(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092998
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】多方向出力デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20240701BHJP
H01H 25/04 20060101ALI20240701BHJP
【FI】
G06F3/0338 412
H01H25/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218244
(22)【出願日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】111149952
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504214936
【氏名又は名称】福華電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】鐘景浩
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼春霖
(72)【発明者】
【氏名】李秀貞
【テーマコード(参考)】
5B087
5G031
【Fターム(参考)】
5B087AA04
5B087AA06
5B087BC02
5B087BC12
5G031AS10
5G031AS31H
5G031GS04
5G031GS12
5G031HS11
5G031HS22
5G031HU34
5G031KS03
5G031KS09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】耐用年数を増加させ、信号精度を向上し、かつ、小型化した多方向出力デバイスを提供する。
【解決手段】多方向出力デバイスは、第1及び第2の磁気センサが配置されたプリント回路基板15と、プリント回路基板上に配置された方向制御ユニット10と、を含む。方向制御ユニットは、第1、第2の回転駆動体102、103と、第1、第2の磁石106、107と、シャフトスティック108と、バランスワッシャ109と、環状バネ111と、を含み、回転駆動体の各々は回転可能な細長い弧状構造体である。各磁石は、回転駆動体の一端に夫々固定される。バランスワッシャは、シャフトスティックの下部にかつ第1、第2の回転駆動体に接触して配置される。環状バネは、バランスワッシャの下部にかつバランスワッシャに接触して配置される。各磁気センサは、各磁石にそれぞれ対応するように配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多方向出力デバイスであって、
第1の磁気センサ及び第2の磁気センサが配置されたプリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に設けられた方向制御ユニットと、
を備え、該方向制御ユニットは、
第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体であって、各々が回転可能な細長い弧状構造体であり、各々が対応する該細長い弧状構造体の中心に配置された中心長穴を有し、前記第1の回転駆動体は、前記中心長穴が相互に交差して整合されるように、前記第2の回転駆動体の上方にかつ垂直に交差して配置される、第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体と、
前記第1の回転駆動体の一端及び前記第2の回転駆動体の一端にそれぞれ固定された第1の磁石及び第2の磁石と、
上端及び下端を有するシャフトスティックであって、前記上端は前記第1の回転駆動体及び前記第2の回転駆動体の下方から前記中心長穴を貫通する、シャフトスティックと、
前記シャフトスティックの下部にかつ前記第1の回転駆動体及び前記第2の回転駆動体に接触して配置されたバランスワッシャと、
前記バランスワッシャの下部にかつ前記バランスワッシャに接触して配置された環状バネと、
を含み、
前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサが、前記第1の磁石及び前記第2の磁石にそれぞれ対応するように配置された、多方向出力デバイス。
【請求項2】
前記シャフトスティックを第1の方向に揺動させる場合、前記シャフトスティックは前記第1の回転駆動体を駆動して回転させ、前記シャフトスティックは前記第2の回転駆動体の前記中心長穴に対して接線方向にあり、該中心長穴内を移動し、前記シャフトスティックを第2の方向に揺動させる場合、前記シャフトスティックは前記第2の回転駆動体を駆動して回転させ、前記シャフトスティックは前記第1の回転駆動体の前記中心長穴に対して接線方向にあり、該中心長穴内を移動し、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直である、請求項1に記載の多方向出力デバイス。
【請求項3】
前記シャフトスティックを前記第1の方向及び前記第2の方向によって形成される平面における任意の方向に揺動させる場合、前記シャフトスティックは前記第1の回転駆動体及び前記第2の回転駆動体を選択的に駆動して同時に回転させる、請求項2に記載の多方向出力デバイス。
【請求項4】
前記プリント回路基板上に配置されたスイッチバネ片と、該スイッチバネ片に配置されて前記シャフトスティックの下端に対応する押圧駆動体と、をさらに備える請求項1に記載の多方向出力デバイス。
【請求項5】
前記スイッチバネ片と前記押圧駆動体の間に配置された板バネをさらに備える請求項4に記載の多方向出力デバイス。
【請求項6】
前記第1の回転駆動体及び前記第2の回転駆動体の各々は、対応する前記細長い弧状構造体の2面にそれぞれ配置された2つの凹部を有し、前記第2の回転駆動体は前記第1の回転駆動体の前記2つの凹部内に係合される、請求項2に記載の多方向出力デバイス。
【請求項7】
前記シャフトスティックの前記下端は各々が突出部を有する2つの面を有し、2つの前記突出部は前記第2の回転駆動体の前記2つの凹部に組み合わされる、請求項6に記載の多方向出力デバイス。
【請求項8】
第1の収容スロットが前記第1の回転駆動体の一端に設けられて前記第1の磁石を収容し、第2の収容スロットが前記第2の回転駆動体の一端に設けられて前記第2の磁石を収容する、請求項1に記載の多方向出力デバイス。
【請求項9】
前記第1の磁石及び前記第2の磁石は、接着剤によって前記第1の収容スロット及び前記第2の収容スロットにそれぞれ接着されている、請求項8に記載の多方向出力デバイス。
【請求項10】
前記方向制御ユニットは、前記第1の収容スロットに締められて前記第1の磁石を固定する第1の固定用リングと、前記第2の収容スロットに締められて前記第2の磁石を固定する第2の固定用リングと、をさらに含む、請求項8に記載の多方向出力デバイス。
【請求項11】
前記方向制御ユニットは、
下側カバーであって、該下側カバーの中心に配置されて前記シャフトスティックの前記下端に対応する押圧孔を有する下側カバーと、
前記下側カバーの上方に配置されて開口が設けられた上側カバーであって、該上側カバーは前記下側カバーに組み合わされて、前記第1の回転駆動体、前記第2の回転駆動体、前記第1の磁石、前記第2の磁石、前記シャフトスティック、前記バランスワッシャ及び前記環状バネを収容する収容空間を与え、前記シャフトスティックの前記上端は前記上側カバーの開口を貫通する、上側カバーと、
をさらに含む、請求項1に記載の多方向出力デバイス。
【請求項12】
前記下側カバーは、前記第1の磁石及び前記第2の磁石にそれぞれ対応する2つの収容空間をさらに有し、前記第1の磁気センサ及び前記第2の磁気センサは前記2つの収容空間を通じて前記第1の磁石及び前記第2の磁石にそれぞれ対応する、請求項11に記載の多方向出力デバイス。
【請求項13】
前記方向制御ユニットの下部に配置され、前記方向制御ユニットと組み合わされて前記押圧駆動体、前記板バネ、前記スイッチバネ片及び前記プリント回路基板を収容する固定用プレートをさらに備える請求項5に記載の多方向出力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年12月26日出願の台湾特許出願第111149952号の利益を主張し、その主題が参照によりここに取り込まれる。
【0002】
本発明は、多方向出力デバイスに関し、より詳細には、磁気検知によって駆動される非接触小型多方向出力デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
ゲームコンソールとして又はモバイルデバイスのための無線ジョイスティックとして使用される既存のジョイスティックでは、例えば、ジョイスティックの制御を与えるのに炭素被膜抵抗器が使用される。しかし、炭素被膜抵抗器を用いる制御は接触動作であるため、ブラシ接点によってもたらされる摩耗の問題に起因して耐用年数が非常に限られ、これは実際の要件を満足することができない。
【0004】
さらに、接触式ジョイスティックの短所を回避するために、直接的なアプローチは、ホール素子の磁気誘導原理を用いてジョイスティックを制御するなど、非接触部品を用いてジョイスティック制御を与えるものである。しかし、非接触式ジョイスティックの精度を制御することは困難であり、非接触式ジョイスティックの構造は複雑かつ大型であるため、小型化の要件を満たすことができない。
【0005】
したがって、既存の欠点を軽減及び/又は解消するために、改善された多方向出力デバイスを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の課題は、ブラシ接点によってもたらされる摩耗の問題を排除するために非接触磁気センサが使用される多方向出力デバイスを提供し、それにより、耐用年数を大幅に増加させ、動作シャフトのリセット精度を高めて信号精度を向上し、小型化して小規模制御デバイスを設計することである。
【0007】
上記課題を達成するために、本発明の多方向出力デバイスは、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサが配置されたプリント回路基板と、プリント回路基板上に設けられた方向制御ユニットと、を含み、方向制御ユニットは第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体であって、各々が回転可能な細長い弧状構造体であり、各々が対応する細長い弧状構造体の中心に配置された中心長穴を有し、第1の回転駆動体は中心長穴が相互に交差して整合されるように第2の回転駆動体の上方にかつ垂直に交差して配置される、第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体と、第1の回転駆動体の一端及び第2の回転駆動体の一端にそれぞれ固定された第1の磁石及び第2の磁石と、上端及び下端を有するシャフトスティックであって、上端は第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体の下方から中心長穴を貫通する、シャフトスティックと、シャフトスティックの下部にかつ第1の回転駆動体及び第2の回転駆動体に接触して配置されたバランスワッシャと、バランスワッシャの下部にかつバランスワッシャに接触して配置された環状バネと、を含み、第1の磁気センサ及び第2の磁気センサは第1の磁石及び第2の磁石にそれぞれ対応するように配置される。
【0008】
本開示の他の新規な特徴は、添付図面と併せて解釈されることで以下の詳細な説明からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る多方向出力デバイスの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の好適な実施形態に係る多方向出力デバイスの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の好適な実施形態に係る、第1の方向へのシャフトスティックの揺動が行われる多方向出力デバイスの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の好適な実施形態に係る、第2の方向へのシャフトスティックの揺動が行われる多方向出力デバイスの概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の好適な実施形態に係る、多方向出力デバイスの上面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の好適な実施形態に係る、スイッチ押圧が行われる多方向出力デバイスの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の好適な実施形態に係る、スイッチ押圧が行われる多方向出力デバイスの他の概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の好適な実施形態に係る、多方向出力デバイスのシャフトスティックを第1の方向に揺動させる場合の第1の磁石の角度変化を示す概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の好適な実施形態に係る、多方向出力デバイスのシャフトスティックを第2の方向に揺動させる場合の第1の磁石の角度変化を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び
図2を参照されたい。それらは、それぞれ本発明の好適な実施形態に係る多方向出力デバイスの斜視図及び分解図である。図示するように、本発明の多方向出力デバイス1は、方向制御ユニット10、押圧駆動体11、板バネ12、スイッチバネ片13、プリント回路基板15、第1の磁気センサ16、第2の磁気センサ17及び固定用プレート18を含む。方向制御ユニット10は、プリント回路基板15上に配置され、上側カバー101、第1の回転駆動体102、第2の回転駆動体103、第1の固定用リング104及び第2の固定用リング105、第1の磁石106、第2の磁石107、シャフトスティック108、バランスワッシャ109、環状バネ111並びに下側カバー112を含む。
【0011】
前述した方向制御ユニット10において、上側カバー101は開口1012を有し、上側カバー101は下側カバー112上に配置され、それにより、上側カバー101及び下側カバー112が、例えば、スナップ態様又は螺合態様で組み合わせられる。この配置において、第1の回転駆動体102、第2の回転駆動体103、第1の固定用リング104、第2の固定用リング105、第1の磁石106、第2の磁石107、シャフトスティック108、バランスワッシャ109、環状バネ111などを収容する収容空間が設けられる。前述した固定用プレート18は、方向制御ユニット10の下部に配置され、下方から上方に方向制御ユニット10に組み合わせられ、それらの間に、押圧駆動体11、板バネ12、スイッチバネ片13及びプリント回路基板15が収容される。
【0012】
上述した第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103の各々は、回転可能な細長い弧状構造体であり、細長い弧状構造体の中心に配置された中心長穴1021、1031及び細長い弧状構造体の2辺にそれぞれ配置された2つの凹部1023、1033を有する。組立て後に、第1の回転駆動体102の細長い弧状構造体の長辺は第2の方向(Y軸方向)に延在し、回転駆動体103の細長い弧状構造体の長辺は第1の方向(X軸方向)に延在する。第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103は、双方の中心長穴1021及び1031が交差して相互に整合されるように、第1の回転駆動体102が第2の回転駆動体103の上方に配置されて双方が相互に対して実質的に垂直に交差するような態様で配置される。第2の回転駆動体103は、第1の回転駆動体102の凹部1023内に係合される。さらに、第1の磁石106は第1の回転駆動体102の一端に固定され、第2の磁石107は第2の回転駆動体103の一端に固定される。好ましくは、第1の回転駆動体102は、一端に設けられた第1の収容スロット1025を有して、接着剤によって第1の収容スロット1025に接着され又は第1の収容スロット1025に締められる第1の固定用リング104によって制限される第1の磁石106を収容し、それにより、第1の磁石106を第1の収容スロット1025内に固定する。同様に、第2の回転駆動体103は、一端に設けられた第2の収容スロット1035を有して、接着剤によって第2の収容スロット1035に接着され又は第2の収容スロット1035に締められる第2の固定用リング105によって制限される第2の磁石107を収容し、それにより、第2の磁石107を第2の収容スロット1035内に固定する。
【0013】
前述したシャフトスティック108の一端(上端)は、ユーザによって操作されるために、第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103の下方から、双方の中心長穴1021、1031及び上側カバー101の開口1012を貫通する。シャフトスティック108の他端(下端)は、各々が突出部1082を有する2面を有する。組立て後に、突出部1082は、第2の回転駆動体103の凹部1033に組み合わされてシャフトスティック108が意図せずに回転することを防止する。前述したバランスワッシャ109は、シャフトスティック108の下部に配置され、第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103の下端に接触し得る。前述した環状バネ111は、下側カバー112上に配置され、バランスワッシャ109の下部にかつバランスワッシャ109に接触して配置される。
【0014】
前述した方向制御ユニット10により、シャフトスティック108は、第1の方向(X軸方向)及び第2の方向(Y軸方向)によって形成された平面の360度方向に揺動するようにユーザに操作され得る。第1の方向及び第2の方向は、相互に略垂直である。シャフトスティック108を第1の方向に揺動させる場合、
図3も参照すると、シャフトスティック108は第1の回転駆動体102を駆動して反時計回り方向にわずかに回転させ、シャフトスティック108は第2の回転駆動体103の中心長穴1031の接線方向にあり、中心長穴1031内を移動する。シャフトスティック108を第2の方向に揺動させる場合、
図4も参照すると、シャフトスティック108は第2の回転駆動体103を駆動して時計回り方向にわずかに回転させ、シャフトスティック108は第1の回転駆動体102の中心長穴1021の接線方向にあり、中心長穴1021内を移動する。上記は第1の方向及び第2の方向のシャフトスティック108を例として、シャフトスティック108が第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103を駆動して回転させるという説明を容易化する。ただし、本発明において、シャフトスティック108は、第1の方向の軸及び第2の方向の軸の交点において任意の方向に揺動され得る。例えば、回転駆動体102の駆動に加えて、シャフトスティック108を第1の方向に完全には整合されない方向に揺動させる場合、それは回転駆動体103を第2の方向に駆動することにもなる。さらに、例えば、回転駆動体103の駆動に加えて、シャフトスティック108を第2の方向に完全には整合されない方向に揺動させる場合、それは回転駆動体102を第1の方向に駆動することにもなる。すなわち、シャフトスティック108を第1の方向及び第2の方向によって形成される平面の360度方向に揺動させる場合、シャフトスティック108は、第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103を選択的に駆動して同時に回転させてもよい。
【0015】
さらに、前述した環状バネ111及びバランスワッシャ109の構成により、シャフトスティック108をリセットするための力が与えられ得る。それにより、シャフトスティック108は、揺動後にその元の状態(直立状態)に戻り得る。バランスワッシャ109の下部に配置される環状バネ111は、その弾性力によってバランスワッシャ109を上方に押し上げて、第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103をさらに押し込み、それにより、バランスワッシャ109が第1の回転駆動体102及び第2の回転駆動体103の下端において接触面と同一平面となることにより、シャフトスティック108を直立状態にリセットする。したがって、ユーザがシャフトスティック108を直立状態から第1の方向又は第2の方向に揺動させた後に、シャフトスティック108はその元の直立状態に自動的に戻り得る。
【0016】
図2を再度参照されたい。前述した下側カバー112は下側カバー112の中心に配置されてシャフトスティック108の下端に対応する押圧孔1123、並びに下側カバー112の2つの隣り合う辺に隣接する位置にそれぞれ配置されて第1の磁石106及び第2の磁石107にそれぞれ対応する2つの収容空間1121、1122を有する。各収容空間1121、1122は、例えば、下側カバー112に画定された孔、窪みなどであり得る。前述したスイッチバネ片13はプリント回路基板15上に設けられ、前述した押圧駆動体11はスイッチバネ片13上に設けられ、下側カバー112の押圧孔1123を通じてシャフトスティック108の下端に対応する。これにより、多方向出力デバイス1の動作が押圧スイッチとして使用されることを示すために、
図5は本発明の好適な実施形態に係る多方向出力デバイス1の上面図を示し、
図6は
図5の線A-A´に沿う多方向出力デバイス(板バネ12は装着されていない)の断面図である。ユーザがシャフトスティック108を押圧すると、環状バネ111の弾性力により、シャフトスティック108の下端は下側カバー112の押圧孔1123を通じて押圧駆動体11に対して下方に押し下げ、それにより、押圧駆動体11がスイッチバネ片13を押圧してプリント回路基板15の回路部品に押圧スイッチ動作を行い得るように構成される。さらに、代替的に、
図2は、板バネ12がスイッチバネ片13と押圧駆動体11の間に追加的に設けられてもよいことを示す。板バネ12は中空円であり、外向きに延在する4本の弾性脚を有し、それはさらに、スイッチバネ片によって与えられる弾性力を調整し得る。結果として、
図5の線B-B´に沿う多方向出力デバイス(板バネ12が装着されている)の断面図である
図7に示すように、ユーザがシャフトスティック108を押圧すると、環状バネ111及び板バネ12の弾性力により、シャフトスティック108の下端は下側カバー112の押圧孔1123を通じて押圧駆動体11に対して下方に押し下げてスイッチバネ片13を押圧し、それにより、プリント回路基板15の回路部品に押圧スイッチ動作を行うように構成される。
【0017】
前述した第1の磁気センサ16及び第2の磁気センサ17は、プリント回路基板15上に配置され、プリント回路基板15の隣り合う2辺に隣接して配置され、下側カバー112の2つの収容空間1121、1122を通じて第1の磁石106及び第2の磁石107にそれぞれ対応する。したがって、シャフトスティック108を第1の方向に揺動させる場合、例えば、
図8に示すように、第1の回転駆動体102上に配置された第1の磁石106も回転されて角度の変化を生じさせる。第1の磁気センサ16は、第1の磁石106の角度の変化に従って第1の磁石106の磁界の変化を検知し得る。同様に、シャフトスティック108を第2の方向に揺動させる場合、例えば、
図9に示すように、第2の回転駆動体103上に配置された第2の磁石107も回転されて角度の変化を生成する。第2の磁気センサ17は、第2の磁石107の角度の変化に従って第2の磁石107の磁界の変化を検知し得る。したがって、以下のことが分かる。シャフトスティック108を第1の方向及び第2の方向によって形成される平面の任意の方向に揺動させる場合、第1の磁気センサ16及び第2の磁気センサ17は角度の変化に従って第1の磁石106及び第2の磁石107の磁界の変化をそれぞれ検知することができ、第1の磁気センサ16及び第2の磁気センサ17によって取得される磁界及び磁界変化信号はプリント回路基板15上の回路を介して出力のための対応する電気信号に変換され、それにより、シャフトスティック108を揺動させるためにユーザによって付与された速度、力、方向、距離などに関するデータが計算可能となることで非接触制御が達成される。
【0018】
上記設計により、本発明は、2つの磁気センサを利用して、シャフトスティックの揺動に応じて回転され得る2つの磁石の磁界の変化を検知する。それにより、ブラシ接点によってもたらされる摩耗の問題なしに非接触態様で操作を行うことにより、大幅に耐用年数を増加させ、シャフトスティックを動作させる際のリセット精度を強化して信号精度を向上することが可能となる。さらに、シャフトスティックはボタンとして使用され得るため、追加のボタンを装着する必要はなく、これにより、更に小型化して小規模制御デバイスを設計することができる。
【0019】
前述の具体的実施形態は、単に説明目的として解釈されるべきであり、本開示の残余部分をいかなる態様でも限定するものではない。