外側の面に沿ってそれぞれ形成された外側側面部(220、230)と、内側背面部の外側の面に沿って形成された外側背面部(240)とを有し、外箱部を箱状に組み立てた状態では、互いに隣接する側面部が略直角をなす外側スリーブ状部と、外側スリーブ状部の上端から折れ線を介して連設された蓋部(270、280)と、を有し、 内箱部における分離部が設けられた内箱部側面部に対応した外側側面部に分離部が接着され、外側側面部における分離部が接着された領域を含む片部である回動片部(224、234)が、外側側面部における回動片部以外の領域である外側側面部本体部(222、232)に対して回動可能に形成され、回動片部を外側に回動させることにより分離部と内側側面部本体部間の切目線が切断されて分離部が回動片部に接着した状態で内箱部から分離し、分離部が接着された外箱部を取り除いた内箱部において、突出表示部と本体部主構成部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を該上向きの辺部(30a)と係止させることにより、突出表示部が、内側正面部よりも正面側に突出した状態となることを特徴とする。
【0021】
第4の構成においては、突出表示部を使用しない場合には、突出表示部と本体部主構成部間の切目線を破断することなく、内箱部に商品を陳列した状態で使用すればよく、その場合でも、突出表示部は、内箱部の側面を構成するのみであり、商品を陳列する際の支障とはならない。
【0022】
また、突出表示部を使用する場合には、突出表示部と本体部主構成部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させることにより、突出表示部が内側正面部よりも正面側に突出した状態となるので、突出表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択することができる。
【0023】
また、切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させる操作を行なうのみで、突出表示部が正面側に突出した状態となるので、突出表示部を使用する操作を容易とすることができる。
【0024】
また、第5には、上記第4の構成において、傾斜折れ線は、特定内側側面部と底面部との境界線である特定内側側面部の下辺に対して略45度傾斜し、本体部主構成部は、傾斜折れ線に沿った辺部を有する突状部(142)を有していて、該上向きの辺部は、該突状部の正面側に設けられていることを特徴とする。
【0025】
また、第6には、上記第4又は第5の構成において、内側正面部は、底面部から連設された内側正面部本体(12)と、内側正面部本体から切目線(110K)を介して連設された突出表示部補強部(110)を有し、内側スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されていて、内箱部と外箱部を箱状に組み立てるために、内側スリーブ状部及び外側スリーブ状部が折り畳まれた状態から内側スリーブ状部及び外側スリーブ状部を広げることにより、内側正面部本体と突出表示部補強部間の切目線(110K)が破断することを特徴とする。
【0026】
第6の構成においては、内側スリーブ状部を折り畳んだ状態において、突出表示部補強部が突出表示部に接着されているので、内箱部の展開状態における突出表示部と突出表示部補強部の一方の面側にPOP広告を印刷しておき、他方の面側を接着面とすることにより、突出表示部と突出表示部補強部からなる突出表示ユニットの両面にPOP広告を表示させることができる。
【0027】
また、突出表示部補強部を内側正面部本体から切目線を介して連設した状態にしておき、包装箱の製造に際して、突出表示部補強部を突出表示部に接着し、内側スリーブ状部を広げることにより、切目線が破断して、突出表示部と突出表示部補強部が貼り合わされた状態とできるので、包装箱の製造に際して、容易に突出表示部と突出表示部補強部が貼り合わされた状態とすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に基づく箱体及び包装箱によれば、突出表示部を使用しない場合には、突出表示部と本体部主構成部間の切目線を破断することなく、箱体(内箱部)に商品を陳列した状態で使用すればよく、その場合でも、突出表示部は、箱体の側面を構成するのみであり、商品を陳列する際の支障とはならない。
【0029】
また、突出表示部を使用する場合には、突出表示部と本体部主構成部間の切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させることにより、突出表示部が正面部(内側正面部)よりも正面側に突出した状態となるので、突出表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択することができる。
【0030】
また、切目線が破断された状態で、傾斜折れ線を介して突出表示部を本体部主構成部に対して折り返して、係止部を上向きの辺部と係止させる操作を行なうのみで、突出表示部が正面側に突出した状態となるので、突出表示部を使用する操作を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図4】包装箱の内箱部の構成を示す前方斜視図である。
【
図5】包装箱の内箱部の構成を示す後方斜視図である。
【
図15】
図14の状態の包装箱における内箱部の状態を示す説明図である。
【
図20】突出表示ユニットの使用方法を示す斜視図である。
【
図21】突出表示ユニットの使用方法を示す斜視図である。
【
図22】突出表示ユニットの使用方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明においては、POP広告の機能を有する表示部を包装箱の正面側に縦方向に突出させることができる包装箱であって、表示部をPOP広告として使用する場合と使用しない場合を選択することができ、表示部をPOP広告として使用しない場合であっても、表示部が商品の陳列の邪魔になることがなく、表示部をPOP広告として使用する場合に、表示部を組み立てる操作が容易なものを提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0033】
本発明に基づく包装箱Pは、
図1~
図9等に示すように構成され、内箱部Aと、外箱部Bとを有していて、内箱部Aと外箱部Bのそれぞれが1枚のシート状のブランク(具体的には段ボール(特に、両面段ボール)であり、厚紙等でもよい)により形成されている。
【0034】
内箱部(箱体)Aは、全体に上部が開口した容器状を呈し、
図4~
図6等に示すように、スリーブ状部(内側スリーブ状部)1と、底面部50とを有している。スリーブ状部1は、組立て状態では、底面部50の周囲から立設して形成され、正面部(内側正面部)10と、側面部(内側側面部、右側面部、内側左側面部)20と、側面部(内側側面部、特定内側側面部、特定側面部、左側面部、内側左側面部)30と、背面部(内側背面部)40と、糊代部49とを有していて、その展開状態は、
図6~
図8に示すように形成されている。
【0035】
ここで、正面部10は、横長略長方形状の一部が上方に突出した形状を有していて、正面部本体12と、正面部本体12から切目線110Kを介して上方に突出した突出表示部補強部110を有している。
【0036】
正面部本体12は、横長略長方形状を有し、左側面側の端部領域が突状に形成されている。すなわち、正面部本体12の上辺は、側面部30の辺部30aから連設された直線状の辺部12aと、辺部12aからアール部を介して連設された直線状の辺部12bと、辺部12bからアール部を介して連設された直線状の辺部12cを有し、辺部12aと辺部12cは、正面部本体12の下辺と平行で、辺部12bは、正面部本体12の下辺に対して直角となっている。アール部は、略円弧状となっている(後述のアール部についても同じ)。
【0037】
また、突出表示部補強部110は、全体に略鉤状形状を有し、正面部本体12から切目線110Kを介して連設された幅狭部112と、幅狭部112の先端から連設された幅広部114を有している。
【0038】
幅狭部112は、縦長の略長方形状を有し、右側面側に突出した突状部116を有している。突状部116は、内箱部Aの展開状態において、突出表示部130における突状部136と折れ線C1に沿った仮想線を介して線対称となる位置に設けられている。なお、突状部136は、突出表示部補強部110が突出表示部130に接着された状態で、突状部116が突状部136(後述)の輪郭からはみ出さないように、突状部116は突状部136よりも小さく形成されている。
【0039】
突出表示部補強部110は、直線状の辺部110aと、辺部110aの上端からアール部を介して連設された直線状の辺部110bと、辺部110bの右端からアール部を介して連設された直線状の辺部110cと、辺部110cの下端からアール部を介して連設された直線状の辺部110dと、辺部110dの左端からアール部を介して連設された直線状の辺部110eと、辺部110eの下端から連設された曲線状の辺部110fと、辺部110fの下端から連設された直線状の辺部110gと、辺部110gの下端からアール部を介して連設されるとともに、辺部110aの下端からアール部を介して連設された直線状の辺部110hとに囲まれた形状を有している。ここで、辺部110aと辺部110cと辺部110eと辺部110gは、縦方向(正面部本体12の下辺に対して直角の方向)に形成され、辺部110bと辺部110dと辺部110hは、正面部本体12の下辺と平行に形成されている。また、曲線状の辺部110fにより突状部116が形成されている。
【0040】
また、幅狭部112には、折れ線(傾斜折れ線)C110が形成されていて、折れ線C110に沿って折曲げ用の罫線(傾斜罫線)が形成されている。折れ線C110は、辺部110aから辺部110gまで幅狭部112を横切るように形成され、左側面側から右側面側に向けて下方となるように傾斜した直線状に形成されている。折れ線C110は、内箱部Aの展開状態において、突出表示部130における折れ線(傾斜折れ線、傾斜罫線)C130と折れ線C1に沿った仮想線を介して線対称となる位置に設けられている。なお、折曲げ用の罫線としては、辺部110aから辺部110gまで形成されていなくても、折れ線C110の一方の端部から他方の端部までの区間における一部に形成された構成としてもよい。この突出表示部補強部110は、折れ線C110を介して先端側の領域である補強部本体110-1と、基端側の領域である基端部110-2とに区画されている。
【0041】
切目線110Kは、略L字状を呈し、辺部12bに沿った切目線110K-1と、辺部12cの一部に沿った切目線110K-2と、辺部12bと辺部12c間のアール部に沿った切目線により構成され、突出表示部補強部110に対しては、切目線110Kは、辺部110aの下端部分と辺部110hとそれらの間のアール部に沿って形成されている。このように、突出表示部補強部110は、正面部本体12の辺部12bと辺部12cの両方に切目線110Kを介して接しているので、突出表示部補強部110の正面部本体12に対するぐらつきを小さくでき、包装箱Pの製造に際して、突出表示部130と突出表示部補強部110を正しく接着することができる。
【0042】
なお、突出表示部補強部110は、
図11のハッチングに示す領域が側面部30に接着され、突出表示部補強部110における補強部本体110-1(折れ線C110よりも先端側の領域)が突出表示部130に接着されるとともに、基端部110-2(折れ線C110よりも基端側の領域)が突状部142(後述)に接着される。突出表示部補強部110が突出表示部130及び突状部142に接着された状態では、折れ線C110は折れ線C130に沿った状態となっていて、例えば、
図4、
図5の状態で、側面透視において、折れ線C110と折れ線C130は一致している。
【0043】
また、スリーブ状部1を広げて内箱部Aを箱状に組み立てた状態では、切目線110Kは破断されていて、突出表示部補強部110は、突出表示部130及び突状部142に接着された状態となっている。詳しくは後述する。
【0044】
また、幅広部114は、略方形状を呈し、幅狭部112に比べて横方向に幅広に形成され、右側面側に突出した形状となっている。
【0045】
正面部10の縦方向の長さ、すなわち、正面部本体12の下辺から突出表示部補強部110の辺部110bまでの長さは、背面部40の下辺から上辺までの長さL40と略同一となっている。
【0046】
次に、側面部20は、正面部本体12の右側面側の端部から折れ線C2を介して連設され、全体に略方形状の形状を有し、方形状における正面上側の一部を切り欠いた形状を有している。すなわち、側面部20は、正面側に縦長の切欠部20Kを有していて、側面部20には、正面部本体12の辺部12cから連設された直線状の辺部20aと、辺部20aからアール部を介して連設されるとともに側面部20の上辺である辺部20cからアール部を介して連設された直線状の辺部20bが設けられ、辺部20aと、辺部20aと辺部20b間のアール部と、辺部20bとにより切欠部20Kが形成されている。なお、辺部20aと辺部20cは、側面部20の下辺に対して平行に形成され、辺部20bは、側面部20の下辺に対して直角に形成されている。この側面部20は、本体部22と、分離部24とを有している。なお、本体部22は、側面部20における分離部24以外の領域である。
【0047】
分離部24は、側面部20に形成された切目線24aにより区画された領域であり、切目線24aは、横方向に間隔を介して設けられた円弧状の切目線24a-1、24a-3(切目線24a-1と切目線24a-3は互いに線対称に形成されている)と、切目線24a-1の上端と切目線24a-3の上端を結ぶ横方向の直線状の切目線24a-2とを有している。また、分離部24の下端には、底面部50の第2片部70の切欠部72Kから連設された略横長方形状の切欠部25が設けられ、この切欠部25により、外箱部Bの回動片部224を回動させる際に、分離部24の下端にも指を引っ掛けやすくすることができる。
【0048】
この分離部24の形成位置は、外箱部Bの回動片部224の裏側の領域であり、分離部24は回動片部224の裏側に接着され、回動片部224の下端を外側かつ上方に回動させることにより、分離部24も回動片部224の裏側に接着したまま切目線24aが切断されて、分離部24が本体部22から分離するように形成されている。分離部24は、回動片部224よりも小さく形成されていて、側面透視において、分離部24の外形が回動片部224の外形よりもはみ出すことがない。
【0049】
以上のように、側面部20の一部が分離部24として側面部20における分離部24以外の領域である本体部22と切目線24aを介して分離可能となっている。
【0050】
次に、側面部(特定内側側面部)30は、正面部本体12の左側面側の端部から折れ線C1を介して連設され、全体に略方形状の形状を有し、方形状における正面上側の一部を切り欠いた形状を有している。すなわち、側面部30は、正面側に縦長の切欠部30Kを有していて、側面部30には、正面部本体12の辺部12aから連設された直線状の辺部30aと、辺部30aからアール部を介して連設されるとともに側面部30の上辺を構成する辺部30c-1からアール部を介して連設された直線状の辺部30bが設けられていて、辺部30aと、辺部30aと辺部30b間のアール部と、辺部30bとにより切欠部30Kが形成されている。なお、辺部30aと辺部30c-1は、側面部20の下辺に対して平行に形成され、辺部30bは、側面部30の下辺に対して直角に形成されている。この側面部30は、本体部32と、分離部34とを有している。なお、本体部32は、側面部30における分離部34以外の領域である。
【0051】
分離部34は、側面部30に形成された切目線34aにより区画された領域であり、切目線34aは、横方向に間隔を介して設けられた円弧状の切目線34a-1、34a-3(切目線34a-1と切目線34a-3は互いに線対称に形成されている)と、切目線34a-1の上端と切目線34a-3の上端を結ぶ横方向の直線状の切目線34a-2とを有している。また、分離部34の下端には、底面部50の第3片部80の切欠部82Kから連設された略横長方形状の切欠部35が設けられ、この切欠部35により、外箱部Bの回動片部234を回動させる際に、分離部34の下端にも指を引っ掛けやすくすることができる。
【0052】
この分離部34の形成位置は、外箱部Bの回動片部234の裏側の領域であり、分離部34は回動片部234の裏側に接着され、回動片部234の下端を外側かつ上方に回動させることにより、分離部34も回動片部234の裏側に接着したまま切目線34aが切断されて、分離部34が本体部32から分離するように形成されている。分離部34は、回動片部234よりも小さく形成されていて、側面透視において、分離部34の外形が回動片部234の外形よりもはみ出すことがない。
【0053】
また、分離部34は、内箱部Aを組み立てた状態において、分離部24と左右対称となる位置に設けられている。
【0054】
以上のように、側面部30の一部が分離部34として側面部30における分離部34以外の領域である本体部32と切目線34aを介して分離可能となっている。
【0055】
また、本体部32においては、折れ線C130と、折れ線C130の背面側の端部から連設された切目線130Kが形成されていて、この折れ線C130と切目線130Kにより、本体部32は、突出表示部130と本体部主構成部140に区画されている。切目線130Kは、折れ線C130の背面側の端部と側面部30の上辺である辺部30cの間に形成されており、折れ線C130よりも上側の領域が突出表示部130となる。なお、本体部主構成部140と分離部34からなる領域を本体部33(
図6参照)とすると、本体部33は、側面部30において突出表示部130以外の領域であり、側面部30は、折れ線C130と切目線130Kにより、突出表示部130と本体部33に区画されていて、折れ線C130よりも上側の領域が突出表示部130となる。
【0056】
ここで、折れ線C130は、辺部30bの下端から上端までの途中位置である端部sから背面側に向けて下方に傾斜した直線状に形成され、折れ線C130の側面部30の下辺の方向に対する角度αは45度(略45度としてもよい)となっている。この折れ線C130に沿って折曲げ用の罫線(傾斜罫線)が形成されている。
【0057】
また、切目線130Kは、本体部32の上端(厳密には、辺部30c-1と辺部30c-2間の切欠部の下端)から形成された直線状の切目線130K-1と、切目線130K-1の下端からアール部を介して形成された直線状の切目線130K-2と、切目線130K-2の正面側の端部からアール部を介して連設された直線状の切目線130K-3と、切目線130K-3の下端から連設された曲線状の切目線130K-4と、切目線130K-4の下端から折れ線C130の背面側の端部tまで形成された切目線130K-5とを有している。つまり、切目線130Kは、折れ線C130の背面側の端部から連設されているといえる。なお、折曲げ用の罫線としては、端部sから端部tまでに形成されているが、端部sから端部tまで形成されていなくても、端部sから端部tまでの区間における一部に形成された構成としてもよい。
【0058】
切目線130K-1と、切目線130K-3と、切目線130K-5は、縦方向(側面部30の下辺に対して直角の方向)に形成され、切目線130K-2は、横方向(側面部30の下辺に対して平行な方向)に形成されている。
【0059】
曲線状の切目線130K-4は、突出表示部補強部110の辺部110fに対応した形状に形成され、この切目線130K-4により、突出表示部130に突状部136が形成されている。
【0060】
さらに、切目線130K-5の下端からは下方に伸びた後に背面側に屈曲した鉤状の切目線131Kが連設されている。この切目線131Kは、切目線130Kを破断する際に、切目線130K-5の下端から不用意に破断してしまうのを防止するために形成されている。
【0061】
これにより、突出表示部130は、辺部30bの端部sよりも上側の部分である辺部130aと、辺部130bからアール部を介して連設された辺部30c-1と、辺部30c-1からアール部を介して連設された直線状の辺部130bと、辺部130bからアール部を介して連設された直線状の辺部130cと、辺部130cからアール部を介して連設された直線状の辺部130dと、辺部130dの下端から連設された曲線状の辺部130eと、辺部130eの下端から連設された直線状の辺部130fと、折れ線C130に沿った辺部130gにより囲まれた形状を有し、辺部130bは、切目線130K-1に沿って形成され、辺部130cは、切目線130K-2に沿って形成され、辺部130dは、切目線130K-3に沿って形成され、辺部130eは、切目線130K-4に沿って形成され、辺部130fは、切目線130K-5に沿って形成されている。辺部130b、辺部130d、辺部130fは、縦方向(側面部30の下辺に対して直角の方向)に形成され、辺部130cは、横方向(側面部30の下辺に対して平行な方向)に形成されている。
【0062】
突出表示部130は上記のように形成されているので、突出表示部130は、折れ線C130から上方に形成された幅狭部132と、幅狭部132の先端から連設された幅広部134とを有している。
【0063】
幅狭部132は、縦長の略長方形状を有し、左側面側に突出した突状部(係止部)136を有している。
【0064】
また、幅広部134は、略方形状を呈し、幅狭部132に比べて幅広に形成され、左側面側に突出した形状となっている。
【0065】
なお、折れ線C130の背面側の端部tから側面部30の上辺を構成する辺部30c-1までの長さL1は、端部tと折れ線C1間の前後方向の長さL2よりも長く形成され(
図8参照)、これにより、突出表示部130を折れ線C130を介して折り返した状態で、突出表示部130が正面部本体12から正面側に突出することができる。
【0066】
また、突出表示部130を折れ線C130を介して折り返した状態で、突状部136が辺部30a(上向きの辺部)に係止できるように、端部tから辺部130eの下端までの長さL3が、端部tから辺部30bまでの長さL4以上の長さを有する(
図8参照)とともに、端部tから辺部130eの上端までの長さL5が、長さL2よりも短くなっている。ただし、突状部136の先端が少なくとも辺部30aに係止すればよいと考えると、少なくとも、端部tから辺部130eの上端と下端の中間位置(上端及び下端から上下方向に等距離の位置)までの長さL6が、長さL4よりも長く、かつ、長さL6が、長さL2よりも短ければよい。
【0067】
また、突出表示部130を折れ線C130を介して折り返した状態で、幅広部134の下辺となる辺部130bが内箱部Aの載置面に接しないようにするために、辺部130bと辺部130d、130f間の前後方向の長さL7は、端部tから側面部30の下辺までの長さL8よりも短く形成されている(
図8参照)。
【0068】
また、本体部主構成部140は、本体部32における突出表示部130以外の領域であり、本体部主構成部140は、切目線130Kの下端と辺部30aの間の位置に直角三角形状の突状部142を有し、突状部142の上辺に沿って折れ線C130が形成されているといえる。つまり、突状部142は、折れ線C130に沿った辺部を有していて、辺部30a(上向きの辺部)は、突状部142の正面側に突状部142に隣接して設けられている。本体部主構成部140の上辺である辺部30c-2と突出表示部130における辺部30c-1とは同一直線上に形成され、ともに側面部30の下辺と平行に形成されている。辺部30c-1と辺部30c-2とで、側面部30の上辺である辺部30cが構成される。
【0069】
なお、側面部30の横方向の長さ(折れ線C0と折れ線C1間の長さ)は、側面部20の横方向の長さ(折れ線C2と折れ線C3間の長さ)と同一(略同一としてもよい)に形成されている。
【0070】
突出表示部130は、突出表示部補強部110と接着されているが、突出表示部130と突出表示部補強部110とで突出表示ユニット105が構成される(
図5、
図20~
図22参照)。突出表示ユニット105において、突状部136と突状部116が重なり合った状態となるが、突状部136と突状部116とで係止部106が構成される。なお、突出表示部130は、
図11に示すように、突出表示部補強部110の折れ線C110よりも先端側の領域に接着される。
【0071】
側面部30は上記のように形成されていて、側面部30全体の形状としては、折れ線C130、切目線130K、131Kが設けられている点や辺部30aと辺部20aの高さの違いを除けば、側面部20と左右対称に形成されていて、突出表示ユニット105を使用しない場合に、突出表示ユニット105の存在を目立たなくしている。
【0072】
また、背面部40は、側面部20の背面側の端部から折れ線C3を介して連設され、全体には方形状を呈している。この背面部40の横方向の長さ(つまり、折れ線C3と背面部40の折れ線C3と反対側の辺部間の長さ)は、正面部10の横方向の長さ(つまり、折れ線C1と折れ線C2間の長さ)と同一(略同一としてもよい)に形成されている。
【0073】
なお、背面部40の縦方向の長さと、正面部10の縦方向の長さ(最大長さ)と、側面部20、30の縦方向の長さ(最大長さ)は同一に形成されている。
【0074】
また、糊代部49は、側面部30の背面側の端部から折れ線C0を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部49は、その外側の面が側面部30の背面側の端部領域の内側の面に接着されている。
【0075】
また、底面部50は、いわゆるワンタッチ底であり、第1片部(底面部第1片部)60と、第2片部(底面部第2片部)70と、第3片部(底面部第3片部)80と、第4片部(底面部第4片部)90とを有し、包装箱Pの組立て状態においては、
図3に示すように
、略方形状の外形を呈している。
【0076】
ここで、第1片部60は、正面部10の下端から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部Aの内底面の一部を形成している。この第1片部60は、底面部50の組立て状態においては、第4片部90と底面部50の中心位置(底面部50の対角の角部を結ぶ2つの直線の交点)を介して略点対称に形成されているが、第1片部60においては、折り畳まれた状態のスリーブ状部1を広げて内箱部Aを組み立てる際に、突出表示部補強部110の邪魔にならないように、切欠部60Kが設けられている。この切欠部60Kは、切欠部60Kを構成する2つの辺部が、
図15の状態(内箱部Aが折り畳まれた状態)において、突出表示部補強部110の辺部110gと辺部110hに沿った状態となるように、該2つの辺部が直角となるように形成されている。
【0077】
また、第2片部70は、側面部20の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第2片部70の上面の一部が内箱部Aの内底面の一部を形成している。また、第2片部70の角部(側面部20と背面部40の境界位置の下端)からは第2片部70の正面部10との境界をなす辺部に対して斜めに折れ線70-1(この折れ線70-1は、上面側が山折れ線となる)が形成され、内箱部Aを折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第2片部70は、折れ線70-1を介して本体部72と先端部74とに区画される。本体部72の先端の先端部74側には、他方の本体部82と互いに係止するように切欠部72aが形成されている。先端部74の上面は、第4片部90の下面に接着されている。
【0078】
本体部72には、側面部20との境界に沿って帯状の切欠部72Kが設けられ、内箱部Aの展開状態で、切欠部72Kと切欠部25とで凸状の開口部を形成している。この切欠部72Kにより、回動片部224の下端や分離部24の下端に指をひっかけやすくなっている。
【0079】
また、第3片部80は、側面部30の下端から折れ線を介して連設され、底面部50の組立て状態においては、第2片部70と底面部50の中心位置を介して点対称に形成されている。すなわち、第3片部80は、側面部30の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第3片部80の上面の一部が内箱部Aの内底面の一部を形成している。また、第3片部80の角部(正面部10と側面部30の境界位置の下端)からは第3片部80の側面部30との境界をなす辺部に対して斜めに折れ線80-1(この折れ線80-1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部Aを折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第3片部80は、折れ線80-1を介して本体部82と先端部84とに区画される。本体部82の先端の先端部84側には、他方の本体部72と互いに係止するように切欠部82aが形成されている。先端部84の上面は、第1片部60の下面に接着されている。
【0080】
本体部82には、側面部30との境界に沿って帯状の切欠部82Kが設けられ、内箱部Aの展開状態で、切欠部82Kと切欠部35とで凸状の開口部を形成している。この切欠部82Kにより、回動片部234の下端や分離部34の下端に指をひっかけやすくなっている。
【0081】
また、第4片部90は、背面部40の下端から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が内箱部Aの内底面の一部を形成している。
【0082】
以上のように、底面部50において、隣接する2つの片部(第1片部60と第3片部80)である底面部第1片部対の一方における他方の側の部分である先端部(第1端部領域)84が折れ線を介して折曲げ可能であり、該先端部84が第1片部60に接着され、他の隣接する2つの片部(第2片部70と第4片部90)である底面部第2片部対の一方における他方の側の部分である先端部(第2端部領域)74が折れ線を介して折曲げ可能であり、該先端部74が第4片部90に接着されている。
【0083】
なお、内箱部Aの展開状態において、正面部10の下辺(正面部本体12の下辺)と、側面部20の下辺と、側面部30の下辺と、背面部40の下辺は、同一直線上に形成され、これらの下辺は、スリーブ状部1の下辺を構成している。
【0084】
また、内箱部Aにおける折れ線C0~C3は互いに平行に形成されるとともに、スリーブ状部1の下辺に対して直角となっている。
【0085】
内箱部Aを箱状に組み立てた状態では、正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になり、底面部50を構成する各部材は、正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略直角(直角でもよい)となる。つまり、スリーブ状部1は、底面部50に対して略直角(直角でもよい)となる。また、スリーブ状部1を構成する各部材(正面部10、側面部20、30、背面部40)における隣接する部材は互いに直角(略直角としてもよい)となっている。
【0086】
また、内箱部Aは、平板状に折り畳むことができ(
図13~
図15参照)、内箱部Aにおいては、正面部10と側面部30との角度を小さくし(つまり、直角より小さくする)、背面部40と側面部20との角度を小さくさせる(つまり、直角より小さくする)ことにより、四角筒状のスリーブ状部1が扁平になるとともに、底面部50を構成する各部がスリーブ状部1内に回動して、内箱部Aが全体に平板状に折り畳むことができる。内箱部Aを折り畳んだ状態では、底面部50を構成する各部は、スリーブ状部1内にスリーブ状部1を構成する正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略平行な状態となる。
【0087】
次に、外箱部Bは、内箱部Aを覆う箱体であり、
図1~
図3、
図9等に示すように、スリーブ状部(外側スリーブ状部)201と、フラップ部260、290と、蓋部270、280とを有していて、その展開状態は、
図9に示すように形成されている。
【0088】
ここで、スリーブ状部201は、組み立てた状態では、四角形状の筒状を呈し、正面部(外側正面部)210と、側面部(外側側面部、右側面部、外側右側面部)220と、側面部(外側側面部、左側面部、外側左側面部)230と、背面部(外側背面部)240と、糊代部249とを有している。
【0089】
ここで、正面部210は、方形状(長方形状)の板状を呈している。この正面部210の横方向の長さ(折れ線C11と折れ線C12間の長さ)は、内箱部Aを収納することができるように、正面部10の横方向の長さよりも若干大きく形成されている。
【0090】
また、側面部220は、正面部210の右側面側の端部から折れ線C12を介して連設され、方形状を呈している。側面部220の横方向の長さ(折れ線C12と折れ線C13間の長さ)は、側面部20の横方向の長さよりも若干大きく形成されている。
【0091】
側面部220には、横方向に間隔を介して設けられた円弧状の切目線224a、224bが形成されている。切目線224a、224bは側面部220の下辺から上方に形成され、ミシン目状の切込み(切断予定線)により形成されている。切目線224aと切目線224bは互いに線対称に形成されている。
【0092】
また、切目線224aの上端と切目線224bの上端の間には、側面部220の下辺と平行な折れ線C224が設けられ、切目線224a、224bと折れ線C224により囲まれた領域が、回動片部224となる。なお、側面部220における回動片部224以外の領域が本体部(外側側面部本体部)222となる。
【0093】
つまり、側面部220における分離部24が接着された領域を含む片部である回動片部224が、側面部220における回動片部224以外の領域である本体部222に対して回動可能となっている。
【0094】
また、側面部230は、正面部210の左側面側の端部から折れ線C11を介して連設され、方形状を呈している。側面部230の横方向の長さ(折れ線C11と折れ線C11の反対側の辺部間の長さ)は、側面部30の横方向の長さと略同一に形成されている。
【0095】
側面部230には、横方向に間隔を介して設けられた円弧状の切目線234a、234bが形成されている。切目線234a、234bは側面部230の下辺から上方に形成され、ミシン目状の切込み(切断予定線)により形成されている。切目線234aと切目線234bは互いに線対称に形成されている。
【0096】
また、切目線234aの上端と切目線234bの上端の間には、側面部230の下辺と平行な折れ線C234が設けられ、切目線234a、234bと折れ線C234により囲まれた領域が、回動片部234となる。
【0097】
つまり、側面部230における分離部34が接着された領域を含む片部である回動片部234が、側面部230における回動片部234以外の領域である本体部232に対して回動可能となっている。
【0098】
外箱部Bの組立て状態において、切目線224a、224bと切目線234a、234bは、面対称に形成され、回動片部224と回動片部234も面対称に形成されている。
【0099】
また、背面部240は、側面部220の背面側の端部から折れ線C13を介して連設され、方形状を呈している。この背面部240の横幅は、正面部210の横方向の長さと略同一に形成され、背面部40の横方向の長さよりも若干大きく形成されている。
【0100】
また、糊代部249は、背面部240の左側面側の端部から折れ線C14を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部249は、
図1に示すように、その内側の面が側面部230の外側の面に接着されている。
【0101】
また、正面部210と側面部220、230と背面部240の縦方向の長さは同一に形成されていて、内箱部Aの縦方向の長さよりも若干大きく形成されている。すなわち、外箱部Bのスリーブ状部201の縦方向の長さは、内箱部Aのスリーブ状部1の縦方向の長さ(最大長さ)よりも大きく形成されている。外箱部Bの展開状態において、正面部210の下辺と、側面部220の下辺と、側面部230の下辺と、背面部240の下辺は、同一直線上に形成され、また、正面部210の上辺と、側面部220の上辺と、側面部230の上辺と、背面部240の上辺は、同一直線上に形成されている。
【0102】
また、フラップ部(第1蓋部片部)260は、正面部210の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。
【0103】
また、蓋部(第2蓋部片部)270は、側面部220の上端から折れ線を介して連設さ
れ、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。
【0104】
また、蓋部(第3蓋部片部)280は、側面部230の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。この蓋部280は、蓋部270と同大同形状に形成されている。
【0105】
また、フラップ部(第4蓋部片部)290は、背面部240の上端から折れ線を介して連設され、略方形状(略長方形状)を呈し、長方形状における両側の先端側の角部を面取りした形状を呈している。このフラップ部290は、フラップ部260と同大同形状に形成されている。
【0106】
これら蓋部270、280及びフラップ部260、290は、外箱部Bの上面を開閉するものであり、特に、蓋部270、280を閉状態とすることにより外箱部Bの上面が塞がれる。つまり、蓋部270、280の基端から先端までの長さは、正面部210及び背面部240の横方向の長さの半分であり、蓋部270、280を閉じた際には、蓋部270の先端と蓋部280の先端が接する。蓋部270、280及びフラップ部260、290は、いわゆるA式と言われるものである。なお、蓋部270、280及びフラップ部260、290は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部Bの上方が開口した状態になっている。
【0107】
また、正面部210と側面部220の境界位置の下側には縦長帯状の開口部K220が形成され、また、正面部210と側面部230の境界位置の下側には縦長帯状の切欠部K230が形成され、内箱部Aと外箱部Bとを接着した状態では、開口部K220の上端が正面部10と側面部20間の境界位置の上端と略一致し、切欠部K230の上端が正面部10と側面部30間の境界位置の上端と略一致し、特に、切欠部K230の上端が正面部10と側面部30間の境界位置の上端と係合している。
【0108】
外箱部Bを箱状に組み立てた状態では、正面部210と背面部240とが互いに平行になり、側面部220と側面部230とが互いに平行になる。また、スリーブ状部201を構成する各部材(正面部210、側面部220、230、背面部240)における隣接する部材は互いに直角(略直角としてもよい)となっている。
【0109】
次に、内箱部Aと外箱部Bとは、分離部24、34の箇所で互いに接着されている。つまり、分離部24の外側の面と側面部220(特に、回動片部224)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されるとともに、分離部34の外側の面と側面部230(特に、回動片部234)の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されることにより、包装箱Pが全体に一体に形成される。つまり、分離部24の外側の面の全部又は一部の領域と側面部220の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられていて、同様に、分離部34の外側の面の全部又は一部の領域と側面部230の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられている。これにより、外箱部Bのスリーブ状部201は、内箱部Aにおけるスリーブ状部1の外側の面に沿って設けられ、例えば、正面部10の外側の面に沿って正面部210が設けられ、側面部20の外側の面に沿って側面部220が設けられ、側面部30の外側の面に沿って側面部230が設けられ、背面部40の外側の面に沿って背面部240が設けられている。該接着剤層の接着力は、外箱部Bの回動片部224を折れ線C224を回動軸として外側に回動させた際(つまり、上方向に回動させる)に、同時に分離部24の周囲の切目線24aが破れて、分離部24が内箱部Aから分離し、回動させた回動片部224に接着した状態で回動片部224に従動するように設定されていて、同様に、外箱部Bの回動片部234を折れ線C234を回動軸として外側に回動させた際(つまり、上方向に回動させる)に、同時に分離部34の周囲の切目線34aが破れて、分離部34が内箱部Aから分離し、回動させた回動片部234に接着した状態で回動片部234に従動するように設定されている。
【0110】
なお、上記の例では、回動片部を上方向に回動させるとしたが、切目線224a、224bの下端を側面部220の下辺よりも上側に設けるとともに、切目線234a、234bの下端を側面部230の下辺よりも上側に設け、回動軸としての折れ線を切目線224a、224bの下端や切目線234a、234bの下端に設けて、下方向に回動させるようにしてもよい。また、回動軸としての折れ線C224、C234は、横方向に形成されているが、これには限らず、回動軸が縦方向に形成されていて、回動片部を横方向に回動させる構成としてもよい。
【0111】
また、内箱部Aと外箱部Bとが接着された状態では、内箱部Aの下端と外箱部Bの下端とが同じ高さになるように形成されている。なお、内箱部Aと外箱部Bとは、分離部24、34の箇所以外は互いに接着されていない。
【0112】
以上のように、内箱部Aは外箱部Bの内側に収納した状態となっていて、内箱部Aの底面部50以外は外箱部Bに被覆された状態となっている。つまり、外箱部Bの下端の高さ方向の位置は、内箱部Aの下端の高さ方向の位置と略同一であり、蓋部270、280を封止した状態では内箱部Aにおいては底面部50のみが露出している。
【0113】
なお、上記構成の包装箱Pは、正面部210を側面部230に対して略平行になるようにし、かつ、側面部220を背面部240に対して略平行になるようにすることにより、
図13~
図15に示すように平板状に折り畳むことができる。
【0114】
なお、上記内箱部A及び外箱部Bにおいて、各折れ線の箇所には、予め折曲げ用の罫線が形成されている。
【0115】
上記構成の包装箱Pの製造工程について説明する。まず、展開状態の内箱部Aと外箱部Bとを製造する。
【0116】
次に、外箱部Bの内側の面に内箱部Aの外側の面を接着させる(第1接着工程)。つまり、展開状態の外箱部Bの内側の面を上側にして、回動片部224における分離部24との接着領域と回動片部234における分離部34との接着領域に接着剤を塗布して、展開状態の内箱部Aを
図10に示すように重ねる。これにより、分離部24と回動片部224が接着され、分離部34と回動片部234が接着される。その際、外箱部Bのスリーブ状部201の下辺と内箱部Aのスリーブ状部1の下辺とが略一致する(一致するとしてもよい)ようにし、また、外箱部Bと内箱部Aとにおいて、折れ線C2と折れ線C12を一致させる。なお、スリーブ状部1とスリーブ状部201において、互いに対応する部材の横方向の長さは、外箱部Bの方が長く形成されているので、折れ線C13は、折れ線C3に対して外側に若干ずれ、折れ線C11は折れ線C1に対して外側に若干ずれる。なお、外箱部Bのスリーブ状部201の下辺と内箱部Aのスリーブ状部1の下辺とを略一致させるので、包装箱Pの組立て状態において、内箱部が外箱部の側方から見えてしまい見栄えが悪くなることがない。
【0117】
次に、内箱部Aの底面部50を構成する各部をスリーブ状部1に対して内側に折り返し、さらに、第2片部70の先端部74を本体部72に対して外側に折り返すとともに、第3片部80の先端部84を本体部82に対して外側に折り返して、
図11に示す状態とする(折り返し工程)。つまり、第1片部60を正面部10との境界の折れ線を介して正面部10側に折り返し、第2片部70を側面部20との境界の折れ線を介して側面部20側に折り返し、第3片部80を側面部30との境界の折れ線を介して側面部30側に折り返し、第4片部90を背面部40との境界の折れ線を介して背面部40側に折り返し、さらに、先端部74を本体部72に対して折り返すとともに、先端部84を本体部82に対して折り返す。
【0118】
次に、第1片部60の領域(ハッチングに示す領域)に接着剤を塗布するとともに、突出表示部補強部110の領域(ハッチングに示す領域)に接着剤を塗布して(接着剤塗布工程)、側面部230を折れ線C11を介して正面部210の側に内側に折り返す(折り返し工程)ことにより、側面部30を折れ線C1を介して正面部10側に折り返し、
図12に示す状態とする。すると、先端部84と第1片部60が接着するとともに、突出表示部130及び突状部142と突出表示部補強部110が接着する。なお、接着剤の塗布に際して、第1片部60の代わりに先端部84に塗布してもよいし、突出表示部補強部110の代わりに突出表示部130及び突状部142に塗布してもよい。
【0119】
次に、第4片部90の領域(ハッチングに示す領域)と、糊代部49の領域(ハッチングに示す領域)と、糊代部249の領域(ハッチングに示す領域)に接着剤を塗布して(接着剤塗布工程)、背面部240を折れ線C13を介して側面部220の側に内側に折り返すことにより、背面部40を折れ線C3を介して側面部20側に折り返し、
図13に示す状態とする。すると、第4片部90と先端部74が接着され、糊代部49と背面部40に接着され、糊代部249が側面部230に接着される(接着工程)。
【0120】
なお、第4片部90と糊代部49、249への接着剤の塗布は、側面部230、30を折り返す前の
図11の状態で行ってもよい。つまり、接着剤塗布の工程を2つに分けることなく、1つの工程で行なうようにしてもよい。
【0121】
また、糊代部49の代わりに、背面部40における糊代部49との接着領域に接着剤を塗布してもよく、また、糊代部249の代わりに、側面部230における糊代部249との接着領域に接着剤を塗布してもよく、第4片部90の代わりに先端部74に接着剤を塗布してもよい。
【0122】
以上のようにして、包装箱Pが製造される。なお、上記の製造は、組立て装置により自動で製造される。
【0123】
上記構成の包装箱Pの使用状態について説明する。包装箱Pを使用しない状況では、包装箱Pは平板状に折り畳むことができるので、折り畳んで保管しておく。すなわち、外箱部Bがスリーブ状部201を有するとともに、内箱部Aがスリーブ状部1を有しているので、包装箱Pの状態においても平板状に折り畳むことができ、正面部210と側面部220間の角度を大きくし、側面部230と背面部240間の角度を大きくすることにより、
図13、
図14に示すように平板状に折り畳むことができる。なお、包装箱Pを折り畳んだ状態で、包装箱Pを広げて組立て状態にしたことがない場合には、突出表示部補強部110は、正面部本体12に切目線110Kを介して連設された状態で、突出表示部130に接着されている(
図15参照)。
図15は、
図14の状態の包装箱Pにおける内箱部Aの状態を示すものである。
【0124】
次に、包装箱Pを使用する際には、包装箱Pを組み立てる。すなわち、外箱部Bにおける正面部210と背面部240とが互いに平行になり、側面部220と側面部230とが互いに平行になるようにするとともに、内箱部Aにおける正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になるようにし、底面部50がスリーブ状部1、201に対して直角になるようスリーブ状部1、201を広げることにより包装箱Pが立体状に組み立てられる。
【0125】
ここで、スリーブ状部1、201を広げて包装箱Pを立体状に組み立てることにより、切目線110Kが破断して、突出表示部補強部110は、突出表示部130の内側の面に位置した状態となる。
【0126】
そして、
図16に示すように、包装箱Pの上方から複数の被収納物(商品)Gを内箱部A内に収納する。
図16は、袋状の商品である例を示しているが、他の被収納物であってもよい。なお、蓋部270、280及びフラップ部260、290は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部Bの上方が開口した状態になっているので、被収納物Gはそのまま包装箱Pの上方から収納すればよい。その後、フラップ部260、290を閉じた後に蓋部270、280を閉じて、
図17に示すように、接着テープTを外箱部Bの正面部210から上面を経て背面部240側にまで接着させることにより、蓋部270、280を封止する。
【0127】
以上のようにして、被収納物Gを包装箱Pに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Pを被収納物Gを陳列する場所に搬送する。
【0128】
その後、被収納物を陳列する場合には、外箱部Bを内箱部Aから分離する。すなわち、外箱部Bの側面部220の回動片部224を外側に回動させる。つまり、折れ線C224が回動軸となって回動片部224が上下方向に回動する。同様に、回動片部234を外側に回動させて、
図18に示す状態とする。つまり、折れ線C234が回動軸となって回動片部234が上下方向に回動する。なお、回動片部224、234が回動する際の回動軸となる折れ線C224、C234の箇所には、罫線を形成しておかなくても回動片部224、234を回動させることにより自然と折れ線が形成されるが、予め該折れ線の箇所に罫線を形成しておいてもよい。
【0129】
すると、外箱部Bの回動片部224を外側に回動させた際に、同時に分離部24の周囲の切目線24aが破れて、分離部24が内箱部A(具体的には、本体部22)から分離し、回動させた回動片部224に接着した状態で回動片部224に従動する。同様に、外箱部Bの回動片部234を外側に回動させた際に、同時に分離部34の周囲の切目線34aが破れて、分離部34が内箱部A(具体的には、本体部32)から分離し、回動させた回動片部234に接着した状態で回動片部234に従動する。
【0130】
そして、
図19に示すように、外箱部Bを上方に引き上げることにより、被収納物、つまり、被収納物Gを収納した状態で、かつ、分離部24、34が分離した状態の内箱部Aが残るので、商品Gを収納した状態で内箱部Aを陳列する。
【0131】
ここで、突出表示ユニット105を使用しない場合には、切目線130Kを破断することなく、内箱部Aを
図19の状態で使用してもよく、その場合でも、突出表示ユニット105は、内箱部Aの左側面側の側面を構成するのみであり、商品を陳列する際の支障とはならない。つまり、陳列された商品を視認する際に、突出表示ユニット105が邪魔になることはない。
【0132】
次に、突出表示ユニット105を正面側に突出させて、突出表示ユニット105を使用する場合には、以下のようにする。
【0133】
すなわち、突出表示ユニット105を折れ線C130及び折れ線C110を介して外側に回動させる。つまり、突出表示ユニット105を手でつかんで外側に引っ張れば切目線130Kが破断するので、突出表示ユニット105を折れ線C130及び折れ線C110を回動軸として外側(左側面側)に回動させる。つまり、突出表示部130を折れ線C130を介して本体部主構成部140に対して外側に折り曲げるとともに、突出表示部補強部110における補強部本体110-1を折れ線C110を介して基端部110-2に対して外側に折り曲げる。
【0134】
すると、突出表示ユニット105が、
図20に示すように、水平面及び鉛直面に対して傾斜した状態を経て、突出表示部130の幅狭部132と突出表示部補強部110の幅狭部112(補強部本体110-1の領域)が横方向に伸びた状態となり、係止部106が本体部主構成部140の辺部30aに沿った領域に接するので、係止部106を辺部30aに沿った領域に押し込むことにより、係止部106が辺部30aに沿った領域に係止される。つまり、係止部106が辺部30aに沿った領域に係止した状態では、
図21、
図22に示すように、突出表示部130は、折れ線C130を介して本体部主構成部140に対して折り返した状態となっているとともに、突出表示部補強部110における補強部本体110-1は、折れ線C110を介して基端部110-2に対して折り返した状態となっていて、左右方向には、左側面側の壁面を構成する本体部32の位置で、突出表示ユニット105が正面側に伸びている。
【0135】
これにより、突出表示ユニット105は、正面部本体12に対して正面側に縦方向に突出した状態となり、突出表示部130や突出表示部補強部110(特に、幅広部114、134)にPOP広告を表示しておくことにより、突出表示ユニット105の両側方(右方向や左方向)から見る者にもPOP広告を気づきやすくすることができるので、POP広告の効果を高くすることができる。特に、被収納物を収納した状態の内箱部を棚に置いた状態では、棚に載置される物の脱落を防止するとともに値札を設置するためのプライスレールの位置から正面側に超えて突出表示ユニット105を突出させることができるので、突出表示ユニット105を気づきやすくして広告効果を高めることができる。
【0136】
さらに、突出表示ユニット105は、突出表示部130と突出表示部補強部110が貼り合わされた構成となっているので、シート状のブランクにおける一方の面(
図6に示す展開状態における外側となる面)にPOP広告を印刷しておき、他方の面を接着面とすることにより、突出表示ユニット105の両面にPOP広告を表示させることができる。
【0137】
また、突出表示ユニット105は、突出表示部130と突出表示部補強部110が張り合わされた構成であるので、突出表示ユニット105を強固にすることができ、突出表示ユニット105が折れ曲がったり、損傷したりするのを防止することができる。
【0138】
また、上記のように、切目線130Kを破断して、突出表示ユニット105を回動させるのみで、突出表示ユニット105を正面側に突出した状態とできるので、突出表示ユニット105を組み立てる操作が容易となる。
【0139】
また、内箱部Aの正面部10において、突出表示部補強部110を正面部本体12から切目線110Kを介して連設した状態にしておき、包装箱Pの製造に際して、突出表示部補強部110を突出表示部130に接着し、スリーブ状部1を広げることにより、切目線110Kが破断して、突出表示部130と突出表示部補強部110が貼り合わされた状態とできるので、包装箱Pの製造に際して、容易に突出表示部130と突出表示部補強部110が貼り合わされた状態とすることができ、内箱部Aを構成するブランクの一方の面にPOP広告を印刷しておくことにより、突出表示ユニット105の両面にPOP広告を表示させることができる。
【0140】
なお、上記の説明においては、突出表示ユニット105が左側面側の側面部30に設けられているとして説明したが、左右対称の構成として、突出表示ユニットが側面部20に設けられる構成としてもよい。つまり、
図6に示す展開状態の内箱部Aを左右対称として(外箱部Bも左右対称とする)、突出表示部130が右側面側の側面部に設けられ、突出表示部補強部110が正面部10における右側面側に設けられている構成とする。そして、側面部20に設けられた突出表示ユニットを使用する場合には、突出表示ユニットを外側(右側面側)に回動させて、側面部20の上向きの辺部に突出表示ユニットの係止部を係止させる。これにより、突出表示ユニットは、左右方向には、右側面側の壁面を構成する本体部22の位置で正面側に突出した状態となる。
【0141】
また、上記の説明においては、突出表示部130と突出表示部補強部110により突出表示ユニット105を構成するものとしたが、突出表示部補強部110の構成を省略して、突出表示部130のみの構成としてもよい。その場合でも、切目線130Kを破断して、突出表示部130を折れ線C130を介して回動させて、突状部136を辺部30aに係止させるようにしてもよい。なお、突出表示部補強部110を省略する場合には、シート状のブランクの一方の面にPOP広告を印刷する場合には、突出表示部130の片面のみにPOP広告が表示されるので、突出表示部130の両面にPOP広告を表示する場合には、突出表示部130の両面にPOP広告を表示する必要がある。
【符号の説明】
【0142】
P 包装箱
A 内箱部
B 外箱部
1 スリーブ状部
201 スリーブ状部
10 正面部
210 正面部
12 正面部本体
12a、12b、12c 辺部
20 側面部
20a、20b、20c 辺部
30 側面部
30a、30b、30c 辺部
22、32 本体部
24、34 分離部
24a、34a 切目線
110K、130K、131K 切目線
40、240 背面部
49、249 糊代部
50 底面部
60 第1片部
60K 切欠部
70 第2片部
74 先端部
84 先端部
80 第3片部
90 第4片部
105 突出表示ユニット
106 係止部
110 突出表示部補強部
110-1 補強部本体
110-2 基端部
110a、110b、110c、110d、110e、110f、110g、110h 辺部
116 突状部
130 突出表示部
130a、130b、130c、130d、130e、130f 辺部
136 突状部
140 本体部主構成部
142 突状部
220 側面部
222 本体部
224 回動片部
230 側面部
232 本体部
234 回動片部
260 フラップ部
270 蓋部
280 蓋部
290 フラップ部
s 端部
t 端部
C0、C1、C2、C3、C11、C12、C13、C14 折れ線
C110、C130 折れ線
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7 長さ