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特開2024-93374請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093374
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240702BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209707
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 昂督
(72)【発明者】
【氏名】都澤 康平
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】精度の高い生産計画を立案する請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラムを提供すること。
【解決手段】本実施形態の請求書発行装置は、取引先マスタと、税区分マスタと、持分比率マスタと、請求明細データと、にアクセス可能であり、請求明細データを作成する請求明細データ作成部と、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成部と、請求書を発行する請求書発行部と、を備え、前記請求書発行部は、自社所有契約等の請求書に自社のインボイス登録番号を付すとともに、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、按分した請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置であって、
インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、
消費税率を格納する税区分マスタと、
物件の情報を格納する物件マスタと、
物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、
取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、
物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別コードを含む請求明細データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成部と、
前記請求明細データから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成部と、
前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行部と、
を備え、
前記請求書発行部は、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする請求書発行装置。
【請求項2】
制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置で実行される請求書発行方法であって、
インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、
消費税率を格納する税区分マスタと、
物件の情報を格納する物件マスタと、
物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、
取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、
物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別コードを含む請求明細データと、
にアクセス可能であり、
請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成ステップと、
前記請求明細データから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成ステップと、
前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行ステップと、
を含み、
前記請求書発行ステップは、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする請求書発行方法。
【請求項3】
制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置で実行される請求書発行プログラムであって、
インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、
消費税率を格納する税区分マスタと、
物件の情報を格納する物件マスタと、
物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、
取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、
物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別データを含む請求明細データと、
にアクセス可能であり、
請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成ステップと、
前記請求明細データから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成ステップと、
前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行ステップと、
を含み、
前記請求書発行ステップは、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする請求書発行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
不動産業界のリース契約は、物件の所有形態によって、自社所有、サブリース、管理受託の契約形態がある。この契約の中で、1つの物件で複数のオーナーがいる管理受託契約の場合、管理会社はオーナーごとに按分した請求書または按分しない請求書の写しをオーナーに交付している。
【0003】
リース契約において、リース料に加え消費税の支払が必要であるが、事業目的で支払った消費税については、一定の要件を満たすと、仕入税額控除を受けることが可能である。仕入税額控除を受けるための手続きとして、適格請求書等保存方式という、いわゆるインボイス制度が導入されることが決定している。
【0004】
インボイス制度に対応する技術として、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させ、会計サービスを提供するためのプログラムであって、前記メモリには、前記会計サービスの提供を受けるユーザの取引先の情報と、前記取引先がインボイス事業者であることを示す情報と、が登録され、前記プログラムは、前記プロセッサに、前記ユーザの端末装置から、前記取引先への支払に関する情報を受け付けるステップと、前記取引先がインボイス事業者であることを示す情報に基づき、受け付けた前記支払に係る前記取引先がインボイス事業者であるか否かを判定するステップと、前記取引先がインボイス事業者であるか否かの判定結果を含む条件に基づき、受け付けた前記支払に係る消費税を税額控除の対象または対象外と判定するステップと、前記支払に係る消費税が税額控除の対象である場合と、前記支払に係る消費税が税額控除の対象外である場合とで、前記支払に係る消費税を異なる会計情報として前記会計サービスに登録するステップと、を実行させる、プログラムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-179153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数のオーナーがいる物件であって、当該複数のオーナーに登録事業者と未登録事業者が混在する管理受託契約の場合、適格請求書とするためには、登録事業者オーナーと未登録事業者オーナーに請求書を按分する必要がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、共同持分・区分所有の物件の管理受託契約の場合であって、オーナーに登録事業者と未登録事業者が混在する場合にも、請求書を持分に合わせて按分し、登録事業者用の適格請求書を自動的に発行し得る請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る請求書発行装置は、制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置であって、インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、消費税率を格納する税区分マスタと、物件の情報を格納する物件マスタと、物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別コードを含む請求明細データと、にアクセス可能であり、前記制御部は、請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成部と、前記請求明細データから、前記持分比率コードがオーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成部と、前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行部と、を備え、前記請求書発行部は、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る請求書発行方法は、制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置で実行される請求書発行方法であって、インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、消費税率を格納する税区分マスタと、物件の情報を格納する物件マスタと、物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別コードを含む請求明細データと、にアクセス可能であり、請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成ステップと、前記請求明細データから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成ステップと、前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行ステップと、を含み、前記請求書発行ステップは、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る請求書発行プログラムは、制御部を備える物件のリース契約に関する請求書発行装置で実行される請求書発行プログラムであって、インボイス登録番号の有無を含む取引先情報を格納する取引先マスタと、消費税率を格納する税区分マスタと、物件の情報を格納する物件マスタと、物件の管理項目を格納する管理項目マスタと、取引先コード、持分比率および請求書の按分区分を格納する持分比率マスタと、物件の各管理項目における売上、消費税率および請求識別コードを含む請求明細データと、にアクセス可能であり、請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データを作成する請求明細データ作成ステップと、前記請求明細データから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分する按分データ作成ステップと、前記請求明細データ中の請求識別コード毎に請求書を発行する請求書発行ステップと、を含み、前記請求書発行ステップは、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社のインボイス登録番号を付し、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、前記按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行し、インボイス登録事業者用請求書にオーナーの登録番号を付すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、共同持分・区分所有の物件の管理受託契約の場合であって、オーナーに登録事業者と未登録事業者が混在する場合にも、請求書を持分に合わせて按分し、登録事業者用の適格請求書を自動的に発行し得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施の形態に係る請求書発行装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、取引先マスタ106aの一例を説明する図である。
図3図3は、税区分マスタ106bの一例を示す図である。
図4図4は、管理項目マスタ106cの一例を示す図である。
図5図5は、物件マスタ106dの一例を示す図である。
図6図6は、持分比率マスタ106eの一例を示す図である。
図7図7は、請求明細データ106fの一例を示す図である。
図8図8は、請求明細按分データ106gの一例を示す図である。
図9図9は、請求明細作成画面MAの一例を示す図である。
図10図10は、請求明細データ確定画面MBの一例を示す図である。
図11図11は、作成した適格請求書の一例を示す図である。
図12図12は、作成した非適格請求書の一例を示す図である。
図13図13は、作成した請求書(適格請求書および非適格請求書を含む)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る請求書発行装置、請求書発行方法、および請求書発行プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態に係る請求書発行装置の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る請求書発行装置100の構成の一例を示す図である。
【0015】
請求書発行装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、請求書発行装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0016】
請求書発行装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。請求書発行装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0017】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、請求書発行装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、請求書発行装置100とサーバ装置200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ装置200に格納されてもよい。
【0018】
入出力インターフェース部108には、入力装置400および出力装置500が接続されている。出力装置500には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置400には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置500をモニタ500とし、入力装置400をキーボード400またはマウス400として記載する場合がある。
【0019】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0020】
記憶部106は、例えば、取引先マスタ106aと、税区分マスタ106bと、管理項目マスタ106cと、物件マスタ106dと、持分比率マスタ106eと、請求明細データ106fと、請求明細按分データ106g等が格納されている。
【0021】
取引先マスタ106aは、契約先に関する情報に関するマスタであり、図2に一例を示すように、取引先コード、取引先名、インボイスの登録番号、登録日等が格納されている。図2では、取引先として、テナントA、オーナーB、オーナーC、オーナーD、オーナーEの情報が格納されているが、インボイス登録事業者であるテナントA、オーナーB、オーナーDについては、登録番号および登録日が登録され、インボイス未登録事業者のオーナーCは登録番号を有しないため「NULL」となっている。
【0022】
税区分マスタ106bは、消費税率に関するマスタであり、図3に一例を示すように、税区分コード、消費税率が格納されている。
【0023】
管理区分マスタ106cは、リース契約の管理項目に関するマスタであり、図4に一例を示すように、管理区分コード、管理項目名が格納されている。
【0024】
物件マスタ106dは、物件情報に関するマスタであり、図5に一例を示すように、物件コード、物件名、持分比率コードが格納されている。
【0025】
持分比率マスタ106eは、共同持分・区分所有の物件の持分情報に関するマスタであり、図6に一例を示すように、物件コード、持分比率コード、構成取引先コード、持分比率、請求書按分区分が格納されている。持分比率コードは、オーナーとの契約形態およびオーナー情報により設定されるものであり、持分比率コード「01」はサブリース契約であり、持分比率コード「02」、「03」、「04」は管理受託契約であって、「02」がすべて登録事業者、「03」はすべて未登録事業者、「04」が未登録/登録事業者混在のケースに付与される。図6の持分比率コード「03」が付与されているケースは、取引先コード「T0003」のオーナーCと取引先コード「T0005」のオーナーEが60:40の持分比率で区分所有しているものであり、当該持分比率マスタは2023年10月31日時点での未登録/登録を判断しているため、2023年11月1日に事業者登録されるオーナーEは未登録にカウントされている。請求書按分区分は、共同持分・区分所有の物件についての請求書を按分して発行か、按分しないで発行かについて設定されている。
【0026】
請求明細データ106fは、作成する請求書に関するデータであり、図7に一例を示すように、請求SEQ、請求先コード、管理項目コード、物件コード、計上日、本体金額、消費税、税込金額、税区分コード、請求識別コード、持分比率コード等が格納されている。請求識別コードは、請求書の単位を設定するもので、同じ請求識別コードが付されているものが1枚の請求書としてまとめて発行される。図7に示す請求識別コードとして「A001」が付されている物件は、自社所有の取引に関する請求(請求SEQ「100」~「102」)であり、持分比率コードは設定されず「NULL」となっている。また、請求識別コード「B001」が付されているサブリース案件である請求SEQ「103」~「105」は、請求SEQ「103」~「105」が1枚の請求書としてまとめられる。同様に、請求識別コード「C001」、「D001」、「E001」が付されている管理受託案件は、請求識別コード「C001」、「D001」、「E001」毎に1枚の請求書として発行される。なお、請求識別コード「C001」はオーナーがすべて登録事業者、「D001」はオーナーがすべて未登録事業者、「E001」は、オーナーが未登録/登録事業者混在の場合の請求識別コードである。
【0027】
請求明細按分データ106gは、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、請求書按分区分が按分である請求明細データである。請求明細按分データ106gは、図8に一例を示すように、請求SEQ、オーナーコード、管理項目コード、計上日、本体金額、消費税、税込金額、税区分コード、請求識別コード等が格納されている。請求明細按分データ106gは、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約、すなわち持分比率コードが「04」で、請求書按分区分が「1:按分する」に設定されている請求についての請求明細データであり、管理項目ごとにオーナーの持分に対応させて本体金額、消費税、税込価格を按分したデータである。図8では、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約(図6および図7の持分比率コード「04」)の請求は、請求SEQ「112」~「114」であり、請求明細按分データ106gでは、請求SEQ「112」~「114」にかかる請求を、オーナーBおよびオーナーCに按分した請求として格納する。
【0028】
制御部102は、請求書発行装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、明細請求データ作成部102a、按分データ作成部102b、請求書発行部102cなどを備える。
【0030】
明細請求データ作成部102aは、取引先マスタ106a、税区分マスタ106b、管理項目マスタ106c、物件マスタ106d、および持分比率マスタ106eを参照し、請求先、物件、管理項目、売上、消費税、請求識別コード、持分比率コードを含む請求明細データ106fを作成する。
【0031】
按分データ作成部102bは、明細請求データ作成部102aが作成した請求明細データ106fから、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約であって、按分区分が按分である契約の請求明細データを抽出し、インボイス登録事業者用とインボイス未登録事業者用に売上を按分し、請求明細按分データ106gとして格納する。
【0032】
請求書発行部102cは、請求明細データ106fおよび請求明細按分データ106gに基づき、請求識別コード毎に請求書を発行する。請求書発行部102cは、請求明細データ106fの請求識別コード単位で請求書を発行する。請求書発行部102cは、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書に自社(管理会社)のインボイス登録番号を付す。図7の請求明細データ106fでは、請求識別コード「A001」、「B001」、「C001」が自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約であるため、これらの請求書に自社のインボイス登録番号を付して適格請求書とする。また、請求書発行部102cは、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書として、按分データ作成部が按分したインボイス登録事業者用請求書と、インボイス未登録事業者用請求書を付した請求書とを含む請求書を発行する。図8の請求按分データ106g中、オーナーBが登録事業者であるため、オーナーB用の請求をまとめてインボイス登録事業者用請求書とし、未登録事業者であるオーナーC用の請求をまとめて未登録事業者用請求書として発行する。また、請求書発行部102は、インボイス登録事業者用請求書にオーナーBの登録番号を付して適格請求書とする。
【0033】
[2.処理]
ここでは、請求書発行装置100で実行される処理の具体例について、図2~13を参照して説明する。
【0034】
図9は、請求明細作成画面MAの一例を示す図である。請求書発行装置100により請求書を発行する場合、請求明細作成画面MAにおいて請求先コード、請求書発行日、物件コード、管理項目、計上日、契約番号、持分比率コード、税区分、金額を入力することにより、消費税、税込価格が算出される。入力した内容に問題がない場合、登録ボタンを押下すると、請求明細データ106fとして格納される。なお、請求明細データ106fは、請求明細作成画面MAにおいて入力するほか、他の入力プログラムにより作成してもよい。
【0035】
すべての請求データを入力し、登録すると、図10に示す請求明細データ確定画面MBで、請求書の発行する単位を確定する。管理受託契約で、請求のオーナー按分が必要な場合は、請求明細データ確定画面MBで請求明細按分データを作成する。
【0036】
図11は、作成した適格請求書、図12は、作成した非適格請求書、図13は作成した請求書(適格請求書および非適格請求書を含む)の一例を示す図である。各請求書には、請求先、請求額、請求に係る費目、費目ごとの金額、税率毎の消費税額が明示される。また、図11の適格請求書には、請求人であるPM不動産の登録番号が付与される。図11の適格請求書は、自社所有契約、サブリース契約およびオーナーがすべてインボイス登録事業者である管理受託契約の請求書である。また、図12に示す非適格請求書は、オーナーがすべて未登録事業者である管理受託契約の請求書であり、請求するPM不動産の登録番号は付与しない。
【0037】
図13に示す請求書は、オーナーにインボイス登録事業者および未登録事業者を含む管理受託契約の請求書であり、請求全体の鑑部分(1頁目)と、オーナー毎に按分した内訳明細(2~3頁目)からなる。鑑部分は、請求明細データ106fをもとに作成され、内訳明細は請求明細按分データ106gから作成される。オーナー全員が登録事業者ではないため鑑部分には請求人の登録番号は付されず、オーナーが登録事業者である内訳明細(2頁目)にはオーナーの登録番号が付され、オーナーが未登録事業者である内訳部分(3ページ目)には、オーナーの登録番号は付されない。
【0038】
以上、本実施の形態によれば、取引先の登録番号を格納した取引先マスタや、区分所有の物件の持分比率や請求書按分区分を格納した持分比率マスタを参照して自動的に適格請求書を発行することが可能となる。
【0039】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0042】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0043】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0044】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0045】
また、請求書発行装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0046】
例えば、請求書発行装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて間接費用管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0047】
また、このコンピュータプログラムは、請求書発行装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0048】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0049】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0050】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0051】
また、請求書発行装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、請求書発行装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0052】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、不動産業、特に管理受託契約において有用である。
【符号の説明】
【0054】
100 生産計画支援装置
102 制御部
102a 明細請求データ作成部
102b 按分データ作成部
102c 請求書発行部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 取引先マスタ
106b 税区分マスタ
106c 管理項目マスタ
106d 物件マスタ
106e 持分比率マスタ
106f 請求明細データ
106g 請求明細按分データ
108 入出力インターフェース部
200 サーバ
300 ネットワーク
400 入力装置
500 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図13