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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093345
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】カートンオープナー
(51)【国際特許分類】
   B65B 69/00 20060101AFI20240702BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20240702BHJP
   B26D 1/04 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
B65B69/00 D
B26D7/26
B26D1/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209656
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】522503827
【氏名又は名称】オガワ機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】國井 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴太
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
3E058
【Fターム(参考)】
3C021JA04
3C021JA09
3C027GG04
3E058AA02
3E058CA03
3E058DA01
3E058FA01
3E058GA02
(57)【要約】
【課題】従来のカートンオープナーでは、カートンの側面上端部を全周にわたって同一高さ位置で切断刃を用いて切断していたために、外フラップよりも下側に折り込まれた内フラップが側面から切離されずに残存してしまい、人手によって内フラップを開放させる必要が生じ、カートンの開封作業に多大な時間や労力を要するおそれがあった。
【解決手段】本発明では、カートン(2)の側面上端部を全周にわたって切断刃(41)で切断して天面を開封できるようにするカートンオープナー(1)において、カートン(2)の外フラップ(96)が形成された側面上端部よりも、内フラップ(95)が形成された側面上端部を低い位置で切断刃(41)で切断して、外フラップ(96)とともに内フラップ(95)を側面から切離することにした。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンの側面上端部を全周にわたって切断刃で切断して天面を開封できるようにするカートンオープナーにおいて、
カートンの外フラップが形成された側面上端部よりも、内フラップが形成された側面上端部を低い位置で切断刃で切断して、外フラップとともに内フラップを側面から切離することを特徴とするカートンオープナー。
【請求項2】
前記内フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断し、その後、外フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断することを特徴とする請求項1に記載のカートンオープナー。
【請求項3】
前記切断刃の位置を調整するための位置調整機構を介して切断刃をカートリッジに収容し、外フラップが形成された側面上端部を切断する場合と内フラップが形成された側面上端部を切断する場合とで位置調整機構によって切断刃の位置を調整可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカートンオープナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンの側面上端部を全周にわたって切断刃で切断して天面を開封できるようにするカートンオープナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、製造工場等で使用される部品や原材料などは、段ボールや厚紙などで矩形箱型形状に形成したカートンに梱包されて搬入されている。
【0003】
そして、製造工場等においては、部品や原材料などが梱包された大量のカートンが搬入されるために、各カートンの天面をカートンオープナーを用いて機械的に開封するようにしている。
【0004】
このカートンオープナーでは、大量のカートンを連続して処理できるようになっており、切断刃を用いてカートンの側面上端部を全周にわたって同一高さ位置で切断して、カートンの天面を開封できるようにしている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-190932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
梱包されたカートンにおいては、一方の対向する一対の側面上端部には外フラップが形成されているとともに、他方の対向する一対の側面上端部には内フラップが形成されており、外フラップの下側に内フラップが折り込まれ、外フラップ同士が梱包テープで貼着された状態となっている。
【0007】
そのため、上記従来のカートンオープナーのように、カートンの側面上端部を全周にわたって同一高さ位置で切断刃を用いて切断すると、外フラップよりも下側に折り込まれた内フラップが側面から切離されずに残存してしまい、人手によって内フラップを開放させる必要が生じ、カートンの開封作業に多大な時間や労力を要するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、カートンの側面上端部を全周にわたって切断刃で切断して天面を開封できるようにするカートンオープナーにおいて、カートンの外フラップが形成された側面上端部よりも、内フラップが形成された側面上端部を低い位置で切断刃で切断して、外フラップとともに内フラップを側面から切離することにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記内フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断し、その後、外フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断することにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記切断刃の位置を調整するための位置調整機構を介して切断刃をカートリッジに収容し、外フラップが形成された側面上端部を切断する場合と内フラップが形成された側面上端部を切断する場合とで位置調整機構によって切断刃の位置を調整可能とすることにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、カートンの側面上端部を全周にわたって切断刃で切断して天面を開封できるようにするカートンオープナーにおいて、カートンの外フラップが形成された側面上端部よりも、内フラップが形成された側面上端部を低い位置で切断刃で切断して、外フラップとともに内フラップを側面から切離することにしているために、外フラップよりも下側に折り込まれた内フラップも外フラップと同様にカートンの側面から切離することができ、従来要していた人手による内フラップの開放作業の必要がなくなり、カートンの開封作業に要する時間や労力を削減することができる。
【0013】
特に、前記内フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断し、その後、外フラップが形成された対向する一対の側面上端部を切断刃で切断することにした場合には、内フラップの切断後も外フラップがカートンの側面上端部に形成されたままの状態となっており、切断された内フラップがその上側の外フラップで押さえられているために、内フラップの切断後に内フラップだけがカートンから脱落して外フラップの切断に支障をきたすことがなく、内フラップの切断後に外フラップを良好に切断することができる。
【0014】
また、前記切断刃の位置を調整するための位置調整機構を介して切断刃をカートリッジに収容し、外フラップが形成された側面上端部を切断する場合と内フラップが形成された側面上端部を切断する場合とで位置調整機構によって切断刃の位置を調整可能とすることにした場合には、外フラップの切断時と内フラップの切断時に応じてカートリッジに設けた位置調整機構を用いて切断刃の位置を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】カートンオープナーを示す平面説明図。
図2】第1の切断ユニットを示す正面図(a)、右側面図(b)。
図3】第1の切断ユニットの左側に配置された切断手段を示す第1の切断ユニットの右側面から見た正面図。
図4】同背面図。
図5】同左側面図(a)、同左側面断面図(b)。
図6】第1の切断ユニットの左側に配置されたストック手段を示す第1の切断ユニットの右側面から見た正面図(第1の切断ユニットの左側に配置された洗浄手段を示す第1の切断ユニットの右側面から見た背面図)。
図7】同平面図。
図8】同左側面図(a)、同右側面図(b)。
図9】洗浄手段を示す平面図。
図10】切断位置を示す説明図(外フラップ側(a)、内フラップ側(b))。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るカートンオープナーの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、カートンオープナー1は、カートン2を搬送させながらカートン2の側面上端部を全周にわたって切断して天面を開封できるようにするものである。ここで、カートン2は、外フラップが形成された長さ方向及び深さ方向に伸延する矩形状の側面と、内フラップが形成された幅方向及び深さ方向に伸延する矩形状の側面とを有しており、カートンオープナー1では、それぞれの側面の上端部(外フラップ、内フラップ)を切断して天面(外フラップ及び内フラップ)を開封できるようにする。
【0018】
このカートンオープナー1は、カートン2の搬送経路に沿って、搬入コンベア3、計測コンベア4、第1の方向転換コンベア5、第1の切断ユニット6、第2の方向転換コンベア7、第2の切断ユニット8、搬出コンベア9を順に配置している。これらの搬入コンベア3、計測コンベア4、第1の方向転換コンベア5、第1の切断ユニット6、第2の方向転換コンベア7、第2の切断ユニット8、搬出コンベア9は、制御ユニット(コンピューター)10で制御されている。
【0019】
そして、カートンオープナー1は、搬入コンベア3に搬入されたカートン2を長さ方向へ向けて計測コンベア4に搬送し、計測コンベア4でカートン2の大きさ(長さ寸法、幅寸法、深さ寸法)を計測し、第1の方向転換コンベア5でカートン2の搬送方向を90度転換してカートン2を幅方向へ向けて第1の切断ユニット6に搬送し、第1の切断ユニット6でカートン2を搬送させながらカートン2の内フラップが形成された対向する一対の側面上端部(内フラップ)を切断し、第2の方向転換コンベア7でカートン2の搬送方向を90度転換してカートン2を長さ方向へ向けて第2の切断ユニット8に搬送し、第2の切断ユニット8でカートン2を搬送させながらカートン2の外フラップが形成された対向する一対の側面上端部(外フラップ)を切断し、搬出コンベア9に搬送してカートン2から天面(外フラップ及び内フラップ)を開封するようにしている。このカートンオープナー1では、大量のカートン2を連続して処理することができ、それぞれのカートン2の大きさが異なっていても、計測コンベア4で計測することで適宜良好に処理することができるようになっている。なお、カートンオープナー1は、計測コンベア4でカートン2の大きさを正確に計測してもよく、計測コンベア4で概略の大きさを計測するとともに第1及び第2の切断ユニット6,8に設けたセンサーでカートン2の正確な大きさを認識できるようにしてもよい。
【0020】
このカートンオープナー1において、カートン2の側面上端部を切断する第1の切断ユニット6と第2の切断ユニット8は、概略同様の構成となっており、第1の切断ユニット6の構成について以下に説明する。なお、第1の切断ユニット6は、カートン2が搬入される面を正面として、カートン2を前方から後方へ向けて搬送しながらカートン2の左右の側面上端部を切断するものとして説明する。
【0021】
第1の切断ユニット6は、図2に示すように、矩形箱枠状のメインフレーム11の中央部に搬送手段12を配置し、搬送手段12の上方に左右一対の切断手段13,14を配置するとともに、搬送手段12の左右側方にストック手段15,16及び洗浄手段17,18を配置している。
【0022】
搬送手段12は、カートン2を前方から後方へ向けて搬送するものである。
【0023】
この搬送手段12は、メインフレーム11の前端下側及び後端下側に架設された左右に伸延する支持フレーム19,20の上部に上下に伸延する左右一対の支持体21,22を取付けるとともに、支持体21,22で前後に伸延するコンベア23を水平に支持している。
【0024】
そして、搬送手段12は、コンベア23の前端部に搬入されたカートン2をコンベア23で前方から後方へ向けて搬送してコンベア23の後端部に搬出する。
【0025】
切断手段13,14は、上記搬送手段12によるカートン2の搬送途中においてカートン2の対向する側面の上端部を同時に切断するものである。
【0026】
この切断手段13,14は、メインフレーム11の上端中途部に架設された左右に伸延する支持フレーム24に上下に伸延する左右一対の支持体25,26(27,28)を介して左右に伸延する水平スライダー29,30を取付け、水平スライダー29,30に上下に伸延する垂直スライダー31,32を上下垂直方向及び左右水平方向へ向けて移動可能に取付け、左右の垂直スライダー31,32の下端に切断機構33,34を取付けている。これにより、左右の水平スライダー29,30及び垂直スライダー31,32によってカートン2の大きさに応じて切断機構33,34の左右の間隔と上下の高さを調整し、カートン2の左右の側面上端部を切断機構33,34で同時に切断できるようになっている。
【0027】
この切断手段13,14において、左右に設けられた一対の切断機構33,34は、概略同様の構成となっており、左側に配置された切断手段13に設けられた切断機構33の構成について以下に説明する。なお、切断手段13は、第1の切断ユニット6の右側面から見た面を正面として、カートン2を左側方から右側方へ向けて搬送しながらカートン2の側面上端部を切断するものとして説明する。
【0028】
切断機構33は、図3図5に示すように、垂直スライダー31の下端に支持体35を水平に取付け、支持体35の下部後方側にカートン2の側面上端部を切断するための切断部36を形成するとともに、支持体35の前端側にカートン2の側面上端角部を押圧するための押圧部37を形成している。
【0029】
切断部36は、支持体35の下側後部に連結体38を取付け、連結体38の下端に連結具39を取付けている。
【0030】
また、切断部36は、前方及び後方を開口させた中空矩形箱型形状のカートリッジ40に切断刃41を有する切断具42を位置調整機構43を介して収容している。この位置調整機構43は、カートリッジ40に対して切断具42を上下方向及び前後方向並びに上下回転方向へ向けて移動させることができる。これにより、切断部36は、位置調整機構43を用いて切断具42の切断刃41の位置(上下方向の高さや前後方向の張り出し量や傾斜角度)を調整することができるようになっている。カートリッジ40の上端には、連結具44が取付けられている。なお、切断具42としては、切断刃41に超音波振動を与えて切断可能とした超音波カッターを用いている。
【0031】
そして、切断部36は、支持体35側に設けられた連結具39とカートリッジ40側に設けられた連結具44とを着脱自在に連結させることで、切断手段13(切断機構33)で用いる切断刃41をカートリッジ40毎に交換することができるようになっている。
【0032】
押圧部37は、支持体35の前端下部に左右に伸延する躯体45を支持具46を介して取付け、躯体45の周囲にカートン2の側面上端角部を上方から下方へ向けて押圧するための上側押圧具47を形成するとともに、躯体45の下方にカートン2の側面上端角部を横方向(カートン2の中心側)へ向けて押圧するための横側押圧具48を形成している。
【0033】
上側押圧具47は、躯体45の左端前後側部及び右端前後側部に左右に伸延する前後一対のアーム49,50(51,52)を取付け、左端側の前後のアーム49,50の間に従動ローラー53を前後に伸延する従動軸54を介して回動自在に取付けるとともに、右端側の前後のアーム51,52の間に駆動ローラー55を前後に伸延する駆動軸56を介して取付けている。この駆動軸56には、駆動ローラー55の後方側に駆動ギヤ57が取付けられており、駆動ギヤ57が支持体35の右側上部に取付けられた駆動源58に駆動ベルト59を介して接続されている。
【0034】
また、上側押圧具47は、躯体45の左右上部にテンションローラー60,61を取付けるとともに、躯体45の下部に左右に伸延する弾性体からなる押圧体62を取付けている。
【0035】
そして、上側押圧具47は、押圧体62と駆動ローラー55と従動ローラー53とテンションローラー60,61に無端状のベルト63を回動自在に巻回している。上側押圧具47では、ベルト63をカートン2の側面上端角部の上面(外フラップ)に当接させることで、カートン2の側面上端角部を上方から下方へ向けて押圧する。しかも、このベルト63は、駆動源58によって躯体45の周囲を回動しながらカートン2の側面上端角部を上方から下方へ向けて押圧するとともに、第1の切断ユニット6の前方から後方へ向けて(切断手段13(切断機構33)の左側方から右側方へ向けて)カートン2を補助的に搬送するようになっている。これにより、カートン2を搬送しながら切断刃41でカートン2の側面上端部を切断する際にカートン2が抵抗を受けても、カートン2を搬送手段12のコンベア23と切断手段13,14のベルト63とでカートン2を円滑に搬送することができる。
【0036】
横側押圧具48は、躯体45の後側左右側部それぞれに上下に伸延する2個のブラケット64,64を左右に間隔をあけて取付け、左右のブラケット64,64に左右に伸延する2個のガイド体65,66を上下に間隔をあけて取付けている。ガイド体65,66には、複数の上下に伸延する円筒状のローラー67が前方へ向けて張出させた状態で左右に並べて回動自在に取付けられている。なお、左右のガイド体65,65(66,66)の間には間隙が形成されており、その間隙からカートリッジ40に収容した切断具42の先端部(切断刃41)がガイド体65,65(66,66)よりも前方、かつ、ベルト63よりも下方へ向けて突出するようにしている。
【0037】
そして、横側押圧具48は、ガイド体65,66のローラー67をカートン2の上端角部の側面に当接させることで、カートン2の側面上端角部を横方向へ向けて押圧する。しかも、このガイド体65,66は、カートン2の搬送に伴ってローラー67が搬送方向へ向けて転動するようになっている。これにより、カートン2の搬送を妨げることなく、カートン2を円滑に搬送することができる。
【0038】
このように切断手段13,14は、搬送手段12で搬送されるカートン2の対向する側面の上端角部を上方から上側押圧具47で押圧するとともに側方から横側押圧具48で押圧しながら、搬送されるカートン2に当接する左右の切断刃41,41でカートン2の対向する側面の上端部を同時に切断する。なお、切断手段13,14は、カートン2の側面上端部と切断刃41とが相対的に移動して切断刃41で側面上端部を切断できればよく、カートン2を停止させた状態で切断刃41を移動させる構成としてもよい。
【0039】
ストック手段15,16は、上記切断手段13,14に着脱自在に装着されるカートリッジ40を複数個(ここでは、4個)交換可能に載置しておくものである。
【0040】
このストック手段15,16は、左右の切断手段13,14に対応して搬送手段12の左右側方にそれぞれ設けられており、メインフレーム11の前端下側及び後端下側の支持フレーム19,20の間に架設された前後に伸延する左右の支持フレーム68,69に取付けられている。左右のストック手段15,16は、搬送手段12の前後に伸延するコンベア23を中心に左右線対称に設けられ、概略同様の構成となっており、左側のストック手段15の構成について以下に説明する。なお、ストック手段15は、第1の切断ユニット6の右側面から見た面を正面として、カートリッジ40を左右方向(カートン2の搬送方向)に並べて載置するものとして説明する。
【0041】
ストック手段15は、図6図8に示すように、支持フレーム68の上部に左右に伸延するスライダー70を取付け、スライダー70の上部に設けられた左右に水平移動可能なスライド体71の上部に支持体72を水平に取付けている。
【0042】
また、ストック手段15は、支持体72の前側部に上下に伸延する複数個(ここでは、4個)のピストン73を左右に間隔をあけて取付け、各ピストン73の上下に垂直移動(昇降)可能な昇降ロッド74の上端部に載置台75を水平に取付けている。
【0043】
そして、ストック手段15は、複数の昇降台75のそれぞれにカートリッジ40を載置しておくことができ、載置台75を予め設定した位置までスライダー70によって左右に移動させ、また、載置台75を予め設定した位置で昇降させることができる。このストック手段15では、載置台75を所定の位置で所定の高さまで上昇させた状態において、切断手段13から連結解除されたカートリッジ40を載置台75で受け取り、又は、載置台75に載置しておいたカートリッジ40を切断手段13に連結させる。また、このストック手段15では、載置台75を所定の位置で所定の高さまで降下させた状態において、載置台75に載置しているカートリッジ40の切断刃41を洗浄手段17で洗浄させる。
【0044】
洗浄手段17,18は、切断手段13,14から交換された後にストック手段15,16に載置されたカートリッジ40の切断刃41を洗浄するものである。
【0045】
この洗浄手段17,18は、左右の切断手段13,14及びストック手段15,16に対応して搬送手段12の左右側方にそれぞれ設けられており、メインフレーム11の前端下側及び後端下側の支持フレーム19,20の間に架設された前後に伸延する左右の支持フレーム76,77に取付けられている。左右の洗浄手段17,18は、搬送手段12の前後に伸延するコンベア23を中心に左右線対称に設けられ、概略同様の構成となっており、左側の洗浄手段17の構成について以下に説明する。なお、洗浄手段17は、ストック手段15と対向して設けられており、第1の切断ユニット6の左側面から見た面(ストック手段15の背面)を正面として説明する。
【0046】
洗浄手段17は、図6図9に示すように、支持フレーム76の上部に連結台78を介して支持体79を水平に取付け、支持体79の上部に傾斜台80を取付け、傾斜台80の前低後高状に傾斜する上端部に基台81を傾斜角度や高さや位置を調整可能に取付けている。
【0047】
また、洗浄手段17は、前低後高状に傾斜する基台81の上面左側(図6においては右側)に切断刃41を洗浄するための洗浄機構82を設けるとともに、基台81の上面右側(図6においては左側)に洗浄機構82に切断刃41の洗浄用の洗剤を供給するための供給機構83を設けている。
【0048】
洗浄機構82は、基台81の上面左側に前後に伸延するスライダー84を取付け、スライダー84の上部に設けられた前後に傾斜状(基台81に対して前後水平)に移動可能なスライド体85の前端上部に洗浄具86を取付けている。この洗浄具86には、左右に伸延する上下一対の開閉体87,88が上下に開閉可能に設けられており、各開閉体87,88の対向する面(上側の開閉体87の下面と下側の開閉体88の上面)に軟質な洗浄体89,90が取付けられている。
【0049】
そして、洗浄機構82は、スライダー84によって洗浄具86を予め設定した位置まで前進させるとともに洗浄具86の開閉体87,88によって上下の洗浄体89,90を閉じることで切断具42の切断刃41を挟み、スライダー84によって洗浄具86を前後に傾斜状に移動させることで切断刃41の刃元から刃先に向けて切断刃41に沿って洗浄体89,90を移動させて、洗浄体89,90で切断刃41の表裏両面から切屑や粘着剤などの付着物を除去することで切断刃41を洗浄する。
【0050】
供給機構83は、基台81の上面右側に前後に伸延するスライダー91を取付け、スライダー91の上部に設けられた前後に傾斜状(基台81に対して前後水平)に移動可能なスライド体92の前端上部に供給具93を取付けている。この供給具93には、洗剤を貯留したタンクが連結されており、タンクから予め設定した量の洗剤が供給具93に供給され、供給具93に設けられた前後に伸延する供給針94から吐出されるようになっている。
【0051】
そして、供給機構83は、スライダー91によって供給具93を予め設定した位置まで前進させた状態で、洗浄機構83のスライダー84によって洗浄具86を予め設定した位置まで後退させるとともに洗浄具86の開閉体87,88によって上下の洗浄体89,90を閉じることで供給具93の供給針94を挟み、供給針94を挟んだ洗浄体89,90に供給針94から洗剤を供給する。
【0052】
第1の切断ユニット6は、以上に説明したように構成しており、搬送手段12によってカートン2を1個ずつ間欠的に連続して搬送しながら、左右の切断手段13,14を各カートン2の大きさに応じて上下及び左右に移動させ、左右の切断手段13,14でカートン2の対向する側面上端部を同時に押圧しながら切断する。
【0053】
また、第1の切断ユニット6は、予め設定した個数のカートン2の切断を行った後などにおいて、切断手段13,14に装着されているカートリッジ40をストック手段15,16の空いている載置台75に載置し、予めストック手段15,16に載置されていたカートリッジ40を切断手段13,14に装着することで、カートリッジ40の交換を行う。
【0054】
さらに、第1の切断ユニット6は、交換後にストック手段15,16の載置台75に載置されたカートリッジ40の切断刃41を洗浄手段17,18で洗浄する。
【0055】
なお、カートリッジ40の交換や切断刃41の洗浄は、左右の切断手段13,14やストック手段15,16や洗浄手段17,18で左右同時に行うこともでき、或いは、左右それぞれ独立して行うこともできる。また、カートリッジ40の交換と同時に切断刃41の洗浄を行うこともでき、或いは、カートン2の切断と同時に切断刃41の洗浄を行うこともできる。
【0056】
第2の切断ユニット8でも、第1の切断ユニット6と同様に、カートン2の切断やカートリッジ40の交換や切断刃41の洗浄を行うが、第1の切断ユニット6では、図10(a)に示すように、カートン2の内フラップ95が形成された側面上端部(内フラップ95)を切断するのに対して、第2の切断ユニット8では、図10(b)に示すように、カートン2の外フラップ96が形成された側面上端部(外フラップ96)を切断する。
【0057】
そのため、第1の切断ユニット6における切断具42の切断刃41の位置を、第2の切断ユニット8における切断具42の切断刃41の位置よりも低くなるように、それぞれの位置調整機構43によって調整している。
【0058】
以上に説明したように、上記カートンオープナー1は、カートン2の外フラップ96が形成された側面上端部よりも、内フラップ95が形成された側面上端部を低い位置で切断刃41で切断して、外フラップ96とともに内フラップ95を側面から切離する構成となっている。
【0059】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、外フラップ96よりも下側に折り込まれた内フラップ95も外フラップ96と同様にカートン2の側面から切離することができ、従来要していた人手による内フラップ95の開放作業の必要がなくなり、カートン2の開封作業に要する時間や労力を削減することができる。
【0060】
また、上記カートンオープナー1は、内フラップ95が形成された対向する一対の側面上端部を切断刃41,41で切断し、その後、外フラップ96が形成された対向する一対の側面上端部を切断刃41,41で切断する構成となっている。
【0061】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、内フラップ95,95の切断後も外フラップ96,96がカートン2の側面上端部に形成されたままの状態となっており、切断された内フラップ95がその上側の外フラップ96,96で押さえられているために、内フラップ95の切断後に内フラップ95だけがカートン2から脱落して外フラップ96,96の切断に支障をきたすことがなく、内フラップ95,95の切断後に外フラップ96,96を良好に切断することができる。
【0062】
また、上記カートンオープナー1は、切断刃41の位置を調整するための位置調整機構43を介して切断刃41をカートリッジ40に収容し、外フラップ96が形成された側面上端部を切断する場合と内フラップ95が形成された側面上端部を切断する場合とで位置調整機構43によって切断刃41の位置を調整可能に構成している。
【0063】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、外フラップ96の切断時と内フラップ95の切断時に応じてカートリッジ40に設けた位置調整機構43を用いて切断刃41の位置を容易に調整することができる。
【0064】
また、上記カートンオープナー1は、カートン2の側面上端部と切断刃41とを相対的に移動させて切断刃41で側面上端部を切断するための切断手段13,14と、切断手段13,14に設けられた切断刃41を洗浄するための洗浄手段17,18を設けた構成となっている。
【0065】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、カートン2の切断によって切断手段13,14の切断刃41に切屑や粘着剤などが付着しても、洗浄手段17,18で切断刃41を洗浄することができ、大量のカートン2の側面上端部を良好に切断することができる。
【0066】
また、上記カートンオープナー1は、切断手段13,14に切断刃41を収容したカートリッジ40を交換可能に設けるとともに、カートリッジ40を載置しておくためのストック手段15,16を設け、カートリッジ40を交換した後にストック手段15,16に載置されたカートリッジ40の切断刃41を洗浄手段17,18で洗浄する構成となっている。
【0067】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、カートリッジ40の交換後に、ストック手段15,16に載置されていたカートリッジ40を用いて切断手段13,14でカートン2の切断を行いながら、ストック手段15,16に載置されたカートリッジ40の切断刃41を洗浄手段17,18で洗浄することができ、切断手段13,14による切断作業のロス(中断)を抑制して洗浄手段17,18による切断刃41の洗浄を効率よく行うことができる。
【0068】
また、上記カートンオープナー1は、洗浄手段17,18に一対の洗浄体89,90を開閉可能、かつ、切断刃41に沿って移動可能とするとともに、洗浄体89,90に洗剤を供給可能とし、洗剤を供給した洗浄体89,90で切断刃41を挟んだまま切断刃41の刃元から刃先に向けて洗浄体89,90を移動させて切断刃41を洗浄する構成となっている。
【0069】
そのため、上記構成のカートンオープナー1では、切断刃41に付着した切屑や粘着剤を切断刃41から除去することができ、洗浄手段17,18によって切断刃41を良好に洗浄することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 カートンオープナー 2 カートン
3 搬入コンベア 4 計測コンベア
5 第1の方向転換コンベア 6 第1の切断ユニット
7 第2の方向転換コンベア 8 第2の切断ユニット
9 搬出コンベア 10 制御ユニット
11 メインフレーム 12 搬送手段
13,14 切断手段 15,16 ストック手段
17,18 洗浄手段 19,20 支持フレーム
21,22 支持体 23 コンベア
24 支持フレーム 25,26,27,28 支持体
29,30 水平スライダー 31,32 垂直スライダー
33,34 切断機構 35 支持体
36 切断部 37 押圧部
38 連結体 39 連結具
40 カートリッジ 41 切断刃
42 切断具 43 位置調整機構
44 連結具 45 躯体
46 支持具 47 上側押圧具
48 横側押圧具 49,50,51,52 アーム
53 従動ローラー 54 従動軸
55 駆動ローラー 56 駆動軸
57 駆動ギヤ 58 駆動源
59 駆動ベルト 60,61 テンションローラー
62 押圧体 63 ベルト
64,64 ブラケット 65,66 ガイド体
67 ローラー 68,69 支持フレーム
70 スライダー 71 スライド体
72 支持体 73 ピストン
74 昇降ロッド 75 載置台
76,77 支持フレーム 78 連結台
79 支持体 80 傾斜台
81 基台 82 洗浄機構
83 供給機構 84 スライダー
85 スライド体 86 洗浄具
87,88 開閉体 89,90 洗浄体
91 スライダー 92 スライド体
93 供給具 94 供給針
95 内フラップ 96 外フラップ
図1
図2
図3
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図8
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図10