(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093068
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
B60P 1/46 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B60P1/46 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209203
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河上 佳賢
(72)【発明者】
【氏名】小西 拓
(72)【発明者】
【氏名】山下 惠
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】南 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
(72)【発明者】
【氏名】片岡 龍我
(72)【発明者】
【氏名】山本 祥治
(57)【要約】
【課題】昇降ユニットが反転可能な荷受台昇降装置において、荷受台の昇降中に昇降ユニットが反転するのを抑制できるようにする。
【解決手段】荷受台昇降装置10は、一対の昇降支柱12及び荷受台16を有する昇降ユニット11と、昇降ユニット11を使用位置と不使用位置との間で反転させる反転機構30と、荷受台16を起立させた状態の昇降ユニット11を、荷台2に対して水平軸線C回りに反転させる反転機構30と、昇降ユニット11の反転を規制する規制位置と昇降ユニット11の反転を許容する許容位置との間で移動可能な反転規制部41と、反転規制部41の移動を駆動する駆動手段46と、荷受台16が上昇位置にあることを検出する検出手段47と、荷受台16が上昇位置にあることを検出手段47が検出しなくなると、反転規制部41が規制位置に移動するように駆動手段46を制御する制御部80と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に対して荷物を積み降ろすための荷受台昇降装置であって、
一対の昇降支柱と、一対の前記昇降支柱に対して水平展開された状態で上昇位置と下降位置との間で昇降可能であり且つ前記上昇位置で一対の前記昇降支柱に沿って起立可能な荷受台と、を有する昇降ユニットと、
前記荷受台を起立させた状態の前記昇降ユニットを、前記荷台に対して水平軸線回りに反転させる反転機構と、
前記反転機構による前記昇降ユニットの反転を規制する規制位置と、前記反転機構による前記昇降ユニットの反転を許容する許容位置と、の間で移動可能な反転規制部と、
前記反転規制部の移動を駆動する駆動手段と、
前記荷受台が前記上昇位置にあることを検出する検出手段と、
前記荷受台が前記上昇位置にあることを前記検出手段が検出しなくなると、前記反転規制部が前記規制位置に移動するように前記駆動手段を制御する制御部と、を備える荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記荷受台が前記上昇位置にあることを前記検出手段が検出すると、前記反転規制部が前記許容位置に移動するように前記駆動手段を制御する、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記昇降ユニットは、前記昇降支柱内に設けられるとともに、前記荷受台を昇降させるときに前記昇降支柱に対して昇降するインナコラムをさらに有し、
前記検出手段は、前記昇降支柱に設けられ、前記荷受台が前記上昇位置にあるときの前記インナコラムの昇降位置を検出する、請求項1又は請求項2に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記反転機構は、前記昇降ユニットの反転時に回転するスプロケットを有し、
前記反転規制部は、前記規制位置において前記スプロケットの回転を規制し、前記許容位置において前記スプロケットの回転を許容するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車等に装着されて荷物の積み降ろしに利用される荷受台昇降装置として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1の荷受台昇降装置は、垂直昇降式であり、貨物自動車の荷台の後端部に固定された左右一対の昇降支柱(アウタコラム)と、これらの昇降支柱に対して昇降可能に設けられた荷受台と、を備えている。荷受台は、水平展開された状態で、地面に接地する下降位置と、荷台の床面と同一高さになる上昇位置との間で昇降可能である。荷受台を使用しないときには、荷受台を前記上昇位置から上方回動させることで、荷受台は各昇降支柱の後面に沿って起立格納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記垂直昇降式の荷受台昇降装置では、荷受台を使用しないときに、一対の昇降支柱及び起立格納された荷受台は、荷台よりも後方及び下方に張り出した状態となる。この状態で貨物自動車を走行させると、昇降支柱や荷受台が損傷するおそれがある。そこで、昇降支柱等の損傷を抑制するために、昇降支柱及び荷受台を含む昇降ユニットを、使用位置と不使用位置との間で、荷台に対して水平軸線回りに反転可能に支持することが検討されている。
【0005】
使用位置において、昇降ユニットは、例えば荷台よりも後方及び下方に張り出し、荷受台を昇降させることが可能となる。使用位置において荷受台を上昇位置で起立格納した状態から、不使用位置に昇降ユニットを反転させると、昇降ユニットは、例えば荷台上に配置される。この状態で貨物自動車を走行させることで、昇降支柱や荷受台が損傷するのを抑制することができる。しかし、昇降ユニットを使用位置にして荷受台を昇降させているときに、誤操作等により昇降ユニットが不使用位置へ反転するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、昇降ユニットが反転可能な荷受台昇降装置において、荷受台の昇降中に昇降ユニットが反転するのを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、車両の荷台に対して荷物を積み降ろすための荷受台昇降装置であって、一対の昇降支柱と、一対の前記昇降支柱に対して水平展開された状態で上昇位置と下降位置との間で昇降可能であり且つ前記上昇位置で一対の前記昇降支柱に沿って起立可能な荷受台と、を有する昇降ユニットと、前記荷受台を起立させた状態の前記昇降ユニットを、前記荷台に対して水平軸線回りに反転させる反転機構と、前記反転機構による前記昇降ユニットの反転を規制する規制位置と、前記反転機構による前記昇降ユニットの反転を許容する許容位置と、の間で移動可能な反転規制部と、前記反転規制部の移動を駆動する駆動手段と、前記荷受台が前記上昇位置にあることを検出する検出手段と、前記荷受台が前記上昇位置にあることを前記検出手段が検出しなくなると、前記反転規制部が前記規制位置に移動するように前記駆動手段を制御する制御部と、を備える荷受台昇降装置である。
【0008】
本発明によれば、荷受台が上昇位置あることを検出手段が検出しなくなると、制御部は、反転規制部が規制位置に移動するように駆動手段を制御する。これにより、荷受台が上昇位置以外にあるとき、反転規制部は規制位置にあるので、反転機構による昇降ユニットの反転が規制される。したがって、荷受台の昇降中に、昇降ユニットが反転するのを抑制することができる。
【0009】
(2)上記(1)の荷受台昇降装置において、前記制御部は、前記荷受台が前記上昇位置にあることを前記検出手段が検出すると、前記反転規制部が前記許容位置に移動するように前記駆動手段を制御するのが好ましい。
この場合、荷受台が上昇位置まで上昇すると、自動的に昇降ユニットの反転が許容されるので、昇降ユニットの反転作業を迅速に行うことができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)の荷受台昇降装置において、前記昇降ユニットは、前記昇降支柱内に設けられるとともに、前記荷受台を昇降させるときに前記昇降支柱に対して昇降するインナコラムをさらに有し、前記検出手段は、前記昇降支柱に設けられ、前記荷受台が前記上昇位置にあるときの前記インナコラムの昇降位置を検出するのが好ましい。
この場合、荷受台を上昇位置で起立させても、昇降支柱に対するインナコラムの昇降位置は変化しないので、検出手段は、荷受台が上昇位置にあるときのインナコラムの昇降位置を検出した状態で維持される。これにより、反転規制部は許容位置に保持される。したがって、荷受台を上昇位置で起立させた状態で昇降ユニットを反転させるときに、反転規制部により昇降ユニットの反転が規制されるのを抑制することができる。
【0011】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一の荷受台昇降装置において、前記反転機構は、前記昇降ユニットの反転時に回転するスプロケットを有し、前記反転規制部は、前記規制位置において前記スプロケットの回転を規制し、前記許容位置において前記スプロケットの回転を許容するように構成されているのが好ましい。
この場合、反転規制部を簡単な構成で実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、昇降ユニットが反転可能な荷受台昇降装置において、荷受台の昇降中に昇降ユニットが反転するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る荷受台昇降装置が設けられた車両の後部を示す斜視図である。
【
図3】昇降ユニットの反転前後の状態を示す側面図である。
【
図7】荷受台昇降装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図8】
図4の昇降ユニットの左側部分を上から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る荷受台昇降装置10が装着された車両1の後部を示す斜視図である。
図2は、荷受台昇降装置10の側面図である。以下の本実施形態の説明において、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、及び「後」といった方向は、
図1に示す方向を意味する。
【0015】
図1及び
図2において、本実施形態の車両1は、例えば貨物自動車であり、荷台2と、荷台2の左右両側にそれぞれ設けられた一対の側壁3と、荷台2の後端部に設けられた煽戸4と、を備えている。荷台2は、荷物が積載される床面2aを有している。荷台2の床面2aの上方は、荷物の積載空間とされている。
【0016】
煽戸4は、荷台2の後端部において左右方向(車幅方向)に延びる軸部材5を中心として上下回動可能に設けられている。煽戸4は、荷台2の床面2aから下方に垂れ下がる開位置(
図2に示す位置)と、荷台2の床面2aから上方に立ち上がる閉位置(図示省略)と、の間で上下回動可能である。
【0017】
[昇降ユニット]
荷受台昇降装置10は、荷台2の床面2aに対して、荷台2の後方から荷物を積み降ろす際に使用される。荷受台昇降装置10は、垂直昇降式の昇降ユニット11を備えている。本実施形態の昇降ユニット11は、
図1に示す状態では、荷台2の後方において左側に偏って配置されている。昇降ユニット11は、一対の昇降支柱12、一対のインナコラム13、一対のスライダ14、荷受台16、クロスメンバ19、固縛機構20、及び昇降機構21を有している。
【0018】
一対の昇降支柱12は、荷台2の後方において互いに左右方向に離間して配置されるとともに、互いに平行かつ上下方向に延びている。各昇降支柱12は、中空の角筒体からなる。各昇降支柱12の上端には、その上端開口を覆う天板12aが固定されている。各昇降支柱12の後壁には、上下方向に延びるスリット12bが形成されている。
【0019】
各昇降支柱12内には、インナコラム13が昇降支柱12に対して昇降自在に設けられている。各インナコラム13も、上下方向に長く形成された中空の角筒体からなる。各インナコラム13の後壁には、上下方向に延びるスリット13bが形成されている。各インナコラム13内には、スライダ14がインナコラム13に対して昇降自在に設けられている。
【0020】
各スライダ14の後部は、インナコラム13及び昇降支柱12の各スリット13b,12bを貫通し、昇降支柱12の後方に突出している。各スライダ14は、各スリット13b,12bに案内されて昇降支柱12及びインナコラム13のそれぞれに対して昇降可能である。各スライダ14には、インナコラム13の内側面に沿って転動するローラ(図示省略)が回転可能に設けられ、このローラによって各スライダ14が円滑に昇降するようになっている。
【0021】
各スライダ14の後部下端には、ブラケット15が固定されている。各ブラケット15には、荷受台16が回動可能に支持されている。荷受台16は、メインプレート16aと、サブプレート16bと、を有している。メインプレート16aの基端部は、各ブラケット15に対して、左右方向に延びる水平軸となるピン17を中心として上下回動可能に支持されている。サブプレート16bの基端部は、メインプレート16aの先端部に対して、ヒンジ18を介して上下回動可能に支持されている。
【0022】
荷受台16は、後述する上昇位置において、各昇降支柱12に対して、水平展開される展開姿勢(
図2の1点鎖線で示す姿勢)と、各昇降支柱12の後壁に沿って起立される起立姿勢(
図2の2点鎖線で示す姿勢)との間で上下回動可能である。荷受台16が展開姿勢のとき、メインプレート16a及びサブプレート16bは、各昇降支柱12の後方において水平に延びており、メインプレート16a及びサブプレート16bの各表面(上面)は、荷物が載置される荷受面16cとされている。
【0023】
荷受台16が起立姿勢のとき、メインプレート16aは、上方回動して各昇降支柱12の後壁に沿って起立された状態となり、サブプレート16bは、起立されたメインプレート16aの裏面(下面)側に下方回動して当該裏面に沿って折り畳まれた状態となる。これにより、荷受台16は、起立姿勢において上下方向にコンパクトな状態となる。
【0024】
固縛機構20は、荷受台16を起立姿勢で各昇降支柱12に固縛する機構である。固縛機構20は、メインプレート16aの左右両側に設けられた一対のロックハンドル20aと、各昇降支柱12の外側壁に固定された一対のフック20bと、を有している。各ロックハンドル20aは、メインプレート16aに対して回動可能かつ左右方向にスライド可能に設けられている。各フック20bには、対応するロックハンドル20aが係脱可能に係合される。
図2に示すように、荷受台16が起立姿勢のとき、ロックハンドル20aを回動及びスライドさせてフック20bに係合させることで、荷受台16は起立姿勢で固縛される。
【0025】
クロスメンバ19は、一対の昇降支柱12の間に配置され、両昇降支柱12のほぼ下半分全体がクロスメンバ19によって連結されている。クロスメンバ19は、中空の矩形箱状に形成されており、クロスメンバ19の内部空間は、各昇降支柱12の内部空間と連通している。
図1に示す状態において、クロスメンバ19の上面19aは、荷台2の床面2aとほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0026】
昇降機構21は、一対の昇降支柱12に対して、展開姿勢の荷受台16を荷台2の床面2aと地面との間で昇降させる機構である。昇降機構21は、クロスメンバ19内において左右方向に沿って配置された油圧シリンダ22と、図示を省略する固定シーブ、可動シーブ、及びワイヤと、を備えている。固定シーブ、可動シーブ、及びワイヤは、垂直昇降式の昇降機構では一般的な構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0027】
昇降機構21の油圧シリンダ22を伸長作動させると、上記の固定シーブ及び可動シーブに掛け回されたワイヤを介して、スライダ14及びインナコラム13が上昇する。具体的には、インナコラム13に対してスライダ14が上昇した後、昇降支柱12に対してインナコラム13がスライダ14と共にさらに上昇する。これにより、荷受台16は、上昇位置(
図2の1点鎖線で示す位置)まで上昇する。荷受台16が上昇位置のとき、荷受台16の荷受面16cは、クロスメンバ19の上面19aと同一高さになる。
【0028】
昇降機構21の油圧シリンダ22を収縮作動させると、上記の固定シーブ及び可動シーブに掛け回されたワイヤを介して、スライダ14及びインナコラム13が下降する。具体的には、昇降支柱12に対してインナコラム13がスライダ14と共に下降した後、インナコラム13に対してスライダ14がさらに下降する。これにより、荷受台16は、下降位置(
図2の実線で示す位置)まで下降する。荷受台16が下降位置のとき、荷受台16は地面に接地した状態となる。以上より、展開姿勢の荷受台16を、上昇位置と下降位置との間で昇降させることができる。
【0029】
[反転機構]
図3は、昇降ユニット11の反転前後の状態を示す側面図である。
図4は、
図3のI矢視図である。
図5は、
図4のII矢視図である。
図3~
図5において、荷受台昇降装置10は、荷受台16が起立姿勢とされた昇降ユニット11を反転させる反転機構30をさらに備えている。なお、
図1では、反転機構30及び旋回機構50(後述)の図示を省略している。反転機構30は、一対の反転支持部31と、一対の反転アーム33と、反転駆動部34と、を備えている。
【0030】
一対の反転支持部31は、昇降ユニット11の一対の昇降支柱12それぞれを、荷台2に対して反転可能に支持している。一対の反転支持部31は、荷台2の床面2aの後端部において、互いに左右方向に離間して一対の昇降支柱12に対応する位置に配置されている。各反転支持部31は、底板311と、補強板312と、一対の支持板313と、一対の反転軸314と、を有している。底板311の下面は、荷台2の床面2aに載置されている。
【0031】
補強板312は、側面視においてL字形状の板部材からなり、水平方向に延びる横板部312aと、鉛直方向に延びる縦板部312bと、を有している。横板部312aは、底板311の上面に溶接等により固定されている。縦板部312bは、横板部312aの後端から上方に延びている。一対の支持板313は、それぞれ略三角形状に形成された板部材からなる。一対の支持板313は、互いに左右方向に間隔をあけた状態で、補強板312における横板部312aの上面及び縦板部312bの前面に、それぞれ溶接等により固定されている。各反転支持部31の横板部312a同士は、連結板32により連結されている(
図4参照)。連結板32の上面32aは、クロスメンバ19の上面19aと同一の高さ位置に配置されている。
【0032】
各反転支持部31の一対の支持板313には、反転軸314が左右方向に延びる水平軸線C回りに回転可能に支持されている。また、各反転支持部31の一対の支持板313の間には、反転アーム33が配置されている。反転アーム33は、例えばチャンネル材からなり、その一端部が反転軸314に固定されている。これにより、反転アーム33は、反転支持部31に対して回動可能に支持されており、反転軸314と共に回動する。
【0033】
反転アーム33の他端部は、昇降ユニット11の各昇降支柱12に固定されている。本実施形態では、各昇降支柱12が
図3の1点鎖線で示す位置にある状態で、各昇降支柱12の上側部分かつ前側部分に、反転アーム33の他端部が固定されている。
【0034】
以上の構成により、一対の反転支持部31に対して各反転アーム33を水平軸線C回りに回動させることで、一対の昇降支柱12を上下回動させることができる。これにより、
図3の1点鎖線で示す位置にある各昇降支柱12の上側部分は、反転支持部31により荷台2に対して反転可能に支持されている。したがって、荷受台16が起立姿勢とされた昇降ユニット11は、反転機構30により、荷台2に対して、使用位置(
図3の1点鎖線で示す位置)と、不使用位置(
図3の実線で示す位置)との間で反転可能である。
【0035】
反転機構30により昇降ユニット11を反転させる際、昇降ユニット11の一対の昇降支柱12は、それぞれ反転アーム33を介して、荷台2上に設置された反転支持部31に支持されながら反転する。したがって、本実施形態の反転機構30は、荷台2に対して各昇降支柱12を支持しつつ、昇降ユニット11を使用位置と不使用位置との間で反転させることができる。
【0036】
使用位置における昇降ユニット11は、荷台2の外側となる後方(一方向)かつ荷台2の下方に張り出した状態となる。この状態で荷受台16を展開姿勢にすることで、荷受台16は上昇位置と下降位置との間で昇降可能となる。不使用位置における昇降ユニット11は、荷台2の床面2aの高さよりも上方において荷台2上に配置された状態となり、かつ一対の昇降支柱12は左右方向(一方向に対して水平方向に直交する方向)に沿って配置された状態となる。この状態において、荷受台16は、荷台2上に配置されるので、上昇位置と下降位置との間での昇降が不可能となる。
【0037】
昇降ユニット11が使用位置にある状態で、各昇降支柱12の前壁には、当接板29が設けられている(
図4も参照)。当接板29は、ゴム等の弾性材料からなる。当接板29は、昇降ユニット11が使用位置にあるときに、反転支持部31の縦板部312bに当接するように、昇降支柱12の前壁に固定されている。昇降ユニット11が不使用位置から使用位置まで反転したときに、当接板29が縦板部312bに当接することで、昇降ユニット11が使用位置を超えて反転するのを規制する。
【0038】
図4及び
図5において、反転駆動部34は、昇降ユニット11を省力で反転動作させるものであり、昇降ユニット11の右側方に配置されている。反転駆動部34は、従動スプロケット35、駆動スプロケット36、チェーン37、減速機38、及び操作部39を備えている。
【0039】
従動スプロケット35は、反転支持部31の右側に近接して配置されている。従動スプロケット35の中心部は、反転軸314の右端部に一体回転可能に連結されている。駆動スプロケット36は、従動スプロケット35よりも車両1の前側に配置されている。駆動スプロケット36の外径は、従動スプロケット35の外径よりも小さい。駆動スプロケット36の中心部は、減速機38の出力軸38bに一体回転可能に連結されている。チェーン37は、無端状に形成され、従動スプロケット35と駆動スプロケット36とに掛け渡されている。
【0040】
減速機38は、反転支持部31の支持板313の外側面に固定されたベース板315の上面に設置されている。減速機38は、例えばウォームギヤ(図示省略)を備えたウォーム減速機からなる。減速機38の入力軸38aは前方に延びている。減速機38の入力軸38aには、操作部39が連結されている。操作部39は、減速機38の入力軸38aに一端部が連結されたレバー39aと、レバー39aの他端部に設けられたハンドル39bと、を有している。
【0041】
作業者は、ハンドル39bを把持し、レバー39aが減速機38の入力軸38aを中心に回転するように操作部39を回転操作すると、その回転トルクが減速機38により増大され、減速機38の出力軸38bを介して駆動スプロケット36が回転する。駆動スプロケット36が回転すると、チェーン37を介して従動スプロケット35と共に反転軸314が回転し、昇降ユニット11が反転する。これにより、作業者は、昇降ユニット11を反転駆動部34により省力で反転動作させることができる。
【0042】
[反転規制機構]
図6は、
図5のIII矢視図である。
図5及び
図6において、荷受台昇降装置10は、反転機構30による昇降ユニット11の反転を規制するための反転規制機構40をさらに備えている。反転規制機構40は、反転規制部41と、駆動手段46と、を備えている。なお、
図6では、駆動スプロケット36及び減速機38の図示を省略している。また、
図4では、反転規制機構40の図示を省略している。
【0043】
反転規制部41は、例えば電動シリンダからなり、右側の反転支持部31のベース板315上において、減速機38の前方に設けられている。反転規制部41は、シリンダ本体42と、ロッド43と、を有している。シリンダ本体42は、その軸方向を左右方向に向けて配置されている。シリンダ本体42は、台座44を介してベース板315に固定されている。
【0044】
ロッド43の一端は、シリンダ本体42内において軸方向に摺動可能に設けられたピストン(図示省略)に固定されている。ロッド43の他端は、シリンダ本体42の軸方向一端(左端)から左側に突出している。これにより、ロッド43は、シリンダ本体42に対して左右方向に移動可能である。ロッド43は、従動スプロケット35における
図5の略6時の位置に対向して配置されている。
【0045】
反転駆動部34の従動スプロケット(スプロケット)35における周方向の所定箇所には、規制孔35aが左右方向(軸方向)に貫通して形成されている。昇降ユニット11が不使用位置にあるとき、規制孔35aは、
図5の略12時の位置にある。昇降ユニット11が不使用位置から使用位置まで反転すると、規制孔35aは、水平軸線C回りに
図5の略6時の位置まで回転する。
図6における規制孔35aは、便宜上、
図5の略6時の位置にある状態(昇降ユニット11が使用位置にある状態)を示している。
【0046】
昇降ユニット11が使用位置にあるとき、規制位置(
図6の1点鎖線で示す位置)と、反転規制部41のロッド43は、許容位置(
図6の実線で示す位置)と、の間で移動可能である。ロッド43は、規制位置において、従動スプロケット35の規制孔35aに挿入される。これにより、従動スプロケット35の回転は規制され、反転機構30による昇降ユニット11の反転が規制された状態となる。
【0047】
ロッド43は、許容位置において、規制孔35aから抜け出した状態となる。これにより、従動スプロケット35の回転は許容され、反転機構30による昇降ユニット11の反転が許容された状態となる。以上により、反転規制部41は、昇降ユニット11の反転を規制する規制位置と、昇降ユニット11の反転を許容する許容位置との間で移動可能である。
【0048】
駆動手段46は、反転規制部41の移動を駆動する駆動源である。駆動手段46は、例えば電動モータからなる。駆動手段46は、反転規制部41のシリンダ本体42の右端に接続され、台座44を介してベース板315に固定されている。駆動手段46は、車両1のバッテリ(図示省略)から電力供給されることで、反転規制部41を作動させる。
【0049】
図2において、反転規制機構40は、昇降支柱12内の上端部に設けられた検出手段47をさらに備えている。検出手段47は、例えば近接センサからなり、検出面47aを有している。検出手段47は、検出面47aを下向きにした状態で、天板12aの下面に固定されている。
【0050】
検出手段47は、荷受台16が上昇位置にあることを検出する。本発明において「上昇位置にあることを検出する」とは、上昇位置にあることを直接検出する場合だけでなく、上昇位置にあることを間接的に検出する場合も含む。本実施形態の検出手段47は、荷受台16が上昇位置にあるときのインナコラム13の昇降位置を検出する。荷受台16が上昇位置にあるとき、インナコラム13は、昇降支柱12内において最も上昇した昇降位置(以下、最上位置ともいう)となる。
【0051】
インナコラム13が最上位置まで上昇すると、インナコラム13の上端面13aは、検出手段47の検出面47aに近接する。これにより、検出手段47は、インナコラム13が最上位置にあること、つまり荷受台16が上昇位置にあることを検出する。インナコラム13が最上位置から下降すると、インナコラム13の上端面13aは、検出手段47の検出面47aから離反する。これにより、検出手段47は、インナコラム13が最上位置にあること、つまり荷受台16が上昇位置にあることを検出しなくなる。
【0052】
図7は、荷受台昇降装置10の制御構成を示すブロック図である。
図7において、荷受台昇降装置10は、制御部80をさらに備えている。制御部80は、
図1では図示を省略するが、クロスメンバ19内に設けられている。制御部80は、CPU等を有するコンピュータを備えて構成されている。制御部80の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶された制御プログラムがCPUにより実行されることで発揮される。制御部80には、反転規制機構40の検出手段47の検出信号が入力されるようになっている。
【0053】
制御部80は、検出手段47の検出結果に基づいて駆動手段46を制御する。具体的には、制御部80は、荷受台16が上昇位置にあることを検出手段47が検出すると、つまり検出手段47から検出信号が入力されると、反転規制部41が許容位置に移動するように駆動手段46を制御する。反転規制部41が許容位置に移動することで、従動スプロケット35の回転が許容され、反転機構30による昇降ユニット11の反転が許容される。
【0054】
また、制御部80は、荷受台16が上昇位置にあることを検出手段47が検出しなくなると、つまり検出手段47から検出信号が入力されなくなると、反転規制部41が規制位置に移動するように駆動手段46を制御する。反転規制部41が規制位置に移動することで、従動スプロケット35の回転が規制され、反転機構30による昇降ユニット11の反転が規制される。
【0055】
[旋回機構]
図8は、
図4の昇降ユニット11の左側部分を上から見た平面図である。
図9は、
図8のIV矢視図である。
図4、
図8及び
図9において、荷受台昇降装置10は、荷受台16が起立姿勢とされた昇降ユニット11を、荷台2上において旋回させる旋回機構50をさらに備えている。
【0056】
本実施形態の旋回機構50は、荷台2に対して、荷受台16が起立姿勢とされた昇降ユニット11を、前記不使用位置(
図8の実線で示す位置)と格納位置(
図8の1点鎖線で示す位置)との間における90°の範囲で旋回させる。旋回機構50は、旋回支持部51と、旋回アーム部52と、を備えている。
【0057】
旋回支持部51は、昇降ユニット11を水平旋回可能に支持するものであり、一対の昇降支柱12の一方側(左側)において荷台2の床面2aに設けられている。旋回支持部51は、固定板511と、固定軸512と、回転筒513と、を有している。固定板511は、荷台2の床面2aにおける左側の側壁3と左側の反転支持部31との間において、反転支持部31の底板311に近接して配置されている。固定板511は、その下面が床面2aに載置された状態で、ボルト514によって床面2aに固定されている。固定軸512は、固定板511の上面から上方に突出して固定されている。回転筒513は、円筒状の部材からなる。回転筒513は、固定軸512の外周に嵌め込まれ、固定軸512に対して、その鉛直軸線X回りに回転可能に支持されている。
【0058】
旋回アーム部52は、旋回支持部51と昇降ユニット11とを連結している。旋回アーム部52は、筒アーム521と、軸アーム522と、を有している。筒アーム521は、円筒状の部材からなる。筒アーム521の軸方向一端部(
図4の左端部)は、旋回支持部51の回転筒513の外周面に固定されている。
【0059】
軸アーム522は、円柱状の部材からなる。軸アーム522の軸方向一端部(
図4の右端部)は、反転支持部31における左側の支持板313の外側面に固定されている。軸アーム522の軸方向他端部(
図4の左端部)は、筒アーム521内に挿入され、ボルト523によって筒アーム521に固定されている。したがって、旋回アーム部52は、左側の反転支持部31と共に、旋回支持部51に対して鉛直軸線X回りに水平旋回可能である。
【0060】
以上の構成により、旋回支持部51に対して旋回アーム部52が水平旋回すると、昇降ユニット11及び左右両側の反転支持部31が、鉛直軸線X回りに水平旋回される。これにより、荷受台16が起立姿勢とされた昇降ユニット11は、旋回機構50により、荷台2上において不使用位置と格納位置との間で水平旋回可能である。
【0061】
不使用位置では、上記の通り、昇降ユニット11が荷台2上に配置されるとともに、一対の昇降支柱12が左右方向に沿って配置された状態となる。格納位置では、昇降ユニット11が荷台2上に配置されるとともに、一対の昇降支柱12が前後方向(一方向)に沿って配置された状態となる。本実施形態では、格納位置において、一対の昇降支柱12は、左側の側壁3付近において、当該側壁3に沿って配置される。車両1は、昇降ユニット11を格納位置にした状態で走行する。
【0062】
なお、図示を省略するが、荷受台昇降装置10は、旋回規制構造と旋回固定構造をさらに備えている。旋回規制構造は、旋回機構50により格納位置から不使用位置へ水平旋回する昇降ユニット11が、不使用位置を超えて水平旋回するのを規制するものである。旋回固定構造は、昇降ユニット11が不使用位置及び格納位置にあるとき、旋回機構50による昇降ユニット11の水平旋回を不能にするものである。
【0063】
[本実施形態の作用効果]
第1実施形態の荷受台昇降装置10によれば、昇降ユニット11の荷受台16を使用しないときには、荷受台16を一対の昇降支柱12に沿う起立姿勢とした状態で、反転機構30により昇降ユニット11を使用位置から荷台2上の不使用位置へ反転させることができる。これにより、昇降ユニット11の昇降支柱12及び荷受台16が荷台2上に配置され、昇降支柱12及び荷受台16が荷台2の後方及び下方に張り出すのが抑制されるので、荷受台16を使用しないときに昇降支柱12及び荷受台16が損傷するのを抑制することができる。
【0064】
また、不使用位置にある昇降ユニット11を、旋回機構50により格納位置へ旋回させることができる。昇降ユニット11が格納位置にあるとき、一対の昇降支柱12は、側壁3に沿って前後方向に配置される。これにより、荷台2の後方から人力で荷物の積み降ろし作業が行われる際に、起立姿勢の荷受台16が、荷台2上の荷物の積載空間を後方から覆うように配置されることはない。その結果、荷受台16を水平展開させることなく人力での荷物の積み降ろし作業を行えるので、当該積み降ろし作業を効率的に行うことができる。
【0065】
また、反転機構30及び旋回機構50は、一対の反転支持部31により荷台2に対して各昇降支柱12を支持しつつ、昇降ユニット11を移動させるように構成されている。これにより、反転機構30及び旋回機構50により昇降ユニット11を反転及び旋回させる際に、各昇降支柱12は荷台2に対して支持されるので、昇降ユニット11を安定した状態で移動させることができる。
【0066】
また、荷受台16が上昇位置あることを検出手段47が検出しなくなると、制御部80は、反転規制部41が規制位置に移動するように駆動手段46を制御する。これにより、荷受台16が上昇位置以外にあるとき、反転規制部41は規制位置にあるので、反転機構30による昇降ユニット11の反転が規制される。したがって、荷受台16の昇降中に、昇降ユニット11が使用位置から不使用位置へ反転するのを抑制することができる。また、荷受台16の昇降中に昇降ユニット11が反転すると、インナコラム13内でスライダ14が自重によって移動し、ワイヤが弛んでしまうが、昇降ユニット11の反転が規制されることで、上記のようなワイヤの弛みも抑制することができる。
【0067】
また、制御部80は、荷受台16が上昇位置にあることを検出手段47が検出すると、反転規制部41が許容位置に移動するように駆動手段46を制御する。これにより、荷受台16が上昇位置まで上昇すると、自動的に昇降ユニット11の反転が許容されるので、昇降ユニット11の反転作業を迅速に行うことができる。
【0068】
また、検出手段47は、荷受台16が上昇位置にあるときのインナコラム13の昇降位置(最上位置)を検出する。この状態で、荷受台16を上昇位置で起立させても、昇降支柱12に対するインナコラム13の昇降位置は変化しないので、検出手段47は、インナコラム13が最上位置にあることを検出した状態で維持される。これにより、反転規制部41は許容位置に保持される。したがって、荷受台16を上昇位置で起立させた状態で昇降ユニット11を反転させるときに、反転規制部41により昇降ユニット11の反転が規制されるのを抑制することができる。
【0069】
また、反転規制部41は、規制位置において反転機構30の従動スプロケット35の回転を規制し、許容位置において従動スプロケット35の回転を許容するように構成されている。このため、反転規制部41を簡単な構成で実現することができる。
【0070】
[その他]
上記実施形態の荷受台昇降装置10は、荷台2の後方から荷物を積み降ろせるように荷台2の後部に設けられているが、荷台2の側方から荷物を積み降ろせるように荷台2の左側部又は右側部に設けられていてもよい。荷受台16は、メインプレート16aの裏面側にサブプレート16bが折り畳まれるように構成されているが、メインプレート16aの表面(荷受面16c)側にサブプレート16bが折り畳まれるように構成されていてもよい。
【0071】
不使用位置における昇降ユニット11は、荷台2上に配置されているが、荷台2の床面2aの高さよりも上方に配置されていれば、荷台2よりも後方に配置されていてもよい。すなわち、反転機構30は、昇降ユニット11を、荷台2の後方に張り出したまま、使用位置と不使用位置との間で移動させるよう構成されていてもよい。その場合、不使用位置における昇降ユニット11の昇降支柱12及び荷受台16が荷台2の下方に張り出すのを抑制できるので、昇降支柱12及び荷受台16が荷台2の後方かつ下方に張り出す場合と比較すれば、昇降支柱12及び荷受台16の損傷を抑制できる。
【0072】
使用位置における昇降ユニット11は、荷台2の下方には張り出さず、荷台2の床面2aの高さよりも上方において荷台2の後方のみに張り出していてもよい。その場合、反転機構30は、昇降ユニット11を、荷台2の床面2aの高さよりも上方において、使用位置と、荷台2上に配置される不使用位置との間で移動させるように構成されればよい。これにより、不使用位置における昇降ユニット11の昇降支柱12及び荷受台16が荷台2の後方に張り出すのを抑制できるので、昇降支柱12及び荷受台16の損傷を抑制できる。
【0073】
反転機構30の反転駆動部34は、本実施形態に限定されるものではない。例えば反転駆動部34は、反転軸314を回転駆動させる電動モータ等のアクチュエータを備えていてもよい。
【0074】
反転機構30は、一対の昇降支柱12を支持しつつ昇降ユニット11を反転させているが、一対の昇降支柱12の一方又は両方を支持せずに昇降ユニット11を反転させてもよい。同様に、旋回機構50は、一対の昇降支柱12を支持しつつ昇降ユニット11を旋回させているが、一対の昇降支柱12の一方又は両方を支持せずに昇降ユニット11を旋回させてもよい。
【0075】
旋回機構50は、昇降ユニット11を水平旋回させる旋回機構に限定されるものではない。例えば、旋回機構50は、不使用位置にある昇降ユニット11を、荷台2上の前方へスライドさせてから、昇降ユニット11の左右方向の中央部に設けた鉛直軸線回りに昇降ユニット11を90°回転させてもよい。また、荷受台昇降装置10は、旋回機構50を備えていなくてもよい。
【0076】
本実施形態の検出手段47は、近接センサからなるが、リミットスイッチ等の他のセンサであってもよい。また、検出手段47は、インナコラム13の昇降位置を検出しているが、これに限定されるものではない。例えば、検出手段47は、荷受台16が上昇位置にあるときのスライダ14の昇降位置を検出してもよいし、上昇位置の荷受台16を直接検出してもよい。また、検出手段47は、荷受台16が上昇位置にあるときの油圧シリンダ22の伸長位置を検出してもよい。
【0077】
本実施形態の反転規制部41は、電動シリンダにより構成されているが、エアシリンダ等の他のアクチュエータにより構成されていてもよい。また、反転規制部41は、従動スプロケット35の回転を規制しているが、これに限定されるものではない。例えば、反転規制部41は、駆動スプロケット36の回転を規制してもよいし、操作部39の回転操作を規制してもよい。また、反転規制部41は、反転アーム33や昇降支柱12の水平軸線C回りの回転を規制してもよい。
【0078】
制御部80は、駆動手段46について、反転規制部41を規制位置に移動させる制御と、反転規制部41を許容位置に移動させる制御とを行っているが、少なくとも反転規制部41を規制位置に移動させる制御を行えばよい。その場合、反転規制部41の許容位置への移動は手動で行うようにすればよい。
【0079】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0080】
1 車両
2 荷台
10 荷受台昇降装置
11 昇降ユニット
12 昇降支柱
13 インナコラム
16 荷受台
30 反転機構
35 従動スプロケット(スプロケット)
41 反転規制部
46 駆動手段
47 検出手段
80 制御部
C 水平軸線