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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093004
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】炭素ナノ粒子コーティング方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/15 20170101AFI20240701BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20240701BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20240701BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20240701BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20240701BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20240701BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20240701BHJP
【FI】
C01B32/15
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/36 C
H01M4/58
H01M4/38 Z
H01M4/36 A
H01M4/48
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023218506
(22)【出願日】2023-12-25
(31)【優先権主張番号】10-2022-0184336
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523259802
【氏名又は名称】カーボン ティーアンドシー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CARBON T&C Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】#517, 184, Gasan digital 2-ro, Geumcheon-gu, Seoul, 08501, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ゴンス
(72)【発明者】
【氏名】チェ ホギョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨンビン
【テーマコード(参考)】
4G146
5H050
【Fターム(参考)】
4G146AA07
4G146AA11
4G146AD25
4G146CB10
4G146CB19
4G146CB32
4G146CB34
5H050AA12
5H050CA01
5H050CA08
5H050CB02
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB29
5H050GA02
5H050GA10
5H050HA14
(57)【要約】
【課題】本発明は、炭素ナノ粒子コーティング方法を提供する。
【解決手段】
炭素ナノ粒子がコーティング対象物質に均質にコーティングされることができる方法を提供するための発明である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階と、
2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階と、
3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階と、
4)イオン化合物を含んだ溶液を添加して前記コーティング対象物質の表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階と、
を含む、炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項2】
前記分散剤は水素化ニトリルゴム(Hydrogenated Nitrile Butadiene Rubber)、ポリビニールピロリドン(Polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(Poly(acrylic acid))、ポリアクリロナイトリル(Polyacrylonitrile)、ポリアクリルアマイド(Polyacrylaide)からなる群から少なくとも1種以上を選択して製造される、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項3】
前記第1溶媒は水(HO)、メタノール(Methanol)、エタノール(Ethanol)、n-メチルピロリドン(N-Methyl pyrrolidone)、N、N-ジメチルポルムアマイド(N、N-Dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide)からなる群から少なくとも1種以上を選択して製造される、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項4】
前記炭素ナノ素材は炭素ナノチューブ(Carbonnanotube)、炭素繊維(carbon fiber)、グラフェン(grapheme)及びカーボンブラック(Carbon black)からなる群から少なくとも1種以上を選択して製造される、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項5】
前記イオン化合物は1族元素とハロゲン族元素の塩(salt)で構成されたイオン化合物から選択されるひとつである、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項6】
前記コーティング対象物質は、リチウムコバルトマンガン、リチウムリン酸鉄、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム群のバッテリー正極材、シリコン炭素複合体(Si-C Composite)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン合金、MG-Si(metallurgical-grade silicon、金属珪素)群のバッテリー負極材、酸化アルミニウム(Al)、窒化バリウム(Ba)、多孔性硝子(Glass bubble)からなる群の放熱素材、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニッケル金属パウダー、銅金属パウダー群の積層セラミックコンデンサ(MLCC)で少なくとも1種以上を選択して製造される、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項7】
5)第2溶媒を投入して前記コーティング対象物質と撹拌する段階をさらに含む、
請求項1に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項8】
前記第2溶媒はメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エーテル、酢酸ブチル、及び酢酸アミルからなる群から少なくとも1種以上を選択して製造される、
請求項7に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項9】
6)前記コーティング対象物質をフィルタープレスで余液を除去して凝集させてフィルターケーキを製造する段階をさらに含む、
請求項7に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【請求項10】
7)前記フィルターケーキを50℃乃至150℃で乾燥する工程をさらに含む、
請求項9に記載の炭素ナノ粒子コーティング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素ナノ粒子コーティング方法に関する発明である。具体的に、炭素ナノ粒子がコーティング対象物質に均質にコーティングされることができる方法を提供するための発明である。
【背景技術】
【0002】
最近、エネルギー貯蔵技術に対する関心がますます高くなっているし、炭素素材はレジャー用品で商用化を開始で現在自動車、航空、IT、新材生エネルギーなど活用範囲が徐徐に拡がる趨勢である。
【0003】
ナノ炭素素材とは、炭素基盤のナノ素材として、炭素の0次元構造体である炭素量子ドットあるいは、フラーレン、1次元構造体である炭素ナノリボン及び炭素ナノチューブ、2次元構造体であるグラフェンなどを称える素材である。ナノ炭素素材を物質の状態によって分類すれば、大きく炭素量子ドット、フラーレン、炭素ナノリボン、炭素ナノチューブ、グラフェンなどで分けることができるし、これはそれぞれの製作方法によってtop-down方式、bottom-up方式で区分することができる。
【0004】
強度と熱伝導性高くて伝導性がある炭素素材の特性を有してあり、特に、炭素量子ドットのように材料の大きさが非常に小さい場合量子物理学的現象(発光現象、バンドギャップの変化、エネルギー遷移によるdown-conversionなど多様な特性)を確認することができるし、このようなナノ炭素素材は優秀な電気的、物理的、化学的、機械的特性を有していて既存産業分野の技術的限界を乗り越える新素材で目立っている。
【0005】
既存部品素材が徐々に炭素素材で取り替えられる趨勢で競争力強化次元で民間企業らも炭素素材に対する関心増大と製品化方案を積極的に研究している。これにナノ炭素素材は伝導性素材で電磁波遮蔽及びタッチパネル用コーティング塗料などで目立って、既存電気伝導性高分子複合素材を取り替えるなど速い速度で拡散している。
【0006】
CNTの固有な物性は多様な応用分野の革新に影響を及ぼすことができる潜在力を保有しているし、これら分野で今後のCNTを活用した多様な製品革新が現われることで予想することができる。炭素繊維の軽量、高強度特性によって建材、コンクリート構造物、耐震補強などの土木建築分野、圧縮天然ガス貯蔵(CNG)タンク、風力発電用ブレード、遠心分離ローター、フライホイールなどの代替エネルギー分野に対する需要が増加する実情である。
【0007】
また、一つのナノ炭素素材であるGrapheneの固有な物性は、CNTと同じく多様な応用分野の革新が期待される素材であり、CNTは線形構造であるが、Grapheneは板状構造でCNTのように多様な分野に需要が増加されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術では炭素ナノ粒子が有している導電性を確保するために正極及び負極スラリー工程で別添に投入して製造した。均一な導電材スラリーを確保しない場合電池の性能は低下が発生した。これを乗り越えて炭素ナノ物質のスラリーを有して活物質自体に直接的にコーティングをする場合より均一な導電性を確保することができるし、導電材スラリーを利用して電池を作った時より少ない抵抗要素を有するようになることで、低い面抵抗と優秀な寿命特性を有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
炭素ナノ粒子コーティング方法は、1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階、2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階、3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階、及び4)イオン化合物を含んだ溶液を添加してコーティング対象物質表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階、を含むことができる。
【0010】
前記分散剤は水素化ニトリルゴム(Hydrogenated Nitrile Butadiene Rubber)、ポリビニールピロリドン(Polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(Poly(acrylic acid))、ポリアクリロナイトリル(Polyacrylonitrile)、ポリアクリルアマイド(Polyacrylaide)でなされる群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0011】
前記第1溶媒は水(HO)、メタノール(Methanol)、エタノール(Ethanol)、n-メチルピロリドン(N-Methylpyrrolidone)、N、N-ジメチルポルムアマイド(N、N-Dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide)群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0012】
前記炭素ナノ素材は炭素ナノチューブ(Carbonnanotube)、炭素繊維(carbon fiber)、グラフェン(grapheme)及びカーボンブラック(Carbon black)群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0013】
前記イオン化合物は1族元素とハロゲン族元素の塩(salt)で構成されたイオン化合物から選択される一つであることができる。
【0014】
前記コーティング対象物質はリチウムコバルトマンガン、リチウムリン酸鉄、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム群のバッテリー正極材、シリコン-炭素複合体(Si-C Composite)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン合金、MG-Si(metallurgical-grade silicon、金属珪素)群のバッテリー負極材、酸化アルミニウム(Al)、窒化バリウム(Ba)、多孔性硝子(Glass bubble)群の放熱素材、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニッケル金属パウダー、銅金属パウダー群の積層セラミックコンデンサ(MLCC)から選択される1または2以上であることができる。
【0015】
炭素ナノ粒子コーティング方法は、第2溶媒を投入して前記コーティング対象物質と撹拌する段階をさらに含むことができる。
【0016】
前記第2溶媒はメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エーテル、酢酸ブチル、及び酢酸アミルでなされる群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0017】
炭素ナノ粒子コーティング方法は前記コーティング対象物質をフィルタープレスで余液を除去して凝集させてフィルターケーキを製造する段階をさらに含むことができる。
【0018】
炭素ナノ粒子コーティング方法は、フィルターケーキを50℃乃至150℃で乾燥する工程をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1族元素とハロゲン族元素の塩(salt)で構成された溶液を添加して炭素ナノ粒子の吸着力を高めることができて均一に炭素ナノ物質がコーティングされた活物質を得ることができるし、改善された伝導性確保によってリチウムイオンの移動が改善されることができる。
【0020】
また、炭素構造のネットワーク層で金属酸化物内の電気的、化学的安全性を確保することができるし、充放電過程で発生することがある非可逆的反応及び電解質との副反応を抑制することができる効果を得ることができる。
【0021】
アルミナ(Al)と窒化ホウ素(BN)のような放熱材料に炭素ナノ物質がコーティングされれば、既存の放熱特性に高い熱伝導度を得ることができるので、放熱特性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例による炭素ナノ粒子コーティング方法の流れ図である。
図2】本発明のコーティング方法を使ってNCM表面にコーティングされた炭素ナノチューブを確認するためのSEMイメージである。
図3】本発明のコーティング方法を使ってSi表面にコーティングされた炭素ナノチューブを確認するためのSEMイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
炭素ナノ粒子コーティング方法は、1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階、2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階、3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階、及び4)イオン化合物を含んだ溶液を添加してコーティング対象物質表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階、を含むことができる。
【0024】
前記1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階はボールミル工程を含むことができる。
【0025】
具体的に、湿式ボールミル工程を含む場合前記分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合した後常温でボールミル工程を通じて分散液を製造するものであることができる。乾式ボールミル工程を含む場合炭素ナノ素材をボールミル工程を通じて炭素ナノチューブ粒子を作った後前記分散剤及び溶媒を混合して分散液を製造するものであることができる。
【0026】
また、前記1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階は、ホモゲナイズ工程を含むことができる。
【0027】
前記1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階は、前記ボールミル工程及びホモゲナイズ工程を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0028】
前記分散剤は水素化ニトリルゴム(Hydrogenated Nitrile Butadiene Rubber)、ポリビニールピロリドン(Polyvinyl pyrrolidone)、ポリアクリル酸(Poly(acrylic acid))、ポリアクリロナイトリル(Polyacrylonitrile)、ポリアクリルアマイド(Polyacrylaide)でなされる群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0029】
前記第1溶媒は水(HO)、メタノール(Methanol)、エタノール(Ethanol)、n-メチルピロリドン(N-Methyl pyrrolidone)、N、N-ジメチルポルムアマイド(34N、N-Dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(Dimethyl Sulfoxide)群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0030】
前記炭素ナノ素材は炭素ナノチューブ(Carbonnanotube)、炭素繊維(carbon fiber)、グラフェン(grapheme)及びカーボンブラック(Carbon black)群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0031】
前記分散工程は高圧分散器または超音波分散器を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階であることができる。
【0032】
一実施例によって前記分散工程は高圧分散を通じて分散液内の炭素ナノ粒子が均一に分散されることができる。
【0033】
一実施例によって前記分散工程は超音波分散を通じて分散液内の炭素ナノ粒子が均一に分散されることができる。
【0034】
前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階は500乃至5,000rpmの速度で撹拌して炭素ナノ粒子の均一なコーティングのためのものであることができる。
【0035】
前記イオン化合物は1族元素とハロゲン族元素の塩(salt)で構成されたイオン化合物から選択される一つであることができる。
【0036】
具体的に、前記イオン化合物は塩化リチウム(LiCl)、ブローム化リチウム(LiBr)、ヨード化リチウム(LiI)、ブローム化ナトリウム(NaBr)、塩化カリウム(KCl)、ブローム化カリウム(KBr)群から選択される1または2以上であることができる。
【0037】
前記イオン化合物を添加することでコーティング対象物質表面に炭素ナノ粒子の分散物をコーティング及び吸着する工程において炭素ナノ粒子のコーティング及び吸着力を高めることができる効果が存在する。
【0038】
前記コーティング対象物質は金属であることができる。
【0039】
前記コーティング対象物質はセラミックスであることができる。
【0040】
前記コーティング対象物質はバッテリー正極材、バッテリー負極材、放熱素材及び積層セラミックスコンデンサから選択される1または2以上であることができる。
【0041】
具体的に、前記コーティング対象物質はリチウムコバルトマンガン、リチウムリン酸鉄、リチウムコバルト酸化物、ニッケルコバルトアルミニウム群のバッテリー正極材、シリコン-炭素複合体(Si-C Composite)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン合金、MG-Si(metallurgical-grade silicon、金属珪素)群のバッテリー負極材、酸化アルミニウム(Al)、窒化バリウム(Ba)、多孔性硝子(Glass bubble)群の放熱素材、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニッケル金属パウダー、銅金属パウダー群の積層セラミックコンデンサ(MLCC)から選択される1または2以上であることができる。
【0042】
炭素ナノ素材コーティング方法は、1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階、2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階、3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階、4)イオン化合物を含んだ水溶液を添加してコーティング対象物質表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階、及び、5)第2溶媒を投入して前記コーティング対象物質と撹拌する段階、をさらに含むことができる。
【0043】
前記第2溶媒を投入する理由は、炭素ナノ粒子がコーティングされたコーティング対象物質は凝集が発生することができるので、凝集を最小化してくれるためである。
【0044】
前記第2溶媒は極性溶媒はメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エーテル、酢酸ブチル、及び酢酸アミル群から少なくとも1種以上を選択して製造されることができる。
【0045】
前記第2溶媒は炭素ナノ粒子の分散物100重量部に対して50乃至500重量部を投入するものであることができる。
【0046】
炭素ナノ素材コーティング方法は、1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階、2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階、3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階、4)イオン化合物を含んだ水溶液を添加してコーティング対象物質表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階、5)第2溶媒を投入して前記コーティング対象物質と撹拌する段階、及び、6)前記コーティング対象物質をフィルタープレスで余液を除去して凝集させてフィルターケーキを製造する段階、をさらに含むことができる。
【0047】
前記余液を除去した凝集物をグラインダー(Grinder)またはミキサー(mixer)で粉碎する工程をさらに含むことができる。
【0048】
前記フィルタープレスは濾過布及びメンブレンフィルターが装着されている装置であることができる。
【0049】
前記濾過布は0.001乃至0.30mmのフォアサイズを有するものであることができる。
【0050】
前記フィルタープレスは1乃至10barの圧力を出すことができる装置であることができる。
【0051】
炭素ナノ素材コーティング方法は、1)分散剤、第1溶媒及び炭素ナノ素材を混合して分散液を製造する段階、2)分散工程を通じて前記分散液内の炭素ナノ粒子を均質化する段階、3)前記分散液とコーティング対象物質を撹拌する段階、4)イオン化合物を含んだ水溶液を添加してコーティング対象物質表面に前記炭素ナノ粒子をコーティングする段階、5)第2溶媒を投入して前記コーティング対象物質と撹拌する段階、6)前記コーティング対象物質をフィルタープレスで余液を除去して凝集させてフィルターケーキを製造する段階、及び、7)前記フィルターケーキを50℃乃至150℃で乾燥する工程をさらに含むことができる。
【0052】
製造例1.炭素ナノチューブ分散液製造
コーティングしようとする対象物である(NCMまたはSi)の粒度D50 5μmに合うように炭素ナノチューブの粒度を調節する段階は、ボールミルまたはホモゲナイズ工程を通じて行われた。
【0053】
湿式ボールミルの場合には分散剤である水素化ニトリルゴム(HNBR)1gをN-メチルピロリドン(NMP)98gにとかした溶媒に炭素ナノチューブ1gを入れて3パイジルコニアボールを80g入れて常温で500rpmで12時間回してD50が5μmである炭素ナノチューブ分散液を製造することができた。製造された炭素ナノチューブ分散液でジルコニアボールを除去し、これを高圧分散器で100μmダイアモンドセルを利用して1,500MPaの圧力で2回進行して炭素ナノチューブ分散液を製造した。
【0054】
乾式ボールミルの場合には3パイジルコニアボールを7kgを入れて炭素ナノチューブを150g入れて600rpmで30分進行してD50 5μmの炭素ナノチューブ粒子を作って、これを分散剤(HNBR)1gをNMP98gにとかした溶媒に入れて高圧分散器で100μmダイアモンドセルを利用して1,500MPaの圧力で2回進行して炭素ナノチューブ分散液を製造した。
【0055】
製造例2.グラフェン分散液製造
コーティングしようとする対象物(NCMまたはSi)の粒度D50 5μmに合うようにグラフェンの粒度を調節する段階は、ボールミルまたはホモゲナイズ工程を利用した。
【0056】
湿式ボールミルの場合には分散剤である水素化ニトリルゴム(HNBR)1gをNMP98gにとかした溶媒にグラフェン1gを入れて3パイジルコニアボールを80g入れて常温で1,000rpm10時間回してD50が5μmであるグラフェン分散液を製造することができた。
【0057】
製造されたグラフェン分散液でジルコニアボールを除去し、これを高圧分散器で200μmダイアモンドセルを利用して1,000MPaの圧力で3回進行してグラフェン分散液を製造した。
【0058】
乾式ボールミルの場合には3パイジルコニアボールを7kgを入れてグラフェンを100g入れて700rpmで25分進行してD50 5μmのグラフェン粒子を作って、これを分散剤(HNBR)1gをNMP98gにとかした溶媒に入れて高圧分散器で200μmダイアモンドセルを利用して1,000MPaの圧力で3回進行してグラフェン分散液を製造した。
【0059】
実施例1.炭素ナノチューブコーティング
前記製造例1で製造された炭素ナノチューブ分散液25gとコーティングしようとするコーティング物NCM100gを均一化して混合した。混合はホモゲナイズまたは強力撹拌機を利用して1,000-3,000rpmで10分撹拌したし、LiClを0.05g入れて炭素ナノチューブが表面にコーティングされるようにした。
【0060】
炭素ナノチューブがコーティングされたコーティング物は凝集が発生するので凝集を解いてくれることができるNMPと極性差が大きいEtOHを100gを投入して撹拌し、これをフィルタープレスに入れてフィルターケーキを製造した。
【0061】
フィルタープレス作業時濾過布は0.001mmを使ったし、圧力は4barで進行した。製造されたフィルターケーキを120℃で乾燥して乾燥したケーキは粉碎して最終製品を製造した。
【0062】
実施例2.
前記実施例1と等しく進行されたが、炭素ナノチューブ分散液を50gを利用した。
【0063】
実施例3.
前記実施例1と等しく進行されたが、炭素ナノチューブ分散液100gを利用した。
【0064】
実施例4.グラフェンコーティング
前記製造例2で製造されたグラフェン分散液25gとコーティングしようとするコーティング物NCM100gを均一に混合した。混合はホモゲナイズまたは強力撹拌機を利用して1,000-3,000rpmで10分撹拌したし、LiClを0.05g入れてグラフェンが表面にコーティングされるようにした。
【0065】
グラフェンがコーティングされたコーティング物は凝集が発生するので、凝集を解いてくれることができるNMPと極性差が大きいEtOHを100gを投入して撹拌し、これをフィルタープレスに入れてフィルターケーキを製造した。
【0066】
フィルタープレス作業時濾過布は0.001mmを使ったし、圧力は4barで進行した。製造されたフィルターケーキを120度で乾燥して乾燥されたケーキは粉碎して最終製品を製造した。
【0067】
実施例5.
前記実施例4と等しく進行されたが、グラフェン分散液50gを利用した。
【0068】
実施例6.
前記実施例4と等しく進行されたが、グラフェン分散液100gを利用した。
【0069】
比較例1.
前記実施例1と等しく進行されたが、炭素ナノチューブ分散液及びグラフェン分散液すべて使わないでBare状態のNCM正極活物質を使った。
【0070】
比較例2.
前記実施例1と等しく進行されたが、LiCl溶液を使わないでコーティングを進行した。
【0071】
比較例3.
前記実施例4と等しく進行されたが、LiCl溶液を使わないでコーティングを進行した。
【0072】
実施例7.正極スラリー製造
前記実施例1乃至6及び比較例1乃至3の修得されたNCMを使って正極スラリーを製造した。方法は次のようである。
【0073】
バインダーであるPVDFを溶媒であるNMPと混合して第1混合物を形成した。以後、前記第1混合物とカーボンブラックを混合して第2混合物を形成した。以後、前記第2混合物と正極活物質であるNCMを混合して正極スラリーを製造した。前記正極スラリーの固形分は60重量%であった。前記正極スラリー内で正極活物質、導電材、バインダーの重量比は96:2:2であった。
【0074】
実施例8.Siコーティング
前記製造例1で製造された炭素ナノチューブ分散液25gとコーティングしようとするコーティング物Si100gを均一で混合した。混合はホモゲナイズまたは強力撹拌機を利用して1,000-3,000rpmで10分撹拌したし、LiClを0.05g入れて炭素ナノチューブが表面にコーティングされるようにした。
【0075】
炭素ナノチューブがコーティングされたコーティング物は凝集が発生するので、凝集を解いてくれることができるNMPと極性差が大きいEtOHを100gを投入して撹拌し、これをフィルタープレスに入れてフィルターケーキを製造した。
【0076】
フィルタープレス作業時濾過布は0.001mmを使ったし、圧力は4barで進行した。製造されたフィルターケーキを120度で乾燥して乾燥されたケーキは粉碎して最終製品を製造した。
【0077】
実施例9.
前記実施例8と等しく進行されたが、炭素ナノチューブ分散液を50gで使った。
【0078】
実施例10.
前記製造例2で製造されたグラフェン分散液25gとコーティングしようとするコーティング物Si 100gを均一で混合した。混合はホモゲナイズまたは強力撹拌機を利用して1,000-3,000rpmで10分撹拌したし、LiClを0.05g入れてグラフェンが表面にコーティングされるようにした。
【0079】
グラフェンがコーティングされたコーティング物は凝集が発生するので、凝集を解いてくれることができるNMPと極性差が大きいEtOHを100gを投入して撹拌し、これをフィルタープレスに入れてフィルターケーキを製造した。
【0080】
フィルタープレス作業時濾過布は0.001mmを使ったし、圧力は4barで進行した。製造されたフィルターケーキを120度で乾燥して乾燥されたケーキは粉碎して最終製品を製造した。
【0081】
実施例11.
前記実施例10と等しく進行されたが、グラフェン分散液を50gで使った。
【0082】
比較例4.
前記実施例8と等しく進行されたが、炭素ナノチューブ分散液及びグラフェン分散液すべて使わないでBare状態のSiを使った。
【0083】
比較例5.
前記実施例8と等しく進行されたが、LiCl溶液を使わないでコーティングを進行した。
【0084】
比較例6.
前記実施例10と等しく進行されたが、LiCl溶液を使わないでコーティングを進行した。
【0085】
実施例12.負極スラリー製造
前記実施例8乃至11及び比較例4乃至6の修得されたSi負極活物質使って負極スラリーを製造した。導電材分散液、カーボンブラック、シリコン系活物質であるSiを混合して第1混合物を形成した。以後、前記第1混合物と人造黒煙を混合して第2混合物を形成した。以後、前記第2混合物と溶媒である水と増粘剤であるCMCを混合して第3混合物を形成した。以後、第3混合物とバインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)を混合して負極スラリーを製造した。前記負極スラリー内で負極活物質(人造黒煙:Si=86.39:9.61重量比)、導電材(カーボンブラック:単一壁炭素ナノチューブ=0.96:0.04重量比)、増粘剤、バインダーの重量比は96:1:1.7:1.3であった。
【0086】
実験例1.面抵抗測定
前記実施例7によって製造された正極スラリーに対して150μm Bladeを利用してアルミニウムホイルにコーティングした。コーティングされたアルミニウムホイルは120℃で30分間乾燥して測定試験片を製造した。それぞれの測定試験片は表面測定器(ST-4)を利用して測定した。
【0087】
下記表1は前記実施例1乃至6及び比較例1乃至3の修得されたNCMを利用して製造された正極スラリーの表面抵抗測定値を示した図面である。
【0088】
【表1】
【0089】
実験例2.放電C rateによる放電容量評価
前記実施例7で製造された正極スラリーを使って20μmの厚さのアルミニウム集電体に塗布した後、120℃で10時間の間真空乾燥して正極を製造した。製造された正極のローディング量は8.8mg/cmであり、総厚さは54μmであった。1.76cmの円形で切断したリチウム(Li)金属薄膜を負極にした。
【0090】
前記正極と負極との間に多孔性ポリエチレンの分離膜を介して、電解液(エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):ジエチルカーボネート(DEC)=3:4:3(嵩比))、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF61モル)を注入し、CR-2032コインセル形態のハーフセルを製造した。
【0091】
3.0V乃至4.25Vの電圧範囲内で0.5C充電/0.5C放電5回以後充電C-rateは0.5Cで固定したし、放電C-rateは増加させながら放電容量を測定した。5Cまで増加させた後、再び0.5Cに帰って来ながら正極の放電効率を評価した。
【0092】
下記表2は前記比較例1乃至3及び実施例1乃至6の修得されたNCMを利用して製造された正極スラリーを利用した放電容量を測定した結果を示した図面である。
【0093】
【表2】
【0094】
表2を参照すれば、NCMである活物質でコーティングをしない場合(比較例1)カーボンブラックによって導電性を確保するために高い面抵抗を有して、実際コインセルテスト結果高いC-rateで性能が低下される。ハロゲン族元素の塩を使わない場合(比較例2及び3)活物質にコーティングしようとする炭素ナノ物質らが均一に吸着がなされなくて面抵抗値は比較例1と特に違わなかったし、C-rate結果比較例1よりもう少し優秀な効率を見せてくれる。
【0095】
また、実施例1乃至6からハロゲン族元素の塩を使ってコーティングを実施する場合炭素ナノ物質とNCM活物質との割合を調整することで、リチウムイオン二次電池の電池抵抗やC-rateの特性を向上させることができることを確認した。
【0096】
実験例3.電気化学評価及び特性評価
前記実施例12で製造された負極スラリーを銅集電体にコーティングした後、100℃で12時間の間乾燥して陰極を製造した。1.76cmの円形で切断したリチウム金属薄膜を正極にした。
【0097】
正極と負極との間に多孔性ポリエチレン分離膜を介して、電解液(エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:7(嵩比))、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF61モル)、電解液重量基準ビニリデンカーボネート(VC)含量1.0重量%を注入してコインセルを製造した。
【0098】
実施例8乃至10及び比較例4乃至6で修得されたSiを使った電池に対してサイクル特性を評価した後、Formationによる結果整理及び寿命後膨張率に対して示した。
【0099】
具体的にそれぞれの電池に対して次の条件で充/放電を遂行した。
【0100】
1乃至2サイクル:0.1C静電流で充電を進行したし、放電は1.5Vまで0.1C静電流放電した。
【0101】
3乃至50サイクル:0.5C静電流で充電を進行したし、放電は1.0Vまで0.5C静電流放電した。
【0102】
下記表3は比較例4乃至6及び実施例8乃至11によって製造された負極スラリーの寿命特性を評価したものである。
【0103】
【表3】
【0104】
下記表4は、比較例4乃至6及び実施例8乃至11によって製造された負極スラリーのローディング、平均密度、平均容量、平均効率及び寿命後膨張率評価を示した図面である。
【0105】
【表4】
【0106】
前記表4を参照すれば、ハロゲン族元素の塩を使わない場合(比較例5乃至6)、Bare状態のSi(比較例4)寿命特性の低下が現われて寿命特性評価後膨張率で高い膨張率を示す。
【0107】
炭素ナノ物質を0.25%コーティングしたSi負極活物質(実施例8乃至10)は少しの寿命特性が向上されるが、高い膨張率を見せて炭素ナノ物質を0.5%コーティングしたSi Alloy負極活物質(実施例9乃至11)は高い寿命特性を見せて寿命特性評価後膨張率でもより低い膨張率を示す。
【0108】
ハロゲン族元素の塩を使って炭素ナノ物質の含量を調節することで、負極でもリチウムイオン二次電池の寿命特性を改善することができることを分かる。
図1
図2
図3