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特開2024-93385コネクタ付きフレキシブルプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093385
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】コネクタ付きフレキシブルプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20240702BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H05K1/18 D
H05K1/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209734
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 周三
(72)【発明者】
【氏名】金山 知樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 翼
【テーマコード(参考)】
5E336
5E338
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336BB01
5E336BB12
5E336BB15
5E336CC01
5E336DD12
5E336DD22
5E336DD32
5E336EE01
5E336GG06
5E336GG16
5E336GG30
5E338AA01
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB72
5E338BB75
5E338EE28
5E338EE30
(57)【要約】
【課題】コネクタとの接合部分付近のフレキシブルプリント配線板の破損を抑制することのできるコネクタ付きフレキシブルプリント配線板を提供する。
【解決手段】FPC110と、FPC110に備えられる配線と接続される端子122を有し、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130と、を備えるコネクタ付きFPC100であって、コネクタ120は、FPC110を貫通する接合用突起123を有すると共に、前記配線と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる配線と接続される端子を有し、前記フレキシブルプリント配線板に接合されるコネクタと、
前記フレキシブルプリント配線板における前記コネクタとの接合部分の反対側の面において、前記フレキシブルプリント配線板に固定される補強板と、
を備えるコネクタ付きフレキシブルプリント配線板であって、
前記コネクタは、前記フレキシブルプリント配線板を貫通する接合用突起を有すると共に、
前記配線と前記端子との接合、及び前記接合用突起とは別に、前記コネクタが前記フレキシブルプリント配線板から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えることを特徴とするコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタにおける前記フレキシブルプリント配線板との接合面とは反対側の面に接する支持板部と、前記支持板部の両側から前記補強板に向かって伸びる一対の側板部と、前記一対の側板部の先端にそれぞれ設けられ、前記補強板に係合する係合部と、を有する支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
前記支持部材は、前記端子と前記フレキシブルプリント配線板における配線の露出した部分を覆う覆いを備えることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタの側壁面に沿って伸びる一対の側板部と、前記一対の側板部の先端にそれぞれ設けられ、前記コネクタの側壁面に係合する係合部と、を備え、
前記一対の側板部と前記係合部は、前記補強板に備えられることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタにおける前記フレキシブルプリント配線板との接合面とは反対側の面に接する支持板部と、前記支持板部の両側から前記補強板に備えられた前記一対の側板部に沿って伸びる一対の補強用側板部と、前記一対の補強用側板部の先端にそれぞれ設けられ、前記一対の側板部にそれぞれに係合する補強用係合部と、を有する補強用支持部材を備えることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
前記補強用支持部材は、前記端子と前記フレキシブルプリント配線板における配線の露出した部分を覆う覆いを備えることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ付きフレキシブルプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
各種装置に備えられる電気接続部品においては、ワイヤハーネスを利用したものからフレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と称する)を利用したものへの置き換えが進んでいる。これらには電気接続を行うためのコネクタが設けられているが、前者における配線とコネクタとの接合強度に比べて、後者におけるFPCとコネクタとの接合強度の方が低い傾向がある。特に、車載用途の場合、組み立て時だけでなく、車の利用時における振動や衝撃が作用するため、接合強度を高める要求が高まっており、30極程度のコネクタの場合、50N程度の接合強度が求められている。
【0003】
図17及び図18を参照して、従来技術に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、「コネクタ付きFPC500」と称する)について説明する。図17及び図18は従来技術に係るコネクタ付きFPC500の概略構成図である。なお、図17はコネクタ付きFPC500におけるコネクタ付近を示す平面図である。図18(a)はコネクタ付きFPC500におけるコネクタ付近を示す側面図であり、同図(b)は図17中のDD断面図である。
【0004】
コネクタ付きFPC500は、FPC510と、FPC510に接合されるコネクタ520と、FPC510におけるコネクタ520との接合部分の反対側の面において、FPC510に固定される補強板530とを備えている。
【0005】
FPC510は、金属箔(銅箔など)がエッチングされることで得られる複数の配線511と、配線511の両面を覆う樹脂フィルム512とを備えている。なお、図17においては、配線511を透視して点線にて示している。コネクタ520は、ハウジング521と、複数の配線511にそれぞれ接続される複数の端子522とを備えている。複数の配線511と複数の端子522が半田により接合されることで、FPC510にコネクタ520が接合される。しかしながら、複数の配線511と複数の端子522との接合だけでは、FPC510とコネクタ520との接合力は弱いため、補強板530が設けられると共に、コネクタ520に、FPC510を貫通する接合用突起523が複数設けられている。これら複数の接合用突起523は、ハウジング521における突起保持部521aに一体的に設けられている。そして、これら複数の接合用突起523は、FPC510にコネクタ520が配されることで、FPC510を貫通し、補強板530に設けられた複数の貫通孔531に嵌るように構成されている。また、FPC510のうち、接合用突起523が貫通する貫通孔の周囲に噴流半田付けを行うことで、接合力が高められている。以上の構成を採用することで、FPC510とコネクタ520との接合力を高めることができる。
【0006】
しかしながら、コネクタ付きFPC500が振動や衝撃を受けた際に、FPC510の破損をより一層抑制することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-108387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、コネクタとの接合部分付近のフレキシブルプリント配線板の破損を抑制することのできるコネクタ付きフレキシブルプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0010】
すなわち、本発明のコネクタ付きフレキシブルプリント配線板は、
フレキシブルプリント配線板と、
前記フレキシブルプリント配線板に備えられる配線と接続される端子を有し、前記フレキシブルプリント配線板に接合されるコネクタと、
前記フレキシブルプリント配線板における前記コネクタとの接合部分の反対側の面において、前記フレキシブルプリント配線板に固定される補強板と、
を備えるコネクタ付きフレキシブルプリント配線板であって、
前記コネクタは、前記フレキシブルプリント配線板を貫通する接合用突起を有すると共に、
前記配線と前記端子との接合、及び前記接合用突起とは別に、前記コネクタが前記フレキシブルプリント配線板から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ストッパ構造を備えることで、振動や衝撃が作用しても、コネクタがフレキシブルプリント配線板から離れてしまうことを抑制することができる。
【0012】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタにおける前記フレキシブルプリント配線板との接合面とは反対側の面に接する支持板部と、前記支持板部の両側から前記補強板に向かって伸びる一対の側板部と、前記一対の側板部の先端にそれぞれ設けられ、前記補強板に係合する係合部と、を有する支持部材を備えるとよい。
【0013】
このように構成される支持部材を備えることで、コネクタがフレキシブルプリント配線板から離れてしまうことを抑制することができる。
【0014】
前記支持部材は、前記端子と前記フレキシブルプリント配線板における配線の露出した部分を覆う覆いを備えるとよい。
【0015】
これにより、誤って端子や配線に手指などが触れてしまうことを抑制することができ、かつ、端子や配線に水滴が付着して短絡してしまうことも抑制することができる。
【0016】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタの側壁面に沿って伸びる一対の側板部と、前記一対の側板部の先端にそれぞれ設けられ、前記コネクタの側壁面に係合する係合部と、を備え、
前記一対の側板部と前記係合部は、前記補強板に備えられることも好適である。
【0017】
このような補強板を採用することによっても、コネクタがフレキシブルプリント配線板から離れてしまうことを抑制することができる。
【0018】
前記ストッパ構造は、
前記コネクタにおける前記フレキシブルプリント配線板との接合面とは反対側の面に接する支持板部と、前記支持板部の両側から前記補強板に備えられた前記一対の側板部に沿って伸びる一対の補強用側板部と、前記一対の補強用側板部の先端にそれぞれ設けられ、
前記一対の側板部にそれぞれに係合する補強用係合部と、を有する補強用支持部材を備えるとよい。
【0019】
これにより、より一層、コネクタがフレキシブルプリント配線板から離れてしまうことを抑制することができる。
【0020】
前記補強用支持部材は、前記端子と前記フレキシブルプリント配線板における配線の露出した部分を覆う覆いを備えるとよい。
【0021】
これにより、誤って端子や配線に手指などが触れてしまうことを抑制することができ、かつ、端子や配線に水滴が付着して短絡してしまうことも抑制することができる。
【0022】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、コネクタとの接合部分付近の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の実施例1に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図2図2は本発明の実施例1に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図3図3は本発明の実施例1に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図4図4は本発明の実施例1に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図5図5は本発明の実施例1に係る支持部材の正面図である。
図6図6は本発明の実施例2に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図7図7は本発明の実施例2に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図8図8は本発明の実施例2に係る補強板の正面図である。
図9図9は本発明の実施例3に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図10図10は本発明の実施例3に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図11図11は本発明の実施例3に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板における要部の概略構成図である。
図12図12は本発明の実施例4に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図13図13は本発明の実施例4に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図14図14は本発明の実施例4に係る補強用支持部材の模式的断面図である。
図15図15は本発明の実施例5に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図16図16は本発明の実施例5に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図17図17は従来技術に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
図18図18は従来技術に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0026】
(実施例1)
図1図5を参照して、本発明の実施例1に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、コネクタ付きFPC100と称する)について説明する。図1図4は本発明の実施例1に係るコネクタ付きFPC100の概略構成図である。なお、図1(a)はコネクタ付きFPC100におけるコネクタ付近を示す平面図であり、同図(b)は図1(a)から支持部材を取り外した状態を示す図である。図2(a)はコネクタ付きFPC100におけるコネクタ付近を示す裏面図であり、同図(b)は図2(a)から支持部材を取り外した状態を示す図である。図3(a)はコネクタ付きFPC100におけるコネクタ付近を示す側面図であり、同図(b)は図3(a)から支持部材を取り外した状態を示す図である。図4図1(a)中のAA断面図である。図5は本発明の実施例1に係る支持部材の正面図である。
【0027】
コネクタ付きFPC100は、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC110と称する)と、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130とを備えている。補強板130は、分厚いポリイミドフィルム、アルミニウムやステンレス等の金属板、又はガラスエポキシ板など、剛性の高い部材により構成される。
【0028】
FPC110は、金属箔(銅箔など)がエッチングされることで得られる複数の配線111と、配線111の両面を覆う樹脂フィルム112とを備えている。なお、図1及び図2においては、配線111を透視して点線にて示している。コネクタ120は、ハウジング121と、複数の配線111にそれぞれ接続される複数の端子122とを備えている。
【0029】
従来技術の中で説明したように、複数の配線111と複数の端子122との接合だけでは、FPC110とコネクタ120との接合力は弱い。そこで、本実施例では、補強板130が設けられると共に、コネクタ120に、FPC110を貫通する金属製の接合用突起123が複数設けられている。これら複数の接合用突起123は、ハウジング121における突起保持部121aに一体的に設けられている。例えば、複数の端子122と複数の接合用突起123をインサート部品として、インサート成形により樹脂製のハウジング121を成形することによって、コネクタ120を得ることができる。そして、複数の接合用突起123は、FPC110にコネクタ120が配されることで、FPC110を貫通するように構成されている。また、FPC110のうち、接合用突起123が貫通する貫通孔の周囲に噴流半田付けを行うことで、接合力が高められている。以上の構成を採用することで、FPC110とコネクタ120との接合力を高めることができる。
【0030】
そして、本実施例においては、配線111と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えている。
【0031】
本実施例に係るストッパ構造は、樹脂や金属などの材料からなる支持部材140を備えている。この支持部材140は、支持板部141と、支持板部141の両側に設けられる
一対の側板部142と、一対の側板部の先端にそれぞれ設けられる係合部としての係合爪143とを備えている。支持板部141は、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)におけるFPC110との接合面とは反対側の面に接するように構成される。一対の側板部142は、支持板部141の両側から補強板130に向かって伸びるように構成されている。また、一対の係合爪143は、補強板130に係合するように構成されている。
【0032】
<本実施例に係るコネクタ付きFPC100の優れた点>
本実施例に係るコネクタ付きFPC100においては、上記のように構成される支持部材140を備える構成を採用したことで、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことを抑制することができる。このように、コネクタ付きFPC100においては、ストッパ構造を備えることで、振動や衝撃が作用しても、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことを抑制することができる。従って、コネクタ120との接合部分付近のFPC110の破損を抑制することができる。
【0033】
(実施例2)
図6図8には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、ストッパ構造が上記実施例1と異なる場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0034】
図6図8を参照して、本発明の実施例2に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、コネクタ付きFPC100Aと称する)について説明する。図6及び図7は本発明の実施例2に係るコネクタ付きFPC100Aの概略構成図である。なお、図6(a)はコネクタ付きFPC100Aにおけるコネクタ付近を示す平面図であり、同図(b)はコネクタ付きFPC100Aにおけるコネクタ付近を示す裏面図である。図7はコネクタ付きFPC100Aにおけるコネクタ付近を示す側面図である。図8は本発明の実施例2に係る補強板の正面図である。
【0035】
コネクタ付きFPC100Aは、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC110と称する)と、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130Aとを備えている。補強板130Aは、樹脂や金属などの材料により構成される。
【0036】
FPC110とコネクタ120については、実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。そして、本実施例においても、配線111と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えている。
【0037】
本実施例に係るストッパ構造について説明する。本実施例に係る補強板130Aは、一対の側板部132Aと、一対の側板部132Aの先端にそれぞれ設けられる係合部としての係合爪133Aとを備える点で、実施例1における補強板130の構成と異なっている。一対の側板部132Aは、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)の側壁面に沿って伸びるように構成されている。一対の係合爪133Aは、コネクタ120の側壁面に係合するように構成されている。なお、本実施例においては、一対の係合爪133Aは、ハウジング121における突起保持部121aに係合するように構成されている。ここでは、係合爪133Aが突起保持部121aに係合する構成を示したが、例えば、ハウジング121に溝や穴を設けて、これらに係合爪133Aが係合する構成を採用することもできる。以上のように、本実施例に係るストッパ構造は、補強板130Aに設けられた係合爪133Aがコネクタ120の側壁面に係合する構成である。
【0038】
<本実施例に係るコネクタ付きFPC100Aの優れた点>
本実施例に係るコネクタ付きFPC100Aにおいては、上記のように構成される補強板130Aを備える構成を採用したことで、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことを抑制することができる。このように、コネクタ付きFPC100Aにおいては、ストッパ構造を備えることで、振動や衝撃が作用しても、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことを抑制することができる。従って、コネクタ120との接合部分付近のFPC110の破損を抑制することができる。
【0039】
(実施例3)
図9図11には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、実施例2の構成に加えて、補強用支持部材を備える構成を示す。その他の構成および作用については実施例2と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0040】
図9図11を参照して、本発明の実施例3に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、コネクタ付きFPC100Bと称する)について説明する。図9及び図10は本発明の実施例3に係るコネクタ付きFPC100Bの概略構成図である。なお、図9(a)はコネクタ付きFPC100Bにおけるコネクタ付近を示す平面図であり、同図(b)はコネクタ付きFPC100Bにおけるコネクタ付近を示す裏面図である。図10はコネクタ付きFPC100Bにおけるコネクタ付近を示す側面図である。図11は本発明の実施例3に係る補強板と補強用支持部材についての説明図であり、同図(a)は補強板の正面図、同図(b)は補強板の側面図、同図(c)は補強板に補強用支持部材を取り付けた状態を示す正面図である。なお、図11においては、補強板と補強用支持部材以外の構成は省略している。
【0041】
コネクタ付きFPC100Bは、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC110と称する)と、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130Bとを備えている。補強板130Bは、樹脂や金属などの材料により構成される。
【0042】
FPC110とコネクタ120については、実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。そして、本実施例においても、配線111と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えている。
【0043】
本実施例に係るストッパ構造について説明する。本実施例に係る補強板130Bは、実施例2と同様に、一対の側板部132Bと、一対の側板部132Bの先端にそれぞれ設けられる係合部としての係合爪133Bとを備えている。一対の側板部132Bは、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)の側壁面に沿って伸びるように構成されている。一対の係合爪133Bは、コネクタ120の側壁面に係合するように構成されている。なお、本実施例においては、一対の係合爪133Bは、ハウジング121における突起保持部121aに係合するように構成されている。ここでは、係合爪133Bが突起保持部121aに係合する構成を示したが、例えば、ハウジング121に溝や穴を設けて、これらに係合爪133Bが係合する構成を採用することもできる。
【0044】
そして、本実施例に係るストッパ構造においては、補強用支持部材150を備える点で、実施例2と異なっている。補強用支持部材150は、支持板部151と、支持板部151の両側にそれぞれ設けられる一対の補強用側板部152と、一対の補強用側板部152の先端にそれぞれ設けられる補強用係合部としての係合爪153とを備えている。支持板
部151は、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)におけるFPC110との接合面とは反対側の面に接するように構成されている。また、一対の補強用側板部152は、支持板部151の両側から補強板130Bに備えられた一対の側板部132Bに沿って伸びるように構成されている。
【0045】
本実施例に係る補強板130Bにおいては、側板部132Bに、係合爪153に係合される溝134Bが設けられている。これにより、補強用支持部材150の係合爪153が溝134Bに係合されることで、補強板130Bにおける係合爪133Bの突起保持部121aへの係合が外れてしまうことを抑制することができる。
【0046】
以上のように、本実施例に係るストッパ構造は、補強板130Bに設けられた係合爪133Bがコネクタ120の側壁面に係合し、かつ、補強用支持部材150の係合爪153が補強板130Bの側板部132Bに係合する構成である。
【0047】
<本実施例に係るコネクタ付きFPC100Bの優れた点>
本実施例に係るコネクタ付きFPC100Bにおいては、上記のように構成される補強板130Bと補強用支持部材150を備える構成を採用したことで、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことをより一層抑制することができる。このように、コネクタ付きFPC100Bにおいては、ストッパ構造を備えることで、振動や衝撃が作用しても、コネクタ120がFPC110から離れてしまうことを抑制することができる。従って、コネクタ120との接合部分付近のFPC110の破損を抑制することができる。
【0048】
(実施例4)
図12図14には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、実施例3で示した補強用支持部材の構成が異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例3と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0049】
図12図14を参照して、本発明の実施例4に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、コネクタ付きFPC100Cと称する)について説明する。図12及び図13は本発明の実施例4に係るコネクタ付きFPC100Cの概略構成図である。なお、図12(a)はコネクタ付きFPC100Cにおけるコネクタ付近を示す平面図であり、同図(b)はコネクタ付きFPC100Cにおけるコネクタ付近を示す裏面図である。図13はコネクタ付きFPC100Cにおけるコネクタ付近を示す側面図である。図14は本発明の実施例4に係る補強用支持部材の模式的断面図である。なお、図14図12(a)中の補強用支持部材のBB断面図に相当する。
【0050】
コネクタ付きFPC100Cは、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC110と称する)と、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130Bとを備えている。
【0051】
FPC110とコネクタ120と補強板130Bについては、実施例1及び実施例3で説明した通りであるので、その説明は省略する。そして、本実施例においても、配線111と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えている。
【0052】
本実施例に係るストッパ構造について説明する。本実施例に係るストッパ構造においては、補強用支持部材160の構成が上記実施例3と異なっている。補強用支持部材160は、支持板部161と、支持板部161の両側にそれぞれ設けられる一対の第1の補強用
側板部162及び一対の第2の補強用側板部162aと、一対の第2の補強用側板部162aの先端にそれぞれ設けられる補強用係合部としての係合爪163とを備えている。そして、本実施例においては、支持板部161と一対の第1の補強用側板部162の一端側に、これらと接続するように第3の補強用側板部164が設けられている。
【0053】
支持板部161は、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)におけるFPC110との接合面とは反対側の面に接するように構成されている。また、第2の補強用側板部162aは、支持板部161の両側から補強板130Bに備えられた一対の側板部132Bに沿って伸びるように構成されている。なお、一対の第1の補強用側板部162及び一対の第2の補強用側板部162aは分離されているため、一対の第2の補強用側板部162aは可撓性を有している。これにより、実施例3と同様に、補強用支持部材160の係合爪163が溝134Bに係合されることで、補強板130Bの係合爪133Bの突起保持部121aへの係合が外れてしまうことを抑制することができる。以上のように、本実施例に係るストッパ構造は、実施例3と同様である。
【0054】
そして、本実施例においては、支持板部161と、一対の第1の補強用側板部162と、第3の補強用側板部164とによって、端子122とFPC110における配線111の露出した部分を覆う覆いとしての機能が発揮される。
【0055】
<本実施例に係るコネクタ付きFPC100Cの優れた点>
本実施例に係るコネクタ付きFPC100Cにおいては、上記実施例3と同様の効果を発揮する。また、本実施例においては、端子122とFPC110における配線111の露出した部分が補強用支持部材160によって覆われる。これにより、誤って端子122や配線111に手指などが触れてしまうことを抑制することができる。また、端子122や配線111に水滴が付着して短絡してしまうことも抑制することができる。
【0056】
(実施例5)
図15及び図16には、本発明の実施例5が示されている。本実施例においては、支持部材の構成が実施例1と異なる構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
【0057】
図15及び図16を参照して、本発明の実施例5に係るコネクタ付きフレキシブルプリント配線板(以下、コネクタ付きFPC100Dと称する)について説明する。図15及び図16は本発明の実施例5に係るコネクタ付きFPC100Dの概略構成図である。なお、図15(a)はコネクタ付きFPC100Dにおけるコネクタ付近を示す平面図であり、同図(b)はコネクタ付きFPC100Dにおけるコネクタ付近を示す裏面図である。図16(a)はコネクタ付きFPC100Dにおけるコネクタ付近を示す側面図であり、同図(b)は本発明の実施例5に係る支持部材の模式的断面図である。なお、図16(b)は図15(a)中の支持部材のCC断面図に相当する。
【0058】
コネクタ付きFPC100Dは、フレキシブルプリント配線板(以下、FPC110と称する)と、FPC110に接合されるコネクタ120と、FPC110におけるコネクタ120との接合部分の反対側の面において、FPC110に固定される補強板130とを備えている。
【0059】
FPC110とコネクタ120と補強板130については、実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。そして、本実施例においても、配線111と端子122との接合、及び接合用突起123とは別に、コネクタ120がFPC110から離れる方向への移動を規制するストッパ構造を備えている。
【0060】
本実施例に係るストッパ構造について説明する。本実施例に係るストッパ構造においては、支持部材140Dの構成が上記実施例1と異なっている。支持部材140Dは、支持板部141Dと、支持板部141Dの両側にそれぞれ設けられる一対の第1の側板部142D及び一対の第2の側板部142Daと、一対の第2の側板部142Daの先端にそれぞれ設けられる係合部としての係合爪143Dとを備えている。そして、本実施例においては、支持板部141Dと一対の第1の側板部142Dの一端側に、これらと接続するように第3の側板部144Dが設けられている。
【0061】
支持板部141Dは、コネクタ120(より具体的にはコネクタ120のハウジング121)におけるFPC110との接合面とは反対側の面に接するように構成されている。また、第2の側板部142Daは、支持板部141Dの両側から補強板130に向かって伸びるように構成されている。なお、一対の第1の側板部142D及び一対の第2の側板部142Daは分離されているため、一対の第2の側板部142Daは可撓性を有している。これにより、実施例1と同様に、支持部材140Dの係合爪143Dが補強板130に係合される。以上のように、本実施例に係るストッパ構造は、実施例1と同様である。
【0062】
そして、本実施例においては、支持板部141Dと、一対の第1の側板部142Dと、第3の側板部144Dとによって、端子122とFPC110における配線111の露出した部分を覆う覆いとしての機能が発揮される。なお、図15(a)においては、支持部材140の内側のコネクタ120について透視して点線にて示しており、図16においては、端子122のみを透視して点線にて示している。
【0063】
<本実施例に係るコネクタ付きFPC100Dの優れた点>
本実施例に係るコネクタ付きFPC100Dにおいては、上記実施例1と同様の効果を発揮する。また、本実施例においては、端子122とFPC110における配線111の露出した部分が支持部材140Dによって覆われる。これにより、誤って端子122や配線111に手指などが触れてしまうことを抑制することができる。また、端子122や配線111に水滴が付着して短絡してしまうことも抑制することができる。
【符号の説明】
【0064】
100,100A,100B,100C,100D:コネクタ付きFPC
110:FPC
111:配線
112:樹脂フィルム
120:コネクタ
121:ハウジング
121a:突起保持部
122:端子
123:接合用突起
130,130A,130B:補強板
132A,132B:側板部
133A,133B:係合爪
134B:溝
140,140D:支持部材
141,141D:支持板部
142:側板部
142D:第1の側板部
142Da:第2の側板部
143,143D:係合爪
144D:第3の側板部
150:補強用支持部材
151:支持板部
152:補強用側板部
153:係合爪
160:補強用支持部材
161:支持板部
162:第1の補強用側板部
162a:第2の補強用側板部
163:係合爪
164:第3の補強用側板部
図1
図2
図3
図4
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