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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093436
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】作業機械、方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20240702BHJP
【FI】
E02F9/20 J
E02F9/20 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209813
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 猛
(72)【発明者】
【氏名】神保 志文
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AA06
2D003AB00
2D003BA01
2D003BA08
2D003CA02
2D003DA04
(57)【要約】
【課題】緊急停止をした場合に、その後の動作の自由度を高めることができる作業機械、作業機械の制御方法を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、走行体と作業機とを備える作業機械であって、走行体を停止状態に保つ駐車ブレーキと、走行体及び作業機を操作するための操作装置と、操作装置による操作を有効状態または無効状態に切り替えるためのロック装置と、作業機械を制御するためのコントローラと、を備える。コントローラは、操作装置による操作が無効状態になるようにロック装置が操作されたと判定された場合、及び、駐車ブレーキが作動するように操作されたと判定された場合、の何れかであるときに、操作装置による操作を無効状態とする作業機械である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と作業機とを備える作業機械であって、
前記走行体を停止状態に保つ駐車ブレーキと、
前記走行体及び前記作業機を操作するための操作装置と、
前記操作装置による操作を有効状態または無効状態に切り替えるロック装置と、
前記作業機械を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記操作装置による操作が無効状態になるように前記ロック装置が操作されたと判定した場合、
及び、前記駐車ブレーキが作動するように操作されたと判定した場合、の何れかであるときに、
前記操作装置による操作を無効状態とする、
作業機械。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記ロック装置が前記操作装置による操作を有効状態になるように操作されている状態で、前記駐車ブレーキが作動するように操作されたと判定した場合に、前記操作装置による操作を無効状態とする、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記駐車ブレーキが作動するように操作された後に、前記駐車ブレーキを解除するように操作された場合において、
前記ロック装置が前記操作装置による操作を無効状態になるように操作されたと判定した後、前記ロック装置が前記操作装置による操作を有効状態になるように操作されたと判定した場合、前記操作装置による操作を有効状態にする、
請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記ロック装置が前記操作装置による操作を無効状態から有効状態になるように操作されたと判定した場合、
前記操作装置からの操作信号に基づいて、前記操作装置が操作されているか否かを判定し、
前記操作装置が操作されていないと判定した場合、前記操作装置による操作を有効状態とする、
請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記操作装置からの操作信号に基づいて、前記操作装置が所定時間操作されていないと判定した場合、前記操作装置による操作を無効状態に切り替える、
請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項6】
走行体と、
前記走行体に旋回可能に支持された上部旋回体と、
を備え、
前記操作装置は、前記作業機の動作及び前記上部旋回体の旋回動作を操作するための操作レバーを含む
請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項7】
前記作業機は、荷台である、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
走行体と、作業機と、前記走行体を停止状態に保つ駐車ブレーキとを備える作業機械を制御するための方法であって、
前記走行体及び前記作業機を操作するための操作装置による操作を有効状態または無効状態に切り替えるロック装置を操作する操作信号を受信するステップと、
前記駐車ブレーキを操作する操作信号を受信するステップと、
前記ロック装置を操作する操作信号に基づいて、前記操作装置による操作が無効状態になるように前記ロック装置が操作されたか否かを判定するステップと、
前記駐車ブレーキを操作する操作信号に基づいて、前記駐車ブレーキが作動するように操作されたか否かを判定するステップと、
前記ロック装置が前記操作装置による操作を無効状態になるように操作されたと判定された場合、及び、ブレーキ操作装置が前記駐車ブレーキを作動させるように操作されたと判定された場合、の何れかであるときに、前記操作装置による操作を無効状態とするステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、走行体と、走行体上に配置された作業機を有する上部旋回体とを備えた作業機械が開示されている。作業機械は、オペレータが操作装置を操作することで動作する。また、作業機械は、操作装置による操作を有効状態と無効状態との間で切り替えるロック装置を備えたものがある。また、作業機械は、走行体を停止状態に保つ駐車ブレーキを備えている。このような作業機械において、走行体や作業機を、油圧によって駆動させるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4062484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような作業機械は、緊急時等に、作業機械の動作を直ちに停止できることが望まれる一方、作業機械の動作を復帰させる際には、作業機械が急に動作してしまうことのないようにすることが望まれる。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、緊急停止をした場合に、その後の動作の自由度を高めることができる作業機械、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の一態様は、走行体と作業機とを備える作業機械であって、走行体を停止状態に保つ駐車ブレーキと、走行体及び作業機を操作するための操作装置と、操作装置による操作を有効状態または無効状態に切り替えるためのロック装置と、作業機械を制御するためのコントローラと、を備える。コントローラは、操作装置による操作が無効状態になるようにロック装置が操作されたと判定された場合、及び、駐車ブレーキが作動するように操作されたと判定された場合、の何れかであるときに、操作装置による操作を無効状態とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の態様によれば、緊急停止をした場合に、その後の動作の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る作業機械の構成を示す側面図である。
図2】実施形態に係る作業機械の正面図である。
図3】実施形態に係る作業機械の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る作業機械における、データフローを示す図である。
図5】実施形態に係る作業機械における、ロック弁駆動回路の構成を示す図である。
図6】実施形態に係る作業機械の制御方法の流れを示すフローチャートである。
図7】ロックレバーがアンロック状態からロック状態に切り換えられたときのロック弁駆動回路の状態を示す図である。
図8】ロックレバーがロック状態からアンロック状態に切り換えられたときに、操作装置のレバーが中立状態でない場合における、ロック弁駆動回路の状態を示す図である。
図9】ロックレバーがロック状態からアンロック状態に切り換えられたときに、操作装置のレバーが中立状態の場合における、ロック弁駆動回路の状態を示す図である。
図10】駐車ブレーキスイッチが操作された場合のロック弁駆動回路の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0010】
図1は、実施形態に係る作業機械100の構成を示す概略図である。図2は、実施形態に係る作業機械100の正面図である。
【0011】
図1図2に示すように、本実施形態においては、作業機械100にローカル座標系を設定し、ローカル座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。ローカル座標系において、作業機械100(上部旋回体120)の左右方向(車幅方向)に延伸する第1軸をx軸とし、作業機械100の前後方向に延伸する第2軸をy軸とし、作業機械100の上下方向に延伸する第3軸をz軸とする。x軸とy軸とは直交する。y軸とz軸とは直交する。z軸とx軸とは直交する。x軸の矢印方向は左方向であり、反対方向は右方向である。y軸の矢印方向は前方向であり、反対方向は後方向である。z軸の矢印方向は上方向であり、反対方向は下方向である。
【0012】
(作業機械100の構成例)
図1は、実施形態に係る作業機械100の構成例を示す。実施形態に係る作業機械100は、一例として不整地で走行可能な装軌式搬送車両である。作業機械100は、走行体110と上部旋回体120とを備える。
【0013】
走行体110は、作業機械100を走行可能に支持する。走行体110は、トラックフレーム111と、駆動輪112と、遊動輪113と、履帯114とを含む。作業機械100は、履帯114によって不整地を走行することが可能である。
【0014】
トラックフレーム111は、前後方向に延びている。駆動輪112、遊動輪113、及び履帯114は、トラックフレーム111に対して左右方向の両側にそれぞれ設けられている。駆動輪112は、前後方向におけるトラックフレーム111の一方の端部に備えられている。駆動輪112は、走行モータ131(図3参照)によって回転駆動される。遊動輪113は、前後方向におけるトラックフレーム111の他方の端部に回転可能に備えられている。履帯114は、駆動輪112と遊動輪113とに巻き掛けられている。履帯114は、地面に接触する接地面を有している。駆動輪112の回転駆動によって履帯114が回転することにより、作業機械100は、走行可能に構成されている。
【0015】
なお、左右それぞれの履帯114a及び114bは、左右の駆動輪112を独立して駆動(前進及び後進)させることができる。左履帯114aと右履帯114bを同時に前進させれば走行体110は前進し、左履帯114aと右履帯114bを同時に後進させれば走行体110は後進する。また、一方の履帯の駆動輪112と、他方の履帯の駆動輪112を互いに逆向きに駆動、例えば右履帯114bを前進させると同時に左履帯114aを後進させると、走行体110は、旋回中心を中心に回転することができる。このような旋回方法は超信地旋回と呼ばれる。なお、走行体110を超信地旋回させた際の旋回中心と、上部旋回体120の旋回中心cを、一致させるように構成してもよいし、異ならせてもよい。
【0016】
上部旋回体120は、走行体110の上方に配置されている。上部旋回体120は、後述する旋回サークル部115を介して、走行体110に旋回中心cの回りに旋回可能に支持されている。なお、上部旋回体120は、旋回サークル部115を介さずに走行体110に搭載されて、走行体110に対して相対的に回転不能に構成されていてもよい。上部旋回体120は、車体フレーム121と、キャブ122と、荷台(作業機)123と、エンジン(図示無し)と、エンジンによって駆動される油圧ポンプ(図示無し)と、バッテリ130と、を備える。
【0017】
車体フレーム121は、トラックフレーム111上に、旋回サークル部115を介して取り付けられている。旋回サークル部115は、平面視した作業機械100の略中央部に配置されている。旋回サークル部115は、円環状の概略形状を有しており、内周面に旋回用の内歯を有している。旋回サークル部115の内歯には、旋回モータ132の駆動軸に設けられたピニオンギヤが噛み合っている。旋回サークル部115は、旋回モータ132からの駆動力によって旋回中心c回りに回転駆動される。これにより、車体フレーム121が、旋回サークル部115とともに、トラックフレーム111(走行体110)に対して旋回中心c回りに旋回可能とされている。
【0018】
荷台123は、車体フレーム121に搭載されている。荷台123は、上部旋回体120の後部に配置されている。荷台123は、上方が開口した有底の箱状に形成されている。荷台123は、荷台昇降用の作業機アクチュエータ133の伸縮によって、起伏自在に構成されている。荷台123には、例えば、土砂、廃棄物等の各種の運搬物が積載される。
【0019】
キャブ122は、車体フレーム121の前部に搭載されている。キャブ122は、上部旋回体120の前部の、左右方向の一方の端部に配置されている。本実施形態では、キャブ122は、上部旋回体120の前部の左側に配置されている。
【0020】
キャブ122内には、オペレータが着座する運転席124が設けられている。キャブ122内には、走行体110及び荷台123を操作するための操作装置140が備えられている。本実施形態では、作業機械100は、操作装置140として、右走行レバー141と、左走行レバー142と、作業機操作レバー143とを備える。右走行レバー141及び左走行レバー142は、運転席124の前方に配置される。右走行レバー141及び左走行レバー142は、作業機械100を走行させるためにオペレータによって操作される。作業機操作レバー143は、運転席124に対して左側に配置される。作業機操作レバー143は、荷台123を昇降(起伏)、及び走行体110に対する上部旋回体120を旋回させるために、オペレータによって操作される。
【0021】
キャブ122内には、後述する駐車ブレーキ150の作動および解除を操作するためのブレーキ操作装置20が備えられている。本実施形態では、作業機械100は、ブレーキ操作装置20として、駐車ブレーキスイッチ21を備える。駐車ブレーキスイッチ21は、例えば押しボタン式のスイッチである。ブレーキ操作装置20は、例えば、キャブ122内の運転席124の側方に配置される。
【0022】
キャブ122内には、後述するロック装置160を操作するためのロック操作装置30が備えられている。本実施形態では、作業機械100は、ロック操作装置30として、ロックレバー31を備える。ロックレバー31は、例えば、キャブ122内の運転席124の側方に配置されている。
【0023】
図3は、実施形態に係る作業機械100の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、作業機械100は、走行モータ131と、旋回モータ132と、作業機アクチュエータ133とを備える。本実施形態において、走行モータ131、旋回モータ132、及び作業機アクチュエータ133は、油圧により駆動される。走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ133の各々は、油圧ポンプから制御バルブ135を介して供給される作動油によって駆動される。制御バルブ135は、オペレータによってなされる右走行レバー141、左走行レバー142、及び作業機操作レバー143の操作に応じて動作する。走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33等の各々は、制御バルブ135の動作に応じて駆動する。
【0024】
(駐車ブレーキ150、ロック装置160の構成例)
図3に示すように、作業機械100は、駐車ブレーキ150と、ロック装置160とを備える。駐車ブレーキ150は、走行体110を停止状態に保つものである。駐車ブレーキ150は、例えば、駆動輪112及び遊動輪113の少なくともに設けられたディスク(図示無し)と、ディスクに係合するパッドを備えたブレーキ部(図示無し)とを備える。ブレーキ部は、例えば、油圧により駆動される。ブレーキ部に供給される油圧は、駐車ブレーキ弁151により制御される。駐車ブレーキ弁151は、例えばソレノイドバルブである。
【0025】
駐車ブレーキ150は、後述するコントローラ50により、右走行レバー141、左走行レバー142、及びロックレバー31の状態に基づいて、その作動及び解除が操作される。例えば、コントローラ50は、右走行レバー141、左走行レバー142、及びロックレバー31の状態に基づいて、作業機械100が走行中ではないと判定した場合、駐車ブレーキ弁151を制御して、ブレーキ部のパッドをディスクに係合させる。また、コントローラ50は、右走行レバー141、左走行レバー142、及びロックレバー31の状態に基づいて、作業機械100が走行中であると判定した場合、駐車ブレーキ弁151を制御して、ブレーキ部のパッドとディスクとの係合を解除させる。
【0026】
また、駐車ブレーキ150は、緊急時等に備えて、ブレーキ操作装置20により、その作動及び解除が操作できる。すなわち、駐車ブレーキ150は、後述するコントローラ50により、ブレーキ操作装置20の操作に基づいて、作動及び解除が行われる。例えば、オペレータが、駐車ブレーキ150を作動させるために、駐車ブレーキスイッチ21を押下した場合、コントローラ50は、駐車ブレーキ弁151を制御して、ブレーキ部のパッドをディスクに係合させる。また、オペレータが、駐車ブレーキ150の作動を解除させるために、駐車ブレーキスイッチ21の解除操作を行った場合、コントローラ50は、駐車ブレーキ弁151を制御して、ブレーキ部のパッドとディスクとの係合を解除させる。
【0027】
ロック装置160は、操作装置140による操作を有効状態または無効状態に切り替える。本実施形態では、ロック装置160は、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給を断続するロック弁161を備える。ロック装置160は、操作装置140としての右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の操作に対する、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33の動作を、有効状態または無効状態に切り替える。例えば、ロック装置160のロック弁161が制御バルブ135への油圧供給を遮断することにより、操作装置140に対する、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33の動作が無効状態となる。ロック弁161は、例えばソレノイドバルブである。
【0028】
ロック装置160は、オペレータがキャブ122に搭乗している状態でのみ、操作装置140による操作が有効状態となるようにし、オペレータがキャブ122から降りている状態では、操作装置140による操作が無効状態となるようにするものである。このため、ロック装置160は、ロック操作装置30の操作に基づいて、操作装置140による操作を有効状態または無効状態に切り替える。本実施形態では、ロック装置160は、ロックレバー31の操作に応じて、ロック弁161を切り換え、操作装置140による操作の有効状態と無効状態とを切り換える。オペレータは、運転席124に着座して所望の作業を行う際に、ロックレバー31を操作することで、操作装置140による操作を有効状態とする「アンロック状態」にする。また、オペレータは、運転席124から離席する際に、ロックレバー31を操作することで、操作装置140による操作を無効状態とする「ロック状態」にする。
【0029】
また、作業機械100は、キャブ122内にモニタ等の表示装置170(図3参照)を備える。表示装置170は、作業機械100の各部の状態等についての情報を表示する。
【0030】
(コントローラ50の構成)
図4は、実施形態に係る作業機械100における、データフローを示す図である。図3図4に示すように、コントローラ50は、作業機械100の動作を制御する。コントローラ50は、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュータと、コンピュータの周辺回路や周辺装置等のハードウェアを用いて構成することができる。コントローラ50は、ハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成として、操作検出部51と、ブレーキ制御部52と、レバー状態検出部53と、ブレーキスイッチ判定部54と、ロックリレー制御部55と、表示制御部56とを備える。コントローラ50は、ブレーキ操作装置20、ロック操作装置30、及び操作装置140から操作信号を受信する。コントローラ50は、受信したブレーキ操作装置20からの操作信号に基づいて、駐車ブレーキ150が作動するように操作されたか否かを判定する。コントローラ50は、受信したロック操作装置30からの操作信号に基づいて、操作装置140による操作が無効状態になるようにロック装置160が操作されたか否かを判定する。
【0031】
操作検出部51は、操作装置140としての右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の操作を検出する。本実施形態では、操作検出部51は、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の各々の位置を検出するセンサ等からの信号に基づいて、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の操作状態を検出する。
【0032】
ブレーキ制御部52は、右走行レバー141、左走行レバー142、及びロックレバー31の操作に基づいて、駐車ブレーキ弁151を制御し、駐車ブレーキ150のON/OFFを切り換える。ブレーキ制御部52は、右走行レバー141、左走行レバー142の状態から、作業機械100が走行していると判定できる場合、駐車ブレーキ150がOFFとなるよう、駐車ブレーキ弁151を切り換える。また、ブレーキ制御部52は、右走行レバー141、左走行レバー142の状態から、作業機械100が走行していないと判定できる場合、駐車ブレーキ150がONとなるよう、駐車ブレーキ弁151を切り換える。
【0033】
レバー状態検出部53は、操作装置140としての右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143が、中立(ニュートラル)状態であるか否かを判定する。例えば、オペレータが運転席124から離席している状態では、右走行レバー141、左走行レバー142、及び作業機操作レバー143は、オペレータによって操作されておらず、中立状態となっているはずである。しかし、オペレータが運転席124に着席する際等に、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143を非意図的に操作してしまい、中立状態から外れてしまう可能性がある。レバー状態検出部53は、操作検出部51で検出される、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の各々の位置に基づいて、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の少なくとも1つが中立状態ではないと判定できる場合に、所定の信号を、ロックリレー制御部55に通知する。
【0034】
ブレーキスイッチ判定部54は、ブレーキ操作装置20が操作されているか否かを判定する。本実施形態では、ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキスイッチ21が押下されているか否かを、駐車ブレーキスイッチ21から出力される信号に基づいて判定する。例えば、ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキスイッチ21が押下されていると判定した場合に、所定の信号をロックリレー制御部55に通知する。なお、ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキスイッチ21が押下されていないと判定できる場合に、所定の信号をロックリレー制御部55に通知してもよい。
【0035】
ロックリレー制御部55は、レバー状態検出部53、及びブレーキスイッチ判定部54から通知される信号に基づいて、ロック弁161を切替操作する信号を、ロック弁161に出力する。ロックリレー制御部55は、後述するロック弁駆動回路70により、ロック弁161を切り換え制御する。
【0036】
表示制御部56は、表示装置170における情報の表示を制御する。表示制御部56は、ロックレバー31、ブレーキ操作装置20が操作された場合、ロックレバー31、ブレーキ操作装置20から出力される信号に基づいて、ロック装置160及び駐車ブレーキ150の状態を、表示装置170に出力する。なお、表示制御部56は、ロックリレー制御部55から出力される信号に基づいて、ロック弁161の切り換え状態に関する情報を、表示装置170に出力するようにしてもよい。また、表示制御部56は、例えば、通常運転時においては、操作検出部51で検出される、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の操作状態から、走行体110の走行状態、荷台123の動作状態等に関する情報を、表示装置170に出力するようにしてもよい。
【0037】
(ロック弁駆動回路70の構成)
図5は、実施形態に係る作業機械100における、ロック弁駆動回路70の構成を示す図である。ロックリレー制御部55は、図5に示すようなロック弁駆動回路70を介して、ロック弁161の動作を制御する。ロック弁駆動回路70は、ロックレバー31とロック弁161とを接続する接続回路71上に、ロックリレー72を備える。ロックリレー72は、リレースイッチ73と、リレースイッチ73を駆動する駆動コイル74とを備える。
【0038】
リレースイッチ73は、接点73aと、接点73bと、スイッチ板73pとを有する。接点73aは、ロック弁161に接続されている。スイッチ板73pは、接続回路71を介して後述するロックレバースイッチ32の接点32aに接続されている。リレースイッチ73は、スイッチ板73pと接点73aとが接触している状態でONとなり、ロックレバー31とロック弁161とが電気的に接続される。リレースイッチ73は、スイッチ板73pと接点73aとが離間している状態でOFFとなり、ロックレバー31とロック弁161とが電気的に切り離される。
【0039】
駆動コイル74は、コントローラ50のロックリレー制御部55の制御により、駆動コイル74への給電のON/OFFが切り替わる。駆動コイル74は、ロックリレー制御部55から給電がなされている場合、励磁され、その磁力によってスイッチ板73pを引き寄せて接点73aに接触させる。これにより、リレースイッチ73はONとなる。また、駆動コイル74は、ロックリレー制御部55からの給電が遮断された場合、励磁されず、スイッチ板73pは、接点73aから離間して接点73bと接触する。これにより、リレースイッチ73はOFFとなる。
【0040】
また、接続回路71の一端には、ロックレバー31の操作に応じて切り替わるロックレバースイッチ32が設けられている。ロックレバースイッチ32は、接点32aと、接点32bと、スイッチ板32pとを有する。接点32aは、接続回路71を介してリレースイッチ73のスイッチ板73pに接続されている。接点32bは、信号線75を介してコントローラ50に接続されている。
【0041】
ロックレバースイッチ32には、バッテリ130が電気的に接続されている。バッテリ130は、ロック弁161を駆動させるための電力を供給する。バッテリ130は、ロックレバースイッチ32及びロックリレー72を介してロック弁161に電気的に接続されている。バッテリ130は、ロックレバースイッチ32を介して、コントローラ50に電気的に接続されている。
【0042】
ロックレバー31がアンロック状態に操作された場合、ロックレバースイッチ32のスイッチ板32pは、接続回路71に接続された接点32aと接触する。スイッチ板32pと接点32aとが接触した場合、バッテリ130は、ロックレバースイッチ32のスイッチ板32p及び接点32aと、接続回路71とを介して、リレースイッチ73のスイッチ板73pに接続される。ロックレバー31がロック状態に操作された場合、ロックレバースイッチ32のスイッチ板32pは、接続回路71に接続されていない接点32bと接触する。スイッチ板32pと接点32bとが接触した場合、バッテリ130は、ロックレバースイッチ32のスイッチ板32p及び接点32bと、信号線75とを介して、コントローラ50に接続される。スイッチ板32pと接点32bとが接触した場合、コントローラ50のレバー状態検出部53は、バッテリ130から信号線75を介して入力される電力に基づいて、ロックレバー31がロック状態に操作されていることを検出する。
【0043】
(コントローラ50によるロック装置160の制御方法)
コントローラ50は、レバー状態検出部53でロック操作装置30の状態を検出することで、ロック装置160が、操作装置140による操作が無効状態になるように操作されたか否かを判定する。また、コントローラ50は、ブレーキスイッチ判定部54でブレーキ操作装置20の状態を検出することで、駐車ブレーキ150が作動するように操作されたか否かを判定する。コントローラ50は、操作装置140による操作が無効状態になるようにロック装置160が操作されたと判定した場合、及び、駐車ブレーキ150が作動するように操作されたと判定した場合、の何れかであるときに、ロックリレー制御部55によりロック装置160のロック弁161の動作を制御することで、操作装置140による操作を無効状態とする。以下、その具体的な事例を示す。
【0044】
図6は、本実施形態に係る作業機械100の制御方法の流れを示すフローチャートである。図7は、ロックレバー31がアンロック状態からロック状態に切り換えられたときのロック弁駆動回路70の状態を示す図である。図8は、ロックレバー31がロック状態からアンロック状態に切り換えられたときに、操作装置140が中立状態でない場合における、ロック弁駆動回路70の状態を示す図である。図9は、ロックレバー31がロック状態からアンロック状態に切り換えられたときに、操作装置140が中立状態の場合における、ロック弁駆動回路70の状態を示す図である。図10は、駐車ブレーキスイッチ21が操作された場合のロック弁駆動回路70の状態を示す図である。
【0045】
コントローラ50は、図6に示すようなステップS11~S19の処理を実行することにより、作業機械100を制御する。
まず、コントローラ50のレバー状態検出部53は、ロックレバー31がロック操作されたか否かを判定する(ステップS11)。例えば、オペレータが運転席124から離席する際、オペレータは、ロックレバー31をロック状態となるように操作する。このとき、図7に示すように、スイッチ板32pと接点32bとが接触する。これにより、バッテリ130とコントローラ50とは、信号線75を介して電気的に接続される。すると、ステップS11において、レバー状態検出部53は、バッテリ130から信号線75を介して入力される電力に基づいて、ロックレバー31がロック状態に操作されたと判定する(ステップS11:Yes)。
【0046】
また、ロックレバー31がロック状態となるように操作されたことにより、スイッチ板32pは、接点32aから離間する。これにより、バッテリ130からロック弁161への通電が遮断され、ロック弁161は、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給を遮断した状態となる。その結果、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作不能な状態となり、作業機械100全体の動作がロックされる。すなわち、ロックレバー31をロック状態となるように操作することにより、操作装置140による操作が無効となる(ステップS12)。また、レバー状態検出部53によってロックレバー31がロック状態に操作されたと判定された場合、コントローラ50のロックリレー制御部55は、駆動コイル74への給電を遮断する。これにより、リレースイッチ73のスイッチ板73pは、接点73aから離間し、接点73bと接触する。
【0047】
その後、コントローラ50のレバー状態検出部53は、ロックレバー31がアンロック状態に切り換えられたか否かを判定する(ステップS13)。レバー状態検出部53によってロックレバー31がアンロック状態に操作されていないと判定された場合(ステップS13:No)、ステップS12に戻る。
【0048】
オペレータが運転席124に着座後、ロックレバー31をロック状態からアンロック状態に切り換えるように操作すると、図8に示すように、スイッチ板32pは、接点32bから離間し、接点32aと接触する。すると、ステップS13において、レバー状態検出部53は、バッテリ130から信号線75を介して入力される電力がOFFとなることに基づいて、ロックレバー31がアンロック状態に操作されたと判定する(ステップS13:Yes)。
【0049】
ロックレバー31が、アンロック状態に操作されたと判定した場合(ステップS13:Yes)、コントローラ50は、続いて、操作装置140が中立状態であるか否かを判定する(ステップS14)。より詳しくは、スイッチ板32pと接点32aとが接触したことを、コントローラ50で検知したときに、レバー状態検出部53は、操作検出部51で検出される操作装置140の操作状態に基づいて、操作装置140が、中立(ニュートラル)状態であるか否かを判定する。
【0050】
走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の少なくとも一つが中立状態ではないと判定した場合(ステップS14:No)、ステップS12に戻り、操作装置140による操作を無効とする状態を維持する。つまり、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作不能な状態とされ、作業機械100全体の動作がロックされた状態が維持される。これにより、ロックレバー31がロック状態からアンロック状態に切り換えられたときに、右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143の少なくとも1つが中立(ニュートラル)状態ではない場合、オペレータの意図しない作業機械100の動作を防止できる。
【0051】
一方、ステップS13において、レバー状態検出部53によってロックレバー31がアンロック状態に操作されたと判定され(ステップS13:Yes)、かつ、ステップS14において、操作装置140が中立状態であると判定された場合(ステップS14:Yes)、コントローラ50は、操作装置140による操作を有効な状態とする(ステップS15)。より詳しくは、図9に示すように、コントローラ50のロックリレー制御部55は、駆動コイル74への給電を行う。これにより、駆動コイル74が励磁されて、リレースイッチ73のスイッチ板73pが接点73bから離間して、接点73aと接触する。すると、バッテリ130からロック弁161への通電がなされ、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給が可能になる。その結果、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作可能な状態となり、作業機械100全体の動作のロックが解除される。その後、コントローラ50は、オペレータによる操作装置140としての右走行レバー141、左走行レバー142、作業機操作レバー143等の操作に応じて、作業機械100の各部の動作を制御し、所望の作業を作業機械100に実施させる。
【0052】
前記ステップS11において、レバー状態検出部53が、ロックレバー31がロック操作されていない、すなわちロックレバー31がアンロック状態であると判定した場合(ステップS11:No)、コントローラ50は、駐車ブレーキ150を作動させるための操作がなされたか否かを判定する(ステップS16)。ロックレバー31がアンロック状態であるときに、何らかの理由でオペレータが駐車ブレーキ150を作動させるために駐車ブレーキスイッチ21を押下すると、ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキ150を作動させるための操作がなされたと判定する(ステップS16:Yes)。
【0053】
この場合、コントローラ50は、操作装置140による操作を無効とする(ステップS17)。ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキスイッチ21が押下されると、ブレーキ操作装置20が操作されたことを示す所定の信号をロックリレー制御部55に送信する。ロックリレー制御部55は、ブレーキスイッチ判定部54から送信された信号に基づいて、駆動コイル74への給電を遮断する。すると、図10に示すように、リレースイッチ73のスイッチ板73pは、接点73aから離間し、接点73bと接触するため、バッテリ130からロック弁161への通電が遮断される。これにより、ロック弁161は、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給を遮断した状態となる。その結果、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作不能な状態となり、操作装置140による操作が無効状態となって、作業機械100全体の動作がロックされる。このとき、ブレーキ操作装置20の操作によって、駐車ブレーキ150によっても走行体110が停止状態に保たれている。このように、コントローラ50は、ロックレバー31がアンロック状態に操作されている状態で、ブレーキ操作装置20が駐車ブレーキ150を作動させるように操作されたと判定した場合、操作装置140による操作を無効状態とする。
【0054】
その後、コントローラ50は、コントローラ50は、駐車ブレーキ150を解除させるための操作がなされたか否かを判定する(ステップS18)。その結果、駐車ブレーキ150を解除させるための操作がなされていない、と判定された場合(ステップS18:No)、ステップS17に戻り、操作装置140による操作を無効とする状態を維持する。
一方、駐車ブレーキスイッチ21を押下した原因が解消される等した場合、オペレータは、駐車ブレーキスイッチ21の解除操作を行う。すると、ブレーキスイッチ判定部54は、駐車ブレーキ150を解除させるための操作がなされたと判定する(ステップS18:Yes)。
【0055】
続いて、コントローラ50は、ロックレバー31をアンロック状態にロック状態に切り換えるロック操作がなされたか否かを判定する(ステップS19)。その結果、ロックレバー31をアンロック状態にロック状態に切り換えるロック操作がなされていない、と判定された場合(ステップS19:No)、ステップS17に戻り、操作装置140による操作を無効とする状態を維持する。
一方、オペレータによって、ロックレバー31がアンロック状態からロック状態に切り換えられると、コントローラ50は、ロックレバー31をアンロック状態にロック状態に切り換えるロック操作がなされた、と判定する(ステップS19:Yes)。この場合、図7に示すように、スイッチ板32pは、接点32aから離間し、接点32bと接触する。レバー状態検出部53は、バッテリ130から信号線75を介して入力される電力に基づいて、ロックレバー31がロック状態であることを検知する。
【0056】
その後、ステップS13、S14へと進み、オペレータによって、ロックレバー31がロック状態からアンロック状態に切り換えられ(ステップS13:Yes)、かつ、操作装置140が中立状態であると判定された場合(ステップS14:Yes)、コントローラ50は、操作装置140による操作を有効な状態とする(ステップS15)。この場合、図9に示したように、スイッチ板32pと接点32aとが接触するとともに、ロックリレー制御部55によって駆動コイル74が励磁され、スイッチ板73pと接点73aとが接触する。これにより、バッテリ130からロック弁161に通電がなされ、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給が可能になる。その結果、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作可能な状態となり、作業機械100全体の動作のロックが解除される。
【0057】
このように、駐車ブレーキ150を作動させるようにブレーキ操作装置20が操作された後に、駐車ブレーキ150を解除させるようにブレーキ操作装置20が操作された場合において、コントローラ50は、ロック操作装置30がロック状態に操作されたと判定した後、ロック操作装置30がアンロック状態に操作されたと判定した場合、操作装置140による操作を有効状態にする。このように、オペレータが駐車ブレーキスイッチ21を押下した後に駐車ブレーキスイッチ21の解除操作を行った場合において、ロックレバー31を一旦ロック状態に切り換えることで、ロック弁161は、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給を遮断した状態となる。その結果、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作不能な状態となり、作業機械100全体の動作がロックされる。これにより、駐車ブレーキスイッチ21の解除操作を行った後に、作業機械100の各部が意図せず動作することを防止できる。さらに、ロックレバー31を一旦ロック状態に切り換えた後、ロックレバー31をアンロック状態に切り換えることで、駆動コイル74に通電されて励磁されるのを待つことなく、直ちに走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33を動作させることができる。
【0058】
また、オペレータが作業の中断時や終了時等に運転席124から離席する場合、オペレータは、ロックレバー31をロック状態に切り換える。すると、図7に示すように、スイッチ板32pは、接点32aから離間し、接点32bと接触する。これにより、バッテリ130からロック弁161への通電が遮断され、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33は動作不能な状態となる。また、スイッチ板32pと接点32bとが接触することにより、信号線75を介してバッテリ130からコントローラ50へ電力が入力され、コントローラ50は、ロックレバー31がロック状態であることを検知する。この場合、コントローラ50は、駆動コイル74への給電を遮断し、リレースイッチ73のスイッチ板73pと接点73aとを離間させる。
【0059】
また、コントローラ50は、操作検出部51からの信号に基づいて、操作装置140が操作されているか否かを定期的に判定する。より詳しくは、レバー状態検出部53により操作装置140が所定時間操作されていないと判定された場合、ロックリレー制御部55は、駆動コイル74への給電を遮断する。すると、リレースイッチ73のスイッチ板73pは、接点73aから離間して、接点73bと接触し、バッテリ130からロック弁161への通電が遮断される。これにより、油圧ポンプ(図示無し)から制御バルブ135への油圧供給が遮断され、走行モータ131、旋回モータ132、作業機アクチュエータ33が動作不能な状態となり、操作装置140による操作が無効状態となって、作業機械100全体の動作がロックされる。
【0060】
(作用・効果)
本実施形態によれば、コントローラ50で、操作装置140による操作を無効状態とすることで、緊急停止をした場合に、その後の動作の自由度を高めることができる。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0062】
例えば、上述した実施形態に係る作業機械100は、荷台123を備えた装軌式搬送車両に限られず、油圧ショベル等の他の作業機械であってもよい。
例えば、上述した実施形態に係る作業機械100は、走行体110が履帯114を備えるようにしたが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る作業機械100は、例えば、走行体110が、履帯114に代えてタイヤを備えていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態でコンピュータが実行するプログラムの一部または全部は、コンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
【符号の説明】
【0064】
20…ブレーキ操作装置 30…ロック操作装置 50…コントローラ 51…操作検出部 100…作業機械 110…走行体 120…上部旋回体 123…荷台(作業機) 132…旋回モータ 140…操作装置 150…駐車ブレーキ 160…ロック装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10