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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092905
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】電気かみそり
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20240701BHJP
   B26B 19/28 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
B26B19/38 H
B26B19/28 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068164
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】202211676472.X
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523140393
【氏名又は名称】深▲せん▼術叶創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Shuye Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】叶 洪新
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056HA03
3C056HA07
3C056JA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】振動を効果的に吸収し、使用時の振動感を弱める電気かみそりを提供する。
【解決手段】電気かみそりは駆動装置、毛髪切断ユニット、ハンドルを含み、駆動装置はモータハウジングと、モータハウジング内に設けられたベース、可動子組立体、固定子組立体、弾性懸架組立体及び弾性支持部材とを含み、固定子組立体はベースに装着され、弾性懸架組立体は一端がベースに固定接続され他端が可動子組立体に固定接続され、ベースは弾性支持部材を介してモータハウジングに懸架され、固定子組立体は可動子組立体を既定方向に往復移動させ、可動子組立体は毛髪切断ユニットに接続され、ハンドルはブラケット本体と制振装置とを含み、モータハウジングはブラケット本体頂部に固定接続され、制振装置は制振振動子と緩衝機構とを含み、駆動装置によるハンドルの角度振動が吸収されるように制振振動子は緩衝機構を介して浮上するようにブラケット本体に固定接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、前記ハンドルの先端に設けられた駆動装置と、毛髪切断ユニットとを含む電気かみそりであって、
前記駆動装置は、モータハウジングと、前記モータハウジング内に設けられたベース、可動子組立体、固定子組立体、弾性懸架組立体、及び弾性支持部材とを含み、前記固定子組立体は前記ベースに固定的に取り付けられ、前記弾性懸架組立体は、前記可動子組立体と前記固定子組立体とが間隔を開けて設置されるように、一端が前記ベースに固定的に接続され、他端が前記可動子組立体に固定的に接続されており、前記ベースは前記弾性支持部材を介して前記モータハウジングに懸架されて設けられており、前記固定子組立体は、電磁的作用により、前記可動子組立体を既定方向に往復移動させるように駆動し、前記可動子組立体は、前記毛髪切断ユニットを駆動して毛髪を切断させるように、前記毛髪切断ユニットに接続されており、
前記ハンドルはブラケット本体と制振装置とを含み、前記モータハウジングは前記ブラケット本体の頂部に固定的に接続されており、前記制振装置は、制振振動子と緩衝機構とを含み、前記駆動装置による前記ハンドルの角度振動が吸収されるように、前記制振振動子は前記緩衝機構を介して浮上するように前記ブラケット本体に固定的に接続されている
ことを特徴とする電気かみそり。
【請求項2】
前記ブラケット本体は上下に延びた長尺状であり、前記制振装置は、前記ブラケット本体の前記駆動装置から離れた端部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
【請求項3】
前記電気かみそりは電池をさらに含み、前記電池は前記ブラケット本体に嵌設され且つ前記制振装置と前記駆動装置との間に位置している
ことを特徴とする請求項2に記載の電気かみそり。
【請求項4】
前記ブラケット本体には懸架空間が開けられ、前記緩衝機構は二つの緩衝部材を含み、前記懸架空間内に懸架されるように、前記制振振動子の前記既定方向における両端はそれぞれ、一つの前記緩衝部材を介して前記ブラケット本体に固定的に接続されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気かみそり。
【請求項5】
前記緩衝部材は、円板状に延在した少なくとも一つの板ばね構造を含み、前記板ばね構造の中央接続端は、前記制振振動子の前記既定方向における端部に固定的に接続され、前記板ばね構造の外部接続端は前記ブラケット本体に固定的に接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電気かみそり。
【請求項6】
前記制振装置は、前記ブラケット本体に固定的に接続された接続ブロックをさらに含み、二つの前記緩衝部材の外部接続端は、前記接続ブロックの両端にそれぞれ固定的に接続され、前記接続ブロックと前記制振振動子とは間隔を開けて設置されている
ことを特徴とする請求項5に記載の電気かみそり。
【請求項7】
前記制振振動子は、ウェイトと中心軸とを含み、前記中心軸は前記ウェイトを貫通して設けられ、その軸線回りの移動が制限された状態で前記ウェイトに取り付けられ、前記中心軸の両端がそれぞれ、二つの前記中央接続端に固定的に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載の電気かみそり。
【請求項8】
前記中央接続端には位置決め挿入孔が開けられ、前記中心軸は前記位置決め挿入孔128に挿設されるように構成されており、前記制振装置は第1の接続部材をさらに含み、前記第1の接続部材は前記位置決め挿入孔と前記中心軸の端部とを貫通して設けられ、前記中央接続端と前記中心軸とを固定的に接続している
ことを特徴とする請求項7に記載の電気かみそり。
【請求項9】
前記中心軸の両端が前記ウェイトから突出して配置され、前記制振装置は、前記板ばね構造の両側にそれぞれ設置された第1のガスケットと第2のガスケットとを含み、前記第1のガスケットは前記中心軸の外周に嵌められ、前記中央接続端と前記ウェイトとの間に挟まれて設置され、前記第2のガスケットは前記第1の接続部材と前記中央接続端との間に挟まれて設置されており、前記ブラケット本体には、前記第1の接続部材に対応して退避孔が開けられ、前記退避孔の内壁面は前記第2のガスケットの外周壁の外周に位置している
ことを特徴とする請求項8に記載の電気かみそり。
【請求項10】
前記接続ブロックの前記既定方向に延在する対向する二つの側壁面が凹んで位置制限溝を形成しており、前記懸架空間の上壁には、間隔を開けて対向配置された二つの位置制限凸起が設けられており、前記ブラケット本体に対する前記接続ブロックの前記既定方向における移動が制限されるように、二つの前記位置制限凸起は、二つの前記位置制限溝内に対応して嵌設されており、前記電気かみそりは第2の接続部材をさらに含み、前記第2の接続部材は、前記位置制限凸起を貫通して前記ブラケット本体と前記接続ブロックとを固定的に接続している
ことを特徴とする請求項6に記載の電気かみそり。
【請求項11】
前記制振装置の固有周波数と前記駆動装置の固有周波数との差は、-5HZ以上且つ5HZ以下であり、且つ/又は、前記制振振動子の質量と前記可動子組立体の質量とは正に相関する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電気かみそり。
【請求項12】
前記電気かみそりはハウジングをさらに含み、前記ハウジングはホルダー部と、ホルダー部の先端に接続されたヘッド部とを含み、前記駆動装置は前記ヘッド部内に固定的に取り付けられ、前記ハンドルは前記ホルダー部内に取り付けられており、前記ブラケット本体の、前記ウェイトの上部に近接する位置に凹溝が開けられ、前記凹溝内にはシールリングが嵌設されており、前記ブラケット本体は前記シールリングを介して前記ハウジングの内壁面に当接し、前記制振振動子の外壁面と前記ハウジングの内壁面とは間隔を開けて設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電気かみそりの技術分野に関し、特に電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
電気かみそりは、駆動装置と毛髪切断ユニットとを含み、駆動手段により毛髪切断ユニットの可動ブレードを固定ブレードに対して、または二つの可動ブレードを互いに往復運動させることにより、ヒゲやもみあげの切断を実現することができる。電気かみそりに従来からある大きな問題として、装置本体の振動幅が大きく、振動感が強く、使用者の使い勝手が悪いことが挙げられる。
【0003】
上記内容は発明の技術案の理解を助けるために用いられるものであって、上記内容が先行技術だと認めたわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公開第CN204172057U号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に鑑み、本願は電気かみそりの装置本体の振動感が強い技術的課題を解決することを目的とする電気かみそりを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明が提案する電気かみそりは、ハンドルと、前記ハンドルの先端に設けられた駆動装置と、毛髪切断ユニットとを含み、
前記駆動装置は、モータハウジングと、前記モータハウジング内に設けられたベース、可動子組立体、固定子組立体、弾性懸架組立体、及び弾性支持部材とを含み、前記固定子組立体は前記ベースに固定的に取り付けられ、前記弾性懸架組立体は、前記可動子組立体と前記固定子組立体とが間隔を開けて設置されるように、一端が前記ベースに固定的に接続され、他端が前記可動子組立体に固定的に接続されており、前記ベースは前記弾性支持部材を介して前記モータハウジングに懸架されて設けられており、前記固定子組立体は、電磁的作用により、前記可動子組立体を既定方向に往復移動させるように駆動し、前記可動子組立体は、前記毛髪切断ユニットを駆動して毛髪を切断させるように、前記毛髪切断ユニットに接続されており、
前記ハンドルはブラケット本体と制振装置とを含み、前記モータハウジングは前記ブラケット本体の頂部に固定的に接続されており、前記制振装置は、制振振動子と緩衝機構とを含み、前記ハンドルの既定方向における振動が吸収されるように、前記制振振動子は前記緩衝機構を介して浮上するように前記ブラケット本体に固定的に接続されている。
【0007】
一実施例において、前記ブラケット本体は上下に延びた長尺状であり、前記制振装置は、前記ブラケット本体の前記駆動装置から離れた端部に設けられている。
【0008】
一実施例において、前記電気かみそりは電池をさらに含み、前記電池は前記ブラケット本体に嵌設され且つ前記制振装置と前記駆動装置との間に位置している。
【0009】
一実施例において、前記ブラケット本体には懸架空間が開けられ、前記緩衝機構は二つの緩衝部材を含み、前記懸架空間内に懸架されるように、前記制振振動子の前記既定方向における両端はそれぞれ、一つの前記緩衝部材を介して前記ブラケット本体に固定的に接続されている。
【0010】
一実施例において、前記緩衝部材は、円板状に延在する少なくとも一つの板ばね構造を含み、前記板ばね構造の中央接続端は、前記制振振動子の前記既定方向における端部に固定的に接続され、前記板ばね構造の外部接続端は前記ブラケット本体に固定的に接続されている。
【0011】
一実施例において、前記制振装置は、前記ブラケット本体に固定的に接続された接続ブロックをさらに含み、二つの前記緩衝部材の外部接続端は、前記接続ブロックの両端にそれぞれ固定的に接続され、前記接続ブロックと前記制振振動子とは間隔を開けて設置されている。
【0012】
一実施例において、前記制振振動子は、ウェイトと中心軸とを含み、前記中心軸は前記ウェイトを貫通して設けられ、その軸線回りの移動が制限された状態で前記ウェイトに取り付けられ、前記中心軸の両端がそれぞれ、二つの前記中央接続端に固定的に接続されている。
【0013】
一実施例において、前記中央接続端には位置決め挿入孔が開けられ、前記中心軸は前記位置決め挿入孔128に挿設されるように構成されており、前記制振装置は第1の接続部材をさらに含み、前記第1の接続部材は前記位置決め挿入孔と前記中心軸の端部とを貫通して設けられ、前記中央接続端と前記中心軸とを固定的に接続している。
【0014】
一実施例において、前記中心軸の両端が前記ウェイトから突出して配置され、前記制振装置は、前記板ばね構造の両側にそれぞれ設置された第1のガスケットと第2のガスケットとを含み、前記第1のガスケットは前記中心軸の外周に嵌められ、前記中央接続端と前記ウェイトとの間に挟まれて設置され、前記第2のガスケットは前記第1の接続部材と前記中央接続端との間に挟まれて設置されており、前記ブラケット本体には、前記第1の接続部材に対応して退避孔が開けられ、前記退避孔の内壁面は前記第2のガスケットの外周壁の外周に位置している。
【0015】
一実施例において、前記接続ブロックの前記既定方向に延在する対向する二つの側壁面が凹んで位置制限溝を形成しており、前記懸架空間の上壁には、間隔を開けて対向配置された二つの位置制限凸起が設けられており、前記ブラケット本体に対する前記接続ブロックの前記既定方向における移動が制限されるように、二つの前記位置制限凸起は、二つの前記位置制限溝内に対応して嵌設されており、前記電気かみそりは第2の接続部材をさらに含み、前記第2の接続部材は、前記位置制限凸起を貫通して前記ブラケット本体と前記接続ブロックとを固定的に接続している。
【0016】
一実施例において、前記制振装置の固有周波数と前記駆動装置の固有周波数との差は、-5HZ以上且つ5HZ以下であり、且つ/又は、前記制振振動子の質量と前記可動子組立体の質量とは正に相関する。
【0017】
一実施例において、前記電気かみそりはハウジングをさらに含み、前記ハウジングはホルダー部と、ホルダー部の先端に接続されたヘッド部とを含み、前記駆動装置は前記ヘッド部内に固定的に取り付けられ、前記ハンドルは前記ホルダー部内に取り付けられており、前記ブラケット本体の、前記ウェイトの上部に近接する位置に凹溝が開けられ、前記凹溝内にはシールリングが嵌設されており、前記ブラケット本体は前記シールリングを介して前記ハウジングの内壁面に当接し、前記制振振動子の外壁面と前記ハウジングの内壁面とは間隔を開けて設置されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電気かみそりによれば、固定子組立体が前記ベースに固定的に取り付けられ、前記可動子組立体と前記固定子組立体とが間隔を開けて設置されるように、弾性懸架組立体は、一端が前記ベースに固定的に接続され、他端が前記可動子組立体221に固定的に接続されており、前記ベースは前記弾性支持部材を介して前記モータハウジングに懸架されて設けられている。こうして、可動子組立体は弾性懸架組立体を介してベースに接続され、ベースは弾性支持部材を介してモータハウジングに接続され、ベース上の固定子組立体の重さを十分に利用して緩衝や制振を実現するため、弾性支持部材の、モータハウジングに対する振り幅がより小さくなり、さらには、モータハウジングに伝わる振動幅もより小さくなる。
【0019】
また、前記ハンドルはブラケット本体と制振装置とを含み、前記モータハウジングは前記ブラケット本体の頂部に固定的に接続されており、前記制振装置は、制振振動子と緩衝機構とを含み、前記駆動装置による前記ハンドルの角度振動が吸収されるように、前記制振振動子は前記緩衝機構を介して浮上するように前記ブラケット本体に固定的に接続されている。こうして、ハンドルのブラケット本体に制振装置を設けて、制振振動子が緩衝機構を介して浮上するようにブラケット本体に固定的に接続されるようにし、この制振振動子によりハンドルの角度振動を吸収することを実現し、駆動装置からハンドルに伝達される振動をさらに小さくする。これにより、本発明の電気かみそりの駆動装置は、弾性支持部材により第1段階の制振を実現する一方、ハンドルは、制振装置により第2段階の制振を実現するため、ハンドル全体の振動を効果的に弱めて、電気かみそりの操作性をより良くできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。以下で説明される添付図面は本願のいくつか実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができる。
【0021】
図1】本発明の電気かみそりの一実施例の構造模式図である。
図2図1の電気かみそりの、ハウジングが取り外された構造模式図である。
図3図2の駆動装置の一角度からの断面図である。
図4図2のハンドルと電池とが組み立てられた構造模式図である。
図5図4の構造の一角度からの断面図である。
図6図5のAでの部分拡大図である。
図7図4の構造の別の角度からの断面図である。
図8図7のBでの部分拡大図である。
図9】本発明の制振装置の一実施例の構造模式図である。
図10図7の制振装置の別の角度からの構造模式図である。
図11図8の制振装置の分解構造模式図である。
図12】本発明のブラケット本体の一実施例の構造模式図である。
【0022】
実施例と組み合わせて、添付図面を参照して本発明の目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。また、各実施例の技術案はお互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在しない、且つ本発明が主張する保護範囲にないと理解すべきである。
【0024】
また、本発明の実施例において「第一」、「第二」等の説明に関わる場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。
【0025】
本発明は、電気かみそりを提案する。
【0026】
本発明の実施例において、図1から図4を参照し、この電気かみそりは、ハンドル100と、ハンドル100の先端に設けられた駆動装置200と、毛髪切断ユニット300とを含む。駆動装置200は、モータハウジング210と、弾性支持部材230と、モータハウジング210内に設けられたモータユニット220とを含み、モータユニット220は、ベース224と、可動子組立体221と、固定子組立体222と、弾性懸架組立体223とを含む。固定子組立体222はベース224に固定的に取り付けられ、モータユニット220は弾性支持部材230を介して、モータハウジング210内に懸架されている。可動子組立体221と固定子組立体222とが間隔を開けて設置されるように、弾性懸架組立体223は、一端がベース224に固定的に接続され、他端が可動子組立体221に固定的に接続されており、ベース224は弾性支持部材230を介してモータハウジング210に懸架されて設けられており、固定子組立体222は、電磁的作用により、可動子組立体221を既定方向に往復移動させるように駆動し、可動子組立体221は、毛髪切断ユニット300を駆動して毛髪を切断させるように、毛髪切断ユニット300に接続されており、
ハンドル100はブラケット本体110と制振装置120とを含み、モータハウジング210はブラケット本体110の頂部に固定的に接続されており、制振装置120は、制振振動子121と緩衝機構124とを含み、駆動装置200によるハンドル100の角度振動を吸収するように、制振振動子121は緩衝機構124を介して浮上するようにブラケット本体110に固定的に接続されている。
【0027】
本実施例において、なお、電気かみそりは、ハウジング600をさらに含んでもよく、ハウジング600は、ホルダー部610と、ホルダー部610の先端に接続されたヘッド部620とを含み、駆動装置200はヘッド部620内に設けられ、モータハウジング210とハウジング600とは、ねじなどの方法により固定的に接続されることができる。ハンドル100は、ホルダー部610内に取り付けられている。使用者は、ハウジング600のホルダー部610を握ることにより電気かみそりを使用する。ハンドル100の全体的な形状として、様々な形状が可能であり、例えば、ハンドル100を長尺状構造としてもよく、ブロック状構造、円柱状構造等としてもよい。弾性支持部材230と弾性懸架組立体223は様々な構造と形式とすることが可能である。例えば、弾性支持部材230と弾性懸架組立体223は金属弾性片構造であってもよく、また、一定の支持強度及び弾性復元力を有するゴム又はプラスチックの構造であってもよい。モータハウジング210は、ベース224、固定子組立体222、及び可動子組立体221等の構造に支持及び取付を提供することができる。通常、支持と弾性復元の円滑さを保証するために、弾性支持部材230と弾性懸架部材とはいずれも2セット設けられている。すなわち、可動子組立体221の既定方向における両端は、それぞれ1セットの弾性懸架組立体223を介してベース224に固定的に接続されており、ベース224の既定方向における両端は、それぞれ1セットの弾性支持部材230を介してモータハウジング210に固定的に接続されている。
【0028】
毛髪切断ユニット300の構造は、例えば、長いヒゲ用のカッターヘッド、短いヒゲ用のカッターヘッド、長いヒゲと短いヒゲの両方に対応するハイブリッドカッターヘッドなどとすることができる。実際のニーズに応じて、異なる構造と形式の毛髪切断ユニット300を選択及び設計することができる。可動子組立体221は、具体的には永久磁石と磁石取付座とを含むことができ、永久磁石は磁石取付座に固定され、磁石取付座の両端はそれぞれ、1セットの弾性懸架組立体223を介してブラケットに接続されている。固定子組立体222は、具体的には、鉄心と、ボビンと、コイルとを含み、コイルはボビンに巻回され、ボビンを介して鉄心に取り付けられる。この鉄心は、U字鉄心、E字鉄心等としてもよく、本明細書では具体的に限定せず、実際のニーズに応じて異なる種類の鉄心を選択することができる。
【0029】
固定子組立体222のコイルに向きが交互に正逆に変化する電流を通すと、固定子組立体222は電磁石となり、この電磁石と永久磁石との磁気誘導作用と、2つの弾性懸架組立体223による弾性復元作用とにより、固定子組立体222は、可動子組立体221を既定方向に往復移動させるように駆動する。可動子組立体221の磁石取付座に毛髪切断ユニット300を取り付けることにより、この往復式磁気浮上リニアモータは、電動せん断装置の可動ブレードを素早く往復移動させることができる。
【0030】
固定子組立体222は、1セットのみ設けることができ、この場合、可動子組立体221は、1セットのみ設けてもよく、2セット設けてもよい。該往復式磁気浮上リニアモータが1つの可動子組立体221のみを有する場合、毛髪切断ユニット300が一つの可動カッターヘッドと固定カッターヘッドを設けて、この可動カッターヘッドを往復式磁気浮上リニアモータの可動子組立体221に接続し、この往復式磁気浮上リニアモータにより可動カッターヘッドを固定カッターヘッドに対して往復移動させて、せん断を実現することができる。
【0031】
固定子組立体222を1セット設け、可動子組立体221を2セット設けた場合、2セットの可動子組立体221の永久磁石の対応する磁極が逆になるようにする。こうして、この1セットの固定子組立体222により、2セットの可動子組立体221を反対方向に往復運動させるように同時に駆動することができる。もちろん、固定子組立体222を2セット以上設けてもよく、固定子組立体222を2セット設けた場合、可動子組立体221も2セット設けて、各セットの可動子組立体221を固定子組立体222の上方に設置する。こうして、2セットの固定子組立体222により、対応する固定子組立体222をそれぞれ反対方向に往復運動させるように駆動する。本明細書では固定子組立体222及び可動子組立体221の具体的な数は限定されず、往復式磁気浮上リニアモータの具体的なタイプに応じて選択及び設計することが可能である。この往復式磁気浮上リニアモータが2つの可動子組立体221を有する場合、毛髪切断ユニット300が二つの可動カッターヘッドを含むようにし、二つの可動カッターヘッドをそれぞれ、二つの可動子組立体221に接続し、往復式磁気浮上リニアモータにより、2つの可動カッターヘッドをそれぞれ逆方向に往復運動させて、せん断を実現する。
【0032】
本発明の実施例において方向性の指示(例えば上、下、左、右、前、後...)に関わった場合、該方向性指示はある特定の姿勢における各部品間の相対的な位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられるものであって、もし該特定の姿勢が変わる場合、該方向性指示もそれに応じて変わることは説明すべきである。本明細書では、電気かみそりの使用時に、毛髪切断ユニット300が設置される側を上として、ハンドル100の末端を下とする。
【0033】
可動子組立体221の両端はそれぞれ、1セットの弾性懸架組立体223を介してベース224に接続され、この弾性懸架組立体223により、可動子組立体221と固定子組立体222とが間隔を開けて設置されるようになる。いくつかの実施例において、弾性懸架組立体223により、可動子組立体221を固定子組立体222の上方に浮上させることができ、すなわち、毛髪切断ユニット300と可動子組立体221とのいずれも固定子組立体222の上方に位置する。もちろん、他の実施例において、可動子組立体221が弾性懸架組立体223を介して固定子組立体222の下方に懸架され、ベース224が固定子組立体222の上方に位置し、毛髪切断ユニット300がベース224に取り付けられるようにしてもよい。すなわち、毛髪切断ユニット300と可動子組立体221とはそれぞれ、固定子組立体222の上下両側に位置している。ここでは、可動子組立体221、固定子組立体222、毛髪切断ユニット300の具体的な位置は限定されず、固定子組立体222が可動子組立体221を既定方向に往復移動させるように駆動するとともに、毛髪切断ユニット300の可動カッターヘッドを移動させて毛髪を切断することができればよい。
【0034】
なお、角度振動とは、質点が軸線周りの振動のみを行うことを指す。この往復式磁気浮上リニアモータの運転時に、特に毛髪切断ユニット300と可動子組立体221との両方が固定子組立体222の上方に設けられた場合、固定子組立体22が既定方向に直線運動するため、駆動装置200全体が縦方向平面内での、可動子組立体221の質量中心周りの振れを行う。すると、駆動装置200の振動がハンドル100に伝わり、ハンドル100に角度振動を発生させ、ハンドル100の振動は特に強くなる。使用者は、ハンドル100を握った時に、振動感が強く、使い勝手が悪い。弾性懸架組立体223を設けることにより、ベース224を、弾性支持部材230を介してモータハウジング210に懸架すると、可動子組立体221の振動は、まず弾性懸架組立体223を介してベース224に伝達され、ベース224上の固定子組立体222によりその大部分が吸収された後、弾性支持部材230に伝達されてさらに吸収され、最後はモータハウジング210に伝達される。こうして、駆動装置200全体の振動が固定子組立体222と弾性支持部材230とによりほぼ吸収及び緩衝されるため、ハウジング全体の振動感を効果的に弱めることができる。弾性支持部材230の一端がベース224に接続され、他端がモータハウジング210に接続されると、弾性支持部材230の一端が可動子組立体221に接続され、他端がモータハウジング210に接続される案に比べると、ベース224と固定子組立体222とを合わせた重さは可動子組立体221と毛髪切断ユニット300とを合わせた重さよりはるかに大きいため、可動子組立体221により弾性支持部材230に与えられる初期加速度がより小さく、弾性支持部材230のモータハウジング210に対する振れ幅がより小さくなり、制振には好都合である。
【0035】
モータハウジング210は、挿接、ねじ接続、スナップフィット接続などによりブラケット本体110に固定的に接続することができる。制振振動子121は、具体的には、ウェイト122等を含むことができる。緩衝機構124は様々な構造とすることができる。例えば、緩衝機構124は弾性片と、ばねと、ダンパーとのうちの一つまたは複数を組み合わせた構造とすることができ、本明細書では、緩衝機構124の構造について具体的な限定をしない。緩衝機構124と取付本体とも様々な方法により接続することが可能である。例えば、緩衝機構124と取付本体とは、ねじ接続、スナップフィット接続、溶接等により接続できる。制振装置120の取付位置は様々な位置とすることができる。例えば、制振装置120をハンドル100の末端、中央部等に配置することができる。ハンドル100の既定方向における振動が吸収されるように、制振振動子121は、緩衝機構124を介して浮上するようにブラケット本体110に固定的に接続されるため、この制振装置120は振動吸収手段に相当する。実際の使用時に、制振振動子121はブラケット本体110に直接接触せず、緩衝機構124を介してブラケット本体110と弾性的に接続され、制振振動子121は既定方向に往復して振れる。制振振動子121の振れる方向を可動子組立体221の往復運動方向と逆にして、制振装置120の固有周波数を駆動装置200の固有周波数と略等しくすることで、駆動装置200からハンドル100に伝達される角度振動を吸収することを実現する。本発明の電気かみそりの操作性はより快適であり、特に高い周波数の振動ではより顕著に感じられる。
【0036】
本発明の電気かみそりによれば、可動子組立体221と固定子組立体222とが間隔を開けて設置されるように、弾性懸架組立体223は、一端がベース224に固定的に接続され、他端が可動子組立体221に固定的に接続されており、ベース224は弾性支持部材230を介してモータハウジング210に懸架されている。こうして、可動子組立体221は弾性懸架組立体223を介してベース224に接続され、ベース224は弾性支持部材230を介してモータハウジング210に接続され、ベース224上の固定子組立体222の重さを十分に利用して緩衝や制振を実現するため、弾性支持部材230の、モータハウジング210に対する振り幅がより小さくなり、さらには、モータハウジング210に伝わる振動幅もより小さくなる。
【0037】
同時に、ハンドル100はブラケット本体110と制振装置120とを含み、モータハウジング210はブラケット本体110の頂部に固定的に接続され、制振装置120は制振振動子121と緩衝機構124とを含み、ハンドル100の既定方向における振動を吸収するように、制振振動子121は緩衝機構124を介して浮上するようにブラケット本体110に固定的に接続されている。こうして、ハンドル100のブラケット本体110に制振装置120を設けて、制振振動子121が緩衝機構124を介して浮上するようにブラケット本体110に固定的に接続されるようにし、この制振振動子121によりハンドル100の角度振動を吸収することを実現し、駆動装置200からハンドル100に伝達される振動をさらに小さくする。これにより、本発明の電気かみそりの駆動装置200は、弾性支持部材230により第1段階の制振を実現する一方、ハンドル100は、制振装置120により第2段階の制振を実現するため、ハンドル100全体の振動を効果的に弱めて、電気かみそりの操作性をより良くできる。
【0038】
一実施例において、図2図4及び図5に示すように、ブラケット本体110は上下に延びた長尺状であり、制振装置120は、ブラケット本体110の駆動装置200から離れた端部に設けられている。
【0039】
本実施例において、ブラケット本体110を上下に延びた長尺状にする場合、ブラケット本体110の横断面形状は、円形、楕円形、長方形、多角形、異形など様々な形状とすることができ、ここでは特に限定しない。十分な取付空間が確保されるとともに、ユーザが把持しやすいように、かみそりのハンドル100は通常、長尺状とされる。なお、駆動装置200がブラケット本体110の頂部に固定的に接続され、ブラケット本体110が上下に延びた長尺状であるため、駆動装置200の振動がハンドル100に伝わると、ハンドル100の末端(駆動装置200から離れた端部)の振動感が特に強くなる。このため、制振装置120をブラケット本体110の駆動装置200から離れた端部に設けることにより、ハンドル100の振動感を最大限に弱め、使用時の快適さをさらに向上させることができる。
【0040】
さらに、電気かみそりは電池400をさらに含み、電池400はブラケット本体110に嵌設され、且つ制振装置120と駆動装置200との間に位置している。具体的には、電気かみそりは回路基板と導電構造とをさらに含み、回路基板と電池400とは導電構造を介して電気的に接続され、回路基板は、固定子組立体222に電流を供給するために、導線を介して固定子組立体222のコイルに接続されている。導電構造は、導線又は他の電気的接続構造とすることができ、外部電源により電池400を充電することができる。電池400がブラケット本体110に嵌設するとともに、制振装置120と駆動装置200との間に位置させるため、電池400を用いてハンドル100の重さを増大させることができ、振動感をある程度軽減することができる。また、制振装置120を、電池400の駆動装置200から離れた端部に設けることで、ブラケット本体110が基本的にブラケット本体110の最も末端の部分に位置するため、制振装置120による制振効果がより良好になる。同時に、電池400の下部の空間を十分に利用して制振装置120を取り付けることにより、全体構造をよりコンパクトにする。
【0041】
一実施例において、図2図4から図8を参照し、ブラケット本体110には懸架空間111が開けられ、緩衝機構124は2つの緩衝部材125を含み、懸架空間111内に懸架されるように、制振振動子121の既定方向における両端はそれぞれ、1つの緩衝部材125を介してブラケット本体110に固定的に接続されている。
【0042】
本実施例において、緩衝部材125は様々な構造とすることができる。例えば、緩衝部材125は、一定の緩衝を実現できれば、板ばね構造としてもよく、円筒ばねとしてもよく、本明細書では具体的には限定しない。ブラケット本体110に懸架空間111を開けることにより、制振振動子121を懸架空間111内に嵌設することで、ハンドル100全体の厚みを余計に増やすことがない。なお、懸架空間111の容積が制振装置120全体の体積より大きいことがわかる。制振振動子121の既定方向における両端がそれぞれ、1つの緩衝部材125を介してブラケット本体110に固定的に接続されているため、この緩衝部材125により制振振動子121を既定方向に往復して振れさせることができ、さらには、ハンドル100の既定方向における振動を吸収することができる。
【0043】
さらに、図10及び図11に示すように、緩衝部材125は、円板状に延在する少なくとも一つの板ばね構造126を含み、板ばね構造126の中央接続端127は、制振振動子121の既定方向における端部に固定的に接続され、板ばね構造126の外部接続端129は、ブラケット本体110に固定的に接続されている。
【0044】
本実施例において、板ばね構造126は、シート状の構造である。板ばね構造126を、中心から外側へ巻かれた構造とする場合、板ばね弾性片を蚊取り線香状に巻いてもよく、レーストラック状に巻いてもよく、ここでは具体的には限定しない。緩衝部材125は、一つのみの板ばね構造126を含んでもよく、積層された又は間隔を置いて配置され二つ以上の板ばね構造126を含んでもよく、板ばね構造126の数は、実際のニーズに応じて選択でき、本明細書では特に限定されない。板ばね弾性片の中央接続端127は、すなわち、渦巻きの中心の始端であり、板ばね構造126の外部接続端は、渦巻きの外側の終端である。板ばね構造126の中央接続端127と制振振動子121とは、ねじ、溶接等の方法により固定的に接続することができる。板ばね構造126の外部接続端129とブラケット本体110とは、ねじ、溶接等の方法により固定的に接続することができる。板ばね構造126を中心から巻かれた形にすることにより、他の構造と比べて、同等の占有空間で、板ばね構造126の弾性アームをより長くすることができるため、制振振動子121に十分な弾性力及び支持力を提供することができる。言い換えれば、本実施例の板ばね構造126により、十分な弾性力及び支持力を保証しつつ、占有スペースをより小さくすることができるため、制振装置120全体の体積がより小さくなる。
【0045】
一実施例において、図5から図11に示すように、制振装置120は、ブラケット本体110に固定的に接続された接続ブロック131をさらに含み、二つの緩衝部材125の外部接続端129は、接続ブロック131の両端にそれぞれ固定的に接続され、接続ブロック131と制振振動子121とは間隔を開けて設置されている。
【0046】
本実施例において、接続ブロック131とブラケット本体110とは、ねじ、嵌設、リベット接合、溶接等の方法により固定的に接続することができる。接続ブロック131は、制振振動子121の上方、下方、前方、後方等に位置することができ、ここでは具体的に限定しない。制振装置120が接続ブロック131をさらに含み、2つの緩衝部材125の外部接続端129が接続ブロック131の両端にそれぞれ固定的に接続されるため、制振振動子121、2つの緩衝部材125及び接続ブロック131を接続して1つのモジュールとすることができる。こうして、制振装置120を取り付ける際、接続ブロック131をブラケット本体110に取り付けるだけで、制振装置120全体とブラケット本体110との接続を実現できるため、制振装置120全体の取り付けをより容易かつ迅速に行うことができる。接続ブロック131と制振振動子121とが間隔を開けて設置されているため、接続ブロック131が制振振動子121の運動に影響を与えず、さらには制振装置120による制振効果に影響を与えることがない。接続ブロック131と緩衝部材125の外部接続端129とは、溶接、リベット接合、ねじ接続等の方法により固定的に接続することができる。接続ブロック131と緩衝部材125との着脱を容易にするために、二つの緩衝部材125の外部接続端129はそれぞれ、少なくとも一つの締付部材130を介して接続ブロック131に固定的に接続されてもよい。締付部材130は、具体的には、ねじ構造とすることができる。もちろん、締付部材130は、ボルト、リベット構造等としてもよい。
【0047】
一実施例において、図5から図11を再度参照し、制振振動子121は、ウェイト122と中心軸123とを含み、中心軸123はウェイト122を貫通して設けられ、その軸線回りの移動が制限された状態でウェイト122に取り付けられ、中心軸123の両端がそれぞれ、二つの中央接続端127に固定的に接続されている。
【0048】
本実施例において、中心軸123の横断面は非円形であり、ウェイト122は、中心軸123に適合する取付通路を具備する。ウェイト122の取付通路を貫通するように中心軸123を設けて、中心軸123の外壁面とウェイト122の取付通路の内壁面とにより、中心軸123とウェイト122との、中心軸123の軸線周りの位置制限を実現するため、中心軸123がウェイト122に対して回動することを防止し、ウェイト122の移動軌跡のずれを回避することができる。ウェイト122は、具体的には金属ブロックとすることができる。ウェイト122は様々な形状とすることができる。例えば、ウェイト122の横断面形状は、長方形、円形、楕円形、異形等とすることができ、ここでは具体的には限定しない。中心軸123の両端がそれぞれ中央接続端127に固定的に接続される、すなわち、ウェイト122が中心軸123を介して板ばね構造126に固定されるため、板ばね構造126の中央接続端127がウェイト122に直接固定的に接続される場合に比べて、取付の誤差を効果的に低減し、さらに、ウェイト122の既定方向における重量バランスを保証して、ウェイト122の既定方向における振動吸収幅を一致させ、片方の振動感が強く、他方の振動感が弱いことを回避することができる。しかも、緩衝部材125の振動がまず中央接続端127と中心軸123との接続部に伝わり、中心軸123が損傷しやすくなるため、カウンタウェイト122を交換するよりも、中心軸123を交換する方がコストを低く抑えられる。
【0049】
一実施例において、図5図6図9から図11に示すように、中央接続端127には位置決め挿入孔128が開けられ、中心軸123は位置決め挿入孔128に挿設されるように構成されている。また、制振装置120は第1の接続部材133をさらに含み、第1の接続部材133は位置決め挿入孔128と中心軸123の端部とを貫通して設けられ、中央接続端127と中心軸123とを固定的に接続する。第1の接続部材133は、具体的には、ねじとすることができる。中心軸123を位置決め挿入孔128に挿入されるように構成することで、板ばね構造126と中心軸123との事前位置決めに基づく取付を実現するため、後続のねじ接続をより容易にすることができる。第1の接続部材133が中央接続端の位置決め挿入孔128を貫通して板ばね構造126の中央接続端と中心軸123とを固定的に接続することにより、板ばね構造126と中心軸123との着脱可能な接続を実現するため、後続の修理や交換をより容易にすることができる。
【0050】
一実施例において、図5図6図9から図11を参照し、中心軸123の両端がウェイト122から突出して配置され、制振装置120は、板ばね構造126の両側にそれぞれ設置された第1のガスケット134と第2のガスケット135とを含み、第1のガスケット134は中心軸123の外周に嵌められ、中央接続端127とウェイト122との間に挟まれて設置され、第2のガスケット135は第1の接続部材133と中央接続端127との間に挟まれて設置されている。ブラケット本体110には、第1の接続部材133に対応して退避孔113が開けられ、退避孔113の内壁面は第2のガスケット135の外周壁の外周に位置している。
【0051】
本実施例において、第1の接続部材133は具体的にはねじであるため、第2のガスケット135がねじの軸部に嵌められ、ねじの頭部620と中央接続端127との間に挟まれて設置される。第1のガスケット134と第2のガスケット135とを設けることにより、第1のガスケット134が中央接続端127とウェイト122との間に挟まれて設置され、第2のガスケット135は第1の接続部材133と中央接続端127との間に挟まれて設置され、第1のガスケット134と第2のガスケット135により、板ばね弾性片がウェイト122に密着することを効果的に回避し、第1の接続部材133、板ばね弾性片の中央接続端127、及び中心軸123との間の接続をより安定したものにし、容易に緩みや抜けがしないようにすることができる。ブラケット本体110の、第1の接続部材133に対応する位置に退避孔113を開けて、退避孔113の内壁面を第2のガスケット135の外周壁の外周に位置させることにより、制振装置120が既定方向に振れる際にブラケット本体110に衝突することを効果的に回避し、制振装置120による制振効果をより保証することができる。
【0052】
一実施例において、図10から図12に示すように、接続ブロック131の既定方向に延在する対向する2つの側壁面を凹ませて位置制限溝132を形成しており、懸架空間111の上壁には、間隔を開けて対向配置された2つの位置制限凸起112が設けられており、ブラケット本体110に対する接続ブロック131の既定方向における移動が制限されるように、二つの位置制限凸起112は、二つの位置制限溝132内に対応して嵌設されており、電気かみそりは第2の接続部材500をさらに含み、第2の接続部材500は、位置制限凸起112を貫通してブラケット本体110と接続ブロック131とを固定的に接続する。
【0053】
本実施例において、接続ブロック131の既定方向に延在する対向する2つの側壁面を凹ませて位置制限溝132が形成され、懸架空間111の上壁に間隔を開けて対向配置された2つの位置制限凸起112が設けられるため、取付時に、接続ブロック131を懸架空間111の頂部に嵌設し、懸架空間111の上壁の位置制限凸起112を接続ブロック131の位置制限溝132に挿入することで、接続ブロック131の既定方向における移動を制限するため、接続ブロック131とブラケット本体110との事前位置決めに基づく取付を実現することができる。第2の接続部材500は、ねじ、リベット等の構造とすることができるが、着脱を容易にするために、第2の接続部材500をねじとすることができる。第2の接続部材500が位置制限凸起112を貫通してブラケット本体110と接続ブロック131とを固定的に接続するようにして、位置制限凸起112を十分に利用してブラケット本体110の構造的強度を保証し、ブラケット本体110と接続ブロック131との間の接続をより安定して信頼性のあるものとすることができる。一方、接続ブロック131を懸架空間111の上壁に接続し、ウェイト122全体を接続ブロック131の下方に位置させるため、接続ブロック131を懸架空間111の底壁や側壁に配置する場合に比べて、緩衝部材125への重力の影響を低減し、制振装置120による制振効果を向上させることができる。
【0054】
一実施例において、制振装置120の固有周波数と駆動装置200の固有周波数との差は、-5HZ以上且つ5HZ以下であり、且つ/又は、制振振動子121の質量と可動子組立体221の質量とは正に相関する。
【0055】
本実施例において、制振装置120の固有周波数と駆動装置200の固有周波数との差の絶対値が5HZより大きい場合、制振装置120の固有周波数と駆動装置200の固有周波数との差が過大でなり、制振装置120による制振効果が著しくなくなる。制振装置120の固有周波数と駆動装置200の固有周波数との差の絶対値を5HZより小さくすることにより、制振装置120により、ハンドル100の振動をより多く吸収し、さらには装置全体の使用時の振動感を弱め、使用者の使用体験を改善することができる。
【0056】
可動子組立体221の質量が大きいほど、ハンドル100の振動感が強くなることがわかる。制振振動子121の質量と可動子組立体221の質量と正に相関させることにより、すなわち、可動子組立体221の質量が大きいほど、制振振動子121の質量も大きく設定することにより、ハンドル100の角度振動をより効果的に吸収することができる。毛髪切断ユニット300は可動カッターヘッドを含み、可動子組立体221は可動カッターヘッドに接続されて、可動カッターヘッドを既定方向に往復移動させるように駆動する。したがって、駆動装置200の振幅は、可動子組立体221と可動カッターヘッドとの質量の和に相関する。あるいは、制振振動子121の質量と可動子組立体221及び可動カッターヘッドの質量の和とを正に相関させるように構成してもよい。こうして、制振振動子121による振動吸収効果をさらに高めることができる。具体的には、制振振動子121の質量と可動子組立体221及び可動カッターヘッドの質量の和との比は、0.9以上且つ1.1以下である。制振振動子121の質量と可動子組立体221及び可動カッターヘッドの質量の和との比が0.9より小さく且つ1.1より大きい場合、制振振動子121の振幅と駆動装置200の振幅とが大きく異なり、全体の制振効果がより悪くなる。一方、制振振動子121の質量と可動子組立体221及び可動カッターヘッドの質量の和との比が0.9以上且つ1.1以下であるようにすることにより、駆動装置200全体の振幅が制振振動子121の振幅とほぼ一致するため、制振装置120により、ハンドル100の振動をより多く吸収して製品の品質を向上させることができる。
【0057】
制振振動子121の質量も、懸架空間111の横方向における寸法の影響を受けることがある。ブラケット本体110に懸架空間111が開けられる上記の実施例と組み合わせて、さらに、制振振動子121の質量と、制振振動子121の既定方向における側壁と懸架空間111の間の内壁との隙間とは、負に相関する。制振振動子121の既定方向における側壁と懸架空間111の内壁との間の隙間が大きければ、制振振動子121に許容される振幅が大きくなり、制振振動子121の質量を小さく設定できることがわかる。制振振動子121の既定方向における側壁と懸架空間111の内壁との間の隙間が小さければ、制振振動子121に許容される振幅が小さくなり、制振振動子121の質量を大きく設定する必要がある。制振振動子121の質量を、制振振動子121の既定方向における側壁と懸架空間111の内壁との間の隙間と負に相関させることで、制振装置120の有効な振れを保証し、制振装置120の緩衝制振効果をより良くすることができる。
【0058】
一実施例において、図1及び図2を参照し、電気かみそりはハウジング600をさらに含み、ハウジング600はホルダー部610と、ホルダー部610の先端に接続されたヘッド部620とを含み、駆動装置200はヘッド部620内に固定的に取り付けられ、ハンドル100はホルダー部610内に取り付けられており、ブラケット本体110の、ウェイト122の上部に近接する位置に凹溝114が開けられ、凹溝114内にはシールリング700が嵌設されており、ブラケット本体110はシールリング700を介してハウジング600の内壁面に当接し、制振振動子121の外壁面とハウジング600の内壁面とは間隔を開けて設置されている。ハウジング600は、ハンドル100、駆動装置200等に防護を提供する。具体的には、駆動装置200のモータをハウジング600にねじ接続して、ハウジング600のヘッド部620内への駆動装置200の固定を実現することができる。ブラケット本体110に凹溝114を開けることで、ブラケット本体110がシールリング700を介してハウジング600の内壁面に当接するため、ブラケット本体110がハウジング600に直接接触することを回避し、ブラケット本体110の振動がハウジング600に直接伝わることをさらに防止し、使用者が握るときの振動感を弱めることができる。
【0059】
最後に説明すべきは、上記の実施例は、本願の技術案を限定するものではなく、説明するためにのみ使用されるものであり、前述の実施例を参照して本明細書を詳細に説明したが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術方案を修正し、又はその一部の技術的特徴を均等置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の要旨及び範囲から逸脱させるものではないことを、理解すべきである。
【符号の説明】
【0060】
100 ハンドル
110 ブラケット本体
111 懸架空間
112 位置制限凸起
113 退避孔
114 凹溝
120 制振装置
121 制振振動子
122 ウェイト
123 中心軸
124 緩衝機構
125 緩衝部材
126 板ばね構造
127 中央接続端
128 位置決め挿入孔
129 外部接続端
130 締付部材
131 接続ブロック
132 位置制限溝
133 第1の接続部材
134 第1のガスケット
135 第2のガスケット
200 駆動装置
210 モータハウジング
220 モータユニット
221 可動子組立体
222 固定子組立体
223 弾性懸架組立体
224 ベース
230 弾性支持部材
300 毛髪切断ユニット
400 電池
500 第2の接続部材
600 ハウジング
610 ホルダー部
620 ヘッド部
700 シールリング



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12