IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

<>
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図1
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図2
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図3
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図4
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図5
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図6
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図7
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図8
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図9
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図10
  • 特開-回路基板およびその製造方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092923
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】回路基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240701BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20240701BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240701BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240701BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 N
H01L23/14 R
H05K3/34 501D
H05K1/02 A
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023110311
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0184350
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 相 旻
(72)【発明者】
【氏名】ゾ 永 一
【テーマコード(参考)】
5E316
5E319
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA15
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB16
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316EE31
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316HH11
5E319AA03
5E319AC02
5E319AC11
5E319GG20
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB63
5E338EE21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】曲がり、ねじれなどの変形による不良を最少化することができる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの第1層ユニット100、少なくとも1つの第2層ユニット200、導電パッド300、ソルダーレジスト層400、第1補助パッド510および第2補助パッドを含む回路基板は、補強材を含まない第1絶縁層110、第1絶縁層の表面110u上に突出する導電パッド300および第1絶縁層の下に位置し補強材を含む第2絶縁層210を含み、導電パッドの角は曲面形状を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強材を含まない第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の表面の上に突出した導電パッドと、
前記第1絶縁層の下に位置し補強材を含む第2絶縁層とを含み、
前記導電パッドの角は曲面形状を有することを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記導電パッドの一部は前記第1絶縁層に埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層に位置する第1ビア層と、
前記第1ビア層と連結された第1回路配線と、
前記第2絶縁層に位置する第2ビア層と、
前記第2ビア層と連結された第2回路配線とをさらに含み、
前記導電パッドは前記第1ビア層と連結されていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記導電パッドの上部角は曲面形状を有し、
前記第1回路配線および前記第2回路配線の角は角ばった形状を有することを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記第2絶縁層の下に位置し前記第2回路配線と重畳する開口部を有するソルダーレジスト層をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項6】
前記導電パッドを覆う第1補助パッドと、
前記開口部と重畳する前記第2回路配線の表面を覆う第2補助パッドとをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1補助パッドおよび前記第2補助パッドはメッキ層を含むことを特徴とする請求項6に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第2ビア層の最小直径は前記第1ビア層の最小直径よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項9】
前記第1絶縁層はシリカフィラーを含み、
前記第2絶縁層はシリカフィラーと前記補強材を含み、
前記補強材はガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項10】
キャリア基板の上に導電パッドを形成する段階と、
前記キャリア基板の上に前記導電パッドを覆い補強材を含まない第1絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層の上に補強材を含む第2絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層から前記キャリア基板を分離する段階と、
前記第1絶縁層の表面をエッチングして前記導電パッドを前記第1絶縁層の表面の上に突出させる段階と、
前記導電パッドの角を加工して前記導電パッドの角を曲面形状に形成する段階とを含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
【請求項11】
前記第1絶縁層を貫通する第1ビア層を形成する段階と、
前記第1絶縁層の上に前記第1ビア層と連結される第1回路配線を形成する段階と、
前記第2絶縁層を貫通する第2ビア層を形成する段階と、
前記第2絶縁層の上に前記第2ビア層と連結される第2回路配線を形成する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の回路基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2ビア層の最小直径は、前記第1ビア層の最小直径よりも大きく形成することを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項13】
前記第2絶縁層の上に前記第2回路配線と重畳する開口部を有するソルダーレジスト層を形成する段階と、
メッキ工程を用いて前記導電パッドを覆う第1補助パッド、および前記開口部と重畳する前記第2回路配線の表面を覆う第2補助パッドを同時に形成する段階とをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の回路基板の製造方法。
【請求項14】
前記導電パッドの上部角は曲面形状を有するように形成することを特徴とする請求項10に記載の回路基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、高性能中央処理装置(CPU)の実現のために1つのパッケージ内に2つ以上のICを積んで単一チップとして作動するようにするシステムインパッケージ(System in Package、SIP)が使用されている。このようなSIPは、メモリ(Memory)が1つの回路基板に共に実装されるので、シリコンインターポーザ(interposer)を適用している。したがって、回路基板の大きさが大きくなって変形(warpage)による不良が発生しやすい。
【0003】
また、高性能中央処理装置(CPU)においては薄い厚さのパッケージを必要とし、このために所定の厚さを有するコア部材(core member)のないコアレス(coreless)基板が使用されている。このようなコアレス基板はコア部材がないので、同じ厚さの回路基板に比べて、より多くの層を形成すると同時に薄く形成することができるが、変形(warpage)による不良が発生しやすい。
【0004】
パッケージ組み立て時、コアレス基板で発生する変形不良には、ダイ(die)とバンプ(Bump)間の連結時にバンプに発生するクラック(crack)、熱ストレス(thermal stress)によってビア層に発生するクラック(crack)、またはソルダーボールが短絡されるソルダーブリッジ(solder bridge)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-99808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、曲がり、ねじれなどの変形による不良を最少化することができる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
しかし、本発明が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板は、補強材を含まない第1絶縁層と、前記第1絶縁層の表面の上に突出した導電パッドと、前記第1絶縁層の下に位置し補強材を含む第2絶縁層とを含み、前記導電パッドの角は曲面形状を有する。
【0009】
前記導電パッドの一部は前記第1絶縁層に埋め込まれてもよい。
前記第1絶縁層に位置する第1ビア層と、前記第1ビア層と連結された第1回路配線と、前記第2絶縁層に位置する第2ビア層と、前記第2ビア層と連結された第2回路配線とをさらに含み、前記導電パッドは前記第1ビア層と連結されている。
前記導電パッドの上部角は曲面形状を有し、前記第1回路配線および前記第2回路配線の角は角ばった形状を有することが好ましい。
前記第2絶縁層の下に位置し前記第2回路配線と重畳する開口部を有するソルダーレジスト層をさらに含み得る。
前記導電パッドを覆う第1補助パッドと、前記開口部と重畳する前記第2回路配線の表面を覆う第2補助パッドとをさらに含み得る。
前記第1補助パッドおよび前記第2補助パッドはメッキ層を含み得る。
前記第2ビア層の最小直径は前記第1ビア層の最小直径よりも大きいことが好ましい。
前記第1絶縁層はシリカフィラーを含み、前記第2絶縁層はシリカフィラーと前記補強材を含み、前記補強材はガラス繊維を含み得る。
【0010】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による回路基板の製造方法は、キャリア基板の上に導電パッドを形成する段階と、前記キャリア基板の上に前記導電パッドを覆い補強材を含まない第1絶縁層を形成する段階と、前記第1絶縁層の上に補強材を含む第2絶縁層を形成する段階と、前記第1絶縁層から前記キャリア基板を分離する段階と、前記第1絶縁層の表面をエッチングして前記導電パッドを前記第1絶縁層の表面の上に突出させる段階と、前記導電パッドの角を加工して前記導電パッドの角を曲面形状に形成する段階とを含む。
【0011】
前記回路基板の製造方法は、前記第1絶縁層を貫通する第1ビア層を形成する段階と、前記第1絶縁層の上に前記第1ビア層と連結される第1回路配線を形成する段階と、前記第2絶縁層を貫通する第2ビア層を形成する段階と、前記第2絶縁層の上に前記第2ビア層と連結される第2回路配線を形成する段階とをさらに含み得る。
前記第2ビア層の最小直径は、前記第1ビア層の最小直径よりも大きく形成することが好ましい。
前記回路基板の製造方法は、前記第2絶縁層の上に前記第2回路配線と重畳する開口部を有するソルダーレジスト層を形成する段階と、メッキ工程を用いて前記導電パッドを覆う第1補助パッド、および前記開口部と重畳する前記第2回路配線の表面を覆う第2補助パッドを同時に形成する段階とをさらに含み得る。
前記回路基板の製造方法は、前記キャリア基板から分離された前記第1絶縁層および前記第2絶縁層をひっくり返す段階をさらに含み得る。
前記導電パッドの上部角は曲面形状を有するように形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コアレス基板の一部絶縁層が補強材を含むことによって、コアレス基板に一方向に変形が発生するのを防止することができる。
また、コアレス基板において突出した導電パッドの上部角が曲面形状を有することによって、コアレス基板に変形が発生する場合にも導電パッドにクラック(crack)などの不良が発生するのを防止することができる。
また、補強材を含む一部絶縁層を貫通する一部ビア層の直径を、補強材を含まない他の絶縁層を貫通する他のビア層の直径よりも大きく形成することによって、一部絶縁層に集中するストレス(stress)によって一部ビア層にクラックなどの不良が発生するのを防止することができる。
このように、コアレス基板を含む回路基板の信頼性を向上させることができるので、パッケージを薄膜化することができる。
【0013】
しかし、本発明の効果は上述の効果に限定されるものではなく、本発明の思想および技術領域から逸脱しない範囲内で多様に拡張できるのは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による回路基板の断面図である。
図2図1に示す回路基板にチップが付着された状態の断面図である。
図3】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
図10】本発明の他の実施形態による回路基板の断面図である。
図11】本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態で実現することができ、本明細書で説明する実施形態に限定されない。
【0016】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付ける。
【0017】
また、図面は本明細書に開示された実施形態を容易に理解することができるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
【0018】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0019】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するものではない。
【0020】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対となる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことを意味する。
【0021】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0022】
また、明細書全体で、“連結される”という時、これは2つ以上の構成要素が直接的に連結されることのみを意味するのではなく、2つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく電気的に連結されること、または位置や機能によって異なる名称で称されているが一体であることを意味する。
【0023】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0024】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による回路基板について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による回路基板の断面図であり、図2は、図1に示す回路基板にチップが付着された状態の断面図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の一実施形態による回路基板は、少なくとも1つの第1層ユニット100、少なくとも1つの第2層ユニット200、導電パッド300、ソルダーレジスト層400、第1補助パッド510、および第2補助パッド520を含む。以下、説明の便宜のために第1層ユニット100および第2層ユニット200は共にコアレス基板CLSと定義する。
【0027】
第1層ユニット100は、第2層ユニット200の上に配置される。第1層ユニット100は、第1絶縁層110、第1ビア層120、および第1回路配線130を含む。
【0028】
第1絶縁層110は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂などを含む。例えば、第1絶縁層110は、味の素ビルドアップフィルム(Ajinomoto Build-up Film、ABF)などを含み得る。ABFは、味の素ファインテクノ株式会社(Ajinomoto Fine-Techno Co., Inc.)から購入可能な重合体エポキシフィルムである。このような第1絶縁層110は、シリカフィラー(silica filler)を含む。
【0029】
第1ビア層120は、第1絶縁層110を貫通して第1回路配線130と連結される。第1ビア層120は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。第1ビア層120の側面は、テーパ(taper)を有するように形成される。即ち、第1ビア層120の側面は第1絶縁層110の表面に平行な面を基準にして鈍角を有する。
【0030】
第1回路配線130は、第1絶縁層110の下に位置し、電気的信号を伝達する。第1回路配線130は多様なパターンで配置される。第1回路配線130は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0031】
本実施形態では、3つの第1層ユニット100が積層されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な数の第1層ユニット100が積層される。
【0032】
第2層ユニット200は、第2絶縁層210、第2ビア層220、および第2回路配線230を含む。
【0033】
第2絶縁層210は、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimide)などのような熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などのような熱可塑性樹脂などを含む。例えば、第2絶縁層210は、味の素ビルドアップフィルム(Ajinomoto Build-up Film、ABF)などを含み得る。このような第2絶縁層210は、シリカフィラー(silica filler)を含む。
【0034】
また、第2絶縁層210は、物理的な外力による変形を防止することができる補強材211をさらに含む。補強材211は、ガラス繊維(Glass cloth)などを含む。このように、第2絶縁層210は補強材211を含むことによって、製造工程中の熱ストレス(thermal stress)などによってコアレス基板CLSに一方向に変形が発生するのを防止することができる。
【0035】
第2ビア層220は、第2絶縁層210を貫通して第2回路配線230と連結される。第2ビア層220は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。第2ビア層220の側面は、テーパ(taper)を有するように形成される。即ち、第2ビア層220の側面は、第2絶縁層210の表面に平行な面を基準にして鈍角を有する。
【0036】
第2回路配線230は、第2絶縁層210の下に位置し、電気的信号を伝達する。第2回路配線230は多様なパターンで配置される。第2回路配線230は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などの導電性物質を含む。
【0037】
本実施形態では、2つの第2層ユニット200が積層されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な数の第2層ユニット200が積層される。
【0038】
導電パッド300は、第1ビア層120を通じて第1回路配線130と連結され、第1絶縁層110の表面110uの上に突出する。また、導電パッド300の下部面は、第1絶縁層110の内部に埋め込まれる。
【0039】
導電パッド300は、ダイ(die)10に付着されたソルダーバンプ(solder bump)20とボンディングされて電気的信号をダイ10に伝達する。導電パッド300は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)/金(Au)の2重層などの導電性物質を含む。
【0040】
この時、第1絶縁層110の表面110uの上に突出した導電パッド300の上部角300aは曲面形状を有し、第1絶縁層110内部に埋込まれた下部角300bは角ばった形状を有する。したがって、導電パッド300の上部角300aの曲率半径は下部角300bの曲率半径よりもさらに大きい。
【0041】
また、第1回路配線130の角130aおよび第2回路配線230の角230aが、角ばった形状を有するのとは異なり、導電パッド300の上部角300aは曲面形状を有する。即ち、導電パッド300の上部角300aの曲率半径は、第1回路配線130の角130aおよび第2回路配線230の角230aの曲率半径よりもさらに大きい。
【0042】
したがって、コアレス基板CLSに変形が発生する場合にも導電パッド300の突出した上部角300aに応力が集中しないので、導電パッド300にクラック(crack)などの不良が発生するのを防止することができる。
【0043】
ソルダーレジスト層400は、第2絶縁層210の下に位置し、第2回路配線230を覆う。このようなソルダーレジスト層400は、第2回路配線230と平面上重畳する開口部OHを有する。ソルダーレジスト層400は、ソルダーレジスト(Solder resist)などの絶縁物質を含む。
【0044】
第1補助パッド510は、導電パッド300を覆う。このような第1補助パッド510は、メッキ層を含む。メッキ層は無電解メッキ工程によって形成され、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などを含む。
【0045】
第2補助パッド520は、ソルダーレジスト層400の開口部OHと重畳する第2回路配線230の表面を覆う。第2補助パッド520は第2絶縁層210に隣接してもよい。このような第2補助パッド520はメッキ層を含む。メッキ層はメッキ工程によって形成され、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)などを含む。
【0046】
第2補助パッド520に隣接した第2絶縁層210は補強材211を含むことによって、コアレス基板CLSの変形を最少化して、第2補助パッド520にボンディングされるソルダーボール30が互いに短絡されるのを防止することができる。
【0047】
このように、本実施形態による回路基板は、コアレス基板CLSの第2絶縁層210が補強材211を含み、突出した導電パッド300の上部角300aが曲面形状を有することによって、コアレス基板CLSに変形が発生する場合にも導電パッド300、第2ビア層220などにクラック(crack)などの不良が発生するのを最少化することができる。
【0048】
以下、図1および図2と共に図3図9を参照して、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
【0049】
図3図9は、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法を順次に示す断面図である。
【0050】
図3に示すように、キャリア基板CSの上に導電パッド300を形成する。キャリア基板CSは、以後の工程で導電パッド300から分離可能な基板である。このようなキャリア基板CSは、銅箔積層板などを含む。そして、キャリア基板CSの上に導電パッド300を覆う第1絶縁層110を形成する。第1絶縁層110は補強材211を含まなくてもよい。そして、写真エッチング工程を用いて第1絶縁層110に導電パッド300と重畳するビアホールVHを形成する。
【0051】
図4に示すように、第1絶縁層110のビアホールVHを満たす第1ビア層120を形成する。この時、第1ビア層120の側面は逆テーパとなるように形成される。そして、第1絶縁層110の上に第1ビア層120に連結される第1回路配線130を形成する。ここで、第1絶縁層110、第1ビア層120、および第1回路配線130は共に第1層ユニット100を成す。そして、第1層ユニット100を繰り返して積層する。本実施形態では3つの第1層ユニット100を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な数の第1層ユニット100を形成することができる。
【0052】
図5に示すように、第1層ユニット100の上に第2絶縁層210を形成する。第2絶縁層210は補強材211を含む。そして、写真エッチング工程を用いて第2絶縁層210を貫通する第2ビア層220を形成する。この時、第2ビア層220の側面は逆テーパとなるように形成される。そして、第2絶縁層210の上に第2ビア層220に連結される第2回路配線230を形成する。ここで、第2絶縁層210、第2ビア層220、および第2回路配線230は共に第2層ユニット200を成す。そして、第2層ユニット200を繰り返して積層する。本実施形態では2つの第2層ユニット200を形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な数の第2層ユニット200を形成することができる。
【0053】
図6に示すように、第2層ユニット200の上に第2回路配線230と重畳する開口部OHを有するソルダーレジスト層400を形成する。開口部OHはマスクを用いてソルダーレジスト層400に露光、硬化、現像などの工程を行って形成する。
【0054】
図7に示すように、第1層ユニット100からキャリア基板CSを分離する。即ち、第1層ユニット100の第1絶縁層110からキャリア基板CSを分離する。
【0055】
図8に示すように、第1層ユニット100および第2層ユニット200を含むコアレス基板CLSをひっくり返す。そして、複数の第1層ユニット100の最上部の第1層ユニット100の第1絶縁層110の表面をエッチングして導電パッド300を第1層ユニット100の第1絶縁層110の表面110uの上に突出させる。この時、導電パッド300の上部角300aは角ばった形状を有する。
【0056】
図9に示すように、導電パッド300の上部角300aを加工して導電パッド300の上部角300aを曲面形状に形成する。この時、導電パッド300の上部角300aは写真エッチング工程、レーザ工程などを用いて曲面形状に形成する。
【0057】
その後、図1に示すように、導電パッド300を覆う第1補助パッド510を形成し、同時に第2絶縁層210の開口部OHと重畳する第2回路配線230の表面を覆う第2補助パッド520を形成する。このような第1補助パッド510および第2補助パッド520は、導電パッド300および第2回路配線230にそれぞれ電気的信号を印加する表面処理工程を用いて形成する。このような表面処理工程はENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)、ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)などの無電解メッキ工程を含む。ENEPIGはENIGの問題点である置換金メッキ時ニッケル腐食を防止するために無電解パラジウムを無電解ニッケルと置換金の間に位置させたメッキ工程である。
【0058】
このように、本発明の一実施形態では、コアレス基板CLSの第2絶縁層210が補強材211を含むことによって、コアレス基板CLSに一方向に変形が発生するのを防止することができる。
【0059】
また、コアレス基板CLSにおいて突出した導電パッド300の上部角300aが曲面形状を有することによって、コアレス基板CLSに変形が発生する場合にも導電パッド300にクラック(crack)などの不良が発生するのを防止することができる。
【0060】
一方、上記の一実施形態では第1ビア層の最小直径と第2ビア層の最小直径が同一であったが、第2ビア層の最小直径が第1ビア層の最小直径よりも大きい他の実施形態も可能である。
【0061】
以下、図10を参照して、本発明の他の実施形態による回路基板について詳しく説明する。
【0062】
図10は、本発明の他の実施形態による回路基板の断面図である。
【0063】
図10に示す本発明の他の実施形態は、図1に示した一実施形態と比較して、第2ビア層の直径が第1ビア層の直径よりも大きいことのみを除いて実質的に同一なので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0064】
図10に示すように、本発明の他の実施形態による回路基板は少なくとも1つの第1層ユニット100、少なくとも1つの第2層ユニット200、導電パッド300、ソルダーレジスト層400、第1補助パッド510、および第2補助パッド520を含む。
【0065】
ここで、第2層ユニット200の第2ビア層220の最小直径d2は、第1層ユニット100の第1ビア層120の最小直径d1よりも大きい。
【0066】
このように、補強材211を含む第2絶縁層210を貫通する第2ビア層220の最小直径d2を、補強材211を含まない第1絶縁層110を貫通する第1ビア層120の最小直径d1よりも大きく形成することによって、第2絶縁層210に集中するストレス(stress)によって第2ビア層220にクラックなどの不良が発生するのを防止することができる。
【0067】
以下、図10と共に図11を参照して、本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法について詳しく説明する。
【0068】
図11は、本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法の一段階を示した断面図である。
【0069】
図11に示す本発明の他の実施形態は、図3図9に示した一実施形態と比較して第2ビア層の最小直径が第1ビア層の最小直径よりも大きいことのみを除いて実質的に同一なので、繰り返しとなる説明は省略する。
【0070】
図11に示すように、キャリア基板CSの上に導電パッド300を形成する。そして、キャリア基板CSの上に第1絶縁層110、第1ビア層120、および第1回路配線130を含む第1層ユニット100を形成する。そして、第1層ユニット100の上に第2絶縁層210、第2ビア層220、および第2回路配線230を含む第2層ユニット200を形成する。この時、第2層ユニット200の第2ビア層220の最小直径d2は、第1層ユニット100の第1ビア層120の最小直径d1よりも大きく形成する。このように、補強材211を含む第2絶縁層210を貫通する第2ビア層220の最小直径d2を、補強材211を含まない第1絶縁層110を貫通する第1ビア層120の最小直径d1よりも大きく形成することによって、第2絶縁層210に集中するストレス(stress)によって第2ビア層220にクラックなどの不良が発生するのを防止することができる。そして、第2層ユニット200の上に第2回路配線230と重畳する開口部OHを有するソルダーレジスト層400を形成する。
【0071】
その後、図10に示すように、第1層ユニット100からキャリア基板CSを分離し、第1層ユニット100および第2層ユニット200を含むコアレス基板CLSをひっくり返す。そして、導電パッド300を、第1層ユニット100の第1絶縁層110の表面110uの上に突出させる。そして、導電パッド300の上部角300aを加工して導電パッド300の上部角300aを曲面形状に形成する。そして、導電パッド300を覆う第1補助パッド510を形成し、同時に第2絶縁層210の開口部OHと重畳する第2回路配線230の表面を覆う第2補助パッド520を形成する。
【0072】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術範囲内、発明の詳細な説明および図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
10:ダイ
20:ソルダーバンプ
100:第1層ユニット
110:第1絶縁層
120:第1ビア層
130:第1回路配線
200:第2層ユニット
210:第2絶縁層
211:補強材
220:第2ビア層
230:第2回路配線
300:導電パッド
400:ソルダーレジスト層
510:第1補助パッド
520:第2補助パッド

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11