(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093120
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】シート積載装置及びシート積載装置を備えた画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 31/38 20060101AFI20240702BHJP
B65H 33/08 20060101ALI20240702BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65H31/38
B65H33/08
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209292
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
【テーマコード(参考)】
2H072
3F054
【Fターム(参考)】
2H072AA22
2H072FB08
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA04
3F054BB01
3F054BB07
3F054BF09
3F054BH14
3F054CA06
3F054CA13
3F054DA01
(57)【要約】
【課題】 積載トレイ上のシートの積載状態の変化によって、ジョブの途中で積載トレイ上でのシート整合を禁止する必要がある場合、以降に積載されるシートの整列性低下を防止する。
【解決手段】 積載トレイ上でのシート整合ができないと判断した場合、シートを処理トレイに排出して処理トレイ上でシート整合して排出するように切り替えることによって、積載トレイ上でシート整合できない場合であっても整列性の低下を防止する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬入する搬入口と、
前記搬入口から搬入されるシートを所定の搬送方向へ搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される搬送シートを1枚以上受け入れる処理トレイと、
前記搬送方向と直交し且つ前記搬送シートの面に沿った幅方向に移動して前記処理トレイに受け入れたシートを整合する第1整合手段と、
前記前記第1整合手段により整合された前記搬送シートに所定の後処理を施す後処理手段と、
前記第1整合手段により整合された前記搬送シート及び前記後処理手段により前記後処理を施された前記搬送シートを前記処理トレイから排出する第1排出手段と、
前記搬送シートを前記処理トレイに受け入れさせることなく、前記搬送手段から排出する第2排出手段と、
前記第1排出手段及び前記第2排出手段により排出される前記搬送シートを積載する積載トレイと、
前記幅方向に移動して前記積載トレイが積載する前記搬送シートを整合する第2整合手段と、
前記第2排出手段により前記積載トレイに排出される前記搬送シートが前記第2整合手段によって整合可能か否か判別する判別手段と、
前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートを前記搬送手段により前記処理トレイに排出した後、前記搬送シートを前記第1整合手段により整合して前記第1排出手段により前記積載トレイに排出すべく、前記搬送手段、前記第1整合手段及び前記第1排出手段を制御する制御手段と、
を備えたシート積載装置。
【請求項2】
前記搬入口は、1枚以上のシートで構成される所定部数の各部の間(部同士の間)に所定の間隔を以ってシートを搬入すると共に、1部当たりのシート枚数を認識する認識手段を更に備え、
前記認識手段により認識される1部当たりのシート枚数が所定枚数以上の場合、前記制御手段は、前記判別手段によって前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートを前記搬送手段により前記処理トレイに排出した後、前記搬送シートを前記第1整合手段により整合して前記第1排出手段により前記積載トレイに排出し、
前記認識手段により認識される1部当たりのシート枚数が所定枚数未満の場合、前記制御手段は、前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートを前記第2排出手段により前記処理トレイに受け入れさせることなく、前記搬送手段から前記積載トレイに排出すべく、前記搬送手段、前記第1整合手段、前記第1排出手段及び前記第2排出手段を制御する請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記搬入口は、1枚以上のシートで構成される所定部数の各部の間(部同士の間)に所定の間隔を以ってシートを搬入すると共に、前記搬送シートを各部毎に前記幅方向に交互にずらすジョグ処理指示を受診する受診手段を更に備え、
前記受診手段が前記ジョグ処理指示を受診した場合、前記制御手段は、前記処理トレイに受け入れられた前記各部を前記第1整合手段により前記幅方向に交互にずらした後、前記第1排出手段により前記積載トレイに排出する第1ジョグ処理と、前記第2排出手段により、前記搬送シートを前記処理トレイに受け入れさせることなく、前記搬送手段から前記積載トレイに排出する前記各部を前記第2整合手段により前記幅方向に交互にずらす第2ジョグ処理とを実施すべく、前記搬送手段、前記第1整合手段、前記第2整合手段、前記第1排出手段及び前記第2排出手段を制御すると共に、
前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートに前記第1ジョグ処理を施す請求項2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
ジョブの最初の前記搬送シートが前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された場合、前記制御手段は、前記ジョブの全ての前記搬送シートを前記搬送手段により前記処理トレイに排出した後、前記搬送シートを前記第1整合手段により整合して前記第1排出手段により前記積載トレイに排出すべく、前記搬送手段、前記第1整合手段及び前記第1排出手段を制御する請求項3に記載のシート積載装置。
【請求項5】
前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートを前記処理トレイに受け入れさせることなく、前記搬送手段から排出すべく、前記制御手段に前記搬送手段及び前記第1排出手段を制御するよう強制する強制手段を更に備えた請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項6】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記請求項1乃至5の何れかに記載のシート積載装置を備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されるシートにミシン目を形成する処理を施したシートを積載するシート積載装置及びそれを用いた画像形成システム(画像形成装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置から排出されてきたシートにミシン目を穿孔するシート処理装置が知られている(特許文献1)。該特許文献1記載のシート処理装置は、シート処理装置でミシン目を形成したシートを下流側に搬送し、シート積載装置(フィニッシャ)に搬送する。そして従来フィニッシャでは、シートを積載するための積載トレイ上でシートを整合する整合板を備える(特許文献2)ことがよく知られており、特許文献1においても、この積載トレイにミシン目を施したシートが積載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-206420号公報
【特許文献2】特許第5825914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートにミシン目を形成するには、微細な穿孔穴をシート搬送方向と直交する方向に複数形成するが、打ち抜き処理(所謂パンチ処理)とは異なり穿孔穴をあけた部分を切り抜く処理ではないため、ミシン目を形成した周囲にバリやカエリなどの凸部が生じる。
上述のバリやカエリが発生したミシン目処理済みのシートを、フィニッシャの積載トレイに多数枚積載していくと、凸部が形成された部分が盛り上がることで、積載トレイ上での整合の際、整合板が本来整合したいシート位置に正しく当接できなくなるため、積載トレイ上での整合を禁止せざるを得なくなり、結果として整列性が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明は、ミシン目を形成したシートを積載するシート積載装置において、上述した課題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決する為、シートを搬入する搬入口と、前記搬入口から搬入されるシートを所定の搬送方向へ搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される搬送シートを1枚以上受け入れる処理トレイと、前記搬送方向と直交し且つ前記搬送シートの面に沿った幅方向に移動して前記処理トレイが受け入れる前記搬送シートを整合する第1整合手段と、前記前記第1整合手段により整合された前記搬送シートに所定の後処理を施す後処理手段と、前記第1整合手段により整合された前記搬送シート及び前記後処理手段により前記後処理を施された前記搬送シートを前記処理トレイから排出する第1排出手段と、前記搬送シートを前記処理トレイに受け入れさせることなく、前記搬送手段から排出する第2排出手段と、前記第1排出手段及び前記第2排出手段により排出される前記搬送シートを積載する積載トレイと、前記幅方向に移動して前記積載トレイが積載する前記搬送シートを整合する第2整合手段と、前記第2排出手段により前記積載トレイに排出される前記搬送シートが前記第2整合手段によって整合可能か否か判別する判別手段と、前記判別手段により前記第2整合手段によって整合不可能と判別された前記搬送シートを前記搬送手段により前記処理トレイに排出した後、前記搬送シートを前記第1整合手段により整合して前記第1排出手段により前記積載トレイに排出すべく、前記搬送手段、前記第1整合手段及び前記第1排出手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、積載トレイ上でのシート整合ができないと判別した場合、シートを処理トレイに排出して処理トレイでシート整合して排出するように切り替えることによって、積載トレイ上でシート整合できない場合であっても整列性の低下を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るシート積載装置を備えたシート処理装置及び画像形成装置の構成を示す断面図である。
【
図2】本発明に係るシート積載装置を備えたシート処理装置及び画像形成装置の制御系の構成を説明するブロック図である。
【
図4】シート処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図5】シート処理装置を搬送方向下流側からみた側面図である。
【
図6】加工処理(ミシン目)が施されたシートの斜視図である。
【
図8】フィニッシャの制御系の構成を示すブロック図である。
【
図9】ミシン目の種類及び位置を設定する画面を示す図である。
【
図10】フィニッシャの積載トレイにシートを積載した状態を示す断面図である。
【
図11】積載トレイにミシン目が施されたシートを積載し続けたときのシートと整合板の位置関係を示した側面図である。
【
図12】ミシン目モードに応じた積載トレイ上でのシート整合可能な上限枚数についての説明図である。
【
図13】シート搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【
図14】シート搬送制御における積載トレイ上でのシート整合可否の判別手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。
【実施例0010】
画像形成装置1は、
図1に示すように、画像形成装置本体600と、該画像形成装置本体側面に隣接配置されたシート処理装置200と、更に該シート処理装置200の画像形成装置本体600と反対側面に隣接配置されたフィニッシャ100とを有する。
【0011】
画像形成装置本体600は、原稿給送装置650及び操作部601を有しており、原稿給送装置650により給送された原稿が読取られ、感光ドラム914a~914dに画像が形成される。なお、ユーザが画像形成装置本体600に対して各種入力や設定を行うために操作部601に臨む位置を画像形成装置1の正面手前側(以下、「手前側」という)といい、装置背面側を奥側という。
【0012】
画像形成装置本体600内のシートカセット909a、909bから供給されたシートは、像担持体となる感光ドラム914a~914d等によってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー画像が転写される。感光ドラム914a~914dはそれぞれシートにトナー画像を形成する画像形成手段となる画像形成部を構成する。そして、定着装置904に搬送されてトナー画像が定着され、片面の画像形成モードであれば、そのまま、排出ローラ907から画像形成装置本体600の外に排出される。両面の画像形成モードであれば、シートは定着装置904から反転ローラ905に受け渡される。そして、シートの搬送方向の後端が反転フラッパ3を越えると反転ローラ905を逆回転させる。これによりシート搬送方向とは逆方向となる両面搬送ローラ906a~906fの方向へシートを搬送する。
【0013】
そして、再度、シートの裏面側にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム914a~914d等によって、4色のトナー画像が転写される。両面にトナー画像が転写されたシートは再度、定着装置904に搬送されてトナー画像が定着された後、排出ローラ907により画像形成装置本体600の外に排出される。
【0014】
シート処理装置200は、画像形成装置本体600の排出ローラ907から排出されたシートをフィニッシャ100に向けて搬送すると共に、該搬送途中にて後述するミシン目形成処理をシートに施す。フィニッシャ100は、シート処理装置200から排出されたシートを受入れ、下積載トレイ750(又は、上積載トレイ751)に排出するが、ユーザの設定に基づき、ステイプル処理や束揃え等の後処理を施した後、下積載トレイ750に排出することもできる。
【0015】
画像形成装置本体600から排出されるシートは、オンラインに接続されたシート処理装置200、フィニッシャ100で処理することができる。尚、画像形成装置本体600は、シート処理装置200を排出口9に接続しないで、単独でも使用できる。画像形成装置本体600は、シート処理装置200、フィニッシャ100をシート排出装置として一体に組み込んでもよい。また、画像形成装置本体600は、上述したカラー画像形成を行う画像形成装置本体に限らず、白黒の画像形成装置本体でもよい。
【0016】
図2は画像形成装置1を制御する制御部4の構成を示すブロック図である。
図2において、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)回路部630は、CPU629、ROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)631、RAM(Random-access Memory;ランダムアクセスメモリ)655を有している。CPU回路部630は、原稿給送装置制御部632、イメージリーダ制御部633、画像信号制御部634、プリンタ制御部635、フィニッシャ制御部636、シート処理制御部638、外部インターフェイス637を制御している。CPU回路部630は、ROM631に格納されているプログラム及び操作部601の設定に従って制御する。原稿給送装置制御部632は、原稿給送装置650を制御する。イメージリーダ制御部633は、イメージリーダ5を制御する。
【0017】
プリンタ制御部635は、画像形成装置本体600を制御する。シート処理制御部638は、
図3に示すシート搬送手段となる搬送ローラ211により搬送されたシートに所定の加工処理を行なうシート処理手段となるシート処理装置200を制御する。
【0018】
フィニッシャ制御部636は、フィニッシャ100を制御する。本実施形態において、シート処理制御部638はシート処理装置200に搭載し、フィニッシャ制御部636はフィニッシャ100に搭載した構成について説明する。
【0019】
本発明はこれに限定されるものではなく、シート処理制御部638やフィニッシャ制御部636はCPU回路部630と一体的に画像形成装置本体600に設け、画像形成装置本体600側からシート処理装置200、フィニッシャ100を制御するようにしても良い。
【0020】
RAM655は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インターフェイス637は、パーソナルコンピュータ(PC)620からのインターフェイスであり、プリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。イメージリーダ制御部633から画像信号制御部634へはイメージセンサ5aで読み取られた画像が出力される。そして、画像信号制御部634からプリンタ制御部635へ出力された画像は像露光手段となるレーザスキャナ10を制御する図示しない露光制御部へ入力される。
【0021】
シート処理制御部638は、シート処理装置200に搭載され、画像形成装置1のCPU回路部630と情報のやり取りを行うことによってシート処理装置200全体の駆動制御を行う。フィニッシャ制御部636は、フィニッシャ100に搭載され、画像形成装置1のCPU回路部630と情報のやり取りを行うことによってフィニッシャ100全体の駆動制御を行う。シート処理制御部638及びフィニッシャ制御部636は、画像形成装置1に設けられる様々なモータ及びセンサ等を制御している。
【0022】
ついで、シート処理装置200について、
図3,
図5に沿って説明する。シート処理装置200は、
図3に示すように、キャスタ270により支持された筐体271を有しており、該筐体271内に水平方向に延びるシート処理パス6が配置されている。該シート処理パス6の中程に加工処理部8が配置されており、加工処理部8は、ミシン目を形成する処理を行うシート処理ユニット220と、該シート処理ユニット220の下流側に隣接して配置される横方向・斜行レジストレーション補正ユニット(以下横レジ斜行補正ユニットという)250を有する。上記シート処理ユニット220の上流側のシート処理パス6に沿って複数個の搬送ローラ対202,208,209、210及び211が配置されており、各搬送ローラは、例えば搬送ローラ211で示すと、シート処理パス6の下側に駆動(アクティブ)ローラ211aが配置され、上側に従動ローラ211bが上記駆動ローラ211aに接するように配置されている。これら搬送ローラの駆動ローラはモータM25により駆動される。また、前記画像形成装置本体600の排出口9に上記シート処理パス6の入口部が整列するよう配置されており、上記排出口9から該シート処理パス6に受入れられたシートを検出する入口センサ201が設置されており、加工処理部8の入口側にシート端検知センサ213及びユニット識別センサ222が配置されている。
【0023】
前記横レジ斜行補正ユニット250の下流側のシート処理パス6にも、上記上流側と同様に、複数の搬送ローラ対214,215,216,206が配置されており、その排出口に排出センサ207が配置されている。該シート処理パス6の排出口は、前記フィニッシャ100のシートパス入口部に整列する。これら下流側の搬送ローラは、その駆動ローラがモータM26により駆動される。
【0024】
前記シート処理ユニット220は、
図5に示すように、ダイプレート225を有しており、上記ダイプレート225の手前側及び奥側端部分にはシャフトガイド228a,228bが立設されており、これらシャフトガイドにミシン目形成刃404が上下方向移動自在に支持されている。
【0025】
図3に示すように、前記シート処理ユニット220の上方に押圧駆動ユニット280が配設されている。押圧駆動ユニット280は、カム駆動モータM21と、該駆動モータM21で駆動される偏心カム282とを有する。偏心カム282は、カムシャフト281により偏心回転して前記ミシン目形成刃404を押圧する。
【0026】
ついで、上述したシート処理装置200の作用を中心として説明する。シート処理装置200は画像形成装置本体600の排出口9から排出されたシートを順に取り込む。シート処理装置200でのシート処理は、画像形成装置本体600に設けられた操作部601によるユーザの設定に応じて動作する。画像形成装置本体600の排出口9から排出されたシートは、シート処理装置200の搬送ローラ202に受け渡される。このとき、入口センサ201によりシートの受渡しタイミングも同時に検知されている。シートは搬送ローラ208~211により加工処理部8に搬送される。そして、
図3及び
図5に示すシート処理ユニット220の搬送パス232を通過する。
【0027】
搬送パス232を通過したシートは、シート搬送方向の所定位置に達したところで停止し、加工処理部8によってミシン目形成処理される。
【0028】
図6は、該シート処理手段によって加工処理(ミシン目)が施されたシートの斜視図である。
図6(a)は、矢印Aで示すシートの搬送方向に対するシートの中心位置近傍に、シートの搬送方向と直交する方向にミシン目を形成するモード(以下、「センターミシン目」という)によってミシン目が施された状態を示している。また、
図6(b)は、矢印Aで示すシートの搬送方向に対するシートの上流側端縁近傍に、シートの搬送方向と直交する方向にミシン目を形成するモード(以下、「シングルミシン目」という)によってミシン目が施された状態を示している。また、
図6(c)は、矢印Aで示すシートの搬送方向に対するシートの中心位置近傍及び、上流側端縁近傍のシートの搬送方向と直交する方向に2ヶ所のミシン目を形成するモード(以下、「ダブルミシン目」という)によってミシン目が施された状態を示している。
【0029】
シート処理ユニット220によりミシン目形成処理されたシートは再び搬送ローラ211により挟持搬送され、搬送ローラ214~216及び搬送ローラ206により搬送されて下流のフィニッシャ100に受け渡される。
【0030】
シート処理ユニット220はミシン目パターンの異なる複数種類の処理ユニットが準備されており、交換可能に搭載される。シート処理ユニット220に搭載された記憶手段となるIC(Integrated Circuit;半導体集積回路)チップ221の記憶部に記憶された種別情報をユニット識別センサ222で読み取る。これにより、どの種類のシート処理ユニット220を加工処理部8に搭載しているかを識別する。
【0031】
図4に示すように、シート処理制御部638は、マイクロコンピュータからなるCPU(Central Processing Unit;中央演算装置)701を有する。更に、RAM(Random Access Memory;ランダムアクセスメモリ)702、ROM(Read Only Memory;リードオンリメモリ)703を有する。更に、入出力部となるI/O(Input/Output)705、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704を有している。更に、搬送制御部707において、シートの搬送処理が行われる。また、シート処理駆動制御部708では、偏心カム282がカム駆動モータM21によって回転駆動制御される。シート処理ユニット識別部709では、識別センサ222にて種別情報を読み取ることにより、搭載されているシート処理ユニット220の種別を識別する。また、横レジ斜行補正制御部710において、シートの斜行補正が行われる。
【0032】
次に、フィニッシャ100の構成について
図7を参照しながら説明する。
図7は
図1のフィニッシャ100の構成図である。
【0033】
フィニッシャ100は、シート処理装置200から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだ複数のシートを整合して1つの束に束ねる処理、束ねたシート束の後端をステイプルで綴じるステイプル処理などの各シート後処理を行う。フィニッシャ100は、シート処理装置200から受け渡されたシートを搬送ローラ対511により搬送パス520に取り込む。搬送ローラ対511により内部に取り込まれたシートは、搬送ローラ対512,513,514を介して搬送される。搬送パス520上には、搬送センサ570,571,572,573が設けられており、それぞれシートの通過を検出している。搬送ローラ対512は、搬送パスセンサ571とともにシフトユニット580に備え付けられている。シフトユニット580は、後述するシフトモータM11により、搬送方向に直交するシート幅方向へシートを移動させることが可能である。搬送ローラ対512がシートを挟持している状態で、シフトモータM11を駆動することにより、搬送しながら、シートをシート幅方向にオフセットすることができる。シフトソートモードでは、部ごとにシート束の位置が幅方向へずらされる。オフセット量としては、幅方向の中心位置に対して手前側に15mm(手前シフト)、或いは奥側に15mm(奥シフト)である。シフト指定がない場合は、シートは手前シフトと同じ位置に排出される。フィニッシャ100は、搬送センサ571の入力によりシートがシフトユニット580を通過したことを検知すると、シフトモータM11を駆動させて、シフトユニット580をセンター位置へと戻す。
【0034】
搬送ローラ対513と搬送ローラ対514の間には、搬送ローラ対514によって反転搬送されるシートをバッファパス523に導く切替フラッパ540が配置されている。切替フラッパ540は不図示のソレノイドにより駆動される。バッファパス523には、バッファパスローラ対519が配置されている。搬送ローラ対514と上排紙ローラ対515の間には、搬送先を上排紙パス521と下排紙パス522の何れかに切り替える切替フラッパ541が配置されている。切替フラッパ541が上排紙パス521側に切り替わると、搬送モータM1により駆動される搬送ローラ対514により、シートは上排紙パス521へと導かれる。そして、シートは排紙モータM2により駆動される上排紙ローラ対515により上積載トレイ751へと排出される。上排紙パス521上には上トレイ排紙センサ574が設けられており、シートの通過を検出している。切替フラッパ541が下排紙パス522側に切り替わると、搬送モータM1によって駆動される搬送ローラ対514により、シートは下排紙パス522へと導かれる。そして、シートは搬送モータM1により駆動される第1下搬送ローラ対516、第2下搬送ローラ対517、および処理トレイ搬送ローラ対518により、処理トレイ530へと導かれる。下排紙パス522上には第1搬送センサ575、第2搬送センサ576が設けられており、シートの通過を検出している。
【0035】
処理トレイ530へと導かれたシートは、不図示の束排紙モータにより駆動される束排紙ローラ対590により、後処理モードに応じて、処理トレイ530上または下積載トレイ750上へと排出される。処理トレイ530上には、下トレイ排紙センサ577が配置されており、シートの通過を検出している。また、処理トレイ530には、処理トレイ530に導かれたシートのシート幅方向を揃えるための整合部材としての整合板760a、760bが配置されている。なお、以降、整合板760a,760bを合わせて整合板760と称することもある。整合板760a、整合板760bは、それぞれ処理トレイ整合モータ(手前)M12、処理トレイ整合モータ(奥)M13によってシート幅方向に移動可能であり、760aが手前側、760bが奥側に配置されている。また、処理トレイ530には、ステイプラユニット591が配置され、処理トレイ530上で整合されたシート束にステイプル止めを行う。
【0036】
下積載トレイ750および上積載トレイ751は、後述の下トレイ昇降モータM10、上トレイ昇降モータM9により昇降可能となっている。下紙面検知センサ720および上紙面検知センサ721にて、各積載トレイまたは各積載トレイ上のシートの最上面が検出される。フィニッシャ100は、下紙面検知センサ720、上紙面検知センサ721の検知結果に基づいて、下トレイ昇降モータM10、上トレイ昇降モータM9を駆動することで、常に前述の各積載トレイまたは各積載トレイ上のシートの最上面とシートの排出口との距離が一定の距離になるように制御する。また、下トレイ紙有無検知センサ730および上トレイ紙有無検知センサ731は、下積載トレイ750および上積載トレイ751上のシートの有無を検出する。
【0037】
フィニッシャ100の上積載トレイ751上には、上積載トレイ751に排紙されたシートのシート幅方向を揃えるための整合部材としての整合板741a、741bが配置されている。なお、以降、整合板741a,741bを合わせて整合板741と称すこともある。同様に、下積載トレイ750上には、下積載トレイ750に排紙されたシートのシート幅方向を揃えるための整合板740a、740bが配置されている。なお、以降、整合板740a,740bを合わせて整合板740と称すこともある。整合板740a、整合板740bは、それぞれ下トレイ整合モータ(手前)M6、下トレイ整合モータ(奥)M7により、シート幅方向に移動可能であり740aが手前側、740bが奥側に配置されている。整合板741a、整合板741bはそれぞれ上トレイ整合モータ(手前)M3、上トレイ整合モータ(奥)M4によってシート幅方向に移動可能で、741aが手前側、741bが奥側に配置されている。また、整合板740a,740bは上トレイ整合板昇降モータM5により上下方向に駆動され、整合板741a,741bは、下トレイ整合板昇降モータM8により上下方向に駆動される。
【0038】
また、シートが下積載トレイ750及び上積載トレイ751に積載される際、フィニッシャ100は積載するシートの、ミシン目形成の有無、ミシン目が形成された位置、ミシン目が施されたシートの坪量、ミシン目が施されたシートの積載枚数等のプリントジョブ情報を逐次フィニッシャ制御部636のRAM414に記憶する。記憶したプリントジョブ情報は、後述するシート搬送制御に用いている。また、プリントジョブ情報については、ユーザがプリントジョブを投入する際に設定した各種情報を、プリンタ制御部635から取得可能である。
【0039】
次に、
図8のブロック図を用いて、フィニッシャ制御部636の構成について説明する。フィニッシャ制御部636は、CPU412、RAM414、ROM415、入出力I/O411、通信インターフェイス(SCI)413などで構成される。フィニッシャ制御部636は、CPU回路部630と通信を行い、コマンドの送受信やジョブの情報、シートの受け渡し通知などのデータ交換を行い、ROM415に格納されている各種プログラムを実行してフィニッシャ100の駆動制御を行う。RAM414は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。通信インターフェイス(SCI)413は画像形成装置本体600のCPU回路部630とシリアル通信を行い、動作指示や制御データの受け渡しを行っている。入出力I/O411は、モータ等の出力デバイスに対して、CPU412からのオンオフ信号を送信したり、センサ等の入力デバイスから信号をCPU412へ送信したりする。入出力I/O411には、搬送モータM1、排紙モータM2が接続されている。入出力I/O411には更に、下トレイ整合モータ(手前)M6、下トレイ整合モータ(奥)M7、下トレイ整合板昇降モータM8、上トレイ昇降モータM9、下トレイ昇降モータM10、シフトモータM11が接続されている。また、入出力I/O411には、上トレイ紙面検知センサ721、下トレイ紙面検知センサ720、上トレイ紙有無検知センサ730、下トレイ紙有無検知センサ731、上トレイ排紙センサ574、下トレイ排紙センサ577が接続されている。
【0040】
また、入出力I/O411には、上トレイ駆動エンコーダ578、下トレイ駆動エンコーダ579が接続されている。上トレイ駆動エンコーダ578、下トレイ駆動エンコーダ579はそれぞれ、下積載トレイ750、上積載トレイ751上のシートの紙面検知動作に伴って昇降する下積載トレイ750、上積載トレイ751の移動に応じたパルスを出力する。CPU412は、上トレイ駆動エンコーダ578、下トレイ駆動エンコーダ579から出力されるパルスをカウントすることにより、下積載トレイ750、上積載トレイ751に移動量を判定することができる。
【0041】
図9は、操作部601によってユーザがミシン目の種類や位置を設定する為の操作画面の一例を示す図である。画像形成装置1では複数種類のミシン目処理をユーザが選択可能となっており、ミシン目を施す位置も規定範囲内でユーザが調整することが可能である。
【0042】
図9(a)は、ミシン目の種類を設定するための画面例を示した図である。
図9(a)に示すように、ミシン目処理選択画面300にはトグルスイッチとなる、センターミシン目選択コンボボックス301、シングルミシン目選択コンボボックス302、ダブルミシン目選択コンボボックス303、ミシン目処理なし(バイパス)選択コンボボックス304が表示される。ユーザは、これらのコンボボックスから実施したいミシン目の種類を選択することが可能である。
【0043】
また、ミシン目処理選択画面300には、シングルミシン目位置調整ボタン305、ダブルミシン目位置調整ボタン306が合わせて表示され、これらのボタンを押下することで、
図9(b)に示すシングルミシン目位置調整画面310や、
図9(c)に示すダブルミシン目位置調整画面320を表示し、各ミシン目の位置を調整することが可能である。
【0044】
更に、ミシン目処理選択画面300には、OKボタン307、キャンセルボタン308のボタンが合わせて表示されるが、これらのボタンは一般的なユーザインタフェイスであるため説明は割愛する。
【0045】
図9(b)は、シングルミシン目を施す位置を調整するための画面例を示した図である。
図9(b)に示すように、シングルミシン目位置調整画面310には、シングルミシン目X位置調整欄311、OKボタン307、キャンセルボタン308が表示される。ユーザは操作部601の図示しない数値入力ボタンによりシングルミシン目X位置調整欄311に数値を入力することで、シングルミシン目を施す位置を規定範囲内で調整可能となる。
【0046】
図9(c)は、ダブルミシン目を施す位置を調整するための画面例を示した図である。
図9(c)に示すように、ダブルミシン目位置調整画面320には、ダブルミシン目Y位置調整欄321、ダブルミシン目X位置調整欄322、OKボタン307、キャンセルボタン308が表示される。ユーザは操作部601の図示しない数値入力ボタンによりダブルミシン目Y位置調整欄321およびダブルミシン目X位置調整欄322に数値を入力することで、ダブルミシン目を施す位置を規定範囲内で調整可能となる。
【0047】
図10は、フィニッシャ100がシート処理装置200から受け渡されたシートを下積載トレイ750に積載した状態を示す図である。
図10(a)に示すように、一般的にシート処理装置200にてミシン目処理されていないシートは、シート全体の厚みが均等となっているため、下積載トレイ750に積載されたシートは下積載トレイ750におけるシート接触面角度と略平行に積載される。
【0048】
一方、シート処理装置200にてミシン目処理が施されたシートは、ミシン目を形成した部分にバリやカエリなどの凸部が生じることで、下積載トレイ750に多数積載すると該凸部部分が盛り上がってくるため、下積載トレイ750におけるシート設置面角度に倣うことなく積載される。
【0049】
このミシン目処理によって生じたバリやカエリなどの凸部が積載シートに与える影響は、単位面積当たりの重量が大きく腰の強いシート(以下、「厚紙」という)よりも、単位面積当たりの重量が小さく腰の弱いシート(以下、「薄紙」という)の方がより影響を受けやすい。即ち、厚紙に比べて薄紙の方がより少ない積載枚数で既積載シート束が大きく歪曲する。
図10(b)は、薄紙にセンターミシン目が施されたシート300枚を下積載トレイ750に積載し続けた場合の既積載シート束の形状を示した図であり、
図10(c)は、厚紙にセンターミシン目が施されたシート300枚を下積載トレイ750に積載し続けた場合の既積載シート束の形状を示した図である。
【0050】
図11は、ミシン目位置によって形成される凸部の形状と、整合板740の関係を示した図である。
図11(a)はセンターミシン目が施されたシートを下積載トレイ750に積載し続けた場合を示した図であり、シートの積載枚数が増えるにつれて、整合板740は既積載シートの高さになってしまい、下積載トレイ750上でのシート整合ができなくなる。
図11(b)はシングルミシン目が施されたシートを下積載トレイ750に積載し続けた場合を示した図であり、シートの積載枚数が増えるにつれて、整合板740は下積載トレイ750に排出されたシートより上側の高さになってしまい、下積載トレイ750上でのシート整合ができなくなる。
【0051】
そのため、ミシン目が施されたシートを積載する場合の下積載トレイ750上でシート整合可能な上限枚数を、ミシン目が施される位置等に応じた最適な枚数に設定し、下積載トレイ750上でシート整合できなくなった場合は処理トレイ530でシート整合するようにシート整合方法を切り替えることで、確実にシート整合することが可能となる。
【0052】
[積載トレイ上でのシート整合可能な上限枚数の設定]
上述したミシン目のモードとシートの坪量に応じて下積載トレイ750上のシートの積載性が異なることから、ここでは、
図12を用いてミシン目のモードと下積載トレイ750上でのシート整合可能な上限枚数設定の関係について説明する。
【0053】
図12で示すように、ここでは、ミシン目が施されていない場合(ミシン目なし)は下積載トレイ750上でのシート整合可能な上限枚数を4000枚(最大積載可能枚数)に設定している。それに対して、ミシン目モードがセンターミシン目の場合は、バリやカエリの影響でシートの中心位置近傍が他の部分と比較して盛り上がった形状になる為、下積載トレイ750上の整合板740が排出されたシートより下のシートに当たってしまい、既積載シートの整列性を悪化させてしまう恐れがある。そのため、バリやカエリの影響が大きい薄紙の場合は150枚、厚紙の場合はバリの影響が少ないため500枚を下積載トレイ750上でシート整合可能な上限枚数としている。また、ミシン目モードがダブルミシン目の場合はシートの中心位置近傍及び上流側端縁近傍が他の部分と比較して盛り上がった形状になる。この場合、一部分が極端に歪曲することはないため、センターミシン目よりも積載可能量は増加する。ここでは、薄紙の場合は750枚、厚紙の場合は1500枚を下積載トレイ750上でシート整合可能な上限枚数としている。また、シングルミシン目はシートの上流側端縁近傍が他の部分と比較して盛り上がった形状になる。本実施形態における下積載トレイ750では、下積載トレイ750に
図12に示すような傾斜がある為、シートの上流側端縁近傍のみが盛り上がる場合はセンターミシン目、ダブルミシン目に比べて搬送方向下流側に落下する可能性が低くなる。そのため、ここでは、薄紙の場合は1000枚、厚紙の場合は1500枚を下積載トレイ750上でシート整合可能な上限枚数としている。
【0054】
なお、ここで記載の下積載トレイ750上でシート整合可能な上限枚数は、本実施形態のフィニッシャ100の下積載トレイ750に積載されることを想定した上限枚数となっており、積載トレイの形状や、角度等の条件により最適な上限枚数を設定することが望ましい。
【0055】
図13は、本発明の実施例として、フィニッシャ100における、下積載トレイ750上でのシート整合可否によって整合方法を切り替える制御手順を示すフローチャートである。以下では本発明の制御手順の一例を、
図14のフローチャートを用いて説明する。なお、図示のフローチャートに係る処理はフィニッシャ制御部636の制御下で行われる。即ち、本フローチャートに係る処理は、フィニッシャ制御部636のCPU412が、ROM415に記憶されたプログラムを必要に応じてRAM414に読み出して実行することにより実現される。
【0056】
フィニッシャ制御部636は、シート搬送開始指示によりシート搬送を開始する(ステップS001)。
【0057】
フィニッシャ制御部636は、シート搬送開始時、搬送されるシートがステイプルジョブか否かを判別する(ステップS002)。搬送されるシートがステイプルジョブと判別された場合(ステップS002の「YES」)、シートを処理トレイ530に排出し(ステップS003)、処理トレイ530上で整合する(ステップS004)。一方、搬送されるシートがステイプルジョブでないと判別された場合(ステップS002の「NO」)、更に、搬送されるシートへの下積載トレイ750上でのシート整合可否を判断する(ステップS009)。
【0058】
フィニッシャ制御部636は、後述する下積載トレイ750上でのシート整合可否の判別方法によって、搬送されるシートへの下積載トレイ750上でのシート整合が可能と判別された場合(ステップS009の「NO」)、シートを下積載トレイ750に排出し(ステップS014)、下積載トレイ750上でシート整合して(ステップS015)シート搬送を終了する。一方、搬送されるシートへの下積載トレイ750上でのシート整合が不可と判別された場合(ステップS009の「YES」)、更に、処理トレイ530上でのシート整合への切り替え可否を判別する(ステップS010)。なお、処理トレイ530上でのシート整合への切り替え可否は、画像形成装置本体600で設定してRAM655に一時的に保持しておき、プリントジョブ情報としてフィニッシャ100が取得する方法を用いてもよく、それ以外の最適な方法を用いてもよい。
【0059】
フィニッシャ制御部636は、処理トレイ530上でのシート整合への切り替え禁止に設定されている場合(ステップS010の「YES」)、シートを下積載トレイ750に排出し(ステップS013)、下積載トレイ750上でシート整合せずにシート搬送を終了する。一方、処理トレイ530上でのシート整合への切り替え許可に設定されている場合(ステップS010の「NO」)、更に、搬送されるシートがシフトジョブか否かを判別する(ステップS011)。
【0060】
フィニッシャ制御部636は、搬送されるシートがシフトジョブと判別された場合(ステップS011の「YES」)、搬送されるシートがステイプルジョブの場合と同様に、シートを処理トレイ530に排出し(ステップS003)、処理トレイ530上でシート整合する(ステップS004)。一方、搬送されるシートがシフトジョブでないと判別された場合(ステップS011の「NO」)、更に、搬送されるシートを含む1部当たりのシート枚数が所定枚数以上か否かを判別する(ステップS012)。
【0061】
フィニッシャ制御部636は、搬送されるシートを含む1部当たりのシート枚数が所定枚数以上と判別された場合(ステップS012の「YES」)、搬送されるシートがステイプルジョブの場合と同様に、シートを処理トレイ530に排出し(ステップS003)、処理トレイ530上でシート整合する(ステップS004)。一方、搬送されるシートを含む1部当たりのシート枚数が所定枚数未満と判別された場合(ステップS012の「NO」)、シートを下積載トレイ750に排出し(ステップS013)、下積載トレイ750上でシート整合せずにシート搬送を終了する。
【0062】
上述の制御により処理トレイ530にシート排出された場合、引き続き以下の制御を行う。
【0063】
フィニッシャ制御部636は、処理トレイ530に排出されたシートが1部当たりの最終紙か否かを判別する(ステップS005)。処理トレイ530に排出されたシートが1部当たりの最終紙ではないと判別された場合(ステップS005の「NO」)、シート搬送を終了する。一方、処理トレイ530に排出されたシートが1部当たりの最終紙と判別された場合(ステップS005の「YES」)、処理トレイ530に排出されたシートがステイプルジョブか否かを判別する(ステップS006)。
【0064】
フィニッシャ制御部636は、処理トレイ530に排出されたシートがステイプルジョブと判別された場合(ステップS006の「YES」)、処理トレイ530に排出されたシート束にステイプルを施し(ステップS007)、ステイプルが施されたシート束を下積載トレイ750に排出する(ステップS008)。一方、処理トレイ530に排出されたシートがステイプルジョブでないと判別された場合(ステップS006の「NO」)、処理トレイ530に排出されたシート束にステイプルを施さずに下積載トレイ750に排出する(ステップS008)。以上で、シート搬送を終了する。
【0065】
このように、下積載トレイ750上でのシート整合ができないと判別された場合、下積載トレイ750上でのシート整合に代えて処理トレイ530上でシート整合することにより、下積載トレイ750上でシート整合できなくなってもシートの整列性低下を防止することが可能になる。
【0066】
なお、以上説明した実施形態においては、シートを1枚搬送するごとに下積載トレイ750上でのシート整合可否を判別しているが、これに限らず、ジョブの最初のシートが下積載トレイ750上でのシート整合不可と判別された場合、ジョブのすべてのシートを処理トレイ530でシート整合すべく制御してもよい。
【0067】
図14は、
図13のステップS002における、下積載トレイ750上でのシート整合可否判別方法を表したフローチャートである。
【0068】
フィニッシャ制御部636は、下積載トレイ750上に既積載シートがあるか否かを判別する(ステップS101)。下積載トレイ750上に既積載シートがなければ(ステップS101の「NO」)、下積載トレイ750上でのシート整合可能と判別し、下積載トレイ750上でのシート整合可否判定を終了する。一方、下積載トレイ750上に既積載シートがあれば(ステップS101の「YES」)、排出されるシートにミシン目が施されているか否かを判別する(ステップS102)。
【0069】
フィニッシャ制御部636は、排出されるシートにミシン目が施されていなければ、(ステップS102の「NO」)、下積載トレイ750上でのシート整合可能と判別し、下積載トレイ750上でのシート整合可否判定を終了する。一方、排出されるシートにミシン目が施されていれば(ステップS102の「YES」)、ミシン目の位置を判別する(ステップS103)。
【0070】
フィニッシャ制御部636は、ミシン目がセンターミシン目の場合(ステップS103の「センターミシン目」)、シートの坪量を判別し(ステップS104)、シートの坪量が所定量未満であれば(ステップS104の「YES」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を150枚と設定する(ステップS105)。一方、シートの坪量が所定量以上であれば(ステップS104の「NO」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を500枚と設定する(ステップS106)。
【0071】
フィニッシャ制御部636は、ミシン目がシングルミシン目の場合(ステップS103の「シングルミシン目」)、シートの坪量を判別し(ステップS107)、シートの坪量が所定量未満であれば(ステップS107の「YES」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を750枚と設定する(ステップS108)。一方、シートの坪量が所定量以上であれば(ステップS107の「NO」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を1500枚と設定する(ステップS109)。
【0072】
フィニッシャ制御部636は、ミシン目がダブルミシン目の場合(ステップS103の「ダブルミシン目」)、シートの坪量を判別し(ステップS110)、シートの坪量が所定量未満であれば(ステップS110の「YES」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を1000枚と設定する(ステップS111)。一方、シートの坪量が所定量以上であれば(ステップS110の「NO」)、下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を1500枚と設定する(ステップS112)。
【0073】
フィニッシャ制御部636は、下積載トレイ750上に積載されたシート枚数とステップS103からステップ112によって設定された下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を比較する(ステップS113)。下積載トレイ750上に積載されたシート枚数が設定された下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数を超えていれば(ステップS113の「YES」)、下積載トレイ750上でのシート整合不可と判別し(ステップS114)、一方、下積載トレイ750上に積載されたシート枚数が設定された下積載トレイ750上でシート整合できる上限枚数以下であれば(ステップS113の「NO」)、下積載トレイ750上でのシート整合可能と判別し(ステップS115)、下積載トレイ750上でのシート整合可否判定を終了する。
【0074】
以上のように、上述した各実施態様によれば、下積載トレイ750上でシート整合できないと判別された場合は処理トレイ530へ排出して処理トレイ530上でシート整合することで、シートの整列性低下を防止することが可能となる。
【0075】
なお、以上説明した実施形態においては、シート処理装置200でシートに施される加工をミシン目としたが、これに限らず、クリース加工や折り加工でもよい。その場合、下積載トレイ750上でのシート整合可否判別方法も説明したとおりでなく、加工内容に応じた最適な方法を用いてもよい。
【0076】
また、以上説明した実施形態においては、シート処理装置200で加工を施されたシートについて説明したが、これに限らず、下積載トレイ750上のシート積載状態を検出し、下積載トレイ750上で整合できなくなったか否かを判別してもよい。
【0077】
なお、本発明は前述した実施の形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。