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特開2024-9346座標位置決め装置、座標位置決め装置を制御する方法、および方法を実施させるコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009346
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】座標位置決め装置、座標位置決め装置を制御する方法、および方法を実施させるコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G01B5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202766
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2020520773の分割
【原出願日】2018-10-12
(31)【優先権主張番号】1716793.3
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファン マーク アングッド
(57)【要約】
【課題】座標位置決め装置の提供。
【解決手段】作業ボリューム内で移動可能な構造体(22)と、自由度6未満で作業ボリューム(34)の周りで構造体(22)を移動させる駆動アレンジメント(28)と、駆動アレンジメント(28)よりも多い自由度で作業ボリューム(34)内の構造体(22)の位置を測定する計量アレンジメント(26)と、を含み、計量および駆動アレンジメント(26,28)は、構造体(22)および装置の固定された構造体(24,51)に連結され、構造体(22)は、計量および駆動アレンジメント(26,28)も構造体(22)に連結された状態で、動作ツール(30)を携行するのに適合されており、動作ツール(30)は、装置の動作上の使用の間に、作業ボリューム内に位置するワークピース(29)と相互作用するためまたはワークピース上で動作するためのツールである座標位置決め装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座標位置決め装置であって、前記装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体(22)と、6つの自由度よりも少ない自由度で前記作業ボリューム(34)の周りで前記構造体(22)を移動させるための駆動アレンジメント(28)と、前記駆動アレンジメント(28)よりも多い自由度で前記作業ボリューム(34)の中の前記構造体(22)の位置を測定するための計量アレンジメント(26)と、を含み、前記計量アレンジメント(26)および駆動アレンジメント(28)は、前記移動可能な構造体(22)および前記装置の固定された構造体(24,51)にそれぞれ連結され、前記移動可能な構造体(22)は、前記計量および駆動アレンジメント(26,28)もまた前記移動可能な構造体(22)に連結された状態で、動作ツール(30)を携行するのに適合されており、前記動作ツール(30)は、前記装置の動作上の使用の間に、前記作業ボリュームの中に位置するワークピース(29)と相互作用するためまたは前記ワークピース上で動作するためのツールであることを特徴とする座標位置決め装置。
【請求項2】
前記計量アレンジメント(26)はヘキサポッド型計量アレンジメントであり、および/または、前記駆動アレンジメント(28)は非ヘキサポッド型駆動アレンジメントであることを特徴とする請求項1に記載の座標位置決め装置。
【請求項3】
前記駆動アレンジメント(28)は、ヘキサポッド型アレンジメント、トライグライド型アレンジメント、またはデルタロボット型アレンジメントのような並列キネマティックアレンジメント、または回転ジョイントによって直列に接続されている複数のセグメントまたはリンクを有するもののような直列キネマティック駆動アレンジメントであることを特徴とする請求項1または2に記載の座標位置決め装置。
【請求項4】
前記計量アレンジメント(26)は6つの自由度で前記構造体(22)の位置を測定するように適合され、および/または、前記駆動アレンジメント(28)は3つの自由度で前記作業ボリューム(34)の周りで前記構造体(22)を移動させるように適合されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項5】
前記計量アレンジメント(26)は機械的な計量アレンジメントであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項6】
前記計量アレンジメント(26)は、対応するそれぞれの複数の距離測定値を提供するための複数の測定トランスデューサを並列配置で含み、前記複数の距離測定値から、前記移動可能な構造体(22)の前記位置が決定可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項7】
前記計量アレンジメント(26)は、6つの対応するそれぞれの測定値を提供するための6つの測定トランスデューサを並列配置で含み、前記測定値から、前記移動可能な構造体(22)の前記位置が決定可能であることを特徴とする請求項6に記載の座標位置決め装置。
【請求項8】
前記計量アレンジメント(26)は、並列に配置された6つの伸縮可能な脚部を含み、前記6つの測定トランスデューサは、前記6つの伸縮可能な脚部とそれぞれ関連付けられていることを特徴とする請求項7に記載の座標位置決め装置。
【請求項9】
前記駆動アレンジメント(28)は、複数のアクチュエータを並列配置で含むことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項10】
前記駆動アレンジメント(28)は、前記計量アレンジメント(26)のものとは別個に、対応するそれぞれの測定値を提供するための複数の測定トランスデューサを含み、前記測定値から、前記移動可能な構造体(22)の前記位置が、前記計量アレンジメント(26)からの前記測定値に基づいて決定される前記位置から独立して決定可能であることを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項11】
前記駆動アレンジメント(28)は、前記移動可能な構造体(22)と前記固定された構造体(24,51)との間で並列に接続される複数の機械的リンケージ(50)を含み、各機械的リンケージ(50)は、駆動機構によって作動され、駆動機構は、前記固定された構造体(24,51)と前記機械的リンケージ(50)との間に作用することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項12】
前記駆動機構は、リニア駆動機構またはロータリー駆動機構であることを特徴とする請求項11に記載の座標位置決め装置。
【請求項13】
前記駆動アレンジメント(28)は、カップリングアレンジメント(38a,38b)を介して前記計量アレンジメント(26)に連結され、前記カップリングアレンジメント(38a,38b)は、前記駆動アレンジメント(28)と関連付けられる少なくともいくらかの歪みが前記計量アレンジメント(26)に伝達されることを防止することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項14】
前記カップリングアレンジメント(38a,38b)は、キネマティックカップリングアレンジメント、または疑似キネマティックカップリングアレンジメントであることを特徴とすることを特徴とする請求項13に記載の座標位置決め装置。
【請求項15】
前記移動可能な構造体(22)は、前記駆動アレンジメント(28)に連結される駆動パーツ(22b)と前記計量アレンジメント(26)に連結される計量パーツ(22a)とを含み、前記移動可能な構造体(22)の前記駆動パーツ(22b)は、前記カップリングアレンジメント(38a)を介して前記移動可能な構造体(22)の前記計量パーツ(22a)に連結されており、前記カップリングアレンジメント(38a)は、前記移動可能な構造体(22)の前記駆動パーツ(22b)と関連付けられる少なくともいくらかの歪みが前記移動可能な構造体(22)の前記計量パーツ(22a)に伝達されることを防止することを特徴とする請求項13または14に記載の座標位置決め装置。
【請求項16】
前記固定された構造体(24,51)は、前記駆動アレンジメント(28)に連結される駆動パーツ(24b)と前記計量アレンジメント(26)に連結される計量パーツ(24a)とを含み、前記固定された構造体(24,51)の前記駆動パーツ(24b)は、前記カップリングアレンジメント(38b)を介して前記固定された構造体(24,51)の前記計量パーツ(24a)に連結されており、前記カップリングアレンジメント(38b)は、前記固定された構造体(24,51)の前記駆動パーツ(24b)と関連付けられる少なくともいくらかの歪みが前記固定された構造体(24,51)の前記計量パーツ(24a)に伝達されることを防止することを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項17】
前記移動可能な構造体(22)は、前記動作ツールを携行することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項18】
前記動作ツール(30)は、前記移動可能な構造体(22)の前記計量パーツ(22a)に連結されることを特徴とする、請求項15に従属するときの、請求項17に記載の座標位置決め装置。
【請求項19】
前記装置は、座標測定器またはコンパレータであることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項20】
前記動作ツールは、表面感知デバイスまたは測定プローブであることを特徴とする請求項19に記載の座標位置決め装置。
【請求項21】
前記計量アレンジメント(26)は、前記動作ツール(30)を前記移動可能な構造体(22)に取り付けるために使用されるものとは異なる取り付けを介して、前記移動可能な構造体(22)に連結されることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の座標位置決め装置。
【請求項22】
座標位置決め装置であって、前記装置の作業ボリューム(34)の中で移動可能な構造体(22)と、前記作業ボリューム(34)の中で前記構造体(22)の位置を測定するための計量アレンジメント(26)と、前記作業ボリューム(34)の周りで前記構造体(22)を移動させるための駆動アレンジメント(28)とを含み、前記計量アレンジメント(26)は、対応するそれぞれの複数の測定値を提供するための複数の測定トランスデューサを並列配置で含み、前記複数の測定値から、前記移動可能な構造体(22)の前記位置が決定可能であり、前記駆動アレンジメント(28)は、複数のアクチュエータを前記計量アレンジメント(26)のものとは異なるタイプの並列配置で含むことを特徴とする座標位置決め装置。
【請求項23】
座標位置決め装置であって、前記装置の作業ボリューム(34)の中で移動可能な構造体(22)と、前記作業ボリューム(34)の中で前記構造体(22)の位置を測定するための計量アレンジメント(26)と、前記作業ボリューム(34)の周りで前記構造体(22)を移動させるための駆動アレンジメント(28)とを含み、前記計量アレンジメント(26)および駆動アレンジメント(28)は、前記移動可能な構造体(22)と前記装置の固定された構造体(24,51)との間にそれぞれ配置され、前記計量アレンジメント(26)は、複数の測定値を提供するための並列配置の測定トランスデューサを含み、前記複数の測定値から、前記移動可能な構造体(22)の前記位置が決定可能であり、前記駆動アレンジメント(28)は、前記移動可能な構造体(22)と前記固定された構造体(24,51)との間に並列に配置された複数の機械的リンケージを含み、各機械的リンケージは、駆動機構によって作動され、前記駆動機構は、前記固定された構造体(24,51)と前記機械的リンケージとの間で作用することを特徴とする座標位置決め装置。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載の座標位置決め装置を制御する方法であって、前記移動可能な構造体(22)に動作ツールを連結するステップと、前記計量アレンジメント(26)もまた前記移動可能な構造体(22)に連結されている状態で、前記駆動アレンジメント(28)を使用して、前記作業ボリューム(34)の周りで前記動作ツールを移動させるステップと、前記動作ツールを用いて動作を実行するステップと、前記計量アレンジメント(26)を使用して前記作業ボリューム(34)の中の前記動作ツールの位置を決定するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項25】
座標位置決め装置用のコントローラによって実行されたときに、前記コントローラに、請求項24に記載の方法を実施させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項24に記載の方法を実施させるために、座標位置決め装置を制御するためのコンピュータプログラムインストラクションをその中に記憶しているコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座標位置決め装置に関する。座標位置決め装置は、たとえば、座標測定機(CMM)、および工作機械を備える。
【背景技術】
【0002】
非デカルト座標位置決め装置1が、添付の図面の図1に概略的に図示されている。座標位置決め装置1は、一般的に、第1の構造体2と、第2の構造体4とを備え、第1の構造体2、および第2の構造体4は、それらの間に設けられている複数の入れ子式のまたは伸縮可能な脚部6によって支持され、互いに対して移動される。第1の構造体2、および第2の構造体4は、プラットフォーム、またはステージと称される場合もあり、伸縮可能な脚部6は、ストラット、またはラムと称される場合もある。6つのそのような伸縮可能な脚部6(図1に図示されているように)が存在している場合に、装置は、一般に、ヘキサポッドと呼ばれる。
【0003】
伸縮可能な脚部6は、ボールジョイント8を介して、典型的に、構造体2および構造体4の上に装着されており、それぞれの脚部6は、(図1に図示されているように)その一方、もしくは両方の端部において、それ自身のボールジョイント8を有しているか、または、一方もしくは両方の端部において、隣接する脚部6とボールジョイント8を共有しているかのいずれかである。それぞれの伸縮可能な脚部6は、典型的に、1対のチューブとして形成されており、伸縮可能な脚部6の伸長、および縮小を提供すべく、一方のチューブが駆動機構(たとえば、モータ)によって他方の中を入れ子式に移動される。
【0004】
第1の構造体2と第2の構造体4との間のさまざまな相対的な位置が、矢印13によって図1に図示されているように、異なる量だけ脚部6を伸長させることによって実現されることが可能である。任意の瞬間の相対的な位置は、複数の測長トランスデューサ10によってモニタリングされ、たとえば、1つのトランスデューサがそれぞれの伸縮可能な脚部6と関連付けられている。それぞれの測長トランスデューサ10は、読み取りヘッドと対にされたエンコーダスケールを含んでよく、エンコーダスケールが、1対の入れ子式のチューブのうちの一方に適切に装着されており、読み取りヘッドが、他方の上に適切に装着されている。したがって、脚部6の伸長は、読み取りヘッドを過ぎるようにエンコーダスケールを移動させ、それによって、伸縮可能な脚部6の長さが測定されることを可能にする。コンピュータコントローラ5は、それぞれの伸縮可能な脚部6の長さを設定するように動作し、構造体2と構造体4との間の必要とされる相対的な移動を提供する。6つのそのような測長トランスデューサ10を有することによって、相対的な位置が、6つの対応するそれぞれの自由度(3つの並進自由度および3つの回転自由度)で測定されることが可能である。
【0005】
構造体2と構造体4とのうちの一方は、典型的に、座標位置決め装置1の固定された構造体の一部として提供され、構造体4と構造体2のうちの他方は、固定された構造体に対する移動12と移動11とを伴う。ツール(たとえば、測定プローブまたはドリル)が、移動する構造体の上に装着されることが可能であり、ワークピースが、固定された構造体の上に装着されることが可能であり、または、その逆も同様であり、動作がワークピースの上で実施されることを可能にする(たとえば、座標測定機のケースでは、測定、プロービング、もしくはスキャニング、または、工作機械のケースでは、機械加工)。
【0006】
たとえば、図1に図示されているように、下側構造体4は固定されており、上側構造体2は移動可能であり、ワークピース9が下側構造体4の上に装着され、プローブコンポーネント3が上側構造体2の上に装着されている。作業ボリューム14が、それらの最も間隔を離して配置された位置にあるときに、上側構造体2と下側構造体4との間に画定され、プローブコンポーネント3が、伸縮可能な脚部6の動作によって作業ボリューム14の中に位置決めされている。矢印11が並進移動を示すように示されているが、さまざまな脚部6の適当な制御によって、構造体2は、また、傾斜可能であり得る。
【0007】
あるいは、上側構造体2は固定され得、下側構造体4は移動可能であり得、プローブが下側構造体4の下側表面に装着され、ワークピースが、固定された構造体の一部にその下方に装着されており、装置の作業ボリューム(または、動作ボリューム)が下側構造体4の上方というよりもむしろ、下側構造体4の下方にあるようになっている。
【0008】
さまざまなタイプの非デカルト座標位置決め装置が、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、および特許文献11に、より詳細に説明されている。
【0009】
たとえば、特許文献1は、ヘキサポッド型工作機械を説明しており、そのヘキサポッド型工作機械は、上側の移動可能な構造体を備え、上側の移動可能な構造体は、上記に説明されている図1に図示されているものと原理的に同様に、6つの油圧式の伸縮可能な脚部によってベースに取り付けられている。伸縮可能な脚部は、ボールジョイントを介して、ベース、および移動可能な構造体に取り付けられている。伸縮可能な脚部は、油圧式になっており、シリンダの中を移動可能なピストンロッドを含む。脚部伸長の量は、磁気スケールをシリンダに装着することによって、および、適切な読み取りヘッドをピストンロッドの上に装着することによって測定される。したがって、脚部の伸長は、読み取りヘッドを過ぎるようにスケールを移動させ、それによって、脚部の長さが測定されることを可能にする。コンピュータコントローラは、それぞれの脚部の長さを設定し、必要とされる移動を提供するように動作する。
【0010】
特許文献12は、エンドエフェクタを移動させるためのデルタロボットの使用、および、エンドエフェクタの少なくとも一部の画像データをキャプチャするための撮像検出器の使用を開示している。キャプチャされた画像データから、そして、詳細には、エンドエフェクタの上の参照ポイントから、エンドエフェクタの位置は、写真測量法によって決定されることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第91/03145号パンフレット
【特許文献2】国際公開第95/14905号パンフレット
【特許文献3】国際公開第95/20747号パンフレット
【特許文献4】国際公開第92/17313号パンフレット
【特許文献5】国際公開第03/006837号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2004/063579号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2007/144603号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2007/144573号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2007/144585号パンフレット
【特許文献10】国際公開第2007/144602号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2007/144587号パンフレット
【特許文献12】欧州特許出願公開第3054265A1号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2003/0005786号明細書
【特許文献14】国際公開第2017/021733号パンフレット
【特許文献15】国際出願第PCT/GB2017/050909号
【特許文献16】米国特許第4976582号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2009/0066100A1号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】H. J. J. Braddick, “Mechanical Design of Laboratory Apparatus”, Chapman & Hall, London, 1960, pages 11-30
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、座標位置決め装置であって、装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体と、作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するためのヘキサポッド型計量アレンジメントと、作業ボリュームの周りで構造体を移動させるための非ヘキサポッド型駆動アレンジメントとを備える、座標位置決め装置が提供される。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、座標位置決め装置であって、装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体と、6つの自由度よりも少ない自由度で作業ボリュームの周りで構造体を移動させるための駆動アレンジメントと、駆動アレンジメントよりも多い自由度で作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するための計量アレンジメントとを備える、座標位置決め装置が提供される。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、座標位置決め装置であって、装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体と、作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するための計量アレンジメントと、作業ボリュームの周りで構造体を移動させるための駆動アレンジメントとを備え、計量アレンジメントは、対応するそれぞれの複数の測定値を提供するために、複数の測定トランスデューサを並列配置で含み、複数の測定値から、移動可能な構造体の位置が決定可能であり、駆動アレンジメントは、移動可能な構造体と装置の固定された構造体との間で並列に配置されている複数の機械的なリンケージを含み、それぞれの機械的なリンケージが、駆動機構によって作動され、駆動機構は、固定された構造体と機械的なリンケージとの間に作用する、座標位置決め装置が提供される。
【0016】
本発明の第4の態様によれば、座標位置決め装置であって、装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体と、作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するための計量アレンジメントと、作業ボリュームの周りで構造体を移動させるための駆動アレンジメントとを備え、計量アレンジメントは、対応するそれぞれの複数の測定値を提供するために、複数の測定トランスデューサを並列配置で含み、複数の測定値から、移動可能な構造体の位置が決定可能であり、駆動アレンジメントは、計量アレンジメントのものとは異なるタイプの並列配置で複数のアクチュエータを含む、座標位置決め装置が提供される。たとえば、並列のアクチュエータ配置は、トライグライド(tri―glide)タイプの配置、またはケーブルロボットタイプの配置であってよく、一方、並列の測定トランスデューサ配置は、ヘキサポッド型の配置であってよい。
【0017】
計量アレンジメントは、対応するそれぞれの複数の測定値を提供するために、複数の測定トランスデューサを並列配置で含むことができ、複数の測定値から、移動可能な構造体の位置が決定可能である。
【0018】
測定トランスデューサは、測長トランスデューサであってよい。
【0019】
測定値は、移動可能な構造体と装置の固定された構造体との間の異なるそれぞれの距離に関係することができる。
【0020】
測定トランスデューサは、距離の直接的な測定値を提供するように適合されることができる。
【0021】
測定トランスデューサは、構造体が作業ボリュームの周りで移動するときの距離の変化の直接的な測定値を提供するように適合されることができ、距離の変化の直接的な測定値から、距離が決定可能である。
【0022】
測定トランスデューサのそれぞれは、エンコーダスケール、および関連する読み取りヘッドを含むことができる。
【0023】
計量アレンジメントは、並列に配置されている複数の伸縮可能な脚部を含むことが可能であり、伸縮可能な脚部は、数が測定トランスデューサの数に対応しており、複数の測定トランスデューサのそれぞれは、複数の伸縮可能な脚部のうちの異なるそれぞれ1つと関連付けられている。
【0024】
座標位置決め装置は、6つのそのような測定トランスデューサを備えることができる。
【0025】
複数の測定トランスデューサは、複数の独立した測定トランスデューサであってよい。
【0026】
本明細書で説明されている複数の測定トランスデューサは、画像ベースの、または写真測量法の、計量アレンジメントと対比されることになり、たとえば、画像ベースの、または写真測量法の、計量アレンジメントでは、それぞれの画像キャプチャデバイスは、任意の、長さもしくは距離の、直接的なもしくは独立した、測定を行わず、または、移動可能な構造体の少なくとも一部の位置の、直接的なもしくは独立した、測定を行わず、移動可能な構造体の位置の決定を画像キャプチャデバイスのすべてからの画像の写真測量法の組み合わせに基づいて行うことができるだけである。画像ベースの、または写真測量法の、計量アレンジメントでは、距離が画像データから間接的に推定されることが可能であるだけである。
【0027】
駆動アレンジメントは、移動可能な構造体が作業ボリュームの周りで移動するときに、移動可能な構造体を実質的に一定の方向に維持するように適合されることができる。
【0028】
駆動アレンジメントは、移動可能な構造体と装置の固定された構造体との間で、並列に接続されている複数の機械的なリンケージを含むことができる。
【0029】
それぞれの機械的なリンケージは、固定された構造体と機械的なリンケージとの間で作用する駆動機構によって作動されることができる(または、駆動される)。ここで、そのような駆動機構と、たとえば、機械的なリンケージの2つのパーツ(または、リンク)の間で作用するものとの間で区別が付けられる。たとえば、典型的なヘキサポッド型駆動アレンジメントでは、それぞれの伸縮可能な脚部のためのモータは、伸縮可能な脚部の2つのパーツの間で作用し、脚部を伸長するために2つのパーツを互いに離れるように押し、また、脚部を縮小させるために反対のことを行う。モータは、伸縮可能な脚部(機械的なリンケージ)と固定された構造体との間で作用しない。そうであるので、本発明の実施形態では、それぞれの機械的なリンケージが、固定された構造体と機械的なリンケージとの間で直接的に作用する駆動機構によって作動される(または、駆動される)ことができると考えることが可能である。
【0030】
機械的なリンケージの被駆動パーツの移動は、駆動アレンジメントの他の機械的なリンケージと関連付けられた1つまたは複数の他の駆動機構によってというよりもむしろ、その機械的なリンケージと関連付けられた駆動機構によって引き起こされることができる。
【0031】
機械的なリンケージの被駆動パーツは、キャリッジであることが可能であり、キャリッジは、対応するトラックに沿って線形に移動するように配置されている。複数のそのようなトラックは、互いに実質的に平行に配置され得る。トライグライド駆動アレンジメントのケースでは、3つのそのようなトラックが設けられている。
【0032】
駆動機構は、デルタロボットの中に見出されるものなどのような、ロータリ駆動機構であってよい。
【0033】
そのような駆動機構は、固定された構造体に対して、実質的にロータリ式で、機械的なリンケージの被駆動パーツを駆動するように配置されることができる。
【0034】
ロータリ駆動機構は、直接的なロータリ駆動機構であってよい。
【0035】
駆動機構は、トライグライド構成体、またはケーブルロボットの中に見出されるようなものなど、リニア駆動機構であってよい。
【0036】
そのような駆動機構は、固定された構造体に対して、実質的に線形的に、たとえば、固定された構造体の実質的に線形的な特徴などに沿って、たとえば、固定された構造体の実質的に線形のトラックなどに沿って、機械的なリンケージの被駆動パーツを駆動するように配置されることができる。
【0037】
リニア駆動機構は、直接的なリニア駆動機構であってよい。
【0038】
リニア駆動機構は、実質的には線形的に、機械的なリンケージの端部を並進させるように配置されてよい。
【0039】
リニア駆動機構は、リニアモータを含んでよい。
【0040】
それぞれの機械的なリンケージは、少なくとも2つの実質的に平行なロッドを含むことが可能であり、移動可能な構造体が作業ボリュームの周りで移動するときに、移動可能な構造体を実質的に一定の方向に維持する。
【0041】
駆動アレンジメントは、3つのそのような機械的なリンケージを含むことができる。
【0042】
駆動アレンジメントは、トライグライド構成体であることが可能であってよい。
【0043】
計量アレンジメントは、固定された構造体と移動可能な構造体との間で並列に配置されている複数の機械的なリンケージを含むことができ、対応する複数の測定トランスデューサが、複数の機械的なリンケージとそれぞれ関連付けられている。計量アレンジメントの6つのそのような機械的なリンケージ、および、6つの対応するそれぞれの測定トランスデューサが存在することができる。
【0044】
計量アレンジメントのそれぞれの機械的なリンケージは、固定された構造体の上のポイントと移動可能な構造体との間にそれぞれ接続されることができ、それらのポイント間の距離が変化することを可能にするように適合されることができる。
【0045】
計量アレンジメントの機械的なリンケージと関連付けられる測定トランスデューサは、距離に依存する出力を提供するように適合されることができる。
【0046】
計量アレンジメントのそれぞれの機械的なリンケージは、伸縮可能なまたは伸長する、脚部であってよい。
【0047】
また、機械的なリンケージは、キネマティックチェーン、または機械的なアセンブリと称されるか、または考えられることができる。
【0048】
駆動機構は、駆動アレンジメントのそれぞれの機械的なリンケージに関して別個に設けられることができる。
【0049】
機械的なリンケージと関連付けられる駆動機構は、固定された構造体と機械的なリンケージの端部との間で、作用するように配置されることができる。
【0050】
それぞれの機械的なリンケージは、少なくとも1つのリジッドのロッドを含んでよい。
【0051】
それぞれの機械的なリンケージは、少なくとも2つの実質的に平行なロッドを含むことができ、移動可能な構造体が作業ボリュームの周りで移動するときに、移動可能な構造体を実質的に一定の方向に維持する。
【0052】
機械的なリンケージのそれぞれは、実質的に同じ配置または設計のものであってよい。
【0053】
リニア駆動機構をそれぞれ備える3つの機械的なリンケージを有する駆動アレンジメントが、トライグライド構成体として知られている。
【0054】
駆動アレンジメントは、デルタロボット構成体を含むことができるか、または、デルタロボット構成体の形態になっていることができるか、または、デルタロボット構成体を提供することができる。
【0055】
駆動アレンジメントは、リニアデルタロボット構成体を含むことができるか、または、リニアデルタロボット構成体の形態になっていることができるか、または、リニアデルタロボット構成体を提供することができる。
【0056】
駆動アレンジメントは、6つの自由度よりも少ない自由度で作業ボリュームの周りで構造体を移動させるように適合されることができ、計量アレンジメントは、駆動アレンジメントよりも多い自由度で作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するように適合されることができる。
【0057】
計量アレンジメントは、ヘキサポッド型計量アレンジメントであってよい。
【0058】
駆動アレンジメントは、非ヘキサポッド型駆動アレンジメントであってよい。
【0059】
駆動アレンジメントは、3つの自由度で作業ボリュームの周りで構造体を移動させるように適合されることができる。
【0060】
3つの自由度は、3つの並進自由度であることができる。
【0061】
計量アレンジメントは、6つの自由度(3つの並進自由度および3つの回転自由度、すなわち、位置および方向)で構造体の位置を測定するように適合されることができる。
【0062】
計量アレンジメントおよび駆動アレンジメントは、移動可能な構造体と装置の固定された構造体との間に(たとえば、それらに接続されている)それぞれ配置されることができる。
【0063】
計量アレンジメントおよび駆動アレンジメントは、移動可能な構造体および固定された構造体の両方に、それぞれ接続または連結されることができる。
【0064】
駆動アレンジメントは、複数のアクチュエータを並列配置で含むことができる。これは、たとえば、従来の3軸(x,y,z)座標測定機(CMM)の中に存在しているアクチュエータの直列の配置と対比される。
【0065】
駆動アレンジメントは、計量アレンジメントのものとは異なるタイプの並列配置で複数のアクチュエータを含んでよい。
【0066】
駆動アレンジメントは、計量アレンジメントのものとは別個に、対応するそれぞれの測定値を提供するための複数の測定トランスデューサを含むことができ、その測定値から、移動可能な構造体の位置が、計量アレンジメントからの測定値に基づいて決定される位置から独立して決定可能である。換言すれば、駆動アレンジメントは、計量アレンジメントから独立してエンコードされることができる。
【0067】
駆動アレンジメントは、カップリングアレンジメントを介して、計量アレンジメントに連結されることができ、カップリングアレンジメントは、駆動アレンジメントと関連付けられる少なくともいくらかの歪みが計量アレンジメントに伝達されることを防止する。
【0068】
カップリングアレンジメントは、キネマティックカップリングアレンジメント、または疑似キネマティックカップリングアレンジメントであってよい。
【0069】
カップリングアレンジメントは、複数のボールを含んでよい。
【0070】
カップリングアレンジメントは、複数の弾性スペーサまたはパッドを含んでよい。
【0071】
移動可能な構造体は、駆動アレンジメントと関連付けられた駆動パーツと、計量アレンジメントと関連付けられた計量パーツとを含むことができ、移動可能な構造体の駆動パーツは、カップリングアレンジメントを介して、移動可能な構造体の計量パーツに連結されている。
【0072】
移動可能な構造体の駆動パーツは、駆動アレンジメントに連結されてよい。
【0073】
移動可能な構造体の計量パーツは、計量アレンジメントに連結されてよい。
【0074】
座標位置決め装置は、駆動アレンジメントと関連付けられた駆動パーツと、計量アレンジメントと関連付けられた計量パーツとを有する、固定された構造体を備えることができ、固定された構造体の駆動パーツは、カップリングアレンジメントを介して、固定された構造体の計量パーツに連結されている。
【0075】
固定された構造体の駆動パーツは、駆動アレンジメントに連結されてよい。
【0076】
固定された構造体の計量パーツは、計量アレンジメントに連結されてよい。
【0077】
移動可能な構造体は、動作ツールを携行することができる。換言すれば、計量アレンジメントが移動可能な構造体に連結されていると同時に、動作ツールは、移動可能な構造体によって動かせることができる。そのような構成の座標測定機は、たとえば、単にキャリブレートされる用意ができているに過ぎないというよりもむしろ(この場合、作業ツールは適切な場所に存在しない)、動作使用の用意ができている(作業ツールが適切な場所にある)。
【0078】
装置は、座標測定機であってよい。
【0079】
装置は、コンパレータであってよい。
【0080】
動作ツールは、表面感知デバイス、または測定プローブであってよい。
【0081】
装置は、工作機械であってよい。
【0082】
動作ツールは、材料を成形または機械加工するための、機械的なツールであってよい。
【0083】
計量アレンジメントは、互いに並列に排他的に配置された、すなわち、任意の測定トランスデューサが互いに直列に配置されていない、測定トランスデューサを含むことができる。
【0084】
計量アレンジメントは、6つの対応するそれぞれの測定値を提供するために、6つの測定トランスデューサを並列配置で含むことができ、その測定値から、移動可能な構造体の位置が決定可能である。6つよりも少ない測定トランスデューサを並列配置で有する計量アレンジメントは、ヘキサポッド型計量アレンジメントではない(たとえば、トライポッドは、ヘキサポッドではない)。
【0085】
計量アレンジメントは、駆動アレンジメントの異なるそれぞれの状態または構成から結果として生じる作業ボリュームの中の、移動可能な構造体の異なる位置を測定するためのものであると考えることが可能である。換言すれば、計量アレンジメントは、駆動アレンジメントの第1の構成において、移動可能な構造体の位置(第1の位置)を測定し、駆動アレンジメントは、次いで、第1のものとは異なる第2の構成へと移動し、計量アレンジメントは、駆動アレンジメントの第2の構成において、移動可能な構造体の位置(第2の位置)を測定する。駆動アレンジメントは、移動可能な構造体を第1の位置から第2の位置へ移動させるために使用される装置のすべてのパーツを含むと考えることが可能である。
【0086】
計量アレンジメントは、並列に配置されている6つの伸縮可能な脚部を含むことができ、6つの測定トランスデューサは、6つの伸縮可能な脚部とそれぞれ関連付けられている。
【0087】
測定トランスデューサは、干渉法測定トランスデューサであってよい。
【0088】
駆動アレンジメントは、6つよりも少ないアクチュエータを並列配置で含むことができる。
【0089】
駆動アレンジメントは、並列のキネマティックアレンジメントであることが可能である。
【0090】
駆動アレンジメントは、非デカルトアレンジメントであってよい。
【0091】
駆動アレンジメントは、6つよりも少ないアクチュエータを含むことができる。
【0092】
駆動アレンジメントと関連付けられたアクチュエータの並列配置は、計量アレンジメントと関連付けられた測定トランスデューサの並列配置とは異なっていてもよい。
【0093】
駆動アレンジメントは、対応するそれぞれの測定値を提供するために、複数の測定トランスデューサを含むことができ、その測定値から移動可能な構造体の位置が決定可能である。
【0094】
測定トランスデューサは、光学的な、または画像ベースの、または写真測量法の、測定トランスデューサとは対照的に、機械的な測定トランスデューサであってよい。
【0095】
測定トランスデューサは、測長トランスデューサであってよい。伸縮可能な脚部などのような、装置の一部の長さを測定することは、伸縮可能な脚部の端部などのような、装置の2つのパーツの間の距離を測定することと同等であると考えることができる。トランスデューサは、絶対的な長さまたは距離を測定しなくてもよく、長さまたは距離の変化を測定することができ、それから、絶対的な長さまたは距離が決定されることが可能である(たとえば、装置の幾何学的モデルに基づいて)。長さを測定するのではなく、たとえば、位置を決定するために、他のセンサデータと組み合わせて使用されることが可能である、センサの例は、加速度計(加速度センサ)、ティルトセンサ、およびジャイロスコープである。
【0096】
測定トランスデューサは、第1のクロックレートでサンプリングされることができ、第1のクロックレートは、駆動アレンジメントを制御するために使用される第2のクロックレートに匹敵している(たとえば、少なくともその半分になっているか、少なくともそれになっているか、または、それと実質的に同じになっている)。
【0097】
測定トランスデューサから受け取られる測定値は、第1のクロックレートよりも低い第3のクロックレートで取得されることができる、他のセンサ、またはトランスデューサデータ(たとえば、画像センサからの写真測量法のデータなど)を参照することなく、構造体の位置が決定されることを可能にすることができる。
【0098】
第1のクロックレートは、1kHzよりも高く、より好ましくは、10kHzよりも高く、より好ましくは、15kHzよりも高くなっていてよい。
【0099】
計量アレンジメントは、たとえば、光学的に、この場合、計量アレンジメントは、光学的な計量アレンジメントである、非コンタクトレス式で、移動可能な構造体に連結されることができる。
【0100】
たとえば、計量アレンジメントがヘキサポッド型計量アレンジメントである場合などに、計量アレンジメントは、移動可能な構造体に機械的に連結されることができる。
【0101】
計量アレンジメントは、たとえば、光学的な、または画像ベースの、または写真測量法の、計量アレンジメントとは対照的に、機械的な計量アレンジメントであることができる。
【0102】
計量アレンジメントは、移動可能な構造体に機械的に連結されてよい。
【0103】
伸縮可能な脚部は、固定された構造体の上のポイントと移動可能な構造体の上のポイントとの間の距離が変化することを可能にする、任意の機械的な配置(たとえば、機械的なリンケージ)を含んでよい。
【0104】
移動可能な構造体は、作業ボリュームの周りで移動される物体を支持または携行するように適合されることができる。物体は、作業ボリュームの中でピックアップ、および/または設置されるものであってよい。物体は、作業ボリュームの中に位置付けされている別の物体(たとえば、ワークピースなど)と相互作用するための、または、別の物体の上で動作するための、ツールであってよい。ツールは、表面感知デバイスであってよい。表面感知デバイスは、測定プローブであってよい。測定プローブは、接触プローブであってよい。接触プローブは、スタイラスを含むことができ、スタイラスは、測定値をとるために、使用時にワークピース表面と物理的な接触を行う。測定プローブは、非接触プローブであってよい。非接触プローブは、光学プローブであってよい。ツールは、ワークピースの表面を撮像するためのカメラを含むことができる。ツールは、金属または他の剛体材料を、成形または機械加工するための、工作機械の中に典型的に見出される、機械的なツールであってよい。
【0105】
移動可能な構造体は、計量アレンジメントおよび駆動アレンジメントもまた、移動可能な構造体に連結された状態で、動作ツールを動かせるように適合されることができる。座標位置決め装置は、動作ツールが移動可能な構造体にすでに連結された状態で、且つ、それが意図している動作を実施する用意ができている状態で、セットアップされることができる。換言すれば、座標位置決め装置は、単にキャリブレーションのためだけにというよりもむしろ、動作のためにセットアップされることができる。
【0106】
ヘキサポッド型計量アレンジメントは、動作ツールを移動可能な構造体に取り付けるために使用されるものとは異なる取り付けを介して、移動可能な構造体に連結されることができる。
【0107】
ヘキサポッド型計量アレンジメントは、移動可能な構造体に直接的に連結されることができる。
【0108】
「トランスデューサ」は、物理量の変動を電気信号へと変換するデバイス(「センサ」、たとえば、長さの変化を測定、または感知する、本明細書で説明されている測定トランスデューサなど)であるか、または、その逆もまた同様に、電気信号を物理量へと変換するデバイス(「アクチュエータ」、たとえば、入力または駆動信号に基づいて、構造体に移動を提供する、本明細書で説明されている、モータおよび関連する駆動リンケージなど)のいずれかであると本明細書では考えることが可能である。
【0109】
構造体の「位置」を測定することは、適当な数の自由度まで、構造体の位置、および/または方向を測定することとして理解される。たとえば、位置が6つの自由度で測定される場合に、次いで、構造体の位置および方向の両方が決定される。しかし、位置が単に3つの自由度で測定されるに過ぎない場合には、次いで、これは、構造体の方向の決定を含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。「位置を測定する」という用語は、そのように解釈される。
【0110】
本発明の第5の態様によれば、上記に説明された態様のいずれかに記載の座標位置決め装置を制御する方法であって、移動可能な構造体にツールを連結するステップと、計量アレンジメントもまた、移動可能な構造体に連結されている状態で、駆動アレンジメントを使用し、作業ボリュームの周りでツールを移動させるステップと、ツールを用いて動作を実施するステップとを備える、方法が提供される。
【0111】
方法は、計量アレンジメントを使用し、動作のために作業ボリュームの中のツールの位置を決定するステップを備えることが可能である。
【0112】
方法は、決定された位置を実施される動作と関連付けるステップを備えることができる。
【0113】
動作は、測定動作であってよい。動作は、機械加工動作であってよい。
【0114】
ツールは、測定プローブであることができて、動作は、作業ボリュームの中に位置付けされているワークピースのタッチトリガ測定を行うことなどのような、測定動作であることができる。
【0115】
方法は、ツールというよりもむしろ、構造体の位置、または、それらの組み合わせに基づいて実施されることができる。
【0116】
本発明の第6の態様によれば、座標位置決め装置のためのコントローラであって、本発明の第5の態様による方法を実施するように構成されている、コントローラが提供される。
【0117】
本発明の第7の態様によれば、コンピュータプログラムであって、座標位置決め装置コントローラによって実行されたとき、コントローラに本発明の第5の態様による方法を実施させ、または、座標位置決め装置コントローラの中へロードされているときに、座標位置決め装置コントローラを本発明の第6の態様による座標位置決め装置コントローラにする、コンピュータプログラムが提供される。プログラムは、キャリア媒体の上で実施されることができる。キャリア媒体は、ストレージ媒体であってよい。キャリア媒体は、伝送媒体であってよい。
【0118】
本発明の第8の態様によれば、本発明の第5の態様による方法を実施するために、座標位置決め装置コントローラを制御するためのコンピュータプログラムインストラクションをその中に記憶している、コンピュータ可読媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0119】
ここで、例として、添付の図面が参照される。
図1】以上に議論されている、6つの伸縮可能な脚部を有する、ヘキサポッド型座標位置決め装置の概略的な説明図である。
図2図1のヘキサポッド型座標位置決め装置の概略的な側面図である。
図3】計量アレンジメント、および別個の駆動アレンジメントを有する本発明を具現化する、座標位置決め装置の概略的な側面図である。
図4】計量アレンジメントが駆動アレンジメントからある程度切り離されている本発明を具現化する、座標位置決め装置の概略的な側面図である。
図5図4の座標位置決め装置の実用的な実施形態の第1の斜視図である。
図6図5の実施形態の第2の斜視図である。
図7図5の実施形態の側面図である。
図8図5の実施形態の上面図である。
図9A】本発明の実施形態の動作の概略的な説明図である。
図9B】本発明の実施形態の動作の概略的な説明図である。
図9C】本発明の実施形態の動作の概略的な説明図である。
図9D】本発明の実施形態の動作の概略的な説明図である。
図9E】本発明の実施形態の動作の概略的な説明図である。
図10図4の座標位置決め装置のトップダウン変形例の概略的な説明図である。
図11図10のトップダウン座標位置決め装置の変形例の概略的な説明図である。
図12図5から図8の座標位置決め装置のわずかな変形例を示す図である。
図13図12の座標位置決め装置のトップダウン変形例を示す図である。
図14図13のトップダウン座標位置決め装置の変形例を示す図である。
図15図13のトップダウン座標位置決め装置の別の変形例を示す図である。
図16A】異なるタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示する図である。
図16B】異なるタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示する図である。
図17図16Aおよび図16Bの座標位置決め装置の実用的な実施形態を図示する図である。
図18A】計量アレンジメントが駆動アレンジメントからある程度切り離されている、図16Aおよび図16Bの実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図18B】計量アレンジメントが駆動アレンジメントからある程度切り離されている、図16Aおよび図16Bの実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図19】トップダウンというよりもむしろ、ボトムアップのヘキサポッド型計量アレンジメントを備える、図16Aおよび図16Bの実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図20】固定された長さの計量ストラットがヘキサポッド型計量アレンジメントの中で使用されている、図16Aおよび図16Bの実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図21】オフセットされた枢動プレートが計量ストラットに関して使用されている、図20の実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図22】デルタロボットタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示する図である。
図23】計量アレンジメントと駆動アレンジメントとの間の増加した量の切り離しを有する、図22の実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図24】計量アレンジメントと駆動アレンジメントとの間の減少した量の切り離しを有する、図22の実施形態の変形例を概略的に図示する図である。
図25】直列のキネマティックタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示する図である。
図26】直列のキネマティックタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する別の実施形態を概略的に図示する図である。
図27】計量アレンジメントよりも少ない自由度を有する駆動アレンジメントを提供する概念を図示する図である。
図28】ヘキサポッド型駆動アレンジメントが拘束された移動を有するデュアルヘキサポッド型アレンジメントを図示する図である。
図29】本発明を具現化する座標位置決め装置を制御する方法を表す、フローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0120】
図1を参照して上記に議論されている座標位置決め装置1の側面図が、図2に概略的に図示されている。座標位置決め装置1は、上側構造体2を備え、上側構造体2は、装置1の作業ボリューム14の中で移動可能である。6つの伸縮可能な脚部6は、作業ボリューム14の周りで上側構造体2を移動させるためのヘキサポッド型駆動アレンジメント18(実線で示されている)と、また、作業ボリューム14の中の上側構造体2の位置を測定するためのヘキサポッド型計量アレンジメント16(点線で示されている)の両方を形成している。したがって、座標位置決め装置1は、組み合わせられた、駆動および計量ストラットを有している。
【0121】
比較として、本発明の実施形態による座標位置決め装置21が、図3に概略的に図示されている。図2の装置と同様に、座標位置決め装置21は、装置21の作業ボリューム34の中で移動可能な上側構造体22と、作業ボリューム34の周りで上側構造体22を移動させるための駆動アレンジメント28(実線で示されている)と、作業ボリューム34の中の移動可能な上側構造体22の位置を測定するための計量アレンジメント26(点線で示されている)とを備える。
【0122】
図2に図示されている座標位置決め装置1において、ヘキサポッド型計量アレンジメント16およびヘキサポッド型駆動アレンジメント18は組み合わせられているが、図3に示されているような本発明を具現化する座標位置決め装置21において、駆動アレンジメント28は、計量アレンジメント26とは異なっており、計量アレンジメント26から分離している。技術的な利点が、このような方法で計量アレンジメント26を駆動アレンジメント28から分離することによって実現される。その理由は、それが、これらの2つの異なる構成体が非常に異なる(さらに、ときには相反する)技術的な考慮事項を念頭に置いて設計されることを可能にするからである。
【0123】
計量アレンジメント26を駆動アレンジメント28から分離させること、および区別させることが、駆動アレンジメント28を相対的に軽量で高速に作製されることを可能にし、構造体22が、高い加速度、および急速な方向の変化を伴って、迅速に作業ボリューム34の周りで移動されることが可能である。重量および速度のような要因に焦点を合わせることは、駆動アレンジメント28の中のある程度の位置精度を犠牲にする可能性があるが、これは、計量アレンジメント26を提供することによって克服され、計量アレンジメント26は、その代わりに、位置精度を念頭に置いて設計されている。
【0124】
計量アレンジメント26はパッシブであり、任意の駆動コンポーネント(それは、重量を追加し、熱を発生させる)の必要性がないので、パーツ(距離を測定するために使用される測定スケールを含む)の慣性、および熱的変形によって、引き起こされる計量誤差が、それによって制御、および低減されることが可能である。
【0125】
駆動アレンジメント28から分離しており、駆動アレンジメント28とは異なる計量アレンジメント26を使用することは、要求の厳しい位置決め用途に求められる精度を依然として保ちながら、移動可能な構造体が作業ボリュームの周りで迅速に駆動されることが可能である、座標位置決め装置21を提供する。
【0126】
そのような設計によって、駆動アレンジメント28のための比較的に安価な既製品の駆動機構、詳細には、高い精度を念頭に置いて設計されていない駆動機構を選ぶことも可能になり、それが専用の計量アレンジメント26によって連結され、必要とされる精度を提供することを知り、したがって、これは、生産コストが削減されることを可能にする。
【0127】
また、機械的な計量アレンジメントは、低摩擦ジョイントを有することから恩恵を得、一方、駆動アレンジメントは、典型的に、よりロバストで、且つ実質的なジョイントを必要とし、それは、詳細には、負荷がかかっているときに、より高い程度の摩擦を必然的に有しており、したがって、計量アレンジメント26を駆動アレンジメント28から分離することによって克服される設計相反が存在している。計量アレンジメント26のジョイントは、より低摩擦のタイプのものであることが可能であり、また、駆動アレンジメント28と同じ負荷の下にない。ヒステリシス効果は、ワークピースがアプローチされる方向に応じて異なる測定値が記録されることにつながることが可能となり、したがって、ヒステリシス効果は、駆動アレンジメント28からの計量アレンジメント26の分離によって低減されることが可能である。
【0128】
図3の座標位置決め装置21において、計量アレンジメント26は、ヘキサポッド型アレンジメントであり、一方、駆動アレンジメント28は、非ヘキサポッド型アレンジメント(すなわち、ヘキサポッド型アレンジメント以外のもの、または、ヘキサポッド型アレンジメントとは異なるもの)である。ヘキサポッドベースの計量アレンジメント26の使用は、とりわけ有益である。その理由は、ヘキサポッドが、測定トランスデューサの並列配置を有する、ロバストな機械的システムを提供し、それが距離の直接的な測定値を提供し、6つの自由度での非常に正確で信頼性の高い位置の決定がそれから導出されることが可能であるからである。
【0129】
また、ヘキサポッドベースの計量アレンジメント26は、移動している構造体22の位置が決定されるか、またはサンプリングされることが可能であるレートの観点から、いくつかの画像ベースの計量アレンジメントを上回る利点を有する。画像ベースの(写真測量法の)計量アレンジメントに関して、サンプリングレートは、本質的に、画像センサのサンプリングレートによって限定され、また、移動している、プラットフォームの位置を導出すべく、大量の画像情報に基づいて、複雑な計算を実施するためにかかる時間によってさらに限定される。たとえば、特許文献12の画像ベースのシステムによって、「撮像検出器によって供給されるフレームレートは、通常、最大で数百ヘルツまででしかない」と述べられている。これは、有益であるとして説明されている。その理由は、それが振動のような望ましくない高い周波数移動を検出することを回避するからである。
【0130】
しかし、本出願人は、はるかに高い動的な帯域幅が、ヘキサポッド型計量アレンジメントの伸縮可能な脚部と関連付けられた測定トランスデューサからのデータの直接的サンプリングによって実現されることが可能であることを認識した。たとえば、装置コントローラは、典型的に、65μsごとに(15kHz)アブソリュートエンコーダから位置データを要求することができるが、より高いサンプリングレートもまた、可能である。インクリメンタルエンコーダシステムは、連続的な正弦波出力を生成し、連続的な正弦波出力は、依然としてより微細な運動制御を可能にし、それは、連続的な出力がサンプリングされることが可能であるレートのみによって限定される。画像ベースのシステムとは異なり、これらの値から移動可能な構造体の位置を決定するために必要とされる計算は、過度に時間のかかるものではない。
【0131】
また、特許文献12の画像ベースのシステムは、対応するセットの測定値を独立して提供する測定トランスデューサの並列配置の使用を説明しておらず、そのセットのそれぞれの測定値は、移動しているプラットフォームの上の異なるポイントと固定された構造体の上のポイントとの間の、距離または分離を直接的に表しているか、またはそれに関係しており、移動しているプラットフォームの、位置および/または方向がそれから決定されることができると留意される。詳細には、特許文献12は、ヘキサポッド型計量アレンジメントの使用を説明していない。
【0132】
図1に図示されているものなどのようなヘキサポッド型駆動アレンジメントを用いて、6つのストラットのそれぞれは、モータを必要とし、モータは、関連するストラットの一部を必然的に形成しなければならず、すなわち、モータは、ストラットとともに移動する。したがって、ヘキサポッドが作動され、移動可能な構造体を作業ボリュームの周りで移動させるときには、比較的に重いモータパーツの重量も動き回らせられている。この過剰な質量を動き回らせなければならないことは、駆動アレンジメントの潜在的な速度(または、加速度)を低減させ、装置の中に追加的な熱を生成させ、それは、それが計量アレンジメントに到達するときにマイナスの影響を有する。図3に図示されているものなどのような非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを提供することによって、これらの問題が克服され得る。その理由は、それが、モータパーツが移動しているパーツから取り去られることを可能にするからである。
【0133】
そのうえ、6つの自由度よりも少ない自由度で移動可能な構造体22に移動を提供する、非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを使用することによって、より少ないアクチュエータが必要とされ(すなわち、ヘキサポッドの中で必要とされる6つのアクチュエータよりも少ない)、コスト、および複雑性を低減させ、また、熱を発生するモータパーツのより少ない数に起因して、発生する熱の量を低減させ、したがって、計量結果を改善する。
【0134】
図3のヘキサポッド型計量アレンジメント26は、概して、図1および図2の、ヘキサポッド型アレンジメントと同様であるが、駆動を提供するために必要とされる、任意の作動コンポーネントまたはモータコンポーネントがない。この実施形態では、駆動アレンジメント28は、いわゆる「トライグライド」構成体であり、たとえば、それは、特許文献13に開示されているようなものであり、実質的に平行に配置されている3つの対応するそれぞれのリニアトラック51に沿って移動する3つのキャリッジ56を有している。これらの構成体は、図5から図8を参照して、より詳細に下記で説明される。
【0135】
再び図3を参照すると、座標位置決め装置21は、下側構造体24を備え、下側構造体24は、装置21の固定された構造体の一部を形成しており、ワークピース29が下側構造体24の上に装着された状態になっている。測定プローブ30は、上側構造体22の上に支持されており、それが作業ボリューム34の周りで移動されることが可能であるようになっている。作業ボリューム34は、それらの最も間隔を離して配置された位置にあるときに、上側構造体22と下側構造体24との間に画定されており、プローブコンポーネント30が駆動アレンジメント28の動作によって作業ボリューム34の中に位置決めされた状態になっている。
【0136】
また、図3の中に概略的に図示されているのは、構造体22の所望の移動を引き起こすために、駆動アレンジメント28を制御するためのコントローラCである。コントローラCは、ハードウェアもしくはソフトウェアに、または、それらの組み合わせに実装されることが可能である。純粋に、明確性および簡潔性のために、コントローラCは、後続の図面から省略されている。
【0137】
図4に図示されているように、駆動アレンジメント28と計量アレンジメント26との間のさらなる分離までも提供するために、駆動アレンジメント28は、カップリングアレンジメント38を介して、計量アレンジメント26に連結され得、カップリングアレンジメント38は、駆動アレンジメント28と関連付けられる少なくともいくらかの歪みが計量アレンジメント26に伝達されることを防止する。カップリングアレンジメント38は、移動可能な構造体22と関連付けられた第1のカップリング38aと、固定された構造体24と関連付けられた第2のカップリング38bとを含む。
【0138】
図4に図示されている概略的な実施形態では、移動可能な構造体22は、計量アレンジメント26と関連付けられた計量パーツ22aと、駆動アレンジメント28と関連付けられた駆動パーツ22bとを含み、移動可能な構造体22の計量パーツ22aが、第1のカップリング38aを介して、移動可能な構造体22の駆動パーツ22bに連結された状態になっている。移動可能な構造体22の計量パーツ22aは、計量アレンジメント26に連結されている。移動可能な構造体22の駆動パーツ22bは、駆動アレンジメント28に連結されている。
【0139】
同様に、固定された構造体24は、計量アレンジメント26と関連付けられた計量パーツ24aと、駆動アレンジメント28と関連付けられた駆動パーツ24bとを含み、固定された構造体24の計量パーツ24aが、第2のカップリング38bを介して、固定された構造体24の駆動パーツ24bに連結された状態になっている。固定された構造体24の計量パーツ24aは、計量アレンジメント26に連結されている。固定された構造体24の駆動パーツ24bは、駆動アレンジメント28に連結されている。
【0140】
この例では、カップリングアレンジメント38のそれぞれのカップリング38aおよびカップリング38bは、キネマティックカップリング、または疑似キネマティックカップリングの形態になっている。本体部を別のものに対して位置付けする文脈において、キネマティック設計考慮事項は、最小数の拘束を使用して本体部の運動の自由度を拘束することによって満たされ、詳細には、過剰に拘束することを回避することを伴う。過剰に拘束することは、2つの本体部の間に複数の接触のポイントを結果として生じさせることが可能であり、一方の本体部が他方のものに対して、2つ以上の位置に置かれることを可能にする。したがって、本体部の場所は、いくつかの位置のうちのどの位置に本体部が置かれるかが分からないので、繰り返し可能ではない。詳細には、過剰な拘束が存在している場合、適切な場所にある拘束間に相反が存在しており、どの拘束の組み合わせが本体部の実際の位置を決定するかを任意の確実性で決定することが可能でないようになっている。これらの概念は、非特許文献1に説明されている。
【0141】
理想的な拘束を提供するために、最小数の接触ポイント(または、ポイント状の接触)を伴う、そのようなキネマティックカップリングは、また、カップリングの一方の半分に伝達されているカップリングの他方の半分の中の歪みを隔離する際に非常に効果的である。したがって、第1のカップリング38aは、移動可能な構造体22の駆動パーツ22bの歪み(駆動アレンジメント28からそのパーツに作用する力から結果として生じる)が計量パーツ22aに(そして、それによって、計量アレンジメント26に)伝達されることを防止することを助け、また、固定された構造体24に関して、第2のカップリング38bについても同様である。これは、駆動アレンジメント28からの機械的な隔離を良好な程度に有する明確に境界を示された、計量フレーム36を提供する。
【0142】
詳細には、この実施形態では、それぞれのカップリング38aおよびカップリング38bは、3つのボールのセットを含み、キネマティック設計原理にしたがって3つの接触のポイントを提供している(2つだけが、図4の概略的な説明図に示されている)。また、リジッドのボールの代わりに、複数の弾性スペーサまたはパッドを使用することも有益であり、たとえば、3つのそのようなスペーサが三角形の角部に配置されている。これは、接点がポイント状になっているのではなく、その代わりに、弾性スペーサの小さいエリアにわたって広がっている場合にも、ある程度のキネマティックカップリングを提供する。弾性スペーサ(たとえば、ゴムから作製されている)の使用は有益である。その理由は、それらが、駆動アレンジメント28からのいくらかの振動を吸収するように作用し、それが計量アレンジメント26に伝達されないようになっているからである。
【0143】
また、そのようなカップリングは、両方の端部において(すなわち、移動可能な構造体22、および固定された構造体24と関連して)提供されることが可能であるか、または、一方の端部だけにおいて(すなわち、移動可能な構造体22、および固定された構造体24のうちの一方だけと関連して)提供されることが可能であるか、または、全く提供されない(すなわち、移動可能な構造体22、および固定された構造体24のいずれにおいても提供されない)ことも可能であることが認識される。
【0144】
ここで、実施形態が、図5から図8を参照して、より詳細に説明され、図5から図8は、図3および図4の非常に概略的な図示よりも詳細な装置構造体の代表図を示している。
【0145】
図5から図8に図示されているヘキサポッド型計量アレンジメント26は、6つの伸縮可能な脚部60を含み、6つの伸縮可能な脚部60は、一般的に同じ構造のものであり、上側構造体22と下側構造体24との間に配置されている。図4によれば、上側構造体22は、計量アレンジメント26と関連付けられた計量パーツ22aと、駆動アレンジメント28と関連付けられた駆動パーツ22bとを含み、移動可能な構造体22の計量パーツ22aが、第1のカップリング38aを介して、移動可能な構造体22の駆動パーツ22bに連結されている。移動可能な構造体22の計量パーツ22aは、ボールジョイント68を介して、計量アレンジメント26に連結されている。移動可能な構造体22の駆動パーツ22bは、ボールジョイント58を介して、駆動アレンジメント28に連結されている。
【0146】
同様に、固定された構造体24は、計量アレンジメント26と関連付けられた計量パーツ24aと、駆動アレンジメント28と関連付けられた駆動パーツ24bとを含み、固定された構造体24の計量パーツ24aが、第2のカップリング38bを介して、固定された構造体24の駆動パーツ24bに連結されている。固定された構造体24の計量パーツ24aは、計量アレンジメント26に連結されている。固定された構造体24の駆動パーツ24bは、駆動アレンジメント28に連結されている。
【0147】
6つの伸縮可能な脚部60のそれぞれは、上側チューブ64、および下側チューブ62を含み、下側チューブ62が上側チューブ64の中を入れ子式にスライドする状態になっている。この実施形態では、伸縮可能な脚部が駆動される必要が存在しないこと、したがって、任意のモータ関連するコンポーネントに対する必要性が存在しないことを除いて、伸縮可能な脚部60は、一般的に、特許文献14、および特許文献15に説明されているものと同様の構造のものになっている。しかし、伸縮可能な脚部60の概略的な構造は、一般的に同様になっている。
【0148】
図5から図8に図示されている例では、下側構造体24は固定されており、上側構造体22は、6つの伸縮可能な脚部60の動作によって、下側構造体24に対して移動可能になっており、測定プローブ30が上側構造体22の下側表面に装着された状態になっている。この構成では、ワークピース(図5から図8に図示されていない)は、下側構造体24の計量パーツ24aの上に装着されることになり、装置21の作業ボリュームが、上側構造体22および下側構造体24のそれぞれの計量パーツ22aおよび計量パーツ24aの間にあるようになっている。測定プローブ30は、ワークピース接触式の先端部を有するスタイラスを含み、測定プローブ30が、クイル32を介して、移動している構造体22の計量パーツ22aに接続された状態になっている。
【0149】
伸縮可能な脚部60は、移動可能な構造体22によって支持されている、コンポーネント(図示されている例では、コンポーネントは、測定プローブ30である)、または、装置の作業ボリュームの中のコンポーネントの特定のパーツの少なくとも一部(たとえば、測定プローブの先端部など)を位置決めする(すなわち、その位置を決定する)ためのものである。
【0150】
それぞれの伸縮可能な脚部60の上側端部、および下側端部は、個々のボールジョイント68を介して、上側構造体22(具体的には、上側構造体22の計量パーツ22a)、および下側構造体24(具体的には、下側構造体24の計量パーツ24a)にそれぞれ接続されている。それぞれの伸縮可能な脚部60の上側チューブ62および下側チューブ64は、細長い部材66に貼り付けられたエンコーダスケール10を用いて、細長い部材66(図5の伸縮可能な脚部のうちの1つの中に点線の外形で示されている)を囲んでいる。細長い部材66は、たとえば、入れ子式の構成体によって、それ自身が伸縮可能になっている。それぞれの細長い部材66は、その上側ジョイント68からその下側ジョイント68へ延伸しており、上側構造体22の計量パーツ22a(さらに、したがって、測定プローブ30)の精密な位置決め、および方向を決定するのは、細長い部材66のそれぞれの長さである。したがって、スタイラスの先端部がワークピース表面と接触しているときの精密な場所を決定すべく、ワークピースに対する、測定動作またはスキャニング動作の間に、精密に測定されなければならないのは、細長い部材66の長さである。
【0151】
この実施形態では、駆動アレンジメント28は、たとえば、特許文献13に説明されているような、いわゆる「トライグライド」構成体である。トライグライド構成体は、移動可能な構造体22と固定された構造体24との間で並列に接続されている、実質的に同じ設計の3つの機械的なリンケージ50によって提供される。それぞれの機械的なリンケージ50は、固定された長さの2つの実質的に平行なリジッドのロッド52およびリジッドのロッド54を含み、ロッド52およびロッド54は、移動可能な構造体22が作業ボリューム34の周りで移動するときに、移動可能な構造体22を実質的に一定の方向に維持するように作用する。また、それぞれの機械的なリンケージ50は、キャリッジ56を含み、ロッド52およびロッド54が、それらの下側端部において、ボールジョイント58を介して、キャリッジ56に枢動可能に連結され、それらの上側端部において、移動可能な構造体22の駆動パーツ22bに枢動可能に連結された状態になっている。
【0152】
3つのリニアトラック51は、固定された構造体24の駆動パーツ24bの上に実質的に垂直方向に(実質的に、平行に)配置されており、3つのキャリッジ56がそれぞれ3つのリニアトラック51に沿って(上下に)移動するように配置された状態になっている。3つのリニアトラック51は、座標位置決め装置21の固定された構造体の一部を効果的に形成しており、固定された構造体24(具体的には、固定された構造体24の駆動パーツ24b)の延長として考慮されることが可能である。それぞれのキャリッジ56は、リニア駆動機構によって、その対応するそれぞれのトラック51に沿って実質的に線形的に駆動され、リニア駆動機構の位置は、図3の中の参照数字29によって概略的に印されている。リニア駆動機構は、リニアモータを含んでよい。リニア駆動機構は、ステッパモータを含んでよい。
【0153】
したがって、それぞれの機械的なリンケージ50は、固定された構造体(リニアトラック)51と機械的なリンケージ50との間で作用する駆動機構によって作動される。より具体的には、駆動機構は、固定された構造体(リニアトラック)51と機械的なリンケージ50の端部(すなわち、キャリッジ56)との間で作用する。換言すれば、駆動機構は、機械的なリンケージを固定された構造体(「グランドに連結されている」)に直接的に効果的に連結し、それらの間に力を提供し、その力は、(リニア駆動機構のための)機械的なリンケージを、押すかもしくは引くように作用し、または、(ロータリ駆動機構のための)機械的なリンケージを回転させるように作用する。駆動機構と固定された構造体との間に追加的な移動可能なリンケージは存在しておらず、ここで、そのような追加的なリンケージは、駆動機構自身によって生成されない、機械的なリンケージの被駆動パーツの移動を引き起こすことが可能である。
【0154】
たとえば、図5から図8に(そして、より概略的には、図3および図4に)図示されている「トライグライド」駆動アレンジメントでは、それぞれのキャリッジ56は、そのキャリッジ56と関連付けられたモータ(図示せず)の作用によって、および、他のキャリッジ56と関連付けられた任意の他のモータの作用によってではなく、そのそれぞれのトラック51の上下に線形に駆動される。(図1に示されているような)典型的なヘキサポッド型駆動アレンジメントのケースでは、特定の伸縮可能な脚部の中のモータは、その長さに沿って線形に脚部を伸長または縮小させることだけができ、さらに使用時には、それぞれの脚部は、同様に横方向に移動している。脚部(そして、その関連するモータ)の横方向の移動は、他の脚部の中の他のモータの作用から結果として生じなければならず、それぞれのモータが、(それらのそれぞれのモータに沿って)他のストラットの重量を実際に移動させているようになっている。
【0155】
したがって、図3から図8に図示されているようなそのような駆動アレンジメントでは、移動するパーツは、比較的に軽量に維持されることが可能であり、この例では、細くて軽量のロッド52およびロッド54であり、(図1に示されているものなどのような6つの伸縮可能な脚部を有する、典型的なヘキサポッド型駆動アレンジメントではそうであるように)それぞれのモータが他のモータの重量の周りで移動している場合はそうではない。これは、高い加速度、および急速な方向の変化とともに、迅速に移動することができる軽量の駆動アレンジメントを可能にする。
【0156】
より概略的なフォーマットに戻ると、ここで、トライグライド実施形態の動作が、図9Aから図9Eを参照して説明される。図9Aから図9Eのそれぞれは、図3において使用されるものと同様の表現を使用しており、2つのキャリッジが、それぞれ56aおよび56bとラベル付けされており、2つのリニアトラックが、それぞれ51aおよび51bとしてラベル付けされている。
【0157】
図5から図8を参照して上記に説明されている、平行なロッド52および平行なロッド54によって提供される拘束に起因して、(トライグライド駆動アレンジメント28の動作による)移動可能な構造体22の運動は、3つの並進自由度に制限され、移動可能な構造体22が、それが作業ボリュームの周りで移動するときに、実質的に一定の方向を保つようになっている。3つの自由度での移動へのこの拘束は、図9Aの中の3DOFとラベル付けされた矢印によって示されている。
【0158】
他方では、並列配置での6つの対応する測定トランスデューサを含む、ヘキサポッド型計量アレンジメント26の6つの伸縮可能な脚部60では、6つの対応するそれぞれの測定値が提供され、それから、移動可能な構造体の位置が、図9Aの中の6DOFとラベル付けされた矢印によって示されているように、すべての6つの自由度で決定可能である。
【0159】
図9Bに図示されているように、それらのそれぞれのトラック51aおよびトラック51bに沿って、キャリッジ56aを低下させ、キャリッジ56bを上昇させることによって、機械的なリンケージ50のロッド52およびロッド54は、固定された長さのものであるので、移動可能な構造体22(そして、それに沿って、測定プローブ30)は、作業ボリューム34の中を、左向き、且つ下向きに移動され、実質的に同じ方向を維持する。これは、キャリッジ56aに最も近い伸縮可能な脚部60を短くし、キャリッジ56bに最も近い伸縮可能な脚部60を長くし、これらの長さの変化が、伸縮可能な脚部60の中の測定トランスデューサ(たとえば、エンコーダ)10によって測定される状態になっている。それらのトランスデューサ測定値から、作業ボリューム34の中の移動可能な構造体22の位置が決定されることが可能であり、また、測定プローブ30が移動可能な構造体22に対して、既知の固定された空間的関係にあるので、測定プローブ30(そして、プローブ先端部)の位置も決定されることが可能である。図9Cは、図9Bと同じであるが、明確化のために移動指示のない状態になっており、それによって、移動動作の後のコンポーネントの最終的な位置を示している。
【0160】
同様に、図9Dに図示されているように、それらのそれぞれのトラック51aおよびトラック51bに沿って、キャリッジ56aを上昇させ、キャリッジ56bを低下させることによって、移動可能な構造体22(そして、それに沿って、測定プローブ30)は、作業ボリューム34の中を右向きに移動されることが可能であり、繰り返しになるが、実質的に同じ方向を維持する。これは、キャリッジ56aに最も近い伸縮可能な脚部60を長くし、キャリッジ56bに最も近い伸縮可能な脚部60を短くし、これらの長さの変化が、伸縮可能な脚部60の中の測定トランスデューサ(たとえば、エンコーダ)10によって測定される状態になっている。それらのトランスデューサ測定値から、作業ボリューム34の中の移動可能な構造体22および測定プローブ30の、位置が決定されることが可能である。図9Eは、図9Dと同じであるが、明確化のために移動指示のない状態になっており、それによって、移動動作の後のコンポーネントの最終的な位置を示している。
【0161】
上記に説明されたトライグライド実施形態では、ヘキサポッド型計量アレンジメント26の伸縮可能な脚部60、および、駆動アレンジメント28のロッド50は、底部から上に延伸しており、したがって、本実施形態は、「ボトムアップ」配置として説明されることが可能である。図10は、代替的な「トップダウン」配置を示しており、それは、ヘキサポッド型計量アレンジメント26の伸縮可能な脚部60および駆動アレンジメント28のロッド50が、上部から下に延伸している(したがって、「トップダウン」配置)であることを除いて、概して「ボトムアップ」配置と同じである。これを可能にするために、フレーム25aは、ヘキサポッド型計量アレンジメント26を支持するために設けられており、それが上部から効果的に「吊り下がる」ことが可能であるようになっている。フレーム25aは、固定された構造体24(このケースでは、固定された構造体24のヘキサポッドパーツ24a)に対する、エクステンションとして、座標位置決め装置21の固定された構造体の一部を効果的に形成している。前の実施形態と同様に、カップリングアレンジメント38aおよびカップリングアレンジメント38bは、駆動アレンジメント28から計量アレンジメント26を隔離するために設けられている。
【0162】
さらに別の「トップダウン」配置が、図11に概略的に図示されている。これは、ヘキサポッド型計量アレンジメント26が、上部の周りに延伸しているフレーム25から支持されており、トライグライド駆動アレンジメント28の内側に設けられているという点において、図10の実施形態とは異なっている。フレーム25は、垂直方向のリニアトラック51を伴う固定された構造体24に対する、エクステンションとして、座標位置決め装置21の固定された構造体の一部を効果的に形成しており、垂直方向のリニアトラック51もまた、フレーム25の一部になる。そのうえ、図11の実施形態では、駆動アレンジメント28から計量アレンジメント26を隔離するための任意のカップリングアレンジメント38を設けられていない。
【0163】
図13から図15との比較のために、図12は、実用的なトライグライド実施形態を示すために設けられており、それは、図5から図8を参照して上記に説明されているものと密接に対応しており、閉じたフレームを有する点で主に異なっており、過剰なリジッド性、および安定性が、フレームの上部プレートによって、垂直方向のトラック51に提供された状態になっている。前の実施形態と同様に、図12の計量アレンジメントは、上部(すなわち、移動可能な構造体において)、および底部(すなわち、固定された構造体において)の両方において、少なくともある程度、駆動アレンジメントから切り離されている。
【0164】
図13は、図11に概略的に図示されている「トップダウン」配置の実用的な実施形態を示しているが、移動可能な構造体において、駆動および計量をある程度切り離すことによって、図11の実施形態とは異なっている。図14は、図13の変形例であり、移動可能な構造体および固定された構造体の両方において、駆動および計量の切り離しを提供している。図15は、さらなる変形例であり、駆動フレームの中に配置された別個の計量フレームを有しており、移動可能な構造体および固定された構造体の両方において、計量フレームから駆動フレームを切り離すことを伴っている。
【0165】
本発明は、駆動アレンジメント28がトライグライドの形態になっている実施形態に限定されないことが理解される。図16Aは、ヘキサポッド型計量アレンジメント26が非ヘキサポッド型駆動アレンジメント28の異なるタイプと連結されている実施形態を概略的に図示している。固定された長さのロッド52(その一方の端部は、トライグライド実施形態と同様に、キャリッジ56によってトラック51に沿って線形に駆動される)というよりもむしろ、図16Aの実施形態では、固定された長さに延伸しているロッドは、その代わりに、ガイド76の中に設けられた適切なリニア駆動機構によって、枢動ガイド76を通して駆動され、それによって、図16Aの中の矢印によって示されている分離を変化させ、それによって、構造体22を移動させる。
【0166】
図16Aおよび図16Bでは、図11と同様に、計量アレンジメント26、および駆動アレンジメント28は、フレーム25からトップダウン式で支持されており、フレーム25が、座標位置決め装置21の固定された構造体の一部を形成した状態になっている。図16Aに図示されているような位置から、両方のロッドがそれらのそれぞれのガイド76を通して下向きに駆動されるときには、構造体22は、図16Bに図示されているような位置へ移動されることが可能である。前の通り、構造体22の位置は、ヘキサポッド型計量アレンジメント26によって測定される。
【0167】
トライグライド構成体と同様に、図16Aの実施形態の中の駆動アレンジメント28のそれぞれの機械的なリンケージは、固定された構造体と機械的なリンケージとの間に作用する、駆動機構によって作動され、したがって、この実施形態は、速度および加速度の観点から、同じ利点を共有することが認識される。
【0168】
図17は、図16Aの概略的に図示された配置の実用的な実施形態を図示している。図17の実施形態は、本出願人Renishaw plcによって商標EQUATORの下で販売されている非デカルトタイプの座標測定機に密接に基づいている。ヘキサポッド型計量アレンジメント26は、概して図5のものと同様であり、上側チューブ64および下側チューブ62をそれぞれ有する、6つの伸縮可能な脚部を含み、下側チューブ62が上側チューブ64の中を入れ子式にスライドする状態になっている。この実施形態では、伸縮可能な脚部は、フレーム25から計量プラットフォーム22a(移動可能な構造体22の一部)へトップダウン配置で支持されている。枢動ガイド76は、フレーム25の構造体によって図17では隠されている。3つの固定された長さの駆動ロッド72が、3つの枢動駆動ガイド76をそれぞれ通過しており、それらの下側端部において駆動プレート22b(移動可能な構造体22の一部)に連結されている。この実施形態では、移動可能な構造体22の2つのパーツ22aおよびパーツ22bは、リジッドのカラム23によって空間的に分離されている。3セットの平行なロッドの対72および74が、図5のロッド52およびロッド54と同様に、3つの自由度で運動を拘束するように配置されている。
【0169】
より概略的な表現に戻ると、図18Aおよび図18Bは、図16Aおよび図16Bの装置の変形例を示しており、そこでは、計量アレンジメント26が駆動アレンジメント28からさらに隔離されている。これは、図10を参照して上記に説明されているトライグライド実施形態と同様であり、したがって、さらなる説明は必要ない。図19は、図16Aの配置に対する代替例を示しており、トップダウン配置の代わりにボトムアップヘキサポッド型計量アレンジメント26を有している。
【0170】
図20は、図16Aおよび図16Bの実施形態の変形例を概略的に図示しており、そこでは、固定された長さの計量ストラットが、その実施形態の駆動アレンジメント28の固定された長さのストラットと同様に、ヘキサポッド型計量アレンジメント26の中に使用されている。図20に図示されているような6つの固定された長さに延伸しているストラットは、前の実施形態の6つの伸縮可能なストラットと機能的に同等であると考えられ、ストラットの可変の長さのパーツが、図20の中の矢印によって示されている状態になっており、そのパーツは、前の実施形態の伸縮可能なストラットと同等になっている。したがって、「伸縮可能な脚部」、および「延伸している脚部」という用語は、同等であるとして本明細書で理解されるべきであり、2つのポイントの間の任意のタイプの、機械的な配置またはリンケージを意味しており、それは、それらのポイントの間の分離が変化することを可能にする。駆動アレンジメント28は、依然として非ヘキサポッド型駆動アレンジメントである。その理由は、それが、図17により詳細に示されているように、3つの延伸しているストラットだけを有するからである。図21は、図20の実施形態の変形例を概略的に図示しており、そこでは、固定されたサポート(枢動プレート)25aが、計量ストラットのために使用されており、それは、駆動ストラットのために使用されている固定されたサポート(枢動プレート)25bから空間的にオフセットされている。
【0171】
2つの異なるタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメント(トライグライドリニア駆動アレンジメント(たとえば、図5)、および枢動リニア駆動アレンジメント(たとえば、図17))が用いられた実施形態が上記に説明されてきた。駆動アレンジメントに関する多くの他の可能性が存在しており、これらのうちの単にいくつかだけが、ここで簡潔に説明され、他のものは、当業者に明らかとなるであろう。
【0172】
図22は、デルタロボットタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示している。デルタロボットは、パラレルロボットのタイプであり、例が、特許文献16に詳細に説明されている。図23は、図22の実施形態の変形例を概略的に図示しており、計量アレンジメントと駆動アレンジメントとの間の増加した量の切り離しを有している。図24は、図22の実施形態の変形例を概略的に図示しており、計量アレンジメントと駆動アレンジメントとの間の減少した量の切り離しを有している。トライグライド構成体と同様に、デルタロボット構成体では、それぞれの機械的なリンケージは、固定された構造体と機械的なリンケージとの間に作用する駆動機構によって作動され、したがって、これらのデルタロボット実施形態は、速度および加速度の観点から、同じ利点を共有することが認識される(デルタロボット構成体では、駆動機構は、ロータリ駆動機構であり、一方、トライグライド構成体では、駆動機構は、リニア駆動機構である)。そのうえ、適当な拘束(たとえば、特許文献16に説明されているものなど)によって、デルタロボット駆動アレンジメント28は、3つの自由度で(すなわち、ヘキサポッド型計量アレンジメント26によって測定されているものよりも少ない自由度で)構造体22に移動を提供するように適合されることが可能である。
【0173】
ロータリ駆動機構の位置は、図22の中の参照数字27によって示されており、一方、リニア駆動機構の位置は、図3の中の参照数字29によって示されている。それぞれのケースにおいて、駆動機構は、固定された構造体と駆動アレンジメントとの間で直接的に作用する。図3のケースでは、駆動機構は、キャリッジ56(それは、たとえば、図5に示されているような機械的なリンケージ50の一部として、駆動アレンジメントの一部を形成している)を駆動するように作用し、一方、図22のケースでは、駆動機構は、移動可能な構造体と固定された構造体との間に取り付けられている、機械的なリンケージの上側パーツを駆動させる(回転させる)ように作用する。
【0174】
本出願の実施形態の中での使用に適切な非ヘキサポッド型駆動アレンジメントの別の例は、ケーブル駆動式のロボット構成体である(そうでなければ、ケーブル懸架式のロボットとして、または、単にケーブルロボットとして、または、ワイヤ駆動式のロボットとして知られている)。これは、並列のマニピュレータのタイプ(並列のキネマティック構成体)であり、そこでは、複数の可撓性のケーブルがアクチュエータとして使用されている。それぞれのケーブルの一方の端部は、対応するそれぞれのモータによって回転されるロータに巻き付けられており、他方の端部は、エンドエフェクタに接続されている。ケーブルロボットの例は、特許文献17に開示されている。ケーブルは、典型的に、シリアルロボットまたはパラレルロボットの、リジッドのリンケージよりもはるかに軽いので、ケーブルロボットのエンドエフェクタは、高い、加速度および速度を実現することが可能である。ヘキサポッド型計量アレンジメントを用いて実現可能な高い、測定レートおよび動的な帯域幅、ならびに、高い精度に起因して、ヘキサポッド型計量アレンジメントとケーブル駆動アレンジメントとの組み合わせは、とりわけ有利である。
【0175】
他のタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントも想定される。たとえば、図25は、(並列のキネマティックとは対照的に)直列のキネマティックタイプの非ヘキサポッド型駆動アレンジメントを有する実施形態を概略的に図示しており、回転ジョイントによって直列に接続されている、複数のセグメントまたはリンクを有しており、駆動アレンジメントの一方の端部が、グランドに取り付けられており、他方の端部が、計量アレンジメントに取り付けられている。図4に図示されている実施形態と同様に、図25に図示されている駆動アレンジメントは、駆動関連の歪みが計量アレンジメントに伝達されることを防止することを助けるカップリングを介して、計量アレンジメントに取り付けられている。図26は、非ヘキサポッド型駆動アレンジメントの直列のキネマティックタイプを有する別の実施形態を概略的に図示しており、(図26の中に印されているような)直交する軸線x、y、およびzに沿ってそれぞれ移動可能な直列に接続されている、3つのパーツを有している。したがって、図26の実施形態は、デカルトタイプの直列の駆動アレンジメントを有しており、一方、図25の実施形態は、非デカルトタイプの直列の駆動アレンジメントを有している。これらのタイプの駆動アレンジメントは、よく知られており、それらのさらなる説明は、ここでは必要とされない。
【0176】
図9Aを参照して上記に詳細に説明されているように、駆動アレンジメント28は、3つの並進自由度を移動可能な構造体22に提供し、一方、ヘキサポッド型計量アレンジメント26は、6つの自由度で測定するように適合される。本発明の1つの態様によれば、装置の作業ボリュームの中で移動可能な構造体と、6つの自由度よりも少ない自由度で作業ボリュームの周りで構造体を移動させるための駆動アレンジメントと、駆動アレンジメントよりも多い自由度で作業ボリュームの中の構造体の位置を測定するための計量アレンジメントとを含む、座標位置決め装置が提案される。これは、図27に概略的に図示されている。駆動アレンジメント、および計量アレンジメントのうちの一方、または両方は、並列のキネマティック構成体、たとえば、ヘキサポッド型アレンジメント、トライグライド構成体、またはデルタロボット構成体などであることが可能である。詳細には、この態様では、計量アレンジメントがヘキサポッド型計量アレンジメントである必要はないことが留意されるべきである。
【0177】
移動よりも多い自由度で測定(詳細には、直接的な測定)を提供することは通常ではない。典型的に、N駆動パーツ(ロータリまたはリニア)が存在することになり、それぞれの駆動パーツが、別個にエンコードされ、N個の対応する測定値を与える。たとえば、3軸CMMに関して、位置エンコーダをそれぞれ含む3つの駆動される、リニア軸線が存在しており、したがって、3つの対応する測定値が存在している(すなわち、3つの自由度で両方を駆動、および測定する)。ヘキサポッドに関して、位置エンコーダをそれぞれ含む6つの可変の長さのストラット、および、6つの対応する測定値が存在している(すなわち、6つの自由度で両方を駆動、および測定する)。
【0178】
しかし、本出願人は、比較的に不正確であり、限られた数の自由度(たとえば、3つ)で移動するように拘束された、駆動体を提供することができるという、望ましさおよび利点を認識し、その駆動体は、別個の計量アレンジメントによって連結されており、計量アレンジメントは、非常に正確であり、すべての6つの自由度で測定することができ、したがって、機械的に拘束された駆動アレンジメントの中の任意の不正確さを補償することが可能である。たとえば、移動しているプラットフォームが回転なしに作業ボリュームの中を並進するように拘束されている場合、構造体の中の、歪みまたは他のタイプの不正確さによって引き起こされる、プラットフォームのいくらかの意図しない回転が存在する可能性があり、その不正確さの少なくともいくらかは、高速運動と関連付けられた動的な効果によって引き起こされることができる。そのような回転は、駆動することよりも多い自由度で測定することによって検出される。図28に概略的に図示されているようなデュアルヘキサポッド型アレンジメントに図27のスキームを適用することも可能であり、そこでは、駆動ヘキサポッドは、適当な機械的な拘束によって6つの自由度よりも少ない自由度での移動に拘束されている。
【0179】
当業者には明らかになるように、多くの他の形態の非ヘキサポッド型駆動アレンジメント、または、6つの自由度よりも少ない自由度に拘束された駆動アレンジメントが存在している。たとえば、示されているトライグライド構成体の多くの可能な変形例が存在している。1つの変形例は、3つよりも多い、駆動および関連する機械的なリンケージを有する、構成体を提供することである。そして、図3に図示されているような垂直方向のトラック51の代わりに、トラックは、代わりに、あるポイントから水平方向に、たとえば、半径方向外向きに配置されてよく、構造体22の移動が、また、水平方向のトラックに沿ったキャリッジ56の移動によって影響を受けるようになっている。多くの他のそのような可能性が存在している。
【0180】
本発明の実施形態は、主に接触プローブの使用に関連して説明されてきており、接触プローブでは、接触プローブのスタイラスが、測定を行うためにワークピース表面と物理的な接触を行うが、本発明は、接触プローブに限定されないことが認識されることになる。同じ概念が、光学プローブなどのような非接触プローブに等しく適用可能であり、非接触プローブでは、物理的な接触を行うことなく、表面が感知される。本発明は、一般的に、接触、または非接触によるかに関わらず、表面を感知するように適合された任意の表面感知デバイスに適用可能である。また、本発明は、たとえば、物品の製造の間に物品のコンポーネントパーツを方向させるために、表面感知デバイス以外のコンポーネントの位置決めにも適用されることが可能である。または、コンポーネントは、ツールまたはそのパーツであり得、たとえば、金属または他の剛体材料を成形または機械加工するための、工作機械の中に典型的に見出されるツールなどであり得る。コンポーネントは、移動可能な構造体自身であり得る。コンポーネントは、ワークピースの表面を撮像するためのカメラを含んでよい。コンポーネントは、ワークピースの表面において、またはその近くにおいて、渦電流を検出、および/または測定するための渦電流プローブを含んでよい。多くの他の可能性が、当業者に明らかになることになる。
【0181】
本発明の実施形態では、ヘキサポッド型計量アレンジメント26は、純粋にキャリブレーション目的のために提供されておらず、組み合わせられた、駆動アレンジメントおよび計量アレンジメントのキャリブレーションを実施するために、移動可能な構造体に一時的に連結され、次いで、装置の動作使用のために除去されることが留意されるべきである。むしろ、ヘキサポッド型計量アレンジメントは、移動可能な構造体に連結されたままになっており、動作使用の間の移動可能な構造体に関する位置測定値を提供することが意図されている。本発明の実施形態では、キャリブレーションのみの計量アレンジメントとは対照的に、移動可能な構造体は、計量アレンジメントおよび駆動アレンジメントもまた、移動可能な構造体に連結された状態で、動作ツールを携行するように適合される。ヘキサポッド型計量アレンジメントは、動作ツールを移動可能な構造体に取り付けるために使用されるものとは異なる取り付けを介して、移動可能な構造体に連結されることができる。ヘキサポッド型計量アレンジメントは、(たとえば、主に動作ツールを意図した取り付けを介してというよりもむしろ)移動可能な構造体に直接的に連結されることができる。
【0182】
座標位置決め装置を制御する方法が、図29のフローチャートによって図示されている。ステップS1において、計量アレンジメント26が、移動可能な構造体(または、プラットフォーム)22に連結される。ステップS2において、駆動アレンジメント28が、移動可能な構造体(または、プラットフォーム)22に連結される。ステップS3において、ツール(たとえば、測定プローブ30またはカッティングツール)が、移動可能な構造体(または、プラットフォーム)22に連結される。したがって、この時点において、すべて3つが、移動可能な構造体(または、プラットフォーム)22に連結されている。ステップS4において、駆動アレンジメント28は、作業ボリューム34の周りでツールを移動させるために使用される(計量アレンジメント26もまた、依然として移動可能な構造体に連結された状態になっている)。ステップS5において、たとえば、測定プローブ30を用いてワークピース表面の上でタッチトリガ動作を実施すること、ならびに、カッティングツールまたは機械加工ツールを用いてワークピース表面の上で機械加工動作を実施することなどの動作が、ツールを用いて実施される。ステップS6において、計量アレンジメント26は、(たとえば、測定プローブ30またはカッティングツールの、先端部の位置が決定されることを可能にするために)動作が起こるときに、作業ボリューム34の中のツールの位置を決定するために使用される。ステップS7において、決定された位置が、実施された動作と関連付けられる(たとえば、タッチトリガイベントがそのイベントのための位置測定と関連付けられることが可能であるようになっている)。
【0183】
座標測定機21の動作は、装置21の上で動作するプログラムによって、そして、詳細には、図3に概略的に図示されているコントローラCなどのような座標測定機コントローラの上で動作する、プログラムによって制御されることが可能であることが認識される。伸縮可能な脚部の制御は、コントローラCの上で動作するプログラムによって提供されることが可能であることが認識されことになる。そのような動作プログラムは、コンピュータ可読媒体の上に記憶されることが可能であり、または、たとえば、インターネットウェブサイトから提供されるダウンロード可能なデータ信号などのような信号の中に具現化され得る。添付の特許請求の範囲は、それ自身によって動作プログラムをカバーするものとして、または、キャリアの上の記録として、または、信号として、または、任意の他の形態にて理解される。
【0184】
上記の実施形態は、主に座標測定機の文脈において説明されてきたが、本概念は、より一般的に、任意のタイプの座標位置決め装置、たとえば、コンパレータ、スキャニング装置、工作機械、位置決めデバイス(たとえば、光学的なコンポーネントのためのもの)、プロトタイプ製造装置、および、さまざまな他の使用などに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29