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  • 特開-猫用爪研ぎ 図1
  • 特開-猫用爪研ぎ 図2
  • 特開-猫用爪研ぎ 図3
  • 特開-猫用爪研ぎ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093180
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】猫用爪研ぎ
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A01K15/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209383
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】509238915
【氏名又は名称】有限会社 エイムクリエイツ
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴史
(57)【要約】
【課題】猫が壁型の猫用爪研ぎの壁部材を登ろうとする際に、猫の足元が安定して爪研ぎをすることが可能な猫用爪研ぎを提供する。
【解決手段】本発明に係る猫用爪研ぎは、底面が矩形で上面が開口した箱体の内部に、猫が爪を研ぐための第一の爪研ぎ部材が上面に露出するように設置された底面部材と、前記底面部材の背面側に接続され、猫が爪を研ぐための第二の爪研ぎ部材が前面側の側面に露出するように設置された壁部材と、前記箱体の前面側の側面及び右側の側面の接続部を補強する右前補強部材と、前記箱体の前面側の側面及び左側の側面の接続部を補強する左前補強部材とを有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面が矩形で上面が開口した箱体の内部に、猫が爪を研ぐための第一の爪研ぎ部材が上面に露出するように設置された底面部材と、
前記底面部材の背面側に接続され、猫が爪を研ぐための第二の爪研ぎ部材が前面側の側面に露出するように設置された壁部材と、
前記箱体の前面側の側面及び右側の側面の接続部を補強する右前補強部材と、
前記箱体の前面側の側面及び左側の側面の接続部を補強する左前補強部材と
を有する猫用爪研ぎ。
【請求項2】
前記箱体が紙製であり、
前記左前補強部材及び前記右前補強部材が、プラスチック製である
請求項1に記載の猫用爪研ぎ。
【請求項3】
前記左前補強部材及び前記右前補強部材として、前記箱体の右側の側面から前面側の側面を通って左側の側面まで延在するコの字形状の一体型補強部材を有する
請求項1に記載の猫用爪研ぎ。
【請求項4】
前記一体型補強部材が、前記箱体の右側の側面及び左側の側面に固定される
請求項3に記載の猫用爪研ぎ。
【請求項5】
前記箱体が紙製であり、
前記一体型補強部材が、プラスチック製である
請求項3又は4に記載の猫用爪研ぎ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫が爪を研ぐための猫用爪研ぎに関する。
【背景技術】
【0002】
猫には、カーペット、段ボール、木などに爪をたてて爪研ぎをする習性がある。その理由としては、古い爪をはがして鋭くするため、ニオイをつけて自分の場所であることを示すため、ストレス解消のためなどと言われている。そのため、放っておくと家のカーペット、柱、壁、家具など様々な場所で猫が爪研ぎをしてしまい、家中が傷だらけになってしまう。そこで、専用の猫用爪研ぎを猫に与えることが有効である。
【0003】
特に、猫には上に登ろうとする習性もある。そこで、特許文献1には、猫が爪を研ぐための爪研ぎ部材(A)が表面に露出するように設置された壁部材(X)と、前記壁部材(X)の底部に接続され、猫が爪を研ぐための爪研ぎ部材(B)が表面に露出するように設置された底面部材(Y)とを有し、前記壁部材(X)の高さが75cm以上であり、前記壁部材(X)の少なくとも高さ10~75cmの位置の表面に、前記爪研ぎ部材(A)が露出している猫用爪研ぎが記載されている。このような壁型の猫用爪研ぎであれば、猫が底面部材(Y)の表面に露出する爪研ぎ部材(B)上に立ち上がって壁部材(X)を登ろうとしながら、爪研ぎ部材(A)で爪研ぎをすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3187315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された猫用爪研ぎには、使用しているうちに底面部材(Y)がガタつきやすくなり、猫が底面部材(Y)の表面に露出する爪研ぎ部材(B)上に立ち上がって壁部材(X)を登ろうとする際に、猫の足元が不安定になるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、猫が壁型の猫用爪研ぎの壁部材を登ろうとする際に、猫の足元が安定して爪研ぎをすることが可能な猫用爪研ぎを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る猫用爪研ぎは、
底面が矩形で上面が開口した箱体の内部に、猫が爪を研ぐための第一の爪研ぎ部材が上面に露出するように設置された底面部材と、
前記底面部材の背面側に接続され、猫が爪を研ぐための第二の爪研ぎ部材が前面側の側面に露出するように設置された壁部材と、
前記箱体の前面側の側面及び右側の側面の接続部を補強する右前補強部材と、
前記箱体の前面側の側面及び左側の側面の接続部を補強する左前補強部材と
を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、猫が壁型の猫用爪研ぎの壁部材を登ろうとする際に、猫の足元が安定して爪研ぎをすることが可能な猫用爪研ぎを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの組み立て時の状態を示す模式的斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎに用いる一体型補強部材を示す模式的斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの組み立て後の状態を示す模式的斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの使用状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る猫用爪研ぎの組み立て後の状態を図3に示す。図3に示す猫用爪研ぎ1は、猫が爪を研ぐための第一の爪研ぎ部材11が上面に露出するように設置された底面部材10と、猫が爪を研ぐための第二の爪研ぎ部材21が前面側の側面に露出するように設置された壁部材20とを有している。壁部材20は、底面部材10の背面側に接続されている。このような壁型の猫用爪研ぎ1であれば、その使用状態を図4に示すように、猫が底面部材10の表面に露出する第一の爪研ぎ部材11上に立ち上がって壁部材20を登ろうとしながら、第二の爪研ぎ部材21で爪研ぎをすることができる。
【0011】
底面部材10は、図3に示すように、猫が爪を研ぐための第一の爪研ぎ部材11が上面に露出するように設置されたものであり、通常、直方体からなる平板状をなしている。底面部材10は、猫が立ち上がって壁部材20を登ろうとしながら第二の爪とぎ部材21を削って爪を研ぐときの台座としての役割、及び猫が寝転がってくつろぎながら第一の爪とぎ部材11を削って爪を研ぐラウンジとしての役割を有する。底面部材10を底面が矩形で上面が開口した箱体の形状とし、その開口部から内部に第一の爪研ぎ部材11をはめ込むことで、底面部材10の上面に露出するように第一の爪研ぎ部材11を設置することができる。第一の爪研ぎ部材11は、底面部材10の上面全面に露出するように設置されることが好ましい。
【0012】
底面部材10の箱体は、一般的に紙製である。第一の爪研ぎ部材11の材質としては、カーペット、段ボール、木などが挙げられるが、段ボールが好ましい。段ボール製の爪研ぎ部材としては、段ボールが複数積層された段ボールブロックが挙げられる。段ボールブロックであれば、上面が開口した箱体の内部に、簡単にはめ込むことができる。
【0013】
底面部材10の大きさは、猫用爪研ぎ1を利用する猫の大きさを考慮して適宜設定すればよく、例えば、図3に示す、底面部材10の幅Wは250~500mmから、底面部材10の奥行Dは200~400mmから、底面部材10の厚さTは20~100mmから選択することができる。より具体的な例としては、底面部材10の幅Wを280mm、350mm、380mm、又は450mmとし、底面部材10の奥行Dを260mm、320mm、又は360mmとし、底面部材10の厚さTを50mmとすることができる。
【0014】
壁部材20は、図3に示すように、底面部材10の背面側に接続され、猫が爪を研ぐための第二の爪研ぎ部材21が前面側の側面に露出するように設置されたものであり、通常、直方体からなる平板状をなしている。壁部材20を底面(背面)が矩形で前面側の側面が開口した箱体の形状とし、その開口部から内部に第二の爪研ぎ部材21をはめ込むことで、壁部材20の前面側の側面に露出するように第二の爪研ぎ部材21を設置することができる。第二の爪研ぎ部材21は、壁部材20の前面側の側面全面に露出するように設置されることが好ましい。
【0015】
壁部材20の箱体は、一般的に紙製である。第二の爪研ぎ部材21の材質としては、カーペット、段ボール、木などが挙げられるが、段ボールが好ましい。段ボール製の爪研ぎ部材としては、段ボールが複数積層された段ボールブロックが挙げられる。段ボールブロックであれば、前面側の側面が開口した箱体の内部に、簡単にはめ込むことができる。
【0016】
壁部材20の大きさは、猫用爪研ぎ1を利用する猫の大きさを考慮して適宜設定すればよく、例えば、図3に示す、壁部材20の幅W(底面部材10の幅Wと同じであることが好ましい。)は250~500mmから、壁部材20の高さHは500~1200mmから、壁部材20の厚さTは20~100mmから選択することができる。より具体的な例としては、壁部材20の幅Wを280mm、350mm、380mm、又は450mmとし、壁部材20の高さHを550mm、700mm、900mm、又は1000mmとし、壁部材20の厚さTを5mmとすることができる。
【0017】
壁部材20の高さHが大きい(例えば750mm以上)場合、猫用爪研ぎをパッケージにすると、全体として非常に大きな製品になってしまう。そこで、壁部材20を複数(例えば2つ)に分割し、それを組み立てる方式にすることが好ましい。こうすることで、猫用爪研ぎのパッケージを小型化することができる。壁部材20を分割する数は、2つでもよく、3つでもよく、4つ以上でもよいが、組み立ての容易さから2つが好ましい。複数の壁部材20は、完全に分離していてもよいが、壁部材20の箱体の背面を共通に有し、折れ曲がる構造であることが好ましい。互いに隣り合う壁部材20の間は、例えば両面テープで接合することができる。また、互いに隣り合う壁部材20の間の接合を補強するための壁補強部材を有することが好ましい。壁補強部材と壁部材20の側面との間は、例えば両面テープで接合することができる。
【0018】
猫用爪研ぎ1は、さらに、底面部材10と壁部材20の左側面及び右側面に、底面部材10と壁部材20との接続を補強する側面部材30が設置されていることが好ましい。側面部材30としては、図3に示すように、底面部材10と壁部材20の左側面及び右側面に設置された三角形状の仕切り板であることが好ましい。こうすることで、猫用爪研ぎ1の安定性が高まる。側面部材30は、一般的に紙製である。
【0019】
猫用爪研ぎ1は、その組み立て時の状態を図1に示すように、底面部材10の箱体の右側の側面10bから前面側の側面10aを通って左側の側面10cまで延在するコの字形状の一体型補強部材40を有している。一体型補強部材40の外観構造を図2に示すように、前面側部材40aの両脇に右側部材40b及び左側部材40cを有している。一体型補強部材40は、最初からコの字形状でもよいが、平板状のものを組み立て時に折り曲げて形成することもできる。このような一体型補強部材40を、底面部材10の箱体の右側の側面10bから前面側の側面10aを通って左側の側面10cまで延在させることで、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部を補強することができ、猫が壁型の猫用爪研ぎ1の壁部材20を登ろうとする際に、猫の足元が安定して第二の爪研ぎ部材21で爪研ぎをすることが可能となる。
【0020】
この理由としては、以下のとおりである。すなわち、猫が壁型の猫用爪研ぎ1の底面部材10の表面に露出する第一の爪研ぎ部材11上に立ち上がって壁部材20を登ろうとすると、猫の足に接する第一の爪研ぎ部材11が前面側に押されるため、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部に応力がかかる。その応力により、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び/又は左側の側面10cとの接続部が破壊又は割けてしまう場合があり、それにより第一の爪研ぎ部材11がガタつくようになって、猫の足元が不安定になってしまう。そこで、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部を補強し、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部が破壊又は割けてしまうことを防止することで、猫の足元が安定になる。
【0021】
一体型補強部材40の材質としては、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部を補強できるものから選択すればよく、紙、木、プラスチック、セラミック、金属などが挙げられるが、薄く加工しやすく高強度で軽量なプラスチック製が好ましい。プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが挙げられる。
【0022】
一体型補強部材40の大きさは、底面部材10の大きさを考慮して適宜設定すればよく、例えば、図2に示す、一体型補強部材40の幅Wは245~505mmから、一体型補強部材40の奥行Dは25~150mmから、一体型補強部材40の高さHは15~105mmから選択することができる。一体型補強部材40は、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部に配置されるものであるから、一体型補強部材40の幅W及び高さHは、それぞれ底面部材10の幅W及び厚さTと実質的に同じであることが好ましく、それぞれ底面部材10の幅W及び厚さTの-5~+5mmであることがより好ましい。より具体的な例としては、一体型補強部材40の幅Wを底面部材10の幅W-3mmとし、一体型補強部材40の奥行Dを50mm、85mm、又は100mmとし、一体型補強部材40の高さTを底面部材10の厚さT-3mmとすることができる。
【0023】
一体型補強部材40は、底面部材10の箱体の外側に配置されてもよいが、見た目の問題から、底面部材10の箱体の内側に配置されることが好ましい。あるいは、底面部材10の箱体が二重構造になっている場合は、その間に挿入されることが好ましい。一体型補強部材40は、底面部材10の箱体の右側の側面10b及び左側の側面10cに固定されることが好ましい。一体型補強部材40は、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと固定されていてもよいが、固定されていなくてもよい。一体型補強部材40と底面部材10の箱体の右側の側面10b及び左側の側面10c(並びに前面側の側面10a)とは、例えば両面テープで固定することができる。
【0024】
なお、底面部材10の箱体の前面側の側面10aと右側の側面10b及び左側の側面10cとの接続部を補強する観点から、上記一体型補強部材40の代わりに、底面部材10の箱体の前面側の側面10a及び右側の側面10bの接続部を補強する右前補強部材と、底面部材10の箱体の前面側の側面10a及び左側の側面10bの接続部を補強する左前補強部材とを別々に有する構成でも構わない。この場合、右前補強部材及び左前補強部材は、L字型であることが好ましい。ただし、設置・組み立てが容易で、補強力が高い一体型補強部材40が好ましい。
【0025】
以上のような本発明に係る猫用爪研ぎであれば、その使用状態を図4に示すように、猫が壁型の猫用爪研ぎの壁部材を登ろうとする際に、猫の足元が安定して爪研ぎをすることが可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1 猫用爪研ぎ
10 底面部材
10a 箱体の前面側の側面
10b 箱体の右側の側面
10c 箱体の左側の側面
11 第一の爪研ぎ部材
20 壁部材
21 第二の爪研ぎ部材
30 側面部材
40 一体型補強部材
40a 一体型補強部材の前面側部材
40b 一体型補強部材の右側部材
40c 一体型補強部材の左側部材
一体型補強部材の幅
一体型補強部材の奥行
一体型補強部材の高さ
底面部材及び壁部材の幅
底面部材の奥行
底面部材の厚さ
壁部材の幅
壁部材の高さ
壁部材の厚さ
図1
図2
図3
図4