(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093247
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】半導体レーザ装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02253 20210101AFI20240702BHJP
【FI】
H01S5/02253
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209495
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】前田 純也
(72)【発明者】
【氏名】亀井 雅史
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MC13
5F173MC15
5F173MD65
5F173ME64
5F173ME75
5F173ME85
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれを抑制することができる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置は、サブマウント3と、サブマウント3上に配置された半導体レーザ素子と、Z方向におけるレーザ光の広がり角を調整するレンズ5と、サブマウント3に対してレンズ5を支持している第1支持体6と、レンズ5と第1支持体6とを接合している第1接合部材8と、を備える。第1支持体6は、第1表面61及び第2表面62に開口している第1開口部64を有する。第1開口部64における第1表面61側の内側開口64aの少なくとも一部は、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっている。第1接合部材8は、第1端面53aと内側開口64aとの間の領域R11aの少なくとも一部、及び第1開口部64内の領域R12の少なくとも一部に、連続して配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
前記基台上に配置されており、レーザ光を出射する少なくとも一つの発光点を有する半導体レーザ素子と、
第1方向において前記少なくとも一つの発光点と向かい合っている光入射面、前記第1方向において前記光入射面とは反対側に位置している光出射面、前記第1方向に垂直な第2方向において一方の側に位置している第1端面、及び前記第2方向において他方の側に位置している第2端面を有し、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における前記レーザ光の広がり角を調整するレンズと、
前記第2方向において前記第1端面側に位置している第1表面、及び前記第2方向において前記第1端面とは反対側に位置している第2表面を有し、前記基台に対して前記レンズを支持している第1支持体と、
前記レンズと前記第1支持体とを接合している第1接合部材と、を備え、
前記第1支持体は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している第1開口部を有し、
前記第1開口部における前記第1表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっており、
前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第1開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、半導体レーザ装置。
【請求項2】
前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1表面との間の領域の少なくとも一部、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第1開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項3】
前記第1開口部は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している貫通孔である、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項4】
前記第1開口部は、前記第1表面及び前記第2表面に開口しており且つ前記第1表面と前記第2表面とを結んでいる第3表面に開口している切欠きである、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項5】
前記切欠きは、前記第3表面のうち、前記第2方向から見た場合に前記第1方向において前記半導体レーザ素子とは反対側に位置している領域に開口している、請求項4に記載の半導体レーザ装置。
【請求項6】
前記切欠きは、前記第3表面のうち、前記第2方向から見た場合に前記第3方向において一方の側に位置している領域に開口している、請求項4に記載の半導体レーザ装置。
【請求項7】
前記第1接合部材は、前記第1開口部における前記第2表面側の外側開口に至っている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項8】
前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、前記第1開口部内の前記領域の少なくとも一部、及び前記第2表面上の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項9】
前記第1接合部材において、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部に配置された部分は、前記第2表面上の前記領域の少なくとも一部に配置された部分よりも薄い、請求項8に記載の半導体レーザ装置。
【請求項10】
前記第1開口部の前記内側開口の全部は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項11】
前記第1支持体は、光透過性を有する、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項12】
前記第2方向における前記第1支持体の厚さは、2mm以下である、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項13】
前記光出射面の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第1支持体からずれている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項14】
前記第1方向における前記第1開口部の前記内側開口の幅は、前記第3方向における前記第1開口部の前記内側開口の幅以上である、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項15】
前記基台と、前記基台と別体に形成された前記第1支持体とを接合している第2接合部材を更に備え、
前記第1支持体は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している第2開口部を有し、
前記第2開口部における前記第1表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記基台の側面と重なっており、
前記第2接合部材は、前記側面と前記第2開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第2開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項16】
前記第2接合部材は、前記側面と前記第1表面との間の領域の少なくとも一部、前記側面と前記第2開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第2開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項15に記載の半導体レーザ装置。
【請求項17】
前記第1表面において、前記第2方向から見た場合に前記側面と重なっている領域の面積は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっている領域の面積よりも大きく、
前記第2開口部の前記内側開口の面積は、前記第1開口部の前記内側開口の面積よりも大きい、請求項15に記載の半導体レーザ装置。
【請求項18】
前記第2方向において前記第2端面側に位置している第4表面、及び前記第2方向において前記第2端面とは反対側に位置している第5表面を有し、前記基台に対して前記レンズを支持している第2支持体と、
前記レンズと前記第2支持体とを接合している第3接合部材と、を更に備え、
前記第2支持体は、前記第4表面及び前記第5表面に開口している第3開口部を有し、
前記第3開口部における前記第4表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第2端面と重なっており、
前記第3接合部材は、前記第2端面と前記第3開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第3開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【請求項19】
前記第3接合部材は、前記第2端面と前記第4表面との間の領域の少なくとも一部、前記第2端面と前記第3開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第3開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、請求項18に記載の半導体レーザ装置。
【請求項20】
前記半導体レーザ素子は、前記第2方向に並んでいる複数の発光点を有し、
前記レンズは、前記第2方向に延在しており、
前記光入射面は、前記第1方向において前記複数の発光点と向かい合っている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基台と、基台上に配置された半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子と向かい合っているレンズと、基台に対してレンズを支持している支持体と、レンズと支持体とを接合している接合部材と、を備える半導体レーザ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような半導体レーザ装置では、接合部材のうちレンズの端面と支持体の支持面との間の領域に配置された部分が厚いと、当該部分の変形(例えば、膨潤、熱膨張及び熱収縮)に起因して半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれが大きくなるおそれがある。一方で、接合部材のうちレンズの端面と支持体の支持面との間の領域に配置された部分が薄いと、その分だけ、周囲への接合部材のはみ出し量が多くなり、接合部材のはみ出し部分の変形に起因して半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれが大きくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれを抑制することができる半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体レーザ装置は、[1]「基台と、前記基台上に配置されており、レーザ光を出射する少なくとも一つの発光点を有する半導体レーザ素子と、第1方向において前記少なくとも一つの発光点と向かい合っている光入射面、前記第1方向において前記光入射面とは反対側に位置している光出射面、前記第1方向に垂直な第2方向において一方の側に位置している第1端面、及び前記第2方向において他方の側に位置している第2端面を有し、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向における前記レーザ光の広がり角を調整するレンズと、前記第2方向において前記第1端面側に位置している第1表面、及び前記第2方向において前記第1端面とは反対側に位置している第2表面を有し、前記基台に対して前記レンズを支持している第1支持体と、前記レンズと前記第1支持体とを接合している第1接合部材と、を備え、前記第1支持体は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している第1開口部を有し、前記第1開口部における前記第1表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっており、前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第1開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、半導体レーザ装置」である。
【0007】
上記[1]に記載の半導体レーザ装置では、基台に対してレンズを支持している第1支持体が、第1表面及び第2表面に開口している第1開口部を有しており、第1開口部における第1表面側の内側開口の少なくとも一部が、第2方向から見た場合にレンズの第1端面と重なっている。その状態で、レンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び第1支持体の第1開口部内の領域の少なくとも一部に、第1接合部材が連続して配置されている。これにより、レンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域から周囲への第1接合部材のはみ出しを抑制しつつ、第1接合部材のうちレンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域に配置された部分を薄くすることができる。したがって、第1接合部材の変形に起因するレンズの軸ずれが抑制される。しかも、第1接合部材のうち第1支持体の第1開口部内の領域に配置された部分が芯として機能するため、レンズと第1支持体との接合強度が向上すると共に、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれが抑制される。以上により、上記[1]に記載の半導体レーザ装置によれば、半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれを抑制することができる。
【0008】
本発明の半導体レーザ装置は、[2]「前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1表面との間の領域の少なくとも一部、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第1開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[1]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[2]に記載の半導体レーザ装置によれば、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれを抑制しつつ、レンズと第1支持体との接合強度をより一層向上させることができる。
【0009】
本発明の半導体レーザ装置は、[3]「前記第1開口部は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している貫通孔である、上記[1]又は[2]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[3]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材が貫通孔内の領域に留まりやすくなるため、レンズと第1支持体との接合強度を向上させることができる。
【0010】
本発明の半導体レーザ装置は、[4]「前記第1開口部は、前記第1表面及び前記第2表面に開口しており且つ前記第1表面と前記第2表面とを結んでいる第3表面に開口している切欠きである、上記[1]又は[2]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[4]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材がレンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域から切欠き側に逃げやすくなるため、レンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域から周囲への第1接合部材のはみ出しを抑制することができる。
【0011】
本発明の半導体レーザ装置は、[5]「前記切欠きは、前記第3表面のうち、前記第2方向から見た場合に前記第1方向において前記半導体レーザ素子とは反対側に位置している領域に開口している、上記[4]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[5]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうち切欠き内の領域に配置された部分が変形したとしても、特に第3方向へのレンズの軸ずれが抑制されるため、第3方向におけるレーザ光の広がり角を調整するレンズを好適に機能させることができる。
【0012】
本発明の半導体レーザ装置は、[6]「前記切欠きは、前記第3表面のうち、前記第2方向から見た場合に前記第3方向において一方の側に位置している領域に開口している、上記[4]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[6]に記載の半導体レーザ装置によれば、切欠き内の領域から第1支持体の第3表面上の領域に第1接合部材がはみ出したとしても、レンズの光入射面及び光出射面に第1接合部材が付着するのを防止することができる。
【0013】
本発明の半導体レーザ装置は、[7]「前記第1接合部材は、前記第1開口部における前記第2表面側の外側開口に至っている、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[7]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうち第1支持体の第1開口部内の領域に配置された部分が芯として機能するため、レンズと第1支持体との接合強度を向上させることができると共に、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれを抑制することができる。
【0014】
本発明の半導体レーザ装置は、[8]「前記第1接合部材は、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、前記第1開口部内の前記領域の少なくとも一部、及び前記第2表面上の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[8]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうち第1支持体の第2表面上の領域に配置された部分がアンカー(ストッパ)として機能するため、レンズと第1支持体との接合強度を向上させることができると共に、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれを抑制することができる。
【0015】
本発明の半導体レーザ装置は、[9]「前記第1接合部材において、前記第1端面と前記第1開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部に配置された部分は、前記第2表面上の前記領域の少なくとも一部に配置された部分よりも薄い、上記[8]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[9]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうちレンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域に配置された部分の厚さにばらつきが生じにくくなるため、第1接合部材の変形に起因するレンズの軸ずれを抑制することができる。また、第1接合部材のうち第1支持体の第2表面上の領域に配置された部分がアンカーとして機能するため、レンズと第1支持体との接合強度を向上させることができると共に、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれを抑制することができる。
【0016】
本発明の半導体レーザ装置は、[10]「前記第1開口部の前記内側開口の全部は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっている、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[10]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材がレンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域から第1開口部内の領域に逃げやすくなるため、レンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域から周囲への第1接合部材のはみ出しを抑制することができる。
【0017】
本発明の半導体レーザ装置は、[11]「前記第1支持体は、光透過性を有する、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[11]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうちレンズの第1端面と第1開口部の内側開口との間の領域に配置された部分、及び第1接合部材のうち第1支持体の第1開口部内の領域に配置された部分の状態を確認することができる。
【0018】
本発明の半導体レーザ装置は、[12]「前記第2方向における前記第1支持体の厚さは、2mm以下である、上記[1]~[11]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[12]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材の量を減少させつつ、第1支持体の第1開口部内の領域に第1接合部材を確実に配置することができる。
【0019】
本発明の半導体レーザ装置は、[13]「前記光出射面の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第1支持体からずれている、上記[1]~[12]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[13]に記載の半導体レーザ装置によれば、レンズの光出射面に第1接合部材が付着するのを防止することができる。
【0020】
本発明の半導体レーザ装置は、[14]「前記第1方向における前記第1開口部の前記内側開口の幅は、前記第3方向における前記第1開口部の前記内側開口の幅以上である、上記[1]~[13]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[14]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1接合部材のうち第1開口部内の領域に配置された部分が変形したとしても、特に第3方向へのレンズの軸ずれが抑制されるため、第3方向におけるレーザ光の広がり角を調整するレンズを好適に機能させることができる。
【0021】
本発明の半導体レーザ装置は、[15]「前記基台と、前記基台と別体に形成された前記第1支持体とを接合している第2接合部材を更に備え、前記第1支持体は、前記第1表面及び前記第2表面に開口している第2開口部を有し、前記第2開口部における前記第1表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記基台の側面と重なっており、前記第2接合部材は、前記側面と前記第2開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第2開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[1]~[14]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[15]に記載の半導体レーザ装置によれば、基台及び第1支持体のそれぞれの構造(例えば、形状、材料)をそれぞれに適したものとすることができる。また、第2接合部材が第1支持体の第2開口部内の領域に配置されているため、基台と第1支持体との接合強度を向上させることができる。
【0022】
本発明の半導体レーザ装置は、[16]「前記第2接合部材は、前記側面と前記第1表面との間の領域の少なくとも一部、前記側面と前記第2開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第2開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[15]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[16]に記載の半導体レーザ装置によれば、基台と第1支持体との接合強度をより一層向上させることができる。
【0023】
本発明の半導体レーザ装置は、[17]「前記第1表面において、前記第2方向から見た場合に前記側面と重なっている領域の面積は、前記第2方向から見た場合に前記第1端面と重なっている領域の面積よりも大きく、前記第2開口部の前記内側開口の面積は、前記第1開口部の前記内側開口の面積よりも大きい、上記[15]又は[16]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[17]に記載の半導体レーザ装置によれば、第1支持体及びレンズの支持の安定性を向上させることができる。また、例えば、レンズと第1支持体とを接合した後に基台と第1支持体とを接合する場合において、半導体レーザ素子に対するレンズの調心のための第1支持体の移動を実施しやすくなるように第2接合部材の量を多くしても、第1支持体の第1表面のうち第2方向から見た場合に側面と重なっている領域から第2接合部材がはみ出すのを抑制することができる。
【0024】
本発明の半導体レーザ装置は、[18]「前記第2方向において前記第2端面側に位置している第4表面、及び前記第2方向において前記第2端面とは反対側に位置している第5表面を有し、前記基台に対して前記レンズを支持している第2支持体と、前記レンズと前記第2支持体とを接合している第3接合部材と、を更に備え、前記第2支持体は、前記第4表面及び前記第5表面に開口している第3開口部を有し、前記第3開口部における前記第4表面側の内側開口の少なくとも一部は、前記第2方向から見た場合に前記第2端面と重なっており、前記第3接合部材は、前記第2端面と前記第3開口部の前記内側開口との間の領域の少なくとも一部、及び前記第3開口部内の領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[1]~[17]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[18]に記載の半導体レーザ装置によれば、レンズの支持の安定性をより一層向上させることができると共に、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれをより確実に抑制することができる。
【0025】
本発明の半導体レーザ装置は、[19]「前記第3接合部材は、前記第2端面と前記第4表面との間の領域の少なくとも一部、前記第2端面と前記第3開口部の前記内側開口との間の前記領域の少なくとも一部、及び前記第3開口部内の前記領域の少なくとも一部に、連続して配置されている、上記[18]に記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[19]に記載の半導体レーザ装置によれば、第2方向に垂直な方向へのレンズの軸ずれを抑制しつつ、レンズと第2支持体との接合強度をより一層向上させることができる。
【0026】
本発明の半導体レーザ装置は、[20]「前記半導体レーザ素子は、前記第2方向に並んでいる複数の発光点を有し、前記レンズは、前記第2方向に延在しており、前記光入射面は、前記第1方向において前記複数の発光点と向かい合っている、上記[1]~[19]のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置」であってもよい。当該[20]に記載の半導体レーザ装置によれば、複数の発光点のそれぞれから出射されたレーザ光について、第3方向におけるレーザ光の広がり角がばらつくのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、半導体レーザ素子に対するレンズの軸ずれを抑制することができる半導体レーザ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施形態の半導体レーザ装置の一部分の平面図である。
【
図2】
図1に示される半導体レーザ装置の一部分の側面図である。
【
図3】
図1に示される半導体レーザ素子の斜視図である。
【
図5】
図4に示されるV-V線に沿っての第1支持体の断面図である。
【
図7】
図6に示されるVII-VII線に沿っての第2支持体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
図1及び
図2に示されるように、半導体レーザ装置1は、ヒートシンク2と、サブマウント(基台)3と、半導体レーザ素子4と、レンズ5と、第1支持体6と、第2支持体7と、を備えている。レンズ5と第1支持体6とは、第1接合部材8によって接合されている。サブマウント3と第1支持体6とは、第2接合部材9によって接合されている。レンズ5と第2支持体7とは、第3接合部材11によって接合されている。サブマウント3と第2支持体7とは、第4接合部材12によって接合されている。第1接合部材8、第2接合部材9、第3接合部材11及び第4接合部材12は、例えば、光硬化性樹脂である。光硬化性樹脂としては、紫外線硬化樹脂、可視光硬化性樹脂等を用いることができる。なお、第1接合部材8、第2接合部材9、第3接合部材11及び第4接合部材12は、熱硬化性樹脂であってもよい。
【0031】
図3に示されるように、半導体レーザ素子4は、半導体積層体41と、陽極及び陰極(図示省略)と、を含んでいる。半導体積層体41は、例えば、化合物半導体からなる複数の層(活性層、及びその両側のクラッド層等)が積層されることにより、Z方向を厚さ方向とし且つX方向を短辺方向とし且つY方向を長辺方向とする矩形板状に形成されている。化合物半導体は、例えば、GaAs、AlGaAs、GaN、AlGaN、又はこれらのいずれかとInとの混晶である。半導体レーザ素子4は、レーザ光を出射する複数の発光点4aを有している。複数の発光点4aは、X方向に垂直な半導体積層体41の光出射面41aにおいて、Y方向に一列に並んでいる。一例として、Z方向における半導体レーザ素子4の厚さは0.15mm程度であり、X方向における半導体レーザ素子4の幅は2mm程度であり、Y方向における半導体レーザ素子4の幅は10mm程度である。
【0032】
以上のように構成された半導体レーザ素子4では、Z方向をファースト軸方向とし且つY方向をスロー軸方向として各発光点4aからレーザ光が出射される。なお、半導体レーザ素子4の陽極及び陰極(図示省略)に対する電力の供給は、公知の構成によって実現可能である。
【0033】
図1及び
図2に示されるように、半導体レーザ素子4は、サブマウント3を介してヒートシンク2上に配置されている。つまり、半導体レーザ素子4は、サブマウント3上に配置されている。本実施形態では、半導体レーザ素子4は、Z方向に垂直なサブマウント3の載置面31上に固定されている。ヒートシンク2は、例えば、CuWによってブロック状に形成されている。サブマウント3は、例えば、Al
2O
3、SiC又はCuWによって、Z方向を厚さ方向とし且つX方向を短辺方向とし且つY方向を長辺方向とする矩形板状に形成されている。一例として、Z方向におけるサブマウント3の厚さは0.6mm程度であり、X方向におけるサブマウント3の幅は2mm程度であり、Y方向におけるサブマウント3の幅は10mm程度である。本実施形態では、Z方向から見た場合に、半導体レーザ素子4の外縁は、サブマウント3の外縁と一致している。
【0034】
レンズ5は、Y方向に延在しており、各発光点4aから出射されたレーザ光Lについて、少なくともZ方向(第1方向及び第2方向の両方向に垂直な第3方向)におけるレーザ光Lの広がり角を調整する。レンズ5は、光入射面51、光出射面52、第1端面53a及び第2端面53bを有している。光入射面51は、X方向(第1方向)において複数の発光点4aと向かい合っている。レンズ5の光入射面51と半導体レーザ素子4の光出射面41aとの間には、隙間が形成されている。レンズ5の光入射面51と半導体レーザ素子4の光出射面41aとの距離は、例えば、0.1mm程度である。光出射面52は、X方向において光入射面51とは反対側に位置している。第1端面53aは、Y方向(第1方向に垂直な第2方向)において一方の側に位置している。第2端面53bは、Y方向において他方の側に位置している。
【0035】
レンズ5は、例えば、高屈折率ガラスによって形成されたファースト軸コリメーションレンズである。一例として、光入射面51は、X方向に垂直な平坦面であり、光出射面52は、Y方向に平行な中心線を有する円柱面の一部である。一例として、Z方向におけるレンズ5の幅は1mm程度であり、X方向におけるレンズ5の幅は1mm程度であり、Y方向におけるレンズ5の幅は10mm程度である。本実施形態では、レンズ5は、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整し、Z方向において平行化されたレーザ光を出射する。なお、レンズ5は、例えば、円柱状を呈していてもよい。その場合にも、円柱の外周面のうちX方向において半導体レーザ素子4側の領域が光入射面51となり、円柱の外周面のうちX方向において半導体レーザ素子4とは反対側の領域が光出射面52となる。更にその場合、光入射面51と光出射面52とは、連続していてもよい(すなわち、角部を有しないように滑らかに接続された面として形成されていてよい)。
【0036】
第1支持体6及び第2支持体7は、それぞれ、サブマウント3と別体に形成されており、サブマウント3に対してレンズ5を支持している。第1支持体6は、先端6a側の部分において第1接合部材8によってレンズ5と接合されており、基端6b側の部分において第2接合部材9によってサブマウント3と接合されている。第2支持体7は、先端7a側の部分において第3接合部材11によってレンズ5と接合されており、基端7b側の部分において第4接合部材12によってサブマウント3と接合されている。レンズ5の光出射面52の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6及び第2支持体7からずれている。具体的には、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6の先端6a及び第2支持体7の先端7aからX方向における半導体レーザ素子4とは反対側に突出している。
【0037】
図4及び
図5に示されるように、第1支持体6は、第1表面61、第2表面62及び第3表面63を有している。第1表面61は、Y方向において、レンズ5の第1端面53a及びサブマウント3の第1側面(側面)32a側に位置している。第2表面62は、Y方向において、レンズ5の第1端面53a及びサブマウント3の第1側面32aとは反対側に位置している。第3表面63は、第1表面61と第2表面62とを結んでいる表面である。Y方向における第1支持体6の厚さ(すなわち、第1表面61と第2表面62との距離)は、2mm以下である。第1支持体6は、光透過性(例えば、紫外線透過性及び/又は可視光透過性)を有している。第1支持体6は、例えば、BK7、合成石英又はホウケイ酸ガラスによって直方体状に形成されている。一例として、Z方向における第1支持体6の幅は1mm程度であり、X方向における第1支持体6の幅は6mm程度であり、Y方向における第1支持体6の幅は1mm程度である。なお、第1支持体6の強度を確保し、後述する第1開口部64に第1接合部材8が配置される空間を確保するという観点からは、第1支持体6の厚さは、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。
【0038】
第1支持体6は、第1開口部64及び第2開口部65を有している。第1開口部64及び第2開口部65は、それぞれ、第1表面61及び第2表面62に開口している貫通孔である。当該貫通孔は、例えば、Y方向に平行な中心線を有する円柱状に形成されている。第1開口部64における第1表面61側の内側開口64aは、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aに含まれている。つまり、Y方向から見た場合には、第1開口部64の内側開口64aの全部がレンズ5の第1端面53aと重なっている。X方向における内側開口64aの幅は、Z方向における内側開口64aの幅に等しい。第1開口部64の内側開口64aは、例えば、直径が0.2mm程度である円形を呈している。第1開口部64の外側開口64bは、例えば、直径が0.2mm程度である円形を呈している。第2開口部65における第1表面61側の内側開口65aは、Y方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aに含まれている。つまり、Y方向から見た場合には、第2開口部65の内側開口65aの全部がサブマウント3の第1側面32aと重なっている。X方向における内側開口65aの幅は、Z方向における内側開口65aの幅よりも大きい。第2開口部65の内側開口65a及び外側開口65bのそれぞれは、例えば、X方向における幅が0.4mm程度であり且つZ方向における幅が0.2mm程度である楕円形を呈している。第2開口部65は、X方向における第1支持体6の幅の半分の位置よりもレンズ5に対してサブマウント3側に位置している。
【0039】
第1接合部材8は、領域R11の少なくとも一部、領域R12の少なくとも一部、及び領域R13の少なくとも一部に、連続して配置されている。領域R11は、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域である。領域R12は、第1支持体6の第1開口部64内の領域である。領域R13は、第1支持体6の第2表面62を含む平面上の領域である。つまり、第1接合部材8は、領域R11に配置された部分81と、領域R12に配置された部分82と、領域R13に配置された部分83と、を含んでおり、これらの部分81,82,83は、一体に形成されている。本実施形態では、第1接合部材8は、第1開口部64内の領域R12の全体に配置されている。
【0040】
本実施形態では、領域R11は、領域R11aと、領域R11bと、を含んでいる。領域R11aは、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域である。換言すれば、領域R11aは、領域R11のうち、Y方向から見た場合に第1開口部64の内側開口64aと重なっている領域である。領域R11bは、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との間の領域である。換言すれば、領域R11bは、領域R11のうち、Y方向から見た場合に第1開口部64の内側開口64aを包囲している環状の領域である。第1接合部材8の部分81は、領域R11aに配置された部分81aと、領域R11bに配置された環状の部分81bと、を含んでいる。領域R13は、領域R13aと、領域R13bと、を含んでいる。領域R13aは、第1開口部64の外側開口64bの外側(Y方向における第1端面53aとは反対側)の領域である。換言すれば、領域R13aは、領域R13のうち、Y方向から見た場合に第1開口部64の外側開口64bと重なっている領域である。領域R13bは、第1支持体6の第2表面62上の領域である。換言すれば、領域R13bは、領域R13のうち、Y方向から見た場合に第1開口部64の外側開口64bを包囲している環状の領域である。第1接合部材8の部分83は、領域R13aに配置された部分83aと、領域R13bに配置された環状の部分83bと、を含んでいる。第1接合部材8の81a,81b,82,83a,83bは、一体に形成されている。一例として、径方向における部分81bの幅(Y方向から見た場合における部分81bの内縁と部分81bの外縁との距離)は、0.1~0.2mm程度である。
【0041】
第1接合部材8において、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域R11に配置された部分81(すなわち、部分81a,81b)は、第1支持体6の第2表面62を含む平面上の領域R13に配置された部分83(すなわち、部分83a,83b)よりも薄い。つまり、Y方向における部分81の厚さの最大値(すなわち、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との距離)は、Y方向における部分83の厚さの最大値よりも小さい。一例として、Y方向における部分81の厚さの最大値は0.1mm程度であり、Y方向における部分83の厚さの最大値は0.2mm程度である。
【0042】
第2接合部材9は、領域R21の少なくとも一部、領域R22の少なくとも一部、及び領域R23の少なくとも一部に、連続して配置されている。領域R21は、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域である。領域R22は、第1支持体6の第2開口部65内の領域である。領域R23は、第1支持体6の第2表面62を含む平面上の領域である。つまり、第2接合部材9は、領域R21に配置された部分91と、領域R22に配置された部分92と、領域R23に配置された部分93と、を含んでおり、これらの部分91,92,93は、一体に形成されている。本実施形態では、第2接合部材9は、第2開口部65内の領域R22の全体に配置されている。
【0043】
本実施形態では、領域R21は、領域R21aと、領域R21bと、を含んでいる。領域R21aは、サブマウント3の第1側面32aと第2開口部65の内側開口65aとの間の領域である。換言すれば、領域R21aは、領域R21のうち、Y方向から見た場合に第2開口部65の内側開口65aと重なっている領域である。領域R21bは、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61との間の領域である。換言すれば、領域R21bは、領域R21のうち、Y方向から見た場合に第2開口部65の内側開口65aを包囲している環状の領域である。第2接合部材9の部分91は、領域R21aに配置された部分91aと、領域R21bに配置された環状の部分91bと、を含んでいる。領域R23は、領域R23aと、領域R23bと、を含んでいる。領域R23aは、第2開口部65の外側開口65bの外側(Y方向における第1側面32aとは反対側)の領域である。換言すれば、領域R23aは、領域R23のうち、Y方向から見た場合に第2開口部65の外側開口65bと重なっている領域である。領域R23bは、第1支持体6の第2表面62上の領域である。換言すれば、領域R23bは、領域R23のうち、Y方向から見た場合に第2開口部65の外側開口65bを包囲している環状の領域である。第2接合部材9の部分93は、領域R23aに配置された部分93aと、領域R23bに配置された環状の部分93bと、を含んでいる。第2接合部材9の91a,91b,92,93a,93bは、一体に形成されている。一例として、径方向における部分91bの幅(Y方向から見た場合における部分91bの内縁と部分91bの外縁との距離)は、0.1~0.2mm程度である。
【0044】
第2接合部材9において、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域R21に配置された部分91(すなわち、部分91a,91b)は、第1支持体6の第2表面62を含む平面上の領域R23に配置された部分93(すなわち、部分93a,93b)よりも薄い。つまり、Y方向における部分91の厚さの最大値(すなわち、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61との距離)は、Y方向における部分93の厚さの最大値よりも小さい。
【0045】
第1支持体6の第1表面61において、Y方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aと重なっている領域61bの面積は、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっている領域61aの面積よりも大きい。第2開口部65の内側開口65aの面積は、第1開口部64の内側開口64aの面積よりも大きい。
【0046】
図6及び
図7に示されるように、第2支持体7は、第4表面71、第5表面72及び第6表面73を有している。第4表面71は、Y方向において、レンズ5の第2端面53b及びサブマウント3の第2側面32b側に位置している。第5表面72は、Y方向において、レンズ5の第2端面53b及びサブマウント3の第2側面32bとは反対側に位置している。第6表面73は、第4表面71と第5表面72とを結んでいる表面である。Y方向における第2支持体7の厚さ(すなわち、第4表面71と第5表面72との距離)は、2mm以下である。第2支持体7は、光透過性(例えば、紫外線透過性及び/又は可視光透過性)を有している。第2支持体7は、例えば、BK7、合成石英又はホウケイ酸ガラスによって直方体状に形成されている。一例として、Z方向における第2支持体7の幅は1mm程度であり、X方向における第2支持体7の幅は6mm程度であり、Y方向における第2支持体7の幅は1mm程度である。なお、第2支持体7の強度を確保し、後述する第3開口部74に第3接合部材11が配置される空間を確保するという観点からは、第2支持体7の厚さは、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。
【0047】
第2支持体7は、第3開口部74及び第4開口部75を有している。第3開口部74及び第4開口部75は、それぞれ、第4表面71及び第5表面72に開口している貫通孔である。当該貫通孔は、例えば、Y方向に平行な中心線を有する円柱状に形成されている。第3開口部74における第4表面71側の内側開口74aは、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bに含まれている。つまり、Y方向から見た場合には、第3開口部74の内側開口74aの全部がレンズ5の第2端面53bと重なっている。X方向における内側開口74aの幅は、Z方向における内側開口74aの幅に等しい。第3開口部74の内側開口74aは、例えば、直径が0.2mm程度である円形を呈している。第3開口部74の外側開口74bは、例えば、直径が0.2mm程度である円形を呈している。第4開口部75における第4表面71側の内側開口75aは、Y方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bに含まれている。つまり、Y方向から見た場合には、第4開口部75の内側開口75aの全部がサブマウント3の第2側面32bと重なっている。X方向における内側開口75aの幅は、Z方向における内側開口75aの幅よりも大きい。第4開口部75の内側開口75a及び外側開口75bのそれぞれは、例えば、X方向における幅が0.4mm程度であり且つZ方向における幅が0.2mm程度である楕円形を呈している。第4開口部75は、X方向における第2支持体7の幅の半分の位置よりもレンズ5に対してサブマウント3側に位置している。
【0048】
第3接合部材11は、領域R31の少なくとも一部、領域R32の少なくとも一部、及び領域R33の少なくとも一部に、連続して配置されている。領域R31は、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域である。領域R32は、第2支持体7の第3開口部74内の領域である。領域R33は、第2支持体7の第5表面72を含む平面上の領域である。つまり、第3接合部材11は、領域R31に配置された部分111と、領域R32に配置された部分112と、領域R33に配置された部分113と、を含んでおり、これらの部分111,112,113は、一体に形成されている。本実施形態では、第3接合部材11は、第3開口部74内の領域R32の全体に配置されている。
【0049】
本実施形態では、領域R31は、領域R31aと、領域R31bと、を含んでいる。領域R31aは、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域である。換言すれば、領域R31aは、領域R31のうち、Y方向から見た場合に第3開口部74の内側開口74aと重なっている領域である。領域R31bは、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との間の領域である。換言すれば、領域R31bは、領域R31のうち、Y方向から見た場合に第3開口部74の内側開口74aを包囲している環状の領域である。第3接合部材11の部分111は、領域R31aに配置された部分111aと、領域R31bに配置された環状の部分111bと、を含んでいる。領域R33は、領域R33aと、領域R33bと、を含んでいる。領域R33aは、第3開口部74の外側開口74bの外側(Y方向における第2端面53bとは反対側)の領域である。換言すれば、領域R33aは、領域R33のうち、Y方向から見た場合に第3開口部74の外側開口74bと重なっている領域である。領域R33bは、第2支持体7の第5表面72上の領域である。換言すれば、領域R33bは、領域R33のうち、Y方向から見た場合に第3開口部74の外側開口74bを包囲している環状の領域である。第3接合部材11の部分113は、領域R33aに配置された部分113aと、領域R33bに配置された環状の部分113bと、を含んでいる。第3接合部材11の111a,111b,112,113a,113bは、一体に形成されている。一例として、径方向における部分111bの幅(Y方向から見た場合における部分111bの内縁と部分111bの外縁との距離)は、0.1~0.2mm程度である。
【0050】
第3接合部材11において、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域R31に配置された部分111(すなわち、部分111a,111b)は、第2支持体7の第5表面72を含む平面上の領域R33に配置された部分113(すなわち、部分113a,113b)よりも薄い。つまり、Y方向における部分111の厚さの最大値(すなわち、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との距離)は、Y方向における部分113の厚さの最大値よりも小さい。一例として、Y方向における部分111の厚さの最大値は0.1mm程度であり、Y方向における部分113の厚さの最大値は0.2mm程度である。
【0051】
第4接合部材12は、領域R41の少なくとも一部、領域R42の少なくとも一部、及び領域R43の少なくとも一部に、連続して配置されている。領域R41は、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域である。領域R42は、第2支持体7の第4開口部75内の領域である。領域R43は、第2支持体7の第5表面72を含む平面上の領域である。つまり、第4接合部材12は、領域R41に配置された部分121と、領域R42に配置された部分122と、領域R43に配置された部分123と、を含んでおり、これらの部分121,122,123は、一体に形成されている。本実施形態では、第4接合部材12は、第4開口部75内の領域R42の全体に配置されている。
【0052】
本実施形態では、領域R41は、領域R41aと、領域R41bと、を含んでいる。領域R41aは、サブマウント3の第2側面32bと第4開口部75の内側開口75aとの間の領域である。換言すれば、領域R41aは、領域R41のうち、Y方向から見た場合に第4開口部75の内側開口75aと重なっている領域である。領域R41bは、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71との間の領域である。換言すれば、領域R41bは、領域R41のうち、Y方向から見た場合に第4開口部75の内側開口75aを包囲している環状の領域である。第4接合部材12の部分121は、領域R41aに配置された部分121aと、領域R41bに配置された環状の部分121bと、を含んでいる。領域R43は、領域R43aと、領域R43bと、を含んでいる。領域R43aは、第4開口部75の外側開口75bの外側(Y方向における第2側面32bとは反対側)の領域である。換言すれば、領域R43aは、領域R43のうち、Y方向から見た場合に第4開口部75の外側開口75bと重なっている領域である。領域R43bは、第2支持体7の第5表面72上の領域である。換言すれば、領域R43bは、領域R43のうち、Y方向から見た場合に第4開口部75の外側開口75bを包囲している環状の領域である。第4接合部材12の部分123は、領域R43aに配置された部分123aと、領域R43bに配置された環状の部分123bと、を含んでいる。第4接合部材12の121a,121b,122,123a,123bは、一体に形成されている。一例として、径方向における部分121bの幅(Y方向から見た場合における部分121bの内縁と部分121bの外縁との距離)は、0.1~0.2mm程度である。
【0053】
第4接合部材12において、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域R41に配置された部分121(すなわち、部分121a,121b)は、第2支持体7の第5表面72を含む平面上の領域R43に配置された部分123(すなわち、部分123a,123b)よりも薄い。つまり、Y方向における部分121の厚さの最大値(すなわち、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71との距離)は、Y方向における部分123の厚さの最大値よりも小さい。
【0054】
第2支持体7の第4表面71において、Y方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bと重なっている領域71bの面積は、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bと重なっている領域71aの面積よりも大きい。第4開口部75の内側開口75aの面積は、第3開口部74の内側開口74aの面積よりも大きい。
【0055】
以上説明したように、半導体レーザ装置1では、サブマウント3に対してレンズ5を支持している第1支持体6が、第1表面61及び第2表面62に開口している第1開口部64を有しており、第1開口部64の内側開口64aの全部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっている。その状態で、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aの少なくとも一部、第1支持体6の第1開口部64内の領域R12の少なくとも一部、及び第1支持体6の第2表面62上の領域R13bの少なくとも一部に、第1接合部材8が連続して配置されている。これにより、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aから周囲への第1接合部材8のはみ出しを抑制しつつ(すなわち、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R11bに配置される部分81bの量を抑制しつつ)、第1接合部材8のうちレンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aに配置された部分81aを薄くすることができる。したがって、第1接合部材8の変形(例えば、膨潤、熱膨張及び熱収縮)に起因するレンズ5の軸ずれが抑制される。しかも、第1接合部材8のうち第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に配置された部分82が芯として機能すると共に、第1接合部材8のうち第1支持体6の第2表面62上の領域R13bに配置された部分83bがアンカー(ストッパ)として機能するため、レンズ5と第1支持体6との接合強度が向上すると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれが抑制される。
【0056】
同様に、半導体レーザ装置1では、サブマウント3に対してレンズ5を支持している第2支持体7が、第4表面71及び第5表面72に開口している第3開口部74を有しており、第3開口部74の内側開口74aの全部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bと重なっている。その状態で、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aの少なくとも一部、第2支持体7の第3開口部74内の領域R32の少なくとも一部、及び第2支持体7の第5表面72上の領域R33bの少なくとも一部に、第3接合部材11が連続して配置されている。これにより、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aから周囲への第3接合部材11のはみ出しを抑制しつつ(すなわち、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R31bに配置される部分111bの量を抑制しつつ)、第3接合部材11のうちレンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aに配置された部分111aを薄くすることができる。したがって、第3接合部材11の変形に起因するレンズ5の軸ずれが抑制される。しかも、第3接合部材11のうち第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に配置された部分112が芯として機能すると共に、第3接合部材11のうち第2支持体7の第5表面72上の領域R33bに配置された部分113bがアンカーとして機能するため、レンズ5と第2支持体7との接合強度が向上すると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれが抑制される。
【0057】
以上により、半導体レーザ装置1によれば、半導体レーザ素子4に対するレンズ5の軸ずれを抑制することができる。特に、半導体レーザ装置1では、レンズ5が、各発光点4aから出射されたレーザ光Lについて、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するものであるため、Y方向への軸ずれのトレランスに比べてX方向への軸ずれのトレランスが厳しく、X方向への軸ずれのトレランスに比べてZ方向への軸ずれのトレランスが厳しい。そのため、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制することができる上記構造は、極めて有効である。
【0058】
また、半導体レーザ装置1では、第1開口部64が、第1表面61及び第2表面62に開口している貫通孔である。これにより、第1接合部材8が貫通孔内の領域R12に留まりやすくなるため、レンズ5と第1支持体6との接合強度を向上させることができる。また、第1支持体6と第1接合部材8との間に空気だまりが形成されるのを抑制することができ、その結果、空気だまりにおける空気の熱膨張及び熱収縮に起因してレンズ5の軸ずれが生じるのを抑制することができる。
【0059】
同様に、半導体レーザ装置1では、第3開口部74が、第4表面71及び第5表面72に開口している貫通孔である。これにより、第3接合部材11が貫通孔内の領域R32に留まりやすくなるため、レンズ5と第2支持体7との接合強度を向上させることができる。また、第2支持体7と第3接合部材11との間に空気だまりが形成されるのを抑制することができ、その結果、空気だまりにおける空気の熱膨張及び熱収縮に起因してレンズ5の軸ずれが生じるのを抑制することができる。
【0060】
また、半導体レーザ装置1では、第1接合部材8において、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域R11の少なくとも一部に配置された部分81が、第1支持体6の第2表面62を含む平面上の領域R13の少なくとも一部に配置された部分83よりも薄い。これにより、第1接合部材8のうちレンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域R11に配置された部分81の厚さにばらつきが生じにくくなるため、第1接合部材8の変形に起因するレンズ5の軸ずれを抑制することができる。また、第1接合部材8のうち第1支持体6の第2表面62上の領域R13bに配置された部分83bがアンカーとして機能するため、レンズ5と第1支持体6との接合強度を向上させることができると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制することができる。
【0061】
同様に、半導体レーザ装置1では、第3接合部材11において、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域R31の少なくとも一部に配置された部分111が、第2支持体7の第5表面72を含む平面上の領域R33の少なくとも一部に配置された部分113よりも薄い。これにより、第3接合部材11のうちレンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域R31の少なくとも一部に配置された部分111の厚さにばらつきが生じにくくなるため、第3接合部材11の変形に起因するレンズ5の軸ずれを抑制することができる。また、第3接合部材11のうち第2支持体7の第5表面72上の領域R33bに配置された部分113bがアンカーとして機能するため、レンズ5と第2支持体7との接合強度を向上させることができると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制することができる。
【0062】
また、半導体レーザ装置1では、第1開口部64の内側開口64aの全部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっている。これにより、第1接合部材8がレンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aから第1開口部64内の領域R12に逃げやすくなるため、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aから周囲への第1接合部材8のはみ出しを抑制することができる。したがって、半導体レーザ素子4の光出射面41a、並びに、レンズ5の光入射面51及び光出射面52に第1接合部材8が付着するのを確実に防止することができる。特に、本実施形態では、レンズ5の光入射面51と半導体レーザ素子4の光出射面41aとの距離が1mm以下というように非常に小さいため、第1接合部材8の周囲へのはみ出しを抑制し得る上記構成は極めて有効である。
【0063】
同様に、半導体レーザ装置1では、第3開口部74の内側開口74aの全部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bと重なっている。これにより、第3接合部材11がレンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aから第3開口部74内の領域R32に逃げやすくなるため、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aから周囲への第3接合部材11のはみ出しを抑制することができる。したがって、半導体レーザ素子4の光出射面41a、並びに、レンズ5の光入射面51及び光出射面52に第3接合部材11が付着するのを確実に防止することができる。特に、本実施形態では、レンズ5の光入射面51と半導体レーザ素子4の光出射面41aとの距離が1mm以下というように非常に小さいため、第3接合部材11の周囲へのはみ出しを抑制し得る上記構成は極めて有効である。
【0064】
また、半導体レーザ装置1では、第1支持体6が光透過性を有している。これにより、第1接合部材8のうちレンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61を含む平面との間の領域R11に配置された部分81、及び第1接合部材8のうち第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に配置された部分82の状態を確認することができる。また、第1接合部材8及び第2接合部材9が光硬化性樹脂である場合に、第1支持体6を介した光の照射によって、第1接合部材8及び第2接合部材9を硬化させることができる。
【0065】
同様に、半導体レーザ装置1では、第2支持体7が光透過性を有している。これにより、第3接合部材11のうちレンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71を含む平面との間の領域R31に配置された部分111、及び第3接合部材11のうち第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に配置された部分112の状態を確認することができる。また、第3接合部材11及び第4接合部材12が光硬化性樹脂である場合に、第2支持体7を介した光の照射によって、第3接合部材11及び第4接合部材12を硬化させることができる。
【0066】
また、半導体レーザ装置1では、Y方向における第1支持体6の厚さが2mm以下である。これにより、第1接合部材8の量を減少させつつ、第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に第1接合部材8を確実に配置することができる。
【0067】
同様に、半導体レーザ装置1では、Y方向における第2支持体7の厚さが2mm以下である。これにより、第3接合部材11の量を減少させつつ、第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に第3接合部材11を確実に配置することができる。
【0068】
また、半導体レーザ装置1では、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部が、Y方向から見た場合に第1支持体6からずれている。すなわち、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部が、X方向において第1支持体6から突出している。これにより、レンズ5の光出射面52に第1接合部材8が付着するのを防止することができる。
【0069】
同様に、半導体レーザ装置1では、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部が、Y方向から見た場合に第2支持体7からずれている。すなわち、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部が、X方向において第2支持体7から突出している。これにより、レンズ5の光出射面52に第3接合部材11が付着するのを防止することができる。
【0070】
また、半導体レーザ装置1では、X方向における第1開口部64の内側開口64aの幅が、Z方向における第1開口部64の内側開口64aの幅に等しい。これにより、第1接合部材8のうち第1開口部64内の領域R12に配置された部分82が変形したとしても、特にZ方向へのレンズ5の軸ずれが抑制されるため、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するレンズ5を好適に機能させることができる。
【0071】
同様に、半導体レーザ装置1では、X方向における第3開口部74の内側開口74aの幅が、Z方向における第3開口部74の内側開口74aの幅に等しい。これにより、第3接合部材11のうち第3開口部74内の領域R32に配置された部分112が変形したとしても、特にZ方向へのレンズ5の軸ずれが抑制されるため、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するレンズ5を好適に機能させることができる。
【0072】
また、半導体レーザ装置1では、サブマウント3と別体に形成された第1支持体6が、第1表面61及び第2表面62に開口している第2開口部65を有しており、第2開口部65の内側開口65aの全部が、Y方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aと重なっている。その状態で、サブマウント3の第1側面32aと第2開口部65の内側開口65aとの間の領域R21aの少なくとも一部、第1支持体6の第2開口部65内の領域R22の少なくとも一部、及び第1支持体6の第2表面62上の領域R23bの少なくとも一部に、第2接合部材9が連続して配置されている。これにより、サブマウント3及び第1支持体6のそれぞれの構造(例えば、形状、材料)をそれぞれに適したものとすることができる。また、第2接合部材9が第1支持体6の第2開口部65内の領域R22に配置されているため、サブマウント3と第1支持体6との接合強度を向上させることができる。
【0073】
同様に、半導体レーザ装置1では、サブマウント3と別体に形成された第2支持体7が、第4表面71及び第5表面72に開口している第4開口部75を有しており、第4開口部75の内側開口75aの全部が、Y方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bと重なっている。その状態で、サブマウント3の第2側面32bと第4開口部75の内側開口75aとの間の領域R41aの少なくとも一部、第2支持体7の第4開口部75内の領域R42の少なくとも一部、及び第2支持体7の第5表面72上の領域R43bの少なくとも一部に、第4接合部材12が連続して配置されている。これにより、サブマウント3及び第2支持体7のそれぞれの構造をそれぞれに適したものとすることができる。また、第4接合部材12が第2支持体7の第4開口部75内の領域R42に配置されているため、サブマウント3と第2支持体7との接合強度を向上させることができる。
【0074】
また、半導体レーザ装置1では、第1支持体6の第1表面61において、Y方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aと重なっている領域61bの面積が、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっている領域61aの面積よりも大きく、第2開口部65の内側開口65aの面積が、第1開口部64の内側開口64aの面積よりも大きい。これにより、第1支持体6及びレンズ5の支持の安定性を向上させることができる。また、例えば、レンズ5と第1支持体6とを接合した後にサブマウント3と第1支持体6とを接合する場合において、半導体レーザ素子4に対するレンズ5の調心のための第1支持体6の移動を実施しやすくなるように第2接合部材9の量を多くしても、第1支持体6の第1表面61のうちY方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aと重なっている領域61bから第2接合部材9がはみ出すのを抑制することができる。
【0075】
同様に、半導体レーザ装置1では、第2支持体7の第4表面71において、Y方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bと重なっている領域71bの面積が、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bと重なっている領域71aの面積よりも大きく、第4開口部75の内側開口75aの面積が、第3開口部74の内側開口74aの面積よりも大きい。これにより、第2支持体7及びレンズ5の支持の安定性を向上させることができる。また、例えば、レンズ5と第2支持体7とを接合した後にサブマウント3と第2支持体7とを接合する場合において、半導体レーザ素子4に対するレンズ5の調心のための第2支持体7の移動を実施しやすくなるように第4接合部材12の量を多くしても、第2支持体7の第4表面71のうちY方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bと重なっている領域71bから第4接合部材12がはみ出すのを抑制することができる。
【0076】
また、半導体レーザ装置1では、半導体レーザ素子4が、Y方向に並んでいる複数の発光点4aを有しており、レンズ5がY方向に延在しており、レンズ5の光入射面51が、X方向において複数の発光点4aと向かい合っている。これにより、各発光点4aから出射されたレーザ光Lについて、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角がばらつくのを抑制することができる。
【0077】
また、半導体レーザ装置1では、第2開口部65が、X方向における第1支持体6の幅の半分の位置よりもレンズ5に対してサブマウント3側に位置している。これにより、第2接合部材9が半導体レーザ素子4の光出射面41aに至りにくくなる。また、第1支持体6の位置を調整することでレーザ光Lの調心を行いやすくなる。
【0078】
同様に、半導体レーザ装置1では、第4開口部75が、X方向における第2支持体7の幅の半分の位置よりもレンズ5に対してサブマウント3側に位置している。これにより、第4接合部材12が半導体レーザ素子4の光出射面41aに至りにくくなる。また、第2支持体7の位置を調整することでレーザ光Lの調心を行いやすくなる。
【0079】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、
図8の(a)に示されるように、第1支持体6では、第1開口部64の内側開口64aの少なくとも一部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第1端面53aと重なっていればよい。また、第1支持体6では、第2開口部65の内側開口65aの少なくとも一部が、Y方向から見た場合にサブマウント3の第1側面32aと重なっていればよい。
【0080】
同様に、第2支持体7では、第3開口部74の内側開口74aの少なくとも一部が、Y方向から見た場合にレンズ5の第2端面53bと重なっていればよい。また、第2支持体7では、第4開口部75の内側開口75aの少なくとも一部が、Y方向から見た場合にサブマウント3の第2側面32bと重なっていればよい。
【0081】
また、
図8の(b)に示されるように、X方向における第1開口部64の内側開口64aの幅は、Z方向における第1開口部64の内側開口64aの幅よりも大きくてもよい。つまり、X方向における第1開口部64の内側開口64aの幅は、Z方向における第1開口部64の内側開口64aの幅以上であればよい。これによれば、第1接合部材8のうち第1開口部64内の領域R12に配置された部分82が変形したとしても、特にZ方向へのレンズ5の軸ずれが抑制されるため、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するレンズ5を好適に機能させることができる。一例として、第1開口部64の内側開口64a及び外側開口64bは、Y方向から見た場合に同じ形状を呈しており、X方向における内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅は0.4mm程度であり、Z方向における内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅は0.2mm程度である。
【0082】
同様に、X方向における第3開口部74の内側開口74aの幅は、Z方向における第3開口部74の内側開口74aの幅よりも大きくてもよい。つまり、X方向における第3開口部74の内側開口74aの幅は、Z方向における第3開口部74の内側開口74aの幅以上であればよい。これによれば、第3接合部材11のうち第3開口部74内の領域R32に配置された部分112が変形したとしても、特にZ方向へのレンズ5の軸ずれが抑制されるため、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するレンズ5を好適に機能させることができる。一例として、第3開口部74の内側開口74a及び外側開口74bは、Y方向から見た場合に同じ形状を呈しており、X方向における内側開口74a及び外側開口74bのそれぞれの幅は0.4mm程度であり、Z方向における内側開口74a及び外側開口74bのそれぞれの幅は0.2mm程度である。
【0083】
また、
図9の(a)及び(b)に示されるように、第1開口部64は、第1表面61及び第2表面62に開口しており且つ第3表面63に開口している切欠きであってもよい。これによれば、第1接合部材8がレンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aから切欠き側に逃げやすくなるため、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aから周囲への第1接合部材8のはみ出しを抑制することができる。また、第1支持体6と第1接合部材8との間に空気だまりが形成されるのを抑制することができ、その結果、空気だまりにおける空気の熱膨張及び熱収縮に起因してレンズ5の軸ずれが生じるのを抑制することができる。一例として、第1開口部64の内側開口64a及び外側開口64bは、Y方向から見た場合に同じ形状を呈しており、切欠きの深さ方向に垂直な方向における内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅(最大幅)は0.2mm程度であり、切欠きの深さ方向に平行な方向における内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅(最大幅)は0.5mm程度である。
【0084】
同様に、第3開口部74は、第4表面71及び第5表面72に開口しており且つ第6表面73に開口している切欠きであってもよい。これによれば、第3接合部材11がレンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aから切欠き側に逃げやすくなるため、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aから周囲への第3接合部材11のはみ出しを抑制することができる。また、第2支持体7と第3接合部材11との間に空気だまりが形成されるのを抑制することができ、その結果、空気だまりにおける空気の熱膨張及び熱収縮に起因してレンズ5の軸ずれが生じるのを抑制することができる。一例として、第3開口部74の内側開口74a及び外側開口74bは、Y方向から見た場合に同じ形状を呈しており、切欠きの深さ方向に垂直な方向における内側開口74a及び外側開口74bのそれぞれの幅(最大幅)は0.2mm程度であり、切欠きの深さ方向に平行な方向における内側開口74a及び外側開口74bのそれぞれの幅(最大幅)は0.5mm程度である。
【0085】
特に、
図9の(a)に示されるように、第1開口部64である切欠きが、第1支持体6の第3表面63のうち、Y方向から見た場合にZ方向において一方の側に位置している領域63aに開口していると、次のような効果が奏される。すなわち、切欠き内の領域R12から第1支持体6の第3表面63上の領域に第1接合部材8がはみ出したとしても、レンズ5の光入射面51及び光出射面52に第1接合部材8が付着するのを防止することができる。このことは、第3開口部74が切欠きである場合にも同様である。
【0086】
また、
図9の(b)に示されるように、第1開口部64である切欠きが、第1支持体6の第3表面63のうち、Y方向から見た場合にX方向において半導体レーザ素子4とは反対側に位置している領域63bに開口していると、次のような効果が奏される。すなわち、第1接合部材8のうち切欠き内の領域R12に配置された部分82が変形したとしても、特にZ方向へのレンズ5の軸ずれが抑制されるため、Z方向におけるレーザ光Lの広がり角を調整するレンズ5を好適に機能させることができる。このことは、第3開口部74が切欠きである場合にも同様である。
【0087】
また、第1接合部材8は、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aの少なくとも一部、及び第1支持体6の第1開口部64内の領域R12の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、第1支持体6の第2表面62上の領域R13bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合、第1接合部材8が第1開口部64における第2表面62の外側開口64bに至っていると、第1接合部材8のうち第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に配置された部分82が芯として機能するため、レンズ5と第1支持体6との接合強度を向上させることができると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制することができる。ただし、第1接合部材8は、領域R11aの少なくとも一部及び領域R12の少なくとも一部に連続して配置されていれば、第1開口部64の外側開口64bに至っていなくてもよい。
【0088】
また、第1接合部材8は、レンズ5の第1端面53aと第1開口部64の内側開口64aとの間の領域R11aの少なくとも一部、及び第1支持体6の第1開口部64内の領域R12の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R11bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合にも、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制しつつ、レンズ5と第1支持体6との接合強度を向上させることができる。なお、第1接合部材8の部分81bは、環状を呈していなくてもよく、部分81bの形状は、特に限定されない。ただし、レンズ5と第1支持体6との接着強度を確保するという観点では、部分81bは、環状を呈していることが好ましい。
【0089】
同様に、第3接合部材11は、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aの少なくとも一部、及び第2支持体7の第3開口部74内の領域R32の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、第2支持体7の第5表面72上の領域R33bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合、第3接合部材11が第3開口部74における第5表面72の外側開口74bに至っていると、第3接合部材11のうち第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に配置された部分112が芯として機能するため、レンズ5と第2支持体7との接合強度を向上させることができると共に、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制することができる。ただし、第3接合部材11は、領域R31aの少なくとも一部及び領域R32の少なくとも一部に連続して配置されていれば、第3開口部74の外側開口74bに至っていなくてもよい。
【0090】
第3接合部材11は、レンズ5の第2端面53bと第3開口部74の内側開口74aとの間の領域R31aの少なくとも一部、及び第2支持体7の第3開口部74内の領域R32の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R31bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合にも、Y方向に垂直な方向へのレンズ5の軸ずれを抑制しつつ、レンズ5と第2支持体7との接合強度を向上させることができる。なお、第3接合部材11の部分111bは、環状を呈していなくてもよく、部分111bの形状は、特に限定されない。ただし、レンズ5と第2支持体7との接着強度を確保するという観点では、部分111bは、環状を呈していることが好ましい。
【0091】
また、第2接合部材9は、サブマウント3の第1側面32aと第2開口部65の内側開口65aとの間の領域R21aの少なくとも一部、及び第1支持体6の第2開口部65内の領域R22の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、第1支持体6の第2表面62上の領域R23bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合、第2接合部材9は、第2開口部65における第2表面62の外側開口65bに至っていてもよいし、至っていなくてもよい。
【0092】
また、第2接合部材9は、サブマウント3の第1側面32aと第2開口部65の内側開口65aとの間の領域R21aの少なくとも一部、及び第1支持体6の第2開口部65内の領域R22の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61との領域R21bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合にも、サブマウント3と第1支持体6との接合強度を向上させることができる。なお、第2接合部材9の部分91bは、環状を呈していなくてもよく、部分91bの形状は、特に限定されない。ただし、サブマウント3と第1支持体6との接着強度を確保するという観点では、部分91bは、環状を呈していることが好ましい。
【0093】
同様に、第4接合部材12は、サブマウント3の第2側面32bと第4開口部75の内側開口75aとの間の領域R41aの少なくとも一部、及び第2支持体7の第4開口部75内の領域R42の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、第2支持体7の第5表面72上の領域R43bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合、第4接合部材12は、第4開口部75における第5表面72側の外側開口75bに至っていてもよいし、至っていなくてもよい。
【0094】
また、第4接合部材12は、サブマウント3の第2側面32bと第4開口部75の内側開口75aとの間の領域R41aの少なくとも一部、及び第2支持体7の第4開口部75内の領域R42の少なくとも一部に、連続して配置されていれば、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71との領域R41bの少なくとも一部に配置されていなくてもよい。その場合にも、サブマウント3と第2支持体7との接合強度を向上させることができる。なお、第4接合部材12の部分121bは、環状を呈していなくてもよく、部分121bの形状は、特に限定されない。ただし、サブマウント3と第2支持体7との接着強度を確保するという観点では、部分121bは、環状を呈していることが好ましい。
【0095】
また、第1支持体6は、別の部材を介してサブマウント3に取り付けられていてもよいし、或いは、サブマウント3と一体に形成されていてもよい。同様に、第2支持体7は、別の部材を介してサブマウント3に取り付けられていてもよいし、或いは、サブマウント3と一体に形成されていてもよい。また、半導体レーザ装置1は、サブマウント3とは別の基台を備えていてもよい。また、基台は、複数の部材によって構成されていてもよい。また、半導体レーザ装置1は、サブマウント3を備えておらず、基台としてヒートシンクを備えており、第1支持体6及び第2支持体7は、ヒートシンクに取り付けられていてもよい。また、半導体レーザ装置1は、第1支持体6を備えていれば、第2支持体7を備えていなくてもよい。また、半導体レーザ素子4は、一つの発光点4aを有するものであってもよい。
【0096】
上述した実施形態では、第1支持体6に単一の第1開口部64が形成されていたが、第1支持体6に複数の第1開口部64が形成されていてもよい。また、上述した実施形態では、第1支持体6に単一の第2開口部65が形成されていたが、第1支持体6に複数の第2開口部65が形成されていてもよい。同様に、上述した実施形態では、第2支持体7に単一の第3開口部74が形成されていたが、第2支持体7に複数の第3開口部74が形成されていてもよい。また、上述した実施形態では、第2支持体7に単一の第4開口部75が形成されていたが、第2支持体7に複数の第4開口部75が形成されていてもよい。
【0097】
また、貫通孔としての第1開口部64の形状は、Y方向に平行な中心線を有する円柱状に限定されず、角柱状等、他の形状であってもよい。例えば、第1開口部64は、外側開口64bが内側開口64aよりも小さいテーパ形状の貫通孔であってもよい。その場合、第1開口部64に第1接合部材8が配置されやすくなる。また、貫通孔としての第1開口部64は、Y方向に対して中心線が傾斜するように延在していてもよいし、或いは、第1支持体6の内部において屈曲していてもよい。以上のことは、第2開口部65、第3開口部74及び第4開口部75のそれぞれについても同様である。
【0098】
また、第1支持体6の強度を確保するという観点では、Z方向における第1開口部64の内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅(最大幅)は、Z方向における第1支持体6の幅の1/2以下であることが好ましい。また、第1接合部材8が流れ込むための十分なスペースを確保するという観点では、Z方向における第1開口部64の内側開口64a及び外側開口64bのそれぞれの幅(最大幅)は、Z方向における第1支持体6の幅の1/10以上であることが好ましく、Z方向における第1支持体6の幅の1/5以上であることがより好ましい。以上のことは、第2開口部65、第3開口部74及び第4開口部75のそれぞれについても同様である。
【0099】
また、半導体レーザ装置1の製造時において、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R11(領域R11a,R11b)に第1接合部材8を配置することにより、第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に第1接合部材8を移動させてもよい。その場合、レンズ5の第1端面53a又は第1支持体6の第1表面61に第1接合部材8を塗布し、第1端面53a及び第1表面61の一方に対して他方を押し当てるようにすることにより、第1開口部64内の領域R12に第1接合部材8を移動させてもよい。或いは、半導体レーザ装置1の製造時において、第1支持体6の第1開口部64内の領域R12に第1接合部材8を配置することにより、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R11bに第1接合部材8を移動させてもよい。その場合、レンズ5の第1端面53aと第1支持体6の第1表面61とを接触させた状態で、外側開口64b側から(すなわち、第2表面62側から)第1開口部64内の領域R12に第1接合部材8を注入することにより、第1端面53aと第1表面61との間の領域R11bに第1接合部材8を移動させてもよい。第1端面53aと第1表面61との間にわずかな隙間があれば、第1接合部材8は、毛細管現象によって第1端面53aと第1表面61との間の領域R11bに入り込むことができる。ただし、第1接合部材8が領域R11bに配置されやすいという観点では、前者の製造方法が好ましい。
【0100】
同様に、半導体レーザ装置1の製造時において、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R31(領域R31a,R31b)に第3接合部材11を配置することにより、第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に第3接合部材11を移動させてもよし、或いは、第2支持体7の第3開口部74内の領域R32に第3接合部材11を配置することにより、レンズ5の第2端面53bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R31bに第3接合部材11を移動させてもよい。ただし、第3接合部材11が領域R31bに配置されやすいという観点では、前者の製造方法が好ましい。
【0101】
また、半導体レーザ装置1の製造時において、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R21(領域R21a,R21b)に第2接合部材9を配置することにより、第1支持体6の第2開口部65内の領域R22に第2接合部材9を移動させてもよいし、或いは、第1支持体6の第2開口部65内の領域R22に第2接合部材9を配置することにより、サブマウント3の第1側面32aと第1支持体6の第1表面61との間の領域R21bに移動させてもよい。ただし、第2接合部材9が領域R21bに配置されやすいという観点では、前者の製造方法が好ましい。
【0102】
同様に、半導体レーザ装置1の製造時において、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R41(領域R41a,R41b)に第4接合部材12を配置することにより、第2支持体7の第4開口部75内の領域R42に第4接合部材12を移動させてもよいし、或いは、第2支持体7の第4開口部75内の領域R42に第4接合部材12を配置することにより、サブマウント3の第2側面32bと第2支持体7の第4表面71との間の領域R41bに第4接合部材12を移動させてもよい。ただし、第4接合部材12が領域R41bに配置されやすいという観点では、前者の製造方法が好ましい。
【0103】
また、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6の先端6a及び第2支持体7の先端7aからZ方向における一方の側に突出していてもよい。すなわち、レンズ5の光出射面52の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6及び第2支持体7からY方向に垂直な方向(X方向及びZ方向を含む方向)にずれていてもよい。その場合、レンズ5の光出射面52に第1接合部材8及び第3接合部材11が付着するのを防止することができる。
【0104】
また、レンズ5の光入射面51の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6の先端6a及び第2支持体7の先端7aからZ方向における一方の側に突出していてもよい。すなわち、レンズ5の光入射面51の少なくとも一部は、Y方向から見た場合に、第1支持体6及び第2支持体7からY方向に垂直な方向にずれていてもよい。その場合、レンズ5の光入射面51に第1接合部材8及び第3接合部材11が付着するのを防止することができる。
【0105】
また、レンズ5の光出射面52は、Y方向から見た場合に、第1支持体6及び第2支持体7からY方向に垂直な方向にずれていなくてもよい。その場合、レンズ5の第1端面53aの全体が、Y方向から見た場合に、第1支持体6の第1表面61と重なっていてもよい。また、レンズ5の第2端面53bの全体が、Y方向から見た場合に、第2支持体7の第4表面71と重なっていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…半導体レーザ装置、3…サブマウント(基台)、32a…第1側面(側面)、4…半導体レーザ素子、4a…発光点、5…レンズ、51…光入射面、52…光出射面、53a…第1端面、53b…第2端面、6…第1支持体、61…第1表面、61a,61b…領域、62…第2表面、63…第3表面、63a,63b…領域、64…第1開口部、64a…内側開口、64b…外側開口、65…第2開口部、65a…内側開口、7…第2支持体、71…第4表面、72…第5表面、74…第3開口部、74a…内側開口、8…第1接合部材、81,82,83…部分、9…第2接合部材、11…第3接合部材、L…レーザ光、R11a,R11b,R12,R13b,R21a,R21b,R22,R31a,R31b,R32…領域。