(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093427
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】振動試験方法
(51)【国際特許分類】
G01M 7/02 20060101AFI20240702BHJP
G01M 99/00 20110101ALI20240702BHJP
【FI】
G01M7/02 B
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209801
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中本 和伸
(72)【発明者】
【氏名】野口 徳司
(72)【発明者】
【氏名】中田 理
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AD18
2G024BA12
2G024CA13
2G024DA12
2G024EA01
2G024EA13
(57)【要約】
【課題】収容体の輸送過程における振動の再現性と効率性が高い、振動試験方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る振動試験方法は、複数の物品11が収容された収容体12に振動を加える加振工程を具備する。前記加振工程は、蓄積疲労に基づき、収容体12に振動を加える。前記蓄積疲労は、収容体12における複数の測定対象物10a,10b間の加速度差である相対加速度に基づいて算出される。
前記振動試験方法は、加振工程よりも前に、複数の物品11が収容された収容体12を輸送状態にして、前記相対加速度を測定する、予備工程を具備することが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品が収容された収容体に振動を加える加振工程を具備し、
前記加振工程は、蓄積疲労に基づき、前記収容体に振動を加える工程であり、
前記蓄積疲労が、前記収容体における複数の測定対象物間の加速度差である相対加速度に基づいて算出される、振動試験方法。
【請求項2】
前記加振工程よりも前に、複数の物品が収容された収容体を輸送状態にして、前記相対加速度を測定する、予備工程を具備する、請求項1に記載の振動試験方法。
【請求項3】
前記輸送状態が陸上輸送した状態である、請求項2に記載の振動試験方法。
【請求項4】
前記加振工程は、該加振工程の前記蓄積疲労が、前記予備工程で測定された前記相対加速度に基づく前記蓄積疲労と等価となるように、前記収容体に振動を加える工程である、請求項2又は3に記載の振動試験方法。
【請求項5】
前記加振工程は、振動時間を調整して、前記収容体に振動を加える工程である、請求項4に記載の振動試験方法。
【請求項6】
前記複数の測定対象物が、前記収容体内で接触可能に収容された物品どうしである、請求項1~5の何れか1項に記載の振動試験方法。
【請求項7】
前記複数の測定対象物が、前記収容体内で前記振動によって最も損傷を受ける物品どうしである、請求項1~6の何れか1項に記載の振動試験方法。
【請求項8】
前記収容体が段ボール箱である、請求項1~7の何れか1項に記載の振動試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品等の流通過程において、該商品が収容された収容体に振動が加わり、それによって商品が変形又は損傷することがある。斯かる振動を再現して、商品の変形や損傷の有無を評価する振動試験が知られている。
例えば、特許文献1には、実輸送における輸送条件下で、被輸送品に生ずる蓄積疲労を理論蓄積疲労として算出する工程と、振動台を用いた振動試験によって、被輸送品を輸送条件における振動加速度で所定時間振動させ、該被輸送品に生ずる振動加速度から蓄積疲労を実績疲労として算出する工程とを具備し、実績疲労が理論蓄積疲労になるまで、振動台の振動加速度を増大させた前記振動試験を繰り返す、振動試験方法が開示されている。
【0003】
また、輸送過程で輸送品が受ける垂直振動に対し、輸送品における内容品又は包装の耐久性を評価するための試験方法がJISにより定められている(非特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-181195号公報
【非特許文献1】JIS Z 0200_2013 包装貨物-性能試験方法一般通則
【非特許文献2】JIS Z 0232_2004 包装貨物-振動試験方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
振動に対する商品や包装体の耐久性を把握する観点から、振動試験は、実際の輸送状況に合った振動を再現できることが要求される。特許文献1並びに非特許文献1及び2の振動試験方法は、振動を発生させる車両等の輸送手段の振動を再現したものであるにも拘らず、該振動試験方法の振動により生じる商品の損傷の程度は、実際の輸送経路で生じる商品の損傷の程度から乖離したものであった。特に、収容体に収容された商品の損傷の程度を従来の振動試験によって再現することが困難であった。また斯かる再現の困難性から、振動時間が長時間に及ぶ傾向にあり、効率的に試験を行うことも困難であった。
【0006】
したがって本発明は、収容体の輸送過程における振動の再現性と効率性が高い、振動試験方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、振動試験方法に関する。
一実施形態として、前記振動試験方法は、複数の物品が収容された収容体に振動を加える加振工程を具備することが好ましい。
一実施形態として、前記加振工程は、蓄積疲労に基づき、前記収容体に振動を加える工程であることが好ましい。
前記蓄積疲労は、前記収容体における複数の測定対象物間の加速度差である相対加速度に基づいて算出される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の振動試験方法によれば、収容体の輸送過程における振動の再現性と効率性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明に係る振動試験方法の一実施形態を示す概略説明図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す収容体に収容された物品と加速度センサーとの位置関係を示す平面図である。
【
図3】
図3は、相対加速度の経時変化を示すグラフである。
【
図4】
図4は、輸送状態における収容体内の物品を説明するための斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す振動装置が実行する加振工程のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の振動試験方法は、輸送状態における相対加速度を測定する予備工程と、複数の物品11が収容された収容体12に振動を加える加振工程とを具備する(
図1参照)。相対加速度の詳細は後述する。
【0011】
収容体12は、複数の物品11を収容する収容空間を内部に有する。収容体12としては、段ボール箱、木箱、プラスチック製コンテナ等の輸送状況を反映した梱包資材とすることができる。汎用性の観点から、収容体12として段ボール箱を用いることが好ましい。
【0012】
物品11は、振動試験の目的に応じたものとすることできる。例えば、収容体12に収容された状態で輸送(流通)される商品や、開発段階の試作品とすることができる。
本実施形態の収容体12は、段ボール箱17であり、該収容体12に収容される物品11は、洗剤が充填された包装容器16である(
図1参照)。この収容体12は、長手方向Xと該長手方向Xに直交する幅方向Yと、鉛直方向に沿う高さ方向Zとを有し(
図4参照)、幅方向Yに並んだ3個の包装容器16からなる列が、長手方向Xに沿って4列並んでいる。すなわち本実施形態の収容体12は、12個の包装容器16を収容している。
【0013】
本実施形態の振動試験方法は、複数の物品11が収容された収容体12について複数の測定対象物10a,10bを設定する。複数の測定対象物10a,10bは、物品11どうしであってもよく、物品11及び収容体12を含んでいてもよく、収容体12のみであってもよい。
測定対象物10a,10bに物品11が含まれる場合、収容体12内の複数の物品11から測定対象物10a,10bを選択する。測定対象物10a,10bを物品11どうしとする場合は、収容体12内の異なる物品11を複数選択し、これを測定対象物10a,10bとする。
測定対象物に収容体12が含まれる場合、収容体12の内壁、すなわち収容体12における物品11と対向する部位から測定対象物10a,10bを選択する。例えば、収容体12の底面から起立する周壁の一部分を測定対象物として選択する。
測定対象物の数は、2個以上とすることができ、3個以上であってもよい。
【0014】
本実施形態の振動試験方法では、収容体12内の2個の包装容器16a,16bを測定対象物10a,10bとする。測定対象物には、加速度センサーA1,A2が取り付けられる(
図2参照)。加速度センサーA1,A2は、加速度を連続して測定可能なものを特に制限なく用いることができる。これら加速度センサーA1,A2は、加速度として、XYZ軸(水平方向及び鉛直方向)の3方向の加速度が測定される。
本実施形態においてこれら加速度センサーA1,A2を、以下、「第1加速度センサーA1」及び「第2加速度センサーA2」ともいう。第1加速度センサーA1は、1個の包装容器16aに取り付けられ、第2加速度センサーA2は、第1加速度センサーA1が取り付けられた包装容器16aとは別の包装容器16bに取り付けられる。
【0015】
振動による損傷の再現性をより確実に得る観点から、収容体12における測定対象物10a,10bの選定、及び加速度センサーA1,A2の取り付けは、予備工程及び加振工程で共通させることが好ましい。
【0016】
予備工程及び加振工程では、収容体12における複数の測定対象物10a,10b間の加速度を測定し、さらにこれらの加速度差である相対加速度を測定する。振動による損傷の再現性をより向上させる観点から、相対加速度を算出するための複数の測定対象物10a,10b間の加速度は、鉛直方向の加速度であることが好ましい。
本実施形態の振動試験方法では、第1加速度センサーA1で測定される鉛直方向の加速度(G1)と、第2加速度センサーA2で測定される鉛直方向の加速度(G2)との差(G1―G2)を、相対加速度とする。斯かる収容体12における複数の測定対象物10a,10b間の相対加速度を、以下、単に「相対加速度」ともいう。
【0017】
予備工程は、輸送状態における複数の測定対象物10a,10b間の加速度を測定し、さらにこれらの加速度差である相対加速度を測定する。この予備工程では、収容体12が輸送されている間の相対加速度の経時変化を測定する。すなわち、車両等の輸送手段18によって輸送される収容体12内の測定対象物10a,10bどうし間の加速度差(相対加速度)を連続して測定する(
図1参照)。
予備工程で測定する相対加速度の経時変化は、輸送経路の出発地から目的地までの全区間を測定してもよく、該輸送経路の一部区間のみ測定してもよい。後者の場合、前記一部区間の相対加速度の経時変化から、輸送経路の全区間における相対加速度の経時変化を予測し、その予測値を、予備工程で求められる相対加速度の経時変化としてもよい。
【0018】
予備工程において収容体12を輸送する輸送手段18は特に限定されず、車両や鉄道等の陸上輸送、船舶等を用いた海上輸送、及び航空機やドローン等を用いた飛行輸送の何れか一方又はこれら輸送の組み合わせとすることができる。
本実施形態の予備工程における輸送状態は、陸上輸送した状態を採用する。
【0019】
本実施形態の予備工程は、輸送手段18の荷台に載せた複数の収容体12のうち1個の収容体12について、該収容体12内の包装容器16aに第1加速度センサーA1を取り付け、該収容体12内の別の包装容器16bに第2加速度センサーA2を取り付けて、これらの相対加速度を測定する(
図2参照)。
本実施形態の予備工程では、輸送状態においてこれら加速度センサーA1,A2が、有線又は無線で、加速度のデータ及び相対加速度のデータの一方又は双方をレコーダー(図示せず)に出力し記録する。このように本実施形態の予備工程では、輸送時間中の相対加速度を連続して測定することで、輸送時間中の相対加速度の経時変化のグラフを取得することができる(
図1参照)。
【0020】
振動試験方法は、異なる輸送条件で予備工程を行い、各輸送条件に対応する対応情報として蓄積することが好ましい。この対応情報都としては、測定対象物10a,10bの情報、測定対象物10a,10bの相対加速度、該相対加速度に基づく蓄積疲労、パワースペクトル密度等のプロファイル情報、輸送経路の情報等が挙げられる。輸送経路の情報には、出発地、目的地、走行距離、車両の種類、荷台における積載位置、路面状態等の情報が含まれる。
本実施形態の振動試験方法は、対応情報を後述する制御装置20に記憶させる。また、対応情報のうちプロファイル情報を後述する相対加速度条件として蓄積する。
【0021】
本実施形態の加振工程は、振動試験装置30、及び該振動試験装置30を制御する制御装置20を具備した振動装置100により実行される(
図1参照)。
振動試験装置30は、加振対象物を載せる振動台35と、該振動台35を振動させる振動発生部31とを具備する。振動試験装置30は、機械型、動電型、油圧型等の公知の振動試験装置を用いることができる。
【0022】
制御装置20は、振動発生部31の動作を制御し且つ測定対象物10a,10bの相対加速度及び蓄積疲労を解析する装置であり、条件抽出部21と、加振演算部23と、制御部25とを具備する。蓄積疲労の詳細は後述する。
【0023】
条件抽出部21は、操作者の操作に応じて、予め保存された相対加速度条件から所望の条件を抽出する。制御装置20には、複数の相対加速度条件の情報が保存されており、条件抽出部21は、当該情報から所望の相対加速度条件を読み込み、制御装置20が備える表示部(ディスプレイ)及び加振演算部23に出力する。相対加速度条件の情報には、予備工程で求めた輸送状態の相対加速度の経時変化の情報(以下、「輸送相対加速度情報」ともいう。)又は、非輸送状態で求めた相対加速度の経時変化の情報(以下、「非輸送相対加速度情報」ともいう。)とともに、収容体12における加速度センサーA1,A2の取り付け位置の情報等が含まれる。
【0024】
輸送相対加速度情報には、輸送状態の振動の挙動(周波数、振幅、波形、振動時間)、及び輸送経路の情報が関連付けられていることが好ましい。
非輸送相対加速度情報としては、例えば振動試験装置30を用いて、測定対象物に損傷が発生するまで振動させたときの相対加速度の経時変化等の情報が挙げられる。非輸送相対加速度情報は、振動試験装置30の動作設定の情報が関連付けられていることが好ましい。
【0025】
条件抽出部21は、抽出した相対加速度条件の相対加速度に基づく蓄積疲労を算出する。すなわち、相対加速度の経時変化から蓄積疲労を算出する。この条件抽出部21によって算出された蓄積疲労は、後述する「目標蓄積疲労」に相当する。
【0026】
加振演算部23は、振動試験に供される収容体12における相対加速度に基づく蓄積疲労が、条件抽出部21によって算出された蓄積疲労(目標蓄積疲労)と等価になるように、振動試験装置30の動作を調整する。すなわち加振演算部23によって、振動試験装置30の振動の挙動が調整される。振動の挙動には、相対加速度、振動の周波数、振動時間、加速度及び波形等が含まれる。
加振演算部23は、振動試験装置30の動作中、すなわち収容体12に振動を加えているときに、該収容体12における相対加速度に基づく蓄積疲労が、目標蓄積疲労と等価になるように、振動の周波数、振動時間、加速度及び波形の少なくとも1以上を調整する。
制御部25は、加振演算部23からの信号に基づき、振動試験装置30の動作を制御する。これにより振動試験装置30は、加振演算部23による制御下で加振対象となる収容体12に振動を加えることができる。
【0027】
制御装置20は、CPU、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、カメラ、表示部、ユーザーが入力操作を行う入力装置等を含んで構成される。CPUは、画像表示のためのグラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit(GPU))、High-Definition(HD)ビデオ等のエンコーディング及びデコーディングを行うマルチメディアプロセッサ、ディスプレイを制御するディスプレイコントローラ、及び給電及び充電を制御するためのパワーマネジメントIntegrated Circuit(IC)等を含んでもよい。制御装置20が備える表示部は、表示と操作の機能を兼ねたタッチパネル等を用いてもよい。入力装置としては、タッチパネルやキーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス、マイクロフォン等が挙げられる。
制御装置20の操作者は、入力装置を用いて該制御装置20の操作を行う。制御装置20それぞれが行う処理は、CPUがROMやディスクなどに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現される。前記処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)により実現されてもよく、ASICとFPGAの組み合わせにより実現されてもよい。
【0028】
本実施形態の加振工程は、該工程にて測定対象物10a,10b間の相対加速度に基づく蓄積疲労が、予備工程で得られた相対加速度に基づく蓄積疲労と等価となるように、収容体12に振動を加える(
図1参照)。斯かる蓄積疲労はS―N曲線に基づく。蓄積疲労は、下記式(1)により求められる。
【0029】
【0030】
前記式(1)において「β」は「蓄積疲労」であり、相対加速度の経時変化を示すグラフ(波形)から算出される。当該グラフは、ゼロの軸を中心に相対加速度が正のピークと負のピークとを繰り返す波形となる。前記式(1)において、この波形における各ピークが「i」、各ピークの相対加速度が「G1―G2」である。また前記式(1)において「α」は「加速係数」である。すなわち前記式(1)により算出される蓄積疲労(β)は、当該波形における正又は負のピーク毎に得られる相対加速度の絶対値を加速係数分(α回)累乗した値(|g
i|
α)どうしの総和である。
図3に示すグラフを例にすると、12回の振動(周波数)における各ピーク値の絶対値をα乗した値の総和(|g
1|
α+|g
2|
α+|g
3|
α+・・・・+|g
11|
α+|g
12|
α)が、相対加速度の蓄積疲労となる。
【0031】
前記「α」は、測定対象物10a,10bのS―N曲線の傾きであり、該測定対象物固有の値である。「α」の値が大きいほど、加速度に対する損傷の感度が高い。
複数の測定対象物10a,10b間で材質が異なっている場合、例えば収容体12及び物品11(本実施形態では包装容器16)を測定対象物とする場合、「α」は、振動による損傷の評価対象となっている方の測定対象物固有の値とする。
【0032】
本実施形態の加振工程は、相対加速度に基づく蓄積疲労を算出する蓄積疲労決定工程と、振動試験装置30の振動の条件を設定する振動条件設定工程と、収容体12を加振する振動工程とを具備する。
蓄積疲労決定工程では、制御装置20に保存された相対加速度条件の情報から所望の条件を抽出し、該条件の相対加速度に基づき、蓄積疲労(以下、「目標蓄積疲労」ともいう)を算出する。相対加速度条件の抽出は、前述した制御装置20の条件抽出部21により、操作者の操作に応じて行われる。また、抽出した相対加速度条件の相対加速度に基づく目標蓄積疲労の算出も、前述した制御装置20の条件抽出部21により行われる。
【0033】
蓄積疲労決定工程では、例えば、操作者の操作に応じて、C1地点からC2地点まで輸送手段18により輸送された条件を選択する。そして、斯かる条件の収容体12における相対加速度の経時変化から、目標蓄積疲労を算出する。
【0034】
振動条件設定工程では、振動試験装置30の振動について、振動の周波数、振動時間、加速度及び該加速度の波形の1以上を振動条件として設定する。
本実施形態の振動条件設定工程は、振動の周波数及び加速度の範囲の組み合わせを設定する。斯かる工程では、前述した制御装置20の加振演算部23により、操作者の操作に応じて任意の周波数及び加速度を設定する。例えば、操作者は、振動試験装置30の振動について、正弦波等の波形に設定できるとともに、周波数又は加速度の範囲を設定できる。
【0035】
本実施形態の振動工程では、予備工程と同じ構成の収容体12を用意し、該予備工程と同じ測定対象物10a,10bに加速度センサーA1,A2を取り付け、該測定対象物10a,10bの相対加速度に基づく蓄積疲労をモニターしながら、該収容体12に振動を加える。振動工程は、制御装置20の加振演算部23及び制御部25の制御の下、振動試験装置30により実行される。
振動工程では、蓄積疲労決定工程で求められた目標蓄積疲労と等価となるように、収容体12に振動を加え続ける。換言すると、振動台35に載置した測定対象物10a,10bを含む収容体12を振動させ、該測定対象物10a,10b間の相対加速度に基づく蓄積疲労(以下、「実測蓄積疲労」ともいう。)が、目標蓄積疲労と等価になるまで、振動試験装置30を稼働する。すなわち実測蓄積疲労が目標蓄積疲労と等価になるように、振動時間を調整する。斯かる構成により、ごく簡便な制御により、輸送状態の再現試験を行うことができる。
【0036】
本実施形態の振動工程で行われる制御について、振動時間以外は、振動条件設定工程で設定した振動条件で、振動試験装置30を稼働する。このように本実施形態の振動工程は、目標蓄積疲労に対応する条件で、収容体12に振動を加える。
【0037】
振動工程は、上述したように実測蓄積疲労をモニターしながら行ってもよく、または実測蓄積疲労が目標蓄積疲労と等価となる振動試験条件を予め定めて行ってもよい。後者の場合、振動試験装置30により、任意の周波数及び加速度で振動試験を行い、単位時間当たりの相対加速度に基づく蓄積疲労を測定し、前記の周波数及び加速度の条件で、目標蓄積疲労と等価となる振動時間を求める。斯かる周波数、加速度及び振動時間とした振動試験条件(以下、「想定等価条件」ともいう。)は、該条件で振動させた場合の実測蓄積疲労が目標蓄積疲労と等価であるとみなすことができる。この想定等価条件で行う振動工程は、実測蓄積疲労をモニターする必要がないので、振動試験の簡便性の点で好ましい。
【0038】
本実施形態の加振工程は、上述したように、目標蓄積疲労に基づいて収容体12に振動を加える。この蓄積疲労は、輸送状態における収容体12内の一部や物品11等の測定対象物10a,10b間の変位差が反映された相対加速度に基づくものである。これにより本実施形態の加振工程は、輸送状態の振動によって収容体12内で起こり得る、収容体12と物品11との衝突又は物品11どうしの衝突(
図4参照)を反映させ易く、高い再現性で収容体12内の振動による損傷を再現できる。一方、従来の振動試験方法は、振動の発生源(例えば輸送手段の荷台等)の振動の挙動を再現対象とするため、収容体12内で生じる振動の挙動が反映され難く、実際の輸送状態で生じ得る損傷の再現性が低い。前記蓄積疲労に基づく加振工程の再現性の具体的な効果は、後述する実施例にて示す。
また従来の振動試験方法では、測定対象物それぞれの位相のずれがばらつくことで、周波数による損傷のばらつきが生じるものであった。斯かる点に対し、本実施形態の加振工程では、蓄積疲労を相対加速度に基づくものにすることで、測定対象物間の位相のずれのばらつきを低減できるので、周波数の影響を抑えることができる。
さらに目標蓄積疲労を目標値にすることで、収容体12に加える振動の周波数や振動時間を容易に設定できる。これにより、前記振動の周波数を特定の範囲に絞り易く、且つ振動時間を短時間とすることでき、効率的に振動試験を行うことができる。
【0039】
本実施形態の振動試験方法は、実測蓄積疲労をモニターしながら振動工程を実行するものであったが、斯かる振動工程の振動試験条件を繰り返し利用することができる。当該振動工程を実行することで、目標蓄積疲労と等価となるための振動試験装置30の振動条件及び稼動時間(振動時間)を把握することができ、目標蓄積疲労に対応する条件を求めることができる。すなわち、振動工程から、実測蓄積疲労が目標蓄積疲労の値に達するための、振動試験装置30の稼動条件(以下、「蓄積疲労対応条件」ともいう。)を把握することができる。
【0040】
振動試験をより容易に実行する観点から、本実施形態の振動試験方法は、別の収容体12に想定等価条件又は蓄積疲労対応条件を適用した繰り返し工程を具備することが好ましい。繰り返し工程では、収容体12の収容状態と同じ条件にし、且つ想定等価条件又は蓄積疲労対応条件で、該収容体12に振動を加える。繰り返し工程では、振動工程と同じ条件で加振するので、加速度センサーA1,A2による相対加速度の測定をしなくとも、該振動工程の目標蓄積疲労と同等の負荷を測定対象物10a,10bに加えることができる。これにより、振動試験をより効率的且つ簡便に行うことができ、特に物品11に使用される包装材の比較耐久試験をより容易に行うことができる。
【0041】
本実施形態の振動試験方法において、収容体12における複数の測定対象物10a,10bは、該収容体12内で離間した状態で配されていてもよく、隣り合って配されていてもよい。振動による、収容体12と物品11との衝突又は物品11どうしの衝突の再現性をより向上させる観点から、複数の測定対象物10a,10bは、収容体12内で接触可能に収容された物品11どうしであることが好ましい。この場合、測定対象物10a,10bは、例えば収容体12内で、長手方向X又は幅方向Yに隣り合った包装容器16a,16bどうしであることが挙げられる(
図2及び
図4参照)。また、複数の測定対象物10a,10bは、緩衝材、仕切り等を介して隣り合ってもよい。
【0042】
振動による損傷の再現性をより向上させる観点から、複数の測定対象物10a,10bは、収容体12内で振動によって最も損傷を受ける物品どうしであることが好ましい。この場合、測定対象物10a,10bは、実際の輸送で積載された収容体12のうち、該収容体12に収容された物品の中で、最も物品の損傷が激しかったものとする。
【0043】
次に、上述した実施形態の加振工程のフローを、
図5を用いて説明する。
本実施形態の振動試験方法では、振動装置100の操作者の操作に応じて、蓄積疲労決定工程を行う(ステップS1)。ステップS1では、操作者の操作に応じて、制御装置20に保存された相対加速度条件から、試験目的に沿った条件を抽出し、該条件の相対加速度の経時変化から目標蓄積疲労を算出する。ステップS1は、操作者の操作に応じて、条件抽出部21が実行する。
また振動装置100の操作者は、相対加速度条件に関連付けられた情報から、試験目的に応じて、目標蓄積疲労を算出するための条件を選択してもよい。当該操作者は、例えば、他の輸送条件(輸送経路)よりも、損傷の発生率が多い輸送条件(輸送経路)を選択し、条件抽出部21に該輸送経路に対応する目標蓄積疲労を算出させてもよい。
【0044】
続くステップS2では、振動装置100の操作者の操作に応じて、振動条件設定工程を行う。ステップS2では、ステップS1で抽出した条件及び算出された目標蓄積疲労から、振動時間をより短くするため、振動の周波数及び加速度の各範囲を絞り込むことができる。操作者は、効率的な振動試験を行い得るよう、振動の周波数及び加速度の範囲の組み合わせを設定する。ステップS2は、操作者の操作に応じて、加振演算部23が実行する。
【0045】
続くステップS3~S5が、上述した振動工程に相当する。ステップS3では、収容体12を振動試験装置30の振動台35に載置し、ステップS2で設定した振動条件で、該収容体12に対する加振を開始する。前述したように、収容体12には測定対象物10a,10bに加速度センサーA1,A2を取り付け、該測定対象物10a,10bの相対加速度に基づく実測蓄積疲労をモニターしながら、該収容体12を加振する。
【0046】
続くステップS4では、実測蓄積疲労が目標蓄積疲労と等価となったか否かを判定する。実測蓄積疲労が目標蓄積疲労に達していない場合、収容体12への加振を続行しながらステップS4の判定を繰り返す。ステップS4の判定は、1秒間に0.1~100回実行される。ステップS4において、実測蓄積疲労が目標蓄積疲労と等価になったと判定された場合、ステップS5に進み、振動試験装置30による加振を終了する。
【0047】
続くステップS6において、次の試験を行うか否かを判定する。ステップS6において、次の試験を行うと判定された場合、ステップS1に戻り、該ステップS1以降の動作を繰り返す。ステップS6において、次の試験を行わないと判定された場合、振動試験装置30の振動発生部31の稼動を停止させ、本振動試験を終了する。本実施形態のステップS6では、振動装置100の表示部に、続けて試験を行うか否かを操作者に決定させる表示が出力される。操作者は、当該表示に対し、制御装置20の入力装置を操作して、次の試験を行うか否かを決定する。
【0048】
上記のステップS1~S5を経た後、加振工程により振動が加えられた収容体12について、測定対象物10a,10bの損傷の有無及び該損傷の程度を確認する。斯かる確認は、目視により行われる。例えば、測定対象物10a,10bである包装容器16の外観を目視し、ラベルの剥がれや該包装容器16の亀裂の有無を確認する。
このようにして、本実施形態の振動試験方法は、収容体12の輸送過程における振動による損傷を再現することができる。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態の収容体12は、複数の包装容器16が収容された段ボール箱17であったが、収容体12は斯かる形態に限定されない。収容体12は、物品11とともに緩衝材が収容されたものであってもよい。
また、上述した実施形態の振動試験方法では、物品11(包装容器16)の外観上の損傷を確認していたが、これに代えて、物品11の内部の損傷を確認するものであってもよい。例えば、物品11が、包装容器の内部に粉末化粧料が充填されたアイシャドウやファンデーション等の固形化粧料である場合、該包装容器の内容物(固形化粧料)の損傷を確認してもよい。
【0050】
上述した実施形態は、加振工程のうち、蓄積疲労決定工程を条件抽出部21が実行し、振動工程における振動試験装置30の制御を、加振演算部23及び制御部25が実行するものであったが、本発明は斯かる形態に限られない。この場合、蓄積疲労決定工程及び振動工程の一部又は全てを人為的に行ってもよい。具体的には、相対加速度の測定結果等から、目標蓄積疲労、想定等価条件の振動時間、及び蓄積疲労対応条件の振動時間の少なくとも一以上を人為的に算出してもよい。
【0051】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
【0052】
〔収容体〕
図1及び
図2に示す収容体12を用意した。収容体12は、段ボール箱17であり、
図2に示すように、12本のプラスチックボトルからなる包装容器16が収容されたものを用いた。包装容器16の内容量は850mLであった。この包装容器16は、加速係数αは「2」であった。
【0053】
〔振動試験評価〕
加速度センサーにより測定される加速度又は相対加速度に基づき、蓄積疲労が一定となるように、下記表1に示す条件で振動試験を行った。
【0054】
〔実施例1〕
図2に示すように、幅方向Yに並んだ3個の包装容器16からなる列のうち、長手方向X中央の2本の列の一方であって、幅方向Y中央の包装容器16aに第1加速度センサーA1を取り付け、幅方向Yにおいて該包装容器16a及び収容体12の周壁と隣り合う包装容器16bに第2加速度センサーA2を取り付けた。これら2個の加速度センサーA1,A2は、包装容器16a,16bの天面部(キャップの天面部)に取り付けた。
【0055】
実施例1では、収容体12について、
図1に示す振動試験装置30を用いて、下記表1に示す条件で振動試験を行った。振動試験は、測定対象物10a,10bの相対加速度をモニターしながら、各条件で振動させたときの該相対加速度に基づく実測蓄積疲労が3,000,000(G^2)と一定になるように、振動時間を調整した。すなわち、目標蓄積疲労を3,000,000(G^2)とした。
【0056】
振動試験装置30は、下記表1に示す振動の条件で制御した。
正弦波試験は、一定の変位〔peak to peak値(P-P値) 1.2mm)で、且つ下記表1に示す周波数で行った。P-P値は、振幅の正のピーク値と負のピーク値との差である。
一定変位掃引試験は、一定の変位〔P-P値 1.2mm)で、且つ下記表1に示す周波数で行った。
【0057】
振動装置100は、振動試験機(アイデックス株式会社製、機種「BF-50UT」)を用いた。
加速度センサーは、8チャンネル小型無線モーションレコーダー(マイクロストーン株式会社製、機種「MVP-RF8-HC」)を用いた。
実施例1の振動試験では、加速度センサーの測定値として、鉛直方向の加速度を採用した。実施例1では、2個の包装容器16a,16bの加速度から、相対加速度を求め、該相対加速度に基づき実測蓄積疲労をモニターした。
【0058】
〔比較例1〕
複数の包装容器16a,16bに代えて、1個の加速度センサーを収容体12に取り付けた点以外は、実施例1と同様の構成の収容体12を用いて、下記表1に示す条件で振動試験を行った。加速度センサーは、収容体12の底面内側部分に取り付けた。
また、収容体12の加速度に基づく蓄積疲労が、200,000(G^2)と一定になるように、振動時間を調整した。この振動試験では加速度センサーの測定値として、鉛直方向の加速度を採用した。
【0059】
〔比較例2〕
複数の包装容器16a,16bに代えて、1個の加速度センサーを収容体12内の1個の包装容器16aに取り付けた点以外は、実施例1と同様の構成の収容体12を用いて、下記表1に示す条件で振動試験を行った。加速度センサーは、実施例1の第1加速度センサーA1が取り付けられた包装容器16aと、同様の配置の包装容器に取り付けた。
また、包装容器の加速度に基づく蓄積疲労が、3,000,000(G^2)と一定になるように、振動時間を調整した。この振動試験では加速度センサーの測定値として、鉛直方向の加速度を採用した。
【0060】
〔参考例1〕
参考例1として、実施例1と同様の構成の収容体12を実際に陸上輸送した輸送試験を行った。輸送試験では、実施例1の測定値に相当する相対加速度に基づく実測蓄積疲労が3,000,000(G^2)であり、比較例1の測定値に相当する収容体12の加速度に基づく蓄積疲労が200,000(G^2)であり、比較例2の測定値に相当する包装容器の加速度に基づく蓄積疲労が、3,000,000(G^2)であった。
このように、同じ輸送試験又は同じ振動試験であっても、収容体12を介して振動が伝わることで包装容器の加速度が増幅する傾向にある。その結果、収容体12の加速度と、包装容器の加速度とが異なる結果となる。
【0061】
実施例1、比較例1、比較例2及び参考例1の各振動試験を行った後、包装容器に発生した損傷を目視で確認し、該損傷の数をカウントした。包装容器に発生した損傷は、包装容器の外面を被覆するラベルの穴あきであった。比較例1、2及び参考例1において損傷を確認した包装容器は、実施例1の測定対象物10a,10bと同じ配置の包装容器とした。
下記表1に、包装容器に発生した損傷の数を示す。
【0062】
【0063】
S-N曲線に基づくと、理論的には、振動の条件(振動の挙動)が異なっていても、蓄積疲労が等価であれば、同じ程度の損傷が生じる。斯かる理論では、振動試験で測定対象物に加えた蓄積疲労が、輸送状態の蓄積疲労と等価になることで、該輸送状態の振動による損傷を再現できる。また、理論的には、蓄積疲労が等価であれば、異なる振動の条件どうし間で生じた損傷の数は同程度となり、各振動の条件間で損傷の数にばらつきが生じ難いことになる。
しかしながら比較例1及び比較例2の振動試験では、振動の条件によって、損傷の数が大きくばらつく結果となった。斯かる結果より、蓄積疲労を収容体12又は包装容器16の加速度に基づくものにすると、収容体12内の振動による損傷の再現性が低いことが示された。
一方、表1の結果から明らかなように、実施例1の振動試験では、比較例1及び2に比して、振動の条件を表1のように異ならせても損傷の数にばらつきが少ない結果となった。また実施例1の振動試験では、比較例1及び2に比べて、損傷の数が実際の輸送試験である参考例1に近い値となった。すなわち、蓄積疲労を包装容器16a,16bの相対加速度に基づくものにすると、収容体12内の振動による損傷を高い再現性で再現できることが示された。
【符号の説明】
【0064】
10a,10b 測定対象物
11 物品
12 収容体
16a,16b 包装容器
17 段ボール箱
18 輸送手段
20 制御装置
21 条件抽出部
23 加振演算部
25 制御部
30 振動試験装置
31 振動発生部
35 振動台
100 振動装置
A1,A2 加速度センサー
X 長手方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品が収容された収容体に振動を加える加振工程を具備し、
前記加振工程は、蓄積疲労に基づき、前記収容体に振動を加える工程であり、
前記蓄積疲労が、前記収容体における複数の測定対象物間の加速度差である相対加速度に基づいて算出される、振動試験方法。
【請求項2】
前記加振工程よりも前に、複数の物品が収容された収容体を輸送状態にして、前記相対加速度を測定する、予備工程を具備する、請求項1に記載の振動試験方法。
【請求項3】
前記輸送状態が陸上輸送した状態である、請求項2に記載の振動試験方法。
【請求項4】
前記加振工程は、該加振工程の前記蓄積疲労が、前記予備工程で測定された前記相対加速度に基づく前記蓄積疲労と等価となるように、前記収容体に振動を加える工程である、請求項2又は3に記載の振動試験方法。
【請求項5】
前記加振工程は、振動時間を調整して、前記収容体に振動を加える工程である、請求項4に記載の振動試験方法。
【請求項6】
前記複数の測定対象物が、前記収容体内で接触可能に収容された物品どうしである、請求項1~3の何れか1項に記載の振動試験方法。
【請求項7】
前記複数の測定対象物が、前記収容体内で前記振動によって最も損傷を受ける物品どうしである、請求項1~3の何れか1項に記載の振動試験方法。
【請求項8】
前記収容体が段ボール箱である、請求項1~3の何れか1項に記載の振動試験方法。