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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093146
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209335
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】若林 崇史
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CC18
3D022CD17
(57)【要約】
【課題】組み付け作業性を高めた収納装置を提供すること。
【解決手段】収納装置10は、容器20にリッド30を開閉可能に支持する支持軸40と、前記リッド30を開放する方向R1へ付勢するねじりコイルばね140と、前記ねじりコイルばね140のコイル141の外周面141cを囲っている筒状のカバー70とを備えている。前記コイルばね140は、第1アーム142と第2アーム143を備える。前記第2アーム143は、前記容器20と前記リッド30と前記支持軸40との組み付け状態で且つ前記第1アーム142が前記リッド30に掛け止められている状態で、前記容器20に掛け止め可能である。前記カバー70は、前記第2アーム143が干渉することなく通過可能な逃げ部72を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
この容器の開口を開閉するリッドと、
このリッドを前記容器に対して開閉可能に支持する支持軸と、
この支持軸の軸線に位置しているコイルと、このコイルの一方の巻き端から前記リッドへ延びて掛け止め可能な第1アームと、前記コイルの他方の巻き端から前記容器へ延びるとともに前記容器と前記リッドと前記支持軸との組み付け状態で且つ前記第1アームが前記リッドに掛け止められている状態で前記容器に掛け止め可能な第2アームとを備え、前記リッドを閉鎖する方向または開放する方向へ付勢するねじりコイルばねと、
前記コイルの外周面を囲いつつ、前記容器に一体に形成された筒状のカバーとを備え、
前記第2アームは、前記カバーよりも径方向の外側へ延びるとともに、この径方向の外側の端部には、前記容器の掛け止め部に掛け止め可能な掛け部を有し、
前記カバーは、前記第2アームが干渉することなく通過可能な逃げ部を有している、収納装置。
【請求項2】
前記第2アームは、先端に突出部を有しており、
前記容器は、前記突出部を嵌合可能な凹部を備えており、
この凹部は、前記掛け部からの付勢力を前記掛け止め部によって受け止める方向の、前記突出部の旋回軌跡上に位置している、請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記支持軸の前記軸線に沿う方向に環状の構成である、請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記凹部の開口は、前記掛け部からの付勢力を前記掛け止め部によって受け止める方向を向いており、
前記突出部は、前記凹部の前記開口へ向かって突出している、請求項3に記載の収納装置。
【請求項5】
前記容器と前記リッドの間に前記支持軸の前記軸線を位置合わせする位置合わせ部を、更に有している、請求項1に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の開口を開閉するリッドを備えた収納装置の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
収納装置のなかには、容器の開口を開閉するリッドを、ねじりコイルばねによって閉鎖方向または開放方向へ付勢するものがある。この種の収納装置として、例えば車両用コンソールボックスが知られている。車両用コンソールボックスの従来技術として、特許文献1(図1及び図2参照)に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示される車両用コンソールボックス(収納装置)は、ボックス本体(容器に相当)の開口を開閉するアームレスト部(リッドに相当)と、このアームレスト部をボックス本体に対して開閉可能に支持する軸支持部(支持軸に相当)と、アームレスト部を開き方向に付勢する「ねじりコイルばね」とを備えている。ねじりコイルばねの、コイルの外周面は、ボックス本体に一体に形成された筒状の本体保持部(カバーに相当)によって囲われている。
【0004】
ねじりコイルばねは、コイルの一方の巻き端からアームレスト部へ延びて掛け止め可能な他端部(第1アームに相当)と、コイルの他方の巻き端からボックス本体へ延びてばね保持部の内部に掛け止め可能な一端部(第2アームに相当)とを備えている。
【0005】
ねじりコイルばねの他端部(第1アームに相当)の先端は、U字状に折り返された第1折返部に構成されている。この第1折返部に対して、アームレスト部の掛け止め溝を嵌め込むことによって、互いに掛け止めることができる。
【0006】
ねじりコイルばねの一端部(第2アームに相当)の先端は、L字状に折り返された第2折返部に構成されている。この第2折返部を、ボックス本体の孔に嵌め込むことによって、掛け止めることができる。
【0007】
コンソールボックスを組み立てる際には、先ず、ねじりコイルばねの第2折返部をボックス本体の孔に掛けつつ、コイルを本体保持部の内部に嵌め込む。ねじりコイルばねの第1折返部は、ばね保持部よりも軸方向の外側に位置している。この状態では、ねじりコイルばねの一端部及び他端部には、負荷(ねじりコイルばねの付勢力)が加わっていない。
【0008】
次に、ボックス本体とアームレスト部の、各々の軸中心を位置合わせしつつ、アームレスト部の掛け止め溝をねじりコイルばねの第1折返部に嵌め込んでいく。このときには、ねじりコイルばねの一端部及び他端部に、負荷(ねじりコイルばねの付勢力)が加わる。
【0009】
最後に、この付勢力に抗しつつ、ボックス本体とアームレスト部の、各々の軸中心を位置合わせし、ボックス本体とアームレスト部とに軸支持部を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2016-216009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に示される収納装置では、ねじりコイルばねの付勢力を受けながら、ボックス本体とアームレスト部の、各々の軸中心を位置合わせして、軸支持部を取り付けるので、位置合わせし難い。つまり、ねじりコイルばねの付勢力の影響を受けながら、組み付け作業をするので、組み付け作業性の改良の余地がある。
【0012】
本開示は、組み付け作業性を高めた収納装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、第1に、
容器と、
この容器の開口を開閉するリッドと、
このリッドを前記容器に対して開閉可能に支持する支持軸と、
この支持軸の軸線に位置しているコイルと、このコイルの一方の巻き端から前記リッドへ延びて掛け止め可能な第1アームと、前記コイルの他方の巻き端から前記容器へ延びるとともに前記容器と前記リッドと前記支持軸との組み付け状態で且つ前記第1アームが前記リッドに掛け止められている状態で前記容器に掛け止め可能な第2アームとを備え、前記リッドを閉鎖する方向または開放する方向へ付勢するねじりコイルばねと、
前記コイルの外周面を囲いつつ、前記容器に一体に形成された筒状のカバーとを備え、
前記第2アームは、前記カバーよりも径方向の外側へ延びるとともに、この径方向の外側の端部には、前記容器の掛け止め部に掛け止め可能な掛け部を有し、
前記カバーは、前記第2アームが干渉することなく通過可能な逃げ部を有している、収納装置が提供される。
【0014】
第2に、好ましくは、第1に記載の収納装置であって、前記第2アームは、先端に突出部を有しており、前記容器は、前記突出部を嵌合可能な凹部を備えており、この凹部は、前記掛け部からの付勢力を前記掛け止め部によって受け止める方向の、前記突出部の旋回軌跡(略旋回軌跡を含む)上に位置している。
【0015】
第3に、好ましくは、第2に記載の収納装置であって、前記突出部は、前記支持軸の前記軸線に沿う方向に環状の構成である。
【0016】
第4に、好ましくは、第2又は第3に記載の収納装置であって、前記凹部の開口は、前記掛け部からの付勢力を前記掛け止め部によって受け止める方向を向いており、前記突出部は、前記凹部の前記開口へ向かって突出している。
【0017】
第5に、好ましくは、第1~第4に記載の収納装置であって、前記容器と前記リッドの間に前記支持軸の前記軸線を位置合わせする位置合わせ部を、更に有している。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、組み付け作業性を高めた収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1による収納装置を左後側から見た斜視図である。
図2図1に示される容器に対するリッドの左側の支持構造を拡大した図である。
図3図2に示される左側の支持構造を後方から見た図である。
図4図2に示される左側の支持構造を分解して左前側から見た斜視図である。容器に対するリッドの支持構造の分解図である。
図5図4に示されるブラケットの側面図である。
図6図3に示されるブラケットと脚部と支持軸とねじりコイルばね周りの断面図である。
図7図6の7-7線に沿った断面図である。
図8図7に示されるカバーと位置合わせ部の分解図である。
図9図4に示されるブラケットにねじりコイルばねの第2アームのみを掛け止めた構成の側面図である。
図10】実施例2による収納装置の掛け止め外れ規制部の断面図である。
図11】実施例3による収納装置の第2掛け止め部、第2掛け部、掛け止め外れ規制部周りの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
【0021】
<実施例1>
図1図9を参照しつつ、実施例1の収納装置10を説明する。
【0022】
図1は、収納装置10の全体構造を示している。収納装置10は、容器20と、この容器20の上端の開口21を上下方向へ開閉するリッド30とを備えている。このリッド30の一端は、容器20に支持軸40によって開閉可能に支持されている。この収納装置10は、例えば車両用センターコンソールボックスとして用いられる。車両用ンターコンソールボックスは、車両の運転席と助手席との間に配置される。
【0023】
説明中、前、後、左、右、上、下とは、収納装置10をリッド30の開閉方向の基端側から見た左、前、後、右、上、下をそれぞれ意味することとする。図中Frは前、Rrは後、Leは左、Riは右、Upは上、Dnは下を示している。
【0024】
図1に示されるように、容器20(ボックス本体20)は平面視で前後に長い矩形のボックス状の樹脂成型品であって、上端の全体を開口21に構成されている。この容器20は、後上端に左右のブラケット22,22を備えている。これらのブラケット22,22は、容器20の後上端から上方へ延びるとともに、互いに向かい合っている。さらにブラケット22,22は、容器20の後壁23(図4参照)の上端から後上方へ延びた延長板24(図4参照)と、一体に形成されている。この延長板24は、後壁23の全体がそのまま後上方へ延びている。
【0025】
リッド30は、容器20の開口21を全体的に閉鎖可能に構成されるとともに、後端から後下方へ延びた縦板状の左右の脚部31,31を備えている。これらの脚部31,31の板面同士は、互いに向かい合っている。各脚部31,31は、左右のブラケット22,22に支持軸40によって支持されている。このため、リッド30の後端は、容器20に開閉可能に支持される。リッド30は、前端に備えたクランプ部32により、容器20に対して閉鎖状態に掛け止め可能である。
【0026】
次に、容器20に対するリッド30の左右の支持構造について詳しく説明する。なお、右の支持構造は、左の支持構造と同じなので、左の支持構造についてのみ説明する。
【0027】
図2及び図3に示されるように、左のブラケット22は、後上端の上側ブラケット部51と、この上側ブラケット部51の下端から下方へ連続した下側ブラケット部52とを備えている。下側ブラケット部52の外側面52aは、上側ブラケット部51の外側面51aよりも、容器20の幅方向(Le-Rr方向)の外側へ突出している。このため、上側ブラケット部51と下側ブラケット部52との境界は、段差面53に構成されている。
【0028】
図2図6も参照する。上側ブラケット部51は、外側面51aの上端部から容器20の幅方向の外側へ突出した、筒状のコイル支持部60と、このコイル支持部60の周囲を囲っているカバー70とを備えている。コイル支持部60及びカバー70は、上側ブラケット部51の外側面51aから、支持軸40の軸線CL方向の外側へ、つまり、容器20の幅方向(Le-Rr方向)の外側へ延びている。
【0029】
コイル支持部60の中心には、支持軸40を嵌め込み可能な軸支持孔80が形成されている。この軸支持孔80は、ブラケット22及びコイル支持部60を左右方向(容器20の幅方向)に貫通している。
【0030】
下側ブラケット部52は、外側面52aから支持軸40の軸線CL方向の外側へ突出した、掛け止め部90と掛け止め外れ規制部100とを備えている。この掛け止め部90は、例えばコイル支持部60及びカバー70の真下に位置している。掛け止め外れ規制部100は、掛け止め部90に対してコイル支持部60とは反対側、例えば掛け止め部90の下方に位置しており、この掛け止め部90と一体に形成され、または離間している。
【0031】
このように、左のブラケット22は、左側の側面の上端部に一体に形成された、コイル支持部60とカバー70と軸支持孔80と掛け止め部90と掛け止め外れ規制部100とを備えている。
【0032】
図3に示されるように、コイル支持部60の端面61及びカバー70の端面71は、下側ブラケット部52の外側面52aよりも、軸支持孔80の軸線CL方向(支持軸40の軸線CL方向)の外側に位置している。
【0033】
図2図4に示されるように、リッド30の左の脚部31の内側面31aは、コイル支持部60の端面61及びカバー70の端面71に対して、支持軸40の軸線CL方向に接している。
【0034】
図7及び図8も参照すると、収納装置10は、容器20とリッド30の間に支持軸40の軸線CLを位置合わせする位置合わせ部33を有している。この位置合わせ部33は、筒状のカバー70の外周面73に対して、支持軸40の軸線CLに直交する方向Rfへ取り外し可能に嵌合される部材であり、脚部31の内側面31a(図6参照)からカバー70へ向かって、支持軸40の軸線CL方向に突出している。
【0035】
この位置合わせ部33の内周面33aは、図7に示されるように、支持軸40の軸線CLに沿う方向から見て、カバー70の外周面73に嵌め込み可能な円弧状に形成されている。カバー70の外周面73と、位置合わせ部33の内周面33aとの、接触範囲θ(嵌め込み範囲θ)は、180°を超えない範囲に設定される。
【0036】
従って、図8に示されるように、位置合わせ部33はカバー70に対して、支持軸40の軸線CLに直交する方向Rfへ着脱可能である。この着脱方向Rfは、例えば、図1に示されるように、容器20に対してリッド30を全開状態にしつつ、カバー70に対して位置合わせ部33を着脱可能な向きである。しかも、位置合わせ部33をカバー70に嵌合された状態では、ブラケット22に有している軸支持孔80の中心CL(軸線CL)に対して、脚部31に有している軸支持孔110の中心CL(軸線CL)が合致する。
【0037】
図7に示される接触範囲θは、軸支持孔80に対する軸支持孔110の中心の位置決め性及び位置決め精度の観点から、120°~180°の範囲に設定することが好ましい。
【0038】
図2図4に示されるように、脚部31の基部31b(後端部31b)には、軸支持孔110を有した軸支持部120と、この軸支持部120の近傍に位置した掛け止め部130とが形成されている。軸支持孔110は、支持軸40を嵌め込み可能に、脚部31を左右方向(リッド30の幅方向)に貫通している。支持軸40が、脚部31の軸支持孔110及びブラケット22の軸支持孔80に嵌合されることによって、リッド30は容器20に対して開閉可能に支持される。掛け止め部130は、支持軸40の軸線CLからオフセットして位置している。
【0039】
リッド30の脚部31に有している軸支持孔110のことを「第1軸支持孔110」といい、容器20のブラケット22に有している軸支持孔80のことを「第2軸支持孔80」ということがある。また、リッド30の脚部31に有している掛け止め部130のことを「第1掛け止め部130」といい、容器20のブラケット22に有している掛け止め部90のことを「第2掛け止め部90」ということがある。
【0040】
図1に示されるように、さらに収納装置10は、リッド30を開放する方向R1または閉鎖する方向R2へ付勢するねじりコイルばね140,140を備えている。本実施例では、ねじりコイルばね140,140がリッド30を開放する方向R1へ付勢する構成を例示している。
【0041】
図6に示されるように、ねじりコイルばね140は、支持軸40の軸線CLに位置しているコイル141と、このコイル141の一方の巻き端141aに有した第1アーム142と、コイル141の他方の巻き端141bに有した第2アーム143と、を備えている。コイル141の外周面141cは、筒状のカバー70によって囲まれている。
【0042】
一方の巻き端141aのことを「第1巻き端141a」といい、他方の巻き端141bのことを「第2巻き端141b」ということがある。
【0043】
図3及び図6に示されるように、コイル141は、ブラケット22の外側面(上側ブラケット部51の外側面51a)と、脚部31の内側面31aとによって、支持軸40の軸線CL方向への移動を規制されている。コイル141の第1巻き端141aは、支持軸40の軸線CL方向の、脚部31側に位置している。コイル141の第2巻き端141bは、軸線CL方向の、ブラケット22の外側面(上側ブラケット部51の外側面51a)側に位置している。
【0044】
第1アーム142は、コイル141の第1巻き端141aからリッド30へ、コイル141の接線方向に延びている。つまり、第1アーム142は、第1巻き端141aから脚部31の第1掛け止め部130へ向かって延びている。第1アーム142の先端には、第1掛け止め部130に掛け止め可能なL字状の第1掛け部142a(フック142a)を有している。
【0045】
第2アーム143は、コイル141の第2巻き端141bから容器20へ延びている。つまり、第2アーム143は、第2巻き端141bからブラケット22の第2掛け止め部90へ向かって延びている。
【0046】
図9に示されるように、外部から荷重が付与されていない自由状態にねじりコイルばね140を、コイル141の中心方向(支持軸40の軸線CL方向)から見て、第1アーム142と第2アーム143とは同じ方向を向いている。
【0047】
第2アーム143は、カバー70よりも径方向の外側へ延びている。詳しく述べると、第2アーム143は、コイル141の第2巻き端141bから連続した第1アーム部143aと、この第1アーム部143aの先端から連続した第2アーム部143bと、この第2アーム部143bの先端から連続した第3アーム部143cと、この第3アーム部143cの先端から連続した第4アーム部143dと、この第4アーム部143dの先端に形成された突出部143eと、を備えている。これらのアーム部143a~143d及び突出部143eは、コイル141に一体に構成されている。
【0048】
図2及び図3に示されるように、第1アーム部143aは、コイル141の第2巻き端141bから上側ブラケット部51の外側面51aに沿って下方へ、段差面53まで延びている。
【0049】
第2アーム部143bは、第1アーム部143aの先端から段差面53に沿って側方へ、下側ブラケット部52の外側面52aまで延びている。
【0050】
第3アーム部143cは、第2アーム部143bの先端から段差面53に沿って前下方へ、第2掛け止め部90まで延びている。
【0051】
第4アーム部143dは、第3アーム部143cの先端から第2掛け止め部90に沿って下方へ延びている。この第4アーム部143dは、第2掛け止め部90に掛け止め可能なので、掛け部143d(第2掛け部143d)と言い換えることができる。つまり、第2アーム143の径方向の外側の端部には、第2掛け止め部90に掛け止め可能な第2掛け部143dを有している。さらに、第3アーム部143cは、先端に突出部143eを有している。
【0052】
ねじりコイルばね140は、第1アーム142の第1掛け部142aを第1掛け止め部130に掛けるとともに、第2アーム143の第2掛け部143d(第3アーム部143c)を第2掛け止め部90に掛けることによって、リッド30を開放する方向R1へ付勢する付勢力(ばね力)を発生する。
【0053】
図9に示されるように、第2掛け止め部90は、第2掛け止め部90を掛けることが可能な掛け止め面91を有している。この掛け止め面91は、第1掛け部142aを第1掛け止め部130に掛けた状態で(図2参照)、第2掛け部143dからの付勢力を受け止める方向R3を向いている。この掛け止め面91は、支持軸40の軸線CLから前方へオフセットしている。
【0054】
図4及び図9に示されるように、掛け止め外れ規制部100は、第2掛け部143dに有している突出部143eを嵌合することが可能な凹部101を備えている。この凹部101は、掛け止め外れ規制部100の壁102によって形成されている。
【0055】
図9に示されるように、この凹部101は、第2掛け部143dからの付勢力を第2掛け止め部90によって受け止める方向R3の、突出部143eの旋回軌跡TL(略旋回軌跡を含む)上に位置している。この凹部101は、例えば突出部143eの旋回軌跡TL(略旋回軌跡を含む)に沿って、掛け止め外れ規制部100を貫通した貫通孔により構成される。この凹部101のことを、適宜「貫通孔101」と言い換えることがある。この貫通孔101は、旋回軌跡TL(略旋回軌跡を含む)に沿った円弧状、または円弧状の接線となる直線状に構成されている。貫通孔101(凹部101)は、突出部143eを嵌合する側の開口101aを有する。この開口101aは、第2掛け部143dからの付勢力を第2掛け止め部90によって受け止める方向R3を向いている。
【0056】
突出部143eは、第2掛け部143dから凹部101の開口101aへ向かって突出している。例えば、第2掛け部143dの先端を曲げ加工することによって、突出部143eを構成することができる。第2掛け部143dが第2掛け止め部90に掛け止められた状態で、突出部143eは開口101aから凹部101へ嵌め込まれている。このため、突出部143eが凹部101から、支持軸40の軸線CL方向へ外れることはない。第2掛け止め部90に掛け止められた第2掛け部143dの、掛け止めが外れないように規制することができる。
【0057】
図4及び図9に示されるように、さらに突出部143eは、支持軸40の軸線CLに沿う方向に環状の構成である。つまり、突出部143eは、支持軸40の軸線CLに沿う方向から見て、環状に構成されている。このため、突出部143eの幅W1(支持軸40の軸線CL方向の大きさW1)は、ねじりコイルばね140を構成する線材の直径に相当する分ですみ、極力小さくすることができる。その分、凹部101の幅W2を小さくすることができる。掛け止め外れ規制部100が、下側ブラケット部52の外側面52aから外方(支持軸40の軸線CL方向の外側)へ突出する突出量Paは、凹部101の幅W2に壁102の厚さW3を加えた大きさでよく、極めて小さく設定することができる。なお、環状の形態は任意であり、好ましくは円環状である。
【0058】
ブラケット22に有しているカバー70は、第2アーム143が干渉することなく通過可能な逃げ部72を有している。図3も参照すると、逃げ部72は、カバー70の端面71から下側ブラケット部52の外側面52aまで切り欠かれた切り欠き溝の構成である。この逃げ部72は、図3に示されるように、コイル141の径方向から見て、矩形状に形成されている。
【0059】
ここで、図2に示されるように、第1掛け部142aが第1掛け止め部130に掛けられるとともに、第2掛け部143dが第2掛け止め部90に掛けられていないフリー状態のことを、「第1状態」という。この第1状態にある第2掛け部143dの位置を「フリー位置Pf」という。このフリー位置Pfにある第2掛け部143dを第2掛け止め部90に掛けるために、この第2掛け止め部90に対して反対側へ傾けた状態のことを、「第2状態」という。この第2状態にある第2掛け部143dを第2掛け止め部90に掛けた状態のことを、「第3状態」という。
【0060】
逃げ部72の大きさは、第2掛け部143dが第1状態から、第2状態を経て第3状態に至るまで変位する間にわたって、第2アーム143がカバー70に当たらない範囲に設定されている。
【0061】
図2に示されるように、さらに収納装置10は、ねじりコイルばね140の付勢力による、リッド30の開閉速度を緩和する速度緩和装置150を備えている。この速度緩和装置150は、リッド30の脚部31に備えたオイルダンパ装置151と、このオイルダンパ装置151に回転可能に備えたピニオン152と、このピニオン152が噛み合うように容器20のブラケット22に備えた円弧状のセクタギヤ153とを備えている。
【0062】
次に、容器20に対するリッド30の支持構造の組み付け手順について、図4を参照しつつ説明する。
【0063】
先ず、ブラケット22のコイル支持部60にねじりコイルばね140のコイル141を嵌め込む(コイル嵌め込み工程)。
【0064】
次に、第1軸支持孔110の中心CL(軸線CL)と第2軸支持孔80の中心CL(軸線CL)の位置を合わる(孔位置合わせ工程)。具体的には、図7及び図8に示されるように、位置合わせ部33の内周面33aをカバー70外周面73に嵌め込む(被せる)。この結果、脚部31の軸支持孔110の中心CLは、軸支持孔80の中心CLに対して確実に合致するとともに、その合致した状態を位置合わせ部33によって保持される。
【0065】
次に、支持軸40の組み付け作業と、ねじりコイルばね140の第1アーム142の掛け止め作業を行う。ここで、支持軸40の組み付け作業と、第1アーム142の掛け止め作業の、順番は任意に選択することが可能である。
【0066】
例えば、支持軸40の組み付け作業を優先させた場合には、先に、互いに中心CLが合致している状態の各軸支持孔80,110に、支持軸40を嵌め込む(軸組付け工程)。これで、支持軸40が各軸支持孔80,110に組み付けられた状態となり(図6も参照)、リッド30は容器20に開閉可能に組み付けられる。つまり、容器20とリッド30と支持軸40とが組み付け状態になる。
【0067】
次に、第1アーム142の掛け止め作業を行う(第1アーム掛け止め工程)。具体的には、ねじりコイルばね140の第1アーム142の第1掛け部142aを、脚部31の第1掛け止め部130に掛け止める。つまり、第1アーム142がリッド30に掛け止められた状態になる。この掛け止め作業のときには、第2アーム143の第2掛け部143dを第2掛け止め部90に掛けないでおく。この第2アーム143は、図2に想像線によって示されるフリー位置Pfに位置する。この状態では、ねじりコイルばね140に負荷(ねじりコイルばね140の付勢力)が加わっていない、いわゆるフリー状態にある。このため、第1アーム142を第1掛け止め部130に掛け止めるときには、ねじりコイルばね140の付勢力の影響を受けないので、掛け止め作業が容易である。
【0068】
最後に、第2アーム143の第2掛け部143dを、ブラケット22の第2掛け止め部90に掛け止める(第2アーム掛け止め工程)。具体的には、図2に示されるフリー位置Pfに位置している第2アーム143を、支持軸40の軸線CL方向の外側へ傾けることによって、第2掛け止め部90及び掛け止め外れ規制部100を迂回させつつ、ねじりコイルばね140の付勢力に抗して掛け止め面91まで移動させる。そして、第2アーム143の第2掛け部143dを第2掛け止め部90掛け止め面91に掛ける。これで、第2アーム143は容器20に掛け止めた状態となる。これと同時に、第2掛け部143dに有している突出部143eは、掛け止め外れ規制部100の凹部101嵌め込まれる。これで、組み付け作業が完了する。
【0069】
一方、第1アーム142の掛け止め作業を優先させた場合には、先に、第1アーム掛け止め工程を実施して、ねじりコイルばね140の第1アーム142の第1掛け部142aを、脚部31の第1掛け止め部130に掛け止める。次に、第2アーム掛け止め工程を実施して、第2アーム143の第2掛け部143dを、ブラケット22の第2掛け止め部90に掛け止める。最後に、軸組付け工程を実施して、互いに中心CLが合致している状態の各軸支持孔80,110に、支持軸40を嵌め込む。これで、組み付け作業が完了する。この場合には、第1アーム掛け止め工程を実施した後に、軸組付け工程を実施し、最後に第2アーム掛け止め工程を実施してもよい。
【0070】
以上の説明から明らかなように、容器20とリッド30と支持軸40との組み付け状態で、且つ、第1アーム142がリッド30に掛け止められている状態で、第2アーム143を容器20に掛け止めることができる。
【0071】
上記実施例1の説明をまとめると、次の通りである。
【0072】
図1図9に示されるように、収納装置10は、
容器20と、
この容器20の開口21を開閉するリッド30と、
このリッド30を容器20に対して開閉可能に支持する支持軸40と、
この支持軸40の軸線CLに位置しているコイル141と、このコイル141の一方の巻き端141a(第1巻き端141a)からリッド30へ延びて掛け止め可能な第1アーム142と、コイル141の他方の巻き端141b(第2巻き端141b)から容器20へ延びるとともに容器20とリッド30と支持軸40との組み付け状態で且つ第1アーム142がリッド30に掛け止められている状態で容器20に掛け止め可能な第2アーム143とを備え、リッド30を閉鎖する方向R2または開放する方向R1へ付勢するねじりコイルばね140と、
コイル141の外周面141cを囲いつつ、容器20に一体に形成された筒状のカバー70とを備えている。
【0073】
第2アーム143は、カバー70よりも径方向の外側へ延びるとともに、この径方向の外側の端部には、容器20の掛け止め部90(第2掛け部90)に掛け止め可能な掛け部143d(第2掛け部143d)を有している。カバー70は、第2アーム143が干渉することなく通過可能な逃げ部72を有している。
【0074】
容器20とリッド30と支持軸40とを組み付けるときや、ねじりコイルばね140の第1アーム142をリッド30に掛け止めるときには、ねじりコイルばね140の第2アーム143を容器20に掛け止めないでおく。この状態では、ねじりコイルばね140の一方の巻き端141a(第1巻き端141a)及び他方の巻き端141b(第2巻き端141b)には、負荷(ねじりコイルばね140の付勢力)が加わっていない。このため、容器20とリッド30と支持軸40とを組み付けるときや、ねじりコイルばね140の第1アーム142をリッド30に掛け止めるときには、ねじりコイルばね140の付勢力の影響を受けず、各軸支持孔80,110に対する支持軸40の中心CL(軸線CL)の位置決めも容易である。
【0075】
しかも、第2アーム143の掛け部143d(第2掛け部143d)は、カバー70よりも径方向の外方に位置している。このため、コイル141から第2掛け部143dまでの距離が長い。その分、掛け部143dを掛け止め部90(第2掛け部90)に掛け止めるときの力は小さくてすむ。このため、第2アーム143の掛け止め作業が容易である。
【0076】
この場合、コイル141から第2掛け部143dまでの距離が長いので、カバー70に干渉しないように配慮が必要である。掛け止め作業時に、カバー70に干渉しないように第2アーム143を振ったのでは、作業性が劣る。これを解消するには、掛け止め作業時に、筒状のカバー70に対して、第2アーム143を支持軸40の軸線CL方向へ大きく傾けることが考えられる。しかし、これでは第2アーム143の基端(コイル141の第2巻き端141bに相当)から先端(第2掛け部143d)まで、軸線CL方向へ傾ける傾け量が大きい。第2アーム143の円滑な付勢動作を確保するには、改良の余地がある。
【0077】
これに対し、本発明では、カバー70は、第2アーム143が干渉することなく通過可能な逃げ部72を有している。このため、カバー70よりも径方向の外側へ延びている長い第2アーム143を、カバー70に干渉することなく、容器20の掛け止め部90に容易に掛け止めることができる。しかも、第2アーム143を軸線CL方向へ傾ける傾け量を極力小さくすることができる。
【0078】
このように、収納装置10の組み付け作業性を高めつつ、ねじりコイルばね140の円滑な付勢動作を確保することができる。
【0079】
さらには、第2アーム143は、先端に突出部143eを有している。容器20は、突出部143eを嵌合可能な凹部101を備えている。この凹部101は、第2掛け部143dからの付勢力を掛け止め部90によって受け止める方向R3の、突出部143eの旋回軌跡TL(略旋回軌跡を含む)上に位置している。
【0080】
言い換えると、収納装置10は、容器20と、この容器20の開口21を開閉するリッド30と、このリッド30を容器20に対して開閉可能に支持する支持軸40と、リッド30を閉鎖する方向R2または開放する方向R1へ付勢するねじりコイルばね140とを備えている。ねじりコイルばね140は、支持軸40の軸線CLに位置しているコイル141と、このコイル141の一方の巻き端141a(第1巻き端141a)からリッド30へ延びて掛け止め可能な第1アーム142と、コイル141の他方の巻き端141b(第2巻き端141b)から容器20へ延びて容器20に掛け止め可能な第2アーム143とを備えている。第2アーム143は、突出部143eを有している。容器20は、突出部143eを嵌合可能な凹部101を備えている。この凹部101は、第2アーム143からの付勢力を容器20によって受け止める方向R3の、突出部143eの旋回軌跡TL(略旋回軌跡を含む)上に位置している。
【0081】
このため、第2アーム143の突出部143eが容器20の凹部101に嵌合するので、第2掛け部143dは掛け止め部90(第2掛け部90)から外れない。しかも、容器20から延びた棒状のバーに、第2アームの先端を引っ掛ける場合に比べて、収納装置10を小型化できる。
【0082】
さらには、突出部143eは、支持軸40の軸線CLに沿う方向に環状の構成である。環状の突出部143eが軸線CLに沿う方向を向いているので、突出部143eを嵌合するための凹部101の幅を小さくできる。このため、収納装置10を、より小型化できる。
【0083】
さらには、凹部101の開口101aは、掛け部143d(第2掛け部143d)からの付勢力を掛け止め部143cによって受け止める方向R3を向いている。突出部143eは、凹部101の開口101aへ向かって突出している。このように、第2アーム143の付勢方向R3に対して、凹部101に対する突出部143eの嵌合方向を同じ向きとすることができる。このため、容器20の掛け止め部143cに対する、第2アーム143の第2掛け部143dの掛け止め状態を、安定して維持することができる。
【0084】
さらには、収納装置10は、容器20とリッド30の間に支持軸40の軸線CLを位置合わせする位置合わせ部33を有している。このため、位置合わせ部33によって、脚部31の軸支持孔110の中心CLを、軸支持孔80の中心CLに対して確実に且つ容易に合致させることができるとともに、その合致した状態を位置合わせ部33によって容易に保持することができる。従って、支持軸40を軸支持孔80,110に嵌め込む前に、第2アーム143の第2掛け部143dを第2掛け止め部90に掛けたとしても、位置合わせ部33によって、各軸支持孔80,110同士の中心CLの位置ずれを抑えることができる。
【0085】
<実施例2>
図10を参照しつつ、実施例2の収納装置200を説明する。図10は上記図9に相当する。
【0086】
実施例2の収納装置200は、上記図1図9に示される実施例1の収納装置10の掛け止め外れ規制部100を、図10に示される掛け止め外れ規制部210に変更したことを特徴とする。その他の基本的な構成については、上記実施例1による収納装置10と共通する。実施例1による収納装置10と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0087】
詳しく述べると、実施例2の掛け止め外れ規制部210は、実施例1の掛け止め外れ規制部100の凹部101のうち、開口101aとは反対側の部位を、底部211によって閉鎖した有底の構成であることを特徴とする。このため、突出部143eは、掛け止め外れ規制部100の壁102によって囲まれている他に、底部211によっても囲まれている。凹部101に嵌め込まれている突出部143eを、開口101aとは反対側から押し出されないように規制することができる。
【0088】
実施例2の収納装置200は、実施例2の効果の他に、上記実施例1の収納装置10の効果と同様の効果を発揮することができる。
【0089】
<実施例3>
図11を参照しつつ、実施例3の収納装置300を説明する。図11は上記図10に相当する。
【0090】
実施例3の収納装置300は、上記図10に示される実施例2の収納装置200の掛け止め外れ規制部210を、図11に示される掛け止め外れ規制部310に変更したことを特徴とする。その他の基本的な構成については、上記実施例2による収納装置200と共通する。実施例2による収納装置200と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0091】
詳しく述べると、実施例3では、図10に示される実施例2の第2掛け止め部90を廃止するとともに、掛け止め外れ規制部310の底部211(実施例2の掛け止め外れ規制部210の底部211に相当する)によって、実施例2の第2掛け止め部90を兼ねている。つまり、実施例3の底部211は、第2掛け止め部90の機能を備えている。
【0092】
第2アーム143の突出部143eが底部211に当たることによって、第2アーム143は容器20に掛け止めた状態となる。この場合には、突出部143eが第2アーム143の掛け部の機能を備えている。以下、突出部143eのことを「第2掛け部143e」ということがある。
【0093】
このように実施例3では、底部211と突出部143e(第2掛け部143d)とによって掛け止め機能を果たすとともに、凹部101を成す壁102(図4参照)と突出部143eとによってけ止め外れ規制を果たす。掛け止め外れ規制部310のことを「第2掛け止め部310」ということがある。実施例2の第2掛け止め部90を廃止することができるので、構成を簡略化することができる。
【0094】
実施例3の収納装置300は、実施例3の効果の他に、上記実施例1の収納装置10の効果及び実施例2の収納装置200と同様の効果を発揮することができる。
【0095】
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
突出部143eは、凹部101の開口101aへ向かって突出していればよく、環状の構成に限定されるものではない。例えば突出部143eは、凹部101の開口101aへ向かって突出した棒状の構成であってもよい。また、凹部101はブラケット22の肉厚を貫通するように形成し、突出部143eを鍵形状に形成して係止するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の収納装置10,200,300は、車両用センターコンソールボックスとして用いるのに好適である。
【符号の説明】
【0097】
10 収納装置
20 容器
21 上端の開口
22 ブラケット
30 リッド
31 脚部
33 位置合わせ部
33a 位置合わせ部の内周面
40 支持軸
60 コイル支持部
70 カバー
71 カバーの端面
72 逃げ部
73 カバーの外周面
80 軸支持孔(第2軸支持孔)
90 掛け止め部(第2掛け止め部)
100 掛け止め外れ規制部
101 凹部
101a 開口
110 軸支持孔(第1軸支持孔)
120 軸支持部
130 掛け止め部(第1掛け止め部)
140 ねじりコイルばね
141 コイル
141a コイルの一方の巻き端(第1巻き端)
141b コイルの他方の巻き端(第2巻き端)
141c コイルの外周面
142 第1アーム
142a 第1掛け部
143 第2アーム
143d 掛け部(第2掛け部)
143e 突出部
200 収納装置
210 掛け止め外れ規制部
300 収納装置
310 掛け止め外れ規制部(第2掛け止め部)
CL 支持軸の軸線
R1 リッドを開放する方向
R2 リッドを閉鎖する方向
R3 第2掛け止め部によって受け止める方向
Rf 着脱方向
TL 突出部の旋回軌跡
θ 接触範囲(嵌め込み範囲)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11