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特開2024-93002評価コメント表示処理プログラム、評価コメント表示処理装置及び評価コメント表示処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093002
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】評価コメント表示処理プログラム、評価コメント表示処理装置及び評価コメント表示処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218488
(22)【出願日】2023-12-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】P 2022209100
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.令和4年12月27日 ウェブサイト https://lecheck.jp/ における、契約書レビューAI支援クラウド「Lecheck(リチェック)」の初期版のリリース 2.令和5年3月30日 同ウェブサイトにおける、契約書レビューAI支援クラウド「Lecheck(リチェック)」の正式版のリリース 3.令和5年4月3日 ウェブサイト https://lisse-law.com/release/noitce/20230401/ における「評価コメント表示処理プログラム、評価コメント表示処理装置及び評価コメント表示処理方法」が実装された契約書レビューAI支援クラウド「Lecheck(リチェック)」の機能追加についてのプレスリリース
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】519313471
【氏名又は名称】株式会社リセ
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 美樹
(72)【発明者】
【氏名】寄合 龍太
(57)【要約】
【課題】
法律文書に付される評価コメントの中でどの評価コメントを優先的に確認するべきかを、ユーザが簡易的に把握できる技術を提供すること。
【解決手段】
評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるコンピュータに、ユーザ端末から法律文書を取得するステップと、取得した法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定するステップと、メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、グループごとに設定された優先度と、を読み出すステップと、表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループの優先度を特定するステップと、表示評価コメントと、読み出した優先度と、をユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価コメント表示処理プログラムであって、
前記評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるコンピュータに、
ユーザ端末から法律文書を取得するステップと、
取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
評価コメント表示処理プログラム。
【請求項2】
前記表示評価コメントを決定するステップは、取得した法律文書の内容に基づいて、前記予め設定された評価コメントのうち、当該法律文書に付与する表示評価コメントを決定する決定モデルに前記法律文書を入力し、前記表示評価コメントを決定するステップである、
請求項1に記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項3】
前記決定モデルは、入力された法律文書の内容に予め設定されたキーワードを含むかというルールに基づき、前記表示評価コメントを決定する、
請求項2に記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項4】
前記決定モデルは、入力された法律文書の内容に基づき、当該入力された法律文書に付与する評価コメントを決定する機械学習モデルである、
請求項2に記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項5】
前記決定モデルは、前記予め設定された評価コメントのうち、入力された法律文書に対して付与する評価コメントを決定するルールと、前記法律文書と、を含む決定命令に基づき、前記表示評価コメントを決定する、
請求項2に記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項6】
前記メモリは、更に、前記グループごとにユーザが設定可能な優先度であるユーザ設定優先度を受け付け、前記グループと紐づけて記憶し、
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、前記ユーザ端末において表示される優先度を予め設定された優先度であるデフォルト設定優先度とするデフォルト設定優先度モード、または、前記ユーザ端末において表示される優先度を前記ユーザ設定優先度とするユーザ設定優先度モードのいずれかを用いるかの選択を受け付けるステップと、
更に、前記選択に基づいて前記メモリから前記デフォルト設定優先度または前記ユーザ設定優先度のいずれかを読み出すかを決定し、前記表示評価コメントと、前記表示評価コメントが属するグループに関連づけられる読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項7】
前記メモリは、前記優先度毎に設定された色の情報である色情報を記憶し、
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記メモリから前記色情報を読み出し、前記優先度を前記設定された色で表示するように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項8】
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
ユーザが確認していない表示評価コメントと、ユーザが確認した表示評価コメントと、を区別可能なように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項9】
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記ユーザ端末を介して指定された優先度に基づいて、前記指定された優先度が付与された表示評価コメントのみを前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項10】
法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに応じて、各グループに属する評価コメントの構成が異なる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項11】
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
所定の優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントが付されている法律文書と、それ以外の法律文書と、を法律文書の一覧の中で区別可能なように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項12】
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を前記ユーザ端末の同一画面に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
請求項1~5の何れかに記載の評価コメント表示処理プログラム。
【請求項13】
評価コメント表示処理プログラムであって、
前記評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるコンピュータに、
ユーザ端末から法律文書を取得するステップと、
入力された文書に基づき法的な評価を示す評価コメントを生成するための生成条件と、前記法律文書と、を入力された生成条件と入力された文書に基づき文章を生成する文章生成モデルに入力し、前記法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを取得するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属すべきグループを判定し、判定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
評価コメント表示処理プログラム。
【請求項14】
評価コメント表示処理システムであって、
前記評価コメント表示処理システムは、メモリ、解析部、表示処理部、を備え、
解析部は、ユーザ端末から法律文書を取得し、更に、取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定し、
表示処理部は、前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出し、更に、前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定し、更に、前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成する、
評価コメント表示処理システム。
【請求項15】
評価コメント表示処理方法であって、
メモリを備えるコンピュータが、取得ステップと、決定ステップと、読出ステップと、特定ステップと、生成ステップと、を実行し、
前記取得ステップにおいて、ユーザ端末から法律文書を取得し、
前記決定ステップにおいて、取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定し、
前記読出ステップにおいて、前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出し、
前記特定ステップにおいて、前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定し、
前記生成ステップにおいて、前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成する、
評価コメント表示処理方法。
【請求項16】
ユーザ端末を動作させるユーザ端末側評価コメント表示処理プログラムであって、
前記ユーザ端末側評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるユーザ端末に、
法律文書を受け付けるステップと、
受け付けた前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる、
ユーザ端末側評価コメント表示処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価コメント表示処理プログラム、評価コメント表示処理装置及び評価コメント表示処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、法律文書の内容に対して法的な評価を示す評価コメントを付す技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、法律文書データに記載された文字コンテンツをスコアリングし、スコアリング結果が利用者にとり有利か否かを色、大きさ、形状のうち少なくとも一の要素を用いた表示コンテンツとともに表示出力するUI出力手段を有する法律文書レビューシステム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-114285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
法律文書には様々な種類が存在し、それらを作成する者の立場も異なる。法律文書の種類、それらを作成する者の立場によって、優先的に確認するべきものは異なる。さらに、作成者によっては、自身が優先的に確認したいものがある場合も考えられる。
【0006】
従来技術では、法律文書の内容がユーザにとって有利か否かを示す評価コメントを提供するだけにとどまっていた。よって、法律文書に付される評価コメントの中でどの評価コメントを優先的に確認するべきかを、ユーザは簡易的に把握できなかった。
【0007】
さらに、法的関連性がある評価コメントにおいてそれぞれで優先度が異なるとユーザに困惑を招く恐れがある。したがって、ユーザが確認するべき評価コメントの優先度を簡易的に把握するために、法的関連性がある評価コメントにおいて優先度が同一となるように一括で管理されることが望ましい。
【0008】
上記事情を鑑みて、本発明は、法律文書に付される評価コメントの中でどの評価コメントを優先的に確認するべきかを、ユーザが簡易的に把握できなかったことを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、評価コメント表示処理プログラムであって、
前記評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるコンピュータに、
ユーザ端末から法律文書を取得するステップと、
取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0010】
また、本発明は、評価コメント表示処理システムであって、
前記評価コメント表示処理システムは、メモリ、解析部、表示処理部、を備え、
解析部は、ユーザ端末から法律文書を取得し、更に、取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定し、
表示処理部は、前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出し、更に、前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定し、更に、前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成する。
【0011】
また、本発明は、評価コメント表示処理方法であって、
メモリを備えるコンピュータが、取得ステップと、決定ステップと、読出ステップと、特定ステップと、生成ステップと、を実行し、
前記取得ステップにおいて、ユーザ端末から法律文書を取得し、
前記決定ステップにおいて、取得した前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定し、
前記読出ステップにおいて、前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出し、
前記特定ステップにおいて、前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定し、
前記生成ステップにおいて、前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成する。
【0012】
また、本発明は、ユーザ端末を動作させるユーザ端末側評価コメント表示処理プログラムであって、
前記ユーザ端末側評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備える前記ユーザ端末に、
法律文書を受け付けるステップと、
受け付けた前記法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属するグループを特定し、特定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0013】
このような構成とすることで、ユーザは、法的関連性がある評価コメントの優先度を一括で管理することが可能となり、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを、簡易的に把握することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記表示評価コメントを決定するステップは、取得した法律文書の内容に基づいて、前記予め設定された評価コメントのうち、当該法律文書に付与する表示評価コメントを決定する決定モデルに前記法律文書を入力し、前記表示評価コメントを決定するステップである。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記決定モデルは、入力された法律文書の内容に予め設定されたキーワードを含むかというルールに基づき、前記表示評価コメントを決定する。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記決定モデルは、入力された法律文書の内容に基づき、当該入力された法律文書に付与する評価コメントを決定する機械学習モデルである。
【0017】
このような構成とすることで、法律文書に付与する表示評価コメントを、精度よく決定することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記決定モデルは、前記予め設定された評価コメントのうち、入力された法律文書に対して付与する評価コメントを決定するルールと、前記法律文書と、を含む決定命令に基づき、前記表示評価コメントを決定する。
【0019】
このような構成とすることで、法律文書に付与する表示評価コメントを、大規模言語モデルに決定させることができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記メモリは、更に、前記グループごとにユーザが設定可能な優先度であるユーザ設定優先度を受け付け、前記グループと紐づけて記憶し、
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、前記ユーザ端末において表示される優先度を予め設定された優先度であるデフォルト設定優先度とするデフォルト設定優先度モード、または、前記ユーザ端末において表示される優先度を前記ユーザ設定優先度とするユーザ設定優先度モードのいずれかを用いるかの選択を受け付けるステップと、
更に、前記選択に基づいて前記メモリから前記デフォルト設定優先度または前記ユーザ設定優先度のいずれかを読み出すかを決定し、前記表示評価コメントと、前記表示評価コメントが属するグループに関連づけられる読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0021】
このような構成とすることで、ユーザは、優先度として、予め設定された優先度と、自身が設定可能な優先度と、を選択することが可能となり、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを、簡易的に把握することができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記メモリは、前記優先度毎に設定された色の情報である色情報を記憶し、
前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記メモリから前記色情報を読み出し、前記優先度を前記設定された色で表示するように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
ユーザが確認していない表示評価コメントと、ユーザが確認した表示評価コメントと、を区別可能なように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0024】
このような構成とすることで、ユーザは、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを、簡易的に把握することができる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記ユーザ端末を介して指定された優先度に基づいて、前記指定された優先度が付与された表示評価コメントのみを前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに応じて、各グループに属する評価コメントの構成が異なる。
【0027】
このような構成とすることで、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性に応じて、より詳細なグループを構成することが可能となり、ユーザは、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを、簡易的に把握することができる。
【0028】
本発明の好ましい形態では、前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
所定の優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントが付されている法律文書と、それ以外の法律文書と、を法律文書の一覧の中で区別可能なように前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0029】
このような構成とすることで、ユーザは、法律文書の中で優先的に確認すべきものを、簡易的に把握することができる。
【0030】
本発明の好ましい形態では、前記評価コメント表示処理プログラムは、更に、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を前記ユーザ端末の同一画面に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0031】
このような構成とすることで、ユーザは、表示評価コメントと優先度の関係を、簡易的に把握することができる
【0032】
また、本発明は、評価コメント表示処理プログラムであって、
前記評価コメント表示処理プログラムは、メモリを備えるコンピュータに、
ユーザ端末から法律文書を取得するステップと、
入力された文書に基づき法的な評価を示す評価コメントを生成するための生成条件と、前記法律文書と、を入力された生成条件と入力された文書に基づき文章を生成する文章生成モデルに入力し、前記法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを取得するステップと、
前記メモリから、前記メモリに記憶された法的関連性がある評価コメントで構成されたグループと、前記グループごとに設定されたユーザが確認を優先すべき度合いを示す優先度と、を読み出すステップと、
前記表示評価コメントとして決定された評価コメントが属すべきグループを判定し、判定したグループに関連付けられた優先度を特定するステップと、
前記表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連づけて前記ユーザ端末に表示する表示情報を生成するステップと、を実行させる。
【0033】
このような構成とすることで、法律文書に付与する表示評価コメントを、大規模言語モデルに生成させることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、法律文書に付される評価コメントの中でどの評価コメントを優先的に確認するべきかを、ユーザが簡易的に把握できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】一実施形態の評価コメント表示処理システムの構成を示すブロック図。
図2】一実施形態の評価コメント表示処理装置及びユーザ端末装置のハードウェア構成図。
図3】一実施形態の評価コメント表示処理装置のハードウェア構成図。
図4】一実施形態のデータ構成図。
図5】一実施形態のデータ構成図。
図6】一実施形態のデータ構成図。
図7】一実施形態におけるユーザ設定優先度等を設定するための画面表示例。
図8】一実施形態における表示評価コメント等の表示処理の画面表示例。
図9】一実施形態における表示評価コメント等の表示処理の画面表示例
図10】一実施形態における表示評価コメント等の表示処理の画面表示例。
図11】一実施形態における法律文書をアップロードするための画面表示例。
図12】一実施形態における法律文書を管理するための画面表示例。
図13】一実施形態における表示評価コメントの表示処理の実行を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、本発明は多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0037】
例えば、本実施形態では評価コメント表示処理システムの構成、動作等について説明するが、評価コメント表示処理装置、評価コメント表示処理システムや評価コメント表示処理装置が実行する方法、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態では、評価コメント表示処理システムは、クライアント端末(ユーザ端末装置)でその機能を実現する為に、外部のコンピュータ(評価コメント表示処理装置)において当該評価コメント表示処理プログラムを実行する、いわゆるクラウドコンピューティングの態様をとる。
【0038】
評価コメント表示処理プログラムは、クライアント端末を評価コメント表示処理装置として機能させるために、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記憶媒体としてクライアント端末へ提供されても良いし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されても良い。また、評価コメント表示処理プログラムは、例えば、Microsoft Word(登録商標)等において、アドオン(プラグイン)されるプログラムであっても良い。
【0039】
本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものを含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば、電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。広義の回路とは、回路(Circuit)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路類(Circuitry)である。例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のいずれかを含む回路類である。
【0040】
本実施形態では、法律文書が契約書である形態を示す。契約書としては、秘密保持契約書、売買契約書、不動産賃貸借に関する契約書等の契約効果を発揮する文書が挙げられる。さらに本実施形態は契約書に限定されず、例えば、法律文書が規則、規約、通知書等であっても良い。規則としては、就業規則等の法規範の文書等が考えられる。また、通知書としては、プライバシー等のポリシー宣言の文書等が考えられる。この他にも、法律文書は、催告書、委任状等の法律に何らかの関連性がある文書を含む。なお、解析対象となる法律文書は、文書の全体であってもよいし、文書の一部であってもよい。
【0041】
<システム構成>
図1は、一実施形態の評価コメント表示処理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、評価コメント表示処理システム0は、評価コメント表示処理装置1及びユーザ端末装置2を備える。評価コメント表示処理装置1及びユーザ端末装置2は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。評価コメント表示処理装置1はサーバとして動作し、ユーザ端末装置2はクライアント端末として動作する。
【0042】
通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0043】
なお、評価コメント表示処理装置1として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いて評価コメント表示処理装置1を構成することも可能である。
【0044】
ユーザ端末装置2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。ユーザ端末装置2は、評価コメント表示処理装置1に対してリクエストを行い、レスポンスを受け取る為のアプリケーション(ウェブブラウザアプリケーション又は専用アプリケーション)を有し、このアプリケーションを介して、評価コメント表示処理装置1において実行される評価コメント表示処理プログラムを利用する。
【0045】
評価コメント表示処理装置1は、ユーザ端末装置2のアプリケーションから送信されたリクエストに基づいて、法律文書を解析し、解析結果に基づき、表示情報として所定の形式のデータをユーザ端末装置2のアプリケーションに送信する。所定の形式のデータは、例えばJSON(JavaScript Object Notation)形式やXML形式のデータである。表示情報は、法律文書に付す評価コメント、その評価コメントに関連付けられる優先度を少なくとも含む。ユーザ端末装置2のアプリケーションは、受信したデータをもとに表示データをレンダリングし、法律文書に対する評価コメント及び優先度をユーザ端末装置2のディスプレイに表示する。なお、関連づけられるとは、所定のデータ同士が直接的または間接的に紐づいている状態を示し、例えばデータテーブルにおいてデータAのレコードのフィールドにデータBが記憶されている状態などである。表示情報は、更に、ユーザ端末装置2のディスプレイに表示される評価コメントや評価コメントに関連付けられる優先度に対するフィルタ、ソート、呈色等、評価コメント等の表示態様を示す表示態様情報を含んでもよい。ソートは、ユーザ端末装置2のディスプレイ上で、関連付けられる優先度に応じて評価コメントを昇順、降順又は任意の順番に表示する処理である。ユーザ端末装置2は、受信した表示態様情報をもとに評価コメントをディスプレイ上にソートして表示しても良い。フィルタは、表示態様情報によって指定される1又複数の優先度に応じて、該優先度が関連付けられる評価コメントのみを表示したり、指定されていない優先度が関連付けられる評価コメントと異なる態様で表示する処理である。
【0046】
例えば、ユーザ端末装置2のウェブブラウザアプリケーション上で法律文書に対する評価コメント及び優先度の表示処理する場合は、まずウェブブラウザアプリケーションはHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストをWebサーバに送信し、HTTPリクエストで要求されたファイルを含むHTTPレスポンスを受信する。受信するファイルは、評価コメント及び優先度を含む表示情報であり、表示するWebページの内容又は指示を示し、例えば、HTML(Hypertext Markup Language)などのマークアップ言語を用いて記述される。受信するファイルに、ウェブブラウザアプリケーション上で実行されるプログラムであるスクリプトが付加されていてもよい。ウェブブラウザアプリケーションは、受信したファイルに基づいて、表示領域にWebページを描画(レンダリング)する。ファイルにスクリプトが付加されている場合、ブラウザは、スクリプトを実行し、実行結果に応じてWebページを表示する。
【0047】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、評価コメント表示処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。評価コメント表示処理装置1は、ハードウェア構成として、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0048】
制御部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る評価コメント表示処理プログラム、ОSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、評価コメント表示処理装置1の動作処理全体を制御する。
【0049】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係る評価コメント表示処理プログラム及び、制御部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部101が記憶部102に記憶されている評価コメント表示処理プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0050】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、評価コメント表示処理装置1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0051】
図2(b)は、端末装置90(ユーザ端末装置2)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置90も同様に、ハードウェア構成として、制御部901と、記憶部902と、通信部903と、入力部904と、出力部905と、を備える。
【0052】
端末装置90の制御部901は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置90の動作処理全体を制御する。端末装置90の記憶部902は、HDD、ROM、RAM等であって、上述のアプリケーション及び、制御部901がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。端末装置90の通信部903は、ネットワークとの通信を制御する。端末装置90の入力部904は、マウス及びキーボード等であって、利用者/提供者による操作要求を制御部901に入力する。端末装置90の出力部905は、ディスプレイ等であって、制御部901の処理の結果等を表示する。
【0053】
<評価コメント表示処理装置1の機能>
図3に示すように、評価コメント表示処理装置1は、機能構成として、解析部11、表示処理部12及び、設定優先度選択受付部13及び、選択部14を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部101等)によって具体的に実現されたものである。例えば、制御部101が記憶部102に記憶されている評価コメント表示処理プログラムを読み出して記憶部102等の一時記憶領域(RAM等)に展開して実行し、通信部103等を制御することにより、評価コメント表示処理装置1の機能が実現される。
【0054】
解析部11は、法律文書を解析し、法律文書に付す評価コメントである表示評価コメントを決定する。
【0055】
解析部11は、取得した法律文書に対し、表示評価コメントを決定する。例えば、解析部11は、取得した法律文書の内容に基づいて、予め設定された法的評価を示す評価コメントのうち、当該法律文書に付与する評価コメントである表示評価コメントを決定する。また、例えば、解析部11は、取得した法律文書に対し、決定モデルを用いて、表示評価コメントを決定する。決定モデルは、法律文書に付す評価コメントである表示評価コメントを決定するためのモデルである。例えば、決定モデルは解析基準を用いたモデルである。なお、決定モデルは、解析基準と称してもよい。また、解析基準を用いるとは、解析基準を用いたモデルを実行することと同義であってもよい。決定モデルは、例えば、予め定められたルールを用いたルールベースモデル、予め学習済みの機械学習モデル、大規模言語モデル(LLM(Large Language Model))等である。決定モデルは、予め定められた複数の評価コメントのうちどの評価コメントを付与するかを決定するモデルであることが考えられる。また、決定モデルは、ある1つの評価コメントを付与するか否かを決定するモデルであって、当該モデルの集合体であっても良い。解析部11は、メモリに記憶されている決定モデルを読み出して実行してもよいし、外部サーバに記憶されている決定モデルを実行させてもよい。
【0056】
例えば、解析部11は、法律文書に対し、解析基準を用いて、評価コメントを付すか否か又はどの評価コメントを付すかを決定する。解析基準は、法律文書が評価コメントを付す対象かどうかを判定する基準である。メモリが解析基準を記憶する。解析部11は、メモリが記憶する解析基準を読み出し、解析基準に基づいて評価コメントを決定する。解析基準は法的な論点ごとに設定されており、解析部11は複数の解析基準を用いて、法律文書に対して付す評価コメントを決定する。なお、解析基準は1種類の評価コメントを付すかどうかを決める基準であってもよいし、複数の評価コメントのうちからどの評価コメントを付すかどうかを決める基準であってもよい。また、1つの解析基準の中に複数の項目があり、該当する項目に基づいて複数の評価コメントのうちからどの評価コメントを付すか決定してもよい。また、1つの解析基準の中に複数の分岐条件があり、分岐条件の確認結果によって最終的にたどり着く枝に基づいて複数の評価コメントのうちからどの評価コメントを付すか決定してもよい。例えば、解析部11は、解析基準に含まれる分岐条件「A0」を用いて法律文書を解析し、分岐条件「A0」に関連する分岐結果「An」(n=1,2,…)のうち、該当するいずれか1つの分岐結果を出力する。次に「An」の分岐結果に基づいて分岐条件「B0」が定まり、分岐条件「B0」を用いて法律文書を解析して分岐結果「Bn」(n=1,2,…)のうち、該当するいずれか1つの分岐結果を出力する。さらに、分岐結果「Bn」を出力した場合、次は分岐条件「C0」を用いて法律文書を解析して分岐結果「Cn」(n=1,2,…)を出力する。そして最終的に出力された分岐結果に予め設定された評価コメントを、法律文書に対して付する評価コメント(表示評価コメント)として決定する。例えば、「知的財産権の帰属」について解析するための解析基準の場合、解析部11は、まず「誰に帰属するか」という分岐条件を用いて法律文書を解析する。具体的には、解析部11は、法律文書に記載されている知的財産権の帰属に関する記載が、「委託者に帰属する」、「受託者に帰属する」、「発明者に帰属する」のいずれかに該当するかを解析する。次に解析結果が「受託者に帰属する」であった場合、解析部11は「契約目的と関係なく取得した知的財産権は契約で定める知的財産権の除外対象となるか」という分岐条件を用いて法律文書を解析する。解析結果が「除外対象とならない」であった場合、解析部11は「除外対象とならない」に予め設定されている評価コメントを、法律文書に対して付する評価コメントとして決定する。なお、解析部11は、法律文書に対して、解析基準に基づく自然言語処理を行うことによって、解析を行う。なお、解析部11は、全ての解析基準において法律文書の全体を解析してもよいし、解析基準によって解析対象とする法律文書の文章領域を異ならせてもよい。例えば、「知的財産権の帰属」の解析基準については、文章内に知的財産権という単語が含まれる条文を抽出し、抽出された条文を解析対象としてもよい。また、自然言語処理は、法律文書に対して解析基準に基づく解析が可能な処理であればよい。例えば、対象となる法律文書を品詞分解等による単語分割や単語の正規化といった前処理を行った後、所定の解析基準に該当するキーワードを含むかというルールベースの解析であってもよいし、機械学習を用いた解析であってもよい。また、解析部11の出力は、表示評価コメントの内容であってもよいし、表示評価コメントの内容に紐づく識別番号等であってもよい。また、表示評価コメントとともに、その表示評価コメントは法律文書のどの文章に対する評価かを紐づける情報を同時に出力してもよい。
【0057】
ルールベースを用いた解析においては、契約類型ごとに予め設定されたキーワードが存在し、解析部11は、そのキーワードに関連する条件を用いて判定する。具体的には、解析部11は、予め設定されたキーワードに関連する関連キーワードが、(法律文書中の)対象の文章(条項)に含まれるか否かを判定する。この他にも、解析部11は、(法律文書中の)対象の文章(条項)における関連キーワード同士の位置が、所定の条件(例えば、関連キーワード同士の距離)を満たしているか否かを判定しても良い。
【0058】
機械学習を用いた解析においては、解析部11は、予め学習済みの機械学習モデルを用いて判定する。解析部11は、取得した法律文書の文章(条項)を機械学習モデルに入力し、その条項がどの評価コメントを付与すべき分類に属するか、を判定する。機械学習モデルとしては、例えば、文章(条項)と、評価コメントの分類(どの評価コメントを付与すべきかを示す分類)と、が紐づいたペアデータによって学習したモデルが考えられる。解析部11は、その学習によって生成されたパラメータに基づく機械学習モデルにより文章(条項)を分類する。そして、解析部11は、評価コメントを付与する。なお、機械学習モデルは、例えば多層ニューラルネットワークを用いたモデルである。
【0059】
解析部11は、大規模言語モデルを用いて、表示評価コメントを決定しても良い。大規模言語モデルとしては、例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)等が考えられる。
【0060】
解析部11は、取得した法律文書と、法律文書に対してどの評価コメントを付与させるかの条件を含むルールと、を含む決定命令(プロンプト)を大規模言語モデルに送信することが考えられる。法律文書に対してどの評価コメントを付与させるかの条件は、契約類型ごとに用意された(予め定められた)ものが考えられる。大規模言語モデルは、評価コメントのうち、入力された法律文書に対して付与する評価コメントを決定する、用意された(予め定められた)ルールと、法律文書と、を含む決定命令に基づき、表示評価コメントを決定する。法律文書に対してどの評価コメントを付与させるかの条件を含むルールとしては、例えば、「評価コメントX、評価コメントY、・・・のうち、法律文書にXXXの記載がないときは評価コメントXを、法律文書にYYYの記載がないときは評価コメントYを、出力してください」等が考えられる。解析部11は、大規模言語モデルが判定した表示評価コメントを法律文書に対して付与する。
【0061】
この他にも、解析部11は、取得した法律文書と、法律文書に対して付与する評価コメントを生成する生成条件を含むルールと、を含む生成命令(プロンプト)を大規模言語モデルに送信することが考えられる。法律文書に対して付与する評価コメントを生成する生成条件は、契約類型ごとに用意された(予め定められた)ものが考えられる。大規模言語モデルは、入力された法律文書に対して付与する評価コメントを生成するルールと、法律文書と、を含む生成命令に基づき、評価コメントを出力する。そして、解析部11は、大規模言語モデルが出力した評価コメントを取得する。
【0062】
また、大規模言語モデルに、評価コメントがどのグループに属するかを判定させても良い。解析部11は、評価コメントがどのグループに属するかを判定させるための条件を含むルールと、評価コメントと、を含む判定命令(プロンプト)を大規模言語モデルに送信することが考えられる。評価コメントがどのグループに属するかを判定させるための条件としては、例えば、「評価コメントがXのときはグループXXに、評価コメントがYのときはグループYYに、属する」等が考えられる。大規模言語モデルは、入力された命令からグループを生成する。そして、解析部11は、大規模言語モデルが生成したグループを取得する。生成されたグループには、優先度が設定される。
【0063】
評価コメントは、法的関連性がある1以上の評価コメントで構成されるグループに属している。また、グループには、優先度が関連付けられている。例えば、グループID「G0001」と優先度「C」が紐づいたテーブルが、記憶部102に記憶されている。本実施形態の一例では、優先度を「A、B、C」で表した例について説明する。なお、Aが最も優先度が高く、BがAの次に優先度が高い。また、優先度の違いは、A、B、C、…のような文字で表されても、1、2、3、…のような数字で表されても良い。また、優先度の違いは、優先度によって評価コメントに付されるマークの色や形が異なるように表されてもよい。この他にも、優先度の違いを区別可能な表記であればよい。また、Aが最も優先度が低くても良い。グループには法的関連性に基づいて予め属する評価コメントが設定されていることが好ましいが、ユーザが評価コメントごとにグループを割り当て設定できるようにしてもよい。
【0064】
評価コメントは、法律文書の法的な評価を示すコメントである。法律文書の法的な評価とは、法律文書における法的な記載不備や記載内容に対する指摘、記載内容の法的なリスクの指摘等であり、法律文書の記載内容に対する法的観点での指摘やユーザへのアドバイスである。例えば、法律文書の記載内容に秘密情報の例外事由の記載が無い場合は、「秘密情報の例外事由が欠けています」という評価コメントが付される。
【0065】
図4(a)を用いてグループおよび評価コメントのデータ構成(テーブル)の一例を説明する。また、図4(b)を用いて解析基準と評価コメントのデータ構成(テーブル)の一例を説明する。図4(a)は、グループID「G0001」に5つの評価コメントが属していることを示すテーブルを示している。また、グループID「G0001」にはグループ名称が紐づけられている。これらの5つの評価コメントは、秘密情報の例外事由という観点において法的関連性がある評価コメントである。グループIDはグループを識別するためのIDであり、グループ名称はユーザまたは開発者がグループの観点を認識できるようにグループIDごとに付されている名称である。以下、このグループIDと対応する評価コメントが紐づくテーブルをグループテーブルと称する。
図4(b)は、それぞれの解析基準に評価コメントが関連付けられていることを示すテーブルを示している。なお、図4(b)の例では、解析基準については基準の内容ではなく、解析基準が示す観点を解析基準として表記している。以下、解析基準と対応する評価コメントが紐づくテーブルを解析基準テーブルと称する。解析基準「例外の欠陥(独自に取得)」は、評価コメント「秘密情報の例外事由から、独自に取得した情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」、解析基準「例外の欠陥(責めなく公知)」は評価コメント「秘密情報の例外事由から、受領者の責めなく公知となった情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」、解析基準「例外の欠陥(もともと公知)」は評価コメント「秘密情報の例外事由から、受領時点で元々公知であった情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」、解析基準「例外の欠陥(第三者から正当に入手)」は評価コメント「秘密情報の例外事由から、第三者から守秘義務を負うことなく正当に入手した情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」、解析基準「例外の欠陥(すでに保有)」は評価コメント「秘密情報の例外事由から、すでに保有している情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」に対応する。これらは例外が抜けていることを確認しており、記載不備の確認の評価コメントである。例えば、解析部11は、「例外の欠陥(独自に取得)」の観点の解析基準に基づいて法律文書を解析し、評価コメントを法律文書に付すると決定した場合は、解析部11は図4(a)のテーブルを読み出して、解析基準「例外の欠陥(独自に取得)」に関連する評価コメントを出力する。
【0066】
図5(a)を用いてグループおよび評価コメントのデータ構成(テーブル)の一例を説明する。図5(a)は、解析基準「個別と基本の優先関係」に4つの評価コメントが関連付けられている解析基準テーブルを示している。図5(a)の例では、解析基準については基準の内容ではなく、解析基準が示す観点を解析基準として表記している。解析基準「個別と基本の優先関係」は評価コメント「基本契約と個別契約の間に矛盾がある場合には、個別契約が優先するとされていますが、問題ありませんか。」、「基本契約と個別契約の間に矛盾がある場合には、基本契約が優先するとされていますが、問題ありませんか。」、「基本契約と個別契約の優先関係について明確な規定がありません。」、「基本契約と個別契約の優先関係が規定されています。この内容で問題ありませんか。」に対応する。解析部11は、「個別と基本の優先関係」の観点の解析基準に基づいて、4つの評価コメントのいずれか1つの評価コメントを法律文書に付すると決定した場合は、解析部11は図5(a)のテーブルを読み出して、該当する評価コメントを出力する。なお、これらの中で、問題がないかを確認しているものは、記載事項の確認の評価コメントであり、規定がないことを指摘しているものは、記載不備の指摘の評価コメントである。なお、図5(b)は後述するグループIDと対応するユーザIDおよびユーザ設定優先度が紐づくテーブル、図5(c)は後述するグループIDと対応するデフォルト設定優先度が紐づくテーブルを示している。以下、グループIDとグループごとに対応する優先度が紐づくテーブルを優先度テーブルと称する。
【0067】
表示処理部12は、グループに関連付けられる優先度を参照し、参照結果に基づき表示評価コメントの表示処理を実行する。表示処理は、ユーザ端末に表示評価コメント及び表示評価コメントに関連づけられた優先度を表示させるための処理であり、例えば、ユーザ端末に表示評価コメント、表示評価コメントに関連付けられる優先度を含む表示情報を送信する処理である。なお、ユーザ端末に送信する表示情報は、表示評価コメントの評価対象となった法律文書の領域を示す評価対象の情報や優先度を用いたフィルタやソートの情報を含んでもよい。評価コメント表示処理装置1はユーザ端末装置2に表示情報を送信し、ユーザ端末装置2は受信した表示情報に基づいて表示内容をレンダリングしてユーザ端末装置2のディスプレイに出力することで表示する。表示情報は、更に、優先度の違い毎に関連付けられる色の情報を含んでも良い。なお、表示情報に含まれる表示評価コメントは、表示評価コメントの内容を示すデータであってもよいし、ユーザ端末のアプリケーションに予め記憶されている評価コメントを読み出すためのデータであってもよい。
【0068】
表示処理は、表示評価コメントと、読み出した優先度と、を関連付けてユーザ端末に表示する表示情報を生成する処理であっても良い。例えば、ユーザ端末に(ユーザ端末側)評価コメント表示処理プログラムが記憶され、更に、評価コメントで構成されるグループおよび、後述の優先度テーブルが記憶されることによって、ユーザ端末が表示情報を生成してその表示情報に基づいて、表示評価コメントと、優先度と、を表示することができる。
【0069】
解析部11が表示評価コメントを決定すると、表示処理部12は、図4(a)で一例を示したグループテーブルを読み込み、表示評価コメントが属するグループを参照する。そして、表示処理部12は、図5(b)、(c)で一例を示した優先度テーブルを読み込み、そのグループに関連付けられる優先度を参照する。これにより、表示評価コメントに対する優先度を参照することができる。すなわち、表示評価コメントが属するグループを読み出し、そのグループに対応する優先度を読み出し、表示評価コメントに対する優先度を決定することができる。例えば、解析部11が、解析結果として評価コメント「秘密情報の例外事由から、受領者の責めなく公知となった情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」及び「秘密情報の例外事由から、すでに保有している情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」を表示評価コメントとして法律文書に付すことを決定した場合を説明する。表示処理部12は、図4(a)に示すグループテーブルを読み込み、評価コメント「秘密情報の例外事由から、受領者の責めなく公知となった情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」及び「秘密情報の例外事由から、すでに保有している情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」が属するグループID「G0001」を参照する。なお、テーブルを参照とは、プロセッサが、テーブルが保持する情報を読み出して、その情報を記憶部に記憶させる処理を示す。次に、図5(c)に示す優先度テーブルを読み込み、グループID「G0001」に設定されている優先度「C」を参照し、参照結果に基づき表示評価コメントごとに対応する優先度を参照する。そして、表示処理部12は、表示評価コメントと、対応する優先度と、に基づき表示処理を実行する。例えば、表示評価コメント「秘密情報の例外事由から、受領者の責めなく公知となった情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」及び「秘密情報の例外事由から、すでに保有している情報という例外が抜けています。追加する必要はありませんか。」と、表示評価コメントごとに対応する優先度をユーザ端末装置2に表示するための表示情報をユーザ端末装置2に送信する。
【0070】
図5(b)又は(c)に一例を示した優先度テーブルは、グループIDに、対応する優先度が関連付けられている。よって、グループに関連付けられる優先度を変更することにより、一括して評価コメントの優先度を変更することができる。すなわち、法的関連性がある評価コメントをグループ化し、グループで優先度を管理することによって、法的関連性がある評価コメントにおいて優先度が同一となるように一括で管理することができる。また、図5(b)に一例を示すようにユーザが設定可能なユーザ設定優先度を示す優先度テーブルと、図5(c)に一例を示すように事前にデフォルトとして設定されているデフォルト設定優先度を示す優先度テーブルとを記憶部102が保持し、表示処理部12は、ユーザの選択に基づいてグループに関連付けられる優先度の参照先の優先度テーブルを決定してもよい。
【0071】
例えば、評価コメント表示処理装置1は、ユーザがデフォルト設定優先度をグループごとに変更可能なユーザ設定画面を提供し、ユーザがデフォルト設定優先度を変更した場合は、デフォルト設定優先度を記憶する優先度テーブルとは異なる、ユーザ設定優先度テーブルを生成して記憶部102に保存する。ユーザは所属組織において最も確認を優先すべきグループを優先度「A」に設定し、その設定を用いた表示処理結果をユーザ端末装置2にて確認することができる。このようにユーザごとの優先度を設定できるようにすることにより、ユーザによって確認したいコメントは異なる場合に対して適切な優先度の表示を提供することができるため、確認するべきコメントを簡易的に把握することができる。ユーザ設定優先度は、図5(b)に示すように、ユーザIDにユーザ設定優先度を関連付けることにより、ユーザ毎の優先度を管理できるようにしてもよい。これにより、ユーザID切り替えに基づいて、ユーザ設定優先度を読み出すことが可能になるため、ログインするユーザごとにユーザ設定優先度を切り替えることができる。また、ユーザ設定優先度の優先度テーブルを参照先にする場合をユーザ設定優先度モード、デフォルト設定優先度の優先度テーブルを参照先にする場合をデフォルト設定優先度モードとし、ユーザの選択に基づいてモードを切り替える構成としてもよい。
【0072】
図7は、一実施形態におけるユーザ設定優先度等を設定するための設定画面の画面表示例である。図7に示す画面では、グループ名称「秘密情報の範囲の限定」が表示されている。ユーザは、設定画面にてグループ名称に紐づくユーザ設定優先度(図7の「ユーザ設定」列)にユーザが設定したい優先度を入力することで、ユーザ設定優先度を設定することができる。なお、設定画面の初期状態ではデフォルト設定優先度が表示され、ユーザがデフォルト設定優先度を変更した場合に、その優先度の設定をユーザ設定優先度として記憶する構成であってもよい。また、ユーザがデフォルト設定優先度を変更しない場合はデフォルト設定優先度モード、ユーザがデフォルト設定優先度を変更した場合はユーザ設定優先度モードに自動で切り替える構成としてもよい。さらに、図7のW71に示すように、バーに優先度の違い(優先度のランク)を示すアイコンを表示し、ユーザがアイコンを選択することでユーザ設定優先度を決定できるUIを提供してもよい。この他にも、ユーザが優先度として文字又は数値を入力する形態等も考えられる。また、図7のW72に示すようにユーザのメモ等を受け付け、グループに対して設定したユーザ設定優先度と紐付けて記憶しても良い。これにより、ユーザのメモとして、ユーザがどのような意図でユーザ設定優先度を設定したか等を、受け付けて記憶することができる。
【0073】
デフォルト設定優先度としては、複数のグループのうち、後でもめやすく、会社の重要な権利や義務に関わる争点が関連するグループが優先度「A」に設定される。例えば、「知的財産の帰属」、「損害賠償の範囲」、「秘密情報の定義」等が含まれる。また、複数のグループのうち、抜けていても問題となる可能性が低い争点が関連するグループが優先度「C」に設定される。例えば、「秘密情報の例外」、「途中の報告義務」等が含まれる。そして、複数のグループのうち、AとCに該当しないグループが優先度「B」に設定される。
【0074】
設定優先度選択受付部13は、ユーザから、ユーザ設定優先度の優先度テーブルを参照先とするか又はデフォルト設定優先度の優先度テーブルを参照先とするかの選択を受け付ける。なお、ユーザ設定優先度モード又はデフォルト設定優先度モードのいずれかのモードを選ぶかの選択を受け付けてもよい。デフォルト設定優先度の優先度テーブルを選択できることにより、自身が確認すべき評価コメントを理解していないユーザであっても、評価コメントの中で優先的に確認するべき評価コメントを、簡易的に把握することができる。
【0075】
表示処理部12は、ユーザが設定した参照先に基づいて、表示評価コメントが属するグループに対応する優先度の参照を行い、参照結果に基づき表示評価コメントの表示処理を実行する。
【0076】
表示処理部12は、更に、表示評価コメントと共に、表示評価コメントに対応する優先度の表示処理を実行しても良い。例えば、表示評価コメントをユーザ端末装置2に表示する際に、表示評価コメントに対応する優先度「A」という文字が表示評価コメントとともにユーザ端末装置2に表示されるように表示処理しても良い。このとき、ユーザ端末装置2に送信される表示情報に、どのように表示評価コメントと優先度を表示するかのレイアウト情報が含まれることが好ましい。
【0077】
図8及び9は、一実施形態における表示評価コメント等を表示処理するための画面表示例である。図8及び9に示す画面では、解析した法律文書がS81及びS91のように左画面に表示される。右画面には、表示評価コメント等が表示される。
【0078】
優先度は、優先度の違い毎に異なる色の情報が関連付けられていても良い。表示処理部12は、優先度に関連付けられる色の情報を参照し、表示評価コメント又は優先度の表示処理と共に、色の表示処理を実行しても良い。例えば、優先度「A」に赤色、優先度「B」に黄色、優先度「C」に灰色が関連付けられる場合、優先度「A」の背景が赤色、優先度「B」の背景が黄色、優先度「C」の背景が灰色でユーザ端末装置2に表示されるように、表示情報に色の情報を含めてもよい。この他にも、文字そのものが関連付けられる色で表示されるように表示情報を送信しても良い。さらに、優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントに対応する文字の背景が赤色で表示されるように表示情報を送信してもよい。この他にも、優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントに対応する文字自体が赤色で表示されるように表示情報を送信しても良い。図8のW86は優先度「B」、W85は優先度「C」であり、それぞれの背景が異なる色で表示されている。図8のW82の背景は、W86の背景の色と同一であり、W82に対応する表示評価コメントの優先度が「B」であることを表す。
【0079】
表示処理部12は、ユーザが確認していない表示評価コメントと、ユーザが確認した表示評価コメントと、を区別可能なように表示処理の実行をしても良い。例えば、ユーザが表示評価コメントを確認し、図8のW81に示す「未確認」アイコンを押した場合に、ユーザ端末装置2から評価コメント表示処理装置1にリクエストが送信される。評価コメント表示処理装置1は、リクエストを受信した場合に、図9のW91に示すように「確認済」アイコンがユーザ端末装置2に表示されるように表示情報を送信する。全ての表示評価コメントに対応する「未確認」が押されて「確認済」になると、図9のW94に示すように、図8のW84の「チェック中」アイコンが「チェック済」アイコンに変化して表示されることが好ましい。「チェック済」は、ユーザが法律文書に付された全ての表示評価コメントを確認したことを表す。また、図8のW84の「チェック中」アイコンを押すことによって、全ての表示評価コメントを確認したこととし、図9のW94のように「チェック済」アイコンを表示する構成としても良い。これにより、後述のフィルタ機能により所定の優先度が関連付けられる表示評価コメントのみを表示した場合、それ以外の優先度の表示評価コメントの「未確認」アイコンを押すことができなくなるが、「チェック中」アイコンを押すことによって「チェック済」アイコンを表示する構成とすることで、ユーザが所定の優先度を確認すれば全てチェック済みとみなす構成とすることができる。また、表示評価コメントと共に、「未確認」アイコン又は「確認済」アイコンが表示されることによって、ユーザは、確認していない表示評価コメントと、確認した表示評価コメントと、を区別可能になる。また、優先度の違い毎に異なる色(白色を除く色)が関連付けられる場合、ユーザが確認していない表示評価コメントに対応する文字の背景を優先度に関連付けられる色で表示し、ユーザの確認後にその背景を白色にすることによって、ユーザは、確認していない表示評価コメントと、確認した表示評価コメントと、を区別可能になる。図8のW82のように、白色でない色が関連付けられる優先度「B」の表示評価コメントに対応する文字の背景が、図9のW92のように白色になることによって、ユーザは、確認していない表示評価コメントと、確認した表示評価コメントと、を区別可能になる。確認していない表示評価コメントの背景が、白色でない色で表示されることにより、ユーザに対し、確認するべき表示評価コメントを強調して表示することができる。
【0080】
表示処理部12は、表示評価コメントに対応する箇所と、それ以外の箇所を区別可能なように表示処理の実行をしても良い。図8のW82とW83は、同一の文字が付されている。W83及びW83の直前の文章の下線及びは、下線が付されている文書がW82の表示評価コメントに対応する箇所であることを表す。表示評価コメントと、表示評価コメントに対応する箇所と、に同一の文字及び下線を付すことによって、表示評価コメントに対応する箇所と、それ以外の箇所を区別可能に表示することができる。下線の他にも、表示評価コメントに対応する箇所にマーカーを付すことによって、表示評価コメントに対応する箇所と、それ以外の箇所を区別可能に表示することができる。下線やマーカーを付すことにより、ユーザに対して強調して表示することができる。
【0081】
ユーザ端末装置2の画面上でフィルタやソートの指定を行うことで、指定された態様で評価コメントを表示させることもできる。表示処理部12は、指定された優先度が関連付けられる表示評価コメント又は指定された優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントの表示処理を実行しても良い。図8及び9のような画面において、指定された優先度が関連付けられる表示評価コメントのみ又は指定された優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントのみを表示する場合、図8のW85、W86、W87又は図9のW95、W96、W97のアイコンのいずれかをユーザが選択し、優先度を指定する。指定された優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントのみを表示する場合、例えば、ユーザがW86又はW96を選択すると、優先度が「B」以上の優先度が関連付けられるグループに属する表示評価コメントのみを表示する。本実施形態では、優先度が「B」以上のグループとは、優先度が「B」及び「A」のグループであるので、ユーザがW86又はW96を選択すると、優先度として「B」及び「A」が関連付けられるグループに属する表示評価コメントのみを表示する。また、指定された優先度が関連付けられる表示評価コメントのみを表示する場合、例えば、ユーザがW85又はW95を選択すると、優先度として「C」が関連付けられるグループに属する表示評価コメントのみを表示する。また、図8のW85、W86、W87又は図9のW95、W96、W97を、バーを操作することで優先度を指定可能なスライダー形式のUI等としてもよい。
【0082】
表示処理部12は、更に、所定の優先度が関連付けられる表示評価コメントと、所定の優先度が関連付けられる表示評価コメントより高い優先度が関連付けられる表示評価コメントと、の表示処理を実行する場合、所定の優先度が関連付けられる表示評価コメントより高い優先度が関連付けられる表示評価コメントの優先的な表示処理を実行しても良い。これによって、ユーザは、所定の優先度が関連付けられる表示評価コメントより高い優先度が関連付けられる表示評価コメントの方を先に確認することができる。例えば、図10(a)のように、より高い優先度が関連付けられる表示評価コメントを画面の上に表示する。本実施形態では、「A」、「B」、「C」の順に優先度が高いので、「C」が関連付けられる表示評価コメントより「B」が関連付けられる表示評価コメント、「B」が関連付けられる表示評価コメントより「A」が関連付けられる表示評価コメント、を画面の上に表示する。優先度「A」は優先度「C」より優先度が高いので、図10(a)のように、優先度「C」が関連付けられる表示評価コメントよりも、優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントが画面の上に表示される。このとき、ユーザ端末装置2に、どのような順番で表示評価コメントを画面の上から表示するかを示す表示情報を送信する。例えば、優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントを画面の上から表示し、優先度「A」が関連付けられる全ての表示評価コメントの下に優先度「B」が関連付けられる表示評価コメントを表示し、優先度「B」が関連付けられる全ての表示評価コメントの下に優先度「C」が関連付けられる表示評価コメントを表示することを示す表示情報を送信する。この他にも、図10(b)のように、より高い優先度が関連付けられる表示評価コメントが上に重なるように表示しても良い。本実施形態では、「A」、「B」、「C」の順に優先度が高いので、図10(b)のように、優先度「C」が関連付けられる表示評価コメントの上に重ねて優先度「B」が関連付けられる表示評価コメント、優先度「B」が関連付けられる表示評価コメントの上に重ねて優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントのように表示しても良い。このとき、ユーザ端末装置2に、どのような順番で表示評価コメントを重ねて表示するかを示す表示情報を送信する。具体的には、優先度「C」が関連付けられる全ての表示評価コメントの上に重ねて優先度「B」が関連付けられる表示評価コメントを表示し、優先度「B」が関連付けられる全ての表示評価コメントの上に重ねて優先度「A」が関連付けられる表示評価コメントを表示することを示す表示情報を送信する。
【0083】
選択部14は、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに基づいて、法律文書の解析に用いる解析基準を選択する。選択される解析基準は1つであってもよいし、複数であってもよい。評価コメント表示処理装置1において、図6(a)のように、解析基準「例外の欠陥(独自に取得)」、「例外の欠陥(責めなく公知)」、「例外の欠陥(もともと公知)」、「例外の欠陥(第三者から正当に入手)」、「例外の欠陥(すでに保有)」は法律文書の属性「NDA(Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約))」が関連付けられる。選択部14は、解析する法律文書の属性が「NDA」の場合、法律文書の属性「NDA(Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約))」が関連付けられる解析基準を選択する。図6(a)の他にも、解析基準にユーザの立場が関連付けられる場合や、法律文書の属性及びユーザの立場が関連付けられる場合等が考えられる。解析基準には、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つが関連付けられていれば良い。
【0084】
図11は、一実施形態における法律文書をアップロードするための画面表示例である。図11に示す画面では、法律文書の属性(契約類型)として、W111のように「秘密保持契約(双方向)」等を受け付ける。また、(契約書上の)ユーザの立場として、W112のように「情報の受け手」又は「情報の出し手」を受け付ける。図11に示す画面では、法律文書の属性が「秘密保持契約(双方向)」であるので、ユーザの立場として「情報の受け手」又は「情報の出し手」を受け付ける。法律文書の属性が「秘密保持契約(双方向)」以外の場合、ユーザの立場として「情報の受け手」又は「情報の出し手」以外を受け付けることも考えられる。また、法律文書の属性又はユーザの立場の他に、企業の属性を受け付けても良い。企業の属性としては、企業の規模、企業が行う事業の種類、輸出入事業を行っているか否か等を受け付ける。企業の規模として、企業に属する従業員の数、資本金等が考えられる。企業の規模は、更に、契約の相手方企業の規模と自社企業の規模を比較した相対的なものであっても良い。図11に示す画面では、更に、W113のように、契約当事者名称及び呼称を受け付ける。契約文書において、契約する当事者を、それぞれ甲、乙等のような呼称で表現することがある。ユーザが簡易的に法律文書を確認できるようにするため、図11のように、契約当事者名称と、呼称と、をそれぞれ受け付けても良い。ユーザから、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性を受け付けることによって、選択部14が解析基準を選択する。この他にも、法律文書に対して自然言語処理を行い、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つを決定しても良い。
【0085】
表示処理部12は、更に、グループに関連付けられる法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに基づいて、グループに関連付けられた優先度を参照し、参照結果に基づき表示評価コメントの表示処理を実行しても良い。
【0086】
法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに基づいて、法律文書の解析に用いる解析基準が選択される。選択される解析基準が異なることにより、表示される評価コメントも異なる。評価コメントによって属するグループが異なるため、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに基づいて、グループに関連付けられる最適な優先度を参照することが可能になる。
【0087】
法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに応じて、グループに属する評価コメントの構成が異なっても良い。
【0088】
法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに応じて、グループに属する評価コメントの構成が異なっても良い。図6(b)のグループID「G0002」、「G0003」はグループ名称が同一だが、ユーザの立場が異なる。この場合、グループID「G0002」、「G0003」に属する評価コメントの構成が異なっても良い。ユーザの立場によってではなく、法律文書の属性又は企業の属性に応じて、グループに属する評価コメントの構成が異なっても良い。また、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも2つの組み合わせに応じて、グループに属する評価コメントの構成が異なっても良い。
【0089】
表示処理部12は、更に、所定の優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントが付されている法律文書と、それ以外の法律文書と、を区別可能なように表示処理を実行しても良い。例えば、所定の優先度が関連付けられるグループIDに属するコメントが付されている法律文書に対して、星マーク、ハートマーク等、を付す等が考えられる。所定の優先度が「B」の場合、優先度「A」又は「B」が関連付けられるグループに属する評価コメントが付されている法律文書に対して、星マーク等が付される。ユーザ以外の者が所定の優先度を設定しても良いし、ユーザが所定の優先度を設定しても良い。図12は、一実施形態における法律文書を管理するための画面表示例である。法律文書を管理するための画面とは、例えば、ホーム画面である。図12のW121のように、星マークを付すことによって、所定の優先度以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントが付されている法律文書と、それ以外の法律文書と、を区別可能なように表示処理することができる。所定の優先度が「B」の場合、図12において、「B」以上の優先度が関連付けられる表示評価コメントが付されているファイルは「記事制作業務委託契約」のみであることが、星マークによって強調して表示される。この他にも、ファイル名の色を変更する等によって強調して表示しても良い。また、ユーザが全ての表示評価コメントを確認した法律文書と、それ以外の法律文書と、を区別可能なように表示処理の実行をしても良い。つまり、図9のW94のような「チェック済」になった法律文書と、それ以外の法律文書と、を図9のようなホーム画面において区別可能なように星マーク等を付して強調して表示する。
【0090】
表示処理部12は、更に、前記グループ又は前記グループに属する評価コメントの一覧の表示処理を実行しても良い。
【0091】
図7の画面において、法律文書に対するグループの一覧が表示されている。さらに、図7に示す画面おいて、グループを選択した場合、そのグループに属する評価コメントの一覧を表示しても良い。例えば、図7に示す画面では、グループ名称「秘密情報の範囲の限定」が選択され、「優先度の設定」及び「ユーザのメモ」が表示されている。これらと共に、グループ名称「秘密情報の範囲の限定」に属する評価コメントの一覧を表示しても良い。この他にも、図8、9、12のような画面等において、グループ又はグループに属する評価コメントの一覧を表示しても良い。
【0092】
図13は、一実施形態における表示評価コメントの表示処理の実行を説明するためのフローチャートである。
【0093】
ステップS131において、ユーザは、法律文書ファイルをアップロードする。
【0094】
ステップS132において、アップロードした法律文書に付す評価コメントである表示評価コメントを決定するため、ユーザ端末装置は、法律文書を解析する指示を評価コメント表示処理装置に送信する。
【0095】
ステップS133において、選択部14は、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つに基づいて、法律文書の解析に用いる解析基準を選択する。ステップS131又はS132において、ユーザから、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性を受け付けても良い。図6(f)のように、解析基準に法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性の少なくとも1つが関連付けられる場合、法律文書の属性、ユーザの立場又は企業の属性が決定されると、その法律文書に用いる解析基準を選択することができる。
【0096】
ステップS134において、解析部11は、ステップS133において選択された解析基準を用いて法律文書を解析し、法律文書に付す評価コメントである表示評価コメントを決定する。解析部11は、ステップS133において選択された解析基準を用いて解析する。
【0097】
ステップS135において、表示処理部12は、グループごとに関連付けられる優先度を参照し、参照結果に基づき表示評価コメントの表示処理を実行する。表示処理は、ユーザ端末に表示評価コメント、表示評価コメントに関連付けられる優先度を含む表示情報を送信する処理である。
【0098】
ステップS136において、ユーザ端末装置は、表示情報を受信し、その情報をもとにレンダリングし、法律文書に対する評価コメント及び優先度をユーザ端末装置2のディスプレイに表示する。表示情報は、表示評価コメント、表示評価コメントに関連付けられる優先度の他に、表示評価コメントの評価対象となった法律文書の領域を示す評価対象の情報、優先度を用いたフィルタやソートの情報、優先度の違い毎に関連付けられる色の情報等を含んでも良い。
【0099】
本発明によれば、ユーザは、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを、簡易的に把握することができる。特に、法的関連性がある1以上の評価コメントで構成されるグループによって、ユーザは、優先度を一括で管理することができ、評価コメントの中で優先的に確認するべきものを簡易的に把握することができる。
【符号の説明】
【0100】
0 評価コメント表示処理システム
1 評価コメント表示処理装置
11 解析部
12 表示処理部
13 設定優先度選択受付部
14 選択部
101 制御部
102 記憶部
103 通信部
2 ユーザ端末装置
90 端末装置
901 制御部
902 記憶部
903 通信部
904 入力部
905 出力部
NW 通信ネットワーク
図1
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