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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093031
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】画像形成システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/16 20060101AFI20240702BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240702BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20240702BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240702BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240702BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240702BHJP
   G03G 21/00 20060101ALN20240702BHJP
【FI】
B41J21/16
B65H7/02
B65H37/00
G03G15/00 460
B41J29/38 206
B41J29/38 302
B41J29/38 601
H04N1/00 567M
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209126
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 庄一
【テーマコード(参考)】
2C061
2C187
2H072
2H270
3F048
3F108
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061HJ04
2C061HJ06
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HN18
2C061HV11
2C061HV12
2C061HV32
2C187AC07
2C187BF08
2C187BF60
2C187BH17
2C187BH23
2C187BH27
2C187BH28
2C187DB09
2C187DB27
2H072AA16
2H072AA21
2H072GA00
2H072JC04
2H270KA57
2H270LA22
2H270LA44
2H270LA64
2H270LC10
2H270LC17
2H270LD03
2H270LD15
2H270MA40
2H270MB01
2H270MB11
2H270MB27
2H270MC67
2H270MH09
2H270NE17
2H270PA34
2H270PA72
2H270ZC03
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048BB02
3F048DC00
3F048EB22
3F108GA01
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB34
5C062AB35
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB53
5C062AC04
5C062AC15
5C062AC48
5C062AC65
(57)【要約】
【課題】画質調整時における記録媒体の廃棄量や廃棄の手間を削減でき、且つ記録媒体の物性値に応じた制御をより正確に実現できるようにする。
【解決手段】画像形成システム(システム1)は、記録媒体(用紙)に画像を形成する画像形成部34と、記録媒体の搬送方向において、画像形成部34より上流側に設けられ、記録媒体を読み取る読取部22と、記録媒体の搬送方向において、画像形成部34より下流側に設けられ、記録媒体の物性値を検知する検知部42と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体の物性値を検知する検知部と、
を備える画像形成システム。
【請求項2】
前記読取部により前記記録媒体の読取結果として生成された読取画像に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を制御する制御部を備える、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記検知部は、前記画像形成部により画像が形成された前記記録媒体の物性値を検知する、請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部を備え、
前記検知部は、前記画像形成部により画像が形成された前記記録媒体の物性値を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知された前記物性値に基づいて、前記後処理部による後処理の位置及び/または前記後処理に関するパラメーターを設定する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記後処理部による後処理は、カール矯正、断裁、ミシン目加工、折り目加工、製本、箔押し、及びニス加工処理のうちの少なくとも一つを含む、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記読取部、前記画像形成部、及び前記検知部は、相互に通信可能、または一方向のみ通信可能に構成されている請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記読取画像に基づいて、前記記録媒体の外形、前刷り画像、テクスチャー、隠蔽度、色、カール状態に関する情報のうちの少なくとも一つを含む用紙読取情報を取得する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記記録媒体に対して形成する画像のトナーカバレッジ率に関する情報を取得する、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記制御部は、取得した前記用紙読取情報に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を示す画像形成位置情報を決定し、前記検知部により検知された前記物性値、及び/または取得した前記トナーカバレッジ率に関する情報に基づいて、前記画像形成位置情報を調整する、請求項8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第1パージトレイを備え、
前記制御部は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、印刷ジョブ実行中において搬送された記録媒体を前記第1パージトレイに排出する、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部と、
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、前記画像形成の位置、前記画像形成に関するパラメーター、前記前処理に関するパラメーター、前記後処理の位置、及び前記後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記記録媒体の搬送方向において、前記検知部と前記後処理部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第2パージトレイを備え、
前記制御部は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値と、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体を前記第2パージトレイに排出する、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値と、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、前記画像形成の位置、前記画像形成に関するパラメーター、前記前処理に関するパラメーター、前記後処理の位置、及び前記後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部より上流側に設けられ、前記記録媒体を挿入可能な挿入トレイと、
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第1パージトレイと、を備え、
前記制御部は、前記挿入トレイから挿入された前記画像形成部により画像形成され、前記後処理部により後処理が行われた記録媒体を前記読取部により読み取った読取画像を取得し、読取後の前記記録媒体を前記第1パージトレイに排出する、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記画像形成部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体に画像を形成する、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記検知部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体の物性値を検知する、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部を備え、
前記後処理部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体に後処理を行う、請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項18】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体の物性値を検知する検知部と、
を備える画像形成システムのコンピューターを、
前記読取部により前記記録媒体の読取結果として生成された読取画像に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を制御する制御部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるような画像形成装置が知られている。具体的には、用紙に測定パターン(トンボ)を印刷し、画像形成部よりも用紙搬送方向下流に設けられた読取部により印刷後の用紙を読み取り、読取画像を生成する。そして、当該読取画像に基づいて、画像形成位置を調整する。
【0003】
また、特許文献2に記載されるような画像形成装置が知られている。具体的には、印刷前の用紙物性に関する値をメディアセンサーで測定する。そして、測定された用紙の物性値に基づいて、用紙処理に関するパラメーターを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-97291号公報
【特許文献2】特開2022-89503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、画像形成位置調整のためのトンボが印刷された部分を断裁する必要があるため手間がかかる、トンボが印刷された部分がヤレ紙となる等の問題があった。
【0006】
また、印刷済みの用紙に後処理を行う場合、印刷済みの用紙の物性値に応じて後処理の制御パラメーターを調整する必要がある。しかし、特許文献2に記載の発明では、印刷前の用紙の物性値に応じて制御パラメーターを決定しているため、制御パラメーターが必ずしも正確であるとはいえない。
【0007】
本発明は、画質調整時における記録媒体の廃棄量や廃棄の手間を削減でき、且つ記録媒体の物性値に応じた制御をより正確に実現できる画像形成システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像形成システムは、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体の物性値を検知する検知部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記読取部により前記記録媒体の読取結果として生成された読取画像に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を制御する制御部を備える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像形成システムにおいて、
前記検知部は、前記画像形成部により画像が形成された前記記録媒体の物性値を検知する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部を備え、
前記検知部は、前記画像形成部により画像が形成された前記記録媒体の物性値を検知し、
前記制御部は、前記検知部により検知された前記物性値に基づいて、前記後処理部による後処理の位置及び/または前記後処理に関するパラメーターを設定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、
前記後処理部による後処理は、カール矯正、断裁、ミシン目加工、折り目加工、製本、箔押し、及びニス加工処理のうちの少なくとも一つを含む。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、
前記読取部、前記画像形成部、及び前記検知部は、相互に通信可能、または一方向のみ通信可能に構成されている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記読取画像に基づいて、前記記録媒体の外形、前刷り画像、テクスチャー、隠蔽度、色、カール状態に関する情報のうちの少なくとも一つを含む用紙読取情報を取得する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、前記記録媒体に対して形成する画像のトナーカバレッジ率に関する情報を取得する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成システムにおいて、
前記制御部は、取得した前記用紙読取情報に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を示す画像形成位置情報を決定し、前記検知部により検知された前記物性値、及び/または取得した前記トナーカバレッジ率に関する情報に基づいて、前記画像形成位置情報を調整する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第1パージトレイを備え、
前記制御部は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、印刷ジョブ実行中において搬送された記録媒体を前記第1パージトレイに排出する。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部と、
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部と、を備え、
前記制御部は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、前記画像形成の位置、前記画像形成に関するパラメーター、前記前処理に関するパラメーター、前記後処理の位置、及び前記後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体の搬送方向において、前記検知部と前記後処理部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第2パージトレイを備え、
前記制御部は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値と、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体を前記第2パージトレイに排出する。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部を備え、
前記制御部は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値と、前記先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において前記検知部により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、前記画像形成の位置、前記画像形成に関するパラメーター、前記前処理に関するパラメーター、前記後処理の位置、及び前記後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部より上流側に設けられ、前記記録媒体を挿入可能な挿入トレイと、
前記記録媒体の搬送方向において、前記読取部と前記画像形成部との間に設けられ、前記記録媒体をパージするための第1パージトレイと、を備え、
前記制御部は、前記挿入トレイから挿入された前記画像形成部により画像形成され、前記後処理部により後処理が行われた記録媒体を前記読取部により読み取った読取画像を取得し、読取後の前記記録媒体を前記第1パージトレイに排出する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記画像形成部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体に画像を形成する。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記検知部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体の物性値を検知する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成システムにおいて、
前記記録媒体に対して後処理を行う後処理部を備え、
前記後処理部は、前記用紙読取情報に基づいて、前記記録媒体に後処理を行う。
【0025】
請求項18に記載のプログラムは、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体の物性値を検知する検知部と、
を備える画像形成システムのコンピューターを、
前記読取部により前記記録媒体の読取結果として生成された読取画像に基づいて、前記画像形成部による画像形成の位置を制御する制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、画質調整時における記録媒体の廃棄量や廃棄の手間を削減でき、且つ記録媒体の物性値に応じた制御をより正確に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す正面図である。
図2】本実施形態に係る画像形成システムの制御構造を示す機能ブロック図である。
図3】初期調整処理の流れを示すフローチャートである。
図4】読取調整処理の流れを示すフローチャートである。
図5】画像形成調整処理の流れを示すフローチャートである。
図6】後処理調整処理の流れを示すフローチャートである。
図7】ジョブ前制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8】後処理読取処理の流れを示すフローチャートである。
図9】ジョブ中制御処理の流れを示すフローチャートである。
図10】ジョブ中制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(1.画像形成システムの構成)
本実施形態に係る画像形成システム(以下、システム1)は、図1及び図2に示すように、給紙装置10と、読取装置20と、画像形成装置30と、検知装置40と、中間装置50と、後処理装置60を備える。
システム1において、用紙の搬送方向に沿って上流側から、給紙装置10、読取装置20、画像形成装置30、検知装置40、中間装置50、後処理装置60の順に配置される。
【0030】
(1-1.給紙装置の構成)
給紙装置10は、給紙制御部11と、挿入トレイである手差しトレイ12と、搬送部13と、給紙部14等を備える。
【0031】
給紙制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。
給紙制御部11のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って給紙装置10の各部を統括制御する。
例えば、給紙制御部11は、ジョブに応じて、いずれかの給紙部14の給紙トレイ141~146または手差しトレイ12から用紙(記録媒体)を読取装置20に搬送する。
【0032】
搬送部13は、給紙部14または手差しトレイ12から読取装置20までを接続する搬送経路131を備え、用紙を搬送する。
給紙部14は、予め定められた紙種やサイズごとに用紙を収納する給紙トレイ141~146を有する。ここでのサイズとは、後述する「呼びサイズ」である。
手差しトレイ12は、用紙搬送方向において、読取装置20の読取部22(後述)より上流側に設けられ、用紙を挿入可能である。
【0033】
(1-2.読取装置の構成)
読取装置20は、画像形成装置30の用紙搬送方向上流側に設けられ、給紙装置10から搬送された用紙を読み取り、得られた読取画像のデータを画像形成装置30の画像形成制御部36(後述)に出力する。
読取装置20は、読取制御部21と、読取部22と、搬送部23と、第1パージトレイである排紙トレイ24等を備える。
排紙トレイ24は、読取部22と画像形成装置30の画像形成部34(後述)との間に設けられ、用紙をパージする。
【0034】
読取制御部21は、CPU、ROM、RAMを備える。
読取制御部21のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って読取装置20の各部を統括制御する。
例えば、読取制御部21は、給紙装置10から搬送されてきた用紙を読取部22により読み取らせ、得られた読取画像のデータを画像形成制御部36に出力する。そして、読取制御部21は、読み取り済みの用紙を搬送部23により画像形成装置30に搬送する、または排紙トレイ24に排出する。
【0035】
読取部22は、ラインイメージセンサー、照明部等を備える。
ラインイメージセンサーには、1画素ごとに光電変換する複数の撮像素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))が用紙の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)に一次元状に並べて配置されている。
照明部は、用紙を適切に読取可能とするために用紙に光を照射する。照明部は、例えばLED(Light Emitting Diode)、及び発光した光を読取範囲に均等に広げる拡散部材等で構成される。
【0036】
読取部22は、給紙装置10から搬送されてきた用紙の上側の面、下側の面、及び両面のうちのいずれかを読み取り、読取結果として生成した読取画像を読取制御部21に出力する。
なお、読取部22の読取可能な範囲は、読取画像から用紙の輪郭を検出できるように用紙サイズより大きい。
また、読取部22は、ラインイメージセンサー等による用紙読取時に用紙イメージの背景となる背景部材を備えてもよい。
また、読取部22の用紙背景側において、照明部の光が背景部材に回り込まないようにするための大きな空間を有するように構成してもよい。
【0037】
搬送部23は、複数のローラー対により構成され、給紙装置10から搬送された用紙を読取部22に搬送する。
そして、搬送部23は、読取制御部21の制御の下、読取部22により読み取られた用紙を画像形成装置30に搬送する、または排紙トレイ24に排出する。例えば、搬送部23は、不具合がない用紙(正常紙)を画像形成装置30に搬送する。一方、搬送部23は、不具合がある用紙(異常紙)を排紙トレイ24に排出する。
【0038】
(1-3.画像形成装置の構成)
画像形成装置30は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部装置(図示無し)から受信したジョブの画像データに基づいて、電子写真方式によりカラー画像を形成する。そして、画像形成装置30は、画像形成済みの用紙を検知装置40に搬送する。
画像形成装置30は、図1及び図2に示すように、操作部31と、表示部32と、原稿読取ユニット33と、画像形成部34と、制御部である画像形成制御部36と、記憶部37と、通信部38と、画像処理部39と、を備える。
【0039】
操作部31は、表示部32の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を画像形成制御部36に出力する。
【0040】
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、画像形成制御部36から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
【0041】
原稿読取ユニット33は、ADF(自動原稿給紙装置)、スキャナー等を備え、原稿の画像を読み取って得られた画像データを画像形成制御部36に出力する。
【0042】
画像形成部34は、画像処理部39により画像処理が行われた画像データに基づいて、読取装置20から搬送された用紙上に画像を形成する。本実施形態において当該用紙は枚葉紙である。
画像形成部34は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(S)の各色に対応する感光体ドラム341Y,341M,341C,341K,341S、中間転写ベルト342、2次転写ローラー343、定着部344、反転経路345、用紙検知センサー346等を備える。
【0043】
感光体ドラム341Yは、一様に帯電された後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム341Y上の静電潜像にイエロー色のトナーが付着され、現像が行われる。
感光体ドラム341M,341C,341K,341Sについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム341Yと同様であるため、説明を省略する。
【0044】
感光体ドラム341Y,341M,341C,341K,341S上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト342上に逐次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト342上には、5色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト342上のカラートナー像は、2次転写ローラー343により、用紙上に一括して転写される(2次転写)。
【0045】
定着部344は、カラートナー像が転写された用紙を加熱する加熱ローラー、当該用紙を加圧する加圧ローラーを備え、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙に定着させる。
【0046】
画像形成装置30において用紙の片面に画像を形成する(片面印刷)の場合、用紙は、画像形成制御部36の制御により定着部344から検知装置40に搬送される。
一方、用紙の両面に画像を形成する(両面印刷)の場合、用紙は、画像形成制御部36の制御により定着部344から反転経路345に搬送され、用紙面を反転される。その後、用紙は、用紙搬送方向において用紙検知センサー346より上流側に再度給紙される。
【0047】
用紙検知センサー346は、用紙搬送方向において2次転写ローラー343より上流側に設けられ、用紙の先端や用紙の片寄りを検知する。
画像形成制御部36は、用紙検知センサー346の検知結果に基づいて、画像形成部34による画像形成位置を制御する。
【0048】
画像形成制御部36は、CPU、RAM、ROM等を備える。
画像形成制御部36のCPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置30の動作を統括的に制御する。
【0049】
また、画像形成制御部36は、画像形成装置30内において用紙を通紙させる際に、通紙モード制御を行う。
当該通紙モードは、低負荷モード、片面印刷モード及び両面印刷モードを有する。
低負荷モードは、片面印刷を行う場合の経路において、2次転写ローラー343による2次転写及び定着部344による定着を実施せずに用紙を搬送するモードである。
片面印刷モードは、片面印刷を行う場合の経路において、2次転写ローラー343による2次転写及び定着部344による定着を実施して用紙を搬送するモードである。
両面印刷モードは、両面印刷を行う場合の経路において、2次転写ローラー343による2次転写及び定着部344による定着を実施して用紙を搬送するモードである。
【0050】
また、画像形成制御部36は、出力された用紙に対して、後述する前処理部52による前処理を行う場合には、中間装置50に所定の前処理を実行する指示を出す。
また、画像形成制御部36は、出力された用紙に対して後処理を行う場合には、後処理装置60に所定の後処理を実行する指示を出す。
【0051】
記憶部37は、プログラムや画像データ等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部37には、プログラムデータや各種設定データ等のデータを画像形成制御部36から読み書き可能に記憶する。
【0052】
通信部38は、例えばLAN(Local Area Network)カード等の通信制御カードで構成され、LAN、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。
【0053】
画像処理部39は、記憶部37に記憶された画像データ、原稿読取ユニット33により原稿から画像を読み取って得られた画像データ、外部装置から入力された画像データに必要な画像処理を行い、画像処理後の画像データを画像形成部34に送信する。画像処理には、階調処理、中間調処理、色変換処理等が含まれる。階調処理は、画像データの各画素の階調値を、用紙上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように補正された階調値に変換する処理である。中間調処理は、誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。色変換処理は、RGBの各階調値をCMYKの各階調値に変換する処理である。
【0054】
(1-4.検知装置の構成)
検知装置40は、画像形成装置30の用紙搬送方向下流側に設けられ、画像形成装置30から搬送された用紙の物性を検知し、得られた検知結果である物性値を画像形成制御部36に出力する。
検知装置40は、用紙の坪量、剛度、含水率、表面性等を含む複数種類の用紙の物性に関する値(物性値)を検知する。物性値は、物性に換算(変換)可能な情報であってもよい。
検知装置40は、検知制御部41と、検知部42と、搬送部43等を備える。
【0055】
検知制御部41は、CPU、ROM、RAMを備える。
検知制御部41のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って検知装置40の各部を統括制御する。
例えば、検知制御部41は、画像形成装置30から搬送されてきた用紙を検知部42により検知させ、得られた物性値を画像形成制御部36に出力する。そして、検知制御部41は、検知済みの用紙を搬送部43により中間装置50に搬送する。
【0056】
検知部42は、検知箇所情報が示す用紙内の検知箇所の物性値を検知する。
検知部42は、用紙の物性値としての、用紙の坪量、剛度、含水率、表面性等を検知するそれぞれのセンサーを有する。
【0057】
例えば、用紙の坪量を検知するセンサーは、発光部と受光部を備え、用紙を透過する光の減衰量により、坪量を測定する。そして、物性値としての坪量を検知制御部41に出力する。
【0058】
また、用紙の剛度を検知するセンサーは、用紙の剛性に応じた物性を検知する。例えば、湾曲した搬送路に用紙を搬送させたときに、曲がった搬送路で、搬送路を構成する一方の外側ガイド板を、用紙が押す力、または変位量を機械的に測定する。そして、当該用紙が押す力または変位量に基づいた、物性値としての剛度を検知制御部41に出力する。
【0059】
また、用紙の含水率を検知するセンサーは、例えば近赤外線方式のOH基の光吸収量を光学的に検知する。当該センサーは、近赤外線領域の所定の波長の光を用紙に照射し、その用紙の含水率に応じて光の吸収率が変化する性質を利用したものである。また別の例として、偏向フィルターで分離した反射光を用いて用紙内部の反射成分の光量変化分を測定することで含水率を測定してもよい。そして、当該センサーは、物性値としての含水率を検知制御部41に出力する。
【0060】
また、用紙の表面性(平滑性、平滑度)を検知するセンサーは、例えば、用紙に照射された光の正反射光と散乱反射光の強度及び/又はその強度比率を出力する反射センサーを有し、当該強度比率に基づいて表面性を測定する。そして、物性値としての表面性を検知制御部41に出力する。
【0061】
なお、検知部42は、上記のセンサーの他に、用紙の比重及び導電度等を検知するセンサーを有していてもよい。
【0062】
搬送部43は、複数のローラー対により構成され、画像形成装置30から搬送された用紙を検知部42に搬送する。
そして、搬送部43は、検知部42により検知された用紙を中間装置50に搬送する。
【0063】
(1-5.中間装置の構成)
中間装置50は、検知装置40の検知結果に応じて、検知装置40から搬送された用紙に、前処理部52による前処理を施す。
中間装置50は、中間制御部51と、前処理部52と、搬送部53と、第2パージトレイである排紙トレイ54を備える。
排紙トレイ54は、検知部42と後処理装置60の後処理部62(後述)との間に設けられ、用紙をパージする。
【0064】
中間制御部51は、CPU、RAM、ROM等を備える。
中間制御部51のCPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、中間装置50の動作を統括的に制御する。
【0065】
前処理部52は、検知装置40から搬送された用紙に以下の前処理を施す。当該前処理は、例えば、用紙を加湿する加湿処理及び用紙を乾燥させる乾燥処理を含む調湿処理、カール矯正処理等である。
【0066】
搬送部53は、複数のローラー対により構成され、検知装置40から搬送された用紙を前処理部52に搬送する。
そして、搬送部53は、中間制御部51の制御の下、検知装置40から搬送された用紙を後処理装置60に搬送する、または排紙トレイ54に排出する。例えば、搬送部53は、不具合がない用紙(正常紙)を後処理装置60に搬送する。一方、搬送部53は、不具合がある用紙(異常紙)を排紙トレイ54に排出する。
【0067】
(1-6.後処理装置60の構成)
後処理装置60は、中間装置50から搬送された用紙に後処理を施す。
後処理装置60は、後処理制御部61と、後処理部62と、搬送部63と、排紙トレイ64を備える。
【0068】
後処理制御部61は、CPU、RAM、ROM等を備える。
後処理制御部61のCPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、後処理装置60の動作を統括的に制御する。
【0069】
後処理部62は、中間装置50から搬送された用紙に後処理を施す。当該後処理は、例えば、断裁、折り目加工、ミシン目加工、筋付けクリース、箔押し、ニス加工、各種製本等である。なお、後処理部62は、後処理としてカール矯正処理を用紙に施してもよい。
【0070】
搬送部63は、複数のローラー対により構成され、中間装置50から搬送された用紙を後処理部62に搬送する。
そして、搬送部63は、後処理部62により後処理が施された用紙を排紙トレイ64に排紙する。
【0071】
上記システム1が備える各装置は、相互に通信可能に構成されている。つまり、読取部22、画像形成部34、及び検知部42は、相互に通信可能に構成されている。
なお、読取部22、画像形成部34、及び検知部42は、一方向のみ通信可能に構成されていてもよい。
当該一方向、あるいは双方向の通信により、各装置の各種制御に必要な情報を送受信することができる。各装置の各種制御の内容により、上記通信がいつまでに終了するべきかが決まる。そのため、その要件に適合するように、通信の開始タイミングや、通信速度(単位時間あたりに送受信可能な情報量)を設計する必要がある。例えば、後処理部62におけるミシン目加工の位置を、検知部42の検知結果をもとに調整する場合を説明する。この場合、当該検知部42の検知結果が、後処理部62による用紙に対するミシン目加工の制御準備よりも前に、後処理部62に通知される必要がある。単位時間当たりの印刷処理枚数の多い高速機においては、システム1内の用紙の通過速度が速い傾向がある。そのため、前述のような、情報の通知タイミングが間に合わない場合が想定しうる。このような場合に、通紙下流側の各装置に用紙が到達するまでの所要時間を確保するために、システム1を次のように構成してもよい。例えば、検知装置40と中間装置50の間の用紙の通過経路を敢えて屈曲させて長くする。また、一時的に用紙を複数枚格納可能な一時収納部を設けたり、必要に応じて当該用紙の用紙搬送を一時的に停止したりする。このような構成により、次の装置に用紙が到達するまでの時間を延ばし、情報の通知タイミングの条件を適合させることができる。
【0072】
なお、本実施形態においては、画像形成装置30の画像形成制御部36が、システム1全体を統括的に制御しているが、読取装置20の読取制御部21、または検知装置40の検知制御部41がシステム1全体を統括的に制御する構成であっても良い。
【0073】
(2.画像形成システムの動作)
次に、本実施形態に係るシステム1を新たに設置した際に、システム1において実行される初期調整処理を説明する。
図3に、初期調整処理のフローチャートを示す。
【0074】
(2-1.初期調整処理)
まず、画像形成装置30の画像形成制御部36は、図4に示す読取調整処理を実施する(ステップA1)。
当該読取調整処理を実施することにより、読取装置20の個体差による読取画像の読取倍率の差を補正することができる。
【0075】
読取調整処理において、画像形成制御部36は、給紙装置10により基準紙を給紙部14または手差しトレイ12から給紙する(ステップA11)。
当該基準紙とは、予め設定された紙種、サイズ、状態(温度、含水率等)の用紙である。
なお、ここでのサイズとは、用紙の大きさの識別情報としての「呼び名」である。つまり、ここでのサイズとは、例えば、A4やA3、300mm×450mm等である用紙サイズ規格や、その用紙サイズを意図して断裁された用紙の、いわば「呼びサイズ」である。
実際の用紙を測定した際の寸法は、この呼びサイズとは若干の誤差があるのが普通である。後述するサイズ(実サイズ)は、この測定上の寸法(読取画像から求めた寸法や、金尺によって測定した寸法、及び当該寸法によって校正された読取画像から求めた寸法)のことを指す。
また、上記状態(温度、含水率等)は、例えば、各種試験の標準規格等で定められる標準環境や、システム1が設置されている地域の平均的な環境であってもよい。しかし、これと実際の印刷作業環境とは乖離がある場合も多い。
そこで、上記状態(温度、含水率等)を、システム1が設置されている空間における、最も出現頻度が高い状態(例えば、印刷工程であれば、通常に稼働して、室温や湿度が安定している状態)とすればよい。また、その環境下で、所定の紙種の用紙を、一定時間以上放置して、環境に慣れた状態で用いるようにすればよい。
また、上記基準紙として、あらかじめ所定のマークを印刷した用紙を用いて、下記の工程を行ってもよい。具体的には。当該マーク間の距離や、マークと用紙エッジとの距離を、読取画像から検出する。そして、同一箇所の距離を金尺等で実測し、これをもとに、読取画像から取得されるサイズと実測のサイズとの関係をさらに校正する。
【0076】
次に、画像形成制御部36は、読取装置20において給紙装置10から搬送された基準紙を読取部22により読み取ることで読取画像を生成し、当該読取画像を画像形成制御部36に出力する(ステップA12)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA12において読取済みの基準紙を、システム1の各装置内に通紙させ、後処理装置60の排紙トレイ64に排出する(ステップA13)。この場合、画像形成装置30における通紙モードは低負荷モードである。
【0077】
次に、画像形成制御部36は、ステップA12において生成された読取画像に基づいて、基準紙のサイズ(実サイズ)としての基準紙の輪郭のサイズを取得する(ステップA14)。
【0078】
次に、画像形成制御部36は、ステップA13において排出され、ユーザーにより金尺等で測定された実際の基準紙のサイズ(実サイズ)の入力を操作部31を介して受け付ける(ステップA15)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA14において取得された読取画像に基づく基準紙のサイズ(実サイズ)と、ステップA15において受け付けた実測した基準紙のサイズ(実サイズ)に基づいて、読取画像から取得されるサイズ(実サイズ)と実測のサイズ(実サイズ)との関係を校正し(ステップA16)、本処理を終了する。
【0079】
図3に戻り、画像形成制御部36は、図5に示す画像形成調整処理を実施する(ステップA2)。
当該画像形成調整処理を実施することにより、画像形成部34で形成される画像位置及び倍率の調整を行うことができる。
【0080】
画像形成調整処理において、画像形成制御部36は、給紙装置10により基準紙を給紙部14または手差しトレイ12から給紙する(ステップA21)。
【0081】
次に、画像形成制御部36は、画像形成部34により基準紙に所定の画像を形成する(ステップA22)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA22において画像形成済みの基準紙を、システム1の各装置内に通紙させ、後処理装置60の排紙トレイ64に排出する(ステップA23)。
【0082】
次に、画像形成制御部36は、ステップA23において排出され、ユーザーにより金尺等で測定された基準紙に形成された画像の実際の位置及び倍率の入力を操作部31を介して受け付ける(ステップA24)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA24において受け付けた実測した画像の位置及び倍率に基づいて、画像形成部34による画像形成位置及び倍率を調整し(ステップA25)、本処理を終了する。
【0083】
なお、ステップA24において入力される画像の位置及び倍率は、上記金尺等で測定された実測値をもとに、ユーザーにより所定の算出式により算出されてもよい。または、操作部31を介して所定箇所間(画像形成により形成された所定マーク間や、所定マークと用紙エッジ間の距離等)の金尺による実測値をそのまま入力し、これをもとに、上記所定の算出式により調整に必要な画像の位置及び倍率の値を、例えば画像形成制御部36により算出するように構成してもよい。
【0084】
図3に戻り、画像形成制御部36は、図6に示す後処理調整処理を実施し(ステップA3)、本処理を終了する。
当該後処理調整処理を実施することにより、後処理部62により実施される後処理の位置の調整を行うことができる。
【0085】
後処理調整処理において、画像形成制御部36は、給紙装置10により基準紙を給紙部14または手差しトレイ12から給紙する(ステップA31)。
【0086】
次に、画像形成調整処理を実施済みの画像形成装置30において、画像形成制御部36は、画像形成部34により基準紙に所定の画像を形成する(ステップA32)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA32において画像形成された基準紙を後処理装置60まで搬送し、後処理部62により基準紙に所定の後処理を施す(ステップA33)。
そして、画像形成制御部36は、後処理装置60によりステップA33において後処理済みの基準紙を排紙トレイ64に排出する(ステップA34)。
【0087】
次に、画像形成制御部36は、ステップA34において排出され、ユーザーにより金尺等で測定された基準紙に施された後処理の実際の位置の入力を操作部31を介して受け付ける(ステップA35)。
そして、画像形成制御部36は、ステップA35において受け付けた実測した後処理の位置に基づいて、後処理部62による後処理位置や、画像形成部34により形成されるユーザコンテンツの画像形成位置を、後処理の位置に合致するように調整し(ステップA36)、本処理を終了する。
【0088】
なお、上記では、ユーザーにより金尺等で所定箇所の距離を測定する方法を示したが、これに限らない。例えば、金尺等での測定の代替として、上記所定の画像の中の測定を要する箇所に距離目盛を印刷しておき、ユーザーはこの距離目盛をもとに目視で位置を確認し、その値を操作部31を介して入力するように構成されてもよい。
【0089】
次に、システム1において印刷ジョブを実行する前に実行されるジョブ前制御処理を説明する。
当該ジョブ前制御処理は、例えば、画像形成装置30が通信部38を介して外部装置(例えばパーソナルコンピューター)等から印刷ジョブのジョブ情報を受信した際に、画像形成制御部36と記憶部37に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図7に、ジョブ前制御処理のフローチャートを示す。
【0090】
(2-2.ジョブ前制御処理)
まず、画像形成制御部36は、給紙装置10により、印刷ジョブにおいて画像が形成される用紙(ジョブ対象用紙)を給紙部14から1枚給紙し、読取装置20に搬送する(ステップB1)。
【0091】
次に、画像形成制御部36は、読取装置20により、ジョブ対象用紙を読み取り、読取画像を生成する(ステップB2)
【0092】
次に、画像形成制御部36は、ステップB2において生成し、読取装置20から受信した読取画像から用紙読取情報を取得して、記憶部37に保存する(ステップB3)。
当該用紙読取情報は、用紙サイズ(外形)、用紙色、用紙内の前刷り画像(用紙に前刷りがされている場合)、用紙遮蔽度、用紙のカール状態、用紙テクスチャー(用紙の表面の質感)等を含む。
読取画像から用紙読取情報を取得する手法は、公知の画像処理方法を利用すればよい。
例えば、用紙サイズ(外形)は、用紙と背景の境界(用紙エッジ部)となる輪郭を、例えば読取画像における、用紙と背景の画像上の色調差や、背景板(背景部材)上の用紙影に基づいて抽出し、この輪郭で代表される矩形や四辺形の大きさから求められる。
用紙色、用紙内の前刷り画像、及び用紙テクスチャーは、上記矩形や四辺形の領域内の読取画像値の分布や平均値をもとに判断可能である。
用紙遮蔽度は、読取装置20で用紙を読み取る際の背景板(用紙に隠れる箇所)に、明暗の明瞭な所定のマークを付けておき、このマークの読取画像における見えやすさを評価することで判断可能である。
用紙のカール状態は、上記輪郭部における用紙エッジと背景板の境界の「明瞭さ」を評価値とし、この評価値が用紙各所(例えば用紙先後端と中央部)でどの方向に変化したかを評価することで取得できる。
【0093】
次に、画像形成制御部36は、ステップB3において取得した用紙読取情報に基づいて、検知部42による検知箇所を示す検知箇所情報を設定する(ステップB4)。当該検知箇所は、用紙内の所定箇所であり、用紙1枚に対して1箇所であってもよいし、複数個所であってもよい。
具体的には、用紙読取情報として用紙内の前刷り画像を取得した場合、画像形成制御部36は、当該前刷り画像に基づいて追い刷りを実施する箇所を特定して、特定した箇所を検知箇所として設定する。
また、用紙読取情報としての用紙テクスチャーが予め設定された所定閾値より大きい場合(例えば、ジョブ対象用紙の表面の凹凸が比較的大きい場合)、画像形成制御部36は、用紙1枚に対する検知箇所を増やす、または検知箇所の検知面積を広げるように設定する。
【0094】
なお、ステップB4の代わりに、画像形成制御部36は、操作部31を介して検知箇所情報の設定を受け付けてもよい。
また、印刷ジョブのジョブ情報に検知箇所情報が含まれている場合、画像形成制御部36は、ジョブ情報から当該検知箇所情報を取得して設定してもよい。
【0095】
次に、画像形成制御部36は、いずれかの通紙モード(低負荷モード、片面印刷モード及び両面印刷モードのうちのいずれか)によりジョブ対象用紙を画像形成装置30内に通紙し、検知装置40に搬送する(ステップB5)。
【0096】
次に、画像形成制御部36は、ステップB4において設定した検知箇所情報に基づいて、検知装置40によりジョブ対象用紙の検知箇所の物性値を検知する(ステップB6)。
【0097】
次に、画像形成制御部36は、ステップB1~B6を通紙モードごとに、全ての通紙モード(本実施形態においては3モード)に対して実施したか否かを判断する(ステップB7)。
いずれかの通紙モードに対してステップB1~B6が完了していない場合(ステップB7;NO)、画像形成制御部36は、本処理をステップB1に移行する。そして、画像形成制御部36は、完了していない通紙モードに対してステップB1~B6を実施する。
これにより、画像形成制御部36は、通紙モードごとのジョブ対象用紙の物性値を取得する。
【0098】
一方、全ての通紙モードに対してステップB1~B6が完了している場合(ステップB7;YES)、画像形成制御部36は、ステップB3において取得した用紙読取情報、及びステップB6において検知した物性値に基づいて、画像形成及び後処理における制御情報を設定して、記憶部37に記憶し(ステップB8)、本処理を終了する。
当該画像形成及び後処理における制御情報は、画像形成部34による画像形成位置、画像形成の制御パラメーター(画像形成に関するパラメーター)、後処理部62による後処理の位置、及び後処理の制御パラメーター(後処理に関するパラメーター)等を含む。
つまり、画像形成制御部36は、取得した用紙読取情報に基づいて、画像形成部34による画像形成の位置を示す画像形成位置情報を決定する。
【0099】
具体的には、画像形成制御部36は、例えば、取得した用紙サイズや前刷り画像に基づいて、画像形成位置及び後処理である断裁の位置を設定する。
また、画像形成制御部36は、検知した用紙の含水率や剛度に基づいて、通紙モードごとの用紙の伸縮度合いを特定する。そして、画像形成制御部36は、当該伸縮度合いに基づいて、画像形成位置及び倍率や、断裁の位置の通紙モードによる変化量を推測する。そして、画像形成制御部36は、当該推測した変化量に基づいて、画像形成位置や後処理の位置を制御するための制御情報を設定する。
また、画像形成制御部36は、検知した用紙の表面性に基づいて、通紙モードによる用紙の表面性の変化量を推測する。そして、画像形成制御部36は、当該推測した変化量に基づいて、後処理である箔押し、ニス加工、折り目加工、ミシン目加工等の加工温度や強度等を制御するための制御情報を設定する。
【0100】
なお、ここではステップB1として、ジョブ対象用紙1枚を給紙する構成となっているが、これに限らない。例えば、1つのジョブ印刷で複数の種類の用紙を用いる場合、ステップB1~B8の処理を、必要な用紙数分繰り返すようにしてもよい。1つのジョブ印刷で複数の種類の用紙を用いる場合とは、例えば、後処理として、表紙と本身、中綴じ用紙である3種類の用紙を綴じて冊子とする工程が設定されている場合である。この場合、ジョブを複数部数印刷中に、上記3種類の用紙を繰り返し印刷する必要がある。
また、ここでは全ての通紙モードに対してステップB1~B6を繰り返すこととしているが、これに限らない。例えば、これから印刷するジョブが片面印刷のみや両面印刷のみの場合、ジョブ印刷において利用しない通紙モードについては、当該のステップB1~B6を省略してもよい。
【0101】
なお、画像形成制御部36は、上記ジョブ前制御処理を実施後に、図8に示す後処理読取処理を実施することにより、ステップB8において設定された画像形成及び後処理における制御情報をさらに調整してもよい。
【0102】
(2-3.後処理読取処理)
まず、画像形成制御部36は、給紙装置10によりジョブ対象用紙を給紙し、画像形成部34により用紙の両面に画像形成を行う(ステップC1)。ステップC1において、形成される画像は、例えば、用紙両面における画像形成位置を調整するための画像(チャート等)である。
次に、画像形成制御部36は、後処理装置60によりジョブ対象用紙に箔押しやミシン目加工等の後処理を実施する(ステップC2)。
そして、画像形成制御部36は、画像形成され、後処理済みのジョブ対象用紙を後処理装置60の排紙トレイ64に排出する(ステップC3)。
【0103】
次に、画像形成制御部36は、ステップC3において排紙トレイ64に排出されたジョブ対象用紙を、ユーザーにより給紙装置10の手差しトレイ12から挿入することを受け付ける(ステップC4)。
次に、画像形成制御部36は、読取装置20により、ステップC4において挿入されたジョブ対象用紙を読み取り、読取画像を生成して、排紙トレイ24に排出する(ステップC5)。
次に、画像形成制御部36は、ステップC5において生成し、読取装置20から受信した読取画像から、実際に画像が形成された位置及び倍率の情報や、実際に後処理が施された位置の情報等を取得する(ステップC6)。
次に、画像形成制御部36は、ステップC6において取得した画像形成位置及び倍率、後処理位置等に基づいて、画像形成及び後処理における制御情報を調整して、記憶部37に記憶し(ステップC7)、本処理を終了する。
【0104】
次に、システム1において印刷ジョブを実行中に実行されるジョブ中制御処理を説明する。
当該ジョブ中制御処理は、画像形成制御部36と記憶部37に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
図9図10に、ジョブ中制御処理のフローチャートを示す。
【0105】
(2-4.ジョブ中制御処理)
まず、画像形成制御部36は、ジョブ前制御処理ステップB1、B2と同様のステップD1、D2を実施する。
次に、画像形成制御部36は、ステップD2において生成し、読取装置20から受信した読取画像から用紙読取情報を取得する(ステップD3)。
【0106】
次に、画像形成制御部36は、ステップD3において取得した用紙読取情報と、ジョブ前制御処理において取得した用紙読取情報との差異は、予め設定された第1閾値以上であるか否かを判断する(ステップD4)。
当該第1閾値は、トレイ内の用紙が、トレイに設定されている用紙種別情報に合致しているか否かを判断するための閾値である。用紙読取情報には、全く同一の用紙を繰り返し読み取った場合においても、各種のノイズにより読取値に若干の差異が生じる。また、例えば用紙サイズに関して、1つのトレイに収められている用紙は、略同一サイズであるが、厳密には若干の差異がある。例えばトレイに収められている用紙のサイズ(呼びサイズ)がA3の場合、用紙サイズの公称は幅297mm、長さ420mmである。しかし、実際の用紙サイズは、幅及び長さにおいて各々±1~2mm程度のばらつきがある。用紙の厚さや坪量、白色度等においても、各々製造ばらつきの範囲がある。これらのばらつきの範囲は、同一種として扱うべきであるため、この範囲を逸脱するか否かを判断できるように、第1閾値を設定する。そして、この第1閾値の範囲を逸脱する用紙は、想定外の用紙(不具合のある用紙)として、後述の通り、別途処理する。
【0107】
ステップD3において取得した用紙読取情報と、ジョブ前制御処理において取得した用紙読取情報との差異が第1閾値未満である場合(ステップD4;NO)、画像形成制御部36は、ジョブ前制御処理ステップB4と同様のステップD5を実施する。
【0108】
次に、画像形成制御部36は、印刷ジョブにおいて次に画像形成するページのカバレッジ率を取得する(ステップD6)。
次に、画像形成制御部36は、ステップD6において取得したカバレッジ率に基づいて、ステップD5で設定した検知箇所情報と、ジョブ前制御処理ステップB8において設定した制御情報または後処理読取処理ステップC7において調整した制御情報とを補正する(ステップD7)。
画像形成処理前後における用紙の伸縮や表面性の変化は、用紙に形成される画像のカバレッジ率にも因るため、ステップD7を実施することにより、画像形成及び後処理をより好適に制御できる。
【0109】
次に、画像形成制御部36は、ステップD7において補正した制御情報に基づいて、画像形成部34により、ジョブ対象用紙に印刷ジョブのジョブ画像を形成する(ステップD8)。
例えば、ジョブ前制御処理において実測した用紙Aの用紙サイズに対し、ジョブ印刷中の用紙Bの用紙サイズ(同)が、例えば用紙搬送方向に2mmだけ長く実測された状態を説明する。当該ジョブ前制御処理において実測した用紙Aの用紙サイズは、読取画像から用紙輪郭の外形を求め、これを初期調整処理の結果に基づいて校正した結果である。
この場合、例えば用紙A、B各々の印刷時の通紙方向先端基準で画像が形成される。そして、用紙Aに対して表裏印刷の画像位置があっている場合、用紙Bに対して、用紙Aと同じ制御で画像形成すると次の状態が発生する。具体的には、用紙AとBの伸縮率等の物性に差異がない場合、用紙Bに形成された画像は表裏の画像位置が、相互に2mmだけずれた状態になる。
そのため、用紙Bに画像形成する際に次の制御を行えば、印刷結果の表裏位置が合致することになる。具体的には、表面(最初に印刷される面)に印刷される画像位置を2mmだけ用紙の印刷時通紙方向先端から遅く形成する、裏面(次に印刷される面)に印刷される画像位置を2mmだけ用紙の印刷時通紙方向先端から早く形成する、または表と裏の双方を1mmだけ各々の通紙方向先端から遅く形成する。
【0110】
また、用紙Aと用紙Bの実測サイズが同じ、且つ印刷時の用紙トレイ内環境(温度、湿度)が用紙A印刷時点と、用紙B印刷時点とで変化し、用紙B印刷時点の方が高温且つ低湿度であった場合を説明する。
この場合、用紙Aの表面印刷後の定着処理による用紙縮み量に対し、用紙Bの表面印刷後の定着処理による用紙縮み量が小さくなることが予測できる。その影響で、用紙Bの印刷結果は、裏面の画像が表面の画像に対して用紙縮み量の差分だけ小さくなり、また、裏面印刷時の用紙進行方向に対し、進み方向に画像が形成される状態となる。そこで、例えば裏面に形成される画像のサイズを拡大し、裏面の印刷タイミングを遅れ方向に制御することで、表裏の画像位置関係を維持することができる。
なお、トレイ内環境は、図示しない各種センサーにより実測してもよいし、システム1が設置されている環境の温湿度(これも、図示しない各種センサーにより容易に実測可能である)と、過去のシステム1の稼働状況から推測してもよい。
さらに上記カバレッジ率は用紙の伸縮に影響するため、カバレッジ率を用紙Bの縮み量推定に寄与させることで、より正確に表裏の画像位置の関係を制御することができる。
【0111】
次に、画像形成制御部36は、ステップD7において補正した検知箇所情報に基づいて、検知装置40によりジョブ対象用紙の検知箇所の物性値を検知する(ステップD9)。
【0112】
次に、画像形成制御部36は、現在処理中のページ(ステップD8で画像形成し、ステップD9で物性値を検知したページ)は、印刷ジョブにおいて先頭から所定ページ目か否かを判断する(ステップD10)。当該所定ページ数は、1ページであってもよいし、数ページであってもよい。
現在処理中のページが先頭から所定ページ目である場合(ステップD10;YES)、画像形成制御部36は、ステップD3において取得した用紙読取情報、及びステップD9において検知した物性値を記憶部37に記憶する(ステップD11)。
ステップD11において、画像形成制御部36は、上記所定ページ目までの物性値を各々記憶してもよい。あるいは、画像形成制御部36は、所定回数目の値や各々の物性値から、その平均値やばらつきを評価し、異端の値を排除して平均値を算出する等で求めた代表値を記憶してもよい。
【0113】
次に、画像形成制御部36は、ステップD7において補正した制御情報に基づいて、後処理装置60により、ジョブ対象用紙に後処理を実施する(ステップD12)。
そして、画像形成制御部36は、画像形成され、後処理済みのジョブ対象用紙を出力物として、後処理装置60の排紙トレイ64に排出する(ステップD13)。
次に、画像形成制御部36は、印刷ジョブは全ページにおいて完了したか否かを判断する(ステップD14)。
印刷ジョブが全ページにおいて完了した場合(ステップD14;YES)、画像形成制御部36は、本処理を終了する。
【0114】
一方、まだ完了していないページがある場合(ステップD14;NO)、画像形成制御部36は、本処理をステップD1に移行する。
【0115】
また、現在処理中のページが先頭から所定ページ目でない場合(ステップD10;NO)、画像形成制御部36は、ステップD11で保存した先頭から所定ページまでに検知した物性値と、ステップD9で取得した現在処理中のページで検知した物性値は異なるか否かを判断する(ステップD15)。先頭から所定ページまでの物性値とは、例えば、先頭から所定ページまでに検知した物性値の平均値である。なお、ステップD11で保存した先頭から所定ページまでに検知した物性値と、ステップD9で取得した現在処理中のページで検知した物性値との差異において、所定の裕度を持たせてもよい。
先頭から所定ページまでに検知した物性値と、現在処理中のページで検知した物性値が異なる場合(ステップD15;YES)、画像形成制御部36は、先頭から所定ページまでに検知した物性値と、現在処理中で検知したページの物性値との差異は、予め設定された第2閾値未満か否かを判断する(ステップD16)。
【0116】
差異が第2閾値未満である場合(ステップD16;YES)、画像形成制御部36は、当該差異に基づいて、ステップD7において補正した制御情報をさらに調整して、記憶部37に記憶し(ステップC17)、本処理をステップD12に移行する。
具体的には、画像形成制御部36は、例えば画像形成部34による画像形成位置及び倍率、後処理装置60による断裁の位置、箔押しの温度、ニス加工の温度や塗布量等を調整する。この際、参考情報として、システム1が設置されている環境の温湿度を各種センサー(図示しない)により実測し、用いてもよい。さらにシステム1の過去の印刷経過や用紙物性の測定経過等の複数の情報から上記調整のための制御値を決定するための算式を修正してもよい。そして、その際の修正に際し、所定の回帰式を用いてもよいし、機械学習等の制度改善アルゴリズムを応用してもよい。
なお、ステップD17後にステップD12を実施する場合、画像形成制御部36は、ステップD17において調整した制御情報に基づいて、後処理装置60により、ジョブ対象用紙に後処理を実施する。
【0117】
また、先頭から所定ページまでに検知した物性値と、現在処理中で検知したページの物性値が同じ場合(ステップD15;NO)、画像形成制御部36は、本処理をステップD12に移行する。
【0118】
また、先頭から所定ページまでに検知した物性値と、現在処理中で検知したページの物性値との差異が第2閾値以上である場合(ステップD16;NO)、画像形成制御部36は、現在処理中のページが形成されたジョブ対象用紙を、不具合のある用紙として、中間装置50により排紙トレイ54に排出することによりパージする(ステップD18)。
ここで、ステップD18の目的を説明する。本実施形態では、ジョブに用いる用紙の物性値におけるジョブ先頭からの変化をもとに、これによって生じる各種後処理の誤差を予測し、補正する。第2閾値より上記変化が大きい場合は、上記誤差の予測にずれが生じたり、上記変化の要因が予測の想定とは異なったりする場合であるため、あらかじめ不良印刷として排除することが目的である。
【0119】
次に、画像形成制御部36は、不具合のある用紙をパージした旨を表示部32に表示する等によりユーザーに報知する(ステップD19)。
【0120】
次に、画像形成制御部36は、現在実行中の印刷ジョブを停止するか否かを判断する(ステップD20)。
ステップD20において、画像形成制御部36は、予め設定された情報に基づいて、現在実行中の印刷ジョブを停止するか否かを判断してもよいし、操作部31を介したユーザーの入力情報に基づいて判断してもよい。
ジョブを停止する場合(ステップD20;YES)、画像形成制御部36は、現在実行中の印刷ジョブを停止し(ステップD21)、本処理を終了する。
【0121】
一方、ジョブを停止しない場合(ステップD20;NO)、画像形成制御部36は、前処理部52による調湿処理の制御パラメーター(前処理に関するパラメーター)と、画像形成処理及び後処理における制御情報とを調整する(ステップD22)。具体的には、画像形成制御部36は、不具合が解消するように、例えば、不具合の傾向と大きさに応じて、あらかじめ定められた方向に制御情報を調整する。
そして、画像形成制御部36は、本処理をステップD1に移行し、現在処理中のページを再印刷する。
【0122】
なお、ステップD22後にステップD8を実施する場合、画像形成制御部36は、ステップD22において調整した制御情報に基づいて、画像形成部34により画像形成を行う。
また、ステップD22後にステップD12を実施する場合、画像形成制御部36は、ステップD22において調整した制御情報に基づいて、後処理装置60により後処理を実施する。
【0123】
また、ステップD3において取得した用紙読取情報と、ジョブ前制御処理において取得した用紙読取情報との差異が第1閾値以上である場合(ステップD4;YES)、画像形成制御部36は、ジョブ対象用紙を、不具合のある用紙として、読取装置20により排紙トレイ24に排出することによりパージする(ステップD23)。
なお、ステップD23において、画像形成制御部36は、不具合のある用紙を画像形成装置30内で通紙し、中間装置50により排紙トレイ54に排出してもよい。この際、画像形成装置30内で不要な処理が実施されないように、次のモードで用紙を通過させてもよい。例えば、ジョブ印刷のモード(片面や両面印刷)に関わらず、2次転写ローラー343による2次転写及び定着部344による定着を実施せずに用紙を搬送するモードである。
【0124】
次に、画像形成制御部36は、不具合のある用紙をパージした旨を表示部32に表示する等によりユーザーに報知し(ステップD24)、本処理をステップD21に移行する。
【0125】
上記のように、ジョブ中制御処理を実行することにより、印刷ジョブ実行中において用紙や環境に様々な変化が発生した場合でも、安定した画像形成位置や後処理の位置において印刷ジョブを実行することができる。そして、印刷ジョブの出力物において品質を安定させることができる。
【0126】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、上記実施形態における記述は、本発明に係る画像形成システムの一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、ジョブ中制御処理ステップD15において、画像形成制御部36は、過去に実行した類似の印刷ジョブの先頭において検知された物性値と、ステップD9で検知した現在処理中のページの物性値は異なるか否かを判断してもよい。
【0127】
また、ジョブ中制御処理ステップD23の代わりに、画像形成制御部36は、ステップD3において取得した用紙読取情報に基づいて、前処理部52による調湿処理の制御パラメーターと、画像形成処理及び後処理における制御情報とを調整し、印刷ジョブを継続してもよい。
【0128】
また、システム1が用紙読取情報及び用紙の物性値に応じた、適切な用紙の種類と、画像形成及び後処理における制御情報とを記憶したデータベースを備える場合、画像形成制御部36は、次の処理を行ってもよい。具体的には、画像形成制御部36は、ジョブ前制御処理において、ステップB3で取得した用紙読取情報、及びステップB6で検知した物性値に基づいて、当該データベースから適切な用紙の種類及び制御情報を取得する。
【0129】
(3.効果)
以上のように、本実施形態に係る画像形成システム(システム1)は、記録媒体(用紙)に画像を形成する画像形成部34と、記録媒体の搬送方向において、画像形成部34より上流側に設けられ、記録媒体を読み取る読取部22と、記録媒体の搬送方向において、画像形成部34より下流側に設けられ、記録媒体の物性値を検知する検知部42と、を備える。
したがって、用紙に印刷する前に用紙を読み取ることにより、当該用紙に応じた印刷を行うことができるため、用紙の廃棄量や廃棄の手間を削減できる。また、印刷後の用紙の物性値を検知することにより、記録媒体の物性値に応じた制御をより正確に実現できる。
【0130】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、読取部22により記録媒体の読取結果として生成された読取画像に基づいて、画像形成部34による画像形成の位置を制御する制御部(画像形成制御部36)を備える。
したがって、それぞれの用紙に応じた適切な位置に画像形成することができる。
【0131】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、検知部42は、画像形成部34により画像が形成された記録媒体の物性値を検知する。
したがって、印刷後の用紙に関する情報を容易に取得できる。
【0132】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、記録媒体に対して後処理を行う後処理部62を備え、検知部42は、画像形成部34により画像が形成された記録媒体の物性値を検知し、制御部(画像形成制御部36)は、検知部42により検知された物性値に基づいて、後処理部62による後処理の位置及び/または後処理に関するパラメーターを設定する。
したがって、印刷後の用紙に応じた適切な位置、及び/または適切なパラメーターで後処理を行うことができる。
【0133】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、後処理部による後処理は、カール矯正、断裁、ミシン目加工、折り目加工、製本、箔押し、及びニス加工処理のうちの少なくとも一つを含む。
したがって、印刷後の用紙に応じた適切な位置、及び/または適切なパラメーターでカール矯正、断裁、ミシン目加工、折り目加工、製本、箔押し、またはニス加工処理を行うことができる。
このうち、カール矯正は、用紙の調湿(加湿や除湿)や、ローラー搬送で敢えて用紙搬送経路を屈曲させて用紙を矯正方向に扱く処理により行うことができる。また、カール状態の強い用紙に対して、適切に印刷可能なように印刷時の用紙搬送速度を(主に低速方向に)調整するように構成してもよい。また、カール状態の強い用紙に対して、用紙検知センサー346の前後で用紙を一旦停止させ、用紙姿勢を正しく揃える処理制御(用紙レジストレーション制御等)により調整するように構成してもよい。
【0134】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、読取部22、画像形成部34、及び検知部42は、相互に通信可能、または一方向のみ通信可能に構成されている。
したがって、読取部22による読取結果、及び検知部42による検知結果を容易に取得できる。
【0135】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、制御部(画像形成制御部36)は、読取画像に基づいて、記録媒体の外形、前刷り画像、テクスチャー、隠蔽度、色、カール状態に関する情報のうちの少なくとも一つを含む用紙読取情報を取得する。
したがって、それぞれの用紙の外形、前刷り画像、テクスチャー、隠蔽度、色、カール状態に応じた適切な位置に画像形成することができる。
【0136】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、制御部(画像形成制御部36)は、記録媒体に対して形成する画像のトナーカバレッジ率に関する情報を取得する。
また、制御部(画像形成制御部36)は、取得した用紙読取情報に基づいて、画像形成部による画像形成の位置を示す画像形成位置情報を決定し、検知部42により検知された物性値、及び/または取得したトナーカバレッジ率に関する情報に基づいて、画像形成位置情報を調整する。
したがって、それぞれの印刷後の用紙、トナーカバレッジ率に応じた適切な位置に画像形成することができる。
【0137】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、記録媒体の搬送方向において、読取部22と画像形成部34との間に設けられ、記録媒体をパージするための第1パージトレイ(排紙トレイ24)を備え、制御部(画像形成制御部36)は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、印刷ジョブ実行中において搬送された記録媒体を第1パージトレイに排出する。
したがって、用紙に適していない制御情報に基づいて印刷ジョブを実行し、ヤレ紙を発生させてしまうことを抑制できる。
【0138】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部52と、記録媒体に対して後処理を行う後処理部62と、を備え、制御部(画像形成制御部36)は、印刷ジョブ実行中において取得した用紙読取情報と、印刷ジョブ実行前において取得した用紙読取情報とに第1閾値以上の差異が生じた場合、画像形成の位置、画像形成に関するパラメーター、前処理に関するパラメーター、後処理の位置、及び後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する。
したがって、様々な用紙に応じた適切な制御情報に基づいて、後処理を含む印刷ジョブを実行することができる。
【0139】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、記録媒体の搬送方向において、検知部42と後処理部62との間に設けられ、記録媒体をパージするための第2パージトレイ(排紙トレイ54)を備え、制御部(画像形成制御部36)は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において検知部42により検知された物性値と、先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において検知部42により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体を第2パージトレイに排出する。
したがって、印刷ジョブ中において検知される物性値が変化した場合に、適切でない制御情報に基づいて印刷ジョブを実行し、ヤレ紙を発生させてしまうことを抑制できる。
【0140】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、記録媒体に対して調湿処理を含む前処理を行う前処理部52を備え、制御部(画像形成制御部36)は、印刷ジョブの先頭ページのジョブ画像が形成された記録媒体において検知部42により検知された物性値と、先頭ページより後のページのジョブ画像が形成された記録媒体において検知部42により検知された物性値とに第2閾値以上の差異が生じた場合、画像形成の位置、画像形成に関するパラメーター、前処理に関するパラメーター、後処理の位置、及び後処理に関するパラメーターのうちの少なくとも一つを調整する。
したがって、印刷ジョブ中において検知される物性値が変化した場合においても、変化した物性値に応じた適切な制御情報に基づいて、後処理を含む印刷ジョブを実行することができる。
【0141】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、記録媒体の搬送方向において、読取部22より上流側に設けられ、記録媒体を挿入可能な挿入トレイ(手差しトレイ12)と、記録媒体の搬送方向において、読取部22と画像形成部34との間に設けられ、記録媒体をパージするための第1パージトレイ(排紙トレイ24)と、を備え、制御部(画像形成制御部36)は、挿入トレイから挿入された画像形成部34により画像形成され、後処理部62により後処理が行われた記録媒体を読取部22により読み取った読取画像を取得し、読取後の記録媒体を第1パージトレイに排出する。
したがって、実際に画像を形成し、実際に後処理を行った用紙に関する情報を容易に取得することができる。
【0142】
また、本実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像形成部34は、用紙読取情報に基づいて、記録媒体に画像を形成する。
したがって、用紙読取情報に応じた適切な制御情報に基づいて画像形成することができる。
【0143】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、検知部42は、用紙読取情報に基づいて、記録媒体の物性値を検知する。
したがって、用紙読取情報に応じた適切な検知箇所情報に基づいて検知できる。
【0144】
また、本実施形態に係る画像形成システムは、記録媒体に対して後処理を行う後処理部62を備え、後処理部62は、用紙読取情報に基づいて、記録媒体に後処理を行う。
したがって、用紙読取情報に応じた適切な制御情報に基づいて後処理を行うことができる。
【0145】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0146】
例えば、印刷ジョブに断裁処理が含まれる場合、ジョブ情報において断裁後の出力物のサイズが設定されている。この場合、画像形成制御部36は、出力物として排出される用紙のサイズにおける温湿度変化による変化量に基づいて断裁位置を調整してもよい。
【0147】
また、上記実施形態における画像形成装置30は、乾式電子写真方式であるとしたがこれに限らない。本発明は、溶媒系、水系のIJ、UV硬化型IJ、湿式電子写真方式等である、画像形成が用紙等の記録媒体の物性に影響を与える画像形成方法に応用可能である。
【0148】
また、システム1において、画像形成装置30と検知装置40との間に、反転処理等の機能を備えた中間装置を設けてもよい。
【0149】
また、システム1は、図示しない印刷ジョブ生成や印刷管理を行うプリントコントローラー、図示しない他の画像形成システムや業務管理システム等と、相互に連携するための情報を送受信可能に構成されていてもよい。
【0150】
また、本実施形態においては、画像形成装置30の画像形成制御部36が、システム1全体を統括的に制御しているがこれに限らない。制御装置を別に設け、当該制御装置の制御部がシステム1全体を統括的に制御してもよい。
【0151】
その他、システム1を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 システム(画像形成システム)
10 給紙装置
11 給紙制御部
12 手差しトレイ
13 搬送部
131 搬送経路
14 給紙部
141、142、143、144、145、146 給紙トレイ
20 読取装置
21 読取制御部
22 読取部
23 搬送部
24 排紙トレイ
30 画像形成装置
31 操作部
32 表示部
33 原稿読取ユニット
34 画像形成部
341Y、341M、341C、341K、341S 感光体ドラム
342 中間転写ベルト
343 2次転写ローラー
344 定着部
345 反転経路
346 用紙検知センサー
36 画像形成制御部(制御部)
37 記憶部
38 通信部
39 画像処理部
40 検知装置
41 検知制御部
42 検知部
43 搬送部
50 中間装置
51 中間制御部
52 前処理部
53 搬送部
54 排紙トレイ
60 後処理装置
61 後処理制御部
62 後処理部
63 搬送部
64 排紙トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10