(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093009
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240701BHJP
G06Q 10/105 20230101ALI20240701BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06Q10/105
G06Q30/0601 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023219412
(22)【出願日】2023-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2022208767
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506201518
【氏名又は名称】ALL DIFFERENT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】眞▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土屋 典子
(72)【発明者】
【氏名】青山 結
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 佳純
(57)【要約】
【課題】何等かの理由で研修の受講が困難なユーザやユーザが属する組織を、所定期間経過後に理想のスコアに到達しかつ理想の属性を有するように支援する。
【解決手段】サーバ10は、現在状況取得部11と推薦部16を備える。現在状況取得部11は、ユーザや組織について、ビジネス基礎力診断テストの結果の現在のスコア、及び現在属性(現在の業種、職種、役職等)を取得する。推薦部16は、現在のスコア及び現在属性に基づいて、所定期間の経過後にユーザや組織が望む目標スコア(例えば所定属性の現在のスコアよりも高い得点等)に到達し、かつ将来なりたい職種等(目標属性)を有するために必要な書籍やデジタルコンテンツ等を有益情報としてユーザや組織に推薦する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象について、ビジネスに関するスキルの現在レベル、及び現在属性を取得する現在状況取得手段と、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象に推薦する推薦手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記対象についての前記目標レベル及び前記目標属性を取得する将来状況取得手段をさらに備え、
前記推薦手段は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記目標レベル及び前記目標属性に基づいて、前記有益情報と共に前記所定期間を推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象についての前記目標レベル及び前記目標属性を取得する将来状況取得手段と、
前記対象により入力された前記所定期間を取得する期間取得手段と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象により入力された前記所定期間を取得する期間取得手段と、
前記推薦手段は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記所定期間に基づいて、前記有益情報と共に前記目標レベル及び前記目標属性を推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象が対象者である場合、
前記対象者の前記スキルは、前記対象者が受検する所定テストの結果により示される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記テストは、複数の項目についてのビジネス基礎力診断テストである、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推薦手段は、さらに、前記対象者が前記ビジネス基礎力診断テストを次に受検すべき時期を推薦する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推薦手段は、前記目標属性に求められる前記目標レベルに対して、前記複数の項目のうち不足している項目に対してスキルを習得するために必要となる情報を、前記有益情報として前記対象者に推薦する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記推薦手段は、前記目標属性に求められる前記目標レベル、及び前記現在レベルとは異なる観点で、当該目標属性を目指す場合において保有しているとよい情報を、前記有益情報として前記対象者に推薦する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記対象は所定団体に属している対象者であり、
前記対象者のスキル及び属性は、前記所定団体により作成された情報により示される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記推薦手段は、複数の前記有益情報を推薦する場合、さらに、当該複数の有益情報の夫々の時間的な接触順番も推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記対象により入力された前記所定期間を取得する期間取得手段と、
現在よりも前記所定期間前に前記スキルが目標レベルに既に到達した者のうち、前記対象の前記現在属性と同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、前記所定期間の前後の前記スキルを含む情報を実績情報として、前記1以上の類似属性者の夫々の前記実績情報を取得する類似実績取得手段と、
をさらに備え、
前記推薦手段は、前記対象の前記現在レベル及び前記現在属性に加えてさらに前記1以上の類似属性者の夫々の前記実績情報に基づいて、前記有益な情報を前記対象者に推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記推薦手段は、さらに、推薦した前記有益情報を取得または接触できる場所を前記対象者に提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記対象の書籍の読書履歴を取得する読書履歴取得手段、
をさらに備え、
前記推薦手段は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記読書履歴に基づいて、前記有益情報として書籍を前記対象に推薦する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
対象について、ビジネスに関するスキルの現在レベル、及び現在属性を取得する現在状況取得ステップと、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象に推薦する推薦ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
対象について、ビジネスに関するスキルの現在レベル、及び現在属性を取得する現在状況取得ステップと、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象に推薦する推薦ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの技能(スキル)を診断し、診断結果に基づく人材育成の支援を図る人材育成支援システムは存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、人材育成のためには、研修等を受講させてユーザ個人のスキルの向上を図ることを前提としている。
しかしながら、研修等を受講できない又はしない事情を有するユーザも数多く存在する。
このため、研修等を受講せずとも、ユーザ個人のスキルを適切に向上させる新たな手法が求められている状況である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、何等かの理由で研修の受講が困難な対象が、所定期間経過後に目標レベルに到達しかつ目標属性を有するように支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態である情報処理装置は、
対象について、ビジネスに関するスキルの現在レベル、及び現在属性を取得する現在状況取得手段と、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルの目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために読書すべき書籍を、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて、前記対象に推薦する推薦手段と、
を備える。
本発明では、このような構成を備えることで、何等かの理由で研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織)についても、推薦された書籍を読書するといった独学をするだけで、所定期間経過後に目標レベル(例えば理想のスキルレベル(テストのスコア))に到達しかつ目標属性(例えば理想の職種等)を有するように支援することができる。
本発明の一態様の上記情報処理装置に対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、何等かの理由で研修の受講が困難な対象が、所定期間経過後に目標レベルに到達しかつ目標属性を有するように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムの全体構成を示している。
【
図2】
図1の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2のハードウェア構成を備えるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】ビジネススキルの評価指標と対応付けた個々のユーザのスキルの評価結果の一例を示す図である。
【
図5】
図2、
図3のサーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバが適用される本サービスにおけるレコメンドフローを示す図である。
【
図7】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[1]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
【
図8】
図7の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
【
図9】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[2]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
【
図10】
図9の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
【
図11】本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[3]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
【
図12】
図11の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
【
図13】なりたい未来の姿がユーザにある場合のレコメンド部の動作を示す図である。
【
図14】サービス提供者による書籍レコメンドサービスにおけるサーバの書籍購入支援機能を示す図である。
【
図15】
図2、
図3のサーバにレコメンドされる対象のユーザの属性の一例を示す図である。
【
図16】
図15の属性を有するユーザのスコア表を示す図である。
【
図17】
図2、
図3のサーバにレコメンドされるユーザの属性の一例を示す図である。
【
図18】
図17の属性を有するユーザのスコア表を示す図である。
【
図19】
図2、
図3のサーバによる組織に対するレコメンドの第1事例であり、同企業内で部署(組織)毎にレコメンドされる場合の部署(店舗運営・調達)の部署属性(属性情報)の一例を示す図である。
【
図20】
図19の部署属性を有する部署(店舗運営)のスコア表を示す図である。
【
図21】
図19の部署属性を有する部署(店舗経営)のスコア表を示す図である。
【
図22】
図2、
図3のサーバによる組織に対するレコメンドの第2事例であり、
図19の部署属性の部署(店舗運営・調達)における階層毎の領域(直接領域/間接領域)を示す図である。
【
図23】
図19の部署(店舗運営・調達)で
図22の階層のうち中堅(店長)階層のスコア表を示す図である。
【
図24】
図19の部署(店舗運営・調達)で
図22の階層のうち新人階層のスコア表を示す図である。
【
図25】
図2、
図3のサーバによる組織に対するレコメンドの第3事例であり、
図19の部署属性の部署(店舗運営・調達)における職種毎の領域(直接領域/間接領域)を示す図である。
【
図26】
図19の部署(店舗運営・調達)で
図25の職種のうち店舗経営職のスコア表を示す図である。
【
図27】
図19の部署(店舗運営・調達)で
図25の職種のうち事務職のスコア表を示す図である。
【
図28】レコメンドされる書籍の関連ワードの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システム1の全体構成を示している。
図1に示す情報処理システム1は、サーバ10と、n台(nは1以上の任意の整数値)のユーザ端末20-1乃至20-nと、書籍サーバ2とが、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されることによって構成されている。
なお、以下、ユーザ端末20-1乃至20-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末20」と呼ぶ。
【0010】
ユーザ端末20は、ユーザ毎に管理される情報処理装置であって、例えばタブレット端末やスマートフォン等で構成される。
サーバ10は、本サービス提供者により管理される。サーバ10は、ユーザ端末20-1乃至20-nの夫々の各動作を制御しつつ各種処理を実行する。
また、サーバ10は、書籍サーバ2と連携して動作する。
書籍サーバ2は、例えばインターネットNWにおいて、書物としての書籍の他、電子書籍等のデジタルコンテンツ等を販売する書籍販売サイト等(出版サイトや小売サイト等を含むWebサイト)を提供する。
書籍サーバ2は、サーバ10と連携して、例えばユーザ端末に対してサーバ10により推薦及び提示される書籍タイトルのURLリンクをユーザがクリック操作するだけで、検索することなく、書籍サーバ2の当該書籍を購入することができる。
【0011】
本サービス提供者が提供するサービスには、研修サービスと書籍レコメンドサービスが含まれる。これらのサービスは何れもユーザとしての会員登録が必要である。
研修サービスは、企業からの申し込みにより社員をユーザとして講座に参加させて受講させたりオンライン研修等を行うと共に、研修の前後や研修中にビジネス基礎力診断テスト(以下単に「テスト」と称す)を実施するサービスである。
書籍レコメンドサービスは、研修に参加できないユーザに対して上述のテストを実施して、そのテストの結果を評価して当該ユーザが将来の目標属性を有するために有益な情報として、例えばお薦めの書籍と読書順序、期間等をユーザに提示するサービスである。具体的には、例えばユーザのスキルレベルが現在よりも向上する書籍やデジタルコンテンツ等が薦められる。
また、本サービス提供者は、人だけでなく、企業或いはその企業内の部署等についても、夫々に所属する社員夫々のテストの結果に基づいて、当該企業或いは当該部署等に対し成長の支援を行うとともに、今後の成長の最適解を提示し、社会の発展に貢献することができるようにする。
【0012】
具体的には、本実施形態では、サーバ10は、次のようにユーザ端末20及び書籍サーバ2と連携して動作する。
即ち、サーバ10は、先ず初めに、ユーザに対してテストを実施する。具体的にはサーバ10は、予めデータベースに記憶されている複数の問題のうち1以上からなるテストを、ユーザ端末20に送信し、これら1以上の問題の夫々に対してユーザが入力した解答を受信する。
【0013】
テストは、サービス提供者により実施される。当該テストの問題は、ユーザのビジネスにおける基礎的な力(ビジネス基礎力)を評価するためのものであり、サービス提供者により1以上のビジネスの評価対象のスキル毎及び夫々のスキルの1以上のテーマ毎に出題される。ビジネス基礎力とは、社会人として仕事を行う上で役に立つ技術又は能力をいう。
【0014】
ビジネス基礎力を評価するためのスキルとテーマとの関係について説明する。
スキルは、m個(mは1以上の任意の整数値)に定義され、さらに1以上のスキルの夫々にp個(pは、mとは独立した1以上の任意の整数値)のテーマが定義されている。
テストでは、当該テーマの夫々に関連する内容の問題が項目毎に出題される。
【0015】
ユーザ端末20は、サーバ10が送信したテストを受信する。そして、ユーザは、ユーザ端末20を操作して、当該テストを構成する複数の問題の夫々について解答を入力する。
ユーザ端末20は、ユーザが入力したテストの解答(各問題の解答の集合体)を、サーバ10に送信する。
【0016】
サーバ10は、ユーザ端末20-1乃至20-nの夫々からテストの解答が送信される毎に、当該回答を順次取得し採点を行う。また、サーバ10は、採点結果を前記項目毎に正規化し、これをスコアとしてユーザ毎に記憶し管理する。
【0017】
サーバ10は、ユーザ毎に管理しているスコアから、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件を設定し記憶する。
なお、所定の母集団は、特に限定されず、例えば、ユーザに関する各種属性情報のうち、所定の1以上の属性情報が一致するユーザからなる集団や、スコアが一定範囲内のユーザからなる集団等各種各様な集団を採用することができる。なおその前提として、サーバ10は、各ユーザ毎に、採点結果を示すスコアとともに、当該ユーザの各種属性情報(年齢、性別、業界、職種、役職、入社年度等)を対応付けて管理しているものとする。
この場合、所定の母集団のスコアを抽出するための抽出条件としては、例えば、同年齢、同職種、同業界、同役職、同入社年度、過去のスコアの値や範囲等を採用することができる。
【0018】
サーバ10は、所定のユーザのスコアと、当該所定のユーザが含まれる所定の母集団のスコアとを抽出し、両スコアを比較する。
具体的には、例えば当該所定のユーザのスコアと、当該所定のユーザが含まれる所定の母集団のスコアの平均値、最大値又は最小値とを比較することができる。
【0019】
また、サーバ10は、当該所定のユーザのスコアと当該所定のユーザが含まれる所定の母集団のスコアとをプロットしたグラフを、当該所定のユーザのユーザ端末20の画面に表示させる(
図3参照)。
【0020】
これにより、ユーザは、ユーザ端末20の画面に表示されたグラフの、各スキルの各テーマ夫々についての当該ユーザ自身のスコアの値と、当該ユーザが含まれる所定の母集団のスコアの値との分布から、当該ユーザの現在のスキルと、過去のスキルとを比べた成長の度合いや企業の教育効果を容易に視認することができる。
【0021】
このように本サービス提供者が提供するサービスによれば、ユーザについて、ビジネス基礎力診断テストの結果として得られるビジネススキルの現在のスコア(現在レベル)、及び現在の職種(現在属性)とを取得し、これら現在のスコア及び現在の職種に基づいて、N年(所定期間)経過後に、目標のスコア(目標レベル)に到達し、かつ、ユーザがなりたい職種(将来の目標属性)を有するために読むべき書籍を、有益な情報としてユーザに推薦するので、何等かの理由で研修の受講が困難なユーザであっても、N年経過後に理想のスコアに到達し、かつ、ユーザがなりたい職種を有するように支援することができる。
【0022】
図2は、
図1の情報処理システム1のうちサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0023】
サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、バス104と、入出力インターフェース105と、出力部106と、入力部107と、記憶部108と、通信部109と、ドライブ110と、を備えている。
【0024】
CPU101は、ROM102に記録されているプログラム、又は、記憶部108からRAM103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM103には、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0025】
CPU101、ROM102及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インターフェース105も接続されている。入出力インターフェース105には、出力部106、入力部107、記憶部108、通信部109及びドライブ110が接続されている。
【0026】
出力部106は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部107は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0027】
記憶部108は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部109は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(
図1の例ではユーザ端末20及び書籍サーバ2等)との間で通信を行う。
【0028】
ドライブ110には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア111が適宜装着される。ドライブ110によってリムーバブルメディア111から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
また、リムーバブルメディア111は、記憶部108に記憶されている各種データも、記憶部108と同様に記憶することができる。
【0029】
図3は、
図1の情報処理システムにおけるサーバの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ10の記憶部108(
図2)の一領域には、受検DB60が設けられている。
受検DB60には、ユーザに関する情報と、ユーザが現在までに受講した研修の実績やビジネス基礎力診断テストを受けた結果の実績(スコア等の成績)等のログ(以下「受検ログ」と称す)とが記憶されている。
ユーザに関する情報は、例えば企業等で就労する従業員が、自身のスキル向上のために、サービス提供者が開催する講座や研修等を受講するための情報であり、ユーザに関する情報には、ユーザが属する企業や業種等のユーザの属性情報が含まれる。
【0030】
具体的には、受検DB60には、会社等の企業において研修サービスを受講させる従業員の氏名、年齢、性別、職種等の基本属性、社内における現在や現在に至るまでの所属部署(部門等)、役職、企業の業種、受講する講座や研修に関する情報(講座名や講座番号、研修名や研修番号、受講日、受講履歴)、サービス提供者がユーザの夫々に対して行ったアンケート(質問)とその回答の組等が、ユーザ個人を識別する情報(ユーザID又はユーザ番号等)に対応して記憶されている。
【0031】
ユーザの属性は、現在と理想の基本属性(年齢、性別、職種等の主属性)とその他の追加属性(役職、業種等の副属性)とに分けられて(具体例は
図15や
図17参照)、受検DB60に記憶されている。
基本属性は、ユーザであればすべて登録される。追加属性は、ユーザからの積極的な入力により任意で登録される。なお、ユーザの属性とスコアを、ユーザに関する情報と呼ぶ場合がある。
なお、理想の属性については、理想を持っているユーザのみが登録する。理想の属性は、例えばなりたい職種や役職等であり、ある程度方向性が定まったものであれば、情報が多ければ多いほど、読書すべき書籍のレコメンドを高精度で提示することができる。
なお、理想の属性の登録がない場合、現在のスコアと現在属性(現在の職種や役職等)から、おすすめ属性を有するための書籍とその属性に到達するまでの目標期間(所定期間)のうち少なくとも1つがレコメンドされる。
受検DB60には、項目別書籍の関連ワードリスト(図示せず)が記憶されている。項目別書籍の関連ワードリストには、各カテゴリの項目(例えば
図4の20項目)夫々に書籍の関連ワードが1以上設定されている。
【0032】
ここで、本サービス提供者が提供するサービスのうちの1つの研修サービスについて簡単に説明する。ユーザは、研修テーマの中から受講する研修を選択して受講することができる。研修としては、複数の講座が記憶されている。講座とは例えば研修プログラムを実施する研修会や講習会等であり、複数の講座に複数のユーザが参加することが可能である。
複数の講座夫々には、1つ以上の評価要素が対応している。1つ以上の評価要素は、特に限定されないが、以下においては、テーマ又はサブテーマが採用されているものとして説明する。即ち、以下の例では、1つの講座に1以上(主に1つ)のテーマ又はサブテーマが対応付けられているものとする。
テーマは、ビジネスの技能要素の夫々をネーミングした主題であり、講座名と対応付けされる。サブテーマは、テーマの中に含まれる小テーマをいい、小テーマだけの講座も設定される。研修についても同様である。
【0033】
ビジネス基礎力を評価する指標は、例えば
図4に示すグラフに示されるように、「ビジネス知識」(Business knowledge)、「プランニング&コントロール」(Planning & Control)、「シンキング」(Thinking)、「コミュニケーション」(Communication)等の4つのスキルに定義(カテゴリ分け)される。4つに定義(カテゴリ分け)された夫々のスキルには、スキル項目が設定されている。スキル項目は、夫々のスキルの評価要素の1つである。各スキルには、スキル項目毎に研修(講座)が設定される。
【0034】
例えば「ビジネス知識」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、時事問題、法務・人事・労務、財務・経理、マーケティング、経営等がある。図示しないが、法務・人事・労務というスキル項目には、人事・労務、コンプライアンス等のサブ項目が含まれる。
【0035】
「プランニング&コントロール」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、目的及び目標、計画、業務管理、振り返り・評価、改善等がある。図示しないが、目的及び目標というスキル項目には、目的思考というサブ項目が含まれる。また、計画というスキル項目には、アクションプラン立案というサブ項目が含まれる。
【0036】
「シンキング」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、数的処理、思考法活用、情報収集、課題設定、解決策立案等がある。図示しないが、思考法活用というテーマには、要素分解力というサブテーマが含まれる。
【0037】
「コミュニケーション」のスキルのビジネス基礎力を計るためのスキル項目は、ネゴシエーション、文書伝達、口頭伝達、傾聴、ビジネスマナー等がある。図示しないが、文書伝達というスキル項目には、スライド作成力というサブ項目が含まれる。
【0038】
ここでビジネススキルを評価するためのスキルのカテゴライズの仕方(分け方)について説明する。
スキルは、人材育成において成長するために必要なスキルを体系化して大きく4つに分けられる。
人が成果を出すためには、計画性・実行力「プランニング&コントロール」が必要となる。この計画性・実行力を上げるためには意思や判断等の考え方「シンキング」、人間関係を構築するコミュニケーション力「コミュニケーション」、前提となる知識「ビジネス知識」が同時に必要である。
このように4つのカテゴリのスキルと、夫々のカテゴリをさらに細分した5つのスキル項目とに分けてビジネス基礎力を診断(例えばレーダーチャート等に)することで、診断対象者の持っているスキルの特長が見え易くなる。
【0039】
ビジネス基礎力は、個々のスキル項目の単位、又は複数のテーマで1つ設定される講座の単位で、ユーザが研修を受講することにより、ユーザのビジネススキルの向上が図られる。
ユーザが研修を受講するにあたり、受講前と受講中及び受講後等にビジネス基礎力診断テストが実施される。
また、研修を受けられないユーザについても読書前、読書期間中、読書後等のうちいずれか1以上のタイミングでテストが実施され、ユーザのスキルレベル(スコア)の変化がチェックされる。
【0040】
受検DB60には、サービス提供者が実施するテストに関する情報が記憶されている。テストに関する情報は、例えばテストの問題、解答、個々のユーザのテスト結果(スキル項目毎の得点)やその総合的評価であるビジネス基礎力診断結果(カテゴリ毎及び項目毎のスコア)が記憶されている。この他、ユーザへのアンケートと、アンケートに対する回答、研修利用企業数、受講人数、階層教育に着手している企業数、研修テーマ別・階層別の受講人数、教育導入までの意思決定にかかるリードタイム、サービス利用者ID登録数等を含む人材育成ログ情報等も受検DB60に記憶されている。
スコアは、テストの項目毎の得点を、例えば5段階等で評価した数値(“1”から“5”)であり、1スキル項目毎に合計した数値も記憶されている。1カテゴリ5つのスキル項目とした場合に1カテゴリ25点満点とし、この場合の個々のスキル項目のスコアを合計した値等で、ユーザのカテゴリ毎の評価が示される。
【0041】
受検DB60には、ユーザが属する企業の情報(企業規模(人数)、組織構成(階層等)、部署、部門の配置等)が、ユーザIDに紐付けられて記憶されている。ユーザIDは、ユーザがこのサーバ10へログインするときの識別情報でありパスワードとペアで管理されている。
また、受検DB60には、企業における従業員(ユーザ)夫々の情報(例えば従業員の氏名、年齢、入社年月日、在職年数、組織上の職位、役職等)が社員番号等の従業員の個人特定情報とユーザIDに紐づけて記憶されている。
なお、上記で示した1年前や数年前等の受検ログは一例であり、3年前であってもよく過去の実績であれば足りる。
受検DB60には、全会員ユーザの過去の実績情報が記憶されている。実績情報は、例えばユーザ毎のテストの結果と、そのときのユーザの属性と、受検日とを対応付けた情報である。また、ユーザの実績情報の1つとして、例えば当該ユーザが読んだことのある書籍の読書履歴が受検DB60に記憶されている。
この他、受検DB60には、講座や研修を受講する企業の業績情報(例えば経済情報誌等で公開されている範囲の情報)が同業他社で比較可能に記憶されている。
ユーザは、ユーザが勤務する企業等の所定団体に属しており、ユーザのスコア及び属性は、企業により作成される情報(人事評価等)により示される。
このように、現在スコア及び現在属性、並びに目標スコア及び目標属性として、ユーザが勤務する企業の人事評価(所属等=属性、評価=スキル(スコア))をレコメンド材料の1つに採用することで、ユーザに対する客観的な評価を考慮して適切な書籍を選定し推薦することができる。
【0042】
サーバ10のCPU101(
図2参照)においては、書籍レコメンドサービスに関する処理を実行する際に、
図3に示すように、現在状況取得部11と、将来状況取得部12と、
目標期間取得部13と、類似実績取得部14と、読書履歴取得部15と、推薦部16と、表示制御部17と、が機能する。
現在状況取得部11は、ユーザ(対象者)について、テストの現在のスコア(ビジネスに関するスキルの現在レベル)、及び現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)(現在属性)を取得する。
現在状況取得部11は、現在レベル取得部31と現在属性取得部32とを有する。
【0043】
現在レベル取得部31は、ユーザについて、テストした結果の現在のスコアを取得する。
具体的には、現在レベル取得部31は、受検DB60に予め記憶されている、ユーザのスキルを評価するための問題の中から、ユーザがユーザ端末20を操作して解答をするための問題を、各テーマの項目毎に作成する。このようにして作成された各スキルの夫々のテーマ毎の問題と解答の集合体がテストである。
【0044】
現在レベル取得部31は、対象者について、ビジネスに関する能力(ビジネス基礎力)の現時点の評価値(ビジネス基礎力診断テストによるスコア)を現在レベルとして取得する。
現在レベル取得部31は、テストを、通信部109を介してユーザ端末20に表示させることにより、ユーザに対しテストを出題する。
【0045】
具体的には、会社の組織に所属する1以上の社員の夫々についてのビジネス基礎力を示す情報を、ユーザ端末20を介して取得し受検DB60に記憶する。ビジネス基礎力診断テストは、ビジネス基礎力を診断するためのテストであり、例えばビジネスの能力であるスキルをカテゴリ毎に評価するためのテストである。
ユーザは、ユーザ端末20を操作することにより、現在レベル取得部31が出題したテストに対する解答(各問題毎の解答)を入力する。ユーザが入力した解答は、ユーザ端末20からサーバ10に対して送信される。
【0046】
現在レベル取得部31は、ユーザ端末20から送信されたテストの解答(各問題毎の解答の集合体)を、通信部109を介して取得する。
現在レベル取得部31は、取得したテストの解答を、所定の採点基準に基づいて各問題毎に採点する。
現在レベル取得部31は、各問題毎の採点の結果を、各スキルの各テーマ毎に正規化(スコア化)し、当該スコアを受検DB60に評価結果として各テーマの項目名と紐付けて記憶しユーザ毎に管理する。
【0047】
ユーザ端末20からの評価提示要求(作表指示)に応じて受検DB60で管理されている1以上のユーザのスコアの中から、所定のユーザのスコアと、当該所定のユーザが含まれる所定の母集団のスコアとを取得し表示制御部17へ出力する。なお、所定のユーザを第1ユーザと言い換える場合がある。
【0048】
なお、当該所定の母集団は、受検DB60に予め記憶されている所定の抽出条件によって抽出される。具体的には例えば、上述した様に、同年齢、同職種、同業界、同役職、同入社年度、又は所定のユーザ本人の過去のスコアのうち、任意の数(1も含む)の任意の組合せを所定の抽出条件とした母集団を抽出することができる。
【0049】
現在属性取得部32は、ユーザについて、現在属性として、例えば現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)等を取得する。
具体的には、現在属性取得部32は、1以上の講座の受講により所定の人材育成が所定期間(例えば3年等)施される予定の対象者(例えば会社の社員等のユーザ等)の1以上の属性を取得する。1以上の属性は、基本属性と追加属性がある(
図15、
図17参照)。基本属性は、例えば性別、年齢、職種、業種、役職等である。追加属性は、会社におけるその社員の役職、会社の業種等である。
これらのユーザの情報は、ユーザ端末2から取得してもよく、受検DB60に予め記憶されているユーザの情報から読み出して取得してもよい。
【0050】
将来状況取得部12は、ユーザについての目標とするスコア(目標レベル)及びユーザが将来なりたい理想の属性として、例えば業種、職種、役職等(目標属性)を取得する。
ユーザが理想の属性をユーザ端末20から直接入力する場合は、将来状況取得部12は、ユーザ端末2におけるユーザの入力操作により入力された目標スコア及びユーザが将来なりたい理想の属性を取得する。なお、ユーザによっては目標がない場合もあり、その場合は情報が入力されない場合もある。
将来状況取得部12は、目標レベル取得部41と目標属性取得部42とを有する。
【0051】
目標レベル取得部41は、ユーザ端末2におけるユーザの入力操作により入力された目標スコアを取得する。
目標レベル取得部41は、ユーザのビジネススキルについて、N年が経過した後の目標となるスコアがユーザの操作により入力された場合、当該スコアを目標スコアとして取得する。なお、目標となるスコアが予め受検DB60に登録されている場合、目標レベル取得部41は、受検DB60より目標となるスコアを読み出して取得する。
具体的には、目標レベル取得部41は、ログインしたユーザIDの受検DB60の当該ユーザの情報に目標スコアが含まれていた場合、その目標スコアを受検DB60から読み出し目標スコアとして受検DB60から取得し推薦部16へ出力する。
【0052】
目標属性取得部42は、ユーザについて、N年が経過した後の目標属性(ユーザがなりたい業種、職種、役職等)がユーザの操作により入力された場合、当該目標属性を取得する。
即ち目標属性取得部42は、ユーザ端末2におけるユーザの入力操作により入力されたユーザが将来なりたい理想の属性(業種、職種、役職等)を取得する。
なお、目標スコアや理想の属性等は、ユーザが直接ユーザ端末2に入力したものだけでなく、事前に受検DB60に記憶されていたユーザの情報を読み出して取得してもよい。
【0053】
目標期間取得部13は、所定期間として目標の期間がユーザの操作により入力された場合、当該期間を目標期間として取得する。また、目標期間取得部13は、ユーザの目標の期間が予め受検DB60に記憶されていた場合、目標の期間を受検DB60から取得する。
具体的には、目標期間取得部13は、サーバ10にログインしたレコメンド対象のユーザの情報を受検DB60から検索し当該ユーザの情報に目標期間が含まれていた場合、その目標期間を受検DB60から読み出し目標期間として取得し推薦部16へ出力する。
これにより、推薦部16は、ユーザの1以上の属性及び現在スコアに加えてさらにユーザにより入力された目標スコア及び目標期間に基づいて、受講計画を立案すると共にさらに受講期間として適切な期間を算出し、ユーザにレコメンドする。
なお、上記において、目標レベル、理想の属性、目標期間等は、ユーザにより入力されるだけでなく、企業等の組織により入力されてもよい。この場合の「組織により入力される」とは、当然ながら組織に属する者や組織からの依頼若しくは指示された者により入力されることを含む。
【0054】
類似実績取得部14は、現在よりも所定期間(N年)前にスキルの目標レベルに既に到達した既存ユーザのうち、対象ユーザの現在属性と同一又は類似する属性を有する既存ユーザを類似属性者として、所定期間(N年)前の前後のスキルを含む情報を実績情報として、1以上の類似属性者の夫々の実績情報を取得する。
具体的には、類似実績取得部14は、ユーザと同一又は類似する属性を有する1以上の既存ユーザ(類似属性者)の実績情報を受検DB60から取得し、推薦部16へ出力する。
これにより、推薦部16は、ユーザの1以上の現在属性及び現在スコアに加えてさらに1以上の既存ユーザ(類似属性者)の夫々の実績情報を考慮して書籍等を選定しユーザへ推薦することができる。
【0055】
読書履歴取得部15は、ユーザの書籍の読書履歴を取得する。具体的には、読書履歴取得部15は、受検DB60に記憶されているユーザの情報から、当該ユーザが読んだ書籍の読書履歴を取得する。
なお、ユーザ本人の読書履歴に限らず、例えばユーザと同一又は類似する属性の既存ユーザの過去受検データとその読書履歴を取得し、これらの情報に基づき、適切な書籍をレコメンドしてもよい。
また、専門家等が推薦する書籍、その分野において知見のあるものや成果を出したもの、同属性の中で成長した人が過去に読んでいた書籍の情報を取得し、その情報に基づいて書籍をレコメンドしてもよい。
【0056】
推薦部16は、現在のスコア及び現在属性に基づいて、例えば3年後等の所定期間(N年)の経過後に、テスト結果のスコア(スキル)の目標レベル、例えば所定項目のスコアの平均点が現在スコアを超える値に到達し、かつ、将来の目標属性として例えばIT業の職種としてのプログラマー(SE)等を有するために、書籍やデジタルコンテンツ等を有益情報として表示制御部17へ出力しユーザに推薦する。
推薦部16は、ユーザの現在スコア及び現在属性に、さらに1以上の類似属性者の夫々の実績情報を加えて、これらの情報に基づいて、例えば書籍等の有益情報をユーザに推薦する。
推薦部16は、複数の書籍等の有益情報を推薦する場合、さらに、当該複数の書籍を読む順序等(時間的な接触順番)も推薦する。
推薦部16は、現在のスコア及び現在属性並びに目標のスコア及び目標属性に基づいて、有益情報と共に例えば6か月間等(所定期間)を推薦する。
推薦部16は、さらに、書籍購入支援機能を備え、推薦した書籍等の有益情報を取得できる書籍販売サイトへの書籍の購入リンク(
図14参照)をユーザに提示する。
推薦部16は、現在スコア及び現在属性並びに読書履歴に基づいて、書籍等の有益情報をユーザに推薦する。
具体的には、推薦部16は、現在スコア及び現在属性にさらに加えて、読書履歴取得部15により取得される読書履歴に基づいて、書籍等の有益情報をユーザに推薦する。
推薦部16は、能力開発レコメンド部51と、将来状況レコメンド部52と、所定期間レコメンド部53と、を有する。
【0057】
能力開発レコメンド部51は、レコメンド対象のユーザが読むべき適切な書籍、読む順序、再受検のタイミング等を有益情報として表示制御部17を介してユーザ端末2に提示する。
具体的には、能力開発レコメンド部51は、テストの現在のスコアと、理想の属性を入力情報として、ユーザが読むべき適切な書籍、読む順序やユーザがテストを次に受検すべき時期を表示制御部17へ出力することで、ユーザに推薦する。
【0058】
将来状況レコメンド部52は、レコメンド対象のユーザが読書して達成されるユーザの将来のスコア(目標スコア)と将来属性(例えば理想の業種、職種、役職等の目標属性)の将来状況を有益情報として表示制御部17を介してユーザ端末2に提示する。
【0059】
所定期間レコメンド部53は、将来状況取得部12により取得されたユーザについての目標スコア(所定属性の項目の平均値が○○点を超える数値等)及び目標属性(例えばIT業のプログラマー(SE)等の職種)に基づいて、ユーザが読むべき書籍等の有益情報と共に、当該書籍を読み終える迄の所定期間(例えばNか月間等)を表示制御部17へ出力し、ユーザに推薦する。
【0060】
推薦部16における有益情報の生成(例えば書籍の選定等)は、AIモデルにより実行される。
AIモデルにより実行される有益情報の生成には、ユーザの現在状況(現在属性と現在のスコアの数値だけ)でなく、属性による傾向、4つのビジネススキルのカテゴリによる得点傾向(ビジネススキルの適正)やユーザ本人により入力される目標スコア、目標期間、目標属性等が考慮される。またこのAIモデルは、ユーザに将来像(目標)がない場合も現在状況の入力だけで将来に向けた有益情報(書籍等)を推薦することが可能である。AIモデルの他、予め設定されたアルゴリズムに基づいて有益情報を生成してもよい。
【0061】
表示制御部17は、推薦部16により生成された書籍等の情報(有益情報)をユーザ端末20の画面に表示させる制御を行う。
【0062】
また、表示制御部17は、推薦部16から出力されるユーザの現在のスコアと理想のスコアとを円形の表示領域に夫々プロットした2つの折れ線グラフ(例えば
図4のレーダーチャート参照)を、通信部109を介してユーザ端末20の画面に表示させる制御を行う。
この他、表示制御部17は、現在レベル取得部31により取得されるユーザの現在のスコアと、当該ユーザが含まれる所定の母集団のスコアとを円形の表示領域にプロットした2つの折れ線グラフ(例えば
図4参照)を重畳させて、通信部109を介してユーザ端末20の画面に表示させる制御を行う。
【0063】
ここで、
図5を参照してサーバの動作を説明する。
図5は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバの動作を示すフローチャートである。
サーバ10では、
図5のステップS11において、現在状況取得部11は、ユーザについて、ビジネス基礎力診断テストの現在のスコア(ビジネスに関するスキルの現在レベル)、及び現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)等の現在属性を取得する。
具体的には、現在状況取得部11は、ユーザの1以上の属性(年齢、性別、職種、役職、業種のうち少なくとも年齢、性別、職種を含む情報)を基礎属性として取得し、残りの役職、業種を追加属性として取得する(例えば
図15等参照)。
【0064】
次に、サーバ10では、
図5のステップS12において、推薦部16は、Nか月(例えば3か月等の所定期間)経過後に、ビジネス基礎力診断テストの結果の所定項目のスコアの平均点が現在スコアを超える得点等(目標スコア)に到達し、かつ、将来の目標属性(例えばIT業のプログラマー(SE)等)を有するために有益な情報(例えば書籍やデジタルコンテンツ等)を有益情報として、現在スコア及び現在属性に基づいてユーザに推薦する。
【0065】
このようなサーバ10の動作によれば、ユーザの現在状況(1以上の属性と現在スコア)と、将来状況とを取得し、これらの情報に基づいて、ユーザが受講すべき1以上の講座として適切な講座の受講計画を立案して、ユーザにレコメンド(推薦)するので、研修の対象者が所定期間(N年)後に成長目標を達成するための具体性のある支援を行うことができる。
【0066】
ここで、
図6を参照して本サービスにおけるレコメンドフローを説明する。
図6は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバが適用される本サービスにおけるレコメンドフローを示す図である。
図6に示すように、本サービスは、ユーザに1回目のテストを実施することで、1回目の入力(INPUT)として、ユーザの現在のスコアと現在属性を取得する。
そして、本サービスは、1回目の出力(OUTPUT)として、適切な書籍と適切な読む順序と再受検のタイミングをレコメンドする。
再受検のタイミングとしては、例えば3か月後に再度テストを受検すること、等がレコメンドされる。
1回目の出力後、再受検のタイミングの3か月が経過した時点で、本サービスは、ユーザに2回目のテストを実施することで、2回目の入力(INPUT)として、その時点のユーザのスコアとその時点の属性とを取得する。
そして、本サービスは、2回目の出力(OUTPUT)として、適切な書籍と適切な読む順序と再受検のタイミングをレコメンドする。
再受検のタイミングとしては、例えば3か月後に再度テストを受検すること、等がレコメンドされる。
このように本サービスでは、ユーザにテストを実施して書籍を推薦した後、所定期間毎に入力と出力を繰り返すことで、推薦した書籍によるユーザのスキルの変化状況をチェックすることで、ユーザのモチベーションを維持することができる。
【0067】
以下、
図7乃至
図13を参照してサーバにおける推薦部の入出力の様々な組み合わせによる動作を説明する。
サーバ10における推薦部16の処理には、入出力の組み合わせとして、[1]パターン乃至[3]パターンの3つのパターンがある。
[1]パターンは、現在状況が入力(1)、将来状況が入力(2)、所定期間が出力(1)、能力開発レコメンドが出力(2)となるパターンである。
[2]パターンは、現在状況が入力(1)、将来状況が入力(2)、所定期間が入力(3)、能力開発レコメンドが出力(1)となるパターンである。
[3]パターンは、現在状況が入力(1)、所定期間が入力(2)、能力開発レコメンドが出力(1)、将来状況が出力(2)となるパターンである。
【0068】
まず、
図7及び
図8を参照して推薦部の[1]パターンの処理を説明する。
図7は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[1]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
図8は、
図7の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
推薦部16において[1]パターンの処理が実行される場合、能力開発レコメンド部51と、所定期間レコメンド部53と、が機能する。
この際、推薦部16には、
図8に示すように、現在状況取得部11により取得された現在状況として、現在のスコア(現在レベル)と現在属性とが推薦部16に入力される(入力(1))。また、推薦部16には、将来状況取得部12により取得された将来状況として、理想のスコア(目標レベル)となりたい姿・理想の属性(目標属性)とが入力される(入力(2))。
能力開発レコメンド部51は、入力された現在のスコア(現在レベル)と現在属性とに基づいて、適切な書籍を選定すると共に選定した書籍に応じた再受検タイミングを生成し出力する。
所定期間レコメンド部53は、入力された現在のスコア(現在レベル)と現在属性とに基づいて、選定された書籍を読む読書時間と、書籍を読んで得られる知識がスキルとして身に付く定着時間と、ユーザが理想の属性に適用可能となる時期の目安とから、理想のスコアやなりたい姿に到達するのに必要な期間(推奨期間)を計算して出力する。推奨期間は、例えばN年やNか月等として算出される。
これにより、推薦部16からは、
図8に示すように、必要な期間(推奨期間)としてN年又はNか月等が出力される(出力(1))。また推薦部16からは、適切な書籍と再受検タイミングが能力開発レコメンドとして出力される(出力(2))。
この結果、必要な期間(推奨期間)、適切な書籍、再受検タイミングが推薦部16から出力されてユーザ端末2に提示される。
【0069】
推薦部16は、ユーザのビジネススキル、例えば4カテゴリ×5項目、合計20項目の夫々における、現在状況と将来状況とを比較し、現在と理想のスコアの夫々の項目の点数差と、現在属性と理想属性との差異とに基づいて、有益情報(適切な書籍と再受検のタイミング)を選定しユーザに推薦する。
適切な書籍としては、例えばテスト結果のスコアが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報となる書籍等が選定される他、1以上の書籍が選定された場合は書籍を読む順序等もレコメンドされる。再受検のタイミングは、必要な期間(推奨期間)を超過した次のテストの時期、例えばNか月後、N年後等が算出される。
本実施形態では、ユーザの現在の姿と理想の姿のギャップを埋めるために、どのような書籍を読むとそのギャップが埋まるかを提示することができる。
【0070】
まず、
図9及び
図10を参照して推薦部の[2]パターンの処理を説明する。
図9は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[2]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
図10は、
図9の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
推薦部16において[2]パターンの処理が実行される場合、能力開発レコメンド部51が機能する。
この際、推薦部16には、
図10に示すように、現在状況取得部11により取得された現在状況として、現在のスコア(現在レベル)と現在属性とが推薦部16に入力される(入力(1))。また、推薦部16には、将来状況取得部12により取得された将来状況として、理想のスコア(目標レベル)と理想のスコア、なりたい姿・理想属性(目標属性)とが入力される(入力(2))。
さらに、推薦部16には、目標期間取得部13により取得された所定期間として、理想のスコア(目標レベル)を得る迄の期間が入力される(入力(3))。
能力開発レコメンド部51は、入力された現在のスコア(現在レベル)と現在属性と、理想のスコア(目標レベル)を得る迄の期間に基づいて、適切な書籍を選定すると共に選定した書籍に応じた再受検タイミングを生成し出力する。
これにより、推薦部16からは、
図10に示すように、適切な書籍と再受検タイミングが能力開発レコメンドとして出力される(出力(1))。
この結果、適切な書籍、再受検タイミングが推薦部16から出力されてユーザ端末2に提示される。
【0071】
まず、
図11及び
図12を参照して推薦部の[3]パターンの処理を説明する。
図11は、本発明に係る情報処理装置の一実施形態のサーバにおける推薦部の[3]パターンの処理の際に機能する構成を示す図である。
図12は、
図11の構成のサーバに入力される情報と出力される情報を示す図である。
推薦部16において[3]パターンの処理が実行される場合、能力開発レコメンド部51と、将来状況レコメンド部52と、が機能する。
この際、推薦部16には、
図12に示すように、現在状況取得部11により取得された現在状況として、現在のスコア(現在レベル)と現在属性とが推薦部16に入力される(入力(1))。また、推薦部16には、目標期間取得部13により取得された所定期間として、理想のスコア(目標レベル)を得る迄の期間が入力される(入力(2))。
能力開発レコメンド部51は、入力された現在のスコア(現在レベル)と現在属性と理想のスコア(目標レベル)を得る迄の期間に基づいて、適切な書籍を選定すると共に選定した書籍に応じた再受検タイミングを生成し出力する。
将来状況レコメンド部52は、入力された現在のスコア(現在レベル)と現在属性と理想のスコア(目標レベル)を得る迄の期間に基づいて、将来状況として、理想のスコア(目標レベル)となりたい姿・理想属性(目標属性)を出力する。
これにより、推薦部16からは、
図12に示すように、適切な書籍と再受検タイミングが能力開発レコメンドとして出力される(出力(1))。また推薦部16からは、理想のスコア(目標レベル)となりたい姿・理想属性(目標属性)が出力される(出力(2))。
この結果、理想のスコア(目標レベル)、なりたい姿・理想属性(目標属性)、適切な書籍、再受検タイミングが推薦部16から出力されてユーザ端末2に提示される。
【0072】
続いて、
図13を参照して、なりたい未来の姿がユーザにない場合の推薦部の処理を説明する。
図13は、なりたい未来の姿がユーザにない場合のレコメンド部の動作を示す図である。
ユーザに、なりたい未来の姿がある場合、
図7乃至12の処理動作と同様であり、推薦部16は、ユーザのビジネススキル、例えば4カテゴリ×5項目、合計20項目の夫々における、現在のスコアと、理想のスコアとを比較し、現在と理想夫々の項目のスコアの点数差に基づいて、適切な書籍、再受検タイミング、推奨期間を生成する。
適切な書籍は、テスト結果のスコアが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報となる書籍である。この他、複数の書籍が選定された場合は、書籍を読む順序等が生成される。推奨期間は、理想のスコアに到達するのに必要な年数が例えばN年やN年半等として算出される。
【0073】
一方、ユーザに、なりたい未来の姿がない場合、
図13に示すように、目標とする期間(N年)のみをユーザに決めてもらい、その期間(N年)がユーザによりユーザ端末20を介してサーバ10に入力される。
【0074】
サーバ10では、受検DB60のユーザの現在のスコア及び属性が読み出されて、読み出された現在のスコア及び属性と、ユーザにより入力された期間(N年)とが推薦部16に入力される。
【0075】
推薦部16は、書籍レコメンドサービスが既にN年間施された既存ユーザのうち、これから読書する予定のユーザと同一又は類似する属性を有する者を類似属性者として、1以上の類似属性者についてのスコアの過去N年間(-N年~現在)の実績情報(N年前から現在に至るスコアの推移)を受検DB60から夫々読み出す。
実績情報としては、類似属性者の夫々が理想の属性(職種や役職等)になったN年後のスコアが推薦部16により取得される。
【0076】
続いて、推薦部16は、取得された類似属性者の数人分の夫々のスコアと、ユーザの現在のスコアとに基づいて、1以上の書籍の推薦情報(この例では3パターンの書籍の推薦情報)を生成し出力する。3つのパターンの夫々の書籍の推薦情報には、夫々に適したレコメンド情報(適切な書籍と読む順序、再受検タイミング)が含まれる他に、パターン別に理想のスコア、理想の属性、理想の定性評価が含まれている。
そして、推薦部16は、生成した3パターンの書籍の推薦情報夫々の理想のスコアを、ユーザのスコアや属性とのマッチ度の高さ別に、表示制御部17を介してユーザ端末2の画面に表示しユーザへ提示する。
このように実現可能性のあるユーザの未来の姿がマッチ度の高さ別に1以上(この例では3つのパターンで)提示されるので、ユーザは、提示された1以上の未来の姿の中から自らなりたい姿を選択することができる。
【0077】
次に、
図14を参照して書籍レコメンドサービスにおける書籍購入支援機能について説明する。
図14は、サービス提供者による書籍レコメンドサービスにおけるサーバの書籍購入支援機能を示す図である。
書籍購入支援機能は、推薦部16が推薦した書籍を取得又は接触できる場所をユーザに提示する機能である。
具体的には、書籍購入支援機能は、
図14に示すように、例えばインターネットに接続されるサーバ10と書籍サーバ2とユーザ端末20との間での連携機能である。
推薦部16は、ユーザにとって有益な情報として、スキルアップのための書籍を提示するだけでなく、外部の書籍販売サイト(外部サイト)とも連携動作する。本機能は、こうした外部サイトにリンクを貼るだけでなく、外部サイトの運営者やその関連団体とも連携する。
【0078】
この場合、サーバ10の推薦部16が、ユーザに推薦する書籍が販売されているものか否かをインターネット上で検索する際に、推薦部16は、検索により検出された書籍販売サイト2aがIfパラメータ付与タイプのサイトか、Ifパラメータ付きURLをサイト側で発行するサイトかを、URLパラメータから判定する。
判定の結果、書籍販売サイト2aがIfパラメータ付与タイプのサイトであれば、推薦部16は、当該サイトから購入ページURLを取得する。
また、判定の結果、書籍販売サイト2aがIfパラメータ付きURLをサイト側で発行するサイトであれば、推薦部16は、当該サイトから購入ページURLを取得する。
次に、推薦部16は、取得されたサイトのURLに基づいて、アフェリエイトパラメータ付き購入ページURL(購入リンク)を作成する。
そして、推薦部16は、ユーザへの書籍推薦の際に、ユーザ端末20に提示する推薦画面21の1行目に書籍タイトル、2行目に購入リンク、3行目に書籍に関連する評価記事のリンク、4行目に書籍に関連する検索キーワードを提示する。
【0079】
このように推薦画面21を構成し、サーバ10がユーザのユーザ端末20に書籍の推薦情報を提示したときに、推薦画面21の書籍タイトルの下に書籍の購入リンクを配置しておくことで、ユーザは、購入リンクをクリック操作するだけで、書籍の購入を進めることができる。
また、ユーザにより、2行目の購入リンクを通じて商品の購入やサービスの契約が行われると、書籍販売サイト2aを運営する団体から本サービス提供者に紹介報酬が提供されるようになる。
【0080】
このように書籍購入支援機能によれば、ユーザは、本サービス提供者が推薦した書籍を、ユーザ端末20の推薦画面21に提示された推薦情報に付されたリンク先の書籍販売サイト2aで本の内容を確認(購入)することにより、書籍販売サイト2aが推薦する書籍も知ることができる。
また、例えば推薦画面21に「この本に興味のある方はこちらもチェックしています」等の誘導URLを配置することで、書籍販売サイト2aの運営団体は勿論のこと、書籍出版社等の出版団体やその他の関連団体に対して連携を進めることができる。
【0081】
以下、
図15乃至
図18を参照して書籍推薦サービスの具体例を説明する。
図15、
図16は、ユーザが小売業界からIT業界への同業種転職を望む場合の第1事例である。
図15は、
図2、
図3のサーバにレコメンドされる対象のユーザの属性の一例を示す図である。
図15に示すように、ユーザの属性情報は、属性の項目毎に、現在と理想の夫々情報が対応して管理されている。属性は、例えば基本属性と追加属性がある。基本属性は、性別、年齢、職種である。追加属性は業種と役職(役割)である。
第1事例の場合、ユーザの属性情報は、基本属性として、性別は男性、現在の年齢は26歳、現在の職種は営業職である。理想の職種はプログラマーが入力されている。
追加属性の現在の業種は小売業、現在の役職は一般(一般職)である。追加属性の理想の業種はIT業、理想の役職は一般(一般職)である。役職は、この他、例えばリーダー、管理職、経営者等が入力可能である。
【0082】
図16は、
図15の属性を有するユーザのスコア表を示す図である。
ビジネススキルは、4つのカテゴリ毎に5つの項目、合計20項目が設定されており、夫々の項目毎に、現在スコア(スコア表では「現在」と記載)と理想のスコア(スコア表では「理想」と記載)と、互いの点数差(スコア表では「現在-理想」と記載)と、書籍等の有益な情報のレコメンドとが設定されている。
なお、理想のスコアは、ユーザにより入力された場合はその数値であり、その他の場合は、対象となる属性における過去受検データのスコア上位20%の平均を用いるものとする。
【0083】
有益な情報群からスキルを習得するためには、伸ばしたいスキルに直接関連する領域に加え、間接的に関連する領域からも情報を得ることが有効である。
そこで、本サービスの有益な情報のレコメンドには、「直接領域」と「間接領域」とを分けて、夫々の領域から書籍を推薦する。
「直接領域」では、理想の属性に求められるスコアに対し、不足している項目に対してスキルを習得するために必要な有益な情報が提示される。
「間接領域」では、理想の属性に求められるスコアとユーザ本人のスコアとの結果には直接関係はないが、理想の属性を目指すにおいて保有しているとよい有益な情報が提示される。
【0084】
例えば
図16に示すスコア表では、例えば「プランニング&コントロール」と「シンキング」のカテゴリの項目に点数差として「-1」、「-2」等の傾向が見られ、理想スコアに対して現在スコアが不足していることが分かる。
なお、この例では、点数差については、現在のスコアから理想のスコアを差し引いて点数差を算出したが、この逆であってもよく、この場合は「+」が多いほど理想のスコアに対して現在のスコアが不足してしていることになる。
【0085】
ここで、推薦部16がAIモデルの場合の思考について説明する。
IT業界の特徴として、「プランニング&コントロール」と「シンキング」のカテゴリのスコアが高いことがあげられる。
また、営業職という職種のため理想の属性においても「コミュニケーション」の領域で高いスコアが必要とされるが、ユーザは既に求められる理想のスコアに達していることが分かる。
この場合、ユーザがIT業界に求められるレベルに達するためには、「プランニング&コントロール」と「シンキング」を中心とした(現在-理想)のスコアがマイナスとなっている項目に関連する書籍を読むことがレコメンド(推奨)される。
具体的には、「プランニング&コントロール」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「プロジェクトマネジメント」に関する書籍が1以上レコメンドされる。
また、「シンキング」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「調査報告」、「ロジカルシンキング」、「クリティカルシンキング」に関する書籍が1以上レコメンドされる。
【0086】
次に、第2事例について説明する。
図17、
図18は、ユーザが同業界で営業職から企画職への転職を希望している場合の第2事例である。
図17は、
図2、
図3のサーバにレコメンドされる対象のユーザの属性の一例を示す図である。
図17に示すように、第2事例の場合、ユーザの属性情報は、基本属性として、性別は女性、現在の年齢は27歳、現在の職種は営業職である。理想の職種は企画職が入力されている。
追加属性の現在の業種は小売業、現在の役職は一般(一般職)である。追加属性の理想の業種は小売業、理想の役職は一般(一般職)である。
【0087】
図18は、
図17の属性を有するユーザのスコア表を示す図である。スコア表のカテゴリや項目等の構成は、
図16と同様でありその説明は省略する。
【0088】
例えば
図18に示すスコア表では、例えば「プランニング&コントロール」と「シンキング」のカテゴリの項目に点数差として「-1」、「-2」等の傾向が見られ、理想スコアに対して現在スコアが不足していることが分かる。
なお、この例では、点数差については、現在のスコアから理想のスコアを差し引いて点数差を算出したが、この逆であってもよく、この場合は「+」が多いほど理想のスコアに対して現在のスコアが不足してしていることになる。
【0089】
ここで、推薦部16がAIモデルの場合の思考について説明する。
企画職の特徴として、「プランニング&コントロール」と「シンキング」のカテゴリのスコアが高いことがあげられるが、ユーザはどちらも求められるスコアに達していない。また、理想の属性においては「コミュニケーション」の領域で高いスコアが必要とされるが、ユーザは既に求められるスコアに達していることがわかる。
ユーザが企画職として求められるレベルに達するためには、「プランニング&コントロール」と「シンキング」と「ビジネス知識」のカテゴリで、(現在-理想)のスコアがマイナスとなっている項目に関連する書籍を読むことが推薦される。
この場合、ユーザが企画職に求められるレベルに達するためには、「プランニング&コントロール」と「シンキング」と「ビジネス知識」を中心とした(現在-理想)のスコアがマイナスとなっている項目に関連する書籍を読むことがレコメンド(推奨)される。
具体的には、「プランニング&コントロール」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「目的・目標」、「事前準備」、「PDCA」に関する書籍が1以上レコメンドされる。
また、「シンキング」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「調査報告」、「ロジカルシンキング」、「クリティカルシンキング」、「問題解決」、「施策検討」に関する書籍が1以上レコメンドされる。
さらに、「ビジネス知識」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「マーケティング」に関する書籍と、「間接領域」として「会社の仕組み」、「決算書」、「時事」に関する書籍とが夫々の領域で1以上レコメンドされる。
この他、「コミュニケーション」のカテゴリをスキルアップするために「直接領域」として「プレゼンテーション」に関する書籍と、「間接領域」として「ビジネスマナー」に関する書籍とが夫々の領域で1以上レコメンドされる。
【0090】
このように推薦部16により推薦される書籍と読む順序、目標期間等を含む推薦情報をユーザがユーザ端末20の画面で閲覧することで、ユーザは、自身があとどのくらいの期間、どのような書籍をどのような順序で読めば、Nか月後又はN年後に理想のスコアに到達することが分かるので、研修を受けられないユーザに対して具体性のあるスキルアップの支援を行うことができる。
【0091】
次に、レコメンドの対象が組織(例えば企業等)の場合の事例を説明する。
上述した実施形態では、レコメンドの対象がユーザである場合の例について説明したが、本願発明におけるレコメンドの対象は、ユーザ等の人だけに限定されず、企業や会社、団体等の組織であってもよい。
【0092】
この場合、サーバ10は、組織に属するユーザの現在の状況(例えば現在のスコア及び属性)に基づいて、所定期間(例えば必要な期間(推奨期間N年))経過後に、ユーザの理想の状態(例えば理想のスコア及びなりたい姿・理想の属性(以下「理想の属性」))になるために必要な有益な情報をレコメンドする。
【0093】
有益な情報は、その「組織」の属性に基づいて、組織単位で最適な情報がレコメンドされる。
ここで、有益な情報とは、容易に廉価で入手可能な有益な情報群をいい、例えば書籍(キンドル、オーディオブックなどを含む)、企業が保有しているコラム記事や有益な情報を記載したメールマガジン、キーワード(メディア等、検索するためのもの)等が含まれる。
【0094】
有益な情報群からスキルを習得するには、伸ばしたいスキルに直接関連する領域に加え、間接的に関連する領域からも情報を得ることが有効である。
直接領域では、理想の属性に求められるスコアに対し、不足している項目に対してスキルを習得するために必要な有益な情報が提示される。
間接領域では、理想の属性に求められるスコアと本人のスコアとの結果には直接関係ないが、理想の属性を目指すにおいて保有しているとよい有益な情報が提示される。
【0095】
サーバ10は、第1レコメンド機能、第2レコメンド機能及び第3レコメンド機能を備える。
【0096】
第1レコメンド機能は、スコアと理想の属性から、期間と有益な情報(レコメンド)を出力する機能である。
第1レコメンド機能の場合、サーバ10に入力される入力情報は、組織の属性情報(例えば業種、属する人員数、主たる業務)、組織に属する人員のビジネスに関するスキルの現在レベル(例えば現在のスコア)、ビジネスに関するスキルの目標レベル等である。
サーバ10は、上記入力情報が入力されることで、組織が理想の状態になるために要する期間(例えば必要な期間(推奨期間)N年、nか月等)、組織が理想の状態になるための有益な情報を出力する。
【0097】
第2レコメンド機能は、スコアと理想の属性と必要な期間から、有益な情報(レコメンド)を出力する機能である。
第2レコメンド機能の場合、サーバ10に入力される入力情報は、組織の属性情報(例えば業種、属する人員数、主たる業務)、組織に属する人員のビジネスに関するスキルの現在レベル(例えば現在のスコア)、組織に属する人員の、現在属性(例えば職種、階層等)、ビジネスに関するスキルの目標レベル(例えば理想のスコア)、要する期間(例えば必要な期間(推奨期間)N年)等である。
サーバ10は、上記組織に関する入力情報が入力されることで、組織が理想の状態になるための有益な情報を出力する。
【0098】
第3レコメンド機能は、スコアと必要な期間から、未来の姿とそこに向かうための有益な情報(レコメンド)を出力する機能である。
第3レコメンド機能の場合、サーバ10に入力される入力情報は、組織の属性情報(例えば業種、属する人員数、主たる業務)、組織に属する人員のビジネスに関するスキルの現在レベル(例えば現在のスコア)、組織に属する人員の、現在属性(例えば職種、階層等)、要する期間(例えば必要な期間(推奨期間)N年)等である。
サーバ10は、上記入力情報が入力されることで、組織のビジネスに関するスキルの目標レベル(例えば理想のスコア)、組織の未来の姿とそこに向かうための有益な情報を出力する。
【0099】
ここで、期間の考え方は以下の通りである。
要する期間は、スコアが不足している項目については「(スコアの差分)×nか月」、直接領域や間接領域の項目については1項目につきnか月で算出している。
なおnか月とはスコアを1点分上昇させるのに要する期間であり、nの値も組織に属する人員属性やスキルレベル等に基づいて組織ごとに算出される。(組織の特性や相互作用などにより成長が早い組織もあれば、そうでない組織もある)またnは必ずしも整数であるとは限らず、n=0.5、1.2等の値にもなる。
例えばn=1である組織の場合、スコアが1点不足している項目では基準に達するまで1か月を要し、2点不足している項目では2か月を要する。n=0.8の組織の場合はそれぞれ同様に0.8か月、1.6か月を要する。
なお、すべての項目が基準に達する期間はそれぞれの項目の単純な合計になるとは限らない。例えば、n=1である企業において、それぞれ1点ずつスコアが不足している2つの項目の両方を基準まで到達させるためには、1か月で2つの項目の両方をめざすスコアまで改善できる場合もある。つまり、項目毎のnの合計=必要な期間の最大値となる。
【0100】
以下、組織へのレコメンドの事例を具体的に説明する。
まず、
図19乃至
図21を参照して、レコメンドの対象が組織、例えば企業のある部署の場合の第1事例を説明する。
第1事例は、同企業内で、「部署」毎に、入力情報を取得してレコメンドをする場合の事例である。
図19は、同企業内の部署(店舗運営・調達)の部署属性(属性情報)の一例を示す図である。
図20は、
図19の部署属性を有する部署(関東エリアの店舗運営)のスコア表を示す図である。
図21は、
図19の部署属性を有する部署(関西エリアの店舗運営)のスコア表を示す図である。
【0101】
図19に示すように、組織が、例えば同じ企業内の、例えば部署であり、その属性情報は、組織の基本属性と、組織に属する人員の現在属性が設定されている。
組織の基本属性は、業界、従業員数、部署の項目がある。
この第1事例では、業界の項目は小売業、従業員数の項目は300名、部署の項目は関東エリア(店舗運営・調達)、関西エリア(店舗運営・調達)、本社(情報システム、人事総務)とされている。
組織に属する人員の現在属性は、階層と職種の項目が設定されている。
階層の項目は、経営層、管理職、中堅(店長)、新人とされている。
職種の項目は、店舗営業職、事務職とされている。
【0102】
組織に属する人員の、ビジネスに関するスキルの現在レベルは、ビジネス基礎力診断テストの結果を使用するものとする。
【0103】
この例の組織(部署)において、関東エリア・関西エリア共に、主たる業務は店舗運営である。店舗運営は、ビジネスマナーや傾聴といった「コミュニケーション」のカテゴリーにおいて高いスコアが求められる。なお、このような条件は、AIによる学習データとして受検DB60に予め保存されているものとする。
関東エリア・関西エリア共に、直接領域・間接領域は同じである。
直接領域(★黒ほし)は、改善、ビジネスマナー、傾聴、口頭伝達であり、間接領域(●黒まる)は、情報収集、ネゴシエーション、マーケティングである。
また、この企業の傾向より、要する期間の単位は、3とする(n=3)。この情報についてもAIの学習データとして受検DB60に予め保存されているものとする。
【0104】
上記入力情報が入力された場合、関東エリアの部署に対する算出結果のスコアは、
図20のスコア表のようになり、関西エリアの部署に対する算出結果のスコアは、
図21のスコア表のようになったものとする。
【0105】
図20、
図21に示す夫々のスコア表には、「プランニング&コントロール」、「シンキング」、「コミュニケーション」、「ビジネス知識」の4つのカテゴリ毎に5つの項目、合計20のビジネススキルの項目で夫々のスコア(数値)が設定されており、夫々の項目毎に、現在スコア(スコア表では「現在」と記載)と理想のスコア(スコア表では「理想」と記載)と、互いの点数差(スコア表では「現在-理想」と記載)と、書籍等の有益な情報のレコメンドとが設定されている。
なお、理想のスコアは、ユーザにより入力された場合はその数値であり、その他の場合は、対象となる属性における過去受検データのスコア上位20%の平均を用いるものとする。
【0106】
有益な情報群からスキルを習得するためには、伸ばしたいスキルに直接関連する領域に加え、間接的に関連する領域からも情報を得ることが有効である。
そこで、本サービスの有益な情報のレコメンドには、「直接領域」と「間接領域」とを分けて、夫々の領域から書籍を推薦する。
「直接領域」では、理想の属性に求められるスコアに対し、不足している項目に対してスキルを習得するために必要な有益な情報が提示される。
「間接領域」では、理想の属性に求められるスコアとユーザ本人のスコアとの結果には直接関係はないが、理想の属性を目指すにおいて保有しているとよい有益な情報が提示される。
【0107】
関東エリアと関西エリアでは、主たる業務・直接領域/間接領域は同じであるが、入力情報の違いにより、レコメンドされる出力情報が異なる結果となっている。
【0108】
具体的には、
図20に示すスコア表の関東エリアの場合、組織としてのテスト結果としては、「シンキング」や「ビジネス知識」のカテゴリーのスコアが理想のスコアに達しているものの、「コミュニケーション」のカテゴリーは、「文書伝達」以外は理想のスコアには届いていない。このため、「コミュニケーション」でスコアが不足している項目について有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している箇所だけでなく、改善、情報収集、マーケティングといった直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドが夫々提示される。
【0109】
図21に示すスコア表の関西エリアの場合、「コミュニケーション」のカテゴリーの項目においては、全て理想のスコアに届いているが、「プランニング&コントロール」や「シンキング」のカテゴリーでは、理想のスコアに届いていない。
そのため、それらのカテゴリーで不足しているスコアに関する有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している個所だけでなく、ビジネスマナー、傾聴、口頭伝達、ネゴシエーション、マーケティングといった直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドがそれぞれ提示される。
【0110】
ここで、要する期間(Xか月)の算出方法を説明する。
スコアが不足している項目を「(スコアの差分)×nか月」とし、直接領域や間接領域の項目を1項目につきnか月とする。
なお、nか月とはテストのスコアを1点分上昇するに要する期間である。
例えば、スコアが不足している「業務管理」でnか月、直接領域である「改善」でnか月要する。第1事例の場合、n=3であるため、関東エリアは、
図20のスコア表の要する期間の合計が9nなので、9×3=27となり、期間としては、最大で27か月を要することになる。また、関西エリアは、
図21のスコア表の要する期間の合計が15nなので、15×3=45となり、期間としては、最大で45か月を要することになる。
【0111】
次に、
図19、
図22乃至
図24を参照して、レコメンドの対象が組織、例えば企業のある部署の場合の第2事例を説明する。
第2事例は、同企業内で、「階層」毎に、入力情報を取得してレコメンドをする場合の事例であり、企業内の部署属性(属性情報)は、
図19と同じであるものとする。
図22は、中堅(店長)と新人とで直接領域・間接領域が異なることを示す図である。
図23は、
図19の部署属性を有する部署(関東エリアの店舗運営)の中堅の階層である店長のスコア表を示す図である。
図24は、
図19の部署属性を有する部署(関西エリアの店舗運営)の新人の階層のスコア表を示す図である。
【0112】
なお、組織に属する人員の、ビジネスに関するスキルの現在レベルは、ビジネス基礎力診断テストの結果のスコアを使用するものとする。
企業において、例えば店長を任せられるようになったり本社業務の中核を担ったりする中堅階層においては、「プランニング&コントロール」や「シンキング」等、業務の現状把握や解決策立案・実行に関わるカテゴリーが重要視されるため、例えば中堅(店長)と新人とでは、直接領域・間接領域が異なる。
具体的には、
図22に示すように、中堅(店長)の場合、直接領域(★黒ほし)は、計画、業務管理、数的処理、解決策立案、ネゴシエーション、マーケティング等であり、間接領域(●黒まる)は、情報収集である。
一方、新人の場合、直接領域(★黒ほし)は、振り返り・評価、改善、ビジネスマナーであり、間接領域(●黒まる)は、業務管理、情報収集、口頭伝達である。また、この企業の傾向より、要する期間の単位は、2.1とする(n=2.1)。
なお、これらの情報は、AIによる学習データとして受検DB60に予め保存されているものとする。
【0113】
上記入力情報が入力された場合、中堅(店長)に対する算出結果のスコアは、
図23のスコア表のようになり、新人に対する算出結果のスコアは、
図24のスコア表のようになったものとする。
【0114】
この第2事例の場合、入力情報の違いによりレコメンドされる内容が異なる。
具体的には、
図19の部署属性(属性情報)の階層の項目の中で中堅(店長)と新人にスポットをあててみた場合、
図23に示す中堅(店長)のスコア表の場合、中堅(店長)階層において重要視される、「プランニング&コントロール」や「シンキング」等、業務の現状把握や解決策立案・実行に関わるカテゴリーのスコアは不足している項目が複数ある。これに応じた有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している箇所だけでなく、情報収集やマーケティング、財務・経理といった直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドがそれぞれ提示される。
要する期間は、スコアが不足している「解決策立案」で2nか月、間接領域である「情報収集」でnか月要する等と出力される。
【0115】
一方、
図24に示す新人のスコア表の場合、「コミュニケーション」のカテゴリーの項目においては全て理想のスコアに届いているが、「プランニング&コントロール」や「シンキング」のカテゴリーでは理想のスコアに届いていない。そのため、それらのカテゴリーで不足しているスコアに関する有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している箇所だけでなく、ビジネスマナー、傾聴、口頭伝達、ネゴシエーション、マーケティングといった直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドがそれぞれ提示される。
要する期間は、スコアが不足している「ビジネスマナー」で2nか月、間接領域である「口頭伝達」でnか月要する等と出力される。
この第2事例の場合、n=2.1であるため、中堅(店長)は、
図23のスコア表の要する期間の合計が14nなので、14×2.1=29.4となり、期間としては、最大で29.4か月を要することになる。また、新人は、
図24のスコア表の要する期間の合計が11nなので、11×2.1=23.1となり、期間としては、最大で23.1か月を要することになる。
【0116】
次に、
図19、
図25乃至
図27を参照して、レコメンドの対象が組織、例えば企業のある部署の場合の第3事例を説明する。
第3事例は、同企業内で、「職種」毎に、入力情報を取得してレコメンドをする場合の事例であり、企業内の部署属性(属性情報)は、
図19と同じであるものとする。
図25は、店舗運営職と事務職とで直接領域・間接領域が異なることを示す図である。
図26は、
図19の部署属性を有する部署(関東エリアの店舗運営)の店舗運営職のスコア表を示す図である。
図27は、
図19の部署属性を有する部署(関西エリアの店舗運営)の事務職のスコア表を示す図である。
【0117】
なお、組織に属する人員の、ビジネスに関するスキルの現在レベルは、ビジネス基礎力診断テストの結果のスコアを使用するものとする。
【0118】
具体的には、
図19の部署属性(属性情報)のうち店舗運営職と事務職にスポットをあててみた場合、
図25に示すように、店舗運営職の場合、直接領域(★黒ほし)は、改善、ビジネスマナー、傾聴、口頭伝達であり、間接領域(●黒まる)は、情報収集、ネゴシエーション、マーケティングである。
一方、事務職の場合、直接領域(★黒ほし)は、業務管理、文書伝達、法務・人事・労務であり、間接領域(●黒まる)は、情報収集、口頭伝達、経営、財務・経理である。また、この企業の傾向より、要する期間の単位は、3.1とする(n=3.1)。
なお、これらの情報は、AIによる学習データとして受検DB60に予め保存されているものとする。
【0119】
上記入力情報が入力された場合、店舗運営職に対する算出結果のスコアは、
図26のスコア表のようになり、事務職に対する算出結果のスコアは、
図27のスコア表のようになったものとする。
【0120】
この第3事例の場合も入力情報の違いによりレコメンドされる内容が異なる。
具体的には、
図19の部署属性(属性情報)の「職種」の項目の中で店舗運営職と事務職にスポットをあててみた場合、
図26に示す店舗運営職のスコア表の場合、スコアが不足している項目については、それに応じた有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している個所だけでなく、改善や口頭伝達、ネゴシエーション、直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドがそれぞれ提示される。
要する期間は、スコアが不足している「ビジネスマナー」で2nか月、直接領域・間接領域である「口頭伝達」でnか月要する等と出力される。
【0121】
一方、
図27に示す事務職のスコア表の場合、「コミュニケーション」のカテゴリーの中でも文書伝達の理想とするスコアが高い。スコアが不足している項目については、それに応じた有益な情報がレコメンドされる。
また、スコアが不足している個所だけでなく、改善や口頭伝達、ネゴシエーション、直接領域と間接領域に関する書籍、有益な情報に関するレコメンドがそれぞれ提示される。
要する期間は、スコアが不足している「業務管理」で3nか月、直接領域である「口頭伝達」でnか月要する等と出力される。
この第3事例の場合、n=3.1であるため、店舗運営職は、
図26のスコア表の要する期間の合計が16nなので、16×3.1=49.6となり、期間としては、最大で49.6か月を要することになる。また、事務職は、
図27のスコア表の要する期間の合計が14nなので、14×3.1=43.4となり、期間としては、最大で43.4か月を要することになる。
【0122】
第2レコメンド機能は、ビジネス基礎力診断テストのテスト結果のスコアと理想の属性と必要な期間から、有益な情報(レコメンド)を出力する機能であるが、この機能は、以下の入力情報から出力情報を出力する。
即ち、入力情報は、1.組織の属性情報、2.組織に属する人員の、ビジネスに関するスキルの現在レベル、3.組織に属する人員の、現在属性、4.ビジネスに関するスキルの目標レベル、5.要する期間である。
【0123】
第3レコメンド機能は、ビジネス基礎力診断テストのテスト結果のスコアと必要な期間から、未来の姿とそこに向かうための有益な情報(レコメンド)を出力する機能であるが、この機能は、以下の入力情報からビジネスに関するスキルの目標レベル及び要する期間を算出する。
即ち、入力情報は、1.組織の属性情報、2.組織に属する人員の、ビジネスに関するスキルの現在レベル、3.組織に属する人員の、現在属性、4.要する期間である。
【0124】
図28に、レコメンドされる書籍の関連ワードの例を示す。
「プランニング&コントロール」、「シンキング」、「コミュニケーション」、「ビジネス知識」の4つのカテゴリ毎に5つのビジネススキルの項目があり、合計すると20の項目があるが、夫々の項目について、書籍の関連ワードが対応付けられている。
図28の例では、例えば「プランニング&コントロール」のカテゴリーの目的・目標の項目には、目的・目標といったワードが関連付けられる。計画の項目には、計画立て、事前準備といったワードが関連付けられている。業務管理の項目には、仕事のやり方、仕事の進め方といったワードが関連付けられている。振り返り・評価の項目には、経験学習といったワードが関連付けられている。改善の項目には、PDCAといったワードが関連付けられている。
他の「シンキング」、「コミュニケーション」、「ビジネス知識」等のカテゴリーについても「プランニング&コントロール」のカテゴリーと同様に各項目にワードが関連付けられている。
【0125】
以上のように第1事例乃至第3事例によれば、企業等の組織に属するユーザの現在の状況(例えば現在のスコア及び属性)に基づいて、所定期間(例えば必要な期間(推奨期間N年))経過後に、ユーザの理想の状態(例えば理想のスコア及びなりたい姿・理想の属性(以下「理想の属性」))になるために必要な有益な情報を推薦(レコメンド)することで、有益な情報の中からスキルを習得する上で、伸ばしたいスキルに直接関連する領域に加え、間接的に関連する領域からも情報を得ることができるので、その推薦された有益な情報に従い読書や情報閲覧等を行うことで、目標達成までの明確な道筋の中で努力を行うことができる。
即ち、何等かの理由で研修の受講が困難なユーザが属する企業(組織)が、所定期間経過後に目標レベルに到達しかつ目標属性を有するように支援することができる。
【0126】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0127】
例えば、
図2に示したハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0128】
また、
図3に示したサーバ10の機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を情報処理装置が実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に
図3の例に限定されない。
【0129】
また、機能ブロック及びデータベースは、1台のサーバに配置する例を説明したが、配置場所は、
図3に限定されず、複数の情報処理装置に分散して配置してもよく任意でよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、別々のハードウェアに備えてもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0130】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、情報処理装置のCPU等のコンピュータにネットワークや記録媒体から読み込まれる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムを読み込むことで、各種の機能を実行することが可能な情報処理装置、例えばサーバ等の他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータ等に実装されていてもよい。
【0131】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0132】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0133】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0134】
例えば、上述の実施形態では、ユーザは、本サービスの会員として登録された、例えば会社(組織、団体等)の社員(従業員や役員等)や一般人等、人であれば足りる。
【0135】
上述の実施形態では、サービス提供者が実施するテストのスコアを、ビジネスに関する対象者のスキルの現在レベルや将来レベルとして説明したが、これ以外であってもよく、対象者のスキルは、対象者が受検する所定テストの結果により示されれば足りる。例えば入力(現在レベル情報及び将来レベル情報)として、サービス提供者が実施するテストのスコアのみならず、サービス提供者以外の外部スコアを採用してもよい。
【0136】
上述の実施形態では、有益な情報として、書籍を例に説明したが、有益な情報は、書籍のみに限定されない。有益な情報とは、容易に廉価で入手可能な有益な情報群をいい、以下を含む。有益な情報は、書籍の他、キンドル、オーディオブック等の電子的な本、文書、画像を含む。また、サービス提供者が保有しているコラム記事や有益な情報を記載したメールマガジン等も有益な情報に含まれる。さらにメディア等の検索をするためのキーワードも有益な情報に含まれる。
【0137】
上記実施形態では、ビジネス基礎力に関する評価を行うためのスキルとして、例えばビジネス知識、計画及びコントロール、コミュニケーション、並びにシンキング等の4つのカテゴリにビジネススキルを分けたが、これは例示に過ぎない。
即ち、ビジネス基礎力に関する任意のm個(mは1以上の整数値)夫々のスキルを採用することができる。この場合、各スキル毎に設けられるスキル項目も、上述の実施形態の例に特に限定されず、任意のp個(pは、mとは独立した1以上の整数値)のスキル項目を採用することができる。
【0138】
上記実施形態では、企業に所属する1以上の対象者の夫々についてのビジネス基礎力を示す情報として、例えばビジネススキルを評価する1以上のスキルにおける項目毎のビジネス基礎力診断テストの得点を正規化したスコア等を取得したが、この例以外であってもよい。
例えば企業の他、団体やコミュニティであってもよく、組織であれば足りる。ユーザの他、例えば社員や所員、署員等であってもよく、対象者であれば足りる。
また、ビジネス基礎力を示す情報として、各カテゴリのスキル項目毎にテストを実施し正規化したスコアを取得したが、この他、例えばテストの得点そのものを取得してもよく、ビジネス基礎力を示す情報であれば足りる。
【0139】
上記実施形態では、対象者であるユーザにとって有益な情報を推薦する推薦部16の動作をAIモデルが行うことを説明したが、例えば、ユーザの1以上の現在属性と、ユーザの現在のスキルレベル(現在スコア等)の情報群をデータセットとして、多数のデータセットが学習用データとして用いられて、機械学習が行われることで、AIモデルが生成又は更新されてもよい。
このAIモデルは、「ユーザの現在のスキルレベル(現在スコア等)、及び現在属性(現在の職種等)」を入力すると、「所定期間の経過後に、目標のスキルレベル(目標スコア等)に到達し、かつ、将来の目標属性(目標の職種等)を有するためにユーザに有益な情報(書籍等)」を出力するものである。
またAIモデルに限らず、例えば、上述の多数のデータセットを用いて、「ユーザの現在のスキルレベル、及び現在属性」を入力すると、「所定期間の経過後に目標のスキルレベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するためにユーザに有益な情報」を出力するルールベースのロジックが生成又は更新されてもよい。
【0140】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
(1)即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図3のサーバ10等)は、
対象(例えばユーザや組織等)について、ビジネスに関するスキルの現在レベル(ビジネス基礎力診断テストの現在のスコア)、及び現在属性(現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)等)を取得する現在状況取得手段(例えば
図3の現在状況取得部11等)と、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキル(テスト結果のスコア)が目標レベル(例えば所定項目のスコアの平均点が現在スコアを超える得点等)に到達し、かつ、将来の目標属性(例えばIT業のプログラマー職(SE)等)を有するために有益な情報(例えば書籍やデジタルコンテンツ等)を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象(例えばユーザや組織等)に推薦する推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)と、
を備える。
これにより、何等かの理由で研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織等)が、所定期間経過後に目標レベル(例えば理想のスコア(例えばテストのスコア等))に到達しかつ目標属性(例えば理想の職種等)を有するように支援することができる。
即ち、研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織等)についても、対象が理想とする将来像を実現するために必要な書籍その読書順序、要する期間等の具体的な道筋を立てて推薦することで、対象(例えばユーザや組織等)が所定期間後に成長目標を達成するための具体性のある支援を行うことができる。
【0141】
(2)前記対象(例えばユーザや組織等)についての前記目標レベル及び前記目標属性を取得する将来状況取得手段(例えば
図3の将来状況取得部12等)をさらに備え、
前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記目標レベル及び前記目標属性に基づいて、前記有益情報と共に前記所定期間(例えば6か月間等)を推薦する。
このように、現在レベル及び現在属性並びに目標レベル及び目標属性を取得し、これらの情報に基づいて、有益情報(例えばお勧めの書籍と読む順序等)と共に所定期間(例えば何時から何時迄等の期限)を推薦するので、期限を念頭にしたスキルアップを実現することができる。
【0142】
(3)前記対象(例えばユーザや組織等)についての前記目標レベル(例えば目標とするスコア等)及び前記目標属性(例えば組織に属するユーザがなりたい職種等)を取得する将来状況取得手段(例えば
図3の将来状況取得部12等)と、
前記対象(例えばユーザや組織等)により入力された前記所定期間(例えば目標スコアを得る迄の期間等)を取得する期間取得手段(例えば
図3の目標期間取得部13等)と、
をさらに備える。
このように、目標レベル(例えば目標とするスコア等)及び目標属性(例えば組織に属するユーザがなりたい職種等)の他に、対象(例えばユーザや組織等)により入力された所定期間(例えば目標スコアを得る迄の期限等)を取得することで、ユーザが希望する期限の中で、より適した書籍をレコメンドすることができる。
【0143】
(4)前記対象(例えばユーザや組織等)により入力された前記所定期間(例えば目標スコアを得る迄の期間等)を取得する期間取得手段(例えば
図3の目標期間取得部13等)と、
前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記所定期間に基づいて、前記有益情報と共に前記目標レベル及び前記目標属性を推薦する。
このように、現在レベル及び現在属性並びに所定期間に基づいて、有益情報(お勧めの書籍と読む順序等)と共に目標レベル(例えば目標とするスコア等)及び目標属性(例えば目標とする業種、職種、役職等)を推薦するので、ユーザや組織は、その推薦された有益情報に従い、推薦された目標(目標レベルや目標属性)に向けた道筋で目標を目指すことができる。
【0144】
(5)前記対象が対象者である場合、
前記対象者(例えばユーザ等)の前記スキル(例えばスコア等)は、前記対象者(例えばユーザ等)が受検する所定テストの結果により示される。
このように、取得する情報(現在レベル及び将来レベル等)として、本サービス提供者により提供されるサービス以外で対象者(例えばユーザ等)が受検(一般的には「受験」と言う)した外部テスト等の結果を採用することで、スキルアップを図りたいが一々テストを受けるのは面倒と思う対象者(例えばユーザ等)も過去の何らかのテストの結果を入力できるので、対象者(例えばユーザ等)の間口を広げることができる。
【0145】
(6)前記テストは、複数の項目についてのビジネス基礎力診断テストである。
これにより、入力情報(現在レベル情報及び将来レベル情報)として、ビジネス基礎力診断テストの結果のスコアを採用することで、サービス提供者が提供するサービスの中で、対象者(例えばユーザ等)の状況を評価し、対象者(例えばユーザ等)に適した書籍を推薦することができる。
【0146】
(7)前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、さらに、前記対象者(例えばユーザ等)が前記ビジネス基礎力診断テストを次に受検すべき時期を推薦する。
これにより、対象者(例えばユーザ等)は、次回のテストの時期を考慮した読書計画を立ててスキルアップを計画することができる。
【0147】
(8)前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記目標属性に求められる前記目標レベル(例えば目標とするスコア)に対して、前記複数の項目(例えば
図16のスコア表等)のうち不足している項目(例えばプランニング&コントロールとシンキングのカテゴリの項目等)に対してスキルを習得するために必要となる情報(例えば書籍等)を、前記有益情報として前記対象者(例えばユーザ等)に推薦する。
このように、テストの結果としてカテゴリの項目に直接現れる内容(例えば直接領域等)に関する有益情報(例えば書籍等)を推薦することで、不足している項目のスコアが改善されて目標レベルに、より近づくことができるようになる。
【0148】
(9)前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記目標属性に求められる前記目標レベル、及び前記現在レベルとは異なる観点で、当該目標属性を目指す場合において保有しているとよい情報(例えば書籍等)を、前記有益情報として前記対象者(例えばユーザ等)に推薦する。
このように、テストの結果としてカテゴリの項目と異なるが関連する内容(例えば間接領域等)に関する有益情報(例えば書籍等)を推薦することで、対象者(例えばユーザ等)は、幅広い観点でスキルアップを図ることができる。
【0149】
(10)前記対象は、所定団体に属している対象者であり、
前記対象者(例えばユーザ等)のスキル及び属性は、前記所定団体(例えばユーザの勤務企業等)により作成された情報により示される。
このように、入力(現在レベル情報及び現在属性情報並びに将来レベル情報及び将来属性情報)として、所定団体(例えばユーザの勤務企業等)の人事内容(所属等=属性、評価=スキル)を採用することで、対象者(例えばユーザ等)に対する客観的な評価を考慮して有益情報(例えば書籍等)を推薦することができる。
【0150】
(11)前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、複数の前記有益情報を推薦する場合、さらに、当該複数の有益情報の夫々の時間的な接触順番(例えば複数の書籍を読む順序等)も推薦する。
このように、複数の有益情報の夫々の時間的な接触順番(例えば複数の書籍を読む順序等)も推薦することで、対象(例えばユーザや組織等)は、スキルアップを計画的に実行することができるようになる。
【0151】
(12)対象(例えばユーザや組織等)により入力された前記所定期間を取得する期間取得手段(例えば
図3の目標期間取得部13等)と、
現在よりも前記所定期間前に前記スキルの目標レベルに既に到達した者のうち、前記対象(例えばユーザや組織等)の前記現在属性と同一又は類似する属性を有する者(例えば既存ユーザや既存組織等)を類似属性者として、前記所定期間の前後の前記スキルを含む情報を実績情報として、前記1以上の類似属性者の夫々の前記実績情報を取得する類似実績取得手段(例えば
図3の類似実績取得部14等)と、
をさらに備え、
前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記対象(例えばユーザや組織等)の前記現在レベル及び前記現在属性に加えてさらに前記1以上の類似属性者の夫々の前記実績情報に基づいて、前記有益な情報(例えば書籍等)を前記対象(例えばユーザや組織等)に推薦する。
これにより、対象(例えばユーザや組織等)に、なりたい未来の姿がない場合にも、対象(例えばユーザや組織等)に有益な情報(例えば書籍等)を提供することができる。
【0152】
(13)前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、さらに、推薦した前記有益情報(例えば書籍等)を取得または接触できる場所(例えば
図14の書籍販売サイトへの書籍の購入リンク等)を前記対象(例えばユーザや組織等)に提示する。
これにより、対象(例えばユーザや組織等)は、書店に出向いたり、インターネット等で検索することなく、推薦された有益情報(例えば書籍等)を簡単な操作で手軽に購入し取得することができるので、対象(例えばユーザや組織等)の利便性を向上することができる。
【0153】
(14)前記対象(例えばユーザや組織等)の書籍の読書履歴を取得する読書履歴取得手段(例えば
図3の読書履歴取得部15等)、
をさらに備え、
前記推薦手段(例えば
図3の推薦部16等)は、前記現在レベル及び前記現在属性並びに前記読書履歴に基づいて、前記有益情報として書籍を前記対象(例えばユーザや組織等)に推薦する。
このように、現在レベル及び現在属性の他に、さらに対象(例えばユーザや組織等)の読書履歴に基づいて書籍を選定することで、対象(例えばユーザや組織等)の嗜好に沿った書籍を推薦することができる。
【0154】
(15)本発明が適用される情報処理方法は、
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
対象(例えばユーザや組織等)について、ビジネスに関するスキルの現在レベル(ビジネス基礎力診断テストの現在のスコア)、及び現在属性(現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)等)を取得する現在状況取得ステップ(例えば
図5のステップS11等)と、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルが目標レベル(例えば所定項目のスコアの平均点が現在スコアを超える得点等)に到達し、かつ、将来の目標属性(例えばIT業のプログラマー(SE)等)を有するために有益な情報(例えば書籍やデジタルコンテンツ等)を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象(例えばユーザや組織等)に推薦する推薦ステップ(例えば
図5のステップS12等)と、
を含む。
これにより、何等かの理由で研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織等)が、所定期間経過後に目標レベル(例えば理想のスコア(例えばビジネス基礎力診断テストのスコア等))に到達しかつ目標属性(例えば理想の職種等)を有するように支援することができる。
即ち、研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織等)についても、対象が理想とする将来像を実現するために必要な書籍その読書順序、要する期間等の具体的な道筋を立てて推薦することで、対象(例えばユーザや組織等)が所定期間後に成長目標を達成するための具体性のある支援を行うことができる。
【0155】
(16)本発明が適用されるプログラムは、
コンピュータに、
対象(例えばユーザや組織等)について、ビジネスに関するスキルの現在レベル(ビジネス基礎力診断テストの現在のスコア)、及び現在属性(現在の業種(小売業等)、職種(例えば営業職等)、役職(一般)等)を取得する現在状況取得ステップ(例えば
図5のステップS11等)と、
所定期間の経過後に、ビジネスに関するスキルが目標レベルに到達し、かつ、将来の目標属性を有するために有益な情報を有益情報として、前記現在レベル及び前記現在属性に基づいて前記対象(例えばユーザや組織等)に推薦する推薦ステップ(例えば
図5のステップS12等)と、
を含む制御処理を実行させる。
これにより、何等かの理由で研修の受講が困難な対象者(例えばユーザ等)が、所定期間経過後に目標レベル(例えば理想のスコア(テストのスコア等))に到達しかつ目標属性(例えば理想の職種等)を有するように支援することができる。
即ち、研修の受講が困難な対象(例えばユーザや組織等)についても、対象が理想とする将来像を実現するために必要な書籍その読書順序、要する期間等の具体的な道筋を立てて推薦することで、対象(例えばユーザや組織等)が所定期間後に成長目標を達成するための具体性のある支援を行うことができる。
【符号の説明】
【0156】
1・・・情報処理システム、10・・・サーバ、20、20-1、20-n・・・ユーザ端末、101・・・CPU、102・・・ROM、103・・・RAM、104・・・バス、105・・・入出力インターフェース、106・・・出力部、107・・・入力部、108・・・記憶部、109・・・通信部、110・・・ドライブ、111・・・リムーバブルメディア、11・・・現在状況取得部、12・・・将来状況取得部、13・・・目標期間取得部、14・・・類似実績取得部、15・・・読書履歴取得部、16・・・推薦部、17・・・表示制御部、60・・・受検DB、NW・・・ネットワーク