(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092951
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】媒体管理装置、及び、媒体管理装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G07D 11/18 20190101AFI20240701BHJP
G07D 11/00 20190101ALI20240701BHJP
G07D 11/12 20190101ALI20240701BHJP
【FI】
G07D11/18
G07D11/00
G07D11/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023181845
(22)【出願日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】P 2022208443
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前崎 渉
(72)【発明者】
【氏名】奥 大樹
(72)【発明者】
【氏名】下野 芳彦
(72)【発明者】
【氏名】川田 勝則
(72)【発明者】
【氏名】野崎 武
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA05
3E141BA03
3E141CA16
3E141FA06
3E141FC02
3E141FC07
3E141FJ06
(57)【要約】
【課題】受付不能媒体の管理に係る手間を低減する。
【解決手段】貨幣を管理する貨幣処理装置1と、貨幣処理装置1で受け付け不能な受付不能媒体VFを保管する損券収納ポスト4と、損券収納ポスト4に保管された受付不能媒体VFのうち特定媒体VTを保管する損券管理装置5と、損券収納ポスト4から受付不能媒体VFが回収された後に損券管理装置5が特定媒体VTを保管可能であるように損券管理装置5を制御する処理装置8と、を備える、ことを特徴とする媒体管理装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を管理する貨幣管理部と、
前記貨幣管理部で受け付け不能な受付不能媒体を保管する第1保管部と、
前記第1保管部に保管された受付不能媒体のうち特定媒体を保管する第2保管部と、
前記第1保管部から受付不能媒体が回収された後に前記第2保管部が前記特定媒体を保管可能であるように前記第2保管部を制御する制御部と、
を備える、
ことを特徴とする媒体管理装置。
【請求項2】
前記第2保管部は、
前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入を制限する制限機構を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の媒体管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1保管部から前記受付不能媒体が回収される場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が可能となるように前記制限機構を制御する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の媒体管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了した場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように前記制限機構を制御する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の媒体管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1保管部に保管された前記受付不可媒体に関する情報、及び、前記第2保管部に投入される前記特定媒体に関する情報に基づいて、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了したか否かを判定する判定部を備える、
ことを特徴とする、請求項3に記載の媒体管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記判定部による判定結果が肯定の場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように前記制限機構を制御する投入制御部を備える、
ことを特徴とする、請求項5に記載の媒体管理装置。
【請求項7】
前記第2保管部に対して前記特定媒体が投入される際に、前記特定媒体を撮像する撮像装置を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の媒体管理装置。
【請求項8】
前記第2保管部は、
前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入を制限する制限機構を備え、
前記制御部は、
前記第1保管部から前記受付不能媒体が回収される場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が可能となるように前記制限機構を制御する投入制御部と、
前記撮像装置から前記特定媒体の撮像結果に関する情報を取得する撮像制御部と、
前記第1保管部に保管された前記受付不可媒体に関する情報、及び、前記撮像制御部が取得した前記撮像結果に関する情報に基づいて、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了したか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記投入制御部は、
前記判定部による判定結果が肯定の場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように前記制限機構を制御する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の媒体管理装置。
【請求項9】
貨幣を管理する貨幣管理部と、
前記貨幣管理部で受け付け不能な受付不能媒体を保管する第1保管部と、
前記第1保管部に保管された受付不能媒体のうち特定媒体を保管する第2保管部と、
前記第2保管部を制御する制御部と
を備える媒体管理装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記第1保管部から受付不能媒体が回収された後に前記第2保管部が前記特定媒体を保管可能であるように前記第2保管部を制御する、
ことを特徴とする媒体管理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体管理装置、及び、媒体管理装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貨幣を管理する貨幣処理装置(「貨幣管理部」の一例)と、貨幣処理装置で受け付けることができない損傷現金、記念貨、及び、小切手等の受付不能媒体を収納するための媒体収納ポスト(「第1保管部」の一例)と、を備える、媒体管理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の媒体管理装置は、損傷現金、記念貨、及び、小切手をまとめて管理し、その回収では損傷現金、記念貨、及び、小切手をまとめて回収する必要があり、損傷現金と記念貨のみを管理する機能を有していない。よって、従来の技術では、媒体管理装置より回収された受付不能媒体である損傷現金と記念貨を媒体管理装置とは別個に用意された手提金庫を用いて管理することが一般的であった。このため、従来の技術では、受付不能媒体の管理に多くの手間を要する、という課題が存在した。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来の技術と比較して、受付不能媒体の管理に係る手間を低減することを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明に係る媒体管理装置は、貨幣を管理する貨幣管理部と、前記貨幣管理部で受け付け不能な受付不能媒体を保管する第1保管部と、前記第1保管部に保管された受付不能媒体のうち特定媒体を保管する第2保管部と、前記第1保管部から受付不能媒体が回収された後に前記第2保管部が前記特定媒体を保管可能であるように前記第2保管部を制御する制御部と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、従来の技術と比較して、受付不能媒体の管理に係る手間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る媒体管理装置100の概要の一例を示す説明図である。
【
図2】制御装置7の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】メニュー画面G0の概要の一例を示す説明図である。
【
図4】制御装置7による入金処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】入金内容入力画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【
図6】貨幣管理情報DKのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】取引管理情報DTのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】制御装置7によるポスト投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】ポスト投函内容入力画面G2の概要の一例を示す説明図である。
【
図10】ポスト投函情報DPのデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】ポスト投函情報DPのデータ構成の一例を示す図である。
【
図12】ポスト投函明細PPの概要の一例を示す説明図である。
【
図13】投函袋FZの概要の一例を示す説明図である。
【
図14】制御装置7によるポスト回収処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】ポスト回収確認画面G3の概要の一例を示す説明図である。
【
図16】媒体投函制限情報DLのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図17】制御装置7による損券投函準備処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】制御装置7による損券投函準備処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】ポスト回収一覧画面G4の概要の一例を示す説明図である。
【
図20】封入内容修正画面G41の概要の一例を示す説明図である。
【
図21】損券投函情報DSのデータ構成の一例を示す図である。
【
図22】損券投函情報DSのデータ構成の一例を示す図である。
【
図23】損券投函明細PSの概要の一例を示す説明図である。
【
図24】制御装置7による損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図25】制御装置7による損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図26】損券投函一覧画面G5の概要の一例を示す説明図である。
【
図27】制御装置7による損券回収処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】損券回収確認画面G6の概要の一例を示す説明図である。
【
図29】変形例1-1に係る制御装置7による損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図30】変形例1-1に係る制御装置7による損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図31】変形例1-1に係る制御装置7による損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図32】変形例1-1に係る媒体投函制限情報DLのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図33】本発明の第2実施形態に係る制御装置7Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図34】在高情報DMのデータ構成の一例を示す説明図である。
【
図35】待機画面GB1の概要の一例を示す説明図である。
【
図36】装置状態確認画面GB2の概要の一例を示す説明図である。
【
図37】メニュー画面GB0の概要の一例を示す説明図である。
【
図38】制御装置7Bによる損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図39】制御装置7Bによる損券投函処理の一例を示すフローチャートである。
【
図40】損券投函画面GB3の概要の一例を示す説明図である。
【
図41】投函袋FZの概要の一例を示す説明図である。
【
図42】損券登録確認画面GB4の概要の一例を示す説明図である。
【
図43】保管履歴画面GB5の概要の一例を示す説明図である。
【
図44】保管履歴画面GB6の概要の一例を示す説明図である。
【
図45】保管履歴詳細画面GB7の概要の一例を示す説明図である。
【
図46】損券管理装置5の概要の一例を示す斜視図である。
【
図47】損券管理装置5の概要の一例を示す斜視図である。
【
図48】待機画面GB1の概要の一例を示す説明図である。
【
図49】制御装置7Bによる損券回収処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
<A.第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
【0011】
<A.1.媒体管理装置の概要>
以下、
図1乃至
図3を参照しつつ、媒体管理装置100の概要について説明する。
【0012】
図1は、媒体管理装置100の外観の一例を示す説明図である。
【0013】
図1に例示するように、媒体管理装置100は、貨幣処理装置1と、損券収納ポスト4と、損券管理装置5と、制御装置7と、表示装置61と、入力装置62と、印刷装置63と、書画カメラ64と、を備える。
【0014】
貨幣処理装置1(「貨幣管理部」の一例)は、貨幣を管理するための装置であり、紙幣処理装置2と硬貨処理装置3とを備える。ここで、「貨幣を管理する」とは、例えば、貨幣を機械的に計数したうえで保管することである。
【0015】
紙幣処理装置2は、紙幣を管理するための装置である。具体的には、紙幣処理装置2は、紙幣を入金するための紙幣入金口21と、紙幣入金口21から入金された紙幣を保管するための紙幣収納部(図示省略)と、紙幣収納部に保管された紙幣を出金するための紙幣出金口22と、を備える。
【0016】
本実施形態において、紙幣処理装置2は、紙幣入金口21からの入金の対象媒体が、紙幣処理装置2により受け付け可能な紙幣であるか否かを判定する。ここで、「紙幣処理装置2により受け付け可能な紙幣」とは、例えば、紙幣処理装置2による機械的な計数が可能な紙幣である。そして、紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金の対象媒体が、紙幣処理装置2により受け付け可能な紙幣である場合、当該紙幣を紙幣入金口21から受け付ける。また、紙幣処理装置2は、紙幣の出金指示があるまでの間、紙幣入金口21から受け付けた紙幣を、紙幣収納部で保管する。そして、紙幣処理装置2は、紙幣の出金指示がある場合に、紙幣収納部で保管している紙幣を、紙幣出金口22から出金する。
【0017】
硬貨処理装置3は、硬貨を管理するための装置である。具体的には、硬貨処理装置3は、硬貨を入金するための硬貨入金口31と、硬貨入金口31から入金された硬貨を保管するための硬貨収納部(図示省略)と、硬貨収納部に保管された硬貨を出金するための硬貨出金口32と、を備える。
【0018】
本実施形態において、硬貨処理装置3は、硬貨入金口31からの入金の対象媒体が、硬貨処理装置3により受け付け可能な硬貨であるか否かを判定する。ここで、「硬貨処理装置3により受け付け可能な硬貨」とは、例えば、硬貨処理装置3による機械的な計数が可能な硬貨である。そして、硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金の対象媒体が、硬貨処理装置3により受け付け可能な硬貨である場合、当該硬貨を硬貨入金口31から受け付ける。また、硬貨処理装置3は、硬貨の出金指示があるまでの間、硬貨入金口31から受け付けた硬貨を、硬貨収納部で保管する。そして、硬貨処理装置3は、硬貨の出金指示がある場合に、硬貨収納部で保管している硬貨を、硬貨出金口32から出金する。
【0019】
以下では、紙幣処理装置2で受け付け不能な紙幣、硬貨処理装置3で受け付け不能な硬貨、並びに、紙幣処理装置2及び硬貨処理装置3の両方で受け付け不能な媒体(紙幣または硬貨以外の媒体)を、受付不能媒体VFと総称する。すなわち、受付不能媒体VFとは、貨幣処理装置1で受け付け不能な媒体である。
【0020】
本実施形態では、受付不能媒体VFの具体例として、損傷現金と記念貨と有価証券とを想定する。すなわち、本実施形態では、受付不能媒体VFが、損傷現金と記念貨と有価証券との総称である場合を想定する。
【0021】
本実施形態において、損傷現金とは、損傷紙幣、損傷硬貨、汚染紙幣、及び、汚染硬貨の総称である。このうち、損傷紙幣とは、貨幣処理装置1による受け付けが困難な程度に損傷した紙幣である。損傷硬貨とは、貨幣処理装置1による受け付けが困難な程度に損傷した硬貨である。汚染紙幣とは、貨幣処理装置1による受け付けが困難な程度に汚れた紙幣である。汚染硬貨とは、貨幣処理装置1による受け付けが困難な程度に汚れた硬貨である。
本実施形態において、記念貨とは、記念紙幣、記念硬貨、旧紙幣、及び、旧硬貨の総称である。このうち、記念紙幣とは、特定の出来事を記念して発行された紙幣であって、紙幣処理装置2による受け付けが不能な紙幣である。記念硬貨とは、特定の出来事を記念して発行された硬貨であって、硬貨処理装置3による受け付けが不能な硬貨である。旧紙幣とは、過去に発行され現在は発行されていない過去の紙幣であって、紙幣処理装置2による受け付けが不能な紙幣である。旧硬貨とは、過去に発行され現在は発行されていない過去の硬貨であって、硬貨処理装置3による受け付けが不能な硬貨である。
本実施形態において、有価証券とは、手形及び小切手の総称である。
【0022】
損券収納ポスト4(「第1保管部」の一例)は、貨幣処理装置1で受け付け不能な受付不能媒体VFを収納するための装置である。具体的には、損券収納ポスト4は、受付不能媒体VFを投函するための媒体投函口41と、媒体投函口41から投函された受付不能媒体VFを保管するための媒体収納部(図示省略)と、媒体収納部に保管された受付不能媒体VFを取り出すための媒体取出口42と、を備える。また、損券収納ポスト4は、媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しを制限するための取出制限機構421を備える。
【0023】
なお、本実施形態では、媒体管理装置100のオペレータが、受付不能媒体VFを投函袋FZ(後述する
図13参照)に封入し、その後、受付不能媒体VFを封入した投函袋FZを損券収納ポスト4に投函する場合を想定する。
【0024】
また、本実施形態では、取出制限機構421が媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しを制限していない場合に限り、媒体管理装置100のオペレータが、媒体取出口42から、受付不能媒体VFを封入した投函袋FZを取り出すことができる場合を想定する。つまり、本実施形態において、取出制限機構421が媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しを制限している場合、媒体管理装置100のオペレータは、損券収納ポスト4から、受付不能媒体VFを取り出すことができない。
【0025】
損券管理装置5(「第2保管部」の一例)は、損券収納ポスト4から取り出された受付不能媒体VFのうち、特定媒体VTを収納するための装置である。
【0026】
ここで、特定媒体VTとは、受付不能媒体VFに含まれる媒体である。具体的には、本実施形態では、特定媒体VTが、受付不能媒体VFから有価証券を除いた媒体である場合を想定する。すなわち、本実施形態では、特定媒体VTが、損傷現金と記念貨との総称である場合を想定する。なお、以下では、特定媒体VTを、「損券」と称する場合がある。
【0027】
損券管理装置5は、特定媒体VTを投函するための損券投函口51と、損券投函口51から投函された特定媒体VTを保管するための損券収納部(図示省略)と、損券収納部に保管された特定媒体VTを取り出すための損券取出口52と、を備える。また、損券管理装置5は、損券投函口51への特定媒体VTの投函を制限するための投函制限機構511(「制限機構」の一例)と、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しを制限するための取出制限機構521と、を備える。
本実施形態では、投函制限機構511が、損券投函口51を閉塞するための蓋(以下、「閉塞蓋」と称する)を備える態様を、一例として想定する。そして、本実施形態において、損券投函口51への特定媒体VTの投函が制限される場合、閉塞蓋が損券投函口51を閉塞した状態で損券管理装置5の筐体に固定される。他方、損券投函口51への特定媒体VTの投函が制限されていない場合、閉塞蓋が開き、閉塞蓋が損券投函口51を閉塞していない状態となる。
なお、本実施形態では、閉塞蓋が、後述する媒体投函制御部81による制御の下で、自動で開閉する場合を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。閉塞蓋は、手動で開閉するものであってもよい。例えば、損券投函口51への特定媒体VTの投函が制限されていない場合、閉塞蓋が開閉自在の状態となってもよい。閉塞蓋が開閉自在の状態となる場合、媒体管理装置100のオペレータは、閉塞蓋を手動で開き、閉塞蓋が損券投函口51を閉塞していない位置に移動させることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、媒体管理装置100のオペレータが、特定媒体VTを投函袋FZに封入し、その後、特定媒体VTを封入した投函袋FZを損券管理装置5に投函する場合を想定する。
【0029】
また、本実施形態では、投函制限機構511が損券投函口51への特定媒体VTの投函を制限していない場合に限り、媒体管理装置100のオペレータが、特定媒体VTを封入した投函袋FZを損券投函口51に投函することができる場合を想定する。つまり、本実施形態において、投函制限機構511が損券投函口51への特定媒体VTの投函を制限している場合、媒体管理装置100のオペレータは、損券管理装置5に、特定媒体VTを投函することができない。
【0030】
また、本実施形態では、取出制限機構521が損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しを制限していない場合に限り、媒体管理装置100のオペレータが、損券取出口52から、特定媒体VTを封入した投函袋FZを取り出すことができる場合を想定する。つまり、本実施形態において、取出制限機構521が損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しを制限している場合、媒体管理装置100のオペレータは、損券管理装置5から、特定媒体VTを取り出すことができない。
【0031】
表示装置61は、各種情報を表示するためのハードウェアである。
入力装置62は、媒体管理装置100のオペレータからの入力を受け付けるためのハードウェアである。
印刷装置63は、ポスト投函明細PP(後述する
図12参照)、及び、損券投函明細PS(後述する
図23参照)等の、各種明細を印刷するためのハードウェアである。
書画カメラ64(「撮像装置」の一例)は、特定媒体VTを封入した投函袋FZが損券投函口51から損券管理装置5に投函される場合に、当該投函袋FZを撮像するためのハードウェアである。なお、媒体管理装置100は、書画カメラ64の代わりに、コンプライアンスカメラ(登録商標)を備えていてもよい。
ここで、コンプライアンスカメラとは、媒体管理装置100のオペレータが媒体管理装置100に対する操作を行う場合に、当該オペレータによる操作を自動で撮像するカメラである。
【0032】
制御装置7は、媒体管理装置100の各部を制御するためのハードウェアである。
【0033】
図2は、制御装置7の構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図2に例示するように、制御装置7は、処理装置8と記憶装置9とを備える。
【0035】
処理装置8(「制御部」の一例)は、媒体管理装置100の各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。ここで、プロセッサは、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。但し、プロセッサは、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。
【0036】
記憶装置9は、処理装置8が具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
【0037】
図2に例示するように、記憶装置9は、貨幣管理情報DKと、取引管理情報DTと、ポスト投函情報DPと、損券投函情報DSと、媒体投函制限情報DLと、投函制限状態情報DJと、撮像結果情報DCと、媒体管理装置100の各部を制御するための制御プログラムPGと、を記憶している。なお、記憶装置9が記憶する各種情報については後述する。
【0038】
図2に例示するように、処理装置8が具備するプロセッサは、記憶装置9に記憶された制御プログラムPGを実行し、当該制御プログラムPGに従って動作することで、媒体投函制御部81及び媒体投函判定部82を含む装置制御部80、貨幣管理部83、ポスト制御部84、表示制御部85、入力受付部86、撮像制御部87、並びに、印刷制御部88として機能することが可能である。
【0039】
装置制御部80は、損券管理装置5を制御するための機能ブロックであり、上述のとおり、媒体投函制御部81と、媒体投函判定部82とを備える。
媒体投函制御部81(「投入制御部」の一例)は、投函制限機構511を制御することで、損券投函口51への特定媒体VTの投函を制限するか否かを制御する。
媒体投函判定部82(「判定部」の一例)は、損券管理装置5に対する特定媒体VTの投函が完了したか否かを判定する。
【0040】
貨幣管理部83は、貨幣処理装置1を制御する。
ポスト制御部84は、損券収納ポスト4を制御する。
表示制御部85は、表示装置61を制御する。
入力受付部86は、媒体管理装置100のオペレータによる入力装置62からの入力を受け付ける。
撮像制御部87は、書画カメラ64を制御する。
印刷制御部88は、印刷装置63を制御する。
【0041】
本実施形態では、一例として、媒体管理装置100が起動された場合に、制御装置7の表示制御部85が表示装置61に対してメニュー画面G0を表示させる場合を想定する。ここで、メニュー画面G0とは、媒体管理装置100において実行すべき処理を指定するための画面である。
【0042】
なお、本実施形態では、媒体管理装置100が、入金処理、ポスト投函処理、ポスト回収処理、損券投函準備処理、損券投函処理、及び、損券回収処理を含む各種処理を実行できる場合を、一例として想定する。
このうち、入金処理とは、貨幣処理装置1に対して紙幣及び硬貨を含む貨幣を入金する処理である。ポスト投函処理とは、損券収納ポスト4に対して受付不能媒体VFを投函する処理である。ポスト回収処理とは、損券収納ポスト4から受付不能媒体VFを回収する処理である。損券投函準備処理とは、損券管理装置5に対する特定媒体VTの投函を準備するための処理である。損券投函処理とは、損券管理装置5に対して特定媒体VTを投函する処理である。損券回収処理とは、損券管理装置5から特定媒体VTを回収する処理である。
【0043】
図3は、メニュー画面G0の一例を示す説明図である。
【0044】
図3に例示するように、メニュー画面G0は、入金処理を選択するための入金処理選択ボタンAR1と、ポスト投函処理を選択するためのポスト投函処理選択ボタンAR2と、ポスト回収処理を選択するためのポスト回収処理選択ボタンAR3と、損券投函準備処理を選択するための損券投函準備処理選択ボタンAR4と、損券投函処理を選択するための損券投函処理選択ボタンAR5と、損券回収処理を選択するための損券回収処理選択ボタンAR6と、選択された処理を媒体管理装置100が実行することを決定するための完了ボタンB0と、を備える。
媒体管理装置100のオペレータが、入金処理選択ボタンAR1を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100は入金処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、ポスト投函処理選択ボタンAR2を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100はポスト投函処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、ポスト回収処理選択ボタンAR3を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100はポスト回収処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券投函準備処理選択ボタンAR4を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券投函準備処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券投函処理選択ボタンAR5を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券投函処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券回収処理選択ボタンAR6を選択した上で完了ボタンB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券回収処理を実行する。
【0045】
<A.2.入金処理について>
以下、
図4乃至
図7を参照しつつ、入金処理の概要について説明する。
【0046】
図4は、媒体管理装置100が入金処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0において入金処理選択ボタンAR1が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図4に示す入金処理を開始する。
【0047】
図4に例示するように、入金処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、入金内容入力画面G1を表示させる(S101)。
【0048】
図5は、入金内容入力画面G1の一例を示す説明図である。ここで、入金内容入力画面G1とは、入金処理において貨幣処理装置1に入金される対象の貨幣に関連する情報を入力するための画面である。
【0049】
図5に例示するように、入金内容入力画面G1は、入金内容入力領域A1と、完了ボタンB1と、を有する。
【0050】
このうち、入金内容入力領域A1は、入金処理において貨幣処理装置1に入金される対象の貨幣の数量を入力するための領域である。具体的には、入金内容入力領域A1には、入力ボックスA11~A14に例示されるように、貨幣処理装置1に入金可能な複数の金種と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。媒体管理装置100のオペレータは、入金内容入力領域A1に設けられた複数の入力ボックスを用いて、貨幣処理装置1に入金する貨幣の数量を金種毎に入力することができる。
【0051】
また、完了ボタンB1は、入金内容入力領域A1に入力された内容を確定させるためのボタンである。媒体管理装置100のオペレータは、入金内容入力領域A1に設けられた複数の入力ボックスに対して数値を入力した上で、完了ボタンB1を押下することで、入金処理において貨幣処理装置1に入金される対象の貨幣の数量を金種毎に指定することができる。
【0052】
図4に例示するように、入金処理において、入金内容入力画面G1の完了ボタンB1が押下された場合、入力受付部86は、媒体管理装置100のオペレータが入金内容入力画面G1から入力した内容を受け付けて、当該入力内容を記憶装置9に記憶させる(S103)。
【0053】
図4に例示するように、入金処理において、入力受付部86が入金内容入力画面G1からの入力内容を受け付けた場合、貨幣管理部83は、取引IDを払い出す(S105)。
ここで、取引IDとは、媒体管理装置100に対して入金する入金取引、及び、媒体管理装置100から出金する出金取引等の、媒体管理装置100における全ての取引の中から、各取引を一意に識別するための識別情報である。なお、入金処理とは、媒体管理装置100において入金取引を行う場合における媒体管理装置100で実行される処理である。
また、「取引IDを払い出す」とは、所定の採番ルールに基づいて取引IDを生成することであってもよいし、ランダムな値(且つユニークな値)としてに取引IDを生成することであってもよいし、予め生成しておいた複数の識別値の中から一の識別値を選択して当該一の識別値を取引IDに割り当てることであってもよい。ここで、「所定の採番ルールに基づいて取引IDを生成する」とは、例えば、前回払い出した取引IDに対して所定値を加算することで新たな取引IDを生成することあってもよい。また、「識別値」とは、1または複数の数字から構成される数値であってもよいし、数字以外の文字若しくは記号から構成されるものであってもよいし、または、数字と数字以外の文字若しくは記号が混在するものであってもよい。
【0054】
図4に例示するように、入金処理において、貨幣管理部83が取引IDを払い出した場合、貨幣管理部83は、貨幣管理情報DKを更新する(S107)。
【0055】
図6は、貨幣管理情報DKのデータ構成の一例を示す図である。
【0056】
図6に例示するように、貨幣管理情報DKは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種(例えば、一万円券、五千円券、二千円券、千円券、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨)と1対1に対応する複数のレコードを有する。貨幣管理情報DKの各レコードは、金種IDと、金種別管理情報DKKと、を有する。
【0057】
ここで、金種IDとは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種の中から、各金種を一意に識別するための識別情報である。
【0058】
また、金種別管理情報DKKとは、例えば、金種名称情報と、金種別数量情報DKK1と、金種別在高情報DKK2と、を含む情報である。
このうち、金種名称情報とは、金種IDに対応する金種の名称を示す情報である。また、金種別数量情報DKK1とは、貨幣処理装置1内に保管されている貨幣の数量のうち、金種IDに対応する貨幣の数量を示す情報である。また、金種別在高情報DKK2とは、貨幣処理装置1内に保管されている貨幣の金額の合計値のうち、金種IDに対応する貨幣の金額の合計値を示す情報である。
【0059】
図4に例示するように、入金処理において、貨幣管理部83が取引IDを払い出した場合、貨幣管理部83は、取引管理情報DTを更新し(S109)、入金処理を終了させる。
【0060】
図7は、取引管理情報DTのデータ構成の一例を示す図である。
【0061】
図7に例示するように、取引管理情報DTは、媒体管理装置100における全ての取引と1対1に対応する1または複数のレコードを有する。取引管理情報DTの各レコードは、上述した取引IDと、個別取引情報DTTと、を有する。
【0062】
ここで、個別取引情報DTTとは、取引種別情報DTSと、取引概要情報DTGと、取引金額情報DTCと、取引金種情報DTKと、を含む情報である。
【0063】
このうち、取引種別情報DTSとは、取引IDに対応する取引種別IDを示す情報である。ここで、取引種別IDとは、貨幣処理装置1において可能な全ての種類の取り引きの中から、各種類の取り引きを一意に識別するための識別情報である。
【0064】
また、取引概要情報DTGとは、取引IDに対応する取引の概要を示す情報であって、取引日付情報DTG1と、取引時刻情報DTG2と、取引オペレータ情報DTG3と、を含む情報である。
【0065】
このうち、取引日付情報DTG1とは、取引IDに対応する取引が実行された日付を示す情報である。また、取引時刻情報DTG2とは、取引IDに対応する取引が実行された時刻を示す情報である。また、取引オペレータ情報DTG3とは、取引IDに対応する取引を行った媒体管理装置100のオペレータに対応するオペレータIDを示す情報である。ここで、オペレータIDとは、媒体管理装置100の全てのオペレータの中から各オペレータを一意に識別するための識別情報である。
【0066】
また、取引金額情報DTCとは、取引IDに対応する取引において入出金された貨幣の金額を示す情報である。
【0067】
また、取引金種情報DTKとは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種に対応する複数の金種IDと、取引IDに係る取引において入出金された貨幣のうち、各金種IDに対応する金種に係る貨幣の数量を示す金種数量情報と、を含む情報である。
【0068】
貨幣管理部83は、ステップS109において、実行している入金処理に応じた取引種別情報DTS及び取引概要情報DTGを生成する。また、貨幣管理部83は、ステップS109において、ステップS103で受け付けた入金内容入力画面G1からの入力内容に基づいて、取引金種情報DTK及び取引金額情報DTCを生成する。また、貨幣管理部83は、ステップS109において、取引管理情報DTに新たなレコードを追加する。そして、貨幣管理部83は、ステップS109において、当該追加したレコードに対して、ステップS105で払い出した取引IDを記憶させ、また、生成した取引種別情報DTS、取引概要情報DTG、取引金額情報DTC、及び、取引金種情報DTKを記憶させる。
なお、本実施形態において、表示制御部85は、入金内容入力画面G1の不足額表示領域A15において、ステップS103において受け付けた入金内容に応じた入金額と、貨幣処理装置1に対して紙幣入金口21または硬貨入金口31から入金された貨幣の合計額との差分(不足額)を表示してもよい。
【0069】
<A.3.ポスト投函処理について>
以下、
図8乃至
図13を参照しつつ、ポスト投函処理の概要について説明する。
【0070】
上述のとおり、ポスト投函処理とは、受付不能媒体VFを損券収納ポスト4に投函する処理である。本実施形態では、入金処理において貨幣処理装置1への入金の対象となる媒体に受付不能媒体VFが混入している際に、当該受付不能媒体VFの貨幣処理装置1への入金を中断し、そして、当該受付不能媒体VFを損券収納ポスト4に投函するポスト投函処理が実行される。
なお、本実施形態では、入金処理の終了後(または中断後)に入金処理とは別途にポスト投函処理が実行される態様を一例として想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。入金処理の実行中であって、貨幣処理装置1への入金の対象となる媒体に受付不能媒体VFが混入していることが特定された場合において、入金処理の実行中に、ポスト投函処理が実行されてもよい。例えば、ポスト投函処理は、入金処理のサブタスクとして実行されてもよい。この場合、メニュー画面G0は、ポスト投函処理選択ボタンAR2を備えないものであってもよい。
【0071】
図8は、媒体管理装置100がポスト投函処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0においてポスト投函処理選択ボタンAR2が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図8に示すポスト投函処理を開始する。
【0072】
図8に例示するように、ポスト投函処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、ポスト投函内容入力画面G2を表示させる(S201)。
【0073】
図9は、ポスト投函内容入力画面G2の一例を示す説明図である。ここで、ポスト投函内容入力画面G2とは、ポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函される受付不能媒体VFに関連する情報を入力するための画面である。
【0074】
図9に例示するように、ポスト投函内容入力画面G2は、取引情報入力領域A21と、投函内容入力領域A22と、完了ボタンB2と、を有する。
【0075】
このうち、取引情報入力領域A21には、受付不能媒体VFが発生した入金処理に対応する取引IDを入力するための入力ボックスA210が設けられる。
【0076】
また、投函内容入力領域A22は、損券収納ポスト4に投函する損傷現金の数量を入力するための損傷現金数入力領域A23と、損券収納ポスト4に投函する記念貨の数量を入力するための記念貨数入力領域A24と、損券収納ポスト4に投函する有価証券の数量及び金額を入力するための有価証券情報入力領域A25と、を有する。
損傷現金数入力領域A23には、入力ボックスA231及びA232に例示されるように、複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。なお、損傷現金数入力領域A23には、損傷現金の数量を入力するための入力ボックスと、損傷現金の金額を入力するための入力ボックスと、が設けられてもよい。
記念貨数入力領域A24には、入力ボックスA241及びA242に例示されるように、複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。なお、記念貨数入力領域A24には、記念貨の数量を入力するための入力ボックスと、記念貨の金額を入力するための入力ボックスと、が設けられてもよい。
有価証券情報入力領域A25には、入力ボックスA251及びA252に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の数量入力ボックスが設けられる。ここで、数量入力ボックスとは、各種類の有価証券の数量を入力するための入力ボックスである。また、有価証券情報入力領域A25には、入力ボックスA261及びA262に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の金額入力ボックスが設けられる。ここで、金額入力ボックスとは、各種類の有価証券の金額を入力するための入力ボックスである。
【0077】
また、完了ボタンB2は、ポスト投函内容入力画面G2において入力された内容を確定させるためのボタンである。媒体管理装置100のオペレータは、取引情報入力領域A21及び投函内容入力領域A22に各種情報を入力したうえで、完了ボタンB2を押下することで、ポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函される受付不能媒体VFに関連する情報を入力することができる。
【0078】
図8に例示するように、ポスト投函処理において、ポスト投函内容入力画面G2の完了ボタンB2が押下された場合、入力受付部86は、媒体管理装置100のオペレータがポスト投函内容入力画面G2から入力した内容を受け付けて、当該入力内容を記憶装置9に記憶させる(S203)。
【0079】
図8に例示するように、ポスト投函処理において、入力受付部86がポスト投函内容入力画面G2からの入力内容を受け付けた場合、ポスト制御部84は、ポスト投函IDを払い出す(S205)。ここで、ポスト投函IDとは、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から、各ポスト投函処理を一意に識別するための識別情報である。なお、本実施形態では、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から、各ポスト投函処理を一意に識別するための識別情報として、ポスト投函IDを利用する態様を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から、各ポスト投函処理を一意に識別するための識別情報として、ポスト投函IDの代わりに取引IDを利用してもよい。なお、取引IDとは、上述のとおり、入金処理のステップS105において払い出される識別情報である。
【0080】
図8に例示するように、ポスト投函処理において、ポスト制御部84がポスト投函IDを払い出した場合、ポスト制御部84は、ポスト投函情報DPを更新する(S207)。
【0081】
図10及び
図11は、ポスト投函情報DPのデータ構成の一例を示す図である。
【0082】
図10及び
図11に例示するように、ポスト投函情報DPは、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理と1対1に対応する1または複数のレコードを有する。ポスト投函情報DPの各レコードは、ポスト投函IDと、個別投函情報DPPと、を有する。
【0083】
ここで、個別投函情報DPPとは、ポスト投函概要情報DPGと、関連取引情報DPTと、ポスト収納ステータス情報DPAと、ポスト投函媒体情報DPBと、を含む情報である。
【0084】
ここで、ポスト投函概要情報DPGとは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理の概要を示す情報であって、投函日付情報DPG1、投函時刻情報DPG2、及び、投函オペレータ情報DPG3、を含む情報である。
【0085】
このうち、投函日付情報DPG1とは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理が実行された日付を示す情報である。また、投函時刻情報DPG2とは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理が実行された時刻(厳密には、ポスト投函処理に対応するポスト投函IDが払い出された時刻)を示す情報である。また、投函オペレータ情報DPG3とは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理を実行した媒体管理装置100のオペレータに対応するオペレータIDを示す情報である。
【0086】
また、関連取引情報DPTとは、ポスト投函IDに関連する取引IDを示す情報である。ここで、ポスト投函IDに関連する取引IDとは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理と関連する入金処理を識別するための取引IDを示す情報である。具体的には、ポスト投函IDに関連する取引IDとは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函される受付不能媒体VFが発生した入金処理を識別するための取引IDを示す情報である。
【0087】
また、ポスト収納ステータス情報DPAとは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFの状態を示す情報である。具体的には、本実施形態において、ポスト収納ステータス情報DPAは、ポスト投函IDに対応する受付不能媒体VFが損券収納ポスト4に収納されている状態である場合には「1」を示し、ポスト投函IDに対応する受付不能媒体VFが損券収納ポスト4から回収された場合には「2」を示す。本実施形態では、便宜上、ポスト投函IDが払い出された時点で、ポスト収納ステータス情報DPAが「1:収納中」に設定されることとする。
【0088】
また、ポスト投函媒体情報DPBとは、ポスト投函IDに対応するポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFの内容を示す情報であって、ポスト投函損券情報DPB1と、ポスト投函記念貨情報DPB2と、ポスト投函証券情報DPB3と、を含む情報である。
【0089】
このうち、ポスト投函損券情報DPB1は、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の損券IDと、当該複数の損券IDと1対1に対応する複数の損券数量情報と、を含む情報である。ここで、損券IDとは、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の損傷現金の中から、各種類の損傷現金を一意に識別するための識別情報である。また、損券数量情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFのうち、損券IDに対応する損傷現金の数量を示す情報である。
【0090】
また、ポスト投函記念貨情報DPB2は、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の記念貨IDと、当該複数の記念貨IDと1対1に対応する複数の記念貨数量情報と、を含む情報である。ここで、記念貨IDとは、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の記念貨の中から、各種類の記念貨を一意に識別するための識別情報である。また、記念貨数量情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFのうち、記念貨IDに対応する記念貨の数量を示す情報である。
【0091】
また、ポスト投函証券情報DPB3は、手形数量情報と、小切手数量情報と、手形金額情報(図示省略)と、小切手金額情報(図示省略)と、を含む情報である。ここで、手形数量情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFのうち、手形の数量を示す情報である。また、小切手数量情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された受付不能媒体VFのうち、小切手の数量を示す情報である。また、手形金額情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された手形の金額を示す情報である。また、小切手金額情報とは、ポスト投函IDに係るポスト投函処理において損券収納ポスト4に投函された小切手の金額を示す情報である。
【0092】
本実施形態において、ポスト制御部84は、ステップS207において、ポスト投函処理の実行に応じたポスト投函概要情報DPGを生成する。また、ポスト制御部84は、ステップS207において、ステップS203で受け付けたポスト投函内容入力画面G2からの入力内容に基づいて、関連取引情報DPTとポスト投函媒体情報DPBを生成する。また、ポスト制御部84は、ステップS207において、「1:収納中」を示すポスト収納ステータス情報DPAを生成する。また、ポスト制御部84は、ステップS207において、ポスト投函情報DPに新たなレコードを追加する。そして、ポスト制御部84は、ステップS207において、当該追加したレコードに対して、ステップS205で払い出したポスト投函IDを記憶させ、また、生成したポスト投函概要情報DPG、関連取引情報DPT、ポスト収納ステータス情報DPA、及び、ポスト投函媒体情報DPBを記憶させる。
【0093】
図8に例示するように、ポスト投函処理において、ポスト制御部84がポスト投函情報DPを更新した場合、ポスト制御部84は、ポスト投函情報DPに基づいて、ポスト投函明細PPを印刷するための明細印刷情報を生成する(S209)。
そして、印刷制御部88は、ステップS209においてポスト制御部84が生成した明細印刷情報に基づいて、印刷装置63にポスト投函明細PPを印刷させる(S211)。
【0094】
図12は、ポスト投函明細PPを説明するための説明図である。
【0095】
図12に例示するように、ポスト投函明細PPは、投函概要表示領域AP1と、投函内容表示領域AP2と、投函時刻表示領域AP6と、二次元コードCD-Pと、を有する。
【0096】
このうち、投函概要表示領域AP1は、ポスト投函処理に対応するポスト投函IDが表示される表示領域AP11と、ポスト投函処理に対応する取引IDが表示される表示領域AP12と、ポスト投函処理に対応するオペレータIDが表示される表示領域AP13と、を有する。
また、投函時刻表示領域AP6には、ポスト投函処理に対応する投函日付情報DPG1の示す日付と、ポスト投函処理に対応する投函時刻情報DPG2の示す時刻と、が表示される。
【0097】
また、投函内容表示領域AP2は、損券収納ポスト4に投函する損傷現金の数量が表示される損傷現金数表示領域AP3と、損券収納ポスト4に投函する記念貨の数量が表示される記念貨数表示領域AP4と、損券収納ポスト4に投函する有価証券の数量及び金額が表示される有価証券情報表示領域AP5と、を有する。
損傷現金数表示領域AP3には、表示領域AP31及びAP32に例示されるように、複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の表示領域が設けられる。損傷現金数表示領域AP3の各表示領域には損傷現金の数量が表示される。但し、損傷現金数表示領域AP3の各表示領域には損傷現金の金額が表示されてもよい。また、損傷現金数表示領域AP3において、数量が「0」である損傷現金については表示を省略してもよい。
記念貨数表示領域AP4には、表示領域AP41及びAP42に例示されるように、複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の表示領域が設けられる。記念貨数表示領域AP4の各表示領域には記念貨の数量が表示される。但し、記念貨数表示領域AP4の各表示領域には記念貨の金額が表示されてもよい。また、記念貨数表示領域AP4において、数量が「0」である記念貨については表示を省略してもよい。
有価証券情報表示領域AP5には、表示領域AP51及びAP52に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の有価証券数量表示領域が設けられる。ここで、有価証券数量表示領域とは、各種類の有価証券の数量を表示するための表示領域である。また、有価証券情報表示領域AP5には、表示領域AP53及びAP54に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の有価証券金額表示領域が設けられる。ここで、有価証券金額表示領域とは、各種類の有価証券の金額を表示するための表示領域である。なお、有価証券情報表示領域AP5において、数量が「0」である有価証券については表示を省略してもよい。
【0098】
また、二次元コードCD-Pは、例えば、ポスト投函処理に関連する情報を表すためのコードである。本実施形態において、二次元コードCD-Pは、投函概要表示領域AP1に表示される情報と、投函内容表示領域AP2に表示される情報とを表す。但し、二次元コードCD-Pは、投函時刻表示領域AP6に表示される情報を含んでもよい。
【0099】
なお、
図12に例示するポスト投函明細PPは一例であり、ポスト投函明細PPには、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から各ポスト投函処理を識別することを可能とする情報が表示されていればよい。
【0100】
また、二次元コードCD-Pは、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から各ポスト投函処理を識別することを可能とする情報を表すコードであればよい。例えば、二次元コードCD-Pは、ポスト投函処理に対応するポスト投函IDを表すコードであってもよいし、ポスト投函情報DPのうち、ポスト投函処理に対応するポスト投函概要情報DPGを表すコードであってもよいし、ポスト投函情報DPのうち、ポスト投函処理に対応する関連取引情報DPT(つまり、ポスト投函IDに関連する取引ID)を表すコードであってもよい。
【0101】
また、本実施形態では、一例として、ポスト投函明細PPに対して二次元コードCD-Pが印刷される場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。ポスト投函明細PPには、二次元コードCD-Pの代わりに、例えば、損券収納ポスト4に対して行われた全てのポスト投函処理の中から各ポスト投函処理を識別することを可能とする情報を表す一次元コードが印刷されていてもよい。また、ポスト投函明細PPには、二次元コードCD-P及び一次元コードのいずれも印刷されず、媒体管理装置100のオペレータが認識するための文字または図形のみが印刷される書類であってもよい。
【0102】
図8に例示するように、ポスト投函処理において、印刷制御部88がポスト投函明細PPを印刷した場合、表示制御部85は、表示装置61に対して、ポスト投函明細PPを受付不能媒体VFと共に投函袋FZに封入したうえで、当該投函袋FZを損券収納ポスト4に投函する旨を案内する画面を表示させて(S213)、ポスト投函処理を終了させる。
【0103】
図13は、投函袋FZを説明するための説明図である。
【0104】
図13に例示するように、投函袋FZは、透明な材料より形成され、受付不能媒体VF及びポスト投函明細PPを封入するための袋FFと、袋FFに設けられた開口FKを閉塞するためのファスナZPと、を備える。
媒体管理装置100のオペレータは、表示装置61に表示された案内を参照しつつ、受付不能媒体VF及びポスト投函明細PPを袋FFの内部に入れたうえで、袋FFに設けられたファスナZPにより袋FFの開口FKを閉塞することで、受付不能媒体VF及びポスト投函明細PPを投函袋FZに封入する。そして、媒体管理装置100のオペレータは、受付不能媒体VF及びポスト投函明細PPが封入された投函袋FZを、損券収納ポスト4に投函する。
【0105】
<A.4.ポスト回収処理について>
以下、
図14乃至
図16を参照しつつ、ポスト回収処理の概要について説明する。
【0106】
図14は、媒体管理装置100がポスト回収処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0においてポスト回収処理選択ボタンAR3が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図14に示すポスト回収処理を開始する。
【0107】
なお、本実施形態では、ポスト回収処理が、締上処理の中で実行される場合を想定する。ここで、締上処理(「管理処理」の一例)とは、媒体管理装置100において管理されている貨幣の集計を行うために、周期的に実行される処理である。本実施形態では、一例として、締上処理が、土日祝日を除く平日等の営業日において、日次の周期で繰り返し実行される場合を想定する。
【0108】
図14に例示するように、ポスト回収処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、ポスト回収確認画面G3を表示させる(S301)。
【0109】
図15は、ポスト回収確認画面G3の一例を示す説明図である。ここで、ポスト回収確認画面G3とは、ポスト回収処理が実行される際に、損券収納ポスト4に収納されている投函袋FZの個数を表示するための画面である。
【0110】
図15に例示するように、ポスト回収確認画面G3は、収納状況表示領域A3と、回収指示ボタンB3と、を有する。
【0111】
このうち、収納状況表示領域A3は、損券収納ポスト4の媒体収納部に収納可能な投函袋FZの個数の最大値である、最大収納数を表示するための最大収納数表示領域A31と、損券収納ポスト4の媒体収納部に現時点で収納されている投函袋FZの個数である、現状収納数を表示するための現状収納数表示領域A32と、最大収納数から現状収納数を減算した値である、残存収納数を表示するための残存収納数表示領域A33と、現状収納数と残存収納数との関係を視覚的に表した収納状況表示画像AG3と、を有する。
具体的には、本実施形態において、収納状況表示画像AG3が、現状収納数に応じて面積が変動する現状収納状況表示画像AG32と、残存収納数に応じて面積が変動する残存収納状況表示画像AG33と、を含む場合を想定する。
なお、
図15に示すポスト回収確認画面G3は一例であり、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
具体的には、
図15では、ポスト回収確認画面G3が、収納状況表示領域A3において、最大収納数と、現状収納数と、残存収納数と、収納状況表示画像AG3と、を表示する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。収納状況表示領域A3には、少なくとも、損券収納ポスト4に投函袋FZが収納されているか否かを示す情報が表示されていればよい。例えば、収納状況表示領域A3には、収納状況表示画像AG3のみが表示され、最大収納数と、現状収納数と、残存収納数とは表示されなくてもよい。
また、
図15では、収納状況表示画像AG3において、現状収納状況表示画像AG32の面積が現状収納数に応じて変動し、残存収納状況表示画像AG33の面積が残存収納数に応じて変動する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、収納状況表示画像AG3において、現状収納状況表示画像AG32は、現状収納数によらず一定の面積を有し、残存収納状況表示画像AG33は、残存収納数によらず一定の面積を有していてもよい。
また、
図15では、収納状況表示画像AG3が、現状収納状況表示画像AG32と残存収納状況表示画像AG33とを有する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、収納状況表示画像AG3は、損券収納ポスト4に投函袋FZが収納されている場合と、損券収納ポスト4に投函袋FZが収納されていない場合とで、表示態様が異なる画像であってもよい。例えば、収納状況表示画像AG3は、損券収納ポスト4に投函袋FZが収納されている場合と、損券収納ポスト4に投函袋FZが収納されていない場合とで、異なる色となる画像であってもよい。更に、収納状況表示画像AG3は、損券収納ポスト4に収納された投函袋FZの数量に応じて定められる色を有する画像であってもよい。例えば、収納状況表示画像AG3は、現状収納数及び残存収納数の一方または両方に基づいて、現状収納数が「0」であること(残留無し)を示す色と、現状収納数が「0」よりも大きく且つ残存収納数が「0」よりも大きいこと(残留あり)を示す色と、残存収納数が「0」であること(フル)を示す色と、の3色の色のうち、何れかの色となる画像であってもよい。
【0112】
また、回収指示ボタンB3は、媒体収納部に収納された投函袋FZを媒体取出口42から取り出して投函袋FZを回収するために、取出制限機構421による受付不能媒体VFの取り出しの制限の解除を指示するためのボタンである。
【0113】
図14に例示するように、ポスト回収処理において、ポスト回収確認画面G3の回収指示ボタンB3が押下されると、入力受付部86は、媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しの制限の解除の指示を受け付けて、当該指示内容を記憶装置9に記憶させる(S303)。
【0114】
図14に例示するように、ポスト回収処理において、入力受付部86がポスト回収確認画面G3からの指示内容を受け付けた場合、ポスト制御部84は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJを更新する(S305)。
そして、ポスト制御部84は、更新された投函制限状態情報DJに基づいて、取出制限機構421による媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しの制限が解除されるように、取出制限機構421を制御する(S307)。
【0115】
図16は、媒体投函制限情報DLのデータ構成の一例を示す図である。ここで、媒体投函制限情報DLとは、媒体管理装置100の動作を規定する情報である。制御装置7は、媒体投函制限情報DLに従って、損券収納ポスト4の取出制限機構421と、損券管理装置5の投函制限機構511及び取出制限機構521と、を制御する。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、制御装置7が記憶装置9に記憶された媒体投函制限情報DLに従って動作する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、制御装置7は、例えば、媒体投函制限情報DLに準拠した内容で媒体管理装置100を動作させる制御プログラムPGに従って動作してもよい。
【0116】
図16に例示するように、媒体投函制限情報DLは、媒体管理装置100が取り得る複数の投函制限状態と1対1に対応する複数のレコードを有する。媒体投函制限情報DLの各レコードは、状態IDと個別状態情報DLLとを有する。
【0117】
ここで、状態IDとは、媒体管理装置100が取り得る全ての投函制限状態の中から、各投函制限状態を一意に識別するための識別情報である。なお、本実施形態では、一例として、媒体管理装置100が、投函制限状態J1~J5の5つの投函制限状態のうち何れかの投函制限状態をとる場合を想定する。
【0118】
また、個別状態情報DLLとは、例えば、媒体取出口状態情報DL1と、損券投函口状態情報DL2と、損券取出口状態情報DL3と、遷移可能状態情報DLTと、を含む情報である。
【0119】
このうち、媒体取出口状態情報DL1とは、媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しが取出制限機構421により制限されているか否かを示す情報である。また、損券投函口状態情報DL2とは、損券投函口51への特定媒体VTの投函が投函制限機構511により制限されているか否かを示す情報である。また、損券取出口状態情報DL3とは、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しが取出制限機構521により制限されているか否かを示す情報である。また、遷移可能状態情報DLTとは、媒体管理装置100が各投函制限状態である場合に、当該投函制限状態から状態遷移可能な他の投函制限状態を示す情報である。
【0120】
なお、以下では、媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しが制限されている状態、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しが制限されている状態、及び、損券投函口51への特定媒体VTの投函が制限されている状態を、「制限状態」と総称する。また、以下では、媒体取出口42からの受付不能媒体VFの取り出しが許可されている状態、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しが許可されている状態、及び、損券投函口51への特定媒体VTの投函が許可されている状態を、「開放状態」と総称する。
【0121】
図16に例示するように、媒体管理装置100が投函制限状態J1である場合、媒体取出口状態情報DL1が示すように、媒体取出口42は制限状態となり、損券投函口状態情報DL2が示すように、損券投函口51は制限状態となり、損券取出口状態情報DL3が示すように、損券取出口52は制限状態となる。また、媒体管理装置100が投函制限状態J1である場合、制御装置7は、媒体管理装置100の投函制限状態を、投函制限状態J2または投函制限状態J5に遷移させることができる。
また、媒体管理装置100が投函制限状態J2である場合、媒体取出口状態情報DL1が示すように、媒体取出口42は開放状態となり、損券投函口状態情報DL2が示すように、損券投函口51は制限状態となり、損券取出口状態情報DL3が示すように、損券取出口52は制限状態となる。また、媒体管理装置100が投函制限状態J2である場合、制御装置7は、媒体管理装置100の投函制限状態を、投函制限状態J3に遷移させることができる。
また、媒体管理装置100が投函制限状態J3である場合、媒体取出口状態情報DL1が示すように、媒体取出口42は制限状態となり、損券投函口状態情報DL2が示すように、損券投函口51は制限状態となり、損券取出口状態情報DL3が示すように、損券取出口52は制限状態となる。また、媒体管理装置100が投函制限状態J3である場合、制御装置7は、媒体管理装置100の投函制限状態を、投函制限状態J4に遷移させることができる。
また、媒体管理装置100が投函制限状態J4である場合、媒体取出口状態情報DL1が示すように、媒体取出口42は制限状態となり、損券投函口状態情報DL2が示すように、損券投函口51は開放状態となり、損券取出口状態情報DL3が示すように、損券取出口52は制限状態となる。また、媒体管理装置100が投函制限状態J4である場合、制御装置7は、媒体管理装置100の投函制限状態を、投函制限状態J1に遷移させることができる。
また、媒体管理装置100が投函制限状態J5である場合、媒体取出口状態情報DL1が示すように、媒体取出口42は制限状態となり、損券投函口状態情報DL2が示すように、損券投函口51は制限状態となり、損券取出口状態情報DL3が示すように、損券取出口52は開放状態となる。また、媒体管理装置100が投函制限状態J5である場合、制御装置7は、媒体管理装置100の投函制限状態を、投函制限状態J1に遷移させることができる。
【0122】
また、投函制限状態情報DJとは、媒体管理装置100の投函制限状態に対応した状態IDを示す情報である。
【0123】
本実施形態において、ポスト制御部84は、ステップS305において、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J1」から「投函制限状態J2」に変更する。
そして、ポスト制御部84は、ステップS307において、投函制限状態J2に対応する個別状態情報DLLに基づいて、媒体取出口42が開放状態となるように、取出制限機構421を制御する。
【0124】
図14に例示するように、ポスト回収処理において、ポスト制御部84が媒体取出口42を開放状態とした場合、ポスト制御部84は、損券収納ポスト4の媒体収納部から全ての投函袋FZが回収されたか否かを判定する(S309)。具体的には、ポスト制御部84は、ステップS309において、損券収納ポスト4に設けられたセンサであって、損券収納ポスト4の媒体収納部に投函袋FZが存在するか否かを検出するためのセンサから、検出結果を示す信号を取得する。そして、ポスト制御部84は、当該取得した信号に基づいて、損券収納ポスト4の媒体収納部から全ての投函袋FZが回収されたか否かを判定する。
ステップS309における判定の結果が肯定の場合、ポスト制御部84は処理をステップS311に進める。ステップS309における判定の結果が否定の場合、ポスト制御部84は処理をステップS309に戻すことで、投函袋FZの回収の完了を待機する。
【0125】
その後、ポスト制御部84は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J2」から「投函制限状態J3」に変更する(S311)。
次に、ポスト制御部84は、投函制限状態J3に対応する個別状態情報DLLに基づいて、媒体取出口42が制限状態となるように取出制限機構421を制御する(S313)。
【0126】
そして、ポスト制御部84は、ポスト投函情報DPのうち、ポスト回収処理において回収した投函袋FZに対応するレコードに記憶されているポスト収納ステータス情報DPAの示す値を、「1:収納中」から「2:回収済」に更新して(S315)、ポスト回収処理を終了させる。
【0127】
なお、本実施形態では、ポスト回収処理において、損券収納ポスト4からN個の投函袋FZが回収された場合を想定する。ここで、値Nは、N≧1を満たす自然数である。また、以下では、N個の投函袋FZのうち、n番目の投函袋FZを、投函袋FZ[n]と称する場合がある。ここで、変数nは、1≦n≦Nを満たす自然数である。
【0128】
<A.5.損券投函準備処理について>
以下、
図17乃至
図23を参照しつつ、損券投函準備処理の概要について説明する。
【0129】
ここで、損券投函準備処理とは、上述のとおり、損券管理装置5に対する特定媒体VTの投函を準備するための処理である。より具体的には、損券投函準備処理とは、損券収納ポスト4から回収した投函袋FZの中に有価証券が混入している場合に、投函袋FZから有価証券を取り除く処理である。本実施形態では、損券投函準備処理が締上処理の中で実行される場合を想定する。また、本実施形態では、損券投函準備処理が、損券投函処理の開始前に実行される場合を想定する。また、本実施形態では、損券投函準備処理が、ポスト回収処理の終了後に実行される場合を想定する。なお、本実施形態では、一例として、ポスト回収処理、損券投函準備処理、及び、損券投函処理が、締上処理の中で実行される態様を想定する。但し、ポスト回収処理、損券投函準備処理、及び、損券投函処理の一部または全部は、締上処理の終了後に実行されてもよい。
【0130】
本実施形態では、日次で実行される締上処理の中で、ポスト回収処理が実行され、損券収納ポスト4から受付不能媒体VFが封入された投函袋FZ[1]~FZ[N]が回収される。そして、本実施形態では、日次で実行される締上処理の中で、損券投函準備処理が実行され、投函袋FZ[n]の中に混入している有価証券が取り除かれる。そして、詳細は後述するが、本実施形態では、日次で実行される締上処理の中で、損券投函処理が実行され、特定媒体VTが封入された投函袋FZが損券管理装置5に投函される。なお、損券投函準備処理において、投函袋FZ[n]の中から取り除かれた有価証券に対しては、当該有価証券に必要な所定の処理が実行される。
【0131】
図17及び
図18は、媒体管理装置100が損券投函準備処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0において損券投函準備処理選択ボタンAR4が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図17及び
図18に示す損券投函準備処理を開始する。
【0132】
図17に例示するように、損券投函準備処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、ポスト回収一覧画面G4を表示させる(S401)。
【0133】
図19は、ポスト回収一覧画面G4の一例を示す説明図である。ここで、ポスト回収一覧画面G4とは、ポスト回収処理において損券収納ポスト4から回収されたN個の投函袋FZ[1]~FZ[N]の概要を一覧で表示する画面である。
【0134】
図19に例示するように、ポスト回収一覧画面G4は、ポスト回収処理において損券収納ポスト4から回収されたN個の投函袋FZ[1]~FZ[N]と1対1に対応する、N個の表示領域AZ[1]~AZ[N]を有する。表示領域AZ[n]は、投函袋通番表示領域AZ1[n]と、損券有無表示領域AZ2[n]と、証券有無表示領域AZ3[n]と、投函対象表示領域AZ4[n]と、準備状況表示領域AZ5[n]と、詳細表示ボタンBZ[n]と、を有する。
【0135】
このうち、投函袋通番表示領域AZ1[n]には、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]が、N個の投函袋FZ[1]~FZ[N]のうち何番目の投函袋FZであるかを示す通番である値「n」が表示される。
本実施形態において、値「n」は、例えば、ポスト制御部84が、ステップS315において、ポスト収納ステータス情報DPAの示す値が「1:収納中」から「2:回収済」に更新されるレコードに対応する投函袋FZに対して、「1」から順番に付与する番号である。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。値「n」の代わりに取引IDまたはポスト投函IDを使用してもよい。また、本実施形態では投函袋通番表示領域AZ1[n]に通番を表示する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。投函袋通番表示領域AZ1[n]に通番は表示されなくてもよい。
また、損券有無表示領域AZ2[n]には、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]に特定媒体VT(損傷現金または記念貨)が封入されているか否かを示す情報が表示される。証券有無表示領域AZ3[n]には、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]に有価証券が封入されているか否かを示す情報が表示される。投函対象表示領域AZ4[n]には、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]が損券管理装置5への投函対象であるか否かを示す情報が表示される。準備状況表示領域AZ5[n]には、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]に対する損券投函準備処理が完了したか否かを示す情報が表示される。詳細表示ボタンBZ[n]は、表示領域AZ[n]に対応する投函袋FZ[n]の封入内容の詳細を表すための封入内容修正画面G41に遷移するためのボタンである。封入内容修正画面G41についての詳細は
図20で後述する。
【0136】
図17に例示するように、損券投函準備処理において、表示制御部85がポスト回収一覧画面G4を表示させた場合、装置制御部80は、変数nに「1」を設定する(S403)。
そして、装置制御部80は、投函袋FZ[1]~FZ[N]の中から、損券投函準備処理の対象として、投函袋FZ[n]を選択する(S405)。なお、表示制御部85は、装置制御部80がステップS405において投函袋FZ[n]を選択した場合に、準備状況表示領域AZ5[n]に対して、損券投函準備処理が「処理中」である旨を表示する。
【0137】
そして、装置制御部80は、ポスト投函情報DPに基づいて、投函袋FZ[n]の中に特定媒体VTが封入されているか否かを判定する(S407)。ステップS407における判定の結果が肯定の場合、装置制御部80は処理をステップS409に進める。ステップS407における判定の結果が否定の場合、装置制御部80は処理をステップS437に進める。なお、図示は省略するが、ステップS407における判定の結果が否定の場合、表示制御部85は、表示装置61に対して、投函袋FZ[n]を損券管理装置5への投函対象から除外する旨を案内する画面を表示させる。
【0138】
次に、装置制御部80は、ポスト投函情報DPに基づいて、投函袋FZ[n]の中に有価証券が封入されているか否かを判定する(S409)。ステップS409における判定の結果が肯定の場合、装置制御部80は処理をステップS411に進める。ステップS409における判定の結果が否定の場合、装置制御部80は処理をステップS421に進める。
【0139】
図17に例示するように、損券投函準備処理において、装置制御部80が投函袋FZ[n]の中に有価証券が封入されている旨の判定をした場合、表示制御部85は、表示装置61に対して、投函袋FZ[n]から有価証券を除外する旨を案内する画面を表示する(S411)。
そして、表示制御部85は、表示装置61に対して、封入内容修正画面G41を表示させる(S413)。
【0140】
図20は、封入内容修正画面G41の一例を示す説明図である。ここで、封入内容修正画面G41とは、損券収納ポスト4から回収された投函袋FZ[n]を損券管理装置5に投函する前に、投函袋FZ[n]に封入された受付不能媒体VFの内容を変更する場合に、当該変更後の内容を入力するための画面である。具体的には、封入内容修正画面G41は、損券収納ポスト4から回収された投函袋FZ[n]を損券管理装置5に投函する前に、投函袋FZ[n]から有価証券を抜き取ることにより、投函袋FZ[n]に封入された受付不能媒体VFの内容が変更される場合に、当該変更後の内容を入力するための画面である。
【0141】
図20に例示するように、封入内容修正画面G41は、取引情報表示領域A41と、投函内容入力領域A42と、完了ボタンB41と、を有する。
【0142】
このうち、取引情報表示領域A41には、投函袋FZ[n]に対応する取引IDが表示される。
【0143】
また、投函内容入力領域A42は、損券管理装置5に投函する損傷現金の数量を入力するための損傷現金数入力領域A43と、損券管理装置5に投函する記念貨の数量を入力するための記念貨数入力領域A44と、損券管理装置5に投函する有価証券の数量を入力するための有価証券情報入力領域A45と、を有する。
損傷現金数入力領域A43には、入力ボックスA431及びA432に例示されるように、複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。なお、損傷現金数入力領域A43には、損傷現金の数量を入力するための入力ボックスと、損傷現金の金額を入力するための入力ボックスと、が設けられてもよい。
記念貨数入力領域A44には、入力ボックスA441及びA442に例示されるように、複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。なお、記念貨数入力領域A44には、記念貨の数量を入力するための入力ボックスと、記念貨の金額を入力するための入力ボックスと、が設けられてもよい。
有価証券情報入力領域A45には、入力ボックスA451及びA452に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の数量入力ボックスが設けられる。また、有価証券情報入力領域A45には、入力ボックスA461及びA462に例示されるように、複数種類の有価証券と1対1に対応する複数の金額入力ボックスが設けられる。
【0144】
上述のとおり、有価証券に対しては締上処理の後に所定の処理が実行される。このため、有価証券を損券管理装置5に投函することはできない。そこで、本実施形態では、損券投函準備処理において、有価証券が投函袋FZ[n]から除外される。すなわち、本実施形態において、有価証券情報入力領域A45に設けられた複数の数量入力ボックスにはいずれも「0」が入力される。また、本実施形態において、媒体管理装置100は、有価証券情報入力領域A45に設けられた各数量入力ボックスに「0」以外の値が入力された場合には、入力内容が不正である旨を報知してもよい。
なお、本実施形態では、封入内容修正画面G41に有価証券情報入力領域A45が設けられる態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。封入内容修正画面G41は有価証券情報入力領域A45を備えない画面であってもよい。
【0145】
また、完了ボタンB41は、封入内容修正画面G41において入力された内容を確定させるためのボタンである。媒体管理装置100のオペレータは、投函内容入力領域A42に各種情報を入力したうえで、完了ボタンB41を押下することで、損券管理装置5に投函される投函袋FZ[n]に封入された受付不能媒体VFに関連する情報を入力することができる。
なお、表示制御部85は、投函内容入力領域A42の各入力ボックスにポスト投函情報DPに基づく値を入力した状態で、封入内容修正画面G41を表示させてもよい。この場合、媒体管理装置100のオペレータは、投函内容入力領域A42の各入力ボックスに予め表示された値を修正したうえで、決定ボタンB41を押下すればよい。
【0146】
図17に例示するように、損券投函準備処理において、封入内容修正画面G41の完了ボタンB41が押下された場合、入力受付部86は、媒体管理装置100のオペレータが封入内容修正画面G41から入力した内容を受け付けて、当該入力内容を記憶装置9に記憶させる(S415)。
【0147】
図17に例示するように、損券投函準備処理において、入力受付部86が封入内容修正画面G41からの入力内容を受け付けた場合、装置制御部80は、損券投函IDを払い出す(S417)。ここで、損券投函IDとは、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から、各投函袋FZを一意に識別するための識別情報である。なお、本実施形態では、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から、各投函袋FZを一意に識別するための識別情報として損券投函IDを利用する態様を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から、各投函袋FZを一意に識別するための識別情報として、損券投函IDの代わりにポスト投函IDまたは取引IDを利用してもよい。
【0148】
図17に例示するように、損券投函準備処理において、装置制御部80が損券投函IDを払い出した場合、装置制御部80は、損券投函情報DSを更新して(S419)、処理をステップS431に進める。
【0149】
図21及び
図22は、損券投函情報DSのデータ構成の一例を示す図である。
【0150】
図21及び
図22に例示するように、損券投函情報DSは、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZと1対1に対応する1または複数のレコードを有する。損券投函情報DSの各レコードは、損券投函IDと、個別損券投函情報DSSと、を有する。
【0151】
ここで、個別損券投函情報DSSとは、損券投函概要情報DSGと、関連取引情報DSTと、関連投函情報DSPと、損券収納ステータス情報DSAと、装置投函媒体情報DSBと、を含む情報である。
【0152】
ここで、損券投函概要情報DSGとは、損券投函IDに対応する投函袋FZの損券管理装置5への投函の概要を示す情報であって、投函日付情報DSG1、投函時刻情報DSG2、及び、投函オペレータ情報DSG3、を含む情報である。
【0153】
このうち、投函日付情報DSG1とは、損券管理装置5に投函袋FZが投函された日付を示す情報である。また、投函時刻情報DSG2とは、損券管理装置5に投函袋FZが投函された時刻を示す情報である。また、投函オペレータ情報DSG3とは、損券管理装置5に投函袋FZを投函した媒体管理装置100のオペレータに対応するオペレータIDを示す情報である。
【0154】
また、関連取引情報DSTとは、損券投函IDに関連する取引IDを示す情報である。ここで、損券投函IDに関連する取引IDとは、損券投函IDに対応する投函袋FZに封入された受付不能媒体VFが発生した入金処理を識別するための取引IDを示す情報である。
【0155】
また、関連投函情報DSPとは、損券投函IDに関連するポスト投函IDを示す情報である。ここで、損券投函IDに関連するポスト投函IDとは、損券投函IDに対応する投函袋FZが損券収納ポスト4に投函されたポスト投函処理を識別するためのポスト投函IDを示す情報である。
【0156】
また、損券収納ステータス情報DSAとは、損券投函IDに対応する投函袋FZの損券管理装置5への投函に関する状態を示す情報である。具体的には、本実施形態において、損券投函IDに対応する投函袋FZが損券管理装置5に収納される前の状態である場合には「0」を示し、損券投函IDに対応する投函袋FZが損券管理装置5に収納されている状態である場合には「1」を示し、損券投函IDに対応する投函袋FZが損券管理装置5から回収された状態である場合には「2」を示す。
【0157】
また、装置投函媒体情報DSBとは、損券投函IDに対応する投函袋FZに収納されて損券管理装置5に投函された特定媒体VTの内容を示す情報であって、装置投函損券情報DSB1と、装置投函記念貨情報DSB2と、を含む情報である。
【0158】
このうち、装置投函損券情報DSB1は、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の損券IDと、当該複数の損券IDと1対1に対応する複数の損券数量情報と、を含む情報である。ここで、装置投函損券情報DSB1に含まれる損券数量情報とは、損券投函IDに対応する投函袋FZに収納されて損券管理装置5に投函された特定媒体VTのうち、損券IDに対応する損傷現金の数量を示す情報である。
また、装置投函記念貨情報DSB2は、媒体管理装置100における取り扱いを想定する複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の記念貨IDと、当該複数の記念貨IDと1対1に対応する複数の記念貨数量情報と、を含む情報である。ここで、装置投函記念貨情報DSB2に含まれる記念貨数量情報とは、損券投函IDに対応する投函袋FZに収納されて損券管理装置5に投函された特定媒体VTのうち、記念貨IDに対応する記念貨の数量を示す情報である。
【0159】
本実施形態において、装置制御部80は、ステップS419において、現在時刻を示す投函日付情報DSG1及び投函時刻情報DSG2と、損券投函準備処理に応じたオペレータIDを示す投函オペレータ情報DSG3と、を含む損券投函概要情報DSGを生成する。また、装置制御部80は、ステップS419において、ステップS415で受け付けた封入内容修正画面G41からの入力内容と、ポスト投函情報DPとに基づいて、関連取引情報DSTと関連投函情報DSPと装置投函媒体情報DSBとを生成する。また、装置制御部80は、ステップS419において、「0:収納前」を示す損券収納ステータス情報DSAを生成する。また、装置制御部80は、ステップS419において、損券投函情報DSに新たなレコードを追加する。そして、装置制御部80は、ステップS419において、当該追加したレコードに対して、ステップS417で払い出した損券投函IDを記憶させ、また、生成した損券投函概要情報DSG、関連取引情報DST、関連投函情報DSP、損券収納ステータス情報DSA、及び、装置投函媒体情報DSBを記憶させる。
【0160】
図18に例示するように、損券投函準備処理において、装置制御部80が損券投函情報DSを更新した場合、装置制御部80は、損券投函情報DSに基づいて、損券投函明細PSを印刷するための明細印刷情報を生成する(S431)。
そして、印刷制御部88は、ステップS431において装置制御部80が生成した明細印刷情報に基づいて、印刷装置63に損券投函明細PSを印刷させる(S433)。
【0161】
図23は、損券投函明細PSを説明するための説明図である。
【0162】
図23に例示するように、損券投函明細PSは、投函概要表示領域AS1と、投函内容表示領域AS2と、投函時刻表示領域AS6と、二次元コードCD-Sと、を有する。
【0163】
このうち、投函概要表示領域AS1は、投函袋FZ[n]に対応する損券投函IDが表示される表示領域AS11と、投函袋FZ[n]に対応する関連投函情報DSPの示すポスト投函IDが表示される表示領域AS12と、投函袋FZ[n]に対応する関連取引情報DSTの示す取引IDが表示される表示領域AS13と、投函袋FZ[n]に対応する損券投函概要情報DSG(投函オペレータ情報DSG3)の示すオペレータIDが表示される表示領域AS14と、を有する。
なお、本実施形態では、投函概要表示領域AS1に、投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDを表示する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。印刷制御部88は、投函概要表示領域AS1に対して、取引管理情報DTのうち取引オペレータ情報DTG3の示すオペレータID、ポスト投函情報DPのうち投函オペレータ情報DPG3の示すオペレータID、及び、損券投函情報DSのうち投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDのうち、一部または全部を表示してもよい。また、印刷制御部88は、損券投函明細PSに対してオペレータIDを表示させなくてもよい。
【0164】
また、投函内容表示領域AS2は、損券管理装置5に投函される投函袋FZ[n]に封入される損傷現金の数量が表示される損傷現金数表示領域AS3と、損券管理装置5に投函される投函袋FZ[n]に封入される記念貨の数量が表示される記念貨数表示領域AS4と、を有する。
損傷現金数表示領域AS3には、表示領域AS31及びAS32に例示されるように、複数種類の損傷現金と1対1に対応する複数の表示領域が設けられる。損傷現金数表示領域AS3の各表示領域には損傷現金の数量が表示される。但し、損傷現金数表示領域AS3の各表示領域には損傷現金の金額が表示されてもよい。また、損傷現金数表示領域AS3において、数量が「0」である損傷現金については表示を省略してもよい。
記念貨数表示領域AS4には、表示領域AS41及びAS42に例示されるように、複数種類の記念貨と1対1に対応する複数の表示領域が設けられる。記念貨数表示領域AS4の各表示領域には記念貨の数量が表示される。但し、記念貨数表示領域AS4の各表示領域には記念貨の金額が表示されてもよい。また、記念貨数表示領域AS4において、数量が「0」である記念貨については表示を省略してもよい。
また、投函時刻表示領域AS6には、損券投函準備処理に対応する投函日付情報DSG1の示す日付と、損券投函準備処理に対応する投函時刻情報DSG2の示す時刻と、が表示される。
【0165】
また、二次元コードCD-Sは、例えば、損券管理装置5に投函される投函袋FZ[n]に関連する情報を表すためのコードである。本実施形態において、二次元コードCD-Sは、投函概要表示領域AS1に表示される情報と、投函内容表示領域AS2に表示される情報とを表す。但し、二次元コードCD-Sは、投函時刻表示領域AS6に表示される情報を含んでもよい。
【0166】
なお、
図23に例示する損券投函明細PSは一例であり、損券投函明細PSには、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から各投函袋FZを識別することを可能とする情報が表示されていればよい。
【0167】
また、二次元コードCD-Sは、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から各投函袋FZを識別することを可能とする情報を表すコードであればよい。例えば、二次元コードCD-Sは、投函袋FZ[n]に対応する損券投函IDを表すコードであってもよいし、投函袋FZ[n]に対応するポスト投函IDを表すコードであってもよいし、または、投函袋FZ[n]に対応する取引IDを表すコードであってもよい。
【0168】
また、本実施形態では、一例として、損券投函明細PSに対して二次元コードCD-Sが印刷される場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券投函明細PSには、二次元コードCD-Sの代わりに、例えば、損券管理装置5に対して投函される全ての投函袋FZの中から各投函袋FZを識別することを可能とする情報を表す一次元コードが印刷されていてももよい。また、損券投函明細PSには、二次元コードCD-S及び一次元コードのいずれも印刷されず、媒体管理装置100のオペレータが認識するための文字または図形のみが印刷される書類であってもよい。
【0169】
図18に例示するように、損券投函準備処理において、印刷制御部88が損券投函明細PSを印刷した場合、表示制御部85は、表示装置61に対して、損券投函明細PSを特定媒体VTと共に投函袋FZ[n]に封入する旨を案内する画面を表示させて(S435)、処理をステップS437に進める。
【0170】
なお、
図17に例示するように、ステップS409における判定の結果が否定の場合、装置制御部80は、損券投函IDを払い出す(S421)。
そして、装置制御部80は、損券投函情報DSを更新して(S423)、処理をステップS437に進める。
【0171】
本実施形態において、装置制御部80は、ステップS423において、現在時刻を示す投函日付情報DSG1及び投函時刻情報DSG2と、損券投函準備処理に応じたオペレータIDを示す投函オペレータ情報DSG3と、を含む損券投函概要情報DSGを生成する。また、装置制御部80は、ステップS423において、ポスト投函情報DPに基づいて、関連取引情報DSTと関連投函情報DSPと装置投函媒体情報DSBとを生成する。また、装置制御部80は、ステップS423において、「0:収納前」を示す損券収納ステータス情報DSAを生成する。また、装置制御部80は、ステップS423において、損券投函情報DSに新たなレコードを追加する。そして、装置制御部80は、ステップS423において、当該追加したレコードに対して、ステップS421で払い出した損券投函IDを記憶させ、また、生成した損券投函概要情報DSG、関連取引情報DST、関連投函情報DSP、損券収納ステータス情報DSA、及び、装置投函媒体情報DSBを記憶させる。
【0172】
その後、
図18に例示するように、装置制御部80は、「n=N」であるか否かを判定する(S437)。
そして、ステップS437における判定の結果が否定の場合、装置制御部80は、変数nに「1」を加算して(S439)、処理をステップS405に進める。他方、ステップS437における判定の結果が肯定の場合、装置制御部80は、損券投函準備処理を終了させる。
【0173】
<A.6.損券投函処理について>
以下、
図24乃至
図26を参照しつつ、損券投函処理の概要について説明する。
【0174】
ここで、損券投函処理とは、上述のとおり、損券管理装置5に対して特定媒体VTを封入した投函袋FZを投函する処理である。本実施形態では、損券投函処理が締上処理の中で実行される場合を想定する。また、本実施形態では、損券投函処理が、損券投函準備処理の終了後に開始される場合を想定する。また、本実施形態では、損券投函処理が、ポスト回収処理の終了後に開始される場合を想定する。なお、ポスト回収処理が実行された後に、損券管理装置5で管理されるべき特定媒体VTがある場合に、待機画面等において、当該特定媒体VTの損券管理装置5への投函を促すメッセージを表示させても良い。損券管理装置5への投函を促すメッセージとは、例えば「ポストからの回収物が損券損貨管理機へ投函されていません。損券損貨管理機への投函処理を実施してください。」などである。また、ポスト回収処理が実行された後に、損券管理装置5で管理されるべき特定媒体VTがある場合において、待機画面等で、投函準備処理を促すメッセージを表示させても良い。
【0175】
また、本実施形態では、損券投函処理において、損券管理装置5に対してM個の投函袋FZが投函される場合を想定する。ここで、値Mは、1≦M≦Nを満たす自然数である。
より具体的には、本実施形態では、損券収納ポスト4から回収されたN個の投函袋FZが、損傷現金または記念貨が封入されているM個の投函袋FZと、損傷現金及び記念貨の何れも封入されておらず、有価証券のみが封入されている(N-M)個の投函袋FZと、から構成される場合を想定する。以下では、M個の投函袋FZのうち、m番目の投函袋FZを、投函袋FZ[m]と称する場合がある。ここで、変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数である。
【0176】
なお、損券投函処理において損券管理装置5に対して投函されるM個の投函袋FZ[1]~FZ[M]は、損券投函情報DSのうち、損券収納ステータス情報DSAが「0:収納前」を示すレコードに対応する投函袋FZである。制御装置7は、損券投函情報DSに基づいて、損券投函処理において損券管理装置5に対して投函すべきM個の投函袋FZ[1]~FZ[M]を特定する。以下では、損券投函処理において損券管理装置5に対する投函が予定される投函袋FZを、予定投函袋FYと称する場合がある。
【0177】
図24及び
図25は、媒体管理装置100が損券投函処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0において損券投函処理選択ボタンAR5が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図24及び
図25に示す損券投函処理を開始する。
【0178】
図24に例示するように、損券投函処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、損券投函一覧画面G5を表示させる(S501)。
【0179】
図26は、損券投函一覧画面G5の一例を示す説明図である。ここで、損券投函一覧画面G5とは、損券投函処理において損券管理装置5に投函されるM個の投函袋FZ[1]~FZ[M]の状況を一覧で表示する画面である。
【0180】
図26に例示するように、損券投函一覧画面G5は、損券投函処理において損券管理装置5に投函されるM個の投函袋FZ[1]~FZ[M]と1対1に対応する、M個の表示領域AW[1]~AW[M]を有する。表示領域AW[m]は、投函袋通番表示領域AW1[m]と判定状況表示領域AW2[m]とを有する。
【0181】
このうち、投函袋通番表示領域AW1[m]には、表示領域AW[m]に対応する投函袋FZ[m]が、損券管理装置5への投函が予定されているM個の投函袋FZ[1]~FZ[M]のうち何番目の投函袋FZであるかを示す通番である値「m」が表示される。
本実施形態において、値「m」とは、例えば、装置制御部80が、ステップS417またはステップS421において、損券投函IDを払い出す対象のレコードに対応する投函袋FZに対して、「1」から順番に付与する番号である。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。値「m」の代わりに、取引ID、ポスト投函ID、または、損券投函IDを使用してもよい。
【0182】
また、判定状況表示領域AW2[m]には、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理が実行されたか否かを示す情報が表示される。具体的には、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理が実行前である場合、判定状況表示領域AW2[m]には、「0:一致判定未済」の旨が表示される。また、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理が実行中である場合、判定状況表示領域AW2[m]には、「1:一致判定中」の旨が表示される。また、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理が実行済である場合、判定状況表示領域AW2[m]には、「2:一致判定済」の旨が表示される。
ここで、一致判定処理とは、投函袋FZ[m]に封入された損券投函明細PSまたはポスト投函明細PPに表示された情報が、損券投函準備処理において損券管理装置5への投函が準備され損券投函処理において損券管理装置5への投函が予定されるM個の予定投函袋FYのうち、何れかに対応する情報であるか否かを判定する処理である。
【0183】
なお、以下では、損券投函明細PSとポスト投函明細PPとを、投函明細PPSと総称する。また、以下では、ポスト投函IDと損券投函IDとを、投函管理IDと総称する。
【0184】
図24に例示するように、損券投函処理において、表示制御部85が損券投函一覧画面G5を表示させた場合、装置制御部80は、変数mに「1」を設定する(S503)。
【0185】
次に、装置制御部80は、投函袋FZ[1]~FZ[M]の中から、一致判定処理の対象として投函袋FZ[m]を選択する(S505)。なお、表示制御部85は、装置制御部80がステップS505において投函袋FZ[m]を選択した場合に、判定状況表示領域AW2[m]に対して、「1:一致判定中」の旨を表示する。
【0186】
そして、制御装置7は、一致判定処理を実行する(S50)。本実施形態では、ステップS50の一致判定処理が、後述するステップS507、S509、S511、S513、及び、S515の処理から構成される場合を想定する。
【0187】
図24に例示するように、表示制御部85は、一致判定処理において、表示装置61に対して、書画カメラ64を用いて投函袋FZ[m]に封入された投函明細PPSを撮像する旨を案内する画面を表示させる(S507)。
次に、撮像制御部87は、一致判定処理において、媒体管理装置100のオペレータによる操作の下、書画カメラ64に、投函袋FZ[m]に封入された投函明細PPSを撮像させる(S509)。
そして、撮像制御部87は、一致判定処理において、書画カメラ64による投函袋FZ[m]の撮像結果を示す撮像結果情報DCを取得して(S511)、取得した撮像結果情報DCを記憶装置9に記憶させる。
【0188】
次に、媒体投函判定部82は、一致判定処理において、ステップS511において撮像制御部87が取得した撮像結果情報DCに基づいて、投函袋FZ[m]の表示投函IDを特定する(S513)。ここで、表示投函IDとは、投函袋FZに封入された投函明細PPSに表示されている投函管理IDである。なお、媒体投函判定部82は、ステップS513において、例えば、投函明細PPSに表示されている二次元コードCD-Pまたは二次元コードCD-Sの撮像結果に基づいて、表示投函IDを特定してもよい。また、媒体投函判定部82は、ステップS513において、例えば、撮像結果情報DCの示す画像を画像解析することで、投函明細PPSに表示された文字列を推定し、当該推定結果に基づいて表示投函IDを特定してもよい。
【0189】
次に、媒体投函判定部82は、一致判定処理において、ステップS513で特定された表示投函IDが、損券投函処理において損券管理装置5に対する投函が予定されたM個の予定投函袋FYに対応するM個の投函管理IDのうち何れかに一致するか否かを判定する(S515)。
【0190】
図24に例示するように、表示制御部85は、ステップS515における判定の結果が肯定の場合、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理の結果が肯定であることを媒体管理装置100のオペレータが認識可能となるように、損券投函一覧画面G5において、例えば、表示領域AW[m]を所定の色で着色する等して強調表示し(S517)、処理をステップS521に進める。
【0191】
また、表示制御部85は、ステップS515における判定の結果が否定の場合、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理の結果が否定であることを媒体管理装置100のオペレータが認識可能となるように、表示装置61に対して、エラーが発生した旨を示す画面を表示させ(S519)、損券投函処理を終了させる。
【0192】
図25に例示するように、媒体投函判定部82は、「m=M」であるか否かを判定する(S521)。
そして、ステップS521における判定の結果が否定の場合、媒体投函判定部82は、変数mに「1」を加算して(S523)、処理をステップS505に進める。
【0193】
他方、ステップS521における判定の結果が肯定の場合、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J3」から「投函制限状態J4」に変更する(S525)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J4に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券投函口51が開放状態となるように投函制限機構511を制御する(S527)。
【0194】
次に、媒体投函判定部82は、M個の予定投函袋FYの損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定する(S529)。ステップS529における判定の結果が否定の場合、媒体投函判定部82は処理をステップS529に戻すことで、M個の予定投函袋FYの投函の完了を待機する。
なお、媒体管理装置100のオペレータは、M個の予定投函袋FYの損券管理装置5に対する投函が完了した場合、入力装置62において所定の投函完了操作を行ってもよい。この場合、媒体投函判定部82は、ステップS529において、入力受付部86による投函完了操作の受け付け結果に基づいて、M個の予定投函袋FYの損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
また、撮像制御部87は、M個の予定投函袋FYが損券管理装置5に投函される様子を書画カメラ64に撮像させてもよい。この場合、媒体投函判定部82は、ステップS529において、書画カメラ64による撮像結果に基づいて、M個の予定投函袋FYの損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
また、媒体投函判定部82は、ステップS529において、損券投函口51の閉塞蓋の開閉を検出する開閉検出センサ、または、損券投函口51から投函袋FZが投函されたことを検出可能な光学センサ等、損券管理装置5に設けられたセンサの検出結果を示す検出信号を、当該センサから取得し、取得した検出信号に基づいて、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
【0195】
図25に例示するように、ステップS529における判定の結果が肯定の場合、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J4」から「投函制限状態J1」に変更する(S531)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J1に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券投函口51が制限状態となるように投函制限機構511を制御する(S533)。
【0196】
その後、装置制御部80は、損券投函情報DSを更新して(S535)、損券投函処理を終了させる。
具体的には、装置制御部80は、ステップS535において、損券投函情報DSのうち損券収納ステータス情報DSAの示す値を、「0:収納前」から「1:収納中」に変更する。
なお、本実施形態では、装置制御部80が、ステップS419またはステップS423において、投函日付情報DSG1の示す日付を、損券投函準備処理が実行される日付に設定し、また、投函時刻情報DSG2の示す時刻を、損券投函準備処理が実行される時刻に設定する態様を想定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。装置制御部80は、ステップS535において、損券投函情報DSのうち、投函日付情報DSG1の示す日付を、損券投函処理が実施される日付に設定し、また、損券投函情報DSのうち、投函時刻情報DSG2の示す時刻を、損券投函処理が実施される時刻に設定することとしてもよい。
また、本実施形態では、装置制御部80が、ステップS419またはステップS423において、投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDとして、損券投函準備処理を行ったオペレータのオペレータIDを設定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。装置制御部80は、ステップS535において、投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDとして、損券投函処理を行ったオペレータのオペレータIDを設定してもよい。
【0197】
<A.7.損券回収処理について>
以下、
図27及び
図28を参照しつつ、損券回収処理の概要について説明する。
【0198】
ここで、損券回収処理とは、上述のとおり、特定媒体VTが封入された投函袋FZを損券管理装置5の損券取出口52から回収する処理である。
【0199】
なお、本実施形態では、損券投函情報DSに含まれる複数のレコードと1対1に対応する複数の投函袋FZのうち、損券収納ステータス情報DSAが「1:収納中」のレコードに対応する投函袋FZが、損券回収処理の対象として損券管理装置5から回収される。
また、本実施形態では、損券回収処理が、締上処理とは別個に実行される場合を想定する。本実施形態では、一例として、損券管理装置5に収納された特定媒体VTに関連する所定条件が成立した場合に限り、損券回収処理が実行される態様を想定する。具体的には、例えば、締上処理が実行されるタイミングとは異なる所定の確認タイミングにおいて、損券投函情報DSに損券収納ステータス情報DSAが「1:収納中」を示すレコードが所定数以上存在する場合に限り、損券回収処理が実行される場合を想定する。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券回収処理は、締上処理の実行周期とは異なる周期で、繰り返し実行されるものであってもよい。例えば、損券回収処理は、各月の最終営業日等において、月次の周期で繰り返し実行されるものであってもよい。
【0200】
図27は、媒体管理装置100が損券回収処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0において損券回収処理選択ボタンAR6が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図27に示す損券回収処理を開始する。
【0201】
図27に例示するように、損券回収処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、損券回収確認画面G6を表示させる(S601)。
【0202】
図28は、損券回収確認画面G6の一例を示す説明図である。ここで、損券回収確認画面G6とは、損券回収処理が実行される際に、損券管理装置5に収納されている投函袋FZの個数を表示するための画面である。
【0203】
図28に例示するように、損券回収確認画面G6は、収納状況表示領域A6と、回収指示ボタンB6と、を有する。
【0204】
このうち、収納状況表示領域A6は、損券管理装置5の損券収納部に収納可能な投函袋FZの個数の最大値である最大収納数を表示するための最大収納数表示領域A61と、損券管理装置5の損券収納部に現時点で収納されている投函袋FZの個数である現状収納数を表示するための現状収納数表示領域A62と、最大収納数から現状収納数を減算した値である残存収納数を表示するための残存収納数表示領域A63と、現状収納数と残存収納数との関係を視覚的に表した収納状況表示画像AG6と、を有する。
具体的には、本実施形態において、収納状況表示画像AG6が、現状収納数に応じて面積が変動する現状収納状況表示画像AG62と、残存収納数に応じて面積が変動する残存収納状況表示画像AG63と、を含む場合を想定する。
なお、
図28に示す損券回収確認画面G6は一例であり、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
具体的には、
図28では、損券回収確認画面G6が、収納状況表示領域A6において、最大収納数と、現状収納数と、残存収納数と、収納状況表示画像AG6と、を表示する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。収納状況表示領域A6には、少なくとも、損券管理装置5に投函袋FZが収納されているか否かを示す情報が表示されていればよい。例えば、収納状況表示領域A6には、収納状況表示画像AG6のみが表示され、最大収納数と、現状収納数と、残存収納数とは表示されていなくてもよい。
また、
図28では、収納状況表示画像AG6において、現状収納状況表示画像AG62の面積が現状収納数に応じて変動し、残存収納状況表示画像AG63の面積が残存収納数に応じて変動する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、収納状況表示画像AG6において、現状収納状況表示画像AG62は、現状収納数によらず一定の面積を有し、残存収納状況表示画像AG63は、残存収納数によらず一定の面積を有していてもよい。
また、
図28では、収納状況表示画像AG6が、現状収納状況表示画像AG62と残存収納状況表示画像AG63とを有する態様を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、収納状況表示画像AG6は、損券管理装置5に投函袋FZが収納されている場合と、損券管理装置5に投函袋FZが収納されていない場合とで、表示態様が異なる画像であってもよい。例えば、収納状況表示画像AG6は、損券管理装置5に投函袋FZが収納されている場合と、損券管理装置5に投函袋FZが収納されていない場合とで、異なる色となる画像であってもよい。更に、収納状況表示画像AG6は、損券管理装置5に収納された投函袋FZの数量に応じて定められる色を有する画像であってもよい。例えば、収納状況表示画像AG6は、現状収納数及び残存収納数の一方または両方に基づいて、現状収納数が「0」であること(残留無し)を示す色と、現状収納数が「0」よりも大きく且つ残存収納数が「0」よりも大きいこと(残留あり)を示す色と、残存収納数が「0」であること(フル)を示す色と、の3色の色のうち、何れかの色となる画像であってもよい。
なお、収納状況表示画像AG6はメニュー画面G0を示す前の図示略の待機画面に貨幣処理装置1と損券収納ポスト4の収納量とがわかるように示されても良い。
【0205】
また、回収指示ボタンB6は、損券収納部に収納された投函袋FZを損券取出口52から取り出して投函袋FZを回収するために、取出制限機構521による特定媒体VTの取り出しの制限の解除を指示するためのボタンである。
【0206】
図27に例示するように、損券回収処理において、損券回収確認画面G6の回収指示ボタンB6が押下されると、入力受付部86は、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しの制限の解除の指示を受け付けて、当該指示内容を記憶装置9に記憶させる(S603)。
【0207】
図27に例示するように、損券回収処理において、入力受付部86が損券回収確認画面G6からの指示内容を受け付けた場合、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J1」から「投函制限状態J5」に変更する(S605)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J5に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券取出口52が開放状態となるように取出制限機構521を制御する(S607)。
【0208】
図27に例示するように、損券回収処理において、媒体投函制御部81が損券取出口52を開放状態とした場合、媒体投函制御部81は、損券管理装置5の損券収納部から全ての投函袋FZが回収されたか否かを判定する(S609)。具体的には、媒体投函制御部81は、ステップS609において、損券管理装置5に設けられたセンサであって、損券管理装置5の損券収納部に投函袋FZに存在するか否かを検出するためのセンサから、検出結果を示す信号を取得する。そして、媒体投函制御部81は、当該取得した信号に基づいて、損券管理装置5の損券収納部から全ての投函袋FZが回収されたか否かを判定する。
ステップS609における判定の結果が肯定の場合、媒体投函制御部81は処理をステップS611に進める。ステップS609における判定の結果が否定の場合、媒体投函制御部81は処理をステップS609に戻すことで、投函袋FZの回収が完了するまで待機する。
【0209】
その後、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J5」から「投函制限状態J1」に変更する(S611)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J1に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券取出口52が制限状態となるように取出制限機構521を制御する(S613)。
【0210】
そして、媒体投函制御部81は、損券投函情報DSのうち、損券回収処理において回収した投函袋FZに対応するレコードに記憶されている損券収納ステータス情報DSAの示す値を、「1:収納中」から「2:回収済」に更新して(S615)、ポスト回収処理を終了させる。
【0211】
<A.8.第1実施形態の結び>
以上のように、本実施形態に係る媒体管理装置100は、特定媒体VTを管理するための損券管理装置5を備える。よって、本実施形態によれば、媒体管理装置100が損券管理装置5を備えず、媒体管理装置100とは別個独立に設けられた手提金庫を用いて特定媒体VTを管理する従来の態様と比較して、特定媒体VTの管理に係る媒体管理装置100のオペレータの手間を削減することができる。
【0212】
また、本実施形態において、損券管理装置5は、投函制限機構511を備える。このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、有価証券または損傷現金ではない貨幣等、損券管理装置5での管理に適さない媒体が、誤って損券管理装置5に投函されるといった問題の発生を予防することができ、また、媒体管理装置100のオペレータが、損券収納ポスト4に投函しようとしている受付不能媒体VFを、誤って損券管理装置5に投函してしまうといった問題の発生を予防することができる。すなわち、本実施形態によれば、損券管理装置5の損券収納部に対して管理対象の特定媒体VTのみを収容した状態を維持することができる。これにより、本実施形態によれば、媒体管理装置100が、締上処理の終了後に亘り継続して特定媒体VTを管理することを可能とする。
【0213】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函準備処理のステップS407において、投函袋FZの中に受付不能媒体VFが封入されているか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、損券投函処理において損券管理装置5に投函すべき投函袋FZを正確に把握することができる。
【0214】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函準備処理のステップS409において、投函袋FZの中に有価証券が封入されているか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、損券投函処理において、有価証券を誤って損券管理装置5に投函してしまう可能性を低減することができる。これにより、本実施形態によれば、損券収納ポスト4から取り出された有価証券に対する所定の処理の実施が漏れるといった問題の発生を抑制することができる。
【0215】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函準備処理のステップS411において、投函袋FZから有価証券を除外する旨を案内する画面を表示装置61に対して表示させる。このため、本実施形態によれば、締上処理の後に速やかに所定の処理を行うべき有価証券が存在する場合に、当該有価証券が損券管理装置5の中で埋もれた状態で管理されるといった問題の発生を抑制することができる。
【0216】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函処理のステップS501において、表示装置61に対して、損券管理装置5に対して投函されるべき予定投函袋FYを一覧で示す損券投函一覧画面G5を表示させる。このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、損券管理装置5に対して投函されるべき予定投函袋FYを視覚的に把握することが可能となる。
【0217】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函処理において、一致判定処理を実行することで、損券管理装置5に投函される投函袋FZに対応する表示投函IDが、損券管理装置5に投函が予定される投函管理IDと一致するか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、損券管理装置5に対して投函すべきではない投函袋FZを、誤って損券管理装置5に投函してしまうといった問題の発生を抑制することができる。
【0218】
また、本実施形態において、制御装置7は、投函袋FZ[m]に対する一致判定処理の結果が肯定である場合に、損券投函処理のステップS517において、損券投函一覧画面G5のうち投函袋FZ[m]に対応する表示領域AW[m]を強調表示する。このため、本実施形態によれば、損券管理装置5に投函しようとしている投函袋FZが、損券管理装置5に対する予定投函袋FYの投函状況を、媒体管理装置100のオペレータが視覚的に把握することを可能とする。これにより、本実施形態によれば、損券管理装置5に投函が予定される全ての投函袋FZを、損券管理装置5に対して漏れなく正確に投函することが可能となる。
【0219】
また、本実施形態において、制御装置7は、損券投函処理のステップS525において、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、投函制限状態J1とは異なる投函制限状態J3から投函制限状態J4へと遷移させる。また、本実施形態において、制御装置7は、ポスト回収処理において、損券収納ポスト4の媒体収納部に収納されている全ての投函袋FZの取り出しが確認された場合に限り、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、投函制限状態J3に設定する(上述したステップS311参照)。すなわち、本実施形態では、ポスト回収処理において、損券収納ポスト4に収納されている全ての投函袋FZの取り出しが確認された場合に限り、損券管理装置5に対する特定媒体VTの投函が可能な状態となる。このため、本実施形態によれば、任意の状態において損券管理装置5に対する特定媒体VTの投函が可能な態様(具体的には、投函制限状態J1から投函制限状態J4への遷移を許容する態様)と比較して、損券管理装置5に対して各種媒体を誤って投函してしまうといった問題の発生を抑制することが可能となる。
【0220】
また、本実施形態において、制御装置7は、表示装置61に対して、損券回収確認画面G6を表示させることで、媒体管理装置100のオペレータが、損券管理装置5における投函袋FZの収納状況を視覚的に確認することを可能とする。このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、損券回収処理を、損券管理装置5からの投函袋FZの回収の必要性に応じて適宜実施することを可能とする。これにより、本実施形態によれば、損券回収処理の定期的な実行が必要となる態様と比較して、媒体管理装置100のオペレータの稼働を低減することができる。
【0221】
<B.第1実施形態に係る変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0222】
<B.1.変形例1-1>
上述した実施形態では、制御装置7が、損券投函処理において損券管理装置5に投函するM個の投函袋FZに対応するM回の一致判定処理を実行した後、当該M回の一致判定処理における判定の結果の全てが肯定である場合に、当該M個の投函袋FZの損券管理装置5への投函を許可する態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、制御装置7は、損券投函処理において損券管理装置5に投函するM個の投函袋FZのうち、各投函袋FZに対する1回の一致判定処理を実行した後、当該1回の一致判定処理における判定の結果が肯定である場合に、当該1回の一致判定処理の対象となった投函袋FZの損券管理装置5への投函を許可してもよい。具体的には、制御装置7は、損券投函処理において損券管理装置5に投函するM個の投函袋FZのうち、一の投函袋FZに対応する一致判定処理を実行して、当該一致判定処理における判定の結果が肯定である場合に、一の投函袋FZの損券管理装置5への投函を許可し、その後、他の投函袋FZに対応する一致判定処理を実行して、当該一致判定処理における判定の結果が肯定である場合に、他の投函袋FZの損券管理装置5への投函を許可してもよい。
【0223】
図29乃至
図31は、本変形例に係る媒体管理装置100が損券投函処理を行う場合の、制御装置7の動作を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面G0において損券投函処理選択ボタンAR5が選択されたうえで完了ボタンB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図29から
図31に示す損券投函処理を開始する。なお、本変形例では、損券投函処理の中で、損券投函準備処理が実行されることとする。
【0224】
図29に例示するように、本変形例に係る損券投函処理が開始されると、制御装置7は、上述したステップS401~S407の処理を実行する。
そして、ステップS407における判定の結果が否定の場合、表示制御部85は、ポスト回収一覧画面G4において、表示領域AZ[n]に対して投函袋FZ[n]が損券投函処理の対象外である旨を表示し(S701)、処理をS521Aに進める。この場合、媒体管理装置100のオペレータは、投函袋FZ[n]を、損券管理装置5への投函の対象から除外する。
【0225】
図29及び
図30に例示するように、ステップS407における判定の結果が肯定の場合、制御装置7は、上述した実施形態と同様に、上述したステップS409~S435の処理のうち、一部または全部の処理を実行する。
【0226】
図30に例示するように、制御装置7は、ステップS435の処理の実行後に、本変形例に係る一致判定処理を実行する(S50A)。なお、本変形例では、ステップS50Aの一致判定処理が、後述するステップS507A及びS509Aの処理と、上述したステップS511、S513、及び、S515の処理から構成される場合を想定する。
【0227】
図30に例示するように、表示制御部85は、一致判定処理において、表示装置61に対して、書画カメラ64を用いて投函袋FZ[n]に封入された投函明細PPSを撮像する旨を案内する画面を表示させる(S507A)。
次に、撮像制御部87は、一致判定処理において、媒体管理装置100のオペレータによる操作の下、書画カメラ64に、投函袋FZ[n]に封入された投函明細PPSを撮像させる(S509A)。
そして、制御装置7は、一致判定処理において、上述した実施形態と同様に、上述したステップS511~S515の処理を実行する。
【0228】
図30に例示するように、ステップS515における判定の結果が肯定の場合、表示制御部85は、媒体管理装置100のオペレータが、投函袋FZ[n]に対する一致判定処理の結果が肯定であることを把握できるように、ポスト回収一覧画面G4において、表示領域AZ[n]を点滅させる等、表示領域AZ[n]を強調表示させ(S517A)、処理をステップS525Aに進める。
【0229】
また、表示制御部85は、ステップS515における判定の結果が否定の場合、上述した実施形態と同様に、上述したステップS519の処理を実行し、損券投函処理を終了させる。
【0230】
図31に例示するように、媒体投函制御部81は、表示制御部85が表示領域AZ[n]を点滅表示させた場合、本変形例に係る媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J3」から「投函制限状態J4」に変更する(S525A)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J4に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券投函口51が開放状態となるように投函制限機構511を制御する(S527A)。
【0231】
図32は、本変形例に係る媒体投函制限情報DLのデータ構成の一例を示す図である。
【0232】
図32に例示するように、本変形例に係る媒体投函制限情報DLは、遷移可能状態情報DLTが、投函制限状態J3から投函制限状態J1への遷移を可能としている点と、投函制限状態J4から投函制限状態J3への遷移を可能としている点と、投函制限状態J4から投函制限状態J1への遷移が制限されている点と、において、実施形態に係る媒体投函制限情報DLと相違する。
【0233】
媒体投函制御部81がステップS527Aの処理を実行した場合、媒体投函判定部82は、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定する(S529A)。ステップS529Aにおける判定の結果が否定の場合、媒体投函判定部82は処理をステップS529Aに戻すことで、投函袋FZ[n]の投函の完了を待機する。
なお、媒体管理装置100のオペレータは、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了した場合、入力装置62において所定の投函完了操作を行ってもよい。この場合、媒体投函判定部82は、ステップS529Aにおいて、入力受付部86による投函完了操作の受け付け結果に基づいて、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
また、撮像制御部87は、投函袋FZ[n]が損券管理装置5に投函される様子を書画カメラ64に撮像させてもよい。この場合、媒体投函判定部82は、ステップS529Aにおいて、書画カメラ64による撮像結果に基づいて、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
また、媒体投函判定部82は、ステップS529Aにおいて、損券投函口51の閉塞蓋の開閉を検出する開閉検出センサ、または、損券投函口51から投函袋FZが投函されたことを検出可能な光学センサ等、損券管理装置5に設けられたセンサの検出結果を示す検出信号を、当該センサから取得し、取得した検出信号に基づいて、投函袋FZ[n]の損券管理装置5に対する投函が完了したか否かを判定してもよい。
【0234】
図31に例示するように、ステップS529Aにおける判定の結果が肯定の場合、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J4」から「投函制限状態J3」に変更する(S531A)。
次に、媒体投函制御部81は、投函制限状態J3に対応する個別状態情報DLLに基づいて、損券投函口51が制限状態となるように投函制限機構511を制御する(S533A)。
【0235】
その後、装置制御部80は、損券投函情報DSを更新する(S535A)。
具体的には、装置制御部80は、ステップS535Aにおいて、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する損券収納ステータス情報DSAの示す値を、「0:収納前」から「1:収納中」に変更する。
なお、本変形例では、装置制御部80が、ステップS419またはステップS423において、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函日付情報DSG1の示す日付を、ステップS419またはステップS423の処理が実行される日付に設定し、また、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函時刻情報DSG2の示す時刻を、ステップS419またはステップS423の処理が実行される時刻に設定する態様を想定する。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。装置制御部80は、ステップS535Aにおいて、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函日付情報DSG1の示す日付を、ステップS535Aの処理が実施される日付に設定し、また、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函時刻情報DSG2の示す時刻を、ステップS535Aの処理が実施される時刻に設定することとしてもよい。
また、本実施形態では、装置制御部80が、ステップS419またはステップS423において、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDとして、損券投函処理を行ったオペレータのオペレータIDを設定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。装置制御部80は、ステップS535Aにおいて、損券投函情報DSのうち投函袋FZ[n]に対応する投函オペレータ情報DSG3の示すオペレータIDを設定してもよい。
【0236】
次に、表示制御部85は、投函袋FZ[n]の損券管理装置5への投函が完了したことを媒体管理装置100のオペレータが認識可能となるように、ポスト回収一覧画面G4において、例えば、表示領域AZ[n]を特定の色で着色する等してマスク表示する(S703)。
【0237】
その後、媒体投函判定部82は、「n=N」であるか否かを判定する(S521A)。
そして、ステップS521Aにおける判定の結果が否定の場合、媒体投函判定部82は、変数nに「1」を加算して(S523A)、処理をステップS405に進める。
【0238】
他方、ステップS521Aにおける判定の結果が肯定の場合、媒体投函制御部81は、媒体投函制限情報DLに基づいて、投函制限状態情報DJの示す状態IDを、「投函制限状態J3」から「投函制限状態J1」に変更し(S705)、本変形例に係る損券投函処理を終了させる。
【0239】
このように、本変形例において、制御装置7は、損券投函処理において損券管理装置5への投函が予定されるM個の投函袋FZの各々に対して一致判定処理を実行し、各一致判定処理における判定の結果が肯定の場合に当該一致判定処理の対象となった投函袋FZの損券管理装置5への投函を許容する。このため、本変形例によれば、損券投函処理において損券管理装置5に投函するM個の投函袋FZの全てを対象とするM回の一致判定処理を実行し、当該M回の一致判定処理における判定の結果の全てが肯定の場合に、M個の投函袋FZの損券管理装置5への投函が許容される態様と比較して、損券投函処理が実行される過程の中で、損券管理装置5に投函が予定されるM個の投函袋FZの一部が紛失したり、または、損券管理装置5に投函が予定されるM個の投函袋FZに他の投函袋FZが混入したりする等の、問題が発生する可能性を低減することができる。
【0240】
<B.2.変形例1-2>
上述した変形例1-1において、制御装置7は、損券投函処理のステップS509Aにおいて、書画カメラ64を用いて投函袋FZ[n]を撮像した後に、損券投函処理のステップS529Aにおいて、投函袋FZ[n]の損券管理装置5への投函が確認されるまでの間、投函袋FZ[n]が書画カメラ64(または、コンプライアンスカメラ)の撮像範囲内にあることを監視してもよい。
【0241】
本変形例によれば、この場合、上述した変形例1-1と比較して、損券投函処理が実行される過程の中で、損券管理装置5に投函が予定されるM個の投函袋FZの一部が紛失したり、または、損券管理装置5に投函が予定されるM個の投函袋FZに他の投函袋FZが混入したりする等の、問題が発生する可能性を低減することができる。
【0242】
<B.3.変形例1-3>
上述した実施形態並びに変形例1-1及び変形例1-2において、損券管理装置5は、損券投函口51から投函された投函袋FZを、損券管理装置5の内部の損券収納部に収納するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券管理装置5は、例えば、損券管理装置5の所定箇所に配置された投函袋FZを、損券管理装置5の内部の損券収納部へと取り込むための、取込機構を備えていてもよい。
【0243】
<B.4.変形例1-4>
上述した実施形態及び変形例1-1乃至変形例1-3では、損券投函処理に一致判定処理が含まれる態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券投函処理は、一致判定処理を含まなくてもよい。
例えば、損券投函処理は、
図24及び
図25に示す一連の処理のうち、ステップS50(S507~S515)の一致判定処理と、ステップS519の処理と、を含まない処理であってもよい。例えば、損券投函処理は、
図24及び
図25に示す一連の処理のうち、ステップS525の処理と、ステップS527の処理と、ステップS533の処理と、を含む処理であってもよい。損券投函処理は、
図24及び
図25に示す一連の処理のうち、少なくとも、ステップS527の処理を含めばよい。
そして、損券投函処理が一致判定処理を含まない場合、媒体管理装置100が実行可能な各種処理に、損券投函準備処理が含まれなくてもよい。媒体管理装置100が実行可能な各種処理に、損券投函準備処理が含まれない場合、メニュー画面G0は、損券投函準備処理選択ボタンAR4を備えなくてもよい。
【0244】
なお、損券投函処理が一致判定処理を含まない場合、装置制御部80は、損券投函処理が実行される様子を、書画カメラ64(または、コンプライアンスカメラ)で撮像し、当該撮像結果を、記憶装置9または貨幣処理装置1の外部に存在するの記憶媒体に記憶させてもよい。
【0245】
<C.付記>
上述した実施形態乃至変形例の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0246】
<C.1.付記1>
本発明の一態様に係る媒体管理装置(例えば、媒体管理装置100)は、貨幣を管理する貨幣管理部(例えば、貨幣処理装置1)と、前記貨幣管理部で受け付け不能な受付不能媒体(例えば、受付不能媒体VF)を保管する第1保管部(例えば、損券収納ポスト4)と、前記第1保管部に保管された受付不能媒体のうち特定媒体(例えば、特定媒体VT)を保管する第2保管部(例えば、損券管理装置5)と、前記第1保管部から受付不能媒体が回収された後に前記第2保管部が前記特定媒体を保管可能であるように前記第2保管部を制御する制御部制御装置(例えば、処理装置8)と、を備える、ことを特徴とする。
【0247】
本態様によれば、媒体管理装置が、第1保管部から回収された受付不能媒体に含まれる特定媒体を、回収後に亘り保管するための第2保管部を備える。このため、本態様によれば、媒体管理装置とは別個に用意された手提金庫を用いて受付不能媒体を管理する態様と比較して、受付不能媒体の管理に係る手間を低減することができる。
【0248】
なお、本発明の一態様に係る媒体管理装置は、貨幣を管理する貨幣管理部と、前記貨幣管理部で受け付け不能な受付不能媒体を保管する第1保管部と、前記第1保管部に保管された受付不能媒体のうち特定媒体を保管する第2保管部と、を備える、ことを特徴としてもよい。
【0249】
<C.2.付記2>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記1に記載の媒体管理装置であって、前記第2保管部は、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入を制限する制限機構(例えば、投函制限機構511)を備える、ことを特徴とする。
【0250】
本態様によれば、第2保管部が制限機構を備えるため、第2保管部に対する特定媒体の不適切なタイミングにおける投入、及び、第2保管部に対して投入すべきではない不適切な媒体の第2保管部に対する投入等を防止することが可能となる。これにより、本態様によれば、第2保管部において特定媒体を適切に管理することが可能となる。
【0251】
なお、上記態様において、「第2保管部に対する特定媒体の投入」とは、例えば、「第2保管部に対する特定媒体の投函」であってもよいし、または、「第2保管部による特定媒体の取込」であってもよい。
【0252】
<C.3.付記3>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記2に記載の媒体管理装置であって、前記制御部は、前記第1保管部から前記受付不能媒体が回収される場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が可能となるように前記制限機構を制御する、ことを特徴とする。
【0253】
本態様によれば、制御部は、第1保管部から受付不能媒体が回収される場合に、第2保管部に対する特定媒体の投入が可能となるように制限機構を制御するため、第2保管部に対する特定媒体の投入を適切なタイミングに限定することが可能となる。これにより、本態様によれば、第2保管部に対する不適切な媒体の投入を抑制することが可能となり、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0254】
<C.4.付記4>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記3に記載の媒体管理装置であって、前記制御部は、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了した場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように前記制限機構を制御する、ことを特徴とする。
【0255】
本態様によれば、制御部は、第2保管部に対する特定媒体の投入が完了した場合に、第2保管部に対する特定媒体の投入を制限するため、第2保管部に対する特定媒体の不適切なタイミングにおける投入、及び、第2保管部に対して投入すべきではない不適切な媒体の第2保管部に対する投入等を防止することが可能となる。このため、本態様によれば、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0256】
<C.5.付記5>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記3に記載の媒体管理装置であって、前記制御部は、前記第1保管部に保管された前記受付不可媒体に関する情報(例えば、損券投函情報DS)、及び、前記第2保管部に投入される前記特定媒体に関する情報(例えば、撮像結果情報DC)に基づいて、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了したか否かを判定する判定部(例えば、媒体投函判定部82)を備える、ことを特徴とする。
【0257】
本態様によれば、制御部は、第2保管部に対する特定媒体の投入が完了したか否かを判定するため、第2保管部に対する特定媒体の投入漏れを防止することが可能となる。このため、本態様によれば、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0258】
<C.6.付記6>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記5に記載の媒体管理装置であって、前記制御部は、前記判定部による判定結果が肯定の場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように、前記制限機構を制御する投入制御部(例えば、媒体投函制御部81)、を備える、ことを特徴とする。
【0259】
本態様によれば、制御部は、第2保管部に対する特定媒体の投入が完了した場合に、第2保管部に対する特定媒体の投入を制限するため、第2保管部に対する特定媒体の不適切なタイミングにおける投入、及び、第2保管部に対して投入すべきではない不適切な媒体の媒体管理装置に対する投入等を防止することが可能となる。このため、本態様によれば、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0260】
<C.7.付記7>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記1に記載の媒体管理装置であって、前記第2保管部に対して前記特定媒体が投入される際に、前記特定媒体を撮像する撮像装置(例えば、書画カメラ64)を備える、ことを特徴とする。
【0261】
本態様によれば、撮像装置が第2保管部に対して投入される特定媒体を撮像するため、第2保管部に投入された特定媒体を事後的に把握することが可能となる。このため、本態様によれば、第2保管部に対して不適切な媒体が投入された場合に、当該不適切な媒体が投入されたことを事後的に把握することが可能となり、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0262】
<C.8.付記8>
本発明の他の態様に係る媒体管理装置は、付記7に記載の媒体管理装置であって、前記第2保管部は、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入を制限する制限機構を備え、前記制御部は、前記第1保管部から前記受付不能媒体が回収される場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が可能となるように前記制限機構を制御する投入制御部と、前記撮像装置から前記特定媒体の撮像結果に関する情報(例えば、撮像結果情報DC)を取得する撮像制御部(例えば、撮像制御部87)と、前記第1保管部に収納された前記受付不可媒体に関する情報(例えば、損券投函情報DS)、及び、前記撮像制御部が取得した前記撮像結果に関する情報に基づいて、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が完了したか否かを判定する判定部と、を備え、前記投入制御部は、前記判定部による判定結果が肯定の場合に、前記第2保管部に対する前記特定媒体の投入が制限されるように前記制限機構を制御する、ことを特徴とする。
【0263】
本態様によれば、制御部は、第2保管部に対する特定媒体の投入が完了した場合に、第2保管部に対する特定媒体の投入を制限するため、第2保管部に対する特定媒体の不適切なタイミングにおける投入、及び、第2保管部に対して投入すべきではない不適切な媒体の第2保管部に対する投入等を防止することが可能となる。このため、本態様によれば、第2保管部に収納された媒体を正確に管理することが可能となる。
【0264】
<D.第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に説明する第2実施形態において作用や機能が第1実施形態及び変形例1-1乃至変形例1-4と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0265】
<D.1.媒体管理装置の概要>
以下、
図33乃至
図34を参照しながら、第2実施形態に係る媒体管理装置100の概要を説明する。なお、第2実施形態に係る媒体管理装置100は、制御装置7の代わりに制御装置7Bを備える点において、第1実施形態に係る媒体管理装置100と相違する。
【0266】
図33は、制御装置7Bの構成の一例を示すブロック図である。
【0267】
図33に例示するように、制御装置7Bは、処理装置8Bと記憶装置9Bとを備える。
【0268】
処理装置8Bは、第2実施形態に係る媒体管理装置100の各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。
【0269】
記憶装置9Bは、処理装置8Bが具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
【0270】
図33に例示するように、記憶装置9Bは、在高情報DMと、損券投函詳細情報DHと、損券投函概要情報DGと、装置外部保管情報DXと、装置切離情報DYと、損券投函制限情報DIと、撮像結果情報DCと、第2実施形態に係る媒体管理装置100の各部を制御するための制御プログラムPG-Bと、を記憶している。なお、本実施形態において、記憶装置9Bは、上述した各種情報に加え、第1実施形態に係る記憶装置9と同様に、貨幣管理情報DK、取引管理情報DT、ポスト投函情報DP、損券投函情報DS、媒体投函制限情報DL、及び、投函制限状態情報DJの、一部または全部を記憶していてもよい。記憶装置9Bが記憶する各種情報については、後述する。
【0271】
図33に例示するように、処理装置8Bが具備するプロセッサは、記憶装置9Bに記憶された制御プログラムPG-Bを実行し、当該制御プログラムPG-Bに従って動作することで、損券装置制御部80B、貨幣管理部83、ポスト制御部84、表示制御部85、入力受付部86、撮像制御部87、及び、印刷制御部88、として機能することができる。このうち、損券装置制御部80Bは、損券管理装置5を制御する。すなわち、処理装置8Bは、装置制御部80の代わりに損券装置制御部80Bを備える点において、第1実施形態に係る処理装置8と相違する。
【0272】
<D.2.制御装置が記憶する各種データ>
以下、制御装置7Bが記憶する各種データの概要を説明する。
【0273】
<D.2.1.在高情報DM>
図34は、在高情報DMを説明するための説明図である。
【0274】
図34に例示するように、在高情報DMは、機械在高情報DMKと、手許在高情報DMTと、を含む。このうち、機械在高情報DMKは、貨幣処理装置在高情報DMSと、保管庫在高情報DMHと、ポスト在高情報DMPと、を含む。
【0275】
貨幣処理装置在高情報DMSとは、貨幣処理装置1の内部で管理されている貨幣の在高を示す情報である。なお、上述のとおり、「貨幣処理装置1の内部で管理されている貨幣」とは、貨幣処理装置1により機械的に計数されて貨幣処理装置1の内部の紙幣収納部または硬貨収納部で保管されている貨幣である。
【0276】
以下では、貨幣処理装置1の内部で管理されている貨幣を、貨幣処理装置対応媒体OMSと称する。上述のとおり、貨幣処理装置対応媒体OMSは、損傷現金を除く紙幣及び硬貨であり、受付不能媒体VF(損傷現金、記念貨、及び、有価証券)は含まないこととする。
【0277】
本実施形態では、貨幣処理装置在高情報DMSが、例えば、貨幣処理装置対応媒体OMSの合計金額と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の数量と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、貨幣処理装置在高情報DMSは、貨幣処理装置対応媒体OMSの合計金額と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の数量と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、貨幣処理装置在高情報DMSの示す貨幣処理装置対応媒体OMSの在高を、貨幣処理装置在高AMSと称する。
【0278】
保管庫在高情報DMHとは、損券管理装置5の内部で管理されている媒体の在高を示す情報である。なお、「損券管理装置5の内部で管理されている媒体」とは、損券投函処理により損券管理装置5に投函され、損券管理装置5の内部に設けられた損券収納部(以下、「保管庫50」と称する)で保管されている媒体である。
【0279】
以下では、損券管理装置5の内部で管理されている媒体を、保管庫対応媒体OMHと称する。上述のとおり、保管庫対応媒体OMHは、特定媒体VT(損傷現金、及び、記念貨)である。
【0280】
本実施形態では、保管庫在高情報DMHが、例えば、保管庫対応媒体OMHの合計金額と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の数量と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、保管庫在高情報DMHは、保管庫対応媒体OMHの合計金額と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の数量と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。なお、本実施形態では、説明の便宜上、保管庫対応媒体OMH等の貨幣以外の媒体の種別についても、「金種」と称することとする。
以下では、保管庫在高情報DMHの示す保管庫対応媒体OMHの在高を、保管庫在高AMHと称する。
【0281】
なお、本実施形態では、損券投函処理において損券管理装置5に投函される際に、在高情報DMの保管庫在高情報DMHに保管庫対応媒体OMH(損傷現金及び記念貨)として登録される媒体を、「損券」と称する。なお、本実施形態では、記載の便宜上、「損券」という名称を用いるが、「損券」には、「紙幣」の他に「硬貨」も含まれることとする。また、本実施形態では、媒体管理装置100で取り扱う予定の媒体のうち、損券として在高情報DMに登録されていない媒体を、「正券」と称する。なお、本実施形態では、記載の便宜上、「正券」という名称を用いるが、「正券」には、「紙幣」の他に「硬貨」も含まれることとする。
【0282】
ポスト在高情報DMPとは、損券収納ポスト4の内部で管理されている媒体の在高を示す情報である。なお、「損券収納ポスト4の内部で管理されている媒体」とは、ポスト投函処理により損券収納ポスト4に投函され、損券収納ポスト4の内部に設けられた媒体収納部(以下、「ポスト保管庫40」と称する)で保管されている媒体である。
【0283】
以下では、損券収納ポスト4の内部で管理されている媒体を、ポスト対応媒体OMPと称する。上述のとおり、ポスト対応媒体OMPは、受付不能媒体VF(損傷現金、記念貨、及び、有価証券)である。
【0284】
本実施形態では、ポスト在高情報DMPが、例えば、ポスト対応媒体OMPの合計金額と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の数量と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、ポスト在高情報DMPは、ポスト対応媒体OMPの合計金額と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の数量と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、ポスト在高情報DMPの示すポスト対応媒体OMPの在高を、ポスト在高AMPと称する。
【0285】
本実施形態において、ポスト在高情報DMPは、ポスト正券在高情報DMP1と、ポスト損券在高情報DMP2と、ポスト証券在高情報DMP3と、を含む。
【0286】
ポスト正券在高情報DMP1とは、損券収納ポスト4の内部で管理されている正券の在高を示す情報である。すなわち、本実施形態では、損券収納ポスト4において正券を管理可能な態様を想定する。以下では、損券収納ポスト4の内部で管理されている正券を、ポスト管理正券OMP1と称する。
【0287】
本実施形態では、ポスト正券在高情報DMP1が、例えば、ポスト管理正券OMP1の合計金額と、ポスト管理正券OMP1のうち各金種の数量と、ポスト管理正券OMP1のうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、ポスト正券在高情報DMP1は、ポスト管理正券OMP1の合計金額と、ポスト管理正券OMP1のうち各金種の数量と、ポスト管理正券OMP1のうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、ポスト正券在高情報DMP1の示すポスト管理正券OMP1の在高を、ポスト正券在高AMP1と称する。
【0288】
ポスト損券在高情報DMP2とは、損券収納ポスト4の内部で管理されている損券の在高を示す情報である。以下では、損券収納ポスト4の内部で管理されている損券を、ポスト管理損券OMP2と称する。
【0289】
本実施形態では、ポスト損券在高情報DMP2が、例えば、ポスト管理損券OMP2の合計金額と、ポスト管理損券OMP2のうち各金種の数量と、ポスト管理損券OMP2のうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、ポスト損券在高情報DMP2は、ポスト管理損券OMP2の合計金額と、ポスト管理損券OMP2のうち各金種の数量と、ポスト管理損券OMP2のうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、ポスト損券在高情報DMP2の示すポスト管理損券OMP2の在高を、ポスト損券在高AMP2と称する。
【0290】
ポスト証券在高情報DMP3とは、損券収納ポスト4の内部で管理されている有価証券の在高を示す情報である。以下では、損券収納ポスト4の内部で管理されている有価証券を、ポスト管理証券OMP3と称する。
【0291】
本実施形態では、ポスト証券在高情報DMP3が、例えば、ポスト管理証券OMP3の合計金額と、ポスト管理証券OMP3の数量と、を示す情報である場合を想定する。但し、ポスト証券在高情報DMP3は、ポスト管理証券OMP3の合計金額と、ポスト管理証券OMP3の数量とのうち、一方を示す情報であってもよい。
以下では、ポスト証券在高情報DMP3の示すポスト管理証券OMP3の在高を、ポスト証券在高AMP3と称する。
【0292】
なお、本実施形態では、一例として、ポスト在高情報DMPが、ポスト在高AMPと、ポスト正券在高AMP1と、ポスト損券在高AMP2と、ポスト証券在高AMP3とを示す情報である場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。ポスト在高情報DMPは、少なくとも、ポスト在高AMPを示す情報を含めばよい。
【0293】
以上のように、機械在高情報DMKは、貨幣処理装置対応媒体OMSの在高である貨幣処理装置在高AMSと、保管庫対応媒体OMHの在高である保管庫在高AMHと、ポスト対応媒体OMPの在高であるポスト在高AMPと、を示す情報である。
【0294】
以下では、貨幣処理装置対応媒体OMS、保管庫対応媒体OMH、及び、ポスト対応媒体OMPを、機械管理媒体OMKと総称する。また、以下では、貨幣処理装置在高AMS、保管庫在高AMH、及び、ポスト在高AMPを、機械管理在高AMKと総称する。つまり、機械在高情報DMKは、機械管理在高AMKを示す情報である。
【0295】
手許在高情報DMTとは、媒体管理装置100のオペレータの手許にある媒体の在高を示す情報である。また、手許在高情報DMTとは、媒体管理装置100で取り扱う予定の媒体のうち、機械管理媒体OMK以外の媒体の在高を示す情報であってもよい。つまり、手許在高情報DMTとは、在高情報DMで管理される媒体のうち、機械管理媒体OMK以外の媒体の在高を示す情報であってもよい。
【0296】
以下では、手許在高情報DMTに対応する媒体を、手許媒体OMTと称する。本実施形態において、手許媒体OMTは、紙幣及び硬貨を含む貨幣と、受付不能媒体VF(損傷現金、記念貨、及び、有価証券)と、を含む。つまり、手許媒体OMTは、正券と損券とを含む。
【0297】
本実施形態では、手許在高情報DMTが、例えば、手許媒体OMTの合計金額と、手許媒体OMTのうち各金種の数量と、手許媒体OMTのうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、手許在高情報DMTは、手許媒体OMTの合計金額と、手許媒体OMTのうち各金種の数量と、手許媒体OMTのうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、手許在高情報DMTの示す手許媒体OMTの在高を、手許在高AMTと称する。
【0298】
本実施形態において、手許在高情報DMTは、手許正券在高情報DMT1と、手許損券在高情報DMT2と、手許証券在高情報DMT3と、を含む。
【0299】
手許正券在高情報DMT1とは、手許媒体OMTのうち正券の在高を示す情報である。以下では、手許媒体OMTのうち正券を、手許正券OMT1と称する。
【0300】
本実施形態では、手許正券在高情報DMT1が、例えば、手許正券OMT1の合計金額と、手許正券OMT1のうち各金種の数量と、手許正券OMT1のうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、手許正券在高情報DMT1は、手許正券OMT1の合計金額と、手許正券OMT1のうち各金種の数量と、手許正券OMT1のうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、手許正券在高情報DMT1の示す手許正券OMT1の在高を、手許正券在高AMT1と称する。
【0301】
手許損券在高情報DMT2とは、手許媒体OMTのうち損券の在高を示す情報である。以下では、手許媒体OMTのうち損券を、手許損券OMT2と称する。
【0302】
本実施形態では、手許損券在高情報DMT2が、例えば、手許損券OMT2の合計金額と、手許損券OMT2のうち各金種の数量と、手許損券OMT2のうち各金種の合計金額と、を示す情報である場合を想定する。但し、手許損券在高情報DMT2は、手許損券OMT2の合計金額と、手許損券OMT2のうち各金種の数量と、手許損券OMT2のうち各金種の合計金額とのうち、一部を示す情報であってもよい。
以下では、手許損券在高情報DMT2の示す手許損券OMT2の在高を、手許損券在高AMT2と称する。
【0303】
手許証券在高情報DMT3とは、手許媒体OMTのうち有価証券の在高を示す情報である。以下では、手許媒体OMTのうち有価証券を、手許証券OMT3と称する。
【0304】
本実施形態では、手許証券在高情報DMT3が、例えば、手許証券OMT3の合計金額と、手許証券OMT3の数量と、を示す情報である場合を想定する。但し、手許証券在高情報DMT3は、手許証券OMT3の合計金額と、手許証券OMT3の数量と、のうち、一方を示す情報であってもよい。
【0305】
以下では、手許証券在高情報DMT3の示す手許証券OMT3の在高を、手許証券在高AMT3と称する。
【0306】
なお、本実施形態では、一例として、手許在高情報DMTが、手許在高AMTと、手許正券在高AMT1と、手許損券在高AMT2と、手許証券在高AMT3と、を示す情報である場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。手許在高情報DMTは、少なくとも、手許在高AMTを示す情報を含めばよい。
【0307】
<D.2.2.損券投函詳細情報DH>
以下、損券投函詳細情報DHについて説明する。
【0308】
損券投函詳細情報DHとは、損券投函処理における、損券管理装置5に対する特定媒体VT等の媒体の投函について示す情報である。
【0309】
本実施形態では、損券投函詳細情報DHが、損券管理装置5に対して投函された1または複数の投函袋FZと1対1に対応する1または複数のレコードを有する場合を想定する。損券投函詳細情報DHの各レコードは、損券投函IDと、投函処理IDと、個別投函詳細情報DHHと、を有する。
【0310】
損券投函IDとは、損券管理装置5に対して投函された1または複数の投函袋FZの中から、各投函袋FZを一意に識別するための識別情報である。
【0311】
投函処理IDとは、過去に実行された1または複数回の損券投函処理の中から、各損券投函処理を一意に識別するための識別情報である。なお、本実施形態では、損券投函処理において、損券管理装置5に対して、1または複数の投函袋FZが投函される場合を想定する。
【0312】
個別投函詳細情報DHHとは、損券管理装置5に対する各投函袋FZの投函に関する情報である。具体的には、個別投函詳細情報DHHは、投函日時情報DHH1と、投函金種情報DHH2と、投函対応明細情報DHH3と、投函対応撮像情報DHH4と、を含む。
【0313】
投函日時情報DHH1とは、損券投函IDに対応する投函袋FZが損券管理装置5に投函された日時を示す情報である。
投函金種情報DHH2とは、損券投函IDに対応する投函袋FZに封入された媒体の金種、数量、金種毎の金額、及び、合計金額を示す情報である。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。投函金種情報DHH2は、損券投函IDに対応する投函袋FZに封入された媒体の合計金額を示す情報であってもよい。
投函対応明細情報DHH3とは、損券投函IDに対応する投函袋FZに封入された投函明細PPSを印刷するための明細印刷情報を示す情報である。
投函対応撮像情報DHH4とは、損券投函IDに対応する投函袋FZの撮像結果を示す撮像結果情報DCである。
【0314】
<D.2.3.損券投函概要情報DG>
以下、損券投函概要情報DGについて説明する。
【0315】
損券投函概要情報DGとは、損券投函処理において損券管理装置5に投函された特定媒体VTの金額を、投函期間毎に集計した結果を示す情報である。ここで、投函期間とは、周期的に繰り返される期間である。例えば、投函期間とは、損券回収処理が実行されてから、次の損券回収処理が実行されるまでの期間であってもよい。例えば、損券回収処理が月次の周期で繰り返し実行される場合、投函期間は、損券回収処理が実行された時刻から、翌月における損券回収処理が実行される時刻までの期間であってもよい。また、投函期間は、損券回収処理が最後に実行された時刻から、現在までの期間であってもよい。
【0316】
本実施形態では、損券投函概要情報DGが、1または複数の投函期間と1対1に対応する1または複数のレコードを有する。損券投函概要情報DGの各レコードは、投函期間IDと、期間内投函情報DGGと、を有する。
【0317】
投函期間IDとは、1または複数の投函期間の中から、各投函期間を一意に識別するための識別情報である。
【0318】
期間内投函情報DGGとは、投函期間IDに対応する投函期間における損券投函処理に関する情報である。具体的には、期間内投函情報DGGは、期間内個別投函情報DGG1と、期間内投函処理情報DGG2と、期間内投函金種情報DGG3と、期間種別情報DGG4と、期間詳細情報DGG5と、を含む。
【0319】
期間内個別投函情報DGG1とは、投函期間IDに対応する投函期間において投函された投函袋FZを示す情報である。具体的には、期間内個別投函情報DGG1は、投函期間IDに対応する投函期間において投函された1または複数の投函袋FZに対応する、1または複数の損券投函IDを示す。
【0320】
期間内投函処理情報DGG2とは、投函期間IDに対応する投函期間において実行された損券投函処理を示す情報である。具体的には、期間内投函処理情報DGG2は、投函期間IDに対応する投函期間において実行された1または複数の損券投函処理に対応する、1または複数の投函処理IDを示す。
【0321】
期間内投函金種情報DGG3とは、投函期間IDに対応する1または複数の投函袋FZに封入された特定媒体VTの金種、数量、金種毎の金額、及び、合計金額を示す情報である。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。期間内投函金種情報DGG3は、投函期間IDに対応する1または複数の投函袋FZに封入された特定媒体VTの合計金額を示す情報であってもよい。
【0322】
期間種別情報DGG4は、投函期間IDに対応する投函期間の種別を示す情報である。具体的には、期間種別情報DGG4は、投函期間IDに対応する投函期間が、回収済期間または投函中期間の何れの期間であるかを示す情報である。
【0323】
ここで、回収済期間とは、最後に実行された損券回収処理よりも前に終了した投函期間である。また、投函中期間とは、最後に実行された損券回収処理から現在までの投函期間である。なお、投函中期間は、保管中期間を含んでもよい。保管中期間については後述する。
【0324】
期間詳細情報DGG5は、投函期間IDに対応する投函期間の開始時刻と終了時刻を示す情報である。ここで、投函期間の終了時刻とは、当該投函期間において損券管理装置5に投函された媒体が、損券回収処理により回収される時刻である。
【0325】
<D.2.4.装置外部保管情報DX>
以下、装置外部保管情報DXについて説明する。
【0326】
装置外部保管情報DXとは、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着された状態であるか否かを示す情報である。
【0327】
具体的には、装置外部保管情報DXは、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着されている場合、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着されていることを示す値「0」を示す。以下では、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着されている状態を、内部装着状態と称する。
【0328】
また、装置外部保管情報DXは、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管されている場合、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管されていることを示す値「1」を示す。以下では、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管されている状態を、外部保管状態と称する。
【0329】
また、本実施形態において、装置外部保管情報DXは、ポスト保管庫40が損券収納ポスト4の内部に装着された状態であるか否かを示す情報を含んでもよい。この場合、ポスト保管庫40が損券収納ポスト4の内部に装着されている状態を、内部装着状態と称し、ポスト保管庫40が損券収納ポスト4の外部に保管されている状態を、外部保管状態と称する。
【0330】
なお、本実施形態では、制御装置7Bは、保管庫50を損券管理装置5から取り外す処理である、保管庫外部保管処理を実行する。保管庫外部保管処理により損券管理装置5から取り外された保管庫50は、外部保管状態となり、金庫等、損券管理装置5の外部で保管される。
【0331】
<D.2.5.装置切離情報DY>
以下、装置切離情報DYについて説明する。
【0332】
装置切離情報DYとは、損券収納ポスト4及び損券管理装置5が、切離状態または接続状態の何れの状態であるかを示す情報である。ここで、切離状態とは、損券収納ポスト4及び損券管理装置5等の装置が故障した場合等において、当該装置を制御装置7Bによる制御対象から切り離した状態であって、当該装置が制御装置7Bからの指示を受け付けない状態である。また、接続状態とは、損券収納ポスト4及び損券管理装置5等の装置が正常に動作している場合等において、当該装置を制御装置7Bによる制御対象としている状態である。
【0333】
<D.2.6.損券投函制限情報DI>
以下、損券投函制限情報DIについて説明する。
【0334】
損券投函制限情報DIとは、損券投函口51が制限状態か否か、及び、損券取出口52が制限状態か否か、を示す情報である。
具体的には、損券投函制限情報DIは、上述した、損券投函口状態情報DL2及び、損券取出口状態情報DL3を含む情報である。ここで、損券投函口状態情報DL2とは、上述のとおり、損券投函口51への特定媒体VTの投函が投函制限機構511により制限されているか否かを示す情報である。また、損券取出口状態情報DL3とは、上述のとおり、損券取出口52からの特定媒体VTの取り出しが取出制限機構521により制限されているか否かを示す情報である。
【0335】
<D.3.媒体管理装置における各種処理>
以下、第2実施形態に係る媒体管理装置100において実行される各種処理を説明する。なお、第2実施形態では、媒体管理装置100が、待機処理、入金処理、ポスト投函処理、ポスト回収処理、損券投函処理、損券照会処理、損券回収処理、保管庫外部保管処理、及び、保管庫装着処理の各処理を実行可能である場合を想定する。なお、入金処理、ポスト投函処理、及び、ポスト回収処理については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0336】
<D.3.1.待機処理>
以下、
図35乃至
図37を参照しながら、待機処理について説明する。
【0337】
待機処理とは、表示装置61に対して、待機画面GB1を表示させる処理である。制御装置7Bが具備する表示制御部85は、媒体管理装置100が起動された場合、及び、入力装置62からの入力の受け付けが一定時間無い場合において、機械在高情報DMKに基づいて、待機画面GB1の表示情報を生成し、当該生成された待機画面GB1の表示情報に基づいて、表示装置61に対して、待機画面GB1を表示させる。
【0338】
図35は、待機画面GB1の一例を示す説明図である。
【0339】
図35に例示するように、待機画面GB1は、表示領域AB11と、表示領域AB12と、装置状態ボタンBB11と、メニューボタンBB12と、を有する。
【0340】
表示領域AB11には、貨幣処理装置1の内部で管理されている貨幣処理装置対応媒体OMSの在高が表示される。
具体的には、表示制御部85は、表示領域AB11に対して、貨幣処理装置在高情報DMSに基づいて、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の数量を表示する。なお、表示制御部85は、表示領域AB11に対して、貨幣処理装置在高情報DMSに基づいて、貨幣処理装置対応媒体OMSの合計金額と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の数量と、貨幣処理装置対応媒体OMSのうち各金種の合計金額とのうち、一部または全部を表示してもよい。
【0341】
表示領域AB12は、表示領域AB13と、表示領域AB14と、を有する。
【0342】
表示領域AB13には、損券収納ポスト4の内部で管理されているポスト対応媒体OMPの数量が表示される。
具体的には、表示制御部85は、表示領域AB13に対して、ポスト在高情報DMPに基づいて、ポスト対応媒体OMPの数量を表示する。なお、表示制御部85は、表示領域AB13に対して、ポスト在高情報DMPに基づいて、ポスト対応媒体OMPの合計金額と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の数量と、ポスト対応媒体OMPのうち各金種の合計金額とのうち、一部または全部を表示してもよい。
【0343】
表示領域AB14には、損券管理装置5の内部で管理されている保管庫対応媒体OMHの数量が表示される。
具体的には、表示制御部85は、表示領域AB14に対して、保管庫在高情報DMHに基づいて、保管庫対応媒体OMHの数量を表示する。なお、表示制御部85は、表示領域AB14に対して、保管庫在高情報DMHに基づいて、保管庫対応媒体OMHの合計金額と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の数量と、保管庫対応媒体OMHのうち各金種の合計金額とのうち、一部または全部を表示してもよい。
【0344】
また、表示領域AB14には、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管された状態であるか否かを示す情報が表示される。
具体的には、表示制御部85は、表示領域AB14に対して、装置外部保管情報DXに基づいて、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管された状態であるか否かを示す情報を表示する。
図35では、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着された内部装着状態であることを示す「装着中」の文字列が表示される場合を例示している。
【0345】
装置状態ボタンBB11が押下された場合、表示制御部85は、表示装置61に表示される画面を、待機画面GB1から装置状態確認画面GB2に遷移させる。
メニューボタンBB12が押下された場合、表示制御部85は、表示装置61に表示される画面を、待機画面GB1からメニュー画面GB0に遷移させる。
【0346】
図36は、装置状態確認画面GB2の一例を示す説明図である。
【0347】
図36に例示するように、装置状態確認画面GB2は、表示領域AB21と、表示領域AB22と、待機画面ボタンBB23と、メニューボタンBB24と、を有する。表示領域AB21は、表示領域AB211と、表示領域AB212と、表示領域AB213と、表示領域AB214と、表示領域AB215と、を有する。表示領域AB22は、表示領域AB221と、表示領域AB222と、表示領域AB223と、表示領域AB224と、表示領域AB225と、を有する。
【0348】
表示領域AB211には、損券収納ポスト4の稼働状態が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB211に対して、損券収納ポスト4が正常に稼働する正常状態であることを示す情報(図では「正常」の文字列)、または、損券収納ポスト4が故障等で正常に稼働していない異常状態であることを示す情報(図では「異常」の文字列)を表示する。
【0349】
表示領域AB212には、損券収納ポスト4に収容されている媒体(投函袋FZ)の数量(収容数)が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB212に対して、ポスト在高情報DMPに基づいて、損券収納ポスト4に収容されているポスト対応媒体OMPの数量を表示する。
【0350】
表示領域AB213には、損券収納ポスト4に対する追加での媒体(投函袋FZ)の収容の可否を示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB213に対して、ポスト在高情報DMPに基づいて、損券収納ポスト4が追加で媒体を収容できない満杯の状態であることを示す情報(図では「FULL」の文字列)、または、損券収納ポスト4が追加で媒体を収容可能な余裕のある状態であることを示す情報(図では「余裕有」の文字列)を表示する。
【0351】
表示領域AB214には、損券収納ポスト4が切離状態または接続状態の何れの状態であるかを示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB214に対して、装置切離情報DYに基づいて、損券収納ポスト4が切離状態であることを示す情報、または、損券収納ポスト4が接続状態であることを示す情報を表示する。
【0352】
表示領域AB215には、損券収納ポスト4のポスト保管庫40が外部保管状態または内部装着状態の何れの状態であるかを示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB215に対して、装置外部保管情報DXに基づいて、損券収納ポスト4のポスト保管庫40が内部装着状態であることを示す情報(図では「装着中」の文字列)、または、損券収納ポスト4のポスト保管庫40が外部保管状態であることを示す情報(図では「保管中」の文字列)を表示する。
【0353】
表示領域AB221には、損券管理装置5の稼働状態が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB221に対して、損券管理装置5が正常状態であることを示す情報(図では「正常」の文字列)、または、損券管理装置5が異常状態であることを示す情報(図では「異常」の文字列)を表示する。
【0354】
表示領域AB222には、損券管理装置5に収容されている媒体(投函袋FZ)の数量(収容数)が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB222に対して、保管庫在高情報DMHに基づいて、損券管理装置5に収容されている保管庫対応媒体OMHの数量を表示する。
【0355】
表示領域AB223には、損券管理装置5に対する追加での媒体(投函袋FZ)の収容の可否を示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB223に対して、保管庫在高情報DMHに基づいて、損券管理装置5が追加で媒体を収容できない満杯の状態であることを示す情報(図では「FULL」の文字列)、または、損券管理装置5が追加で媒体を収容可能な余裕のある状態であることを示す情報(図では「余裕有」の文字列)を表示する。
【0356】
表示領域AB224には、損券管理装置5が切離状態または接続状態の何れの状態であるかを示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB225に対して、装置切離情報DYに基づいて、損券管理装置5が切離状態であることを示す情報、または、損券管理装置5が接続状態であることを示す情報を表示する。
【0357】
表示領域AB225には、損券管理装置5の保管庫50が外部保管状態または内部装着状態の何れの状態であるかを示す情報が表示される。具体的には、表示制御部85は、表示領域AB225に対して、装置外部保管情報DXに基づいて、損券管理装置5の保管庫50が内部装着状態であることを示す情報(図では「装着中」の文字列)、または、損券管理装置5が外部保管状態であることを示す情報(図では「保管中」の文字列)を表示する。
【0358】
待機画面ボタンBB23が押下された場合、表示制御部85は、表示装置61に表示される画面を、装置状態確認画面GB2から待機画面GB1に遷移させる。
メニューボタンBB24が押下された場合、表示制御部85は、表示装置61に表示される画面を、装置状態確認画面GB2からメニュー画面GB0に遷移させる。
【0359】
なお、本実施形態において、装置状態確認画面GB2は、表示領域AB211~AB215と、表示領域AB221~AB225と、待機画面ボタンBB23と、メニューボタンBB24と、を有するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。装置状態確認画面GB2は、少なくとも表示領域AB225を有していればよい。
【0360】
図37は、メニュー画面GB0の一例を示す説明図である。
【0361】
図37に例示するように、メニュー画面GB0は、入金処理を選択するための入金処理選択ボタンBR1と、ポスト投函処理を選択するためのポスト投函処理選択ボタンBR2と、ポスト回収処理を選択するためのポスト回収処理選択ボタンBR3と、損券投函処理を選択するための損券投函処理選択ボタンBR4と、損券照会処理を選択するための損券照会処理選択ボタンBR5と、損券回収処理を選択するための損券回収処理選択ボタンBR6と、保管庫外部保管処理を選択するための保管庫外部保管処理選択ボタンBR7と、保管庫装着処理を選択するための保管庫装着処理選択ボタンBR8と、選択された処理を媒体管理装置100が実行することを決定するための完了ボタンBB0と、を備える。
【0362】
媒体管理装置100のオペレータが、入金処理選択ボタンBR1を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は入金処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、ポスト投函処理選択ボタンBR2を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100はポスト投函処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、ポスト回収処理選択ボタンBR3を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100はポスト回収処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券投函処理選択ボタンBR4を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券投函処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券照会処理選択ボタンBR5を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券照会処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、損券回収処理選択ボタンBR6を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は損券回収処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、保管庫外部保管処理選択ボタンBR7を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は保管庫外部保管処理を実行する。媒体管理装置100のオペレータが、保管庫装着処理選択ボタンBR8を選択した上で完了ボタンBB0を押下した場合、媒体管理装置100は保管庫装着処理を実行する。
【0363】
<D.3.2.損券投函処理>
以下、
図38乃至
図42を参照しながら、損券投函処理について説明する。
【0364】
図38及び
図39は、第2実施形態に係る媒体管理装置100が損券投函処理を行う場合の、制御装置7Bの動作の一例を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面GB0において損券投函処理選択ボタンBR4が選択されたうえで完了ボタンBB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図37及び
図38に示す損券投函処理を開始する。
【0365】
図38に例示するように、損券投函処理が開始されると、表示制御部85は、表示装置61に対して、損券投函画面GB3を表示させる(SB101)。
【0366】
図40は、損券投函画面GB3の一例を示す説明図である。
【0367】
図40に例示するように、損券投函画面GB3は、表示領域AB31と、表示領域AB32と、撮像ボタンBB33と、登録ボタンBB34と、キャンセルボタンBB35を有する。
【0368】
表示領域AB31は、損券投函処理において損券管理装置5に投函される媒体の金種及び数量を入力するための領域である。具体的には、表示領域AB31には、損券管理装置5に投函可能な複数の金種と1対1に対応する複数の入力ボックスが設けられる。媒体管理装置100のオペレータは、表示領域AB31に設けられた複数の入力ボックスを用いて、損券管理装置5に投函する媒体の数量を金種毎に入力することができる。
【0369】
なお、本実施形態では、表示領域AB31において、損券管理装置5に投函される損券の数量を入力するための入力ボックスの他に、損券管理装置5に投函される正券の数量を入力するための入力ボックス(図示省略)が設けられる場合を想定する。
上述のとおり、損券管理装置5は、損券を管理する装置である。しかし、例えば、在高情報DMにおいて正券として登録されている媒体が破損した場合等においては、当該媒体を損券管理装置5で管理することが必要となる。このため、本実施形態では、在高情報DMにおいて正券として登録されている媒体を、損券管理装置5で管理する必要性が生じた場合に、表示領域AB11に設けられた複数の入力ボックスを用いて、在高情報DMにおける登録内容のうち、当該媒体に対応する正券の在高を、損券の在高へと移動する。これにより、本実施形態では、在高情報DMにおいて正券として登録されている媒体を、損券管理装置5で管理する必要性が生じた場合に、当該媒体を損券として登録し、当該媒体の、損券管理装置5への投函を可能とする。
すなわち、本実施形態では、損券収納ポスト4から回収された損券のみならず、手許で管理されている損券及び正券を、損券管理装置5に投函することができる。
【0370】
図38に例示するように、損券装置制御部80Bは、損券投函画面GB3において撮像ボタンBB33が押下されたか否かを判定する(SB103)。
そして、ステップSB103における判定の結果が否定の場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB103に戻し、撮像ボタンBB33が押下されるのを待機する。なお、ステップSB103における判定の結果が否定の場合であって、キャンセルボタンBB35が押下された場合、損券装置制御部80Bは、損券投函処理を終了させる。
【0371】
他方、撮像制御部87は、ステップSB103における判定の結果が肯定の場合、すなわち、損券投函画面GB3において撮像ボタンBB33が押下された場合、損券管理装置5に投函される媒体を撮像するように、書画カメラ64を制御し、当該撮像結果を示す撮像結果情報DCを取得する(SB105)。なお、本実施形態では、一例として、損券管理装置5が投函袋FZに封入されたうえで損券管理装置5に投函される場合を想定する。
【0372】
図41は、本実施形態における、投函袋FZの一例を示す説明図である。
【0373】
図41に例示するように、投函袋FZは、第1実施形態と同様に、透明な材料より形成され、袋FFと、袋FFに設けられた開口FKを閉塞するためのファスナZPと、を備える。媒体管理装置100のオペレータは、媒体を損券管理装置5に投函する場合、当該媒体を袋FFに封入する。そして、撮像制御部87は、ステップSB105において、書画カメラ64により、投函袋FZに封入された媒体を撮像する。
【0374】
なお、本実施形態では、投函袋FZに対して複数の媒体を封入可能な場合を想定する。つまり、本実施形態では、損券投函処理において、複数の媒体を同時に損券管理装置5に投函可能な場合を想定する。
また、本実施形態では、投函袋FZに対して互いに同一の金種の複数の媒体を封入可能であり、且つ、投函袋FZに対して互いに異なる金種の複数の媒体を封入可能である場合を想定する。つまり、本実施形態では、損券投函処理において、互いに異なる種類の複数の媒体を同時に損券管理装置5に投函可能な場合を想定する。例えば、本実施形態では、
図41に例示するように、一万円券VT(1)と五千円券VT(2)という、互いに異なる種類の媒体を投函袋FZに封入し、当該一万円券VT(1)と五千円券VT(2)とを、同時に損券管理装置5に投函可能である。
【0375】
図38に例示するように、表示制御部85は、ステップSB105において取得した画像撮像結果情報DCの示す画像(投函袋FZに封入された1または複数の媒体を示す画像)を、損券投函画面GB3の表示領域AB32に表示させる(SB107)。
【0376】
次に、損券装置制御部80Bは、損券投函画面GB3において登録ボタンBB34が押下されたか否かを判定する(SB109)。
そして、ステップSB109における判定の結果が否定の場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB109に戻し、登録ボタンBB34が押下されるのを待機する。なお、ステップSB109における判定の結果が否定の場合であって、キャンセルボタンBB35が押下された場合、損券装置制御部80Bは、損券投函処理を終了させる。
【0377】
他方、損券装置制御部80Bは、ステップSB109における判定の結果が肯定の場合、すなわち、損券投函画面GB3において登録ボタンBB34が押下された場合、損券投函画面GB3の表示領域AB31における入力内容と、ステップSB105で取得した撮像結果情報DCと、に基づいて、損券登録表示情報DDを生成する(SB111)。
【0378】
ここで、損券登録表示情報DD(図示省略)は、単一のレコードを有する情報であり。当該レコードは、投函処理IDと、個別投函詳細情報DHHと、を有する。すなわち、損券登録表示情報DDは、損券投函詳細情報DHの有する1または複数のレコードのうち、各レコードと同一のデータ構成を有する。
【0379】
損券装置制御部80Bは、ステップSB111において、損券投函画面GB3の表示領域AB31における入力内容と、ステップSB105で取得した撮像結果情報DCとに基づいて、個別投函詳細情報DHHを生成する。そして、損券装置制御部80Bは、ステップSB111において、当該生成した個別投函詳細情報DHHと、現在実行中の損券投函処理に対応する投函処理IDと、を含む損券登録表示情報DDを生成する。
【0380】
次に、表示制御部85は、表示装置61に対して、損券登録確認画面GB4を表示させる(SB113)。
【0381】
図42は、損券登録確認画面GB4の一例を示す説明図である。
【0382】
図42に例示するように、損券登録確認画面GB4は、表示領域AB41と、表示領域AB42と、登録開始ボタンBB43と、完了ボタンBB44と、キャンセルボタンBB45と、を有する。
【0383】
表示領域AB41は、損券投函処理において損券管理装置5に投函される媒体の金種及び数量を表示するための領域である。表示制御部85は、ステップSB111において生成された損券登録表示情報DDに基づいて、表示領域AB41に対して、損券投函処理において損券管理装置5に投函される媒体の数量を金種毎に表示するとともに、損券投函処理において損券管理装置5に投函される媒体の合計金額を金種毎に表示する。
【0384】
表示領域AB42は、ステップSB105で取得した撮像結果情報DCの示す画像と、当該撮像結果情報DCの示す画像に含まれる投函袋FZに封入された1または複数の媒体の合計金額と、を表示するための領域である。表示制御部85は、ステップSB111において生成された損券登録表示情報DDに基づいて、表示領域AB42に対して、撮像結果情報DCの示す画像と、当該撮像結果情報DCに対応する1または複数の媒体の合計金額と、を表示する。
【0385】
なお、本実施形態では、表示領域AB41及び表示領域AB42が上下に配置される場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。表示領域AB41及び表示領域AB42は左右に配置されてもよい。
【0386】
次に、損券装置制御部80Bは、損券登録確認画面GB4において登録開始ボタンBB43が押下されたか否かを判定する(SB115)。
そして、ステップSB115における判定の結果が肯定の場合、すなわち、損券投函画面GB3において登録開始ボタンBB43が押下された場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB101に進め、新たな投函袋FZの投函に対応する処理(ステップSB101~SB113の処理)を実行する。
すなわち、本実施形態において、ステップSB115における判定の結果が肯定の場合、ステップSB111の処理が複数回実行され、その結果、複数の損券登録表示情報DDが生成されることになる。
また、本実施形態において、ステップSB111の処理が複数回実行され、その結果、複数の損券登録表示情報DDが生成される場合、表示制御部85は、当該複数の損券登録表示情報DDに基づいて、表示装置61に対して損券登録確認画面GB4を表示させる。
【0387】
他方、損券装置制御部80Bは、ステップSB115における判定の結果が否定の場合、損券登録確認画面GB4において完了ボタンBB44が押下されたか否かを判定する(SB117)。
そして、ステップSB117における判定の結果が否定の場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB117に戻し、完了ボタンBB44が押下されるのを待機する。なお、ステップSB117における判定の結果が否定の場合であって、キャンセルボタンBB45が押下された場合、損券装置制御部80Bは、ステップSB111で生成された1または複数の損券登録表示情報DDを破棄したうえで、損券投函処理を終了させる。
【0388】
他方、ステップSB117における判定の結果が肯定の場合、すなわち、損券登録確認画面GB4において完了ボタンBB44が押下された場合、損券装置制御部80Bは、損券投函詳細情報DHを更新する(SB119)。
【0389】
具体的には、損券装置制御部80Bは、ステップSB119において、損券投函詳細情報DHに対して、ステップSB111において生成された1または複数の損券登録表示情報DDと1対1に対応する、1または複数のレコードを追加する。また、損券装置制御部80Bは、ステップSB119において、ステップSB111において生成された1または複数の損券登録表示情報DDと1対1に対応する、1または複数の損券投函IDを新たに払い出し、当該1または複数の損券投函IDを、損券投函詳細情報DHに追加した1または複数のレコードに記憶させる。また、損券装置制御部80Bは、ステップSB119において、損券投函詳細情報DHに追加した1または複数のレコードに対して、ステップSB111で生成した1または複数の損券登録表示情報DDを記憶させる。
【0390】
図39に例示するように、損券装置制御部80Bは、ステップSB119の処理を実行した後において、損券投函制限情報DIを更新することで、損券投函口51を開放状態とする(SB121)。
なお、本実施形態において、損券投函口51は、損券投函処理の実行時以外は、制限状態となっていることとする。
【0391】
次に、損券装置制御部80Bは、損券投函口51から媒体が投函されたか否かを判定する(SB123)。なお、当該判定は、媒体管理装置100のオペレータによる投函完了ボタン(図示省略)の押下に基づいて実行されてもよいし、損券投函口51に設置されたセンサ(図示省略)による投函袋FZの検出結果に基づいて実行されてもよいし、または、その他の方法により実施されてもよい。
そして、ステップSB123における判定の結果が否定の場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB123に戻し、媒体の投函完了を待機する。
【0392】
他方、損券装置制御部80Bは、ステップSB123における判定の結果が肯定の場合、すなわち、媒体の投函が完了した場合、損券投函制限情報DIを更新することで、損券投函口51を制限状態とする(SB125)。
【0393】
次に、損券装置制御部80Bは、ステップSB119において更新された損券投函詳細情報DHに基づいて、損券投函概要情報DGを更新する(SB127)。
【0394】
具体的には、損券装置制御部80Bは、損券投函概要情報DGのうち、現在時刻に対応する投函期間IDが記録されているレコードにおいて、期間内個別投函情報DGG1に対して、損券投函処理に対応する1または複数の損券投函IDを追加し、期間内投函処理情報DGG2に対して、損券投函処理に対応する投函処理IDを追加し、期間内投函金種情報DGG3に対して、損券投函処理において投函された1または複数の媒体の合計金額を反映させる。
【0395】
次に、損券装置制御部80Bは、ステップSB119において更新された損券投函詳細情報DH、または、ポスト回収確認画面G3の表示領域AB31における入力内容に基づいて、在高情報DMを更新し(SB129)、損券投函処理を終了させる。
具体的には、損券装置制御部80Bは、損券投函処理において損券管理装置5に投函された媒体の在高に基づいて、在高情報DMを更新する。
【0396】
なお、
図42に示す例では、損券投函処理において、一万円券及び五千円券が封入された投函袋FZと、一万円券及び千円券が封入された投函袋FZとの、2個の投函袋FZが、損券管理装置5に投函される場合を例示している。
【0397】
このように、一度の損券投函処理において、Q個の投函袋FZが損券管理装置5に投函される場合、表示領域AB42には、Q個の表示領域ABX[1]~ABX[Q]が設けられる。なお、値Qは「Q≧2」を満たす自然数である。また、以下では、Q個の表示領域ABX[1]~ABX[Q]のうち、q番目の表示領域ABXを、表示領域ABX[q]と称する。ここで、変数qは「1≦q≦Q」を満たす自然数である。
【0398】
表示領域ABX[q]は、表示領域ABX1[q]と、表示領域ABX2[q]と、を備える。表示制御部85は、表示領域ABX1[q]に対して、q番目に投函された投函袋FZに対応する撮像結果情報DCの示す画像を表示する。また、表示制御部85は、表示領域ABX2[q]に対して、q番目に投函された投函袋FZに封入された1または複数の媒体の合計金額を表示する。
【0399】
以上のように、本実施形態に係る損券投函処理においては、損券投函画面GB3において、損券投函処理で投函された媒体の数量及び金額と、当該媒体に対応する撮像結果情報DCの示す画像とを表示するため、損券投函処理における媒体の投入漏れ及び誤投入を低減することができる。
【0400】
また、本実施形態に係る損券投函処理においては、1回の投函において、複数の媒体を同時に投函することができるため、1回の投函において単一の媒体を投函する態様と比較して、損券投函処理におけるオペレータの負担を低減することができる。
【0401】
また、本実施形態に係る損券投函処理においては、損券登録確認画面GB4において、損券投函処理で投函された媒体の数量及び金額と、当該媒体に対応する撮像結果情報DCの示す画像とを表示するため、損券投函処理における媒体の投入漏れ及び誤投入を低減することができる。
【0402】
なお、本実施形態では、損券投函処理が、任意の時間帯で実行可能な場合を想定する。具体的には、本実施形態において、損券投函処理は、締上処理の中で実行されてもよいし、締上処理の終了後に実行されてもよいし、締上処理の開始前に実行されてもよい。また、本実施形態において、損券投函処理は、ポスト回収処理の後に実行されてもよいし、ポスト回収処理の前に実行されてもよい。
【0403】
<D.3.3.損券照会処理>
以下、
図43乃至
図45を参照しながら、損券照会処理について説明する。
【0404】
損券照会処理とは、損券管理装置5に対する損券投函処理の履歴を示す画面を表示する処理である。具体的には、損券照会処理とは、表示装置61に対して、保管履歴画面GB5と、保管履歴画面GB6と、保管履歴詳細画面GB7と、を表示する処理である。メニュー画面GB0において損券照会処理選択ボタンBR5が選択されたうえで完了ボタンBB0が押下された場合に、表示制御部85は、
図43に示す保管履歴画面GB5を表示装置61に表示させる。
【0405】
図43は、保管履歴画面GB5の一例を示す説明図である。
【0406】
図43に例示するように、保管履歴画面GB5は、R個の投函期間と1対1に対応するR個の表示領域AL[1]~AL[R]と、次へボタンBB51と、閉じるボタンBB52と、を有する。ここで、値Rは「R≧2」を満たす自然数である。また、以下では、R個の表示領域AL[1]~AL[R]のうち、r番目の表示領域を、
表示領域AL[r]と称する。ここで、変数rは「1≦r≦R」を満たす自然数である。
【0407】
なお、本実施形態では、値Rが、投函期間の特性に基づいて定められる値であることとする。具体的には、本実施形態では、複数の投函期間をグループ分けする場合に、各グループに属する投函期間の個数に基づいて値Rが定められる場合を想定する。
【0408】
例えば、本実施形態では、一例として、投函期間が月次で繰り返される期間であり、複数の投函期間をグループ分けした場合に、各グループに属する複数の投函期間からなる期間が、年次で繰り返される期間である場合を想定する。このため、本実施形態では、R個の投函期間が、現在時刻が属する投函期間と、過去の1年分の投函期間(12月分の投函期間)とを含むように、値Rを「1」と「12」とを加算した「13」に設定する。
【0409】
他の例として、投函期間が週次で繰り返される期間であり、複数の投函期間をグループ分けした場合に、各グループに属する複数の投函期間からなる期間が、月次で繰り返される期間であってもよい。この場合、R個の投函期間が、現在時刻が属する投函期間と、過去の1月分の投函期間(例えば、4週分の投函期間)とが含まれるように、値Rを「5」に設定してもよい。
【0410】
表示領域AL[r]は、選択ボタンBL[r]と、表示領域AL1[r]と、表示領域AL2[r]と、表示領域AL3[r]と、を備える。
【0411】
表示領域AL1[r]は、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体が回収された日付を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AL1[r]に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体が回収された日付を表示する。
【0412】
表示領域AL2[r]は、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体の合計金額を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AL2[r]に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体の合計金額を表示する。
【0413】
表示領域AL3[r]は、表示領域AL[r]に対応する投函期間の種別を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AL3[r]に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間の種別を表示する。
【0414】
表示制御部85は、選択ボタンBL[r]が選択された状態で、次へボタンBB51が押下された場合、表示装置61に表示される画面を、表示領域AL[r]に対応する投函期間に含まれる損券投函処理を表す保管履歴画面GB6に遷移させる。
【0415】
表示制御部85は、閉じるボタンBB52が押下された場合、保管履歴画面GB5を閉じる。
【0416】
図44は、保管履歴画面GB6の一例を示す説明図である。
【0417】
図44に例示するように、保管履歴画面GB6は、表示領域AB61と、表示領域AB62と、表示領域AB63と、表示領域AB64と、次へボタンBB65と、戻るボタンBB66と、を有する。
【0418】
表示領域AB61は、
図43において選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体が回収された日付を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AB61に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体が回収された日付を表示する。
【0419】
表示領域AB62は、
図43において選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体の合計金額を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AB62に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間において損券管理装置5に投函された媒体の合計金額を表示する。
【0420】
表示領域AB63は、
図43において選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間の種別を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域AB63に対して、表示領域AL[r]に対応する投函期間の種別を表示する。
【0421】
表示領域AB64は、
図43において選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において投函された1または複数の投函袋FZと1対1に対応する、1または複数の表示領域ALLを有する。各表示領域ALLは、選択ボタンBLLと、表示領域ALL1と、表示領域ALL2と、表示領域ALL3と、を有する。
【0422】
表示領域ALL1は、
図43において選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において投函された1または複数の投函袋FZのうち、各投函袋FZの通番を表示するための領域である。表示制御部85は、期間内投函情報DGGに基づいて、表示領域ALL1に対して、各投函の通番を表示する。
【0423】
表示領域ALL2は、当該表示領域ALL2に対応する投函袋FZの投函が実行された日(投函日)を表示ための領域である。表示制御部85は、損券投函詳細情報DHに基づいて、表示領域ALL2に対して、各投函袋FZの投函日を表示する。
【0424】
表示領域ALL3は、当該表示領域ALL3に対応する投函袋FZの投函において損券管理装置5に投函された媒体の合計金額を表示するための領域である。表示制御部85は、損券投函詳細情報DHに基づいて、表示領域ALL3に対して、各投函袋FZの投函に対応する合計金額を表示する。
【0425】
表示制御部85は、一の表示領域ALLに対応する選択ボタンBLLが選択された状態で、次へボタンBB65が押下された場合、表示装置61に表示される画面を、
図44において選択された一の表示領域ALLに対応する投函を表す保管履歴詳細画面GB7に遷移させる。
【0426】
なお、本実施形態では、
図43で選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において投函された1または複数の投函袋FZと1対1に対応する、1または複数の表示領域ALLが、表示領域AB64において表示される場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、
図43で選択された表示領域AL[r]に対応する投函期間において実行された1または複数回の損券投函処理と1対1に対応する、1または複数の表示領域ALLが、表示領域AB64において表示されてもよい。更に、保管履歴画面GB6において、投函袋FZ毎に表示領域ALLを表示させる態様と、損券投函処理毎に表示領域ALLを表示させる態様とを、切り替え可能であってもよい。また、1回の損券投函処理において複数の投函袋FZが投函された場合、投函袋FZごとに選択ボタンBLLを表示させても良い。
【0427】
表示制御部85は、戻るボタンBB66が押下された場合、表示装置61に表示される画面を、保管履歴画面GB5に遷移させる。
【0428】
図45は、保管履歴詳細画面GB7の一例を示す説明図である。
【0429】
図45に例示するように、保管履歴詳細画面GB7は、表示領域AB71と、表示領域AB72と、戻るボタンBB73と、を有する。
【0430】
表示領域AB71は、
図44において選択された一の表示領域ALLに対応する投函に係る投函明細PPSを表示するための領域である。表示制御部85は、個別投函詳細情報DHHに基づいて、表示領域AB71に対して、
図44において選択された一の表示領域ALLに対応する投函に係る投函明細PPSを表示する。
【0431】
表示領域AB72は、
図44において選択された一の表示領域ALLに対応する投函に係る撮像結果情報DCの示す画像を表示するための領域である。表示制御部85は、個別投函詳細情報DHHに基づいて、表示領域AB72に対して、
図44において選択された一の表示領域ALLに対応する投函に係る撮像結果情報DCの示す画像を表示する。
【0432】
なお、本実施形態では、表示領域AB71及び表示領域AB72が上下に配置される場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。表示領域AB71及び表示領域AB72は左右に配置されてもよい。保管履歴画面GB6と保管履歴詳細画面GB7の表示内容を1画面で表示させても良い。
【0433】
表示制御部85は、戻るボタンBB73が押下された場合、表示装置61に表示される画面を、保管履歴画面GB6に遷移させる。
【0434】
以上のように、本実施形態に係る損券照会処理においては、保管履歴画面GB5において、投函期間の種別が「回収済」である12個の表示領域AL[1]~AL[12]と、投函期間の種別が「投函中」である1個の表示領域AL[13]とを表示する。このため、本実施形態に係る損券照会処理においては、過去1年分に亘る損券投函処理の履歴を一覧することができるとともに、現在の損券投函処理の状況を把握することができる。
【0435】
また、本実施形態に係る損券照会処理においては、保管履歴詳細画面GB7において、各投函に係る投函明細PPSと、当該投函に係る撮像結果情報DCの示す画像とを表示する。このため、本実施形態に係る損券照会処理においては、過去における損券投函処理における媒体の投入ミスを容易に発見することが可能となる。
【0436】
<D.3.4.保管庫外部保管処理>
以下、保管庫外部保管処理について説明する。
【0437】
保管庫外部保管処理とは、保管庫50を損券管理装置5から取り外す処理である。上述のとおり、メニュー画面GB0において保管庫外部保管処理選択ボタンBR7が選択されたうえで完了ボタンBB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、保管庫外部保管処理を開始する。
【0438】
損券装置制御部80Bは、保管庫外部保管処理が開始されると、装置外部保管情報DXを、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着されていることを示す値「0」から、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管されていることを示す値「1」に変更することで、保管庫50の状態を外部保管状態にする。そして、損券装置制御部80Bは、保管庫50を損券管理装置5の外部に取り出せないように保管庫50を損券管理装置5の内部に固定された状態で施錠している電磁ロックを開錠する。なお、保管庫外部保管処理により損券管理装置5から取り外された外部保管状態の保管庫50は、例えば、金庫等、損券管理装置5の外部で保管される。
【0439】
図46及び
図47は、損券管理装置5の一例を示す斜視図である。なお、
図46は、損券管理装置5が損券管理装置5の内部に装着された内部装着状態である場合を例示している。また、
図47は、損券管理装置5が損券管理装置5の外部に引き出されたされた外部保管状態である場合を例示している。
【0440】
図46及び
図47に例示するように、損券管理装置5は、保管庫50と、損券投函口51と、損券取出口52と、投函制限機構511(図示省略)と、取出制限機構521と、鍵穴501と、鍵穴502と、電磁ロック(図示省略)と、を有する。保管庫50は、損券投函口51から内部に投函された特定媒体VTを収納する。
【0441】
電磁ロックが施錠状態の場合、
図46に例示するように、保管庫50は、手前に引き出せない状態で損券管理装置5の内部に固定される。また、電磁ロックが施錠状態の場合、取出制限機構521は、損券取出口52を閉塞した状態で固定される。
【0442】
他方、電磁ロックが開錠状態の場合、
図47に例示するように、保管庫50は、損券管理装置5の内部への固定が解除され、手前に引き出し自在の状態となる。また、電磁ロックが開錠状態の場合、取出制限機構521は固定が解除され、開閉自在の状態となる。
【0443】
なお、損券管理装置5が切離状態の場合、損券装置制御部80Bから、損券管理装置5に対して、電磁ロックの開錠または施錠を指示する信号を供給できなくなる。
このため、本実施形態では、損券管理装置5が切離状態であり、電磁ロックが開錠及び施錠できない場合であっても、鍵穴501に対応する物理鍵を用いることで、保管庫50が損券管理装置5の内部に固定された状態と、保管庫50が損券管理装置5の内部から引き出し自在の状態と、を切り替えることができる。
また、本実施形態では、損券管理装置5が切離状態であり、電磁ロックが開錠及び施錠できない場合であっても、鍵穴502に対応する物理鍵を用いることで、取出制限機構521が損券取出口52を閉塞した状態と、取出制限機構521が開閉自在の状態と、を切り替えることができる。
【0444】
なお、本実施形態では、
図48に例示するように、保管庫50が外部保管状態である場合、表示制御部85は、待機画面GB1の表示領域AB14に対して、保管庫50が外部保管状態であることを示す情報(図では「保管中」の文字列)を表示させる。
【0445】
また、本実施形態において、損券装置制御部80Bは、在高情報DMの示す機械管理在高AMKと、在高情報DMの示す手許在高AMTとを変更することなく、装置外部保管情報DXの示す保管庫50の状態を内部装着状態から外部保管状態へと変更する。つまり、本実施形態において、損券装置制御部80Bは、保管庫50が内部装着状態から外部保管状態へと変更され、保管庫50が損券管理装置5の外部に取り外された状態となった場合においても、保管庫50の内部に収納されている媒体の在高が、在高情報DMにおいて機械管理在高AMKとして管理された状態を維持する。
【0446】
本実施形態において、媒体管理装置100のオペレータは、保管庫50が外部保管状態である場合に、保管庫50に収納された媒体を損券取出口52から取り出して、取り出された媒体を手動で計数する、所謂、手再勘を行うことができる。また、本実施形態において、貨幣管理部83は、保管庫50が内部装着状態である場合、及び、保管庫50が外部保管状態である場合の双方において、貨幣処理装置1の内部の紙幣収納部及び硬貨収納部に収納された媒体を機械的に計数する、所謂、機械再勘を行うこととができる。
【0447】
よって、本実施形態によれば、保管庫50内の媒体の手再勘と、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘とを、同時に実施可能であるため、手再勘と機械再勘とを同時に実施できない態様と比較して、再勘に要する時間を短縮することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータの負担を軽減することが可能となる。
【0448】
また、本実施形態において、表示制御部85は、締上処理等において、貨幣管理部83が、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘を開始する前に、保管庫外部保管処理を行う旨のガイダンスを、表示装置61に表示してもよい。ここで、保管庫外部保管処理を行う旨のガイダンスとは、保管庫外部保管処理を行うことで、保管庫50を外部保管状態として、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘と並行して保管庫50内の媒体の手再勘を行うことができる旨のガイダンスである。
【0449】
このため、本実施形態によれば、媒体管理装置100のオペレータが、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘が開始される前に、損券装置制御部80Bに保管庫外部保管処理を実行させることができ、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘と、保管庫50内の媒体の手再勘とを、同時に実施することが可能となる。
【0450】
なお、媒体管理装置100のオペレータは、貨幣処理装置1内の媒体の機械再勘が終了した後に、保管庫50内の媒体の手再勘を行ってもよい。
【0451】
また、本実施形態において、表示制御部85は、保管庫50が外部保管状態となっている場合において、媒体管理装置100のオペレータが保管庫外部保管処理を開始しようとした場合に、外部保管中である旨のガイダンスを、表示装置61に表示してもよい。ここで、外部保管中である旨のガイダンスとは、保管庫外部保管処理が既に実行中で、再度の保管庫外部保管処理が実行ができない旨のガイダンスである。
【0452】
なお、保管庫50が外部保管状態となる場合、投函期間の種別は、上述した保管中期間となる。よって、表示制御部85は、保管庫50が外部保管状態となる場合、保管履歴画面GB5の表示領域AL3[r]、及び、保管履歴画面GB6の表示領域AB63に対して、投函期間の種別が保管中期間であることを示す情報(例えば「保管中」の文字列)を表示してもよい。
【0453】
<D.3.5.保管庫装着処理>
以下、保管庫装着処理について説明する。
【0454】
保管庫装着処理とは、外部保管状態にある損券管理装置5を、損券管理装置5に装着する処理である。上述のとおり、メニュー画面GB0において保管庫装着処理選択ボタンBR8が選択されたうえで完了ボタンBB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、保管庫装着処理を開始する。
【0455】
損券装置制御部80Bは、保管庫装着処理が開始されると、装置外部保管情報DXを、保管庫50が損券管理装置5の外部に保管されていることを示す値「1」から、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着されていることを示す値「0」に変更することで、保管庫50の状態を内部装着状態にする。そして、損券装置制御部80Bは、保管庫50が損券管理装置5の内部に固定された状態で電磁ロックを施錠する。
【0456】
なお、損券管理装置5が切離状態の場合、鍵穴501に対応する物理鍵を用いることで、保管庫50が損券管理装置5を内部に固定された状態にすることができる。また、損券管理装置5が切離状態の場合、鍵穴502に対応する物理鍵を用いることで、取出制限機構521が損券取出口52を閉塞した状態にすることができる。
【0457】
また、上述のとおり、本実施形態では、
図35に例示するように、保管庫50が内部装着状態となった場合、表示制御部85は、待機画面GB1の表示領域AB14に対して、保管庫50が内部装着状態であることを示す情報(図では「装着中」の文字列)を表示させる。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではない。待機画面GB1には、保管庫50が内部装着状態であることを示す情報は表示されなくてもよい。
【0458】
また、本実施形態において、損券装置制御部80Bは、保管庫装着処理において、在高情報DMの示す機械管理在高AMKと、在高情報DMの示す手許在高AMTとを変更することなく、装置外部保管情報DXの示す保管庫50の状態を外部保管状態から内部装着状態へと変更する。
【0459】
また、本実施形態において、表示制御部85は、保管庫装着処理が実行されて、保管庫50が内部装着状態となっている場合において、媒体管理装置100のオペレータが再度、保管庫装着処理を開始しようとした場合に、内部装着状態である旨のガイダンスを、表示装置61に表示してもよい。ここで、内部装着状態である旨のガイダンスとは、保管庫装着処理が既に実行済で、再度の保管庫装着処理が実行ができない旨のガイダンスである。
【0460】
<D.3.6.損券回収処理>
以下、損券回収処理について説明する。
【0461】
図49は、第2実施形態に係る媒体管理装置100が損券回収処理を行う場合の、制御装置7Bの動作の一例を示すフローチャートである。上述のとおり、メニュー画面GB0において損券回収処理選択ボタンBR6が選択されたうえで完了ボタンBB0が押下された場合に、媒体管理装置100は、
図49に示す損券回収処理を開始する。なお、本実施形態では、保管庫50が内部装着状態である場合に、損券回収処理が実行される場合を想定する。
【0462】
図49に例示するように、損券回収処理が開始されると、損券装置制御部80Bは、損券投函制限情報DIを更新することで、損券取出口52を開放状態とする(SB201)。
なお、本実施形態において、損券取出口52は、損券投函処理の実行時、及び、保管庫外部保管処理の実行時以外は、制限状態となっていることとする。
【0463】
次に、損券装置制御部80Bは、損券取出口52から媒体が回収されたか否かを判定する(SB203)。なお、当該判定は、媒体管理装置100のオペレータによる回収完了ボタン(図示省略)の押下に基づいて実行されてもよいし、損券取出口52に設置されたセンサ(図示省略)による投函袋FZの検出結果に基づいて実行されてもよいし、または、その他の方法により実施されてもよい。
そして、ステップSB203における判定の結果が否定の場合、損券装置制御部80Bは、処理をステップSB203に戻し、媒体の回収完了を待機する。
【0464】
他方、損券装置制御部80Bは、ステップSB203における判定の結果が肯定の場合、すなわち、媒体の回収が完了した場合、損券投函制限情報DIを更新することで、損券取出口52を制限状態とする(SB205)。
【0465】
次に、損券装置制御部80Bは、損券投函概要情報DGを更新する(SB207)。
具体的には、損券装置制御部80Bは、損券投函概要情報DGのうち、現在時刻に対応する投函期間IDが記録されているレコードにおいて、期間種別情報DGG4の示す投函期間の種別を、投函中期間から回収済期間に変更する。
【0466】
次に、損券装置制御部80Bは、在高情報DMを更新し(SB209)、損券回収処理を終了させる。
具体的には、損券装置制御部80Bは、ステップSB209において、損券管理装置5における在高である保管庫在高AMHを、手許在高AMTのうち、手許損券在高AMT2に移動させることで、在高情報DMを更新する。
【0467】
<E.第2実施形態に係る変形例>
以下、第2実施形態に係る変形例について説明する。なお、以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。また、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0468】
<E.1.変形例2-1>
上述した第2実施形態において、損券投函処理が実行される場合に、損券管理装置5に投函される媒体の金種及び数量に係る情報(表示領域AB31からの入力内容)の取得と、損券管理装置5に投函される媒体の撮像と、の順番を適宜入れ替えてもよい。
【0469】
例えば、損券投函処理において、損券管理装置5に投函される媒体の金種及び数量に係る情報を取得した後に、損券管理装置5に投函される媒体を撮像してもよい。また、例えば、損券投函処理において、損券管理装置5に投函される媒体を撮像した後に、損券管理装置5に投函される媒体の金種及び数量に係る情報を取得してもよい。
【0470】
また、上述した第2実施形態において、損券投函処理の中で、損券管理装置5に投函される媒体の撮像を省略してもよい。
この場合、損券投函画面GB3の表示領域AB32、及び、損券登録確認画面GB4の表示領域ABX1[q]には、損券管理装置5に投函される媒体の撮像が省略された旨を示す情報、例えば、「NO IMAGE」の文字列を表示してもよい。
【0471】
本変形例によれば、損券管理装置5に投函される媒体の撮像を行わないことを希望するユーザがいる場合に、当該ユーザの要望に柔軟に対応することが可能となる。
【0472】
<E.2.変形例2-2>
上述した第2実施形態及び変形例2-1では、損券投函処理において、媒体を投函袋FZに封入したうえで投函袋FZに封入された媒体を損券管理装置5に投函する場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券投函処理において、媒体を投函袋FZに封入することなく損券管理装置5に投函してもよい。
【0473】
本変形例によれば、媒体を投函袋FZに封入せずに直接、損券管理装置5に投函することを希望するユーザがいる場合に、当該ユーザの要望に柔軟に対応することが可能となる。
【0474】
<E.3.変形例2-3>
上述した第2実施形態並びに変形例2-1及び変形例2-2において、保管庫装着処理が実行され、保管庫50が損券管理装置5の内部に装着された場合、保管庫50の内部に設けられた残留センサ(図示省略)により、保管庫50の内部で管理されている媒体が、保管庫50の内部に残留してることを判定してもよい。
【0475】
本変形例によれば、保管庫外部保管処理により損券管理装置5の外部において保管されている保管庫50から、媒体が不正に取り出されることを抑制することが可能となる。
【0476】
<E.4.変形例2-4>
上述した第2実施形態及び変形例2-1乃至変形例2-3では、保管庫50が内部装着状態である場合に、損券回収処理が実行される場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。保管庫50が外部保管状態である場合に、損券回収処理を実行可能であってもよい。
【0477】
具体的には、本変形例において、損券装置制御部80Bは、保管庫外部保管処理が実行され、保管庫50が外部保管状態となっている場合であって、メニュー画面GB0において損券回収処理選択ボタンBR6が選択された場合に、損券回収処理を実行する。この場合、損券装置制御部80Bは、損券管理装置5における在高である保管庫在高AMHを、手許在高AMTのうち手許損券在高AMT2に移動させることで、在高情報DMを更新する。そして、損券回収処理の損券取出口52を制限状態とする工程を実行する。また、この場合、損券取出口52を制限状態とする工程が実行された後であって、保管庫50が損券管理装置5に装着された後において、損券装置制御部80Bは、内部装着状態となった保管庫50内の残留センサ(図示省略)により、保管庫50の内部で管理されている媒体が回収されたことを判定する。
【0478】
本変形例によれば、例えば、保管庫50が外部保管状態である場合に、保管庫装着処理により保管庫50を内部装着状態に戻したうえで、更に、損券回収処理を実行することで、損券管理装置5の内部で管理されている媒体を回収する態様と比較して、媒体管理装置100のオペレータの負荷を軽減することが可能となる。
【0479】
<E.5.変形例2-5>
上述した第2実施形態及び変形例2-1乃至変形例2-4では、損券管理装置5が接続状態である場合に、損券回収処理が実行される場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券管理装置5が切離状態である場合に、損券回収処理を実行可能であってもよい。
【0480】
損券管理装置5が切離状態であるときに損券回収処理を実行する場合、表示制御部85は、物理鍵を用いて損券回収処理を実行する旨のガイダンスを、表示装置61に表示してもよい。ここで、物理鍵を用いて損券回収処理を実行する旨のガイダンスとは、例えば、鍵穴501及び鍵穴502に対応する物理鍵を用いて、媒体管理装置100のオペレータが保管庫50の内部にアクセスすることを可能とすることで、損券管理装置5が管理している媒体を取り出す旨のガイダンスであってもよい。
【0481】
また、損券管理装置5が切離状態であるときに損券回収処理を実行する場合、損券装置制御部80Bは、損券管理装置5における在高である保管庫在高AMHを、手許在高AMTのうち手許損券在高AMT2に移動させることで、在高情報DMを更新する。
【0482】
本変形例によれば、損券管理装置5が切離状態であっても損券回収処理を実行できるため、損券管理装置5が接続状態である場合に限り損券回収処理を実行可能な態様と比較して、媒体管理装置100のオペレータの利便性が向上する。
【0483】
<E.6.変形例2-6>
上述した第2実施形態及び変形例2-1乃至変形例2-5において、損券収納ポスト4が切離状態である場合に、損券収納ポスト4から媒体を回収可能であってもよい。そして、損券収納ポスト4から回収された媒体を、損券投函処理により損券管理装置5に投函可能であってもよい。なお、本変形例においては、損券管理装置5が接続状態である場合を想定する。
【0484】
本変形例において、損券装置制御部80Bは、損券収納ポスト4から媒体が回収される際に、損券収納ポスト4における在高であるポスト在高AMPを、手許在高AMTに移動させることで、在高情報DMを更新する。そして、損券装置制御部80Bは、損券収納ポスト4から回収された媒体が損券管理装置5に投函される際に、ポスト在高AMPから移動された手許在高AMTを、保管庫在高AMHに更に移動させる。
【0485】
本変形例によれば、切離状態の損券収納ポスト4で管理されていた媒体を、接続状態の損券管理装置5で安全に管理することができる。
【0486】
<E.7.変形例2-7>
上述した変形例2-6では、損券管理装置5が接続状態である場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。損券収納ポスト4が切離状態であり、且つ、損券管理装置5が切離状態である場合に、損券収納ポスト4から回収された媒体を、損券管理装置5に投函可能であってもよい。なお、本変形例では、鍵穴501及び鍵穴502に対応する物理鍵を用いて、媒体管理装置100のオペレータが保管庫50の内部にアクセスすることで、損券収納ポスト4から回収された媒体を損券管理装置5に投函することを想定する。
【0487】
本変形例において、損券装置制御部80Bは、損券収納ポスト4から媒体が回収される際に、損券収納ポスト4における在高であるポスト在高AMPを、手許在高AMTに移動させることで、在高情報DMを更新する。そして、損券装置制御部80Bは、損券収納ポスト4から回収された媒体が損券管理装置5に投函される際に、ポスト在高AMPから移動された手許在高AMTを、保管庫在高AMHに更に移動させる。
【0488】
本変形例によれば、例えば、有価証券の回収のために、切離状態の損券収納ポスト4で管理されていた媒体を回収する必要がある場合においても、損券収納ポスト4から回収された媒体を、損券管理装置5が具備する保管庫50内で保管することができる。
【0489】
<E.8.変形例2-8>
上述した各実施形態及び各変形例において、貨幣処理装置1は、貨幣を識別する識別装置(図示省略)と、汚染または損傷した紙幣、及び、汚染または損傷した硬貨を収納する収納庫(図示省略)と、を備えてもよい。この場合、貨幣処理装置1は、識別装置により識別可能な程度に汚染または損傷した紙幣、及び、識別装置により識別可能な程度に汚染または損傷した硬貨を、受け付け、当該紙幣及び硬貨を、収納庫に収納してもよい。
【符号の説明】
【0490】
1…貨幣処理装置、2…紙幣処理装置、3…硬貨処理装置、4…損券収納ポスト、5…損券管理装置、7…制御装置、8…処理装置、9…記憶装置、21…紙幣入金口、22…紙幣出金口、31…硬貨入金口、32…硬貨出金口、41…媒体投函口、42…媒体取出口、51…損券投函口、52…損券取出口、61…表示装置、62…入力装置、63…印刷装置、64…書画カメラ、80…装置制御部、81…媒体投函制御部、82…媒体投函判定部、83…貨幣管理部、84…ポスト制御部、85…表示制御部、86…入力受付部、87…撮像制御部、88…印刷制御部、100…媒体管理装置、421…取出制限機構、511…投函制限機構、521…取出制限機構。