(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093021
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】梱包箱及びスタンド機構の取付方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/68 20060101AFI20240702BHJP
B65D 81/05 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65D85/68 D
B65D81/05 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209114
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩二
【テーマコード(参考)】
3E037
3E066
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA02
3E037BB05
3E037BB06
3E066AA08
3E066DB01
3E066HA01
3E066JA03
3E066KA09
3E066NA08
(57)【要約】
【課題】スタンド機構の取り付けが容易になる、薄型表示装置の梱包箱及びスタンド機構の取付方法を提供する。
【解決手段】梱包箱は、薄型表示装置を収容するパッケージケースと、前記パッケージケース内で前記薄型表示装置を位置決めする緩衝材と、を備え、前記緩衝材は、前記薄型表示装置の梱包状態において、前記薄型表示装置の下部に配置され、少なくとも一部が前記薄型表示装置の正面側に配置される正面側部材を含み、前記正面側部材は、前記背面側から前記正面側に延び、前記薄型表示装置にスタンド機構を取り付けた状態において、前記スタンド機構の先端が配置される位置に形成される、スリットを有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型表示装置を収容するパッケージケースと、
前記パッケージケース内で前記薄型表示装置を位置決めする緩衝材と、
を備え、
前記緩衝材は、前記薄型表示装置の梱包状態において、前記薄型表示装置の下部に配置され、少なくとも一部が前記薄型表示装置の正面側に配置される正面側部材を含み、
前記正面側部材は、背面側から前記正面側に延び、前記薄型表示装置にスタンド機構を取り付けた状態において、前記スタンド機構の先端が配置される位置に形成される、スリットを有する、
梱包箱。
【請求項2】
前記パッケージケースは、前記薄型表示装置の梱包状態において、前記薄型表示装置の背面との対向面に、切断手段により切り開くことが可能なミシン目を有する、請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記緩衝材は、少なくとも一部が前記薄型表示装置の背面側に配置される背面側部材をさらに含む、請求項1に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記スタンド機構は、前記薄型表示装置に前記スタンド機構を取り付けた状態において前記薄型表示装置を支持するスタンド脚と、前記スタンド機構を前記薄型表示装置に取り付けるための取付部材と、を備える、請求項1に記載の梱包箱。
【請求項5】
請求項1に記載の梱包箱を用いたスタンド機構の取付方法であって、
前記スタンド機構の一部を前記スリットに挿入するステップと、
前記スタンド機構の一部を前記スリットに挿入した状態で、前記スタンド機構を前記薄型表示装置に固定するステップと、
を含む、スタンド機構の取付方法。
【請求項6】
前記スタンド機構の一部を前記スリットに挿入した状態で、前記薄型表示装置に取付部材を取り付けるステップと、
前記薄型表示装置に前記スタンド機構を取り付けた状態において前記薄型表示装置を支持するスタンド脚を、前記取付部材に取り付けるステップと、
を含む、請求項5に記載のスタンド機構の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶テレビ/モニタ、有機ELテレビ/モニタ、及び、プラズマテレビ/モニタなどの薄型表示装置の梱包箱並びにスタンド機構の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄型表示装置を収容する梱包箱が知られている。例えば、特許文献1には、薄型表示装置を収容するパッケージケースと、該パッケージケース内で薄型表示装置を位置決めする緩衝材と、を有する薄型表示装置の梱包箱が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された梱包箱のパッケージケースには、薄型表示装置をパッケージケース内に梱包した状態で、薄型表示装置へのスタンド機構の取り付けを許容するための開口部を規定するミシン目が形成されている。しかしながら、特許文献1に記載されたパッケージケースにおいて、開口部からスタンド機構を取り付ける場合、スタンド機構の高さと、パッケージケースに梱包された状態の薄型表示装置におけるスタンド機構の取付位置の高さとが合っていないと、スタンド機構の取付けが困難である。例えば、スタンド機構の高さと、パッケージケースに梱包された状態の薄型表示装置におけるスタンド機構の取付位置の高さとが合っていない場合、スタンド機構と薄型表示装置とのビス穴の位置を合わせることが難しい。また、取付作業中のスタンドの自重により、スタンドが水平方向に対して傾く場合があり、スタンド機構と薄型表示装置との水平度を合わせることが難しい。
【0005】
本開示は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本開示の目的は、スタンド機構の取り付けが容易になる、薄型表示装置の梱包箱及びスタンド機構の取付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態の梱包箱は、薄型表示装置を収容するパッケージケースと、前記パッケージケース内で前記薄型表示装置を位置決めする緩衝材と、を備え、前記緩衝材は、前記薄型表示装置の梱包状態において、前記薄型表示装置の下部に配置され、少なくとも一部が前記薄型表示装置の正面側に配置される正面側部材を含み、前記正面側部材は、前記背面側から前記正面側に延び、前記薄型表示装置にスタンド機構を取り付けた状態において、前記スタンド機構の先端が配置される位置に形成される、スリットを有する。
【0007】
本開示の一形態のスタンド機構の取付方法は、上記梱包箱を用いたスタンド機構の取付方法であって、前記スタンド機構の一部を前記スリットに挿入するステップと、前記スタンド機構の一部を前記スリットに挿入した状態で、前記スタンド機構を前記薄型表示装置に固定するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る梱包箱の分解斜視図である。
【
図2】薄型表示装置が梱包された状態の梱包箱の断面図である。
【
図4】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【
図5】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【
図6】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【
図7】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【
図8】第2実施形態において、薄型表示装置が梱包された状態の梱包箱の断面図である。
【
図9】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【
図10】スタンド機構の薄型表示装置への取付作業の手順を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、同一又は同等の構成要素に関する説明が重複する場合は適宜省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る梱包箱Aの分解斜視図である。梱包箱Aは、薄型表示装置20を梱包するための箱である。
【0011】
薄型表示装置20は、下面の表示画面側の長さL1に比べて奥行方向幅L2が狭い、薄型の表示装置である。薄型表示装置20は、例えば、映像(動画又は静止画)、文字、画像などを表示可能な任意のディスプレイである。薄型表示装置20の使用時には、後述する、転倒を防ぐためのスタンド機構30が取り付けられる。薄型表示装置20は、例えば、液晶テレビ/モニタ、有機ELテレビ/モニタ、又は、プラズマテレビ/モニタなどである。
【0012】
薄型表示装置20は、表示画面21の背面22に、スタンド機構30を取付け可能なスタンド取付部23を備える。本実施形態では、
図1に示すように、背面22の中央にスタンド取付部23が形成されている。なお、本実施形態では、スタンド取付部23が背面22に形成されるとして説明するが、スタンド取付部23は、表示画面21の下面又は背面22に形成されていてもよい。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る梱包箱Aは、上部パッケージケース1と、下部パッケージケース8と、複数の緩衝材とを備える。本実施形態では、上部パッケージケース1と、下部パッケージケース8とにより、薄型表示装置20を収容するパッケージケース全体が構成される。
【0014】
本実施形態では、梱包箱Aは、複数の緩衝材として、薄型表示装置20の梱包時にそれぞれ薄型表示装置20の四隅に配置される、第1緩衝材121、第2緩衝材122、第3緩衝材123及び第4緩衝材124を備える。梱包箱Aは、複数の緩衝材として、さらに、薄型表示装置20の梱包時に薄型表示装置20の下部に配置される、支持用緩衝材125を備える。本実施形態では、
図1に示すように、支持用緩衝材125は、薄型表示装置20の梱包時に薄型表示装置20の下部中央に配置される。なお、本明細書では、第1緩衝材121、第2緩衝材122、第3緩衝材123、第4緩衝材124及び支持用緩衝材125を区別しない場合には、これらをまとめて、以下「緩衝材12」ともいう。本実施形態では、梱包箱Aは、緩衝材12で薄型表示装置20の位置決めをしつつ、上部パッケージケース1と下部パッケージケース8とにより、薄型表示装置20を梱包する。
【0015】
上部パッケージケース1は、底面に矩形の開口2を有する縦断面上下反転した略U字形状(ドーム形状)を成す。上部パッケージケース1は、それぞれ矩形の上面3、狭側面4a及び4b、並びに、広側面5a及び5bを有し、薄型表示装置20を梱包可能な高さを有する。
【0016】
広側面5aは、梱包した薄型表示装置20の表示画面21との対向面であり、広側面5bは、梱包した薄型表示装置20の背面22との対向面である。
【0017】
広側面5bには、梱包した薄型表示装置20のスタンド取付部23の対向部分にミシン目6により区画された矩形領域をなす開口部7aが形成されている。つまり、本実施形態では、広側面5bの中央下部に、開口部7aが形成されている。
【0018】
ミシン目6は、例えば、広側面5bから開口部7aを手やハサミ、カッター等の切断手段により切り開くことが可能な切れ目により形成される。ミシン目6の長さ及び深さなどは上部パッケージケース1の材質や切断手段に基づき適宜決定できる。ミシン目6は、手で切断可能な形状であれば、梱包の開封がより容易となるため、より望ましい。
【0019】
ミシン目6は、開口部7aを広側面5bから分離するように開口部7aを包囲して設けられてもよく、開口部7aを広側面5bに対して左右方向又は上方向に揺動開閉可能となるように開口部7aの一辺又は一部にミシン目6を設けない部分を形成するように設けられてもよい。開口部7aが広側面5bから分離するように形成される場合には、開口部7aを分離させたときに形成される開口7b(
図4参照)から薄型表示装置20にスタンド機構30を取り付ける際に、開口部7aが取付作業の邪魔となることを防げることができる。一方、開口部7aが広側面5bに揺動開閉可能に形成される場合には、開封作業時の梱包部材の散乱を防ぐことができる。
【0020】
下部パッケージケース8は、上部パッケージケース1の開口2内に嵌合する上面開口の縦断面略U状(凹状)を成す。下部パッケージケース8は、下面9、側面部10及び開口部11を有する。
【0021】
下面9は、上部パッケージケース1の底面の開口2に嵌合する形状を成し、上部パッケージケース1の底面の開口2に嵌合した状態で、底面の開口2を塞ぐ。側面部10は、下面9を形成する4辺より任意の幅で立設しており、一部に開口部11が形成されている。開口部11は、下部パッケージケース8に上部パッケージケース1を覆設した状態で開口部7aと対向する部分に形成される。
【0022】
なお、本実施形態では、開口部11が側面部10に予め設けられているが、開口部7aと同様に、側面部10に開口部11を形成可能なミシン目を形成し、開封時に開口部11が形成されるように構成されていてもよい。ただし、予め開口部11を開口としておくことで、開封時の薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業がよりスムーズになる。
【0023】
緩衝材12は、下部パッケージケース8に上部パッケージケース1を覆設した内部で、薄型表示装置20を位置決めする。上述のように、本実施形態では、梱包箱Aは、複数の緩衝材12として、第1緩衝材121、第2緩衝材122、第3緩衝材123、第4緩衝材124及び、支持用緩衝材125を備える。
【0024】
図2は、薄型表示装置20が梱包された状態の梱包箱Aの断面図である。具体的には、
図2は、長さL1方向における梱包箱Aの中央を、長さL1方向に直交する面で切断した場合の断面を模式的に示す断面図である。ただし、
図2では、梱包箱Aの下部の一部のみを示している。
図2の左方向は、薄型表示装置20の表示画面21が配置される正面側であり、
図2の右方向は、薄型表示装置20の背面22が配置される背面側である。
図2を参照しながら、支持用緩衝材125の詳細について説明する。
【0025】
図2に示すように、支持用緩衝材125は、正面側部材125aと背面側部材125bとを含む。正面側部材125aは、薄型表示装置20の梱包状態において、少なくとも一部が薄型表示装置20の正面側に配置される緩衝材である。正面側部材125aは、薄型表示装置20の正面側に配置される少なくとも一部において、薄型表示装置20の正面側を位置決めする。背面側部材125bは、薄型表示装置20の梱包状態において、少なくとも一部が薄型表示装置20の背面側に配置される緩衝材である。背面側部材125bは、薄型表示装置20の背面側に配置される少なくとも一部において、薄型表示装置20の背面側を位置決めする。
【0026】
正面側部材125aは、概略直方体形状を有する。正面側部材125aは、スリット126を有する。スリット126は、梱包状態において正面側部材125aの背面側から正面側に延びる。スリット126には、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業時に、一時的にスタンド機構30の一部が挿入される。具体的には、スリット126には、後述するスタンド脚31の先端が挿入される。スリット126は、薄型表示装置20にスタンド機構30を取り付けた状態において、スタンド機構30の先端が配置される位置(高さ)に形成される。
【0027】
スリット126の幅(梱包箱Aの高さ方向における長さ)Wは、スタンド脚31の先端が挿入可能な幅である。スリット126の幅Wは、スタンド脚31の先端の高さと略同じであることが好ましい。ここで、略同じとは、スタンド脚31のスリット126への挿入状態において、スリット126を形成する上下方向の壁面とスタンド脚31との間の空間がほとんどないことをいう。
【0028】
スリット126の延在長さ(長さL1方向における長さ)は、スタンド脚31の先端の長さL1方向における長さよりも長い。スリット126は、長さL1方向の全体に亘って形成されていてもよい。
【0029】
背面側部材125bは、梱包状態において薄型表示装置20を背面側から支持する背面支持部125b1と、梱包状態において薄型表示装置20を底面側から支持する底面支持部125b2とを含む。本実施形態では、背面支持部125b1と底面支持部125b2とが一体として構成されることにより、背面側部材125bを形成している。しかしながら、背面支持部125b1と底面支持部125b2とは、別々の独立した部材により構成されていてもよい。
【0030】
図3は、スタンド機構30の側面図である。具体的には、
図3は、スタンド機構30を薄型表示装置20に取り付けた状態で薄型表示装置20を狭側面4a側から見た場合における、スタンド機構30の模式図である。スタンド機構30は、
図3に示すように、スタンド脚31及び取付部材32とを含む。
【0031】
スタンド脚31は、スタンド機構30が薄型表示装置20に取り付けられた状態において、薄型表示装置20を支持する脚部を構成する部材である。取付部材32は、スタンド機構30を薄型表示装置20に取り付けるための部材である。スタンド脚31は、例えばビス留めなどの任意の固定方法を用いて、取付部材32に固定することができる。また、取付部材32は、例えばビス留めなどの任意の固定方法を用いて、薄型表示装置20に固定することができる。
【0032】
本実施形態では、スタンド脚31は、背面側から正面側に突出する突起部31aを有する。突起部31aにより、スタンド脚31の背面側に溝31bが形成される。溝31bは、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業時に、取付部材32をスタンド脚31を仮固定する際に用いられる。仮固定の詳細については、後述する。また、本実施形態では、取付部材32は、正面側において、上方に突出する突起部32aを有する。突起部32aは、スタンド機構30を薄型表示装置20に取り付ける場合に、薄型表示装置20のスタンド取付部23に形成された凹部24に挿入される。
【0033】
薄型表示装置20を梱包する場合、スタンド機構30が取り付けられていない状態の薄型表示装置20の四隅に、第1緩衝材121、第2緩衝材122、第3緩衝材123及び第4緩衝材124が嵌合される。これにより、薄型表示装置20のスタンド取付部23が下部パッケージケース8の開口部11と対向するように、下部パッケージケース8に位置決め載置される。また、梱包時に、薄型表示装置20の中央下部に、支持用緩衝材125が嵌合される。支持用緩衝材125は、長さL1方向において、下部パッケージケース8の開口部11が位置する場所に配置される。そして、上部パッケージケース1を開口部7aがスタンド取付部23と対向するように下部パッケージケース8に覆設することで梱包処理がなされる。
【0034】
本実施形態では、梱包箱Aを開封する場合、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業が、併せて行われる。開封作業、及び、これに伴うスタンド機構30の取付作業の詳細について、
図4から
図7を参照しながら説明する。
【0035】
まず、
図4に示すように、ミシン目6に沿って開口部7aを切り開き、開口7bを形成させる。次に、
図5に示すように、開口7bから、支持用緩衝材125の背面側部材125bを取り外す。このとき、薄型表示装置20は、他の緩衝材12(
図1に示す例では、第3緩衝材123及び第4緩衝材124)によって支持された状態となる。これにより、スタンド取付部23の下方には、緩衝材が存在せず、作業可能な空間が確保される。
【0036】
そして、
図6に示すように、取付部材32を、開口7bから梱包箱A内に挿入し、薄型表示装置20に固定する。このとき、取付部材32の突起部32aを、薄型表示装置20のスタンド取付部23に形成された凹部24に挿入するとともに、取付部材32が、ビス33によって薄型表示装置20に固定される。
【0037】
次に、
図7に示すように、スタンド脚31を、開口7bから梱包箱A内に挿入し、取付部材32に固定する。このとき、
図7に示すように、スタンド脚31の一部(先端)を、スリット126に挿入する。これによって、スタンド脚31の一部を正面側部材125aのスリット126で挟み込むことができ、未固定状態のスタンド脚31を、安定した状態で正面側部材125aに一時的に保持させることができる。また、このとき、
図7に示すように、取付部材32の背面側の一部が、スタンド脚31の溝31bに挿入される。これにより、取付部材32に未固定状態のスタンド脚31を、取付部材32に仮固定することができ、安定して取付作業を行うことができる。このように、スタンド脚31の先端をスリット126に挿入し、取付部材32の背面側の一部を溝31bに挿入することにより、薄型表示装置20と、スタンド脚31と、取付部材32との相対的な位置関係が一時的に安定して保持される。そして、スタンド脚31の先端をスリット126に挿入し、取付部材32の背面側の一部を溝31bに挿入した状態で、スタンド脚31をビス34により取付部材32に固定する。このようにして、スタンド脚31及び取付部材32により構成されるスタンド機構30を、薄型表示装置20に固定することができる。
【0038】
スタンド機構30を薄型表示装置20に固定した後、上部パッケージケース1及び残りの緩衝材12を薄型表示装置20から外し、薄型表示装置20を下部パッケージケース8から下ろすことで、薄型表示装置20を梱包箱Aから開封することができる。
【0039】
このように、本実施形態に係る梱包箱Aは、正面側部材125aを含む緩衝材12を備え、正面側部材125aは、薄型表示装置20にスタンド機構30を取り付けた状態において、スタンド機構30の先端が配置される位置に形成される、スリット126を有する。そのため、スタンド機構30の一部(先端)をスリット126に挿入した状態で、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業を行うことができる。
【0040】
仮に、スリット126が存在しない場合、梱包箱A内で保持される薄型表示装置20の高さが、スタンド機構30の取付作業時にスタンド機構30を梱包箱Aの底面に載置可能な高さと一致しないと、スタンド機構30の取付作業時に、スタンド機構30の自重によってスタンド機構30が傾き、安定して取付作業を行うことができない。特に、第3緩衝材123及び第4緩衝材124などの緩衝材12は、例えば落下試験などで要求される条件を満たすために、所定以上の高さが必要とされる場合があるので、梱包箱A内で保持される薄型表示装置20の高さを変更することが難しい場合も少なくない。
【0041】
しかしながら、本実施形態に係る梱包箱Aでは、スリット126にスタンド機構30の一部を挿入した状態で取付作業を行うことができるため、スタンド機構30の位置を安定させた状態で取付作業を行うことができる。そのため、スタンド機構30の取り付けが容易になる。また、スリット126を形成させる位置は容易に変更可能であるため、薄型表示装置20の仕様や落下試験で要求される条件によらず、スタンド機構30の取り付けを容易にすることができる。
【0042】
なお、本実施形態において、支持用緩衝材125は、必ずしも背面側部材125bを備えていなくてもよい。少なくとも正面側部材125aを備えていれば、正面側部材125aにスリット126を形成し、安定した取付作業を実現できるためである。一方、梱包箱A内で、薄型表示装置20の位置決めを安定させるためには、背面側部材125bが存在することが好ましい。
【0043】
本実施形態では、広側面5bの中央下部に、ミシン目6及び開口部7aが形成されていると説明した。しかしながら、ミシン目6及び開口部7aは、必ずしも広側面5bの中央下部に形成されていなくてもよい。ミシン目6及び開口部7aは、スタンド取付部23に対して後述するスタンド機構30の取り付けを許容できる位置に形成されていればよい。ミシン目6及び開口部7aは、梱包した薄型表示装置20のスタンド取付部23の対向部分に形成されていることが好ましい。従って、例えば、スタンド取付部23が、背面22の左右にそれぞれ1箇所ずつ形成されている場合には、ミシン目6及び開口部7aは、スタンド取付部23の対向部分、つまり広側面5bの左右にそれぞれ1箇所ずつ形成されていてよい。
【0044】
支持用緩衝材125は、ミシン目6及び開口部7aの位置に応じて配置されてよい。例えば、ミシン目6及び開口部7aが、広側面5bの左右にそれぞれ1箇所ずつ形成されている場合には、当該ミシン目6及び開口部7aが形成された位置に、支持用緩衝材125が配置されてよい。
【0045】
また、スタンド機構30の構成は、本実施形態で説明した構成に限られない。従って、スタンド機構30は、必ずしもスタンド脚31と取付部材32とにより構成されていなくてもよい。スタンド機構30は、薄型表示装置20に取り付けられた状態で薄型表示装置20を支持することが可能な任意の機構とすることができる。
【0046】
スタンド機構30の構成によっては、本実施形態で説明したように、先に取付部材32を薄型表示装置20に取り付け、続いてスタンド脚31を取付部材32に取り付けるという手順で取付作業を行うことは、必ずしも必須ではない。例えば、スタンド機構30が1つの部材で構成されている場合には、当該スタンド機構30の一部をスリット126に挿入した状態で、スタンド機構30を薄型表示装置20に固定することができる。
【0047】
ただし、本実施形態のように、スタンド機構30がスタンド脚31と取付部材32とを備えて構成されている場合には、スタンド脚31をスリット126に挿入する前に、取付部材32を薄型表示装置20に取り付け、スタンド脚31をスリット126に挿入し、スタンド脚31を取付部材32に取り付けることによって、スタンド機構30の全体を薄型表示装置20に固定することができる。この場合には、スタンド機構30の全体を一度に取り付ける必要がないため、取付作業時におけるスタンド機構30を保持する負担を減らすことができる。
【0048】
また、本実施形態では、梱包箱Aのパッケージケースが、上部パッケージケース1と下部パッケージケース8とにより構成されると説明したが、パッケージケースは、上部パッケージケース1と下部パッケージケース8とが一体的に形成されたものであってもよい。この場合、開口部7aと開口部11は1箇所の開口部にまとめることができる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る梱包箱Aについて説明する。ここでは、第1実施形態と同様の点については、適宜説明を省略し、主に異なる点について説明する。
【0050】
図8は、第2実施形態において、薄型表示装置20が梱包された状態の梱包箱Aの断面図である。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、梱包箱Aは、薄型表示装置20の梱包時に薄型表示装置20の下部に配置される、支持用緩衝材125を備える。ただし、第2実施形態では、支持用緩衝材125は、正面側部材125cと、スタンド支持部材125dと、背面側部材125eとを含んで構成される点で、第1実施形態と異なる。
【0051】
正面側部材125cは、薄型表示装置20の梱包状態において薄型表示装置20の正面側に配置される緩衝材であり、背面側部材125eは、薄型表示装置20の梱包状態において薄型表示装置20の背面側に配置される緩衝材である。第2実施形態では、正面側部材125c及び背面側部材125eは、薄型表示装置20の梱包状態において、スタンド支持部材125dの上に載置される。第2実施形態では、支持用緩衝材125は、スリットを有さない。
【0052】
スタンド支持部材125dは、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業において、スタンド機構30のスタンド脚31が載置される部材である。スタンド支持部材125dの高さは、薄型表示装置20にスタンド機構30を取り付けた状態において、スタンド機構30の底面がスタンド支持部材125dの上面に接触する高さとなるように構成されている。
【0053】
第2実施形態においても、梱包箱Aを開封する場合、薄型表示装置20へのスタンド機構30の取付作業が、併せて行われる。第2実施形態における、開封作業、及び、これに伴うスタンド機構30の取付作業の詳細について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。
【0054】
まず、
図9に示すように、ミシン目6に沿って開口部7aを切り開き、開口7bを形成させる。そして、開口7bから、支持用緩衝材125の背面側部材125eを取り外す。このとき、薄型表示装置20は、他の緩衝材12(
図1に示す例では、第3緩衝材123及び第4緩衝材124)によって支持された状態となる。これにより、スタンド取付部23の下方には、緩衝材が存在せず、作業可能な空間が確保される。次に、取付部材32を、開口7bから梱包箱A内に挿入し、薄型表示装置20に固定する。このとき、取付部材32の突起部32aを、薄型表示装置20のスタンド取付部23に形成された凹部24に挿入するとともに、取付部材32が、ビス33によって薄型表示装置20に固定される。
【0055】
次に、
図10に示すように、正面側部材125cを取り外す。正面側部材125cは、例えば上部パッケージケース1の上面3を開け、上面3側から取り出すことにより、取り外すことができる。あるいは、上部パッケージケース1及び下部パッケージケース8の正面側も、例えばミシン目などによって背面側の開口部7aと同様の開口部を形成可能に構成されており、当該開口部から正面側部材125cを取り外すことができるように構成されていてもよい。
【0056】
その後、スタンド脚31を、開口7bから梱包箱A内に挿入し、取付部材32に固定する。このとき、
図10に示すように、スタンド脚31をスタンド支持部材125d上に載置する。これによって、未固定状態のスタンド脚31を、安定した状態でスタンド支持部材125d上に載置した状態で、取付作業を行うことができる。なお、このとき、第1実施形態と同様に、取付部材32の背面側の一部が、スタンド脚31の溝31bに挿入される。これにより、取付部材32に未固定状態のスタンド脚31を、取付部材32に仮固定することができ、安定して取付作業を行うことができる。そして、スタンド脚31をスタンド支持部材125d上に載置した状態で、スタンド脚31をビス34により取付部材32に固定する。このようにして、スタンド脚31及び取付部材32により構成されるスタンド機構30を、薄型表示装置20に固定することができる。
【0057】
スタンド機構30を薄型表示装置20に固定した後、上部パッケージケース1及び残りの緩衝材12を薄型表示装置20から外し、薄型表示装置20を下部パッケージケース8から下ろすことで、薄型表示装置20を梱包箱Aから開封することができる。
【0058】
このように、第2実施形態では、スタンド脚31をスタンド支持部材125d上に載置した状態で取付作業を行うことができる。そのため、第2実施形態に係る梱包箱Aによっても、取付作業時にスタンド機構30を安定させることができるため、スタンド機構30の取り付けが容易になる。
【0059】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 上部パッケージケース
2 開口
3 上面
4a,4b 狭側面
5a,5b 広側面
6 ミシン目
7a 開口部
7b 開口
8 下部パッケージケース
9 下面
10 側面部
11 開口部
12 緩衝材
20 薄型表示装置
21 表示画面
22 背面
23 スタンド取付部
24 凹部
30 スタンド機構
31 スタンド脚
31a,32a 突起部
31b 溝
32 取付部材
33,34 ビス
121 第1緩衝材
122 第2緩衝材
123 第3緩衝材
124 第4緩衝材
125 支持用緩衝材
125a,125c 正面側部材
125b,125e 背面側部材
125d スタンド支持部材
125b1 背面支持部
125b2 底面支持部
126 スリット
A 梱包箱