(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093094
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】車両用駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20240702BHJP
F16H 57/04 20100101ALI20240702BHJP
【FI】
H02K9/19 Z
F16H57/04 G
F16H57/04 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209245
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田村 怜也
(72)【発明者】
【氏名】大河内 啓太
【テーマコード(参考)】
3J063
5H609
【Fターム(参考)】
3J063AA01
3J063AB12
3J063AB13
3J063AC01
3J063AC11
3J063BA15
3J063CA01
3J063CA05
3J063CD45
3J063XD03
3J063XD32
3J063XH02
3J063XH22
3J063XH42
5H609BB12
5H609BB18
5H609PP09
5H609QQ04
5H609QQ05
5H609QQ09
5H609RR01
5H609RR31
5H609RR41
5H609RR55
5H609RR67
5H609RR71
(57)【要約】
【課題】冷媒を吸入して吐出するポンプと吐出された冷媒を冷却するクーラとが適切に配置され、ポンプとクーラとを接続する冷媒路が短縮されて、冷媒路の圧力損失を低減する。
【解決手段】回転電機1と駆動伝達機構4とを備えた駆動ユニット2を収容するケース9を備え、ポンプ6とクーラ7とが、ケース9の対象壁部8を挟んで対向するように対象壁部8に取り付けられ、ポンプ6の吐出口62は対象壁部8に向かって開口し、クーラ7の導入口71は対象壁部8に向かって開口し、対象壁部8の内部に、吐出口62と導入口71とを接続する接続冷媒路82が設けられている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機と前記回転電機の駆動力を車輪に伝達する駆動伝達機構とを備えた駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを収容するケースと、
前記回転電機とは異なる駆動源により駆動され、前記ケース内の冷媒を吸入口から吸入して吐出口から吐出するポンプと、
導入口から導入された冷媒を冷却して排出口から排出するクーラと、を備えた車両用駆動装置であって、
前記ポンプと前記クーラとが、前記ケースの対象壁部を挟んで対向するように前記対象壁部に取り付けられ、
前記ポンプの前記吐出口は前記対象壁部に向かって開口し、
前記クーラの前記導入口は前記対象壁部に向かって開口し、
前記対象壁部の内部に、前記吐出口と前記導入口とを接続する接続冷媒路が設けられている、車両用駆動装置。
【請求項2】
前記吐出口と前記導入口とが前記対象壁部を挟んで対向するように配置され、前記接続冷媒路が直線状に形成されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記駆動ユニットが収容された収容空間を囲む包囲壁部を備え、
前記対象壁部は、前記包囲壁部から外側に突出するように形成され、
前記ポンプは、前記ケースの外部に配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記回転電機のロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記回転軸心に直交する方向を径方向として、
前記対象壁部は、前記包囲壁部から前記径方向の外側に突出するように形成され、
前記ポンプは、前記ポンプの前記軸方向の配置領域が、前記回転電機の前記軸方向の配置領域と重複するように配置されている、請求項3に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記ポンプの前記吸入口は前記対象壁部に向かって開口し、
前記クーラの前記排出口は前記対象壁部に向かって開口し、
前記対象壁部の内部に、前記吸入口と前記ケースの内部とを接続する吸入冷媒路の少なくとも一部と、前記排出口と前記ケースの内部とを接続する排出冷媒路の少なくとも一部と、が設けられている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用駆動装置には、ギヤの噛み合い部分や回転体の軸受を潤滑するため、或いは、大きな電流が流れることや摩擦によって発熱する部位を冷却するために、しばしば油が用いられる。油は、車両用駆動装置のケース内に形成された油溜まりに貯留され、車両用駆動装置を構成する回転体による掻き上げや、油溜まりの油を吸引して吐出するオイルポンプによって潤滑対象箇所及び冷却対象箇所に供給される。潤滑や冷却に用いられた油は、再び油溜まりに貯留される。回転体による潤滑や冷却に用いられた油の温度が上昇すると冷却効果が低下するため、油の循環経路にオイルクーラが備えられる場合がある。
【0003】
特開2022-70984号公報には、上述したような油の循環経路に、オイルポンプとオイルクーラとが備えられた車両用駆動装置(1)(モータユニット)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。この車両用駆動装置(1)では、油溜まり(P)に貯留された油が、オイルポンプ(95)により吸引され、オイルクーラ(97)を経由して、一時的に油を貯留するリザーバ(98)を介して、潤滑対象箇所及び冷却対象箇所へ供給されている。そして、オイルポンプ(95)及びオイルクーラ(97)は、車両用駆動装置(1)のケース(6)の外壁に取り付けられている。具体的には、車両用駆動装置(1)が車両に搭載された車両用搭載状態における車両の前後方向での前方側に、オイルポンプ(95)及びオイルクーラ(97)が取り付けられている。ケース(6)の底に形成される油溜まり(P)から油を吸引するためにオイルポンプ(95)は、車両用搭載状態における下側に配置され、オイルクーラ(97)はオイルポンプに対して上側に配置されている。また、オイルポンプ(95)とオイルクーラ(97)とを結ぶ接続油路(92b)は、ケース(6)に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような構成の場合、上下方向に分かれて配置されたオイルポンプとオイルクーラとを結ぶ接続油路の長さが長くなる傾向がある。この接続油路の長さが長くなると、油の粘性抵抗により油路における圧力損失が大きくなる傾向がある。このため、このようなオイルポンプとオイルクーラとが適切に配置され、接続油路が短縮されて、接続油路における圧力損失も低減されることが好ましい。尚、冷却に着目した場合、冷媒は油に限らず、例えばケース内に形成された冷却水路を流れる冷却水を冷媒とすることもできる。このような場合は、冷却水ポンプと冷却水クーラとが適切に配置されることが好ましい。従って、油及び冷却水を少なくとも含む冷媒を吸引して吐出するポンプと、冷媒を冷却するクーラとが適切に配置され、ポンプとクーラとを接続する冷媒路が短縮されて、当該冷媒路における圧力損失も低減されることが好ましい。
【0006】
上記背景に鑑みて、冷媒を吸入して吐出するポンプと吐出された冷媒を冷却するクーラとが適切に配置され、ポンプとクーラとを接続する冷媒路が短縮されて、冷媒路における圧力損失を低減することができる車両用駆動装置の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた車両用駆動装置は、回転電機と前記回転電機の駆動力を車輪に伝達する駆動伝達機構とを備えた駆動ユニットと、前記駆動ユニットを収容するケースと、前記回転電機とは異なる駆動源により駆動され、前記ケース内の冷媒を吸入口から吸入して吐出口から吐出するポンプと、導入口から導入された冷媒を冷却して排出口から排出するクーラと、を備えた車両用駆動装置であって、前記ポンプと前記クーラとが、前記ケースの対象壁部を挟んで対向するように前記対象壁部に取り付けられ、前記ポンプの前記吐出口は前記対象壁部に向かって開口し、前記クーラの前記導入口は前記対象壁部に向かって開口し、前記対象壁部の内部に、前記吐出口と前記導入口とを接続する接続冷媒路が設けられている。
【0008】
この構成によれば、対象壁部を挟んで対向するように対象壁部に取り付けられているポンプの吐出口と、クーラの導入口とがそれぞれ対象壁部に向かって開口しているため、吐出口と導入口とを接続する接続冷媒路の長さを短くし易い。従って、接続冷媒路における圧力損失を少なく抑え易い。。即ち、本構成によれば、冷媒を吸入して吐出するポンプと吐出された冷媒を冷却するクーラとが適切に配置され、ポンプとクーラとを接続する冷媒路が短縮されて、当該冷媒路における圧力損失を低減することができる車両用駆動装置を提供することができる。
【0009】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】車両用駆動装置(第2拡径部、対象壁部)の拡大側面図
【
図4】車両用駆動装置におけるオイルポンプとオイルクーラとを繋ぐ油路を示す模式的な説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、車両用駆動装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1の外観斜視図に示すように、本実施形態の車両用駆動装置100は、体格が大型化することを抑制しつつ、車両用駆動装置100が備える各種の機構及び装置を適切に配置している。即ち、本実施形態の車両用駆動装置100は、冷媒を吸入して吐出するポンプと吐出された冷媒を冷却するクーラとが適切に配置され、ポンプとクーラとを接続する冷媒路が短縮されて、圧力損失を低減することができる構造を備えている。また、圧力損失が大きい場合には、ポンプに要求される吐出圧も高くなる傾向があり、このため、ポンプの体格を大きくしたり、例えばモータなどのポンプの駆動源の出力を高くしたりする必要が生じ、空間利用効率やエネルギー効率の低下要因となる。本実施形態の車両用駆動装置100は、ポンプとクーラとが適切に配置されることで、小型化を図り易い構造も備えている。
【0012】
尚、冷媒は、冷却水や油を用いることができ、冷媒が冷却水の場合には、ポンプは冷却水ポンプ、クーラは冷却水クーラであり、冷媒が油の場合には、ポンプはオイルポンプ、クーラはオイルクーラである。以下では、冷媒が油であり、ポンプがオイルポンプ6であり、クーラがオイルクーラ7である形態を例示して説明する。本実施形態の車両用駆動装置100は、ケース9内に貯留された油を吸入して吐出するオイルポンプ6と吐出された油を冷却するオイルクーラ7とが適切に配置され、オイルポンプ6とオイルクーラ7とを接続する冷媒路である接続油路82が短縮されて、接続油路82における圧力損失を低減することができると共に、車両用駆動装置100の小型化も図り易い構造を備えている。
【0013】
冷媒が油の場合、油は冷却用途に限らず、車両用駆動装置100を構成する回転体や回転体を回転自在に支持する軸受の潤滑にも用いられる。従って、油は車両用駆動装置100のケース9の内部、例えばケース9の底部に貯留され、ケース9内においても飛散している。冷媒が冷却水の場合には、油のようにケース9の底部に貯留されるような形態ではなく、ケース9内に形成された冷却水路内のみを流れている場合が多い。このように予め定められた経路のみを流れる場合においても、冷却水がケース9内に収容されているということができ、ポンプはケース9内の冷却水を吸入するということができる。
【0014】
本明細書において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。尚、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、遊星歯車機構の各回転要素について「駆動連結」という場合には、遊星歯車機構における複数の回転要素が、互いに他の回転要素を介することなく連結されている状態を指すものとする。また、本明細書において「一体的に回転」とは、分離可能か分離不可能かは問わず一体的に回転することをいう。即ち、一体的に回転する複数の部材は同一部材から一体的に形成されていてもよいし、別部材によって構成されて溶接やスプライン結合等によって一体化されていてもよい。また、本明細書において、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の両方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。
【0015】
図1の外観斜視図、
図2のスケルトン図に示すように、車両用駆動装置100は、ロータ12を備えた回転電機1と回転電機1の駆動力を車輪Wに伝達する駆動伝達機構4とを備えた駆動ユニット2と、駆動ユニット2と駆動ユニット2の冷却及び潤滑を行うための油とを収容するケース9と、回転電機1とは異なる駆動源(例えばポンプモータM:
図4参照)により駆動され、ケース9内の油を吸入口61(
図4参照)から吸入して吐出口62(
図3、
図4参照)から吐出するオイルポンプ6と、ケース9の外部に配置され、導入口71(
図3、
図4参照)から導入された油を冷却して排出口72(
図4参照)から排出するオイルクーラ7とを備えている。駆動伝達機構4は、回転電機1の駆動力をそれぞれが車輪Wに駆動連結される一対の出力部材(例えばスプライン係合部59)に伝達するギヤ機構であり、本実施形態では、ロータ軸13の回転を減速する減速機3と、減速機3を介して差動入力要素(差動ケース50)に伝達される回転電機1からの駆動力を一対の出力部材に分配する差動歯車機構5とを備えている。ケース9は、回転電機1、減速機3、及び差動歯車機構5を収容する収容空間Eを形成しており、当該収容空間Eの底に油が貯留されている。尚、冷媒が冷却水の場合には、油のように収容空間Eの底に貯留されることなく、冷却水はケース9内に形成された冷却水路から漏れ出さないように、冷却水路内に収容されている。
【0016】
一対の車輪Wは一対のドライブシャフトDSに駆動連結されている。一対の車輪Wは、第1車輪W1及び第2車輪W2を含み、一対のドライブシャフトDSは、第1ドライブシャフトDS1及び第2ドライブシャフトDS2を含む。第1車輪W1は第1ドライブシャフトDS1に駆動連結され、第2車輪W2は第2ドライブシャフトDS2に駆動連結されている。本実施形態では、差動歯車機構5の出力ギヤである一対のサイドギヤ52は、第1サイドギヤ53と第2サイドギヤ54とを含む。第1サイドギヤ53は、連結軸Jを介して第1ドライブシャフトDS1に駆動連結され、第2サイドギヤ54は、第2ドライブシャフトDS2に駆動連結されている。例えば、第1サイドギヤ53と連結軸Jとはスプライン結合によって連結されており、第2サイドギヤ54と第2ドライブシャフトDS2ともスプライン結合によって連結されている。これらの連結部はスプライン係合部59である。出力部材は、例えばこれらのスプライン係合部59である。また、出力部材は、第1サイドギヤ53、第2サイドギヤ54、第1ドライブシャフトDS1、第2ドライブシャフトDS2、連結軸Jであってもよい。
【0017】
以下の説明では、ロータ12の回転軸心に沿う方向を「軸方向L」とする。そして、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側を「軸方向第2側L2」とする。本実施形態では、回転電機1と減速機3と差動歯車機構5とは、互いに同軸上に、軸方向第1側L1から軸方向第2側L2に向けて記載の順に配置されている。従って、軸方向第1側L1は、減速機3に対して回転電機1が配置されている側、軸方向第2側L2は、減速機3に対して差動歯車機構5が配置されている側である。本実施形態の車両用駆動装置100は、1軸構成であり、回転電機1と減速機3と差動歯車機構5とが配置された軸(回転軸心X)は、車両用駆動装置100の回転軸心Xであると共に、回転電機1、減速機3、差動歯車機構5の回転軸心Xでもある。また、ロータ12の回転軸心Xに直交する方向を「径方向R」とする。そして、径方向Rにおいて、ロータ12の回転軸心X側を「径方向内側R1」とし、その反対側を「径方向外側R2」とする。また、車両用駆動装置100が車両に搭載された車両用搭載状態において鉛直方向に沿う方向を「上下方向V」とする。車両用駆動装置100が車両に水平に搭載されている場合、径方向Rの内の一方向と上下方向Vとは一致する。
【0018】
図1に示すように、ケース9は、収容空間Eの中核となる収容部材である第1ケース部材91及び第2ケース部材92と、カバー部材である第3ケース部材93とを備えている。第1ケース部材91は、内部に概ね回転電機1を収容する部材であり、第2ケース部材92は、内部に概ね駆動伝達機構4(減速機3及び差動歯車機構5)を収容する部材である。第1ケース部材91は第1周壁部9aを備えた筒状部材であり、第2ケース部材92は、第2周壁部9bを備えた有底筒状部材であり、有底筒状の底部に第2ドライブシャフトDS2が貫通する貫通孔が形成されている。第3ケース部材93は、第1ドライブシャフトDS1が貫通する貫通孔が形成された蓋状部材である。
【0019】
第1ケース部材91の軸方向第2側L2には第2ケース部材92の側に開口した第1開口部(符号無し)が形成され、第2ケース部材92の軸方向第1側L1には第1ケース部材91の側に開口した第2開口部(符号無し)が形成されている。また、第1ケース部材91の軸方向第1側L1には、第3ケース部材93の側に開口した第3開口部(符号無し)が形成されている。第1開口部が形成される第1周壁部9aの軸方向第2側L2の端面と、第2開口部が形成される第2周壁部9bの軸方向第1側L1の端面とが当接し、第3開口部が形成される第1周壁部9aの軸方向第1側L1の端面と、第3ケース部材93の軸方向第2側L2の端面とが当接することで、第1開口部、第2開口部、第3開口部が塞がれ、第1ケース部材91、第2ケース部材92、第3ケース部材93により囲まれた空間に収容空間Eが形成される。
【0020】
図1に示すように、第1ケース部材91において第1周壁部9aの内の第1開口部を形成する部分、及び第2ケース部材92において第2周壁部9bの内の第2開口部を形成する部分は、それぞれ径方向Rに拡大された拡径部である。このため、第1ケース部材91と第2ケース部材92との当接部分には、第1周壁部9aの円筒状部、第2周壁部9bの円筒状部に対して、径方向Rに膨らんだ第1拡径部94が形成されている。同様に、第1ケース部材91において第3開口部を形成する部分、及び第3ケース部材93において第1ケース部材91に当接する部分は、それぞれ径方向Rに拡大された拡径部である。このため、第1ケース部材91と第3ケース部材93との当接部分には、第1周壁部9aの円筒状部に対して、径方向Rに膨らんだ第2拡径部95が形成されている。
【0021】
上述した第1周壁部9aは、駆動ユニット2が収容された収容空間Eを囲む包囲壁部に相当する。第2拡径部95は、包囲壁部から径方向Rの外側に突出するように形成されている。後述するように、本実施形態では、第2拡径部95がオイルポンプ6及びオイルクーラ7が取り付けられる対象壁部8に相当し、対象壁部8が、包囲壁部に相当する第1周壁部9aから径方向外側R2に突出するように形成されている。尚、第1拡径部94にオイルポンプ6及びオイルクーラ7が取り付けられる形態も妨げるものではなく、この場合には第2周壁部9bが包囲壁部に相当し、第2周壁部9bから径方向外側R2に突出するように形成された第1拡径部94が対象壁部に相当する。
【0022】
回転電機1は、一対の車輪Wの駆動源として機能する。回転電機1は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置により構成された直流電源(不図示)と電気的に接続され、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。回転電機1は、直流電源に蓄えられた電力により力行して駆動力を発生すると共に、一対の車輪Wの側から伝達される駆動力により発電して直流電源を充電する。
【0023】
図2に示すように、回転電機1のステータ11は、円筒状のステータコア11aを備えている。ステータコア11aは、ケース9(ここでは、第1ケース部材91の第1周壁部9a)に固定されている。回転電機1のロータ12は、円筒状のロータコア12aを備えている。ロータコア12aは、ロータ軸13と一体的に回転するようにロータ軸13に連結され、ステータコア11aに対して回転可能にケース9に支持されている。本実施形態では、回転電機1はインナロータ型の回転電機である。そのため、ロータコア12aが、ステータコア11aに対して径方向内側R1に配置されている。また、ロータ軸13が、ロータコア12aに対して径方向内側R1に配置されている。
【0024】
本実施形態では、回転電機1は回転界磁型の回転電機である。そのため、ステータコア11aには、ステータコイル11bが巻き回され、ステータコア11aに対して軸方向Lの両側に突出したコイルエンド部11eが形成されている。また、図示は省略するが、ロータコア12aには、永久磁石が配置されている。ステータコイル11bは、電流が流れることによって発熱する。ケース9内に貯留された油はコイルエンド部11eに供給され、コイルエンド部11eに振り掛けられてステータコイル11bを冷却する。
【0025】
図2に示すように、本実施形態では、ロータ軸13は、ロータコア12aと同軸の筒状に形成されている。ロータ軸13の軸方向第2側L2における外周側には、減速機3を構成する遊星歯車機構の入力要素であるサンギヤSGがロータ軸13と一体的に回転するように配置されている。本実施形態では、ロータ軸13に一体的にサンギヤSGが形成されている。筒状のロータ軸13の径方向内側R1には、差動歯車機構5の第1サイドギヤ53と第1ドライブシャフトDS1とを連結する連結軸Jが貫通している。
【0026】
差動歯車機構5は、傘歯車式の差動歯車機構である。差動歯車機構は、何れも傘歯車のピニオンギヤ51と、サイドギヤ52とを含む。ピニオンギヤ51は、差動支持部材としての差動ケース50に支持されると共に径方向Rに沿って延在するように配置されたピニオンシャフト55により回転自在に支持されている。ピニオンシャフト55は、差動ケース50と一体的に回転し、ピニオンギヤ51は、ピニオンシャフト55を中心として回転(自転)自在、かつ、差動ケース50の回転軸心Xを中心として回転(公転)自在に構成されている。差動ケース50は、ピニオンギヤ51、サイドギヤ52、ピニオンシャフト55を内部に収容している。
【0027】
本実施形態では、複数のピニオンシャフト55が、差動ケース50の回転軸心を中心として放射状に配置された構成(例えば、軸方向Lに沿う軸方向視で、4つのピニオンシャフト55が十字状に配置された構成)となっている。そして、複数のピニオンシャフト55のそれぞれに、ピニオンギヤ51が取り付けられている。
【0028】
減速機3は、ロータ軸13と一体的に回転する入力要素と、ケース9に固定された固定要素と、差動入力要素(差動ケース50)と一体的に回転する出力要素と、遊星ギヤPGを備えた遊星歯車機構として構成されている。この遊星歯車機構は、1つのサンギヤSG、2つのリングギヤ(第1リングギヤRG1、第2リングギヤRG2)と、一体的に回転する2つのギヤ部(第1ギヤ部PG1、第2ギヤ部PG2)を備えた遊星ギヤPGと、遊星ギヤPGを回転自在に支持するキャリヤCRとを備えた複合型の遊星歯車機構である。
【0029】
サンギヤSGは、ロータ12と一体的に回転するように連結されている。第1リングギヤRG1は、ケース9に固定されている。第2リングギヤRG2は、第1リングギヤRG1に対して軸方向第2側L2に配置され、差動入力要素と一体的に回転するように連結されている。遊星ギヤPGは、サンギヤSG及び第1リングギヤRG1に噛み合う第1ギヤ部PG1と、第1ギヤ部PG1と一体的に回転すると共に第2リングギヤRG2に噛み合う第2ギヤ部PG2とを備えている。本実施形態では、第2ギヤ部PG2は、第1ギヤ部PG1よりも小径に形成されている。本実施形態では、遊星ギヤPGは、同一部材により形成されている。しかし、溶接等によって2つの部材が一体化されていてもよい。本実施形態では、サンギヤSGが入力要素であり、第1リングギヤRG1が固定要素であり、第2リングギヤRG2が出力要素である。キャリヤCRは、何れの回転要素及び固定要素にも連結されていない。
【0030】
ケース9の底部には、ステータコイル11bの冷却、回転部材を回転自在に支持する軸受の潤滑、各種ギヤ等の回転部材の潤滑を行うための油が貯留されている。底部に貯留された油は、吸入冷媒路としての吸入油路81(
図4参照)を介してケース9の外部に配置されたオイルポンプ6に吸引され、オイルポンプ6の吐出口62よりケース9内に形成された油路に導かれる。本実施形態では、オイルポンプ6の吐出口62からオイルクーラ7を介して排出冷媒路としての排出油路83に導かれた油が、不図示の供給油路(供給冷媒路)を介してステータコイル11b、軸受、ギヤ等、冷却や潤滑の対象箇所に供給される。このオイルポンプ6は、
図4に示すように、車輪Wの駆動源である回転電機1とは異なる駆動源(例えばポンプモータM)により駆動され、ケース9における収容空間E内の油を循環させる。
【0031】
油は、ステータコイル11bとの熱交換や、潤滑対象の回転部材や支持部材との熱交換により温度が上昇する。油の温度が上昇すると、冷却や潤滑の効果が低下するため、オイルポンプ6がケース9内の油貯留部から吸引した油、つまり熱を吸収した油は、油を冷却するオイルクーラ7を介してケース9に形成された、或いはケース9内に配置された油路に導かれる。本実施形態では、オイルクーラ7は、オイルポンプ6の吐出口62とオイルクーラ7の導入口71とを連通する接続油路82を介して導入した油を冷却し、排出口72から排出油路83に油を排出する。上述したように、排出油路83に導かれた油は、不図示の供給油路を介してステータコイル11b、軸受、ギヤ等、冷却や潤滑の対象箇所に供給される。即ち、オイルクーラ7は、油の循環経路に設けられて油を冷却する。オイルクーラ7は、空冷方式であっても水冷方式であってもよい。本実施形態では、
図1に示すように、冷却水導入口63及び冷却水排出口64を備えた水冷式のオイルクーラ7を例示している。
【0032】
図1の外観斜視図、及び、
図3の車両用駆動装置100の第2拡径部95(対象壁部8)の拡大側面図に示すように、本実施形態では、オイルポンプ6とオイルクーラ7とは、第2拡径部95を挟んで軸方向Lに並んで配置されている。第2拡径部95は対象壁部8に相当し、オイルポンプ6とオイルクーラ7とは、ケース9の対象壁部8を挟んで対向するように対象壁部8に取り付けられている。本実施形態では、オイルポンプ6は、軸方向第2側L2から対象壁部8の軸方向第2側L2を向いた壁面に当接するように配置され、オイルクーラ7は、軸方向第1側L1から対象壁部8の軸方向第1側L1を向いた壁面に当接するように配置されている。また、
図1、
図3に示すように、本実施形態では、オイルポンプ6に対してオイルクーラ7の方が上下方向Vの上側に配置されている。
【0033】
図3及び
図4に示すように、オイルポンプ6の吐出口62は対象壁部8に向かって開口し、オイルクーラ7の導入口71は対象壁部8に向かって開口している。対象壁部8の内部には、吐出口62と導入口71とを接続する接続冷媒路としての接続油路82が設けられている。尚、「オイルポンプ6とオイルクーラ7とがケース9の対象壁部8を挟んで対向する」とは、対象壁部8に直交する方向(ここでは軸方向L)から見て、オイルポンプ6とオイルクーラ7との少なくとも一部が重複していることをいう(
図3、
図4等参照)。
【0034】
対象壁部8を挟んで対向するように対象壁部8に取り付けられているオイルポンプ6の吐出口62と、オイルクーラ7の導入口71とがそれぞれ対象壁部8に向かって開口しているため、吐出口62と導入口71とを接続する接続油路82の長さを短くし易い。従って、接続油路82における圧力損失を少なく抑え易い。このため、オイルポンプ6に要求される吐出圧を低く抑え易く、オイルポンプ6の小型化も図り易い。
【0035】
本実施形態では、吐出口62と導入口71とが対象壁部8を挟んで対向するように配置され、接続冷媒路(接続油路82)が直線状に形成されている。このような構成により、ポンプ(オイルポンプ6)の吐出口62とクーラ(オイルクーラ7)の導入口71とをほぼ最短距離で結ぶことができるため、接続冷媒路(接続油路82)における圧力損失を少なく抑え易い。従って、ポンプ(オイルポンプ6)に要求される吐出圧を低く抑え易く、ポンプ(オイルポンプ6)の小型化を図り易い。尚、「吐出口62と導入口71とが対象壁部8を挟んで対向する」とは、対象壁部8に直交する方向(ここでは軸方向L)から見て、吐出口62と導入口71との少なくとも一部が重複していることをいう(
図3、
図4等参照)。
【0036】
尚、本実施形態では、吐出口62と導入口71とが軸方向Lに平行な線に沿って、対象壁部8を挟んで対向するように配置されている形態を例示している。このため、接続油路82は、軸方向Lに対して平行状且つ直線状に形成されている。しかし、吐出口62と導入口71とが対向していなくても、吐出口62と導入口71とが対象壁部8を挟んで配置され、接続油路82が斜めの直線状に形成されていてもよい。また、接続油路82が屈曲していたり、曲線状に形成されていたりすることを妨げるものではない。
【0037】
また、
図4に示すように、本実施形態では、オイルポンプ6の吸入口61は対象壁部8に向かって開口し、オイルクーラ7の排出口72は対象壁部8に向かって開口している。そして、対象壁部8の内部に、吸入口61とケース9の内部とを接続する吸入冷媒路(吸入油路81)の少なくとも一部と、排出口72とケース9の内部とを接続する排出冷媒路(排出油路83)の少なくとも一部とが設けられている。
【0038】
この構成によれば、接続冷媒路(接続油路82)に加えて、吸入冷媒路及び排出冷媒路(吸入油路81及び排出油路83)も対象壁部8に設けられているため、オイルポンプ6とオイルクーラ7の周辺において必要な冷媒路を対象壁部8に集約して設けることができる。このため、冷媒路における圧力損失を低減し易く、ポンプ(オイルポンプ6)の小型化を図り易い。従って、車両用駆動装置100の小型化も図り易い。
【0039】
また、
図1を参照して上述したように、対象壁部8(第2拡径部95)は、包囲壁部としての第1周壁部9aから径方向外側R2に突出するように形成されている。そして、
図4に示すように、ポンプ(オイルポンプ6)は、ポンプ(オイルポンプ6)の軸方向Lの配置領域が、回転電機1の軸方向Lの配置領域と重複するように配置されている。このように、ポンプ(オイルポンプ6)と回転電機1との軸方向Lにおける配置領域が重複することで、ポンプ(オイルポンプ6)と回転電機1とが軸方向Lにずらして配置された構成に比べて、車両用駆動装置100の軸方向寸法の小型化を図り易い。
【0040】
本実施形態では、対象壁部8の軸方向第1側L1にオイルクーラ7が配置され、軸方向第2側L2にオイルポンプ6が配置されている形態を例示している。しかし、対象壁部8の軸方向第2側L2にオイルクーラ7が配置され、軸方向第1側L1にオイルポンプ6が配置されている形態であってもよい。そして、この場合には、オイルクーラ7の軸方向Lの配置領域が回転電機1の軸方向Lの配置領域と重複するように、オイルクーラ7が配置されていると好適である。油は、回転電機1の収容空間Eの底部に貯留されるため、ケース9内の油溜め部から油を吸引するオイルポンプ6は、軸方向Lの配置領域が収容対象の駆動ユニット2の軸方向Lの配置領域と重複するように配置されることが好ましい。しかし、油溜め部から吸入口61までの油路を適切に形成することができれば、例えばオイルクーラ7の軸方向Lの配置領域が回転電機1の軸方向Lの配置領域と重複し、オイルポンプ6の軸方向Lの配置領域が回転電機1の軸方向Lの配置領域と重複していなくてもよい。
【0041】
また、上述したように、本実施形態では、対象壁部8が包囲壁部(第1周壁部9a)に対して径方向外側R2に突出しており、対象壁部8に取り付けられるオイルポンプ6及びオイルクーラ7の双方が、ケース9の外部に配置されている形態を例示している。しかし、図示は省略するが、対象壁部8は、その一部が包囲壁部(第1周壁部9a)に対して径方向内側R1に突出するように形成されていてもよい。そして、その場合には、オイルポンプ6及びオイルクーラ7の何れか一方、又は双方が、ケース9内に配置されていてもよい。即ち、冷媒を吸引して吐出するポンプ、及び吐出された冷媒を冷却するクーラの何れか一方、又は双方がケース9内に配置されていてもよい。
【0042】
本実施形態では、ケース9の包囲壁部(第1周壁部9a)から径方向外側R2に突出するように形成された対象壁部8にポンプ(オイルポンプ6)が取り付けられており、ポンプ(オイルポンプ6)は、ケース9の外部に配置されている。つまり、ケース9の収容空間Eにポンプ(オイルポンプ6)を配置しないため、ケース9の小型化を図り易い。従って、車両用駆動装置100の小型化を図り易い。また、駆動ユニット2は主に回転体を用いて構成されているため、必要最低限の収容空間Eを確保するようにケース9が形成された場合、包囲壁部(第1周壁部9a)は筒状の壁部になり易い。車両における車両用駆動装置100の収容空間において、包囲壁部(第1周壁部9a)の周囲にはデッドスペースが生じる場合がある。しかし、本構成によれば、包囲壁部(第1周壁部9a)から外側に突出するように形成された対象壁部8を用いて、そのようなデッドスペースを有効に利用してポンプ(オイルポンプ6)を配置し易い。
【0043】
本実施形態では、オイルポンプ6は、少なくとも一部が軸方向視で第1拡径部94と重複するように配置されている。本実施形態では、オイルクーラ7も、少なくとも一部が軸方向視で第1拡径部94と重複するように配置されている。例えば、第1拡径部94の径方向外側R2の端部に接し、軸方向Lに平行な筒状面を有する仮想的な筒状空間(第1仮想筒状空間)、又は、第2拡径部95の径方向外側R2の端部に接し、軸方向Lに平行な筒状面を有する仮想的な筒状空間(第2筒状仮想空間)の内、より径方向外側R2へ広がる仮想的な筒状空間の中に、オイルポンプ6及びオイルクーラ7が配置される。
図1から理解できるように、この仮想的な筒状空間は円筒状でなくてもよい。そして、このような仮想的な筒状空間は、車両において車両用駆動装置100が搭載される占有空間を示す概念的な境界(バウンダリ)を示することができる。本実施形態の車両用駆動装置100は、このような筒状空間に囲まれたいわゆる搭載可能バウンダリ内に収まるように構成されている。
【0044】
本実施形態のような1軸構成の車両用駆動装置100では、複数の回転軸を有する駆動装置のように、軸間のスペースを利用してオイルポンプ6やオイルクーラ7を配置しにくい。しかし、上記のような仮想的な筒状空間内に収まるようにオイルポンプ6やオイルクーラ7を配置することによって、車両への搭載時に生じる隙間を利用して、効率的にオイルポンプ6やオイルクーラ7を配置し易い。車両側においては、仮想的な筒状空間に相当する空間を、車両用駆動装置100の搭載空間として準備すればよく、種々の車両に対して、同じ車両用駆動装置100を展開し易い。
【0045】
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0046】
(1)上記においては、駆動伝達機構4として、減速機3と差動歯車機構5とを備える形態を例示した。しかし、駆動伝達機構4は、このような構成に限らない。駆動伝達機構4は、例えば、減速機3を備えることなく、差動歯車機構5のみを備える形態であってもよい。また、駆動伝達機構4は、差動歯車機構5を備えることなく、減速機3のみを備え、1つの車輪Wに1つの回転電機1からの動力を伝達する構成であってもよい。また、本実施形態では、減速機3として固定変速比の遊星歯車機構を例示したが、減速機3は複数段の変速比を有していてもよい。
【0047】
(2)上記においては、回転電機1と駆動伝達機構4とが同軸上に配置された1軸構成の車両用駆動装置100を例示した。しかし、車両用駆動装置100は、1軸構成に限らず、2軸以上の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1:回転電機、2:駆動ユニット、4:駆動伝達機構、6:オイルポンプ(ポンプ)、7:オイルクーラ(クーラ)、8:対象壁部、9:ケース、9a:第1周壁部(包囲壁部)、12:ロータ、61:吸入口、62:吐出口、71:導入口、72:排出口、81:吸入油路(吸入冷媒路)、82:接続油路(接続冷媒路)、83:排出油路(排出冷媒路)、100:車両用駆動装置、E:収容空間、L:軸方向、M:ポンプモータ(回転電機とは異なる駆動源)、R:径方向、R2:径方向の外側W:車輪、X:回転軸心