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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093426
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/24 20060101AFI20240702BHJP
【ＦＩ】
B65D47/24 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022209798
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】紅谷 翔太
【テーマコード（参考）】
3E084
【Ｆターム（参考）】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DC03
3E084EA02
3E084EB02
3E084EC03
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LD01
3E084LG06
(57)【要約】
【課題】押し付け操作による内容物の吐出を感覚的に把握することができ、操作性に優れた塗布容器を提供すること。
【解決手段】容器本体２と、吐出孔４が形成された吐出筒５と、吐出筒の内側に配置された塗布栓６とを備え、吐出筒と塗布栓との間には内容物を吐出孔に導く吐出通路が形成され、塗布栓は、容器本体内と吐出通路内とを連通する連通孔４５が形成された基端筒４０と、吐出孔を通じて吐出筒よりも上方に突出した塗布部４１と、塗布部を下方移動可能に支持し、且つ塗布部に上方への付勢力を伝える弾性筒４２とを備え、弾性筒は、塗布部の上方付勢時に吐出通路を通じた連通孔と吐出孔との連通を遮断し、且つ塗布部の下方移動時に吐出通路を通じた連通孔と吐出孔との連通を許容し、塗布部の外周面には、塗布部の下方移動時に吐出筒に形成された突起片３３を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起５０が形成されている塗布容器１を提供する。
【選択図】図１
【解決手段】容器本体２と、吐出孔４が形成された吐出筒５と、吐出筒の内側に配置された塗布栓６とを備え、吐出筒と塗布栓との間には内容物を吐出孔に導く吐出通路が形成され、塗布栓は、容器本体内と吐出通路内とを連通する連通孔４５が形成された基端筒４０と、吐出孔を通じて吐出筒よりも上方に突出した塗布部４１と、塗布部を下方移動可能に支持し、且つ塗布部に上方への付勢力を伝える弾性筒４２とを備え、弾性筒は、塗布部の上方付勢時に吐出通路を通じた連通孔と吐出孔との連通を遮断し、且つ塗布部の下方移動時に吐出通路を通じた連通孔と吐出孔との連通を許容し、塗布部の外周面には、塗布部の下方移動時に吐出筒に形成された突起片３３を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起５０が形成されている塗布容器１を提供する。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が上端部に形成された吐出筒と、
前記吐出筒の内側に配置されると共に、前記容器本体の口部を上方から覆う塗布栓と、を備え、
前記吐出筒と前記塗布栓との間には、前記容器本体内の内容物を前記吐出孔に導く吐出通路が形成され、
前記塗布栓は、
前記容器本体内と前記吐出通路内とを連通する連通孔が形成された基端筒と、
前記基端筒よりも上方に配置され、前記吐出孔を通じて前記吐出筒よりも上方に突出した塗布部と、
前記基端筒と前記塗布部とを連結すると共に、前記塗布部を下方移動可能に支持し、且つ前記塗布部に対して上方への付勢力を伝える弾性筒と、を備え、
前記弾性筒は、前記塗布部の上方付勢時に前記吐出筒の内面に接触することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を遮断し、且つ前記塗布部の下方移動時に前記吐出筒の内面から離間することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を許容し、
前記塗布部の外周面には、径方向の外側に向けて突出すると共に、前記塗布部の下方移動時に、前記吐出筒の内周面に形成された突起片を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起が形成されていることを特徴とする塗布容器。
前記容器本体の口部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が上端部に形成された吐出筒と、
前記吐出筒の内側に配置されると共に、前記容器本体の口部を上方から覆う塗布栓と、を備え、
前記吐出筒と前記塗布栓との間には、前記容器本体内の内容物を前記吐出孔に導く吐出通路が形成され、
前記塗布栓は、
前記容器本体内と前記吐出通路内とを連通する連通孔が形成された基端筒と、
前記基端筒よりも上方に配置され、前記吐出孔を通じて前記吐出筒よりも上方に突出した塗布部と、
前記基端筒と前記塗布部とを連結すると共に、前記塗布部を下方移動可能に支持し、且つ前記塗布部に対して上方への付勢力を伝える弾性筒と、を備え、
前記弾性筒は、前記塗布部の上方付勢時に前記吐出筒の内面に接触することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を遮断し、且つ前記塗布部の下方移動時に前記吐出筒の内面から離間することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を許容し、
前記塗布部の外周面には、径方向の外側に向けて突出すると共に、前記塗布部の下方移動時に、前記吐出筒の内周面に形成された突起片を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起が形成されていることを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
請求項１に記載の塗布容器において、
前記塗布栓は、少なくとも前記塗布部が、前記吐出筒よりも軟質な軟材質で形成されている、塗布容器。
前記塗布栓は、少なくとも前記塗布部が、前記吐出筒よりも軟質な軟材質で形成されている、塗布容器。
【請求項3】
請求項１又は２に記載の塗布容器において、
前記塗布部の上端部には、平坦に形成され、被塗布部に対して面接触する塗布面が形成されている、塗布容器。
前記塗布部の上端部には、平坦に形成され、被塗布部に対して面接触する塗布面が形成されている、塗布容器。
【請求項4】
請求項１又は２に記載の塗布容器において、
前記塗布栓よりも下方に配置された状態で前記容器本体の口部の内側に装着された中栓を備え、
前記塗布部は、有頂筒状に形成され、
前記中栓は、前記塗布部が下方移動したときに、前記塗布部の内部に入り込んで前記塗布部の下方移動を案内する案内軸部を有している、塗布容器。
前記塗布栓よりも下方に配置された状態で前記容器本体の口部の内側に装着された中栓を備え、
前記塗布部は、有頂筒状に形成され、
前記中栓は、前記塗布部が下方移動したときに、前記塗布部の内部に入り込んで前記塗布部の下方移動を案内する案内軸部を有している、塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬液等の内容物を例えば人体の頭皮や皮膚等の被塗布部に対して塗布する塗布容器が知られている。例えば特許文献１及び２に記載された塗布容器は、被塗布部に対して先端部を押し付けたときに、先端部に設けられたスリット弁が開くことで内容物を吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第５８４９２９０号公報
【特許文献2】特開２０１０－２６０５８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の塗布容器では、例えば一定の塗布感触を得るために、被塗布部に対して先端部を強く押し当ててしまう場合があった。しかしながらこの場合には、スリット弁が大きく開口する等して、一度に多量の内容物が吐出されてしまう懸念がある。特に、内容物の吐出の有無を感覚的に把握し難いため、所望する吐出量（塗布量）で内容物を塗布し難い。そのため、例えば不必要な押し付け操作を招く場合もあり、操作性（使用性）に課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、押し付け操作による内容物の吐出を感覚的に把握することができ、操作性に優れた塗布容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
（１）本発明に係る塗布容器は、内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が上端部に形成された吐出筒と、前記吐出筒の内側に配置されると共に、前記容器本体の口部を上方から覆う塗布栓と、を備え、前記吐出筒と前記塗布栓との間には、前記容器本体内の内容物を前記吐出孔に導く吐出通路が形成され、前記塗布栓は、前記容器本体内と前記吐出通路内とを連通する連通孔が形成された基端筒と、前記基端筒よりも上方に配置され、前記吐出孔を通じて前記吐出筒よりも上方に突出した塗布部と、前記基端筒と前記塗布部とを連結すると共に、前記塗布部を下方移動可能に支持し、且つ前記塗布部に対して上方への付勢力を伝える弾性筒と、を備え、前記弾性筒は、前記塗布部の上方付勢時に前記吐出筒の内面に接触することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を遮断し、且つ前記塗布部の下方移動時に前記吐出筒の内面から離間することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を許容し、前記塗布部の外周面には、径方向の外側に向けて突出すると共に、前記塗布部の下方移動時に、前記吐出筒の内周面に形成された突起片を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る塗布容器において、内容物を塗布する場合には、例えば正立姿勢の塗布容器を倒立姿勢にした後、塗布栓の塗布部を被塗布部に接触させながら、塗布部を押し付け操作する。これにより、弾性筒を介して塗布部に伝わる付勢力（例えば弾性筒の弾性復元力等）に抗して塗布部を容器本体側に押し込んで移動させることができる。さらに、塗布部の移動に伴って、弾性筒を吐出筒の内面から離間させることができるので、吐出通路を通じて連通孔と吐出孔とを連通させることができる。そのため、容器本体内の内容物を、連通孔及び吐出通路を経由して吐出孔を通じて外部に吐出させることができる。その結果、塗布部を利用して、吐出した内容物を被塗布部に塗布することができる。
【0008】
特に塗布部の押し付け操作時、該塗布部の移動に伴って、吐出筒に形成された突起片を乗り越えるように打音用突起を移動させながら、突起片を弾くことができる。これにより、突起片を例えば振動させて音を発生させることができると共に、クリック感のような触感を使用者に付与することができる。そのため、内容物が吐出されたことを感覚的に把握することができ、例えば所望する吐出量で内容物を被塗布部に塗布することができる。従って、多量の内容物を意図せずに吐出してしまうといった不都合を抑制することができると共に、不必要な押し付け操作をなくすことができる。従って、操作性に優れた塗布容器とすることができる。
【0009】
（２）前記塗布栓は、少なくとも前記塗布部が、前記吐出筒よりも軟質な軟材質で形成されても良い。
【0010】
この場合には、被塗布部に対して塗布部を押し付け操作したときに、押付け力や衝撃等を緩和或いは吸収することができる。従って、被塗布部に対してやわらかな塗布感触を付与することができ、被塗布部に例えば傷等を付けることなく、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0011】
（３）前記塗布部の上端部には、平坦に形成され、被塗布部に対して面接触する塗布面が形成されても良い。
【0012】
この場合には、被塗布部に対して塗布部の塗布面を面接触させることができるので、接触面積を大きく確保することができる。そのため、被塗布部に対する押付け力や衝撃等を分散させ易く、被塗布部に対するソフトな接触を行うことができる。
さらに被塗布部に対して塗布面を面接触させることで、塗布部を安定した状態で押し付け操作することができる。そのため、打音用突起を利用して突起片を安定且つ確実に弾くことができ、音の発生やクリック感のような触感を確実に得ることができる。
さらに被塗布部に対して塗布面を面接触させることで、塗布部を安定した状態で押し付け操作することができる。そのため、打音用突起を利用して突起片を安定且つ確実に弾くことができ、音の発生やクリック感のような触感を確実に得ることができる。
【0013】
（４）前記塗布栓よりも下方に配置された状態で前記容器本体の口部の内側に装着された中栓を備え、前記塗布部は、有頂筒状に形成され、前記中栓は、前記塗布部が下方移動したときに、前記塗布部の内部に入り込んで前記塗布部の下方移動を案内する案内軸部を有しても良い。
【0014】
この場合には、塗布部が中実ではなく、有頂筒状に形成されているので、被塗布部に対して塗布部を押し付け操作したときに、被塗布部に対してソフトな接触を行うことができる。なお、塗布部が軟材質で形成、或いは平坦な塗布面を有している場合には、相乗効果を期待することができ、より一層ソフトな接触を行うことができる。
さらに、塗布部を押し付け操作したときに、中栓の案内軸部を塗布部の内部に入り込ませることができるので、塗布部を例えば変形させることなく、姿勢を保持した状態で塗布部の移動を案内できる。従って、塗布部による内容物の塗布や、打音用突起を利用した音の発生等を確実に行うことができる。
さらに、塗布部を押し付け操作したときに、中栓の案内軸部を塗布部の内部に入り込ませることができるので、塗布部を例えば変形させることなく、姿勢を保持した状態で塗布部の移動を案内できる。従って、塗布部による内容物の塗布や、打音用突起を利用した音の発生等を確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、押し付け操作による内容物の吐出を感覚的に把握することができ、操作性に優れた塗布容器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る塗布容器の実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る塗布容器の実施形態について図面を参照して説明する。
図１に示すように、本実施形態の塗布容器１は、図示しない内容物を収容する有底筒状の容器本体２と、容器本体２の口部１０に装着された中栓３と、容器本体２の口部１０に装着され、内容物を吐出する吐出孔４が形成された吐出筒５と、中栓３を介して容器本体２の口部１０に装着され、吐出筒５の内側に配置された塗布栓６と、容器本体２の口部１０に取り外し可能に装着された有頂筒状のオーバーキャップ７と、を備えている。
図１に示すように、本実施形態の塗布容器１は、図示しない内容物を収容する有底筒状の容器本体２と、容器本体２の口部１０に装着された中栓３と、容器本体２の口部１０に装着され、内容物を吐出する吐出孔４が形成された吐出筒５と、中栓３を介して容器本体２の口部１０に装着され、吐出筒５の内側に配置された塗布栓６と、容器本体２の口部１０に取り外し可能に装着された有頂筒状のオーバーキャップ７と、を備えている。
【0018】
なお、内容物としては特に限定されるものではないが、例えば人体の頭皮、皮膚等の被塗布部Ｓ（図４参照）に塗布する育毛剤、消炎、鎮痛、鎮痒等の効果を有する薬剤、化粧料等の液体が挙げられる。さらに内容物は、人体用に限定されるものではなく、人体以外に塗布する液体でも構わない。さらに内容物としては、液体に限定されるものではなく、例えば粒状、パウダー等の粉状の内容物でも構わない。
【0019】
図１において、容器本体２、中栓３、吐出筒５、塗布栓６及びオーバーキャップ７は、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Ｏといい、容器軸Ｏ方向に沿うオーバーキャップ７側を上方、その反対側（容器本体２側）を下方という。さらに容器軸Ｏから見た平面視において、容器軸Ｏに交差する方向を径方向といい、容器軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
（容器本体）
容器本体２は、口部１０、肩部１１、胴部１２及び底部（不図示）が上側から順に連設された有底筒状に形成されている。
容器本体２の口部１０は、肩部１１から上方に向かって延びる第１口部１３と、第１口部１３よりも上方に配置され、第１口部１３よりも外径がさらに小さく形成された第２口部１４と、を備えている。なお、第１口部１３の内径と第２口部１４の内径とは、略同径とされている。
容器本体２は、口部１０、肩部１１、胴部１２及び底部（不図示）が上側から順に連設された有底筒状に形成されている。
容器本体２の口部１０は、肩部１１から上方に向かって延びる第１口部１３と、第１口部１３よりも上方に配置され、第１口部１３よりも外径がさらに小さく形成された第２口部１４と、を備えている。なお、第１口部１３の内径と第２口部１４の内径とは、略同径とされている。
【0021】
第１口部１３の外周面には、雄ねじ部１５が形成されている。第２口部１４の外周面には、径方向外側に向けて突出すると共に、周方向に沿って延びる係止突起１６が形成されている。係止突起１６は、第２口部１４の全周に亘って環状に形成されていても構わないし、周方向に間隔をあけて複数形成されていても構わない。
第１口部１３の下端部には、径方向外側へ向けて突出すると共に上下方向に沿って延びる第１回り止めリブ１７が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
第１口部１３の下端部には、径方向外側へ向けて突出すると共に上下方向に沿って延びる第１回り止めリブ１７が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0022】
（中栓）
図１及び図２に示すように、中栓３は、塗布栓６よりも下方に配置された状態で、容器本体２の口部１０に装着されている。
中栓３は、容器本体２の第２口部１４の内側に密に嵌合されたシール筒２０と、シール筒２０の下端開口部を閉塞する底壁部２１と、を備え、口部１０の内側を閉塞している。
図１及び図２に示すように、中栓３は、塗布栓６よりも下方に配置された状態で、容器本体２の口部１０に装着されている。
中栓３は、容器本体２の第２口部１４の内側に密に嵌合されたシール筒２０と、シール筒２０の下端開口部を閉塞する底壁部２１と、を備え、口部１０の内側を閉塞している。
【0023】
底壁部２１の中央部には、容器軸Ｏに沿って上方に向けて延びた案内軸部２２が形成されている。図示の例では、案内軸部２２は、下方に開口した有頂筒状に形成されている。これにより、底壁部２１は、周方向に沿って連続的に延びる環状に形成されている。ただし、案内軸部２２は、中空に形成されている必要はなく、例えば中実の円柱状に形成されていても構わない。
案内軸部２２は、シール筒２０よりも上方に向けて突出しており、上端部が後述する塗布部４１の内側に下方から入り込んでいる。
案内軸部２２は、シール筒２０よりも上方に向けて突出しており、上端部が後述する塗布部４１の内側に下方から入り込んでいる。
【0024】
底壁部２１には、該底壁部２１を上下に貫通する貫通孔２３が形成されている。貫通孔２３は、例えば周方向に間隔をあけて配置されるように複数形成されている。これにより、容器本体２内の内容物を、貫通孔２３を通じて底壁部２１よりも上方に向けて供給することが可能とされている。
【0025】
シール筒２０は、容器本体２の第２口部１４よりも上方に突出するように延びている。そしてシール筒２０の外周面には、径方向に向けて突出すると共に、第２口部１４の上端開口縁上に配置される環状のフランジ部２４が形成されている。フランジ部２４の外周縁部には、上方に向けて突出する保持筒２５が形成されている。
保持筒２５は、シール筒２０との間に隙間を開けた状態で、シール筒２０を径方向の外側から囲んでいる。なお図示の例では、保持筒２５の上端部は、シール筒２０の上端部よりも下方に位置している。
保持筒２５は、シール筒２０との間に隙間を開けた状態で、シール筒２０を径方向の外側から囲んでいる。なお図示の例では、保持筒２５の上端部は、シール筒２０の上端部よりも下方に位置している。
【0026】
（吐出筒）
図２に示すように、吐出筒５は、容器本体２の第２口部１４を径方向の外側から囲むと共に、第２口部１４及び中栓３の案内軸部２２よりも上方に向けて延びた下筒３０と、下筒３０の上端部から径方向の内側に向けて突出した環状の天壁３１と、天壁３１の内周縁部から上方に向けて突出した上筒３２と、を備えている。
図２に示すように、吐出筒５は、容器本体２の第２口部１４を径方向の外側から囲むと共に、第２口部１４及び中栓３の案内軸部２２よりも上方に向けて延びた下筒３０と、下筒３０の上端部から径方向の内側に向けて突出した環状の天壁３１と、天壁３１の内周縁部から上方に向けて突出した上筒３２と、を備えている。
【0027】
下筒３０の下端部は、第２口部１４に形成された係止突起１６にアンダーカット嵌合されている。これにより、吐出筒５の全体は、容器本体２の口部１０に装着されている。ただし、吐出筒５の装着方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば第２口部１４に対して下筒３０をねじ結合することで、吐出筒５を装着しても構わない。
下筒３０の外径は、容器本体２の第１口部１３の外径に対して同径とされている。上筒３２は、上方に向けて開口している。そして上筒３２の開口部の内側が、内容物を吐出する吐出孔４として機能する。
下筒３０の外径は、容器本体２の第１口部１３の外径に対して同径とされている。上筒３２は、上方に向けて開口している。そして上筒３２の開口部の内側が、内容物を吐出する吐出孔４として機能する。
【0028】
図２及び図３に示すように、上筒３２の内周面には、径方向の内側に向けて突出した突起片３３が形成されている。図示の例では、突起片３３は、容器軸Ｏを挟んで向かい合うように一対形成されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えば突起片３３を１つだけ形成しても構わないし、周方向に間隔をあけて３つ以上形成しても構わない。
突起片３３は、径方向に沿った長さ及び周方向に沿った長さ（周幅）よりも厚みが薄く形成され、外周縁部（上筒３２との接続部分）を基点として内周縁部が上下に変位し易い構造とされている。なお、突起片３３の内周縁部は、縦断面視で半球状の丸みを帯びた形状とされている。
突起片３３は、径方向に沿った長さ及び周方向に沿った長さ（周幅）よりも厚みが薄く形成され、外周縁部（上筒３２との接続部分）を基点として内周縁部が上下に変位し易い構造とされている。なお、突起片３３の内周縁部は、縦断面視で半球状の丸みを帯びた形状とされている。
【0029】
さらに上筒３２の内周面のうち突起片３３よりも下方に位置する部分には、径方向の内側に向けて突出すると共に、周方向に沿って延びる円弧状の補助壁３４が形成されている。補助壁３４は、容器軸Ｏ方向から見たときに、一対の突起片３３に対して周方向にずれた位置に配置されている。また補助壁３４の径方向への突出量は、突起片３３の突出量と同等とされている。
補助壁３４は、後述する塗布部４１を径方向の外側からサポートして、塗布部４１の上下動を案内する役割を果たしている。
補助壁３４は、後述する塗布部４１を径方向の外側からサポートして、塗布部４１の上下動を案内する役割を果たしている。
【0030】
（塗布栓）
図２に示すように塗布栓６は、吐出筒５の内側に配置された状態で中栓３を介して容器本体２の口部１０に装着され、容器本体２の口部１０及び中栓３を上方から覆っている。
塗布栓６は、吐出筒５よりも軟質な軟材質で形成されている。例えば、吐出筒５がポリプロピレン等の硬質の樹脂材で形成されている場合、塗布栓６は、低密度ポリエチレン、エラストマ、シリコンゴム等の軟質な材質で形成されている。
なお、図示の例では、塗布栓６の全体を軟質材で形成しているが、この場合に限定されるものではなく、少なくとも後述する塗布部４１が軟材質で形成されていれば良い。
図２に示すように塗布栓６は、吐出筒５の内側に配置された状態で中栓３を介して容器本体２の口部１０に装着され、容器本体２の口部１０及び中栓３を上方から覆っている。
塗布栓６は、吐出筒５よりも軟質な軟材質で形成されている。例えば、吐出筒５がポリプロピレン等の硬質の樹脂材で形成されている場合、塗布栓６は、低密度ポリエチレン、エラストマ、シリコンゴム等の軟質な材質で形成されている。
なお、図示の例では、塗布栓６の全体を軟質材で形成しているが、この場合に限定されるものではなく、少なくとも後述する塗布部４１が軟材質で形成されていれば良い。
【0031】
塗布栓６は、シール筒２０の上端部及び案内軸部２２を径方向の外側から囲む基端筒４０と、基端筒４０よりも上方に配置されると共に、吐出筒５における上筒３２の内側に配置された塗布部４１と、基端筒４０と塗布部４１との間に配置され、基端筒４０と塗布部４１とを上下に連結する弾性筒４２と、を備えている。
【0032】
基端筒４０は、吐出筒５における下筒３０の内側に配置されている。基端筒４０は、下端部がフランジ部２４に対して上方から接触した状態でシール筒２０と保持筒２５との間に密に嵌合されている。これにより、基端筒４０は、中栓３との間のシール性が確保された状態で中栓３に保持されている。そのため、塗布栓６の全体は、中栓３に一体に組み合わされ、中栓３を介して容器本体２の口部１０に装着されている。基端筒４０と下筒３０との間には、環状の第１空間Ｒ１が確保されている。
なお、基端筒４０は、塗布栓６の全体が軟質材で形成されていることで、例えば上端部が径方向の外側に向けて傾斜しながら（拡径しながら）、上下方向に潰れるように弾性変形可能とされている（図５参照）。
なお、基端筒４０は、塗布栓６の全体が軟質材で形成されていることで、例えば上端部が径方向の外側に向けて傾斜しながら（拡径しながら）、上下方向に潰れるように弾性変形可能とされている（図５参照）。
【0033】
塗布部４１は、周壁部４３及び頂壁部４４を有する有頂筒状に形成され、吐出孔４を通じて吐出筒５よりも上方に突出している。従って、頂壁部４４は、吐出筒５における上筒３２の上端開口縁よりも上方に配置されている。塗布部４１の頂壁部４４は、平坦に形成されている。これにより、頂壁部４４の上面は、被塗布部Ｓに対して面接触する塗布面４４ａとされている。
【0034】
塗布部４１の周壁部４３は、外径が吐出筒５の上筒３２の内径よりも小さい筒状に形成されている。より具体的には、周壁部４３は、上筒３２に形成された突起片３３及び補助壁３４の内側に収まるように形成されている。これにより、周壁部４３と上筒３２との間には、環状の第２空間Ｒ２が確保されている。第２空間Ｒ２は、第１空間Ｒ１に連通していると共に、吐出孔４に連通している。
これら第１空間Ｒ１及び第２空間Ｒ２は、吐出筒５と塗布栓６との間に形成され、容器本体２内の内容物を吐出孔４に導く吐出通路Ｒ３として機能する。
これら第１空間Ｒ１及び第２空間Ｒ２は、吐出筒５と塗布栓６との間に形成され、容器本体２内の内容物を吐出孔４に導く吐出通路Ｒ３として機能する。
【0035】
基端筒４０には、該基端筒４０を径方向に貫通すると共に、基端筒４０の内部と吐出通路Ｒ３とを連通する連通孔４５が形成されている。図示の例では、連通孔４５は、基端筒４０の周方向に間隔をあけて複数形成されている。ただし、連通孔４５の数は複数に限定されるものではなく、１つだけ形成されても構わない。これにより、容器本体２内の内容物を、中栓３に形成された貫通孔２３及び連通孔４５を経由して吐出通路Ｒ３内に供給して、吐出孔４まで導くことが可能となる。
【0036】
なお、基端筒４０のうち連通孔４５よりも下方に位置する部分の外周面には、径方向の外側に向けて突出した環状のシールフランジ部４６が形成されている。シールフランジ部４６の外周縁部は、吐出筒５における下筒３０の内周面に対して全周にわたって密に接触している。これにより、吐出通路Ｒ３内に供給した内容物が下方に漏れることを防止している。
【0037】
弾性筒４２は、基端筒４０の上端部と塗布部４１の周壁部４３の下端部とを連結すると共に、塗布部４１を下方移動可能に支持し、且つ塗布部４１に対して上方への付勢力を伝えている。
弾性筒４２は、基端筒４０の上端部から上方に向かいながら径方向の内側に向けて湾曲する湾曲部４７と、湾曲部４７から径方向の内側に向かうにしたがって下方にむけて延びると共に、塗布部４１の周壁部４３の下端部に連結する連結部４８と、を備えている。
湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９は、吐出筒５の天壁３１に対して下方から密に接触している。そして連結部４８は、連結部分４９を基点として上方に向けて回動するように、弾性復元力を利用して塗布部４１を付勢している。これにより、弾性筒４２は、塗布部４１に対して、該塗布部４１を上方に向けて常時付勢するように付勢力を伝えている。さらに、弾性筒４２は、弾性筒４２自身による付勢力だけでなく、基端筒４０の上端部が径方向の外側に向けて拡径した後の基端筒４０の弾性復元力を、上方への付勢力として塗布部４１に伝えている。
弾性筒４２は、基端筒４０の上端部から上方に向かいながら径方向の内側に向けて湾曲する湾曲部４７と、湾曲部４７から径方向の内側に向かうにしたがって下方にむけて延びると共に、塗布部４１の周壁部４３の下端部に連結する連結部４８と、を備えている。
湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９は、吐出筒５の天壁３１に対して下方から密に接触している。そして連結部４８は、連結部分４９を基点として上方に向けて回動するように、弾性復元力を利用して塗布部４１を付勢している。これにより、弾性筒４２は、塗布部４１に対して、該塗布部４１を上方に向けて常時付勢するように付勢力を伝えている。さらに、弾性筒４２は、弾性筒４２自身による付勢力だけでなく、基端筒４０の上端部が径方向の外側に向けて拡径した後の基端筒４０の弾性復元力を、上方への付勢力として塗布部４１に伝えている。
【0038】
上述のように構成された弾性筒４２は、被塗布部Ｓに対する塗布部４１の押し付け操作によって、塗布部４１が下方（容器本体２側）に移動したときに、連結部４８が塗布部４１に引っ張られて変位する。これにより、湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９が、天壁３１から離間するように変位する（図５参照）。
従って弾性筒４２は、塗布部４１の上方付勢時に天壁３１（吐出筒５の内面）に接触することで、図２に示すように吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４との連通を遮断し、且つ塗布部４１の容器本体２側に向けた移動時（下方移動時）に、天壁３１から離間することで、吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４と連通を許容する（図５参照)。
従って弾性筒４２は、塗布部４１の上方付勢時に天壁３１（吐出筒５の内面）に接触することで、図２に示すように吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４との連通を遮断し、且つ塗布部４１の容器本体２側に向けた移動時（下方移動時）に、天壁３１から離間することで、吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４と連通を許容する（図５参照)。
【0039】
図２及び図３に示すように、塗布部４１の周壁部４３の外周面には、径方向の外側に向けて突出した打音用突起５０が形成されている。
打音用突起５０は、吐出筒５の上筒３２に形成された一対の突起片３３に対応して、容器軸Ｏを挟んで向かい合うように一対形成されていると共に、突起片３３よりも上方に位置するように形成されている。なお、突起片３３を１つ或いは３つ以上形成した場合には、それに対応して打音用突起５０を形成すれば良い。
打音用突起５０は、吐出筒５の上筒３２に形成された一対の突起片３３に対応して、容器軸Ｏを挟んで向かい合うように一対形成されていると共に、突起片３３よりも上方に位置するように形成されている。なお、突起片３３を１つ或いは３つ以上形成した場合には、それに対応して打音用突起５０を形成すれば良い。
【0040】
打音用突起５０は、突起片３３の内周縁部に対して上方から接触する程度の突出量で形成されていると共に、突起片３３の周幅と同等の周幅で形成されている。これにより、打音用突起５０は、塗布部４１が容器本体２側に向けて移動（下方移動）したときに、突起片３３を下方に向けて乗り越えながら該突起片３３を弾くことが可能とされている。
特に本実施形態の打音用突起５０は、突起片３３に上方から接触する下面が平坦面とされている。従って、打音用突起５０は、突起片３３を下方に向けて効率良く押下げて突起片３３を勢い良く弾くことが可能とされている。
特に本実施形態の打音用突起５０は、突起片３３に上方から接触する下面が平坦面とされている。従って、打音用突起５０は、突起片３３を下方に向けて効率良く押下げて突起片３３を勢い良く弾くことが可能とされている。
【0041】
なお、打音用突起５０の上端面は、径方向の外側に向かうにしたがって下方に向けて湾曲した湾曲面とされている。そのため、塗布部４１が上方付勢によって元の位置に復帰する場合には、打音用突起５０の湾曲面が突起片３３の丸みを帯びた内周縁部に対して摺接しながら、上方に向けて乗り越える。従って、打音用突起５０は、突起片３３をそれほど弾くことなく、上方に乗り越えることが可能とされている。
【0042】
（オーバーキャップ）
図１に示すように、オーバーキャップ７は、容器本体２の口部１０を径方向の外側から囲む第１キャップ筒６１と、第１キャップ筒６１との間に隙間をあけた状態で第１キャップ筒６１を径方向外側からさらに囲む第２キャップ筒６２と、第１キャップ筒６１及び第２キャップ筒６２の上端開口部を塞ぐキャップ天壁６３と、を備えた有頂筒状に形成されている。
図１に示すように、オーバーキャップ７は、容器本体２の口部１０を径方向の外側から囲む第１キャップ筒６１と、第１キャップ筒６１との間に隙間をあけた状態で第１キャップ筒６１を径方向外側からさらに囲む第２キャップ筒６２と、第１キャップ筒６１及び第２キャップ筒６２の上端開口部を塞ぐキャップ天壁６３と、を備えた有頂筒状に形成されている。
【0043】
第１キャップ筒６１の内周面には、容器本体２の第１口部１３に形成された雄ねじ部１５に螺合する雌ねじ部６４が形成されている。これにより、オーバーキャップ７は、容器本体２の口部１０にねじ結合によって装着されている。
ただし、オーバーキャップ７の装着方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば第１口部１３に対して第１キャップ筒６１をアンダーカット嵌合させることによって装着しても構わない。
ただし、オーバーキャップ７の装着方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば第１口部１３に対して第１キャップ筒６１をアンダーカット嵌合させることによって装着しても構わない。
【0044】
第１キャップ筒６１の下端部には、径方向の内側に向けて突出すると共に、オーバーキャップ７が容器本体２の口部１０に装着されるときに、容器本体２の第１回り止めリブ１７に対して周方向の一方側（オーバーキャップ７の締め付け方向側）から接触する第２回り止めリブ６５が形成されている。これにより、オーバーキャップ７は、第２回り止めリブ６５が第１回り止めリブ１７に対して周方向の一方側から接触することで、口部１０に対する過度の締め込みが抑制される。
第２キャップ筒６２は、外径が容器本体２の胴部１２の外径と略同径となるように形成されている。第２キャップ筒６２の下端部は、容器本体２の肩部１１に対して上方から近接又は当接している。
第２キャップ筒６２は、外径が容器本体２の胴部１２の外径と略同径となるように形成されている。第２キャップ筒６２の下端部は、容器本体２の肩部１１に対して上方から近接又は当接している。
【0045】
キャップ天壁６３は、塗布部４１の塗布面４４ａよりも上方に配置されている。キャップ天壁６３における中央部分には、下方に向けて延びると共に、吐出筒５における上筒３２の上端開口縁に対して上方から接触する規制筒６６が形成されている。オーバーキャップ７は、規制筒６６が上筒３２の上端開口縁に対して接触することによって、それ以上の下方移動が規制される。従って、このことによっても、口部１０に対するオーバーキャップ７の過度の締め込みが抑制される。
【0046】
（塗布容器の作用）
次に、上述のように構成された塗布容器１を使用して、内容物を被塗布部Ｓに塗布する場合について説明する。
次に、上述のように構成された塗布容器１を使用して、内容物を被塗布部Ｓに塗布する場合について説明する。
【0047】
内容物の塗布を行うにあたり、図１に示すオーバーキャップ７を取り外し、塗布部４１及び吐出筒５を外部に露出させる。この段階では、図２に示すように、塗布部４１が上方付勢されているため、塗布面４４ａが吐出筒５の上筒３２よりも上方に配置されている。また弾性筒４２における湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９が、天壁３１に対して接触しているので、吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４との連通が遮断されている。
【0048】
これにより、塗布容器１を、例えば塗布栓６が上方を向いた正立姿勢から、塗布栓６が下方を向いた倒立姿勢に変化させたとしても、内容物が吐出孔４を通じて外部に漏出することが抑制されている。従って、例えば商品流通時、保管時等において、内容物が意図せずに漏出することがなく、塗布容器１の品質を維持することができる。
【0049】
次いで、内容物の塗布を行う場合には、図４に示すように、塗布容器１を倒立姿勢にした後、塗布部４１の塗布面４４ａを被塗布部Ｓに接触させながら、塗布部４１を押し付け操作する。これにより、図５に示すように、弾性筒４２を介して伝わる付勢力（弾性復元力）に抗して塗布部４１を容器本体２側に押し込んで移動させることができる。
さらに塗布部４１の移動に伴って、弾性筒４２における湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９を天壁３１から離間させることができるので、吐出通路Ｒ３を通じて連通孔４５と吐出孔４とを連通させることができる。
なお、基端筒４０は、塗布部４１の容器本体２側に向けた移動、及び弾性筒４２の変位に伴って、基端筒４０と湾曲部４７との連結部分が径方向の外側に向けて拡径するように弾性変位する。
さらに塗布部４１の移動に伴って、弾性筒４２における湾曲部４７と連結部４８との連結部分４９を天壁３１から離間させることができるので、吐出通路Ｒ３を通じて連通孔４５と吐出孔４とを連通させることができる。
なお、基端筒４０は、塗布部４１の容器本体２側に向けた移動、及び弾性筒４２の変位に伴って、基端筒４０と湾曲部４７との連結部分が径方向の外側に向けて拡径するように弾性変位する。
【0050】
そのため、容器本体２内の内容物を、図５に示す矢印Ｗの如く、中栓３の貫通孔２３、塗布栓６の連通孔４５及び吐出通路Ｒ３を経由して、吐出孔４を通じて外部に吐出させることができる。その結果、塗布部４１を利用して、吐出した内容物を被塗布部Ｓに塗布することができる。
【0051】
なお、内容物の塗布が終了した後、被塗布部Ｓから塗布部４１を離間させることで、弾性筒４２の弾性復元力及び基端筒４０の弾性復元力を、弾性筒４２を介して塗布部４１に伝えることができる。これにより、塗布部４１を元の位置に復元移動させることができると共に、弾性筒４２の連結部分４９を天壁３１に接触させて、吐出通路Ｒ３を通じた連通孔４５と吐出孔４との連通を遮断できる。そのため、次回の塗布に備えることができる。
【0052】
特に塗布部４１の押し付け操作時、該塗布部４１の移動に伴って、吐出筒５に形成された突起片３３を乗り越えるように打音用突起５０を移動させながら、突起片３３を勢い良く弾くことができる。これにより、突起片３３を例えば振動させて音を発生させることができると共に、クリック感のような触感を使用者に付与することができる。そのため、内容物が吐出されたことを感覚的に把握することができ、例えば所望する吐出量で内容物を被塗布部Ｓに塗布することができる。
従って、多量の内容物を意図せずに吐出してしてしまうといった不都合を抑制することができると共に、不必要な押し付け操作をなくすことができる。従って、操作性に優れた塗布容器１とすることができる。
従って、多量の内容物を意図せずに吐出してしてしまうといった不都合を抑制することができると共に、不必要な押し付け操作をなくすことができる。従って、操作性に優れた塗布容器１とすることができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の塗布容器１によれば、押し付け操作による内容物の吐出を感覚的に把握することができ、操作性に優れた使い易い塗布容器１とすることができる。
さらに塗布栓６の全体が軟材質で形成されているので、被塗布部Ｓに対して塗布部４１を押し付け操作したときに、押付け力や衝撃等を緩和或いは吸収することができる。従って、被塗布部Ｓに対してやわらかな塗布感触を付与することができ、被塗布部Ｓに例えば傷等を付けることなく、快適で心地よい塗布を行うことができる。
さらに塗布栓６の全体が軟材質で形成されているので、被塗布部Ｓに対して塗布部４１を押し付け操作したときに、押付け力や衝撃等を緩和或いは吸収することができる。従って、被塗布部Ｓに対してやわらかな塗布感触を付与することができ、被塗布部Ｓに例えば傷等を付けることなく、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0054】
それに加えて、被塗布部Ｓに対して塗布部４１の塗布面４４ａを面接触させることができるので、接触面積を大きく確保することができる。従って、被塗布部Ｓに対する押付け力や衝撃等をより一層効率良く分散させることができ、被塗布部Ｓに対するソフトな接触を行うことができる。さらに被塗布部Ｓに対して塗布面４４ａを面接触させることで、塗布部４１を安定した状態で押し付け操作することができる。従って、打音用突起５０を利用して突起片３３を安定且つ確実に弾くことができ、音の発生やクリック感のような触感を確実に得ることができる。
【0055】
さらに塗布部４１を押し付け操作したときに、図５に示すように、中栓３の案内軸部２２を塗布部４１の内部に入り込ませることができるので、塗布部４１を例えば変形させ難くすることができ、姿勢を保持した状態で塗布部４１の移動を案内できる。従って、塗布部４１による内容物の塗布や、打音用突起５０を利用した音の発生等を確実に行うことができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能であることに加え、各実施形態における変形例を適宜組み合わせてもよい。さらに、本実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
【0057】
例えば上記実施形態では、吐出筒５がポリプロピレン等の硬質の樹脂材から形成されていると説明したが、例えば低密度ポリエチレン等の軟質の樹脂材から形成されていてもよい。この場合、吐出筒５と塗布栓６とが同じ材質であってもよい。この場合であっても、製法や加工法、肉厚等の違いによって、吐出筒５よりも塗布栓６の方が結果的に軟質材になっていれば良い。
【0058】
また上記実施形態では、塗布部４１の頂壁部４４を平坦に形成した場合を例に挙げて説明したが、例えば上方に向けてドーム状に膨らむように形成しても構わない。さらに上記実施形態では、中栓３を具備する構成としたが、中栓３は必須なものではなく、具備しなくても構わない。この場合、例えば塗布栓６の基端筒４０を、容器本体２の口部１０に対して直接的に装着させても構わない。
【0059】
さらに、本発明は以下の態様を含む。
＜１＞
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が上端部に形成された吐出筒と、
前記吐出筒の内側に配置されると共に、前記容器本体の口部を上方から覆う塗布栓と、を備え、
前記吐出筒と前記塗布栓との間には、前記容器本体内の内容物を前記吐出孔に導く吐出通路が形成され、
前記塗布栓は、
前記容器本体内と前記吐出通路内とを連通する連通孔が形成された基端筒と、
前記基端筒よりも上方に配置され、前記吐出孔を通じて前記吐出筒よりも上方に突出した塗布部と、
前記基端筒と前記塗布部とを連結すると共に、前記塗布部を下方移動可能に支持し、且つ前記塗布部に対して上方への付勢力を伝える弾性筒と、を備え、
前記弾性筒は、前記塗布部の上方付勢時に前記吐出筒の内面に接触することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を遮断し、且つ前記塗布部の下方移動時に前記吐出筒の内面から離間することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を許容し、
前記塗布部の外周面には、径方向の外側に向けて突出すると共に、前記塗布部の下方移動時に、前記吐出筒の内周面に形成された突起片を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起が形成されていることを特徴とする塗布容器。
＜２＞
＜１＞に記載の塗布容器において、
前記塗布栓は、少なくとも前記塗布部が、前記吐出筒よりも軟質な軟材質で形成されている、塗布容器。
＜３＞
＜１＞又は＜２＞に記載の塗布容器において、
前記塗布部の上端部には、平坦に形成され、被塗布部に対して面接触する塗布面が形成されている、塗布容器。
＜４＞
＜１＞から＜３＞のいずれか１つに記載の塗布容器において、
前記塗布栓よりも下方に配置された状態で前記容器本体の口部の内側に装着された中栓を備え、
前記塗布部は、有頂筒状に形成され、
前記中栓は、前記塗布部が下方移動したときに、前記塗布部の内部に入り込んで前記塗布部の下方移動を案内する案内軸部を有している、塗布容器。
＜１＞
内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着されると共に、内容物を吐出する吐出孔が上端部に形成された吐出筒と、
前記吐出筒の内側に配置されると共に、前記容器本体の口部を上方から覆う塗布栓と、を備え、
前記吐出筒と前記塗布栓との間には、前記容器本体内の内容物を前記吐出孔に導く吐出通路が形成され、
前記塗布栓は、
前記容器本体内と前記吐出通路内とを連通する連通孔が形成された基端筒と、
前記基端筒よりも上方に配置され、前記吐出孔を通じて前記吐出筒よりも上方に突出した塗布部と、
前記基端筒と前記塗布部とを連結すると共に、前記塗布部を下方移動可能に支持し、且つ前記塗布部に対して上方への付勢力を伝える弾性筒と、を備え、
前記弾性筒は、前記塗布部の上方付勢時に前記吐出筒の内面に接触することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を遮断し、且つ前記塗布部の下方移動時に前記吐出筒の内面から離間することで、前記吐出通路を通じた前記連通孔と前記吐出孔との連通を許容し、
前記塗布部の外周面には、径方向の外側に向けて突出すると共に、前記塗布部の下方移動時に、前記吐出筒の内周面に形成された突起片を乗り越えながら該突起片を弾く打音用突起が形成されていることを特徴とする塗布容器。
＜２＞
＜１＞に記載の塗布容器において、
前記塗布栓は、少なくとも前記塗布部が、前記吐出筒よりも軟質な軟材質で形成されている、塗布容器。
＜３＞
＜１＞又は＜２＞に記載の塗布容器において、
前記塗布部の上端部には、平坦に形成され、被塗布部に対して面接触する塗布面が形成されている、塗布容器。
＜４＞
＜１＞から＜３＞のいずれか１つに記載の塗布容器において、
前記塗布栓よりも下方に配置された状態で前記容器本体の口部の内側に装着された中栓を備え、
前記塗布部は、有頂筒状に形成され、
前記中栓は、前記塗布部が下方移動したときに、前記塗布部の内部に入り込んで前記塗布部の下方移動を案内する案内軸部を有している、塗布容器。
【符号の説明】
【0060】
Ｒ３…吐出通路
１…塗布容器
２…容器本体
３…中栓
５…吐出筒
６…塗布栓
１０…容器本体の口部
２２…案内軸部
３３…突起片
４０…基端筒
４１…塗布部
４２…弾性筒
４４ａ…塗布面
４５…連通孔
５０…打音用突起
１…塗布容器
２…容器本体
３…中栓
５…吐出筒
６…塗布栓
１０…容器本体の口部
２２…案内軸部
３３…突起片
４０…基端筒
４１…塗布部
４２…弾性筒
４４ａ…塗布面
４５…連通孔
５０…打音用突起
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】