IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライオン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-液体洗浄剤物品 図1
  • 特開-液体洗浄剤物品 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093419
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】液体洗浄剤物品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240702BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240702BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/30
C11D1/22
C11D3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209789
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】大塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】森田 遥
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003EB03
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB14
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA08
4H003FA12
4H003FA14
4H003FA16
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】過度な黄変の抑制と、日光曝露時の色素退色の抑制を両立し、均一な外観を維持できる液体洗浄剤物品の提供。
【解決手段】(A)成分:波長400~550nmに吸光度のピークを有する水溶性の色素製剤、(B)成分:酸化防止剤、(C)成分:アルカノールアミン、及び(D)成分:界面活性剤を含有する液体洗浄剤が、無色透明又は無色半透明の容器に充填された液体洗浄剤物品であって、液体洗浄剤は波長400~550nmに吸光度のピークを有し、液体洗浄剤の極大吸収波長(W)の吸光度が0.03以上であるときに、所定の日光曝露試験を行ったときの下記式より求められる吸光度の維持率が50%以上である液体洗浄剤物品。
吸光度の維持率(%)=(極大吸収波長(W)における日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度/極大吸収波長(W)における日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度)×100
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:波長400~550nmに吸光度のピークを有する水溶性の色素製剤と、
(B)成分:酸化防止剤と、
(C)成分:アルカノールアミンと、
(D)成分:界面活性剤と、
を含有する液体洗浄剤が、無色透明又は無色半透明の容器に充填された液体洗浄剤物品であって、
前記液体洗浄剤は、波長400~550nmに吸光度のピークを有し、
前記液体洗浄剤の極大吸収波長(W)の吸光度が0.03以上であるときに、300~400nmの波長において積算露光量が15MJ/mとなるまで日光曝露試験を行ったときの下記式(i)より求められる吸光度の維持率が50%以上である、液体洗浄剤物品。
吸光度の維持率(%)=(極大吸収波長(W)における日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度/極大吸収波長(W)における日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度)×100 ・・・(i)
【請求項2】
前記(D)成分が(D1-1)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の少なくとも一方を含み、
前記(D1-1)成分/前記(D)成分で表される質量比が0.16~0.36である、請求項1に記載の液体洗浄剤物品。
【請求項3】
前記(D)成分の含有量が、前記液体洗浄剤の総質量に対して35質量%以上である、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤物品。
【請求項4】
前記(B)成分が、ジブチルヒドロキシトルエン及びL-アスコルビン酸の少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤物品。
【請求項5】
前記容器が、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾオキサジノン構造を有する紫外線吸収剤を含有する、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤物品に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類等を洗浄対象とする繊維製品用の洗浄剤としては、粉末洗浄剤と液体洗浄剤との2種が一般的である。液体洗浄剤は、溶け残りの懸念がないことや衣類等に塗布して使用できることから、その需要が高まっている。
【0003】
液体洗浄剤の審美性の向上や、キャップ計量、詰替えパウチからボトルに詰替えを容易に行うなどの目的で、液体洗浄剤に色素を配合して液体洗浄剤を着色する場合がある。例えば、特許文献1には、ノニオン界面活性剤と、キノン骨格を有する色素とを含有する液体洗浄剤が、透明又は半透明の容器に充填された洗浄剤製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-42336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体洗浄剤を収容する容器には、通常、印刷やラベル貼付により成分等が表示されるが、無色透明又は無色半透明の容器を用いる場合は、液体洗浄剤の色合いに合わせた印刷やラベル貼付することもできる。
しかしながら、無色透明又は無色半透明の容器に着色された液体洗浄剤を充填する場合、日光曝露により色素が退色するという問題がある。特に、界面活性剤として、色調値が高い直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が液体洗浄剤に含まれていると、色素の退色が促進される傾向にある。液体洗浄剤に含まれる色素が退色すると、液体洗浄剤の色合いに合わせた印刷やラベルの色彩や見栄えに影響を及ぼし、印刷やラベルが視認しにくくなることがある。
【0006】
また、液体洗浄剤は、保存中に黄変等の変色を生じることがある。特に、液体洗浄剤を高温環境下で保存する場合や、液体洗浄剤がモノエタノールアミン等の窒素含有化合物や香料を含有する場合、黄変しやすい傾向にある。
例えば黄色や橙色に着色した液体洗浄剤であれば、寒色系に着色した液体洗浄剤に比べて黄変は目立ちにくい。また、黄色や橙色に着色した液体洗浄剤の場合、黄変は黄色味を補填する効果がある。しかし、過度に黄変したり退色したりすると、黄色や橙色に着色した液体洗浄剤であっても見た目への影響が生じる。
【0007】
本発明は、過度な黄変の抑制と、日光曝露時の色素退色の抑制を両立し、均一な外観を維持できる液体洗浄剤物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を有する。
[1] (A)成分:400~550nmに吸光度のピークを有する水溶性の色素製剤と、
(B)成分:酸化防止剤と、
(C)成分:アルカノールアミンと、
(D)成分:界面活性剤と、
を含有する液体洗浄剤が、無色透明又は無色半透明の容器に充填された液体洗浄剤物品であって、
前記液体洗浄剤は、波長400~550nmに吸光度のピークを有し、
前記液体洗浄剤の極大吸収波長(W)の吸光度が0.03以上であるときに、300~400nmの波長において積算露光量が15MJ/mとなるまで日光曝露試験を行ったときの下記式(i)より求められる吸光度の維持率が50%以上である、液体洗浄剤物品。
吸光度の維持率(%)=(極大吸収波長(W)における日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度/極大吸収波長(W)における日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度)×100 ・・・(i)
[2] 前記(D)成分の含有量が、前記液体洗浄剤の総質量に対して35質量%以上である、前記[1]の液体洗浄剤物品。
[3] 前記(D)成分が(D1-1)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の少なくとも一方を含み、
前記(D1-1)成分/前記(D)成分で表される質量比が0.16~0.36である、前記[1]又は[2]の液体洗浄剤物品。
[4] 前記(B)成分が、ジブチルヒドロキシトルエン及びL-アスコルビン酸の少なくとも一方を含む、前記[1]~[3]のいずれかの液体洗浄剤物品。
[5] 前記容器が、ベンゾトリアゾール構造又はベンゾオキサジノン構造を有する紫外線吸収剤を含有する、前記[1]~[4]のいずれかの液体洗浄剤物品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、過度な黄変の抑制と、日光曝露時の色素退色の抑制を両立し、均一な外観を維持できる液体洗浄剤物品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の液体洗浄剤物品の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の液体洗浄剤物品の他の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体洗浄剤物品は、以下に示す液体洗浄剤が、無色透明又は無色半透明の容器に充填された液体洗浄剤製品である。
【0012】
[液体洗浄剤]
<色>
液体洗浄剤は、波長400~550nmに吸光度のピークを有する。すなわち、液体洗浄剤は、マンセル色相環の5YRから5Yの範囲に含まれる色に着色している。液体洗浄剤の色の一例としては、橙色、黄色等が挙げられる。
液体洗浄剤の色は、後述する(A)成分の種類や含有量等によって調節できる。
液体洗浄剤の吸光度は、UV-Vis分光光度計を用いて測定される。
【0013】
液体洗浄剤は、審美性により優れる観点から、透明で均一であることが好ましい。
本明細書において、「液体洗浄剤が透明である」とは、有色透明であることを意味し、具体的には、黄色や橙色に呈色した液体洗浄剤が吸光度を示さない波長750~800nmの範囲において、最小透過率(%Tmin)が80%T以上であることを意味する。
%Tmin値は、U-3900分光光度計(60mmφ積分球、株式会社日立製作所製)を用いて750~800nmの波長領域における透過率を測定したときの最小透過率である。
また、本明細書において、「液体洗浄剤が均一である」とは、液体洗浄剤を30日間放置しても、析出、沈殿、相分離が起こらない、又は、析出、沈殿、相分離の1つ以上が起きても、25℃で30分静置すれば析出、沈殿、相分離が解消されることを意味する。
【0014】
<吸光度の維持率>
液体洗浄剤は、以下の条件を満たす。
液体洗浄剤の極大吸収波長(W)の吸光度が0.03以上であるときに、300~400nmの波長において積算露光量が15MJ/mとなるまで日光曝露試験を行ったときの下記式(i)より求められる吸光度の維持率が50%以上である。
日光曝露試験では、300~400nmの波長において積算露光量が15MJ/mとなるまで、後述の容器に充填された状態の液体洗浄剤に太陽光を照射する。
吸光度の維持率(%)=(極大吸収波長(W)における日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度/極大吸収波長(W)における日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度)×100 ・・・(i)
なお、式(i)中の「液体洗浄剤の極大吸収波長(W)」とは、日光曝露試験前の液体洗浄剤の波長400~550nmにおける極大吸収波長を意味する。
【0015】
吸光度の維持率が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤が日光曝露されても色素退色が抑制されていることを意味する。よって、容器に液体洗浄剤の色合いに合わせた印刷やラベル貼付が施されていても、印刷やラベルの色彩や見栄えを良好に維持できる。また、印刷やラベルの視認性も良好に維持できる。
吸光度の維持率は、50%以上であり、60%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、100%であってもよい。
なお、液体洗浄剤の極大吸収波長(W)の吸光度が0.03以上であれば、液体洗浄剤の製造直後でも、経過後であっても、吸光度の維持率は同様の傾向を示す。
吸光度の維持率は、後述する(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の組み合わせと、(A)成分の種類等によって調節できる。
【0016】
<組成>
液体洗浄剤は、以下に示す(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを含有する組成物、すなわち液体洗浄剤組成物である。
液体洗浄剤は、水を含有していてもよい。また、液体洗浄剤は、必要に応じて(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び水以外の成分(任意成分)をさらに含有してもよい。
【0017】
((A)成分)
(A)成分は、400~550nmに吸光度のピークを有する水溶性の色素製剤である。
液体洗浄剤が(A)成分を含有することで、液体洗浄剤は波長400~550nmに吸光度のピークを有するものとなり、マンセル色相環の5YRから5Yの範囲に含まれる色に呈色する。
本発明において「水溶性の色素製剤」とは、水に可溶であり、水を着色する染料を意味する。また、「可溶」とは、25℃の水1000mLに対して0.01g以上溶解することを意味する。
なお、色素は水溶性と油溶性に大別される。油溶性色素は水に溶解しにくいため、油溶性色素を用いると液体洗浄剤の製造時に沈殿等が生じやすく、ハンドリング性が低下する。
【0018】
水溶性の色素製剤は、色素を含む製剤である。色素は、粉体の状態で製剤中に存在していてもよいし、水や有機溶剤等の溶剤に溶解した溶液(以下、「色素溶液」ともいう。)の状態で存在していてもよい。すなわち、水溶性の色素製剤は、色素に加えて、溶剤等を含んでいてもよい。
水溶性の色素製剤には、必要に応じて、色素及び溶剤以外の成分(以下、「他の成分」ともいう。)が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば防腐剤、電解質、界面活性剤、分散剤、pH調整剤、pH緩衝剤等が挙げられる。
色素が粉体の状態で製剤中に存在している場合、水溶性の色素製剤の総質量に対する色素の含有量は、通常、70~100質量%程度である。
色素が色素溶液の状態で製剤中に存在している場合、色素溶液の総質量に対する色素の含有量は、通常、1~50質量%程度である。
【0019】
(A)成分としては、例えば黄色407号(CI Number:C.I.18820)、マツミンネオカラー ゴールドイエローMFR、Nylosan Orange S-3R srg、Liquitint(登録商標) BRILLIANT ORANGE(Liquitint(登録商標) ブリリアント オレンジ)、Liquitint(登録商標) RED ET(Liquitint (登録商標) レッド ET)等が挙げられる。これらの中でも、Liquitint(登録商標) BRILLIANT ORANGEが好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、本明細書において、「C.I.」は、カラーインデックスの略である。
【0020】
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.0000001~0.06質量%が好ましく、0.0000005~0.04質量%がより好ましく、0.000001~0.02質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤を十分に着色できる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば、洗濯時に繊維製品への染色を低減できる。
色素が粉体の状態で製剤中に存在している場合、色素粉体の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.0000001~0.03質量%が好ましく、0.0000005~0.02質量%がより好ましく、0.000001~0.01質量%がさらに好ましい。
水溶性の色素が色素溶液の状態で製剤中に存在している場合、色素溶液の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.00001~0.06質量%が好ましく、0.00005~0.04質量%がより好ましく、0.0001~0.02質量%がさらに好ましい。
【0021】
<(B)成分>
(B)成分は、酸化防止剤である。
(B)成分は、日光曝露時の(A)成分の退色を抑制できる。加えて、(B)成分は酸化防止反応後に黄色に呈色するので、黄色味を補填する効果がある。さらに、液体洗浄剤が(B)成分を含むことで、液体洗浄剤を収容する容器のヘッドスペース中の酸素の吸収を抑制できる。
【0022】
(B)成分としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤;dl-α-トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤;L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸カルシウム等のビタミンC系酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、モノフェノール系酸化防止剤、ビタミンC系酸化防止剤が好ましい。モノフェノール系酸化防止剤の中では、ジブチルヒドロキシトルエンがより好ましい。ビタミンC系酸化防止剤の中では、L-アスコルビン酸がより好ましい。(A)成分の退色の抑制効果を高め、かつ、保存中に容器が凹むことを抑制できる観点から、(B)成分しては、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。
(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0023】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~2質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましく、0.01~0.5質量%がさらに好ましく、0.02~0.1質量%が特に好ましく、0.02~0.07質量%が最も好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、(A)成分の退色をより抑制できる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤を低温(例えば-5℃以下)で保存しても(B)成分が析出しにくく、安定性(以下、「低温安定性」ともいう。)を良好に維持できる。加えて、酸化防止反応後に適度に黄変するので、黄色味を補填する効果が十分に得られる。ここで、「適度に黄変する」とは、液体洗浄剤の色味(例えば黄色や橙色)に影響を与えにくく、液体洗浄剤の見た目の印象を妨げない程度に黄変することを意味する。
【0024】
<(C)成分>
(C)成分は、アルカノールアミンである。
(C)成分は、中和剤(pH調整剤)の役割を果たす。(C)成分は、低温でも安定して液体洗浄剤に溶解しており、析出しにくい(すなわち、低温安定性に優れる)。そのため、液体洗浄剤を低温で保存しても、均一な外観を維持できる。
なお、水酸化ナトリウムはpH調整剤として液体洗浄剤に汎用される成分として知られている。水酸化ナトリウムは黄変しにくいものの、低温で析出しやすい傾向にあり、液体洗浄剤を低温で保存する場合、低温安定性が低下する。
また、(C)成分は、経時に伴い黄変する。特に、高温環境下(例えば50℃以上)で黄変しやすい傾向にあり、(C)成分の適度な黄変は、黄色味を補填する効果がある。
【0025】
アルカノールアミンは、有機アミンのうち、分子内に1つ以上のヒドロキシアルキル基を有する化合物である。アルカノールアミンが有するヒドロキシアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、2~6がより好ましい。
アルカノールアミンは、モノアルカノールアミンであってもよく、ジアルカノールアミンであってもよく、トリアルカノールアミンであってもよい。
【0026】
(C)成分としては、例えばモノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等のモノアルカノールアミン;ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミン;トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミンなどが挙げられる。
これらの中でも、(C)成分としては、モノアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミンがより好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0027】
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して1~4.5質量%が好ましく、1.5~4質量%がより好ましく、2~3質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤のpHを所望の値に調整しやすい。(C)成分の含有量が上記上限値以下であれば、低温安定性を良好に維持できる。加えて、(C)成分が適度に黄変するので、黄色味を補填する効果が十分に得られる。
【0028】
<(D)成分>
(D)成分は、界面活性剤である。
液体洗浄剤が(D)成分を含有することで、洗浄力が高まる。
【0029】
(D)成分としては、従来公知の洗浄剤に使用可能な非石けん系界面活性剤が挙げられる。ここで、「非石けん系界面活性剤」とは、高級脂肪酸又はその塩(いわゆる石鹸)を除く界面活性剤である。「高級脂肪酸」とは、炭素数8~24の飽和又は不飽和脂肪酸である。
(D)成分の具体例としては、例えば非石けん系アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤などが挙げられる。
(D)成分として、1種の界面活性剤を用いてもよく、2種以上の界面活性剤を組み合わせてもよい。
洗浄力がより高まる観点から、(D)成分は非石けん系アニオン界面活性剤(以下、「(D1)成分」ともいう。)を含むことが好ましく、(D1)成分とノニオン界面活性剤(以下、「(D2)成分」ともいう。)を含むことがより好ましい。
(D)成分として、(D1)成分及び(D2)成分と、(D1)成分及び(D2)成分以外の界面活性剤(以下、「(D3)成分」ともいう。)とを併用してもよい。
【0030】
((D1)成分)
(D1)成分は、非石けん系アニオン界面活性剤である。
(D1)成分としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩(MES)、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤などが挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
(D1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(D1)成分としては、LAS、AOS、AS、AES、IOSが好ましく、LAS、AES、IOSがより好ましい。液体洗浄剤は、消泡性が高まる観点から、少なくともLASを含むことが好ましく、洗浄力がより高まる観点から、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。
なお、本発明において、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の少なくとも一方を「(D1-1)成分」ともいう。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩の少なくとも一方を「(D1-2)成分」ともいう。
また、本明細書において「消泡性」とは、液体洗浄剤を用いて洗濯する際、具体的には液体洗浄剤が水道水等で希釈されて使用されるときの泡立ちを抑える性質のことである。
【0031】
(D1-1)成分の色調値は150以下が好ましく、110以下がより好ましく、50以下がさらに好ましい。色調値が高いほど褐色味を帯びやすくなる傾向にある。色調値が上記上限値以下であれば、例えば鮮やかな黄色や橙色等の色に着色できる。
(D1-1)成分の色調値の下限値については特に制限されない。
色調値は、有効成分量として(D1-1)成分を10質量%含む水溶液(以下、「LAS水溶液」ともいう。)の吸光度をUV-Vis分光光度計を用いて測定し、波長420nmにおける吸光度の値に1000をかけた数値(波長420nmの吸光度×1000)である。
【0032】
(D1-2)成分としては、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)が挙げられる。
-O-[(EO)/(PO)]-SOM ・・・(1)
(一般式(1)中、Rは、炭素数8~20のアルキル基又は炭素数8~20のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、vはEOの平均繰り返し数を表す0以上の数であり、wはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数であり、Mは対イオンである。)
【0033】
は直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。Rとしては、炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数12~14の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
式(1)においてv=0、w=0である化合物の割合(含有量)は、(D1-2)成分の総質量に対して35~55質量%であることが好ましい。
vは0~5が好ましく、0.1~3がより好ましく、0.5~3がさらに好ましく、0.5~2.5が特に好ましい。
wは0~3が好ましく、0がより好ましい。
v+wは0超の数が好ましく、1~5がより好ましい。
v及びwがそれぞれ0ではない場合、つまり化合物(1)がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法が挙げられる。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
Mとしては、水素原子;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。なお、Mが2価以上の対イオンである場合、Mは1/価数を乗じた数で-SOと結合しているものとする。例えば、Mがマグネシウムイオンの場合、Mの数は1/2である。
【0034】
((D2)成分)
(D2)成分は、ノニオン界面活性剤である。
(D2)成分としては、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
(D2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0035】
(D2)成分としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましく、その中でも特に、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)、下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう。)がより好ましく、化合物(2)がさらに好ましい。
【0036】
-O-[(EO)p1/(AO)q1]-(EO)r1-R ・・・(2)
(一般式(2)中、Rは炭素数7~22の炭化水素基であり、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、p1はEO平均繰り返し数を示す3~25の数であり、AOはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表し、q1はAOの平均繰り返し数を示す0~20の数であり、r1はEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0037】
の炭化水素基における炭素数は7~22であり、10~22が好ましく、10~20がより好ましく、10~18がさらに好ましく、12~18が特に好ましい。Rは直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。具体的には、Rは直鎖状の炭化水素基であってもよく、分岐鎖状の第1級の炭化水素基及び直鎖状の第2級炭化水素基から選ばれる基であってもよい。
としては、水素原子、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
が直鎖状の炭化水素基の場合、p1+r1は3~30が好ましく、5~18がより好ましく、6~18がさらに好ましく、10~18が特に好ましい。q1は0~6の数が好ましく、0~3がより好ましい。
が分岐鎖状の第1級の炭化水素基及び直鎖状の第2級炭化水素基から選ばれる基である場合、p1+r1は3~10が好ましく、wは0が好ましい。
r1が0の場合、p1は4~20が好ましく、5~16がより好ましく、6~10がさらに好ましい。q1は0~4が好ましく、0~2がより好ましく、0がさらに好ましい。
r1が1以上の場合、p1は4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。q1は1~4が好ましく、2~3がより好ましい。r1は4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。
q1が1以上である場合、[(EO)p1/(AO)q1]において、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
なお、平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
【0038】
-X-[(EO)p2/(AO)q2]-(EO)r2-R ・・・(3)
(一般式(3)中、Rは炭素数7~22の炭化水素基であり、-X-は、-COO-又は-CONH-であり、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、p2はEO平均繰り返し数を示す3~25の数であり、AはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表し、q2はAOの平均繰り返し数を示す0~6の数であり、r2はEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0039】
の炭化水素基における炭素数は7~22であり、9~19が好ましく、11~17がより好ましい。Rは直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。具体的には、Rは直鎖状の炭化水素基であってもよく、分岐鎖状の第1級の炭化水素基及び直鎖の第2級炭化水素基から選ばれる基であってもよい。
-X-としては、-COO-が好ましい。
としては、水素原子、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましい。
r2が0の場合、p2は6~22が好ましく、9~20がより好ましく、12~18がさらに好ましい。q2は0~4が好ましく、0~2がより好ましく、0がさらに好ましい。
r2が1以上の場合、p2は4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。q2は1~4が好ましく、2~3がより好ましい。r2は4~16が好ましく、6~12がより好ましく、8~10がさらに好ましい。
q2が1以上である場合、[(EO)p2/(AO)q2]において、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
【0040】
化合物(3)としては、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが好ましく、特に式(3)におけるRが炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基であり、-X-が-COO-であり、Rがメチル基であり、p2=15であり、q2=0、r2=0である化合物(以下、MEEということがある)がより好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子同士の配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤である。このため、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、高濃度でゲル化等を生じず、仮に1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合されても、水への溶解性を高められると推測される。従って、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含む液体洗浄剤が水に接触すると速やかに分散されて洗浄液となると考えらえる。また洗浄液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度が速やかに均一となり、洗浄初期から適切な濃度の洗浄液と被洗物(繊維製品)とを接触させることができ、その結果、高い洗浄力を発揮できると考えられる。
【0041】
((D3)成分)
(D3)成分は、(D1)成分及び(D2)成分以外の界面活性剤であり、具体的には、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。
(D3)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0042】
カチオン界面活性剤としては、例えばカプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルアルキル3級アミン又はその塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラ短鎖(炭素数1~4のアルキル)アンモニウム塩;オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、オクチルジメチルエチルアンモニウム塩、デシルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウム塩、テトラデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、セチルジメチルエチルアンモニウム塩、ステアリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクチルジエチルメチルアンモニウム塩、デシルジエチルメチルアンモニウム塩、ドデシルジエチルメチルアンモニウム塩、テトラデシルジエチルメチルアンモニウム塩、セチルジエチルメチルアンモニウム塩、ステアリルジエチルメチルアンモニウム塩等の長鎖(炭素数8~18のアルキル)トリ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、N,N-ジデシル-N-メチル-ポリ(オキシエチル)アンモニウム塩、ジドデシルジメチルアンモニウム塩、ジテトラデシルジメチルアンモニウム塩、ジセチルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルメチルエチルアンモニウム塩、ジデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジドデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジテトラデシルメチルエチルアンモニウム塩、ジセチルメチルエチルアンモニウム塩、ジステアリルメチルエチルアンモニウム塩等のジ長鎖(炭素数8~18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)アンモニウム塩;ステアリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム等の長鎖(炭素数8~18のアルキル)ジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)ヒドロキシアルキル(炭素数1又は2)アンモニウム塩;[3(トリメトキシシリル)]プロピル(ジメチル)オクタデシルアンモニウム塩等のトリアルコキシシリルアルキル基(炭素数4~10)を有するジ短鎖(炭素数1又は2のアルキル)長鎖(炭素数8~18のアルキル)アンモニウム塩;アミンナイトレート;ベンジルトリメチルアンモニウム塩;ベンザルコニウム塩;ベンゼトニウム塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0043】
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
両性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0044】
半極性界面活性剤としては、例えばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。
半極性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0045】
(含有量・質量比)
(D)成分の含有量、すなわち、(D1)成分、(D2)成分及び(D3)成分の含有量の合計(以下、「総界面活性剤量」ともいう。)は、液体洗浄剤の総質量に対して35質量%以上が好ましく、35~70質量%がより好ましく、35~65質量%がさらに好ましく、40~60質量%が特に好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤がゲル化しにくく、流動性をより良好に維持できる。
【0046】
(D1)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して6~23質量%が好ましく、8~20質量%がより好ましく、11~18質量%がさらに好ましい。(D1)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力、低温安定性がより高まる。(D1)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の流動性に優れるとともに、色素の退色抑制、液外観の審美性、酵素安定性が向上する。
【0047】
(D1-1)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して5~20質量%が好ましく、6~18質量%がより好ましく、8~15質量%がさらに好ましい。
また、(D1-1)成分/(D)成分で表される質量比(以下、「D1-1/D比」ともいう。)は、0.16~0.36が好ましく、0.16~0.30がより好ましく、0.17~0.28がさらに好ましく、0.18~0.26が特に好ましい。
(D1-1)成分の含有量が上記下限値以上であれば、あるいは、D1-1/D比が上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。加えて、均一な外観を良好に維持できる。
(D1-1)成分は、黄色や褐色に呈していることがある。特に、色調値が高いほど褐色味を帯びやすくなる傾向にある。そのため、(D1-1)成分の含有量が多くなるほど、製造直後の液体洗浄剤が黄変や褐変しやすくなる場合がある。また、(D1-1)成分はその製造過程において混入される還元剤を含む場合があり、この還元剤により(A)成分が退色することがある。さらに、(D1-1)成分は酸性であるため、液体洗浄剤中の(D1-1)成分の含有量が多くなるほど、中和するために(C)成分の含有量も多くなる。しかし、(C)成分は経過時間によって黄変しやすい成分であるため、通常、(C)成分の含有量が多くなるほど、経過時間によって液体洗浄剤が過度に黄変しやすくなる傾向にある。
(D1-1)成分の含有量が上記上限値以下であれば、あるいは、D1-1/D比が上記上限値以下であれば、(D1-1)成分の含有量が十分に低減されており、また、(C)成分の含有量を必要以上に増やす必要がないため、液体洗浄剤の過度な黄変及び色素退色をより抑制できる。
【0048】
(D2)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10~40質量%が好ましく、15~38質量%がより好ましく、20~36質量%がさらに好ましい。(D2)成分の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。(D2)成分の含有量が上記上限値以下であれば、低温安定性が向上する。
【0049】
(D2)成分/(D1)成分で表される質量比(以下、「D2/D1比」ともいう。)は、1.8~3が好ましく、2~2.8がより好ましく、2.2~2.7がさらに好ましい。D2/D1比が上記範囲内であれば、均一な外観を良好に維持できる。特に、D2/D1比が上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。加えて、(D1-1)成分の含有量が十分に低減されており、また、(C)成分の含有量を必要以上に増やす必要がないため、液体洗浄剤の過度な黄変及び色素退色をより抑制できる。
【0050】
<水>
水としては、精製水、イオン交換水、蒸留水、水道水などを使用することができる。
水は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、水には、(A)成分由来の水、すなわち、水溶性の色素製剤に含まれる水も含まれる。
【0051】
水の含有量は液体洗浄剤の総質量に対して5~60質量%が好ましく、10~50質量%が好ましく、15~40質量%がより好ましい。水の含有量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤として適した粘度を良好に維持できる。水の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤がゲル化しにくく、流動性を良好に維持できる。
【0052】
<任意成分>
任意成分としては、水混和性有機溶剤、高級脂肪酸又はその塩、(C)成分以外のpH調整剤、減粘剤及び可溶化剤、抗菌剤、(C)成分以外のアルカリ剤、キレート剤、酵素、構造化剤、構造化剤以外の増粘剤、防腐剤、無機還元剤、酵素安定化剤、風合い向上剤、移染防止剤、分散剤、分散剤以外の再汚染防止剤、(A)成分以外の着色剤、香料、乳濁化剤、蛍光剤、カチオン化ポリマー、変色防止剤、ハイドロトロープ剤、漂白剤、パール剤、天然物等のエキスなどが挙げられる。
任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0053】
水混和性有機溶剤は、25℃の水1Lに25g以上溶解する有機溶剤をいう。
水混和性有機溶剤としては、例えばエタノール、グリセリン、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット、商品名)等のアルコール類;プロピレングリコール(PG)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類などが挙げられる。これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤の流動性の観点等から、エタノール、グリセリン、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、プロピレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましく、エタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、分子量約200~1000のポリエチレングリコールがより好ましい。液体洗浄剤を低温で保存した際の(B)成分の析出抑制や均一外観維持、冷水溶解性の観点では、水混和性有機溶剤としては、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、分子量約200~1000のポリエチレングリコールが好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して1~30質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。
【0054】
液体洗浄剤が高級脂肪酸又はその塩を含有していれば、消泡性が高まる。
高級脂肪酸又はその塩としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩;ヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩などが挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ脂肪酸が好ましく、ヤシ脂肪酸がより好ましい。
高級脂肪酸の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
高級脂肪酸又はその塩は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
高級脂肪酸又はその塩の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましく、1.5~5質量%がさらに好ましい。高級脂肪酸又はその塩の含有量が上記下限値以上であれば、消泡性が高まる。高級脂肪酸又はその塩の含有量が上記上限値以下であれば、低温安定性が向上する。
【0055】
(C)成分以外のpH調整剤(以下、「他のpH調整剤」ともいう。)としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸;アンモニア;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;硫酸、塩酸、リン酸等の酸剤などが挙げられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
他のpH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他のpH調整剤の添加量は、液体洗浄剤を所定のpHに調整する量を適宜設定すればよい。
なお、液体洗浄剤は(C)成分を含んでいるので、他のpH調整剤を含まなくてもよい。低温安定性を高める観点では、液体洗浄剤は、他のpH調整剤、特にアルカリ金属水酸化物を実質的に含まないことが好ましい。
本明細書において、「実質的に含まない」とは、意図せずして含有するものを除き、他のpH調整剤を積極的に配合しないことを意味する。
【0056】
減粘剤及び可溶化剤としては、例えば芳香族スルホン酸又はその塩が挙げられる。具体的には、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸又はこれらの塩が挙げられる。芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩などが挙げられる。
減粘剤及び可溶化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~10質量%が好ましい。
【0057】
抗菌剤としては、例えばダイクロサン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ポリリジン、ポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。これらの中でも、ジフェニル構造を有する抗菌剤が好ましく、ダイクロサン、トリクロサンがより好ましい。
抗菌剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましく、0.03~1質量%がさらに好ましい。
【0058】
(C)成分以外のアルカリ剤(以下、「他のアルカリ剤」ともいう。)としては、無機アルカリ剤等が挙げられる。
無機アルカリ剤とは、水に全量又は一部が溶解して塩基性を示し、1質量%の水溶液の25℃におけるpHが8以上となる成分である。
無機アルカリ剤としては、具体的に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの複塩(セスキ炭酸ナトリウム)、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩;メタケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩などが挙げられる。これらの中でも、洗浄力がより高まる観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウムが好ましい。
無機アルカリ剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、無機アルカリ剤は、pH調整剤として用いてもよい。
無機アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して20質量%以下が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
【0059】
キレート剤としては、例えば3~4価のカルボン酸基又はその塩を有するキレート剤が好ましい。その具体例としては、クエン酸又はその塩、アミノカルボン酸系キレート剤又はその塩が挙げられる。アミノカルボン酸とは、1分子中に1~3級のアミノ基と、カルボキシル基とを、それぞれ少なくとも1個ずつ含む化合物をいい、アミノカルボン酸系キレート剤とはアミノカルボン酸であるキレート剤をいう。
アミノカルボン酸系キレート剤は、洗浄剤の分野で公知のものを使用できる。具体例としては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、メチルグリシンジ酢酸塩、L-グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、L-グルタミン酸ジ酢酸塩、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミン5酢酸塩、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、エチレンジアミンコハク酸塩、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸(HIDS)、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸塩、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸(ASDA)、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸塩などが挙げられる。これらの中でも、クエン酸又はその塩、MGDA又はその塩が好ましく、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウムがより好ましい。
キレート剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
キレート剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。0.1質量%以上がさらに好ましい。キレート剤の含有量が上記下限値以上であれば、低温安定性がより高まるとともに、液体洗浄剤の過度な黄変をより抑制できる。
【0060】
液体洗浄剤が酵素を含有していれば、皮脂汚れ、タンパク汚れ、食べこぼし汚れに対する洗浄力がより高まる。
ここで、酵素とは、酵素製剤のことを意味する。
酵素として、液体の酵素製剤を使用してもよいし、固体(顆粒状)の酵素製剤を使用してもよい。固体の酵素製剤を使用する場合、その一部、あるいは全量が液体洗浄剤中に固体の状態で存在することが、酵素の安定性の点で好ましい。
【0061】
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼなどが挙げられる。
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。具体的には、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Savinase Evity 16L、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Progress Uno 100L、Deozyme、Savinase Evity 12T、Kannase Evity 24T;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX,Properase L;デュポン社から入手できる商品名EFFECTENZ P150、EFFECTENZ P100、PREFERENZ P100等が挙げられる。
【0062】
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify 12L、Amplify Prime 100L、Stainzyme Plus 12T;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl;デュポン社から入手できる商品名EFFECTENZ S100;天野エンザイム株式会社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業株式会社から入手できる商品名DB-250等が挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L、Lipex 100T等が挙げられる。
セルラーゼとして、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carezyme 4500L、Celluclean 4500T;デュポン社から入手できる商品名REVITALENTZ 2000等が挙げられる。
マンナナーゼとしては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L、Mannaway 4.0T等が挙げられる。
酵素が2種以上配合されたマルチ酵素としては、Medley Core 210L、Medley Core 200L、Medley Boost 300L、Medley Advance 200T、Medley Glow 200L、Medley Brilliant 100L、Medley Essential 150L、Medley Core 200T、Medley CleanR、Medley Essential 200T、Medley SmartR、Medley Boost 200L、Medley Boost 200T、Medley SuperioR 100T等が挙げられる。
酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0063】
酵素としては、プロテアーゼを含むことが好ましい。プロテアーゼを配合することにより、タンパク汚れに対する洗浄力がより高められる。
プロテアーゼとしては、上記の中でも、商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Progress Uno 100Lが好ましく、Alcalase 2.5L、Everlase 16L、Savinase 16L、Coronase 48L、Progress Uno 100Lがより好ましい。
また、プロテアーゼを含むマルチ酵素としては、上記の中でも商品名Medley Core 210L、Medley Core 200L、Medley Boost 300L、Medley Advance 200T、Medley Brilliant 100L、Medley Essential 150L、Medley Core 200T、Medley CleanR、Medley Essential 200T、Medley SmartR、Medley Boost 200L、Medley Boost 200T、Medley SuperioR 100Tが好ましく、Medley Core 210L、Medley Core 200Lがより好ましい。
【0064】
酵素の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~3質量%が好ましく、0.05~2.5質量%がより好ましく、0.1~2質量%がさらに好ましい。酵素の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。酵素の含有量が上記上限値以下であれば、酵素の析出が抑制され、均一な外観を良好に維持できる。
【0065】
液体洗浄剤が構造化剤を含むことで液体洗浄剤が構造化する。よって、液体洗浄剤が不溶粒子を含有する場合、不溶粒子の分散安定性を高め、液体洗浄剤中に不溶粒子を均一に分散でき、その状態を良好に維持できる。
なお、本明細書において「構造化」とは、力が加わる前後において、粘度が変化する状態をいう。
【0066】
構造化剤としては、例えば細菌セルロース、非細菌セルロース、トリグリセリド成分などが挙げられる。これらの中でも、不溶粒子の分散安定性を高める効果を少量でも充分に発揮できること、透明性の高い液体外観が得やすいことから、細菌セルロース、非細菌セルロースが好ましく、細菌セルロースがより好ましい。
構造化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0067】
細菌セルロースは、Acetobacter属の細菌の発酵によって生成されたセルロースである。
細菌セルロースとしては、水に不溶性である繊維が網状に分枝し、相互に噛み合ってネットワークを形成している、いわゆる網目状細菌セルロースなどが挙げられる。
細菌セルロースの少なくとも一部は、増粘剤で被覆あるいは混合されていてもよい。
細菌セルロースとしては市販品を用いることでき、例えばCPKelco U.S.社製の商品名「CELLULON(登録商標)」などが挙げられる。
【0068】
非細菌セルロースは、野菜、果物、木材から得られるセルロースであり、セルロース繊維とも呼ばれる。
非細菌セルロースとしては市販品を用いることでき、例えばFMC社製の商品名「Avicel(登録商標)」、Fiberstar社製の商品名「Citri-Fi」、Cosun社製の商品名「Betafib」などが挙げられる。
【0069】
トリグリセリド成分としては、例えば硬化ヒマシ油、硬化パーム油が挙げられる。
硬化ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込む炭素数10~22アルキル又はアルケニル部分を含むグリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができ、具体的には、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリンなどが挙げられる。
硬化ヒマシ油は、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換することで得られる。二重結合の変換により、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。
硬化ヒマシ油は、固形の状態、溶融物の状態、又はこれらの混合物の状態で用いることができるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。
硬化ヒマシ油としては市販品を用いることでき、例えばRheox,Inc.製の商品名「THIXCIN(登録商標)」、日油株式会社製の商品名「カスターワックス A フレーク」などが挙げられる。
硬化パーム油としては市販品を用いることでき、例えば新日本理化株式会社製の商品名「パーム極度硬化油A」などが挙げられる。
【0070】
構造化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.02~2質量%が好ましく、0.04~1.5質量%がより好ましく、0.05~1質量%がさらに好ましい。
構造化剤の含有量が上記下限値以上であれば、不溶粒子の分散安定性がより高まる。構造化剤の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の粘度がより低くなり、使用性や液安定性がより高まる。
【0071】
構造化剤以外の増粘剤(以下、「他の増粘剤」ともいう。)としては、例えばアクリル系ポリマー、キサンタンガム、ガラギーナンなどが挙げられる。
アクリル系ポリマーの市販品としては、例えばLubrizol社製のCarbopol(登録商標)シリーズ等が挙げられる。Carbopolシリーズとしては、例えばCarbopol ETD 2623、Carbopol EZ3、Carbopol EZ4、Carbopol Ultrez20、Carbopol Ultrez21、Carbopol Aqua 30などが挙げられる。
他の増粘剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他の増粘剤の含有量は、液体洗浄剤総質量に対して6質量%以下が好ましく、0.2~4質量%がより好ましい。
【0072】
防腐剤としては、例えば2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、3-ヨードプロピニルブチルカーバメート、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン、オクチルイソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BIT)、5-クロロ-2-メチルイソチアゾリン-3-オン(CMIT)、2-メチルイソチアゾリン-3-オン(MIT)、エトキシル化ココアミン、オクタンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。
防腐剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.001~2質量%が好ましい。
【0073】
液体洗浄剤が無機還元剤を含有していれば、光や熱による退色、変色をより抑制できる。
無機還元剤としては、例えば亜硫酸;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸バリウム、亜硫酸アンモニウム等の亜硫酸;亜硫酸水素;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸水素マグネシウム、亜硫酸水素アンモニウム等の亜硫酸水素塩;ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸塩などが挙げられる。
無機還元剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(A)成分の退色をより抑制できる観点から、無機還元剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましく、液体洗浄剤は、無機還元剤を実質的に含まないことがさらに好ましい。
【0074】
酵素安定化剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類などが挙げられる。
他の酵素安定化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他の酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して2質量%以下が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
【0075】
風合い向上剤としては、例えばジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンなどが挙げられる。
風合い向上剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して5質量%以下が好ましい。
【0076】
移染防止剤としては、例えばポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアルキレンアミンなどが挙げられる。
移染防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
移染防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して3質量%以下が好ましい。
【0077】
液体洗浄剤が分散剤を含んでいれば、洗濯中に繊維製品から除去された皮脂汚れやその分解物が再度、繊維製品に付着することを抑制できる。よって、繊維製品に黄ばみが発生するのを抑制でき、繊維製品の黄ばみに対する洗浄力がより高まる。
分散剤としては、例えばポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体、ポリカルボン酸系ポリマー、ポリカルボン酸系ポリマーの塩などが挙げられる。
分散剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0078】
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えばポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体などが挙げられる。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体の市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」などが挙げられる。
【0079】
ポリカルボン酸系ポリマー、ポリカルボン酸系ポリマーの塩としては、例えばポリアクリル酸及びその塩、ポリマレイン酸及びその塩、アクリル酸-マレイン酸共重合体及びその塩、炭素数4~12の炭化水素とマレイン酸との共重合体及びその塩、アクリル酸-メタクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
ポリカルボン酸系ポリマー、ポリカルボン酸系ポリマーの塩の市販品としては、例えば炭素数4~12の炭化水素とマレイン酸との共重合体及びその塩から選択される1種以上については、日本ゼオン株式会社製の商品名「クインフロー540(ナトリウム塩)」、「クインフロー542(ナトリウム塩)」、「クインフロー543(アンモニウム塩)」、「クインフロー640(ナトリウム塩)」;BASF社製の商品名「Sokalan CP9(ナトリウム塩)」などが挙げられる。
アクリル酸-マレイン酸共重合体及びその塩から選択される1種以上については、BASF社製の商品名「Sokalan CP7(ナトリウム塩)」;株式会社日本触媒製の商品名「アクアリックTL-400(ナトリウム塩)」などが挙げられる。
【0080】
分散剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.02~10質量%が好ましく、0.2~8質量%がより好ましく、0.5~6質量%がさらに好ましい。分散剤の含有量が上記下限値以上であれば、黄ばみに対する洗浄力がより良好となる。分散剤の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤の流動性が良好となる。
【0081】
分散剤以外の再汚染防止剤(以下、「他の再汚染防止剤」ともいう。)としては、例えばアルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位とを有する水溶性ポリマーなどが挙げられる。このような水溶性ポリマーとしては、具体的に、商品名「TexCare SRN-100」(クラリアント社製、質量平均分子量2000~3000)、商品名「TexCare SRN-300」(クラリアント社製、質量平均分子量7000)、商品名「Repel-O-Tex Crystal」(ローディア社製)、商品名「Repel-O-Tex QC」(ローディア社製)などが挙げられる。これらの中でも、水への溶解性が高く、液安定性にも優れる点から、TexCare SRN-100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN-100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN-170C(クラリアント社製)を他の再汚染防止剤として用いることが好ましい。
他の再汚染防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他の再汚染防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
【0082】
(A)成分以外の着色剤(以下、「他の着色剤」ともいう。)としては特に限定されず、例えば「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連合会)に記載の色素や、発色団の構造の末端に水溶性高分子等を化学的に修飾したものなどが挙げられる。具体的には、C.I.アシッドレッド138、C.I.アシッドレッド260、C.I.アシッドレッド106、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、Levanyl(登録商標) Violet(Levanyl(登録商標) バイオレット)、Liquitint(登録商標) BLUE SE(Liquitint(登録商標) ブルー SE)、Liquitint(登録商標) BLUE HP(Liquitint(登録商標) ブルー HP)、Liquitint(登録商標)BLUE MC(Liquitint(登録商標) ブルー MC)、Liquitint(登録商標) VIOLET CT(Liquitint(登録商標) バイオレット CT)、Liquitint(登録商標) VIOLET LS(Liquitint(登録商標) バイオレット LS)、Liquitint(登録商標) VIOLET DD(Liquitint(登録商標) バイオレット DD)、Liquitint(登録商標) VIOLET SH(Liquitint(登録商標) バイオレット SH)、Liquitint(登録商標) VIOLET FL(Liquitint(登録商標) バイオレット FL)、Liquitint(登録商標) GREEN SA(Liquitint(登録商標) グリーン SA)、Liquitint(登録商標)GREEN CC(Liquitint(登録商標) グリーン CC)、Liquitint(登録商標) Bright Yellow(Liquitint(登録商標) ブライト イエロー)、Liquitint(登録商標)YELLOW SY(Liquitint(登録商標) イエロー SY)、Liquitint(登録商標)YELLOW LP(Liquitint(登録商標) イエロー LP)、Liquitint(登録商標) PINK AL(Liquitint(登録商標) ピンク AL)、Liquitint(登録商標) RED MX(Liquitint(登録商標) レッド MX)、C.I.77007(ピグメントブルー29、L-280 BLUE U)、C.I.74160(ピグメントブルー15)、C.I.77346(ピグメントブルー28)、C.I.77343(ピグメントブルー36)、C.I.74260(ピグメントグリーン7)、C.I.74265(ピグメントグリーン36)、WA-S カラー グリーン、C.I.21090(ピグメントイエロー12、黄色205号)、C.I.56110(ピグメントレッド254)、C.I.12490(ピグメントレッド5)、ラブラコール 040(F)レッド、PIGMOSOL(登録商標)等の汎用の色素や顔料などが挙げられる。
他の着色剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他の着色剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.0001~0.05質量%が好ましく、0.00015~0.03質量%がより好ましい。
なお、液体洗浄剤は(A)成分を含んでいるので、他の着色剤を含まなくてもよい。所望の色に着色した液体洗浄剤が得られやすく、かつ、日光曝露時の色素退色をより抑制できる観点から、液体洗浄剤は、他の着色剤を実質的に含まないことが好ましい。
【0083】
香料としては、香料原料単体、又は、香料原料と香料用溶剤と香料安定化剤等とからなる香料組成物を含むものが挙げられ、液体洗浄剤に通常用いられる香料を配合することができる。また、カプセル香料を配合してもよい。液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
【0084】
乳濁化剤としては、例えばポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルションなどが挙げられ、通常、固形分30~50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(商品名:サイビノール(登録商標)RPX-196 PE-3、固形分40質量%、サイデン化学株式会社製)、Opulyn 301、Acusol OP 301などが挙げられる。
乳濁化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
乳濁化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.001~0.5質量%が好ましい。
【0085】
蛍光剤としては、例えば4,4’-ビス-(4-クロロ-3-スルホスチリル)-ビフェニルジナトリウム塩等のビフェニル型蛍光剤;4,4’-ビス((4-アミノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-2)アミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホン酸塩、4,4’-ビス((4-トルイジノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-2)アミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホン酸塩等のスチルベン型蛍光剤などが挙げられる。
蛍光剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
蛍光剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.05~1質量%が好ましい。
【0086】
カチオン化ポリマーとしては、例えば4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム塩、塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、カチオン化セルロース、塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、ポリエチレンイミン、カチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体などが挙げられる。
カチオン化ポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。
カチオン化ポリマーの含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~3質量%が好ましい。
【0087】
<物性>
(pH)
液体洗浄剤の25℃におけるpHは6~8.5が好ましく、6.2~8がより好ましく、6.5~7.5がさらに好ましい。液体洗浄剤のpHが上記下限値以上であれば、液体洗浄剤に含まれる各成分の安定性が高まる。液体洗浄剤のpHが上記上限値以下であれば、衣類等の繊維製品に対するダメージを防止できる。加えて、過度な黄変及び色素退色をより抑制しつつ、均一な外観を良好に維持できる。
液体洗浄剤のpHは、(C)成分の種類及び含有量や、必要に応じて他のpH調整剤により調整できる。
液体洗浄剤のpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)により測定される値である。
【0088】
<製造方法>
液体洗浄剤の製造方法は特に制限されるものではなく、液体洗浄剤は常法に準じて製造することができる。
例えば、液体洗浄剤は、液体洗浄剤を構成する成分を混合することで得られる。なお、(A)成分は予め水の一部に溶解させておいてから、他の成分と混合することが好ましい。
【0089】
[容器]
液体洗浄剤が充填される容器は、無色透明又は無色半透明である。
本発明において、容器の「無色透明」とは、容器中のUV吸収剤由来の吸光度がない波長450~800nmの範囲において、最小透過率(%Tmin)が60%T以上であることを意味する。
また、容器の「無色半透明」とは、波長450~800nmの範囲において、最小透過率(%Tmin)が10%T以上、60%T未満であることを意味する。
【0090】
容器としては、液体洗浄剤を収容できる容器が挙げられ、具体的には容器本体と、キャップ又は蓋とを備える。容器本体は口部を有し、キャップ又は蓋は容器本体の口部に着脱自在に装着されるように構成されている。
容器本体の形状は特に限定されず、液体洗浄剤を収容するための収容空間と、口部とを有する形状であればよい。口部は、容器本体の頂部に存在することが好ましい。
【0091】
キャップとしては、例えば液体洗浄剤を計量できる計量筒部を有する形状のキャップ(以下、計量キャップともいう)等が挙げられる。計量キャップは、軸線方向に延びる計量筒部と、前記計量筒部の前記軸線方向の先端に前記軸線を中心とする周方向の一部に設けられ、前記軸線方向に突出する舌状部とを有する形状がより好ましい。
【0092】
容器の具体例としては、ボトル容器(図1に記載のもの)、スクイズ容器、トリガー容器、ポンプ容器(図2に記載のもの)、詰め替え容器(パウチ)等が挙げられる。これらの容器から液体洗浄剤を吐出した場合の形態は、液状やシャワー状や泡状であってもよい。また、容器としては、例えば液を繊維製品に直に塗りつける塗布面を有する容器(特開2018-188785号公報、図1記載の容器)、袋状容器(特開2007-326641号公報、図1記載の容器)、水溶性パウチ(特表2018-517015号公報、図1~4記載の水溶性パウチ)などであってもよい。
なお、図1は液体洗浄剤物品の一例を示す斜視図であり、図2は液体洗浄剤物品の他の例を示す正面図である。例えば、図1に示す液体洗浄剤物品1は、容器本体であるボトル100とボトル用キャップ110とを組み合わせた容器に、液体洗浄剤10が収容されている。
【0093】
容器本体の材質としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等の樹脂が挙げられる。これらの中でも、PETが好適に用いられる。
キャップ又は蓋としては、容器本体の材質と同様のものが挙げられる。
【0094】
容器本体は、全てが無色透明又は無色半透明であってもよいし、容器本体の一部が無色透明又は無色半透明であってもよい。容器本体の全面の表面積に対して無色透明又は無色半透明な面積を、10%以上有することが好ましく、30%以上有することがより好ましく、50%以上有することがさらに好ましく、70%以上有することが特に好ましく、90%以上有することが最も特に好ましい。
キャップ又は蓋は、全てが無色透明又は無色半透明であってもよいし、容器本体の一部が無色透明又は無色半透明であってもよい。キャップが計量キャップの場合、全てが無色透明又は無色半透明であることが好ましい。
【0095】
容器は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。容器が紫外線吸収剤を含有していれば、(A)成分の退色をより抑制できる。
紫外線吸収剤としては、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤);2,2’-(p-フェニレン)ジ-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-(1,4-フェニレン)ビス(4H-3,1-ベンゾオキサジノン-4-オン)等のベンゾオキサジノン構造を有する紫外線吸収剤(ベンゾオキサジノン型紫外線吸収剤)などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0096】
紫外線吸収剤は、容器を構成する樹脂に配合すればよい。
紫外線吸収剤の含有量は、容器の総質量に対して0.01~0.3質量%が好ましく、0.03~0.2質量%がより好ましく、0.05~0.15質量%がさらに好ましい。
【0097】
容器本体の平均厚さ(肉厚)は、0.01~3.0mmが好ましく、0.05~3.0mmがより好ましく、0.1~3.0mmがさらに好ましく、0.1~2.0mmが特に好ましく、0.2~1.5mmが最も好ましい。
なお、容器本体の厚さはシックネスゲージで測定することができる。
【0098】
容器本体には、成分表示や、意匠性の付与などを目的として、印刷が施されていてもよい。また、容器本体には、ラベルが貼付されていてもよい。
【0099】
[使用方法]
液体洗浄剤物品は、容器に液体洗浄剤を充填した状態で、例えば容器を任意の角度に傾けて液体洗浄剤を吐出して使用できる。
容器から吐出された液体洗浄剤の使用方法としては、例えば液体洗浄剤を洗濯機の液体洗浄剤の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して、例えば3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
【0100】
また、近年実用化された洗剤自動投入装置を備えた洗濯機を使用することも好ましい。洗剤自動投入装置は、液体洗浄剤を収容したタンクから、タンクの底に設けられたゴミ取り用のフィルター、及び投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に液体洗浄剤を投入する装置である。投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された一定量を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
洗剤自動投入装置を利用すれば、計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
【0101】
被洗物の例としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品などが挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維などのいずれでもよい。
液体洗浄剤を水に溶解して使用する場合、例えば5~6000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
液体洗浄剤は、繊維製品用の洗浄剤として好適である。
【0102】
[作用効果]
以上説明した本実施形態の液体洗浄剤物品を構成する液体洗浄剤は(B)成分を含み、かつ、前記式(i)より求められる吸光度の維持率が50%以上であるため、日光曝露時の色素退色を抑制できる。また、中和剤として(C)成分を含むので、低温安定性にも優れ、均一な外観を維持できる。しかも、(B)成分は酸化防止反応後に黄色に呈色し、(C)成分は経時により適度に黄変するので、黄色味を補填する効果がある。
このように、本実施形態の液体洗浄剤物品は、過度な黄変の抑制と、日光曝露時の色素退色の抑制を両立し、均一な外観を維持できる。
【0103】
本実施形態の液体洗浄剤物品を構成する液体洗浄剤は、波長400~550nmに吸光度のピークを有する。すなわち、液体洗浄剤は、マンセル色相環の5YRから5Yの範囲に含まれる色に着色している。本実施形態の液体洗浄剤物品であれば、過度な黄変及び色素退色を抑制できるので、液体洗浄剤物品を保存する前の状態と比較して、見た目への影響が少ない。また、液体洗浄剤を充填する容器に印刷やラベル貼付を施しても、印刷やラベルの色彩や見栄えに対する影響が少なく、視認しやすい。
【実施例0104】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
【0105】
「使用原料」
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・Brilliant Orange:Liquitint(登録商標) BRILLIANT ORANGE(ミリケン社製)。
・Nylosan Orange S-3R srg:アークロマジャパン株式会社製。
・Red ET:Liquitint(登録商標) RED ET(ミリケン社製)。
・黄色407号:ファストライトエロー3G(CI Number:C.I.18820、癸巳化成株式会社製)。
・赤色106号:アシッドレッド(CI Number:C.I.45100、癸巳化成株式会社製)。
・黄色203号:キノリンエローWS(CI Number:C.I.47005、癸巳化成株式会社製)。
【0106】
(B)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学社製、商品名「SUMILZER BHT-R」)。
【0107】
(C)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・MEA:モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製、商品名「モノエタノールアミン」)。
【0108】
(D)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・LAS-H:炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸((D1-1)成分)。色調値が50のもの(ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH-200」)を用いた。
・AES-1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(一般式(1)中、Rが炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基であり、vが1であり、wが0であり、Mがナトリウムであり、AES全体に対するvが0かつwが0である化合物の割合が43質量%である化合物(1)、(D1-2)成分)。下記合成方法により合成されたもの。
・AE7:炭素数12~14のアルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「レオックスCL-70」、一般式(2)中、Rが炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基であり、Rが水素原子であり、p1が7であり、q1が0であり、r1が0である化合物(2)、(D2)成分)。
・AE15:天然アルコールに、15モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(一般式(2)中、Rが炭素数12のアルキル基及び炭素数14のアルキル基であり、Rが水素原子であり、p1が15であり、q1が0であり、r1が0である化合物(2)、(D2)成分)。下記合成方法により合成されたもの。
【0109】
<AES-1の合成方法>
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコール(プロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名「CO-1270」)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。
次いで、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド(ガス状)91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ:Hewlett-Packard社製のGC-5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra-1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物(最終的に成分(b-0)となるもの)の量が得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりAES-1を得た。
【0110】
<AE15の合成方法>
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO-1214(商品名)565.78gと、 耐圧型反応容器内に、天然アルコール(プロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名「CO-1214」)224.4gと、30質量%水酸化ナトリウム水溶液2.0gとを仕込み、反応容器内を窒素置換した。次いで、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。
次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。このとき、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管から加えた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。次いで、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、AE15を得た。
【0111】
任意成分及び水として、以下に示す化合物を用いた。
・ヤシ脂肪酸:日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
・HP20:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(BASF社製、商品名「Sokalan HP20」)。
・ダイクロサン:4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(BASF社製、商品名「TINOSAN(登録商標) HP100」)。
・SRN-170C:クラリアント社製の商品名「TexCare SRN-100」の70質量%水溶液(ラリアント社製の商品名「TexCare SRN-170C」)。
・クエン酸:扶桑学工業株式会社製、商品名「液体クエン酸」。
・エタノール:日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
・PEG1000:ポリエチレングリコール(ライオン株式会社製、商品名「PEG#1000-L60」重量平均分子量=1000)。
・乳酸Na:乳酸ナトリウム(株式会社武蔵野化学研究所製、商品名「乳酸ナトリウム」)。
・ソルフィット:3-メトキシ-3-メチルブタノール(株式会社クラレ製、商品名「ソルフィット」)。
・酵素:マルチ酵素(ノボザイムズ社製、商品名「Medley Core 210L」、酵素液体製剤)。
・香料:ジボダン ジャパン株式会社、商品名「Aquatic Powdery」。
・他のpH調整剤:水酸化ナトリウム水溶液。
・水:イオン交換水。
【0112】
「測定・評価」
<吸光度の維持率の測定>
無色透明な容器として、ベンゾトリアゾール構造を有する紫外線吸収剤として、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(BASF社製、商品名「Tinuvin(登録商標) 326」)が0.1%配合されたPET製の容器を用いた。
製造直後の液体洗浄剤を室温(25℃)で1時間放置した。放置後の液体洗浄剤の吸光度をUV-Vis分光光度計を用いて測定し、最大吸収波長(W)における吸光度を求めた。この吸光度を日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度とする。
次いで、液体洗浄剤400gを無色透明な容器に充填し、容器に蓋をして密閉した状態で、直射日光があたる場所に静置し、300~400nmの波長において積算露光量が15MJ/mとなるまで、液体洗浄剤に日光を照射し、日光曝露試験を行った。
日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度をUV-Vis分光光度計を用いて測定し、極大吸収波長(W)における吸光度を求めた。この吸光度を日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度とする。
下記式(i)より、吸光度の維持率を求めた。
吸光度の維持率(%)=(極大吸収波長(W)における日光曝露試験後の液体洗浄剤の吸光度/極大吸収波長(W)における日光曝露試験前の液体洗浄剤の吸光度)×100 ・・・(i)
【0113】
<黄変・色素退色抑制の評価>
先の吸光度の維持率の測定と同様にして、日光曝露試験を行った。
日光曝露試験前後の液体洗浄剤の色合いについて、黄変及び色素退色の有無を目視にて確認し、以下の評価基準にて評価した。〇及び△を合格とする。
<<評価基準>>
〇:日光曝露試験前の色合いと比較して、日光曝露試験後の色合いがほとんど変わらない。
△:日光曝露試験前の色合いと比較して、日光曝露試験後の色合いがやや変わるが、許容範囲内である。
×:日光曝露試験前の色合いと比較して、日光曝露試験後の色合いが変わり、許容できない。
【0114】
<均一性の評価>
無色透明な容器として、ガラス製の容器を用いた。
製造直後の液体洗浄剤100gを無色透明な容器に充填し、容器に蓋をして密閉した状態で、50℃又は-5℃に設定した恒温槽に30日間静置保存した。
保存後の液体洗浄剤の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。〇と△を合格とする。
<<評価基準>>
〇:析出、沈殿、相分離が認められない。
△:析出、沈殿、相分離の1つ以上が認められるが、25℃に30分静置すると解消される。
×:析出、沈殿、相分離の1つ以上が認められ、25℃に30分静置しても解消されない。
【0115】
「実施例1~8、比較例1~4」
500mLのビーカーに、表1~3に記載の配合組成に従い、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分と、任意成分と、水とを投入し、スリーワンモーター撹拌機(アズワン株式会社製)で十分に攪拌し、液体洗浄剤を得た。
得られた液体洗浄剤の25℃におけるpHをpHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)を用いて測定した。結果を表1~3に示す。
また、得られた液体洗浄剤の25℃におけるpHをpHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)を用いて測定した。結果を表1~3に示す。
また、得られた液体洗浄剤を用いて、黄変・色素退色抑制の評価と、均一性の評価を行った。結果を表1~3に示す。なお、液体洗浄剤の吸光度の維持率の測定と、黄変・色素退色抑制の評価は、均一性の評価が全て「〇」である液体洗浄剤についてのみ実施した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
表1~3において、各成分の配合量(質量%)はすべて、液体洗浄剤の総質量に対する割合であり、指定のある場合を除き、純分換算での値を示す。なお、(A)成分の配合量(質量%)には、製剤に含まれる水等の量も含まれる。水の配合量「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)を100質量%にするのに、別途要した水の量である。他のpH調整剤の配合量「適量」は、液体洗浄剤のpHを7に調整するのに要した量である。配合量の空欄は、その成分が配合されていないこと(配合量0質量%)を意味する。
また、表1~3中の「D1-1/D比」は、(D)成分に対する(D1-1)成分の質量比である。「D2/D1比」は、(D1)成分に対する(D2)成分の質量比である。
【0120】
表1、2から明らかなように、各実施例で得られた液体洗浄剤は、過度な黄変の抑制と、日光曝露時の色素退色の抑制を両立し、均一な外観を維持できた。
よって、各実施例で得られた液体洗浄剤であれば、印刷やラベル貼付が施された無色透明又は無色半透明の容器に充填し、保存しても、印刷やラベルの色彩や見栄えに対する影響が少なく、視認しやすい。
【0121】
一方、表3から明らかなように、比較例1、2、4で得られた液体洗浄剤は、吸光度の維持率が50%未満以下と低く、色素が退色しやすかった。よって、印刷やラベル貼付が施された無色透明又は無色半透明の容器に比較例1、2、4で得られた液体洗浄剤を充填し、保存した場合、印刷やラベルの色彩や見栄えに影響を及ぼし、印刷やラベルが視認しにくくなる。
(C)成分を含まない比較例3で得られた液体洗浄剤は、-5℃で保管したときの均一性に劣っていた。
【符号の説明】
【0122】
1 液体洗浄剤物品
10 液体洗浄剤
100 ボトル
110 ボトル用キャップ
図1
図2