(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093183
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】バレル加工装置および電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 13/00 20130101AFI20240702BHJP
【FI】
H01G13/00 391Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209389
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】牧野 聖
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤元 大志
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082AA01
5E082AB03
(57)【要約】
【課題】装置に発生する振動を低減するバレル加工装置を提供する。
【解決手段】バレル加工装置100は、複数のワークピースWKのバレル加工を行うバレル加工装置であって、複数のメディアMDを収容した第1の容器111と、複数のメディアMDを収容した第2の容器112と、モータ140に接続されたクランク軸130と、第1の容器111をクランク軸130に接続する第1のリンク機構121と、第2の容器112をクランク軸130に接続する第2のリンク機構122とを備える。第1の容器111と第2の容器112とは、クランク軸130を挟んだ位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークピースのバレル加工を行うバレル加工装置であって、
複数のメディアを収容した第1の容器と、
複数のメディアを収容した第2の容器と、
モータに接続されたクランク軸と、
前記第1の容器を前記クランク軸に接続する第1のリンク機構と、
前記第2の容器を前記クランク軸に接続する第2のリンク機構と、
を備え、
前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記クランク軸を挟んだ位置に配置されている、
バレル加工装置。
【請求項2】
前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記クランク軸を挟んで点対称の位置に配置されている、請求項1に記載のバレル加工装置。
【請求項3】
前記第1の容器には、前記ワークピースとしてセラミック素体が収容されており、
前記第2の容器には、前記ワークピースとしてセラミック素体が収容されており、
前記バレル加工は、バレル研磨である、
請求項1に記載のバレル加工装置。
【請求項4】
前記第1の容器の質量をM1とし、前記第2の容器の質量をM2とすると、
|M1-M2|/M1<0.1である、
請求項1に記載のバレル加工装置。
【請求項5】
前記クランク軸は、回転運動を往復振動に変換し、前記往復振動を前記第1のリンク機構を介して前記第1の容器に供給し、かつ、前記往復振動を前記第2のリンク機構を介して前記第2の容器に供給し、
前記クランク軸は、前記第2の容器に供給される前記往復振動の位相が、前記第1の容器に供給される前記往復振動の位相に対して180度±10度異なるように、構成されている、
請求項1に記載のバレル加工装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のバレル加工装置を用いて、複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体であるセラミック素体を備える電子部品の製造方法であって、
第1の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、第2の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、
前記第1の容器と前記第2の容器とが、クランク軸を挟んだ位置に配置されるように、前記第1の容器を第1のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、前記第2の容器を第2のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、
これにより、複数の前記セラミック素体のバレル加工を行う、
電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バレル加工装置および電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バレル容器に収容される複数のワークピースのバレル加工を行うバレル加工装置が知られている。例えば、特許文献1には、セラミック素体を備える電子部品の製造方法におけるセラミック素体のバレル研磨工程において用いられる遠心式のバレル研磨装置が開示されている。このバレル研磨装置では、複数のセラミック素体および複数のメディアをバレル容器に収容し、バレル容器を回転させることによって、例えば公転および自転させることによって、複数のセラミック素体をバレル研磨する。このようにして、バレル研磨工程では、複数のセラミック素体の角部および稜線部に丸みをつける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、複数のワークピースおよび複数のメディアをバレル容器に収容し、バレル容器に振動を与えることによって、複数のワークピースのバレル加工を行うバレル加工装置を考案している。しかし、本願発明者らの知見によれば、バレル容器に振動を与えることに起因して、バレル加工装置に振動が発生してしまう。
【0005】
本発明は、装置に発生する振動を低減するバレル加工装置および電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバレル加工装置は、複数のワークピースのバレル加工を行うバレル加工装置であって、複数のメディアを収容した第1の容器と、複数のメディアを収容した第2の容器と、モータに接続されたクランク軸と、前記第1の容器を前記クランク軸に接続する第1のリンク機構と、前記第2の容器を前記クランク軸に接続する第2のリンク機構と、を備える。前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記クランク軸を挟んだ位置に配置されている。
【0007】
本発明に係る電子部品の製造方法は、上記のバレル加工装置を用いて、複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体であるセラミック素体を備える電子部品の製造方法であって、第1の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、第2の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、前記第1の容器と前記第2の容器とが、クランク軸を挟んだ位置に配置されるように、前記第1の容器を第1のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、前記第2の容器を第2のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、これにより、複数の前記セラミック素体のバレル加工を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バレル加工装置に発生する振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るバレル加工装置を示す概略断面図である。
【
図2】本実施形態に係る電子部品の一例であって、バレル加工後の積層体を備える電子部品を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す電子部品の一例のIII-III線断面図である。
【
図4】
図2に示す電子部品の一例のIV-IV線断面図である。
【
図5】
図2~
図4に示す電子部品の一例における積層体のバレル加工前の積層チップ、すなわちセラミック素体、を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0011】
(電子部品)
まず、本実施形態に係るバレル加工装置の加工対象物(以下、ワークピースともいう。)の一例として、電子部品における積層体のバレル加工前の積層チップ(以下、セラミック素体ともいう。)について、
図2~
図5を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係る電子部品の一例であって、バレル加工後の積層体を備える電子部品を示す斜視図である。
図3は、
図2に示す電子部品の一例のIII-III線断面図であり、
図4は、
図2に示す電子部品の一例のIV-IV線断面図である。
図5は、
図2~
図4に示す電子部品の一例における積層体のバレル加工前の積層チップ、すなわちセラミック素体、を示す斜視図である。
【0012】
図2~
図4に示す電子部品1の一例は、積層セラミックコンデンサであり、バレル加工後の積層体10と外部電極40とを備える。外部電極40は、第1の外部電極41と第2の外部電極42とを含む。
図5に示す積層体10のバレル加工前の積層チップ10Z、すなわちセラミック素体は、後述するバレル加工装置のワークピースの一例である。
【0013】
図2~
図5には、XYZ直交座標系が示されている。X方向は電子部品1および積層体10の長さ方向Lであり、Y方向は電子部品1および積層体10の幅方向Wであり、Z方向は電子部品1および積層体10の積層方向Tである。これにより、
図3に示す断面はLT断面とも称され、
図4に示す断面はWT断面とも称される。
【0014】
なお、長さ方向L、幅方向Wおよび積層方向Tは、必ずしも互いに直交する関係になるとは限らず、互いに交差する関係であってもよい。
【0015】
積層体10は、略直方体形状であり、積層方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2とを有する。
【0016】
積層体10の角部および稜線部には、後述するバレル加工装置によって、丸みがつけられている。角部は、積層体10の3面が交る部分であり、稜線部は、積層体10の2面が交る部分である。
【0017】
図3および
図4に示すように、積層体10は、積層方向Tに積層された複数の誘電体層20と複数の内部電極層(以下、導体層ともいう。)30とを有する。また、積層体10は、積層方向Tにおいて、内層部10Aと、内層部10Aを挟み込むように配置された第1の外層部10Bおよび第2の外層部10Cとを有する。
【0018】
内層部10Aは、複数の誘電体層20の一部と複数の内部電極層30とを含む。内層部10Aでは、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている。内層部10Aは、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
【0019】
第1の外層部10Bは、積層体10の第1の主面TS1側に配置されており、第2の外層部10Cは、積層体10の第2の主面TS2側に配置されている。より具体的には、第1の外層部10B、複数の内部電極層30のうち第1の主面TS1に最も近い内部電極層30と第1の主面TS1との間に配置されており、第2の外層部10Cは、複数の内部電極層30のうち第2の主面TS2に最も近い内部電極層30と第2の主面TS2との間に配置されている。第1の外層部10Bおよび第2の外層部10Cは、内部電極層30を含まず、複数の誘電体層20のうち内層部10Aのための一部以外の部分をそれぞれ含む。第1の外層部10Bおよび第2の外層部10Cは、内層部10Aの保護層として機能する部分である。
【0020】
誘電体層20の材料としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3等を主成分として含む誘電体セラミックを用いることができる。また、誘電体層20の材料としては、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、またはNi化合物等を副成分として添加されてもよい。
【0021】
複数の内部電極層30は、複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32を含む。複数の第1の内部電極層31および複数の第2の内部電極層32は、積層体10の積層方向Tに交互に配置されている。
【0022】
第1の内部電極層31は、対向電極部31Aと引出電極部31Bとを含み、第2の内部電極層32は、対向電極部32Aと引出電極部32Bとを含む。
【0023】
対向電極部31Aと対向電極部32Aとは、積層体10の積層方向Tにおいて誘電体層20を介して互いに対向している。対向電極部31Aおよび対向電極部32Aの形状は、特に限定されず、例えば略矩形状であればよい。対向電極部31Aと対向電極部32Aとは、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。
【0024】
引出電極部31Bは、対向電極部31Aから積層体10の第1の端面LS1に向けて延在し、第1の端面LS1において露出している。引出電極部32Bは、対向電極部32Aから積層体10の第2の端面LS2に向けて延在し、第2の端面LS2において露出している。引出電極部31Bおよび引出電極部32Bの形状は、特に限定されず、例えば略矩形状であればよい。
【0025】
これにより、第1の内部電極層31は第1の外部電極41に接続され、第1の内部電極層31と、積層体10の第2の端面LS2、すなわち第2の外部電極42、との間にはギャップが存在する。また、第2の内部電極層32は第2の外部電極42に接続され、第2の内部電極層32と、積層体10の第1の端面LS1、すなわち第1の外部電極41、との間にはギャップが存在する。
【0026】
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、金属Niを主成分として含む。また、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えば、Cu、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金、から選ばれる少なくとも1つを主成分として含んでもよいし、主成分以外の成分として含んでもよい。更に、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、誘電体層20に含まれるセラミックと同一組成系の誘電体の粒子を主成分以外の成分として含んでいてもよい。なお、本明細書において、主成分の金属とは、最も重量%が高い金属成分であると定める。
【0027】
図4に示すように、積層体10は、幅方向Wにおいて、内部電極層30が対向する電極対向部W30と、電極対向部W30を挟み込むように配置された第1のサイドギャップ部WG1および第2のサイドギャップ部WG2とを有する。第1のサイドギャップ部WG1は、電極対向部W30と第1の側面WS1との間に位置し、第2のサイドギャップ部WG2は、電極対向部W30と第2の側面WS2との間に位置する。より具体的には、第1のサイドギャップ部WG1は、内部電極層30の第1の側面WS1側の端と第1の側面WS1との間に位置し、第2のサイドギャップ部WG2は、内部電極層30の第2の側面WS2側の端と第2の側面WS2との間に位置する。第1のサイドギャップ部WG1および第2のサイドギャップ部WG2は、内部電極層30を含まず、誘電体層20のみを含む。第1のサイドギャップ部WG1および第2のサイドギャップ部WG2は、内部電極層30の保護層として機能する部分である。なお、第1のサイドギャップ部WG1および第2のサイドギャップ部WG2は、Wギャップともいう。
【0028】
図3に示すように、積層体10は、長さ方向Lにおいて、内部電極層30の第1の内部電極層31と第2の内部電極層32とが対向する電極対向部L30と、第1のエンドギャップ部LG1と、第2のエンドギャップ部LG2とを有する。第1のエンドギャップ部LG1は、電極対向部L30と第1の端面LS1との間に位置し、第2のエンドギャップ部LG2は、電極対向部L30と第2の端面LS2との間に位置する。より具体的には、第1のエンドギャップ部LG1は、第2の内部電極層32の第1の端面LS1側の端と第1の端面LS1との間に位置し、第2のエンドギャップ部LG2は、第1の内部電極層31の第2の端面LS2側の端と第2の端面LS2との間に位置する。第1のエンドギャップ部LG1は、第2の内部電極層32を含まず、第1の内部電極層31および誘電体層20を含み、第2のエンドギャップ部LG2は、第1の内部電極層31を含まず、第2の内部電極層32および誘電体層20を含む。第1のエンドギャップ部LG1は、第1の内部電極層31の第1の端面LS1への引出電極部として機能する部分であり、第2のエンドギャップ部LG2は、第2の内部電極層32の第2の端面LS2への引出電極部として機能する部分である。第1のエンドギャップ部LG1および第2のエンドギャップ部LG2は、Lギャップともいう。
【0029】
なお、電極対向部L30には、上述した第1の内部電極層31の対向電極部31Aおよび第2の内部電極層32の対向電極部32Aが位置する。また、第1のエンドギャップ部LG1には、上述した第1の内部電極層31の引出電極部31Bが位置し、第2のエンドギャップ部LG2には、上述した第2の内部電極層32の引出電極部32Bが位置する。
【0030】
上述した積層体10の寸法は、特に限定されないが、例えば長さ方向Lの長さが0.1mm以上3.2mm以下であり、幅方向Wの幅が0.05mm以上1.6mm以下であり、厚さ方向Tの厚さが0.05mm以上1.6mm以下であってもよい。
また、後述する外部電極40を含む電子部品1の寸法は、特に限定されないが、例えば長さ方向Lの長さが0.1mm以上3.2mm以下であり、幅方向Wの幅が0.05mm以上1.6mm以下であり、厚さ方向Tの厚さが0.05mm以上1.6mm以下であってもよい。なお、これらの寸法は公差によって加減される。
【0031】
なお、積層体10または積層セラミックコンデンサ1の平均厚さは、以下のように測定される。まず、研磨により露出させた積層体または積層セラミックコンデンサの長さ方向に直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。次に、積層体または積層セラミックコンデンサの断面の中心を通る積層方向に沿った中心線、およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における厚さを測定する。この5つの測定値の平均値とする。
また、積層体10または積層セラミックコンデンサ1の平均長さは、以下のように測定される。まず、研磨により露出させた積層体または積層セラミックコンデンサの長さ方向に直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。次に、積層体または積層セラミックコンデンサの断面の中心を通る長さ方向に沿った中心線、およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における長さを測定する。この5つの測定値の平均値とする。
また、積層体10または積層セラミックコンデンサ1の平均幅は、以下のように測定される。まず、研磨により露出させた積層体または積層セラミックコンデンサの幅方向に直交する断面を走査型電子顕微鏡にて観察する。次に、積層体または積層セラミックコンデンサの断面の中心を通る幅方向に沿った中心線、およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における幅を測定する。この5つの測定値の平均値とする。
【0032】
外部電極40は、第1の外部電極41と第2の外部電極42とを含む。
【0033】
第1の外部電極41は、積層体10の第1の端面LS1に配置されており、第1の内部電極層31に接続されている。第1の外部電極41は、第1の端面LS1から、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部に延びていてもよい。また、第1の外部電極41は、第1の端面LS1から、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部に延びていてもよい。
【0034】
第2の外部電極42は、積層体10の第2の端面LS2に配置されており、第2の内部電極層32に接続されている。第2の外部電極42は、第2の端面LS2から、第1の主面TS1の一部および第2の主面TS2の一部に延びていてもよい。また、第2の外部電極42は、第2の端面LS2から、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部に延びていてもよい。
【0035】
第1の外部電極41は、第1の下地電極層41Aと第1のめっき層41Bとを有し、第2の外部電極42は、第2の下地電極層42Aと第2のめっき層42Bとを有する。なお、第1の外部電極41は第1のめっき層41Bのみから構成されていてもよいし、第2の外部電極42は第2のめっき層42Bのみから構成されていてもよい。
【0036】
第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aは、金属とガラスとを含む焼成層であってもよい。ガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、Al、またはLi等から選ばれる少なくとも1つを含むガラス成分が挙げられる。具体例として、ホウケイ酸ガラスを用いることができる。金属としては、Cuを主成分として含む。また、金属としては、例えばNi、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の合金、から選ばれる少なくとも1つを主成分として含んでもよいし、主成分以外の成分として含んでもよい。
【0037】
焼成層は、金属およびガラスを含む導電性ペーストをディップ法によって積層体に塗布して焼成した層である。なお、誘電体層および内部電極層の焼成後に焼成されてもよく、誘電体層および内部電極層と同時に焼成されてもよい。また、焼成層は、複数層であってもよい。
【0038】
或いは、第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aは、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層であってもよい。樹脂層は、上述した焼成層上に形成されてもよいし、焼成層を形成せずに積層体に直接形成されてもよい。
【0039】
樹脂層は、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布法によって積層体に塗布して加熱硬化した層である。なお、誘電体層および内部電極層の焼成後に加熱硬化されてもよく、誘電体層および内部電極層と同時に加熱硬化されてもよい。また、樹脂層は、複数層であってもよい。
【0040】
焼成層または樹脂層としての第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aの各々の一層あたりの厚さとしては、特に限定されず、1μm以上10μm以下であってもよい。
【0041】
或いは、第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aは、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の薄膜層であってもよい。
【0042】
第1のめっき層41Bは、第1の下地電極層41Aの少なくとも一部を覆い、第2のめっき層42Bは、第2の下地電極層42Aの少なくとも一部を覆う。第1のめっき層41Bおよび第2のめっき層42Bとしては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、またはAu等の金属、またはAg-Pd合金等の合金から選ばれる少なくとも1つを含む。
【0043】
第1のめっき層41Bおよび第2のめっき層42Bの各々は複数層により形成されていてもよい。好ましくは、NiめっきおよびSnめっきの2層構造である。Niめっき層は、下地電極層がセラミック電子部品を実装する際のはんだによって侵食されることを防止することができ、Snめっき層は、セラミック電子部品を実装する際のはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
【0044】
第1のめっき層41Bおよび第2のめっき層42Bの各々の一層あたりの厚さとしては、特に限定されず、1μm以上10μm以下であってもよい。
【0045】
(電子部品の製造方法)
次に、上述した電子部品1の製造方法について説明する。まず、誘電体層20用の誘電体シートおよび内部電極層30用の導電性ペーストを準備する。誘電体シートおよび導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれる。バインダおよび溶剤としては公知の材料を用いることができる。
【0046】
次に、誘電体シート上に導電性ペーストを、例えば所定のパターンで印刷することにより、誘電体シート上に内部電極パターンを形成する。内部電極パターンの形成方法としては、スクリーン印刷またはグラビア印刷等を用いることができる。
【0047】
次に、内部電極パターンが印刷されていない第2の外層部10C用の誘電体シートを所定枚数積層する。その上に、内部電極パターンが印刷された内層部10A用の誘電体シートを順次積層する。その上に、内部電極パターンが印刷されていない第1の外層部10B用の誘電体シートを所定枚数積層する。これにより、積層シートが作製される。
【0048】
次に、静水圧プレス等の手段により、積層シートを積層方向にプレスし、積層ブロックを作製する。次に、積層ブロックを所定のサイズにカットし、
図5に示す積層チップ10Zを切り出す。次に、積層チップ10Zを焼成し、積層体10を作製する。焼成温度は、誘電体や内部電極の材料にもよるが、900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
【0049】
ここで、積層チップ10Zの焼成前に、後述するバレル加工装置を用いたバレル研磨により、焼成前の積層チップ10Z、すなわちセラミック素体の角部および稜線部に丸みをつける。或いは、積層チップ10Zの焼成後に、後述するバレル加工装置を用いたバレル研磨により、焼成後の積層体10、すなわちセラミック素体の角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
【0050】
次に、ディップ法を用いて、積層体10の第1の端面LS1を下地電極層用の電極材料である導電性ペーストに浸漬することによって、第1の端面LS1に第1の下地電極層41A用の導電性ペーストを塗布する。同様に、ディップ法を用いて、積層体10の第2の端面LS2を下地電極層用の電極材料である導電性ペーストに浸漬することによって、第2の端面LS2に第2の下地電極層42A用の導電性ペーストを塗布する。その後、これらの導電性ペーストを焼成することにより、焼成層である第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aが形成される。焼成温度は、600℃以上900℃以下であることが好ましい。
【0051】
なお、上述したように、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布法によって塗布して加熱硬化することによって、樹脂層である第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aを形成してもよいし、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により、薄膜である第1の下地電極層41Aおよび第2の下地電極層42Aを形成してもよい。
【0052】
また、上述では、積層チップを焼成した後に下地電極層を形成して焼成した、すなわち積層体と外部電極とを別々に焼成した。しかし、積層チップを焼成する前に下地電極層を形成して焼成してもよい、すなわち、積層体と外部電極とを同時に焼成してもよい。
【0053】
その後、第1の下地電極層41Aの表面に第1のめっき層41Bを形成して第1の外部電極41を形成し、第2の下地電極層42Aの表面に第2のめっき層42Bを形成して第2の外部電極42を形成する。以上の工程により、上述した電子部品1が得られる。
【0054】
(バレル加工装置)
次に、本実施形態に係るバレル加工装置について説明する。
図1は、本実施形態に係るバレル加工装置を示す概略断面図である。
図1に示すバレル加工装置100は、ワークピースWK、例えば
図5に示す電子部品1における積層体10のバレル加工前の積層チップ10Z、すなわちセラミック素体の角部および稜線部をバレル研磨して丸みをつける装置である。なお、以下では、ワークピースWKとして、電子部品1における積層体10の焼成前の積層チップ10Zを例示するが、焼成前の積層チップ10Zは、焼成後の積層体10に置き換えられてもよい。
【0055】
バレル加工装置100は、架台150上に、第1の容器111と、第2の容器112と、第1のリンク機構121と、第2のリンク機構122と、クランク軸130と、サーボモータ140とを備える。
【0056】
第1の容器111は、複数のワークピースWK、例えば
図5に示す複数の積層チップ10Zと、金属またはセラミック等で構成された複数のメディアボールMDとを収容している。第1の容器111は、更に、水等の液体を収容してもよい。
同様に、第2の容器112は、複数のワークピースWK、例えば
図5に示す複数の積層チップ10Zと、金属またはセラミック等で構成された複数のメディアボールとを収容している。第2の容器112は、更に、水等の液体を収容してもよい。
【0057】
第1の容器111および第2の容器112は、金属または樹脂等で構成されている。第1の容器111および第2の容器112の大きさは、例えば、高さ、幅、長さ方向でそれぞれ100mm以上300mm以下である。なお、第1の容器111および第2の容器112の体積は等価であることが好ましく、中に封入されるワークピースWK、メディアボールMDなどの質量についても等価となるように調整されることが好ましい。
【0058】
第1の容器111と第2の容器112とは、クランク軸130を挟んだ位置に配置されている。換言すれば、第1の容器111と第2の容器112とは、クランク軸130から第1の容器111に延びる直線に沿う方向において、クランク軸130に対して互いに反対側に配置されている。更に換言すれば、第2の容器112は、クランク軸130を中心として、第1の容器111に対して90度を超えて270度未満の範囲に配置されている。
【0059】
第1の容器111と第2の容器112とは、クランク軸130を挟んで点対称の位置に配置されていると好ましい。換言すれば、第1の容器111と第2の容器112とは、鉛直方向において、クランク軸130に対して互いに反対側に配置されていると好ましい。更に換言すれば、第2の容器112は、クランク軸130を中心として、第1の容器111に対して180度の位置に配置されていると好ましい。
【0060】
第1のリンク機構121は、第1の容器111をクランク軸130に接続している。例えば、第1のリンク機構121は、第1の容器111に固定接続されるとともに、クランク軸130によって往復振動可能にクランク軸130に接続される。
同様に、第2のリンク機構122は、第2の容器112をクランク軸130に接続している。例えば、第2のリンク機構122は、第2の容器112に固定接続されるとともに、クランク軸130によって往復振動可能にクランク軸130に接続される。
【0061】
クランク軸130は、サーボモータ140に接続されており、所定の回転数で回転駆動される。クランク軸130は、回転運動を往復振動に変換し、変換した往復振動を第1のリンク機構121および第2のリンク機構122に与える。これにより、クランク軸130によって変換された往復振動が、第1のリンク機構121を介して第1の容器111に供給され、かつ、第2のリンク機構122を介して第2の容器112に供給される。
【0062】
例えば、クランク軸130における部分131および134は、回転運動を往復振動に変換し、変換した往復振動を第1のリンク機構121に与える。また、クランク軸130における部分132および133は、回転運動を往復振動に変換し、変換した往復振動を第2のリンク機構122に与える。クランク軸130の回転運動を往復運動に変換する方法は種々あるが、例えばクランク軸130における部分131および134が円筒形であり、これの軸の中心部から相対的に偏心した位置と、例えば第1のリンク機構121を接続することで往復運動に変換させることができる。また、クランク軸130の回転運動を往復運動に変換する方法は種々あるが、例えばクランク軸130における部分132および133が円筒形であり、これの軸の中心部から相対的に偏心した位置と、例えば第2のリンク機構122を接続することで往復運動に変換させることができる。
【0063】
部分131および134の偏心方向と部分132および133の偏心方向とは、180度±10度、好ましくは180度、異なっている。これにより、第2のリンク機構122に与えられる往復振動の位相は、第1のリンク機構121に与えられる往復振動の位相に対して180度±10度、好ましくは180度、異なっている。
【0064】
このように、クランク軸130は、第2の容器112に供給される往復振動の位相が、第1の容器111に供給される往復振動の位相に対して180度±10度、好ましくは180度、異なるように、構成されている。
すなわち、第2の容器112に供給される往復振動の振幅の正負は、第1の容器111に供給される往復振動の振幅の正負と逆となっている。
【0065】
ここで、第1の容器111が上に移動するとき、バレル加工装置100全体を上に上げようとする力が生じる。一方、第1の容器111が下に移動するとき、バレル加工装置100全体を下に下げようとする力が生じる。これにより、バレル加工装置100に上下方向の慣性力が交互に発生し、バレル加工装置100に振動が発生し得る。
【0066】
この点に関し、第1の容器111が上に移動することによって、バレル加工装置100全体を上に上げようとする力が生じるとき、第2の容器112が下に移動することによって、バレル加工装置100全体を下に下げようとする力が生じる。一方、第1の容器111が下に移動することによって、バレル加工装置100全体を下に下げようとする力が生じるとき、第2の容器112が上に移動することによって、バレル加工装置100全体を上に上げようとする力が生じる。これにより、第1の容器111の上下移動によってバレル加工装置100に生じる上下方向の慣性力は、第2の容器112の上下移動によってバレル加工装置100に生じる上下方向の慣性力によって低減され、好ましくは打ち消される。そのため、バレル加工装置100に振動が発生することを低減する、好ましくは打ち消すことができる。
【0067】
上述したバレル加工装置100の振動の低減効果は、最大振動加速度aが9.8m/s2を超える場合に大きく発揮される。
a[m/s2]=r[m]×(2π×N[rpm]/60)2>9.8m/s2
r:クランク軸の偏心量、具体的には、クランク軸を軸方向からみて、モータと接続する軸を中心とした偏心量
N:モータの回転数
例えば、モータの回転数Nは、600rpm以上3000rpm以下であると好ましい。
【0068】
また、例えば、第1の容器111および第2の容器112の各々の質量は、10kg以上30kg以下であると好ましい。第1の容器111および第2の容器112の各々の質量とは、収容物、すなわちセラミック素体、メディアボールおよび液体など、を含む質量である。
また、第1の容器111の質量をM1とし、第2の容器112の質量をM2とすると、|M1-M2|/M1<0.1であると好ましい。すなわち、第1の容器111の質量と第2の容器112の質量との差は、第1の容器111の質量の10%以下、例えば0kg以上3kg以下、であると好ましい。これにより、第1の容器111から生じるエネルギーと第2の容器112から生じるエネルギーとをキャンセルし易くすることができる。
【0069】
(電子部品の製造方法におけるバレル加工工程)
次に、電子部品1の製造方法におけるバレル研磨工程であって、上述したバレル加工装置100を用いて、
図5に示す電子部品1における積層体10のバレル加工前の積層チップ10Z、すなわちセラミック素体の角部および稜線部をバレル研磨して丸みをつける工程について説明する。なお、以下では、電子部品1における積層体10の焼成前の積層チップ10Zのバレル研磨工程を例示するが、焼成前の積層チップ10Zは、焼成後の積層体10に置き換えられてもよい。
【0070】
まず、第1の容器111に、
図5に示す複数の積層チップ10Zおよび複数のメディアボールを収容する。また、第2の容器112に、
図5に示す複数の積層チップ10Zおよび複数のメディアボールを収容する。
【0071】
次に、第1の容器111と第2の容器112とが、クランク軸130を挟んだ位置に配置されるように、第1の容器111を第1のリンク機構121を介してクランク軸130に接続し、第2の容器112を第2のリンク機構122を介してクランク軸130に接続する。
【0072】
次に、クランク軸130を回転駆動する。すると、クランク軸130によって、
・回転運動を往復振動に変換し、
・第2の容器112に供給される往復振動の位相が、第1の容器111に供給される往復振動の位相に対して180度±10度異なるように、
・往復振動を第1のリンク機構121を介して第1の容器111に供給し、かつ、往復振動を第2のリンク機構122を介して第2の容器112に供給する。
これにより、複数の積層チップ10Z、すなわちセラミック素体の角部および稜線部をバレル研磨して丸みをつける。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のバレル加工装置100によれば、第1の容器111と第2の容器112とは、クランク軸130を挟んだ位置に配置されており、クランク軸130は、回転運動を往復振動に変換し、往復振動を第1のリンク機構121を介して第1の容器111に供給し、かつ、往復振動を第2のリンク機構122を介して第2の容器112に供給し、クランク軸130は、第2の容器112に供給される往復振動の位相が、第1の容器111に供給される往復振動の位相に対して180度±10度異なるように、構成されている。これにより、第1の容器111の上下移動によってバレル加工装置100に生じる上下方向の慣性力は、第2の容器112の上下移動によってバレル加工装置100に生じる上下方向の慣性力によって低減され、好ましくは打ち消される。そのため、バレル加工装置100に振動が発生することを低減する、好ましくは打ち消すことができる。
【0074】
また、本実施形態のバレル加工装置100によれば、バレル加工処理ユニットとして2つの容器111および112を備えるので、生産性を向上することができる。また、2つの容器111および112は鉛直方向に配置されているので、装置の設置面積を増大させることなく、生産性を向上することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、バレル加工装置のワークピースの一例として、誘電体セラミックを用いた積層セラミックコンデンサを説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、バレル加工装置のワークピースとしては、種々の電子部品が適用可能である。
【0076】
例えば、バレル加工装置のワークピースとして、圧電体セラミックを用いた圧電部品、半導体セラミックを用いたサーミスタ、磁性体セラミックを用いたインダクタ等の種々の電子部品が適用可能である。圧電体セラミックとしては例えばPZT系セラミック等が挙げられ、半導体セラミックとしては例えばスピネル系セラミック等が挙げられ、磁性体セラミックとしては例えばフェライト等が挙げられる。
【0077】
また、上述した実施形態によれば、バレル加工としてバレル研磨を行うバレル加工装置を説明した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、めっき加工等の種々のバレル加工を行うバレル加工装置にも適用可能である。
【0078】
また、本発明は以下のような形態であってもよい。
<1> 複数のワークピースのバレル加工を行うバレル加工装置であって、
複数のメディアを収容した第1の容器と、
複数のメディアを収容した第2の容器と、
モータに接続されたクランク軸と、
前記第1の容器を前記クランク軸に接続する第1のリンク機構と、
前記第2の容器を前記クランク軸に接続する第2のリンク機構と、
を備え、
前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記クランク軸を挟んだ位置に配置されている、
バレル加工装置。
【0079】
<2> 前記第1の容器と前記第2の容器とは、前記クランク軸を挟んで点対称の位置に配置されている、<1>に記載のバレル加工装置。
【0080】
<3> 前記第1の容器には、前記ワークピースとしてセラミック素体が収容されており、
前記第2の容器には、前記ワークピースとしてセラミック素体が収容されており、
前記バレル加工は、バレル研磨である、
<1>または<2>に記載のバレル加工装置。
【0081】
<4> 前記第1の容器の質量をM1とし、前記第2の容器の質量をM2とすると、
|M1-M2|/M1<0.1である、
<1>から<3>のいずれか1つに記載のバレル加工装置。
【0082】
<5> 前記クランク軸は、回転運動を往復振動に変換し、前記往復振動を前記第1のリンク機構を介して前記第1の容器に供給し、かつ、前記往復振動を前記第2のリンク機構を介して前記第2の容器に供給し、
前記クランク軸は、前記第2の容器に供給される前記往復振動の位相が、前記第1の容器に供給される前記往復振動の位相に対して180度±10度異なるように、構成されている、
請求項<1>から<4>のいずれか1つに記載のバレル加工装置。
【0083】
<6> <1>から<5>のいずれか1つに記載のバレル加工装置を用いて、複数の誘電体層と1または複数の導体層とが積層された積層体であるセラミック素体を備える電子部品の製造方法であって、
第1の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、第2の容器に、複数の前記セラミック素体および複数のメディアを収容し、
前記第1の容器と前記第2の容器とが、クランク軸を挟んだ位置に配置されるように、前記第1の容器を第1のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、前記第2の容器を第2のリンク機構を介して前記クランク軸に接続し、
これにより、複数の前記セラミック素体のバレル加工を行う、
電子部品の製造方法。
【符号の説明】
【0084】
1 電子部品
10 バレル加工後の積層体
10Z 積層体のバレル加工前の積層チップ(セラミック素体、ワークピース)
100 バレル加工装置
111 第1の容器
112 第2の容器
121 第1のリンク機構
122 第2のリンク機構
130 クランク軸
131、132、133、134 クランク軸の部分
140 サーボモータ(モータ)
150 架台
WK ワークピース(セラミック素体)
MD メディアボール(メディア)