(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093164
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】検査用照明システム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240702BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240702BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240702BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240702BHJP
【FI】
G01N21/84 E
F21S2/00 312
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209361
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】牧岡 幸一
(72)【発明者】
【氏名】尾迫 佑樹
【テーマコード(参考)】
2G051
3K013
【Fターム(参考)】
2G051AB20
2G051BA02
2G051BA20
2G051BC01
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
(57)【要約】
【課題】縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射する検査用照明システムにおいて、LED基板の裏面側に複数の抵抗素子を分散して配置できるようにする。
【解決手段】縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射するものであって、一方の面に複数のLED素子がマトリクス状に搭載され、その裏面に複数の抵抗素子と基板実装コネクタとが搭載されたLED基板を備え、平面視において前記LED基板が複数のエリアに区分けされ、当該区分けされたエリア毎に前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子とが搭載されており、区分けされた前記複数のエリアの少なくとも一部において、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている検査用照明システム。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射するものであって、
一方の面に複数のLED素子がマトリクス状に搭載され、その裏面に複数の抵抗素子と基板実装コネクタとが搭載されたLED基板を備え、
平面視において前記LED基板が複数のエリアに区分けされ、当該区分けされたエリア毎に前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子とが搭載されており、
区分けされた前記複数のエリアの少なくとも一部において、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている検査用照明システム。
【請求項2】
前記LED基板が縦2×横2の4つのエリアに区分けされており、
当該4つのエリアの全てにおいて、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている請求項1に記載の検査用照明システム。
【請求項3】
前記4つのエリアにそれぞれ搭載した前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子の配置が、互いに回転対称の関係となっている請求項2に記載の検査用照明システム。
【請求項4】
前記各エリア内において複数の前記LED素子が互いに向きを揃え、かつ隣り合うエリアにおける複数のLED素子の向きが互いに異なるようにした請求項1に記載の検査用照明システム。
【請求項5】
前記各エリア内において複数の前記LED素子とこれに対応する複数の前記抵抗素子との接続順序を揃え、かつ隣り合うエリアにおける複数の前記LED素子と複数の前記抵抗素子の接続順序が互いに逆向きとなるようにした請求項4に記載の検査用照明システム。
【請求項6】
照射する縞状パターンの光が並ぶ方向とその遷移方向を、縦横で切り替えられるように構成された請求項1に記載の検査用照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射する検査用照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークの表面形状等を検知するのに、縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射する検査用照明システムが知られている(例えば特許文献1)。従来この検査用照明システムでは、複数の導線を縦横に交差するように設け、その交差位置にLED素子を接続することで複数のLED素子をマトリクス状に配置し、各導線に接続されたスイッチング素子をコントローラで開閉制御することで、縞状パターンの光を生成するとともにこの位相を遷移させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような縞状パターンの光を位相を遷移させて照射する検査用照明システムでは、LED基板の一方の面に複数のLED素子がマトリクス状に搭載され、その裏面に各LED素子に流れる電流を制限する複数の抵抗素子が搭載され、これらは基板を貫通するビアにより導通される。さらにこの検査用照明システムでは、複数のスイッチング素子を搭載したバッファ基板をLED基板の裏側に接続することがあるが、基板間での電力損失を低減するために、LED基板の裏面に基板実装コネクタを搭載し、この基板実装コネクタにバッファ基板を接続することがある。しかしながら、このようにすると、LED基板の裏面に、複数のLED素子に対応する複数の抵抗素子と基板実装コネクタとが密に実装されることとなる。そうすると例えば
図11に示すように、基板実装コネクタの近傍に抵抗素子が局地的に密集する箇所が生じてしまい、その近辺では多くのビアを設ける必要があるため配線の取り回しが非常に難しくなる。
【0005】
本発明はこのような問題を解決すべくなされたものであり、縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射する検査用照明システムにおいて、LED基板の裏面側に複数の抵抗素子を分散して配置できるようにすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明にかかる検査用照明システムは、縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射するものであって、一方の面に複数のLED素子がマトリクス状に搭載され、その裏面に複数の抵抗素子と基板実装コネクタとが搭載されたLED基板を備え、平面視において前記LED基板が複数のエリアに区分けされ、当該区分けされたエリア毎に前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子とが搭載されており、区分けされた前記複数のエリアの少なくとも一部において、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射する検査用照明システムにおいて、LED基板の裏面側に複数の抵抗素子を分散して配置できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態の検査用照明システムの全体構成を模式的に示す図。
【
図2】同実施形態の検査用照明器のLED駆動回路の構成を模式的に示す図。
【
図3】同実施形態の検査用照明システムの構成を示す図。
【
図4】同実施形態の検査用照明器を横から視た構成を模式的に示す図。
【
図5】同実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図6】他の実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図7】他の実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図8】他の実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図9】他の実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図10】他の実施形態の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【
図11】従来の検査用照明器のLED基板の裏面側の配置パターンを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の検査用照明システムの一実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
<装置構成>
本実施形態の検査用照明システム400は、例えばワークWの表面の凹凸形状を検知するのに用いられるものであり、ワークWの表面に縞状パターンの光を照射するとともに、この縞状パターンの位相を遷移させるものである。本実施形態の検査用照明システム400は、照射する縞状パターンの光が並ぶ方向とその遷移方向を、縦横で切り替えられるように構成されており、所謂2軸位相シフト照明と称されるものである。
【0011】
具体的にこの検査用照明システム400は、
図1に示すように、縞状パターンで発光可能な発光面を有する検査用照明器100と、検査用照明器100に電力を供給する電源装置200と、検査用照明器100の発光パターンを制御するコントローラ300とを備えている。
【0012】
検査用照明器100は、複数のLED素子11と複数の抵抗素子12とが搭載されたLED基板1と、LED基板1に重ねて配置された、複数のスイッチング素子21が搭載されたバッファ基板2とを備えている。
【0013】
LED基板1は、平面視で矩形状を成すプリント基板であり、その一方の表面(搭載面)に複数のLED素子11が縦横マトリクス状に配置されている。各LED素子11は、例えば白色光等の任意の色調の光を発する表面実装型のものであり、平面視において縦方向及び横方向に沿って等ピッチに並べられている。
【0014】
LED基板1の裏面側には、複数の抵抗素子12が搭載されている。抵抗素子12は、LED素子11に流れる電流を制限するためのものであり、複数のLED素子11の各々に対応して1つずつ設けられている。各抵抗素子12と各LED素子11は互いに直列に接続されている。この複数のLED素子11と複数の抵抗素子12とは、基板を貫通するビアにより電気的に接続されている。
【0015】
またLED基板1の裏面側には、基板と基板とを信号接続する基板実装コネクタ13が搭載されている。具体的にこの基板実装コネクタ13は、基板対基板コネクタとも称されるものであり、プリント基板に嵌合する複数の接続ピン(図示しない)を有している。バッファ基板2は、LED基板1に取り付けられたこの基板実装コネクタ13の接続ピンに接続されることで、LED基板1に対して重ねて取付けられる。
【0016】
バッファ基板2は、LED基板1の裏面側に配置されたプリント基板であり、LED基板1に対して重ねる(スタックする)ように配置されている。バッファ基板2には、各LED素子11が接続された回路を開閉する複数のスイッチング素子21が設けられている。このスイッチング素子21は、例えばMOSFET等の電界効果トランジスタが挙げられるがこれに限らない。この複数のバッファ基板2は互いに同じ構成のものであってよい。たとえば、複数のバッファ基板2は、いずれも同じ大きさであり、かつ同種類の素子が同数かつ同じ配置で搭載されていてもよい。
【0017】
本実施形態の検査用照明器100の回路構成について説明する。
図2に示すように、このLED駆動回路100Cでは、複数の導線が縦横に交差するように設けられている。この縦横に並ぶ導線が互いに交差する箇所は絶縁されている。横の導線Y1~Y6と縦の導線X1~X6の各交差位置に、LED素子11と抵抗素子12とが直列に接続されている。より具体的には、LED素子11のアノード側とカソード側の一方が横の導線Y1~Y6に接続され、他方が縦の導線X1~X6に接続されている。各縦の導線X1~X6と各横の導線Y1~Y6の端にはスイッチング素子21が接続されている。
【0018】
このようなLED駆動回路100Cにおいて、縦方向に沿った縞状パターンで発光させるには、横方向の導線に接続されたスイッチング素子21に信号を入力していずれもオンにし、縦方向の導線に接続されたスイッチング素子21を例えば1つ飛ばしでオンにすればよい。そして、例えば縦方向の導線に接続されたスイッチング素子21のオン・オフを交互に切り替えることで、縞状パターンを横方向に遷移させることができる。スイッチング素子21のオン・オフを、縦方向と横方向とで切り替えることで、横方向に沿った縞状パターンで発光させ、これを縦方向に遷移させることができる。
【0019】
電源装置200は、検査用照明器100が備えるLED駆動回路100Cに直流電圧を入力するものであり、具体的にはCVCC電源等である。
【0020】
コントローラ300は、検査用照明器100が備えるスイッチング素子21のオン・オフを制御するものであり、予め記憶した所定のパターンに従って、バッファ基板2に搭載されたスイッチング素子21のオン・オフを制御する制御信号を伝送するものである。
【0021】
しかして本実施形態の検査用照明器100では、
図3及び
図4に示すように、平面視においてLED基板1が複数のエリアに区分けされており、当該エリア毎にバッファ基板2が接続されている。具体的にこの検査用照明器100では、LED基板1が縦2×横2の4つのエリアに区分けされており、エリア毎に基板実装コネクタ13を介してバッファ基板2が接続されている。つまりこの検査用照明器100では、1枚のLED基板1の裏面に4つの基板実装コネクタ13が搭載されており、この基板実装コネクタ13を介して4枚のバッファ基板2が接続されている。そして各バッファ基板2には、対応する各エリアに設けられた縦又は横の複数の導線の開閉を行う複数のスイッチング素子21が設けられている。またLED基板1の表面側にマトリクス状に配置される複数のLED素子11も、この4つのエリアに均等に配置されている。
【0022】
なお本実施形態では、各バッファ基板2には通信用IC22が搭載されており、コントローラ300は、スイッチング素子21のオン・オフを制御する制御信号を各バッファ基板2の通信用IC22に対して差動通信により伝送するよう構成されている。さらに本実施形態では、各バッファ基板2には、電源装置200から供給された直流電圧(ここでは24V)を所定の直流電圧(ここでは3.6V)に低下させるDC/DCコンバータ23が搭載されており、電源装置200から供給された直流電圧は、バッファ基板2において電圧値が低下された後、LED駆動回路100Cに印加されるようにしている。
【0023】
そして本実施形態の検査用照明器100では、LED基板1の裏面側において複数の抵抗素子12を分散して配置するようにすべく、
図5に示すように、LED基板1の区分けされたエリア毎に基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12とが搭載されている。そして、この区分けした複数のエリアの少なくとも一部において、隣り合うエリアにそれぞれ搭載した基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置を、互いに約90°回転させた関係としている。
【0024】
本実施形態では、4つのエリアの全てにおいて、隣り合うエリアにそれぞれ搭載した基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている。より具体的には4つのエリアを時計回りに進むと、エリア内の基板実装コネクタ13と抵抗素子12の配置が時計回りに約90°ずつ回転するようにしている。言い換えると、各エリアにおける基板実装コネクタ13と抵抗素子12の配置が、互いに回転対称となる関係となっている。ここでは、4つの全てのエリアにおいて、長尺状の基板実装コネクタ13を、縦方向又は横方向に沿って平行とし、かつLED基板1の中央に寄せて配置している。そして、各エリアにおいて複数の抵抗素子12を、基板実装コネクタ13が伸びる方向と直交する方向に沿って複数列並べて配置している。さらにここでは、各抵抗素子12はいずれも長尺形状をなしており、各エリアにおいて複数の抵抗素子12は、その長手方向が基板実装コネクタ13の長手方向と一致するように搭載されている。
【0025】
また各エリアにおいて、基板実装コネクタ13は、縦又は横の複数の導線に跨るようにして配置されている。例えば
図5において、LED基板1の右上のエリアの基板実装コネクタ13は横の導線Y1~Y3に跨り、左上のエリアの基板実装コネクタ13は縦の導線X1~X3に跨り、左下のエリアの基板実装コネクタ13は横の導線Y4~Y6に跨り、右下のエリアの基板実装コネクタ13は縦の導線X4~X6に跨って配置されている。
【0026】
次に、各エリアにおけるこのような基板実装コネクタ13と抵抗素子12の配置を実現し得るための本実施形態の構成を説明する。本実施形態の検査用照明器100では、LED基板1に搭載されるLED素子11の向きをエリア毎に変えるとともに、対応するLED素子11と抵抗素子12の接続順序をエリア毎に変えるようにしている。
【0027】
具体的には、
図5に示すように、各エリア内において複数のLED素子11の向き(アノード電極11aとカソード電極11bが並ぶ向き)を揃えるとともに、隣り合う他のエリアにおけるLED素子11の向きとは異なる(約90°回転させた関係となる)ようにしている。ここでは、LED基板1における右上と左下のエリア内では複数のLED素子11を横向きに配置し、これらと隣り合う左上と右下のエリア内では複数のLED素子11を縦向きに配置している。
【0028】
また
図2に示すように、各エリア内においてLED素子11とこれに対応する抵抗素子12との接続順序を揃えるとともに、隣り合う他のエリア内におけるLED素子11と抵抗素子12との接続順序とは逆になるようにしている。ここでは、LED基板1における右上と左下のエリア内ではLED素子11と抵抗素子12とをこの順に直列接続し、これらと隣り合う左上と右下のエリア内でLED素子11と抵抗素子12とを逆の順に直列接続するようにしている。
【0029】
<作用効果>
このように構成された本実施形態の検査用照明システム400によれば、LED基板1を複数のエリアに区分けするとともに、基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12を各エリアに分散させ、さらに少なくとも一部の隣り合うエリア間で、基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置を互いに90°回転させた関係となるようにしているので、LED基板1の裏面において、基板実装コネクタ13の存在により抵抗素子12の配置が密となってしまう箇所を分散できる。これによりビアが密集する箇所を分散することができ、配線の取り回しを容易にできる。
【0030】
<その他の実施形態>
なお、本願発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば他の実施形態では、
図6に示すように、各エリアにおいて長尺状の基板実装コネクタ13を、縦方向又は横方向に沿って平行とし、かつLED基板1の外縁部に寄せて配置するようにしてもよい。
【0031】
また前記実施形態では、各エリア内の基板実装コネクタ13と抵抗素子12の配置が互いに回転対称の関係となっていたがこれに限らない。他の実施形態では、
図7に示すように、4つのエリアを時計回りに進むと、エリア内の基板実装コネクタ13と抵抗素子12の配置が反時計回りに約90°ずつ回転するようにしてもよい。また
図8に示すように、各エリアにおいて、複数の抵抗素子12は、その長手方向が基板実装コネクタ13の長手方向と直交するように搭載されてもよい。
【0032】
さらに前記実施形態では、4つのエリアの全てにおいて、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置が、互いに約90°回転させた関係となっていたが、これに限らない。他の実施形態では、
図9に示すように、複数のエリアのうち一部(ここでは、右上、左上、右下のエリア)において、基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置が、隣り合うエリア内の配置に対して約90°回転させたものとなっていてもよい。
【0033】
また他の実施形態では、
図10に示すように、1つの基板実装コネクタ13が、複数のエリアに跨って設けられていてもよい。このような場合であっても、一部のエリア(ここでは、右上と右下)において、基板実装コネクタ13と複数の抵抗素子12の配置を、隣り合うエリア内の配置に対して約90°回転させた関係とすることで、本発明の効果を奏することができる。
【0034】
また前記実施形態では、各バッファ基板2に通信用IC22が搭載され、コントローラ300との間で差動通信により制御信号を伝送するようにしていたがこれに限らない。他の実施形態では、各バッファ基板2に通信用IC22が搭載されていなくてもよい。また各バッファ基板2にはDC/DCコンバータ23が搭載されてなくてもよい。
【0035】
また前記実施形態では、1枚のLED基板1に対して複数枚のバッファ基板2が設けられていたがこれに限らない。他の実施形態では、1枚のLED基板1に対して1枚のバッファ基板2が設けられていてもよい。
【0036】
また前記実施形態の基板実装コネクタ13は、接続ピン等を介してLED基板1とバッファ基板2の両方に接続できる基板対基板コネクタであったが、これに限らない。他の実施形態の基板実装コネクタ13としては、フラットケーブルやフレキシブル基板等が接続されるコネクタであってもよい。
【0037】
その他、本願発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、本明細書の開示は以下の態様1~6を含む。
【0038】
(態様1)
縞状パターンの光をその位相を遷移させつつワークの表面に照射するものであって、一方の面に複数のLED素子がマトリクス状に搭載され、その裏面に複数の抵抗素子と基板実装コネクタとが搭載されたLED基板を備え、平面視において前記LED基板が複数のエリアに区分けされ、当該区分けされたエリア毎に前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子とが搭載されており、区分けされた前記複数のエリアの少なくとも一部において、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている検査用照明システム。
【0039】
このような態様であれば、LED基板を複数のエリアに区分けするとともに、基板実装コネクタと複数の抵抗素子を各エリアに分散させ、さらに少なくとも一部の隣り合うエリア間で、基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置を互いに90°回転させた関係となるようにしているので、LED基板の裏面において、基板実装コネクタの存在により抵抗素子の配置が密となってしまう箇所を分散できる。これによりビアが密集する箇所を分散することができ、配線の取り回しを容易にできる。
【0040】
(態様2)
前記LED基板が縦2×横2の4つのエリアに区分けされており、当該4つのエリアの全てにおいて、隣り合うエリアにそれぞれ搭載された基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置が、互いに約90°回転させた関係となっている態様1に記載の検査用照明システム。
このような態様であれば、区分けされた全てのエリアにおいて、隣り合うエリア間で基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置を互いに90°回転させた関係とできるので、抵抗素子の配置が密となる箇所をより一層低減できる。
【0041】
(態様3)
前記4つのエリアにそれぞれ搭載した前記基板実装コネクタと前記複数の抵抗素子の配置が、互いに回転対称の関係となっている態様2に記載の検査用照明システム。
このような態様であれば、LED基板の裏側において複数の基板実装コネクタを均等に配置できるので、抵抗素子の配置が密となる箇所をさらに低減できる。
【0042】
(態様4)
前記各エリア内において複数の前記LED素子が互いに向きを揃え、かつ隣り合うエリアにおける複数のLED素子の向きが互いに異なるようにした態様1~3のいずれかに記載の検査用照明システム。
このような態様であれば、上記した基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置を実現し得る。
【0043】
(態様5)
前記各エリア内において複数の前記LED素子とこれに対応する複数の前記抵抗素子との接続順序を揃え、かつ隣り合うエリアにおける複数の前記LED素子と複数の前記抵抗素子の接続順序が互いに逆向きとなるようにした態様1~4のいずれかに記載の検査用照明システム。
このような態様であれば、上記した基板実装コネクタと複数の抵抗素子の配置を実現し得る。更に、抵抗素子の配置が密なために基板配線を部分的に細くせざるを得ないといった問題が生じることなく太い配線で基板全体を構成したり、配線パターン設計の容易化等を図ることもできる。
【0044】
(態様6)
照射する縞状パターンの光が並ぶ方向とその遷移方向を、縦横で切り替えられるように構成された態様1~5のいずれかに記載の検査用照明システム。
【符号の説明】
【0045】
400・・・検査用照明システム
1 ・・・LED基板
11 ・・・LED素子
12 ・・・抵抗素子
13 ・・・基板実装コネクタ
W ・・・ワーク