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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024093465
(43)【公開日】2024-07-09
(54)【発明の名称】負荷駆動装置、電子機器、及び車両
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/00 20070101AFI20240702BHJP
   H03K 17/00 20060101ALI20240702BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20240702BHJP
【FI】
H02M1/00 C
H03K17/00 B
H03K17/687 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209857
(22)【出願日】2022-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大和 哲郎
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740AA10
5H740BA12
5H740BB02
5H740BB07
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH05
5H740KK01
5H740MM11
5J055AX36
5J055BX16
5J055CX23
5J055DX13
5J055DX22
5J055DX61
5J055EY01
5J055EY21
5J055EZ10
5J055EZ39
5J055FX04
5J055FX08
5J055FX32
5J055GX01
5J055GX02
(57)【要約】
【課題】負荷オープンと地絡を判別することができる負荷駆動装置を提供する。
【解決手段】負荷駆動装置(1)は、負荷(LD1)と、前記負荷に並列接続されるように構成された抵抗(R1)と、スイッチ装置(10)と、を備える。前記スイッチ装置は、前記負荷及び前記抵抗が接続されるように構成された出力端子(T1)と、グランド電位に接続されるように構成された接地端子(T2)と、前記出力端子と前記接地端子との間に接続されるように構成された第1スイッチ素子(M1)と、前記第1スイッチ素子を流れる出力電流と、第1閾値、前記第1閾値より大きい第2閾値それぞれとの大小関係に基づいて、前記出力端子の負荷オープンと前記出力端子の地絡とを判別するように構成された異常検出回路(13)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷と、
前記負荷に並列接続されるように構成された抵抗と、
スイッチ装置と、
を備える負荷駆動装置であって、
前記スイッチ装置は、
前記負荷及び前記抵抗が接続されるように構成された出力端子と、
グランド電位に接続されるように構成された接地端子と、
前記出力端子と前記接地端子との間に接続されるように構成された第1スイッチ素子と、
前記第1スイッチ素子を流れる出力電流と、第1閾値、前記第1閾値より大きい第2閾値それぞれとの大小関係に基づいて、前記出力端子の負荷オープンと前記出力端子の地絡とを判別するように構成された異常検出回路と、
を備える、負荷駆動装置。
【請求項2】
前記異常検出回路は、
前記出力端子に接続されるように構成された第2スイッチ素子と、
前記第2スイッチ素子と前記接地端子との間に接続されるように構成されたセンス抵抗と、を含む、請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項3】
前記異常検出回路は、
前記第2スイッチ素子と前記センス抵抗との接続ノードに発生する検出電圧と前記第1閾値に対応する第1基準電圧とを比較するように構成された第1コンパレータと、
前記検出電圧と前記第2閾値に対応する第2基準電圧とを比較するように構成された第2コンパレータと、を含む、請求項2に記載の負荷駆動装置。
【請求項4】
前記異常検出回路は、
前記第2スイッチ素子と前記センス抵抗との接続ノードに発生する検出電圧と基準電圧とを比較するように構成されたコンパレータを含み、
前記基準電圧は、前記第1閾値に対応する第1基準電圧と前記第2閾値に対応する第2基準電圧とに時分割で切り替わる、請求項2に記載の負荷駆動装置。
【請求項5】
前記スイッチ装置は、制御端子を備え、前記制御端子に印加される電圧に基づき、前記異常検出回路の動作、非動作を切り替えるように構成されている、請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項6】
前記スイッチ装置は、前記異常検出回路の検出結果を前記スイッチ装置の外部に出力するための外部出力端子を備える、請求項1に記載の負荷駆動装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の負荷駆動装置を備える、電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器を備える、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、負荷駆動装置、電子機器、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載IPD[intelligent power device]に対して、ISO26262規格等で制定されている機能安全が求められている。したがって、車載IPDに関して、より高い信頼性設計が重要となっている。特に重要であるのが、車載IPDの出力端子に関する異常検出である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-72740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、負荷オープンと天絡とを判別することができるスイッチ装置が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているスイッチ装置は、負荷オープンと地絡とを判別することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書中に開示されている負荷駆動装置は、負荷と、前記負荷に並列接続されるように構成された抵抗と、スイッチ装置と、を備える負荷駆動装置であって、前記スイッチ装置は、前記負荷及び前記抵抗が接続されるように構成された出力端子と、グランド電位に接続されるように構成された接地端子と、前記出力端子と前記接地端子との間に接続されるように構成された第1スイッチ素子と、前記第1スイッチ素子を流れる出力電流と、第1閾値、前記第1閾値より大きい第2閾値それぞれとの大小関係に基づいて、前記出力端子の負荷オープンと前記出力端子の地絡とを判別するように構成された異常検出回路と、を備える。
【0006】
本明細書中に開示されている電子機器は、上記構成の負荷駆動装置を備える。
【0007】
本明細書中に開示されている車両は、上記構成の電子機器を備える。
【発明の効果】
【0008】
本明細書中に開示されている発明によれば、負荷オープンと地絡を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、負荷駆動装置の構成例を示す図である。
図2図2は、通常時における負荷駆動装置を示す図である。
図3図3は、負荷オープン時における負荷駆動装置を示す図である。
図4図4は、地絡時における負荷駆動装置を示す図である。
図5図5は、負荷駆動装置の第1変形例を示す図である。
図6図6は、負荷駆動装置の第2変形例を示す図である。
図7図7は、負荷駆動装置の第3変形例を示す図である。
図8図8は、負荷駆動装置の第4変形例を示す図である。
図9図9は、車両の一構成例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、MOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタとは、ゲートの構造が、「導電体または抵抗値が小さいポリシリコン等の半導体からなる層」、「絶縁層」、及び「P型、N型、又は真性の半導体層」の少なくとも3層からなるトランジスタをいう。つまり、MOS電界効果トランジスタのゲートの構造は、金属、酸化物、及び半導体の3層構造に限定されない。
【0011】
本明細書において基準電圧とは、理想的な状態において一定である電圧を意味しており、実際には温度変化等により僅かに変動し得る電圧である。
【0012】
<電子機器>
図1は、負荷駆動装置の構成例を示す図である。本構成例の負荷駆動装置1は、半導体集積回路装置10と、負荷LD1と、抵抗R1と、を備える。
【0013】
半導体集積回路装置10は、負荷LD1よりも低電位側に設けられるスイッチ装置(いわゆるローサイドスイッチLSI)である。
【0014】
半導体集積回路装置10は、出力端子T1と、接地端子T2と、スタンバイ端子T3と、入力端子T4と、外部出力端子T5及びT6と、電源端子T7と、を備える。
【0015】
出力端子T1は、負荷LD1の第1端及び抵抗R1の第1端に接続される。負荷LD1の第2端及び抵抗R1の第2端には、電源電圧VBBが供給される。つまり、抵抗R1は、負荷LD1に対して並列接続されるプルアップ抵抗である。抵抗R1の抵抗値は、負荷LD1の抵抗値よりも大きい。接地端子T2は、グランド電位に接続される。スタンバイ端子T3と、入力端子T4と、外部出力端子T5及びT6と、電源端子T7とは、ECU[electronic control unit]2に接続される。スタンバイ端子T3は、ECU2から供給されるスタンバイ信号S1を受け取る。入力端子T4は、ECU2から供給される入力信号S2を受け取る。外部出力端子T5は、異常検出信号S3をECU2に供給する。外部出力端子T6は、異常検出信号S4をECU2に供給する。電源端子T7には、電源電圧VCCが供給される。
【0016】
半導体集積回路装置10は、制御回路11と、内部電源部12と、異常検出回路13と、スイッチ素子M1と、をさらに備える。
【0017】
制御回路11は、スタンバイ信号S1がHIGHレベルであるときに、半導体集積回路装置10をアクティブ状態にする。また、制御回路11は、スタンバイ信号S1がLOWレベルであるときに、半導体集積回路装置10をスタンバイ状態(非アクティブ状態)にする。したがって、異常検出回路13は、スタンバイ信号S1がHIGHレベルであるときアクティブ状態(動作状態)になり、スタンバイ信号S1がLOWレベルであるときスタンバイ状態(非動作状態)になる。
【0018】
制御回路11は、スタンバイ信号S1がHIGHレベルであって入力信号S2がHIGHレベルであるときに、ゲート駆動信号GATEをHIGHレベルにして、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタであるスイッチ素子M1をオンにする。また、制御回路11は、スタンバイ信号S1がHIGHレベルであって入力信号S2がLOWレベルであるとき、又は、スタンバイ信号S1がLOWレベルであるときに、ゲート駆動信号GATEをLOWレベルにして、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタであるスイッチ素子M1をオフにする。ゲート駆動信号GATEは、スイッチ素子M1のゲートに供給される。スイッチ素子M1のドレインは、出力端子T1に接続される。スイッチ素子M1のソースは、接地端子T2に接続される。
【0019】
内部電源部12は、電源電圧VBBから所定の内部電源電圧Vregを生成して半導体集積回路装置10の各部に供給する。
【0020】
異常検出回路13は、スイッチ素子M1を流れる出力電流と、第1閾値、第1閾値より大きい第2閾値それぞれとの大小関係に基づいて、出力端子T1の負荷オープンと出力端子T1の地絡とを判別する。
【0021】
本構成例の異常検出回路13は、スイッチ素子M2と、抵抗R2と、コンパレータCOM1及びCOM2と、基準電圧源REF1及びREF2と、を備える。
【0022】
Nチャネル型MOS電界効果トランジスタであるスイッチ素子M2のドレインは、スイッチ素子M1のドレイン及び出力端子T1に接続される。スイッチ素子M2のゲートには、ゲート駆動信号GATEが供給される。スイッチ素子M2のソースは、センス抵抗である抵抗R2の第1端に接続される。抵抗R2の第2端は、スイッチ素子M1のソース及び接地端子T2に接続される。
【0023】
スイッチ素子M2は、スイッチ素子M1を流れる出力電流Ioに応じたセンス電流Isを生成する。スイッチ素子M1とスイッチ素子M2とのサイズ比は、m:1(ただしm>1)である。したがって、センス電流Isは、出力電流Ioを1/mに減じた大きさとなる。
【0024】
抵抗R2は、センス電流Isに応じた検出電圧Vdetをスイッチ素子M2と抵抗R2との接続ノードに発生させる電流/電圧変換素子である。検出電圧Vdetは、コンパレータCOM1及びCOM2の各非反転入力端子に供給される。
【0025】
基準電圧源REF1は、第1閾値に対応する基準電圧V1をコンパレータCOM1の反転入力端子に供給する。基準電圧源REF2は、第2閾値に対応する基準電圧V2をコンパレータCOM2の反転入力端子に供給する。基準電圧V2の値は、基準電圧V1の値より大きい。
【0026】
コンパレータCOM1は、検出電圧Vdetと基準電圧V1との比較結果である異常検出信号S3を外部出力端子T5に供給する。コンパレータCOM2は、検出電圧Vdetと基準電圧V2との比較結果である異常検出信号S4を外部出力端子T6に供給する。異常検出回路13の検出結果である異常検出信号S3及びS4は、外部出力端子T5及びT6によってECU2に供給される。
【0027】
図2は、通常時(正常時)における負荷駆動装置1を示す図である。通常時では、負荷LD1が出力端子T1に接続されているため、スイッチ素子M1がオンであるときに大きな出力電流Ioが流れる。その結果、通常時では、検出電圧Vdetが基準電圧V1、基準電圧V2それぞれより大きくなり、異常検出信号S3及びS4はともにHIGHレベルになる。
【0028】
図3は、負荷オープン時における負荷駆動装置1を示す図である。負荷オープン時では、負荷LD1が出力端子T1に接続されていないが抵抗値が大きい抵抗R1は出力端子T1に接続されているため、スイッチ素子M1がオンであるときに小さな出力電流Ioが流れる。その結果、負荷オープン時では、検出電圧Vdetが基準電圧V1より大きくなり、基準電圧V2より小さくなり、異常検出信号S3はHIGHレベルになり、異常検出信号S4はLOWレベルになる。
【0029】
図4は、地絡時における負荷駆動装置1を示す図である。地絡時では、出力端子T1がグランド電位に接続されているため、スイッチ素子M1がオンであっても出力電流Ioは零になる。その結果、地絡時では、検出電圧Vdetが基準電圧V1、基準電圧V2それぞれより小さくなり、異常検出信号S3及びS4はともにLOWレベルになる。
【0030】
以上のように、負荷駆動装置1は、負荷オープンと地絡を判別することができる。これにより、例えば負荷駆動装置1が車両に搭載される場合に、負荷駆動装置1は機能安全の要求に応えることができ、信頼性を向上させることができる。
【0031】
<変形例>
図5は、負荷駆動装置の第1変形例を示す図である。図5に示す第1変形例の負荷駆動装置1は、異常検出回路13が信号生成回路14を含み、半導体集積回路装置10が外部出力端子T5及びT6の代わりに外部出力端子T8を備える点で、図1に示す負荷駆動装置1と異なり、それ以外の点で基本的に図1に示す負荷駆動装置1と同様である。
【0032】
信号生成回路14は、異常検出信号S3及びS4に基づいて、異常検出信号S5を生成する。異常検出信号S5は、例えば、異常検出信号S3及びS4がともにHIGHレベルであるときにHIGHレベルの信号になり、異常検出信号S3がHIGHレベルであって異常検出信号S4がLOWレベルであるときにLOWレベルの信号になり、異常検出信号S3及びS4がともにHIGHレベルであるときにPWM[Pulse Width Modulation]信号になる。異常検出回路13の検出結果である異常検出信号S5は、外部出力端子T8によってECU2に供給される。図5に示す第1変形例の負荷駆動装置1は、図1に示す負荷駆動装置1と比較して、半導体集積回路装置10の端子数を削減することができる。
【0033】
図6は、負荷駆動装置の第2変形例を示す図である。図6に示す第2変形例の負荷駆動装置1は、半導体集積回路装置10が内部電源部12を備えずスタンバイ端子T3の代わりにイネーブル端子T9を備える点で、図1に示す負荷駆動装置1と異なり、それ以外の点で基本的に図1に示す負荷駆動装置1と同様である。
【0034】
入力信号S2がHIGHレベルであるときに、本実施例の制御回路11は、入力信号S2を半導体集積回路装置10の各部に供給する。したがって、入力信号S2がHIGHレベルであるときに、半導体集積回路装置10はアクティブ状態(動作状態)になる。入力信号S2は、半導体集積回路装置10の各部において内部電源電圧として用いられる。一方、入力信号S2がLOWレベルであるときに、半導体集積回路装置10はスタンバイ状態(非アクティブ状態)になる。
【0035】
イネーブル端子T9は、ECU2から供給されるイネーブル信号S6を受け取る。制御回路11は、イネーブル信号S6がHIGHレベルであるとき、異常検出回路13をイネーブル状態(動作状態)にし、イネーブル信号S6がLOWレベルであるとき異常検出回路13をディセーブル状態(非動作状態)にする。なお、イネーブル端子T9が半導体集積回路装置10から取り除かれ、半導体集積回路装置10がアクティブ状態(動作状態)であるときには異常検出回路13も常にアクティブ状態(動作状態)であるようにしてもよい。
【0036】
図7は、負荷駆動装置の第3変形例を示す図である。図7に示す第3変形例の負荷駆動装置1は、異常検出回路13がコンパレータCOM1及びCOM2の代わりにコンパレータCOM3及びスイッチSW1を備える点で、図1に示す負荷駆動装置1と異なり、それ以外の点で基本的に図1に示す負荷駆動装置1と同様である。
【0037】
コンパレータCOM3の非反転入力端子には、検出電圧Vdetが供給される。スイッチSW1は、基準電圧V1と基準電圧V2を時分割で切り替えてコンパレータCOM3の非反転入力端子に供給される。したがって、コンパレータCOM3の非反転入力端子に供給される基準電圧は、基準電圧V1と基準電圧V2とに時分割で切り替わる。スイッチSW1は、例えば基準電圧V1と基準電圧V2を固定周期で切り替える。
【0038】
コンパレータCOM3は、検出電圧Vdetと基準電圧V1又は基準電圧V2との比較結果である異常検出信号S7を外部出力端子T10に供給する。異常検出回路13の検出結果である異常検出信号S7は、外部出力端子T10によってECU2に供給される。ECU2は、異常検出信号S7のHIGHレベル区間の長さ及び異常検出信号S7のLOWレベル区間の長さに基づき、負荷駆動装置1が通常状態、負荷オープン状態、地絡状態のいずれであるかを判断することができる。
【0039】
図7に示す第3変形例の負荷駆動装置1は、図1に示す負荷駆動装置1と比較して、半導体集積回路装置10の端子数を削減することができる。
【0040】
図8は、負荷駆動装置の第4変形例を示す図である。図8に示す第4変形例の負荷駆動装置1は、半導体集積回路装置10が抵抗R1及び電源端子T11を備える点で、図1に示す負荷駆動装置1と異なり、それ以外の点で基本的に図1に示す負荷駆動装置1と同様である。
【0041】
電源端子T11には、電源電圧VCCが供給される。抵抗R1の第1端は、電源端子T11に接続される。抵抗R1の第2端は、出力端子T1と、スイッチ素子M1及びM2の各ドレインとに接続される。
【0042】
図8に示す第4変形例の負荷駆動装置1は、図1に示す負荷駆動装置1と比較して、半導体集積回路装置10に外付け接続される外付け部品の個数を削減することができる。
【0043】
<車両への適用>
図9は、車両の一構成例を示す外観図である。本構成例の車両Xは、バッテリ(本図では不図示)と、バッテリから電力供給を受けて動作する種々の電子機器X11~X18とを搭載している。なお、本図における電子機器X11~X18の搭載位置については、図示の便宜上、実際とは異なる場合がある。
【0044】
電子機器X11は、エンジンに関連する制御(インジェクション制御、電子スロットル制御、アイドリング制御、酸素センサヒータ制御、及び、オートクルーズ制御など)を行うエンジンコントロールユニットである。
【0045】
電子機器X12は、HID[high intensity discharged lamp]、DRL[daytime running lamp]などの点消灯制御を行うランプコントロールユニットである。
【0046】
電子機器X13は、トランスミッションに関連する制御を行うトランスミッションコントロールユニットである。
【0047】
電子機器X14は、車両Xの運動に関連する制御(ABS[anti-lock brake system]制御、EPS[electric power steering]制御、電子サスペンション制御など)を行うボディコントロールユニットである。
【0048】
電子機器X15は、ドアロック、防犯アラームなどの駆動制御を行うセキュリティコントロールユニットである。
【0049】
電子機器X16は、ワイパー、電動ドアミラー、パワーウィンドウ、ダンパー(ショックアブソーバー)、電動サンルーフ、及び、電動シートなど、標準装備品又はメーカーオプション品として、工場出荷段階で車両Xに組み込まれている電子機器である。
【0050】
電子機器X17は、車載A/V[audio/visual]機器、カーナビゲーションシステム、及び、ETC[electronic toll collection system]など、ユーザオプション品として任意で車両Xに装着される電子機器である。
【0051】
電子機器X18は、車載ブロア、オイルポンプ、ウォーターポンプ、バッテリ冷却ファンなど、高耐圧系モータを備えた電子機器である。
【0052】
なお、先に説明した負荷駆動装置1及びECU2は、電子機器X11~X18のいずれにも組み込むことが可能である。また、先に説明した負荷駆動装置1の搭載先としては、車両に限定されず、例えば産業機器又は民生機器に搭載されてもよい。
【0053】
<その他>
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。これまでに説明してきた各種の実施形態及び変形例は、矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0054】
<付記>
上述の実施形態にて具体的構成例が示された本開示について付記を設ける。
【0055】
本開示の負荷駆動装置(1)は、負荷(LD1)と、前記負荷に並列接続されるように構成された抵抗(R1)と、スイッチ装置(10)と、を備える負荷駆動装置であって、前記スイッチ装置は、前記負荷及び前記抵抗が接続されるように構成された出力端子(T1)と、グランド電位に接続されるように構成された接地端子(T2)と、前記出力端子と前記接地端子との間に接続されるように構成された第1スイッチ素子(M1)と、前記第1スイッチ素子を流れる出力電流と、第1閾値、前記第1閾値より大きい第2閾値それぞれとの大小関係に基づいて、前記出力端子の負荷オープンと前記出力端子の地絡とを判別するように構成された異常検出回路(13)と、を備える構成(第1の構成)である。
【0056】
上記第1の構成の負荷駆動装置において、前記異常検出回路は、前記出力端子に接続されるように構成された第2スイッチ素子(M2)と、前記第2スイッチ素子と前記接地端子との間に接続されるように構成されたセンス抵抗(R2)と、を含む構成(第2の構成)であってもよい。
【0057】
上記第2の構成の負荷駆動装置において、前記異常検出回路は、前記第2スイッチ素子と前記センス抵抗との接続ノードに発生する検出電圧と前記第1閾値に対応する第1基準電圧とを比較するように構成された第1コンパレータ(COM1)と、前記検出電圧と前記第2閾値に対応する第2基準電圧とを比較するように構成された第2コンパレータ(COM2)と、を含む構成(第3の構成)であってもよい。
【0058】
上記第2の構成の負荷駆動装置において、前記異常検出回路は、前記第2スイッチ素子と前記センス抵抗との接続ノードに発生する検出電圧と基準電圧とを比較するように構成されたコンパレータ(COM3)を含み、前記基準電圧は、前記第1閾値に対応する第1基準電圧と前記第2閾値に対応する第2基準電圧とに時分割で切り替わる構成(第4の構成)であってもよい。
【0059】
上記第1~第4いずれかの構成の負荷駆動装置において、前記スイッチ装置は、制御端子(T3、T9)を備え、前記制御端子に印加される電圧に基づき、前記異常検出回路の動作、非動作を切り替えるように構成されている構成(第5の構成)であってもよい。
【0060】
上記第1~第5いずれかの構成の負荷駆動装置において、前記スイッチ装置は、前記異常検出回路の検出結果を前記スイッチ装置の外部に出力するための外部出力端子(T5、T6、T8、T10)を備える構成(第6の構成)であってもよい。
【0061】
本開示の電子機器(X11~X18)は、上記第6の構成の負荷駆動装置を備える構成(第7の構成)である。
【0062】
本開示の車両(X)は、上記第7の構成の電子機器を備える構成(第8の構成)である。
【符号の説明】
【0063】
1 負荷駆動装置
2 ECU
10 半導体集積回路装置
11 制御回路
12 内部電源部
13 異常検出回路
14 信号生成回路
LD1 負荷
M1、M2 スイッチ素子
R1、R2 抵抗
REF1、REF2 基準電圧源
SW1 スイッチ
T1 出力端子
T2 接地端子
T3 スタンバイ端子
T4 入力端子
T5、T6、T8、T10 外部出力端子
T7、T11 電源端子
T9 イネーブル端子
X 車両
X11~X18 電子機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9