(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093448
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20240702BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20240702BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20240702BHJP
F16H 57/04 20100101ALI20240702BHJP
F16H 57/02 20120101ALI20240702BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K7/14 B
H02K7/116
H02K9/19 Z
F16H57/04 G
F16H57/02
F16H57/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209837
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】中川 愛海
【テーマコード(参考)】
3J063
5H607
5H609
【Fターム(参考)】
3J063AA04
3J063AB02
3J063AC01
3J063AC11
3J063BA03
3J063BA15
3J063BB48
3J063CA01
3J063CD44
3J063XD43
3J063XH02
3J063XH13
3J063XH23
5H607AA02
5H607BB01
5H607BB07
5H607CC01
5H607DD03
5H607EE34
5H607EE36
5H607FF06
5H609BB03
5H609BB16
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP17
5H609QQ05
5H609QQ10
5H609RR12
5H609RR50
5H609RR52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ポンプのメンテナンスを行いやすくできる構造を有する駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置100は、中心軸線を中心として回転可能なロータおよびロータと隙間を介して対向するステータを有するモータ10と、ロータに接続されたギヤ機構と、モータを内部に収容するモータハウジング31、ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジング32、および流体が内部に貯留される貯留部を有するハウジングと30、ハウジングに取り付けられ、貯留部内の流体をモータハウジングの内部に送るポンプ71と、を備える。ハウジングは、取付穴36aを有する取付部36を有する。取付穴は、ハウジングの外面に上側に向けて開口する開口部36bを有する。ポンプは、少なくとも一部が開口部から取付穴に挿入される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータおよび前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、
前記ロータに接続されたギヤ機構と、
前記モータを内部に収容するモータハウジング、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジング、および流体が内部に貯留される貯留部を有するハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記貯留部内の前記流体を前記モータハウジングの内部に送るポンプと、
を備え、
前記ハウジングは、取付穴を有する取付部を有し、
前記取付穴は、前記ハウジングの外面に上側に向けて開口する開口部を有し、
前記ポンプは、少なくとも一部が前記開口部から前記取付穴に挿入される、駆動装置。
【請求項2】
前記ギヤハウジングは、前記モータハウジングの軸方向一方側に繋がり、かつ、軸方向と直交する所定方向において前記モータハウジングよりも一方側に突出する第1突出部を有し、
前記第1突出部には、前記第1突出部よりも軸方向他方側に突出する取付部が位置し、
前記取付部の少なくとも一部は、前記所定方向に前記モータハウジングと重なる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記取付部の上面は、前記ギヤハウジングの上面と繋がり、
前記取付部は、前記ギヤハウジングの上面から下側に向けて延びる、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記取付部は、前記モータハウジングに繋がる、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ギヤ機構は、
前記ロータに接続された減速装置と、
前記減速装置に接続された差動装置と、
を有し、
前記差動装置は、出力軸線回りに回転可能なギヤを有し、
前記取付部の下面は、前記出力軸線よりも上側に位置する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、
前記モータハウジングの内部と前記ギヤハウジングの内部とを区画する隔壁部と、
前記貯留部の内部と前記ポンプとを繋ぐ第1接続流路部と、
を有し、
前記貯留部は、前記ギヤハウジングの下側部分に設けられ、
前記第1接続流路部の少なくとも一部は、前記隔壁部に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第1接続流路部は、前記取付穴の下側に位置する吸入流路部を有し、
前記ポンプは、下側に向けて突出する吸込口部と、
を有し、
前記吸込口部は、前記吸入流路部内に挿入される、請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記流体が流れる流路のうち前記ポンプから前記モータハウジングの内部に前記流体が送られるまでの間の部分に配置されるクーラを備え、
前記ハウジングは、前記取付穴の内部と前記クーラとを繋ぐ第2接続流路部を有し、
前記第2接続流路部は、前記取付穴の内面のうち前記ポンプを囲む周壁面に開口する、請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記モータと前記モータハウジングとを有するモータユニットが構成され、
前記モータユニットは、軸方向に見て、前記ギヤハウジングよりも径方向外側に突出する第2突出部を有し、
前記クーラの少なくとも一部は、前記ギヤハウジングの上側に位置し、かつ、軸方向に前記第2突出部と重なる、請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記モータユニットは、前記モータに電気的に接続された制御装置を有し、
前記第2突出部の少なくとも一部は、前記制御装置によって構成されている、請求項9に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記ポンプから延びる配線が電気的に接続された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記ハウジングの上側に位置する、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記ポンプによって送られる前記流体が流れる流路を備え、
前記流路は、
前記ステータに前記流体を供給する供給口を有する第1流路部と、
少なくとも一部が前記ロータの内部に設けられた第2流路部と、
を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記第2流路部は、前記第1流路部の下流側の端部から延びている、請求項12に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータにオイルを供給するポンプ構造を有する動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1)。当該構造では、モータをオイルで直接冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような動力伝達装置は、オイルを送るポンプを備えている。ポンプはフィルタ交換などポンプを取り外す場合が想定されるが、この場合、ポンプの配置などによっては、ポンプのメンテナンスなどを行いにくい場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、ポンプのメンテナンスを行いやすくできる構造を有する駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータおよび前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、前記ロータに接続されたギヤ機構と、前記モータを内部に収容するモータハウジング、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジング、および流体が内部に貯留される貯留部を有するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記貯留部内の前記流体を前記モータハウジングの内部に送るポンプと、を備える。前記ハウジングは、取付穴を有する取付部を有する。前記取付穴は、前記ハウジングの外面に上側に向けて開口する開口部を有する。前記ポンプは、少なくとも一部が前記開口部から前記取付穴に挿入される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、駆動装置において、ポンプのメンテナンスを行いやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態における駆動装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における駆動装置を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態における駆動装置を軸方向一方側から見た図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態における駆動装置を上側から見た図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態における駆動装置の一部を示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態における駆動装置を軸方向一方側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向である。+Z側は、上側であり、-Z側は、下側である。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。
【0010】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0011】
適宜図に示す中心軸線J1は、上下方向と交差する方向に延びる仮想軸線である。より詳細には、中心軸線J1は、上下方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸線J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、つまり中心軸線J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。
【0012】
以下の説明においては、軸方向のうち左側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼び、軸方向のうち右側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。上下方向は、例えば、鉛直方向であり、前後方向および左右方向は、例えば、鉛直方向と直交する水平方向である。なお、以下の実施形態において、前後方向(X軸方向)は軸方向と直交する「所定方向」に相当する。以下の実施形態において、後側(-X側)は所定方向の一方側であり、前側(+X側)は所定方向の他方側である。
【0013】
<第1実施形態>
図1から
図4に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸DSを回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。
図2に示すように、駆動装置100は、モータ10と、ギヤ機構20と、モータ10を内部に収容するモータハウジング31およびギヤ機構20を内部に収容するギヤハウジング32を有するハウジング30と、を備える。
【0014】
モータ10は、中心軸線J1を中心として回転可能なロータ40と、ロータ40と隙間を介して対向するステータ50と、を有する。ロータ40は、中心軸線J1に沿って配置されたモータシャフト41と、モータシャフト41に固定されたロータコア42と、を有する。本実施形態においてモータシャフト41は、中心軸線J1を中心として軸方向に延び、軸方向両側に開口する中空シャフトである。モータシャフト41は、一対のベアリング43a,43bによって、中心軸線J1回りに回転可能に支持されている。一対のベアリング43a,43bは、例えば、ボールベアリングである。モータシャフト41には、モータシャフト41の内部とモータシャフト41の外部とを繋ぐ孔部41aが設けられている。孔部41aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。図示は省略するが、ロータコア42には、マグネットが保持されている。
【0015】
ステータ50は、ロータ40と隙間を介して径方向に対向している。本実施形態においてステータ50は、ロータ40の径方向外側に位置する。ステータ50は、ロータ40を囲む環状である。ステータ50は、ステータコア51と、コイルアセンブリ54と、を有する。ステータコア51は、ロータコア42の径方向外側に位置し、ロータコア42と隙間を介して対向して配置されている。ステータコア51は、例えば、電磁鋼板などの板部材が軸方向に複数積層されて構成されている。
【0016】
コイルアセンブリ54は、ステータコア51に取り付けられた複数のコイル54cを有する。図示は省略するが、コイルアセンブリ54は、各コイル54cを結束する結束部材などを有してもよいし、各コイル54c同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。コイルアセンブリ54は、ステータコア51よりも軸方向に突出するコイルエンド54a,54bを有する。
【0017】
ギヤ機構20は、ロータ40に接続されている。より詳細には、ギヤ機構20は、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部に接続されている。ギヤ機構20は、ロータ40の回転を車両の車軸DSに伝達する。ギヤ機構20は、ロータ40に接続された減速装置21と、減速装置21に接続された差動装置22と、を有する。
【0018】
減速装置21は、第1ギヤシャフト23aと、第2ギヤシャフト23bと、第1ギヤ24aと、第2ギヤ24bと、第3ギヤ24cと、を有する。第1ギヤシャフト23aは、軸方向に延びている。本実施形態において第1ギヤシャフト23aは、中心軸線J1を中心とし、軸方向両側に開口する中空シャフトである。第1ギヤシャフト23aは、一対のベアリング25a,25bによって中心軸線J1回りに回転可能に支持されている。一対のベアリング25a,25bは、例えば、ボールベアリングである。第1ギヤシャフト23aの軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータシャフト41の軸方向一方側(+Y側)の端部に接続されている。
【0019】
第2ギヤシャフト23bは、中間軸線J2回りに回転可能である。本実施形態において中間軸線J2は、中心軸線J1と平行に延びる仮想軸線である。
図3に示すように、中間軸線J2は、中心軸線J1よりも下側に位置し、かつ、中心軸線J1よりも後側(-X側)に位置する。
図2に示すように、第1ギヤ24aは、第1ギヤシャフト23aの外周面に設けられている。第2ギヤ24bおよび第3ギヤ24cは、第2ギヤシャフト23bの外周面に設けられている。第2ギヤ24bは、第1ギヤ24aと噛み合っている。本実施形態において第2ギヤ24bは、少なくとも一部が後述する貯留部39内に位置するギヤである。本実施形態では、第2ギヤ24bの下側の端部が貯留部39内に位置し、貯留部39内に貯留されたオイルOに浸漬している。第2ギヤ24bが回転することで、オイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置21および差動装置22に潤滑油として供給される。第3ギヤ24cは、第1ギヤ24aおよび第2ギヤ24bよりも軸方向他方側(-Y側)に位置する。
【0020】
差動装置22は、デフケース22aと、リングギヤ22bと、を有する。デフケース22aおよびリングギヤ22bは、出力軸線J3回りに回転可能である。つまり、本実施形態において差動装置22は、出力軸線J3回りに回転可能なギヤとしてリングギヤ22bを有する。本実施形態において出力軸線J3は、中心軸線J1と平行に延びる仮想軸線である。
図3に示すように、出力軸線J3は、中心軸線J1よりも下側に位置し、かつ、中間軸線J2よりも上側に位置する。出力軸線J3は、中心軸線J1および中間軸線J2よりも後側(-X側)に位置する。デフケース22aには、車両の車軸DSが接続されている。リングギヤ22bは、デフケース22aに設けられている。リングギヤ22bは、第3ギヤ24cと噛み合っている。
【0021】
図2に示すように、本実施形態のハウジング30において、モータハウジング31とギヤハウジング32とは軸方向に並んで配置されている。モータハウジング31の一部は、ギヤハウジング32と軸方向に重なっている。ギヤハウジング32は、モータハウジング31の軸方向一方側(+Y側)に位置する。ギヤハウジング32は、モータハウジング31の軸方向一方側に繋がっている。モータハウジング31は、ギヤハウジング32よりも上側に突出している。モータハウジング31のうちギヤハウジング32よりも上側に位置する部分は、ハウジング突出部31dである。
【0022】
図1に示すように、ギヤハウジング32は、モータハウジング31よりも後側(-X側)に突出している。ギヤハウジング32のうちモータハウジング31よりも後側に突出している部分は、軸方向と直交する前後方向(X軸方向)においてモータハウジング31よりも一方側(-X側)に突出する第1突出部32eである。つまり、ギヤハウジング32は、第1突出部32eを有する。ギヤハウジング32は、モータハウジング31よりも下側に突出している。
【0023】
図2に示すように、本実施形態においてモータハウジング31は、軸方向他方側(-Y側)に開口する筒状の第1周壁部31cと、第1周壁部31cの軸方向他方側の開口を塞ぐモータカバー31bと、を有する。モータカバー31bの軸方向一方側(+Y側)の面には、ベアリング43bを保持するベアリング保持部34bが設けられている。ベアリング保持部34bは、中心軸線J1を中心としてベアリング43bを囲む略円環状である。
【0024】
本実施形態においてギヤハウジング32は、軸方向一方側(+Y側)に開口する筒状の第2周壁部32cと、第2周壁部32cの軸方向一方側の開口を塞ぐギヤカバー32bと、を有する。ギヤカバー32bの軸方向他方側(-Y側)の面には、ベアリング25aを保持するベアリング保持部35aが設けられている。ベアリング保持部35aは、中心軸線J1を中心としてベアリング25aを囲む略円環状である。
【0025】
ハウジング30は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを区画する隔壁部33を有する。隔壁部33は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを軸方向に隔てる壁部である。隔壁部33は、モータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部とを繋ぐ隔壁開口33aを有する。本実施形態において隔壁開口33aは、隔壁部33の下側の端部を軸方向に貫通している。
【0026】
隔壁部33のうちモータハウジング31の内面の一部を構成する部分、すなわち隔壁部33の軸方向他方側(-Y側)の面には、ベアリング43aを保持するベアリング保持部34aが設けられている。隔壁部33のうちギヤハウジング32の内面の一部を構成する部分、すなわち隔壁部33の軸方向一方側(+Y側)の面には、ベアリング25bを保持するベアリング保持部35bが設けられている。各ベアリング保持部34a,35bは、各ベアリング43a,25bを囲む略円環状である。ベアリング保持部34aの内部とベアリング保持部35bの内部とは、互いに軸方向に繋がっており、隔壁部33を軸方向に貫通する孔を構成している。
【0027】
本実施形態においてハウジング30は、流体としてのオイルOが内部に貯留される貯留部39を有する。オイルOは、モータ10を冷却する冷媒として使用される。また、オイルOは、減速装置21および差動装置22に対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、冷媒および潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0028】
貯留部39の少なくとも一部は、ギヤハウジング32に設けられている。本実施形態では、貯留部39の全体が、ギヤハウジング32に設けられている。貯留部39は、ギヤハウジング32の下側部分に設けられている。貯留部39は、ギヤハウジング32を構成する壁部のうち下側に位置する底壁部32aと、底壁部32aから上側に突出する複数の壁部と、によって構成されている。本実施形態において底壁部32aは、モータハウジング31を構成する壁部のうち下側に位置する底壁部31aよりも下側に位置する。
【0029】
本実施形態では、モータ10とモータハウジング31とによって、モータユニット90が構成されている。つまり、モータユニット90は、モータ10と、モータハウジング31と、を有する。
図3に示すように、モータユニット90は、軸方向に見て、ギヤハウジング32よりも径方向外側に突出する第2突出部91を有する。本実施形態において第2突出部91は、モータハウジング31のハウジング突出部31dによって構成されている。本実施形態において第2突出部91は、軸方向に見て、ギヤハウジング32よりも上側に突出している。
【0030】
図1および
図4に示すように、ハウジング30は、取付部36を有する。本実施形態において取付部36は、第1突出部32eに位置する。なお、「取付部36が第1突出部32eに位置する」とは、取付部36の少なくとも一部が、第1突出部32eと接触している、または第1突出部32eに繋がっていればよい。取付部36は、第1突出部32eよりも軸方向他方側(-Y側)に突出している。本実施形態において取付部36は、第1突出部32eに繋がっており、第1突出部32eの軸方向他方側の面から軸方向他方側に突出している。本実施形態において取付部36は、ハウジング30の上側部分に設けられている。より詳細には、取付部36は、第1突出部32eの上側部分に設けられている。取付部36は、ハウジング30の後側部分に設けられている。
【0031】
取付部36は、モータハウジング31の後側(-X側)に位置する。本実施形態において取付部36は、モータハウジング31に繋がっている。つまり、本実施形態において取付部36は、ギヤハウジング32の第1突出部32eとモータハウジング31とに亘って繋がっている。取付部36は、モータハウジング31の後側の面に繋がっている。取付部36の少なくとも一部は、前後方向(X軸方向)にモータハウジング31と重なっている。本実施形態では、取付部36の全体が、前後方向にモータハウジング31と重なっている。
【0032】
なお、本明細書において「或る対象が或る方向に他の対象と重なる」とは、或る方向に見た際に、或る対象が他の対象と重なる位置に配置されていればよい。本実施形態において取付部36の全体は、前後方向(X軸方向)に見て、モータハウジング31と重なる位置に配置されている。
【0033】
取付部36の上面36fは、ギヤハウジング32の上面32fと繋がっている。より詳細には、取付部36の上面36fは、ギヤハウジング32のうち取付部36が繋がる部分における上面32fと上下方向において同じ位置に配置され、当該上面32fの軸方向他方側(-Y側)に繋がっている。取付部36は、ギヤハウジング32の上面32fから下側に向けて延びている。取付部36の上面36fは、モータハウジング31の上側の端部よりも下側に位置する。
図1に示すように、取付部36の下面36gは、出力軸線J3よりも上側に位置する。本実施形態において取付部36は、上下方向に見て出力軸線J3と重なる位置に配置されている。
【0034】
取付部36は、取付部36の上面36fから下側に窪む取付穴36aを有する。本実施形態において取付穴36aは、上下方向に見て、後述するポンプ軸線J4を中心とする円形状の穴である。
図5に示すように、取付穴36aは、ハウジング30の外面に上側に向けて開口する開口部36bを有する。取付穴36aは、下側に底部36eを有する穴である。底部36eの上側の面は、取付穴36aの内面のうち上側を向く底面36cである。取付穴36aの内面は、後述するポンプ71を囲む周壁面36dを有する。本実施形態において周壁面36dは、後述するポンプ軸線J4を中心とする円筒状の面である。周壁面36dの下側の端部は、底面36cの外縁部に繋がっている。
【0035】
なお、本明細書において「取付穴が上側に向けて開口する」とは、取付穴が真上に向けて開口している場合に加えて、取付穴が真上に対して、上下方向と直交する方向に斜めに傾いた向きに開口していることも含む。本実施形態において取付穴36aは、真上に向けて開口している。なお、取付穴36aは、真上に対して、前後方向と軸方向との少なくとも一方に斜めに傾いた向きに開口していてもよい。
【0036】
駆動装置100は、貯留部39内のオイルOをモータハウジング31の内部に送るポンプ71を備える。本実施形態においてポンプ71は、電動ポンプである。ポンプ71は、ハウジング30に着脱可能に取り付けられている。ポンプ71は、少なくとも一部が開口部36bから取付穴36aに挿入されている。本実施形態では、ポンプ71が挿入される取付穴36aの開口部36bがハウジング30の外面に開口しているため、ハウジング30の外部からポンプ71を取り外すことができる。これにより、ハウジング30の内部にポンプ71が収容されている場合に比べて、ポンプ71をハウジング30から取り外しやすい。また、開口部36bは上側に向けて開口しているため、ポンプ71を取付穴36a内から上側に引き抜いてハウジング30から取り外しても、取付穴36a内からオイルOが外部に漏れることを抑制できる。これにより、ポンプ71をハウジング30から取り外す前にハウジング30内のオイルOを抜く必要などがなく、ハウジング30からポンプ71をより取り外しやすくできる。以上により、ハウジング30に対するポンプ71の着脱を容易にすることができ、ポンプ71のメンテナンスを行いやすくできる。また、ポンプ71を交換する場合にも、ポンプ71の交換作業を容易に行うことができる。
【0037】
上述したように、本実施形態において、取付穴36aを有する取付部36は、第1突出部32eに位置し、取付部36の少なくとも一部は、前後方向(X軸方向)にモータハウジング31と重なっている。そのため、モータハウジング31とギヤハウジング32とによって構成される段差部分に、ポンプ71が取り付けられる取付部36を配置することができる。これにより、駆動装置100において取付部36およびポンプ71が出っ張ることを抑制でき、駆動装置100を小型化できる。また、駆動装置100が配置される場所において取付部36およびポンプ71が他の部材と接触することを抑制でき、取付部36およびポンプ71の位置によらず駆動装置100を配置しやすい。そのため、駆動装置100の配置される位置が制限されることを抑制できる。
【0038】
また、上述したように、本実施形態において取付部36の上面36fはギヤハウジング32の上面32fと繋がり、取付部36はギヤハウジング32の上面32fから下側に向けて延びている。そのため、取付部36が第1突出部32eよりも上側に突出することを抑制できる。これにより、ハウジング30が上下方向に大型化することを抑制できる。また、取付部36の上面36fに取付穴36aの開口部36bを設けることで、開口部36bから取付穴36aにポンプ71を挿入する際、ポンプ71がギヤハウジング32に接触することを抑制できる。そのため、ポンプ71を取付穴36aに挿入しやすい。
【0039】
また、上述したように、本実施形態において取付部36は、モータハウジング31に繋がっている。そのため、取付部36の強度を向上できる。特に、本実施形態のように取付部36がモータハウジング31とギヤハウジング32とに亘って繋がっている場合には、取付部36の強度をより好適に向上できる。これにり、ポンプ71を安定してハウジング30に取り付けることができる。
【0040】
また、上述したように、本実施形態において取付部36の下面36gは、出力軸線J3よりも上側に位置する。そのため、ポンプ71から延びる図示しない配線が、出力軸線J3に沿って配置される車軸DSと接触することを抑制できる。これにより、ポンプ71から延びる図示しない配線を取り回しやすくでき、当該配線の接続作業などを容易に行うことができる。
【0041】
本実施形態においてポンプ71は、一部が取付穴36a内に挿入されている。より詳細には、ポンプ71は、上側の端部を除いた全体が取付穴36a内に挿入されている。ポンプ71は、ポンプハウジング73と、ポンプモータ74と、ポンプ機構75と、を有する。ポンプハウジング73は、ポンプハウジング本体部73aと、ポンプ固定部73bと、吸込口部73cと、吐出口部73dと、を有する。本実施形態においては、ポンプ71のうち吸込口部73cを除く部分によって、ポンプ本体71aが構成されている。つまり、ポンプ71は、ポンプ本体71aと、吸込口部73cと、を有する。
【0042】
ポンプハウジング本体部73aは、ポンプモータ74およびポンプ機構75を内部に収容している。本実施形態においてポンプハウジング本体部73aは、ポンプ軸線J4を中心とする円筒状である。本実施形態においてポンプ軸線J4は、上下方向に延びる仮想軸線である。ポンプ軸線J4は、軸方向と直交する方向に延びている。なお、以下の説明において、ポンプ軸線J4を中心とする径方向を、「ポンプ径方向」と呼ぶ場合がある。
【0043】
ポンプハウジング本体部73aの上側の端部は、取付穴36aから上側に突出している。ポンプハウジング本体部73aの下側の端部は、底面36cの上側に位置し、底面36cと隙間を介して上下方向に対向して配置されている。ポンプハウジング本体部73aの下側部分の内部には、ポンプ機構75を内部に収容するポンプ室75cが設けられている。
【0044】
ポンプハウジング本体部73aの外周面は、取付穴36aの周壁面36dとポンプ径方向に隙間を空けて対向して配置されている。ポンプハウジング本体部73aの外周面と取付穴36aの周壁面36dとのポンプ径方向の間は、第2封止部77bによって封止されている。本実施形態において第2封止部77bは、ポンプ71をポンプ軸線J4回りに囲む環状のOリングである。第2封止部77bは、ポンプハウジング本体部73aのうち取付穴36a内に挿入された部分における上端部の外周面に設けられた溝に嵌め込まれている。第2封止部77bの内縁部は、ポンプハウジング本体部73aと接触している。第2封止部77bの外縁部は、開口部36bにおける周壁面36dと接触している。
【0045】
ポンプ固定部73bは、ポンプハウジング本体部73aのうち取付穴36aよりも上側に突出している部分から、ポンプ軸線J4を中心とする径方向の外側に突出している。ポンプ固定部73bは、取付部36の上面36fと接触している。ポンプ固定部73bは、ボルトなどによって、取付部36に固定されている。これにより、ポンプ71がハウジング30に着脱可能に固定されている。本実施形態においてポンプ固定部73bは、ポンプ軸線J4回りに間隔を空けて複数設けられている。
【0046】
吸込口部73cは、ポンプ本体71aから下側に向けて突出している。本実施形態において吸込口部73cは、ポンプハウジング本体部73aから下側に向けて突出している。吸込口部73cは、下側に向けて開口する略円筒状である。本実施形態において吸込口部73cは、ポンプ軸線J4に対してポンプ径方向にずれて配置されている。吸込口部73cは、後述する吸入流路部61g内に挿入されている。
【0047】
吸込口部73cの外周面には、第1封止部77aが取り付けられている。本実施形態において第1封止部77aは、吸込口部73cを囲む環状のOリングである。第1封止部77aは、吸込口部73cの外周面に設けられた溝に嵌め込まれている。第1封止部77aは、吸込口部73cの外周面と吸入流路部61gの内面とに接触して、吸込口部73cの外周面と吸入流路部61gの内面との間を封止している。このように、本実施形態において吸込口部73cは、第1封止部77aを介して吸入流路部61g内に挿入されている。第1封止部77aによって、吸入流路部61g内と取付穴36a内との間が封止されている。
【0048】
本実施形態において吐出口部73dは、ポンプハウジング73のうちポンプ室75cの下側に位置する部分に設けられている。吐出口部73dは、ポンプ室75cから下側に延びて、下側に向けて開口し、取付穴36aの内部と繋がっている。これにより、吐出口部73dは、ポンプ室75cの内部と取付穴36aの内部とを繋いでいる。
【0049】
ポンプモータ74は、ポンプ軸線J4回りに回転可能なポンプロータ74aと、ポンプロータ74aのポンプ径方向の外側に位置するポンプステータ74bと、を有する。ポンプロータ74aは、ポンプ軸線J4に沿って軸方向に延びるポンプシャフト74cと、ポンプシャフト74cの外周面に固定されたポンプロータコア74dと、を有する。ポンプシャフト74cの下側の端部は、ポンプ室75c内に位置する。
【0050】
ポンプ機構75は、ポンプ室75c内に収容されている。ポンプ機構75は、ポンプロータ74aの下側の端部に接続されている。ポンプ機構75は、ポンプシャフト74cの下側の端部に接続されたインナーロータ75aと、インナーロータ75aを囲む環状のアウターロータ75bと、を有する。図示は省略するが、インナーロータ75aとアウターロータ75bとは、互いに噛み合う歯部を有する。ポンプロータ74aがポンプ軸線J4回りに回転することで、インナーロータ75aがポンプ軸線J4回りに回転させられる。インナーロータ75aが回転させられることによって、アウターロータ75bも回転する。このようにポンプモータ74によってポンプ機構75が駆動されることで、吸込口部73cからポンプ室75c内にオイルOが吸入され、ポンプ室75c内に吸入されたオイルOが吐出口部73dから取付穴36a内に吐出される。これにより、ポンプ71によって後述する流路60内にオイルOが流れる。
【0051】
図1に示すように、駆動装置100は、ポンプ71によって送られるオイルOを冷却するクーラ72を備える。クーラ72は、例えば、前後方向(X軸方向)に長い略直方体状である。本実施形態においてクーラ72は、クーラ72内に設けられた図示しない流路内を流れる冷媒との間で熱交換することによりオイルOを冷却するオイルクーラである。当該冷媒は、例えば、水である。クーラ72は、例えば、内部に間隔を空けて積層された複数のプレートを有し、当該プレート同士の間に交互にオイルOが流れる流路と冷媒としての水が流れる流路とが設けられた積層式のオイルクーラである。本実施形態においてクーラ72に設けられた当該複数のプレートは、例えば、上下方向に積層されている。
【0052】
クーラ72は、ギヤハウジング32の上側に位置する。つまり、クーラ72の少なくとも一部は、軸方向と直交する上下方向(Z軸方向)にギヤハウジング32と重なっている。本実施形態では、クーラ72の全体が、上下方向にギヤハウジング32と重なっている。本実施形態においてクーラ72は、ギヤハウジング32に固定されている。より詳細には、クーラ72は、ギヤハウジング32を構成する壁部のうち上側に位置する上壁部32dの上面32fに固定されている。
図2に示すように、クーラ72は、第2周壁部32cの上側部分に固定されている。
図1に示すように、クーラ72は、ギヤハウジング32のうち前側部分の上側に位置する。クーラ72の軸方向一方側(+Y側)の端部は、ギヤハウジング32の軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側(-Y側)に位置する。
【0053】
クーラ72は、第2突出部91の軸方向一方側(+Y側)に位置する。つまり、クーラ72の少なくとも一部は、軸方向に第2突出部91と重なっている。本実施形態では、クーラ72の全体が、軸方向に第2突出部91と重なっている。このように、本実施形態では、クーラ72の少なくとも一部が、ギヤハウジング32の上側に位置し、かつ、軸方向に第2突出部91と重なっている。そのため、モータユニット90とギヤハウジング32とによって構成される段差部分に、クーラ72を配置することができる。これにより、駆動装置100においてクーラ72が出っ張ることを抑制でき、駆動装置100を小型化できる。また、駆動装置100が配置される場所においてクーラ72が他の部材と接触することを抑制でき、クーラ72の位置によらず駆動装置100を配置しやすい。そのため、駆動装置100の配置される位置が制限されることを抑制できる。
【0054】
本実施形態においてクーラ72の上側の端部は、ハウジング突出部31dの上側の端部、すなわち第2突出部91の上側の端部よりも下側に位置する。クーラ72の上側の端部は、ハウジング突出部31dの上側の端部と上下方向において同じ位置に位置してもよいし、ハウジング突出部31dの上側の端部より上側に位置してもよい。クーラ72は、ハウジング突出部31dから軸方向一方側(+Y側)に離れて位置する。
【0055】
図2に示すように、クーラ72は、オイルOが流入する流入口72aと、オイルOが流出する流出口72bと、を有する。本実施形態において流入口72aと流出口72bとは、クーラ72の下側の面に設けられ、下側向きに開口している。つまり、本実施形態において流入口72aと流出口72bとは、互いに同じ向きに開口している。そのため、クーラ72の同じ面に流入口72aおよび流出口72bを開口させることができる。これにより、クーラ72のうち流入口72aおよび流出口72bが開口する面をハウジング30に固定することで、流入口72aおよび流出口72bを後述する流路60のうちハウジング30に設けられた流路部分に繋げることができる。したがって、クーラ72を取り付けやすくできる。なお、流入口72aが開口する向きおよび流出口72bが開口する向きは、特に限定されず、互いに異なる向きを向いていてもよい。
【0056】
駆動装置100は、ポンプ71によって送られる流体としてのオイルOが流れる流路60を備える。なお、以下の説明においては、流路60内におけるオイルOの流れ方向における上流側を単に「上流側」と呼ぶ場合があり、流路60内におけるオイルOの流れ方向における下流側を単に「下流側」と呼ぶ場合がある。本実施形態において流路60は、第1流路部61と、第2流路部62と、を有する。
【0057】
第1流路部61は、第1接続流路部61aと、第2接続流路部61bと、第3接続流路部61cと、流体供給部61dと、第4接続流路部61eと、を有する。第1接続流路部61aは、貯留部39の内部とポンプ71とを繋いでいる。本実施形態において第1接続流路部61aの少なくとも一部は、隔壁部33に設けられている。そのため、第1接続流路部61aのうち隔壁部33に設けられた部分を介して貯留部39内のオイルOを上側へと送りやすく、上側に開口する取付穴36aに挿入されたポンプ71に対してオイルOを送りやすい。本実施形態において第1接続流路部61aは、ギヤハウジング32のうちモータハウジング31よりも下側に突出している部分と隔壁部33とに跨って設けられている。このように、本実施形態においては、ハウジング30が第1接続流路部61aを有する。
【0058】
図5に示すように、第1接続流路部61aは、取付穴36aの下側に位置する吸入流路部61gを有する。吸入流路部61gは、底部36eに設けられている。吸入流路部61gの下流側の端部は、第1接続流路部61aの下流側の端部である。吸入流路部61gの下流側の端部は、底面36cにおいて上側に向けて開口し、取付穴36a内に開口している。吸入流路部61g内には、吸込口部73cが上側から挿入されている。これにより、ポンプ71と第1接続流路部61aとを好適に接続できる。また、ポンプ71を取付穴36aに上側から挿入することで、吸込口部73cを容易に吸入流路部61g内に挿入することができ、ポンプ71と第1接続流路部61aとを容易に接続することができる。
【0059】
図2に示すように、第2接続流路部61bは、取付穴36aの内部とクーラ72とを繋いでいる。
図5に示すように、第2接続流路部61bは、取付穴36aの内面のうちポンプ71を囲む周壁面36dに開口している。そのため、ポンプ71の吐出口部73dから取付穴36a内に吐出されたオイルOを好適に第2接続流路部61b内に流すことができる。本実施形態では、第2接続流路部61bの上流側の端部が、周壁面36dのうち軸方向一方側(+Y側)に位置する部分に開口している。
【0060】
図2に示すように、第2接続流路部61bの下流側の端部は、クーラ72の流入口72aに繋がっている。第2接続流路部61bは、ギヤハウジング32を構成する壁部に設けられている。つまり、本実施形態においては、ハウジング30が第2接続流路部61bを有する。本実施形態において第2接続流路部61bは、上壁部32dに設けられている。
【0061】
第3接続流路部61cは、クーラ72と流体供給部61dとを繋いでいる。第3接続流路部61cは、クーラ72の流出口72bに繋がっている。第3接続流路部61cは、例えば、ギヤハウジング32を構成する壁部とモータハウジング31を構成する壁部とに跨って設けられている。
【0062】
本実施形態において流体供給部61dは、軸方向に延びるパイプである。流体供給部61dは、モータハウジング31の内部に位置する。流体供給部61dは、例えば、ステータ50の上側に位置する。流体供給部61dは、ステータ50にオイルOを供給する供給口61fを有する。つまり、第1流路部61は、供給口61fを有する。供給口61fは、モータハウジング31の内部に開口している。これにより、第1流路部61は、ポンプ71とモータハウジング31の内部とを繋いでいる。つまり、流路60は、少なくともポンプ71とモータハウジング31の内部との間を繋いでいる。供給口61fは、ステータコア51に向かって開口している。供給口61fは、軸方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0063】
図4に示すように、本実施形態において流体供給部61dは、2つ設けられている。2つの流体供給部61dは、前後方向(X軸方向)に離れて位置する。本実施形態において第3接続流路部61cは、二股に分岐して、2つの流体供給部61dにおける軸方向他方側(-Y側)の端部にそれぞれ繋がっている。
【0064】
図2に示すように、第4接続流路部61eは、流体供給部61dと第2流路部62とを繋いでいる。第4接続流路部61eの下流側の端部は、ベアリング保持部34bの内部を含む。第4接続流路部61eの下流側の端部は、第1流路部61の下流側の端部である。第4接続流路部61eは、例えば、モータカバー31bに設けられている。
【0065】
第2流路部62は、モータシャフト内流路部62aと、ギヤシャフト内流路部62bと、ロータコア内流路部62cと、を有する。モータシャフト内流路部62aは、モータシャフト41の内部に設けられている。モータシャフト内流路部62aおよびギヤシャフト内流路部62bは、軸方向に延びている。モータシャフト内流路部62aとギヤシャフト内流路部62bとは、互いに軸方向に繋がっている。ギヤシャフト内流路部62bは、モータシャフト内流路部62aの軸方向一方側(+Y側)に繋がっている。そのため、モータシャフト内流路部62aとギヤシャフト内流路部62bとの間でオイルOを流すことができ、オイルOをモータハウジング31の内部とギヤハウジング32の内部との間で好適に流しやすい。
【0066】
モータシャフト内流路部62aの軸方向他方側(-Y側)の端部は、モータシャフト内流路部62aの上流側の端部であり、ベアリング保持部34bの内部、すなわち第4接続流路部61eの下流側の端部に繋がっている。つまり、本実施形態において第2流路部62は、第1流路部61の下流側の端部から延びている。そのため、第1流路部61と第2流路部62とを順に繋げて、第1流路部61と第2流路部62とに順番にオイルOを流していくことができる。これにより、流路60においてオイルOが分岐して流れる場合に比べて、オイルOの流れが複雑化することを抑制できる。したがって、流路60内にオイルOをより好適に流すことができる。
【0067】
ロータコア内流路部62cは、ロータコア42に設けられている。このように、本実施形態において第2流路部62のうちモータシャフト内流路部62aおよびロータコア内流路部62cは、ロータ40の内部に設けられている。つまり、本実施形態において第2流路部62の一部は、ロータ40の内部に設けられている。ロータコア内流路部62cの上流側の端部は、孔部41aを介してモータシャフト内流路部62aに繋がっている。ロータコア内流路部62cの下流側の端部は、モータハウジング31の内部に開口している。ロータコア内流路部62cの下流側の端部は、例えば、ロータコア42の軸方向端部に開口している。
【0068】
ポンプ71が駆動されると、貯留部39内のオイルOが第1接続流路部61a内を流れて、吸込口部73cからポンプ室75c内に流入する。ポンプ室75c内に流入したオイルOは、吐出口部73dから取付穴36a内に吐出され、第2接続流路部61b内に流入する。第2接続流路部61b内に流入したオイルOは、流入口72aからクーラ72の内部に流入する。クーラ72の内部に流入したオイルOは、クーラ72内を流れる水によって冷却され、流出口72bから第3接続流路部61cに流出される。第3接続流路部61c内に流出されたオイルOは、流体供給部61d内に流入し、流体供給部61d内を軸方向一方側(+Y側)から軸方向他方側(-Y側)に流れる。
【0069】
流体供給部61d内に流入したオイルOの一部は、供給口61fからモータハウジング31の内部に噴射され、ステータ50に供給される。このように、ポンプ71によって貯留部39内から吸い上げられたオイルOの一部は、クーラ72を通過してから、モータハウジング31の内部に流入する。つまり、クーラ72は、流路60のうちポンプ71からモータハウジング31の内部にオイルOが送られるまでの間の部分に配置されている。
【0070】
流体供給部61d内に流入したオイルOの残りは、流体供給部61dの軸方向他方側(-Y側)の端部から第4接続流路部61e内に流入する。第4接続流路部61e内に流入したオイルOは、第4接続流路部61e内を流れてベアリング保持部34b内に流入する。ベアリング保持部34b内に流入したオイルOの一部は、ベアリング保持部34bに保持されたベアリング43bに潤滑油として供給される。ベアリング保持部34b内に流入したオイルOの残りは、モータシャフト内流路部62aの軸方向他方側の端部からモータシャフト内流路部62a内に流入し、軸方向一方側(+Y側)に流れる。
【0071】
モータシャフト内流路部62a内に流入したオイルOの一部は、孔部41aからロータコア内流路部62c内に流入し、ロータコア内流路部62cからモータハウジング31の内部に流出する。ロータコア内流路部62cからモータハウジング31の内部に流出したオイルOは、ロータ40が回転することで生じる遠心力によって径方向外側に飛ばされて、ステータ50のコイルエンド54a,54bに供給される。モータシャフト内流路部62a内に流入したオイルOの他の一部は、第1ギヤシャフト23aとモータシャフト41との接続部における隙間からベアリング保持部34a,35b内に流れ、ベアリング43a,25bに供給される。モータシャフト内流路部62a内に流入したオイルOの残りは、ギヤシャフト内流路部62b内に流入する。つまり、本実施形態の第2流路部62内においてオイルOは、モータシャフト内流路部62a内からギヤシャフト内流路部62b内に流れる。ギヤシャフト内流路部62b内に流入したオイルOは、軸方向一方側(+Y側)に流れて、ベアリング保持部35a内に流入し、ベアリング25aに供給される。
【0072】
流体供給部61dからステータ50に供給されたオイルO、第4接続流路部61eからベアリング43bに供給されたオイルO、ロータコア内流路部62cからステータ50に供給されたオイルO、およびモータシャフト内流路部62aからベアリング43aに供給されたオイルOは、下側に落下して、モータハウジング31内の下部領域に溜まる。モータハウジング31内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁部33に設けられた隔壁開口33aを介してギヤハウジング32内の貯留部39内に戻る。モータシャフト内流路部62aからベアリング25bに供給されたオイルOおよびギヤシャフト内流路部62bからベアリング25aに供給されたオイルOは、下側に落下して貯留部39内に戻る。
【0073】
本実施形態によれば、上述したように、流路60は、ステータ50にオイルOを供給する供給口61fを有する第1流路部61と、少なくとも一部がロータ40の内部に設けられた第2流路部62と、を有する。そのため、流路60内を流れるオイルOを好適にモータ10に供給することができる。これにより、モータ10を好適に冷却できる。
【0074】
<第2実施形態>
以下、上述した第1実施形態と異なる第2実施形態について説明する。以下の本実施形態の説明においては、第1実施形態において説明した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。また、第1実施形態において説明した構成の各部に対応する部分については、同一の名称を付すとともに異なる符号を付して、上述した構成とは異なる点を説明し、上述した構成と同様の点については説明を省略する場合がある。なお、以下の本実施形態において説明を省略した構成としては、矛盾しない範囲内において、第1実施形態において説明した構成と同様の構成を採用できる。
【0075】
図6に示すように、本実施形態の駆動装置200は、ポンプ71から延びる配線292が電気的に接続された制御装置280を備える。制御装置280は、ハウジング30の上側に位置する。そのため、上側に開口する取付穴36a内に挿入されたポンプ71から、例えば、上側に配線292を引き出すことなどにより、配線292によってポンプ71と制御装置280とを接続しやすくできる。これにより、制御装置280とポンプ71とを繋ぐ配線作業を行いやすくできる。配線292は、ポンプ71におけるポンプ本体71aから上側に突出するコネクタ部71bと制御装置280とを接続している。
【0076】
本実施形態において制御装置280は、モータハウジング31の上側に位置する。制御装置280は、モータハウジング31に取り付けられている。より詳細には、制御装置280は、ハウジング突出部31dの上側に位置し、ハウジング突出部31dに取り付けられている。制御装置280のケースは、モータハウジング31と別体であってもよいし、一部がモータハウジング31の第1周壁部31cを構成する単一部材の一部であってもよい。制御装置280は、ステータ50と電気的に接続されている。これにより、制御装置280は、モータ10に電気的に接続されている。図示は省略するが、制御装置280は、コイル54cに電力を供給するインバータ回路を有する。制御装置280は、軸方向に見て、ギヤハウジング32よりも径方向外側に位置する。本実施形態において制御装置280は、ギヤハウジング32よりも上側に位置する。
【0077】
本実施形態では、モータ10とモータハウジング31と制御装置280とによって、モータユニット290が構成されている。つまり、本実施形態においてモータユニット290は、モータ10と、モータハウジング31と、制御装置280と、を有する。本実施形態において第2突出部291の少なくとも一部は、制御装置280によって構成されている。そのため、ハウジング突出部31dのみで第2突出部291を構成する場合に比べて、第2突出部291が突出する方向における第2突出部291の寸法を大きくしやすい。本実施形態において第2突出部291は、モータハウジング31のハウジング突出部31dと制御装置280とによって構成されている。
【0078】
制御装置280には、図示しないラジエータから延びる配管P1が接続されている。制御装置280の内部には、配管P1に接続された流路部281が設けられている。流路部281内には、配管P1から冷媒としての水Wが流入される。流路部281内を流れる水Wによって、インバータ回路を含む制御装置280の各部が冷却される。
【0079】
駆動装置200は、制御装置280とクーラ72とを繋ぐ配管293を備える。配管293は、流路部281の下流側の端部に接続されている。流路部281内を流れる水Wは、配管293を介してクーラ72内に流れる。クーラ72内に流れた水Wとの熱交換により、クーラ72内に流れるオイルOが冷却される。クーラ72には、図示しないラジエータから延びる配管P2が接続されている。配管293からクーラ72内に流入した水Wは、配管P2内に流れ、ラジエータに戻る。本実施形態では、クーラ72がギヤハウジング32の上側に位置し、制御装置280がモータハウジング31の上側に位置するため、配管293によって制御装置280とクーラ72とを繋ぎやすい。なお、流路部281内およびクーラ72内を流れる冷媒は、オイルなどの水W以外の冷媒であってもよい。
【0080】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。取付部は、取付穴を有するならば、ハウジングのいずれの箇所に設けられていてもよい。取付部は、ギヤハウジングのみに繋がっていてもよいし、モータハウジングのみに繋がっていてもよい。取付部は、ハウジングの下側部分に設けられていてもよい。取付穴は、ハウジングの外面に上側に向けて開口する開口部を有するならば、どのような形状であってもよい。取付穴には、ポンプの全体が挿入されてもよい。
【0081】
ポンプは、流体を送ることができるならば、どのような種類のポンプであってもよいし、どのような構造のポンプであってもよい。ポンプによって送られる流体が流れる流路は、どのように設けられてもよい。流路を流れる流体は、流体であればどのような流体であってもよく、例えば水などのオイル以外の流体であってもよい。
【0082】
ギヤハウジングの第1突出部が突出する所定方向は、軸方向と直交する方向であれば、どのような方向であってもよい。モータユニットの第2突出部は、モータユニットの一部で構成されていれば、モータユニットのいずれの部位によって構成されていてもよい。第2突出部は、制御装置のみによって構成されてもよい。また、例えば、モータユニットがモータ、モータハウジング、および制御装置以外の他の部位を有する場合には、当該他の部位の少なくとも一部によって第2突出部が構成されてもよい。第2突出部は、軸方向に見て、ギヤハウジングよりも径方向外側に突出していればよく、上下方向以外の方向に突出していてもよい。例えば、第2突出部が水平方向に突出している場合、クーラは、ギヤハウジングの水平方向の側面に取り付けられてもよい。
【0083】
クーラは、どのように配置されてもよい。クーラは、ギヤハウジングの上側に位置しなくてもよい。クーラの少なくとも一部が軸方向に第2突出部と重ならなくてもよい。クーラは、流体を冷却できるならば、どのような種類のクーラであってもよいし、どのような構造のクーラであってもよい。
【0084】
本発明が適用される駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。駆動装置が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。駆動装置のモータ本体における中心軸線は、水平方向に対して傾いていてもよいし、上下方向に延びてもよい。
【0085】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転可能なロータおよび前記ロータと隙間を介して対向するステータを有するモータと、前記ロータに接続されたギヤ機構と、前記モータを内部に収容するモータハウジング、前記ギヤ機構を内部に収容するギヤハウジング、および流体が内部に貯留される貯留部を有するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられ、前記貯留部内の前記流体を前記モータハウジングの内部に送るポンプと、を備え、前記ハウジングは、取付穴を有する取付部を有し、前記取付穴は、前記ハウジングの外面に上側に向けて開口する開口部を有し、前記ポンプは、少なくとも一部が前記開口部から前記取付穴に挿入される、駆動装置。
(2) 前記ギヤハウジングは、前記モータハウジングの軸方向一方側に繋がり、かつ、軸方向と直交する所定方向において前記モータハウジングよりも一方側に突出する第1突出部を有し、前記第1突出部には、前記第1突出部よりも軸方向他方側に突出する取付部が位置し、前記取付部の少なくとも一部は、前記所定方向に前記モータハウジングと重なる、(1)に記載の駆動装置。
(3) 前記取付部の上面は、前記ギヤハウジングの上面と繋がり、前記取付部は、前記ギヤハウジングの上面から下側に向けて延びる、(2)に記載の駆動装置。
(4) 前記取付部は、前記モータハウジングに繋がる、(1)から(3)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(5) 前記ギヤ機構は、前記ロータに接続された減速装置と、前記減速装置に接続された差動装置と、を有し、前記差動装置は、出力軸線回りに回転可能なギヤを有し、
前記取付部の下面は、前記出力軸線よりも上側に位置する、(1)から(4)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(6) 前記ハウジングは、前記モータハウジングの内部と前記ギヤハウジングの内部とを区画する隔壁部と、前記貯留部の内部と前記ポンプとを繋ぐ第1接続流路部と、を有し、前記貯留部は、前記ギヤハウジングの下側部分に設けられ、前記第1接続流路部の少なくとも一部は、前記隔壁部に設けられる、(1)から(5)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(7) 前記第1接続流路部は、前記取付穴の下側に位置する吸入流路部を有し、前記ポンプは、下側に向けて突出する吸込口部と、を有し、前記吸込口部は、前記吸入流路部内に挿入される、(6)に記載の駆動装置。
(8) 前記流体が流れる流路のうち前記ポンプから前記モータハウジングの内部に前記流体が送られるまでの間の部分に配置されるクーラを備え、前記ハウジングは、前記取付穴の内部と前記クーラとを繋ぐ第2接続流路部を有し、前記第2接続流路部は、前記取付穴の内面のうち前記ポンプを囲む周壁面に開口する、(7)に記載の駆動装置。
(9) 前記モータと前記モータハウジングとを有するモータユニットが構成され、前記モータユニットは、軸方向に見て、前記ギヤハウジングよりも径方向外側に突出する第2突出部を有し、前記クーラの少なくとも一部は、前記ギヤハウジングの上側に位置し、かつ、軸方向に前記第2突出部と重なる、(8)に記載の駆動装置。
(10) 前記モータユニットは、前記モータに電気的に接続された制御装置を有し、前記第2突出部の少なくとも一部は、前記制御装置によって構成されている、(9)に記載の駆動装置。
(11) 前記ポンプから延びる配線が電気的に接続された制御装置を備え、前記制御装置は、前記ハウジングの上側に位置する、(1)から(9)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(12) 前記ポンプによって送られる前記流体が流れる流路を備え、前記流路は、前記ステータに前記流体を供給する供給口を有する第1流路部と、少なくとも一部が前記ロータの内部に設けられた第2流路部と、を有する、(1)から(11)のいずれか一項に記載の駆動装置。
(13) 前記第2流路部は、前記第1流路部の下流側の端部から延びている、(12)に記載の駆動装置。
【0086】
以上、本明細書において説明した構成および方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0087】
10…モータ、20…ギヤ機構、21…減速装置、22…差動装置、22b…リングギヤ(ギヤ)、30…ハウジング、31…モータハウジング、32…ギヤハウジング、32e…第1突出部、32f…ギヤハウジングの上面、33…隔壁部、36…取付部、36a…取付穴、36b…開口部、36d…周壁面、36f…取付部の上面、36g…取付部の下面、39…貯留部、40…ロータ、50…ステータ、60…流路、61…第1流路部、61a…第1接続流路部、61b…第2接続流路部、61f…供給口、61g…吸入流路部、62…第2流路部、71…ポンプ、72…クーラ、73c…吸込口部、90,290…モータユニット、91,291…第2突出部、100,200…駆動装置、280…制御装置、292…配線、J1…中心軸線、J3…出力軸線、O…オイル(流体)