(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093098
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】アクチュエーター及びサポート部材
(51)【国際特許分類】
F16H 25/22 20060101AFI20240702BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20240702BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
F16H25/22 K
F16H25/20 F
F16H25/24 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209250
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】望月 佑真
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB05
3J062AB22
3J062AC07
3J062BA01
3J062CA15
3J062CD04
3J062CD12
3J062CD22
3J062CD36
(57)【要約】
【課題】ボールねじ軸にボールねじナット用のねじ溝の形成以外の加工を行うことなくサポート部材を設置できるアクチュエーター及びサポート部材を提供する。
【解決手段】アクチュエーター1は、両端が回転可能に支持されたボールねじ軸21と、ボールねじ軸21の回転により、ボールねじナットと共に移動する移動部材40と、移動部材40を移動自在に支持するガイド部材31と、ボールねじ軸21の軸端と移動部材40との間でボールねじ軸21を支持すると共に、ガイド部材31に移動自在に支持されるサポート部材50、50-2とを備える。サポート部材50、50-2は、ボールねじ軸21のねじ溝と係合され、ねじ溝に倣って回転される第1回転体51と、第1回転体51が回転することでガイド部材31を転動する第2回転体52とを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が回転可能に支持されたボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸の回転により、ボールねじナットと共に移動する移動部材と、
前記移動部材を移動自在に支持するガイド部材と、
前記ボールねじ軸の軸端と前記移動部材との間で前記ボールねじ軸を支持すると共に、前記ガイド部材に移動自在に支持されるサポート部材と、を備え、
前記サポート部材は、前記ボールねじ軸のねじ溝と係合され、前記ねじ溝に倣って回転される第1回転体と、
前記第1回転体が回転することで前記ガイド部材を転動する第2回転体と、を有する、アクチュエーター。
【請求項2】
前記第1回転体の回転軸は、前記ボールねじ軸の回転軸に直交している、請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項3】
前記第1回転体には、その円周面に前記ねじ溝に係合される複数の突起が形成されている、請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項4】
前記複数の突起のピッチと、前記ねじ溝のピッチとは、同一である、請求項3に記載のアクチュエーター。
【請求項5】
前記複数の突起は、その外面が球面に形成されている、請求項3に記載のアクチュエーター。
【請求項6】
前記ガイド部材は、ラックを有し、
前記第2回転体は、前記ラックと噛合する歯車である、請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項7】
前記移動部材は、前記ガイド部材に転動体を介して支持され、
前記ガイド部材は、前記転動体が転動されるガイドレールを有し、
前記第2回転体は、前記ガイドレールを転動する、請求項1に記載のアクチュエーター。
【請求項8】
前記サポート部材は、前記ガイド部材に対する移動を円滑化させる移動支持部材を有し、
前記移動支持部材は、前記ガイド部材に対する前記サポート部材の位置を調整可能に設けられ、前記ガイド部材の前記第2回転体が転動される前記ガイドレールと対向する側に設置される、請求項7に記載のアクチュエーター。
【請求項9】
前記サポート部材が、複数個設置されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のアクチュエーター。
【請求項10】
両端が回転可能に支持されたボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸の回転により、ボールねじナットと共に移動する移動部材と、
前記移動部材を移動自在に支持するガイド部材と、
前記ボールねじ軸の軸端と前記移動部材との間で前記ボールねじ軸を支持すると共に、前記ガイド部材に移動自在に支持されるサポート部材と、を備えるアクチュエーターに用いられるサポート部材であって、
前記ボールねじ軸のねじ溝と係合され、前記ねじ溝に倣って回転される第1回転体と、
前記第1回転体が回転することで前記ガイド部材を転動する第2回転体と、を有する、サポート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエーター及びサポート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ボールねじ軸の回転により、ボールねじ軸の軸方向へボールねじナットの移動速度より遅い速度で移動する中間サポートを備えるアクチュエータが開示されている。この中間サポートには、滑りナットが設置されている。滑りナットのねじのリードは、ボールねじナットのねじのリードより短いリードに設定されている。そして、ボールねじ軸には、ボールねじナット用のねじ溝に加え、中間サポート用のねじ溝が形成されている。したがって、ボールねじ軸には、ボールねじナット用のねじ溝と、中間サポート用のねじ溝との2つのねじ溝が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のものにおいて、中間サポートをボールねじナットより低速で移動させるために、ボールねじ軸に、ボールねじナット用のねじ溝のリードと異なるリードのねじ溝を形成する必要がある。したがって、特許文献1に開示のものにおいては、ボールねじ軸にボールねじナット用のねじ溝以外のねじ溝を形成するための加工を行う必要がある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ボールねじ軸にボールねじナット用のねじ溝の形成以外の加工を行うことなくサポート部材を設置できるアクチュエーター及びサポート部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアクチュエーターは、
両端が回転可能に支持されたボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸の回転により、ボールねじナットと共に移動する移動部材と、
前記移動部材を移動自在に支持するガイド部材と、
前記ボールねじ軸の軸端と前記移動部材との間で前記ボールねじ軸を支持すると共に、前記ガイド部材に移動自在に支持されるサポート部材と、を備え、
前記サポート部材は、前記ボールねじ軸のねじ溝と係合され、前記ねじ溝に倣って回転される第1回転体と、
前記第1回転体が回転することで前記ガイド部材を転動する第2回転体と、を有する。
【0007】
前記第1回転体の回転軸は、前記ボールねじ軸の回転軸に直交していてもよい。
【0008】
前記第1回転体には、その円周面に前記ねじ溝に係合される複数の突起が形成されていてもよい。
【0009】
前記複数の突起のピッチと、前記ねじ溝のピッチとは、同一であってもよい。
【0010】
前記複数の突起は、その外面が球面に形成されていてもよい。
【0011】
前記ガイド部材は、ラックを有し、
前記第2回転体は、前記ラックと噛合する歯車であってもよい。
【0012】
前記移動部材は、前記ガイド部材に転動体を介して支持され、
前記ガイド部材は、前記転動体が転動されるガイドレールを有し、
前記第2回転体は、前記ガイドレールを転動していてもよい。
【0013】
前記サポート部材は、前記ガイド部材に対する移動を円滑化させる移動支持部材を有し、
前記移動支持部材は、前記ガイド部材に対する前記サポート部材の位置を調整可能に設けられ、前記ガイド部材の前記第2回転体が転動される前記ガイドレールと対向する側に設置されていてもよい。
【0014】
前記サポート部材が、複数個設置されていてもよい。
【0015】
本発明の第2の観点に係るサポート部材は、
両端が回転可能に支持されたボールねじ軸と、
前記ボールねじ軸の回転により、ボールねじナットと共に移動する移動部材と、
前記移動部材を移動自在に支持するガイド部材と、
前記ボールねじ軸の軸端と前記移動部材との間で前記ボールねじ軸を支持すると共に、前記ガイド部材に移動自在に支持されるサポート部材と、を備えるアクチュエーターに用いられるサポート部材であって、
前記ボールねじ軸のねじ溝と係合され、前記ねじ溝に倣って回転される第1回転体と、
前記第1回転体が回転することで前記ガイド部材を転動する第2回転体と、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、ボールねじ軸にボールねじナット用のねじ溝の形成以外の加工を行うことなくサポート部材を設置できるアクチュエーター及びサポート部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るアクチュエーターの斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係るアクチュエーターの分解斜視図(その1)である。
【
図3】実施の形態1に係るアクチュエーターの正面図である。
【
図5】実施の形態1に係るアクチュエーターの分解斜視図(その2)である。
【
図6】実施の形態1に係るアクチュエーターハウジング、移動部材、及びサポート部材の斜視図である。
【
図7】実施の形態1に係るサポート部材及びガイド部材の斜視図である。
【
図8】実施の形態1に係るサポート部材の分解斜視図(その1)である。
【
図9】実施の形態1に係るサポート部材の斜視図である。
【
図10】実施の形態1に係るサポート部材の分解斜視図(その2)である。
【
図11】実施の形態1に係るサポート部材及びガイド部材の断面図である。
【
図12】実施の形態1に係るアクチュエーターの動作を説明するための断面図である。
【
図13】実施の形態2に係るアクチュエーターの斜視図である。
【
図14】実施の形態2に係るアクチュエーターハウジング、移動部材、及びサポート部材の斜視図である。
【
図15】実施の形態2に係るサポート部材及びガイド部材の斜視図である。
【
図16】実施の形態2に係るサポート部材の分解斜視図(その1)である。
【
図17】実施の形態2に係るサポート部材の斜視図である。
【
図18】実施の形態2に係るサポート部材の分解斜視図(その2)である。
【
図19】実施の形態2に係るサポート部材及びガイド部材の断面図である。
【
図20】変形例に係るサポート部材及びガイド部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るアクチュエーター1について説明する。なお、図中のY軸方向は、
図1及び
図2に示すように、スライドカバー43を有するスライドテーブルTが進退する第1方向D1に平行な方向であり、X軸方向及びZ軸方向は、第1方向D1に直交する方向である。また、図中のXY平面は、アクチュエーター1が設置される面に平行な水平面である。
【0019】
アクチュエーター1は、スライドテーブルTが移動するスライダータイプのアクチュエーターであり、スライドテーブルTの移動距離(Y軸方向の長さ)が比較的長いアクチュエーターである。アクチュエーター1は、
図3及び
図4に示すように、スライドテーブルTに加え、モーター10と、ボールねじ20と、アクチュエーターハウジング30と、移動部材40と、サポート部材50、50-2とを備える。
【0020】
モーター10は、出力軸10a(回転軸)と、モーター本体11と、それらを覆うモーターカバーとを有する。モーター10は、アクチュエーターハウジング30から着脱可能な一つのユニットとして構成されている。
【0021】
モーター本体11は、例えば、ローター、ステーター、エンコーダー等を有している。モーター本体11には、電源から図示しないアクチェーターケーブルを経由して電力が供給される。アクチェーターケーブルは、モーター本体11に外部からの電力供給や制御信号の入出力等を行う。モーター本体11に電力が供給されることによって、モーター本体11のローターが回転する。このローターの回転運動は、出力軸10aに出力される。これにより、出力軸10aは回転する。出力軸10aには、カップリング10bが取り付けられている。なお、本実施の形態1においては、モーター本体11のローターの回転運動は、出力軸10aに出力されるが、これに限られない。モーター本体11のローターの回転運動は、減速器によって所定の減速比で減速されてから、出力軸10aに出力されてもよい。
【0022】
ボールねじ20は、ボールねじ軸21と、ボールねじナット22と、カップリング23とを有する。
【0023】
ボールねじ軸21は、両端が回転可能に支持され、ボールねじナット22との螺合に基づいて、ボールねじナット22を直線運動させる。ボールねじ軸21は、ボールねじ軸本体と、ボールねじ軸本体の径よりも小径となるように形成された小径部21a、21bとを有する。
【0024】
ボールねじ軸本体は、その外周面が螺旋状のねじ溝21cが形成されているボールねじ面として構成されている。ねじ溝21cには、ボールねじ用転動体が転動する。
【0025】
ボールねじナット22は、ボールねじ軸21のボールねじ軸本体の外周に配置されている。ボールねじナット22は、ボールねじ軸21に複数のボールねじ用転動体を介して嵌め込まれる。このボールねじ用転動体が転動することにより、ボールねじ軸21の回転運動が、ボールねじナット22の直線運動に円滑に変換される。また、ボールねじナット22は、移動部材40に対して+Y側から取り付けられて、ボルト等により固定されている。
【0026】
カップリング23は、小径部21bに取り付けられている。このカップリング23は、モーター10の出力軸10aに取り付けられているカップリング10bに接続され、回転するカップリング10bと共に回転する。このカップリング23が、カップリング10bと共に回転するように接続されることにより、小径部21bに出力軸10aの回転運動が伝達され、この結果、ボールねじ軸21は、出力軸10aと共に回転する。
【0027】
アクチュエーターハウジング30は、
図5に示すように、ボールねじ20と移動部材40の一部とを収容すると共に、モーター10が固定されている。アクチュエーターハウジング30は、ガイド部材31と、シート32と、フロントブラケット33と、リアブラケット34とを有する。
【0028】
ガイド部材31は、底部分31aと一対の側壁部分31R、31Lと有することで、アクチュエーター1の内部の各構成部品を保護する。また、ガイド部材31は、剛性を有する複数のリニアガイド用転動体を介して、移動部材40を+Y方向及び-Y方向の双方向にスライド移動自在に支持するベースである。ガイド部材31は、例えば、アルミニウム等の金属を押出成形することによって形成されている。ガイド部材31の一対の側壁部分の互いに対向する内面には、Y軸方向に延びる一対の線状の凹部が形成されている。この凹部のそれぞれには、転動体用ガイドレール31bが嵌め込まれている。転動体用ガイドレール31bは、例えば、ガイド部材31の素材であるアルミニウムよりも硬い金属から形成されている。転動体用ガイドレール31bには、Y軸方向に延びる一対の線状の溝31cが形成されている。この転動体用ガイドレール31bの溝31cをリニアガイド用転動体が転動することにより、移動部材40は、第1方向D1(Y軸方向)に円滑に往復運動をする。
【0029】
本実施の形態1においては、ガイド部材31の底部分31aには、後述するサポート部材50が有する歯車が噛合するラック35が設けられている。
【0030】
シート32は、Y軸方向を長手方向とする略矩形のステンレスシートである。シート32の-Y側の端部は、フロントブラケット33に固定されている。シート32の+Y側の端部は、リアブラケット34に固定されている。シート32は、ガイド部材31と共に、アクチュエーター1の内部の各構成部品を保護する。
【0031】
フロントブラケット33は、ガイド部材31の先端側(-Y側)に固定されることで、アクチュエーターハウジング30の-Y側の先端部分を構成する。フロントブラケット33は、例えば、アルミダイガストである本体部と、本体部に被せられると共に樹脂成形により形成されている加飾カバーと、本体部の内部に形成されているベアリング収容空間に配置されるベアリングとを有する。当該ベアリングは、例えば、ボールベアリングである。このベアリングによって、フロントブラケット33は、ボールねじ軸21の小径部21aを回転可能に支持する。
【0032】
リアブラケット34は、ガイド部材31の基端側(+Y側)に固定されている。リアブラケット34は、例えば、アルミダイガストである本体部とベアリングとを有する。本体部の内部には、
図4に示すように、ボールねじ軸21を挿入するための貫通孔がY軸方向に貫通して形成されている。貫通孔の内部には、ベアリングが配置されている。ベアリングは、例えば、ボールベアリングである。このベアリングによって、リアブラケット34は、ボールねじ軸21の小径部21bを回転可能に支持する。
【0033】
移動部材40は、ボールねじ軸21の回転により、ボールねじナット22と共に、+Y方向及び-Y方向の双方向(第1方向D1)にスライド移動する部材である。移動部材40には、Y軸方向に貫通する貫通孔40aが形成されている。この貫通孔40aには、ボールねじ軸21が挿通されると共に、ボールねじナット22が+Y側から挿入されて固定されている。移動部材40は、
図2に示すように、一対のワーク取付け部41を有する。
【0034】
ワーク取付け部41は、
図1及び
図2に示すように、アクチュエーターハウジング30から外部に突出して形成されている。ワーク取付け部41には、ねじ穴が形成されている。このねじ穴に、ねじやボルト等の留め具が捻じ込まれることで、ワーク取付け部41は、図示しないワークを取り付けることが可能に構成されている。
【0035】
サポート部材50は、
図4に示すように、移動部材40とフロントブラケット33との間に配置されている。また、サポート部材50は、ガイド部材31に移動自在に支持されることで、+Y方向及び-Y方向の双方向(第1方向D1)のいずれかに移動可能に配置されている。サポート部材50は、
図6に示すように、移動部材40と共に、ボールねじ軸21がガイド部材31に支持される支点となっており、支点間の距離を短くすることで、ボールねじ軸21の撓みを抑制する。ひいては、サポート部材50は、ボールねじ軸21の回転速度の高速化を図るために設けられている。特に、本発明の実施の形態1に係るアクチュエーター1のように、ボールねじ軸21のY軸方向の長さが長いものの場合には必要性の高い部材である。なお、
図4に示すように、サポート部材50と移動部材40(詳しくは、ボールねじナット22)との支点間距離L3は、ボールねじ軸21の先端と移動部材40(ボールねじナット22)との支点間距離L1のおよそ1/2であることが望ましい(L3≒L1/2)。ただし、これに限られず、アクチュエーター1の用途や設置環境に応じて、支点間距離L3を適宜変更してもよい。サポート部材50は、
図7及び
図8に示すように、本体部50aと、第1回転体51と、第2回転体52と、移動支持部材53と、サポートブッシュ54と、アジャストプレート55と、ベアリング56とを有する。
【0036】
本体部50aは、サポート部材50の各構成部品が取り付けられることで、各構成部品を支持する。本体部50aは、各構成部品を支持する観点から剛性の高い素材から形成されている。本体部50aは、例えば、金属から形成されている。
【0037】
第1回転体51は、
図8に示すように、本体部50aに回転可能に取り付けられている。第1回転体51は、外周面を有する円筒形状に形成されている。第1回転体51は、ボールねじ軸21のねじ溝21cと係合され、回転するねじ溝21cに倣って回転されるように設けられている。第1回転体51は、その回転軸A2が、ボールねじ軸21の回転軸A1に直交して設けられている。この第1回転体51には、その円周面にねじ溝21cに係合される複数の突起51aが形成されている。
【0038】
突起51aは、
図9及び
図10に示すように、第1回転体51の回転軸A2を中心とする円周に沿って、等間隔に形成されている。本実施の形態1においては、
図10に示すように、突起51aは、そのピッチP2が、ねじ溝21cのピッチP1と同一となるように形成されている。また、本実施の形態1においては、突起51aは、その外面が球面となるように形成されている。
【0039】
第2回転体52は、
図8及び
図10に示すように、第1回転体51と共に、ベアリング56によって、回転軸A2回りに回転可能に取り付けられている。また、第2回転体52は、第1回転体51に対して非回転状態に取り付けられていることで、第1回転体51と共に回転するように設けられている。第2回転体52は、
図8及び
図10に示すように、第1回転体51が回転軸A2回りに回転することで、第1回転体51と共に回転し、ガイド部材31上を転動する。具体的には、第2回転体52は、第1回転体51がねじ溝21cに倣って回転することで、第1回転体51と共に回転し、この第1回転体51の回転に伴って、ガイド部材31上を転動する。第2回転体52は、本実施の形態1においては、歯車として構成されている。詳しくは、第2回転体52は、本実施の形態1においては、歯が形成されている外周面が傾斜面に形成されている「かさ歯車」として構成されている。
【0040】
移動支持部材53は、
図7及び
図11に示すように、ガイド部材31に対するサポート部材50のY軸方向の移動を円滑化させるために用いられる。移動支持部材53は、軸心部分と、この軸心部分に巻き付けられているように設けられている円環状の樹脂部分とを有する。移動支持部材53は、本実施の形態1では、3つ設けられている。
【0041】
3つの移動支持部材53のうちの2つの移動支持部材53は、本体部50aの+X側の端部に、アジャストプレート55を介して取り付けられている。また、2つの移動支持部材53は、Z軸を中心軸として回転可能にアジャストプレート55に取り付けられている。これら2つの移動支持部材53は、ガイド部材31の+X側の転動体用ガイドレール31bの溝31cに転動可能に設置される。
【0042】
3つの移動支持部材53のうちの1つの移動支持部材53は、本体部50aの-X側の端部に、直接取り付けられている。また、1つの移動支持部材53は、Z軸を中心軸として回転可能に本体部50aの-X側の端部に取り付けられている。この1つの移動支持部材53は、ガイド部材31の-X側の転動体用ガイドレール31bの溝31cに転動可能に設置される。
【0043】
サポートブッシュ54は、
図8及び
図10に示すように、本体部50aの先端側(-Y側)及び基端側(+Y側)の両側から取り付けられて固定されている。サポートブッシュ54は、円環形状から一部を切り欠いた断面がC形の形状に形成されることで、ボールねじ軸21の外周面に接することが可能な形状に形成されている。このサポートブッシュ54は、ボールねじ軸21の外周を摺動することで、サポート部材50がボールねじ軸21の外周を円滑に摺動させるために設けられている。サポートブッシュ54は、例えば、ボールねじ軸21の外周を円滑に摺動可能な潤滑性を有する樹脂から形成されている。しかしながら、これに限られない。サポートブッシュ54は、ボールねじ軸21の外周を円滑に摺動可能な素材であればよい。また、サポートブッシュ54は、本体部50aの先端側(-Y側)及び基端側(+Y側)の両側から2つ取り付けられている。しかしながら、サポートブッシュ54は、本体部50aに1つのみ取り付けられていてもよいし、本体部50aに3つ以上取り付けられていてもよい。
【0044】
アジャストプレート55は、2つの移動支持部材53を回転可能に支持する。アジャストプレート55には、2つのねじ孔が形成されている。この2つのねじ孔に、ボルト、ねじなどの2本の留め具が捻じ込まれることにより、アジャストプレート55は、2つの移動支持部材53と共に、本体部50aの+X側の端部に取り付けられる。また、移動支持部材53は、ガイド部材31に対するサポート部材50の位置を調整可能に設けられている。具体的には、本体部50aに対するアジャストプレート55のX軸方向における位置を調整することで、本体部50aに対する移動支持部材53のX軸方向と同一の方向である第2方向D2における位置を調整することができる。これにより、
図11に示すように、ガイド部材31に対して移動支持部材53を適切な押圧力で、側壁部分31L、31Rの転動体用ガイドレール31bに転動可能に設置することができると共に、サポートブッシュ54の軸心とボールねじ軸21の軸心とを適切な状態にすることができる。
【0045】
ベアリング56は、
図8及び
図10に示すように、例えば、ベアリング本体やベアリングシャフトを含んで構成されている。
【0046】
サポート部材50-2は、
図4に示すように、移動部材40とリアブラケット34との間に配置されている。サポート部材50-2は、サポート部材50と同等の形状、構造のものであり、サポート部材50と同様に、+Y方向及び-Y方向の双方向(第1方向D1)のいずれかに移動可能に配置されている。サポート部材50-2は、移動部材40及びサポート部材50と共に、ボールねじ軸21がガイド部材31に支持される支点となっており、支点間の距離を短くすることで、ボールねじ軸21の撓みを抑制する。ひいては、サポート部材50-2は、ボールねじ軸21の回転速度の高速化を図るために設けられている。特に、本発明の実施の形態1に係るアクチュエーター1のように、ボールねじ軸21のY軸方向の長さが長いものの場合には必要性の高い部材である。なお、サポート部材50-2と移動部材40(詳しくは、ボールねじナット22)との支点間距離L4は、ボールねじ軸21の基端と移動部材40(詳しくは、ボールねじナット22)との支点間距離L2のおよそ1/2であることが望ましい(L4≒L2/2)。ただし、これに限られず、アクチュエーター1の用途や設置環境に応じて、支点間距離L4を適宜変更してもよい。サポート部材50-2は、
図6に示すように、サポート部材50と同様に、本体部50aと、第1回転体51と、第2回転体52と、移動支持部材53と、サポートブッシュ54と、アジャストプレート55と、ベアリング56とを有する。サポート部材50-2の本体部50a、第1回転体51などの各構成部品は、サポート部材50のものと同じものである。
【0047】
上述のように構成されたアクチュエーター1の動作について、図を参照しつつ説明する。
【0048】
先ず、
図12に示すように、モーター10のモーター本体11に電源が供給されることによって、出力軸10aが、矢印A3に示すように、ボールねじ軸21と共に回転する。ボールねじ軸21が回転すると、移動部材40は、矢印A4に示すように、第1方向D1(Y軸方向)に移動する。すると、サポート部材50、50-2も、第1回転体51がねじ溝21cに倣って回転されるため、矢印A5、A6に示すように、移動部材40と同じ方向、且つ、移動部材40の移動速度のおよそ1/2の移動速度で移動する。サポート部材50の移動速度が移動部材40の移動速度のおよそ1/2であるため、サポート部材50と移動部材40との支点間距離L3が、ボールねじ軸21の先端と移動部材40との支点間距離L1のおよそ1/2であることが維持される。同様に、サポート部材50-2の移動速度が移動部材40の移動速度のおよそ1/2であるため、サポート部材50-2と移動部材40との支点間距離L4が、ボールねじ軸21の基端と移動部材40との支点間距離L2のおよそ1/2であることが維持される。
【0049】
また、サポート部材50、50-2は、矢印A5、A6に示すように、第2回転体52が、ガイド部材31のラック35と噛合しつつ、ガイド部材31上を移動する。このため、サポート部材50、50-2は、位置ずれを抑制でき、支点間距離L3、L4が支点間距離L1、L2のおよそ1/2であることが維持されつつ、第1方向D1(Y軸方向)に移動する。
【0050】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るアクチュエーター1において、
図6及び
図7に示すように、サポート部材50、50-2は、ボールねじ軸21のねじ溝21cと係合され、ねじ溝21cに倣って回転される第1回転体51を有する。したがって、本実施の形態1では、ボールねじ軸21のねじ溝21cは、移動部材40の第1方向D1の移動に加えて、サポート部材50、50-2の第1方向D1の移動にも用いられる。このため、本実施の形態1においては、ボールねじ軸21にねじ溝21c以外に、ねじ溝21cとは別のねじ溝を形成する加工を行うことなく、サポート部材50、50-2を設置できるアクチュエーター1と、そのアクチュエーター1に用いられるサポート部材50、50-2を提供することができる。
【0051】
また、本実施の形態1においては、ボールねじ軸21にねじ溝21c以外の加工を行う必要が無いため、アクチュエーター1の製造コストを抑制することができる。
【0052】
また、本実施の形態1においては、ボールねじ軸21にねじ溝21c以外の加工を行う必要が無いため、アクチュエーター1の製造コストを抑制することができる。
【0053】
また、本実施の形態1においては、
図7及び
図8に示すように、ガイド部材31は、ラック35を有し、第2回転体52は、ラック35と噛合する歯車である。このため、
図12に示すように、サポート部材50、50-2は、位置ずれを抑制でき、支点間距離L3、L4が支点間距離L1、L2のおよそ1/2であることが維持されつつ、第1方向D1(Y軸方向)に移動することができる。
【0054】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るアクチュエーター1においては、
図7に示すように、移動支持部材53は、3つ設けられている。しかしながら、これに限られない。以下、移動支持部材53の数が異なる実施の形態2に係るアクチュエーター2について、図を参照して、実施の形態1との相違点を主に説明する。説明した相違点以外は、実施の形態1と同一又は同等のものとする。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0055】
アクチュエーター2は、
図13に示すように、スライドテーブルTと、モーター10と、ボールねじ20と、アクチュエーターハウジング30と、移動部材40と、サポート部材50B、50B-2とを備える。
【0056】
スライドテーブルT、モーター10、ボールねじ20、及び移動部材40は、実施の形態1のものと同じものである。
【0057】
アクチュエーターハウジング30においては、ガイド部材31がラック35(
図7参照)を有していない点以外は、実施の形態1のものと同じものである。
【0058】
サポート部材50Bは、移動部材40の先端側(-Y側)に配置されている。また、サポート部材50Bは、ガイド部材31に移動自在に支持されることで、+Y方向及び-Y方向の双方向(第1方向D1)のいずれかに移動可能に配置されている。サポート部材50Bは、
図15及び
図16に示すように、本体部50aと、第1回転体51と、第2回転体52と、移動支持部材53と、サポートブッシュ54と、アジャストプレート55と、ベアリング56とを有する。
【0059】
本体部50aは、サポート部材50の各構成部品が取り付けられることで、各構成部品を支持する。
【0060】
第1回転体51は、
図16に示すように、本体部50aに回転可能に取り付けられている。第1回転体51は、外周面を有する円筒形状に形成されている。第1回転体51は、ボールねじ軸21のねじ溝21cと係合され、回転するねじ溝21cに倣って回転されるように設けられている。第1回転体51は、その回転軸A2が、ボールねじ軸21の回転軸A1に直交して設けられている。なお、本実施の形態2においては、第1回転体51の回転軸A2は、実施の形態1のものと異なり、Z軸方向に平行な軸である。この第1回転体51には、その円周面にねじ溝21cに係合される複数の突起51aが形成されている。
【0061】
突起51aは、
図17及び
図18に示すように、第1回転体51の回転軸A2を中心とする円周に沿って、等間隔に形成されている。本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、
図16に示すように、突起51aは、そのピッチP2が、ねじ溝21cのピッチP1と同一となるように形成されている。また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、突起51aは、その外面が球面となるように形成されている。
【0062】
第2回転体52は、
図16及び
図18に示すように、第1回転体51と共に、ベアリング56によって、回転軸A2回りに回転可能に取り付けられている。また、第2回転体52は、第1回転体51に対して非回転状態に取り付けられていることで、第1回転体51と共に回転するように設けられている。第2回転体52は、第1回転体51が回転軸A2回りに回転することで、第1回転体51と共に回転し、ガイド部材31上を転動する。具体的には、第2回転体52は、第1回転体51がねじ溝21cに倣って回転することで、第1回転体51と共に回転し、この第1回転体51の回転に伴って、ガイド部材31上を転動する。第2回転体52は、本実施の形態1においては、歯車ではなく、
図18及び
図19に示すように、ガイド部材31の-X側の転動体用ガイドレール31bの溝31cを転動する転動体である。第2回転体52は、転動体用ガイドレール31bを転動しやすい素材、例えば、樹脂から形成される。
【0063】
移動支持部材53は、
図15及び
図19に示すように、ガイド部材31に対するサポート部材50のY軸方向の移動を円滑化させるために用いられる。移動支持部材53は、軸心部分と、この軸心部分に巻き付けられているように設けられている円環状の樹脂部分とを有する。移動支持部材53は、本実施の形態1では、2つ設けられている。
【0064】
2つの移動支持部材53は、本体部50aの+X側の端部に、アジャストプレート55を介して取り付けられている。また、2つの移動支持部材53は、Z軸を中心軸として回転可能にアジャストプレート55に取り付けられている。これら2つの移動支持部材53は、ガイド部材31の+X側の転動体用ガイドレール31bの溝31cに転動可能に設置される。
【0065】
また、移動支持部材53は、ガイド部材31に対するサポート部材50Bの位置を調整可能に設けられている。具体的には、本体部50aに対するアジャストプレート55のX軸方向における位置を調整することで、本体部50aに対する移動支持部材53のX軸方向と同一の方向である第2方向D2における位置を調整することができる。これにより、移動支持部材53は、
図19に示すように、第2回転体52を適切な押圧力A7で、側壁部分31Lの転動体用ガイドレール31bに転動可能に設置することができると共に、
図16に示すように、サポートブッシュ54の軸心とボールねじ軸21の軸心とを適切な状態にすることができる。
【0066】
サポートブッシュ54は、
図16及び
図18に示すように、本体部50aの先端側(-Y側)及び基端側(+Y側)の両側から取り付けられて固定されている。サポートブッシュ54は、円環形状から一部を切り欠いた断面がC形の形状に形成されることで、ボールねじ軸21の外周面に接することが可能な形状に形成されている。このサポートブッシュ54は、ボールねじ軸21の外周を摺動することで、サポート部材50がボールねじ軸21の外周を円滑に摺動させるために設けられている。サポートブッシュ54は、例えば、ボールねじ軸21の外周を円滑に摺動可能な潤滑性を有する樹脂から形成されている。しかしながら、これに限られない。サポートブッシュ54は、ボールねじ軸21の外周を円滑に摺動可能な素材であればよい。また、サポートブッシュ54は、本体部50aの先端側(-Y側)及び基端側(+Y側)の両側から2つ取り付けられている。しかしながら、サポートブッシュ54は、本体部50aに1つのみ取り付けられていてもよいし、本体部50aに3つ以上取り付けられていてもよい。
【0067】
アジャストプレート55は、2つの移動支持部材53を回転可能に支持する。アジャストプレート55には、2つのねじ孔が形成されている。この2つのねじ孔に、ボルト、ねじなどの2本の留め具が捻じ込まれることにより、アジャストプレート55は、2つの移動支持部材53と共に、本体部50aの+X側の端部に取り付けられる。
【0068】
サポート部材50B-2は、
図14に示すように、移動部材40の+Y側に配置されている。サポート部材50B-2は、サポート部材50Bと同等の形状、構造のものであり、サポート部材50Bと同様に、+Y方向及び-Y方向の双方向(第1方向D1)のいずれかに移動可能に配置されている。サポート部材50B-2は、本体部50aと、第1回転体51と、第2回転体52と、移動支持部材53と、サポートブッシュ54と、アジャストプレート55と、ベアリング(
図16に示すサポート部材50Bが有するベアリング56と同等のもの)とを有する。サポート部材50B-2の本体部50a、第1回転体51などの各構成部品は、サポート部材50Bのものと同じものである。
【0069】
実施の形態2に係るアクチュエーター2においても、本実施の形態1と同等の効果を有することができる。
【0070】
また、実施の形態2においては、移動支持部材53の数を少なくすることができる。このため、アクチュエーター2の製造コストを抑制することができる。
【0071】
また、実施の形態2においては、ガイド部材31からは、実施の形態1とは異なり、第2回転体52が噛合するラックを割愛することができる。このため、アクチュエーター2の製造コストを抑制することができる。しかしながら、サポート部材50B、50B-2の位置ずれ抑制の観点からは、実施の形態1のように、ガイド部材31は、第2回転体52が噛合するラックを有する方が好ましい。
【0072】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0073】
例えば、本実施の形態1、2に係るアクチュエーター1、2は、
図2及び
図13に示すように、フロントブラケット33と移動部材40との間と移動部材40とリアブラケット34との間に1つずつサポート部材50、50-2、50B、50B-2を備える。しかしながら、これに限られない。アクチュエーター1、2は、フロントブラケット33と移動部材40との間と移動部材40とリアブラケット34との間に2つずつ以上のサポート部材50、50-2、50B、50B-2を備えてもよい。サポート部材50、50-2、50B、50B-2の数を増やすことにより、アクチュエーター1、2においては、さらに長尺化を実現することができる。
【0074】
また、本実施の形態1、2に係るアクチュエーター1、2では、
図11及び
図19に示すように、第1回転体51の回転軸A2は、ボールねじ軸21の回転軸A1に直交している。しかしながら、これに限られない。第1回転体51の回転軸A2は、ボールねじ軸21の回転軸A1に直交していてなくてもよい。
【0075】
また、本実施の形態1、2に係るアクチュエーター1、2では、
図10及び
図16に示すように、突起51aは、その外面が球面に形成されている。しかしながら、これに限られない。突起51aは、その外面が球面以外の形状に形成されていてもよい。
【0076】
また、本実施の形態1、2に係るアクチュエーター1、2では、
図10及び
図16に示すように、複数の突起51aのピッチP2と、ねじ溝21cのピッチP1とは、同一である。しかしながら、これに限られない。複数の突起51aのピッチP2と、ねじ溝21cのピッチP1とは、異なっていてもよい。例えば、ピッチP1、P2は、移動部材40とサポート部材50、50-2、50B、50B-2との減速比の設定に応じて、適宜変更されてもよい。
【0077】
また、本実施の形態1に係るアクチュエーター1では、
図7及び
図11に示すように、第2回転体52が噛合するラック35は、ガイド部材31の底部分31aに設けられている。しかしながら、これに限られない。
図20に示す変形例に係るサポート部材50Cのように、ラック35は、ガイド部材31の側壁部分31R、31Lに設けられていてもよい。この場合、例えば、ラック35は、側壁部分31Lの転動体用ガイドレール31bと並行に、側壁部分31Lに取り付けられる。また、第2回転体52は、その回転軸A2がZ軸方向に平行な軸となるように設けられると共に、歯車として形成される。
【0078】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0079】
1,2:アクチュエーター
10:モーター
10a:出力軸
10b:カップリング
11:モーター本体
20:ボールねじ
21:ボールねじ軸
21a,21b:小径部
21c:ねじ溝
22:ボールねじナット
23:カップリング
30:アクチュエーターハウジング
31:ガイド部材
31R,31L:側壁部分
31a:底部分
31b:転動体用ガイドレール
31c:溝
32:シート
33:フロントブラケット
34:リアブラケット
35:ラック
40:移動部材
40a:貫通孔
41:ワーク取付け部
43:スライドカバー
50,50-2,50B,50B-2,50C:サポート部材
50a:本体部
51:第1回転体
51a:突起
52:第2回転体
53:移動支持部材
54:サポートブッシュ
55:アジャストプレート
56:ベアリング
T:スライドテーブル
A1,A2:回転軸
A3,A4,A5,A6:矢印
A7:押圧力
D1:第1方向
D2:第2方向
L1,L2,L3,L4:支点間距離
P1,P2:ピッチ