(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093190
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】超音波診断装置及び超音波診断方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209402
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 功太
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE11
4C601GA18
4C601GA21
4C601JC15
4C601KK32
(57)【要約】
【課題】従来よりも少ない負担で、超音波画像に付加情報を追加すること。
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、画像取得部、画像評価部及び画像選択部を備える。画像取得部は、それぞれ異なる位置で撮像された複数の撮像画像を取得する。画像評価部は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、前記複数の撮像画像を評価する。画像選択部は、前記画像評価部が評価した評価結果に基づいて、前記複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる位置で撮像された複数の撮像画像を取得する画像取得部と、
超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、前記複数の撮像画像を評価する画像評価部と、
前記画像評価部が評価した評価結果に基づいて、前記複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する画像選択部と、
を備える超音波診断装置。
【請求項2】
前記画像特徴情報は、超音波プローブ及び被検体の体表を少なくとも含む、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記画像特徴情報は、前記超音波プローブが前記被検体の体表を当接する状態をさらに含む、
請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記画像評価部が評価した前記複数の撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、前記複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、前記撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する第1撮像指示部と、を備える、
請求項1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記画像選択部が選択した前記撮像画像を撮像した撮像装置に対して、前記撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する第2撮像指示部と、を備える、
請求項1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記第1撮像指示部が指示する前記撮像制御は、前記撮像装置が撮像する向きの変更である、
請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第2撮像指示部が指示する前記撮像制御は、前記撮像装置が撮像する視野の変更である、
請求項5に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記第2撮像指示部は、ユーザの操作に応じて、前記撮像装置に対して、前記撮像制御を指示する、
請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
超音波診断装置による超音波診断方法であって、
それぞれ異なる位置で撮像された複数の撮像画像を取得する画像取得ステップと、
超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、前記複数の撮像画像を評価する画像評価ステップと、
前記画像評価ステップが評価した評価結果に基づいて、前記複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する画像選択ステップと、
を含む超音波診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置及び超音波診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置は、移動が可能な装置として、使用時には、運搬を想定している。また、超音波診断装置が撮像した超音波画像に付加情報(一例として、ボディマーク等)を追加する技術が検討されている。
【0003】
従来方法として超音波診断装置に付属している、又は超音波診断装置に取り付けた撮像装置(一例として、webカメラ等)を利用するが、撮像装置と患者との距離が近いことから撮影範囲が狭まる場合がある。また、例えば、検査室に固定された撮像装置は、超音波診断装置と接続するためには移動先の検査室に合わせた準備が必要となり手間が多くなることがある。
【0004】
すなわち、複数の撮像映像から検査毎に適切な画像を選択することや、超音波診断装置を移動する度に、超音波診断装置と撮像装置との接続作業が必要になるため、作業負担が大きいことや接続するための準備時間も要することから移動可能な装置では使い勝手が悪くなることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、従来よりも少ない負担で、超音波画像に付加情報を追加することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の超音波診断装置は、画像取得部、画像評価部及び画像選択部を備える。画像取得部は、それぞれ異なる位置で撮像された複数の撮像画像を取得する。画像評価部は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、前記複数の撮像画像を評価する。画像選択部は、前記画像評価部が評価した評価結果に基づいて、前記複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る撮像装置の配置の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る撮像装置が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る撮像装置が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る撮像装置が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る撮像装置が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願に係る超音波診断装置、スキャン制御方法及びスキャン制御プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る超音波診断装置、スキャン制御方法及びスキャン制御プログラムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の説明において、同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態における超音波診断装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8を備える。装置本体5は、超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8と、通信可能に接続される。
【0011】
超音波プローブ2は、装置本体5に含まれる送受信回路51に接続される。超音波プローブ2は、例えば、プローブ本体に複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、送受信回路51から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ2は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ2は、プローブ本体において、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ2は、装置本体5と着脱自在に接続される。
【0012】
超音波プローブ2から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ2が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0013】
なお、超音波プローブ2は、複数の圧電振動子が一列で配置された1次元超音波プローブの複数の圧電振動子を機械的に揺動する超音波プローブや、複数の圧電振動子が格子状に2次元で配置された2次元超音波プローブである超音波プローブであり、被検体Pを3次元でスキャンすることが可能である。
【0014】
ディスプレイ3は、超音波診断装置1の操作者が入力インターフェース4を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体5において生成された超音波画像や表示情報等を表示したりする。また、ディスプレイ3は、装置本体5の処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ3は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。
【0015】
入力インターフェース4は、所定の位置(例えば、関心領域等)の設定や、画像の表示方向の設定、数値の入力、モードの切り替え等を行うための操作を受け付ける。例えば、入力インターフェース4は、トラックボール、スイッチ、ボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチモニタ、光学センサを用いた非接触入力回路及び音声入力回路等によって実現される。
【0016】
入力インターフェース4は、後述する処理回路55に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路55へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース4は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路55へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0017】
第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8は、超音波プローブ2、装置本体5、操作者及び被検体Pを撮像する。第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8は、撮像装置の一例である。例えば、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8は、検査室内に設置され、それぞれ異なる位置(別の角度)から超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5、操作者及び被検体Pを撮像する。
【0018】
第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8は、後述する処理回路55に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路55へと出力された電気信号に基づいて、超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5、操作者及び被検体Pを撮像する。
【0019】
例えば、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8は、後述する処理回路55が生成した超音波画像を静止する機能を示すフリーズが操作者により入力インターフェース4から入力操作を受け付けられると、超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5、操作者及び被検体Pを撮像する。なお、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像の説明について後述する。なお、撮像装置の数はこれに限定されない。
【0020】
装置本体5は、送受信回路51、Bモード処理回路52、ドプラ処理回路53、メモリ54及び処理回路55を有する。
図1に示す超音波診断装置1においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ54へ記憶されている。送受信回路51、Bモード処理回路52、ドプラ処理回路53及び処理回路55は、メモリ54からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0021】
送受信回路51は、パルス発生器、送信遅延回路及びパルサ等を有し、超音波プローブ2に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ2から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ、送信指向性を決定するために必要な圧電振動子毎の遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ2に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
【0022】
なお、送受信回路51は、後述する処理回路55の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0023】
また、送受信回路51は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延回路及び加算器等を有し、超音波プローブ2が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路によって処理された反射波信号の加算処理を行って反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0024】
Bモード処理回路52は、送受信回路51から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0025】
ドプラ処理回路53は、送受信回路51から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。第1実施形態の移動体は、血管内を流動する血液や、リンパ管内を流動するリンパ液等の流体である。
【0026】
なお、Bモード処理回路52及びドプラ処理回路53は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路52は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路53は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
【0027】
3次元のBモードデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに位置する反射源の反射強度に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。また、3次元のドプラデータは、3次元走査範囲の各走査線上で設定された複数の点(サンプル点)それぞれに、血流情報(速度、分散、パワー)の値に応じた輝度値が割り当てられたデータとなる。
【0028】
メモリ54は、処理回路55が生成した表示用の超音波画像を記憶する。また、メモリ54は、Bモード処理回路52やドプラ処理回路53が生成したデータを記憶する。さらに、メモリ54は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディマーク等の各種データを記憶する。また、メモリ54は、処理回路55が取得した第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を記憶する。
【0029】
処理回路55は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路55は、
図1に示す制御機能551、画像生成機能552、表示制御機能553、画像取得機能554、画像評価機能555、画像選択機能556及び画像追加機能557に対応するプログラムをメモリ54から読み出して実行することで、種々の処理を行う。ここで、制御機能551は、制御部の一例である。また、画像生成機能552は、画像生成部の一例である。さらに、画像取得機能554は、画像取得部の一例である。画像評価機能555は、画像評価部の一例である。また、画像選択機能556は、画像選択部の一例である。さらに、画像追加機能557は、画像追加部の一例である。
【0030】
制御機能551は、入力インターフェース4を介して操作者から入力された各種設定要求や、メモリ54から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路51、Bモード処理回路52、ドプラ処理回路53の処理を制御する。
【0031】
画像生成機能552は、Bモード処理回路52及びドプラ処理回路53が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成機能552は、Bモード処理回路52が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像データを生成する。Bモード画像データは、超音波走査された領域内の組織形状が描出されたデータとなる。また、画像生成機能552は、ドプラ処理回路53が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表すドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、又は、これらを組み合わせた画像データである。ドプラ画像データは、超音波走査された領域内を流動する流体に関する流体情報を示すデータとなる。
【0032】
ここで、画像生成機能552は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像を生成する。具体的には、画像生成機能552は、超音波プローブ2による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像を生成する。
【0033】
また、画像生成機能552は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成機能552は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディマーク等を合成する。
【0034】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成機能552が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像である。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
【0035】
さらに、画像生成機能552は、Bモード処理回路52が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行うことで、3次元のBモード画像データを生成する。また、画像生成機能552は、ドプラ処理回路53が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、3次元のドプラ画像データを生成する。3次元のBモードデータ及び3次元のドプラデータは、スキャンコンバート処理前のボリュームデータとなる。すなわち、画像生成機能552は、「3次元のBモード画像データや3次元のドプラ画像データ」を「3次元の超音波画像データであるボリュームデータ」として生成する。
【0036】
さらに、画像生成機能552は、ボリュームデータをディスプレイ3にて表示するための各種の2次元画像データ(超音波画像)を生成するために、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行うことができる。
【0037】
表示制御機能553は、メモリ54が記憶する表示用の超音波画像をディスプレイ3にて表示するように制御する。また、表示制御機能553は、各機能による処理結果をディスプレイ3にて表示するように制御する。例えば、表示制御機能553は、表示情報をディスプレイ3にて表示するように制御する。
【0038】
画像取得機能554は、それぞれ異なる位置で撮像された複数の撮像画像を取得する。例えば画像取得機能554は、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を取得する。ここで、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像について、
図2、
図3、
図4、
図5及び
図6を用いて説明する。
図2は、第1実施形態に係る撮像装置の配置の一例を示す模式図である。
図3、
図4、
図5及び
図6は、第1実施形態に係る撮像装置が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
【0039】
図2は、検査室を俯瞰した状態の模式図である。
図2には、装置本体5、第1撮像装置6、第2撮像装置7、第3撮像装置8、操作者D、被検体P及び被検体Pを載置する寝台33を示す。例えば、第1撮像装置6は、超音波プローブ2(図示せず)、操作者D及び被検体Pを撮像するために、X軸のプラス方向に向けて設置される。例えば、第2撮像装置7は、装置本体5を撮像するために、X軸のプラス方向及びZ軸のプラスの方向に向けて設置される。例えば、第3撮像装置8は、超音波プローブ2(図示せず)、操作者D及び被検体Pを撮像するために、Z軸のプラス方向に向けて設置される。
【0040】
図3は、第1撮像装置6が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
図3には、超音波プローブ2、操作者D及び被検体Pを示す。例えば、第1撮像装置6は、処理回路55が生成した超音波画像を静止する機能を示すフリーズが操作者Dにより入力インターフェース4から入力操作を受け付けられると、操作者Dが操作する超音波プローブ2が被検体Pの腹部に当接された状態を撮像する。
【0041】
図4は、第1撮像装置6が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
図4は、
図3に拡大した図である。
図4には、超音波プローブ2、超音波プローブ2を握る操作者Dの手及び被検体Pの腹部を示す。超音波プローブ2は、超音波プローブ2を認識するためのマーカーを付している。例えば、マーカーは、それぞれ第1マーカー21、第2マーカー22、第3マーカー23及び第4マーカー24である。
【0042】
第1マーカー21は、超音波プローブ2のグリップ(持ち手)に付されている。第2マーカー22は、超音波プローブ2の筐体の右側に付されている。第3マーカー23は、超音波プローブ2の筐体の左側に付されている。第4マーカー24は、超音波プローブ2のヘッドに付されている。また、マーカーは、超音波プローブ2を被検体Pに当てた際に、超音波プローブ2の向きを特定するために付されている。
【0043】
図5は、第2撮像装置7が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
図5には、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5を示す。装置本体5は、装置本体5を認識するためのマーカーを付している。例えば、マーカーは、第5マーカー56である。第5マーカー56は、装置本体5の型式が示されている箇所に付されている。また、マーカーは、検査室内で操作される装置本体5を特定するために付されている。例えば、第2撮像装置7は、処理回路55が生成した超音波画像を静止する機能を示すフリーズが操作者Dにより入力インターフェース4から入力操作を受け付けられると、装置本体5及び第5マーカー56を撮像する。
【0044】
図6は、第3撮像装置8が撮像した撮像画像の一例を示す模式図である。
図6には、超音波プローブ2、超音波プローブ2を握る操作者Dの手及び被検体Pの腹部を示す。例えば、第1撮像装置6は、処理回路55が生成した超音波画像を静止する機能を示すフリーズが操作者Dにより入力インターフェース4から入力操作を受け付けられると、操作者Dが操作する超音波プローブ2が被検体Pの腹部に当接された状態を撮像する。
【0045】
図1に戻る。画像評価機能555は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、複数の撮像画像を評価する。具体的には、画像評価機能555は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、画像取得機能554が取得した撮像画像を評価する。例えば、画像評価機能555は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を評価する。
【0046】
ここで、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報について説明する。超音波画像は、超音波プローブ2を操作する操作者が被検体Pの体表を当接し、フリーズをした結果、画像生成機能552により生成される。したがって、画像特徴情報は、超音波プローブ2及び被検体Pの体表を少なくとも含む画像情報である。また、画像特徴情報は、超音波プローブ2が被検体Pの体表を当接する状態をさらに含む画像情報であってもよい。
【0047】
次に、画像評価機能555が撮像画像を評価する内容について説明する。撮像装置が撮像する撮像画像は、画像生成機能552が生成した超音波画像に追加するための付加情報として用いられる。付加情報とは、例えば、ボディマークである。ボディマークは、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向(換言すれば、走査位置及び走査方向)を大まかに示す概略図である。
【0048】
撮像装置が撮像する撮像画像は、上述した画像特徴情報を含むことで付加情報として用いることができる。したがって、画像評価機能555が撮像画像を評価する内容とは、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含まれることを評価することである。すなわち、画像評価機能555は、上述した画像特徴情報が撮像画像に含まれていることを評価する。
【0049】
また、画像評価機能555は、撮像装置が撮像した撮像画像に被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が全て含まれる場合、評価値が高いと評価する。他方で、画像評価機能555は、撮像装置が撮像した撮像画像に被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が全て含まれない場合と、評価値が低いと評価する。なお、画像評価機能555が評価する内容及び評価値はこれに限定されない。
【0050】
例えば、第1撮像装置6が撮像した撮像画像(
図3及び
図4を参照)には、上述したとおり、操作者Dが操作する超音波プローブ2が被検体Pの腹部に当接された当接位置を撮像されている。特に、
図4においては、超音波プローブ2に付したマーカーが含まれており、操作者Dが操作する超音波プローブ2が被検体Pの腹部に当接された当接位置及び当接方向が含まれている。したがって、画像評価機能555は、第1撮像装置6が撮像した撮像画像は、評価値が高いと評価する。
【0051】
また、例えば、第2撮像装置7が撮像した撮像画像(
図5を参照)には、上述したとおり、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5が撮像されている。画像評価機能555は、第2撮像装置7が撮像した撮像画像には、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含まれていないため、評価値が低いと評価する。
【0052】
さらに、例えば、第3撮像装置8が撮像した撮像画像(
図6を参照)には、上述したとおり、超音波プローブ2、超音波プローブ2を握る操作者Dの手及び被検体Pの腹部が撮像されている。しかしながら、
図6においては、超音波プローブ2に付したマーカーが含まれておらず、操作者Dが操作する超音波プローブ2が被検体Pの腹部に当接された当接位置及び当接方向が含まれていない。したがって、画像評価機能555は、第3撮像装置8が撮像した撮像画像は、評価値が低いと評価する。
【0053】
画像選択機能556は、画像評価機能555が評価した評価結果に基づいて、複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する。具体的には、画像選択機能556は、画像評価機能555が評価した評価結果に基づいて、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像から少なくとも1以上の評価値が高いと評価した撮像画像を選択する。
【0054】
例えば、画像評価機能555が評価した上述した撮像画像のうち、第1撮像装置6が撮像した撮像画像は、評価値が高いと評価している。したがって、画像選択機能556は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像から、評価値が高いと評価した、第1撮像装置6が撮像した撮像画像を選択する。
【0055】
画像追加機能557は、画像生成機能552が生成した超音波画像に対して、画像選択機能556が選択した撮像画像を追加する。例えば、画像追加機能557は、画像生成機能552が生成した超音波画像に対して、画像選択機能556が選択した、第1撮像装置6が撮像した撮像画像を追加する。なお、画像追加機能557により追加された撮像画像は、画像生成機能552が生成した超音波画像に追加するための付加情報として用いられる。
【0056】
次に、
図7を用いて、第1実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明する。
図7は、第1実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、処理回路55が、超音波画像を収集して、操作者によるフリーズが操作され、リアルタイムで更新するものとする。
【0057】
処理回路55は、画像取得機能554により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を取得する(ステップS101)。続いて、処理回路55は、画像評価機能555により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を評価する(ステップS102)。
【0058】
続いて、処理回路55は、画像選択機能556により、画像評価機能555が評価した評価結果に基づいて、複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する(ステップS103)。続いて、画像追加機能557は、画像生成機能552が生成した超音波画像に対して、画像選択機能556が選択した撮像画像を追加する(ステップS104)。
【0059】
続いて、処理回路55は、表示制御機能553により、画像追加機能557が追加した結果を出力する(ディスプレイ3にて表示するように制御する)(ステップS105)。ステップS105の処理が終了すると、本処理は終了する。
【0060】
以上のように、第1実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報に基づいて、複数の撮像画像を評価し、評価した評価結果に基づいて、複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する。
【0061】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、操作者が超音波プローブ2を操作(フリーズ)すると、検査室内に設置された撮像装置がそれぞれ異なる位置(別の角度)から検査室内の超音波プローブ2、ディスプレイ3、入力インターフェース4、装置本体5、操作者及び被検体Pを撮像する。そして、超音波診断装置1は、撮像装置が撮像した撮像画像を評価し、複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する。
【0062】
これにより、操作者は、超音波プローブ2を操作(フリーズ)するだけで、撮像装置が撮像した撮像画像を確認する(選択する)ことなく、付加情報として用いるボディマークを追加することができる。したがって、第1実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波診断装置1を用いた画像診断において、従来よりも少ない負担で、超音波画像に付加情報を追加することができる。
【0063】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、撮像装置が撮像した撮像画像を評価し、評価値が高い撮像画像を選択する形態について説明した。第2実施形態では、評価した撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する形態について説明する。
【0064】
図8は、第2実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、第2実施形態に係る超音波診断装置1は、第1実施形態に係る超音波診断装置1と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0065】
第2実施形態に係る処理回路55は、第1実施形態の機能に加え、さらに、画像判定機能558及び撮像指示機能559に対応するプログラムをメモリ54から読み出して実行することで、種々の処理を行う。ここで、画像判定機能558は、画像判定部の一例である。また、撮像指示機能559は、第1撮像指示部の一例である。
【0066】
画像判定機能558は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たすか否かを判定する。ここで、所定の基準とは、画像評価機能555が評価した評価結果の中に、少なくとも1以上の評価値が高い撮像画像が含まれていることである。例えば、画像判定機能558は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像の中に、少なくとも1以上の撮像画像は、評価値が高い撮像画像があるという評価結果である場合、所定の基準を満たすと判定する。
【0067】
また、例えば、画像判定機能558は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像の中に、少なくとも1以上の撮像画像は、評価値が高い撮像画像がないという評価結果である場合、所定の基準を満たさないと判定する。すなわち、画像判定機能558は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像の中に、評価値が低い撮像画像がある場合、所定の基準を満たさないと判定する。
【0068】
所定の基準を満たさない(評価値が低い)撮像画像は、例えば、上述したとおり、
図5及び
図6に示す、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含まれていない撮像画像である。
【0069】
撮像指示機能559は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する。例えば、撮像指示機能559は、画像判定機能558が所定の基準を満たさないと判定すると、複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する。
【0070】
ここで、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御とは、撮像装置が撮像する向きの変更し、再度撮像することである。例えば、撮像装置は、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含む撮像画像を撮像することで、画像評価機能555により、評価値が高いと評価されることになる。
【0071】
撮像装置が被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含む撮像画像を撮像するためには、直前で撮像した位置から、撮像装置が撮像する向きを変更し、再度撮像する必要がある。そのため、撮像指示機能559は、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する向きの変更を指示する。
【0072】
次に、
図9を用いて、第2実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明する。
図9は、第2実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、処理回路55が、超音波画像を収集して、操作者によるフリーズが操作され、リアルタイムで更新するものとする。
【0073】
処理回路55は、画像取得機能554により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を取得する(ステップS201(S101))。続いて、処理回路55は、画像評価機能555により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を評価する(ステップS202(S102))。
【0074】
続いて、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たすか否かを判定する(ステップS203)。ここで、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たすと判定する(ステップS203:Yes)と、ステップS205へ進む。
【0075】
一方で、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たさないと判定する(ステップS203:No)と、ステップS204へ進む。ステップS204において、処理回路55は、撮像指示機能559により、複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御(再度撮像すること)を指示する(ステップS204)。
【0076】
ステップS205において、画像追加機能557は、画像生成機能552が生成した超音波画像に対して、画像選択機能556が選択した撮像画像を追加する(ステップS205(S104))。続いて、処理回路55は、表示制御機能553により、画像追加機能557が追加した結果を出力する(ディスプレイ3にて表示するように制御する)(ステップS105)。ステップS105の処理が終了すると、本処理は終了する。
【0077】
以上のように、第2実施形態に係る超音波診断装置1は、複数の撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、複数の撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する。
【0078】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、撮像画像が被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含まれていない場合、撮像装置が撮像する向きの変更し、再度撮像することで、撮像装置は、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含む撮像画像を撮像することができる。
【0079】
これにより、操作者は、超音波プローブ2を操作(フリーズ)するだけで、撮像装置が撮像した撮像画像を確認する(選択する)ことなく、付加情報として用いるボディマークを追加することができる。したがって、第2実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波診断装置1を用いた画像診断において、従来よりも少ない負担で、超音波画像に付加情報を追加することができる。
【0080】
(第3実施形態)
上述した第2実施形態では、評価した撮像画像が、所定の基準を満たさない場合に、撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する形態について説明した。第3実施形態では、評価値の高い撮像画像に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する形態について説明する。
【0081】
第3実施形態に係る超音波診断装置1は、第1実施形態及び第2実施形態に係る超音波診断装置1と同様の構成であるため、説明を省略する。第2実施形態に係る処理回路55は、第2実施形態の機能と同様の機能を備えるため、説明を省略する。
【0082】
第3実施形態に係る処理回路55の撮像指示機能559は、画像選択機能556が選択した撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する。撮像指示機能559は、第2撮像指示部の一例である。
【0083】
ここで、第3実施形態に係る処理回路55の撮像指示機能559が指示する撮像範囲の変更を示す撮像制御について説明する。画像選択機能556が選択した撮像画像は、評価値が高い撮像画像である。上述したとおり、評価値が高い撮像画像とは、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向が含む撮像画像である。
【0084】
例えば、撮像装置が撮像する視野を変更し、ズーム(拡大/縮小)することで、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向をより明確にすることができる場合がある。そのため、撮像指示機能559は、画像選択機能556が選択した撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する視野の変更を示す撮像制御を指示する。
【0085】
また、第3実施形態に係る処理回路55の画像取得機能554は、撮像指示機能559により、撮像制御を指示された撮像装置が撮像した撮像画像を取得する。さらに、第3実施形態に係る処理回路55の画像評価機能555は、画像取得機能554により取得された撮像画像を評価する。
【0086】
次に、
図10を用いて、第3実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明する。
図10は、第3実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順を説明するための一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、処理回路55が、超音波画像を収集して、操作者によるフリーズが操作され、リアルタイムで更新するものとする。
【0087】
処理回路55は、画像取得機能554により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を取得する(ステップS301(S101))。続いて、処理回路55は、画像評価機能555により、第1撮像装置6、第2撮像装置7及び第3撮像装置8が撮像した撮像画像を評価する(ステップS302(S102))。
【0088】
続いて、処理回路55は、画像選択機能556により、画像評価機能555が評価した評価結果に基づいて、複数の撮像画像から少なくとも1以上の撮像画像を選択する(ステップS303(S103))。続いて、処理回路55は、撮像指示機能559により、画像選択機能556が選択した撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する(ステップS304)。
【0089】
続いて、処理回路55は、画像取得機能554により、撮像制御を指示された撮像画像が撮像した撮像画像を取得する(ステップS305)。続いて、処理回路55は、画像評価機能555により、画像取得機能554により取得された撮像画像を評価する(ステップS306)。
【0090】
続いて、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たすか否かを判定する(ステップS307)。ここで、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たさないと判定する(ステップS307:No)と、ステップS304へ進む。
【0091】
一方で、処理回路55は、画像判定機能558により、画像評価機能555が評価した複数の撮像画像が、所定の基準を満たすと判定する(ステップS307:Yes)と、ステップS308へ進む。ステップS308において、画像追加機能557は、画像生成機能552が生成した超音波画像に対して、画像選択機能556が選択した撮像画像を追加する(ステップS308)。
【0092】
続いて、処理回路55は、表示制御機能553により、画像追加機能557が追加した結果を出力する(ディスプレイ3にて表示するように制御する)(ステップS309(S105))。ステップS309の処理が終了すると、本処理は終了する。
【0093】
以上のように、第3実施形態に係る超音波診断装置1は、評価値の高い撮像画像に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する。以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、例えば、撮像装置が撮像する視野を変更し、ズーム(拡大/縮小)することで、被検体Pに対する超音波プローブ2の当接位置及び当接方向をより明確にすることができる。
【0094】
これにより、操作者は、超音波プローブ2を操作(フリーズ)するだけで、撮像装置が撮像した撮像画像を確認する(選択する)ことなく、付加情報として用いるボディマークを追加することができる。したがって、第3実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波診断装置1を用いた画像診断において、従来よりも少ない負担で、超音波画像に付加情報を追加することができる。
【0095】
(変形例1)
上述した第3実施形態の処理回路55の撮像指示機能559は、画像選択機能556が選択した撮像画像を撮像した撮像装置に対して、撮像装置が撮像する撮像範囲の変更を示す撮像制御を指示する形態について説明したが、これに限定されない。例えば、撮像指示機能559は、操作者(ユーザ)の操作に応じて、撮像装置に対して、撮像制御を指示してもよい。
【0096】
(変形例2)
上述した実施形態において、超音波検査の状況を撮像した超音波検査画像を示す画像特徴情報は、超音波プローブ2及び被検体Pの体表を少なくとも含む画像情報である形態について説明したが、これに限定されない。画像特徴情報は、操作者により、任意に設定しても良く、例えば、装置本体5の型式(
図5の第5マーカー56参照)も含む。これにより、生成された超音波画像に超音波画像が撮像された装置本体5の型式を追加情報として含むことで、ユーザは超音波画像を生成した装置本体5を把握することができる。
【0097】
また、
図1及び
図8では、上述した各処理機能が単一の処理回路55によって実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路55は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路55が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0098】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリに保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサ毎に単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0099】
なお、上記の実施形態の説明で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0100】
また、上述した実施形態で説明したスキャン制御方法は、あらかじめ用意されたスキャン制御プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このスキャン制御プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このスキャン制御プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD、USBメモリ及びSDカードメモリ等のFlashメモリ等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって非一時的な記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 ディスプレイ
4 入力インターフェース
5 装置本体
6 第1撮像装置
7 第2撮像装置
8 第3撮像装置
55 処理回路
551 制御機能
552 画像生成機能
553 表示制御機能
554 画像取得機能
555 画像評価機能
556 画像選択機能
557 画像追加機能
558 画像判定機能
559 撮像指示機能