(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093379
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】フィルタ枠及びフィルタ枠を備えた送風装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/10 20060101AFI20240702BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20240702BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20240702BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240702BHJP
【FI】
B01D46/10 A
B01D46/10 B
F24F13/28
F24F8/108 210
F24F8/80 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209718
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】高土 与明
(72)【発明者】
【氏名】片岡 康孝
(72)【発明者】
【氏名】浦田 竜弥
(72)【発明者】
【氏名】永留 誠一
(72)【発明者】
【氏名】山本 佳史
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA12
4D058KA01
4D058KC17
4D058KC33
4D058KC81
4D058SA01
4D058TA01
4D058TA08
(57)【要約】
【課題】フィルタの交換作業性に優れるフィルタ枠及びフィルタ枠を備えた送風装置を提供する。
【解決手段】フィルタ枠100は、支持部10と、枠部20とを備える。支持部10は、フィルタ30を第1方向D1側から支持する。枠部20は、支持部10の外縁を囲む。枠部20は、第2方向D2に沿って離隔して対向する第1壁部21と第2壁部22とを含む。第1壁部21は、フィルタ30を第1方向D1と反対側から保持する第1保持部211を有する。第2壁部22は、フィルタ30を第1方向D1と反対側から保持する第2保持部221を有する。第1保持部211は、第1壁部21から第2方向D2の他方側に延びる。第2保持部221は、第2壁部22から第2方向D2の一方側に延びる。支持部10の第2方向D2の一方側端部は、第1保持部211の第2方向D2の他方側端部と第1方向D1に向けて対向しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の一方と前記第1方向の他方とが開放された枠部と、
前記枠部に収容されたフィルタを前記第1方向の一方からを支持する支持部と、
前記枠部に収容された前記フィルタの前記第1方向に直交する第2方向の一方を前記第1方向の他方から保持する第1保持部と、
を備え、
前記第2方向の前記一方には前記支持部が設けられない不支持領域が形成され、
前記第1保持部は、前記第1方向において前記不支持領域に対向するように設けられる、フィルタ枠。
【請求項2】
前記枠部は、前記第2方向に対向する第1壁部と第2壁部とを含み、
前記第1保持部は前記第1壁部に設けられ、
前記枠部に収容された前記フィルタの前記第2方向の他方を前記第1方向の他方から保持する第2保持部が前記第2壁部に設けられ、
前記第1保持部は、前記第1壁部から前記第2方向の他方側に延び、
前記第2保持部は、前記第2壁部から前記第2方向の一方側に延びる、請求項1に記載のフィルタ枠。
【請求項3】
前記支持部の前記第2方向の一方側端部は、前記第1保持部の前記第2方向の他方側端部よりも前記第2方向の一方に位置する、請求項1又は2に記載のフィルタ枠。
【請求項4】
前記第1方向と前記第2方向とに交差する第3方向において、
前記第1保持部の長さは、前記第2保持部の長さよりも長い、請求項2に記載のフィルタ枠。
【請求項5】
前記第2保持部は、前記第1保持部よりも前記第1方向側に位置する、請求項2又は請求項4に記載のフィルタ枠。
【請求項6】
前記支持部は、前記第1方向の他方側に突出する第1突出部を有し、
前記第1突出部は、前記フィルタを貫通可能に形成される、請求項1又は請求項2に記載のフィルタ枠。
【請求項7】
前記第1突出部は、前記第1方向の他方側に返し部を有する、請求項6に記載のフィルタ枠。
【請求項8】
前記支持部は、前記枠部の前記第1方向の一方側端部よりも前記第1方向の他方側に位置する、請求項1又は請求項2に記載のフィルタ枠。
【請求項9】
前記支持部は、
前記第2方向に延びる第1部材と、
前記第3方向に延びて前記第1部材と交差する第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材のうち少なくとも一方から前記第1方向の一方に突出する第2突出部と
を更に有し、
前記第2突出部の前記第1方向の一方側端部は、前記枠部の前記第1方向の一方側端部と同じ前記第1方向の一方側位置に位置する、請求項4に記載のフィルタ枠。
【請求項10】
前記請求項1から前記請求項9の何れか1項のフィルタ枠を備える、送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ枠及びフィルタ枠を備えた送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のユニット型フィルタのフィルタ枠は、空気を通過させる濾材と、濾材を収容する矩形状の内枠と、内枠を収容する矩形状の外枠とを備え、内枠は、濾材を支持する支持部材と、濾材を押える押え部材とを有する。支持部材は、空気の流れ方向において、空気の流出側部分を支持する。押え部材は、空気の流れ方向において、空気の流入側部分を押える。支持部材と押え部材とが、濾材を固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のユニット型フィルタのフィルタ枠は、濾材を交換する際、作業負荷が高くなる虞がある。濾材を交換する場合、使用者は、押え部材を内枠から取り外した後、交換対象である古い濾材を取り出す。そして、新しい濾材を内枠に収納した後、押え部材を内枠に取り付ける。つまり、使用者は、濾材の交換に加え、押え部材の取付作業と取外作業とを行う必要がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、フィルタの交換作業性に優れるフィルタ枠及びフィルタ枠を備えた送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面によれば、フィルタ枠は、枠部と、支持部と、第1保持部とを備える。前記枠部は、第1方向の一方と前記第1方向の他方とが開放される。前記支持部は、前記枠部に収容されたフィルタを前記第1方向の一方から支持する。前記第1保持部は、前記枠部に収容された前記フィルタの前記第1方向に直交する第2方向の一方を前記第1方向の他方から保持する。前記第2方向の前記一方には前記支持部が設けられない不支持領域が形成される。前記第1保持部は、前記第1方向において前記不支持領域に対向するように設けられる。
【0007】
本発明の第2局面によれば、送風装置は、前記請求項1から前記請求項8の何れか1項のフィルタ枠を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフィルタ枠及びフィルタ枠を備えた送風装置によれば、フィルタの交換作業性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るフィルタとフィルタ枠とを斜め前方から見たときの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るフィルタ枠の正面図である。
【
図4】フィルタの交換作業において、作業初期を示す断面図である。
【
図5】フィルタの交換作業において、作業中期を示す断面図である。
【
図6】フィルタの交換作業において、作業後期を示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る送風装置を斜め前方から見たときの斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る送風装置のフロントカバーを開操作したときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1を参照して、本発明の実施形態1に係るフィルタ枠100について説明する。
図1は、フィルタ30とフィルタ枠100とを斜め前方から見たときの斜視図である。フィルタ30を収納するフィルタ枠100は、フィルタユニット1を構成する。フィルタユニット1は、例えば、送風装置に取り付けて使用される。送風装置の吸気口は、フィルタユニット1のフィルタ30を介して空気を吸い込む。つまり、空気は、フィルタ30を通過して送風装置に吸い込まれる。
【0012】
フィルタ30は、空気に含まれる塵埃を取り除く。フィルタ30は、空気を第1方向D1の他方側から一方側に向けて通過させる。フィルタ30は、矩形の板状に形成される。フィルタユニット1の使用時、空気が通過する方向が第1方向D1の一方側方向である。空気が通過する方向は、空気の進行方向である。フィルタ30は、空気が通過する際、塵埃をろ過する。
【0013】
図1に示すように、フィルタ枠100は、支持部10と、枠部20とを備える。フィルタ枠100は、例えば、合成樹脂材料を用いて、一体的に形成される。フィルタ枠100は、直方体形状に形成される。
【0014】
支持部10は、枠部20に収容されたフィルタ30を支持する。支持部10は、フィルタ30を第1方向D1の一方側から支持する。支持部10は、外縁が矩形に形成される。支持部10は、格子状である。空気は、支持部10に支持されたフィルタ30を第1方向D1に通過する。従って、空気がフィルタ30を通過するとき、フィルタ30は、支持部10に対して第1方向D1に押し付けられる。
【0015】
図1に示すように、枠部20は、第1方向D1の一方と第1方向D1の他方とが開放される。枠部20は、第2方向D2に離隔して対向する第1壁部21と第2壁部22とを含む。第2方向D2は、第1方向D1に交差する。具体的には、第2方向D2は、第1方向D1に直交する。第2方向D2の一方側に、第1壁部21が配置され、第2方向D2の他方側に、第2壁部22が配置される。第1壁部21と第2壁部22とは、第2方向D2に対して直交する。
【0016】
枠部20は、第3方向D3に離隔して対向する第3壁部23と第4壁部24とを更に含む。第3方向D3は、第1方向D1と第2方向D2とに交差する。具体的には、第3方向D3は、第1方向D1と第2方向D2とに直交する。第3方向D3の一方側に、第3壁部23が配置され、第3方向D3の他方側に、第4壁部24が配置される。第3壁部23と第4壁部24とは、第3方向D3に対して直交する。
【0017】
第1壁部21は、第1保持部211を有する。第1保持部211は、枠部20に収容されたフィルタ30の第2方向D2の一方を第1方向D1の他方側から保持する。第1保持部211は、第2方向D2の一方側において、第3壁部23の第1方向D1と反対側端部と第4壁部24の第1方向D1と反対側端部とに連結される。第1保持部211は、第1壁部21の第1方向D1の反対側端部から第2方向D2の他方側に延びる。
【0018】
第2壁部22は、第2保持部221を有する。第2保持部221は、フィルタ30の第2方向D2の他方側端部を第1方向D1と反対側から保持する。第2保持部221は、第2壁部22の第1方向D1の反対側端部から第2方向D2の一方側に延びる。
【0019】
図2に示すように、第2方向D2の一方には支持部10が設けられない不支持領域Aが形成される。不支持領域Aは、第3方向D3において、第3壁部23から第4壁部24に亙って支持部10が形成されていない領域である。それ故、フィルタ30の第2方向D2の一方側端部を、不支持領域Aから第1方向D1の一方側に挿入することができる。支持部10の第2方向D2の一方側端部10aは、第1保持部211の第2方向D2の他方側端部211aと第1方向D1に対向しない。換言すれば、第1保持部211は、第1方向D1において不支持領域Aに対向するように設けられる。従って、フィルタ30のうちの第1方向D1の他方側の部分を、第1保持部211と第2保持部221とで保持することができる。また、フィルタ30のうちの第1方向D1の一方側の部分を、支持部10で支持できる。よって、フィルタ30を固定するための専用の固定部材を省略することができる。つまり、フィルタ30の交換作業において、専用の固定部材の取付作業及び取外作業を削減できるため、使用者の作業工程を減少できる。その結果、フィルタ30の交換作業性に優れる。
【0020】
次に、
図1から
図3を参照して、フィルタ枠100について詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るフィルタ枠100の正面図である。
図3は、
図2のIII-III線断面図である。
図2に示すように、支持部10は、複数の第1支持部材11と、複数の第2支持部材12と、複数の第1突出部13とを有する。
【0021】
第1支持部材11は、第2方向D2に延びる。第1支持部材11は、複数、例えば、2本である。第2支持部材12は、第3方向D3に延びる。第2支持部材12は、複数、例えば、2本である。複数の第1支持部材11と複数の第2支持部材12とは、共同して格子構造を構成する。
【0022】
第1突出部13は、フィルタ30を貫通する。第1突出部13は、第1方向D1の他方側に突出する。第1突出部13は、第1支持部材11と第2方向D2の他方側の第2支持部材12との交差部にそれぞれ配置される。第1突出部13は、第1方向D1の一方側からフィルタ30を貫通可能に形成される。第1突出部13は、第1方向D1の他方側にフィルタ30を貫通するため、フィルタ枠100に収納されたフィルタ30を容易に位置決めできる。よって、フィルタ30を通過する空気量が多い程、フィルタ30の位置が規定される。
【0023】
図3に示すように、第1突出部13は、第1方向D1の他方側に返し部131を有する。返し部131は、フィルタ30の抜け止め防止機構である。返し部131は、断面鉤状に形成される。第1突出部13は、第1方向D1の他方側に返し部131を有するため、フィルタ30を通過する空気量が少なくても、フィルタ30が第1突出部13から外れない。従って、フィルタ30を通過する空気量が少なくても、フィルタ30を位置決めできる。
【0024】
図3に示すように、支持部10は、枠部20の第1方向D1側の端部21a,22a,23a,24aよりも第1方向D1の他方側に位置する。フィルタユニット1の使用時において、吸気部とフィルタ30との間に容積室を形成できるため、空気を吸い込むための空間を確保できる。従って、フィルタ30を通過した空気を多く下流側に流出できる。その結果、送風装置に供給可能な空気量を増量できる。
【0025】
図3に示すように、支持部10は、第2突出部14を有する。第2突出部14は、支持部10とフィルタ枠100の設置面との間隔を一定に保つ。フィルタ枠100の設置面は、例えば、送風装置の吸気口である。第2突出部14は、第1支持部材11と第2支持部材12のうち少なくとも一方から第1方向D1の一方側に突出する。本実施形態では、第1支持部材11と第2支持部材12との交差部を含み、第1支持部材11から第1方向D1の一方側に突出する。
【0026】
第2突出部14の第1方向D1の一方側の端部14aは、枠部20の第1方向D1の一方側の端部21a,22a,23a,24aと同じ第1方向D1の一方側の位置に位置する。フィルタユニット1の使用時において、吸気部とフィルタ30との間を場所に関らず均一にできるため、空気の流れ抵抗にばらつきが生じない。従って、フィルタ30を通過した空気を一層多く下流側に流出できる。
【0027】
図3に示すように、支持部10の第2方向D2の一方側端部10aは、第1保持部211の第2方向D2の他方側端部211aよりも第2方向D2と反対方向に位置する。支持部10の端部10aと第1保持部211の端部211aとは、距離L2離隔している。換言すれば、支持部10の端部10aと第1保持部211の端部211aとの間は、不支持領域Aに対応する領域であり、第1方向D1においてフィルタ枠100が貫通している。つまり、支持部10の端部10aと第1保持部211の端部211aとの間には、第1方向D1に延びる空間部Sが形成される。フィルタ30の第2方向D2の寸法は、第2壁部22と第1保持部211の端部211aとの離隔距離L1よりも長い。つまり、支持部10の端部10aと第1保持部211の端部211aとの間に隙間を形成することができるため、支持部10よりも第1方向D1の一方側に形成された空間部Sにフィルタ30の一部を一時的に挿入できる。従って、フィルタ30をフィルタ枠100に収納した状態で姿勢を変更することができる。その結果、使用者は、片手でフィルタ30を収納でき、フィルタ30の交換作業を容易に実行できる。
【0028】
図2に示すように、第1保持部211の第3方向D3の長さは、第2保持部221の第3方向D3の長さよりも長い。従って、フィルタ30の第2方向D2の他方側端部が、第2保持部221を第1方向D1の一方側に乗り越えることでフィルタ30の配置が終了し、交換作業が完了する。つまり、第2保持部221の第3方向D3の長さが第1保持部211の第3方向D3の長さよりも短いため、操作の対象部分を小さくすることができ、最終作業を容易化できる。また、第1保持部211の第3方向D3の長さが第2保持部221の第3方向D3の長さよりも長いため、フィルタ30の保持部分を大きくすることができ、フィルタ30の保持性能を高くできる。その結果、フィルタ30の保持性能を確保しつつ、作業性を改善できる。
【0029】
図3に示すように、第2保持部221は、第1方向D1において、第1保持部211と同じ位置に配置される。従って、フィルタ30の移動を抑制できる。なお、第2保持部221は、第1保持部211よりも第1方向D1側に位置するように配置してもよい。この場合、最終作業である第2保持部221の第1方向D1の一方側への乗り越えにより、フィルタ30の最終位置を規定できる。また、第1保持部211が第2保持部221よりも第1方向D1の他方側に位置するため、初期作業である第1方向D1側空間へのフィルタ30の挿入作業を容易に実行できる。その結果、作業性を一層改善できる。
【0030】
次に、
図4から
図7を参照して、フィルタ30の交換時、フィルタ30のフィルタ枠100への収納方法について説明する。
図4は、フィルタ30の交換作業において、作業初期を示す断面図である。
図5は、フィルタ30の交換作業において、作業中期を示す断面図である。
図6は、フィルタ30の交換作業において、作業後期を示す断面図である。
図7は、第1突出部13を示す斜視断面図である。
【0031】
フィルタ30の交換作業では、まず、交換される古いフィルタ30をフィルタ枠100から取り出す。次に、新しいフィルタ30をフィルタ枠100に配置する交換作業を行う。
図4に示すように、交換作業の初期において、フィルタ30は、第1姿勢でフィルタ枠100内に挿入される。第1姿勢は、フィルタ30が支持部10に対して交差する姿勢である。フィルタ30は、第1姿勢において、第2方向D2の一側端部を第1方向D1の一方側に形成された空間部Sに差し込まれる。空間部Sは、支持部10の端部10aと第1保持部211の端部211aとの間に形成された空間部である。
【0032】
図5に示すように、交換作業の中期において、フィルタ30は、第2姿勢でフィルタ枠100内に配置される。第2姿勢は、フィルタ30が支持部10に対して向かい合う姿勢である。第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更する場合、フィルタ30は、第2方向D2の一方側端部が第1方向D1の他方側に移動され、第2方向D2の他方側端部が第1方向D1の一方側に移動される。フィルタ30の第2方向D2の他方側端部が、第2保持部221を乗り越えるように操作する。
【0033】
図6に示すように、交換作業の後期において、フィルタ30は、第2姿勢で支持部10に対して押圧される。第1突出部13は、フィルタ30を第1方向D1の一方側から貫通する。
図7に示すように、鉤状の返し部131が、第1方向D1の他方側からフィルタ30を支持部10側に押さえ込む。フィルタ30の交換作業は、フィルタ30の姿勢変更と押圧操作によって行われるため、作業性を改善できる。
【0034】
次に、
図8から
図10を参照して、フィルタユニット1を備える送風装置300について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る送風装置300を斜め前方から見たときの斜視図である。
図9は、
図8に示す送風装置300の断面を示す図である。
図10は、本発明の実施形態に係る送風装置300のフロントカバー312を開操作したときの斜視図である。
【0035】
送風装置300は、公共の場所、例えば、待合室の壁面に配置される。送風装置300は空気を送風する。
図8に示すように、送風装置300は、筐体310と、ルーバ320とを備える。なお、送風装置300は、操作部(不図示)を更に備えてもよい。操作部は、使用者からの指示を受け付ける。具体的には、操作部の操作ボタン(不図示)を介して、使用者は、風向制御及び風量制御などの各運転モードの指示を行う。なお、操作部は、外部機器からの操作を受け付けてもよい。外部機器は、送風装置300を構成する各部の動作を制御する。
【0036】
筐体310は、中空の部材である。本実施形態において、筐体310は、例えば、箱形状を有する。筐体310は、部屋の設置面Gに設置される。設置面Gは、例えば、部屋の壁面である。筐体310の材質は、例えば、板金、又は合成樹脂を含む。ただし、筐体310の材質は特に限定されない。筐体310は、天板311、フロントカバー312、リアカバー313、及び一対の側板314を含む。筐体310は、吹出口316と、第1吸込口315とを有する。
【0037】
フロントカバー312は、筐体310に支持され、筐体310の表面を覆う。フロントカバー312は、筐体310に対して開操作及び閉操作可能に形成されている。吹出口316は、空気を吹き出す。吹出口316は、筐体310の内部から筐体310の外部に向けて風が吹き出される。
【0038】
第1吸込口315は、筐体310の内部に空気を吸い込む。第1吸込口315は、一対の側板314にそれぞれ配置される。具体的には、第1吸込口315は、筐体310の側板314側の空気を筐体310の内部に吸い込む。
【0039】
ルーバ320は、空気の流れる向きを変更する。ルーバ320は、回転可能に筐体310に取り付けられている。ルーバ320によって、風が、第1方向D1の反対方向に向けて吹き出される。
【0040】
次に、
図8から
図10を参照して、送風装置300について詳細に説明する。
図9は、
図8に示す送風装置300の断面を示す図である。
図10は、本発明の実施形態に係る送風装置300のフロントカバー312を開操作したときの斜視図である。
図9に示すように、送風装置300は、フィルタユニット1と、フィルタ30と、ファン330とを更に備える。
【0041】
ファン330は、空気を送風する。ファン330は、例えば、モータのような駆動源から動力を伝達されることで回転する。ファン330は筐体310の内部に収容される。本実施形態において、ファン330は、遠心方向に空気を排出する。ファン330が回転することにより、第1吸込口315から空気が筐体310内に吸い込まれる。ファン330が回転することで筐体310内に吸い込まれた空気は、フロントカバー312からリアカバー313に向かう方向に移動する。なお、ファン330に換えてターボファンや高圧軸流ファンを使用してもよい。
【0042】
フィルタ30は、例えば、不織布を紙状に形成したHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。但し、フィルタ30の種類については特に限定されない。フィルタ30は、第1吸込口315から吸い込まれた空気を浄化する。フィルタ30は、筐体310の内部に収容される。
【0043】
図9に示すように、筐体310は、ファン330を収容する。筐体310は、第1収容部301と、第2収容部302と、ダクト303とを更に有する。
【0044】
第1収容部301は、ファン330を配置する。第1収容部301は、第2吸込口317及び吹出口316を有する。第1収容部301は、吹出口316側でダクト303に連結されている。
図9及び
図10に示すように、第2吸込口317は、フィルタ30を通過した空気を吸い込む。吹出口316は、ダクト303に空気を吹き出す。第2吸込口317は、「吸気口」に相当する。
【0045】
図9に示すように、ダクト303は、ファン330が排出した空気を案内する。ダクト303は、リアカバー313側に位置する。
【0046】
ダクト303には、気流にイオンを包含させるイオン発生器を配置してもよい。この場合、イオン発生器は、大気中で放電してイオンを発生するものである。イオン発生器としては、m、nをそれぞれ任意の自然数とする正イオンH+(H2O)m、負イオンO2-(H2O)nを発生する構成が好ましい。この場合、空気中の浮遊細菌やウィルスの表面に正負イオンが付着して反応し、表面で活性種OHラジカル(・OH)や過酸化水素(H2O2)を生成することで殺菌などの効果を発揮させることができる。
【0047】
本実施形態では、ファン330が回転することで、筐体310の外部の空気が
図8に示す第1吸込口315から筐体310の内部に移動する。そして、第1吸込口315から吸い込まれた空気が移動して気流が発生する。次に、気流は、第2収容部302から第1収容部301に第2吸込口317を介して吸い込まれる。また、気流は、第2吸込口317を通過する際に、フィルタ30を通過する。よって、気流は清浄される。そして、気流は、ファン330に吸い込まれ、ダクト303に排出される。更に、ダクト303を通過する気流は、吹出口316から、送風装置300の外部に流出する。
【0048】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
本実施形態に示す送風装置300は、例えば、除湿機能と、加湿機能とを備えてもよい。除湿機能では、送風装置300は、送風装置300の周囲の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に含まれる水分を除去して空気を吹き出す。送風装置300は、除湿した空気(風)を衣類に吹き付けることによって、衣類を乾燥させることができる。加湿機能では、送風装置300は、送風装置300が吸い込んだ空気に含まれる水分を増加させて空気を吹き出す。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、送風装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0051】
10 :支持部
10a :一方側端部
13 :第1突出部
14 :第2突出部
20 :枠部
21 :第1壁部
21a :端部
22 :第2壁部
22a :端部
30 :フィルタ
100 :フィルタ枠
131 :返し部
211 :第1保持部
211a :他方側端部
221 :第2保持部
300 :送風装置
A :不支持領域