(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093212
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置およびそれを備えた特装車
(51)【国際特許分類】
B60P 1/44 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
B60P1/44 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209430
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】池田 滋
(72)【発明者】
【氏名】西野 智視
(72)【発明者】
【氏名】大野 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】松崎 良彦
(72)【発明者】
【氏名】立岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】植田 正之
(57)【要約】
【課題】作業者が荷受台を上昇させる操作を適切に行いやすく、庫内の床と荷受台との間に段差が生じにくい荷受台昇降装置およびそれを備えた特装車を提供する。
【解決手段】荷受台昇降装置16は、荷受台本体21と、コンプレッションアーム33と、センサ41と、フットランプ81と、を備える。荷受台昇降装置16は、荷箱15の後方に配置される。荷受台本体21が荷箱15の庫内の床面と面一となると、センサ41が、コンプレッションアーム33を検出し、信号をONにする。センサ41の信号がONになるとフットランプ81が点灯する。したがって、フットランプ81の点灯により、荷受台本体21が荷箱15の庫内の床面と面一であることが確認できる。
【選択図】
図5C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特装車の荷箱の後部に備えられる荷受台昇降装置であって、
前記荷箱の後方に設けられる荷受台と、
前記荷受台を昇降させる荷受台昇降機構と、
前記荷受台が前記荷箱の床と面一の高さにあることを検出する検出装置と、
前記荷受台が前記荷箱の床と面一の高さにあることが前記検出装置により検出されると報知を行う報知装置と、を備える荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記報知装置は、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると作動状態を切り替えるランプである、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記報知装置は、前記荷受台に設けられ、前記荷受台の上面から光を発するフットランプであり、
前記フットランプは、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると作動状態を切り替えるように構成されている、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記フットランプは、前記荷受台の前後方向の中間の位置よりも前方の位置に配置されている、請求項3に記載の荷受台昇降装置。
【請求項5】
前記荷受台は、左右方向の両端部のうち少なくとも一方の端部において前後方向に延びるサイドモールを備え、
前記報知装置は、前記サイドモールの上面に設けられたフットランプである、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項6】
前記報知装置は、前記荷箱の天井に設けられたシーリングランプであり、
前記シーリングランプは、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると作動状態を切り替えるように構成されている、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項7】
前記荷受台昇降機構を操作する無線信号を送信する無線装置を備え、
前記報知装置は、前記無線装置に設けられている、請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項8】
前記報知装置は、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると作動状態を切り替えるランプであり、請求項7に記載の荷受台昇降装置。
【請求項9】
前記報知装置は、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると音声を発生させる音声発生装置、または、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると振動を発生させる振動発生装置である、請求項7に記載の荷受台昇降装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一つに記載の荷受台昇降装置と、
前後方向に延びるシャーシに搭載された荷箱と、を備える特装車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷受台昇降装置およびそれを備えた特装車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、荷受台を昇降させることにより、荷物の積み下ろしを行う特装車が知られている。特許文献1には、荷受台と、昇降装置と、第1検出装置と、第2検出装置と、制御装置と、を備えた安全装置付荷受台昇降装置が開示されている。荷受台の昇降は、操作スイッチにより行われる。操作スイッチを上昇側へ操作しているとき、荷受台が上昇し、操作スイッチを下降側へ操作しているとき、荷受台が下降する。操作スイッチは、車外、又は荷箱内に持ち込んで使用される。係る安全装置付荷受台昇降装置では、荷受台が上昇端まで到達すると第1検出装置が検出状態となる。また、荷受台の下方空間内に障害物が存在すると、第2検出装置が検出状態となる。第1検出装置および第2検出装置が共に検出状態のとき、作業者が荷受台を下降させようとしても、制御装置により荷受台の下降が禁止される。したがって、制御装置の下方に障害物が入り込んでも、荷受台の下降に障害物を巻き込むことが無く、安全性が増している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたような安全装置付荷受台昇降装置を搭載した車両では、作業者が荷物を荷受台上に運び出すときに、庫内の床と荷受台との間に段差があると、荷物を運び出しにくい。したがって、作業者が庫内から荷受台上に荷物を運び出すときには、荷受台が所定の高さに位置付けられ、庫内の床と荷受台とが略面一となっていることが好ましい。特許文献1に開示された車両では、操作スイッチを上昇側へ操作することにより、荷受台を上昇させた後、作業者が荷物の運び出しを行う。しかしながら、荷物の運搬を行う作業者は荷物に注意を取られやすく、足下にある荷受台の位置の確認を怠ってしまうことがある。荷物を急いで運搬しなければならないときなど、荷受台が庫内と面一の位置に到達する前に、操作スイッチによる上昇側への操作を止めてしまう場合がある。また、操作スイッチの操作は、車外および荷箱内のいずれにても行われることがあり、作業者が車外にて操作スイッチを操作する場合と荷箱内にて操作スイッチを操作する場合とでは、作業者の視線の高さが異なる。作業者の立つ位置によっては、作業者が荷受台の位置を確認しづらくなり、荷受台の位置の確認を怠ってしまうことがある。この場合、庫内の床と荷受台との間に段差が生じることがあり、作業者は荷物を運び出しにくくなってしまう。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者が荷受台を上昇させる操作を適切に行いやすく、庫内の床と荷受台との間に段差が生じにくい荷受台昇降装置およびそれを備えた特装車を提供することである。
【0006】
本発明は、特装車の荷箱の後部に備えられる荷受台昇降装置である。前記荷受台昇降装置は、前記荷箱の後方に設けられた荷受台と、前記荷受台を昇降させる荷受台昇降機構と、前記荷受台が前記荷箱の床と面一の高さにあることを検出する検出装置と、前記荷受台が前記荷箱の床と面一の高さにあることが前記検出装置により検出されると報知を行う報知装置と、を備えている。
【0007】
上記荷受台昇降装置によれば、荷受台が荷箱の床と面一の高さであることが検出装置により検出されると、報知装置による報知が行われる。報知装置による報知が行われたとき、荷受台と荷箱の床との間に段差は生じていない。したがって、作業者は、報知装置による報知が行われるまで、荷受台を上昇させればよく、荷受台を上昇させる動作を適切に行うことができる。作業者が作業を行うときに、荷受台と荷箱の床との間に段差が生じにくい。
【0008】
本発明の好ましい一態様によれば、前記報知装置は、前記荷受台が前記荷箱と面一であることが前記検出装置により検出されると作動状態を切り替えるランプにより構成されている。
【0009】
かかる態様によれば、ランプの作動状態が切り替わることにより、作業者は、荷受台が荷箱の床と面一であることを直接確認しなくても、ランプにより視覚的に把握することができる。さらにランプは、光を発するものであるため、例えば、周囲が暗い場合などであっても、作動状態の変化を確認することができる。したがって、周囲が暗い場合であっても、荷受台が荷箱の床と面一であることを容易に把握することができる。
【0010】
本発明の好ましい一態様によれば、前記報知装置は、前記荷受台に設けられ、前記荷受台の上面から光を発するフットランプであり、前記フットランプは、荷受台が荷箱と面一であることが検出装置により検出されると作動状態を切り替えるように構成されている。
【0011】
かかる態様によれば、作業者は、フットランプの作動状態の変化を確認するために視線を足元に向けるため、作業者自身が直接足元を確認することを促すことができる。
【0012】
本発明の好ましい一態様によれば、前記フットランプは、前記荷受台の前後方向の中間の位置よりも前方の位置に配置されている。
【0013】
かかる態様によれば、作業者がフットランプの作動状態を確認するときに、作業者の視線は、荷受台と荷箱との間に向けられる。したがって、作業者自身が荷受台と荷箱との間を直接確認することをより促すことができる。
【0014】
本発明の好ましい一態様によれば、前記荷受台は、左右方向の両端部のうち少なくとも一方の端部に前後方向に延びるサイドモールを備え、前記報知装置は、前記サイドモールの上面に設けられたフットランプである。
【0015】
かかる態様によれば、作業者は、サイドモールの上面に設けられたフットランプの作動状態を確認するときに、荷受台の左右方向の両端の位置を確認することができる。したがって、作業者が荷物の運び出しを実施しやすい。
【0016】
本発明の好ましい一態様によれば、前記報知装置は、前記庫内の天井に設けられたシーリングランプであり、前記シーリングランプは、荷受台が荷箱と面一であることが検出装置により検出されると作動状態を切り替えるように構成されている。
【0017】
かかる態様によれば、シーリングランプが荷箱の天井に設けられているため、荷箱に多数の荷物が積載されている場合であっても、作業者がシーリングランプの作動状態の変化を確認できなくなることが発生しにくい。
【0018】
本発明の好ましい一態様によれば、前記荷受台昇降装置は、前記昇降機構を操作する無線信号を送信する無線装置を備え、前記報知装置は、前記無線装置に設けられている。
【0019】
かかる態様によれば、作業者は、無線装置を操作しているときに報知装置の作動状態を確認することができ、報知装置の作動状態の変化を比較的確認しやすい。したがって、荷受台の上昇の動作をより適切に行うことができ、荷受台と荷箱の床との間に段差が生じにくい。
【0020】
本発明の好ましい一態様によれば、前記報知装置は、荷受台が荷箱と面一であることが検出装置により検出されると作動状態を切り替えるランプである。
【0021】
かかる態様によれば、作業者は、無線装置を操作しながら視線を移動させることなくランプの作動状態の変化を確認することができる。したがって、ランプの作動状態の変化を比較的早く認識することができる。
【0022】
本発明の好ましい一態様によれば、前記報知装置は、荷受台が荷箱と面一であることが検出装置により検出されると音声を発生させる音声発生装置、または、前記荷受台が前記荷箱の床と面一であることが前記検出装置により検出されると振動を発生させる振動発生装置である。
【0023】
かかる態様によれば、作業者は、無線装置を操作しているときに、音声発生装置が発生する音声を聞く、あるいは、振動発生装置が発する振動を感知することにより、荷受台と荷箱の床とが面一になったことを把握することができる。
【0024】
さらに、本発明に係る特装車は、前記いずれかの荷受台昇降装置と、前後方向に延びるシャーシに搭載された荷箱と、備えたものである。
【0025】
このような特装車によると、荷受台昇降装置が有する機能が有効に発揮され、荷受台と荷箱の床との間に段差が生じにくく、作業者が荷物の運び出しを行いやすい特装車とすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、作業者が荷受台を上昇させる操作を適切に行いやすく、荷箱の床面と荷受台との間に段差が生じにくい荷受台昇降装置およびそれを備えた特装車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図4】第1実施形態に係る特装車のブロック図である。
【
図5A】荷受台の先端が床面に接するときの荷受台昇降装置の側面図である。
【
図5B】荷受台が下端の位置にあるときの荷受台昇降装置の側面図である。
【
図5C】荷受台が上端の位置にあるときの荷受台昇降装置の側面図である。
【
図5D】荷受台が起立状態のときの荷受台昇降装置の側面図である。
【
図8】
図2における報知システム付近の拡大図である。
【
図10】第1実施形態に係る無線装置を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係る荷受台の斜視図である。
【
図12】第2実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
【
図13】第3実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
【
図14】第4実施形態に係る無線装置を示す図である。
【
図15】第4実施形態に係る特装車のブロック図である。
【
図16】第5実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
【
図17】第6実施形態に係る荷受台昇降装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る荷受台昇降装置16は、特装車10に備えられた荷箱15の後方に配置されている。特装車10の種類は何ら限定されないが、ここでは、特装車10として、
図1および
図2に示す荷受台昇降装置付運搬車を例に挙げて説明する。
【0029】
本実施形態に係る特装車10は、内部に運転席(図示せず)を有するキャブ11と、キャブ11を支持するシャーシ12と、シャーシ12の前部に設けられた左右の前輪13と、シャーシ12の後部に設けられた左右の後輪14とを備えている。
図5Aに示すように、シャーシ12の後端部には、左右方向に延びる支持部材18が固定されている。支持部材18には、後方に延びる接続部材19が固定されている。接続部材19には、ブラケット17が固定されている。
【0030】
図1に示すように、特装車10は、シャーシ12に支持され、キャブ11の後方に配置された荷箱15と、荷受台昇降装置16とを備えている。荷受台昇降装置16は、荷箱15に収容された荷物などを積み降ろしするときに使用されるものである。荷受台昇降装置16は、
図4および
図5Aに示すように、操作装置50と、スイッチユニット60と、荷受台20と、荷受台昇降機構30と、油圧制御装置70と、検出装置40と、無線装置90と、を備えている。
【0031】
操作装置50は、操作部51と受信機52とを備えている。操作部51は、ユーザ3が荷受台昇降装置16の油圧制御装置70を操作する装置である。
図1に示すように、操作部51は、シャーシ12の側部に配置されている。ここでは、操作部51は、シャーシ12の左側部分に設けられているが、右側部分に設けられていてもよい。詳細な図示は省略するが、操作部51には、例えばレバーやボタンなどが備えられている。ユーザ3は、当該レバーやボタンを操作することにより、荷受台20を回動させたり昇降させたりすることができる。受信機52は、無線通信可能なものであり、ここでは、スイッチユニット60と無線により接続されている。
【0032】
スイッチユニット60は、操作装置50および無線装置90による操作のONとOFFとを切り替えるユニットである。スイッチユニット60をONにしたとき、特装車10は、操作装置50および無線装置90による油圧制御装置70の制御が制御可能となる。一方、スイッチユニット60をOFFにしたとき、特装車10は、操作装置50および無線装置90による油圧制御装置70の動作の制御ができなくなる。
【0033】
メインスイッチ61は、操作装置50および無線装置90による制御のONとOFFとを切り替え操作可能なスイッチである。図示は省略するが、メインスイッチ61には、例えばスイッチボタンなどが備えられている。ユーザ3は、当該スイッチボタンを押すごとに、操作装置50および無線装置90による制御のONとOFFとを切り替えることができる。送信機62は、無線通信可能なものである。
図4に示すように、送信機62は、操作装置50の受信機52および後述する無線装置90の受信部94に無線にて接続されている。送信機62は、メインスイッチ61の切り替えの状態を受信機52および受信部94に送信する。
【0034】
図5Dに示すように、荷受台20は、荷箱15の後方に配置されている。荷受台20は、荷受台本体21と、補強体22と、連結ブラケット23と、を備えている。荷受台20は、後述するゲートシリンダ22aにより、起立状態と水平状態との間にて姿勢変更される。ここで、起立状態とは、
図5Dに示すように、荷受台本体21と、荷箱15が対向した状態である。水平状態とは、
図5Bおよび
図5Cに示すように、荷受台本体21が床面と水平になっている状態である。また、本明細書において、荷受台20および荷受台本体21に関して位置関係が規定される際は、特に断りがない限り、荷受台20の状態は、
図5Cに示すように水平状態のときを指すものとする。例えば、「荷受台20の上方に配置される」とは、水平状態における荷受台20の上方に配置されることとする。荷受台20が水平状態にあるときの前方側が、荷受台20の回動の基端部となる。荷受台20は、荷受台昇降機構30により、水平状態において上下方向に昇降する。本実施形態において、荷受台20の上下方向の昇降範囲の上端の位置は、
図5Cに示すように、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一となる位置である。また、荷受台20の上下方向の昇降範囲の下端の位置は、
図5Bに示すように、後述する荷受台昇降機構30のリンクアーム34が床面に接する位置である。
【0035】
荷受台本体21は、荷物の載置台となる部材である。本実施形態では、荷受台本体21は、荷受台20が水平状態にあるとき、平面視にて矩形状である。
図3に示すように、荷受台本体21には、上下方向に貫通する複数の貫通孔21aが形成されている。貫通孔21aは、左右方向に複数並んでいる。また、荷受台本体21のうち、貫通孔21aの後方には、複数のボルト穴21bが形成されている。ボルト穴21bも左右方向に複数並んでいる。なお、貫通孔21aとボルト穴21bの数は、特に限定されない。貫通孔21aおよびボルト穴21bは、基端部に配置されている。本実施形態では、
図5Cに示すように、荷受台20が荷受台昇降機構30により、荷受台20が昇降範囲の上端の位置に配置されたとき、荷受台本体21の上面が荷箱15の庫内の床面と面一となる。
図3に示すように、荷受台本体21は、サイドモール21cを備えている。サイドモール21cは、前後方向に延び、荷受台本体21の左右両端にそれぞれ覆いかぶさるようにして固定されている。サイドモール21cは、荷受台本体21の左端および右端を保護する部材である。サイドモール21cの上端は、荷受台本体21の上面の上端よりも高く形成されている。なお、サイドモール21cは、荷受台本体21の左右のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
【0036】
補強体22は、荷受台本体21の下方に設けられている。
図2に示すように、補強体22は、左右方向に並んで2つ設けられている。
図5Dに示すように、補強体22は、略三角形状である。補強体22は、中空状の補強部材である。本実施形態では、補強体22は、ゲートシリンダ22aを備えている。ゲートシリンダ22aは、上下方向に収縮および伸長するシリンダである。本実施形態では、ゲートシリンダ22aは、油圧シリンダである。ゲートシリンダ22aは、後述するリンクアーム34に連結されている。
図4に示すように、ゲートシリンダ22aは、油圧制御装置70に接続されており、油圧制御装置70により収縮および伸長が制御される。ゲートシリンダ22aは、荷受台20が起立状態と水平状態との間にて姿勢変更を行うために設けられている。
図5Dの状態において、ゲートシリンダ22aが伸長すると、荷受台20は、反時計回りに回動する。
図5Cの状態においてゲートシリンダ22aが収縮すると、荷受台20は、時計回りに回動する。なお、ゲートシリンダ22aが設けられず、手動により荷受台20の姿勢変更を行うように構成されていてもよい。
【0037】
図5Dに示すように、連結ブラケット23は、補強体22の基端側に設けられている。連結ブラケット23は、後述する荷受台昇降機構30のリンクアーム34とピンP5により連結されている。
【0038】
荷受台昇降機構30は、
図5A~
図5Dに示すように、チルトリンク31と、リフトアーム32と、コンプレッションアーム33と、リンクアーム34と、リフトシリンダ35と、を備えている。なお、
図2に示すように、荷受台昇降機構30は、左右方向に並んで2つ設けられているが、
図5A~
図5Dでは、2つの荷受台昇降機構30のうち左方に配置されている方の荷受台昇降機構30を用いて説明する。2つの荷受台昇降機構30のうち右方に配置されている方の荷受台昇降機構30の各部31~35は、以下の説明と左右の位置関係が逆である。
【0039】
図5Aに示すように、チルトリンク31は、上下方向に延び、その上部がブラケット17の上部にピンP1を介して回動自在に連結されている。また、チルトリンク31の下部は、支持部材18に接離可能に回動するように設けられている。すなわち、チルトリンク31は、チルトリンク31の下部が支持部材18に接する状態と、チルトリンク31の下部が支持部材18に対して後方に離間する状態と、の間にて回動する。
【0040】
リフトアーム32は、前後方向に延びる部材である。リフトアーム32の一端は、ピンP1の下方にて、ピンP2を介してチルトリンク31に回動自在に連結され、リフトアーム32の他端は、リンクアーム34にピンP5に回動自在に連結されている。
【0041】
コンプレッションアーム33は、リフトアーム32の下方に配置され、前後方向に延びる部材である。コンプレッションアーム33の一端は、ブラケット17に対して左方から対向するブラケット片17a(
図7参照)との間にピンP3を介して回動自在に連結され、コンプレッションアーム33の他端は、リンクアーム34にピンP6を介して回動自在に連結されている。
【0042】
リンクアーム34は、荷箱15の後方に配置され、ピンP6によりコンプレッションアーム33に連結されている。リンクアーム34は、ゲートシリンダ22a(
図5D参照)に接続されている。リンクアーム34は、ピンP5を介して連結ブラケット23に接続されている。
【0043】
リフトシリンダ35は、リフトアーム32の下方に配置され、前後方向に延びるシリンダである。本実施形態では、リフトシリンダ35は、油圧シリンダである。
図4に示すように、リフトシリンダ35は、油圧制御装置70に接続されており、油圧制御装置70により収縮および伸長が制御される。
図5Dに示すように、リフトシリンダ35の一端は、チルトリンク31にピンP4を介して回動自在に連結され、リフトシリンダ35の他端は、リフトアーム32の略中間部にピンP7を介して回動自在に連結されている。リフトシリンダ35が伸長すると、荷受台20が上昇し、リフトシリンダ35が収縮されると、荷受台20が下降する。荷受台20が最下端の位置にあるときに、さらにリフトシリンダ35が収縮されると、荷受台20がピンP5を支点に時計回りに回動し、
図5Aに示すように、荷受台本体21の先端部21dが床面に接する。
【0044】
図1に示すように、油圧制御装置70は、荷箱15の下方に配置されている。油圧制御装置70は、樹脂製のケースに覆われている。ケースの内部には、電動モータ、油圧ポンプ、ソレノイドバルブ等が備えられている。
図4に示すように、油圧制御装置70は、操作部51および無線装置90により制御される。油圧制御装置70は、ゲートシリンダ22aおよびリフトシリンダ35に接続されている。油圧制御装置70からゲートシリンダ22aおよびリフトシリンダ35に作動油が供給されることにより、ゲートシリンダ22aおよびリフトシリンダ35が収縮または伸長する。
【0045】
検出装置40は、荷受台20と荷箱15の庫内の床面とが面一であることを検出する装置である。
図6および
図7に示すように、検出装置40は、センサ41とステー42とを備えている。
図2に示すように、検出装置40は、2つ並んだ荷受台昇降機構30のうち左方に配置された荷受台昇降機構30に対して左方に設けられている。なお、検出装置40は、2つ並んだ荷受台昇降機構30のうち右方に配置された荷受台昇降機構30に対して右方に設けられていてもよい。この場合は、以下の説明に対して左右の位置関係が逆である。また、検出装置40は、2つの荷受台昇降機構30の両方に対して左方および右方にそれぞれ設けられていてもよい。
図6は、検出装置40の斜視図である。
図7は、
図6に示す検出装置40の平面図である。
図6および
図7において、センサ41は、コンプレッションアーム33の左方に配置されている。
【0046】
センサ41は、荷受台20が、上端の位置に配置されていることを検出するセンサである。本実施形態では、センサ41は、近接センサであり、コンプレッションアーム33を検出することにより、荷受台20が昇降範囲の上端の位置にあるか否かを検出する。図示は省略するが、センサ41は、右方に検出領域を形成している。センサ41は、検出領域にコンプレッションアーム33が入っているときに信号をONとし、検出領域にコンプレッションアーム33が入っていないときに信号をOFFとするように構成されている。本実施形態では、センサ41は、リフトシリンダ35が最も伸長したとき、すなわち、荷受台20が昇降範囲の上端の位置に配置されたときに、コンプレッションアーム33が検出領域に入るように配置されている。したがって、センサ41が信号をONとなったとき、リフトシリンダ35が最も伸長しており、荷受台20は、上端の位置に配置されている。荷受台20が昇降範囲の上端の位置に配置されたとき、荷受台本体21の上面が荷箱15の庫内の床面と面一となる。ただし、センサ41はこれに限定されない。例えば、センサ41は、リミットスイッチなどであってもよい。センサ41は、後述する報知システム80のフットランプ81に接続されており、フットランプ81にONまたはOFFの信号を送信している。
【0047】
ステー42は、センサ41を固定する部材である。
図6に示すように、ステー42は、前後方向に延び、支持部材18に固設されている。ステー42には、上下方向に3つ並んだ孔42aが形成されている。孔42aは、前後方向に延びる長穴である。本実施形態では、3つの孔42aのうち2つが使用されることにより、ステー42にセンサ41が固定される。センサ41は、例えばボルト(図示せず)により固定される。センサ41の固定のために使用する孔42aは、上下方向に並んだ3つの孔42aのうち、上方から2つ使用してもよく、下方から2つ使用してもよい。また、センサ41を固定する前後方向の位置は、孔42aの前後方向の任意の位置とすることができる。ただし、センサ41の固定方法は、これに限定されない。
【0048】
図2に示すように、報知システム80は、荷受台20の荷受台本体21に設けられている。本実施形態では、報知システム80は、荷受台20が水平位置にあるときの荷受台20の前後方向の中間位置よりも前方に配置されている。本実施形態では、報知システム80は、荷受台20の基端部に設けられている。報知システム80は、荷受台20の基端部に設けられていることが好ましい。
図9に示すように、報知システム80は、フットランプ81と、固定板部材82と、固定用ボルト83と、ナット84と、を備えている。
図8は、
図2における報知システム80付近の拡大図である。また、
図9は、
図8におけるA-A断面を示す図である。
【0049】
図9に示すように、フットランプ81は、荷受台20(
図2参照)が起立状態において荷受台本体21の後方に設けられている。フットランプ81は、本発明における報知装置の一例である。フットランプ81は、点灯状態と消灯状態とに作動状態を変化させるランプである。フットランプ81は、荷受台20が起立状態において、荷受台本体21に形成された貫通孔21a(
図3参照)の後方に配置される。したがって、フットランプ81が発する光は、荷受台20が水平状態のとき貫通孔21aを通過し、上方に発せられる。フットランプ81は、検出装置40のセンサ41と電気的に接続されている。フットランプ81は、センサ41の信号がONのとき点灯し、センサ41の信号がOFFのとき消灯するように構成されている。すなわち、荷受台20が上端の位置に配置され、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一になったとき、フットランプ81が点灯し、荷受台20が上端の位置にないとき、フットランプ81が消灯する。フットランプ81の構成は、特に限定されないが、本実施形態ではLEDラインテープに設けられたLEDである。フットランプ81の個数は特に限定されないが、本実施形態では、複数のフットランプ81が左右方向に並んで設けられている。ただし、フットランプ81は、1個であってもよい。フットランプ81の作動状態の変化は、点灯状態と消灯状態とに限定されない。例えば、フットランプ81の作動状態の変化は、発する光の色を変化させるものや、光量を変化させるものであってもよい。また、フットランプ81のうち発光する部分の面積を変化させることにより、光量が変化するものであってもよい。
【0050】
固定板部材82は、荷受台20が起立状態において、荷受台本体21の後面に配置されている。固定板部材82は、フットランプ81を固定する部材である。固定板部材82は、ランプ固定部82aとボルト取付部82bとを備えている。ランプ固定部82aは、左右方向に延びかつ、荷受台20が起立状態のときに後方に凸な形状を有している。ランプ固定部82aにフットランプ81が配置される。ボルト取付部82bには、ボルト穴(図示せず)が形成されている。荷受台本体21に形成されたボルト穴21b(
図3参照)とボルト取付部82bに形成されたボルト穴に固定用ボルト83が挿入され、固定用ボルト83にナット84が装着される。このことにより、フットランプ81が荷受台本体21に固定される。ボルト取付部82bの数は特に限定されない。
【0051】
図10に示すように、無線装置90は、電源ボタン91と、上昇ボタン92と、下降ボタン93と、受信部94(
図4参照)と、を備えている。受信部94は、無線装置90の内部に設けられている。電源ボタン91は、無線装置90の電源のONとOFFとを切り替えるボタンである。上昇ボタン92および下降ボタン93は、荷受台20の昇降を制御するボタンである。上昇ボタン92または下降ボタン93が押されている間、無線装置90は、荷受台20が上昇または下降するように、油圧制御装置70へ信号を送る。したがって、ユーザ3により上昇ボタン92または下降ボタン93が押されている間、油圧制御装置70がゲートシリンダ22aまたはリフトシリンダ35を制御し、荷受台20が回動または昇降する。受信部94は、スイッチユニット60の送信機62と無線により接続されている。送信機62からの信号を受信部94が受信していないとき、無線装置90は、上昇ボタン92および下降ボタン93を押しても油圧制御装置70に信号を送信しないように構成されている。本実施形態では、無線装置90は携帯型の装置であり、作業者が携帯して利用することができる。無線装置90は、作業者が手に持って操作することができる。
【0052】
次に、荷受台昇降機構30の動作および報知システム80の動作について説明する。なお、荷受台昇降機構30を動作させるには、ユーザ3が操作部51を操作してもよく、無線装置90を操作してもよい。ここでは、荷受台20を上昇させるときの動作について
図5A~
図5Dを用いて説明する。すなわち、
図5A~
図5Dにおいて、ユーザ3は、操作部51により荷受台20を上昇させる操作を行っているか、無線装置90の上昇ボタン92を押している。
図5Aに示す状態では、荷受台20は昇降範囲の最下端まで下降し、さらに荷受台本体21の先端部21dが床面と接している。このときリフトシリンダ35およびゲートシリンダ22aは、最も収縮した状態となっている。このとき、チルトリンク31は、支持部材18から離間する方向、すなわちチルトリンク31の下端部が後方へ向かうように回動している。この状態において、油圧制御装置70(
図4参照)からリフトシリンダ35に作動油が供給されることにより、リフトシリンダ35が伸長する。リフトシリンダ35が伸長すると、チルトリンク31の下部が支持部材18に接する方向へ回動し、リフトアーム32が前方へ移動する。荷受台20は、ピンP6を中心に上方へ回動する。なお、このとき、センサ41(
図6参照)は、コンプレッションアーム33を検出していない状態であるため、フットランプ81は、消灯状態である。
【0053】
図5Bに示すように、チルトリンク31が支持部材18に接するまでリフトアーム32が前方へ移動すると、荷受台本体21が上方を向き、水平状態となる。この状態において、油圧制御装置70からさらにリフトシリンダ35に作動油が供給され、リフトシリンダ35が伸長すると、リフトアーム32は、ピンP2を中心に上方に回動し、コンプレッションアーム33は、ピンP3を中心に上方に回動する。このことにより、荷受台20が上昇する。
図5Aのときと同様に、センサ41は、コンプレッションアーム33を検出していない状態であるため、フットランプ81は、消灯状態である。
【0054】
図5Cに示すように、荷受台20が昇降範囲の上端の位置まで上昇すると、荷受台20と荷箱15が面一になる。詳しくは、荷受台本体21の上面と荷箱15の庫内の床面とが面一となる。なお、ここで言う面一とは、荷受台本体21の上面と荷箱15の床面との高さが実質的に等しく、かつ、それらの間に実質的に隙間が無いことを言う。荷受台本体21の上面と荷箱15の床面との高さが実質的に等しいことには、それらが完全に等しい場合と、それらの間に僅かな高低差がある場合との両方が含まれる。荷受台本体21の上面と荷箱15の床面との間に実質的に隙間が無いことには、それらの間に完全に隙間が無い場合と、若干の隙間がある場合(
図5C参照)とが含まれる。このとき、
図6に示すように、コンプレッションアーム33がセンサ41により検出される。したがって、センサ41の信号がONとなる。このことにより、
図5Cに示すように、フットランプ81が点灯状態となる。したがって、荷受台本体21の上面と荷箱15の庫内の床面とが面一であることがフットランプ81により報知される。作業者は、フットランプ81が点灯したことを見ることにより、荷受台本体21の上面と荷箱15の庫内の床面とが面一であることを容易かつ確実に知ることができる。
【0055】
荷受台本体21の上面と荷箱15の庫内の床面とを面一とした状態(
図5Cの状態)において、ユーザ3は、荷箱15からの荷物の運び出しまたは荷箱15への荷物の運び入れを実施してもよい。例えば荷物の運び出しを行うときは、まず、荷物を庫内から荷受台20に載せる。この際、荷受台本体21の上面と荷箱15の庫内の床面とは面一であるので、作業者は荷物を庫内から荷受台20に載せる作業を容易に行うことができる。例えば、キャスター付きの荷物の場合、作業者は庫内の床面から荷受台20に向けて荷物を押すか、引っ張るだけで、庫内から荷受台20に荷物を容易に移動させることができる。その後、
図5Bおよび
図5Aに示すように、リフトシリンダ35を伸長させることにより、荷受台20を下降させる。
【0056】
一方、
図5Cの状態において、さらに操作部51による上昇の操作または、無線装置90の上昇ボタン92を押すことにより、油圧制御装置70からゲートシリンダ22aに作動油が供給される。ゲートシリンダ22aに作動油が供給されると、ゲートシリンダ22aが伸長する。ゲートシリンダ22aが伸長すると、荷受台20は、ピンP6を中心に反時計回りに回動する。
図5Dに示すように、ゲートシリンダ22aが伸長すると、荷受台本体21と荷箱15が対面し、荷受台20が起立状態となる。このとき、ゲートシリンダ22aは、最も伸長した状態となっている。
【0057】
以上のように、本実施形態の荷受台昇降装置16によると、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一であることが検出装置40により検出されると、報知装置であるフットランプ81がユーザ3に報知を行う。荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一であることが報知されたとき、荷受台本体21と荷箱15との間に段差は生じていない。したがって、ユーザ3は、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一になったことを容易に知ることができる。ユーザ3は、フットランプ81による報知を確認するまで荷受台20を上昇させればよく、フットランプ81の報知を確認するだけで荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とを面一にすることができる。ユーザ3は、荷受台20を上昇させる動作を適切に行うことができる。
【0058】
本実施形態の荷受台昇降装置16によると、報知システム80は、フットランプ81により構成されている。フットランプ81の作動状態が切り替わることにより、ユーザ3は、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一であることを直接確認しなくても視覚的に把握することができる。さらにフットランプ81は、光を発するものであるため、例えば、周囲が暗い場合など、荷受台本体21と荷箱15との間の段差を直接視認しにくい場合においても、フットランプ81の発する光により、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面がと面一であるか否かを確認することができる。
【0059】
本実施形態の荷受台昇降装置16によると、フットランプ81は、荷受台20の荷受台本体21に設けられている。フットランプ81は、荷受台本体21に形成された貫通孔21aから上方に向けて光を発する。したがって、フットランプ81が発した光は、荷受台本体21の上面から発せられる。ここで、荷受台本体21は、ユーザ3の足元に位置する。したがって、ユーザ3がフットランプ81の作動状態を確認するとき、ユーザ3の視線は、ユーザ3の足元に向けられる。したがって、ユーザ3が自身により、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面との間を確認することを促すことができる。
【0060】
本実施形態の荷受台昇降装置16によると、フットランプ81は、荷受台20の前後方向の中間の位置よりも前方の位置に配置されている。したがって、ユーザ3の視線は、ユーザ3の足元のうち、とくに荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面との間付近である基端部に向けられる。このことにより、ユーザ3は、足元に意識を向けることができる。したがって、ユーザ3が自身により荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面との間を確認することをより促すことができる。
【0061】
本実施形態の特装車10では、荷受台昇降装置16と荷箱15とを備えている。このことにより、荷受台20と荷箱15の庫内の床面との間に段差が生じにくく、作業者は、荷物の運び出しを行いやすい。
【0062】
<第2実施形態>
次に第2実施形態に係る特装車10Aについて説明する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と共通の機能を奏する部材には第1実施形態と共通の符号を使用し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0063】
図11に示すように、特装車10Aは、荷受台昇降装置16Aを備えている。荷受台昇降装置16Aは、フットランプ81Aを備えている。フットランプ81Aは、本発明における報知装置の一例である。
【0064】
図11に示すように、フットランプ81Aは、サイドモール21cの上面21caに配置されている。フットランプ81Aの構成は特に限定されないが、本実施形態では、LEDラインテープに設けられたLEDである。LEDラインテープの有する接着面をサイドモール21cの上面21caに接着させることにより、フットランプ81Aが設けられる。フットランプ81Aは、荷受台本体21の左右方向の両端に設けられたサイドモール21cのうちいずれか一方に設けられるものであってもよく、両方に設けられるものであってもよい。フットランプ81Aは、第1実施形態のフットランプ81(
図4参照)と同様に、センサ41に電気的に接続されている。フットランプ81Aの電気的な接続は、
図4に示すフットランプ81と同様であるため、ここではブロック図の図示は省略する。フットランプ81Aは、第1実施形態と同様に、センサ41の信号がONのとき点灯し、センサ41の信号がOFFのとき消灯するように構成されている。すなわち、荷受台20が昇降範囲の上端の位置に配置され、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一になったとき、フットランプ81が点灯する。
【0065】
本実施形態の荷受台昇降装置16Aによると、フットランプ81Aがサイドモール21cの上面21caに設けられていることにより、ユーザ3は、荷受台本体21の左右方向の端の位置をフットランプ81Aにより認識することができる。例えば、周囲が暗い場合、ユーザ3は、荷受台本体21の左右方向の両端の位置を視認しづらい。したがって、ユーザ3が荷物を運び出す際に、荷受台本体21の左右方向の端を注意深く確認しながら運び出すこととなり、荷物のスムーズな運び出しが妨げられる。本実施形態のように、フットランプ81Aがサイドモール21cの上面21caに設けられていることにより、ユーザ3は、荷受台本体21の左右方向の両端の位置を認識しやすくなる。したがって、ユーザ3は、荷受台20を上昇させた後、荷物の運び出しを行いやすい。
【0066】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る特装車10Bについて説明する。なお、第3実施形態の説明では、第1実施形態と共通の機能を奏する部材には第1実施形態と共通の符号を使用し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0067】
図12に示すように、特装車10Bは、荷箱15Bと荷受台昇降装置16Bと、を備えている。荷受台昇降装置16Bは、シーリングランプ81Bを備えている。シーリングランプ81Bは、本発明における報知装置の一例である。
【0068】
シーリングランプ81Bは、荷箱15Bの内部の天井15Baに設けられている。本実施形態では、シーリングランプ81Bは、天井15Baのうち最も後方かつ荷箱15Bの左右方向の中心に配置されている。ただし、シーリングランプ81Bは、天井15Baに配置されているに限りにおいてこれに限定されない。シーリングランプ81Bは、第1実施形態のフットランプ81(
図4参照)と同様に、センサ41に電気的に接続されている。シーリングランプ81Bの電気的な接続は、
図4に示すフットランプ81と同様であるため、ここではブロック図の図示は省略する。シーリングランプ81Bは、第1実施形態と同様に、センサ41の信号がONのとき点灯し、センサ41の信号がOFFのとき消灯するように構成されている。すなわち、荷受台20が昇降範囲の上端の位置に配置され、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一になったとき、シーリングランプ81Bが点灯する。ただし、シーリングランプ81Bの作動状態の変化は、点灯状態と消灯状態とに限定されない。例えば、シーリングランプ81Bの作動状態の変化は、発する光の色を変化させるものや、光量を変化させるものであってもよい。また、シーリングランプ81Bのうち発光する部分の面積を変化させることにより、光量が変化するものであってもよい。シーリングランプ81Bの構成は特に限定されないが、本実施形態ではLEDランプである。
【0069】
本実施形態の荷受台昇降装置16Bによると、荷受台昇降装置16Bは、シーリングランプ81Bを備えている。ユーザ3は、シーリングランプ81Bの作動状態の変化を確認することにより、荷受台本体21と荷箱15Bの床面とが面一であるか否かを確認することができる。さらに、シーリングランプ81Bは、荷箱15の天井15Baに設けられており、比較的高い位置に配置されている。シーリングランプ81Bは、荷箱15内の荷物によって遮られにくい位置に配置されている。したがって、例えば、荷箱15に多数の荷物が積載されている場合であっても、ユーザ3が、荷物によりシーリングランプ81Bを確認できなくなることが比較的発生しにくい。
【0070】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態に係る特装車10Cについて説明する。なお、第4実施形態の説明では、第1実施形態と共通の機能を奏する部材には第1実施形態と共通の符号を使用し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0071】
図13に示すように、特装車10Cは、荷受台昇降装置16Cを備えている。荷受台昇降装置16Cは、無線装置90Cを備えている。無線装置90Cは、ランプ95Cを備えている。ランプ95Cは、本発明における報知装置の一例である。
【0072】
図14に示すように、ランプ95Cは、無線装置90Cのうち電源ボタン91、上昇ボタン92および下降ボタン93が配置されている面と同じ面に配置されている。ただし、ランプ95Cの位置は、無線装置90に設けられている限りにおいて限定されない。
図15に示すように、ランプ95Cは、センサ41に無線にて接続されている。ランプ95Cは、センサ41の信号がONのとき点灯し、センサ41の信号がOFFのとき消灯するように構成されている。ただし、ランプ95Cの作動状態の変化は、点灯状態と消灯状態とに限定されない。例えば、ランプ95Cの作動状態の変化は、発する光の色を変化させるものや、光量を変化させるものであってもよい。また、ランプ95Cのうち発光する部分の面積を変化させることにより、光量が変化するものであってもよい。ランプ95Cの構成は特に限定されないが、本実施形態ではLEDランプである。
【0073】
本実施形態の荷受台昇降装置16Cによると、ランプ95Cは、無線装置90Cに設けられている。したがって、ユーザ3は、ランプ95Cの作動状態の変化を確認することにより、荷受台本体21と荷箱15Bの庫内の床面とが面一であるか否かを確認することができる。ここで、ユーザ3が無線装置90Cを操作することにより、荷受台20の昇降を行っている場合、ユーザ3は無線装置90Cを手に持っている。したがって、ユーザ3は、ランプ95Cの作動状態の変化を比較的確認しやすい。このことにより、ユーザ3は、荷受台20の上昇の動作を適切に行いやすくなり、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面との間に段差が生じにくい。
【0074】
本実施形態の荷受台昇降装置16Cによると、ランプ95Cは、無線装置90Cに設けられている。ここで、ユーザ3が無線装置90Cを操作することにより、荷受台20の昇降を行っている場合、ユーザ3は無線装置90Cの上昇ボタン92や下降ボタン93を操作している。したがって、荷受台20を昇降させるとき、ユーザ3の視線は、無線装置90Cに向けられている。ランプ95Cが無線装置90Cに設けられているため、ランプ95Cが点灯したとき、ユーザ3は、視線を移動させることなく、ランプ95Cの作動状態の変化を確認することができる。このことにより、ユーザ3は、荷受台本体21と荷箱15の庫内の床面とが面一になったことを比較的早く認識することができる。
【0075】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態に係る特装車10Dについて説明する。なお、第5実施形態の説明では、第4実施形態と共通の機能を奏する部材には第4実施形態と共通の符号を使用し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0076】
図16に示すように特装車10Dは、荷受台昇降装置16Dを備えている。荷受台昇降装置16Dは、無線装置90Dを備えている。無線装置90Dは、音声発生装置95Dを備えている。音声発生装置95Dは、本発明における報知装置の一例である。
【0077】
音声発生装置95Dは、無線装置90Dに設けられている。音声発生装置95Dは、例えば、スピーカーである。音声発生装置95Dは、第4実施形態のランプ95C(
図13参照)と同様に、センサ41に無線にて接続されている。音声発生装置95Dの電気的な接続は、
図13に示すランプ95Cと同様であるため、ここではブロック図の図示は省略する。音声発生装置95Dは、センサ41の信号がONのときに音を発し、センサ41の信号がOFFのときに音を発しないように構成されている。ただし、音声発生装置95Dの作動状態の変化は、音を発する状態と音を発しない状態とに限定されない。例えば、音声発生装置95Dの作動状態の変化は、発する音を変化させるものや、音量を変化させるものであってもよい。
【0078】
本実施形態の荷受台昇降装置16Dによると、音声発生装置95Dは、無線装置90Dに設けられている。したがって、ユーザ3は、音声発生装置95Dが発する音声により、荷受台本体21と荷箱15Bの床面とが面一であるか否かを確認することができる。
【0079】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態に係る特装車10Eについて説明する。なお、第6実施形態の説明では、第4実施形態と共通の機能を奏する部材には第4実施形態と共通の符号を使用し、重複する説明は省略または簡略化する。
【0080】
図17に示すように、特装車10Eは、荷受台昇降装置16Eを備えている。荷受台昇降装置16Eは、無線装置90Eを備えている。無線装置90Eは、振動発生装置95Eを備えている。ランプ95Cは、本発明における報知装置の一例である。
【0081】
振動発生装置95Eは、無線装置90Eの内部に設けられている。振動発生装置95Eは、例えば、モータと重りとにより構成される。振動発生装置95Eは、第4実施形態のランプ95C(
図13参照)と同様に、センサ41に無線にて接続されている。振動発生装置95Eの電気的な接続は、
図13に示すランプ95Cと同様であるため、ここではブロック図の図示は省略する。振動発生装置95Eは、センサ41の信号がONのときに振動を発し、センサ41の信号がOFFのときに振動を発しないように構成されている。振動発生装置95Eが振動を発すると、無線装置90Eの全体が振動する。ただし、振動発生装置95Eの作動状態の変化は、振動を発する状態と振動を発しない状態とに限定されない。例えば、振動発生装置95Eの作動状態の変化は、振動の強さを変化させるものや振動の周期を変化させるものであってもよい。
【0082】
本実施形態の荷受台昇降装置16Eによると、振動発生装置95Eは、無線装置90Eに設けられている。したがって、ユーザ3は、振動発生装置95Eが発する振動により、荷受台本体21と荷箱15Bの庫内の床面とが面一であるか否かを確認することができる。
【0083】
なお、前記の各実施形態は単独で実施してもよく、前記実施形態のうちの2つ以上を組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0084】
15 荷箱
16 荷受台昇降装置
20 荷受台
30 荷受台昇降機構
40 検出装置
81 フットランプ(報知装置)